ほむら「まどかと過ごす1日」 (118)

まどマギの百合物です
2回に分けて投下する予定です

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ピピピピピピピピ

ほむら「……ん…朝……」

ほむら「今日も…いい天気ね……」

ほむら「……ふぅ。そろそろ起きないと。顔洗って、それから朝食……」

ほむら「……っと。その前にこの子を起こさないと」

まどか「すぅ……」

ほむら「まどか、起きて。朝よ」

まどか「ん…ぅ……」

ほむら「ほら、起きなさい。遅刻するわよ」

まどか「……んぁ…ほむら、ちゃん……」

ほむら「おはよう、まどか。起きたのなら顔を洗って……」

まどか「……」ギュウ

ほむら「まどか?」

まどか「……すぅ」

ほむら「ま、まどか?私を抱きしめたまま寝ちゃ駄目……」

まどか「んー…うぇへへ……」

ほむら「あ…ちょ、首筋に顔、埋めない、で……」

まどか「すぅ……」

ほむら「……もう。仕方ないわね」

まどか「……ん、あ…朝……?」

ほむら「おはよう、まどか。目が覚めた?」

まどか「ほむらちゃん、おはよう。……あれ?」

まどか「わたし、何でほむらちゃんを抱きしめて……?」

ほむら「1度起こしたのだけど、寝ぼけてたみたいでそのまま……」

まどか「そ、そうだったんだ。ごめんね」

ほむら「別に構わないけど…いつもみたいにのんびりしてられないわ」

まどか「今の時間って…うわ、もうこんな時間なの?」

ほむら「まだ十分間に合うから大丈夫よ。ほら、まどかは顔洗って着替えて来なさい」

ほむら「私はその間に朝食を用意しておくわ」

まどか「うん。ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「いつものことじゃない。……さ、起きましょうか」

――――――

まどか「ほむらちゃん、朝ご飯できてる?」

ほむら「えぇ。……と言っても、今日は時間がないからパンにしたけど」

まどか「……ま、まぁ、仕方ないよね。時間ないんだから」

ほむら「そんなにがっかりしなくてもちゃんとお弁当は用意してあるわ」

まどか「べ、別にそんなのじゃないもん。それより、早く食べよう」

ほむら「そうね。じゃあ、朝食にしましょうか」

まどか「いただきます、ほむらちゃん」

ほむら「……そう言えば、まどかは来週はどうするの?」

まどか「んー、いつも通りのつもりだよ」

ほむら「そう…わかったわ。1度家に戻るのもいつも通り日曜日でいいのね?」

まどか「うん。……でも、何だかわたしが押しかけてるみたいで悪い気がするよ」

ほむら「私は別に構わないわ。それに、まどかの家は家族の方がいるでしょう?」

まどか「そうだけど…でも、パパもママも気にしないどころか歓迎してくれると思うよ?」

ほむら「これは私の考え方なのだけど……」

ほむら「鹿目家の中に私が行くのと、1人暮らししてる私のところにまどかが来るのは別物なの」

まどか「そういうものなの?」

ほむら「そういうものなのよ」

まどか「うーん、旅行か何かにみんなで行ってもらえれば…ママの出張でもいいんだけど……」

ほむら「難しいんじゃないかしら……」

まどか「わたしの家にも来てもらいたいんだけどなぁ」

ほむら「まぁ、気が向いたら私がまどかの家にお邪魔するわ」

まどか「もー。ほむらちゃん、来る気あるのー?」

ほむら「どうかしらね。ただ、私は今のこの関係が1番幸せだと思うけど?」

まどか「う…そ、それはわたしだって……」

ほむら「ならいいじゃない、このままで」

まどか「でもなー……」

ほむら「……それに、まどかにはいつかこの家に…私のところに来てもらうんだから」

まどか「……そっかー。ほむらちゃんはわたしに『暁美まどか』になってほしいんだー」

ほむら「……な、無し。今の無しで」

まどか「無しになんてできるわけないよ。もうプロポーズの言葉だよ、今の」

まどか「わたしとしてはすぐにでもそうしたいけど、まだ中学生だからねー……」

ほむら「そ、そんなことはいいから早く食べないと遅れるわよ」

まどか「あ…それもそうだね。洗い物もあるし、早く食べないと」

ほむら「ごちそうさま。私、支度をして来るから…洗い物、お願いできる?」

まどか「うん、わかった。……ごちそうさま、ほむらちゃん。今日もおいしかったよ」

ほむら「そう?ありがとう。……じゃ、頼むわね」

まどか「……よし。ささっと終わらせようかな」

まどか「……これでおしまい、っと」

まどか「洗い物終わったけど、ほむらちゃんは…まだ、だね」

まどか「もうやることはないし、ほむらちゃんが来るまで待って……」

Prrrrrrrr

まどか「あれ、電話…さやかちゃんから?」ピッ

まどか「もしもし?さやかちゃん、どうしたの?」

さやか『あ、まどか。どうしたも何も、まだ来ないの?そろそろ時間、ヤバいよ?』

まどか「え?」

ほむら「ま、まどか!」

まどか「ほむらちゃん?どうしたの、そんなに慌てて……」

さやか『ほむら?何でこんな朝からほむらが……』

ほむら「あの目覚まし時計、時間が狂ってたみたいで…急がないと遅刻するわ!」

まどか「え!?な、何で!?」

ほむら「何かの弾みで針を動かしてしまったのか、電池が弱ってるのか…って、それは今どうでもいいの!」

ほむら「もうのんびり歩いてたら間に合わないわ!カバンは私が持つから、学校まで走るわよ!」

まどか「うえっ!?そ、そんなぁ……」

ほむら「あぁもう、何で気が付かなかったのかしら」

まどか「さ、さやかちゃん?わたしたち、これから家を出るから先に行ってて」

さやか『言われなくてもそうするよ。それより、何で2人が一緒にいるのか教えてよ?』

まどか「え…えっと、それは……」

ほむら「まどか!行くわよ!」

まどか「う、うん!……さやかちゃん、またあとでね」

さやか『あいよ。ま、遅刻しないように頑張って』プツッ

まどか「ほむらちゃん!忘れ物、ないよね!?お弁当、持ってる!?」

ほむら「こんなときにまでお弁当の心配…持ったから大丈夫、急ぎましょう!」

――――――

早乙女「それでは出席を取ります。えーと……」

さやか(あーあ、ホームルーム始まっちゃったよ……)

早乙女「……暁美さん。暁美さん?いないのかしら、珍しいわね」

さやか(ほむら、アウトー。……苗字が『あ』だから仕方ないか)

早乙女「……鹿目さん。鹿目さんも……?美樹さん、何か聞いてない?」

さやか「あー、えーっと……」

まどか「お、おはよう…ございます……!」ガラ

ほむら「ハァ…ハァ…すいません、遅く…なりました……」

早乙女「暁美さんに鹿目さん…2人揃って遅刻よ?」

まどか「ご、ごめん…なさ……」

早乙女「今回は大目に見るけど…次からは遅刻しないように」

ほむら「は、はい……」

早乙女「それじゃ2人とも席に着いて。えーと、鹿目さんの次は……」

――――――

さやか「おはよ、2人とも」

まどか「おはよう、さやかちゃん……」

ほむら「おはよう……。まどか、大丈夫……?」

まどか「うん、何とか……。ほむらちゃんは…大丈夫みたいだね」

さやか「全く、2人揃って遅刻なんてさ。それに、大目に見てもらっちゃって。あたしとは大違いだよ」

ほむら「……さやかの場合、常習者だからじゃないの?」

さやか「……それより、電話したとき何で一緒にいたのさ。教えてよ」

ほむら「別に…ただまどかが私の家に泊まりに来てただけよ」

さやか「まどかがほむらの家に?……あれ、でも先週もそんなこと言ってなかった?」

まどか「うん。先週も泊まってたもん」

さやか「せ、先週も?……あの、どの程度の頻度で?」

ほむら「そうね…最近は週に5日か6日ってところかしら」

まどか「先週は6日だったよ」

さやか「……それ、もう同棲って言うんじゃないのかな」

まどか「そうなる…のかな。週に1日家に戻るけど、それ以外はずっと一緒だし」

さやか「全然知らなかった……。いつからなの?」

ほむら「もうそれなりになるわね。えっと…来週の日曜日で3ヶ月ね」

さやか「……マジで?そんな前からなの?」

まどか「あれ、話したことなかったっけ」

さやか「2人が付き合ってるのは知ってるけど、同棲してるとまでは……」

ほむら「じゃあ、改めて教えてあげる。私とまどか、一緒に住んでるの」

さやか「いや、うん、あの…まどか、よく許可してもらえたね」

まどか「ダメ元でママに話してみたの。ほむらちゃんと一緒に住んでみたいって」

まどか「そしたら、思いのほかあっさりと許してもらえたんだ」

さやか「あぁ、そうなの……」

ほむら「初めのうちは週3日くらいだったのに、今は私の家にいることの方が多くなったわね」

まどか「最初は色々不安だったから。でも、最近はほむらちゃんと一緒に暮らすのが楽しくて仕方ないよ」

ほむら「そうね。まどかと過ごす毎日が楽しくて、嬉しくて…とても幸せ」

さやか「わかった。わかったからノロけないで。今のあたしには辛いものが……」

ほむら「さやかも大変ね。まだ決着がつかないのでしょう?」

さやか「うん…今日は仁美のターンなんだけど……」

まどか「……いつまで続くの、それ」

さやか「いつまでだろうね……。そろそろあたしも仁美もあいつの顔面ひっぱたくかも……」

まどか「あ…ほむらちゃん、櫛持って来てない?」

ほむら「え?あるけど…どうかしたの?」

まどか「えっと、ほむらちゃん、髪が整ってなくて……」

さやか「あー…朝は時間なかったみたいだし、そのあと走ったからだろうね。あちこちハネてるよ」

ほむら「そう…誰か鏡を貸してくれないかしら」

まどか「わたしがやるよ。ほむらちゃんは座ってて」

ほむら「じゃあ、お願いするわね」

まどか「うん。いつも以上に素敵にしてあげるね」

ほむら「別にいつも通りでいいのに……」

まどか「わたしがやるんだからそれじゃダメだよ。……それにしても」

まどか「ほむらちゃんの髪って綺麗だなぁ。黒くて、長くて……」

ほむら「まどかは長い髪が好きなの?」

まどか「え?違うよ、長い髪のほむらちゃんが大好きなの」

まどか「かわいくて、美人で、かっこよくて…すごく素敵だもん」

ほむら「ふふ、ありがとう、まどか」

まどか「家でいつも見てるけど…手入れ、大変じゃない?」

ほむら「もう慣れてるってのもあるけど……」

ほむら「まどかに素敵だと…好きだと言ってもらえる以上、苦に思ったことはないわね」

まどか「そっか…わたしにはどんな髪型が似合うかなぁ」

ほむら「まどかは…そうね、髪を下ろした姿もいいけど、やっぱりその髪型が1番可愛いわ」

さやか「……甘い。家じゃどんだけ甘ったるいんだか……」

まどか「はい、おしまい。いつもより3割増しくらいで素敵だよ」

ほむら「ありがとう。……まどかは私の髪を梳かすの、上手ね。しっかり整ってる」

まどか「当然だよ。ほむらちゃんの髪を梳かしてもいいのはわたしだけなんだから」

ほむら「私としてもまどか以外に任せるつもりは無いわ」

まどか「いつか4割増しにできるようにがんばるね」

ほむら「えぇ、楽しみにしてるわね」

さやか「たかが髪梳かすだけでそれだけイチャコラできるとはねぇ……」

ほむら「ほら、そろそろ授業が始まるから席に戻りなさい」

まどか「うん。もっと話していたいんだけどな」

さやか「こらー、無視するなー」

ほむら「……いい?私とまどかにとって全ての物事は好きな人とのイベントになるの」

まどか「さやかちゃんも付き合ったらきっとわかるよ」

さやか「ぐぬぬ…まさかまどかにそう言われるなんて……」

まどか「それじゃほむらちゃん、またあとでね」

ほむら「えぇ。……1時間目は何の授業だったかしら」

――授業中――

さやか「……うーむ」

さやか(例題を見てもさっぱりわからん。どうしたもんか)

まどか「さやかちゃん、わかる……?」

さやか「わかるわけないじゃん。さっぱりだよ」

まどか「わたしもよくわからなくて……」

さやか「ほむらならわかるだろうし…ちょっと聞いてみるか」

まどか「えぇー…怒られるよー……?」

さやか「大丈夫だって。よーし、それじゃほむらにテレパシーを……」

ほむら「これで合ってると思うけど……」

さやか(ほむらー、聞こえるー?)

ほむら(何か用かしら?授業中よ)

さやか(いやさー、例題見ても意味不明で困っちゃって)

ほむら(……それで?)

さやか(答え、教えてくれないかなーって)

ほむら(愚かね、美樹さやか。教えるわけないでしょう)

さやか(へー、そんなこと言っていいの?)

ほむら(……?)

さやか(まどかもさっぱりわからんって言ってるよ?まどかを助けると思って教えてよ)

さやか(あんたの愛しのまどかが困ってるのを見過ごしてもいいの?)

ほむら(あなたはどこまで愚かなの?まどかがわからないからって私が教えるとでも?)

さやか(……え?)

ほむら(答えだけ教えたって無意味でしょう。本人が理解しなくてどうするの)

さやか(そ、それは…その……)

ほむら(用件はそれだけね。それじゃ頑張りなさい)

さやか(あ、ちょっ……)

さやか「……どうしよ」

――昼休み――

ほむら「ふぅ。やっとお昼ね……」

まどか「ほむらちゃん、お昼食べようよ」

ほむら「まどか…えぇ、そうしましょうか」

さやか「ほーむーらー。さっきはよくもー……」

ほむら「答えをテレパシーで聞く暇があったら解く努力をしなさいよ」

さやか「だけどさー…まどかが好きなんでしょ?それなら……」

ほむら「はぁ……。確かにまどかのことは愛してるわよ。心の底から」

ほむら「だからこそ、まどかの為にならないことをするわけにはいかないの」

さやか「もう普通に愛してるって言ってるのはスルーしていいよね……」

まどか「ほ、ほら。そのくらいにして、お昼にしよう?」

ほむら「そうね。今日は…どうしましょうか」

さやか「んー…天気いいし、マミさん誘って屋上行かない?」

まどか「それじゃ、そうしよっか。楽しみだなぁ、ほむらちゃんのお弁当」

さやか「マミさんには今連絡するから、あたしたちは屋上に向かってようか」

ほむら「決まったのなら、行きましょうか」

――――――

さやか「うーっし、お昼だー!いただきまーす!」

マミ「ありがとう、わざわざ誘ってくれて」

さやか「気にしないでくださいよ。それに……」

マミ「それに?」

さやか「……あたしひとりじゃちょっと耐えきれないと思いまして」

マミ「あぁ…そういう……」

さやか「ごめんなさい、マミさん……」

マミ「……気にしないで」

ほむら「まどか。はい、あーん」

まどか「あーん」

ほむら「……どうかしら?」

まどか「……うん、おいしい。今日のお弁当もすごくおいしいよ」

ほむら「そう…よかった。今日はあまり時間がなかったから少し不安で……」

まどか「ほむらちゃんの作るお弁当だもん。おいしいに決まってるよ」

ほむら「まどかの美味しいって一言が何よりも嬉しいわ」

さやか「ちょっと。さっそく2人の世界に入らないでよ」

ほむら「……別にそんなつもりはないのだけど」

さやか「どの口が言うのよ……」

マミ「でも凄いわね。そのお弁当、暁美さんが作ったんでしょう?」

まどか「最初のうちはわたしよりもできなかったのにね」

ほむら「まどかの為なら私に不可能は無いわ」

ほむら「それに、まどかに美味しいものを食べてもらいたいから」

マミ「鹿目さんはお弁当を作ったりしないの?」

まどか「今日はほむらちゃんが料理当番なんで。日替わりでやってるんです」

まどか「朝昼晩とほむらちゃんの料理が食べられて…幸せだなぁ」

ほむら「私はまどかの当番の日は少なからず心躍るわ。明日が待ち遠しい……」

マミ「……まるでいつも一緒にいるみたいな口ぶりだけど、どういうことなの?」

さやか「……あんたたち、誰にも言ってないの?」

ほむら「言うほどのことじゃないと思って。現に知らなくても何の問題もなかったでしょう?」

さやか「はぁ……。あのですね、実はこの2人、同棲してまして……」

マミ「ど、同棲…2人が恋人ってことは知ってたけど、いつの間に……」

さやか「あたしも今日初めて知って……」

まどか「ほむらちゃんほど上手じゃないけど…明日のお弁当、楽しみにしててね」

ほむら「えぇ、期待してるわ」

まどか「……ごちそうさま。おいしかったー」

ほむら「今日のお弁当は何点だったかしら」

まどか「え?うーん…星みっつ、かな」

ほむら「点数聞いてるのに。でも、よかったわ」

さやか「ごっそさんでした。……何食べても甘く感じたのは気のせいだよね、うん」

マミ「私も覚悟はしていたけど、こうも見せつけられちゃうとね……」

ほむら「恋人なのだから、このくらいは当然じゃない」

まどか「家じゃ割とよくやってるよ?」

さやか「いや、ここあんたらの家じゃないから」

マミ「あなたたち、同棲してるのよね。家で2人のときはどう過ごしてるの?」

さやか「ダメですってマミさん。それ聞いちゃダメな奴です」

まどか「そうですね…昨日はわたしの作った夕飯を食べて、宿題やって、一緒にお風呂に入って……」

マミ「お風呂も一緒なのね……。それから?」

まどか「それからテレビを見て、ほむらちゃんをウェヒってあげて……」

さやか「待って。ストップ。……ほむらを何だって?」

まどか「だからウェヒってあげたんだよ」

さやか「……正直聞くのも怖いんだけど…ウェヒるって何?」

まどか「ほむらちゃんを…ね。気持ちよくしてあげるの」

さやか「き、気持ちよく……?」

ほむら「服を着てるとやりづらいみたいだから…薄着になってベッドに横に……」

ほむら「あとはもうまどかのなすがままに……」

さやか「ちょちょちょ、何やってんのあんたら!?」

さやか「……いや、恋人だから、その…そういうことしてもおかしくないんだろうけど、言うかね、そういうこと」

ほむら「とにかく…凄いのよ、まどか。凄く上手で……」

さやか「言わんでいいって!」

まどか「普段はそれで終わりだけど、ほむらちゃんが溜まってるときは全身くまなく……」

ほむら「まどか以外には見せられない顔してるんじゃないかしら、そのときの私は」

まどか「ふにゃふにゃに蕩けた顔で…あんなにかわいいほむらちゃんは誰にも見せられないかな」

さやか「ななな、何言ってんのこの子たちは!?ふ、不健全でしょうが!」

マミ「ねぇ美樹さん、これって……」

さやか「そ、そういうのは言いふらしちゃダメなの!わかるでしょ!」

さやか「ま、マミさんからも何か言ってくださいよ!付き合ってるからってこんな……」

ほむら「……さやかが何を想像してるかは知らないけど、ただのマッサージの話よ?これ」

さやか「……はい?」

ほむら「私が疲れたときはまどかがマッサージしてくれるのよ」

ほむら「特に今週は魔女や使い魔の数が多くて…参っちゃうわ」

まどか「昨日は何もなかったみたいだけど、ほむらちゃん、疲れた顔してたから」

ほむら「おかげで今日はとても調子がいいわ。ありがとう、まどか」

さやか「た、ただのマッサージなら何でそんな変な言い方……」

ほむら「さっきも言ったけど…まどか、マッサージが上手なのよ」

まどか「よくママにしてあげてたからね」

ほむら「あまりに上手で…変な声出ちゃうのよ。それをまどかがウェヒってるって……」

マミ「暁美さんに変な声出させるのがウェヒらせる、ってことね……」

さやか「あー…でもよかったよ。あたしはてっきり……」

まどか「てっきり…何なのかな?さやかちゃん」

さやか「え、あ、いや…な、何でも……」

ほむら「あれだけ大騒ぎしておいて何でもないはないでしょう。何を想像してたのかしら?」

さやか「……て、てっきり何かいかがわしいことだと」

マミ「美樹さん……」

さやか「だ、だって仕方ないじゃないですか!あんな言い方されたら誰だって……!」

マミ「でも大丈夫なの?辛いのならしばらく休んでもらっても……」

ほむら「今のところは大丈夫よ。その心遣いだけ貰っておくわ」

マミ「そう……。でも、無理はしちゃ駄目よ」

まどか「ほむらちゃんに何かあったら…わたし、泣いちゃうんだからね」

ほむら「わかってるわ。まどかを悲しませることは絶対にしないから」

さやか「……あのー」

ほむら「何?むっつりさやか」

さやか「む、むっつり言うな。そろそろ昼休み終わるし…戻らない?」

ほむら「あら、本当ね……。それじゃ戻りましょうか」

マミ「そうね。……でも何だかまだ話し足りない気がするわ」

まどか「あ、それなら放課後にわたしたちの家に遊びに来ませんか?」

マミ「暁美さん、いいの?」

ほむら「別に構わないけど」

マミ「それじゃお邪魔させてもらうわ。美樹さんと一緒に」

さやか「ちょ、待ってくださいよ!何であたしまで……」

マミ「先に私を呼んだのは美樹さんじゃない」

さやか「そ、それはそうですけど…ぐぬぬ、こうなったら杏子も呼んで道連れに……」

ほむら「私たちを何だと思ってるの……」

さやか「だってどうせ家だから誰も見てないと思って今以上にゲロ甘オーラ出すんでしょうが」

まどか「まぁ…家だから気が緩んじゃうのは仕方ないよ」

さやか「はぁ……。ま、いいや。んじゃ放課後にみんなで遊びに行くよ」

ほむら「わかったわ。……さて、それじゃ教室に戻りましょうか」

まどか「うん。みんなが遊びに来るなんて…放課後が楽しみだよ」

マミ「私も楽しみよ。色んな意味で」

さやか「杏子に連絡はー…圏内にいてくれてるかなー……」

今回はここまで
次回投下は16日夜を予定しています

超延期しちゃった超しにたい

いろんな事情で投下できなかった…ごめんなさい
続きは18日夜に投下予定です

お待たせしてしまってごめんなさい
今回の分で完結の予定です

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――放課後 ほむらの家――

マミ「……」

さやか「……」

ほむら「どうしたの、2人とも。部屋に入った途端に」

さやか「いや…ほむらの家に来るのってあのとき以来だから……」

マミ「まさかこんな素敵な部屋になってるなんて思いもしなくて……」

杏子「……で、何でアタシまで連れて来られたんだ?」

さやか「きょ、杏子は何とも思わないの?この部屋に……」

杏子「あぁ、アタシはもう何度か来てるからな。初めてこの部屋見たときは驚いたけどよ」

まどか「杏子ちゃんには何度かほむらちゃんの料理を食べに来てもらったの」

杏子「タダで飯食わせてくれるって言うから引き受けたものの……」

杏子「最初のうちは微妙な料理出されるわ、来る度にイチャついてるの見せられるわで……」

さやか「あぁ…それはご愁傷様で……」

ほむら「おかげでまどかに最高の手料理を出せるようになったわ。ありがとう、杏子」

杏子「そーかい、そりゃよかったな……」

マミ「お昼のときも思ったのだけど、あの暁美さんがこうも家庭的になるなんてね」

さやか「昔なんて栄養があればいいってカロ○ーメイトばっかり食べてましたっけ」

ほむら「まどかと付き合って、いざ一緒に住んでみると何もできなくて…これじゃ駄目だと思い知らされたの」

ほむら「……愛情は最高の調味料って言葉は料理のできる人だけが言っていいことだから」

まどか「それからほむらちゃん、ものすごく料理をがんばったの。わたしと一緒に住むのならって模様替えもしたし」

マミ「確かに…あのときとは比べものにならないくらい素敵よ」

杏子「昔はとても人が住んでるとは思えなかったな。生活感ゼロの家で」

さやか「今はちゃんと生活感があるよ。……2人分の生々しい生活感が」

ほむら「当たり前じゃない。一緒に住んでるんだから」

マミ「お箸やカップに食器類…洗面所には歯ブラシが2本置いてあるんじゃないかしら……」

ほむら「そうやってどこに何が置いてあるか推測するのはやめなさい」

マミ「あ…ご、ごめんなさい。つい……」

ほむら「ついじゃないわよ、全く……」

杏子「それよりもさ、何かお菓子は出ないのか?」

ほむら「ここはマミの家じゃないのよ?……昨日まどかが作ったクッキーとコーヒーでいいわね」

さやか「っと、悪いんだけどお手洗い貸してもらえる?」

ほむら「構わないけど…余計なところを覗くんじゃないわよ」

さやか「わ、わかってるよ。んじゃちょっと借りるね」

ほむら「私はキッチンに。少しの間、3人で話でもしてて頂戴」

杏子「3人で話してろって言ってもな」

マミ「そうねぇ。……暁美さんがいないうちに聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」

まどか「はい、何ですか?」

マミ「鹿目さんは今のこの生活をどう思ってる?」

まどか「どうって…うーん、そうですね……」

まどか「毎日が楽しくて仕方ない、って感じですかね」

まどか「ほむらちゃんとこうして一緒に暮らせて…すごく幸せなんです」

マミ「でも、同棲となると大変なこともあるんじゃない?」

まどか「確かに…最初のうちは大変でしたね。ほむらちゃんも1人のときとは勝手が違うみたいで……」

まどか「わたし、パパの手伝いばかりだったから家事はあまり……」

マミ「暁美さんも1人暮らしはしていたけど、家庭的という方ではなかったわね」

まどか「それが少し不安だったんですけど、一緒に暮らしてるうちに慣れちゃいました」

まどか「今はわたしとほむらちゃん、2人で支え合って暮らしてます」

マミ「いいわねぇ、そういうのって。……ねぇ佐倉さん、私たちもやってみない?」

杏子「はぁ!?あ、アタシとか!?」

マミ「だって暁美さんと鹿目さんは付き合ってるし、美樹さんは好きな人がいるし……」

杏子「い、一緒に住むってのはまだいいが…言っとくけどアタシにそっちの気はないからな?」

マミ「あら、私は佐倉さんとなら構わないと思ってるけど……」

杏子「じょ、冗談じゃねぇぞ!絶対に行かないからな!」

まどか「マミさん、杏子ちゃん。おめでとう」

杏子「祝ってないで助けろ!」

マミ「わからないことだらけで、色々教えてもらえると助かるわ」

まどか「はい、任せてください」

杏子「人の話聞けよ!」

――――――

さやか「ふふふ……」

さやか(お手洗いってのはもちろんウソ。生活感の話をしたせいか、寝室が気になって気になって)

さやか(あんまりもたもたしてると怪しまれるし…行動は迅速に、っと)

さやか「えーと、寝室は…ここかな?」ガチャ

さやか「……違う。じゃあこっち?」ガチャ

さやか「また違った……。それじゃ、ここはどうだ?」ガチャ

さやか「……うん、ここだ。ベッドが置いてあるし、間違いないね」

さやか「しかし何の変哲もない寝室だね。着替えでも投げっぱになってりゃ面白いんだけど……」

さやか「あ、これが遅刻の原因の目覚ましかな。止まっちゃってる」

さやか「うーん…他には何か……」

さやか「……ベッドの上に枕が2つ……。本人いないところでも見せつけられるなんて……」

さやか「でもこのサイズのベッドだと手狭じゃ…いや、その方が2人にとってはいいんだろうね」

さやか「……あの2人、一緒に寝てるってことは…密着、してるんだよね。抱き合うっていうか……」

さやか「2人が…抱き合って、密着……」

さやか「……も、もう戻ろう。何か変なものに中てられそうだし」

さやか「はぁ……」バタン

まどか「あ、おかえり」

さやか「あぁ、うん……」

マミ「それじゃ佐倉さん、楽しみにしてるわね」

杏子「わかったけど…手ぇ出したらマジでブッ飛ばすからな」

マミ「大丈夫、あれは冗談だから」

杏子「冗談に聞こえねーんだよ……」

さやか「何?あたしがいない間に何があったの?」

まどか「マミさんのところに杏子ちゃんが泊まりに行くんだって」

さやか「へー。楽しんできなよ」

ほむら「お待たせ。クッキーとコーヒーよ」

ほむら「砂糖とミルクは…わからないから必要なら自分で入れて頂戴」

マミ(コーヒーには砂糖を入れたいんだけど……)

さやか(こいつらがいることを考えると…無糖でもまだ甘い……)

杏子(とりあえずミルクだけ入れて様子を見るか……)

まどか「ほむらちゃん、わたしの分は?」

ほむら「いつも通り、砂糖2つとミルクをたっぷり入れてあるわ」

まどか「もう言わなくてもわかっちゃうんだね」

ほむら「まどかの好みは把握済みだから」

杏子「……で、これがまどかの作ったクッキーか」

まどか「うん。1日経ってるから味とか落ちてるかもしれないけど……」

さやか「ま、とりあえず食べてみるよ。いただきまーす」

まどか「ど、どうかな」

マミ「……美味しい。1日経ってるけど、十分すぎるほど美味しいわ」

まどか「そうですか…よかった」

ほむら「当然よ。まどかの作ってくれたものが美味しくないわけないじゃない」

まどか「料理はどうがんばってもほむらちゃんには勝てないから……」

まどか「わたしはおいしいお菓子を作れるようになろうかなぁ」

ほむら「それは楽しみね。食べ過ぎて太らないといいけど」

まどか「こ、怖いこと言わないでよ」

ほむら「まぁ、幸せ太りなら構わないかしらね」

杏子(あー、クッキーが甘くてどうしようもねぇな)

マミ(私、甘いものが食べられなくなったらどうしよう……)

さやか(こりゃもう砂糖のレベル超えてきたなぁ……)

ほむら「……そうそう、さやか。さっきどこに行ってたのかしら」

さやか「へ?だからお手洗いに……」

ほむら「……私、場所を教えた覚えはないのだけど?」

さやか「え、えーと…ま、前来たときにも借りたから……」

ほむら「そう。……あ、まどか。あなたの布団、畳んで寝室に置いといたから」

さやか「何言ってんの、ベッドひとつしかなかった……」

ほむら「おかしいわね。どうしてあなたがそれを知っているの?」

まどか「ねぇ、さやかちゃん。どういうことなのかな……?」

さやか「……ごめんなさい。覗きに行きました」

ほむら「はぁ……」

まどか「さやかちゃん……」

マミ「美樹さん、何してるの……」

さやか「だ、だって生活感がどうのって話してたら気になったんですもん」

杏子「そうだとしてもわざわざ覗きに行くか……?」

さやか「ほんとごめんなさい……」

ほむら「……まぁ、見られて困るようなものはなかったと思うけど」

さやか「うん。同じベッドに枕が2つ並んでたくらいしか見るとこなかったもん」

ほむら「あなたって人はどうして…いえ、もういいわ……」

さやか「一応聞くけど、ひとつのベッドに枕が2つって…つまり、そういうことなんだよね……?」

まどか「うん。毎日一緒に寝てるけど」

さやか「ま、毎日か……」

マミ「でも、正直羨ましいわ。そこまで想い合える人がいるなんて」

杏子「想い合ってるのはいいんだけどよ…空気が甘いんだよな……」

さやか「杏子はまだマシな方だよ。あたしなんか常時見せつけられてるんだからさ」

さやか「もうね、砂糖の蜂蜜漬けに練乳かけて食べてる感じ?」

ほむら「いくら何でも誇張が過ぎると思うんだけど……」

さやか「これでも甘さ控えめで表現したつもりですけど」

ほむら「でも私たちが学校でしてるのって抱きつくくらいのはずよ?」

まどか「そのくらいなら、女の子同士ならよくあることじゃない?」

さやか「あー…そうなんだけどさ、あんたたちの場合、雰囲気と行動がやりすぎなの」

ほむら「やりすぎって…どういうこと?」

さやか「今説明してあげる。……マミさん、ちょっといいですか?」

マミ「え?……あぁ、そういうことね」

さやか「行きますよー。マミさん、ぎゅーっ」

マミ「美樹さん、ぎゅー」

ほむら「……これの何が説明なの?」

さやか「今この状況が説明だっての。友達同士のよくある抱きつくのってせいぜいこのくらいなの」

ほむら「だからよくあることなんでしょう。なら構わないじゃない」

さやか「やりすぎだって言ってんでしょ。あんたたちの場合は抱きつくというより……」

さやか「抱きしめるとか抱擁って言った方が正しい気がする。恋人オーラだだ漏れだし」

ほむら「……いい?私とまどかは恋人なの。その恋人オーラとやらは知らないけど」

ほむら「恋人である以上、愛情表現は当然よ」

まどか「ほむらちゃん…嬉しい……」

ほむら「……おいで、まどか」

まどか「ん……」

ほむら「大丈夫?苦しくない?」

まどか「うん、平気……。ほむらちゃん……」

ほむら「あ…もう、首筋は駄目だって言ってるのに……」

まどか「えへへ……」

ほむら「まどか…可愛い……」

さやか「ちょっと!ストップストップ!」

ほむら「……何?いいところだったのに」

さやか「何を自然な流れで抱き合ってんのよ。あたしたちがいるのに2人の世界に入るなっての」

まどか「ご、ごめんね?」

さやか「反省してるのかね……。とまぁ、こんな感じですぐに」

杏子「あー…きっついな、こりゃ」

さやか「学校じゃここまでアウトな抱きしめ方してない…と信じたいけど」

マミ「……」

さやか「マミさん?どうかしました?」

マミ「……あ、いえ。何でもないわ」

さやか「そもそも愛情表現だとしても、何でそうすぐ抱き合うのさ」

まどか「だって…気持ちいいっていうか、幸せっていうか……」

マミ「……どういうこと?」

まどか「ほむらちゃんに抱きつくと必ず抱きしめ返してくれるし、それに……」

まどか「ほむらちゃんの体が柔らかくて、あったかくて、ほむらちゃんの匂いがして……」

まどか「すごく…安心できるんだ。わたし、ほむらちゃんに抱きしめてもらうの…大好き」

ほむら「そう言ってもらえると嬉しいわ。……もっと私に甘えてくれてもいいのよ?」

ほむら「私、まどかの甘え声が大好きだから。クラクラしちゃう程に」

まどか「じゃあ…今よりももっとほむらちゃんに甘えちゃうね」

さやか「お願いだからノロケないで。もうお腹いっぱいっていうか…胸がつかえてきた」

ほむら「それは無理な相談ね。世界一可愛いまどかがいるんだから」

まどか「やだもう、世界一だなんて……。ほむらちゃんだって世界一素敵だよ」

ほむら「まどかに世界一素敵と言ってもらえるなんて…私は幸せ者ね」

まどか「ほむらちゃんが隣にいてくれて…わたし、世界一幸せだよ」

ほむら「まどか……」

さやか「……ほんと、延々とイチャつけるんですね、あんたたちって」

ほむら「好きな人と一緒にいるのだから当然でしょう。恋をしているさやかにならわかると思うけど」

さやか「そんな無差別イチャコラわかってたまるか!」

杏子「アタシ、恋ってのはよくわからんけど……」

杏子「恋は人をめんどくさくするってことだけはよーくわかった」

さやか「それだけならいいんだけど…死ぬほど甘ったるい空気はどうにもならないよね。砂糖吐きそう……」

杏子「唾液が甘い気がしてきたよ。……もう結界だな、この空気」

マミ「でも…羨ましいわ、こんな甘い関係……。私もそんな風に……」

杏子「あ、やべ。マミがこの空気に中てられやがった」

さやか「マミさん、時々こうなっちゃうんだよね。あんたたち、いい加減にしなさいよ」

ほむら「私はただまどかに愛情表現をしてただけなのだけど」

さやか「濃すぎるっての。あんたたちの…サッカリンオーラが」

まどか「さ、サッカリンオーラ……」

杏子「……さて、と。マミもヤバいし、そろそろ帰るか」

さやか「んー、そうだね。マミさん、任せていい?」

杏子「仕方ねぇな……。ほら、マミ。帰るぞ」

マミ「うふふ…佐倉さん、私…幸せよ……」

杏子「何を想像してんだ、コイツは……」

まどか「みんな、今日は来てくれてありがとう。楽しかったよ」

ほむら「あなたたちならいつでも歓迎するわ」

さやか「ありがと。甘ったるい気分になりたくなったらまた来るよ」

杏子「んじゃ…ほむら、まどか。またな」

バタン

まどか「……ふぅ。楽しかったね」

ほむら「そうね。……だいぶ好き放題言われてしまったけど」

まどか「サッカリンなんて言われるとは思わなかったよ」

ほむら「……まぁそれはそれとして、夕飯にしましょうか。今日は何を……」

まどか「あ、リクエストがあるんだけど…いい?」

ほむら「構わないわ、材料があればだけど。何が食べたいの?」

まどか「わたし、オムライスが食べたいな」

ほむら「オムライスなら材料は大丈夫。……それじゃ、しばらく待っててね」

まどか「うん。楽しみだなぁ……」

――――――

ほむら「はい、お待たせ。オムライス、できあがったわ」

まどか「おいしそう……。いい匂いがしてきて待ちきれなかったよ」

ほむら「それじゃ仕上げに…お約束のケチャップ文字を……」

ほむら「……これでよし、と。さぁ、受け取って。これが私の気持ちよ」

まどか「……すごい。よくケチャップで『愛』って書けるね、ほむらちゃん」

ほむら「まどかへの愛の為なら私は何だってできるのよ。知ってるでしょ」

まどか「うん、知ってる。……どんな形でも、ほむらちゃんの愛が嬉しい」

まどか「……あ、じゃあほむらちゃんの分はわたしが書いてあげるよ」

ほむら「せっかくだし、お願いするわ。まどかは何を書いてくれるのかしら」

まどか「あんまり複雑なのは書けないから…えーと、こうして……」

まどか「……はい、できあがり。ほむらちゃん、受け取って?」

ほむら「これは…『LOVE』かしらね。ありがとう、まどか」

まどか「それじゃ、食べようよ」

ほむら「そうね。召し上がれ、まどか」

まどか「いただきまーす」

ほむら「……どうかしら?美味しい?」

まどか「……ほむらちゃん、また腕上げたんじゃない?すっごくおいしい」

まどか「わたし、こんなおいしいオムライス食べたことないよ。パパのよりおいしいかも」

ほむら「腕が上がったどうかはわからないけど…まどかに美味しいと言ってもらえて何よりよ」

まどか「でも、ほんと上手になったよね。最初の頃なんてひどかったのに」

ほむら「碌に料理なんてしたことなかったもの。初めて手料理を出したときのまどかの顔は今でも忘れられないわ」

まどか「玉子焼きって言われて出されたのが真っ黒になった何かだったら誰だってあんな顔になるよ」

ほむら「その私が今じゃまどかを飽きさせないだけのレパートリーを持つようになったわ」

ほむら「私がここまで上手くなれたのは…まどかがいてくれたからよ」

まどか「わたしはほむらちゃんを支えてあげただけ。これはほむらちゃんが変わろうとがんばった結果だよ」

ほむら「そうかしら?」

まどか「そうだよ」

ほむら「まどかがそう言うのなら…そういうことにしておきましょう」

まどか「……ふぅ。ごちそうさまー」

ほむら「今日の夕飯は星いくつだったかしら」

まどか「え?うーん…120点、かな」

ほむら「星の数聞いたのに。……私は洗い物してくるから、まどかはくつろいでるといいわ」

まどか「わたしも手伝うよ?」

ほむら「朝はまどかにお願いしちゃったから。そんなに量もないし、大丈夫よ」

ほむら「ぱぱっと片付けてくるから、少しだけ待ってて」

まどか「はーい。……ほむらちゃんが戻るまで何してようかな。テレビは……」

ほむら「……まどか、片付いたわ」

まどか「あ、おかえり。お疲れさま」

ほむら「何を見てたの?」

まどか「特にこれと決めて見てるわけじゃないかなー」

ほむら「今日は宿題も出てないし、どうしようかしら」

まどか「とりあえず、先にお風呂入る?今日はもう外に出ないだろうし」

ほむら「あら、入れるの?」

まどか「ほむらちゃんが洗い物してる間に沸かしておいたよ」

ほむら「それならお風呂に入ろうかしら。……一応聞くけど、今日はどうするの?」

まどか「え?やだなー、一緒に入るに決まってるよ」

ほむら「そ、そう。それじゃ行きましょうか」

――――――

まどか「はー……」

ほむら「……」

まどか「あったかいねー、ほむらちゃん」

ほむら「え、えぇ。そうね」

まどか「もー。まだ慣れないの?」

ほむら「ま、まだ少しだけ恥ずかしさが……」

まどか「もう何度も一緒に入ってるのに。わたしはもう慣れたよ?」

ほむら「そ、そう言われても……」

まどか「わたしとほむらちゃんは恋人なんだから、そんなに恥ずかしがる必要ないよ」

ほむら「で、でも……」

まどか「それとも…ほむらちゃんはわたしと一緒に入るのは…嫌?」

ほむら「そ、そんなわけないわ。まどかと一緒なのに嫌なんてことあるわけないじゃない」

まどか「よかった。もし迷惑になってたら…やめようかなって」

まどか「だけど…わたしはほむらちゃんと一緒がいいの。だから…ほむらちゃんも慣れてほしいな」

ほむら「……わかった。まだ少し時間がかかりそうだけど…慣れてみるわ」

まどか「うん。わたし、待ってるからね」

ほむら「さて、と。そろそろ体でも洗おうかしら」

まどか「それじゃ背中はわたしが洗ってあげるね」

ほむら「えぇ、お願いするわね」

まどか「任せてよ。わたしの背中はほむらちゃんにお願いするね」

ほむら「わかってるわ。いつものことだもの」

まどか「……それじゃ、洗うね」

まどか「……どうかな、痛くない?」

ほむら「……気持ちいい。最高よ」

まどか「力加減も洗い方もほむらちゃんが1番気持ちいいと思うようにしてるからね」

ほむら「……私がこうして身を任せられるのはまどかだけ。まどかになら…私の全てを預けられる」

ほむら「まどかのことは…心から信頼して、愛しているから……」

まどか「わたしだって。こうやって一緒にお風呂に入るなんて、家族以外じゃほむらちゃんが初めてだよ」

ほむら「そう…それは光栄ね」

まどか「……毎日見てるけど、ほむらちゃんって綺麗な体だよね。すらっとしてて、肌も白くて……」

ほむら「そう…かしら。不健康に見えない?」

まどか「わたしはすごく綺麗だと思うよ。ほむらちゃんと比べると、わたしは……」

ほむら「私と比べる必要なんてないでしょう。私は私、まどかはまどかなんだから」

ほむら「それに、まどかだって痩せすぎず太りすぎずで健康的じゃない。私は今のまどかが好きよ」

まどか「……ありがとう、嬉しいな。……はい、洗い終わったよ」

ほむら「次は私の番ね。それじゃ今度はまどかがこっちに座って……」

――――――

ほむら「……ふぅ。随分と長湯してしまったわね」

まどか「んー…でも楽しかったからいいよね」

ほむら「それは…まぁ……」

まどか「あとはほむらちゃんが早く慣れてくれたら言うことないんだけどなぁ」

ほむら「な、なるべく努力するわ」

まどか「それじゃこの話はここまでにして…まだ寝るには少し早いよね」

ほむら「まだ眠くはないし…どうしましょうか」

まどか「眠くなるまで何か話でもしようよ」

ほむら「そうね。それなら何か飲み物でも……」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「……ごめんなさい、まどか。私……」

まどか「……魔女が出たんだね」

ほむら「えぇ、そうだけど…どうしてわかったの?」

まどか「ほむらちゃんの顔見ればすぐわかるよ。ほんのちょっとだけど、険しい顔してたもん」

ほむら「まどかには敵わないわね……。そういうわけだから、行かないと……」

まどか「気をつけてね。ケガしたりしちゃ嫌だよ?」

ほむら「わかってる。……それじゃ、行って来るわ」

まどか「うん。行ってらっしゃい」

――――――

ほむら「……さて、結界はどこかしら。反応はこの辺りのはずだけど」

ほむら「全く、どうして私の当番の週に限ってこんなにワラワラと現れるのよ」

ほむら「連戦のおかげで爆弾のストックが心許ないけど…やるしかないわね」

杏子「そんならアタシが手を貸してやろうか?」

ほむら「え?あら、杏子。どうしてここに?」

杏子「すぐそこのゲーセンで遊んでたら近くに反応が出たもんでな」

杏子「せっかくだし、手伝ってやろうと思って来てみたんだが…必要なかったか?」

ほむら「いえ、助かるわ。もう遅い時間だし、手早く片付けて帰りましょう」

杏子「だな。……結界も見つかったことだし、行くか」

ほむら「そうね。悪いけど、前衛をお願いできるかしら」

杏子「あぁ、任せとけ。援護は頼んだ」

ほむら「……じゃ、行くわよ」

杏子「おう」

――――――

ほむら「杏子、そっち行ったわ!」

杏子「わかってる!これで…終わりだっ!」

魔女「!!」

ほむら「……ふぅ。やっと倒せたわね。だいぶ時間かかってしまったわ」

杏子「仕方ねぇよ。結界はやたらと入り組んで、魔女はちょこまか逃げ回ってたんだからさ」

ほむら「無事に倒せたことだし、帰りましょうか。ありがとう、杏子」

杏子「気にすんなって。……んじゃ、アタシは帰るよ。お疲れさん」

ほむら「えぇ、お疲れさま。おやすみなさい」

ほむら「……私も早く帰らないと」

ほむら(全く、倒すのに手間取ったせいでこんな時間に……)

ほむら(さすがにまどかはもう寝てるでしょうね……。今日は一緒に寝られなかったわ)

ほむら(……まぁその代わりにまどかの寝顔を見られるからそれでよしとしましょう)

ほむら「ふぅ……。ようやく帰って来られたわね」

ほむら「まどかを起こしちゃ悪いし、そーっと入りましょう……」

ほむら「ただいま…って、電気点いてるわね……」

ほむら「まどか、まだ起きてるのかしら」

ほむら「……居間の電気が点いてる以上、まどかも起きてると思うけど」

ほむら「姿が見えないわね。まどか?まどか、起きてるの?」

まどか「あ、ほむらちゃん。おかえりなさい」

ほむら「ただいま、まどか。何をしていたの?」

まどか「明日のお弁当と朝ご飯の下準備をね。それより、疲れたでしょ。今何か持って来るね」

ほむら「そうね…それならまどかの美味しいココアをお願いするわ」

まどか「わかった、ちょっと待っててね」

まどか「……はい、お待たせ。少しだけ砂糖多めに入れてあるから」

ほむら「……美味しい。まどかのココアは最高ね」

まどか「よかった。でも何でココアなの?ほむらちゃん、コーヒーの方が好きじゃなかったっけ」

ほむら「疲れたときは甘いものが欲しくなるものでしょ?」

まどか「ほむらちゃん、いつもブラックだもんね」

ほむら「それに、確かにコーヒーは好きだけどまどかのココアはもっと好きよ」

まどか「そうなの?嬉しいなぁ」

ほむら「でも、まどかがまだ起きてるとは思わなかったわ。先に休んでてもよかったのよ?」

まどか「うん、ほんとはちょっと眠いんだけど…でも……」

まどか「わたしが先に寝ちゃうと…ほむらちゃん、真っ暗な家に帰って来ることになっちゃうから」

まどか「ほむらちゃんが疲れて帰って来るってわかってるのに、わたしだけ寝てるわけにもいかないよ」

ほむら「まどか…わざわざ私の為に……」

まどか「1番の理由はほむらちゃんと一緒じゃないとよく眠れないからなんだけどね」

ほむら「私も最近はまどかがいないと熟睡できないような……?」

まどか「わたしたち、お互いがいないとダメみたいだね」

ほむら「そうみたいね。まどか、早く私のところに来てくれないかしら」

まどか「まだ年齢がねー。もう少しだけ待っててほしいな」

ほむら「……ごちそうさま、まどか。美味しかったわ」

まどか「ほむらちゃんも帰って来たことだし…そろそろ寝ようよ」

ほむら「そうね。……あ、明日の準備をしないと」

まどか「それはわたしがしておいたから、大丈夫だよ」

ほむら「悪いわね、まどか」

まどか「わたしにできるのはこのくらいだから。ほら、もう寝よう?」

ほむら「もうすぐ日付も変わっちゃうのね……。これ以上の夜更かしはよくないし、休みましょうか」

まどか「……じゃあほむらちゃん、電気消すね」

ほむら「えぇ。……まどか、おいで」

まどか「言われなくても。今日はウェ…マッサージしなくてもよかったの?」

ほむら「昨日してもらったから大丈夫。確かに魔女と戦って疲れてはいるけど……」

ほむら「まどかを抱きしめて眠れば問題無い程度よ」ギュウ

まどか「わ…もう、いきなりはずるいよ」

ほむら「……まどかを抱きしめてると安心して眠れる。リラックスできるというか……」

まどか「わたしもだよ。ほむらちゃんと一緒に寝るようになってから寝不足になったことないもん」

ほむら「それはよかった。……お喋りはこのくらいにしてもう寝ましょう」

まどか「……もう、寝ちゃうの?」

ほむら「これ以上夜更かしすると明日起きれなくなるわ。2日続けて遅刻するわけにはいかないでしょう」

まどか「……えっと、何か忘れてること、ないかなーって」

ほむら「さぁ、何かしら。何かと言われてもはっきり言ってもらわないとわからないわ」

まどか「……ほむらちゃんのいじわる。今日、1回もキスしてないじゃん」

ほむら「えぇ、わかってるわ。ごめんなさい、意地悪なことを言って」

まどか「もう…あんまりいじわるなこと言わないでよ」

ほむら「今日はずっとする機会がなかったから……。絶対、誰にも見られたくないもの」

まどか「今は…わたしたち以外、誰もいないから。だから…キス、して?」

ほむら「……まどか…目、閉じて」

まどか「……うん」

ほむら「……」

まどか「ん…ふ、ぅ……」

ほむら「……ふぅ。これでいいかしら」

まどか「うん……。でも…ちょっと物足りなかった、かな……」

ほむら「あんまり感情込めてすると…目が冴えちゃう気がしたから……」

ほむら「愛情たっぷりのキスは…また明日してあげるわ」

まどか「……わかった。楽しみにしてるよ」

ほむら「それじゃ…もう休みましょうか」

まどか「今日はきっと…素敵な夢を見られるよ」

まどか「ほむらちゃんに抱きしめられて…キスまでしてもらったんだもん」

まどか「夢でまた…ほむらちゃんに会えるよ」

ほむら「夢の中でもまどかと愛しあえるのなら…それもいいかもしれないわね」

ほむら「まどか…夢でまた会いましょう」

まどか「ちゃんと来てくれるよね。わたし…待ってるから」

ほむら「えぇ、勿論。……おやすみなさい、まどか」

まどか「おやすみ…ほむらちゃん」


Fin

これで完結です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました

読んで下さった方、感想頂けた方、本当にありがとうございました
短編は書けるけど長編が遅々として進まないでござる

・次回予告

ほむら「バトルメイド暁美」 長短未定

ほむら「あなたを守りたい私と私を守りたいあなた」(仮) 長編

ほむら「友情、愛情」 短編


6月の梅雨とかジューンブライド的な季節ネタを予定中
以前書いたディスガイアクロスのウソ次回予告を思案中

あ、書き忘れた

ほむら「友情、愛情」(仮) 短編

だった

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