池袋晶葉「おや、通り雨かね?」 (112)

P「いやー、参った参った。おもいっきり降られちまったよ」

晶葉「今日は晴天に恵まれたと思っていたが……。不運だったな。びしょ濡れじゃないか」

P「一瞬その辺で雨宿りしようかとも思ったんだがなー。晶葉のラボまでもう少しだったし、走ろうと思ったのが失敗だった」

晶葉「今は小降りになっているから、結局そちらの選択肢が正解だったというわけか」

P「だな。ところで晶葉、眼鏡拭きとか持ってないか? レンズまでびしょびしょなんだ」

晶葉「ん? 勿論持ってはいるが、今手元にはないな。少し待っていてくれ」

P「さんきゅ……。お? これとか違うのか?」ひょい

晶葉「あ、こら! 勝手に触るなといつも言っているだろう!」

P「す、すまん。でもこれ、眼鏡拭きにちょうど良さそうな布なんだけど……」

晶葉「見た目はな。しかし……ふむ。それに目をつけるとは、いい嗅覚をしているな、プロデューサーは」

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P「もしかして、またいつもの発明品か……?」

晶葉「ああ。それは『のぞみえーる』という。まだ未完成だがな」

P「『のぞみえーる』?」

晶葉「そうだな……。まだ試運転すら行っていない段階だが、協力してくれるというのなら使用することもやぶさかではないぞ」

P「なんだか良く分からないけど……。とりあえず借りとくことにするよ」

ふきふき

P「で、これは何をする発明品なんだ?」

晶葉「ふむ。口で説明するより実際に体験したほうが早いだろう」

晶葉「今、その眼鏡で私を見て何か変わったことは無いか?」

P「? 別に普通だと思うけど……。あ」


【     時間】


P「まだぼやけてるけど、晶葉の頭の上に、【      時間】って文字が出てるな。なんだこれ」

晶葉「ふむ……。どうやら第一段階は成功か」

P「一体どういうことなんだ?」

晶葉「今、君はそいつで眼鏡を拭いただろう? それを通して他人を見ると、その人が今望んでいることが見えるようになるんだ」

P「望んでいること……? ああ、それで『のぞみえーる』か」

晶葉「その通り。究極のロボットを突き詰めようと思えば、他人の感情が理解できなければ話にならないからな」

晶葉「そいつが上手くいけば、あとはそれを電気信号として伝達する手段を確立すれば……。なんて考えていたんだが」

P「はぁ」

晶葉「別の興味深いアプローチが浮かんでしまってな。ほったらかしになってしまっていたというわけだ」

P「よく分からんが……。晶葉は今は、時間が欲しいってことでいいのか?」

晶葉「ああ。サイエンティストにとって、時間はなによりも貴重なものだからな」

P「……そっか。ごめんな、俺がアイドルになんてスカウトしたばっかりに」

晶葉「! 馬鹿、そういう意味で言ったのではない! 勘違いするな!」

P「違うのか?」

晶葉「ああ。アイドルというのは私の才能を世に知らしめるのにも、人間の心理を学ぶのにもいい機会だからな。むしろ君には感謝しているくらいだ」

晶葉「……そのことだけは、誤解されては困る。私は今、充実しているんだから」

P「晶葉……」

晶葉『ああもう! なんでこんな話になっているんだ! とにかく今日、君は助手として『のぞみえーる』のデータを取ってくること! 分かったな!』



P「そう言って、ラボから追い出されてしまったわけだが……。要は、いろんな人をこれで見ればいいってことなのか?」

P「一応説明書ももらったが……。ううむ」



説明書

・『のぞみえーる』で透明なものを擦る
・擦ったものを通し、対象を目視で確認(目線を合わせることが望ましい)

注意
・簡易性を追求したため、分かる内容は抽象的なもの
・そのため、似た内容の全く別の望みが見えている可能性もあり
・目を合わせ続けていると、ある程度だが徐々に具体的な内容が判別が可能


P「まあ所詮データ採取だし、そんなに深く考える必要もないよな。いつも通りに仕事をしよう」

――― 事務所

P「おはようございまーす」がちゃっ

??「あ、プロデューサーさん! おっはよー!」

P「おお、おはよう智香。元気がいいな」

智香「もっちろん! 他人を元気づけてあげるためには、まず自分が元気じゃないとねっ☆」

P「うんうん、いい心がけだ。さすが智香だな」

智香「でしょっ! アタシ、今日も頑張っちゃうからねー!」

P(……っと。そうだ。せっかくだし、智香で『のぞみえーる』とやらの効力を試してみるか)

P「確か、目を合わせたほうがいいんだったか。じゃあ」

じぃぃっ

P「……」

智香「……? えと。どうしたのかな、プロデューサーさん?」

P「いや、なんでもない。なんでもないよ」

じぃぃっ

智香「……!? あ、アタシの顔に、何かついてる……?」

P「いやいや、そういうわけでもない。だけど、少しじっとしていてくれるか?」

がしっ

智香「え、えええ!? べ、別にいいけど」

P「けど?」

智香「うー、そんなにじっと見つめられると照れるっていうか……」

P(そろそろかな? 何々……)

【ハンバーグ】

【ステーキ】

【ティラミス】

P「……?」

P「……智香、お腹すいてるのか?」

智香「ほへ? ……どーしてそれをっ!?」

P「おお、すごい。当たってるのか。実はだな……」

智香「むー。女の子の考えてることを覗くなんて、プロデューサーさん、趣味悪いよっ!」

P「すまんすまん。晶葉の発明品のデータ採取を頼まれてるんだよ」

智香「それは聞きましたけど……」

P「それより智香、なんであんなに食べ物のことを考えてたんだ?」

智香「うう、聞かないでくださいよぉ。アタシは今ダイエット中なんです、ダイエット!」

P「そうなのか?」

智香「そうですよ……。ただでさえさっき、おいしそうなレストランの番組をやってて、誘惑に苦しんでいたのに」

P「……なるほど、それでハンバーグにステーキにティラミスだったわけか」

智香「あー! 聞きたくない聞きたくない聞きたくないですっ!! アタシの心をこれ以上揺さぶらないでくださいっ!!」ぶんぶんっ

P「智香にダイエットなんて、必要ないと思うがなぁ」

智香「男の人はみんなそう言うんですよ……。アタシがこの引き締まったボディを保つのに、どれだけ苦労していることか……。よよよ」

P「そのために好きなものを我慢するって、辛いだろうに」

智香「それでもオンナノコには耐えなきゃいけないときがあるんですっ!!」

P「じゃあ、もし俺が今日そのレストランに連れてってやるって言っても、やっぱり断るのか?」

智香「連れて行ってくれるんですかっ!?」がばっ

P「えー……。言ってることとやってることが違うじゃないか……」

智香「……うー! 違います、それはそれでまた別の問題が発生するんですー!」

P「別の問題……?」

智香「プロデューサーさんには一生分からなくていいことですっ! アタシ、ご飯に備えてトレーニングしてきますからっ!」

P「あ、連れて行くのは決定なのか」

智香「当然です! アタシ、楽しみにしてますからねっ!」

P「不穏な捨て台詞を残して行ってしまった」

P「ともあれ今の感じだと、目を合わせさえすれば、単なる『お腹が減った』ということだけじゃなくて、具体的なメニューまで分かるみたいだな」

P「……。これって、実はものすごい発明なんじゃないか……?」

P「そういえば、晶葉のときには『時間』って文字が表示されていたのに、さっきはメニューの映像が映っていたのも気になるな。どういう違いなんだろう」

P「……まあ、俺が考えても分かるわけないか。後で晶葉に報告しておくとしよう」

P「さて。今日、次にやって来そうなのは……」

??「おはようございまーっす!」

P「ん、おはよう美由紀」

美由紀「プロデューサーさん! おはようございまーす♪」

P(美由紀か……。美由紀の欲しいものって、なんなんだろうな)

P(あんまり普段わがままを言わない子だし……。この機会に、確かめてみるのもいいか)

美由紀「プロデューサーさん? どーしたの、ぼーっとして。お熱でもあるの?」

P「ああ、いやいや。ちょっと考え事をしてたんだ」

美由紀「かんがえごと……? お仕事の話? みゆきにも何か手伝えること、ある?」

P「大丈夫だよ。心配かけて悪いな」

美由紀「ほんとかなぁ……。何かできることがあったら、みゆきにいつでも言ってね!」

P「……」

P「それじゃあ、ひとつお願いしようかな」

美由紀「わ、あるの!? なになに?」

P「俺の目を、じーっと見てほしいんだ」

美由紀「目? ……にらめっこ?」

P「んー。まあ、そんなとこかな」

美由紀「お仕事中なのに遊ぶなんて、プロデューサーさん、いけないんだー!」

P「まあそう言わずに。ちょっとだけだからさ」

美由紀「うん、いいよ! みゆき、にらめっこ強いんだからっ!」

P「じゃあ行くぞー」

美由紀「うん、いいよー。せー、のっ」

じぃぃぃぃっ

【         】

P(……?)

P(何だ? もやがかかったみたいで、よく見えない……)

美由紀「……」ぷるぷる

【  い お  ゃ 】

P(……ん。少しずつ見えてきたか。なるほど、徐々に判別可能ってこういうことか)

美由紀「むーっ……」ぷるぷる

P「……これは」



【優しい、お兄ちゃん】



P「……」

P「……………………」

P「みゆきぃぃぃぃっ!!」ぶわっ

美由紀「きゃっ! な、なにっ!?」

P「みゆき、お前ってやつは……」

美由紀「ぷ、プロデューサーさん、どうしちゃったの? 泣いたらにらめっこにならないよ……?」

P「もうそんなのどうだっていいんだ……。あのな、ちょっと聞いてくれるか?」

美由紀「……?」

美由紀「『のぞみえーる?』」

P「そうだ。晶葉の発明品でな」

美由紀「えっと……。じゃあ、にらめっこしようって言ったのは、みゆきの欲しいものを見るためだったの?」

P「ああ。普段美由紀は、あんまりわがままとか言わないからさ。いったい、どんなことを考えてるのかな、って」

みゆき「! じゃあ、もしかしてみゆきの考えてること……」

P「ごめん、見てしまった。【優しいお兄ちゃん】って」

みゆき「う、うう……。ちょっと恥ずかしいかも……」

P「すまん、美由紀。……でも、【優しいお兄ちゃん】ってことは……」

美由紀「……うん。あんまり気にしないようにはしてたんだけど」

美由紀「やっぱりちょっと、さみしくなっちゃうこともあるんだぁ」

P「美由紀……。そっか、北海道から出てきて、寮暮らしだもんな……」

美由紀「もちろん、ちひろさんもプロデューサーさんも、寮のおともだちもみんないい人だし、仲良くしてるんだけど」

美由紀「たまに、どーしてもさみしくなっちゃうときがあって」

美由紀「それで、いまプロデューサーさんと遊んでたら、思っちゃったの」

美由紀「こんな人がお兄ちゃんだったらいいのになぁ、って」

P「……」

美由紀「今までも時々思ってたんだけど、誰にも言わないでおこうと思ったのに……。ばれちゃった、えへへ」

P(……そうか。だから初めは、もやがかかったみたいに見えづらかったのか)

美由紀「えへ、ごめんね。みゆき、なんだか子どもみたい! もう、大丈夫だよ!」

美由紀「あんまりわがまま言ったら、プロデューサーさんも困っちゃうもんね! みゆき、もう一人前のアイドルだもん!」

P「……美由紀。両手を前に出してみて」

美由紀「えっ、両手……。こーお?」

きゅっ

美由紀「えっ!? ぷ、プロデューサーさんっ!?」

P「大丈夫、美由紀は1人じゃないから」

P「そりゃ、本当の家族じゃないかもしれないけど。俺は美由紀のことを大事な友達で、家族で……。そうだな、大切な妹のように思ってるから」

美由紀「……!」

P「だから、寂しかったらいつでも言ってくれ。美由紀が1人で抱え込んでしまう方が、俺には悲しいから。な?」

美由紀「……ほんと?」

P「もちろん」

美由紀「それじゃあ……。ちょっと、だけ」


美由紀「プロデューサーさんのこと、お兄ちゃん、って呼んでもいいですか?」

P「ああ、いいよ」

美由紀「お、お兄ちゃん?」

P「何だ?」

美由紀「お兄ちゃんっ」

P「……?」

美由紀「おにーちゃんっ! えへへっ」

P「なんだなんだ、何回も」

美由紀「呼んでみただけだよっ」

P「なんか、嬉しそうだな」

美由紀「うんっ、だって嬉しいもん!」

P「よかったよかった。美由紀が嬉しいほうが、俺も嬉しいよ」

美由紀『でも、やっぱりちょっと変な感じがするから、いつもはプロデューサーさんって呼んじゃうね!』

美由紀『今日のことは2人だけの秘密だよっ、お兄ちゃん♪』


P「なんて言って、美由紀はレッスンに行ってしまった」

P「しっかりしてるように見えるけど、美由紀も親元を離れて暮らす寂しさとかがあったんだなあ……。気付いてあげられてよかった。……晶葉の発明品様様だ」

P「こんな風に活用できるんだったら、かなり有用な発明品だな。他にもこうやって、困った子を助けてあげられればいいんだけど……」

??「おはようございまぁす♪」

P「っと。この声は」

ちょっと休憩してきます

今日中には終わる予定です

戻りました、再開していきます

書き忘れていましたが、いつもの晶葉の人ではないんです。すみません

P「おはよう……。彩華。ちゃんと遅刻せずに来られたんだな」

彩華「あ~、その言い方、ひっどぉい。まるで彩華がいっつも遅刻してるみたいじゃんかぁ」

P「朝弱いから朝弱いからっていつも連呼してるのはどこの誰だったっけかな」

彩華「そんな細かいこと気にしないの~。もう、プロデューサーさんのいけずぅ♪」

P「いけずってなあ……。ま、いいか。今日は写真撮影だったか」

彩華「そうですよぉ。もうあやか今からドキドキ、みたいなぁ?」

P(彩華か……。欲しい物とかがあれば素直に言いそうなタイプだけど)

P(美由紀みたいな例もあるしな……。よし)

彩華「? プロデューサーさん、なんでいきなりだんまりなのぉ?」

P「……」じっ

彩華「ん~? あ、もしかして撮影前の彩華のミリョクにめろめろって感じぃ?」

P「……」じぃっ

彩華「でも、ざぁんねん。アイドルあやかは、みんなのあやかだから、プロデューサーさんのモノにはなってあげられないのよぉ」

P「……」じぃぃっ

彩華「まぁ、プロデューサーさんがどうしてもって言うなら、考えてあげないこともないけどぉ?♪」

【お洒落なワイン♪】

P「わ、ワイン?」

彩華「ワイン…… えっ?」

彩華「晶葉ちゃんの発明品? すっごぉい、それであやかがワインが欲しいって分かったんだぁ」

P「ちょ、ちょっと待て待て待て。なんでワインなんだ」

彩華「え~? だってすっごく美味しそうだし、やっぱりレディとしての嗜みっていうかぁ?」

P「お前そもそも未成年だろうが! まさか隠れて飲んだりとか……」

彩華「してないわよぉ。ただ、オトナになったら飲みたいなぁって思ってるダ・ケ」

P「それならいいけど……。子どもの飲酒なんて格好のスキャンダルの的だからな。くれぐれも気をつけて……」

彩華「子ども……?」

P「そう、子ども。19とはいえ彩華もまだまだ子どもなんだから、お酒なんて言ってないで、まずはしっかり」

彩華「……わかってるってばぁ。もしかしてあやか、そんなに信用ないのかしらぁ?」

彩華「さっきも、寝坊するって思われてたっぽいし……。なんだかへこんじゃうなぁ。めそめそ」

P「違うって。俺は別に彩華だけに言ってるわけじゃなくてだな……」

彩華「プロデューサーさんってば、あやかにだけ厳しい気がするんだけどなぁ。あやかの気のせいかなぁ。しくしく」

P「気のせいだ気のせい」

彩華「だったら、指きりしてくれる? もうあやかのこと疑ったりしないって」

P「別に疑ったわけじゃないんだけど……。分かった、するする」

彩華「はぁい。じゃあ、ゆーびきーりげんまん♪」ぎゅっ

P「うそついたら……。……っ!?」

ちゅっ

彩華「どう? どきっとしたぁ?♪」

P「馬鹿、お前、言ったそばから……」

華「ふぅんだ。人のことをコドモ扱いする前に、自分のスキャンダルに気をつけることねぇ♪」

P「指きりは俺の手をふさぐためかよ……。用意周到だな」

彩華「なんのことかしらぁ♪」

P「……子ども扱いしたことは謝る。だから、二度とあんなことするんじゃないぞ」

彩華「どうしようかしらぁ?」

P「お前な……!」

彩華「あ、じゃあ、こうしなぁい?」

P「妙な約束を取り付けられてしまったが、なんとか彩華の機嫌は取れたみたいだったな」

P「誰かに見られてたらどうする気だったのか……。ちひろさんが午後からで良かったよ、全く」

ぴろりろりろ

P「ん、着信……。晶葉か」

ぴっ

P「もしもし」

晶葉『助手か? どうだ、『のぞみえーる』は』

P「今のところは順調に作動してるぞ。……すごいな、これ」

晶葉「おお、ちゃんと動いているか。少し前のものだから、動作不良がないかと心配しているのだが」

P「とは言っても、まだ3人……。晶葉を合わせても4人しか使っていないけどな」

晶葉「4人か。今のところ、何か気になる点などはないか?」

P「気になる点……。ああ、そういえば」

晶葉「ふむ……。文字での表示と絵での表示か」

P「ああ。今のところ、晶葉と美由紀は文字で、智香と彩華は絵で表示されてたんだけど……。何か意味があるのか?」

晶葉「分からん。が、仮説は簡単に2つほど立てられるな」

P「2つ?」

晶葉「ああ、簡単な仮説だ。1つは、望みのイメージしやすさの問題」

P「イメージしやすさ? ……ああ、なるほど」

晶葉「そう。例えば私でいう『時間』というのは、具体的なもののイメージがしにくい。ゆえに文字で表示がされた」

P「なるほど。智香や彩華は食べ物や飲み物だったから」

晶葉「おそらく、最近どこかで見たイメージがそのまま残っていたりしたのだろうな」

晶葉「……内容は教えてくれなかったが、美由紀の望みも具体的な映像でのイメージがないものではなかったのではないか?」

P「……まあ、確かに」

晶葉「本来なら、データ採取なのだからそれも教えてもらいたいところなのだがな」むすっ

P「はは、それはプライバシーってことで。それで、もう一つの仮説はなんなんだ?」

晶葉「こちらも簡単さ。要は、脳の使い方の問題だ」

P「脳の使い方?」

晶葉「うむ。プロデューサーは、手や足と同じで、脳にも利き腕のようなものが存在するという説があることは知っているか?」

P「ああ、何か聞いたことはあるな。左脳が論理的思考で、右脳がイメージを司るんだっけ?」

晶葉「ほう、よく知っているじゃないか。それでこそ私の助手だ」

P「それがどう関係があるんだ?」

晶葉「つまり、この論理的思考とイメージにおける電気信号に僅かな違いがあり、それを『のぞみえーる』が異なる形で拾い上げているという仮説だ。これなら一応筋も通る」

P「……なんというか、オーバーテクノロジーだな」

晶葉「適当に作ったものだから、こんな可能性もあるというだけだ。私自身はおそらく左脳派であると考えているから、それもきちんと当てはまっているしな」

P「はあ」

晶葉「まあその辺りは追加の実験で試してくれ。次の報告を待っているよ」

P「はいはい」

P「今の説明で、なんとなく分かったような分からんような……」

P「しかし、聞けば聞くほどすごい発明品だな、これ。こんなものが晶葉のラボにはごろごろしてるんだろうか」

P「将来これが実用化されるとなれば、俺も少しは役に立ったってことになるのかな……。なんて」

P「そんなこと考える前に、まずは仕事だ、仕事。あくまでデータ採取はおまけで……」

??「プロデューサーくーんっ!!!」

がばっ

P「!?」

??「なんか面白いことやってるって!? アタシにもやってやって!?」

P「莉嘉、お前……いきなり飛びついてくるなよ」

莉嘉「へへへー。だって、プロデューサーくんと会えて嬉しかったんだもーん!」

P「俺はともかく、他のスタッフさんとかにするんじゃないぞ?」

莉嘉「もー、プロデューサーくん以外にこんなことするわけないじゃんっ!」

P「なら、まあよし……なのか?」

莉嘉「プロデューサーくんは、莉嘉にとってとーってもトクベツなんだからねっ☆」

P「はいはい、分かった分かった」

莉嘉「ほんとに分かってるのかなー……」

P「?」

莉嘉「……まあいいや! それより、美由紀ちゃんから聞いたよ!」

P「……何をだ?」

莉嘉「なんかー、プロデューサーくんが何でも願いをかなえてくれるって☆」

P「ちょっと待った。そんなことは言ってないぞ」

莉嘉「えー? でも、美由紀ちゃん言ってたよ、プロデューサーくんに不思議な力でお願い聞いてもらえたんだ、って」

莉嘉「その中身は教えてくんなかったケドねー」

P「おお、なんかすごく歪んで伝わってるな……」

莉嘉「そなの?」

P「俺はただ、晶葉の発明品をテストしてるだけだからな」

莉嘉「晶葉ちゃんの発明品!? なにそれなにそれ、チョー面白そう!」

P「……ふむ。じゃあ莉嘉にも、実験に付き合ってもらうか」

莉嘉「実験? 何するのー?」

別にいいが名前プロデューサーなのか?

莉嘉「お願いごとを思い浮かべるだけでいーの?」

P「ああ。そうしたら俺が、莉嘉の思い浮かべたことを当ててみせるよ」

莉嘉「わー、そんなことができたらまるで魔法だねっ☆」

P「冷静に考えると、ほんとそうだよなあ……。あまりに進歩した科学は、魔法と見分けがつかない、だっけか」

莉嘉「よーし、準備かんりょー! プロデューサーくん、当ててみせてっ!」

P「よし。じゃあ、ちょっとだけ俺の目を見て……」じぃっ

莉嘉「わっ、プロデューサーくん、顔ちかーいっ☆」

P「この方が効果が出やすいらしいからな。ちょっとだけ我慢してくれ」じぃぃっ

莉嘉「アタシは全然いーよっ。なんならこのままちゅーしちゃうっ!?☆」

P「アホなこと言うな。……変だな、見えてこない」

莉嘉(もし、オトナだったら、このまま……)

莉嘉(んーん、違う! アタシだってオトナだもん!)

莉嘉(で、でも、顔見ながらってちょっと恥ずかしいな……)きゅっ

>>41
個人的にPくんという表記があまり好きではないだけなので……
お気に召さなければ脳内補完お願いします

莉嘉(あ、なんかちょっとどきどきしてきた)

莉嘉(プロデューサーくんと、ちゅー……。わーっ! わーっ!)


P「……あ、そうか。効果が切れてるのか。定期的に拭きなおさないといけないんだな。ちょっと待ってろ」

P「……って、おい。なんで目つぶってるんだ?」

莉嘉「へっ!? や、なんでもないよっ!?」

P「よし。じゃあ、準備できたし、もう一回」

莉嘉「こ、今度こそ、するのっ?」

P「今度こそ……? ちゃんと頭に思い浮かべておいてくれよ」

莉嘉「あ、そ、そっか。そうだったねっ☆ すー、はー」

P「よーし、いくぞー」じぃっ

莉嘉「うー……」

もやもや

P「ん、今度は見えてきた……。えっと、これは」

【ジェットコースター】

【色鮮やかなパレード】

【観覧車から見る夜景】

P「遊園地……?」

莉嘉「わ、すごい! ほんとにアタシのやりたいことが分かるんだね!」

P「なんだ莉嘉、遊園地に行きたかったのか? この前一緒に行ったばかりじゃないか」

莉嘉「だってあのときは門限6時って言われたんだもんっ! アタシはもっとオトナのデートがしたかったのにっ!」

P「デート言うな。じゃあ、莉嘉がもう少し大人になったら連れて行ってやるよ」

莉嘉「やーだー! すぐ行くの! 莉嘉だってもうオトナなんだからっ!」

P「ワガママ言うな。そんな簡単に遊園地なんていけるわけないだろうが」

莉嘉「ぶー! 美由紀ちゃんのお願いは叶えてあげたって言ってたのにーっ!」

P「いや、あれはだな……」

莉嘉「いいもんいいもんっ! どーせプロデューサーくんは、アタシのことなんか嫌いになっちゃたんだー!」

P「こらこら、拗ねるな。……はあ、仕方ない」

莉嘉「連れてってくれるのっ!?」

P「ただし、条件がある」

莉嘉「じょーけん? なになに?」

P「次のファッション誌の仕事、ワガママ言わずにきちっとこなしてくること。それから、莉嘉のページの評価が前回より上になるようにすること。それが条件だ」

莉嘉「……そんな簡単でいーの?」

P「これを簡単と言うか」

莉嘉「簡単だよっ。だってアタシ、お仕事でワガママなんて言ったことないもん!」

莉嘉「確かにアタシはまだコドモかもしんないけど、お仕事はお仕事だしっ? お姉ちゃんとおんなじように、ちゃんとやってるもん!」

P「……それもそうか」

莉嘉「そうだよっ! だからそのくらい、ラクショーだからねっ☆」

莉嘉『それじゃあプロデューサーくん、日付きまったら教えてねっ!』

莉嘉『わーい、今度こそオトナのデートっ、デートっ』


P「なんて、莉嘉はもう決まったかのようにはしゃいでたけど……」

P「……まあ、あいつなら達成するんだろうな。美嘉になんて説明するか考えておかないと」

??「あ、あの」

P「おっと。どうしたんだ? 千枝」

千枝「いえ、プロデューサーさんと莉嘉ちゃんが話しているのが聞こえたので……」

千枝「あの……。プロデューサーさん、莉嘉ちゃんと遊園地に、行くんですか?」

P「聞かれてたか。まあ、そういうことになっちゃったな」

千枝「そ、それって……! まさか、プロデューサーさん、莉嘉ちゃんとトクベツな関係、に?」

P「は?」

千枝「やっぱり、プロデューサーさん、莉嘉ちゃんみたいに可愛い子が好きなんですね……」

P「可愛い子が好きっていうか……。まぁ、一応アイドルのプロデューサーだからな」

千枝「そうですか……。分かりました。莉嘉ちゃんなら、仕方ないですもんね」

P「……?」

千枝「こういうとき、何て言うんでしたっけ……。末永く、お幸せに?」

P「待ってくれ。千枝はいったい何を言ってるんだ」

千枝「いいんです、安心してくださいっ! 私、誰にも言いませんから!」

千枝「……莉嘉ちゃんを、幸せにしてあげてくださいねっ」

P「ちょ、ちょっと待て。落ち着け千枝。お前は何か勘違いをしている」

千枝「……?」

千枝「晶葉ちゃんの、発明品ですか……?」

P「そうだ。目を見た相手の願い事が分かる、って発明品でな。それで、遊園地に行きたいって莉嘉の望みを当てちゃったんだ」

千枝「あ、それで……」

P「まあ、最近莉嘉も仕事を頑張ってくれてるしな。次のファッション誌の仕事をきちんとできたら、っていう条件で、連れてってやることにしたんだ」

千枝「そう、でしたか……」

千枝「……あの。ちなみに、その『のぞみえーる』って、今も使っているんですか?」

P「まあ、一応」

千枝「じゃ、じゃあ、千枝の考えてることも……?」

P「いやいや。望みを見るには、しばらく目を合わせていないといけないらしいから。今の俺には見えてないよ」

千枝「目を合わせる? こんな風に、ですか……?」じっ

P(うわ、つぶらな瞳……)

P(これ、自分から目を合わせてきたわけだけど……。それでも見えるんだろうか)

もわもわ

P(……あ、見えてきた)

P(どうやら、能動的か受動的かは関係ないみたいだな。……って)


【夜の遊園地】

【オトナのディナー】

【二人きりのホテル】


P「……おおう」

千枝「ど、どうですか? 千枝のお願い……。見えましたか?」

P「見えた。見えた、けど……」

千枝「……?」

P(うん、深い意味はないんだよな。そりゃそうだ、うん)

P「……千枝も、遊園地に行きたかったんだな」

千枝「はいっ。……約束、覚えていますか?」

P「約束……? ……」

P「! ああ、テーマパークのときの!」

千枝「!」ぴょこん

P「そっか、『今度はお仕事じゃなく来ましょうね』って言ってたもんな。その約束は守らないと、だな」

千枝「……!」ぱぁぁっ

千枝「プロデューサーさん、約束、覚えていてくださったんですね……! 千枝、すっごく嬉しいですっ」

P「とはいえ、今の今まで忘れてたからな……。ごめんな。必ず守るから」

千枝「千枝は、プロデューサーさんが覚えていてくださっただけで嬉しいです。……幸せです」

千枝「あのときは、千枝ばっかりどきどきしちゃって……。プロデューサーさんをドキドキさせられませんでしたから」

千枝「今度は千枝が、プロデューサーさんをドキドキさせられるよう、頑張りますねっ」

P「いや、そこはあんまり頑張らなくてもいいんだけどな……」


P「っと、そうだ。どうせ遊園地に行くなら莉嘉もいっし」

千枝「『ふたりっきりで』いーっぱい楽しみましょうねっ」にこっ

P「……はい」

P「まさかの遊園地の約束2連続……。こんなことになるとは」

P「望みが見えるっていうのも善し悪しなのかね。なぜか必ず叶えてあげる流れになっちゃってるしな……。子どもには弱いなあ」

??「」そろーり

P「……というか、俺が押しに弱いのが原因なのか。今明かされる衝撃の事実」

P「よし、今度は望みを聞いても、叶えてやらない方向で行こう。あくまでこれは実験だからな。……っと」

??「」そろそろ

P「……?」

??「」そろそろそろっ

P「おい」どんっ

??「!!!? ふゃあっ!!?」

どんがらがっしゃーん

??「い、痛い……。うぅ……。……あっ!!」さっ

P「そんなにこそこそして、一体何がしたいんだ。……歌鈴」

歌鈴「うぅ、プロデューサーさんっ! いきなり机を叩くなんて、びっくりするじゃないですかぁっ!」

P「そりゃ、びっくりさせたわけだからな」

歌鈴「もぅ、ひどいですよぉっ……!」

P「で。なんで、そんなにこそこそしてたんだ?」

歌鈴「ひぇっ!? や、な、なんでもないんでするっ!! どうか、私のことは放っておいてくださいぃっ」

P「何を乃々みたいなことを言ってるんだ。……っと」

P(待てよ。望みが見えるってことは、本人が隠したいことも見えたりするんだろうか?)

P(言い換えれば、何々を隠したい、っていう望みとも取れるわけだしな。……ちょっと試してみるか)

P「……よし、じゃあ言わなくてもいい。その代わりに……。ちょっと、俺の目を見ろ」

歌鈴「め、目ですか……? うぅぅ、そうしたら、もう行ってもいいですか……?」

P「ああ。ちょっとだけだから。……行くぞ」じぃっ

歌鈴「う、ううう……」じぃっ

【   】

P「ん、また見えが悪いな……」じぃぃっ

歌鈴「み、み、みえ……?」びくっ

P「そろそろ拭き直したほうがいいのかな。まあ、今回はこのまま行くか」

歌鈴「あのぅ……。ぷ、プロデューサーさん、これは、何の……」

P「ん? ちょっと晶葉の発明品のテストをしててな。何でも、見た相手の望みが分かるらしいんだよ」

歌鈴「晶葉ちゃんの発明品、ですか。望みが見えるなんて、すごいですね……」

歌鈴「……えっ? のぞ、み……?」

P「ああ、望み。願望、とかそんなんだな」

歌鈴「……………………!!?」さぁぁぁぁぁっ

歌鈴「だ、だ、ダメですぅぅぅぅぅぅっ!!!!!」

P「」ぎょっ

歌鈴「い、今すぐやめてくださいっ! 見ないでくださいいいっ!!」

P「きゅ、急にどうした歌鈴。そんなこと言われても、もうすぐ見えてくる頃で」

歌鈴「だめですっ! 絶対絶対、見ちゃだめでふっ! そんなこと見られたら、私っ……!」

P「わ、分かった分かった。歌鈴がそこまで言うなら、見ないでおくよ」

歌鈴「ほ、ほんとですかっ!?」

P「まあ、そこまで嫌がってるものを無理やり見るのもな……」

P(ええと、つまり逆のことをすればいいわけだから……。視線を外せばいいってことか)

ぴろーん

【ぱんつ】

P「……えっ、パンツ?」

歌鈴「」

歌鈴「うぅぅぅ……。プロデューサーさんの嘘つきぃっ……」どよん

P「す、すまんすまん、視線を外そうとした瞬間に、読み込みが終わったみたいで……」

歌鈴「馬鹿ぁっ。あほぉ。へんたいっ」

P「うぐ。……まあ、でも分かったよ。つまり歌鈴がこそこそしてた理由は、下着をつけわす」

歌鈴「もーー!! 言わないでくださいってばっ!!」

P「……悪い。とにかく替えの下着か、ライブ用のスパッツかなんかが衣装室にあるはずだから、そっちに」

歌鈴「行かせてくれなかったのは、プロデューサーさんじゃないですかぁっ!!」

P「……なんかもう、いろいろごめん」

歌鈴「もう、こんなんじゃ私、お嫁にいけません……」

P「大丈夫大丈夫。俺誰にも喋らないから。口堅いんだぞ?」

歌鈴「そういう問題じゃないですっ! プロデューサーさんにばれちゃったのが問題なんですから!!」

P「だよなぁ。……しょうがない。結局こういう展開になるのはあれだけど」

P「じゃあ、歌鈴の言うことひとつだけ何でも聞くから、許してくれないか?」

歌鈴「…………な、何でも?」

P「ああ、何でも。あ、でも経済的に無茶なのは勘弁してくれよ?」

歌鈴「…………じゃあ」

P「うん」

歌鈴「……も、もし、ですけど」

P「?」

歌鈴「ほんとに私がお嫁にいけなかったら、しぇきにん、取ってくれるんですかっ……!?」

P「え」

歌鈴『か、噛みましたぁぁぁぁっ』


P「信じられないダッシュ力で衣装室と逆の方向に走って行ったけど……。歌鈴、大丈夫なんだろうか」

P「っていうか。しぇきにん、って責任か?」

P「責任って、まさか、なぁ……」

??「なーに暗い顔しとるんだね、プロデューサー君! いつもの元気はどうした!」

P「……社長のモノマネのつもりか?」

??「そだよん! どう、似てた?」

P「んにゃ、全く」

??「がーん! 超しょーっく!」

すみません、急用で呼ばれてしまったので今日はここまでで……

あと4人分なので、明日の夜には終わります。すみません
おつきあいくださった方はひとまずありがとうございました

>>1です
再開していきます
昨日は来られなくて申し訳ありません。今日中には終わります

P「頑張って低い声出そうとした努力は認めるけど……。まんまお前の声だったぞ、未央」

未央「にゃにっ! んー、やっぱりどれだけ声を変えても、この未央ちゃんの溢れるスター性は隠しきれないってことだねっ!」

P「なんというポジティブ」

未央「もちっ! 1にポジティブ2にポジティブ、3,4がなくて5にパッション! ポジティブパッション未央とは、あたしのことだーい!」

P「お前はすごい元気だな……」

未央「えへへっ、元気なら任せてよん☆」

未央「ところでところで! プロデューサー、なーんか面白いことしてるそうじゃない?」

P「面白いこと、って……。ああ、晶葉の発明品のことか?」

未央「そうそう、それそれっ! 何でも、人の願いが見えるんだって?」

P「そうなんだよ。ほんと、ノーベル賞クラスの発明だと思うんだが……。晶葉のラボにはこんなものがごろごろしてるんだろうか」

未央「ロボット作っちゃうくらいだもんねー。あたしたちにはよく分からないものがたくさんあっても、不思議じゃないよねぇ」

P「だなぁ。……で、未央はこれの実験台になってくれるのか?」

未央「え? うーん……」

未央「……!」ぴこん

未央「もち! 面白そうだしっ♪」

P「よしきた」

P「じゃあ、ちょっと待ってろ。さっき効果が切れかけてたから……」きゅっきゅっ

未央「お、準備があるなんてなんか本格的っ?」

P「と言っても、これだけだけどな。あとはこれを通して、対象と目を合わせる」

未央「目を合わせる……。こう?」じっ

P「む……。うん、そうそう」じぃっ

未央「へっへーん。未央ちゃんの考えてることが、ほんとに分かるのかなー?」

P「それが分かっちゃうんだよな。……あ、見えてきた」

P「……なんだこれ? ピンクと白の、三角形……」

未央「……!」

P「それと、これは……? オレンジの三角形か?」

未央「え、っと……。もしかして、明るいオレンジ?」

P「明るいオレンジだな。ポジパの衣装みたいな」

未央「ふりふりのついた?」

P「ふりふり……。あるな。サイドにかけて」

未央「真ん中にワンポイント?」

P「ワンポイントで、リボンが……って!」

【ピンクと白のぱんつ】

【ふりふりオレンジのぱんつ】


P「なんでお前もパンツなんだよっ!!!!」だんっ

未央「にゃはは。実はさっき、向こうでしぶりんとしまむーと雑誌に載ってたランジェリーショップに行きたいって話をしてたんだよねー」

P「おいおい……」

未央「っていうか、ほんとにその発明品で分かったんだよね? もしかしてプロデューサー、あたしたちのハナシ盗み聞きしてたとかじゃ……」

P「こらこらこら! 誤解されるようなことを言うんじゃない!」

未央「だって、にわかには信じられないし? あ、それともプロデューサーは、いつもそんな妄想をしてるとか」

P「してるかぁ! してたとしても、こんなところで正直に言うはずがないだろうが!」

未央「うーん、ま、それもそうかぁ」

未央「とはいえ、あたしの欲しい下着を覗いたのは事実なわけだよね?」

P「覗いたって言い方はどうなんだ……」

未央「でも、見たんだよね?」

P「ま、まあ、そう言われればそうだが……」

未央「あーあ、未央ちゃん恥ずかしいな~、男の人にあーんな妄想やこーんな妄想されちゃうのかな~」

P「おいおいおいおい! 俺の好感度がごりごり減っていくから事実無根な想像はやめろ!」

未央「んじゃ、罰ゲームっ! プロデューサーは今度、あたしたちの買い物に着いてくることっ!」

P「はぁっ!? なんだよ罰ゲームって!」

未央「だって、乙女のぱんつ見られたんだよ? しかるべき処置があって当然じゃない」

P「待て待て! これは不可抗力だろうが!」

未央「…………」

P「……な、なんだよ」

未央「じゃああたし、これから事務所で『無理やりプロデューサーにパンツ覗かれた』って触れ回っちゃおっかなー♪」

P「おいこら待て! そんなことされたら、俺が(社会的に)死ぬ!」

未央「それが嫌ならぁ。誠意ってものの示し方があると思うんだよねー♪」

P「お前、なんてことを考えやがるんだ……」

P「分かった。分かったよ。買い物くらいなら、着いてってやる」

未央「ほんと? やたっ! 未央ちゃん作戦勝ちっ!」

P「……作戦? ……まさか」

未央「……あっ。いやいや、なんでもないんだよ? じゃあ今度の仕事の帰りにでもね、ぷろでゅ」

P「待て。……お前、もし俺が望みを当てられなかったら、どうするつもりだったんだ?」

未央「それは……」

P「それは?」

未央「……やっぱり、当てられなかったわけだから、罰ゲーム?」にっ

P「結果同じじゃねえかよ!! お前、あの一瞬でそこまで考えて……」

未央「まさかほんとに当てられちゃうとは思わなかったけどねっ。当てずっぽうだったら、絶対当てられないと思ってたんだけど」

P「そりゃ、ノーヒントでもし俺が『パンツが欲しいんだろ?』なんて言った日には即座に退去命令が出るだろうからな……」

未央『んじゃ、今度のお仕事のとき! 忘れないでね、プロデューサー!』

P「……未央は最後まで元気に去って行った。あれが策士というやつか」

P「知らぬ間にまた約束が増えてるし……。もう知らん。何を言われても断るぞ。俺の決意は固いんだ」

P「もうちょっと軽い頼みとか、仕事についての内容ならまだいいんだけどなぁ……。そういう意味では、もっと大人しい子に試してみたいものだけど」

P「お。そういえば、この時間はそろそろあの人が……」

??「……おはようございます」

P「おお、噂をすれば時間通りですね」

??「噂……ですか?」

P「ええ。まあとりあえずかけてください、美優さん」

美優「……?」

P「すみませんが、少し、そのままで」じっ

美優「……え? あ、あの……?」

P「じっとしていてください」

美優「一体……なんなんでしょう……?」

P(美優さんか……。美優さんの望みって、割と想像がつくようなつかないような)

P「今日は……。確か、ドラマの打ち合わせでしたっけ」じっ

美優「は、はい。少し大きな役ですから……。少し、緊張しています」

P「美優さんなら大丈夫ですよ。映画の撮影だって、あんなに立派にこなしたんですから」じぃっ

P(もともとあまり自分に自信のない人だし……。もっと前向きになりたい、とかそんな内面的な望みもあるかもしれないな)

美優「あれは……。その、あのときはいっぱいいっぱいでしたから……」

P「それでもです。あの撮影のときの美優さんの笑顔、とても素敵でしたから。あれを思い出して、自信を持ってください」じぃぃっ

美優「……はいっ。頑張ります……」

P(レッスンも文句ひとつ言わずに一生懸命やってくれる人だし、こういう人にこそ何か望みを叶えてあげたいんだけどなぁ)

美優「と、ところで、私の顔に、何か」

P「いえいえ。もう少しですから、ちょっと待ってください」じぃぃっ

美優「え、えぇ……?」

P(そうえいば、アロマテラピーが趣味だって言ってたっけ)

P(俺にプレゼントできるものなら、何かの機会にプレゼントするのもいいかもな。……お、見えてきた)


【赤ちゃん】


P「」

P「み、みみみ美優さん! 赤ちゃんってどういう……!?」

美優「あ、赤ちゃん……? プロデューサーさん、突然、何を……?」

P「いいから聞かせてください! 赤ちゃん、欲しいんですか!」

美優「ちょ、ちょっと待ってください……! いきなりすぎて……何がなんだか……」

P「す、すみません。取り乱しました。一旦落ち着きます」

P「すぅー、はぁー」

美優「すぅー、はぁー」

P「…じゃあ、改めて」

美優「は、はい」


P「……いいですか、美優さん。赤ちゃんの問題は、今後の俺たちに関わる重要な話なんです」

美優「!!? こ、今後の私たち……? 赤ちゃん……?」

P「もう一度だけ聞きます。美優さんは今、赤ちゃんが欲しいと思っているんですか?」

美優「そ、それは、その、欲しくないと言ったら、嘘に、な、なりますけれど……」

P「ほ、本当なんですか!?」

美優「ど、どちらかと言えばの話ですから……。わ、私はまだ、あまり気に留めなくても……」

P「そんなことを言ってる場合じゃないんです!」じぃっ

美優「……!?」どきっ

P「欲しいんですか、欲しくないんですか、どっちなんですか!」

美優「そ、それは、その……」

美優「いず、れは……」かぁぁ

P「……分かりました。俺も男ですし、聞いてしまったからにはちゃんと覚悟を決めます」

美優(か、覚悟……? まさか、そんな、突然……?)

P「……美優さん、今から美優さんに大事な話があります」

美優「ちょ、ちょっと待ってください……。こんな、ところで……?」

P「待てません。今、ここで、言わせてもらいます」

美優(プロデューサーさん、凛々しい表情に……。こ、心の準備が……)

P「美優さん」

美優「は、はい……!」

P「……相手は、誰なんですか。教えてください!」


美優「……」

美優「……えっ?」

~・~

P「……ごめんなさい、美優さん。とんだ誤解を」

美優「い、いえ……。誤解していたのは、私もですから……」

P「隠れてお付き合いしている方がいて、引退まで考えているんじゃないかと、本気で疑ってしまいました……」

美優「……ふふっ。残念ながら、今はそういう人はいませんから、大丈夫です」

P「そうですか、よかった……」

美優「確かに、ドラマで母親の役を演じることが決まってから、少し、考えたりすることはありますけど……」

P「そうなんですか?」

美優「ええ。事務所で仁奈ちゃんや雪美ちゃんと遊んでいても思いますけど……。子供って、やっぱりかわいいなぁ、って」

P「そうですねぇ……。俺もよく、あいつらにはパワーをもらってます」

美優「でも、すごいですね……。その人の望みが見えるなんて」

P「全てが分かるわけではないから、それも善し悪しですけどね。今みたいな誤解も生まれるわけですし」

美優「……右脳派と左脳派という話も……面白いです。ちなみに私は、どちらだったんでしょうか……?」

P「美優さんは、文字で出ていましたよ。晶葉の仮説によると、左脳派とのことです」

美優「ですよね……。よかった」

P「よかった?」

美優「……いえ。こちらの話……です」

P「?」

美優(……きっと、映像で映し出されていたなら)

美優(その赤ちゃんの隣にいる人の姿を、見られてしまっていたかもしれませんから……ね)

P「ああびっくりした。まさか一番おとなしい願いだと予想した美優さんであんなことになるとは……」

P「……そりゃあ、大人になるほどいろいろあるのは当たり前だよなぁ。なんか、心を覗くことに対して急に罪悪感が」

P「とはいえ、便利な道具だし、実験データを揃えたいっていう気持ちもあるんだよな……。そうだな、あと一人くらいにしておくか」

P「実験の本質的には、できれば普段あまり喋らない子に使うのがいいんだろうか」

P「わがままを言わないとか、望みが分かりにくいとか、そうじゃなくて、もっとこう……。普段から無口な子」

P「……お。ちょうどいいやつが今から来るじゃないか。しっかり準備しておこう」

きゅっきゅっ

かちゃっ

P「お、来たな」

??「……遅くなりました。……すみません」

P「いやいや、時間通りだよ。でも、いつも10分前には着いてる文香にしては、珍しいかな」

文香「……新しい小説を、読み始めたら……止まらなくて……」

P「はは、文香らしい理由だな」

文香「……すみません」

P「だから、謝らなくていいって。平気でもっと遅刻してくるやつもいるからな」

P「しかし、文香がそこまで夢中になるとは。その本、そんなに面白いのか」

文香「……はい。……今までに、読んだことのない種類の……本、です」

P「へー。良かったら、タイトル教えてくれないか?」

文香「……ぅ」

P「どうかしたか?」

文香「…………」

P「? 文香?」

文香「……だ、だめ……です」

P「だめ?」

文香「……その。……プロデューサーさんには……内緒、です」

P「何でだよ。気になるじゃないか」

文香「……それでも……だめ、です」

P「む。そう言われると意地でも気になってきたぞ」

P「じゃあ、文香。教えなくていいから、俺と目を合わせてくれないか?」

文香「……目、ですか? ……でも、私、前髪」

P「確かに、このままじゃ目が合いにくいな。じゃあ、こうやって前髪上げて」さらっ

文香「……え」

P「じぃっと、俺の目を見て……」

文香「……あの。……は、恥ずかしい、です」

P「すぐ終わるからさ。ほら、じぃっと見て」ぐいっ

文香「あ……」

P「いいか、文香? このまま……」じっ

文香「……やっ。……あの」

文香(これって……。さっき読んでいた、恋愛小説と……)

文香(あの、お話だと)

文香(……想い人に抱き寄せられて、髪をかきあげられて)

文香(……そ、そのまま)

P「…………」

文香(……こんなこと、物語の中だけだと思っていました)

文香(……吐息の音が聞こえるくらい、顔が近くにあって)

文香(今まで生きてきた中で、一番近い距離に男性が居て)

P「…………」

文香(けれど。……けれど)

文香(……プロデューサーさんなら、いやじゃ、ない……?)


P「そろそろかな……。おっ」


文香「!」

文香「……んっ」


【キス】


P「……えっ」

文香「…………」

P(ちょっと待て)

P(これって……。魚のキスでしたとか、そういうオチじゃないよな)

P(流石にそんな勘違いはないだろう。……というか)

P(よくよく思い返してみれば、顔を引き寄せて、髪の毛を触って)

P(おまけにじっと目を見つめて……。って。これ、完全に限りなくセクハラっぽいやつだったんじゃないのか??)

文香「……?」


文香「……あの……プロデューサーさん……?」ぱちっ

P「……すまん、文香。少し俺の話を聞いてくれないか?」

文香「……? はい……」

文香「……と、いうことは……プロデューサーさんは、その道具を使って」

文香「……私の頭の中を……覗いていたということですか……?」

P「……まあ、平たい言い方をすると、そうなるな。……すまん。全てが見えていたというわけじゃないんだが」

文香「……では……私が先ほど考えていたことも……」

P「……そうだな。見えてしまっていた」

文香「そう……ですか……」

P「ごめん。あんなことをして、プロデューサー失格だった」

文香「……いえ。私が、変なことを考えてしまったのがいけないんです。……私なんかが、あんな、物語の主役みたいな場面に立ち会えるはずがないのに」

P「……?」

文香「……え?」

P「いや、俺が言いたいのは。突然セクハラ紛いの行為をしてしまってすまないということなんだけど……。物語の、主役?」

文香「……え。……あっ。…………っ!?」

P「あ、そうか。あれは、人の望みが見えるものだから、さっきの【キス】っていうのは文香の」

文香「~~~~!!」ぶんっ

べちっ

P「いてっ!? ……本!?」

文香「……そ、それ以上はだめです。……それ以上考えたら、怒ります」

P「いや、文香、もう怒って……」

文香「……!」じとっ

P「……いや、なんでもない。文香が大事な本を投げるくらいだからな。……よっと」ひょい

文香「……あっ」

P「これ、もしかしてさっき言ってた本か? ええと、『禁じられた恋、アイド』っ……!」

ぱしっ

文香「……だ、だめですって……言ってるじゃないですかぁ……」うるっ

P「や、すまんすまん。……って俺、謝ってばっかりだな」

文香「……プロデューサーさんは……意地悪ですよ。……ずるいです」

P「ほんとにごめん……。これじゃ嫌われても仕方ないな」

文香「……。……違い、ます」

文香「……それでも、私、あなたのことを嫌いになれないから……」

文香「だから、ずるい、です」

P「……!」

文香「……でも、今回は本当に怒りましたから」

文香「……私を、主役みたいな素敵な舞台に連れて行ってくださるまで……許して、あげませんから」

~~

晶葉「それで、データ採取を終わって戻ってきたというわけか?」

P「ああ。……一応言っておくが、あくまで仕事のついでだからな、データ採取は」

晶葉「それにしたって……何だこの報告書は! ほとんどが白紙じゃないか!」

P「……まあ、プライバシーの侵害ということで」

晶葉「そんな言葉で納得できるか! そもそも助手が皆のプライバシーを侵害しまくってるじゃないか!」

P「それを言われると、今日は本当に弱いんだが……」

晶葉「全く。せめて、もう少し違う角度からのデータがあればいいものを」

P「違う角度、ねぇ……」

P(そういえば)

P(同じ相手に二度使ったことは無かったっけな)

晶葉「だいたい、この『パンツ』とはなんだ! 事務所でパンツを欲しがってる女子が2人もいるわけないだろうが!」

P「それは俺だってそう思うわ! でも実際に居たんだから仕方ないだろ!」

晶葉「どうだか。大方、プロデューサーが『俺がお前好みの下着を買ってやるぞ』なんて言ってセクハラをしていたんじゃないのか」じとっ

P「誰がそんなことするか!!」

晶葉「だいたい、助手はいつもそうだ。私の作った発明品で事務所のアイドルといちゃいちゃぺちゃくちゃおしゃべりをして……。こちらからの連絡は取りもしないし」

P「あれは携帯の電池が切れててだな……。だいたい、プライベート用の携帯にかけてくる晶葉も晶葉だろ」

晶葉「こんな内容で仕事用の携帯にかけられるわけないだろう!」

P「……まぁ、そりゃそうか」

晶葉「全く。最近のプロデューサーには助手としての自覚が足りていないぞ」

P「……」じぃ

晶葉「確かにプロデューサーが仕事で忙しいのは重々承知しているし」

P「……」じぃ

晶葉「まあ、なんだ。私だって有名になってきて、アイドル活動に情熱を傾けることも吝かじゃないんだ」

P「……」じぃ

晶葉「ダンスや歌も、ファンとの触れ合いも、私にとって大切な、生活の一部となった。しかし」

P(ん)

P(そろそろ、見えてきたかな……)

晶葉「しかしだ。プロデューサーはみんなのプロデューサーであると同時に」

晶葉「私の……。私だけの助手なんだ。そ、そのことを忘れてもらっては……」

P(……って)

晶葉「……おい、聞いているのか?」

P(これは)

P「……ははっ」

晶葉「……何がおかしい。私は真面目な話をしているんだ」

P「いやいや、なんでもないんだ。確かに今回は俺が悪かった」

晶葉「ようやく認めたか。しかしプロデューサー。自分が悪いと言うならば……」

P「ああ。お詫びと言ってはなんだけど、今日はもう何も予定がないからさ」

晶葉「……?」

P「今日は思う存分、晶葉の実験につきあわせてくれよ。確かに、最近一緒にいる時間も少なかったしな」

晶葉「……どうしたんだ、急に。そう急に態度を変えられると、なんだか気持ち悪いぞ」

P「気持ち悪いとは失礼な。俺の正直な気持ちを伝えただけだぞ」

晶葉「……ふん。まあ、珍しく、助手にしては悪くない提案だ」

P「お褒めに預かり光栄でございます」

晶葉「褒めてない。いいか、『思う存分』と言ったのはプロデューサーの方だからな」

晶葉「今日は私の気が済むまで付き合ってもらう。弱音を上げても帰してやらないから、覚悟するといい!」にっ

P「了解了解。じゃあ、まずは何をすればいいんだ?」

晶葉「……本当に聞き分けがいいな。まさか、何か企んでいるんじゃ」

P「そんなことないって。いいから指示をくれよ、晶葉」

晶葉「……まあいい。そうだな、じゃあまずは、あちらにあるロボットの配線なんだが……」

P「こっちに持って来ればいいんだな、わかった。それじゃあ……」











ぴろん♪

【"助手との"時間】









AKIHA END

以上で終わります

先にも述べましたがいつもの晶葉の人ではありません
たまにはいちゃこらが書きたかったので題材をお借りしました
>>1は『ぴったんこう』も『ウグイスじょう』も『いとでんわ』もいつまでも続きを待っております

思いがけず数日跨いでしまいましたが、おつきあいくださった方がいらっしゃれば本当にありがとうございました

>>103修正、こっちで

P「……ははっ」

晶葉「……何がおかしい。私は真面目な話をしているんだ」

P「いやいや、なんでもないんだ。確かに今回は俺が悪かった」pi.pi.pi

晶葉「ようやく認めたか。しかしプロデューサー。携帯電話をいじりながら謝るのが助手の流儀だというのか?」

P「すまんすまん、違うよ」

晶葉「……。助手よ。自分が悪いというのならば……」

P「ああ。お詫びと言ってはなんだけど、今日はもう何も予定がなくなったからさ」

晶葉「……?」

P「今日は思う存分、晶葉の実験につきあわせてくれよ。確かに、最近一緒にいる時間も少なかったしな」

晶葉「……どうしたんだ、急に。そう急に態度を変えられると、なんだか気持ち悪いぞ」

P「気持ち悪いとは失礼な。俺の正直な気持ちを伝えただけだよ」

晶葉「……ふん。まあ、珍しく、助手にしては悪くない提案だ」




レスくださった方、重ね重ねになりますが本当にありがとうございました!

>>35も修正

彩華『あやかが20歳になったら、必ずあやかとお酒を飲みにいくこと。そう約束してくれるなら、気をつけてア・ゲ・ル』

彩華『その代わり、お酒の席ではもぉっとオトナなあやかを魅せてあげるから。覚悟しててねぇ?♪』


P「妙な約束を取り付けられてしまったが、なんとか彩華の機嫌は取れたみたいだったな」

P「誰かに見られてたらどうする気だったのか……。ちひろさんが午後からで良かったよ、全く」

ぴろりろりろ

P「ん、着信……。晶葉か」

ぴっ

P「もしもし」

晶葉『助手か? どうだ、『のぞみえーる』は』

P「今のところは順調に作動してるぞ。……すごいな、これ」

晶葉「おお、ちゃんと動いているか。少し前のものだから、動作不良がないかと心配しているのだが」

P「とは言っても、まだ3人……。晶葉を合わせても4人しか使っていないけどな」

晶葉「4人か。今のところ、何か気になる点などはないか?」

P「気になる点……。ああ、そういえば」


で。それではおやすみなさい

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