モバP「しょんぼりーな」 (24)

―――事務所


李衣菜「…………」


P「…………」カタカタ…


李衣菜「……ん」ソワ

李衣菜「んー」ソワソワ


P「…………。…………」カタカタ…


李衣菜「ん、んー」ノビー

李衣菜「ふ、~~……」プルプル…

李衣菜「っ、たはー」

李衣菜「ん。…………はぁ」


P「…………」チラッ

李衣菜「……! ん、ふんふんふーん……」


P「……ふむ」カタカタ


P(……李衣菜が構ってほしそうにしてる。どうしたもんか)

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李衣菜「ふん、ふん、ふ~ん……」ソワソワ…


P「……李衣菜、李衣菜」

李衣菜「っ、はっはい。なんですかプロデューサー?」

P「なんですかって……」

P(しょうがないなぁ、まったくもう……)


P「こっち来い来い。お菓子をあげよう」

李衣菜「お菓子……別にいりませんけど」

P「まぁそう言うなって、ほらほら」

李衣菜「……じゃあ、いただきます」トテトテ

P「ほい、サントリーマアムをどうぞ」

李衣菜「……あの、プロデューサー」

P「はいはい、とりあえず食べな」

李衣菜「は、はい」


ぺりっ……


李衣菜「もぐ」

P「もぐもぐ」

李衣菜「もむもむ……」

P「…………」モグモグ

李衣菜「…………」モムモム

P「美味いなやっぱり。このしっとり感が何とも言えないよな」

李衣菜「……ですね。美味しいです」

P「うん」


李衣菜「…………」

P「……よし。それじゃ話してみなさいな」

李衣菜「別に……、話なんて」

P「無いって? あんなに構ってほしそうにしてたくせに」ポフ

李衣菜「う、それは……っ」

P「当ててやろうか」ナデ

李衣菜「…………」

P「うん、そうだなぁ……」


P「今の自分に自信がなくなって、このままでいいのか、って迷っちゃって」

P「自分から相談しようにも、申し訳なくて……勇気が出せなかった」

李衣菜「…………っ」

P「……そんなところか?」

P「な、李衣菜」

李衣菜「…………」

P「……俺に気づいてもらいたかったんだろ?」

李衣菜「……、っ」コクン

P「うん、よしよし」ナデナデ

李衣菜「……ごめんなさい」

P「ん?」

李衣菜「ズルいですよね、私……優しいプロデューサーなら気づいてくれるって、黙ってて」

P「こんなに元気のない李衣菜をほっとけるわけないだろー?」

李衣菜「……ありがと、ございます……」

P「自信がなくなったっていうのも……あれだろ。総選挙」

李衣菜「……はい」

李衣菜「私、どんな結果でもロックに受け流すぞー、なんて思ってましたけど……」

李衣菜「実際ああなったら……結構、心にきちゃいますね」


李衣菜「……あはは」

P「…………」

李衣菜「まぁ、それで……色々考えちゃって」

P「……そうか」

李衣菜「ほんの少しだけ……ここらが潮時かな、とか……」


P「っ! おい、それは……!」ガタ

李衣菜「すっ少しだけです! 今はやめる気なんて全然っ!」ブンブンッ

P「李衣菜……!」

李衣菜「本当……夜眠る前に、ちょっと弱気になって……」

李衣菜「い、今は全然そんなこと考えてないですから、ほんとですよっ」

P「……大丈夫なんだな?」

李衣菜「はい……信じてください」

P「……うん」


李衣菜「…………」

P「……李衣菜?」

李衣菜「……やめるわけ、ないでしょう?」


李衣菜「プロデューサーが、私をここに連れてきてくれた……」

P「…………」

李衣菜「私に魔法をかけて、キラキラ輝くアイドルにしてくれた人を……」


李衣菜「――私が誰より信頼してるあなたを、裏切れるわけないじゃないですか」

P「……そこまで、俺を信じてくれるのか」

李衣菜「はい。疑ったことなんて、一度もありま……あ」

P「ん?」


李衣菜「……たまーに、ありましたけど」

P「うおい」

李衣菜「や、全面的に信頼はしてますからっ!」

李衣菜「……こほん。プロデューサーになら、全部任せられるくらいには……信じてますから」

P「ありがとう……でいいのかな」

李衣菜「さ、さっきのは失言でした……すみません」

P「いや、いいけど……うん、ありがとな」

李衣菜「へへ、はい。……それで、なんですけど」


P「ああ……平気なんだな? これからも、アイドル続けること」

李衣菜「……はい。たかが順位くらい、なんだってんです」

P「うん」

李衣菜「そんなものに、ロックな私がこだわるもんですかっ」

P「……ん?」

李衣菜「ロックなトップアイドルを目指す私が、ちっぽけなことで悩みすぎましたねっ」


P「お、おい李衣菜?」

李衣菜「さぁプロデューサー、もっともっと上を目指して頑張りましょう! おーっ!」

P「ちょ、李衣菜ストーップ!」

李衣菜「え、なんですかプロデューサー……はっ!」

李衣菜「ま、また私ったらテンション上がっちゃった……この癖治さないとなー」

P「いやそうじゃなくて! なんか勝手に解決しちゃったし!」

李衣菜「へへへ、話しちゃったらなんだかすっきりしました」

P「なんなんだよもう……珍しくへこんでると思ったら」

李衣菜「えー、珍しくないですよぉ。いつも葛藤してるんですよ、私は……!」ドヤァ

P「……おらおらおらっ」ワシャワシャワシャッ

李衣菜「ひゃあっ!? な、なにするんですかもーっ!」


P「はは、ったく李衣菜! 心配させやがってー!」ワシャシャー

李衣菜「く、くすぐったいですってばぁ! ふふ、あはははっ♪」


―――
――

P「はー、遊んだ遊んだ」

李衣菜「ちょっとぉプロデューサー、髪の毛ぼっさぼさなんですけどー」

P「ロックだぞ」bグッ

李衣菜「そうですか? えへへ……ってそんなわけないでしょっ」

P「あはは、あとで直してやるから」

李衣菜「お願いしますね。っと、それよりこれからのことですけど……」

P「ああ。と言っても、今までと変わらないよ」

李衣菜「え、ってことは……」


P「うん。これまでどおり、李衣菜の意見も積極的に取り入れていこうと思ってる」

李衣菜「い、いいんですか? 私が言うのもなんですけど」

P「いいんだよ、李衣菜は李衣菜のままが一番魅力的なんだからさ」

李衣菜「私は、私のまま……」

P「そうそう。ひたすら前向きで、どんなことにも真っ直ぐぶつかっていく……」

P「そんな李衣菜に、俺は惚れ込んだんだから」

李衣菜「ほっ……!? ご、ごほんっ。あ、ありがとうございます……」

P「まぁ、知ったかぶりをするのが玉にキズだけどなー」

李衣菜「うっ! そ、それは……うにに、言い返せない……!」

P「そこがまた、愛嬌があって可愛いらしいんだけど」ナデナデ

李衣菜「うぅ、いつかプロデューサーにロックだって言わせるんだから!」

P「そりゃすごい。いったいいつになるのかなぁ」

李衣菜「すぐですよ、すぐ! 見ててくださいね?」

P「うん、見てるよ。ずっとな」

李衣菜「へへ……お願いしますっ」

P「ふふ……よし、李衣菜」

李衣菜「はい?」

P「まだまだ突っ走って行くぞ、どこまでも」

李衣菜「……はい! プロデューサーと一緒ならどこまでも行けますよ。なんたって――」


李衣菜「プロデューサーは、私の最高のパートナーですからねっ!」



おわり

というお話だったのさ
だりーなは不屈、何度でも立ち上がるよっていうことでひとつ

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