Ｐ「はい」ｺﾄ

比奈「ども」

比奈「…上手でスねー。きれいに等分だー…」

Ｐ「そうか？」ｺﾄ

Ｐ「…まあ包丁が綺麗だからな…けっこう上等だし。これ」ﾌｷﾌｷ

比奈「まー普段使ってないでスからね。きれいなハズでス」ﾌﾌｰﾝ

Ｐ「使ってくれよ…」

比奈「そういえば一緒に買いに行ったんでしたねー」

Ｐ「俺が選んだからな」ﾄﾎﾟﾎﾟ…

比奈「その節はお世話に…」

Ｐ「恩を仇で返してるけどな。はいコーヒー。とりあえずブラックでいいよな」

比奈「大丈夫です。へへーありがとうございまス」ﾆﾍｰ

Ｐ「うん」

比奈「……」

比奈「…このマグカップも」ﾂﾝ

Ｐ「？」

比奈「ふふ。プロデューサーと一緒に買ったんでスもんね」

Ｐ「そうだったな」

Ｐ「よく行く人の家なら、けっこう自分用のカップがあるのも便利なんだよな…」

比奈「プロデューサーうちにはよく来てまスもんね」ｸｽ

Ｐ「おう。…それをお前に言われるのは釈然としないけどな」

比奈「いつもお世話になってまス」

Ｐ「いえいえ」

比奈「じゃあいただきまス」

Ｐ「おう。おめでとう」

比奈「…」ﾊﾟｸ

比奈「…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

比奈「…ありがとうございまふ」

Ｐ「食べながらしゃべるなよ」

比奈「てれかくしもかねてまふから」ﾓｺﾞﾓｺﾞ

Ｐ「さいですか」

比奈「…」ｺﾞｸﾝ

比奈「はふ…でも、どうしてわざわざ、またお祝いに来てくれたんでスか？」

Ｐ「…ああ」

Ｐ「えっと…このまえは、バタバタして俺からはちゃんと祝ってあげられなかった気がして」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

Ｐ「悪いな。急に押しかけて来て」

比奈「あ、い、いえいえ…それは全然…」

比奈「えっと……わりと嬉しかったし…」

比奈「あ、や、わりと、じゃなくてデスネ…」ﾜﾀﾜﾀ

Ｐ「落ち着け」

比奈「お、落ち着きまス」

比奈「こくこく…ぷは。あつっ！」

Ｐ（そりゃそうだ）

Ｐ「…ホットコーヒーをあわてて飲むなよ。大丈夫か？」

比奈「ひたがいひゃいれす…」ｱｳｰ

Ｐ「氷もって来るよ」

比奈「すいまへん…あぅ…」

Ｐ（かわいそうだけど、ちょっと可愛いな）

Ｐ「…」

比奈「あー」

Ｐ「…」

Ｐ「…あーん」

比奈「あむ。ころころ…えへへ。つめひゃくてきもひいいれふ…」ﾆﾍﾗ

Ｐ「…それはよかった」

Ｐ（しかし舌を出して待っていられると…こう、あれだな）

比奈「？？」ｱﾑｱﾑ

Ｐ「…大事にな。舌は大事だもんな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

比奈「だじゃれれふ？」ｺﾛｺﾛ

Ｐ「たまたまだよ」

比奈「ふぃ…いろいろあったけっか落ち着いたっス」ﾊﾌ…

Ｐ「そっか」ｸｽ

比奈「えと…なんの話でしたっけ…」

Ｐ「わりと嬉しかったか、そうでもないか、みたいな話だった」

比奈「…ああ」

比奈「…プロデューサーが来てくれて…嬉し…」

比奈「あ、あわわ」ﾌﾟｼｭｰ…

Ｐ（無限ループするんじゃなかろうか、これ）

Ｐ（もうコーヒーも冷えてるか…）

比奈「…え、えへへ」ｷﾞｭ

Ｐ「？」

比奈「は、はい。嬉しいでス。その、わりと、とかじゃなくて…と、とっても。ふふ」

Ｐ「…おー。そっか」

Ｐ「…なら来てよかった」

比奈「よかったっス。はい」ｺｸｺｸ

Ｐ「おう」

比奈「はい。…えへへ」ﾆﾍﾆﾍ

比奈「…」ｴﾍﾍｰ…

比奈「…こんなふうにお祝いしてもらえるのって、初めてかな…プロデューサーが、また私の初めてもらってくれました…」ﾆﾍﾆﾍ

Ｐ（…すごい言い方だな…）

Ｐ「…こんなふうに、か」

比奈「はい。こんなふうに…男の人と、二人っきりで…とか」

Ｐ「…」

Ｐ「まあ、俺も数えるほどしかないけどな…二人きりで女の子の誕生日を祝ってあげたことなんて」

比奈「ほうほう。では数えてみましょうか」

Ｐ「やめてくださいお願いします」

比奈「冗談でスよ」ｸｽ

ぽすん


Ｐ「ん…」

比奈「…ふふ」ｽﾘｽﾘ

比奈「プロデューサーにもそうして欲しいなーって思いまスけど」

比奈「それよりも、なにより私自身が…いまはプロデューサーのことだけを考えてたいなーって」

Ｐ「…それは」

Ｐ「…そっか。てれるな」

比奈「てれまスか」

Ｐ「てれるてれる」

比奈「比奈ちゃんの乙女ゴコロにめろめろでスか」

Ｐ「…おう。だいぶ、めろめろだ」

比奈「だいぶスかー。えへーうれしいなー」ｴﾍﾍｰ

Ｐ「……」ｸｽ

Ｐ「…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

比奈「…」ﾌﾌｰ

Ｐ「ほら。まだケーキ残ってるぞ。ちゃんと座って…」

比奈「あーん」

Ｐ「…」

比奈「あー…」

Ｐ「…フォークは危ないだろ」

比奈「口移しでもいいでスよ？」

Ｐ「もっと危ないから、それ」

比奈「なんでもいいから食べさせろーっス」

Ｐ「あーん欲より食欲だろ、それ」

比奈「あーん欲ってちょっとえろ」

Ｐ「ほら手でつかんで食わせてやるからそれ以上は言わない」

比奈「もご」

比奈「もぐもぐ」

比奈「おいひいれふ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

Ｐ「…おー。よかったな」

比奈「よかったでス。ふふ」ｺｸﾝ

Ｐ「もう少し食べるか？」

比奈「やさしい…ん…でも、それより…あーん」ﾊﾟｸ

Ｐ「うく…」

比奈「…ん…ぷぅ。はぷ…」

Ｐ「…おい比奈。きたない」

比奈「あ…ごめんらはい」

Ｐ「いや、俺の手がな。…洗ってはあるけど、汚いよ」

比奈「ん…そんなことないれふよ…あむ。クリーム付いてるし」

Ｐ「理由になってない」

比奈「理由なんてどうでもいいんでスよ」

比奈「なめれたら」

Ｐ「え、なに最初から俺の手をなめるのが目的だったの？」

比奈「失礼。噛んだっス」

Ｐ「それ噛んだとかじゃないから」

比奈「噛むんじゃなくてなめたんでしたもんね！」

Ｐ「うまくないから」

比奈「ふふっ」

比奈「えと」

比奈「なにかと言われたら…プロデューサーをドキドキさせるのが目的でスかねー」

Ｐ「…」

比奈「それがいまの私の行動原理でス」

Ｐ「それは大げさな気もするが…」

比奈「大げさじゃないでスよー」

比奈「もっと可愛くなりたいなっ。…って思うのは、いまはだれかに振り向いてもらえるようにでスから」

Ｐ「……だれか…か」

比奈「だれか、でス」ｺｸ

比奈「ふふ…大丈夫っス、プロデューサー。だから私、もっともっと可愛くなれまス！…たぶん」

Ｐ「たぶんか」ｸｽ

比奈「た、たぶん」

比奈「頑張りまス！」

Ｐ「うん。頑張れ。…頑張ろうな」

比奈「はいー」ﾆﾍｰ

・・・・・


Ｐ「…さてと」

Ｐ「俺はそろそろ帰るよ」

比奈「あ、了解でス。遅くにわざわざ、ありがとうございました」ﾍﾟｺ

Ｐ「いえいえ。こちらこそ悪いな。こんな時間に」

比奈「いえいえでス。嬉しかったっスよ」ﾆｺ

比奈「…？」

比奈「あ、でもあの…気にしすぎかも知れないでスけど…いま『俺は』って」

Ｐ「ああ」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

Ｐ「別働隊がそろそろ来るころかと思って」

比奈「…」

比奈「ふふ…なるほど。別動隊」

ｶﾞﾁｬ


柚「おはよー…じゃ、なかった！勢いで間違っちゃったよ！」ｱﾜﾜ
http://i.imgur.com/XDIQWzO.jpg

仁奈「お、おねーさん落ち着くですっ。いったん仕切り直すでやがります」ｶｻｶｻ
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比奈（なんか箱がしゃべってる…）

楓「えっと…出直しまーす。…あ、升もってます。ふふ」ﾊﾟﾀﾝ
http://i.imgur.com/85GcbE5.jpg

比奈「…」

比奈「最後のダジャレは必要だったスかね…」

Ｐ「ど、どうだろうな」

ｶﾞﾁｬ


柚「はっぴばーすでー！比奈サーンいぇー」ﾊﾟﾝｯ

比奈「わぷっ」

仁奈「おめでとうごぜーます！こちらプレゼントになってやがりますよー」ｶｻｶｻ…

比奈「仁奈ちゃんはたぶんあれでスよね、このまえ私にくれたキグルミを自分でも着てみたかったとかそういう」

仁奈「ば、ばれやがったです」

仁奈「ち、ちげーですよー。今日は仁奈がぷれぜんとというですね…」ﾓﾌｶｻｶｻ

比奈「はいはい」ｸｽｸｽ

楓「ふふ。何日か遅れだけど…もう一度お祝いです。おめでとう」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

比奈「…う…あ、ありがと…でス。えへ…」

柚「よぉーし！じゃあいろいろ準備するぞー。肉だぞ肉ー」

仁奈「チキンでやがりますよー」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

比奈「け、ケーキのあとにフライドチキンですか…お、重いなぁ」

柚「大丈夫！比奈サンが食べられないぶんはちゃんとアタシが食べてあげるよーっ」

比奈「それ、柚が食べたかっただけでスよね？」

柚「てへ？」

楓「…おつまみも買って来てあるから…ふふ、のんびり飲みましょう？」

比奈「はい。よろこんで」

比奈「…」

比奈「あぁ、遅くに来たけど大丈夫かなーって思いましたけど…そっか、泊まるのか…あはは」

Ｐ「平気か？」

比奈「はい。…ちょっとこう、リア充ぽくてまだなれないでスけど…みんなは何度か来てるし」

比奈「ふふ。おしかけてもいいんだーって思ってくれてるのは、ちょっと嬉しいし」

Ｐ「…うん」

比奈「はい」

比奈「さっきの話…友達がお祝いしてくれたことはありましたけど」

比奈「…ちょっと、これもいままでと違うし…初めてかな。みんな全然違ったものが好きで、…同じものが好きで」

Ｐ「うん」

比奈「…」

比奈「もう。わかってまス？」ﾍﾟﾁ

Ｐ「いて。…分かってるよ」

比奈「でスか。ふふ、ならいいでス」

柚「おーい。比奈サンはやくー。祝わせろー」

仁奈「たんぷれ仁奈をもふってくだせー！」

楓「もう注いでもいいかしら…」ｿﾜｿﾜ

比奈「は、はいはーい。もうちょっと待てでスよ」

比奈「…もー…ふふ、みんなわりと勝手気ままに生きるタイプでスけど」

Ｐ「うん」

比奈「はい」

比奈「ふふ。でもおかげさまで、楽しいでス。ありがとうございまス」ﾆｺ

Ｐ「うん。よかった」

Ｐ「じゃあ、また明日」

比奈「はい。今日はありがとうございました」ﾍﾟｺ

Ｐ「いえいえ」

Ｐ「おめでとう」

比奈「ふふ。ありがとーございまス」ﾆﾍ