安部菜々「永遠の17歳の保健体育」 (29)

※モバマスSSです。
 鬱はない。たぶん。

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P「じゃ、営業行ってきまーす」

卯月「島村卯月、頑張ってきます!」

P「おまえたち、ちひろさんが今日はいないけど……留守番頼むぞ」

未央「まっかせといて! ねーしぶりん?」

凛「心配性なんだから、プロデューサーは……大丈夫だよ」

P「心配にもなるだろ。働いてるとはいえ、おまえたちはまだまだ子供なんだから」

凛「……聞き捨てならないね」

未央「このナイスバディのどこが子供だって言うのさ!」

P「そうやって反論してくるところだよ」

P「まあ、一緒に菜々がいてくれるから、実はあんまり心配してないけどな」

菜々「なんでナナのことを年長者っぽく言うんですか! 凛ちゃん未央ちゃんと2つ違いですよ! リアルJKなんですよっ!?」

P「アーハイハイソウデスネー」

菜々「もー! いっつもナナはこんな扱いです!」

P「頼りにしてるのは間違いないんですから、怒らないでくださいよ。さてと、卯月行くぞ」

卯月「あ、はい! じゃあ行ってきます!」


ガチャ バタン


未央「……行ったね」

凛「うん」

菜々「? どうしたんですか、2人とも」


凛「菜々さんが残ってくれたのはラッキーだったね」

未央「大丈夫かな。菜々さんで」

凛「大丈夫……だと思うよ。自称リアルJKなんだし」

菜々「じ、自称ってどういうことですか!」

未央「だってよ、しぶりん」

凛「……何にしても、菜々さんなら知ってるはずだよ。たぶんね」

菜々「あの、なんの話してるんですか? ナナ怖いんですけど。嫌な予感しかしないんですけど」

凛「――菜々さん!」キッ

未央「お願いがあります!!」キッ

菜々「お、お願い……ですか? やっぱりその、いい予感はしないんですけど……なんでしょうか?」

凛「……………………」///

未央「……………………」///

菜々(え、何この反応……やっぱりすっごく嫌な予感がします……)

未央「しぶりん言いなよ///」ヒソヒソ

凛「ちょっ、なんで私にだけ……未央の方がそういうこと言うようなキャラでしょっ///」ヒソヒソ

未央「なっ……私そういうイメージなのっ?」ヒソヒソ

菜々(どっちも顔が赤い……恥ずかしいことなんですかね?)

菜々「あー、っと……今は、事務所にいるのは凛ちゃん未央ちゃん、そしてナナだけです」

菜々「ナナは、2人の言うことを他の人に話したりはしませんよっ? ウサミン星に誓って言えます!」

未央「いつも自爆してるのに?」

菜々「それはまた別の問題です!」

未央「あははっ、ごめんごめん、冗談☆」

凛「菜々さんのこと、大人として信頼してるよ。だからこうやって、相談しようと思ってるんだし」

菜々「凛ちゃん……未央ちゃん……」

菜々(同年代として頼ってもらえた方が嬉しいんですけどね……)

菜々「で、相談というのは?」

凛「///」

未央「///」

菜々(またですか)

菜々「えっと……恋の悩みとか?」

未央「あーっと、そうじゃなくて……いや、近いのかな///」

凛「関係があることは確かだね、うん///」

菜々「はあ。恋に関係があること……」

未央「しぶりんしぶりん。せーの、で言おうよ///」ヒソヒソ

凛「う、うん。そうだね。このままじゃ話進まないし///」ヒソヒソ

未央「自分だけ言わないのナシね」ヒソヒソ

凛「そんなことするわけないでしょ」ヒソヒソ

菜々「……そ、そんなに恥ずかしいこと……?」ゴクリ

凛「それじゃあ、行くよ?」

未央「うんっ」

凛未央「「せーのっ――」」

凛未央「「コンドームの着け方を教えてくださいっ!!」」

菜々「」































菜々「」

菜々「えっと、あの……え、えぇぇっ!?」

凛「……と、いうことだよ///」

未央「はー、やっぱりこうやって言うのも恥ずかしいねー///」

菜々「えっと、あの、すいません。質問させてください」

凛「どうしてこんなことを聞くのか?」

菜々「そうです。そんな、アイドルが、こ、こっ……コンドー、ム、なんて……!」

菜々「まさか、彼氏……とか……っ?」

未央「違う違うっ、そんなんじゃないから安心してっ?」

菜々「それならどうして、こんなことを?」

凛「……私が仕事で学校行けなかったときに、保健体育の授業があったみたいで」

凛「そこで、先生に解説されたんだって……その……コンドームの着け方///」

菜々(なっ、なっ……い、今の子たちってそんな授業受けてるんですかー!?)

菜々(い、いや、ナナたちの世代でもやってる学校があるって聞いたことがあるような気が……ナナは中学でも高校でもそんな授業なかったけど……)

未央「私も同じような感じでさー、仕事でその授業出れなかったんだよー」

菜々(未央ちゃんの学校にもあるんですか!?)

菜々「な、なるほど……質問してきた理由は分かりました」

凛「私たちにはまだ早い、とか言うのはナシだよ?」

未央「授業でやった、ってことは、私たちが聞いても大丈夫な話ってことだからね!」


菜々「た、確かに……」

菜々「ですが……どうしてナナに?」

凛「(人生の大先輩だし)いろいろ知ってそうだから」

未央「(大人なんだから知らなきゃ恥ずかしいだろうし)絶対教えてくれる! って思ったんだよ☆」

菜々「言葉の前に不自然な間があったのはどういうことですか?」

凛「なんの話?」

未央「知らないなあ」

菜々「……ま、まあいいでしょう」

菜々「で、でも、コン……ム、の着け方、ですか……」

凛「知ってるよね?」

未央「知らないわけないよね?」

菜々「……なんでそう、確信持ったように言うんですかっ?」

菜々「ナナはリアルJK! この年代なら、普通に知らない子の方が多いはずです!」

凛「女子高生なら、知ってる方が普通だと思うよ」

菜々「えっ……?」

菜々(さ、最近の若い子って……)

未央「一部例外を除いてね。たとえば美嘉ねーとか」

菜々(なんで美嘉ちゃん? すっごい熟知してそうなんですけど……)




――都内の撮影スタジオ

美嘉「へっくち!」

莉嘉「お姉ちゃん風邪ー?」

菜々「じゃ、じゃあ卯月ちゃんに聞いてみればいいじゃないですか」

菜々「“普通の女子高生”なら知ってるんですよね?」

未央「菜々さんや。普通を売りにしている時点で、普通とは呼べないんじゃよ」

菜々「なんですかその理屈」

凛「卯月は知らない。聞くだけムダ」

菜々(微妙に辛辣な気がします)

菜々「……もし、ナナが知らなかったら?」

凛「優しい同情の視線を送るだけだったかな」

菜々「本当にそうなったらいろいろ辛そうですね……」

凛「で、どうなのナナさん」

未央「知ってるよね? 私たちに教えてくれるっ?」

菜々「……………………」



菜々(……正しい性知識を教えるのは、悪いことじゃないはず……)

菜々(そうです……! むしろここで教えておくのは、この子たちが大人になったときに困らないため!)

菜々(だから……ナナは……!)

菜々「――分かりました。教えましょう」

凛未央「「おおっ……!」」

菜々「教える、というよりも……実践してみる、っていう感じですかね」

凛「実践……!」///

未央「そ、それは……!」///

菜々「おおっと! か、勘違いしないでくださいよ! 本物じゃなくて、代わりのものを使うってだけです!」

凛「な、なんだ……」ホッ

未央「でも、代わりのものって……?」

菜々「そうですねえ……まず、適度な太さと弾力があって、細長いものがあるといいんですけど……」

凛「えーっと……?」

菜々「具体的に言うと、キノコみたいな――あっ」

未央「それならあるじゃん。机の下に」

ゴソゴソ

未央「菜々さん! このキノコとかどうかなっ」

菜々「うん、ちょうどいい感じですね」

未央「じゃあこれ借りちゃおう!」

ブチッ



――地方のライブ会場

輝子「ノォォォーーーーーーマイフレーーーーーーンズ!!」

小梅「わっ……! びっくり、した……」

幸子「いきなり叫ばないでください輝子さん!」

輝子「あ、ハイ、スイマセン」

菜々「さて、片方は確保しました」

菜々「あとはもう片方……こ、コンド……ですが……」

凛「菜々さん、さっきから言えてないけど、本当に着け方分かってるの?」

未央「ミエ張る必要ないよ? 私たち黙ってるから」ヤサシイメ

菜々「問題ありませんっ!」

凛「で、コンドーム自体はどうするの?」

未央「……実際に買ってくる、とか///」

凛「そ、それは……何かで代用できるなら、そうした方が早いと思うけどな」

未央「そ、そうだね! うん!」

菜々「……………………」

菜々「しょうがない、ですね……」

凛「……え?」

菜々「ちょっと待っててください」スタスタ

未央「どこ行くんだろ」

凛「更衣室……?」

菜々「お待たせしました」

未央「何してたの?」

菜々「これを取りにいってたんです!」

凛「!! こ、これは……!」///

未央「本物の……コンドームだとっ……!?」///

凛「菜々さん……持ち歩いてるんだ……」

菜々「違いますよぉ! 誰とは言いませんが、この事務所には変でダメな大人がいます!」

菜々「その大人に持ってなさいって言われて押しつけられただけです!!」

菜々「ナナはこんなの自分で買ったことありませんっ!!」

未央「お、おう」

凛「買ったことないって……本当に着け方分かるのかな……」

菜々「それを今から証明します!」

菜々「まず、袋から出します。ここで破かないように、中身を避けて丁寧に」

凛「ふむふむ///」


~ミミミンミミミン(中略)~


菜々「この出っ張ってるところが空気穴です。ここをつまみながら、こう……くるくるっと」

未央「ほうほう///」


~ミミミンミミミン(中略)~


菜々「口で着けようとするのは上級者向けですからね! 慣れるまではしないように!」

凛未央「「は、はい」」

凛未央(く、口って……//////)


……………………

…………

……

未央「いやー、勉強になったよ菜々さん! 本当にありがとう!」

凛「ふふ……なんだか、ちょっと成長したような気がする」

菜々「お役に立ててなによりです……」

菜々(な、なんか、疲れました……)

菜々(避妊具の着け方を教えるだけで、こんなにも精神力を使うなんて……保険の先生ってすごい……)

夜 菜々自宅


菜々「――ってことがあったんですよ」

P「ははは、それは大変だったなあ、菜々」

菜々「はーあ……それにしても、まさか……押しつけられたコン……ムが、あそこで役に立つなんて……」

菜々「自分でもびっくりですよ」

P「持ってて良かっただろ?」

菜々「良くないですよ! だいたいなんでPさんはいっつもいっつも買ってきた避妊具を事務所でナナに押しつけるんですか! 自分で持って帰ればいいのに!」

P「コンドーム渡されて赤くなる菜々が可愛い。ただそれだけ」キリッ

菜々「なっ……/// もう、本当に変でダメな大人です、Pさん……」

P「あ、凛と未央に教えたこと、菜々は今晩やらなくてもいいんだぞ?」

菜々「はぁっ!? な、何言っちゃってるんですかPさん!?」

P「ダメ?」

菜々「だーめーでーすーっ!」

菜々「そういうのは、ちゃんと結婚してから……ですよ、もうっ」



END

以上。くぅ疲。
誰もいないと思ったらいてくれた。ちょっと感動。
読んでくれた方ありがとうございます。

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