【ゆるゆり】浸食 (18)


京子「結衣、晩ご飯出来たよー。
今日は京子ちゃん特製、ミートドリアだよん。」

結衣「おー、中々に本格的だな。
でもどうしたんだ?京子が料理を作りたがるなんて。」

京子「いやぁ、いつも結衣にはお世話になってるからね。そのお礼だよ。
沢山の『アイ』を込めたんだからぁ、残さず食べてねぇ。」

結衣「『愛』ってまた大袈裟な。でも折角京子が作ったんだし、最後まで食べるよ。
そういえば、絆創膏してるが指どうしたんだ?」

京子「ちょっと包丁で切っちゃってね。でももう大丈夫。
今、すっごくぅ、いぃ気分、だからぁ。」



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結衣「まったく、気をつけろよ。
まぁ、作った物を食べてもらう時って、嬉しいもんな。
……うん、美味しい。」

京子「あぁ、あたしが結衣に食べられてるぅ。」

結衣「なんだそれ。」

京子「えっ……ほら、あれだよ……トメィトゥといえばあたしじゃん。それをパクッと。
もう、結衣ったら大胆。」ポッ

結衣「それならお前は共食いだな。
それにしても真っ赤なトマトソースだな、これ。」



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京子「…………そりゃあ『アイ』が詰まってるからねぇ。」


結衣「京子ー、食器洗ってるから、先にお風呂入っててよ。」

京子「えーっ、一緒に入ろうよ。」

結衣「入るわけないだろ。ホラ、冗談言ってないで。」

京子「ちぇーっ…………まぁいぃけどぉ。」

…………
……

京子「あがったよー。
さぁ結衣、あたしの残り湯を堪能してくるがいい。」

結衣「間違ってはいないが、その表現やめろ。じゃあ、入ってくる。」

…………
……

結衣「まったく京子のやつ。残り湯とかいうから、変に意識しちゃうな。
第一、なんで風呂場に京子の人形があるんだよ。」

「それにしても……この京子、やけに目が大きいな。なんか視られてる感じでムズムズする。
後ろ向けちゃお。」

京子「コラーッ、結衣。あたしを勝手に動かすなー。」ガラッ

結衣「うぉ京子。って、なんで私が動かしたこと知ってんだよ。」

京子「へ……、ゆ、結衣の考えることなんて『丸見え』なんだから。
さぁ、京子ちゃん人形と仲良く入浴しなされ。さぁさぁ。」

結衣「分かったから、さっさと出ろバカ。
変な京子。それにしても目が気になるな。早めにお風呂あがろ。」



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京子「…………次はもっと小さめのにしとこう。」

京子「結衣ー、お風呂上がりにハーブティー飲まない?」

結衣「あれ、京子ってハーブティー苦手じゃなかったっけ?」

京子「いや、あたしは飲まないよ。
お母さんから結衣にお土産持ってけ、って渡されたの。」

結衣「それなら飲もうかな。後でおばさんにお礼行っといてよ。
じゃあお湯を沸かして……」

京子「それならもう沸いてるよ。後は持って行くだけ。」

結衣「お、おう。やけに準備がいいな。私も何か手伝おうか?」

京子「来ないで!今、『アイ』を注いでいるところだからぁ。」

結衣「今日はやけに『愛』にこだわるな。なんかあったのか?」

京子「隠し味だよ、隠し味。ハイ、出来たー。
後、美味しく飲んで欲しいから、レモンもたっぷり入れといたよ。
し、っ、か、り、とぉ、味わってねぇ。」

結衣「結構香りの強いハーブティーなんだな。レモンいらないんじゃ……
ってあれ、レモンの酸味かな?意外とハーブに合うんだな。
ふぅ、落ち着く。」



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京子「…………きっと、結衣は『あたしの味』との相性がいいんだねぇ。」


結衣「さて、そろそろ歯磨きして寝ようか。」

京子「そうだ結衣。結衣の歯ブラシ毛先がもう拡がってたよ。
だから新しいのに替えといてあげたから。」

結衣「こないだ替えた気もするけど……とりあえずありがとう、京子。」

京子「替えたばっかの歯ブラシって痛いよね。
だから、ね、っ、と、り、とぉ、濡らしておいたよぉ。」

結衣「ねっとりって言い方はおかしいだろ。
しかし今日は京子の気が利きすぎてて怖いなー。」

京子「何をー。この女子力の塊みたいな京子ちゃんに対して怖いだなんて。
もう結衣とは離婚してやるー。」

結衣「ハイハイ、分かったから。
ん?なんか歯ブラシが甘い?気のせいか。」



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京子「…………好きな人の味って、甘く感じるらしいよぉ。『これ』みたいに。」

≪アナザーエンド ≫

結衣「じゃあ電気消すぞー。」

京子「オッケー。」

結衣「おやすみ京子。」
京子「おやすみ結衣。」グリグリ

結衣「……何してるんだ、お前?」

京子「マーキング。てか結衣って、いい匂いするよね。
はぁ、結衣の香りに包まれてる。」

結衣「恥ずかしいし、私が寝にくいから離れて欲しいんだが。」

京子「駄ぁー目っ。結衣はあたし専用の抱き枕なんだから。
おやすみー。」

結衣「仕方ないな。おやすみ、京子。」



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京子「…………結衣ぃ、もう離さないから。」ボソッ



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結衣「じゃあ電気消すぞー。」

京子「ちょっと待ったあ!
結衣、寝る前には水を飲まなくちゃいけないんだよ。」

結衣「……寝るだけだし、別にいいだろ。」

京子「結衣ってば分かってないね〜。
人間は寝ている間にも汗をかくんだよ。で、朝起きた時に身体は脱水s……」

結衣「分かった、分かったから。
仕方ない。面倒だけど起きるか。」

京子「フフフ……、そんなものぐさ結衣さんのために、京子ちゃんは水を用意しておいてあげたのだー。
どう、惚れ直した?」

結衣「いや、ないから。でもありがとう京子。
うん、水が美味しい。さて、このコップを片付けて……
ぁれ、なんか急に眠気が……」

京子「水飲んでリラックスしたんだね。
何もおかしいことはないよ。
コップはあたしが片付けとくから、結衣はもう寝ててよ。」

結衣「悪ぃあ、きょおこぉ。
じゃぁ、ぉやすみぃ。」

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京子「…………『おやすみ』、結ぅ衣。」ボソッ



おしまい

【読み方】

一周目:文字通りに読んで下さい
甲斐甲斐しい夫婦のやり取りが味わえます

二周目:ヤンデレ・題名・『』の含みを込めて読んで下さい
名状しがたい恐怖を味わえます

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