八雲「私とあの人だけの共に過ごしていく時」 (75)


談講社編集者「というわけで、 ボ ツ 」

播磨「えっ」
八雲「えっ」

談講社編集者「まっ、最初のうちはみんなボツくらいまくるから、修行だと思って頑張って」

談講社編集者「次、1ヶ月後までにまた30ページ描いてきてね」

播磨「…………」

八雲「は、播磨さん……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396013267


播磨「テメーー!!俺と妹さんが描きあげた渾身の魂の力作がボツだとぉ!?これを描くのに俺達は1週間死ぬ思いをしたっつーのによくも簡単にボツにしてくれやがってーー!!」

談講社編集者「ちょ!ちょ!苦しいシマッテル…」

八雲「は、播磨さん!落ち着いてください!!」

播磨「ん?おおそうだな、すまねぇ妹さん」ポイッ

談講社編集者「ううっ…ゲホッ!ゲホゲホっ!ったく…な、なんて怪力だ…」

八雲「す、すみません…大丈夫ですか?」

談講社編集者「あ、ああ…ありがとう…(うわぁ~この子、すっげー美人…)」

八雲「…………」


談講社編集者「それよりさっき君、その漫画何日で描きあげたって言ってたっけ?」

播磨「あぁん?1週間っつただろうが」

談講社編集者「…それまでは何も描いてなかったの?」

播磨「違ぇよ!先に出来上がったのもあったんだが、納得行かなくてまたこれを描き直したんだ」

談講社編集者(2ヶ月で2作品、しかももう1作は1週間で仕上げただと…!?)

談講社編集者「…………」


談講社編集者「君さ、もっと取材してから漫画を描いたら?」

播磨「取材?」

談講社編集者「そう、漫画はデフォルメも必要だけど、一定のリアリティも必要…」

談講社編集者「特に君みたいな恋愛をテーマにした漫画を描きたいのなら、読者の『あるある』とか『自分もこうなりた~い』とかの共感を得られないとダメ」

播磨「う…た、確かに…」

談講社編集者「喧嘩のシーンは何故か異様に迫力あるんだけどさ・・・でもそれじゃあ格闘漫画に転向しなきゃ。でも、君はあくまで恋愛一本なんだろ?」

播磨「う、うす…」

談講社編集者「せっかく可愛い彼女もいるんだし、一日取材件デートしてみたら?」

播磨「なっ!!
八雲「!!!」



播磨「お」




播磨「俺の彼女に色目使うんじゃねーーー!!!!!」ドガッバギィッ

談講社編集者「ぎゃーーー!!」



八雲(は、播磨さん・・・・・・)



(俺の彼女に色目使うんじゃねーーー!!!!!)



八雲(今、『彼女』・・・って・・・・・・)



八雲「クス・・・・・・」


八雲(嬉しいけど・・・・・・)


八雲(やっぱり、まだ恥ずかしい・・・・・・)



播磨「女に色目使うような奴が仕事できるかってんだ!!」ボコスカバキボコ

談講社編集者「ひ、ひえ~~ん泣」

八雲「ってちょ、ちょっと播磨さん!止めて下さい~~!」



播磨「ったくあの編集者…なーんかいけ好かねえと思ったら妹さんのことそんな目で見てやがっただなんて…」ブツブツ

八雲「あ、あの播磨さん!私は全然気にしてないですから…」

播磨「い~やダメだ妹さんは甘すぎる!俺が言うのもなんだが、男は狼なんだぜ!今は周防と付き合ってるが、昔の花井を思い出してみろ!」

八雲「は、はぁ…」

播磨「それになんたったって妹さんは、かわいい…!!」ハッ

播磨「!!!!!」

八雲「!!」カアアァァァ


播磨「…………」

八雲「…………」

八雲「……播磨さん……」

播磨「はい、何でしょう……」

八雲「もう一度……」

八雲「もう一度ちゃんと言ってください……!」

播磨「!!!!!!!!」ドキドキドキーーーン!!!!


播磨「い………」

播磨「妹さんは………」



播磨「カワイイです…………(チクショウ!妹さん、か、可愛すぎるぜ~~!!)」


八雲「!!!!」カアアァァアアァ


すぐに落ちない事が分かったので、
今度からはマイペースに書いていきます。

ムカで人間

すいません間違えました


昨晩、姉さん達が急いで原稿を届けてくれたおかげで、

なんとか、播磨さんと私の原稿は、締め切りに間に合った。

でも、まさかのボツ・・・・・・

すごくビックリしたけれど・・・でも、そんなにショックではなかった。

だって、また2人で頑張ればいいだけなんだから。


そう、これからは・・・・・・


播磨さんと、私の、2人で・・・・・。




播磨「おーい!妹さーん!!」

八雲「はっ、はいっ!!」



播磨「腹でも減っただろ、なんか、メシ食って帰るか?」

八雲「えっ、いいんですか・・・?」

播磨「いいっていいって、遠慮すんなって」

播磨「ほら・・・もう、俺たちはよ・・・・・・」

播磨「こ・・・・・・」

播磨「恋人・・・・・・同士なんだからよ・・・・・・」

八雲「・・・・・・!!」

八雲「・・・・・・はい!!」




そう、私たちは・・・・・・恋人同士になった。

お互いの気持ちを言葉に出して・・・

お互いの気持ちを確かめ合って・・・・・・


『好きです・・・・・・!播磨さん・・・・・・!!』



『お、俺もアンタの事が、大好きだ!!!!』



昨晩のことだから、まだ実感がわかないけど・・・

でも、こうして播磨さんの口から、言ってもらうと、凄く安心する。

凄く、嬉しくなる。


そう、心ではなくて、言葉で言ってもらうことが・・・




とても、嬉しい・・・・・・



PM1時、レストラン

オマタセシマシター
トクセイカレーライス オオモリトフツウモリデスネー ゴユックリドウゾー


「じゃあ、どっちがここのドリンクバー制覇出来るか・・・勝負する?」
「あらぁ?私に勝てると思ってるのかしらぁ?」
「何だとこの巨大ツインテール」
「うるさいわねこの時代遅れポニーテール」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・


播磨(な、なんか隣の席がすげー不穏な空気なんだが・・・・・・)


八雲「あ、あの・・・播磨さん」

播磨「ん?なんだ妹さん」

八雲「さっき編集者の方に言われたことですけど・・・」

播磨「ああ、漫画のスタイルについてのことか?ったくよぉ、妹さんと俺の熱い魂を感じてくれねーとは・・・まったくあいつの目は節穴かっつーの!!」

八雲「い、いえ・・・そのことではなくて・・・・・・」

播磨「?」

八雲「その・・・・・・取材・・・・・・・・・デートの・・・・・・・・・」

播磨「!!」


播磨「あ、ああ!!あの事か!!」

播磨「そ、そうだな、取材しねーと、やっぱリアリティがでねーよな!うむ!」

八雲「・・・・・・・・・」

播磨「・・・妹さん?」

八雲「播磨さん・・・・・・私とデートするの・・・・・・」

八雲「嫌、ですか・・・・・・?」


播磨「!!」」ドッキーーーンッ!!

播磨「・・・・・・(や、やっべーーー!俺もまだ気恥ずかしさが残っててついついぎこちない態度取っちまったが、妹さんを悲しませちまったぁああああ!!)」

播磨「ス、スマン妹さん!そういうワケじゃねえんだ!その・・・」

播磨「お、俺もまだちょっと照れくせーっつーか・・・・・・」

播磨「改まってお誘いするのも、ちょっと勇気がいったっつーか・・・」タハハ・・・

八雲「・・・・・・」



ギュッ!!


播磨「!!(い、妹さん!?どうして突然手を!?)」

八雲「播磨さん・・・・・・」


八雲「一緒にデート、行きましょう!」


播磨「・・・(妹さん、ウジウジしてる俺を気遣って・・・・・・!)」

播磨「・・・(妹さんを楽しませねーと、俺は彼氏として失格だ!!)」

播磨「・・・(男播磨拳児!!カッコイイとこ見せてやるぜ!!)」


播磨「妹さんよ・・・・・・」

八雲「はい・・・・・・」


播磨「俺が最っ高のデートプラン考えて来るからよ!楽しみにしてな!!」

八雲「・・・・・・はいっ!」





今日はここまでです


播磨(っってもよぉ、一般的なデートっったらどんなものなんだ?)

播磨(いままで付き合いで買い物に行ったりしたことはあるが、イマイチ2人で出かけるっつーのが分かんねぇ…)

播磨(うーーむ……)

播磨(せっかくだから、少し変わったデートがいいかもしれねぇな……)

播磨(例えば…)



……


八雲「はりまさーーーん!!」

ザッパーーーーン!!

播磨「妹さ~~~ん!!!!」

ドッザパーーーーン!!

播磨「妹さん!今だァ!!網を引けえェェェェ!!」
八雲「はい!!」

♪ ハァー
海の男にゃよー
沖のかもめも寄りつかぬ

八雲「うおおおお!!!」
播磨「うおおおお!!!!!!」

♪ 丘のカカアが泣こうとも
誰がとるやら一番銛(もり)
ハァ~ダンチョネ~ダンチョネ~


……

播磨(いやいやいやいや!!ねーよねーよ!!)

播磨(第一、妹さんはうおおおお!!!とか言わねーだろ!!)

播磨(こんなんじゃダメだ…もっとこう…可愛げのあるやつにしねーと…)

播磨(そーだな…)


・・・・・・

ドガーーン!!

ドキューン! ダダダダダダ チュインッ ドガーン

播磨「妹さん!今だ!手榴弾を投げろォ!!」

八雲「は、はいっ!」


ドッガーーーーン


播磨「やったぜ!妹さんのおかげで撃破したぜ!ありがとよ、妹さ・・・」

パシン!

播磨(え・・・・・・?い、今、俺妹さんに頬を叩かれた・・・・・・?)


YAKUMO「I am Gunnery Sergeant YAKUMO, your Senior Drill Instructor.(わたしが訓練教官の八雲先任軍曹である!)」

YAKUMO「From now on, you will speak only when spoken to, and the first and last words out of your filthy sewers will be "Sir!" Do you maggots understand that?(話しかけられたとき以外は口を開くな!口でクソたれる前と後に“サー”と言え!!分かったか、ウジ虫ども!!!!!)」


播磨「・・・・・・」

播磨「い、妹さ・・・・・・」

バシン!!!!!!!!!!!!!!!!

播磨「痛っ」

YAKUMO「Bullshit! I can't hear you. Sound off like you got a pair.(ふざけるな!大声だせ!タマ落としたか!
)」


播磨「・・・・・・・・・・・・」

播磨「い、イエス、サー・・・・・・」

YAKUMO「OK! Once more!!」

播磨「Sir, yes, sir!」

YAKUMO「Great!!!!!!Excellent!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

HARIMA「Sir, yes, sir!!!!!」

YAKUMO「Sir, yes, sir!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

HARIMA「Sir, yes, sir!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

Sir, yes, sir!Sir, yes, sir!Sir, yes, sir!Sir, yes, sir!


・・・・・・


……

播磨(何だ何だ何を考えてるんだ俺は!?全く意味不明だろ今のは!!)

播磨(ああーっクソっ!!考えれば考えるほど分かんねーー!!)

播磨(どうやったら妹さんを喜ばせられるんだ!?)




播磨(いや…変に奇をてらうよか…)

播磨(妹さんが笑顔になれるような、そんなデートがいいんじゃねえのか?)

播磨(…よし!そうと決まれば話は早いぜ!)

播磨(妹さん、今度のデートは退屈させねえ、最高のデートにしてやっからよ)

播磨(楽しみに待っててくれよ!)


同時刻、八雲自室


八雲「・・・播磨さんとのデート・・・」


八雲(一応、漫画の取材という名目があるけど)

八雲(実質、私たちの初めての、「デート」・・・・・・)

八雲「・・・・・・すごく、凄く楽しみ」

八雲(早く、日曜日にならないかな・・・・・・)


日曜日 AM11時

八雲「・・・播磨さん、遅いな・・・・・・」

八雲(まさか私、時間を間違えた・・・?)


播磨「おおーーーーい!妹さーーーん!!」

八雲「あっ、播磨さん!」

播磨「わ、悪ぃ待たせちまって・・・」

八雲「いえ、大丈夫ですよ。ってあれ・・・播磨さん、今日は・・・」

播磨「あ、ああ・・・今日は、グラサンつけねーでおこうと思ってよ・・・」

播磨「や、やっぱヘン・・・か?」

八雲「いえ!そんな! その方が・・・」

八雲「その方が、播磨さんの顔がよく見えて、私は嬉しいです・・・」

播磨「!!」ドキーーーン!!

播磨「・・・おう!じゃあ早速行くぞ!!(お、俺が服を褒められる女の子みてーなこと言われてどーすんだよ!!)」

八雲「・・・・・・」クスッ


八雲「それで播磨さん、今日はどこへ行くんですか?」

播磨「おお、まずは久々にピョートル達に会いに、動物園から行って・・・」

八雲「わぁ!いいですね!」

播磨「次ぎはまた遊園地へ行く・・・っつってもこの前とは違う遊園地だ」

八雲「また違うアトラクションがありそうですね」

播磨「最後に軽く何か買い物でもして帰る・・・」

播磨「っつー感じなんだが、どうだ?妹さん(俺の頭で考えられる普通で楽しめるデートっつったら、これくれーしかねぇ・・・どうだ・・・?妹さん・・・)


八雲「・・・・・・」

八雲「はい!とても楽しみです!!」

播磨「そうか!よかったぜ!よし、じゃあ早速動物園へ向かうぜ妹さん!(妹さんの様子からすると、変な選択はしてねーみてえだな!・・・よかったぜ・・・)」

八雲「はい!・・・今日はよろしくお願いします」

ギュッ!

播磨「!?(い、妹さん、また俺の手を!?)」

八雲「さぁ、播磨さん、早く行きましょう!」

播磨「・・・(ち、チクショ~!俺って奴は・・・女の子からリードしてもらうなんて・・・情けねえ!)」

播磨「おう!行くぞ!!(・・・しかし!今日のデートで男を見せるぜ俺は!楽しんでくれよ妹さん!!)」



同日AM11:30 動物園到着

播磨「さすがに日曜日なだけあって、混んでるな」

八雲「そうですね、親子連れも多いですね・・・逸れちゃいそう」

八雲(播磨さんと、また手、握ろうかな・・・・・・)

ギュッ!!!!

八雲「!!は、播磨さん!」

播磨「は、逸れるといけねえからな!しっかり握ってろよ、妹さん!」

八雲「・・・は、はい」

八雲(播磨さんから手を握ってくれた・・・凄く嬉しい・・・・・・!)



「わ~い!みてみて~!麒麟さ~ん!!」
「すーごく大っきくてかわいいなぁ~」
「コラ、あんまりはしゃぐと転びますわよ!」
「そうそう、お前みたいなお子ちゃまが一番危ないんだよ」
「むぅ~・・・・・・ コドモじゃない~っ!!」

ドシャッ

「・・・なんで俺が転ぶんだよ!!」
「・・・・・・結局、一番コドモな子が転ぶ・・・・・・」

アハハハハハ


播磨(な、なんかすげー露出の高い女の子がいるんだが・・・あれで親は何も言わねーのか?)

八雲「あっ、播磨さん!ピョードルがこっちに来ますよ!」

播磨「おっ!おーい!久しぶりだなピョードルー!」

ピョードル「・・・・・・」

ピョードル「・・・・・・」プイッ

播磨「ってオイ!また俺の事忘れちまったのかよ!!」

ピョードル「・・・・・・」

播磨「俺だよ!俺!!」

ピョードル「・・・・・・!!」

播磨「あ~やっと思い出してくれたかピョードル・・・ったくお前は本当に忘れっぽいなぁ・・・え!?」

八雲「播磨さん、ピョードルはなんて言ってるんですか?」

播磨「い、いや・・・・・・そのよ・・・・・・」

八雲「?」

播磨「み、見慣れねぇかわいい子が隣にいたから、一瞬分からなかった・・・だとよ・・・・・・」

八雲「!!」カアァァァァ


播磨「っつ、た、たくよぉ!言ってくれるぜピョードルのヤロ~~!!アハハハハ・・・」

八雲「そ、そうですね・・・ピョードルはおませですね・・・」

播磨「しばらく会わねー間に誰からそんな事を教わったんだ・・・ってえ?」

八雲「?? 播磨さん、ピョードルがまた何か?」

播磨「・・・・・・お、お姉さんの笑顔が、と、とってもキレイ・・・だってよ・・・・・・」

八雲「!!!!」カアアアァァァ

播磨「ま、まったく本当にピョードルはマセてんなぁ!ホラピョードル!頭撫でてやっから!!ほら!(チクショ~!なんで俺が言うべきことをピョードルに言われちまうんだよ!クソッ、情けねえ・・・」

ピョードル「・・・・・・」

八雲「わ、わぁ~、ピョードルの頭、柔らかくて気持ちいいです!」

八雲(ピョードルがこんなオマセさんだったなんて・・・でも、播磨さんといると・・・自然と笑顔がわいてきちゃうな・・・)

八雲(動物から見ても、幸せそう、ってことなのかな・・・・・・?)

ピョードル「・・・・・・」

ポンッ ナデナデ

播磨「ピョ、ピョードル!!」

八雲「どうしたの?アゴでナデナデしてくれるなんて、器用なんだねピョードルは」

播磨「・・・(あ、頭を撫でるだなんて・・・・・・またもピョードルに先を越されたーーー!)」



ピョートル、八雲のことも忘れてるのか…
ボール遊びもしてたのに

チラッと出るゲストって同作者の別作品キャラ?


PM13時 電車移動中

八雲「楽しかったですね、動物園!」

播磨「あ、ああ・・・(クソッ、男としての見せ所を先に越されちまうなんて・・・俺は情けねえ!)」

播磨「・・・(だが次の遊園地で俺はリベンジするぜ!!次の遊園地は前に行ったところと違って、遊具も沢山有るらしい・・・楽しめねーわけがねーぜ!!)」


グルルグギュ~~~~


播磨「・・・・・・」

八雲「・・・・・・播磨さん、お腹空いたんですか?」

播磨「・・・・・・」

播磨「・・・・・・(しまったあぁぁーーっ!!どこに行くかに夢中になってて、メシのことすっかり抜け落ちてたぁーー!!)」

播磨「・・・・・・(もうこんな時間だ、妹さんも腹ペコだったろうに・・・は、早くメシ屋を探さねーと・・・)」

八雲「播磨さん、ハイ、これ」

播磨「・・・・・・へっ?」

八雲「一応作ってきたんです。お昼ごはん」

八雲「あまりかさ張らないようにって、そんなに量はないんですけど・・・・・・」

八雲「その・・・・・・おにぎりを・・・・・・」カァアッ

播磨「!!」


播磨「妹さん!!すまねえ!!(こんな大事な日にメシの気配りもしてやれねーで、しかも作ってきてもらうだなんて、お、俺はなんて情けねーんだ!!)」

八雲「あっ・・・も、もし迷惑だったら・・・私はレストランでも大丈夫ですよ」

八雲(で、でも・・・、播磨さんには、食べて欲しいな・・・・・・)

八雲(私の・・・・・・おにぎり・・・・・・)

播磨「妹さん、分かったぜ!!今日はそのおにぎり、俺が食わしてもらう!!」

八雲「!! 本当ですか!?」

播磨「ああ!妹さんのおにぎりは世界一だからな!」

播磨「それを食える俺は幸せモンだぜ!」

八雲「は、播磨さん・・・!!」


クスクス ニヤニヤ

アノフタリ ラブラブネー オアツイネー ヒューヒュー

播磨「・・・ハッ!!」
八雲「!!」





「ラブコメよ!!ラブコメの臭いがするわーーーーー!!グハッ」
「ね、姉さま大丈夫ですか~!?」
ウワー ダレカタオレタゾー ダイジョウブカー

>>32 ピョードルの下りすみません。
私の方が原作のストーリーを忘れていました

時々出てくるキャラは他アニメのキャラです
お遊び要素です


同日PM13:15 駅ホームベンチ

播磨「それじゃ・・・いただきます!!」

八雲「いただきます」

パクッ アムッ

播磨「・・・・・・」モグモグモグモグモグ

播磨「・・・・・・」ゴックン

播磨「・・・・・・・」モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ

播磨「・・・・・・」ゴックン

八雲「・・・・・・」モグモグ

八雲(播磨さん、何も言わないけど・・・・・・)

八雲(やっぱり、こんな所で食べるお昼は、美味しくなかったかな・・・・・・)

播磨「あ~~!!ウメェ!!やっぱり妹さんのおにぎりは世界一、いや宇宙一だな!!」

八雲「そ、そんな!大げさです・・・」

播磨「そんなことねぇ!上手くて何か喋るのを忘れるくらいのおにぎりっつたら、このおにぎりしかねえ!」

八雲「ありがとうございます・・・」

八雲(嬉しい・・・播磨さんが、私のおにぎりを褒めてくれてる)

八雲(いつかも、こうしておにぎりを握ってあげた・・・)

八雲(これからも、いつまでも、播磨さんにおにぎりを握ってあげたいな・・・)

播磨「おう、妹さん!これからもウメェおにぎり握ってくれよ!!」

八雲「!?」


八雲(今・・・私の心に返事するように・・・!?)

八雲(まさか播磨さん・・・・・・!?)

播磨「あ、い、イヤ、面倒だったらいいんだ。スマねぇ、変な事言っちまって」

八雲「あっ!い、いえ!そんなことありません!!」

八雲「これからもずっと作らせて下さい!!いつまでも作ります!!」

播磨「そうかぁ!いや~嬉しいな!!俺は本ッ当幸せもんだぜ!!」


八雲(そうだよね・・・まさかそんなこと、あるワケないよね・・・・・・)


播磨「・・・・・・」



同日PM13:30 遊園地到着

播磨「さぁ着いたぜ妹さん!思う存分楽しもう・・・ん?」

八雲「こ、これって・・・!」


   遊園地遊園地

 本日機械メンテナンスのため
すべての機械のスピードを遅くしてあります
ご了承下さい


播磨「・・・」

八雲「・・・」


播磨「・・・(ヤベェ・・・・・・)

播磨「・・・・・・(ヤベェ!また失敗しちまったーーーーーーーーー!!)」



播磨「・・・(クソッ!なんたって今日はこんなにツメが甘いんだ俺は!?)」

播磨「・・・(どうする・・・!?ここはやめて別の所に行くか!?)」


八雲「・・・(播磨さん、すごく困った様子・・・・・・)」

八雲「・・・(どうしよう、私はこんな状況でも、ここで遊びたい・・・)」

八雲「・・・(でも、播磨さんが嫌なら・・・)」


播磨「よぉし!じゃ、こんな妙な状況だが、ここも行ってみるか妹さん!」

八雲「!? えっ、ええっ?いいんですか播磨さん?」

播磨「おうよ!ま、少し物足りねえかもしれねえが」

播磨「俺は妹さんと過ごす時間なら、状況であっても、とても大切な時間だからな!!」

八雲「!!」カアアァァァ!


八雲(そ、それ、前に遊園地で遊んだとき、私が言った言葉・・・・・・!!)

八雲(播磨さん、覚えててくれたんだ・・・・・・)


八雲「は、はい!」


八雲(・・・播磨さん、ありがとうございます)




今日はここまでです


「おのれズヴィズダー!!ここに来てまで邪魔するというの!?」
「フンッ!甘く見るなホワイトライツ!」
「われ等のせかいせーふくの野望は、いつでもどこでも潰えぬのだぁ!!」


播磨「・・・なんか露出のスゲー幼女と全身タイツがヒーローショーやってるんだが・・・」


八雲「メンテナンス中でも、結構混んでますね」
播磨「そうだな、おっ妹さん、アレから乗ってみねーか?」


ス ロ ー コ ー ヒ ー カ ッ プ

コーヒーに溶ける砂糖とミルクのように・・・
2人の甘い時間をゆっくりとお過ごし下さい


八雲「はい!乗りましょう」


グル・・・・グル・・・・・・グル・・・・・・
グル・・・・・・グル・・・・・・・・・マ・・・・・・ワ・・・・・・・ル・・・・・・
グル・・・・・・グル・・・・・・・・・マ・・・・・・ワ・・・・・・・ル・・・・・・


播磨「全然動かねーじゃねーか!!」ガンッ
八雲「あっ」

バキッ ビービービー

播磨「や、やべえ!何か壊しちまったみてーだ!」

コラー ナニヤッテルー!!

八雲「あっ、警備の方が・・・!す、すみません!すみません!!」ペコペコ


播磨「すまねぇ妹さん・・・俺のせいで」

八雲「いいえ、でも確かにあまりぐるぐる回らなかったですね・・・」

播磨「おっ、じゃあ次あれに乗ってみようぜ」


ス ロ ー メ リ ー ゴ ー ラ ン ド

とってもスローな時間を
2人でロマンチックにお楽しみ下さい


八雲「はい!乗りましょう」


グ・・・ル・・・・グ・・・ル・・・・・・グ・・・ル・・・・・・
グル・・・・・・グ・・・ル・・・・・・・・・マ・・・・・・・・・・・・ワ・・・・・・・ル・・・・・・・・・・・・・・・
グ・・・・・・・・・ル・・・・・・グ・・・・・・・・・ル・・・・・・・・・マ・・・・・ワ・・・・・・・・・・・・・・・・ル・・・・・・・・・・・・・・・・・・


播磨「全然動かねーじゃねーか!!!!」ガンッ
八雲「あっ」

バキッ ビービービー

播磨「や、やべえ!何か壊しちまったみてーだ!」

コラー ナニヤッテルー!!

八雲「あっ、警備の方が・・・!す、すみません!すみません!!」ペコペコ


播磨「すまねえ!すまねぇ妹さん・・・俺のせいで」

八雲「いいえ、でも確かにあまりぐるぐる回らなかったですね・・・」

播磨「じゃ、じゃあ次はあれだ!さすがにあれはスピード出るだろ!」


ス ー パ ー ス ロ ー ゴ ー カ ー ト

2人で過ごす車内の時間・・・・・・
ステキなドライブの時間をお楽しみ下さい

播磨「よし妹さん、シートベルトしたか!?」

八雲「はっ、はい!」

播磨「よっしゃ!!行くぜ!アクセル全開ーーーーーーーーーーーーー!!」


プスブロンッ

ブ オ オ オ オ オ オ オ ~~~~~~~

ノロ・・・・・・ノロ・・・・・・ノロ・・・・・・ノロ・・・・・・

ブ   オ   オ   オ   オ   オ   オ   オ ~~~~~~~

ノロ・・・・・・・・・・・・ノ・・・・・・ロ・・・・・・・・・・・・ノ・・・・・・・・・・・・ロ・・・・・・・・・・・・ノ・・・・・・ロ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


播磨「こんなん俺が走った方が早いわーーーーーーーーー!!」ドガッ!!!!!!!

バキッ ビービービー

播磨「や、やべえ!何か壊しちまったみてーだ!」

コラー マタオマエラカーーー!!

八雲「あっ、警備の方が・・・!す、すみません!すみません!!」ペコペコペコペコ

播磨「ハァ・・・すまねぇ・・・・・・妹さん・・・・・・俺のせいで」

八雲「いえ、全然気にしてませんから」

播磨「しっかし、まともに機能してる遊具はねーのかよ?」

八雲(むしろ、私がこんな所で遊びたいなんて言ったから・・・・・・すみません、播磨さん)

播磨「おっ!妹さん、アレなら楽しめそうだぜ!」




観 覧 車

※観覧車のみ通常運転させていただいております
 申し訳ございません


播磨「・・・・・・(何が申し訳ねーんだ・・・・・・?)」


ソレデハ ゴユックリドーゾー

ガチャン


八雲「・・・・・・どうやら、普通に動いているようですね」

播磨「ああ、よかったぜ・・・・・・これも遅かったら一生降りれねーところだったな」

八雲「フフッ、それは困りますね」



ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン・・・・・・


播磨「けっこう高く昇ってきたな」

八雲「あの辺が動物園でしょうか?」

播磨「おっ、そうだな。ピョードル見えっかな?」

八雲「う~ん・・・・・・ちょっとさすがに分かりませんね・・・・・・」

播磨「いやまて!あの黄色くてデカイのがピョードルじゃねーか!?」

八雲「播磨さん、それはイチョウの樹ですよ・・・・・・」

播磨「ア、アレ?」

八雲「・・・・・・フフフッ」

播磨「・・・・・・ハハハハ」


ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン・・・・・・


八雲(もうすぐ一番てっぺんか・・・・・・)



『一番てっぺんのところで、渡されて・・・』


『・・・・・・『好き』って言われたら・・・・・・』


『とても・・・とても嬉しいです・・・・・・』


八雲(まさか・・・播磨さん、あんな事まで覚えてるわけ・・・)


播磨「妹さん、よかったらコレ受け取ってくれねえか?」

八雲「!? えっ!?」

八雲「あっ!!コレ、さだまさしのスーパーベスト、しかも初回限定版!」

八雲「わざわざ買ってくださったんですか・・・?」

播磨「ああ、妹さんが喜ぶとおもってよ」

八雲(播磨さん・・・・・・嬉しい・・・・・・)


播磨「そ、それによ・・・・・・・・・・・・」

八雲「?」

播磨「俺、もう一回妹さんに言わなきゃなんねーからな・・・・・・」

八雲「・・・・・・」

八雲(・・・・・・まさか、まさか播磨さん・・・・・・・・・・・・)



播磨「い、妹さん・・・・・・・・・・・・」

播磨「す」

播磨「好きだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぜ・・・・・・・・・・・・」

播磨「・・・・・・・・・・・・」カアアアアァァァァ


八雲「!!!!」カアアアアァァァァ


八雲(播磨さん、覚えててくれたんだ・・・・・・)

八雲(あの日の事・・・・・・・・・・・・)

八雲(とっても、とっても嬉しい・・・・・・・・・・・・)

八雲(私、今日の事・・・・・・)

八雲(一生、忘れません・・・・・・・・・・・・)


PM15:30 ショッピングモール到着

ザワザワザワザワ ガヤガヤガヤザワザワ

「人衣一体!!」ピカピカピカーン
「人衣圧倒!!」ビカビカビカーン



播磨(な、なんか試着室がすげー光ってるんだが・・・店員は何も言わねーのか?)

八雲「す、凄い込み具合ですね播磨さん・・・」

播磨「そ、そうだな・・・(ヤベエ・・・俺の計画では、2人でウィンドウショッピングしながら、ゆっくり色々見る予定だったんだが・・・)」

播磨「・・・(ってこの張り紙は!スペシャルハイパーウルトラバーゲンだとぉ!?」

播磨「・・・(く、クソォ・・・また俺の計画が台無しかよ・・・!)」

八雲(凄い込んでるけど・・・でも、あの店の服・・・かわいいな・・・)

八雲(播磨さんさえ迷惑じゃなければ、1人で見てこようかな・・・)

播磨「妹さん、あの店に行くか?」

八雲「!? えっ!?」

八雲「ど、どうして分かったんですか!?」

播磨「え!? あ、ああ!いや、ずっと見てるから、行きてーのかな・・・って思ってよ」

八雲「あ、ああ・・・そ、そうだったんですか」

八雲(そんなまさかね・・・・・・・・・まさか・・・・・・)


播磨「・・・・・・」



播磨「本当に俺も行かなくていいのか妹さん?」

八雲「はい、凄く混んでますから・・・・・・」

八雲(こんなに混んでるところに、自分の買い物じゃないのに付き合わせたら、悪いよね・・・・・・)

播磨「じゃ、俺はそこのベンチで待ってるわ」

八雲「はい・・・・・・早く戻りますから」



八雲「・・・・・・とは言ったけれど・・・・・・」


ギャーギャーギャー ワーワーワー

ハーイ ホンジツ バーゲンバーゲン オカイドクデスヨー!!

ギャー ハナシナサイヨー ナニヨー ワタシノモノヨー



八雲「ちゃんと見れるのかな・・・・・・・・・・・・」


八雲「あ、あのワゴンの中の服かわいい・・・・・・」


サッ!!


八雲「あ・・・・・・」

八雲(持っていかれちゃった・・・・・・)



八雲「あ、あのバッグかわいいな・・・・・・」


バッ!!


八雲「あぁ・・・・・・」

八雲「また持っていかれちゃった・・・・・・」



八雲「やっぱり出ようかな・・・・・・」


店員「さーさーこちらの新作ワンピース残り一着でーす!!」
店員「残り一着先着一名!!さーさー早い者勝ちですよ~!」


八雲「!!」


八雲(あ・・・・・・あれ・・・・・・)

八雲(凄くかわいい・・・・・・・・・・・・!!)

八雲(あれを着て、播磨さんとまた出かけたい・・・・・・)

八雲(・・・・・・・・・・・・)

八雲(・・・・・・・・・・・・よし!!)


キャーキャー ワーキャー

キャーキャー アノワンピースハ ワタシノモノヨー
ナニヨー ワタシガカウノヨ!!

ワーギャー ギューギュー


八雲「く、苦しい・・・・・・!!」

女1「ちょっとアンタどきなさいよ!」

八雲「えっ!?あっ、す、すみません・・・・・・」


ツルッ ズデーン!!


店員「おっとー!お客様一名すべって転んで脱落だぁ~!」


ジャマモノガヘッタワ!! ワタシノモノヨー

ジャマシナイデー! ワタシガ カウノヨー


八雲「せ、狭い・・・・・・!!」

女2「ちょっとアンタ邪魔よ!!」

八雲「えっ!?あっ、す、すみません・・・・・・」


グギッ ゴチーン!!


店員「おっとー!お客様一名ヒールで足をくじいて脱落だぁ~!」




八雲「あ、あと・・・・・・」

八雲「あと少しで手が届く・・・・・・!」


女3「ちょっとぉ~!アンタみたいな地味な女にあんなの似合うわけないじゃ~ん!」
女3「アレはアタシのもんだっつ~のぉ!どきなさいよぉ!!」

ドシン!!


八雲「きゃ・・・・・・・・・・・・!!」

店員「おっとぉ~!巨漢のお客様による体当たりで美人さんが脱落だぁ~!ざんね~ん!」

女3「ちょっとぉ!!巨漢とかど~ゆ~ことよぉ!!」

店員「ありのままを申しただけで~す!!そもそもこのサイズじゃ着れないですよね?」

女3「な、何よぉお!!」


八雲(あ・・・・・・もう少しで、買えたのに・・・・・・)

八雲(播磨さんに、見せたかったのに・・・・・・・・・・・・!!)

八雲(播磨さん・・・・・・・・・・・・!!)







播磨「ちょっと待ったあああーーーーーーーーー!!」



店員「!?」
女3「!?」

八雲「!!」



バッ!!

女3「あっ!?ちょっとアタシの服!!」

播磨「悪いがコレは俺が買わせてもらうぜ・・・・・・」

播磨「店員さん!早くお会計してくんな!!」

店員「は~い!イケメンお兄さんにワンピースお買い上げ~!!女装用ですね!!ありがと~ございま~す!!」

播磨「ちげーーーよ!!」バキッ!!

店員「イタッ」



播磨「ほらよ妹さん、コレが欲しかったんだろ?」

八雲(は、播磨さん・・・・・・!)

八雲「あ、ありがとうございます・・・・・・・・・・・・!!」


播磨「しっかし戦争みてーな騒ぎだな・・・」

播磨「俺から誘っておいてなんだが、そろそろ出ようぜ」

八雲「そうですね・・・・・・って、あっ・・・・・・」

播磨「お、おい!妹さん!服の背中のところが破れてるぜ!」

八雲「あ・・・ど、どうしよう・・・・・・」

店員「せっかくでしたら、ここで着て帰られますか?」

八雲「いいんですか?」

店員「はい、もうお買い上げはして頂いてますし、どうぞ!」

店員「それに彼氏さんも彼女さんのカワイイ服着たところ、早く見たいですよね?」

八雲「!!」
播磨「!!」

播磨「さ、さっきから一言多いんだよ!!」バキッ!!

店員「イタッ」


数分後


八雲「お、お待たせしました播磨さん・・・・・・」

ガチャッ


播磨「おお妹さん、じゃ行くか・・・・・・」

播磨「!!」

播磨「・・・・・・(い、妹さん、カワイすぎんだろ!!)」

播磨「・・・・・・(かわいい刺繍が、派手すぎず地味すぎず妹さんにマッチしてて)」

播磨「・・・・・・(スカートの長さも短すぎず長すぎず丁度いいし・・・・・・)」

播磨「・・・・・・(しかも、この白って色がすげぇ似合ってやがる・・・・・・・・・・・・)」

播磨「・・・・・・(これを着させて歩いて、他の男に見られるのが許せねえくらい似合ってやがるぜ妹さん・・・・・・・・・・・・!!)」

八雲「あ、あの播磨さん・・・・・・」

八雲(に、似合ってなかったのかな・・・・・・?)

播磨「妹さん!!世界一カワイイぜ!!」グッ

八雲「え、ええっ!?本当ですか・・・・・・・・・・・・?」

播磨「ああ、本ッ当に似合ってるぜ!!」

八雲「・・・・・・」

八雲(やっぱり、この服を選んでよかった・・・・・・)


同日PM16時 近くの公園


播磨「は~しっかし、今日も色々遊びまくったな」

八雲「そうですね・・・・・・」

播磨「どうだ妹さん、今日は楽しかったか?」

八雲「はい、とても楽しかったです」


八雲「・・・・・・(とっても、とっても・・・・・・)」

八雲「・・・・・・(思い出に残る事ばかりでした・・・・・・)」

八雲「・・・・・・(私、播磨さんと付き合えて・・・・・・)」

八雲「・・・・・・(幸せです・・・・・・)」


八雲「あ、あの播磨さん・・・・・・!」

八雲「!?」

八雲「は、播磨さん・・・・・・?」

八雲「どうしたんですか・・・・・・?」


播磨「・・・・・・・・・・・・あ、イヤ・・・・・・・・・・・・」

播磨「・・・・・・・・・・・・」

播磨「妹さん・・・・・・・・・・・・本ッ当に、楽しかったか・・・・・・?」


八雲「・・・・・・(どうしたのかしら播磨さん)」

八雲「・・・・・・(少し、様子がおかしい・・・・・・)」


八雲「は、はい。本当に、本当に楽しかったですよ」

播磨「・・・・・・!!」

播磨「い、妹さん・・・・・・・・・・・・ウソは・・・・・・ウソはつかねぇでくれ・・・・・・!!」

八雲「えっ!?」

播磨「スマン妹さん!!」ダッ

八雲「ええっ!?ちょ、ちょっと播磨さん!!どこへ行くんですか!?」

八雲「・・・・・・・・・・・・追いかけなきゃ!!」


タタタタタ・・・


八雲「・・・・・・(もしかして・・・・・・)」

八雲「・・・・・・(ううん、やっぱり・・・・・・)」

八雲「・・・・・・(播磨さん・・・・・・)」


八雲「・・・・・・(私の心が、視えてたのね・・・・・・)」


八雲「・・・・・・(どうしたのかしら播磨さん)」

八雲「・・・・・・(少し、様子がおかしい・・・・・・)」


八雲「は、はい。本当に、本当に楽しかったですよ」

播磨「・・・・・・!!」

播磨「い、妹さん・・・・・・・・・・・・ウソは・・・・・・ウソはつかねぇでくれ・・・・・・!!」

八雲「えっ!?」

播磨「俺には・・・・・・俺には分かるんだ!!」

播磨「妹さんが、俺に気を使ってウソを言ってるって・・・・・・」

播磨「だって・・・・・・だってよ!!」

播磨「妹さんの心は・・・・・・・・・・・・そう言ってねえんだよ!!」

播磨「スマン妹さん!!」ダッ

八雲「ええっ!?ちょ、ちょっと播磨さん!!どこへ行くんですか!?」

八雲「・・・・・・・・・・・・追いかけなきゃ!!」


タタタタタ・・・


八雲「・・・・・・(もしかして・・・・・・)」

八雲「・・・・・・(ううん、やっぱり・・・・・・)」

八雲「・・・・・・(播磨さん・・・・・・)」


八雲「・・・・・・(私の心が、視えてたのね・・・・・・)」



播磨「・・・・・・」

播磨「・・・(俺は、俺はサイテーな男だぜ・・・)

播磨「・・・(彼女のことを楽しませてやれねぇ)」

播磨「・・・(おまけに、さんざん気を使わせたあげく)」

播磨「・・・(ウソまでつかせちまった・・・・・・)」

播磨「・・・(最低だぜ・・・・・・)」



・・・いつからだ? 妹さんの心が視えるようになったのは・・・


・・・そう、あの日・・・

・・・初めて2人で遊園地に行った日の、帰りのバスで・・・


妹さんが、俺の顔をじっと見つめた時だった・・・


あの時・・・・・・


八雲(播磨さん!?)


あの時、妹さんが俺の顔をじっと見つめたとき、

俺の名前を呼ぶ声が・・・・・・

イメージみてぇなモンが、浮かんできた


その時は、気のせいだろうと思ってた・・・・・・

でも・・・・・・


次の周の金曜日、妹さんにネームを見せて、

『この漫画は1人で描きあげたい』って言って、妹さんが「手伝いたい」って言ってくれた時・・・・・・

あの時、さらにハッキリ視えたんだ・・・・・・


八雲(どうして!?)

八雲(私じゃ、力不足なの!?)

八雲(播磨さんの力になりたい!!)

八雲(播磨さんのそばにいたい!!)



八雲(播磨さんのそばにいたい!!)




・・・・・・





そんな言葉が、まるでマンガのフォントみてーに、

妹さんの頭の上にハッキリと浮かんで・・・・・・

俺は、信じられなかったけど・・・・・・

でも、妹さんのまっすぐな瞳が、嘘じゃねえって思わせた・・・・・・



その時から、俺は・・・・・・

厚かましくも、俺は・・・・・・・・・・・・


もしかしたら、妹さんは、俺の事を・・・・・・・・・・・・

俺の事を、好きなんじゃねえかって、

思っちまったんだ・・・・・・・・・・・・



それからしばらくは、妹さんの心は視えなかった

もし視えてたら・・・・・・マンガに集中できなかったかもしれねー・・・・・・


でも、ある時を境に、常に視えるようになっちまったんだ・・・・・・


そう、2つ目の原稿を完成させた夜・・・・・・

妹さんが、俺に告白してくれたあの時から・・・・・・



あの時・・・・・・

今までにないくらい、ハッキリと・・・・・・




八雲(こんな、こんなことなら・・・・・・)

八雲(こんなことなら、好きなんて言わなければよかった!!)

八雲(自分の心に嘘をついて・・・・・・)

八雲(臆病なままで・・・・・・)

八雲(何も、変わらないままのほうが・・・・・・)



妹さんの心の叫びが・・・・・・視えたんだ・・・・・・


なんかよく分かりませんが
名前欄が戻らないのでこのままで・・・スミマセン


その時俺は・・・・・・

1人の女の子が、こんなにも俺の事を想っていてくれた事に驚き・・・・・・

そして、こんなにも悲しませちまった事に、ひどく後悔した・・・・・・

だから俺は誓ったんだ・・・・・・


もう二度と、この子を悲しませねえ

この子に、二度とこんな事を思わせねえ

俺がずっと、笑顔にしてやる・・・・・・って



なのに・・・・・・・・・・・・


なのによぉ・・・・・・・・・・・・!!





播磨「・・・・・・何も視えねぇんだよ・・・・・・・・・・・・!!」

播磨「・・・・・・・・・・・・俺じゃ、俺じゃ妹さんを・・・・・・・・・・・・」


播磨「幸せにしてやれねーっつーのかよ・・・・・・・・・・・・!!」





八雲「それは違います!!」




播磨「!!」


播磨「い、妹さん!!」

播磨「お、俺なんかにかまわねぇでくれ!!俺は、俺は・・・」



八雲「播磨さん!!」

播磨「は、はい!!」



八雲「わ、私は・・・・・・」

八雲「私は、播磨さんと一緒にいて・・・・・・」

八雲「悲しかったことなんて・・・・・・」

八雲「嫌だったことなんて・・・・・・」

八雲「何一つありません!!」


八雲「私も、昔はそうだった・・・・・・」

八雲「播磨さんの気持ちが視えなくて・・・・・・」

八雲「不安で、怖くて・・・・・・・・・・・・」

八雲「でも、好きって気持ちだけは、抑えられなくて・・・・・・・・・・・・」

八雲「だから、私が好きって告白した時・・・・・・」

八雲「播磨さんの心が一瞬視えなくなった時・・・・・・」

八雲「すごく、すごく不安になった・・・・・・」

八雲「でも・・・・・・」


八雲「そうじゃない・・・・・・」

八雲「視えなくても、心が視えなくっても・・・」

八雲「私たち、ちゃんと繋がってるじゃないですか・・・・・・!」

播磨「!!」

八雲「心と心と・・・・・・」

八雲「言葉と、言葉で・・・・・・・・・・・・!!」

播磨「・・・・・・・・・・・・!!」


八雲「私は、もう・・・・・・」

八雲「誰の心も・・・・・・播磨さんの心も、視えないですけど・・・・・・」

八雲「でも、ちゃんと繋がってるって・・・・・・」

八雲「私、信じてます・・・・・・」

八雲「だから、だから・・・・・・」

八雲「私の事を、幸せにできないだなんて・・・・・・そんなこと・・・・・・」ポロッ

八雲「そんな事、言わないでください・・・・・・!!」ヒック ヒック



播磨「・・・・・・」

播磨「・・・・・・(妹さん、そうだったのか・・・・・・)」

播磨「・・・・・・(俺が、俺が浅はかだったんだな・・・・・・)」

播磨「・・・・・・(目に見えるものばかりに頼って、信じて・・・・・・)」



播磨「・・・・・・『肝心なことは、目に見えない』・・・・・・か」

八雲「え?」グスッ

播磨「・・・・・・いや、全くその通りだと思ってよ・・・・・・・・・・・・」

播磨「・・・・・・・・・・・・妹さん・・・・・・」

八雲「は、はい・・・・・・?」


播磨「俺は、目に見えるものばかりに頼っちまって」

播磨「本当に大切なモンを忘れちまってたな・・・・・・」

播磨「そうだよな、俺たちには・・・・・・」

播磨「俺と妹さんだけの共に過ごした時が・・・・・・あるんだよな」

八雲「・・・・・・!!」

播磨「すまねぇ・・・・・・妹さん・・・・・・本当にすまねぇ!」

八雲「・・・・・・いいんですよ、播磨さん」

八雲「だって、私信じてますから・・・・・・・・・・・・」

八雲「私と播磨さんは・・・・・・」

八雲「強い絆で結ばれてるって・・・・・・」


播磨「そ、それはそうと妹さん・・・・・・」

八雲「はい?」

播磨「も、もっとその絆を強くする方法、知ってっか?」

八雲「? え、ええと・・・?何でしょう?」

播磨「・・・・・・・・・・・・い、妹さん・・・・・・」

八雲「は、はい」

播磨「ちょ、ちょっと・・・・・・・・・・・・目を・・・・・・・・・・・・」

播磨「目を瞑っててくれねーか・・・・・・・・・・・・?」

八雲「は、はい・・・・・・・・・・・・?」




その直後私が思い出したのは

あの学園祭の演劇の最後

私が播磨さんにしそうになった事・・・・・・・・・・・・



そしてそれを思い出したすぐ後・・・・・・・・・・・・








私の王子様が・・・・・・・・・・・・


私に、口付けをした・・・・・・・・・・・・・・・・・・









談講社編集者「・・・・・・」

播磨「・・・・・・で、どーだ?新作は」

談講社編集者「これさ」

播磨「おう!」

談講社編集者「君と彼女のデート日記だよね?」

播磨「・・・・・・・・・おう」


談講社編集者「 ボ ツ 」

播磨「ハァーーーーーーー!?な、何でだよーーーーー!?」

談講社編集者「あまりにも私事すぎる!!こんなん・・・なんだよクソッ!リア充[ピーーー]!!」

播磨「オイオイオイただの個人的な恨みじゃねーか!!テメー!!」

談講社編集者「うるせーー!!」

談講社編集者「クソッ・・・俺にもこんな可愛い彼女が欲しいよ・・・・チクショーーー!!」


播磨「なっ!!
八雲「!!!」



播磨「お」




播磨「俺の彼女に色目使うんじゃねーーー!!!!!」ドガッバギィッ

談講社編集者「ぎゃーーー!!」







HAPPY ONIGIRI END


明日最終章のスレを立てます
読んでいただければ幸いです
よろしくお願いします


明日スレ立てしようと思ったんですけど
立てました つづきは↓です よろしくお願いします
八雲「私とあの人の共に過ごせなかった時」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396262472/)

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