【ダンロン】苗木「超高校級の策士・・・ってとこかな」 (73)

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 セルパン・カンパニー社長室

 霧切「そう、犯人は通気口から毒ガスを送り込んだんじゃない。壊されていたバルブはデコイ」

 副社長「な、何っ!」

 専務「ではなぜ社長は中毒死したのです!」

 秘書「まったくわからん」

 霧切「社長が中毒死したのはシャワールームよ。ボイラーの不完全燃焼による一酸化中毒」

 副社長「なんと!」

 専務「!」

 秘書「なるほどよそうがいだった」

 霧切「ベルトの付け方が逆だったのはそのため。他は完璧だったけど、他人に着せるのは初めてだったからのようね」

 副社長「まさかそんな・・・!」

 専務「・・・」

 秘書「なるほど」

 霧切「そう、偽装工作した犯人は、社長が事故死したと知った出身暴力団に真っ先に疑われる人物・・・」

 副社長「・・・まさか!」

 霧切「専務。あなたよ」

 専務「・・・ば、馬鹿な!ふざけるな、俺はやっちゃいない!」

 霧切「温まっていた社長の死体は死亡推定時刻が遅くなる。社長が死んだ時間帯にアリバイがないのはあなただけよ」

 専務「しょ、証拠は!証拠はあるのかよ!」

 霧切「社長室に入れたのは三人だけ。あなた以外の二人はアリバイがあるわ」

 専務「そ、そんな馬鹿な!会社を崩壊させようとしていた工作員はどうなんです!」

 霧切「全く関係ないわ」

 専務「・・・・・・・・・!」

 副社長「・・・せ、専務・・・」

 専務「・・・俺には母がいるんだ・・・青森に、母が・・・」

 霧切「この事実は警察は知らない。せめて、自首することね。早いだけ罪は軽いわ」

 専務「・・・・・・ああ・・・」

 霧切「副社長さん、ついて行ってあげて。」




 霧切「待ちなさい。」

 秘書「・・・何か」

 霧切「あなた、工作員ね」

 秘書「・・・もうやめますよ。暴力団とのパイプだった社長は死んで、この会社はもうだめだ」

 霧切「それも、流離いの・・・苗木君、また会ったわね」

 秘書「・・・・・・ははは、やはりお前の目だけは欺けんな・・・」

 マスクをベリベリと剥がす秘書!

 苗木「また会ったな探偵レディ!」

 霧切「・・・・・・」

 この二人の因縁は数年前に遡る。まだ世界が動乱に包まれていた頃・・・


 教室――

 苗木「・・・・・・ん」

 苗木「・・・チッ、どうしたことだここは・・・」

 苗木「教室?学校か・・・いや、窓が・・・」

 苗木「入学案内?なんだこのパンフレット・・・始業式?」

 苗木「・・・・・・どうせこの調子だと出れはしない、行ってみるか・・・」

 教室から出る苗木。

 廊下には監視カメラか・・・


 窓がボルトで止められていたな。

 しかし、ボルトは大きさがまちまちだ・・・

 でも窓はしっかりと留められていた。目的はともかく、労働力はあったようだ。では何故?そんなこと簡単なはずだ。

 機械?そうか、機械・・・窓やカメラをつけた連中は少人数だが、機械を使ったんだ。労働力があったのはこのためだ。

 それにしても何故大きさを揃えない?機械も大きさが揃っていたほうが・・・

 いや、事実揃っていないんだ。しかも、穴があいていた位置もランダムだった。高性能な機械か。

 大量のボルト、大量の鉄板、大量のカメラ、高性能な機械。連中はそれなりの資金、技術力があったようだな。

 では何故大きさを揃えない?何かの余りか?

 そうだ、余り!しかし、なぜ余りを使ったんだ?そんな資金があるなら、買う手間が省けるくらい・・・

 奴らはそういったことに無頓着だったんじゃないか・・・

 まて、無頓着なくせにこんな大仰な改修工事を・・・この施設が奴らの作ったものでないことはわかるが。

 窓を塞ぐ必要はあったが、目的は別のところにあった。その目的は窓を塞ぐことに無頓着になるほど魅力的なもの・・・

 窓を塞ぎ、監視カメラをつける必要のある目的・・・

 監禁だな。俺、もしくは俺たちを閉じ込めて、何をさせるつもりだ?

 その様子を見るだけの変態性野郎なら、そんな資金は持っていないだろう。現在の世の中に、大人気な・・・監禁・・・

 世の中のことはわからんが、監禁することは目的じゃない、そこで何をさせるかがポイントのようだな。

 窓のボルトはなんの余りだ?機械・・・監禁するような奴の作る機械・・・

 そうか、殺し!装置で殺すことを放送する!

 待てよ、攫ってきて済ませてしまえばいいじゃないか。閉じ込めてまで・・・中で何かすると処刑されるのか?

 処刑?そうか、犯罪・・・

 わかったぞ!中に一緒に居る奴らを殺すと処刑されるんじゃないか!?そんな危険を冒してまで、魅力的な動機・・・

 外か!外に出ることだな!

 違う、殺し合いが大人気になるような世の中に出るような奴が・・・

 そうか、俺のような高校生か。ありうる。しかし、そこまで大人気になるか?殺し合いが、今の世の中で・・・

 発展途上か?それなら自分の国の難民でやればいい。先進国でもそんな状況?カメラは放送するためか!

 まさか!そんな!世界が破滅している!俺は記憶をいじられている・・・!?

 大量のナット、大量の鉄板、大量のカメラ、大量の補強工事、超精密な機械を持っている奴らなら・・・

 ありうる、か!

 なるほど、ここで殺し合いをさせ、それを放送し、出ても絶望するだけか、きっと絶望が大好きな奴らなんだろうな!



 そんなことを考えながら、彼は体育館へ入った。


 ドアを開けると、予想通り、年端も行かぬ高校生たちがいた。

 苗木「フン、やはりか・・・」


 苗木「(イメージはいいほうが得だ、後々計略にかける時も簡単だし)」


 苗木「・・・あ、あの・・・」

 葉隠「よう、お前も新入生か!」

 苗木「(あ、こいつしっているぞ!現代のラスプーチンと呼ばれている、葉隠康比呂!)」

 葉隠「なんか、変な学校だべ!」

 山田「十五人ですか!」

 苗木「(こいつは・・・知らないな)」

 山田「これで全員ですかね!」

 苗木「(いや、おそらく黒幕がいる、複数人な・・・ん、待てよ?平和状態がマンネリ化したらどうするんだ?)」

 石丸「君ぃっ!」

 苗木「うわっ(棒)」

 石丸「八時集合と知らされたあったはずだろう!」

 苗木「(こいつは偉い政治家の息子だったかな)」

 石丸「遅刻するとはけしからんじゃないか!」

 苗木「(マンネリ化しない?そうか、こいつらの中に平和になったら行動を開始するような奴が・・・)」

 江ノ島「はあ!?」

 苗木「(こいつだッ!以前江ノ島嬢とは某芸能事務所を破滅させた時に会った!顔が違うし、髪にも違和感がある!)」

 江ノ島「何言ってんの!?」

 苗木「(おそらくは偽物とすり替わっている!ということは、本物の江ノ島が黒幕か!)」

 江ノ島「こんなわけのわからない状況で、遅刻も何もないじゃん!」


 苗木「(ムム、ファンデーションで見辛くはあるが奴の傭兵集団フェンリルのマーク発見!)」

 苗木「(高校生で傭兵ということは自称江ノ島はおそらく、戦刃むくろ!正面からぶつかるのは無理だな)」

 苗木「(しかし、奴は無類の妹好きだと聞いたことがある。妹に裏切られた、と思わせれば利用できるな)」

 苗木「(待てよ、妹は姉を替え玉に使ったということは・・・むしろ情報が漏れるポイントとしか思ってないんじゃ)」

 苗木「(なら・・・処刑の・・・見せしめか!その使い道がせいぜいだな、可哀想な傭兵だ)」


 不二咲「あの・・・君も教室で目を覚ましたの?」

 苗木「(ん、こいつは・・・)」


 苗木「(・・・言わずもがな)うん、僕も教室で・・・」

 不二咲「やっぱり・・・みんなそうだったんだね」


 セレス「全員が気を失っており、各々が目を覚ましここに集まった・・・」

 苗木「(あ、餃子ダコが・・・こいつ、相当の餃子好き・・・浜松か、宇都宮か?)」

 セレス「妙な話ですわね」


 大和田「何なんだここは?チッ」

 苗木「(こいつは関東一の暴力団のヘッドだったな。昇進はワケありらしいが・・・)」

 大和田「俺がいた鑑別所みてえだ」


 桑田「ひょっとして、誘拐とか?」

 苗木「(こいつは・・・ああ、確かドラフト期待の新人だったか。変われば変わるもんだ。)」

 桑田「俺らみんな連れ去られた・・・なんてオチ?」


 朝比奈「きっと特別な演出か何かだよー!」

 苗木「(こいつは体育界を席巻しているハイパー女子だったか。水の抵抗は凄そうだが)」

 朝比奈「特別な学校だしね!ね?」


 大神「どうであろうな」

 苗木「(ん?何だこいつ・・・微妙に違和感が・・・チッ、世界最強だけあって感情も悟れねえぜ)」

 大神「まずは状況を見極めることからだ」

 苗木「・・・うん・・・」


 苗木「(こいつら、みんな何らかのスペシャリストのようだな。そういう学校らしいし)」



 腐川「ひぃ?私を見てる!?」

 苗木「(なんだこいつ、ペンだこ?そうか、もしやこの頃有名な仮面作家はコイツか?)」

 腐川「んー、私がブスだから・・・」


 十神「目障りなやつだ」

 苗木「(こいつは、かの有名な十神財閥の・・・フン、変わった世襲制度の、か)」

 十神「何を見ている?」

 苗木「あ、ああいや・・・」


 霧切「・・・何?」

 苗木「(ほお、こりゃあ面白い!知恵比べと行こうか、探偵さんよ・・・)」

 霧切「・・・」ジトー

 苗木「あ、ああいや、あはははは!あはははは・・・はあ」


 舞園「あの・・・苗木君ですよね、同じ中学だった」

 苗木「え・・・?・・・あ・・・ん・・・同じ中学・・・クラ・・・いや・・・ああ!舞園さん!」

 舞園「よかったー、知ってる人がいて」


 苗木「(よかった思い出せて。コイツはすごい努力をしてアイドルになったんだっけか。反転すると危険因子だな)」


 苗木「(というか、中学校行ってたのは形だけだから、かなり無気力だったと思うんだが・・・)」

 苗木「舞園さん、僕のこと覚えてるの?」

 舞園「うん!当然じゃないですか!だって、三年間も同じ学校だったんですよ?」

 苗木「そ、そうかもしれないけど舞園さんみたいな人気者は、僕みたいな目立たないやつ気に止まらないと思ってた・・・」

 舞園「えーっ!そんなに冷たい人間だと思われてたんですか?ショックです・・・」

 苗木「(見え透いているが・・・引っかかっておいたほうがイメージがいいな)」

 苗木「えー、そ、そんなつもりじゃ・・・」

 舞園「・・・フフ、冗談です!」

 苗木「え?からかわないでよ・・・(やれやれ純粋な苗木誠を演じるのが一番骨が折れる)」

 舞園「フフフ、フフフ♫」

 苗木「(この笑顔の裏にある努力は涙ぐましいな・・・)」

 十神「いつまでじゃれあっている?さっさと本題に入るぞ」

 苗木「(ケッ、高慢ちきな小僧が早とちりして嫉妬ショットか、こっちも涙が出るな)」

 苗木「え?本題って?」

 十神「なぜこんなことになっている?だれかの仕業なのだとしたら、それは誰だ?」

 苗木「(お前なんかに教えるかバーカ)」

 腐川「キーッ、こんなの監禁じゃない・・・」

 自称江ノ島「つーか、あたしの荷物どこ行っちゃったの?ケータイもどっかいっちゃったし」


 一同「えっ?俺のは?私のは?ないない・・・」ゴソゴソガヤガヤ


 大神「われの携帯もだ、奪われたとしか考えられぬ」

 苗木「(お前持ってたのかよ・・・)」

 葉隠「そう湿気た顔すんなってどうせ学園が企画したオリエンテーションかなにかだろ?俺の占いがそう言ってるべ!」

 桑田「マジで?当たるのか?」

 葉隠「俺の占いは三割当たる!」

 苗木「(・・・あれ、十回占って三回出たことは本当ってことか?すごくね?)」


 腐川「たった三割!?」

 葉隠「んぅ!?」


 キイイイイン!

 一同「んぐっ!?」

 声「アーアー、マイクテス!マイクテス!大丈夫?聞こえてるよね?」

 苗木「(機械化された音声・・・おそらくは精密な機械、遠隔操作ロボット)」

 声「えー、新入生の皆さん、今から入学式を行いたいと思います!」

 苗木「(超高校級のギャルでもある彼女なら、ポップなデザインやも)」

 葉隠「ほれ!これが希望ヶ峰学園流の歓迎だべ!」

 霧切「いえ、そうじゃない」


 ボヨヨーン!


 苗木「(ビンゴオオオオ!)」


 体育館以降はアニメ一話を見ながら書いています

 苗木がこんなことを考えていたとは!と、クスリと笑えるやも。

 リンク貼りますhttp://www.youtube.com/watch?v=XQrvQJ0bON0 貼れてるかしらん


 一同「ザワッ!」

 苗木「(外見は・・・)ぬいぐるみ?」

 モノクマ「ぬいぐるみじゃないよ、ボクは、モノクマだよ!」

 苗木「(もとい江ノ島盾子・・・)」

 モノクマ「お前らのこの学園の、学園長なのだ!よろしくね?」

 山田「ぬわあああ!?ぬいぐるみが動いたあああ!?」

 苗木「(ロボットだからな)」

 モノクマ「ぬいぐるみじゃなくて、モノクマなんですけど!学園長なんですけど!」

 苗木「(へ、いろいろ考えるぜ、絶望集団長さんよ・・・え?そのロボットが?)学園長?(バロスwwww)」

 モノクマ「えーではでは進行も押してるんで、さっさと始めちゃいましょう!キリツ!レイ!オマエラ!オハヨウゴザイマス!」

 石丸「おはようございます!」
 
 腐川「い、言わなくていいのよ!」

 モノクマ「オマエラのような、才能あふれる高校生は、世界の希望にほかなりませんっ!」

 苗木「(へ、お前は超高校級の絶望ってとこか?)」

 モノクマ「そんな素晴らしい希望を、保護するため!オマエラにはこの学園内だけで共同生活を送ってもらいます!」

 苗木「(ビwwwwンwwwwゴwwwwバロスwwww)」


 一同「はあ!?」


 苗木「待ってよwwww」

 自称江ノ島「どういうことよ!」

 苗木「(お前が言うかwwwwバロスwwwwwwwwうはwwwwwwww)」

 モノクマ「えー、その共同生活の期限についてですが・・・その期限はありません!」


 一同「ええ!?」

 苗木「(余りにも予想通りwwwwこんな敵初めてwwww)」

 モノクマ「つまり!オマエラは一生ここで暮らすのです!」

 桑田「な・・・今なんつった・・?」

 不二咲「一生・・・ここで・・・?」

 モノクマ「あー心配しなくても、予算は豊富だからお前らに不自由はさせないし」

 舞園「ちょっと待ってください!そういうことじゃなくて・・・」

 自称江ノ島「つーか嘘でしょ!?」

 苗木「まさかwwww教室や廊下にあったあの鉄板はwwww(くっそ笑っちまうwwww)僕たちを閉じ込めるための?wwww」

 モノクマ「そう、だからいくら叫んだって助けなんて来ないんだよ!」

 セレス「その話が本当だったら困りますわね、学校でずっと暮らすなんて無理ですもの」

 モノクマ「オホン!そこで、この学園から出たいという方に!あるルールを設けました!」

 苗木「(だからwwwwもう少し予想外なことしろってwwww)」

 


まさか自分が貼ったリンクを自分で使うことになるだなんて。

 日曜日とはいえ真昼間、だれぞおるか?


 十神「ルールだと?」メガネキラーン

 モノクマ「殺し方は、問いません。とあっ!」ジャーンプ

 モノクマ「誰か殺した生徒だけが、ここから出られる!」クルクル スタッ

 モノクマ「それだけの、簡単なルールなのです!」

 モノクマ「殴殺、刺殺、撲殺、斬殺、焼殺、圧殺、絞殺、銃殺・・・」

 モノクマ「うぷぷぷぷ、こんな生血のほとばしるドキドキ感は、かたや人間を襲う程度では得られませんなあ!」

 モノクマ「希望同士が殺し合う、絶望的なシチュエーションなんて・・・ドキドキする」ハアハア

 桑田「マジかよ!?」

 舞園「どうして私たちが殺し合わなきゃいけないんですか!」

 山田「そうだそうだ!ふざけたことばかり言うな!さっさと家に帰せっ!」

 モノクマ「ばっかり!?」

 山田「ヒッ!?」

 モノクマ「ばっかりってなんだよばっかりって!」

 モノクマ「いいか!?これからはこの学園がお前らの家であり、社会であり、世界なんだ!」

 モノクマ「やりたいだけやらしてやるから、殺って殺って、殺りまくっちゃえっつーの!」

 大和田「殺し合いをしろだあ!?てめえの悪ふざけは度が過ぎるぞ!」


 苗木「(・・・待てよ、モノクマが破壊されたとしたら?スペアがあるだろうな・・・じゃあこのモノクマは・・・)」


 モノクマ「悪ふざけ?それって君の髪型のこと?」

 大和田「なんだクソがぁ!ラジコンだかぬいぐるみだか知らねーがひと思いにひねり潰してやんよ!!」ガシッ



 苗木「(・・・・・・自爆か!?爆弾はボディ、タイマーが頭なら・・・信管は首!)」


 モノクマ「あわわ、学園長への暴力は校則違反だよぉ!」ピンピンピンピン

 大和田「!?な、なんだこの音は・・・」

 霧切「危ない、n」


 苗木「そこかあああああああっ!!」マワシゲリ


 モノクマ「」ビッシイッ!

 大和田「!?」

 霧切「!?」


校長室

 江ノ島「」ブッフォオッ


 モノクマ生首「」ゴロリ

 モノクマ胴体「」ガチャン


 苗木「(時限信管の破壊に成功、手始めのミッションコンプリートだ!)」


 大和田「」

 霧切「」


 苗木「(そう・・・超高校級の幸運苗木誠は仮の姿!)」

 苗木「(俺は圧倒的な分析力と無尽蔵の想像力、完全無欠の行動力を持つ男!)」

 苗木「(俺の能力の本質は目標達成の方法を考案すること・・・ただいまのミッションはちょろい、考案に0.2秒だ)」

 苗木「(最近は気に入らない団体の壊滅を目標にしていたが・・・)」

 苗木「(これはちょうどいい敵が現れたな!)」




 不二咲「・・・・・・あのぬいぐるみ、死んだの?」

 苗木「・・・いや」

 モノクマ「ぬいぐるみじゃなくて、モノクマ!じゃーんっ!」ボヨヨーン

 大和田「て、てめえ!」

 モノクマ「大和田君、苗木君、今のは警告だけで済ますけど・・・校則違反者を発見した場合、」

 モノクマ「今みたいなグレートな体罰を発動しちゃうからね!」

 苗木「(予想通り・・・)」


 一同「ええっ・・・」


 モノクマ「ではでは!これで入学式を終了とさせていただきます!」

 モノクマ「豊かで陰惨な学園生活を、どうぞ楽しんでくださいねー!」ウィーン


 一同「ああっ・・・」


 セレス「・・・この中の誰かを殺せば、この中から出られるわけですね」

 石丸「うぐぐ・・・そんな馬鹿げた話・・・」

 不二咲「・・・う、嘘だよね・・・?」

 十神「フン、嘘か本当かが問題なのではない、俺たちの中に、その話を本気にする奴がいるかどうかだ!」


 苗木「(こうして、僕たちの新たな学園生活は始まった・・・というわけだな)」

 苗木「(しかし感傷に浸っている時間はない、どうすればいい?ここから出るには・・・)」

 苗木「(できればこいつらを助けてやりたいが・・・)」

 苗木「(監視カメラの目をかいくぐって・・・・・・できること・・・)」

 苗木「(・・・・・・!そうか、戦刃むくろを利用しよう!)」

 苗木「(しかし、おそらく空気清浄機が・・・・・・)」

 苗木「(・・・そうだ!しかし、そのためには遺書を・・・)」


 霧切「・・・・・・」



 生徒たちが絶望的な気分で体育館を去ったあと、モノクマの頭と胴体を拾う苗木の姿があった。


 苗木「連れて逃げてよ~矢切の渡し~」

 霧切「・・・苗木君、だったかしら」

 苗木「ああ、いつ出てくるのかと思っていたよ」

 霧切「・・・モノクマがどうして爆発するとわかったの?ブザーが鳴り出す前に、あなたは助走をつけていたわ」

 苗木「初歩的なことだよワトスン君。あんな小さなロボット、一台なわけがないだろう。」

 霧切「・・・それにしても、なぜ自爆すると・・・」

 苗木「まあまあそんなことより、これを預かっておいてくれないか。」グイッ

 霧切「なにこれ、封筒?1、2つ・・・」

 苗木「遺書さね」

 霧切「!?」

 苗木「まてまて、絶望して死ぬわけじゃないぜ。詳しくはその中の一つに書いてある」

 霧切「・・・これかしら」

 苗木「俺がこの先何をしたとしても、俺が死んだらまずお前はその『霧切響子様』って書いてある封筒を見ろ。」

 霧切「・・・・・・」

 苗木「もう一つの封筒の使い道はその遺書に書いてある。まあ、自爆を見抜いた俺の頭脳を信じることだな」

 霧切「・・・私のこと、信用できるのかしら」

 苗木「フン、少なくとも他の連中よりはマシだ。」

 霧切「・・・預かっておくわ」

 苗木「頼むぜ。俺は何もできないからな」




 苗木「残骸はこんなものでいいか。火薬も丸々回収できたし、中のパーツは鋼鉄のようだ。さて、次は・・・」


 寮へ向かう苗木。ほかのメンバーを無視し、自室へ向かう。


 苗木「おう、あったあった。絶対工具の類があると思った。」

 苗木「さて、次は・・・モノクマ!」

 モノクマ「はいはい、何企んでるんだい苗木君?」

 苗木「君が喜ぶことだよ。掃除当番を教えてくれ」

 モノクマ「はいはい、山田君ですよ!」

 苗木「ありがとう。」


 自室から出る苗木。


 モノクマ「・・・あれ、掃除当番があるなんて言ったかな?・・・まあいいか」


 苗木は鉄パイプと木製の椅子を持つと、山田に話しかけた。

 苗木「山田君、君掃除当番だって?モノクマの残骸を燃やしたいんだが」

 山田「ええっ?モノクマの残骸って、燃えるんですか?」

 苗木「ううん、わからない。火花が飛んで危険、やも」

 山田「ひい、関係ないところで死ぬのは御免でござる!」

 苗木「あ、爆弾も入ってるんだよ。ボクは物陰にいるから、君は食堂にでもいたほうがいい」

 山田「了解しましたっ!鍵、御預けしますね!」


 苗木「・・・フン、掃除当番がビビリで助かった。廊下には掃除中の札立てたし、準備は万端だ。」

 苗木「作業にかかるか。」


 苗木は焼却炉のスイッチを入れ、モノクマの部品を溶かした。バケツに水を汲んでおき、冷やしては打ち、冷やしては打つ。

 苗木「・・・まあまあだな」


 完成した日本刀の刀身。工具で椅子を削り、持ち手と鞘を作る。


 苗木「・・・部品が思ったより余ったな・・・木も。匕首でも作るか。」


 今度は小さな刀身と、小さな持ち手と鞘を作る。試しに差してみる。


 苗木「こっちは上出来だ、鉄砲にかかろう」


 苗木は鉄パイプと椅子の余り、モノクマの部品の余りを使い、工具で器用に鉄砲を組み上げていく。


 苗木「・・・ライフリングは諦めるか。射程は伸びなさそうだが、室内だし・・・三連発だ、上出来だな。」

 苗木「弾丸は・・・モノクマの部品にちょうどいいパーツがあった、こいつを改造して・・・」

 苗木「・・・ちょっと足りないな。いらない工具を溶かして作るか。」

 苗木「よし出来た、こいつに火薬をちょいと詰めて・・・」

 苗木「・・・60発ってとこか、よかろう。」

 苗木「火薬が余ったな・・・モノクマの部品も。無駄にするのはよかない、手榴弾でも作るか。」


 鋼鉄で作った樽型の容器に火薬を詰め、時限信管を釘を改造したピンで留める。蓋をして完成だ。


 苗木「白鞘一振り、匕首一振り、弾丸六十発の三連発銃に手榴弾!上出来だな」

 苗木「匕首以外は隠しておこう・・・」

 苗木「科学室は・・・普通1階にはないな。仕方ない、キッチンのもので薬品を作ろう。」


 食堂に向かう苗木。わずかに残っていた連中を無視して、キッチンへ向かう。


 苗木「玉ねぎと、牛乳と・・・こいつとこいつで出来たはずだ。」

 苗木「ん、包丁・・・」

 苗木「・・・牛乳を取るふりをして、取るなら・・・」

 苗木「一番手前のやつか、コイツには細工をしておこう。」

 苗木「食紅で刃ソックリにしたコンニャクを、刃とすり替える!」

 苗木「おっと、さっさと毒を作ってしまおう。」


 とある薬品を作り終えた苗木は、トラッシュルームへ戻った。


 苗木「隠しておいた奴も自室に置きに行こう」


 苗木は武器と薬品を、人のいないところを見計らって自室へ運んだ。

 苗木「あ、気付かなかったが模擬刀があったんだな。・・・これはそのままにしておくか」


 その時、部屋のインターホンが鳴った。


 苗木「(そろそろ来る頃だと思ってたぜ、舞園・・・危険因子は排除するぜ、殺さずに)」

 舞園「苗木君?」

 苗木「ああ、悪い、今開けるよ。」


 ドアを開けると、舞園さやかが飛び込んできた。


 舞園「な、苗木君!今、私の部屋のドアががたがた揺れたんです、誰かが無理やり開けようとしているみたいに・・・」

 苗木「(フン、その程度の嘘に騙されるか!しかし言うとおりにしておこう、ここは)」

 苗木「じゃあボクと部屋の交換をしようよ!僕なら舞園さんを狙って誰か来ても多少抵抗できるよ!」

 舞園「ええ!?いいんですか!?」

 苗木「じゃあ、布団だけ交換するよ、さっき僕寝ちゃったから!」

 舞園「だ、ダメです!いや、大丈夫です(部屋を交換した証拠になってしまう!)」

 苗木「でも、どっちの布団も同じだよ?」

 舞園「あ、ああ、そうでしたか、ならいいんです・・・」

 苗木「(読心ちょろい)」


 苗木は舞園の部屋に布団(の中に隠した武器も)を運ぶと、舞園の部屋の布団を持って戻ってきた。


 舞園「わざわざすいません」

 苗木「いや、いいんだよ。もう夕方かなあ、おやすみ!」

 舞園「おやすみなさい!」

 舞園「・・・・・・」

 舞園「(ごめんなさい苗木君)」


       ↑対比↓



 苗木「(ヒャッハア引っかかりやがった!)」

 苗木「(残りの部品で急造した盗聴器も落としてきた、タイミングもばっちりだ!)」

 苗木「(本番に臨むぜ!?)」

 苗木「(コロシアイ生活壊滅はこのミッションの後だ!)」


ミッション2 舞園の殺人計画を阻止せよ!

(盗聴機はまず無理でねーかモノクマのスピーカーはもともと登録した声を元の部屋の声から変換してるし下手したら、のぶよボイスで事件再生されるし、妹様は、監視カメラから音拾ってるし)
ツッコマナイ、ツッコマナイ

>>38ス、スピーカーの振動部分をフリーにして、伝わった震えを電気信号に変換するようにしたんだよ(震え声)

か、かがくのちからってすげー(棒)

>>42[ピザ]乙

 桑田「あの舞園ちゃんに呼び出されるなんて!これは告白かー!?うっひょー!」

 桑田「えーと、ネームプレート・・・・・舞園!あった、ここだ!」

 桑田「舞園ちゃん!俺だよ!」ピンポーン

 舞園『はい、今開けます』ガチャ

 桑田「舞園ちゃん、話って!?」ガチャッ

 舞園「死んでください!」ビュッ

 桑田「はあ!?ま、舞園ちゃん、どうしたんだよ!?」

 舞園「私は出なくちゃいけないんです、ここから!」ビュッ

 桑田「し、死ぬのはゴメンだ!」バッ


 模擬刀で包丁を防ぐ――


 舞園「え?」ペニョ

 桑田「・・・あ?」

 舞園「・・・・・・あ、あはは!」

 桑田「・・・ま、舞園ちゃん」


 苗木「ドッキリだいせいこーう!」

 桑田「何ぃ!?」

 舞園「!?」

 苗木「脚本!苗木誠!キャスト!舞園さやかでお送りしました!」

 桑田「び、びっくりさせんなアポ!」

 舞園「・・・こ、このドッキリは殺されそうになった時の対応を含んでいるんですよ!」

 苗木「いやあ、舞園さやかの未来は女優かね!?舞園さん、行こう!ミーティングだ!」

 舞園「・・・・・・は、はい!桑田君、ごめんなさいね!」

 桑田「び、びびったぜ・・・」




 苗木「もうこんなチャンスはない・・・次は助けられん」

 舞園「・・・な、何で・・・」

 苗木「人を殺してまで外に出て、それはアイドルの舞園さやかなのか?ただの殺人者だ、アイドルじゃない!」

 舞園「・・・うわあああ!」ガシッ

 苗木「おっと」

 舞園「失いたくなかったんだよお・・・あんなに・・・えぐっ・・・あんなにがんばったのにい・・・」

 苗木「・・・・・・あ」ポロッ


 床に落下した匕首。

 舞園「・・・え?」

 苗木「・・・チイッ!」スパッ

 舞園「キャッ!?」スパアン

 手の甲に傷を受ける舞園!苗木は舌打ちを一つして、こう叫んだ。

 苗木「計画を早めるぞ!」



 苗木は獣のごとく廊下をひた走る!そして自室に飛び込み、動きやすい服装に着替えると、手製の武器で完全武装した!


 桑田「アポっ!?」

 苗木「せりゃっ!」ブンッ

 桑田「ぎゃ、な、苗木!」


 廊下で桑田を袈裟斬りに沈めた苗木!


 次に食堂に飛び込む!


 朝日奈「な、苗木!?」

 大神「その姿は!」

 苗木「くらえ!」ドゴオン!


 手製のライフルで銃弾を放つ苗木!


 大神「よけろ!朝日奈!」

 朝日奈「くうっ!」チューン

 苗木「チッ!」

 大神「苗木・・・貴様ァ!」ゴッ

 苗木「ケッ」


 大神のパンチを軽々避ける苗木!そのまま銃床で殴りつける!


 苗木「はあっ!」ガッ

 大神「ぬがっ!?」

 苗木「(激情の中に見えた、何かが心配でたまらないといった様子・・・人質でも取られているのだろうな)」

 苗木「死ね」ドゴオン!ドゴオン!

 大神「ぐ、ぐああ!」

 朝日奈「さ、さくらちゃんっ!」


 苗木「くだらん」ジャキッ ガシャッ


 朝日奈「・・・や、やめて・・・苗木・・・」


 大神「・・・よ・・・よせ・・・」


 苗木「・・・」ニヤッ


 大神「よせっ・・・!やめろおお!」



 ドゴオンッ

大神のパンチを受け止めるんじゃなくて、避けたってところに妙なリアリティがある

>>45さすがの苗木でも大神のパンチを受けたら手の骨砕けます


 ドゴオン!


 大和田「なんだ今の音は!?」

 石丸「銃声のようだったぞ!」

 不二咲「しょ、食堂からだったよ!行ってみよう!」

 大和田「待て!何があるかわかんねえぞ!」

 石丸「僕が様子を見てくる!君たちはここで待っていたまえ!」

 大和田「お前にだけ格好いい真似させねえよ!俺も行く!」

 石丸「・・・!わかった!」

 不二咲「ぼ、僕も行くよ!」

 大和田「いや、お前はここで待ってろ!」

 石丸「本当に、何が起こるか・・・」


 ドゴオン!ドゴオン!


 石丸「!?また・・・」

 大和田「やっぱりお前はここにいろ!」

 不二咲「・・・で、でも・・・」

 石丸「一体何が起こっているんだ?」

 大和田「わかんねえ、見に行ってみねえと・・・」


 ォォオオオオ! ドゴオン!


 石丸「今の声は大神くん!?」

 大和田「よくわかったな!?」

 石丸「しかもその直後に・・・大和田くん!行くぞ!」

 大和田「不二咲!てめえはここで待ってろ!」


 二人は食堂の方に走っていった。


 十神「なんだこの騒ぎは?」

 腐川「うるさいったら・・・ありゃしないわ・・・!」

 不二咲「銃声が食堂から聞こえてきたんだよぉ」

 十神「銃声?まさかとは思ったが・・・この学校にはそんな物騒なものまで・・・いやありうるか」

 腐川「だ、誰か撃たれたの・・・?犯人は誰よぉ!?」

 不二咲「わからない、今二人が食堂に行ったんだけど・・・」


 大和田「・・・!桑田!?お前、その傷は・・・!」

 桑田「な、苗木だ!苗木が、鉄砲と刀を持って・・・」

 石丸「なんだとっ!?」

 舞園「み、みんな!無事ですか!?」

 大和田「舞園!お前、手は・・・」

 舞園「こ、これは・・・」

 桑田「苗木か!苗木だな!あの野郎!」

 石丸「・・・!」

 大和田「まさか、あいつが!鉄砲なんて、どこから・・・」


 苗木「そこか!」ドゴオン!


 桑田「ひいい!?」

 大和田「苗木!てめえ・・・!」

 舞園「な、苗木君!何してるんですか、目を覚ましてください!」

 石丸「そ、そうだ、まだ遅くない、武器を捨てて・・・」


 苗木「黙れ!」ドゴオン!


 石丸「ぐふっ!ぶ、武器を・・・」

 苗木「しつこい野郎だ!」スラッ

 苗木は腰に差した白鞘を抜刀した!

 苗木「沈め!」ビシッ

 石丸「が、は・・・」ドサッ


 大和田「・・・苗木ィ!」ゴッ

 苗木「!」ドサッ


 ドゴオン!


 大和田「がはっ」ドサッ


 苗木「・・・」ガシャッ ジャキンッ


 舞園「な・・・なえ・・・!」


 桑田「ひいいいい!来るなああ!」


 苗木「・・・」コツ コツ コツ


 苗木は無言のまま廊下の向こうへ去った。二人は手負いで、パニックになってもいたから、何もできなかった。


 石丸「うぐぐ・・・」

 大和田「苗・・・木・・・!」

 舞園「・・・ふ、二人とも!」

 桑田「」ガチガチガチ

凄まじいけどこれ記憶消される前の2年間、猫かぶってたんかな?

策士のくせにみんな傷付けて何がしたいの
てか舞園さんのところでどこか抜けてるよね

>>48
壊滅計画の対象がいなかったので何もしませんでした。

>>51
どこですかー?(タラちゃん風に)


 苗木「・・・」ヌッ

 不二咲「でっ・・・」

 腐川「出たぁ!?」

 十神「お、お前・・・!」


 その時の苗木は、染色に失敗した人形のようにあちこちが返り血で赤く染まっていた。

 まさに人形のように淡々と、しかし俊敏に銃を肩に構え、発砲する!


 苗木「死ねっ!」ドゴオン!


 不二咲「ひぃ!?」バシュ!


 銃弾は狙ったかのように不二咲の眼前の壁にめり込む!


 腐川「だ、誰かぁ!」ダッ


 苗木「逃がすか!」ドゴオン!


 今度は寸分の狂いもなく腐川の背中に飛んだ!


 腐川「ぎゃあ!?痛い!痛いぃ!」


 苗木「フン」ガチャ スラッ


 銃を肩にかけると、白鞘をスラと抜く苗木!


 苗木「せやあ!!」ブウン


 十神「!ぐ、あ、が・・・」


 十神の服が紅に染まる。ゆっくりと膝をついて、倒れた。

 苗木「次は・・・ん、逃げたか・・・不二咲とか言ったか、あいつ・・・」

 十神「・・・お前・・・なんて、こと、を・・・!」

 苗木「ほう、銃弾まで欲しいか?」ドゴオン!

 十神「ぐは!?」

 苗木「クク、どこへ逃げようと同じことだ・・・」ガシャッ ジャキン


 十神「(ぐ・・・こいつ、なんてやつだ!)」


 苗木「(とか思ってるんだろうなあ、計画通りだ!少し決行は早くなったが、いい調子だ・・・)」


 背後から見つめるものの思いとは裏腹に、苗木は淡々と歩を進めるのだった。



 (自称)江ノ島自室


 モノクマ「残姉!苗木がすごいこと始めたよ、うぷぷ!」

 戦刃「盾子ちゃん、何があったの?」

 モノクマ「手作りの銃と剣で、他の連中を傷つけてまわってる!」

 戦刃「ええ!?大丈夫なの!?」

 モノクマ「ああもう、真剣に心配すんな!第一今まで一人も死んでないから、大丈夫!裁判にも困らないよ!」

 戦刃「ああ、そう、でも銃を造るような人が、そんなに外すかな・・・」

 モノクマ「シャラーップ!そんなこたどうでもいいんだよ!残姉も怪しまれないように一発ぐらい撃たれとけよ!」

 戦刃「ああそうか、流石盾子ちゃん!」

 モノクマ「軍人のくせに!だから残姉なんだよ!」

 戦刃「うう、ごめんよ・・・」




 苗木「(とか言ってんだろうな!適当なところで行ってやろう!)」

 苗木「(こっちは準備も万端だ、戦刃むくろを倒すことが今回のミッションの難関だが・・・)」

 苗木「(やってみせるさ!しかし、その前に・・・)」




 不二咲「セレスちゃん!開けて!開けてよ!」ピンポーンピンポーンピンポーン

 セレス『・・・(まんざら嘘でもなさそうですが)・・・』

 不二咲「早く、早く!ひ・・・!」


 背後より猛然と迫る血染めの男!


 不二咲「開けて!助けてよ!助けてぇ!」ドンドンドン

 セレス「・・・」ガチャ


 その瞬間!ドアに入りかけた不二咲の背後より銃弾が飛来した!


 不二咲「うぐうっ!?」ドシュ

 セレス「うぎゃ!」ドサ


 銃弾は不二咲を貫通し、前にいたセレスにも命中した!


 苗木「ビューティフォー!」フッ

 苗木「あとは山田、葉隠、霧切。それに戦刃、江ノ島だな!」


 苗木「お、ちょうどここが山田の個室か!おほん!」ピンポーン

 山田『・・・誰です、今執筆中で忙しく・・・』

 苗木「大変だよ山田君!今すぐドアを開けてくれ!」

 山田『な、なんです?何があったんです?』


 不二咲「・・・あ、開けちゃダメ、だ・・・」

 セレス「ぐ・・・」


 苗木「(シイイイイイイイット!黙ってろ手負い共!)」

 山田『あれ、今何か・・・』

 苗木「(お前は黙ってドアを開けろ、鈍臭い!ビビらしとくか!)」ドゴオン!

 山田『うわ!?銃声!?支那事変!?』

 苗木「た、助けてくれ山田君!このままじゃ撃たれる!」

 山田『わ、わかりました!今開けます!』

 苗木「(よし)」


 苗木はドアの方に腰だめで銃を構えた。


 山田「大丈夫で・・・・・・オーケイ?」

 苗木「オーケイ!」ズドオン!

 山田「コマンドオオオオオ!」ドサッ


 葉隠「なんの騒ぎだべ!?」

 苗木「お前を撃つための騒ぎだよ!」ズドオン!

 葉隠「ぎゃ!?な、苗木っち!?気でも狂ったのか!?」ガクッ

 苗木「正気だ!」シュパッ


 匕首を抜く苗木!

 苗木「だーっ!」ドスッ

 葉隠「うぎゃあ!?」ドタッ


 苗木「ふーっ・・・」


 コトリ


 苗木「!」シュッ

 霧切「!」


 苗木が匕首を向けたのは、背後に棒を持って忍び寄っていた霧切!


 霧切「・・・『俺が何をしても』って、こんなこと?」

 苗木「・・・・・・・」

 霧切「こんなことをするなら、封筒なんて破って捨てるわ」

 苗木「・・・・・・・」シュッ


 苗木は無言で霧切の腹に匕首を突き刺した。


 霧切「うぐ・・・」

 苗木「俺は黒幕以外殺さないぜ、お前らをここから出す計画のためにな」ボソリ

 霧切「・・・!?」

 苗木「封筒は破らないで欲しいね、さもなくば地獄から呪い殺しだ・・・」ボソボソ

 霧切「・・・・・・・」


 苗木を信用すべきかせざるべきか、考えながら霧切は意識を失った。


 苗木「次!」ガシャッ ジャキン

 苗木「えー、コホン・・・」ピンポーン

 苗木「江ノ島さん!開けてくれ!大変だ!」

 戦刃『え、わかった、開けるよ』

 苗木「(フン、棒読みかよ・・・おっと、手榴弾手榴弾・・・)」

 苗木「(よく知られたトラップだが、安全ピンを外して・・・信管をドアノブに載せて、と)」

 苗木「(俺は退避だ、アレも用意して・・・)」


 モノクマ「待て、残姉!トラップだ!」

 戦刃「え?」カチャ ゴトン

 モノクマ「残姉えええええ!!軍人としても残念かあああああ!!」

 戦刃「あ!?ドアは・・・間に合わない、退避!」バッ


 ズガン!


 ブツッ


 戦刃「あ、照明が!?」

 モノクマ「くそ、ここは残姉の部屋だからいいかって、地下に送電線が通っ・・・て・・・・・・」

 戦刃「モノクマが!?く、ここまで想定して!?武器は・・・」




 苗木「(暗視ゴーグルは用意済みだ!一撃で決める!)」

 戦刃「(たしかあっちにベレッタが・・・)」サッ

 苗木「そこか!」


 ズドオン!


 戦刃「ぐはっ!?」

 苗木「当たった!これはダメ押しだ!」ズドオン!ズドオン!

 戦刃「ぐ・・・こんな・・・」ガクッ




 苗木「アーメンアーメン、手榴弾借りるぜ・・・」ゴソゴソ

 苗木「よし行くぞ、クライマックスだ!」



 江ノ島(本物)「ああもう、どうなってんのよ!なんなのあいつ!?残姉は!?」

 江ノ島「でもとっても絶望的!」ブルル

 江ノ島「非常用電源は・・・」


 ズドーン・・・


 江ノ島「?なによ、今度は・・・」


 ズドーン・・・


 江ノ島「なになに!?どういうことよ!?」


 ズドーン!


 江ノ島「大きくなってない!?何この音!?」


 ズドーン!


 江ノ島「もう何なのよ!?非常用電源!・・・あった、これだ!」ポチッ


 ズドオオオンッ!ガラガラガラ・・・


 非常用電源のスイッチを入れるのと、秘密の部屋の壁が吹き飛ぶのはほぼ同時だった。


 苗木「よう黒幕!やっぱりこっちのほうだったな!」


 江ノ島「た、助けてモノクm」

 苗木「させるかあっ!」ズドン!ズドン!ズドン!


 江ノ島「ぐふっ・・・」


 苗木「あばよ、精々地獄で精進することだな」


 江ノ島「・・・私が[ピーーー]ば、空気清浄機は・・・」


 苗木「それならさっき回路にちょっと細工してきた、入口にもな」


 江ノ島「・・・フフ、絶望的・・・」ガクッ


 苗木「・・・・・・これでよし」


 苗木「自室に戻るか・・・」



 苗木の部屋までの廊下に、人はいなかった。恐らく、保健室にいるのだろう。


 苗木「あいつら、急所は外しといたが・・・早く治るといいな」

 苗木「怪我をさせることは目的じゃなかったからな。」

 苗木「さて、あとの始末は探偵レディに期待するだけだ・・・」


 苗木は自室に入った。


 苗木「まず、銃を壊す。」ボンッ

 苗木「刀も刃こぼれさせる。」ガリガリ

 苗木「匕首も同様だ。」ガリガリ

 苗木「手榴弾はベッドの底にくくりつけておくか」


 苗木「これでよし。傍から見て、武器が使えないから毒で自殺した、と見えるな。」


 苗木「じゃーん、やっとこの毒の出番だ!」


 苗木「これを適当な薄さに薄めて・・・10時間くらいでいいか。」


 苗木「迷いなく・・・飲む!」グイッ


 苗木「ゲッフウウウウッ」バタッ


 こうして苗木は心肺停止。多くの人を傷つけ二人を殺した男はこうして死んだ。




 物語は保健室の面々に移る。


 舞園「・・・」

 桑田「」ガタガタガタガタ

 不二咲「」ガタガタガタガタ

 大和田「・・・クッ、こんなことが・・・」

 山田「いたた、腹の傷が痛みますぞ・・・」

 セレス「まさか・・・」

 大神「・・・・・・すまぬ朝日奈、我は手出しもできなんだ・・・」

 朝日奈「ううん、さくらちゃんのせいじゃないよ・・・」

 葉隠「一体なんだったんだべ?苗木っち・・・いやあのにっくき苗木の野郎は・・・」

 腐川「ひぃ!?苗木!?死ぬ!先に死んでやる!殺されるくらいなら!」

 十神「見苦しいぞ・・・」


 石丸「ううん・・・」

 霧切「(石丸君、心理的ショックもあってかなかなか起きないわね・・・)」


 霧切「それにしても今、彼はどこに・・・」

 葉隠「きっと俺らを探し回ってるんだべ!」

 桑田「ひぃ!?」

 不二咲「こ、怖いよ!やめてよ!」

 セレス「それにしては物音がしませんわね」


 霧切「(待って、彼は自分が死んだら、と言っていた・・・)」

 霧切「まさか!」ガラ ダダダ

 葉隠「!き、霧切っち何処へ行くべ!?外は危ないべ!」

 大神「我が一緒に行こう!いないよりましであろう」

 桑田「ま、待て!まだ苗木がうろついてるかも・・・」




 霧切「ああっ!?」


 苗木に部屋に鍵はかかっていなかった。


 苗木「」


 静かににじり寄って、脈を確かめる。ない。やはり死んでいる!


 霧切「・・・そんな」

 大神「どうした霧切?こ、これは!」

 霧切「・・・・・・死んでいるわ、恐らく毒・・・」

 大神「なんと・・・こやつめ、あれだけやっておいて無責任にも!」

 霧切「待って、死人に口なしよ。殴ったって仕方ないわ」ガシ

 大神「・・・!くそお・・・」

 霧切「戻るわよ、ほかの人にも教えなきゃ・・・」

 霧切「(あの遺書には何が?彼はなぜあんなことを、その上自殺なんて・・・)」


 遺書 霧切響子様

 探偵レディ、お前を見込んでこの遺書を託すぜ。これはいわば俺が死んだ後の劇の脚本だ。

 封筒にはあまり分厚いのは入らないから、俺が推理したことの大概は机の引き出しの中のノートに書きだした。

 感謝しろよ?考えるのは簡単だが、書き出すのは重労働だ。手がめちゃくちゃ疲れた。


 そんなことはどうでもいい、脚本の本題に入る。

 これを読んだらまず、もう一つの方の遺書を皆に見せろ。流れを説明するため、概要を書いとく。


  推理したら外に関して絶望的な結果が出たから、苦しむ前にお前らを殺してやる。

  もし殺され損ねたら、ノートを見ることだ。

  それと、廊下の突きあたりの、赤い扉の奥のエレベーターに乗れ。会議室がある。

  そこに生存者全員揃ったら、それぞれの席の赤いボタンを一人ずつ押せ。扉が完全にロックされる。

  青いボタンは押すな、もし全員押したら空気清浄機が停止、扉が開く。

  お前らには無理だ。

  人殺しアイドルや高望みに忙しい野球選手、軟弱なオカマや兄を殺してまで族を乗っ取ったヤンキー。

  くだらない絵かき、本名も明かさないくせに野心だけは立派な賭博師気取り。

  人質の思いも知らずに狼藉者に媚びへつらう格闘家、思い込み激しく自己中心的なクソビッチ。

  人格破綻した占い師のアドバイスなんて誰が聞くか。それと殺人鬼には日本一の文豪にはなれん。

  あとかませメガネは重症だ、プライドの殻だけのカブトムシが。一生ここに居ろ、お前ら。

  もう一度言っておく、お前らには無理だ。

  こんなメンツではこの荒廃した世界を立て直すことなど絶対無理だ。

  死ぬか、一生ここに居ろ。


 てとこだ。これは、お前らは殺人鬼である俺以下だと強調することで、お前らの闘争心を煽る文面だ。

 奴らには俺への嫌悪感を植え付けておいた、これを見せれば満場一致で脱出だろう。

 お前には議論が変な方向に行かないよう舵を取って欲しい。

 よろしく頼む。

 お前を信用するからこそ、俺は安心して死ねる。

 重ねて頼む、どうか荒廃した世界を救われんことを!




苗木誠


 それを読んだのは、大神にみんなを呼びにやらせた時だった。


 なんてことだろう、やはり苗木誠とは偉人だったのだ。


 自分は及ばないほどの推理力、奇想天外正確無比な計画、そして自己犠牲の精神を伴った行動力。


 霧切「・・・・・・くっ」


 少し涙が出た。


 こんな人物が自分を信用してくれているのだ、きっとやり遂げよう。いや、やり遂げてみせる!


 こんな人物が――


 こんな人物が自殺を―――?


 霧切「・・・」チラ

 苗木「」


 馬鹿な、完全に死んでいる。冷たくなっている・・・


 私がこんな抽象的な理由で考えをぐらつかせるなんて。


 でも、自分が助かるような計画を作ることも訳なさそうだが―――


 大神「呼んできたぞ」


 霧切「なかに入れないで。こんなものが見つかったわ」


 霧切が放ったのは、苗木誠を単なる頭の良い殺人鬼に仕立て、皆を未来へ導くもの。


 同時に、あのような偉人の存在を闇へ葬ることにもなる。しかし迷いはなかった。


 せめて自分が、この偉業を覚えていようと、考えた。


 自分でも信じられないような、ほのかに甘美な感情を伴って―――






もうちょっとだけ続く



 苗木「愛しているのよアンアン♫」ガチャン


 苗木「抱きしめてもう一度~♫」ガチャン


 苗木「アンア・・・・・・あ?」


 霧切「・・・やはり」


 苗木「・・・なんだ俺、血を見すぎて幻覚でも見えてるのか・・・大立ち回りなんてするもんじゃないな・・・」


 霧切「これは現実よ」


 苗木「・・・ったく、俺の計画を破ったのはお前が二人目だぜ・・・」ガチャン


 霧切「一人目は?」


 苗木「ブチの犬だよ」ガチャン


 霧切「・・・・・・よく時限式で生き返るなんて薬、作れたものね」


 苗木「俺も死にたくないからな、知恵を絞らせてもらったよ。まあ、他の方法もないことはなかったんだが・・・」


 霧切「・・・そのいくつも置いているのは?」


 苗木「モノクマから取り出した無線起爆の爆弾だよ。コンソールも取り出してきた、一気に爆破する計画なのさ」


 霧切「・・・脱出できなかった場合のことなんか考えていないのね」


 苗木「計画自体は成功したろう?霧切、お前が今ここにいること以外はな・・・よし、出来た。」ガチャン


 霧切「・・・これからどこへ?」


 苗木「近くに仲間がいる、合流するさ。学園を爆破したらな。お前も早く逃げろ」


 霧切「・・・・・・」


 苗木「・・・・・・」


 霧切「・・・・・・わ」


 苗木「言うな、今度会ったら考えてやる。あばよ、達者でな。お前、俺と同じくらい切れもんだよ」


 霧切「・・・そう」


 霧切が答えた時には、既に彼は視界から消えていた。





おわり


 くぅ~疲れました!

 自分でも意外な程「策士」苗木のキャラが好きになってしまいました。

 続編なんて・・・キャハ!

 読んでいただきありがとうございました!

 少し考えたら、HTML化依頼します!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月10日 (木) 17:18:38   ID: FDyKWIu_

面白かったです!
続き希望!!

2 :  SS好きの774さん   2014年04月17日 (木) 21:50:15   ID: toP-lrXJ

賞賛レスが自演臭すぎ
痛々しすぎて逆に笑えてくるな

3 :  SS好きの774さん   2014年10月19日 (日) 18:55:57   ID: t0NOtzxu

いたたたたたた

4 :  SS好きの774さん   2016年03月23日 (水) 18:08:11   ID: L5k7OwfP

おもろい

5 :  SS好きの774さん   2016年08月11日 (木) 09:34:06   ID: d68LQjXj

つまらな過ぎて疲れた
作者はこんなんで喜べるのか

6 :  SS好きの774さん   2017年05月16日 (火) 11:15:34   ID: mhsUoXep

版権キャラの名前だけ借りたオリキャラ無双止めようや
名前検索で出るのさえ嫌だわ

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