モモ「妹のあかりっす」 あかり「\アッカリーン/」(1000)

※キャラ崩壊が激しいかもしれません

※麻雀描写はあまりないと思います

※あってもにわかなので間違い多数だと思いますので指摘お願いします

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四校合同合宿所にて

久「全員いるわね、じゃあ先ずはお礼を。今回はこの合宿に参加してくれてどうもありがとう」

久「個人戦のある福路さんはともかく、加治木さんと蒲原さんも来てくれてとても感謝しているわ」

ゆみ「気にしないでくれ。これだけの相手に打つ機会をくれたんだこっちから礼を言いたいくらいだ」

智美「ワハハ、今から受験勉強って言うのも気が早いからな~しっかり遊ばせてもらうさ~」

佳織「智美ちゃんは今からやった方がいいような気がするよ・・・」

モモ「そうっすね」

智美「それはひどいぞ2人とも」

久「ふふ・・・さて、お風呂にも入ったし早速麻雀――」

優希「待って、ト、トイレ行って来るじぇ~!」

衣「zzz・・・」

星夏「うう・・・湯当たりした・・・」

睦月「同じく・・・」

久「――と言いたいところだけど、今日は自由行動にしましょうか」

まこ「ほうじゃの。初日から根つめても仕方ないしの


透華「はぁ・・・しょうがありませんわね。衣を部屋に運びますわ。ハギヨシ――はいないのでしたわね。では純!」

純「はいはい、力仕事は俺の仕事か。そこまで力いらねぇけど」

華菜「大丈夫か文堂?」

星夏「すいません大丈夫です・・・」

智美「ワハハ、しっかりしろムッキー。部長がそれじゃ示しがつかないぞ」

睦月「・・・元部長に部長のあり方について説かれるなんて」



和「私はゆーきの様子を見に行ってきますね」

咲「うん、行ってらっしゃい・・・強そうな人がいっぱいいるから、私は打ちたかったな・・・」

久「まあまあ、焦らなくてもこれから嫌でも打ってもらうことになるから、今日くらいはゆっくりしなさい」

まこ「お前さんと和は団体だけじゃなく個人もあるからの。一層頑張らんといけんからな」

モモ「――そうっすよ。私達の想いもかけてるんっすから、リンシャンさんには優勝してもらわないと」

咲「きゃっ! びっくりした。えっと、東横さんでしたよね?」(リンシャンさん・・・?)

モモ「はいっす。東横桃子っす。同い年っすから敬語じゃなくていいっすよ」

咲「ええっと、じゃあ桃子ちゃん?」

モモ「よろしくっすリンシャンさん」

咲「言った自分が敬語?使ってるじゃない」

モモ「これは敬語じゃなくて口癖というか、この喋り方に慣れてしまって自然とこうなってしまうんすよ」

咲「そうなんだ、大変だね」

モモ「殆ど誰も私の声聞こえないっすからそこまででもないっすよ」

咲「いやその方が大変だって・・・というか、聞こえないって、あのステルスって麻雀のときだけじゃないんだ?」

モモ「ええ。酷いときは両親にすら気づかれないほどだったすよ」

モモ「そんな中で過ごす内に自分で存在感を薄めることができるようになってたっす」

和「そんなオカルトありえません」

咲「あ、原村さんと、優希ちゃん大丈夫だった?」

優希「おう、ばっちしだじぇ!私は咲ちゃんみたいに方向音痴じゃないからな!」

和「何がばっちしですか。場所を知らないのに駆け出して、私が行かなければどうなってたことか・・・」

優希「うう、風呂上りのフルーツ牛乳がタコス並の魔翌力で私を誘惑するのが悪いじぇ」

和「タコスもそうですがゆーきは少し我慢というものを覚えるべきです」

久「そうね、合宿中はタコス断ちでもしてみる?」

優希「じぇ~!? 部長は私に人としての形も残さず[ピーーー]と言うのか・・・?」

咲「そんな大げさな」

まこ「そもそもそんなに簡単に手に入るもんじゃないんじゃがのうタコスは」

モモ(リンシャンさんと悪待ちさんなら気が付いてくれるかと思ったっすが駄目っすか。おっぱいさんは――)

和「ところで、さっきから気になっていたんですけど、東横さんの後ろにいるその子は一体?」

モモ(・・・!?)

咲「え?そんな子どこに――」

???「――あか・・・私が見えるんですか?」

久まこ優希咲「!?」

和「見えるとか見えないとか、そんなオカルトありえませんよ」

モモ「さすがっすねおっぱいさん。私だけじゃなくあかりのことまで見えるとは」

和「あかりちゃんと言うんですか?」(おっぱいさんって・・・)

あかり「あ、はい。はじめまして。私、東横あかりといいます」

和「東横・・・桃子さんの妹ですか?」

モモ「そうっす。私の大事な妹っすよ」ダキッ

あかり「わっ! お姉ちゃんいきなり抱きついたらびっくりするよぉ」

久「・・・驚いたわ、こんな明るい髪の子に気が付かないなんて」

ゆみ「君に頼まれたから連れてきたんだが?」

モモ「あっ、先輩!」ダキッ

あかり「ちょっ! お姉ちゃんいきなり離すのもびっくりするよぉ!」

久「そうだけれど会うのは初めてだから。ずっと東横さんの近くにいたのかしら?」

モモ「いたっすよ」

まこ「はぁ~全然気が付かんかったわ」

咲「私も」

優希「私はトイレ我慢してたからそれどころじゃなかったじぇ」

和「私は見たことない子がいるとずっと気になっていました」

あかり「えへへ、嬉しいなぁ。あんなに人がいっぱいいる中で初対面の人が、私に注目してくれることなんかありませんでしたから」

あかり「ありがとうございます、和おねえ・・・じゃなくて原村さん」

和「お礼を言われるようなことではありませんよ。それと歳も離れているようですし、無理に喋り方を変えなくていいんですよ?」

あかり「え、でも・・・」

ゆみ「そうだな。君はまだ中等部1年生なんだ。そこまで礼儀にうるさくすることもないだろう」

久「そうそう、あかりちゃんはゲストなんだから堅苦しいのはなしでいきましょう」

あかり「じゃあ、改めてこれからよろしくお願いします」

咲「うん、こちらこそよろしくねあかりちゃん」

咲「あ、まだ自己紹介してないね。私の名前は宮永咲だよ」

あかり「うん、咲お姉ちゃん!決勝戦とっても凄かったです!」

咲「ありがとう」(お姉ちゃん、か・・・)

優希「私は片岡優希だじぇ! ほれ、お近づきの印にタコスをやるじぇい!」

あかり「わぁ! ありがとう優希お姉ちゃん!」

優希「お、お姉ちゃん、なんだか呼ばれ慣れないからくすぐったいじぇ・・・」

まこ「まあお前さんは年下からそう呼ばれることもなさそうじゃしのう」

優希「何を言うんだじぇ染谷先輩!私はのどちゃんのおっぱいから吸ったエキスで夏にはわがままボディを手に入れてるんだじぇ?」

和「吸わせてませんしそんなことで体がどうにかなることはありえません!」

まこ「いっつも食っとる大量のタコスはどこに消えとるんじゃろうか」

優希「タコスから得たエネルギーは全部タコス力となって麻雀で消費されてしまうじぇ」

まこ「ほんじゃあタコス食った後麻雀せずに過ごしてみたらどうじゃ? 成長するかもしれんぞ」(主に腹がでそうじゃがの)

優希「タコスも麻雀も我が身を形づくるのに必要不可欠なものだじぇ。それはできないじょ」

まこ「難儀な奴じゃのう」

あかり「・・・」

まこ「おおっと、すまんのう。わしは染谷まこ。Roof-topっちゅう雀荘の娘じゃけ、ご贔屓にな」

咲「桃子ちゃんの妹なら家は鶴賀の方ですし気軽に行ける距離じゃないと思いますけど」

和「それに中学生が雀荘は少し不健康ではないでしょうか?」

まこ「わしは幼稚園くらいの頃からずっとおったんじゃが? それに年齢を言うなら高校生だって充分あれじゃと思うんじゃが」

和「・・・客寄せにバイトさせてる身でそういうこと言いますか」

まこ「咲はともかくわりゃ中々気にいっとるじゃろ。大体元々は部長の案じゃけ」

久「そこで私に振るの? ってまたあかりちゃんを忘れてるわよ」

まこ「ありゃ、すまんなあかり。なんか知らんが意識しないとすぐに頭から離れていってしまうんじゃ」

あかり「いいんですよぉ・・・慣れてますから」グスッ

優希「あ~染谷先輩があかりを泣かしたじぇ!」

モモ「むっ! あかりをいじめる奴は許さないっすよ!」

ゆみ(やっと離れてくれたか、人前ではさすがに恥ずかしい・・・)

まこ「こら優希! 何を人聞きの悪いことを言うとるんじゃ!」

モモ「でもあかりが泣いてるっすよ?」

あかり「だ、大丈夫だよお姉ちゃん、優希お姉ちゃん。あかりなんともないからまこお姉ちゃんを責めないであげてください!」

モモ「あかりがそう言うならいいっすけど・・・」

優希「あかりはいい子だじぇ。タコスをもう1個やろう」

あかり「えへへ、ありがとうございます。でもさっき貰ったので充分ですよぉ。タコスいっぱい食べなきゃいけないんですよね?」

優希「そうだじぇ、私はタコスを食べないと体が人の形を保てなくなってしまうからな」

あかり「ええ!?」

咲「大丈夫、嘘だから!」

モモ「純粋なあかりに変なこと吹き込まないでほしいっす」

久「んじゃ次は私ね。はじめましてあかりちゃん。私は竹井久。清澄高校麻雀部の部長よ」

あかり「はい、はじめまして」

あかり「そういえばさっきゆみお姉ちゃんがあかりをここに呼んだのは久お姉ちゃんだって言ってましたけど・・・」

久「ええそうよ。たまたまあなたの牌譜を見る機会があって、面白い打ち方してたから気になってね」

あかり「そんな、あかりなんてまだまだ下手くそですよぉ」

久「うーん、まあぶっちゃけその通りね」

あかり(結構容赦ない!?)ガーン!

久「でも、何というかね・・・そう、さっき言ったように面白いのよあなたの打ち筋、というよりあなたのいる卓はね」

久「だから打つときは上手い下手とか気にせず存分に打ってね」

あかり「はい!がんばります!」

和「最後は私ですね。と言っても私の名前は既に知っているようですけど」

あかり「和お姉ちゃんは有名ですし、お姉ちゃんと対局した人ですから」

ゆみ「あのときは驚いたな。まさかステルスモードのモモが振り込むなんて」

和「ステルスモードがなんなのかよくわかりませんが、あれだけ無警戒で牌を切っていれば振り込むのは当たり前です」

モモ「それが当たり前じゃないのがステルスモードってやつっすよ」

和「あのときも言いましたが、そんなオカルトありえません」

あかり「でも本当に凄いことなんですよ和お姉ちゃん」

あかり「ずっとお姉ちゃんを見てきたからわかりますけど、お姉ちゃん本当に他人から見えませんから」

あかり「それはあかりも同じで、もしかしたらあかりなんて存在してないんじゃないかって思えてきて・・・」

モモ「あかり・・・」

あかり「だから、さっき和お姉ちゃんがあかりに気が付いてくれたときとっても嬉しかったです!」

和「・・・あかりちゃんはちゃんとここにいますよ。こうして触ることもできるんですから」ナデナデ

あかり「あっ・・・はい・・・!」

モモ(辛い思いさせるんじゃないかと思ったっすが、やっぱり連れてきてよかったっす)

モモ「私からも礼を言うっすよ。ありがとうございますおっぱいさん」

和「・・・本当に恩義を感じているならその変なあだ名はやめてください」

和「ええ? じゃあ何さんがいいっすか? デカパイさん?」

和「胸から離れてください!」

優希「いーや、のどちゃんとおっぱいは切っても切れない関係だじぇ」

まこ「そりゃあまあ切れんじゃろうな、物理的に」

優希「のどちゃん=おっぱい、おっぱい=のどちゃんだじぇ。でも夏には私がその座を奪うから覚悟しておくんだじょ」

まこ「まだ言うかお前は」

和「人を胸が大きいだけみたいに言わないでください!」

ゆみ「さて、自己紹介も終わったことだしそろそろ何をするか決めようか」

モモ「私は先輩とお風呂に入りたいっす! 2人きりで!」

ゆみ「も、モモ!」

久「あーら、お熱いわね。じゃあ私とまこは加治木さんから貰った全国の選手の牌譜を研究するということで」

まこ「わしの意見は聞かんのか? まあ別にええんじゃが」

久「そう言ってくれるってわかってるからよ」

和「ではあかりちゃんは私達と外を回りましょうか」

あかり「はい!」

モモ「あかり、デカパイさん達に迷惑かけちゃ駄目っすよ」

あかり「うん、わかってるよお姉ちゃん。ゆみお姉ちゃん、お姉ちゃんのことよろしくお願いします」

ゆみ「あ、ああ、任せておけ」

和「ですからあだ名は胸以外のもので!」

咲「結局タコス屋は見つからなかったね」

優希「これじゃ明日までもつかもわからないじぇ・・・」

和「タコスを食べなくても死ぬことはないんですから、そんなに悲観しなくてもいいでしょう」

あかり「やっぱりあのタコス返した方が・・・」

優希「いや、一度あげた物を返してもらうなんてそんな図々しい真似はできないじぇ。でも体が溶けて行くような感覚が・・・」

和「ゆーき!」

優希「じょ、冗談だじぇ」

咲「あはは、でもお土産はいいのが見つかってよかったね」

あかり「はい! 京子ちゃん達も――あ、あかりの幼馴染なんですけど、きっと喜んでくれるよぉ」

咲「京子ちゃんか・・・うちの京ちゃんも来られればよかったんだけど」

優希「駄目だじぇ咲ちゃん。あの犬をこんな美少女だらけのとこに連れてきたら何をするかわからないじぇ」

あかり「わんわん・・・?」

咲「須賀京太郎って言ってね、私の中学の頃からの友達で清澄麻雀部の男子部員なんだ」

優希「そして私の忠実なる犬だじょ」

あかり「犬が男子部員?」

和「ゆーきが勝手にそう呼んでいるだけですよ。須賀君は唯一の男手として辛い雑用をやってくれてるんです」

和「ですからあまり悪いように言うのは感心しませんよ」

優希「でもあいつの従順さとか見てるとどうしても犬のように見えてくるんだじぇ」

和「それはまあわからなくはないですが・・・」

咲「もう、2人とも! 京ちゃんに失礼だよ!」

あかり「優しい人なんですね」

咲「そうだね。色々あって塞ぎこんでた私を元気付けてくれたし、それからも何かと世話焼いてくれて」

咲「あっ、私が麻雀部に入ったのも京ちゃんが誘ってくれたからなんだよ」

あかり「じゃあ、その京太郎お兄ちゃんが清澄優勝の影の立役者なんですね」

優希「む、それは聞き捨てならんじぇ。咲ちゃんがいなくても私とのどちゃんがいるんだから優勝は確実だったじぇ」

あかり「あわわ、そういう意味で言ったんじゃないですよぉ!」

和「ん、何かを叩くような音が聞こえますね」

華菜「よっ! 中々やるな龍門渕の!」

純「はっ! お前もな風越の猫女」

咲「あっ、卓球」

あかり「た、卓球・・・」(嫌な思い出しかないよぉ)

優希「おおっ! 面白そうだじぇ! おいノッポ! 次は私とやるじぇ!」

純「いいぜ、なんなら今から二対一でやってやろうか?」

優希「なんだとぉ!」

華菜「いい度胸だし!」



咲「原村さんはやる?」

和「私は遠慮します」

咲「私もそうしようかな。あかりちゃんは?」

あかり「あ、あかりも見てるだけにします・・・」(また顔に当てられたりするのは嫌だからね)

久「あら卓球。へ~楽しそうじゃない」

透華「そうですか? こぢんまりしていて派手さに欠けていますわ」

ゆみ「そもそもが屋内でテニスをやる為に作られたんだ。こぢんまりしてて当然だろう」

久「私もやろうかしら」

美穂子「で、では私も」

ゆみ「やってみるか」

透華「・・・私はやりませんわよ」

衣「わーい、たっきゅーたっきゅー」

透華「・・・しょうがありませんわね。全員倒して差し上げますわ!」

あかり「あ、お姉ちゃんと対局した金髪の人・・・」

透華「うん? 誰ですの貴女?」

久「ああ、その子は――」

美穂子「・・・!?」

あかり「はじめまして、鶴賀学園中等部1年、東横あかりです」

透華「鶴賀の東横・・・どこかで聞いた名前ですわね」

純「透華が副将戦で振込みまくったあいつだよ、っと今のは卑怯だろ!」

優希「池田の弔い合戦だじぇ。隙を見のがすことはできないじょ」

華菜「死んでないし! あと年上には敬語使えし!」

透華「副将戦・・・ああっ! あの忌々しいステルスの!」

モモ「忌々しいとは随分ないい草っすね。まあ気持ちはわかるっすけど」

ゆみ「・・・! モモ、いたのか」

モモ「いたっすよ」

久「神出鬼没ね~。消えるだけじゃなくて好きなとこに現れる能力も持ってるんじゃないかしら?」

モモ「いつも先輩に着いて行ってるだけっす」

透華「貴女の専属メイドですの?」

ゆみ「いやそういうわけじゃないんだが・・・」

透華「ふんっ! まあいいですわ、次にやれば私が勝つに決まっていますもの」

モモ「それはどうっすかね。個人戦でもかおりん先輩に役満振り込んでたっすし」

透華「はうっ!? あ、あれは手が滑って牌を落としてしまっただけですわ!」

モモ「言い訳は見苦しいっすよ~」

あかり「もう、お姉ちゃん! すいませんお姉ちゃんが失礼なことを」

透華「・・・貴女は礼儀が出来ていますのね。よろしいですわ、私は龍門渕透華。長野の真のアイドルですわ!」

あかり「アイドル?」

純「ああ気にすんなただ目立ちたがりなだけだから。俺は井上純、高校二年って龍門渕は全員そうなんだけどな」

あかり「はい、純おねえ・・・ちゃん?」

純「うん、疑問系だが女だってわかってくれたからよしとしよう!」

咲(人数足りなくて女装した男の人を出したのかと思ってたよ・・・)

あかり「それで、そっちの片目瞑ったお姉ちゃんは・・・?」

美穂子「お、お姉ちゃん!?」

あかり「わあっ! びっくりした」

美穂子「あ、ごめんね、急に大きな声を出して」

美穂子(何故かしら、この子の声を聞いて姿を見ていると心が、魂が震えるようだわ・・・)

美穂子「私は風越麻雀部の部長、福路美穂子よ。よろしくねあかり」

あかり「はい、よろしくお願いします美穂子お姉ちゃん!」

華菜(・・・!? キャプテンが呼び捨て!?)

優希「どうしたんだじょ池田、早く扇ぐじぇ」

華菜「ああ・・・って何であたしがお前を扇いでやらないといけないんだし!」

優希「お前の弔い合戦で疲れたんだじぇ、当然だじょ」

華菜「だから死んでないし、仇も取れてないだろうが!」

美穂子「・・・もう一回呼んでくれる?」

あかり「・・・? 美穂子お姉ちゃん?」

美穂子(ああっ! 何かしらこの心にあふれる感情は!)

美穂子「・・・ありがとう、あかり」ナデナデ

美穂子(はぁっ・・・髪の毛もサラサラですばらな手触りだわ!)

あかり「・・・? なんだかよくわからないですけどどういたしまして」

美穂子「うふふ、ふふふ・・・」

久(福路さん妹欲しかったのかしら?)



衣「とーか! たっきゅーはまだしないのか?」

透華「衣」

あかり(あっ、この人確か決勝で凄い強かった、天江衣って人だ)

あかり(あかりより年下にしか見えないけど龍門渕は飛び級とかあるのかな?)

衣「うん? この娘は誰だ?」

あかり「東横あかり・・・です。よろしくお願いします衣・・・お姉ちゃん」(一応年上かもしれないしこう言っておいた方がいいかも)

衣「・・・! 衣、お姉ちゃん」

あかり(なんだか微妙な顔してるよぉ。やっぱり年下だったのかな?)

衣「ちゃんではなく」

あかり「え?」

衣「天江衣お姉さんだ! 万事頼るがいいぞあかり!」

あかり(あっやっぱり年上なんだ)「はい、衣お姉ちゃ・・・さん」

衣「えへへ、お姉さん・・・」

純(うわ、満面の笑み)

透華(よっぽど年上扱いされたのが嬉しかったのですわね)

衣「・・・」

あかり「どうしたんです衣お姉さん、あかりのことじっと見つめて?」

衣「匂うな」

あかり「えっ!? そ、そんなに汗かいちゃったかな」

衣「違う! あかり、お前もまた妖異幻怪の気形の1人か」

あかり「よーいげんかいのきぎょー?」

美穂子「えっと、とても奇妙な生き物ということでしょうか?」

あかり「ええっ!? あかり確かに存在感薄いですけどそれはお姉ちゃんもですし、そんなに変でしょうか?」

衣「お前の姉というのはそこにいるとーかと打った存在感が欠亡した女のことか」

衣「お前も同様の力を持っているようだが、衣がお前に感じるのはそれではない」

衣「衣や咲とは真逆なれど人の世から遠く乖離した天原の力だ」

咲(そんな、私のこと人じゃないみたいに言わなくても・・・)

衣「衣は嬉しいぞ。咲と出合った矢先に再び衣に並びうる存在と見えることができたのだから」

あかり「ええっと、あかりまだ役もまともに覚えてませんし、そんなに凄いわけがないと思うんですけど」

衣「いや、確かに感じる、昨年の江都と咲との対局で感じた力と同じだけに強い力を」

衣「たっきゅーも惜しいがこれだけの相手を前にして我慢はできない。あかり、咲、今から打とう」

咲「え、私はいいけど・・・」

あかり「うぅ・・・」(どうしよう、なんだかとってもハードルが上がっちゃったよぉ)

久「あかりちゃん、私がさっき言ったように上手い下手とか気にしなくていいのよ」

あかり「で、でも・・・」

モモ「そうっすよあかり。あっちが勝手に言ってることなんっすから、がっかりさせることになっても気にする必要もないっす」

あかり「うーん、じゃああかりも精一杯やってみます!」

衣「よーし、じゃあ早く雀卓のところへ行こう!」

咲「わわっ、ちょっと衣ちゃん」

あかり「ひ、引っ張らないで~」

久「面子が必要だろうし私も行こうかな。福路さんは――っていないし」

透華「すぐに着いていきましたわよ。原村和も」

久「あら、じゃあ早く行かないと福路さんに最後の一席取られちゃうかしら? あ、咲も個人戦出るから駄目なのか」

ゆみ「しかし驚いたな。奇妙な打ち手だとは思っていたが天江があそこまで言うほどとは」

透華「なんと言いますか、灯台下暗しというやつですわね」

純「わざわざインハイなんて出なくても同じ県内に2人も衣の眼鏡にかなう相手がいたんだもんな」

透華「はぁ・・・私達の頑張り一体・・・」

純「いいじゃねぇか俺達も、そして衣も楽しんだんだからよ」

純「さあ早く行こうぜ。あかりの奴がどれほどのもんか気になるしな」

優希「コラ、ノッポ! まだ私との決着が着いてないじょ!」

池田「私ともだし!」

純「いや、俺の勝ちでどっちも着いただろうが」

優希「まだだじょ! 私はまだやれるじぇ!」

純「だったら先ずはその猫女とやれよ。勝った方ともう一回やってやる」

優希「池田、引導を渡してやるじぇ」

華菜「さっきは弔い合戦してくれたのに!? まあいいし、年上への態度も含めてしっかり教育してやるし!」

純「よし、じゃあ行くか」

モモ「あかりの力を見て驚くといいっすよ」



衣「さあ、着いたぞ。早速打とう」

咲「でも3人しかいないよ。私がいるから福路さんと原村さんは入れないし」

美穂子(そうだったわ、あかりをサポートしてあげようと思っていたのに!)

和「部長達もすぐ来るでしょうし、場決めだけ先にしておいたらどうでしょうか?」

あかり(やっぱり緊張するよぉ・・・)

今日はここまでです
衣の言い回しは学がないのでいい言葉が思いつきません

面白いクロスだと思う
どう展開していくのか先が楽しみ
ゆるゆり側のキャラはあかりだけ?
とにかく期待しています



そういえばキャプテンとあかねさん中の人同じだったな
咲とゆるゆりで中の人同じのキャラって意外に少ないんだよね

咲と純って面識あったよね
とりあえず期待

>>31
キャプテン以外だと

小鍛治健夜(すこやん)と松本りせ会長(後藤沙緒里)
染谷まこと西垣りせ先生(白石涼子)
門松葉子(今宮女子)と赤座あかり(三上枝織)
室橋裕子(ムロ)とまりの母(藤堂真衣)
岡橋初瀬(晩成高校)と船見結衣(津田美波)
高鴨穏乃(阿知賀女子)とライバるん(悠木碧)
大星淡(白糸台)と大室撫子(斎藤千和)

>>30
ごらく部と生徒会は鶴賀中等麻雀部所属ということになっています
出てくるかどうかは未定ですけど
>>31
京子の人とか殆どゆるゆりがデビュー作ですからね
千歳、櫻子、向日葵の人は全国編で誰かしらに当てられそうな気がします
>>32
そういえば水着姿見ていますね
県大会の時はということでお願いします

久「到着。お、場決めは終わってるわね」

衣「待っていたぞ、誰でもいいから早く卓に着け」

久「はいはい。私が行っていいかしら?」

透華「構いませんわ」

純「ああ、正直衣と清澄の大将とは同卓したくねぇわ」

ゆみ「私も今回は見に回らせてもらうよ」

モモ「応援してるっすよあかり」

久「じゃあ失礼して・・・」

モモ「あ、東風でお願いするっす。あかり素人っすから3人と長く打たせるとあれっすから」

久「そうね。それとダブロン、トリプルロンもありにしましょう」

モモ(まああかりの牌譜を見たならそうするっすよね・・・)

東一局 親 衣

衣「わぁい! 衣がいきなり親だぁ!」

衣「サイコロ回れ~」

久(配牌から一向聴・・・最初から仕掛けてきたのかしら天江衣!)

透華(衣の一向聴地獄・・・まだ夕刻ですし今日は満月ではありませんが、そうそう破れるものでは・・・!?)

あかり(うぅ、やっぱりいつも通り全然揃ってないよぉ)

透華(五向聴!? どういうことですの!?)

モモ「ふふ・・・」



透華(・・・おかしいですわ)

透華(あかりの打ち筋は妹尾さんとどっこいレベル。筋も何もわかっていないようですわ)

純(それでいてまったく振り込まないのは姉と同じステルス能力のおかげなんだろうが・・・)

衣「――♪」パチッ

透華(衣、何故和了もしなければ鳴きもしませんの? もう15巡目でしてよ?)

純(清澄の大将は手牌に槓子があるってのにポンすらしねぇ。衣の支配を打ち破って揃えたんじゃないのか?)

美穂子(上埜さんにいたっては何度かもっといい待ちに変えられたのにずっとツモ切りしているわ)

美穂子(効率の悪い待ち方をする人だけどこれはいつもの悪待ちとは違う・・・)

東一局 17巡目

衣(・・・本人の言うとおり力量を見誤ったか?)

衣(そもそもあかりは皆で集まったときにはその場にいたというのに何も感じられなかったのだ、やはり先刻の感覚は間違い――)パチッ

透華「衣っ!」

純「おいおいマジかよ」

衣「・・・? どうしたのだとーか、純」

透華「衣、今貴女は17巡目の牌を切ったのですわよ?」

衣「そうだがそれが――!」

衣(17巡目!? 衣は今局海底のツモ番ではない。しかし衣はおろか誰も鳴いていない・・・)

衣(衣はこの局一体何をしていたというのだ!?)

咲「・・・」パチッ

衣(くっ・・・!)

あかり「流局ですね・・・」

咲「えっ? あれ?」

久「へっ? いつの間にそんなに局進んだの?」

和「何を言ってるんですか部長? それに3人ともなんなんですか今のは」

和「何度も見逃したりして、あかりちゃんに手加減をしてあげていたんですか?」

咲「そんなつもりはなかったんだけど・・・」

衣(2人とも衣と同じく、自分が麻雀を打っているという感覚さえなくしていたとでもいうのか・・・?)

モモ「くっくく・・・」

ゆみ「モモ、行儀が悪いぞ」

衣(鶴賀が笑っている。ならばつまりこれは――)

衣「これがお前の力か、あかり」

あかり「ごめんね衣お姉さん、わざとじゃないんだけど・・・」

衣(これだけの力、勝手に発動するというのか)

久「と、ともかく手牌を確認しましょう。聴牌」

咲「・・・聴牌です」

衣「・・・! 聴牌」

久「あちゃー、天江さんの親流せなかったかぁ」

衣(衣の支配は利いているはず、なのに何故あかり以外の2人が聴牌までこぎつけつけているのだ――)

あかり(あかりだけノーテン・・・)

モモ「待つっす。あかりの河をよ~く見るっす」

衣(――!)

咲「全部ヤオ九牌・・・流し満貫!?」

あかり「えっと、何ですかそれ?」

美穂子「流局までもつれ込んだとき、捨て牌が全てヤオ九牌だったときは手牌に関係なく満貫のツモ和了として扱われるの」

久「元はローカル役だったんだけどね。今ではほとんど正規の役として扱われてるわ。たしかインハイでも認められてるはず」

あかり「そうだったんだ。あかりとりあえず断ヤオを作ろうと思っていらない牌捨ててただけなんですけどラッキーだったよぉ!」

透華「ラッキーなんてものじゃないですわ! 流し満貫なんて狙わずに出せる役じゃありませんわよ!」

純「いや断ヤオ作ろうとして流しが出るって、そりゃラッキーじゃなくてアンラッキーだろ」

衣(あかりの手も二向聴、衣の支配を無効化された? 冷えた透華と同じような能力も持っているのか?)

咲(衣ちゃんが支配を使ってるはずなのに全然怖くないし、聴牌も槓子も出来てるのに何で和了らなかったの私?)

久(いや~牌譜で見てまさかとは思ったけど実際打ってみて確信したわ)

久(あかりちゃんの今までの牌譜を見ると、同卓した相手があかりちゃん以外からの出和了、下手をすればツモを見逃すこと)

久(それにカラテンでも待ちを変えないことが異常に多い)

久(酷い場合にはそれまでとはまったく違うめちゃくちゃな打ち方をしだすこともある)

久(まるで別のことに気をとられて自分が何をしているのかわからなくなったみたいに)

久(あかりちゃんの存在感のなさはお姉さん以上。それは彼女の持っているもの、やっていることにさえ伝染する)

久(姉が『消える』なら妹は『消す』。相手の手牌まで含めて卓そのものを『消して』しまう能力)

久(名づけるならイレイザーあかり、ってところかしら?)

久(でもきっと彼女が天江さんの支配を打ち破れたのはその能力のおかげじゃない・・・)

トップ あかり +33000
二着 咲 +23000
三着 久 +23000
ラス 衣 +21000

東二局 親 咲

衣(もしかするとあかりは姉よりよほど強力なステルスで、卓そのものを消しているのか?)

衣(ならば衣の支配が利かなかったのは衣が卓を認識していなかったからなのだろうか?)

咲(今度は配牌から聴牌・・・さっきの一向聴は衣ちゃんの支配じゃなくて偶々?)

久(聴牌か。天江さんを相手にしている状況でこれは逆に恐ろしいかも)

純(すげぇなこりゃ、最初っから3人聴牌かよ。あかりは――!?)

あかり(うぅ・・・今度は一つも揃ってないよぉ)

モモ「あかり、それ和了っすよ」

衣咲久「!?」

あかり「えっ! でも一つも揃ってないし、そもそもあかり子だよ?」

モモ「子の場合でも配牌が全部バラバラだった時認められるローカル役があるっす」

美穂子「十三不塔・・・!」

久「今じゃ殆ど使われない役なんだけどね」

咲「私、初めて見たよ」

あかり「あかり結構な頻度で出るけど初めて知ったよぉ」

衣「・・・大会ルールでは大体採用されていないし、わざわざ教えて役満食らう奴もいないだろう」

あかり「や、役満!? 役満なんですかこれ!?」

ゆみ「ああ、天和よりは出やすいようだが」

あかり「えへへ、やった! あかり初めて役満和了ったよぉ!」

モモ「よかったすねあかり!」

和(十三不塔というだけでもかなりの不運ですがそれにしてもこれは・・・)

久「じゃあ一応手牌見せてちょうだい」

あかり「あっ、はい」ガシャ

咲衣久「!?」

透華(3人の当たり牌を掴んでいるなんて、どれだけ不運なんですの!?)

純(さっき断ヤオ狙いの流しといい、もしかして衣の言ってた衣達と真逆の力って――)

透華(牌に愛されし者の幸運をも越える圧倒的な不運なんですの!?)

トップ あかり +65000
二着 久 +14000
三着 衣 +12000
ラス 咲 +6000

東3局 親 あかり

衣(今度は見逃さない!)

咲(集中しなきゃ・・・!)

久(素人に和了られっぱなしってのは癪よね)

あかり(今日はなんだか調子がいいなぁ。この調子で頑張るぞぉ!)パチッ

咲衣久「ロ、ロン」

透華「なぁ!?」

純「嘘だろ・・・」

美穂子「こ、これは・・・!」

ゆみ「なんという・・・」

和(ぐ、偶然極まりないですね)

モモ(あ~、東風戦で初見ならこの3人でもやれるかと思ったっすがやっぱり無理だったすか)

久「まさか人和で出るとは思わなかったわ・・・これ合宿所に隕石でも落ちてくるんじゃないかしら」

和「いくらとてつもなく珍しいことが起きたとしても、その後に不幸になるなんてありえませんよ」

あかり「――」ピクピク

モモ「あかり~、目を覚ますっす~!」

衣(衣は今回卓を注視し全力で支配をかけた。その証拠にあかりから出和了ることができた。だが――)

衣(衣以外の2人も同じように和了ったのはあにはからんや)

衣(満月でなくとも今の状態の咲や清澄の部長に支配を破られるはずはない)

久(あまり牌譜の数はなかったけどあかりちゃんはほぼ全部の対局で一度は同時和了を食らうか、ステルスで回避している)

久(それだけじゃなく、相手はまともに打っていれば跳満以上を和了れてた局が多かった)

久(これはもう自分の不運と相手の幸運が重なった結果としか考えられない)

久(やっぱりあかりちゃんは不運なんじゃなくて、自分の幸運を他人に与えている!)

和「ともあれ、あかりちゃんのトビで終了ですね」

あかり「あうぅ・・・」

トップ 久 +46000 
二着 衣 +44000 
三着 咲 +38000

ラス あかり -31000

久「いや~結果としてはトップだったけど素直に喜べないわ」

和「麻雀というのは運の要素が強いゲームですよ。運も実力の内です」

久「いやそうじゃなくてね・・・」

衣「・・・あかり、悪いことは言わない。麻雀はやめた方がいい」

あかり「えっ・・・?」

透華「衣っ! 何を言いますの!?」

衣「ののかの言う通り麻雀とは運の要素の強いゲームだ・・・ある程度のレベルまではな」

衣「そんなゲームではお前の運気の譲渡はあまりにも重い足枷だ」

衣「あかり、今まで麻雀でトップになったことはあるか?」

あかり「・・・ううん、ないです」

衣「だろうな。卓を消すという滅法な力を持ってしてもそれだ。如何に剛毅な心を持ってしてもいずれ壊れてしまうだろう」

衣「衣は今まで数多の人間を壊してしまった。もう壊れていく者を見るのは嫌なのだ」

透華「衣、貴女・・・」

あかり「・・・ありがとう、衣お姉さん」

あかり「あかりも時々もうやめちゃおうかなって思うときもあります」

あかり「あかりが欲しいと思った牌は絶対来てくれないし」

あかり「あかりと打つ人達は皆上の空になっちゃって麻雀を楽しめなくなっちゃいますから」

あかり「でも、お姉ちゃんは麻雀をやってたからゆみお姉ちゃんに出会えたから」

モモゆみ「・・・!」

あかり「ゆみお姉ちゃんと会ってからのお姉ちゃんはとっても幸せそうだから」

あかり「あかりもいつかそんな風になれたらいいなってずっと思ってるんです」

衣「・・・そうか、お前も衣と同じように莫逆の友を探す為に麻雀を打っているのだな」

あかり「ばくぎゃくのとも?」

美穂子「大切な友達、という意味かしら?」

あかり「う~ん、大切な友達なら京子ちゃんとか結衣ちゃんとかちなつちゃんとかいっぱいいるんですけど・・・」

あかり「あかりを必要としてくれて、あかりもその人が必要だと思える特別な人。そんな人と出会いたいって思ってるんです」

久「有り体に言えば恋人ってことかしらね?」

ゆみ「こ、恋人!? ま、待ってくれ私とモモはそんな関係じゃ――」

モモ「ええっ!? そんなひどいっすよ先輩!」

ゆみ「モモ!? 何を言うんだ!?」

和「そういえばiPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」

咲「は、原村さん、何言ってるの?」

美穂子(あかりと私は5才も離れているけれど歳をとってしまえば気にならないから大丈夫よね!)

久「恥ずかしがらなくてもいいじゃない。個人の自由だもの、私は気にしないわよ」

ゆみ「いや、だから本当にちがっ――」



あかり「な、なんだか変な方向に話がこじれちゃった・・・」

衣「あかり、お前の想いはわかったが本当に大丈夫か?」

あかり「衣お姉さん」

純「お前がどれだけ打ってきたのか知らねぇが、何度やってもトップになれねぇなんて俺ならメゲるぜ」

透華「自分を必要としてくださる方を探すのであれば、何も麻雀でなくてもよろしいのではなくて?」

あかり「そうですね。でもあかり麻雀が好きですから」

衣「麻雀が好き?」

あかり「はい! ネトマだと能力とか関係ないですし」

透華(そういえばネトマで清澄の大将らしきアカウントを見つけましたがレートは低かったですわね)

あかり「ゆみお姉ちゃんはお姉ちゃんの能力じゃなくて麻雀の腕を見込んで部に誘ったって言ってました」

あかり「だからあかりもいっぱい練習して和お姉ちゃんや透華お姉ちゃんみたいに上手くなりたいです!」

透華「・・・!」ブンブン

純(透華のアホ毛がすっげぇ回転しだした。相当喜んでるなこりゃ)

透華「は、ハラムラの名が先に出たのが癪ですがいい心がけですわ! 私がこの合宿でしっかりと鍛えて差し上げますわ!」

あかり「本当ですか!? わぁい!」

美穂子「いいえ、あかりは私が指導します」

あかり「美穂子お姉ちゃん!?」

美穂子「失礼ですが龍門渕さんはあまり指導打ちが得意なようには見えませんので」

透華「なぁにを仰いますの! この龍門渕透華、素人の1人や2人ものの数日でプロレベルに育てあげられますわ!」

純「いや、無理だろ」

久「プロレベルに育てあげるのは無理でも、プロに教わることならできるわよ」

あかり「え?」

久「私の伝手でね、1人プロを呼んでるのよ」(本当はそのプロに頼まれて合宿開いたんだけど)

あかり「えぇ!? す、すご~い!」

咲「プロって、カツ丼さんですか?」

久「そうよ。まくりの女王、藤田靖子。あかりちゃんも知ってるかしら?」

あかり「この前の大会で解説をしてた人ですね、いっぱいカツ丼食べてた」

久「ええ、頼めばきっと貴女の麻雀見てくれるわよ」

あかり「うわぁ~、プロの人に見てもらえるなんてすごいよぉ」

衣「フジタごときゴミプロ雀士の講義など役に立たん。大人しく透華に教われ」

モモ「む~、駄目っす! あかりはまだ素人なんっすから、同じレベルの人と一緒に打たせた方がいいっす!」

モモ「かおりん先輩と一緒にうちで指導するっす!」

咲「でもあの人とあかりちゃんを同卓させたら毎局天和か地和でゲームにならない気がするよ」

和「そんなわけありません」

ゆみ(ありえそうなのが恐ろしい・・・)



佳織「くしゅん!」パタッ

佳織「ああっ! て、手牌が倒れちゃった・・・」

佳織「ちょ、チョンボになっちゃうんでしょうか?」

未春「そ、そうだね、チョンボかな・・・」

佳織「うぅ・・・風邪ひいてないのに何でくしゃみが・・・」

まこ(字一色、大三元、四暗刻聴牌じゃと・・・!?)

智紀(トリプル役満・・・)

未春(しかもまだ5巡目だよ・・・)

モモ「ともかく! あかりは渡さないっすよ!」

透華「姉バカですわね! 私がしっかり面倒を見ると言っていますのに」

純(従姉妹バカのお前が言うか?)

美穂子「東横さんも人に教えた経験はあまりないでしょう? 私はキャプテンとしていつも後輩を鍛えるつもりで打っています」

美穂子「ですから、妹さんを私にください!」

モモ「いや、なんで結婚を認めてもらおうとしてるような言い方なんすか。本当にあかりに麻雀を教えるつもりなんすか?」

美穂子「と、とと、当然です!」

美穂子「あわよくば抱っこしたりしたいとは思ってますけど」ボソッ

久「プロに手ほどきを受ける機会なんてそうそうないんだから、もったいないと思うわよ?」

久(ここで恩を売ってあかりちゃんを東京まで連れていければ相当有利になれるはず)

あかり「み、皆落ち着いてください~!」(色んな人があかりを取り合うなんていつか見た夢みたいだよぉ)

和「まったく・・・当のあかりちゃんを困らせてどうするんですか。せっかく卓もあるんですし麻雀で決めたらどうですか?」

透華「望むところですわ! 貴女には一度きっちりリベンジしなければいけないと思っていましたもの!」

モモ「そんな簡単に破られるほど私のステルスは甘くないっす。今度はトんでもらうっすよ!」

久「そうね、私もさっきのじゃ消化不良だしもう一回打ちましょうか」

美穂子(必ず勝ってあかりの心を掴んでみせるわ!)



咲「あはは・・・モテモテだねあかりちゃん」

あかり「あかりこんなに注目されたこと初めてですよぉ」

あかり「でもあかりのせいでなんだか雰囲気悪くなっちゃって――」

純「そうでもねぇさ。透華はいつだってあんなだよ」

ゆみ「モモが私以外の人とあんなに話しているんだ。いい傾向だと思う」

衣「清澄と風越の部長からはなにやら邪念を感じるがな」

和「ともかく、あかりちゃんは気にしなくていいんですよ。せっかくの合宿なんです、ちょっとくらい騒がしい方が楽しいですよ」

あかり「・・・そうですね! よ~し、明日からもいっぱい楽しむよぉ!」

次の日の朝

あかり「・・・うーん・・・ちなつちゃん・・・あかりの肌は銀色じゃないよぉ・・・はっ! 夢か」

美穂子「おはようあかり」

あかり「おはようございます美穂子お姉ちゃん・・・ん?」

美穂子「どうしたの?」

あかり「あかり何で美穂子お姉ちゃんに抱きかかえられて寝てるのかな? 昨日は鶴賀のお部屋で寝てたと思うんだけど・・・」

美穂子「・・・寝ぼけて廊下をフラフラしてたから危ないと思ってここに連れてきたの」

あかり「そうだったんですか。ありがとうございます」

美穂子「いいのよ。あかりの可愛い寝顔をたくさん見られたもの」

あかり「ええっ!? は、恥ずかしいよぉ・・・」

美穂子「うふふ・・・本当に気持ちよさそうにぐっすり眠っていたわ」(移動させても起きないくらいにね)



モモ「あかり~いないんすっか~?」

ゆみ「風呂にいないとすると外に散歩でもしに行ったのだろうか。早朝だから変な奴もいないだろうし大丈夫だとは思うが・・・」

モモ「あかりは散歩好きっすからね。でも行くなら書置きくらい残して欲しいっす」

ゆみ(昨晩部屋に誰かが入ってきたような気配がしたのは気のせいだと信じたいが・・・)

華菜「ふにゃあ~・・・あ、キャプテン、おはようございます」

美穂子「おはよう華菜」

あかり「おはようございます華菜お姉ちゃん」

華菜「おう、おはよう・・・って何であかりがいるし!?」

美穂子「華菜、あんまり大きな声を出しちゃ駄目よ」

華菜「す、すいません・・・」

あかり「寝ぼけて廊下を歩き回ってるところを美穂子お姉ちゃんが保護してくれたみたいです」

華菜「廊下歩き回るって言っても鶴賀の部屋はここから離れ――」

美穂子「そ、それはともかく、あかり、華菜、お風呂入りに行きましょうか」

あかり「お風呂?」

美穂子「ええ、露天風呂があるらしいから一緒に行ってみましょう?」

華菜「露天風呂・・・いいですね行きます!」

あかり「あかりは――」

とりあえず一端切ります
あかりが風呂に行くかどうか次までの多数決で決めたいと思います

他にないようですので行かない方にします

あかり「あかりはお外にお散歩しに行ってきます」

美穂子「えっ!?」

あかり「あかりお散歩好きなんです。こんなに朝早くに知らないところを歩く機会なんてあんまりありませんから行ってきます」

美穂子「お、お風呂に入ってからでもいいんじゃないかしら?」

華菜「お風呂入ってすぐに散歩は駄目ですよキャプテン」

あかり「華菜お姉ちゃんと楽しんできてください。それじゃあ、ご迷惑かけました~」

美穂子「待ってあかり――」

華菜「キャプテン、速く行きましょう!」

美穂子「あ、あかり~!」

華菜(なんかキャプテンとあかりを一緒にお風呂に入れちゃ行けない気がするし)



あかり「う~ん・・・やっぱり空気が澄んでて気持ちいいなぁ」

あかり「やっぱりこの合宿に来てよかったよぉ」

あかり「あれ? 誰かいるみたいだよぉ」

ここまでにします
あかりが会った人は咲orゆるゆりキャラで希望を取ります
見てくださった方ありがとうございました

今日、というか一応昨日の投下ということですね
今日の夜にも出来たら投下したいと思います

沢山の希望ありがとうございます
何とか全員出してみます

あかり「咲お姉ちゃん!」

咲「あ、あかりちゃん、おはよう」

あかり「おはようございます! 咲お姉ちゃんもお散歩ですか?」

咲「うん。この近くに滝があってね、そこに行こうと思ってたんだ」

あかり「滝ですかぁ・・・あかりも行ってみたいです」

咲「じゃあ一緒に行こっか」

あかり「はい!」



あかり「うわぁ・・・きれ~・・・」

咲「うん・・・なんだか朝日が雫に反射して宝石の雨が降ってるみたいだね」

あかり「咲お姉ちゃん何だか詩的ですね」

咲「そ、そうかな・・・私、本を読むのが好きだから」

あかり「へ~・・・あかりは漫画くらいしか本読みませんね」

咲「私も漫画読むけどやっぱり小説の方が多かったかな・・・時間潰れるから」

あかり「あ~、面子が集まらないときとか暇ですよね。あかりなんかいつの間にか寝ちゃってることも多いですよぉ」

咲「・・・そうじゃなくてね。私、中学の頃は麻雀やってなかったんだ」

あかり「えっ? そうだったんですか」

咲「うん・・・」

あかり「・・・」

咲「・・・」

あかり「何か、あったんですか・・・?」

咲「・・・うん」



あかり「――お姉さんと喧嘩しちゃったんですか」

咲「うん。それで仲直り出来ないまま離れ離れになっちゃった」

咲「一度会いに行ったんだけど、口も聞いてくれなかった」

あかり「そんな、ひどいですよぉ・・・」

咲「ううん、私が悪いの。私が真面目に麻雀を打たなかったから、お姉ちゃんを怒らせちゃったんだ」

咲「私にとって麻雀は負ければお金を取られ、勝ったら怒られ、結局お姉ちゃんに嫌われる嫌な時間だった。それで麻雀が嫌いになっちゃった」

咲「でも、高校で麻雀部に入って、原村さんと・・・色んな人達に会って麻雀を打ってたら思い出したの」

あかり「思い出した?」

咲「ずっと小さい頃、麻雀が好きだったときのことを」

あかり「・・・ずっと嫌いだったわけじゃないんですね」

咲「うん、その頃はただ楽しむ為に打ってたからね・・・お姉ちゃんも」

咲「だからね、今の私ならきっと仲直りできるってそう思ってる」

咲「話してくれないなら麻雀で、私の気持ちをお姉ちゃんに伝える。私はその為にも戦ってるんだ」

あかり「・・・お姉さんのこと、大好きなんですね」

咲「・・・うん、大好きだよ!」

あかり「あかりもお姉ちゃんが大好きです! だから喧嘩したまんまの姉妹がいるなんて悲しいです」

咲「そっか、あかりちゃんも妹だもんね・・・」

咲「大丈夫だよ。私は絶対お姉ちゃんと仲直りする。その為に必要なら・・・全部ゴッ倒してでも」

あかり(わぁ、咲お姉ちゃんから凄い力を感じるよぉ)

咲「・・・ごめんね、なんだか変な話しちゃった」

あかり「変なんかじゃないですよぉ。あかり、これからもっと咲お姉ちゃんを応援したいと思います!」

咲「ありがとうあかりちゃん。あかりちゃんが応援してくれたら百人力だね」

あかり「あかりの運で良ければ幾らでも使ってください!」

咲「ふふふ・・・」

咲(お姉ちゃん、今行くからね)



あかり「これだけ綺麗なところ、今度は麻雀部の皆で来たいなぁ」

咲「確か京子ちゃんだっけ? あかりちゃんの幼馴染も麻雀部員なの?」

あかり「はい。京子ちゃんともう1人の幼馴染の結衣ちゃんも一緒です」

咲「幼馴染かぁいいなぁ・・・」

あかり「京太郎お兄ちゃんは・・・中学生の頃の友達でしたっけ?」

咲「そうだね。中学生じゃ幼馴染とは言えないかな」

咲「ちっちゃな頃から友達で、毎日起こしに行ってお弁当作ってあげて・・・そんな関係ちょっと憧れるな」

あかり「京子ちゃん達は毎日来てくれますね。お弁当はいつもは給食なんでないですけど」

あかり「あ、でも結衣ちゃんはお料理できるんですよぉ、1人暮ししてますから」

咲「え? 中学生で1人暮ししてるの!?」

あかり「はい、親戚の人が大家さんをしているアパートで家もそんなに遠くないんですけど」

咲「へ~、凄いなぁ・・・漫画や小説の主人公みたいだね」

あかり「そうですね・・・でもそれを言ったら咲お姉ちゃんもそうですよぉ」

咲「へ?」

あかり「インターハイ優勝を目指して皆で一緒に戦って、勝ったじゃないですか。それってとっても凄いことで、まるで物語みたいですよぉ」

あかり「それで、大体が主人公は大将さんですから咲お姉ちゃんが主人公です」

咲「・・・そうかな?」

あかり「はい!」

咲「えへへ、私が物語の主人公か・・・」

あかり「まだまだこれからですよぉ。全国大会が終わったら世界大会。それが終わったら宇宙大会です!」

咲「宇宙はさすがに・・・それに私はあんまりグドグド続くお話はあんまり好きじゃないから、全国大会でお姉ちゃんと仲直り出来たら最終回でいいかな」

あかり「ええっ? あかりは楽しいお話はいつまでも続いた方がいいと思うんですけど・・・」

咲「私の後はあかりちゃんに任せるよ。私は前作主人公としてあかりちゃんを導いてあげる」

あかり「あかりなんて全然駄目ですよぉ。それにあかり清澄じゃないですよ?」

咲「あはは・・・でも、あかりちゃんならきっと凄い打ち手になれるよ」

あかり「本当ですか! あかり、頑張ります!」

あかり「・・・咲お姉ちゃん」

咲「なぁにあかりちゃん?」

あかり「もし、咲お姉ちゃんの物語が終わってしまっても、あかりはいつまでも咲お姉ちゃんのファンですから」

咲「・・・! ありがとう、あかりちゃん」ナデナデ

あかり「えへへ・・・どういたしまして!」

あかり「咲お姉ちゃんはお風呂入りに行っちゃったけどあかりはもう少しお散歩するよぉ」

あかり「あっ、お姉ちゃん!」

モモ「あかり! もうっどこに行ってたんっすか!」

あかり「寝ぼけて廊下を歩き回ってたところを美穂子お姉ちゃんが風越の部屋に連れて行ってくれたんだって」

モモ「そうだったんっすか、後でお礼を言わなきゃいけないっすね」

モモ(あかりは変な寝言や寝顔はするっすけど動き回ったりはしたことなかったと思うんっすけどね)

モモ「とにかく無事でよかったっす」

あかり「ごめんねお姉ちゃん」

モモ「いいんっすよ」



モモ「気持ちのいい朝っすね~」

あかり「そうだね~」

モモ「あかり、この合宿来てよかったって思うっすか?」

あかり「え?」

モモ「まだ一日しか経ってないっすけど楽しかったっすか?」

あかり「うん! 色んな人とお話できて楽しかったよぉ!」

モモ「・・・そうっすか、よかったっす」

モモ「あかり、昔のこと覚えてるっすか?」

あかり「昔のこと?」

モモ「私があかり以外の人間とコミュニケーションを取ろうとしてなかった頃のことっす」

あかり「・・・もうだいぶ昔のことに思えるよぉ」

モモ「あの頃は私のステルスも凄かったっすからね~。よく家に遊びに来てた京子や結衣すら私の存在に気づかなかったっすからね」

あかり「お姉ちゃんがいるって言って嘘吐いてると思われたのは少しショックだったよぉ」

モモ「・・・あの頃は本当にあかり以外の人間はどうでもいいって思ってたっすね」

あかり「まともにお話出来ないんじゃ仕方ないよぉ」

モモ「それはあかりも同じだったはずっす」

モモ「あかり、あかりは何で人と関わることを諦めようとしなかったんすか?」

あかり「何でってあかりは人とお話するの好きだからだよぉ」

モモ「殆どの人には聞いてもらえないのにっすか?」

あかり「それでもいっぱい話しかけていけば京子ちゃんや結衣ちゃんみたいに友達になってくれる人もいるから」

モモ「・・・あかりは強いっすね。私はめんどくさくてそんなこと出来なかったっすよ」

あかり「ううん。いつでもお話できるお姉ちゃんがいてくれたから出来たことだよ」

モモ「私はあかりと話すだけで満足してたっす。煩わしい人間関係なんかいらないって思ってたっす」

あかり「でもゆみお姉ちゃんに出会って変わったんだよね?」

モモ「そうっすね。元部長にむっちゃん先輩にかおりん先輩、そして加治木先輩。人と関わることも悪くないって今は思うっす」

モモ「でも私はいつも受身っす。あかりが背中を押してくれなかったら麻雀部に入ってたかどうか・・・」

モモ「あかりに支えられて、先輩に手を引かれて・・・人から見えないのに自分から動こうともせずにただ漫然と過ごしていただけ」

モモ「こんな私が先輩の傍に居続けていいのか、時々不安になるんっすよ・・・」

あかり「そんなことないよ!」

モモ「あかり・・・?」

あかり「ゆみお姉ちゃんはお姉ちゃんを探してくれたかもしれない。あかりも麻雀部に入った方がいいって言ったかもしれない」

あかり「だけどゆみお姉ちゃんに答えるかどうかはお姉ちゃんが自分で決めたはずだよ?」

モモ「・・・あっ」

あかり「お姉ちゃんはお姉ちゃんで変わったんだよ。あかりもゆみお姉ちゃんもそのお手伝いをしただけだよぉ」

モモ「あかり・・・」

あかり「・・・ってゆみお姉ちゃんが言ってた」

モモ「だぁ~! なんなんっすかそのオチは!」

あかり「あはは・・・でも、あかりは嬉しかったよぉ。お姉ちゃんがおめかししてお外に遊びに行くの」

あかり「ちょっと寂しかったりもしたけどね・・・」

モモ「・・・心配しなくても私があかりのこと忘れたりするはずがないっす!」

モモ「私と先輩が結婚しても一緒に連れて行くっす!」

あかり「それはゆみお姉ちゃんに悪い――って結婚!?」

モモ「そうっす! 私の目下のところの目標は先輩と結婚することっす!」

あかり「いや、お姉ちゃんちょっと待って――」

モモ「最近はiPS細胞とかいうので同性の間でも子供が出来るらしいっすからね」

あかり「子供が出来るから結婚できるわけじゃないよぉ!」

モモ「子供は2人くらいっすか? 先輩と私と子供達で麻雀が打ってるっすからね」

あかり「あかりは!? あかりが勘定に入ってないよぉ!」

モモ「せんぱ~い! 一緒に幸せになるっす~!」

あかり「お、お姉ちゃ~ん! 目を覚まして~!」



モモ「ともかくあかりと私はいつまでだって一緒っす!」

あかり「説得力がない・・・」

モモ「じゃあ、私は先輩のとこに帰るっす!」

あかり「早速反故にした!?」

あかり「もう、お姉ちゃんは・・・」

あかり「あれ? 誰かいるよぉ」



ムロ「まったく、朝早くから家に怒鳴り込んできたと思ったら時間を間違えてるなんて」

マホ「すみません、時計が止まってたんです・・・」

ムロ「それにしたって夜の7時と間違えるなんてありえないでしょ。どんだけ寝てたと思ってたんだ」

マホ「マホ、昨日は緊張してあんまり眠れませんでしたから」

ムロ「まだ暗い内から来るなんて、本当に寝てないんじゃないの?」

マホ「7時にお布団に入りましたから大丈夫です!」

ムロ「それ緊張じゃなくて早すぎて眠れなかっただけなんじゃ・・・」



あかり「どこかで見た制服・・・確か・・・高遠原の!」

マホ「誰かいるんですか?」

ムロ「・・・どうしたマホ?」

マホ「どこからか声が聞こえた気がしたんですけど・・・」

あかり「おはようございます!」

ムロ「気のせいじゃないか?」

あかり「お! は! よ! う! ご! ざ! い! ま! す!」

マホ「う~ん? 確かに聞こえたと思うんですけど」

あかり「も~う! あかりはここだよぉ!」トンッ

マホ「うひゃあ!? な、な、な、なんですか!?」

あかり「うわぁ! そんなにびっくりされるとあかりまでびっくりするよぉ!」

ムロ「・・・君、どこから出てきたの?」

あかり「さっきから近くで声をかけてましたよぉ!」

ムロ「え? ほ、ほんとに?」

あかり「あかり嘘吐かないです」

マホ「やっぱり気のせいじゃなかったじゃないですかムロさん!」

ムロ「いや~、ごめんね。全然気づかなかったよ」

あかり「いいんですよぉ。はじめまして、鶴賀学園中等部1年の東横あかりです」

マホ「あかりちゃんですね! はじめまして、マホは夢乃マホ! 高遠原中学の2年生です!」

ムロ「私は同じく3年の室橋裕子。ムロって呼んで」

あかり「マホさんにムロさんですね」

マホ「たった1年違いなんですマホに敬語はいらないですよ」

ムロ「じゃあ私もタメ口でいいよあかり」

あかり「でもマホさんなんか逆に敬語を使って・・・」

マホ「マホのくせです! 気にしないでください!」

ムロ「まあこう言ってるからさ、遠慮しないで」

あかり「・・・わかりま――わかったよぉマホちゃん、ムロちゃん!」



あかり「マホちゃん達はどうしてここに?」

マホ「和先輩達にお呼ばれしたんです」

ムロ「呼んだのは和先輩じゃなくて清澄の部長さんだろ」

あかり「マホちゃん達も久お姉ちゃんに呼ばれたんだね」

ムロ「もってことはあかりも?」

あかり「うん! あかりの牌譜を見て興味を持ってくれたんだって」

マホ「清澄の部長さんは他校の牌譜もちゃんと見てるんですね」

ムロ「そりゃそうでしょ。高遠原だって別に清澄の付属校ってわけじゃないんだから」

ムロ「でも県大会では見なかったよね」

マホ「鶴賀中等部とは当たりましたが長い金髪にリボンをつけた人にボロボロにされちゃいました・・・」

あかり「あっ、京子ちゃんですね」

マホ「そうです、確か歳納京子さんです!」

ムロ「凄かったねあれ。マホがへたくそなこともあるけどまるで誰が何をどう打つのかわかってるみたいだった」

マホ「へたくそは酷いです! マホだって精一杯がんばりました!」

あかり「京子ちゃん、普段はあんまり真面目に打たないんですけど、大会前には相手の牌譜を読み込んでどの局面で何を切ったかとか、全部丸暗記しちゃうそうです」

マホ「す、すごいです! それはさすがにマホでも真似できそうにないです」

あかり「・・・?」

ムロ「ああ、マホはね一度見た人の能力を覚えることが出来るんだ」

あかり「ええっ!? す、すごい」

マホ「えっへん、です!」

ムロ「成功するのは1日1局。無理にやろうとすると不運になっちゃうんだけどね」

ムロ「それに言ったとおり普段の打ち筋は弱くて、毎回何かしらのチョンボをやらかしちゃうんだよ」

マホ「ううぅ・・・」

あかり「あ、あかりもまだ始めたばかりだから役だってまともに覚えてないんだよ!」

ムロ「・・・マホは1年は打ってきてるんだ」

あかり「・・・え~っと」

ムロ「・・・無理にフォローしようとしなくていいよ」

マホ「面目ないです・・・」

マホ「でもマホ、和先輩達や他の高校の人達に色々教わったんですよ!」

ムロ「迷惑かけに行っただけな気がするけど・・・」

マホ「そんなことないです! 役も沢山覚えて必殺技も身につけました!」

あかり「必殺技?」

マホ「はい! けじらみリーチです!」

ムロ「ただイーソウでリーチかけるだけだろ・・・まああれから多少はマシになったけど」

マホ「ふふん! マホはこれからも強くなって和先輩みたいになりますよ」

ムロ「オカルトの塊みたいなマホが和先輩みたいにねぇ」

あかり「マホちゃんも和お姉ちゃんに憧れてるだ」

マホ「あかりちゃんもなんですか?」

あかり「うん! 牌をすぐに切っちゃってそれでいて完璧に計算されてる。あかりもあんな風になりたいなって思う」

マホ「そうですそうです! 和先輩は凄いんです!」

ムロ「何でマホが偉そうにしてるんだ」

マホ「じゃあどっちが先に和先輩に認められるか、勝負です!」

あかり「うん! あかり負けないよぉ!」

ムロ「・・・2人とも頑張れよ。私はもう無理だけど、来年の県予選で戦えるように」

マホ「はい! その為にも今日はいっぱいいっぱい勉強します!」

あかり「うん! よぉ~し、あかりも勉強するぞぉ!」



マホ「では、あかりちゃん、また後で!」

ムロ「1回は一緒に打とう」

あかり「うん!」

あかり「・・・あかりにもライバルが出来たよぉ」

あかり「えへへ、なんだか楽しいな」

あかり「やっぱりお散歩はもうやめてマホちゃん達と合宿所に帰ろうかな――ん?」

櫻子「ここどこ・・・?」

あかり「櫻子ちゃん!?」

櫻子「あっ、あかりちゃぁん!」ダキッ

あかり「わわっ・・・どうしたの櫻子ちゃん、何でこんなところにいるの?」

櫻子「・・・修行しにきた」

あかり「修行?」

櫻子「撫子ねーちゃんと花子と向日葵と麻雀打ってて――」



向日葵「ロン」

櫻子「うえぇ!?」

花子「また櫻子のトビだし」

撫子「ハァ・・・わざわざ同じ状況作ってやってるのに、何で同じ振込みするのよあんたは」

向日葵「いい加減にしてほしいですわ」

櫻子「うぅ・・・うるさ~い! なんなんだよもう! 初心者の私をいじめてそんなに楽しいか!?」

向日葵「櫻子が練習に付き合ってほしいって言ったんじゃありませんの!」

撫子「櫻子、あんたより遅く始めた花子はもう全部覚えたっていうのに何で未だに役を全部覚えてないのよ。少しは花子を見習いな」

花子「とーぜんだし。花子が櫻子に負けるわけがないし」

櫻子「や、役を覚えてたって作れなきゃ意味ないじゃん!」

撫子「知らなきゃ作れないでしょうがこのバカ」

向日葵「来たときに知らなければ和了れませんわよ! ネトマとは違うんですのよ! 本当におバカなんですから・・・」

花子「筋金入りのバカだし」

櫻子「ぐぅ~! バカバカ言うなよバカァ!」

向日葵「ほらっもう一回、今度はルール本を読みながら打ちますわよ」

櫻子「ええぇ!? もういいじゃん!」

向日葵「駄目ですわ! 東横さんはお姉さん達の合宿に着いて行って勉強しているんです。櫻子だけ置いていかれますわよ!」

撫子「智美達だけじゃなくて決勝進出した4校全部で行くらしいから、かなり強くなって帰ってくるかもね」

櫻子「ず~る~い! そんなの補欠の向日葵や麻雀部ですらない撫子ねーちゃんに教わるより強くなるに決まってるじゃん!」

向日葵「わざわざ教えに来てあげているのにその言い方はなんなんですの!?」

櫻子「わざわざって家隣じゃん恩着せ魂!」

花子「それを言うなら恩着せがましい、だし」

櫻子「何でもいいよ! こうなったら私もそこに行って向日葵や撫子ねーちゃんよりも強くなってやる!」

向日葵「待ちなさい櫻子!」

撫子「放っときなひま子。場所も知らないんだから辿りつけっこない」

花子「どうせ歩き疲れたら帰ってくるし」

櫻子「ふ~んだ! 強くなった私に土下座することになっても知らないんだからな!」

花子(撫子お姉ちゃんは結構な頻度で櫻子に土下座してるような気がするし)

櫻子「後、向日葵!」

向日葵「な、なんですの?」

櫻子「夏だからって薄着したら余計目立つだろ! おっぱい禁止!」ポイーン

向日葵「きゃあ!?」

櫻子「――ってことがあって」

あかり「それでここまで歩いてきたの!?」

櫻子「うん・・・」

あかり「じゃ、じゃあ一日中ここに来るために歩いてたの!?」

櫻子「・・・うん」

櫻子「行き先も帰り道もわかんないし、お弁当に作ったおにぎりはまたしょっぱいし、向日葵のおっぱいはデカいし・・・もう、やだぁ!」

櫻子「お腹ペコい! 喉かわいた! 足が痛い! 疲れた!」

あかり「わわっ、とりあえず合宿所はすぐそこだから、食べ物と飲み物を貰いに行こうよ!」

櫻子「・・・もう歩きたくない。あかりちゃんおんぶして」

あかり「ええっ!? う~ん・・・わかったよぉあかり頑張ってみる」

櫻子「お願い・・・ねぇあかりちゃん、お腹ペコいのもう我慢できないから食べていい?」

あかり「食べるって何――ちょ、櫻子ちゃん! あかりのお団子は食べられないよぉ!」

ゆみ「――それで連れてきたわけか」

あかり「はい・・・」

櫻子「ううぅ・・・こんなにおいしい物食べたの初めてだよ・・・」

美穂子「よっぽどお腹が空いていたのね。まだ沢山あるから遠慮せずに食べていいのよ」

櫻子「女神だ、女神がここにいる・・・」

モモ「まったく、櫻子は相変わらず後先考えずに行動するんっすから」

智美「ナデコの妹とは思えないぞ」

ゆみ「ああ、大室とは正反対だ」

あかり「櫻子ちゃんのお姉ちゃんと知り合いなんですか?」

智美「同じクラスだぞ~」

ゆみ「彼女も麻雀が出来ると聞いたんで勧誘したんだが断られてしまってな。インターミドルで全国に行くほどの打ち手だったらしいが」

美穂子「インターミドルで・・・もしかして貴女のお姉さんのお名前、大室撫子って言うんじゃないかしら?」

櫻子「・・・はい、そうですけど」

智美「みっぽは打ったことあるのか?」

美穂子「いいえ。でも打ち筋を見てとても強い打ち手だと思いました・・・そう、麻雀をやめてしまっていたのね」

智美「全国で宮永照と当たっちゃったからな~」

モモ「それはご愁傷様っす」

佳織「でも、そんなに強い人に教われるならやっぱりここまで来なくてよかったんじゃ・・・」

櫻子「撫子ねーちゃんも向日葵も教え方が悪いんですよ! 覚えるまで何度も同じことさせて・・・」

睦月「いや、それは普通だと思うけど」

佳織「向日葵って?」

あかり「櫻子ちゃんの幼馴染です。鶴賀中等麻雀部の1年の中で一番強くて補欠に選ばれてます」

櫻子「ふんっ! すぐに私が追い抜くし!」

智美「ワハハ・・・っと、携帯が鳴ってる」

智美「ナデコからだ、もしもし?」

撫子『智美! そっちに櫻子・・・ウェーブがかかった金髪のバカっぽい子行ってない!?』

智美「来てるぞ~、今ご飯食べさせてる」

撫子『そう、よかった・・・代わってくれる?』

智美「わかった。櫻子、お姉ちゃんから電話だぞ」

櫻子「撫子ねーちゃんから? ・・・何?」

撫子『このっ大バカっ! 連絡も寄越さずに帰って来ないなんて何考えてんの!?』

櫻子「うわぁ!?」

撫子『すぐそっち行くから、迷惑かけないように大人しくしときなさいよ!』

櫻子「はぁ!? こっちに来るって何しに」

撫子『あんたを連れ帰りに決まってんでしょうが! 花子とひま子がどんだけ心配して――』

櫻子「やだよ! せっかく苦労して辿りついたんだから私ここで麻雀の修行する!」

撫子『櫻子!? あんた何言って――』

櫻子「意地悪なねーちゃんやおっぱい魔人に教わってたって強くならないもん!」

撫子『あんたねぇ・・・』

櫻子「なんだよぉ!」

智美「櫻子・・・私だぞナデコ」

撫子『智美・・・なんとかそのバカ説得して』

智美「いや、来ちゃったもんはしょうがないし、今帰してもまた出て行っちゃうかもしれないぞ」

智美「今日一日はこっちで預かるよ。大丈夫、夜には私が車でそっちに送るから」

撫子『・・・ハァ・・・ごめん、お願いする。迷惑かけるかもしれないけど・・・』

智美「ワハハ、気にするな~元々大人数なんだから1人2人増えても変わらんよ」

撫子『・・・じゃあ、夜また』

智美「おう~・・・櫻子、一日だけここにいていいって」

櫻子「本当ですか!? やったぁ!」

あかり「よかったね櫻子ちゃん!」

櫻子「うん!」

モモ「でも櫻子、帰ったらちゃんとお姉さんに謝るっすよ」

櫻子「私は悪くないもん! 撫子ねーちゃんがいじめるのが悪いんです!」

ゆみ「なんというか・・・」

智美「子供、だな」

衣「子供じゃない衣だ!」

一「衣に言ったんじゃないから」

純「ほら、戻るぞ」

睦月「・・・とにかくどうしましょうか?」

ゆみ「そうだな、とりあえず櫻子がどれくらいのレベルなのかを知らないと」

あかり「まだ役も全部覚えてないみたいです」

智美「ワハハ、本当に初心者なんだな」

あかり「少なくともあかりよりは打ってるって聞きましたけど」

佳織「わ、私もまだ役曖昧だし・・・」

ゆみ「と、ともかく、役を覚えることは大前提だ。妹尾とあかりも一緒に役を覚えることから始めよう」

櫻子「ええぇ? そんな地味なのじゃなくてなんかこう凄い必殺技とか教えてくださいよ」

美穂子「必殺技を覚える為にも、先ずは初歩のお勉強から」

ゆみ「激しい運動するのには体力作りが欠かせないのと同じだ。何事も基礎の積み重ねが大事なんだ」

櫻子「うぇえ~・・・」

あかり「一緒に頑張ろうよ櫻子ちゃん」

佳織「大丈夫だよ、きっとすぐに覚えられるから」

櫻子「なんか思ってたのと違う・・・」

美穂子「じゃあ、あかりの指導役を任された私が3人共教えてあげます」

智美「頼んだぞみっぽ」

美穂子「ええ」(桃子さんは固そうだから先ずはお友達から外堀を埋めて行きましょう・・・)

櫻子「ううぅ・・・あかりちゃんの力を借りても一回もトップになれなかった・・・」

モモ「あかりのステルスにもものの見事にはまってたっすからね」

優希「激よわだじぇ」

あかり「で、でも、最初の頃よりだいぶ強くなったよぉ!」

櫻子「強くても勝てなきゃ意味ないよ! あ~もう!」

櫻子「私、麻雀向いてないのかな?」

優希「・・・そうかもしれないじぇ」

あかり「ゆ、優希お姉ちゃん!」

優希「そういうこと言って立ち止まるような人は、向いてないかもしれないじぇ」

優希「私は・・・私が・・・な、何も語れるエピソードがないじょ」

まこ「全部受け売りで語ろうとするからじゃあ」

まこ「あのなぁ櫻子。ここにいる皆昔は今のわれみたいに役もわからん、まったく勝てんっちゅうときがあったんじゃ」

まこ「それでも今はこうやって大会に出て結果も出せるくらいになっとる。何でかわかるか?」

櫻子「・・・才能があったからじゃないですか?」

まこ「もちろんそれもあるじゃろう。じゃが才能があったってそれを伸ばす努力をせんかったら意味がないじゃろ」

まこ「皆負けて悔しい思いしながら成長してきたんじゃ。われもこのくらいでへこたれとったら麻雀だけじゃのうて何も出来んくなるぞ」

優希「そもそも初心者が大会優勝者に勝とうと思うのが間違いなんだじぇ。勝てなくて当然、気にすることじゃないじょ」

櫻子「皆負けて強くなった・・・」

あかり「そうだよぉ! それに櫻子ちゃんは毎回あかりに勝ってたじゃない」

まこ「あかりはちょっと特殊すぎてあれじゃが、まあ少なくとも誰も彼もにも負けるなんてことはなくなったはずじゃ」

モモ「大会に出るにはまだまだっすけどね」

櫻子「・・・うん、私、頑張って続けてみます!」

まこ「ほうじゃ、その意気じゃ」

優希「頑張って私の背中を追いかけてくるじぇ!」

智美「ワハハ、元気が出たみたいで何よりだ」

あかり「智美お姉ちゃん!」

智美「そろそろ帰る時間だぞ櫻子」

櫻子「ええっ!? せっかくやる気出したところなのに・・・」

智美「ごめんな~櫻子を送ったら私は帰ってこないといけないから」

美穂子「本当はもう少し教えてあげたかったんだけど・・・」

櫻子「いえ・・・あの、すいませんでした。いきなり来て色々わがまま言ったりして」

智美「ワハハ、気にするな~人に教えることもいい経験になったよ」

美穂子「また教えてほしいことがあったらいつでも風越にいらっしゃい。そのときはあかりも一緒にね」

櫻子「はい! ありがとうございました!」

智美「じゃあ車のとこまで行くか~」



ゆみ「気をつけて行けよ?」

智美「ワハハ、ゆみちんは心配性だな~」

モモ「櫻子、またうちに遊びに来るっすよ」

佳織「またね、櫻子ちゃん」

美穂子「もう無茶して家出なんてしちゃ駄目よ」

和「お元気で」

智紀「気をつけて・・・」

櫻子「は、はい・・・」

櫻子(皆おっぱい大きいし・・・高校生だから普通だよね? 中学生で大きい向日葵が異常なだけで・・・くそぉ向日葵めぇ!)

あかり「櫻子ちゃん、帰ったら向日葵ちゃんやちなつちゃんも呼んで一緒に打とうね!」

櫻子「・・・」(桃子ねーちゃんが大きいんだからあかりちゃんも大きくなるのかな?)

あかり「さ、櫻子ちゃん? 何であかりの胸を睨んでるの?」

櫻子「・・・あかりちゃん。あかりちゃんは裏切らないよね?」

あかり「う、裏切る? 何のことかわからないけどあかりは櫻子ちゃんとずっと友達だよぉ!」

櫻子「・・・うん、そうだね」

あかり「ええっ!? 何、その猜疑心にまみれた顔は!?」

智美「櫻子~そろそろ出発するぞ~」

櫻子「は~い! じゃああかりちゃん、約束だよ?」

あかり「え、え? ま、待ってよぉ櫻子ちゃ~ん!」

ゆみ「・・・行ったか」

佳織「なんていうか、元気な子でしたね」

モモ「騒がしいってはっきり言っていいんすよかおりん先輩」

佳織「そ、そんなこと思ってないよ」

ゆみ「しかし、きっと家に帰る頃にはその元気もなくなっているだろうな」

モモ「まっ、家族に心配かけた罰っすね」

あかり「櫻子ちゃん大丈夫かな・・・?」



櫻子「い~や~! 降ろしてくださ~い~!」

智美「ワハハ、家まではまだまだだぞ~!」

櫻子「家までもちません~!」

智美「ガソリンは来るとき入れてきたから大丈夫だ~」

櫻子「そうじゃなくて~!」

智美「ワハハ、ナデコが首を長くして待ってるからな~飛ばして行くぞ」

櫻子「やめてぇ~!」

向日葵「・・・櫻子、まだですの?」

花子「ちょっと雑に扱いすぎたし・・・」

撫子「花子もひま子も悪くない。櫻子のバカが全面的に悪い」

向日葵「ですが――」ピンポーン

撫子「帰ってきたみたいね。私が出てくる」



撫子「はい」

智美「よう~ナデコ、お届け物だぞ」

櫻子「・・・」

撫子「ありがとう智美・・・櫻子!」

櫻子「・・・ごめんなさい撫子ねーちゃん・・・もう家出なんかしないから許して・・・」

撫子「さ、櫻子?」

智美「ワハハ、いっぱい麻雀打ったからな。疲れちゃったみたいだ」

向日葵花子「櫻子!」

櫻子「花子ぉ・・・向日葵ぃ・・・!」

向日葵「櫻子? どうしたんですの?」

花子「なんか元気ないし・・・」

櫻子「うぅ・・・よかったよぉ・・・生きて帰ってこれた・・・」

向日葵「ま、まあいいですわ無事なのなら」

撫子「・・・ひま子花子、櫻子中に連れてって」

花子「わかったし。櫻子、速く中に入るし」

櫻子「うぅ・・・ただいまぁ」

向日葵「ほら、しっかりなさい!」



智美「妹3人もいるのか~」

撫子「胸の大きい子は隣ん家の子よ。ごめん、智美。色々迷惑かけたでしょ?」

智美「ワハハ、いいっていいって。妹が出来たみたいで楽しかったぞ」

撫子「あんなのだったら幾らでもあげるわよ」

智美「必死になって朝っぱらから電話かけてまで探すくらいなのにか?」

撫子「・・・うるさい」

撫子「・・・あいつの麻雀、どうだった?」

智美「そうだな~まだまだへたくそだけどたま~に、ナデコみたいな鋭い打ち筋を見せるときがあったな」

智美「やっぱり姉妹なんだな」

撫子「そっか・・・」

智美「・・・ナデコがうちに入ってくれてたら私達が勝ってたかもなぁ」

撫子「冗談。インミドでもあんだけ怖い目にあったのにインハイなんてとても」

智美「そうか~? 私は楽しかったぞ」

撫子「まあ、あんたはそうでしょうね」

智美「それは褒めてるのか貶してるのかどっちなんだ?」

撫子「どっちでもご自由に」

智美「ワハハ、なんだそれ」

撫子「・・・ご飯、食べてく?」

智美「ナデコの手料理ならな~」

撫子「バカ・・・じゃあ上がりなさい。そうそう忘れてたファンデ、見つけたから」

今日はここまでです
ムロや撫子のキャラがよく掴めません

今日はほんの少ししか投下できませんけど始めます

合宿最終日

あかり「・・・もう終わっちゃうんだね」

モモ「そうっすね・・・」

ゆみ「ああ、とても有意義な合宿だった」

智美「ワハハ、色んな人達と知り合えて楽しかったぞ~」

睦月「うむ、同士にも出会えましたし」

佳織「私、少しは強くなれたかな?」

智美「佳織は上手くなったら逆に弱くなりそうだからどうだろうな」

佳織「ええっ!?」

あかり「あかりは強くなったって実感できるよぉ!」

モモ「強くなったというか2人ともルールと基礎を覚えただけっすけどね」

あかり「み、美穂子お姉ちゃんに覚えがいいって褒められたもん!」

睦月(あの人あかりのやることなすこと全部褒めてたような・・・)

ゆみ「あかりもそれに妹尾もまだ時間はたっぷりあるさ。これからゆっくり強くなっていけばいい」

智美「ワハハ、私達の代わりに鶴賀を優勝まで導いてくれよ~」

久「よかった、まだいたのね」

ゆみ「久」

モモ(合宿来てよかったと思うっすが、先輩がこの人を名前で呼ぶようになったのだけは気に食わないっす!)

マホ「あかりちゃん!」

ムロ「見送りに間に合ってよかったよ」

あかり「マホちゃん、ムロちゃん!」

マホ「せっかく会えたのにもうお別れなんて、マホ寂しいです」

あかり「あかりもだよぉ。もっとマホちゃんに色々なことを教わりたかったよぉ」

ムロ「いや、マホから教わったことは殆ど忘れていいと思うよ。けじらみリーチとか」

マホ「そんな酷いです! マホ渾身の必殺技なのに!」

ムロ「先輩風吹かせて前に和先輩達に教わって間違って覚えた知識をあかりに教えて、呆れられてただろう」

マホ「うぅ・・・マホ、ものを覚えるのは苦手なんです」

ムロ「これでコピー能力使いだっていうんだから・・・能力より先にルールを覚えろ」

あかり「でも、あかり本当にマホちゃんとムロちゃんがいてくれてよかったと思ってるよ」

佳織「歳が離れた人ばっかりだったもんね。近い子がいてくれると安心するよね」

マホ「マホも安心しました! マホと同じくらいの実力の人がいてくれて」

ムロ「1年打ってて覚えたての素人と同じ実力だっていうのは安心しちゃいけないだろ」

智美「ワハハ、マホも最初はよかったけど結局清澄の大将達に負けてたもんな」

ゆみ「初日のあかりと同じだな」

久「結局合宿中天江さんの支配はあかりちゃんには利かなかったのよね。勝てはしなかったけども」

衣「うむ、満月の夜ではないとはいえ正に震天駭地。誇るがよいぞあかり」

あかり「衣お姉さん」

透華「私もいましてよ!」

一「そうやって主張しなくてもちゃんと見えてるよ透華」

あかり「透華お姉ちゃんもありがとうございました。とっても勉強になりました」

透華「あれくらいお安いごようですわ」

久「全員で教えてあげればいいのに何を争っていたのかしらね私達」

ゆみ「元々清澄の為の合宿なんだ、あかりにかかりきりというのもおかしな話だろう」

モモ「だからうちで教えるって言ったんっすよ」

あかり「でも、色んな人に教わることが出来て嬉しかったよぉ」

衣「衣も楽しかった。今度は満月の夜にまた打とう」

モモ「あかりは9時に寝ちゃうっすからそれは無理っすね」

あかり「あかりだって起きてようと思えば起きてられるよぉ!

あかり「京子ちゃんの漫画描くのを手伝ったときなんて3時くらいまで起きてたんだから」

美穂子「無理はしちゃ駄目よあかり」

智美「おお、みっぽ。見送りに来てくれたのか~」

美穂子「ええ、それとお弁当を作りましたので届けに」

ゆみ「助かるよ」

あかり「わぁい美穂子お姉ちゃんのお料理! あかり美穂子お姉ちゃんのお料理大好き!」

睦月「うむ、間食で作って頂いたものは全ておいしかったです」

美穂子「ふふ・・・そんなに喜んでくれて嬉しいわ」

あかり「美穂子お姉ちゃんのお料理を毎日食べれたら幸せだろうなぁ」

美穂子「そ、それはプロポー――」

透華「私でしたら毎日有名シェフの料理を用意して差し上げられましてよ」

一「透華、その張り合い方はちょっとずれてるよ」



あかり「えへへ・・・本当に楽しかったなぁ。また皆と会えたらいいな」

マホ「マホもです! また会う日までに新しい必殺技を作って教えてあげます!」

ムロ「高遠原の麻雀部に京子ちゃん達も連れて練習試合に来たりさ、色々会う機会もあるよきっと」

久「私達とはまたすぐに会うかもしれないわね」(頼めばあかりちゃんを貸してくれるかしら)

透華「我が家に来れば麻雀からメイドの心得まで何でも教えて差し上げますわよ」

一「メイドはともかく透華のようになりたいなら、うちに来て勉強するのはいいことだと思うよ。衣も喜ぶしね」

衣「うん! あかりの友も連れて来るがいいぞ。櫻子は凡庸だったがどれほど奇幻な打ち手か楽しみだ」

美穂子「風越でも待ってるから遠慮せずにいつでもいらっしゃい」(本当は私が引き取りたいくらいなのだけど)

あかり「わぁ~ありがとうございます!」

智美「ワハハ、足が必要なときはいつでも呼ぶといいぞ。どこまででも連れて行ってやるからな」

佳織「それはやめてあげた方が・・・」

睦月「あかりだと麻雀を打つ気力を無くしそうな気がします」

智美「このくらいでは泣かないぞ」

ゆみ「では、名残惜しいがそろそろお暇させてもらうよ」

モモ「さよならっす~」

あかり「ばいば~い、またね~!」

今日はここまでです
先の展開について少し希望を取りたいと思います
※このまま東京に行く(主に全国編やプロのキャラを希望で登場させます)
※龍門渕に麻雀勉強に行く(龍門渕、阿知賀のキャラが出てきます)
※鶴賀中等麻雀部の日常(主にゆるゆりのキャラが出てきます)
この三つの中から選んでください

撫子さんの事なでこって呼んでるのはあだ名なの?
読みは普通になでしこなんだけど

>>118
あだ名ですね智美は人にあだ名付けて呼んでる印象がありましたので

数日後 鶴賀中等麻雀部室

あかり「おはよ~!」

京子「お、あかり、やっと来たな!」

結衣「おはようあかり」

ちなつ「おはようあかりちゃん」

櫻子「おっはよ~あかりちゃん!」

向日葵「おはようございます東横さん」

綾乃「おはよう東横さん」

千歳「おはようさん」

りせ「・・・」

あかり「あ、あかりが一番遅く来ちゃったんだ」

結衣「大丈夫、まだ遅刻じゃないから」

綾乃「でもギリギリギリシャよ!」

結衣「ぶふぅ!?」

京子「遅刻したって気にすんな~、どうせ西垣ちゃんが一番遅刻すんだから」

綾乃「そういう問題じゃないわよ! まったく・・・」

千歳「まあまあ綾乃ちゃん、東横さんだって遅刻したわけやないんやからそう目くじら立てんでもええやん」

櫻子「それに実際西垣先生来てませんし」

りせ「・・・」

向日葵(何か仰ってるんでしょうけどまったく聞こえませんわ・・・)

ちなつ「でも、いつも早起きなあかりちゃんが遅刻ギリギリなんて珍しいね」

あかり「うん、昨日はマホちゃんとのネトマが長引いちゃって」

京子「マホってあの高遠原の人でしょ? 能力使えなかったらあかりとどっこいだもんなぁ、そりゃ長引くわ」

結衣「お前も普段は人のこと言えないだろうが」

京子「結果さえ残せば過程はどうでもいいのだ~」

結衣「普通は結果を残すのには過程が必要なんだけどな」

綾乃「くぅ・・・なんでいつもは勝てるのに大会では稼ぎ負けるの!?」

千歳「今日は高等部の人等と交流会やんな」

あかり「そうですね、それで――」

モモ「あかりと一緒に来てたっす」

向日葵「きゃあ!?」

京子「あっ、桃子さんおっはよ~」

結衣「相変わらず存在感の薄い」

綾乃「びっくりしたぁ・・・」

千歳「何度体験してもなれんなぁ」

ちなつ「お久しぶりです桃子お姉さま! 加治木先輩との仲は進展しましたか!?」

モモ「私のことを普段から一緒にいたい相手だって言ってくれたっす! ちなつはどうなんすか?」

ちなつ「私の方はあんまり・・・」

モモ「諦めちゃ駄目っすよ、ガンガン押してモノにするっす!」

ちなつ「はい、桃子お姉さま!」

京子「君が望むのなら私はいつだってウェルカムだよちなちゅ~!」ガバッ

ちなつ「ちょっと京子先輩! いきなり抱きつこうとするのやめてくださいって言ってるでしょう!」サッ

綾乃「モノだとかそんな不潔です!」

モモ「何言ってるんすっか綾乃。私と先輩は清く正しい交際をしてるんっすよ」

綾乃「こ、交際!?」

モモ「・・・綾乃も早いとこ手を打たないと京子を取られちゃうっすよ? ああ見えてモテるんすっからね」ボソッ

綾乃「なぁ・・・!? と、ととと、歳納京子のことなんてなんとも思ってませんから!」

モモ「部室で結衣と延々といちゃいちゃしてるとこ見せ付けられることになってもいいんすか?」

綾乃「そ、それは・・・」

京子「ちなちゅ~」

結衣「いい加減にしろバカ」

綾乃「・・・」

千歳(ああ、綾乃ちゃんが歳納さんと船見さんを羨ましそうに見つめとる)

千歳(歳納さんと船見さんは幼馴染やから気心も知れてて自然にボディタッチも出来る)

千歳(けどそれは幼馴染やからなだけで本当は――)スチャ

綾乃『だ、駄目よ、歳納京子・・・船見さんに悪いわ・・・』

京子『結衣? 私は結衣に幼馴染以上の感情なんて持ってないよ。私が好きなのは・・・』

綾乃『歳納京子・・・』



千歳「ええなぁ・・・」

向日葵「ちょっと、池田先輩!? 鼻血鼻血!」

りせ「・・・」

千歳「えろうすんません、部長」

櫻子「いもチップスうま~」

向日葵「櫻子! まだ朝ですわよ!」

櫻子「うっさい! 私がいつ何食べようが向日葵には関係ないでしょ!」

向日葵「私は撫子さんからこの前の家出みたいなことがないよう、櫻子の面倒を見るように頼まれたんですの!

櫻子「お菓子食べることと家出することなんて何にも関係ないじゃん!」

モモ「・・・相変わらずにぎやかっすね~」

奈々「よう、お前ら元気にやってるな」

あかり「西垣先生!」

綾乃「やっと来たんですか・・・」

向日葵「少し遅すぎじゃありませんか?」

奈々「そう言うな、私は高等部の方に先に顔出しに行ってたんだ。松本から聞いてないのか?」

櫻子「聞いてないというか聞こえませんよ!」

千歳「伝言頼む人選間違えとりますよ」

りせ「・・・」

奈々「何々、だから言ったのに? しょうがないだろお前にしか頼めなかったんだから」

結衣「全員の携帯番号知ってるはずですよね?」

奈々「携帯ならこの前改造してしまって発信ボタンを押すと爆発するようになってるんだ。試してみるか?」

あかり「や、やめてください!」

綾乃「先生の起こす爆発騒ぎのせいでいっつも部費が削られてるんですからね!?」

モモ「ななちゃん先生も相変わらずっすね~」

奈々「はっはっは、失敗を恐れていては何も出来ないからな!」

奈々「まあそれはいいとして、全員いるな? じゃあグラウンドの方に行くぞ」

あかり「グラウンド?」

櫻子「ここで麻雀打つんじゃないですか?」

結衣「ここじゃ高等部の先輩達も含めたら卓が足りないし、今日はそもそも麻雀打つ為に集まったわけじゃないからね」

向日葵「私達が全国行きを決めたお祝いをしてくださると言っていたじゃないですの」

綾乃「でもいいんでしょうか、先輩方は個人戦も含めて負けてしまっているのに」

モモ「そんなの気にしなくていいんすよ。大事な後輩達が勝ったんすから、私達だって嬉しいっすよ」

千歳「ありがとうございます東横先輩」

京子「私がいっぱい頑張ったおかげだな!」

結衣「・・・収支的に反論できないのが腹立たしい」

向日葵「殆ど区間トップでしたからね。松本部長もですが」

りせ「・・・」

奈々「私や京ちゃんだけじゃなくて皆で勝ち取った優勝だって言ってるぞ」

ちなつ「決勝戦で強豪相手にかっぱいでた結衣先輩素敵でした!」

結衣「う、うん、ありがとうちなつちゃん」(かっぱぐって・・・)

綾乃「次こそは私が勝ってみせるんだから!」

千歳「仲間内で争う前に相手に勝てるようにせんとあかんよ綾乃ちゃん」

向日葵「池田先輩は鼻血を何とかしないと出場停止を受けてしまいますよ?」

櫻子「いいなぁ私も全国で打ちたいなぁ」

あかり「あかりは、打ってもきっと負けちゃうから・・・」

モモ「それじゃ駄目っすよあかり。自分と牌を信じて戦わなきゃ勝てるものも勝てなくなるっす」

あかり「うん・・・わかってるよぉ」

京子「あかりは牌を信じない方がいいと思うけどな」

あかり「ええっ?」

京子「信じる・・・というか欲しいって思う牌が来ないんだからさ、逆に欲しい牌をこんな牌いらね~って思っちゃえばいいんだよ」

京子「そしたらほら、欲しい牌がいつでもツモれる」

あかり「欲しい牌をいらないと思い込む・・・」

結衣「いや簡単に言うけど実際難しいぞ。あかりは何かの役を作りたいって思ったらそれに必要な牌が来なくなるんだよな?」

あかり「うん」

結衣「それだと先ず何の役を作るかを決めて、その上でその役を作りたくないって思い続けなきゃいけないわけだろ」

結衣「そんなことしながら場の状況を見て何を切るかも考えないといけないのは結構辛いと思うぞ」

京子「場の状況なんてあかりには関係ないじゃん、消せるんだし」

結衣「全国レベルの相手なら1回で見切ってくるかもしれない」

京子「それはないでしょ。幼馴染の私等でさえたまに存在を忘れちゃうんだから」

あかり「京子ちゃん! それはどういうことなの!?」

ちなつ「それにあかりちゃんの問題は自分の不運よりも相手の幸運の方ですよ」

結衣「配牌から聴牌なんてざらにあるからなぁ」

京子「ダブリーうまうま」

綾乃「それで自分は五、六向聴当たり前なんだからやってられないわよね」

千歳「今年の白糸台の大将、大星淡さんを3人相手にするようなもんやな~」

奈々「はっはっは、聞けば聞くほど麻雀に向いてないのがわかるな」

あかり「うぅ・・・」

モモ「むぅ~、これからっす! 私だって能力を制御出来るようになったんっすからあかりだって出来るようになるっす!」

ちなつ「あかりちゃんの能力が制御出来るようになったら・・・」

京子「私の欲しい牌をいらないと思い込む戦法で高い役でも楽々手作り」

結衣「それに加えて相手はステルスで和了ることが出来ない」

櫻子「最強じゃん!」

モモ「さすが私の妹っす~!」ギュッ

あかり「お、お姉ちゃん・・・でも、あかりはそんな風になるの嫌だな」

櫻子「えぇ!? 何で?」

あかり「だってそうなったら他の人達が麻雀を楽しめなくなっちゃうよぉ」

あかり「あかりは勝つよりも皆で楽しく麻雀がしたいって思ってるから、やっぱりそんな力はいらないよぉ」

ゆみ「・・・麻雀を楽しみたい、か。宮永もそう言ってたな」

モモ「あっ先輩!」

奈々「どうしたんだ、加治木?」

ゆみ「先生達が遅いんで様子を見に来たんですよ」

あかり「・・・ゆみお姉ちゃん、さっきの・・・」

ゆみ「ああ。県大会決勝の大将戦、池田も私もそして宮永も、天江の絶対的な支配と威圧感の前に押しつぶされそうになっていた」

向日葵「風越の大将さんは見ていて辛いものがありましたわ・・・」

ゆみ「だが後半戦が始まったとき、宮永の雰囲気は変わっていた。きっと休憩中に原村辺りにはっぱをかけられたんだろうな」

ゆみ「ツモを封じられても宮永は笑顔を絶やさなかった。彼女が居たから私達も気持ちを入れ替えることが出来た」

モモ「・・・」

ゆみ「無論モモの・・・仲間達の存在が1番大きかったんだが」

ゆみ「最後の数えを和了るとき宮永は言っていた。麻雀が楽しい、一緒に楽しもう、と」

あかり「・・・楽しかったんですか?」

ゆみ「ああ、とっても。あの時間が永遠に続けばいいと思うくらいにな」

櫻子「負けちゃったのに、ですか?」

ゆみ「そうだな。もちろん悔しくなかったわけではないが、私も池田も・・・天江もきっと同じ気持ちだったんだろう」

ゆみ「自分も相手も一緒に麻雀を楽しみたい、牌に愛される者とはきっと彼女のように牌を愛している者なのだろうと私は思う」

あかり(そういえば咲お姉ちゃん言ってたっけ、ずっと小さい頃の麻雀を大好きだったときのことを思い出したって)

ゆみ「だからあかり、君もその気持ちを忘れずにいればきっといつか、宮永のような強い打ち手になれるさ」

あかり「・・・そうでしょうか?」

ゆみ「ああ、私が保証しよう」

あかり「えへへ・・・あかりが強くなれる・・・」

結衣「牌に愛されるには牌を愛せってさ京子」

京子「ええ~、でもあかりの愛には答えてくれてないじゃん!」

京子「そうだ! あかり、今日からあかりは1日1回全部の牌にキスをするんだ!」

あかり「ええっ!?」

京子「あかりがちゃんと愛してるんだぞ~って牌に知らせてやらないと!」

綾乃「そういう意味じゃないでしょ!」

向日葵「でも、とても貴重なお話でしたわ」

千歳「うちらも麻雀もっと好きにならなあかんな~」

ちなつ「やっぱり最後には愛が物を言うんですね!」

りせ「・・・」

奈々「ありがとうございます加治木先輩、だと」

櫻子「さ、参考になりました!」(よくわからなかった・・・)

ゆみ「・・・いや、すまない。私だってまだ麻雀を打ち始めてさほど経っていないのにこんな偉そうなことを」

モモ「何言ってんすか! 先輩はもう充分強いっすし先輩なんだから本当に偉いんっす!」

ゆみ「モモ・・・ありがとう」

奈々「・・・ふむ、中々のご高説だったが余計に時間を食ったぞ」

ゆみ「あっ! すみません・・・皆、蒲原達が待っている。速く行こう」

櫻子「は~い!」

綾乃「そうですね、東横さん! 歳納京子のバカな発言を真に受けてないで行くわよ!」

あかり「ん~・・・えっ? あ、待ってくださ~いよぉ!」

智美「ワハハ、おっそいな~」

佳織「何かあったのかな?」

睦月「また西垣先生が爆発でも――」

ゆみ「蒲原~!」

智美「おっ、ようやくお帰りだな」

綾乃「すいません、先輩方!」

京子「あかりが雀牌にキスしようとするの止めてたら遅くなりました!」

あかり「ちょっと、京子ちゃん!?」

智美「ワハハ、どうしたんだあかり? 頭でも打ったか?」

結衣「いや嘘ですからね! こら京子!」

京子「キスしようとしてたのは本当じゃ~ん!」

綾乃「貴女がさせたんでしょうが!」

櫻子「お、おはようございます蒲原先輩・・・」ブルブル

智美「櫻子もなんか様子がおかしいぞ~?」

櫻子「な、何でもないです!」

佳織「おはよう千歳ちゃん」

千歳「おはようございます、妹尾先輩」

佳織「千歳ちゃんは今日も漬物を食べて来たの?」

千歳「はい! 漬物食べな1日力が出ないんです~」

佳織「本当においしいもんね。よかったらまた今度食べさせてね」

千歳「幾らでもあげますよ。何がいいです? 糠漬け、粕漬け、たくあん? うちははりはり漬けがお勧めなんですけど・・・」

佳織「え、えーっと・・・」

睦月(今日は聞き取ってみせる)

睦月「りせ、おはよう」

りせ「・・・」

睦月「・・・」

奈々「おは――」

睦月「待ってください、私が自分なりに精一杯聞き取ってみせますので」

ちなつ「私達でさえ聞こえたことないんで無理ですよ」

向日葵「麻雀を打っているときはちゃんと聞こえるんですけど・・・」

モモ「時間も圧してるっすし速く行くっす」

ゆみ「そうだな、蒲原、車を頼む」

智美「ワハハ、任せとけ~」

ゆみ「さすがに蒲原の車でもこの人数は無理だろうな」

佳織「というか、この人数で乗りたくないです・・・」

櫻子「・・・」カタカタ

京子「お~、大室ちゃんが魔界に放り込まれた凡人みたいになってる」

結衣「何だその比喩は・・・そんなに、その、あれなんですか?」

睦月「うむ・・・」

あかり「あかり、合宿所に着くまでの記憶がないよぉ」

綾乃「え~っと、どうします?」

千歳「その前にどこ行くんですか?」

ゆみ「行き先はサプライズということ着くまで内緒だ。というわけで場所を知ってる私は必然的に蒲原の車には乗らないことになる」

モモ「あ~っ! 先輩ズルいっす!」

京子「じゃあ私はさとみんの車で行く!」

綾乃「歳納京子!?」

京子「だって楽しそうじゃん! それにこの熱い中歩きなんてやだよ」

ちなつ「何で歩きだってわかるんですか?」

奈々「私が免許持ってないからな」

京子「そういうわけ」

結衣「・・・しょうがない私も車にするよ」

綾乃「・・・! じゃ、じゃあ、私も」

京子「おおっ、チャレンジャーだね結衣、綾乃」

千歳「ほんなら、せっかくやから2年で全員固まろか」

千歳(なんや凄そうやし、絶叫マシンみたいに妄想が捗りそうやからな)

櫻子「じゃあ、1年と部長は歩きですね! はい、決定!」

向日葵「ちょっと櫻子!」

櫻子「うるさいっ・・・! 黙って頷いて頼むから・・・!」

向日葵「さ、櫻子? どうしてそこまで必死なんですの?」

ゆみ「中等生だけというのも悪いからな、こちらからも1人は出さないと」

モモ「かおりん先輩、お願いするっす!」

佳織「ええっ!? な、何で私なんですか!?」

睦月「元部長の幼馴染だから・・・」

モモ「私は別にいいんっすけど。先輩が乗らないっすからね」

佳織「あっ、先生! 先生が乗ってくださいよぉ!」

奈々「悪いが私は教師として生徒の引率をしなきゃいけないからこっちだ」

りせ「・・・」

奈々「奈々さんがいないと会話できないから歩きにする、だそうだ」

佳織「そ、そんなぁ・・・」

あかり「あ、あの、あかりが代わりに・・・」

佳織「・・・ありがとうあかりちゃん、でもいいよ。そうだよね、これからもいっぱい乗る機会ありそうだし、なれないとね」

ちなつ「頑張ってください、妹尾先輩!」

智美「ワハハ、車持って来たぞ~」

京子「おおっ、でっかい車だ~! 窓側はもらった~!」

結衣「大丈夫だろうか・・・」

綾乃「心配はノンノンノートルダム・・・だといいんだけど」

千歳(うちとしては目いっぱい荒くしてくれた方が嬉しいんやけど)

佳織「カリカリ梅は・・・うん、ある。いけるいける・・・」

モモ「絶対目的地で生きてまた会おうっす~!」

ゆみ「すまないな、皆」

睦月「お、お元気で」

あかり「頑張って~!」

櫻子「よかった、本当によかった・・・」

向日葵「少し大げさではありませんの?」

ちなつ「街中でそんなに速度出せないと思うんだけど」

奈々「大げさだったらよかったんだがな」

りせ「・・・」

ゆみ「・・・さて、私達も行こうか」

あかり「京子ちゃん達が心配だけどどこに行くんだろ、楽しみだよぉ!」

今日はここまでです
今更ながら中等麻雀部をごらく部とりせだけにすればよかったかと後悔してます
あかり達がどこに行くか、それともここで終わって全国編に飛ぶかは希望を取ります

希望がありますので全国に行くことにします
また要望があれば前回の続きを書きたいと思います

数日後 東横家

あかり「・・・ふぅん・・・ふぅん・・・」

モモ「あかり、そろそろ起きるっす」

あかり「・・・うん? あれ、お姉ちゃん?」

モモ「おはようあかり」

あかり「おはよう・・・でもどうしたの? こんなに朝早くに・・・」

モモ「何を寝ぼけてるんっすか。今日は清澄の応援をしに東京に出発する日っすよ」

あかり「あ、ああっ! そうだったよぉ!」

モモ「やれやれっす。荷物の用意はちゃんと出来てるっすか?」

あかり「もちろんだよぉ! この前の合宿のときは入れたと思ってたパンツがなかったけど、今回は昨日の夜ちゃんと確認したから大丈夫!」

モモ「パンツならあっちで買えばいいっすけど携帯とか忘れてたらあっちで迷子になったとき大変っすよ」

あかり「大丈夫だよ! あかり迷子になんてなったりしないから!」

モモ「そうだといいんっすけどね~」

あかり「大丈夫大丈夫! 早く朝ごはん食べて駅に行こう?」

モモ「なんだか心配っすけど、気にしてても仕方ないっすね。行くとするっすか!」



東京行き新幹線の中

智美「ワハハ、ばーちゃんに会うのも久しぶりだぞ~」

あかり「滞在期間とっても長いけど智美お姉ちゃん、本当によかったの?」

智美「気にするな。ばーちゃんの方が早く来いって言ってるんだから」

智美「車も用意してくれてるみたいだぞ」

あかり「ひぅ・・・! そ、それならよかったよぉ・・・」

あかり(あの後、目的地だった龍門渕のレジャー施設の前で京子ちゃん達が倒れてた。歩いて行ったあかり達よりだいぶ早く着いてたはずなのに)

あかり(遊んだり麻雀打ったりして楽しかったけど、帰りはあかり達が車に乗る番で・・・また記憶が飛んじゃったよぉ)

智美「ワハハ、東京の街を走るのが楽しみだ!」

あかり(・・・東京は長野より車も多いと思うからそこまで荒っぽく出来ないよね?)

佳織「あかりちゃんはこの後インターミドルの応援でも東京に出るから、会場の周りくらいはしっかりと覚えておこうね?」

あかり「はい! 京子ちゃん達に案内出来るくらいにはなっておこうと思います」

佳織「迷子になっちゃわないように気をつけてね」

あかり「・・・それ朝にお姉ちゃんからも言われましたよぉ。そんなにあかり、どっかに行っちゃいそうですか?」

佳織「ええっ!? どっかに行っちゃいそうと言うより・・・見失いそうで」

あかり「もう~! 佳織お姉ちゃんもそういうこと言うんですか~!」

佳織「ご、ごめんね、あかりちゃん!」

モモ「まあ、そんなこと言ってるかおりん先輩があかりを除けばこの中で1番迷子になりやすそうっすけどね」

佳織「ええっ!? そ、そんなことないよ!」

睦月「いや、モモさんが1番だと思うんですけど・・・」

智美「モモはゆみちんにぴったり着いてくからなぁ。見失うことはあってもずっと近くには居ると思うぞ」

ゆみ「ま、まあ何にせよ、トラブルは起こさないように各自気をつけるように」

あかり「インターハイ・・・どんな凄い人達が出るんだろう・・・」

ゆみ「牌譜を集めているときに見て、どこも只者ではないことがひしひしと伝わってきた」

睦月「永水、姫松、千里山、臨海、新道寺・・・そして白糸台。この辺りの人達は完全に別次元でしたね」

智美「ワハハ、他にもきっとダークホースが出てくるぞ。何せ私らが応援するとこが世間から見ればそうだからな」

モモ「インハイ最多得点記録保持者をぶっ倒しての登場っすから、中々期待されてるんじゃないっすか?」

佳織「インターミドルチャンプの原村さんが注目されてただけであんまり目立った記事にはされてなかったと思うけど・・・」

ゆみ「目立たないならそちらの方がいいさ。あまり有名になるとその分対策も取られてしまうし、集中的に狙われてしまうからな」

モモ「個人戦で私達がリンシャンさんにやったようにっすね」

佳織「有名になるのも大変ですね」

智美「情報収集も勝つ為には大切だってことだな。戦いは既に始まっているのだ」

睦月「その点で言えば、私達も清澄の勝利に貢献したってことになりますよね」

ゆみ「そうだな。久ならきっとあの牌譜から強敵達への対策を編み出してくれるさ」

あかり「咲お姉ちゃん達勝てるでしょうか?」

ゆみ「厳しい戦いになると思うが私は勝つと信じているよ」

モモ「勝ってもらう為にもしっかり応援するっすよ」

あかり「・・・うん!」



ゆみ「久」

久「お・・・」

ゆみ「や、いよいよだな」

久「来てくれたのね」

あかり「おはようございます! 久お姉ちゃん達!」

咲「あかりちゃん! あかりちゃんも来てくれたんだ!」

あかり「はい! 咲お姉ちゃんをいっぱい応援するって約束しましたから!」

優希「じょ? 応援するのは咲ちゃんだけなのか?」

あかり「ち、違いますよぉ! 皆さん応援してますから!」

和「すいません、わざわざ東京にまで出てきてもらって・・・」

智美「気にするな~、ばーちゃんに会うのも兼ねてるんだからな」

まこ「しかしこの人数を何日もって、お前さん実はお嬢様じゃったのか?」

智美「ワハハ、お嬢様なんて言うほどのもんじゃないさ」

佳織「お家はお店屋さんですし結構繁盛してるみたいですよ」

睦月「龍門渕さんには負けますね」

智美「あんなところと比べられるようなものじゃないよ」

京太郎「・・・」

あかり「あっ、貴方が京太郎お兄ちゃんですか?」

京太郎「うん? 君は?」

あかり「はじめまして、鶴賀学園中等部1年東横あかりです」

京太郎「こりゃどうもご丁寧に・・・そう、俺が清澄高校麻雀部唯一の男子部員! 須賀京太郎だ!」

あかり「清澄の縁の下の力持ち兼マスコットだって聞いてます!」

京太郎「縁の下の力持ちはわかるけどマスコット?」

あかり「優希お姉ちゃんがわんわんみたいだって・・・」

京太郎「コラ! タコステメェ! なに俺の悪評を他校に振りまいてやがんだ!?」

優希「悪評じゃなくて本当のことだじぇ。でも少し間違ってるのは清澄の犬じゃなくて、私の犬だってとこだじぇ」

あかり「優希お姉ちゃんの犬って・・・それ・・・」カァ

京太郎「タコス! 中学生にあらぬ勘違いさせてんじゃねぇぞ!?」

優希「いやん、貴方ったら、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃない」

和「ゆーき!」

咲「そんなのじゃないからね、あかりちゃん」



まこ「ほんに緊張感のない・・・」

久「ガチガチで実力が出せないよりはいいでしょ」

ゆみ「これなら安心して送り出せるよ」

佳織「やっぱりあかりちゃんを連れてきてよかったですね」

モモ「そうっすね」

まこ「おわっ!? なんじゃわれもおったんか」

久「・・・さて、そろそろ行くわ」

智美「がんばれよ~」

佳織「応援してますから」

睦月「精一杯やってください」

モモ「私達の分もいっぱい戦って来るっす」

ゆみ「牌譜、無駄にはしないでくれよ?」

久「わかってるって・・・じゃあ」

まこ「ほれ、お前さんらも行くぞ」

優希「お~う!」

和(穏乃達も見ていてくれてるでしょうか?)

咲(お姉ちゃんと戦う為に、絶対負けられない・・・!)

あかり「じゃあ、あかりもこれで」

久「ちょっと待って。あかりちゃんはこっち」

あかり「えっ?」

まこ「縁起がいいからあかりを控え室に連れて行こう言うて聞かんのじゃ」

和「まったく、あかりちゃんは招き猫ではないんですよ」

久「何だか物扱いするみたいで悪いんだけど貴女の運、私達に貸してくれるかしら?」

あかり「・・・あかりは構いませんよ。あかりの運で良ければ幾らでもあげるって咲お姉ちゃんとも約束しましたし」

咲「あかりちゃん・・・」

あかり「お姉ちゃんいい・・・ってもう皆いない!?」

まこ「わしらのとこみたいな不人気試合でも早めに席取らんと座れんからな」

あかり「だからって薄情ですよぉ! もう~!」

久「ま、まああっちには事前に伝えてたことだし気にしちゃ駄目よ」

咲「よ、よろしくねあかりちゃん」

あかり「む~・・・」



あかり「・・・」ブスッ

和「あかりちゃん、機嫌直してください」

優希「・・・京太郎! 例のブツは!」

京太郎「お、おう。これが俺の特性タコスだ!」

優希「おおっ!」

まこ「ほう、中々美味いな」

優希「メキシカンか、腕を上げたな!」

京太郎「県予選でお前にパシらされたときにタコス屋の場所を教えてくれた人と何故か再会してな。自分でも作れるって言うから作り方を教えてもらったんだよ」

優希「中々良い師に巡りあえたようだな」

京太郎「実際何でも出来るんだよねあの人・・・ほら、あかり」

あかり「あかりも頂いていいんですか?」

京太郎「当然!」

あかり「うわ~ありがとうございます、京太郎お兄ちゃん!」

京太郎「お、おう・・・お兄ちゃんか呼ばれ慣れてないから何だか恥ずかしいな」

咲「・・・京ちゃん、中学生にデレデレしない!」

京太郎「ばっ・・・! してねぇよ!」

和「ゆーきも同じこと言ってましたね」

優希「やっぱり京太郎と私は結ばれる運命・・・」

京太郎「ないない」

久「・・・そろそろね」

咲「優希ちゃん、頑張ってね!」

和「しっかりやってくださいよゆーき」

京太郎「せっかくタコスまで作って来てやったんだ、無様な姿晒したら承知しねぇぞ」

まこ「まっ、われが負けてもわしが取り返しちゃるけ気負わずやりんさい」

優希「おう!」

あかり「優希お姉ちゃん」

優希「あかり、どうしたらあかりから運が貰えるんだじょ?」

あかり「あかりも意識してやってるわけじゃないんで・・・」

久「一緒の場所に居るだけでも貰えてると思うけど・・・そうね、抱きしめてみたらどうかしら?」

優希「よし来た! あかり、行くじぇ!」

あかり「は、はい!」

優希「それ・・・う~ん、のどちゃんみたいに柔らかい感触はないじぇ」

あかり「ゆ、優希お姉ちゃん!? どこ触ってるの!?」

優希「でもやはりまだ若いだけあって二の腕なんかは瑞々しいじょ」

あかり「ひ、ひゃ・・・優希お姉ちゃん・・・!」

和「ゆーき! いい加減にしなさい!」

京太郎「おっさんかおのれは!」

優希「・・・ふぅ、何だかいつも以上に力がみなぎってくる気がするじぇ!」

まこ「なにをみなぎらせたんじゃお前さん」

咲「あ、あはは・・・」

優希「フッフッフ・・・今日はもう染谷先輩の出番すらないじぇ! 私が先鋒前半戦で終わらせる!」

久「あら頼もしいわね」

まこ「そうしてくれると楽じゃがわしも打ってみたいんじゃが・・・」

優希「残念ながらそれは叶わないじぇ。それじゃあ行ってくるじぇ!」

あかり「優希お姉ちゃん、頑張って!」

優希「まっかせるじぇ!」

アナウンサー「これはとんでもないことが起きましたぁ!」

アナウンサー「一回戦第8試合、初出場の清澄高校の先鋒、片岡優希選手。東一局の親で既に7連荘! その圧倒的スピードに他校は手が出せない!」

アナウンサー「しかも驚くべきことに和了ったのは全てが跳満以上! この速さでそれだけの役を7回も作り上げるとは常識では考えられません!」

アナウンサー「ああっっと! そうこう言っている内に8連荘達成だぁ! 今大会では八連荘は採用されていませんので役満とはなりませんが、滅多にある光景ではありません!」

アナウンサー「片岡選手、このまま先鋒戦で試合を終わらせてしまうのか!?」



久「・・・なんというかすさまじいわね」

咲「元々優希ちゃんは東場の火力と速さ異常ですからね・・・」

まこ「こりゃ本当にわしの出番ないかもしれんなぁ」

和(こ、こんなときもありますよねきっと)

京太郎「これが普通に起きたことだったら俺インハイ抜け出してお祓い行くかも・・・」

あかり「す、すごいよぉ。あそこまでなる人初めて見たよぉ」

久「麻雀で対局すると3人全員に分配されちゃう運が1人に集約されたのかしらね? 優希の能力もあいまって凄まじい豪運を呼び込んでる」

和「そんなオカルトありえません。偶々ですよ、偶々」

まこ「ここまで来ると対戦相手が可哀想になってくるのぅ」

咲「随分時間余っちゃいそうですね」

和「まだ東一局、油断は出来ませんよ」

京太郎「いや~、もうこれは勝ったようなもんだろ」

久「ありがとね、あかりちゃん」

あかり「いえ、あかりは何もしてないですし・・・」

あかり(本当に何もしてないのに、あかりが褒められるのはおかしい気がするよぉ)

あかり(本当にこんなことしてていいのかな?)



アナウンサー「決まったぁ! 片岡選手、何と先鋒戦後半東3局で三倍満直撃! 清澄高校次鋒にすら回さず二回戦進出です!」

優希「ただいまだじぇ!」

久「おかえりなさい、よくやったわね優希」

咲「凄かったよ優希ちゃん!」

和「ええ、本当に」

京太郎「見直したぜ!」

まこ「わしゃ打てんでちょっと残念じゃがのう」

優希「でも前半戦で終わらせられなかったのが残念だじぇ」

久「さすがに全国よ、そこまでなめてかかれる相手じゃないってことだわ」

あかり「・・・」

優希「あかり! お前のおかげで勝てたじょ! ありがとな!」

あかり「・・・ううん、あかりが居なくても優希お姉ちゃんは勝ってましたよぉ。こんなに大きくはなくても絶対に」

優希「あかり?」

あかり「合宿のとき見て優希お姉ちゃんが凄い打ち手だってあかり知ってます。だからあかりのおかげで勝てたなんて言わないでください」

あかり「あかりは何もしてません。ただ優希お姉ちゃんに勝ってほしいってお祈りしてただけですから」

優希「あかり・・・」

あかり「皆さんもそうです。皆さん凄い打ち手です。きっと優勝できます。でもそのときにあかりが居たから、あかりのおかげでなんて思ってほしくないです」

あかり「皆さん自身が頑張ったから、そう思ってほしいです。だからあかり・・・」

久まこ咲優希「・・・」

久「・・・そっか、そうよね。ごめんなさい、あかりちゃん。私、勝つことにこだわりすぎて大事なことを忘れていたかもしれない」

あかり「謝らなくていいですよぉ。久お姉ちゃん最後の大会ですから絶対に勝ちたいって思うのわかります。あかりの方こそわがまま言ってごめんなさい」

まこ「まっ、人に頼っとるようじゃこの先勝ち進めそうにもなさそうじゃしのう」

あかり「咲お姉ちゃんもごめんなさい。約束したのに・・・」

咲「ううん、いいんだよ。お姉ちゃんには私の麻雀を見せるって決めたんだ。やっぱり自分の力で戦わないと」

和「さっきからなにを言ってるのかよくわかりませんが、私は最初から自分の力を精一杯出して戦うつもりでしたよ?」

あかり「皆さん・・・!」

優希「うぅ・・・なんか激しい罪悪感が・・・」

京太郎「やっちまったもんはもうしょうがねぇだろ。二回戦からやってきゃいいんだよ。俺もタコスの改良やってみっから」

優希「京太郎・・・!」

あかり(あれ? これって優希お姉ちゃんあかりが居なくても京太郎お兄ちゃんの力を借りてるような・・・)

京太郎「これくらいさせてくれよぉ! じゃないと俺本当にただの雑用になっちまうんだよぉ!」

あかり「ちょっと、京太郎お兄ちゃん!? あかりの心を読まないでくださいよぉ!」

咲「それも雑用の内な気がするけど・・・」

京太郎「咲まで!」

久「あっはは・・・さて、そうと決まれば他校の試合でも見に行きましょうか!」

和「まだどこも次鋒戦ですね」

まこ「第9試合は十中八九姫松が上がってくるじゃろうな」

久「姫松は鶴賀の皆が集めてくれた牌譜があるわ。人も多いでしょうし第7試合の方を見に行きましょうか」

和「ですね」

咲「あかりちゃんはどうする? 鶴賀の人達のとこに帰る?」

あかり「・・・あかりはインターミドルのときの為に会場の周りを覚えておきます」

優希「鶴賀の人達と一緒じゃなくていいのか?」

あかり「いいんです!」

和(あかりちゃん、置いていかれたことまだ怒ってるんですね・・・)

京太郎「でも東京って物騒だぞ? 怖~いおじさんに連れて行かれるかも・・・」

あかり「ひっ・・・」

咲「京ちゃん!」

まこ「ほんならうちから1人付けようかの」

あかり「えっ? でも、試合観戦が・・・」

久「これから二回戦までに録画したのを嫌というほど見るわ。危険な目に遭わせたらただじゃおかないってモモちゃんからも言われてるし」

あかり「う~ん、じゃあ――」

今日はここまでです
あかりに着いて来る人or誰も着いてこないか、外に出たあかりが会う人はまた希望を取ります
宮守は展開上シロかエイスリンか出せませんのでよろしくお願いします

シロかエイスリンしか、です
誤字失礼しました

忘れていました姫松も漫か由子だけでちゃちゃのんは無理です
度々失礼します

投下始めます

あかり「――久お姉ちゃん、着いてきてくれますか?」

久「うん、いいわよ」

まこ「まあ妥当な人選じゃろうな」

優希「咲ちゃんだと気がついたら埼玉とか千葉とかまで行っちゃってるかもしれないからな」

咲「私だってそこまで方向音痴じゃないよ! たぶん」

和「部長、外に出るついでに買出しもお願いできますか?」

久「ええっ?」

まこ「今まで散々京太郎をこき使って来たじゃろうが。たまには自分で行きんさい」

あかり「あかりも手伝いますから!」

久「しょうがないわね。須賀くん、今日の買出しリスト頂戴」

京太郎「はい、どうぞ。と言っても昼飯くらいしかないんですけど」

久「ふむふむ、これならコンビニでいいかしらね。ついでに鶴賀の分も買って置きましょうか。じゃああかりちゃん、行きましょう」

あかり「はい!」

アナウンサー「第7試合、次鋒戦終了!」

まこ「おおっと、わしらも行くぞ」

咲「はい・・・また後でねあかりちゃん」

あかり「はい、行ってきます咲お姉ちゃん!」



久「はぁ、人が多いわね」

あかり「そうですね。皆朝早くから試合を見に来たんですね」

久「そうね。けどこの人数、長野とは全然違うわ」

あかり「東京ですから・・・ん?」

久「どうかした、あかりちゃん?」

あかり「あそこのベンチに誰か倒れてます・・・」

久「・・・あら本当、どうしたのかしら?」

あかり「行ってみましょう!」

久「ちょっとあかりちゃん! う~ん、何だか面白そうだしまいっか」

白望「ダルい・・・」

あかり「あの、大丈夫ですか?」

白望「うん?」

あかり「どこか具合でも悪いんですか?」

白望「う~ん、全身がダルくて動く気力が起きない・・・」

あかり「ええっ!? だ、大丈夫なんですか!?」

白望「大丈夫じゃないかも」

あかり「た、大変! 救急車呼ばないと!」

白望(天然さんかな? メンドくさいなぁ)

久「あかりちゃん」

あかり「あっ、久お姉ちゃん! どうしよう、このお姉さん体が動かないって・・・」

白望「動かないとは言ってないよ・・・どっこいしょ」

あかり「あれ?」

白望「あ~、ダルい・・・」

久「・・・ただ単に疲れてただけなのね」

白望「別にそこまで疲れてるわけでもないけど・・・」

あかり「お姉さん、大丈夫なんですか?」

白望「ん~救急車は呼ばなくていいかなぁ」

あかり「はぁ・・・よかったよぉ。お姉さんがなんともなくて」

久「疲れてるにしても何でこんなところで寝てるの? 制服着てるしインハイの選手なんじゃ・・・」

白望「あ~、もう出番終わったから、買出し行けって控え室追い出されて、でもダルいからここで寝てた」

久「ダルいから寝てたって・・・」

あかり「皆さん心配してるんじゃないですか?」

白望「ん~、たぶんそろそろ――」

エイスリン「シロ!」

白望「エイスリン」

エイスリン「シロ、シンパイシタ。ナニシテタ?」

白望「何もしてなかった」

エイスリン「・・・」カキカキ

エイスリン「ン!」人が蹴られてる絵

白望「ふざけんなってこと?」

エイスリン「シロ、コノコタチダレ?」

白望「知らない人達」

あかり「ええっと、マイネームイズ――」

久「さっきからカタコトだけど日本語話してたでしょ? 私は竹井久。こっちは東横あかり。その白髪の人がベンチで倒れてるように見えたから声をかけたのよ」

エイスリン「アー、シロメイワクカケマシタ、ゴメンナサイ!」

あかり「いえ、そんな。あかりが勝手に勘違いしただけですから。えっと、シロお姉ちゃん? 寝るの邪魔してごめんなさい」

白望「別にいいよ、熱いしそろそろ日陰のベンチに動こうかと考えてたし」

久「まだ寝るつもりだったのね・・・」

エイスリン「シロ、コンナトコロデネタラシヌ!」

白望「いや、死なないから。今の時期だと風邪すらひかないよ」

久「・・・シロさん?」

白望「小瀬川白望」

久「じゃあ小瀬川さん。いつまでも寝ててもしょうがないし、私達と一緒に買出しに行かない?」

白望「え~、ダルい」

エイスリン「シロ、ワガママイワナイ!」

あかり「それにこんなところで寝てたら風邪はひかなくても日射病になっちゃいます」

白望「だから日陰に・・・」

久「動くんならそのまま買出し行って、控え室で寝た方がいいでしょ?」

白望「ん~・・・わかった」

エイスリン「ヨカッタ!」

白望「どっこいせ・・・」フラフラ

あかり「わわっ、本当に大丈夫なんですか白望お姉ちゃん?」

白望「大丈夫・・・あとシロでいいよ」

エイスリン「スイマセンデスタケイサン」

久「いいのよ。何というか苦労してそうね」

エイスリン「ソウナンデスイツモアンナカンジデス」

久「私だったら早々に見捨てそうね・・・それで、えっと貴女の名前は?」

エイスリン「アッ、モウシオクレマシタ、ワタシエイスリンウィッシュアートテイイマス」

久「エイスリンさんも一緒に来る?」

エイスリン「ハイ、シロノオセワシナイトイケマセンカラ」

久「助かるわ、私とあかりちゃんじゃ手に余りそう」

エイスリン「ワタシモソンナニウマクアツカエマセン」

白望「あ~、やっぱりダルい。あかり、おんぶして」

あかり「ええっ!? で、出来るかな」

白望「やれるやれる」

あかり「じゃ、じゃあ、どうぞ」

白望「どうも」ドサッ

あかり「ん、ん~・・・! お、重・・・」

白望「私そんなに重くないと思うけど・・・」

エイスリン「シロ! ナニシテル、アカリカオマッカ!」

久「ちょっとあかりちゃん!? そこまで無理しなくていいのよ!」

あかり「だ、だいじょう・・・ぶっ!」バタッ

白望「あ~、やっぱり無理か」

エイスリン「シロ、ハヤクドク! アカリシンジャウ!」

久「なにを考えてるのよ貴女は!?」

白望「・・・ごめんなさい」

あかり「い、いいんです。あかりも出来るって思ったからやったんですから・・・」バタバタ

白望「あかりは優しい子だね」

あかり「そ、そんなことないです・・・」バタバタ

久「いいからさっさとあかりちゃんの上から退きなさい!」



エイスリン「シロ、イイカゲンニシナイトワタシモオコル!」

白望「だから謝ってるじゃん・・・」

あかり「断らなかったあかりも悪いんです、怒らないであげてくださいエイスリンお姉ちゃん」

エイスリン「アカリワルクナイ、シロガゼンブワルイ!」

久「体格差考えたらどうなるかわかるでしょうに・・・」

白望「はぁ、メンドくさい・・・」

あかり「・・・あかりがもう許したんです、だから久お姉ちゃんとエイスリンお姉ちゃんもこれで終わりでいいですよね?」

エイスリン「ンー、アカリガソウイウナラ・・・」

久「まあ私達が何かされたわけじゃないしね・・・」

白望「・・・ありがとう、あかり。ごめんね」

あかり「ですから、もういいんですよぉ。あかりも疲れてたら誰かにおんぶしてもらいたいって思うことありますから」

エイスリン「アカリ、イイコ! アタマナデル!」ナデナデ

あかり「えへへ・・・くすぐったいですよぉエイスリンお姉ちゃん」

久「じゃあ気を取り直して、買出しに行くとしますか!」

白望「えーっと、皆昼ご飯が欲しいだけか。胡桃は何故かみかんが欲しいらしいけど」

久「みかんねぇ、夏だけどスーパーなら売ってるかしら? よくよく考えてみたら近所のコンビニは全滅しててもおかしくないし、スーパー探しましょうか」

白望「ダルい・・・」

久「ダルいダルい言ってるからダルくなるのよ」

白望「そんなおばさんみたいな・・・」

久「誰がおばさんよ・・・さて、検索検索っと」

白望「お~、スマフォ。便利そうだねぇ」

久「科学の進歩は目覚しいわね~・・・っと、さすが東京だけあっていっぱいあるじゃない」

久「うん、とりあえず近場から行きましょう。あかりちゃん、エイスリンさん、行くわよ!」

あかり「は~い!」

エイスリン「ワカリマシタ!」

白望「はぁ・・・歩きますかぁ」フラフラ

あかり「・・・シロお姉ちゃん」

白望「なに?」

あかり「そんなにフラフラしてたら危ないですから、あかりと手を繋ぎませんか?」

白望「ん~・・・わかった繋ごうか」

あかり「えへへ・・・」

白望「・・・」

あかり「うわわ・・・シロお姉ちゃん!? わざと激しくフラついてるでしょ!」

白望「フラついてるんじゃない、あかりを振り回してる」

エイスリン「アカリ、ワタシトモツナグ。ソシタラシロフリマワセナイ」

あかり「あ、お願いします」

白望「そんなに振り回さないよ、ダルいから」

エイスリン「シンヨウデキナイ!」

あかり「えへへ、振り回されなくてもエイスリンお姉ちゃんとも手を繋ぎたいです」

エイスリン「ジャアテカシテ」

あかり「はい、どうぞ」

エイスリン「アカリノテチイサイ」

あかり「エイスリンお姉ちゃんだってそんなに大きくないよぉ」

白望「歩きづらいんだけど」

エイスリン「ガマン! シロイツモオソクナルカラ、ワタシトアカリガヒッパル」

白望「自分のペースで歩かせてよぉ」

エイスリン「ダメ!」

あかり「シロお姉ちゃん、頑張って歩きましょう?」

久(なんだか仲のいい姉妹みたいね。髪の色バラバラだし1人国籍違うけど)

白望(・・・妹が出来るってこんななのかなぁ? 私等が姉妹だとしたら竹井さんはお母さんか。やっぱりおば――)

久「小瀬川さん? 今失礼なこと考えなかった?」

白望「・・・いや、別に」

久「そう、ならいいわ」

白望(底知れないなぁ)



あかり「エイスリンお姉ちゃんは何で画板を持ってるんですか?」

エイスリン「ワタシ、アマリニホンゴシャベレナイ。ダカラエデツタエル!」

白望「抽象的過ぎて私以外にはあんまり伝わらないけどね」

エイスリン「ソンナコトナイ!」カキカキ

白望(エイスリンの手があかりから離れた。今ならペースを落とせる)

あかり(シロお姉ちゃんの歩く速度があからさまに落ちたよぉ。でも、エイスリンお姉ちゃんも絵を描いてるから遅くなったし、合わせたのかなぁ?)

エイスリン「・・・カケタ!」デフォルメされたあかりとエイスリンが手を繋いで笑ってる絵

あかり「わ~っ! 可愛い!」

白望「・・・それで、それが何を伝えようとしてるかわかる?」

あかり「え? ただ単に今の状況を絵に描いただけじゃないんですか?」

エイスリン「チガウ!」

あかり「え~っと・・・う~ん・・・?」

白望「なんだか妹が出来たみたいで嬉しい、って」

エイスリン「シロ、イッチャダメ!」

あかり「あっ、だからシロお姉ちゃんが描かれてなかったんですね。なるほど・・・」

白望「ほら、やっぱり伝わらなかった」

エイスリン「ウー・・・」

あかり「で、でも、あかりもそう思います! あかりお姉ちゃんいますけど、増えたみたいで楽しいです」

久「合宿からこっち、いっぱい増えたわねあかりちゃんのお姉ちゃん」

あかり「そうですね。こんなにいっぱいの人達と仲良くなれるなんて、昔は思いもしませんでしたよぉ」

エイスリン「アカリ、カワイクテイイコ! キットモテモテ!」

あかり「そ、そんなことないですよぉ。それにあかりが通ってるの女子校ですし」

白望「最近はiPS細胞とかいうのがあるらしいからなぁ」

あかり「シロお姉ちゃんもそれを言うんですか!?」

久「まあ色んな人と知り合うことはいいことよ・・・たとえ敵同士になるかもしれない相手とだって、ね」

白望「・・・! 制服な時点で気がついてたけど竹井さんも選手なんだね」

久「そう、清澄高校の部長よ」

白望「清澄・・・控え室で見たよ。先鋒の子がバカみたいな速さと火力で連荘してた」

エイスリン「・・・ワタシガカエッタトキニハ、モウシアイオワッテマシタ」

白望「・・・!? 先鋒戦だけでどっかを10万点削りきったって言うの!?」

久「フフン・・・言っておくけどあの子はエースじゃないわ。私も含めて後ろにはもっと強いのが控えてるの」

あかり「それはあか――むぐっ!」

久(ごめんなさい。あかりちゃんの力は借りないことにしたけれど、既に起きてしまったことは最大限に利用させてもらうわ)

あかり「む~む~」久に口を塞がれている

白望「・・・」

エイスリン「ウー・・・」

あかり「む~・・・プハァ! い、今はまだ敵同士じゃありませんよぉ!ですから、そんなに怖い顔しないでくださいシロお姉ちゃん」

白望「そうは言ってもねぇ・・・」

エイスリン「・・・ワタシタチマケナイ!」

白望「エイスリン?」

エイスリン「ワタシハマダミジカイケド、クルミモサエモトヨネモ、シロモズットガンバッテキタ!」

エイスリン「ダカラマケナイ!」

白望「・・・エイスリンも頑張ったよ。初心者だから誰よりもね」

白望「そう、私達は負けない。麻雀知らないのに入ってくれたエイスリンや、遠くから来てくれた豊音の為にも」

久(・・・こんな揺さぶりが利く相手じゃないか。逆に奮起させちゃったかしらね)

久「ずっと頑張ってきたのはこっちもだわ。負けられない、負けたくない想いだって貴方達より強いんだから」

白望「そうかな。こう見えて私も麻雀には本気だよ?」

エイスリン「ゼッタイタオス!」

久「それじゃあ二回戦楽しみにしてるわ。勝ち上がってこれたらの話だけど」

エイスリン「ラクショウ!」

白望「必ず私達が上がるから」

久「ふふふ・・・さっ、お話も終わったしささっとスーパー目指しましょうか!」

あかり「・・・び、びっくりしましたよぉ。久お姉ちゃんいきなりあんなこと言い出して」

久「いや~、なんだか気分がノッちゃってね。ここで因縁みたいなの付けとくのも面白いかな~なんて」

あかり「でもなんだか漫画の1シーンみたいでカッコよかったです!」

白望「竹井さんの台詞はまんま悪役だったけどね。それもやられ役の」

久「ははは、残念ながらさっき言ったのは事実だし、やられてはあげられないのよね」

エイスリン「ドントコイデス!」

白望「お~」フラフラ

久「ちょ、ちょっと、何で今やる気出したのにフラフラしてるのよ?」

白望「今出したのは二回戦へのやる気だからなぁ」

久「締まらないわね」

エイスリン「アカリ、コンドハフタリデシロトテツナグ」

あかり「はい、エイスリンお姉ちゃん。ほら、シロお姉ちゃん、早く行きましょう」

白望「はぁ・・・ダルい」



白望「何とか戻ってこれた」

久「そんな大冒険した後みたいなこと言ってるけど、ほんのすぐ近くのスーパーに行って帰ってきただけなのよね」

エイスリン「ミカンアッテヨカッタ」

あかり「胡桃お姉ちゃんも喜びますね」

エイスリン「ウン!」

白望「ありがとう、道案内してくれて」

久「旅は道連れってね。気にしなくていいわよ」

エイスリン「アカリ、ワタシタノシカッタ!」

あかり「あかりも楽しかったですよぉ! また会えたらいっぱいお話しましょう!」

エイスリン「ウン! ニュージーランドノコト、イッパイオハナシスル!」

白望「胡桃達のことも紹介したいしね。時間があればまた会おう」

あかり「はい!」

久「二回戦で会えるって信じてるわよ」

白望「ん・・・じゃあ」

エイスリン「アカリ、タケイサン! オゲンキデ!」

あかり「エイスリンお姉ちゃんと、シロお姉ちゃんも体に気をつけてくださいね! 特にシロお姉ちゃんはもうお外で寝ちゃ駄目ですよぉ!」

白望「善処する」

あかり「もう~、エイスリンお姉ちゃん、シロお姉ちゃんのことちゃんと見ててあげてくださいね、それじゃあ!」

エイスリン「ウン! バイバーイ!」

久「小瀬川さんにエイスリンさん。楽しい人達だったわ」

あかり「はい。シロお姉ちゃん達の高校――宮森女子、勝ちあがってくるといいですね」

モモ「――中堅戦までの結果で言えば勝ち上がると思うっすよ」

久「うわっ!」

あかり「お姉ちゃん!」

久「いつからいたの?」

モモ「会場前に帰ってきた辺りからっす・・・あかり、ごめんなさいっす」

あかり「うん? 何が?」

モモ「デカパイさんから聞いたっす。置いて行ったこと怒ってたって」

あかり「ええっ? あかり、そんなに怒ってないよぉ」

モモ「でも、私達のところに帰りたがらなかったって・・・」

あかり「それは、その・・・ひ、1人でも道を覚えるくらいは出来るって証明したくて・・・」

モモ「なんだ、そんなことっすか。でも、結局悪待ちさんに着いてきてもらったんすね」

あかり「だって東京は危ないって言うから・・・」

モモ「私との約束、ちゃんと守ってくれたんすね」

久「当然よ。私達にとってもあかりちゃんは大切なお友達で妹みたいなものだもの」

あかり「ありがとうございました、久お姉ちゃん」

モモ「む~、あかりは私の妹っす! 誰にもあげないっすよ!」ダキッ

あかり「お、お姉ちゃん」

久「ゆみにも?」

モモ「うっ!?」

あかり「お姉ちゃん・・・?」

モモ「・・・先輩とはいずれ結婚するんっすから、先輩もあかりの義姉になるっす! 何にも問題はないっす!」

久「そう来るか~」

あかり(女同士で結婚することに関して何のツッコミもないの!?)

モモ「だから清澄に貸しはするっすけど、絶対に返してもらうっすからね!」

久「ああ、そのことなんだけど――」

モモ「――そうっすか。まあその方がいいっす。あんなの何度も見てたら飽きるっすから」

久「好き勝手なことばかり言って本当にごめんなさい」

モモ「この大舞台っす。ちょっとくらい図々しくなるのも仕方ないことっすよ」

久「そう言ってくれると助かるわ」

モモ「じゃあ、これからの清澄の試合のときはあかりは私達と一緒に応援するってことっすね」

あかり「うん! 直接は何も出来なくなっちゃいますけどあかり、精一杯応援しますから、久お姉ちゃん達も頑張ってくださいね」

久「ええ、任せといて。優勝まで突っ走って行っちゃうから」

モモ「頼もしいかぎりっす・・・そろそろ中に戻るっす。先輩達がお腹空かせて待ってるっすから」

久「そうね、行きましょうか」

あかり「よ~し、お昼ごはん食べて宮守の応援を頑張るよぉ!」

今日はここまでです
次の投下の話であかりが出会う人の希望を取りたいと思います
今回は制限なしで誰でもいいです

投下します
大阪弁はたぶん変なことになってますがご容赦ください

次の日

あかり(今日こそ1人で東京を歩いてみるって出てきたけど、やっぱりそんなに怖いところじゃないみたいだよぉ)

あかり(でも人が多いのはちょっと大変かな。やっぱりあかりのこと見えてない人が多いし――)ドンッ

洋榎「あいたっ!」ドンッ

あかり「きゃっ! あっ、ごめんなさい!」

洋榎「あたた・・・! 駄目やこれ折れてもうとる!」

あかり「えぇ!? だ、大丈夫ですか!? 救急車を――」

絹恵「大丈夫や、ただの冗談やから」

恭子「大阪人のノリを東京人に求めたらあきませんて主将」

洋榎「なんやつまらんの~、自分そないやと立派な芸人になれへんで?」

あかり「げ、芸人?」

洋榎「か~! そこは芸人になんか興味ないわボケェ! 言うてツッコむとこやろ!」

絹恵「いや、芸人に興味ないならツッコミもせんでええやろ」

恭子「ごめんな。この人昨日麻雀の大会で役満出してちょっとテンション上がってもうとるから」

洋榎「そんなことあらへんわ! うちにかかれば毎局ダブル役満くらい朝飯前やからな!」

絹恵「そないなことなったらその日の内に死んでまうんやないやろか」

恭子「大体今年のルールだとダブルはなしですよ」

あかり「あ、あのぅ・・・」

洋榎「ん? なんや赤団子」

あかり「赤団子!?」

洋榎「そや。赤い髪に団子付いとるから赤団子。これほど明確なあだ名もないやろ」

洋榎「大阪一のあだ名屋とはうちのことやで!」

絹恵「なんやねんあだ名屋て」

洋榎「そら読んで字のごとくあだ名をつける店や。1回300万でローンは組めへんからな。期日までにしっかり払うてもらうで」

あかり「えっ? えっ?」

恭子「せやからやめてください主将。こん子混乱しとりますし話が進みせん」

あかり(なんだかにぎやかな人達だよぉ)

洋榎「しゃーないな。ほんで、うちになんか言いたいことがあるんか?」

あかり「あっ、はい。足、本当に大丈夫なんですか?」

洋榎「ああ、なんや、それならこの通り! 幾らでも飛び跳ねられるくらいにぴんぴんしとるわ」

あかり「そうですか、よかった・・・」

洋榎「絹みたいにパンパンなるまで鍛えとらんけど、あれくらいやったら平気やで」

絹恵「ちょ、お姉ちゃん! 人が気にしてることを!」

恭子「中学までサッカー部やったんやししゃーないやろ。というか言うほど太くもないし」

あかり「でも、すいませんでした。あかりの不注意でぶつかってしまって」

洋榎「せやなぁ・・・うちは怒っとらんけど仁義っちゅーもんは通さなあかんやろなぁ・・・」

あかり「ひっ・・・」

絹恵「お姉ちゃん! こないな小さい子脅かしたらあかんやろ! ほら、そんな怖がらんでもええんやで」

あかり「は、はい・・・」

洋榎「ガウッ!」

あかり「ひ、ひぇ~!」

絹恵「お姉ちゃん!」

洋榎「ははは! いやすまんな、なんや怯えとる姿が可愛くてな」

恭子「だからって初対面の子こんなビビらすのはどうかと思いますよ・・・えっと、名前はなんて言うん?」

あかり「と、東横あかり、です」

恭子「そう、じゃああかりちゃん。このちんちくりんな姉ちゃんは見たとおりノリだけで生きとるから、そない必死に私の後ろに隠れんでええで」

洋榎「コラ、恭子! こない美少女捕まえてちんちくりんとはなんや!」

絹恵「ノリだけで生きとるいうところは否定せんのやね」

洋榎「そやった。うちかてノリだけやのうてご飯も食っとるわ!」

恭子「そっちの海苔とちゃいますわ」

あかり(す、すごい。これが大阪の人の会話・・・使ってる言葉は池田先輩に似てるけど、おっとりしてる先輩と違ってテンポが速くて着いていけないよぉ)

洋榎「まあええわ。そっちが名乗ったんやからこっちも名乗らなあかん流れやな」

洋榎「うちは愛宕洋榎。南・・・いや大阪最強の麻雀打ちや!」

恭子「荒川憩・・・」ボソッ

洋榎「う、うっさいなぁ! 去年はちぃーっと腹が痛かったんと、1年坊の荒川に花持たせてやっただけや!」

絹恵「いやお姉ちゃんそんなことせんやろ。私が麻雀部入ったときも手加減なんかしてくれへんかったし」

洋榎「あ、荒川が泣いて頼むからしょうがなくなぁ――」

恭子「はいはい、こんなとこで荒川さんの嘘っぱちな悪評流したらあきませんよ主将・・・私は末原恭子。私と主将は3年生や」

あかり「洋榎お姉ちゃんと、恭子・・・お姉ちゃん」

恭子「どしたん? なんや私のことお姉ちゃん言う前に言いよどんどったけど」

洋榎「恭子のお姉ちゃん力が足らんねん。うちの溢れるばかりのお姉ちゃん力貸したろか?」

恭子「いりません。それに私には絹ちゃんの方がよっぽどお姉ちゃん力高いように見えますけどね」

絹恵「胸見て言うとりますやろ先輩」

洋榎「ふ、ふん! うちかて脱いだら凄いんやぞ! 見せられんのが申し訳なくて泣けてくるわ! ちくしょう・・・」

あかり「ああいえお姉ちゃん力がどうこうじゃなくて、あかりの幼馴染にも京子って人がいて、その人のことは京子ちゃんって呼んでるからなんだか言い辛くて」

洋榎「そない珍しい名前でもなし、被ることもあるやろな。やったら恭子姉やんとでも呼び」

恭子「・・・まあ呼び方は何でもええよ。なんやったら恭ちゃんでもええで」

あかり「いえ、恭子お姉ちゃんって呼ばせてもらいます」

恭子「そか。まああかりちゃんの好きにし」

洋榎「その京子ちゃんを間違えてお姉ちゃん呼ぶことになっても知らんで」

あかり「き、気をつけます・・・」

絹恵「ほんじゃあ私やな。私は愛宕絹恵。さっきからお姉ちゃん言うとるからわかるやろうけど洋榎お姉ちゃんの妹や」

恭子「ほんま全然似とらん姉妹ですわ」

洋榎「せやから胸の話はやめ!」

恭子「いや胸だけやないですからね。性格とかも絹ちゃんの方がしっかりしとりますわ」

絹恵「そ、そんなことないですよ。お姉ちゃんだってたまにしっかりするときありますよ」

洋榎「たまにってなんやねん。うちはいつでもしっかりくっきりしとるわ!」

あかり「絹恵お姉ちゃん、ですね」

絹恵「お、お姉ちゃん・・・お姉ちゃんかぁ・・・」

洋榎「なんや絹、そわそわして」

絹恵「だ、だって私今までお姉ちゃんなんて呼ばれたことないから嬉しくて・・・」

洋榎「あー、浩子も絹とタメやもんな」

恭子「お姉ちゃんっぽくても妹やからね」

絹恵「な、なんや恥ずいな・・・」

洋榎「うちのことお姉ちゃんお姉ちゃん言うてくっついて回っとった絹も、遂に自分がお姉ちゃん呼ばれるようになったかぁ」

絹恵「お姉ちゃん! 私そんなことしとらん!」

恭子「お姉ちゃん追っかけて同じ高校入ってきたくせによう言う」

絹恵「末原先輩! 余計なこと言わんといてください!」

あかり「絹恵お姉ちゃんは洋榎お姉ちゃんのこと大好きなんですね。あかりにも本当のお姉ちゃんがいますからその気持ちわかりますよ」

絹恵「あ、あかりちゃん・・・」

洋榎「うちみたいに偉大な姉を持った妹としては当然のことやろな」

絹恵「・・・その辺はノーコメントっちゅーことで・・・ところであかりちゃんはなんか用事あるんか?」

あかり「いえ、ただ道を覚えようと思って歩き回ってるだけです」

絹恵「せやったら私等と一緒に来ん? 1人で歩き回っとってもつまらんやろ?」

あかり(ど、どうしようかな。本当は1人で知らないとこ歩くくらい出来るってお姉ちゃんに証明したいんだけど・・・)

絹恵「・・・」

あかり(絹恵お姉ちゃん、なんだかあかりのこと気に入ってくれたみたいだしここは――)

あかり「じゃあご迷惑でなければ一緒させてください」

洋榎「まあ迷惑やないけど・・・」

恭子「私等今から善野監督のお見舞いに行くんやで? 初対面のあかりちゃん連れてってどないするん?」

絹恵「え、ええですやん。せっかくのお見舞いですし人多い方が監督も喜びますって」

洋榎「子供好きそうな感じではあるなぁ」

恭子「・・・まあええわ。ほな一緒に行こかあかりちゃん」

あかり「はい! よろしくお願いします」

絹恵「一緒におる間は私のこと本当のお姉ちゃんやと思って敬語なんて使わんと話していいよ」

あかり「うん、絹恵お姉ちゃん!」

絹恵「へへ・・・ええなぁこういうの」

洋榎「・・・絹が姉やったらうちは大姉や! ただの姉より倍以上に尊敬して優遇せんとあかんで!」

あかり「大姉?」

絹恵「上の姉やからって偉いっちゅーわけでもないやろ」

洋榎「いーや、歳も麻雀の腕もうちの方が上や。やからうちの方が偉い!」

絹恵「なんの理屈やねんそれ」

恭子「バカやってないで早いとこ行きますよ」

絹恵「はい・・・手繋ごか。はぐれたらあかんから」

あかり「うん!」

洋榎「ちょいまち! うちが繋いだるから絹は離し」

絹恵「ええ? 別に変わらんでええけど」

あかり「洋榎お姉ちゃんも繋ぎます?」

洋榎「いや一緒に繋いだら意味ないっちゅーか・・・」

恭子(主将、絹ちゃん取られたみたいで悔しいんやろな。まだまだ子供ですね)

絹恵「そういえばあかりちゃん、道を覚えるいうことはこっちの人やないん?」

あかり「うん。長野から応援に来たんだよぉ」

洋榎「長野言うたら・・・次のうちらの対戦相手やないか!」

恭子「清澄高校・・・先鋒戦だけで他校を10万点削り切りおった化けモンがおるとこ・・・」

あかり(あ~、本当のこと言っちゃ駄目だよね)

洋榎「まっ、漫なら負けへんやろ。恭子が選んだんやし」

恭子「そうですね。あんな馬鹿ヅキ何度もあったらたまりませんし」

絹恵「取られた分は取り返したったらええですしね」

あかり(すごい、全然気後れしてない。これがインターハイ常連校かぁ)

洋榎「それにしても大した自信やな」

あかり「はい?」

洋榎「道覚えるっちゅーことはまた来るっちゅーことやろ? 来年もまた勝つて思っとるんやろ?」

あかり「そうじゃないです。インターミドルでまたこっちに来るからそのときの為にです」

絹恵「へぇ、インターミドル出るんか。凄いやん」

あかり「ううん、あかりは選手じゃないよ」

恭子「ふぅん、あかりちゃん今何年?」

あかり「1年です」

恭子「やったらしゃーないわ。大会なんて1年が早々出られるもんやないからな」

洋榎「去年の龍門渕みたいに全員1年だけっちゅー方が異常やねん」

絹恵「気にしたらあかんよあかりちゃん」

恭子「おっ、1年でスタメン入りした人の言うことは説得力が違いますな」

絹恵「先輩! 秋季大会やから大げさにとらえんでいい言うたの先輩ですやん!」

あかり「でも凄いよぉ絹恵お姉ちゃん!」

絹恵「あかりちゃん・・・ありがとう」

洋榎「ふんっ、うちなんか中学生の頃からぶいぶい言わせとったで!」

恭子「絹ちゃんも中学の頃はサッカーでぶいぶい言わせとったでしょ」

絹恵「そこまででもないですって」

病院

洋榎「邪魔するで~」

善野「邪魔するんやったら帰って~」

洋榎「あいよ~ってなんでやねん!」

絹恵「お姉ちゃん、ここ病院やで」

恭子「個室とはいえ大声だしたらあきませんって」

洋榎「お、おう忘れとったわ」

善野「ふふふ・・・でも久しぶりに元気な姿を見れて嬉しいわ」

恭子「監督も元気そうで何よりです」

善野「ええ。最近は容態も安定してきたから試合見に行くことも出来るかもしれないわ」

絹恵「無理したらあきませんよ」

善野「ありがとう絹恵」

あかり「・・・」

善野「あら? その可愛い子は誰かしら?」

洋榎「うちらの生き別れの妹の愛宕あかりです」

あかり「えぇ!?」

善野「あらあら、絹恵の下にも妹がいたのね」

洋榎「はい。色々事情があって別れ別れになっとったんです。それがまた聞くも涙語るも涙で――」

絹恵「そんなんやないですからね。さっきそこで会って仲良くなった子です」

あかり「はじめまして、東横あかりです」

善野「そう、あかりちゃんと言うのね。こちらもはじめまして、私は善野――ゴホッ!」

恭子「か、監督!?」

洋榎「大丈夫かいな!?」

善野「だ、大丈夫よ。心配かけてごめんなさい洋榎、恭子」

絹恵「やっぱりまだ具合悪いやないですか」

善野「そりゃあ問題がなければ退院しているわ。たまにこうやってせきが出たりするだけよ」

恭子「はぁ、やっぱり完治するまで出歩いたりしたら駄目ですよ!」

善野「ずっと寝たきりじゃ気も滅入って逆に体によくないわ。教え子の頑張ってる姿を近くで見たほうが治療にもなるの」

洋榎「それでまた倒れられでもしたら集中できませんて。少なくとも次の試合はここで見るだけにしといてください」

善野「はいはい」



善野「洋榎、昨日の試合の清老頭見事だったわ。あれはきっと私でも振り込んでいた」

洋榎「せやろ~さすがやろ~?」

善野「ふふふ・・・姫松のエースとしてこれからも皆を引っ張って行くのよ」

洋榎「はい、うちに任せとけば白糸台でも臨海でも小指の先だけで倒したります」

恭子「小指の先てほんまに殴りあうわけでもなしに」

善野「絹恵もよくやったわ。もうすっかり姫松のレギュラーね」

絹恵「そんな、まだまだですよ」

善野「恭子もよかったけど、ちょっと慎重になりすぎてるところがあるわね。時には大胆に攻めて行くことも大事よ?」

恭子「はい・・・」

洋榎「やっぱり恭子にはちょい厳しいなぁ監督は」

善野「目をかけてる子には厳しくするのが私のやり方なのよ」

洋榎「ちゅーことはうちには目をかけてくれてへんいうことですか?」

善野「洋榎にはもう私から教えられることは何もないわ。多くの強い打ち手と打って、実戦の中で学んでいきなさい」

洋榎「へへ・・・そんだけ買ってもらえとると嬉しいです」

善野「赤坂さんは顔が広いから色んな打ち手を呼んでくれると思う。貴女には私より彼女の方が指導者として適してるかもね」

洋榎「え~、あのオバハン胡散臭くてかないませんわ。確かにプロでもすぐ呼び出してくれますけど」

恭子「私等の監督は善野監督だけです!」

善野「ありがとう。でも赤坂さんは私が倒れた後の姫松を立て直してくれたのよ? 悪く言っては駄目」

恭子「でも・・・」

善野「プロにも顔が利くということはそれだけ実力もあるということ。信じてあげなさい」

恭子「・・・はい」

善野「よろしい。さあ、もう行きなさい。インターハイはまだまだこれからなんだから、練習あるのみ」

絹恵「わかりました」

洋榎「快勝したりますから心配せんと見てください」

恭子「また来ますから」

善野「ええ、漫と由子にも頑張るように伝えてね」

恭子「はい」

あかり(・・・結局空気なままで終わったよぉ)

善野「あかりちゃん」

あかり「・・・! は、はい」

善野「ちょっとこっちに来てくれるかしら」

あかり「わかりました」

善野「・・・」ダキッ

あかり「わわっ」

善野「・・・とても優しい力ね」

あかり「え? あかりの能力のこと、わかるんですか?」

善野「ええ。こう見えて今まで色んな子を見てきましたもの」

善野「他人に幸運を与える力。こんな力を持ってるなんて、あかりちゃんはとても優しくて思いやりのある子なのね」

あかり「そ、そんなことないです」

善野「ううん、確かに伝わってくるわ。あったかい力と心が」

善野「少しだけ貴女の力を貸してね? 恭子にはまだ私が必要なみたいだから」

あかり「恭子お姉ちゃんのこと本当に大切に想ってるんですね」

善野「ええ、とってもね」

洋榎「あかり、何してるんや――ってほんまに何してるんや!?」

あかり「あっ、洋榎お姉ちゃん」

洋榎「なんや監督、嫁き遅れたからせめて子供を持つ体験だけでもしたいっちゅー――」

善野「洋榎・・・?」

洋榎「あ、いえ、なんでもないですすいません・・・」

善野「じゃああかりちゃん、また来てくれると嬉しいわ」

あかり「はい! それじゃあ善野さん、お大事に」

善野「あかりちゃんもね」

洋榎「はぁ~やっぱり病院は息が詰まるなぁ」

恭子「監督、元気になってくれるやろか」

絹恵「なりますよ絶対。私等が気張って戦えばすぐにでも」

恭子「・・・せやな。よし、気合入れて行くで!」

洋榎「そやったらあかりとはここでお別れやな」

あかり「そうですね・・・」

絹恵「ごめんな。わけわからんとこ連れてって勝手に話し込んで」

あかり「あかり楽しそうにお話してる人を見るのも好きだから、大丈夫だよぉ」

洋榎「監督もなんや嬉しそうやったし来てくれてほんまよかったわ」

あかり「あかりも洋榎お姉ちゃん達とお友達になれて本当によかったです!」

恭子「明後日の試合、1番は清澄応援するやろうけど2位抜けもありやし、姫松もちょこちょこ応援したってな」

あかり「ああ、それはその・・・」

絹恵「・・・?」

あかり「実は――」

洋榎「――なるほどな。その宮守っちゅーとこにも知り合いがおるわけやな」

あかり「はい、ごめんなさい」

恭子「いや、謝ることやないやん」

あかり「でも、応援――」

洋榎「はっ、見くびってもろたら困るなぁ。うちらは大阪・・・いや関西最強の姫松やで。清澄やら宮守なんぞ聞いたこともないとこに負けるわけあらへん」

恭子「千里山・・・」ボソッ

洋榎「せやからうっさいねん恭子! 一々余計な口挟むなや!」

洋榎「ともかくや! うちらの心配なんかせんと清澄と宮守のこと心配しい」

絹恵「声嗄らすまで応援せな私等には勝てんで」

恭子「そーゆーことやから、私等のことは気にせんでええ」

あかり「・・・宮守はまだよく見てないからわかりませんけど、清澄は負けません!」

洋榎「ほほう、言うなぁ」

絹恵「その意気やであかりちゃん」

恭子「まあ楽しみにさせてもらうわ」

洋榎「ほな、うちらはそろそろ行くで」

絹恵「またなあかりちゃん」

恭子「迷わんよう気ぃつけて」

あかり「・・・あの!」

洋榎「ん?」

あかり「・・・その、あかり清澄と宮守の応援しますけど、だけど、洋榎お姉ちゃん達も頑張ってください!」

洋榎「おう! 見とけや、うちらがすぐにぶっ倒したるから、そんときは泣かんと次から姫松の応援してくれや!」

絹恵「あかりちゃんも来年はレギュラー取れるよう頑張りや!」

恭子「お互い精一杯やろうて清澄の大将に伝えとって!」

あかり「はい!」

あかり(やっぱりすごいなぁ。自分達が強いって自信を持ってるんだ)

あかり(あかりもあんな風に言えるようになる日が来ればいいなぁ)

あかり「ふぅ・・・だいぶ歩いて大体の道は覚えたよぉ」

あかり「これでインターミドルも大丈夫――」ドンッ

玄「きゃっ!」ドンッ

あかり「ああっ、すいません! 大丈夫ですか?」

あかり(またぶつかっちゃったよぉ。もう~やっぱりステルスは不便だよぉ)

玄「大丈夫・・・」

あかり「そうですか、よかった」

玄(う~ん? この子小さいけど見落とすほどじゃないよね? 何で気がつかなかったんだろ?)

あかり「じゃあ、ご迷惑かけました」

玄「あっ、ちょっと待って!」

あかり「なんですか?」

玄「えっとね、この近くでカイロ売ってるとこ知らない?」

あかり「カイロ?」

玄「そう、あったか~くなるやつ」

あかり「ん~確か昨日行ったスーパーに何故か置いてたような」

玄「本当!? じゃあ、悪いんだけど案内してくれるかな?」

あかり「いいですよ」

玄「うわ~ありがとう!」

あかり「いえ。あっ、私、東横あかりって言います」

玄「私は松実玄、よろしくねあかりちゃん!」

あかり「はい、玄お姉ちゃん!」

玄「お姉ちゃん! いい響きだな~」

あかり「・・・?」

玄「ああ、ううん、私妹でいつもは自分が呼ぶ側だからなんだか嬉しくて」

あかり「さっきも同じこと言う人に会いましたよぉ」

玄「そうなんだなんだか変な縁だね・・・よ~し、あかりちゃん! この玄お姉ちゃんに何でもおまかせあれ!」

あかり「・・・あかりが道案内するんですよね?」

玄「・・・そうでした」

あかり「それにしても、何でこの真夏にカイロなんて欲しがってるんですか?」

玄「私が欲しいんじゃなくてね、お姉ちゃんが欲しがってるの。お姉ちゃんとっても寒がりだから」

あかり「今暑いくらいなんですけど」

玄「防寒着をガチガチに来てマフラー巻くくらいには寒いって」

あかり「ええぇ!? 大丈夫なんですかそれ?」

玄「私も時々心配になるけど昔からだし大丈夫だよ」

あかり「へ~、世の中には色んな人がいるなぁ。でも、そこまでしてもまだ寒いんですか?」

玄「うん。外にいるのは大丈夫なんだけど、室内だとエアコンがね」

あかり「あ~、エアコンは少し効きすぎだと思う所もありますよね」

玄「急な体温の変化は体に悪いって言うから、お姉ちゃんみたいにしてる方が実は健康にはいいのかもね」

あかり「いや、普通の人だったら熱中症になって倒れちゃうと思いますよ」

玄「でも穏乃ちゃんみたいに裸にジャージ1枚っていうのもよくないよね」

あかり「裸ジャージ!? って驚いてるけど一お姉ちゃんや和お姉ちゃんの私服も凄かったよぉ」

玄「和? もしかして全中チャンプの原村和のこと?」

あかり「はいそうですけど、お知り合いなんですか?」

玄「うん! 和ちゃんは昔奈良に住んでてね、その頃一緒に麻雀打ったり、遊びに行ったりしてたんだ」

あかり「そうだったんですね。ということは玄お姉ちゃんは奈良の人なんですね」

玄「そうだよ。しかもなんと麻雀インターハイの奈良代表校選手なのだ!」

あかり「ええぇ!? す、すご~い!」

玄「ふふ・・・阿知賀女子麻雀部って言うんだよ。清澄とはブロックが違うから見てくれてないかな?」

あかり「は、はい」

玄「明日試合があるからよかったら応援してね」

あかり「わかりました! 頑張って応援します!」

あかり(ブロック違うならいいよね?)

玄「ありがとね。それにしても和ちゃんかぁ。懐かしいなぁ」

あかり「昔の和お姉ちゃんってどんな人だったんですか?」

玄「そうだね~、ちょっと負けず嫌いで、だから何にでも一生懸命な友達想いの優しい子だったよ」

あかり「今と変わりませんね」

玄「そっか。ずっと会ってないからなぁ」

あかり「オカルトを信じないのは昔からですか?」

玄「そうそう。私にも能力があるんだけどそんなオカルトありえません! っていっつも言われてた」

あかり「あかりも言われました」

玄「あはは、相変わらずなんだね。でも、おもちは大きくなったのかな?」

あかり「おもち?」

玄「ううんなんでもない・・・小学生でも中々のものをおもちだったから、きっと今では凄まじいものを・・・」ブツブツ

あかり「く、玄お姉ちゃん?」

玄「はっ! 失礼、自分を見失ちゃってた」

あかり(玄お姉ちゃんがそこまで執着するおもちってなんなんだろう?)

玄「まあそうやって仲良くしてたんだけど、通ってた麻雀教室もなくなって、憧ちゃん・・・私達と仲良くしてた子が別の中学に行っちゃったの」

玄「もう1人仲良くしてた子・・・穏乃ちゃんともクラスが違って最後は皆疎遠になって別れちゃったんだ」

あかり「そう、だったんですか・・・」

玄「・・・でもね」

あかり「でも、どうしたんですか?」

玄「穏乃ちゃんがインターミドルで優勝する和ちゃんを見てね、また一緒に遊びたいって言い出したの」

玄「それで私がいつか誰か帰ってくるんじゃないかってずっと待ってた麻雀教室に使ってた阿知賀の部室に来てくれた」

玄「そしたら憧ちゃんも来てくれて・・・すぐにお姉ちゃんと知り合いの子が入ってくれて、麻雀教室の先生も帰って来て麻雀部が復活したんだ」

玄「嬉しかったなぁ。皆でまた麻雀を打てる日をずぅっと待ち望んでたから」

あかり「玄お姉ちゃん・・・」

玄「そうして私達はここまで来た。もう1度和ちゃんと遊ぶために」

あかり「でもブロックが違うってことは・・・」

玄「そう、決勝まで行かなきゃ会えない。しかもこっちのブロックにはあの白糸台がいる」

あかり「・・・」

玄「でも絶対負けない。あの日から今まで頑張ってきた時間を無駄になんかしない」

玄「・・・なんて、ちょっと気取りすぎかな?」

あかり「そんなことないです! 玄お姉ちゃんとってもカッコよかったです!」

玄「あはは、ちょっと恥ずかしいけどね。でも負けたくないって思いは本当だよ」

あかり「はい! 清澄も阿知賀も絶対決勝戦まで行けます!」

玄「うん! その為にもいっぱい頑張らなきゃ!」

あかり「あかりも一生懸命応援しますね!」

玄「えへへ、よろしくねあかりちゃん!」

あかり(皆色んな想いをかけてインターハイを戦ってるんだね)

あかり(咲お姉ちゃんのこと物語の主人公みたいって言ったけど、きっとインターハイに出てる皆がそうなんだ)

あかり(あかりもいつか咲お姉ちゃんや玄お姉ちゃんみたいに熱い想いをかけて大会を戦ってみたいよぉ)

玄「ありがとねあかりちゃん。カイロきっとお姉ちゃんも喜ぶよ」

あかり「いえ、お役に立てたなら光栄です」

玄「和ちゃんによろしく・・・は言わなくていいかな。決勝戦でまさかの再開っていう方がドラマチックだもんね」

あかり「和お姉ちゃん、気づいてないんでしょうか?」

玄「どうかな。でもちょっと抜けてるというか集中すると周りが見えなくなる子だから可能性はあると思うよ」

あかり「じゃあ和お姉ちゃんにはナイショで」

玄「ナイショでね。それじゃああかりちゃん、明日の応援よろしくね」

あかり「おまかせあれ!」

玄「ふふふ・・・またね」

あかり「・・・阿知賀女子かぁ、勝ち上がってくればいいなぁ」

モモ「そうっすね」

あかり「うわぁ!? お姉ちゃん、いつからいたの!?」

モモ「スーパーの中で見かけてからっす」

あかり「まったく気がつかなった・・・」

モモ「遂にあかりにまで見つけられなくなったっすか。お姉ちゃん悲しいっす」

あかり「お姉ちゃんだってあかりのこと時々見失うじゃない」

モモ「それは先輩に目が行ってるからであってけしてあかりが見えないわけじゃないっす」

あかり「・・・ゆみお姉ちゃんと会う前からなんですけど」

モモ「あ~、まあともかくもう気はすんだっすか?」

あかり「・・・うん」

モモ「だったら一緒に帰るっす。お昼ご飯どっかで食べてから」

あかり「あかりオムライスが食べたいな」

モモ「オムライスっすか。じゃあファミレスとか探してみるっすか」

あかり「うん!」

モモ「じゃあ行くっすよ」

あかり「お姉ちゃん、手繋ごう」

モモ「この人の数っすからね。離しちゃ駄目っすよ」

あかり「大丈夫だよぉ!」

あかり(お姉ちゃんはあかりのこと忘れないって言ったけど、和お姉ちゃんと玄お姉ちゃん達みたいに別れちゃう日が来るのかな)

あかり(1人で歩くよりお姉ちゃんと手を繋いで歩く方が楽しかった。だから、そのときが来るまではこうして・・・)

今日の投下はここまでです
善野さんはまだ一言も台詞がないのでこんなだったらいいなというキャラで書かせてもらいました
照は希望で出なくても登場させようと思っていましたのでまたの機会に回させてもらいます

投下開始します

次の日

佳織「おはようあかりちゃん」

あかり「佳織お姉ちゃん。おはようございます」

佳織「いつもながら早いね」

あかり「今日は昨日知り合った玄お姉ちゃんの試合があるんです」

佳織「玄・・・さん? どこの人?」

あかり「阿知賀女子って言ってました」

佳織「う~ん、聞いたことないなぁ」

あかり「奈良の代表校らしいです」

佳織「奈良・・・麻雀部の皆で牌譜を集めたときは晩成ってところのを集めたような。そこに勝ったんだね」

あかり「晩成は強いところなんですか?」

佳織「私は牌譜を見て強い弱いなんてまだわからないからなんとも言えないんだけど、40年で39回もインハイ出場してるって言ってったっけ」

あかり「1回しか負けたことがないんですね。玄お姉ちゃん達そんなところに勝ってきたんだ、凄いよぉ!」

佳織「私も一緒に見て勉強しようかな。高度すぎて参考にならないかもしれないけど」

あかり「あかりも応援しながら勉強しますから一緒に頑張りましょう!」



えり「さあ、2回戦第2試合も後半戦オーラス。トップを走るのは千里山女子、園城寺怜!」

えり「大きく沈んでしまっている阿知賀女子松実選手、この親で挽回なるか!?」

玄(うぅ・・・みんなの大事な点棒いっぱいとられちゃった・・・)

玄(ラス親・・・だけど和了れる気がしないよぉ・・・)

玄手牌 4赤56萬赤568筒14赤56索ドラ2萬×3

怜「リーチ」

玄(お、お姉ちゃ~ん!)

ソフィア(千里山のリーチ・・・結局この2半荘で一度も潰せなかった)

ソフィア ツモ牌 4筒

ソフィア(ここで来るか・・・)

ソフィア(阿知賀のドラロー、この点差なら手は恐らく三色のどっちか)

ソフィア(河に5筒は2枚出てる、同順か。3索と7萬も出してるから4、5、6の順子。ほんとに読みやすいなぁ)

ソフィア(普通ならこんなの切らないけどさ、リーチかけてんだよね私も)

ソフィア(まだ聴牌じゃありませんように・・・)パチッ

玄(4筒! あれをチーすれば聴牌・・・だけど、8筒か1索の単騎待ちになる)

玄(食いタンを狙いたいから必然的に8筒だけどこっちはもう2枚出てるし)

玄(もし園城寺さんか新井さんが持ってたら和了れないよ)

玄(ここでチーしてもこの巡で和了れなかったら最後の赤5筒か2萬が来て聴牌止まり確定、その次でも和了れなかったら聴牌まで崩さないと・・・)

玄(・・・悩んでる場合じゃないよね。ここで鳴かなきゃ次が来ないんだもん!)

玄「チー!」

ソフィア(はぁ・・・助かった)

怜(阿知賀が鳴いた!? 今までえらい静かやったから鳴かへんもんやと思っとったわ)

美幸(初めて一発消したよも~)

玄(お願い! ここでやらなきゃ皆に申し訳が立たないよ!)パチッ

えり「松実選手、ここに来て初めて鳴きを入れ聴牌です!」

咏「これで食い下がりの三色にドラ6、食いタン入れて親倍かぁ。おっそろしいね~ドラってのは」

えり「しかし地獄単騎です。和了れるでしょうか?」

咏「わっかんね~・・・ただ」

えり「ただなんです三尋木プロ?」

咏「・・・いんや、なんでもないよ」

咏(一昨日話題になってた清澄のバカヅキちゃんから感じた気配、ドラローちゃんからも微かに感じるんだよね・・・)

美幸(こんなのオリだよも~。皆、後は任せたよも~)パチッ

怜(鳴かれたからずれるのはわかっとったけども・・・)

怜 ツモ牌 8筒

怜(やっぱ調子こいとったらあかんなぁ)パチッ

玄(・・・! やったぁ!)

玄「ロン! 24000です!」

怜「はい」

玄(連荘・・・勝てそうならしたいけどせっかく取り返した点を減らされるだけになっちゃいそうだから・・・)

玄「ここでやめにします。ありがとうございました」

怜「おつかれさん」

怜(まっ、妥当な判断やろな)

ソフィア「しんどいわ~」

美幸「おつかれっした~も~」

えり「先鋒戦終了! ラス親の阿知賀女子学院が千里山女子に親倍を直撃するも順位は変わらず。関西最強の名は伊達ではなかった!」

咏「まっ順位変わらずって言っても阿知賀はだいぶ楽になったんじゃね? 知らんけど」

咏(いやはやまさか本当に一発で出和了るとは。藤田さんが今年の大会は異能の打ち手を選出してるようだって言ってたけど、選手以外にも目を向けた方がいいのかもねぃ)



あかり「はぁ・・・玄お姉ちゃん最後に和了れてよかったよぉ」

佳織「・・・」プスプス

あかり「あぁ!? 佳織お姉ちゃんが頭から煙吹いてる!?」

智美「ワハハ、あまりにも難しすぎて頭が追いつかなかったんだな」

ゆみ「この園城寺と言う奴、やはり三尋木プロの言うように1巡先が見えるようだな」

モモ「相手の当たり牌もわかってるみたいっすね。チートっすよチート」

睦月「モモさんがそれを言いますか・・・」

佳織「の、能力を考慮した打ち方はやっぱり私にはまだ理解できないよ・・・」

智美「大丈夫だぞ佳織、私にも園城寺にはどう対処すればいいかわからん」

ゆみ「東場の片岡のような早和了や天江の一向聴地獄のような相手の手を制限するような能力なら或いは・・・」

睦月「・・・つくづく麻雀の話をしてるとは思えませんね」

あかり「阿知賀、勝ってくれるかなぁ?」

モモ「私等には応援することしか出来ないっすよ」

あかり「うん、頑張ってください阿知賀の皆さん!」



えり「試合終了! 準決勝進出は阿知賀女子学院と千里山女子です!」

あかり「やったよぉ! 阿知賀が勝った!」

智美「1位に大差付けられて2位抜けだけどな」

ゆみ「なんとか原点割れは逃れたがこれは厳しいかもしれんな」

あかり「だ、大丈夫です! 麻雀は運の要素が強いってあの衣お姉さんも言ってましたし!」

モモ「その後にある程度のレベルまではって言ってたっすけどね。たぶんそのある程度のレベルは超えてるっすよ」

あかり「め、面子も変わりますし!」

佳織「面子が変わるって言っても・・・」

睦月「うむ・・・」

えり「――明後日の準決勝は阿知賀女子学院、千里山女子、新道寺女子、そして白糸台高校で行われることとなります」

ゆみ「・・・確か白糸台の先鋒は宮永照だったか」

智美「ナデコ含め多くの打ち手にトラウマ植えつけただろう高校最強の打ち手だな」

あかり「う、うぅ・・・」

モモ「まあ私達がこんなこと言ってったってしょうがないっす。阿知賀の人達だってやられっぱなしじゃないはずっすから」

智美「ワハハ、そうだな。よし、もういい時間だし買出しに行くぞ~」

智美「1位に大差付けられて2位抜けだけどな」

ゆみ「なんとか原点割れは逃れたがこれは厳しいかもしれんな」

あかり「だ、大丈夫です! 麻雀は運の要素が強いってあの衣お姉さんも言ってましたし!」

モモ「その後にある程度のレベルまではって言ってたっすけどね。たぶんそのある程度のレベルは超えてるっすよ」

あかり「め、面子も変わりますし!」

佳織「面子が変わるって言っても・・・」

睦月「うむ・・・」

えり「――明後日の準決勝は阿知賀女子学院、千里山女子、新道寺女子、そして白糸台高校で行われることとなります」

ゆみ「・・・確か白糸台の先鋒は宮永照だったか」

智美「ナデコ含め多くの打ち手にトラウマ植えつけただろう高校最強の打ち手だな」

あかり「う、うぅ・・・」

モモ「まあ私達がこんなこと言ってったってしょうがないっす。阿知賀の人達だってやられっぱなしじゃないはずっすから」

智美「ワハハ、そうだな。よし、もういい時間だし買出しに行くぞ~」

モモ「あかりも一緒に行くっす。朝からテレビに齧りついてたっすから気分転換するっすよ」

あかり「・・・うん」

智美「ワハハ、ドライブに出たら嫌な気分なんかすぐ忘れちゃうさ」

ゆみ「確かに余計なことを考える余裕はなくなりそうだ」

智美「なんだか釈然としないがとにかく行くぞ~」



モモ「あかりはあっちでお菓子買ってきてほしいっす」

あかり「わかったよぉ。何でもいいよね?」

智美「いいぞ。金に糸目もつけないから適当に入れてこい」

あかり「はい、じゃあ行ってきます」

あかり「・・・糸目をつけないって言われても、やっぱりなんだか躊躇しちゃうなぁ」

あかり「とりあえず言われたとおり適当に入れてっちゃおう」

照「・・・あっ」

あかり(わっ、同じの取ろうとしちゃったよぉ)

あかり「すいません、どうぞ」

照「・・・いいの?」

あかり「はい、特に何を買ってこいって言われたわけではありませんから」

照「ありがとう」

あかり「・・・お菓子好きなんですか?」

照「えっ?」

あかり「かごの中殆どお菓子ですけど」

照「これは、麻雀部の皆と食べようと思って・・・」

あかり「麻雀部? もしかして、インハイの選手だったりするんですか?」

照「あっ、うん」

あかり「なんて名前のところ――の前にお姉さんのお名前を聞いてませんでした」

照「えっと、その・・・」

照(どうしよう、本名名乗ったりしたら騒ぎになっちゃうかも)

照(淡と菫は少し有名かもしれないからここは――)

照「た、尭深。観海寺の渋谷尭深」

照(ごめん渋谷。このお菓子は優先的にお前に流すよ)

あかり「尭深お姉ちゃんですね。私は東横あかりです!」

照「・・・!」

――お姉ちゃん!

照「・・・咲」

あかり「えっ?」

照「あっ、ううん、なんでもない」

あかり「・・・?」

照「――じゃあ私はこれで」

あかり「はい、尭深お姉ちゃん頑張ってくださいね」

照「うん」

照(観海寺はもう負けたんだけどね。というか今日私達が倒した)

あかり「またインハイの選手と知り合いになっちゃった。なんだか最近色んな人に出会うなぁ」

あかり「っと、あかりもお菓子買わないと」

モモ「先輩達待ちくたびれちゃってるかもしれないから急ぐっす!」

あかり「お、お姉ちゃん急に走り出さないでよぉ!」

智美「危ないぞモモ」

モモ「大丈夫っす・・・」プニョ

玄「わ、ごめんおねーちゃ」

宥「私こっち・・・」

玄「え・・・じゃあこのおもちは・・・わわっ」

穏乃「何もないとこから人が!」

智美「どした~モモ~」

モモ「すいません大丈夫じゃなかったっす」

あかり「もう~お姉ちゃんったら・・・あっ!」

玄「あかりちゃん!?」

あかり「玄お姉ちゃん!」

憧「えっ、何? 玄の知り合い?」

玄「昨日話した和ちゃんの知り合いの長野の子だよ」

あかり「こんなところで会うなんてびっくりしましたよぉ」

玄「私もだよ。偶然だね」

モモ「それはともかく申し訳ございません玄さん」

玄「いえ、よろけたのはこちらなので・・・すみません」

玄(あれ? この人なんで私の名前知ってるんだろ?)

憧「ちょ・・・待ってこの人・・・とーよこさん・・・?」

モモ「ろ?」

あかり「お姉ちゃんのこと知ってるんですか?」

灼「以前龍門渕に長野の決勝卓の録画を見せてもらった」

穏乃「ホントだ! 副将戦で和と透華さんより点を取った人だ!」

モモ「そっちの人もデカパイさんと知り合いなんっすね」

あかり「裸ジャージ・・・貴女が穏乃お姉ちゃんですね!」

穏乃「えっとそうだけど・・・」

憧(裸ジャージで識別されるって玄は一体この子に何を教えたのよ?)

智美「ワハハ、こんなところで立ち話もなんだ。どっか座れる場所にでも移動しようか」

モモ「先輩達が待ってるっす、早く帰らないと」

穏乃「・・・あっ、あの! お願いしたいことがあるんですけど!」

智美「ん~何だ~?」

穏乃「一緒に麻雀を打ってほしいんです!」



ゆみ「・・・なるほど、明日までに強くなりたい・・・」

穏乃「よろしくお願いしますっ」

ゆみ「確かにうちには地区大会の区間1位が2人ほどいるが――普通は県3位のこちらが格下だ」

モモ「それにたった1日で劇的な変化は望めないと思うっす」

穏乃「それはわかってるんですがうちもこのままじゃ・・・」

ゆみ「それならとりあえず打ってみよう。うちも奈良1位が相手なら後身の育成にありがたい」

ゆみ「そちらに個人戦の代表はいますか?」

憧「え・・・いや・・・」

智美「おっじゃあ早速迎えに行ってくるぞ?」

ゆみ「頼む」

智美「ワハハ、行くぞあかり」

あかり「えっ、あかりもですか?」

智美「みっぽはあかりを気に入ってるからなぁ。急なお願いでも受けてくれるだろ」

あかり「あかりじゃなくても受けてくれると思いますよ美穂子お姉ちゃんなら」



智美「ほれ電話だ、あかり。みっぽで登録してあるからな」

あかり「はい・・・みっぽみっぽ・・・あった」

美穂子「はい、福路です」

あかり「美穂子お姉ちゃん」

美穂子「・・・!? あ、あ、あかり!? な、なんで・・・」

あかり「急なことで悪いんですけど、美穂子お姉ちゃんお願いがあってお電話しました」

美穂子「何かしら? どんなお願いでも聞くわ」

あかり「ありがとうございます。実は今奈良の代表校の人達から練習に付き合ってほしいって言われてるんです」

美穂子「それで私も一緒にということね・・・わかったわ、すぐそっちに――」

あかり「いえ、智美お姉ちゃんと車で迎えに行きますから待っててください」

美穂子「そう・・・だったらお夜食を作って待ってるわ」

あかり「美穂子お姉ちゃんのお料理楽しみですよぉ」

美穂子「ふふふ・・・腕によりをかけるから期待しててね」

あかり「はい! それじゃあまた・・・はい、智美お姉ちゃん電話」

智美「おう。その様子だといいって言ってくれたみたいだな」

あかり「はい! お夜食作って待ってるそうです」

智美「みっぽは気がきくなぁ・・・よっし! じゃあぶっ飛ばして行くぞ」

あかり「あ、安全運転でお願いします・・・」



美穂子「・・・」ソワソワ

華菜「キャプテンなんだか落ち着かないし」

未春「明日は清澄の試合もあるし気が急いてるのかもね・・・あっ、あれかな?」

智美「ワハハ、到着~」

華菜「ず、随分と荒っぽい運転だったな」

智美「急いで来たからな。東京じゃなきゃもっと出せてたんだぞ」

未春「こっちはお重を持ってますから丁寧にお願いしますね・・・」

あかり「こ、こんばんは・・・」

美穂子「・・・! あかり!」

智美「ワハハ、あかりには刺激が強すぎたみたいだな」

華菜「グロッキーだし・・・」

美穂子「大丈夫、あかり?」

あかり「大丈夫です・・・」

あかり(うぅ・・・さっきの買出しの行き帰りのときもあってだいぶキツいよぉ)

智美「まあともかく乗った乗った」

美穂子「お願いしますね」

華菜「本当に大丈夫なんだろうな・・・」

未春「キャプテンがせっかく作ってくれたお夜食、型崩れしないといいけど」

あかり「う~・・・美穂子お姉ちゃん、お膝借りてもいいですか?」

美穂子「えっ?」

あかり「少し横になりたいんです」

美穂子「それって、私に膝枕してほしいってことかしら!?」

あかり「はい・・・駄目ですか?」

美穂子「い、いえ! もう膝といわず全身でも貸してあげるわ!」

あかり「全身はいいですよぉ・・・」パタッ

美穂子「ふきゅっ!?」

美穂子(いけない、幸せすぎて変な声が漏れちゃった)

華菜「あ~! あかり、ずるいし!」

未春「華菜ちゃん、あかりちゃん辛そうだから静かにしててあげようよ」

智美「ごめんなあかり。もうちょっと我慢してくれ」

あかり「大丈夫です~、美穂子お姉ちゃんのお膝あったかくて安心しますから」

美穂子「あかりがしたいって言えばまたいつでもこうしてあげるからね」

あかり「ありがとうございます、美穂子お姉ちゃん!」

美穂子「どういたしまして」

美穂子(あかりが幸せそうな顔をして私の膝の上に頭を・・・でもどうせなら体ごと膝に乗ってくれたら抱きしめることも出来てもっと嬉しいのだけれど)

智美「人数も増えたし、あかりの為にも少しゆっくりめで行くぞ~」

美穂子「そうしてくださると助かります」

美穂子(より長くこの感触を楽しめますから)

智美「連れてきたぞ~」

美穂子「こんばんは」

ゆみ「すまないな急に――どうした? いつにも増してニコニコしているが・・・」

美穂子「いえ、なんでもないですよ。ふふふ・・・」

華菜「うわっ、おっきい部屋だし!」

未春「華菜ちゃん、あんまりジロジロ見回しちゃ駄目だよ」

灼「そちらの方達が・・・」

ゆみ「ああ、長野個人戦1位の福路美穂子と、彼女の後輩である池田華菜と吉留未春だ。3人共強い打ち手だ、きっと君達の力になってくれる」

美穂子「どうぞよろしくお願いします・・・それとお夜食作って来ました」

憧「なんと気がきく県1位!」

華菜「キャプテンとこの華菜ちゃんが鍛えてやるんだから、大船に乗った気でいるといいし!」

穏乃「はい! よろしくお願いします!」

未春「私なんかじゃお役に立てないかもしれませんけど・・・」

宥「そんなことないですよ・・・」

ゆみ「じゃあ始めよう・・・と言いたいところだが、先に夕食を取らせてくれ」

あかり「あかりもうお腹ぺこぺこだよぉ」

穏乃「そういえば私等もラーメン食べようって出てきて何も食べてなかった・・・」

美穂子「いっぱいありますから阿知賀の皆さんも遠慮せずに食べてくださいね」

佳織「こっちも出来ました~」

睦月「こちらも多く作りましたのでどうぞ」

憧「すいません、何から何まで・・・」

ゆみ「気にするな、これも何かの縁だろう」

モモ「朝から応援してた義理もあるっすからね」

玄「応援してくれてたんだね」

あかり「約束ですから」

玄「でも情けないところ見せちゃったかな・・・」

あかり「ううん、あかりなんていつもあんな感じです。最後に大きいの和了った玄お姉ちゃんは凄いですよぉ」

玄「そう言ってくれると気が楽になるよ。ありがとねあかりちゃん」

穏乃「ねえねえ、あかりちゃん」

あかり「はい、なんですか穏乃お姉ちゃん」

穏乃「あかりちゃんは和と知り合いなんだよね? どう、元気にしてる?」

あかり「とっても元気ですよ。麻雀部の皆で遊んだりプロの人も来る雀荘でバイトしたり・・・」

穏乃「プロが来る雀荘でバイト!? うわぁ、なんだか私達は練習のレベルも違うね」

憧「晴絵も一応プロレベルでしょ・・・誘い受けるくらいなんだし」

あかり「えっと」

憧「私の容姿は玄から聞いてないのね。私は新子憧、よろしくね」

あかり「東横あかりです」

憧「とーよこ・・・桃子さんの妹?」

あかり「はい」

玄(だから初めて会ったとき見えなかったんだ)

あかり「あの、憧お姉ちゃん。晴絵って誰ですか?」

憧「私達の監督よ。赤土晴絵。10年前に奈良最強の晩成を破って阿知賀をインハイ準決勝まで導いた阿知賀のレジェンドって呼ばれてる人」

あかり「そんなに凄い人が監督についてくれてるんですね」

憧「ええ。実際麻雀の腕も立つし、相手選手への対策もすぐに考え付いてくれるいいコーチよ。ただ・・・」

穏乃「憧!」

憧「だって・・・!」

玄「お、落ち着いて2人とも」

あかり「ど、どうしたんですか?」

憧「・・・さっきさ、あかりちゃん達に会う前晴絵が実業団の人と話してて、プロに来ないかって話が来てるって言ってたんだ」

憧「・・・私達を準決勝まで導いたことを評価されて」

穏乃「だから違うって! 赤土さんはそんなことする人じゃないよ!」

憧「けど次はもう勝てないなんて言われたじゃない!」

玄「やっぱり私が園城寺さんに抑え込まれちゃったから・・・」

あかり「あわわ、ど、どうしよう・・・と、とにかく落ち着いてください!」

憧「・・・」

穏乃「・・・」

あかり「あの、玄お姉ちゃん」

玄「なに?」

あかり「玄お姉ちゃんが言ってた帰って来た麻雀教室の先生ってその晴絵お姉ちゃんのことなんですか?」

玄「うん、そうだよ」

憧「それがどうしたの?」

あかり「はい、だったらきっと晴絵お姉ちゃんも和お姉ちゃんに会いたいって思ってるんだろうなって思ったんです」

穏乃「赤土さんが?」

あかり「だって玄お姉ちゃんも穏乃お姉ちゃんも憧お姉ちゃんも、和お姉ちゃんともう一度会いたいって思ってるんですよね?」

穏乃「うん、私は和と遊ぶ為にここまで来たんだ」

憧「そうね、私もまた和と打ちたい」

玄「成長したおもち――じゃなくて麻雀の腕を見たいからね」

あかり「でしたら、玄お姉ちゃん達と一緒にいた晴絵お姉ちゃんも同じ気持ちを持ってると思います」

あかり「選手として打つことは出来なくても、監督として皆さんと一緒に和お姉ちゃんと戦いたいって気持ちを」

あかり「だから、皆さんをダシに使ってプロに入ろうなんてきっと思ってませんよ」

憧「晴絵も私達と同じ気持ちを持ってる、か・・・」

玄「憧ちゃん、信じようよ。赤土さんもずっと一緒に戦ってきた仲間なんだから」

憧「・・・そうよね。ごめん、私も冷静じゃなかったみたい」

穏乃「憧・・・!」

玄「憧ちゃん、よかった・・・ありがとうあかりちゃん!」

あかり「そんな、あかり何も知らないのに知った風な口を利いてしまって・・・」

穏乃「そんなことないよ! 赤土さんだって和の友達だもん! きっと私達と一緒だよ!」

憧「友達って言うか教え子と先生? でも、かつての師匠と弟子対決って感じで案外1番燃えてるかも」

玄「おもちの成長も楽しみにしてたからね!」

あかり「えへへ、元気が出たなら何よりです」

穏乃「うおお! 心配事もなくなったし、いっぱい食べていっぱい打つぞ~!」

憧「腹が減っては戦はできぬってね」

モモ「言い争ってる間に結構食べちゃったっすから早くしないとなくなるっすよ」

あかり「ええっ!? じゃああかりも――って穏乃お姉ちゃんの手が早い!? そして憧お姉ちゃんと玄お姉ちゃんもしっかり対応してる!?」

あかり「うわぁん! これじゃ手が出せないよぉ」

美穂子「あかり、こんなこともあろうかと少し取っておいたからこっちにいらっしゃい」

あかり「美穂子お姉ちゃん!」

美穂子「はい、あ~ん」

あかり「あ――」

モモ「あ~んっす」

美穂子「――!?」

モモ「やっぱりおいしいっすね風越の部長さんの料理」

あかり「お姉ちゃん! あかりまだ何も食べてないのに酷いよぉ!」

美穂子(くっ! 私の使った箸を使うことであ~んと同時に間接キスもするという完璧な作戦が・・・)

モモ(合宿のときから思ってたっすけど、この人あかりのこと気にしすぎっす。何のつもりか知らないっすけどあかりは渡さないっすよ)

穏乃「――ありがとうございました!」

ゆみ「いや、こちらもずっと応援しているだけだったからな。久しぶりに麻雀が打てて楽しかったよ。ありがとう」

美穂子「お役に立てたのなら光栄です」

智美「ワハハ、いや~明日清澄の試合じゃなければもう少し打っていたかったところなんだが」

灼「いえ、充分打たせてもらいましたし、ヒントもいただけてとても有意義な時間でした」

玄「個人戦の選手となら練習試合が出来るってことだね!」

宥「受けてくれる人探さないとね」

モモ「次の相手はあの白糸台っす。生半可なことでは勝てないだろうっすけど頑張るっす」

憧「ええ、準決を超えるのは奈良県民全員の悲願です。絶対達成してみせます」

智美「そんじゃ、そろそろみっぽ達も一緒に送り届けるとしますか」

あかり「あっ、あかりもお見送りに着いて行きます」

未春「大丈夫、あかりちゃん?」

あかり「大丈夫です。今日だけでも沢山乗りましたからもう慣れました」

ゆみ「ではな、福路。急な呼び出しにも応じてくれて本当に感謝している」

美穂子「いいえ。私も個人戦に向けていい練習になりましたから」

華菜「華菜ちゃんも中々新鮮な体験が出来て楽しかったし!」

智美「ワハハ、先にみっぽを送ってから阿知賀のとこに行くからな」

穏乃「はい! 皆さん本当にお世話になりました!」



穏乃「でも、本当にお強いんですね鶴賀も風越も」

智美「ん~? いや、名門の風越はともかく私達は名前貸してくれてた人以外はあれで全員。佳織も私が強引に引っ張ってきた初心者だからなぁ」

憧「確かによくわからない打ち方をしてましたね。その割りにやたらと役満をテンパってましたけど」

未春「大会でも高い手ばっかり張ってましたからね・・・」

智美「ワハハ、まあそんなもんで練習の密度や個々の実力の差は大きかったと思うぞ」

灼「でもさっき全然勝てなかった」

智美「ゆみちんとモモはうちのエースだからな。この2人まで簡単に負かされたらさすがにちょっとショックだぞ」

華菜「ところで、今回は本当に安全運転だな。さっきはゆっくりめとか言いながらこっちが弁当死守するのに精一杯になるくらいは早かったのに」

智美「あかりがおねむみたいだからな」

あかり「・・・はっ! あかりなら平気ですから気にせず速度出しちゃってください」

宥「ううん、このくらいでお願いします・・・」

あかり「う~ん・・・」

美穂子「あかり、眠いのならまた私が膝を貸してあげるわ」

あかり「美穂子お姉ちゃん・・・うん、お願いします・・・」

美穂子「さあ、どうぞ」

あかり「は~い・・・」パタッ

宥「あ、あかりちゃん、私は福路さんじゃないよぅ・・・」

あかり「すー・・・すー・・・」

憧「寝つきはや!」

穏乃(あれ? いつの間にか頭のお団子が解けてる・・・というか消えてる?)

智美「朝早くから阿知賀の皆を応援してて、それから買出しにさっきの練習試合。いつもの寝る時間も過ぎてるしきつかったんだろうな」

灼「いつもの寝る時間・・・9時にはもう寝てるんだ。はや・・・」

宥「そっか・・・お疲れ様、ありがとうねあかりちゃん」ナデナデ

美穂子(・・・)



智美「到着~」

華菜「ん~、ようやくかぁ」

未春「ありがとうございました蒲原さん」

智美「なーに、今日はいっぱいの人を乗せて運転できてこっちが礼を言いたいくらいだよ」

あかり「・・・あっ、着いたんですか」

宥「おはよう、あかりちゃん」

あかり「おはようございます宥お姉ちゃん・・・あれ? なんで宥お姉ちゃんに膝枕されてたんですか?」

宥「福路さんと間違って私の方に倒れちゃったの」

あかり「ええっ!? ご、ごめんなさい!」

宥「いいの、重くもなかったしあったかかったから」

美穂子「・・・あかり、よかったらもうここで降りる?」

あかり「えっ?」

美穂子「これから阿知賀の方達を送って行くとお家に帰り着くにはだいぶ遅い時間になってしまうわ。車の中じゃゆっくり眠れないでしょうし、私達の部屋に来てもいいのよ」

あかり「でも、ご迷惑じゃ・・・」

智美「そうだな。あかり、せっかくそう言ってくれてるんだから甘えとけ」

あかり「・・・それじゃあお願いします」

美穂子「ええ」

美穂子(やったわ。これでまた一緒に眠ることができる)

智美「迷惑かけちゃ駄目だぞ」

あかり「わかってるよぉ智美お姉ちゃん」

穏乃「福路さん、池田さん、吉留さん。今日は本当にありがとうございました! おかげで私達もなんとか戦えそうです!」

美穂子「もう私達には応援することしか出来ませんけど、しっかりと悔いの残らないよう戦ってくださいね」

華菜「お前達は筋がいいし! この華菜ちゃんが言うんだから間違いないし!」

未春「こちらもとても勉強になりました」

玄「あかりちゃん、今度こそ私やってみせるからちゃんと見ててね」

あかり「はい、玄お姉ちゃん。準決勝も頑張って応援します!」

智美「よし、じゃああかりも降りたことだし全速力で行くからな」

宥「全速力――きゃあ!?」

灼「ちょっ、これやばっ・・・」

智美「ワハハ、じゃあなみっぽ達~!」

華菜「・・・事故らないといいな」

あかり「今まで事故起こしたことないそうですから大丈夫だと思います・・・たぶん」



華菜「たっだいまだし~!」

久「あら、結構早く帰ってきたわね」

まこ「徹麻でもするんかと思っとったわ」

未春「明日は清澄の試合ですから」

あかり「こんばんは~・・・」

咲「あかりちゃん? どうしてここに?」

美穂子「もうだいぶ眠いみたいですから、ここで寝かせてあげることにしたんです。いいですよね?」

優希「全然構わないじぇ!」

あかり「ありがとうございます・・・」フラッ

和「きゃっ!」プニョ

あかり「ごめんなさい和お姉ちゃん・・・」

和「いいえ。本当に随分疲れてるみたいですね」

あかり「もうくたくたですよぉ・・・」

優希「おお! のどちゃんのおっぱい枕で寝るのかあかり。贅沢な奴め」

和「さすがにそれは・・・」

あかり「う~ん・・・」

久「・・・じゃあもうお布団敷いちゃいましょうか」

咲「そうですね」

まこ「ちょっと作戦会議したら、わしらももう寝らんとな」

優希「今日は枕投げはお休みか、残念だじぇ」

和「今度やるときはもう少し静かに、備品を壊さないようにするんですよ」

数時間後

あかり「・・・ちなつちゃん・・・キスは友達同士で練習することじゃないよぉ・・・はっ!」

美穂子「すー・・・すー・・・」

あかり(美穂子お姉ちゃん・・・そっか、あかり清澄と風越の部屋にお泊りに来たんだった)

あかり(シャワー・・・は着替えもないしうるさくしちゃ駄目だから無理だよね。おトイレに行こう)



あかり(美穂子お姉ちゃん、結構がっちりあかりのこと抱きしめてたから起こさずに抜け出るの大変だったよぉ)

あかり(喉渇いたしロビーの自販機で飲み物買ってこようっと)



あかり「こんな遅い時間に炭酸飲むと虫歯さんになっちゃうからぴっちょんオレンジにしたよぉ」

あかり「お月様綺麗・・・少しテラスで眺めて行こう・・・あれ? 誰かいる・・・」

ここで終わりです
あかりがテラスで会った人は例によって希望を取ります
阿知賀以外のキャラなら誰でもOKです

宿泊所が同じという不自然さには目をつぶってください
投下開始します

怜「はぁ・・・」

あかり(あれは確か玄お姉ちゃんと打ってた、千里山の・・・)

あかり「こんばんは、何してるんですか?」

怜「うん? 誰や?」

あかり「はじめまして、私、東横あかりって言います」

怜「ふぅん、あかり言うんか。うちは園城寺怜や」

あかり「知ってます、今日試合見てましたから」

怜「なんやそうやったんかいな。ちなみにどこの応援しとったんや?」

あかり「え~っと、阿知賀です」

怜「そうか、奈良の子なん?」

あかり「いえ、長野です。玄お姉ちゃんと昨日お知り合いになったので応援してたんです」

怜「玄・・・私と打った子やね。アホみたいにドラが来るおっそろしい子や」

あかり「はい、とっても強かったです。でも、怜お姉ちゃんに圧倒されてしまいました」

怜「まっ、ドラ捨てられへんなら手は読めるからな。能力使わんでも振り込むことはそうあらへんやろ」

あかり「能力・・・やっぱり1巡先が見えるんですか?」

怜「・・・もうバレとるやろしええか。せやで、うちは1巡先が見える」

あかり「自分のツモ牌がわかるだけじゃないんですよね?」

怜「ああ、1巡先の展開全部が読める。相手が何をツモって何を捨てるかも全部や」

あかり「凄い能力ですね」

怜「けど最後に当てられたからわかるやろうけど万能やないし、体力も結構使うからしんどいんやで」

あかり「でも、とっても強い能力だと思います。あかりにもそんな力があればなぁ・・・」

怜「・・・強い能力か、まあそうやろなぁ。なんせこの能力に目覚めてから3軍やったうちがエース任されるようになったんやから」

あかり「3軍からエースに・・・わぁ、本当に凄い能力なんですね」

怜「・・・けど凄いんは能力だけや。うち自身はなんも変わらん、3軍のままの雑魚雀士や」

あかり「えっ?」

怜「その能力かて修行して身につけたもんやない。ただぶっ倒れて目覚ましたら使えるようになっとっただけや」

怜「能力に頼りきっとるから今日みたいなことになる。うちやなくてセーラや竜華にこの能力があれば、あんな無様な真似晒さへん」

あかり「そんな、今日のはただ運が悪かったとしか言えない状況でしたよぉ」

怜「普通やったらな。けどうちには1巡先が見えとった。あの状況で阿知賀が鳴くこと考慮せんでリーチかけてもうた」

怜「点差は圧倒的、ダマでも充分やった。それでも欲かいてやった結果があの様や」

あかり「で、でも結局は1位抜けでしたし・・・」

怜「それじゃあかんねん。うちは名門千里山のエースなんやから・・・」

あかり「・・・」

怜(何しとるんやろなうち。会ったばっかりのこないな小さな子にこんな話して)

怜「すまん、今の話忘れて――」

あかり「・・・あかりも最近まではとても弱かったんです」

怜「は?」

あかり「麻雀の話です。今でも弱いですけど、強くなったって自分でも分かるくらいにはなりました」

怜「ほ~ん、なんでなん?」

あかり「強い人達といっぱい打てたからです」

怜「・・・!」

あかり「あかりに教えるつもりで打ってくれてましたから強くなれて当たり前なんですけど、それでも色んな人達の打ち筋を見て、体験してとっても勉強になりました」

あかり「怜お姉ちゃんは千里山のエースになってから強い人と沢山打ってきたと思います。あかりより長く、多くの人と」

あかり「能力があるせいでちょっと分かりづらいかもしれませんけど、そんな経験をして弱いまんまなんてありえないと思います」

あかり「今日だってまた1つ学んで強くなったんです。だから、そんなに落ち込まないでください」

怜「・・・そうやろか?」

あかり「はい、あかりが保障します!」

怜「でもうちは今の実力のなさを嘆いてるんやけどな」

あかり「ええっ!? う~んと、じゃあ・・・」

怜「ふふ・・・無理に考えんでええで。そうやな、うちかてこれまで色んな相手と打ってきたんや。ちったぁ強くはなっとるか」

あかり「はい、少なくとも今のあかりよりはずっと強いですよぉ」

怜「それはあかりがどれくらい強いか知らんからなんとも言えんなぁ」

あかり「えーっと・・・」

怜「ああええで、大体わかったわ。そんなんで慰められても逆に馬鹿にされとる気分になるわ」

あかり「うぅ・・・ごめんなさい・・・」

怜「・・・冗談や。ありがとな、あかりから見たら敵やのに慰めたりしてくれて」

あかり「いいえ。せっかくの大会ですからあかりは皆さんに楽しんでほしいんです」

怜「楽しむ、かぁ。いっちゃん大切なことかもしれへんな・・・よっしゃ、じゃああかり、今からうちを楽しませてもらうか」

あかり「た、楽しませるって何を・・・」

怜「膝枕や」



怜「ほな、よろしゅう頼むで」

あかり「ど、どうぞ」

あかり(今日はなんだか膝枕に縁がある日だよぉ)

怜「・・・」パタッ

あかり「・・・どうですか?」

怜「う~ん、普通」

あかり「ふ、普通・・・」

怜「あんまり肉もついとらんし特別柔いわけでもない。やっぱり竜華のふとももが1番やな」

あかり「そうですか・・・期待に添えなくてすいませんでした」

怜「・・・そこまで殊勝にされると罪悪感激しいな・・・ん? やけどなんか竜華のときよりポカポカするような感じがあるわ」

あかり「ポカポカする?」

怜「せや、あ~、竜華の方が安心するけどあかりの方が気持ちええかもしれんわ」

あかり「えへへ、だったらよかったです」

怜「せやけどこう上向いても遮るもんがない言うんは、ちょっと新鮮やな」

あかり「竜華お姉ちゃんはお胸が大きいんですね」

怜「うちが病弱であんまり大きくならへんのをあざ笑うかのようにでっかくなりよってほんまに・・・」

怜「・・・お月さん綺麗やな」

あかり「そうですね・・・」

怜「駄目やであかり、そこは君の美しさには負けるよとか言わな。それか死んでもええわとかな」

あかり「えっ? 前のはわかるんですけど、後ろのはどういう意味なんですか?」

怜「まあ何でもええから今度言われたときはそう返してみ」

あかり「はい、わかりました?」

怜(月の方はだいぶ有名になったけど死んでもええはまだまだやろ。変なこと言うとるなぐらいですむ、はずや)



怜「はぁ~堪能したで~」

あかり(ふ、ふとももが痺れたよ・・・)

怜「・・・」チョン

あかり「ひゃう!?」

怜「やっぱり痺れとったか。ほれほれ」

あかり「ひゃ、や、やめて、ん、くださいっ!」

あかり「・・・もう~!」

怜「あっははは、堪忍してや」

あかり「今度やったらあかりもやり返しちゃいますからね!」

怜「お~こわ。けどそない言うっちゅーことはまた膝枕してくれるんか?」

あかり「・・・怜お姉ちゃんがしてほしいって言うなら」

怜「そっか。ほなまたいつか会うたときは頼ませてもらうわ」

あかり「はい」

怜「・・・さて、うちはもう寝ることにするわ」

あかり「そうですか、おやすみなさい怜お姉ちゃん」

怜「おやすみ、あかり」



あかり「あかりはあんまり眠くないしもう少しここにいよう」

あかり「ん? あれは――」

照(こんな時間に目が覚めてしまった・・・菫が寝てて電気つけられないから本読んで時間潰すこともできない・・・)

あかり「尭深お姉ちゃん」

照「・・・! あっ、えっと・・・あかりだっけ?」

あかり「はい、あかりです」

照「ここに泊まっていたのか。でも、子供がこんな時間に1人でこんなところにいるのは感心しない」

あかり「大丈夫ですよさっきまで1人じゃなかったですし。そういう尭深お姉ちゃんはどうなんですか」

照「私はもう高3だから大人みたいなもの。夜更かしてどこにいても問題ない」

あかり「高3だったら問題あると思いますけど・・・」

照(飲み物買おう。ジュースでいい――)

あかり「・・・」

照(よく見たらあかりもジュース持ってる。大人だなんて言っちゃったからなぁ・・・)ピッ

あかり「わぁブラックコーヒー飲めるなんて大人ですね」

照「と、当然」

照(どうしよう・・・)

照「・・・」

あかり「飲まないんですか?」

照「の、飲むけど・・・」

照(ええい、ままよ!)ゴクッ

照「・・・ぶふっ!?」

あかり「わぁ! た、尭深お姉ちゃん大丈夫ですか!?」

照「苦い・・・」

あかり「これ、飲んでください!」

照「ありがとう・・・」

あかり「服も拭かないと、ハンカチは・・・」



照「ごめん、ハンカチ汚してしまった」

あかり「いいえ。でも尭深お姉ちゃんもブラックコーヒーに憧れてるんですね。あかりと同じです」

照「別に憧れてるわけじゃない・・・」

あかり「高3でも飲めない人は飲めないんですね。中2で飲める結衣ちゃんはやっぱり凄いよぉ」

照(中2でブラックを!? ま、負けた・・・)

あかり「いつか飲めるようになるまで頑張りましょうね」

照「う、うん」

照「ところで、あかりは何をしていたんだ?」

あかり「お月様を見ていました」

照「月を?」

あかり「はい」

照「そう・・・綺麗だな」

あかり「はい・・・あっ、もう死んでもいいくらいです」

照「えっ?」

照(な、何? 今私告白された!?)

照「いや、その、そういう意味で言ったわけじゃない・・・私達会ったばっかりだし・・・」

あかり「・・・? そうですね、だからあかり、尭深お姉ちゃんのこともっとよく知りたいですし、あかりのことも知ってもらいたいです」

照「ええ!? いや、だからえっと・・・な、なんで? 私のどこを好きになってくれたんだ?」

あかり「なんでって・・・う~ん、最初に会ったときはとっても綺麗な人だなって思ったんです」

照「き、綺麗?」

照(初めて言われた。皆私のこと怖いとか人殺してそうとか言うのに・・・)

あかり「はい、麻雀部の人達の為にお菓子を買ってましたし、とっても大人っぽい人に見えました」

あかり「でもブラックコーヒー飲めないのに無理やり飲もうとしたりなんだか子供っぽいというか、可愛いらしいところもあるんだなって・・・」

照「か、かわっ!?」

あかり「・・・なんて、年下なのに可愛いなんて失礼ですよね。それにあかりも同じことしたことあるから自画自賛みたいになっちゃいました、えへへ」ゴク

照(・・・! そ、そうか、もう間接キスまではしてるんだ。なんて用意周到な子・・・!)

あかり「ぷは・・・仲良くなって人の色んな姿を見ることはとても素敵なことだと思います。ですからあかりはこれからも色んな尭深お姉ちゃんを見てみたいんです」

照「色んな私を見たい・・・?」

あかり「はい、あかりも色んなあかりを尭深お姉ちゃんに見せますから・・・」

あかり「・・・なんだか、こういうこと口にするの恥ずかしいですね」

照(は、恥ずかしいって、なんて大胆な・・・最近の中学生ってここまで進んでるのか・・・)

あかり「尭深お姉ちゃん、お顔が真っ赤ですよ」

照「そ、その・・・」

あかり(さっきから様子が変だし、もしかして服濡れちゃったから風邪ひいたんじゃ)

あかり「おでこ、借りますね」

照「~!」

あかり「やっぱり熱い・・・」

照(顔、近い! やめて、心臓破裂しそうだから・・・)

あかり(服、あかりのじゃサイズが合わないよね・・・けどお部屋に着替えを持ってるはず)

あかり「尭深お姉ちゃん、とりあえずお部屋に行きましょう」

照「へ、部屋!? な、何で!?」

あかり「その服脱いで、早く寝たほうがいいです。大丈夫です、あかりも一緒にいますから」

照「なっ・・・!?」

照(服を脱いで一緒に寝る・・・? そ、それってつまり・・・)

照「だだだ、駄目に決まってるだろ!」

あかり「ええっ、無理する方が駄目です」

照「す、菫が、部屋には菫がいる!」

あかり「菫? 相部屋の人がいるんですか。じゃあその人も一緒に・・・」

照「なななな、何言ってるんだ!? 一緒ってそんな・・・あかりは私が好きなんじゃないのか!?」

あかり「好きだから言ってるんじゃないですか」

照「だ、だったら、菫が一緒じゃ駄目! ふた、ふた、2人じゃなきゃ・・・」

照(いや2人でも駄目だろ! 落ち着け私!)

照「・・・あかり、身体は大切にしなさい」

あかり「それはあかりの台詞です。もう、いいから行きますよ」

照「ちょ、ちょっと引っ張っ――きゃあ!」バタッ

あかり「わわっ」バタッ

照「・・・あかり、大丈夫?」

あかり「いたた・・・はい、大丈夫です」

照(図らずも押し倒すような形になってる・・・このまま部屋に戻って菫を巻き込むくらいなら、いっそここで・・・)

あかり(この体勢、なんだか嫌な予感がするよぉ・・・)

照「・・・あかり、満足しないかもしれないけどでも、今はこれで我慢して」

あかり「ま、満足って? 尭深お姉ちゃん何を・・・」

照「・・・」

あかり「た、尭深お姉ちゃん、何で顔近づけるんですか!? や、駄目です・・・!」

あかり(や、やっぱり~)

あかり「お、落ち着いてください尭深お姉ちゃん! やめてください~!」プルプル

照(あかり、自分から誘ったのに震えてる。でも涙目になってるのなんだか可愛い)

あかり(あのときのちなつちゃんと同じ顔してるよぉ。あかりが知らないだけで普通のことなのかなぁ)

あかり(でも、やっぱり無理! 誰かぁ助けて~! お姉ちゃ~ん!)

照(大丈夫、こんなの若気の至り、一時の過ちだから・・・)

照「・・・」チュッ

あかり「あっ・・・おでこ?」

照(あ、危なかった。もう少しで本当に唇にするところだった。ファーストキスなのに・・・)

照「ごめんなさい、やっぱり駄目、こんなこと」

あかり「そうですよ、色んな尭深お姉ちゃんを見たいって言いましたけど、別にこんなところまで見せる必要はないというか・・・」

照「えっ?」

あかり「えっ?」



照「・・・だから、月が綺麗ですねも、もう死んでもいいわもどっちもあなたを愛しているという意味を持っているんだ」

あかり「ええっ!?」

照「本当に知らなかったのか」

あかり「今度そう言ってみろって教わっただけですから・・・あっ、じゃああかりが言ったことって・・・」

照「・・・うん」

あかり「ち、違うんです! その、そんなエッチな意味で言ったんじゃないんです!」

照「わかってる、わかってるから!」

あかり(あうう・・・は、恥ずかしいよぉ・・・)

照(そうだな、こんな小さな子が、さ、さんぴ・・・あんなことしようなんて言うはずない)

照(はぁ・・・告白されたことなんてないから冷静じゃなかったか)

あかり「尭深お姉ちゃん、勘違いさせてすいませんでした」

照「いい、私もごめん。その、キスのこと・・・」

あかり「あっ・・・」カァ

照(私の馬鹿! 何を掘り返してるんだ! な、なんて言えば・・・)

照「そ、その、怖かっただろ?」

あかり「・・・はい、怖かったです。で、でも、とっても綺麗だったですし、色っぽかったですから、ドキドキも、しました・・・」

照「そ、そう・・・」

照(そんな顔でそんなこと言わないくれ~!)

あかり「あ、あの、尭深、お姉ちゃん?」

照「な、何?」

あかり「・・・つ・・・」

照(つ、何!? まさか、続きを・・・!?)

あかり「つ、月が綺麗ですねが、何であなたを愛しているになるんですか?」

照「へっ? ああ、それは・・・」

照(なんだ、残念・・・ん? 何考えてるんだ私!)

照「昔の小説家で夏目漱石って人がいるのは知ってる?」

あかり「名前だけは知ってます」

照「その人がI LOVE YOUを月が綺麗ですねと訳したって話があるんだ」

あかり「I LOVE YOUを月が綺麗ですねに?」

照「ああ。昔の日本人は人に想いを伝えるときでもあまり直接的な言葉を使わなかった

照「だから、あなたといると月が、世界が綺麗に見えます、そういった想いを込めて訳したんだと私は考えてる」

あかり「へ~、昔の日本人は照れ屋さんだったんですね」

照「そういうわけじゃないんだけど・・・まあそんなわけで、本当はあなたといると、が必要だって説もあるけど、私は付けないほうが素敵だと思う」

あかり「どうしてですか?」

照「だってそれを付けてしまうと結局直接的な口説き文句みたいになってしまうし、その一言だけで想いが通じるようなそんな相手に使う言葉だと信じたいから」

あかり「意外にロマンティストなんですね」

照「意外とは心外だな」

照(確かに、淡辺りが見たらお腹抱えて笑いそうだけど)

あかり「じゃあ、もう死んでもいいのは方は?」

照「こっちも昔の文豪、二葉亭四迷が同じように訳したって言われてるんだけど、実際は私はあなたのもの、とかそんな意味らしい」

あかり「そうだったんですね、全然知りませんでしたよぉ」

照「探せば幾らでも出てくるよ」

あかり「はい! あかり、国語が得意なつもりでいましたけど、まだまだなんだと気がつきました」

照「これは授業でやる国語とは少し別の分野な気がする。学ぶならやっぱり沢山本を読むことが必要だと思う」

あかり「そうですか、う~ん、今度咲お姉ちゃんに面白い小説貸してくれるようお願いしようかな?」

照「・・・えっ?」

あかり「でも、まだ習ってない漢字とか出てきたらどうしようかなぁ」

照「咲?」

あかり「ああ、尭深お姉ちゃんも知ってるでしょうか? 長野代表の清澄高校の大将、宮永咲お姉ちゃんのことです」

照「・・・っ!」

あかり「麻雀もとっても強いんですけど本にも詳しくて・・・あっ、その点で言えば尭深お姉ちゃんとよく似て――」

照「そんなことない!」

あかり「わっ・・・尭深お姉ちゃん?」

照「あっ・・・」

あかり「・・・もしかして咲お姉ちゃんとお知り合いなんですか?」

照「知らない。そんな奴、知らない」

あかり「そう、ですか・・・」

照「・・・ごめんなさい、私、もう部屋に帰る」

あかり「・・・はい、おやすみなさい」

照「おやすみ」

照(咲、お前はこんなところにまで来て一体何がしたいんだ?)

あかり(尭深お姉ちゃん、本当に色んな姿を見せてくれたけどやっぱり知られたくないところもあるよね・・・)

あかり「あかりももう寝ようかな?」

小蒔「・・・」

あかり「あれ? 何でこんなところに巫女さんがいるんだろ?」

小蒔(2つの強大な力を感じて来てみましたけど、1つはもうどこかに行ってしまったようですね)

あかり「あの、こんばんは」

小蒔「・・・! こんばんは」

小蒔(もう1つの力・・・この子から感じるこれは一体・・・)

あかり「私は東横あかりって言います。お姉さんのお名前は?」

小蒔「私はアメノウズメ・・・いえ、神代小蒔です」

あかり「小蒔お姉ちゃんですね。どうして巫女服を着てるんです?」

小蒔「巫女ですからね」

あかり「は、はあ、巫女だから、ですか」

小蒔(悪しき力ではないようですね。他者に幸運をもたらす力、でしょうか?)

小蒔(この歳でこれだけの力を振るえるとは、小蒔や霞に勝るとも劣らない才を持った子です)

小蒔(それにとても可愛らしい・・・)

小蒔「・・・」

あかり「小蒔お姉ちゃん、何であかりのことじっと見つめてるんですか?」

小蒔(はっ・・・いけません。このような童女に手を出すなど、いえ、しかし・・・)

小蒔「いいえ、何でもありませんよ、あかりさん」

あかり「小蒔お姉ちゃんの方が年上なんですから、さんなんて付けなくていいですよ」

小蒔「それではあかり、と呼ばせてもらいます」

あかり「はい、どうぞ」

小蒔(それにしてもとても凄い力ですが、制御が効かないようですね)

小蒔(むやみやたらに幸運を与えるというのもあまりよくありませんし、少し封じて差し上げましょうか)

小蒔「あかり、少しこちらに来てください」

あかり「なんでしょう?」

小蒔「髪に触れてもよろしいですか?」

あかり「いいですけど、なんでですか?」

小蒔「とても綺麗な髪だからですよ」ポンポン

小蒔(さて、とりあえずは漏れ出さない程度には封印しましょうか・・・あら?)

小蒔(驚きました、まさか小蒔の身体で出せる私の力を超えているとは・・・これでは封じることができませんね)

あかり「小蒔お姉ちゃんの髪の方が綺麗だと思いますけど」

小蒔「・・・いいえ、あかりの髪の方が綺麗ですよ。ですが、昨日は湯浴みをしなかったみたいですね」

あかり「わ、わ、昨日は眠かったんですぐに寝ちゃったんですよぉ! わかってるならあまり触らない方がいいんじゃ・・・」

小蒔「1日洗わずともさほど汚れるわけでもありませんよ。今は洗剤などの技術がとても発達していますからね」

あかり(なんだか変な言い方だけど、巫女さんだし文明から離れた生活をしてたのかな?)

小蒔(どうしましょう、もう用はすんだのですが、こんな可愛らしいのなら・・・)

小蒔「・・・そうだ、気になるなら一緒に入りましょうか」

あかり「一緒にって、お風呂にですか?」

小蒔「ええ、私達の部屋にはお風呂が付いてるんですよ」

あかり「でも、相部屋の方達のご迷惑になるんじゃないですか?」

小蒔「構わないわ、姫様のやることですもの。じゃあ、行きましょうか」

あかり「姫様って・・・あっ、ちょっと引っ張らないでください~!」

あかり「本当にいいんでしょうか?」

小蒔「構いませんよ。さあ、あかりこっちにいらっしゃい。服、脱がせてあげますから」

あかり「いえ、自分で脱げますから・・・」

小蒔「遠慮しなくていいんですよ」

あかり「こ、小蒔お姉ちゃん!?」

小蒔「クスッ・・・瑞々しい肌・・・まだまだ未成熟ですけど、きっとこれから美麗に成長していくのでしょうね」

あかり「やあっ・・・んんっ!」

小蒔「ここが弱いところなんですね・・・大丈夫、すぐになれ――」ボカッ

霞「いい加減にしてくださいこの色ボケ神」

小蒔「きゅう・・・」バタッ

あかり「・・・はぁはぁ・・・あ、あの、ありがとうございました」

霞「いいえ、迷惑をかけたのはこちらの方よ。まったく、世界最古のストリッパーだけあって、頭の中ピンク色なんですから」

あかり「世界最古・・・?」

霞「その辺りのことも説明してあげるから、とにかく服を着て部屋の中に戻りましょう」

あかり「神様を降ろしている?」

霞「小蒔ちゃんは代々その力を伝える巫女の直系でね、眠ると九面っていう9柱の神様のうちの1柱が降りてくるの」

霞「さっき降りてたのはアメノウズメ。本当は名高い神の1柱なのだけど、実態は見てのとおりよ」

あかり「あ~、そのエッチなんですね・・・」

霞「件のストリップだって天照を天岩戸から出させる為にしょうがなくやったことだと思ってたんだけど・・・」

霞「まあ、ともかくごめんなさい。貴女には怖い思いをさせてしまったわね」

あかり「いえ、そんな・・・ついさっきも似たような目に遭いましたし」

霞「ん?」

あかり「な、なんでもないです」

小蒔「うん・・・?」

霞「お目覚めね」

あかり「おはようございます」

小蒔「おはようございます、霞ちゃん・・・と、どなたですか?」

あかり「神様が降りてる間のことは覚えてないんですね」

霞「寝てるからね」

小蒔「・・・?」



小蒔「それはそれは、大変ご迷惑をおかけしました」

あかり「いえ、小蒔お姉ちゃんが悪いわけじゃないのはわかりましたから」

小蒔「ううん、私が悪いんです。私が上手く九面様達を操れないからこんなことが起きてしまうんです」

霞「そうね、罰として今日のおやつは抜きにしましょうか」

小蒔「それとこれとは話が別です」

霞「それじゃあ今日の試合で好成績を残せたら許してあげましょうか」

あかり「試合? もしかして霞お姉ちゃん達もインハイに?」

霞「ええ。永水って聞いたことない? 一応シード枠なのだけれど」

あかり「あります。確か鹿児島の代表でしたよね?」

あかり(玄お姉ちゃんがやたらと気にしてたところだ)

霞「応援してくれたら嬉しい・・・けれど、あかりちゃんは清澄の応援をするのかしらね?」

小蒔「どうしてですか?」

霞「小蒔ちゃんも感じてるでしょ、あかりちゃんの力。清澄の先鋒の子から感じたものと同じよ」

小蒔「ん~、確かに最近どこかで感じたことがあるような」

あかり「あかりの力、そんなにわかるものなんですか?」

霞「そうね、とても強いし、何より制御できてないのね。周りに放出されているからなおのこと感じやすいわ」

あかり「どうやったら制御できるようになるんでしょうか」

小蒔「私達も修行中の身ですのでなんとも・・・ですが、やはり重要なのは気持ちの持ち様だと思います」

あかり「気持ちの持ち様・・・」

霞「鹿児島まで来てくれたら色々とできることもあるのだけれど・・・」

あかり「ううん、そこまでしてくれなくて大丈夫です。あかり、何とかやってみます!」

小蒔「ファイトですよ、あかりちゃん」

霞「それほど危険な力ではないけど充分注意するのよ。何か困ったことがあったらいつでも相談しなさい」

あかり「はい、ありがとうございます」

霞「それじゃあ、あかりちゃん、今日はもう寝なさい。明日は早くから応援するんでしょう?」

あかり「そうですね、眠たくもなってきましたから部屋に帰ることにします」

小蒔「おやすみなさい、あかりちゃん」

霞「おやすみ、あかりちゃん。あっ、小蒔ちゃんはもう寝ちゃ駄目よ。また神様に好き勝手されても困るし、明日寝られなかったら大変ですもの」

小蒔「ええっ!? さすがにそれはキツいですよ霞ちゃん」

霞「だったらおやつ抜きは確定したようなものね」

小蒔「おやつと睡眠、究極の選択です・・・!」

あかり「あはは・・・それじゃあ、お邪魔しました」



あかり(ふぁ・・・眠い・・・美穂子お姉ちゃんのお布団は・・・あった)

あかり(また狭くなるかもしれないけどごめんなさい、美穂子お姉ちゃん。おやすみ・・・)

あかり「すー・・・すー・・・」

美穂子「・・・」ダキッ

美穂子「・・・私以外の女の匂いがする。嫌だわ、早く塗りつぶさないと」

今日はここまでです
眠っている小蒔の話はあまり長いものを思いつきませんでしたすいません

投下開始します

あかり「う~ん・・・」

咲「あかりちゃん起きませんね」

和「とても疲れていましたから、ここで寝かせておいてあげませんか?」

久「そうね、一応鶴賀の人達には連絡を入れておきましょう」

美穂子「なんなら私が担いで行きますけど・・・」

華菜「キャプテン、雨降ってますしさすがに無理ですよ」

まこ「京太郎なら平気じゃろうが既に荷物持ち頼んどるからな」

美穂子「うぅ・・・あかり、ここで少しお別れなのね」

未春「またすぐに会えますから・・・」

久「皆支度も終わった? じゃあ出陣よ!」

優希「見てるがいいじぇあかり、優希お姉ちゃんはあかりの力がなくたって誰にも負けないんだじょ」



あかり「ふぅん・・・ふぅん・・・」

モモ「あかり、起きるっす」

あかり「ふぁ・・・あれ? お姉ちゃん?」

モモ「あかりが起きないからここで寝かせておくって連絡があったっすから私が迎えに来たんっす」

あかり「そっか、ごめんねお姉ちゃん。昨日の夜中目が覚めちゃって」

モモ「あかりは早寝早起きっすけど9時から7時まで10時間は寝る寝ぼすけさんっす。気にしないっすよ」

あかり「ね、寝ぼすけじゃないもん!」

モモ「そうっすね、子供はよく寝るっすからね」

あかり「む~」

モモ「あはは・・・さて、時間的にもう先鋒戦は始まってる頃っす。早く行くっすよ」

あかり「あっ、そっか今日は試合の日だったよぉ」

モモ「1回着替えとか取りに帰るっすか?」

あかり「ううん、いいよ。行こうお姉ちゃん」

モモ「外、雨降ってるっす。傘持ってるっすか?」

あかり「えっ、持ってないよぉ」

モモ「じゃあ私と相合傘っす」

あかり「うん!」

モモ「・・・どこを応援すればいいかわからない?」

あかり「うん・・・姫松の人達から応援しなくていいって言われたけど昨日永水の人達にも会っちゃって・・・」

あかり「残るのは2校だけなのに全部の高校を応援するなんて駄目だよね」

モモ「いや駄目じゃないと思うっすけど」

あかり「でも勝負だもん。全員を応援してたらどこに勝ってほしくて負けてほしいのかわからなくて変だよぉ」

あかり「阿知賀の人達も怜お姉ちゃん・・・千里山の人達も勝ちあがってきたら清澄と戦うことになる」

あかり「あかり、色んな人と知り合いになれて本当に嬉しかったけど、清澄の人達を純粋に応援出来なくなっちゃったよ・・・」

モモ「あかり・・・」

あかり「・・・ごめんねお姉ちゃん、変な話して。あっ、もう駅だよ。傘いらないね」

モモ「あかり、走っちゃ駄目っすよ!」

穏乃「うわっ!」

あかり「きゃあ!」

穏乃「ごめん! 大丈夫だった・・・あかりちゃん!?」

あかり「穏乃お姉ちゃん!?」

憧「ちょっとしず、だから走るなって言って・・・あら、あかりちゃんじゃない。どうしたのこんなところで?」

あかり「清澄の応援に行こうとしてて・・・穏乃お姉ちゃん達は?」

穏乃「私達は練習試合に行くところだよ」

憧「昨日福路さんが来てくれたことから、個人戦の選手だったら練習試合できるって気づいたのよ」

あかり「そうだったんですか、頑張って――」

あかり(・・・頑張って、どうしてほしいんだろう。決勝で清澄に負けてほしいの?)

穏乃「あかりちゃん、どうしたの?」

モモ「あかり、大丈夫っすか?」

あかり「あっ、お姉ちゃん、うん、大丈夫だよ・・・」

玄「穏乃ちゃん、憧ちゃん~」

灼「2人とも急ぎすぎ。電車まだだよ」

宥「ひぃ、はぁ・・・あれ、あかりちゃんと桃子ちゃん?」

モモ「阿知賀の皆さん?」

灼「奇遇ですね」

玄「また偶然会っちゃったねあかりちゃん」

あかり「はい・・・」

宥「どうしたの? 元気ないよ」

モモ「・・・皆さんはこれから何をするんっすか?」

灼「練習試合。個人戦の選手に受けてもらった」

モモ「もしご迷惑でなければ、あかりも一緒に連れてってほしいっす」

あかり「ええっ!? お姉ちゃん、何を言うの!?」

モモ「そんな顔で、気持ちで応援してても意味がないっす。麻雀打って気分を変えるっす」

あかり「で、でも・・・」

穏乃「構いませんよ。ねぇ?」

灼「うん、いいんじゃないかな」

玄「ふっふっふ、昨日はステルスのせいでドラ捨てるはめになっちゃったからリベンジするのです」

モモ「じゃあお願いするっす。あかり、大人しくしてるんっすよ」

あかり「ちょっと、お姉ちゃん――」

モモ「こっちは電車の時間なんでお先に失礼するっす。あかりのことよろしく頼むっす~」

憧「行っちゃった・・・でも、いいのあかりちゃん? 和達の応援行かなくて」

あかり「あっ、はい、いいんです・・・よろしくお願いします皆さん」

宥「よろしくね~」

あかり(そうだよね、こんな気持ちで応援したって通じるわけないよぉ。少し気分変えないと)



憩「降っちゃったね雨」

穏乃「おはようございます、荒川さん!」

憩「おはよう。遠いところわざわざ大変やったでしょ~ぅ?」

あかり(ナースさん?)

憩「あら、こん子は誰かの妹さん?」

灼「いえ、知り合いの妹です。迷惑でなければ一緒にと頼まれまして」

あかり「はじめまして、東横あかりです」

憩「あかりちゃんね。こちらもはじめまして。うちは荒川憩や、よろしくな」

あかり「はい、憩お姉ちゃん」

玄「荒川さんは、去年のインハイ個人戦2位なんだよ」

あかり「えっ? 凄いですね!」

憩「そうでもないわ。結局、宮永さんには手も足も出されへんかったし」

宥「宮永照さん・・・私達の次の相手・・・」

あかり(咲お姉ちゃんのお姉さん、そんなに強いんだ)

憩「そうか、次は白糸台と当たるんやな。先鋒でトばんようにきぃつけて」

玄「ぜ、善処します」

憩「まあ、宮永さんに関して伝えられることは全部伝えたるわ」

穏乃「ありがとうございます!」

憩「さあ、皆もうお待ちかねやから、行こうか」

灼「皆?」

「ちょっとツテで呼びかけてん」

憩「紹介するで。九州赤山高校の藤原利仙さん」

利仙「よろしく」

あかり(部長と同じ名前だ・・・)

憩「麻雀初めて5ヶ月で東海王者になった対木もこちゃん」

もこ「・・・」

憧(あのリボンだらけの格好、まさにしずとは対極ね)

憩「その友達で静岡1位の百鬼藍子さん」

藍子「よろしくね」

玄(ひゃ、百鬼? なんだか怖い苗字だなぁ)

憩「須和田高校の霜崎絃さんは千葉MVP」

絃「よろしくお願いします」

灼(チャイナ服?)

憩「ほんで最後に、高1の頃にインハイ団体戦優勝、それからも目覚しい成績を残してインカレで絶賛活躍中の赤座あかねさん」

あかね「そんな照ちゃんも憩ちゃんもいなかった頃の栄光の話なんてしなくていいのよ、憩ちゃん」

あかり「あかねお姉ちゃん!?」

あかね「・・・!? あ、あ、あかり!? な、なんでここに!?」

憩「うん? あかねさんと知り合いなん?」

あかり「従姉妹です。久しぶりだね、あかねお姉ちゃん!」

あかね「え、ええ、1年と22日ぶりね」

あかね(どうしましょう、あかりがいるなんて聞いてないからお化粧も適当にしてきちゃったわ)

憧(1年と22日、えっ? 数えてたの?)

灼(この人、なんかやば・・・)

憩「奇妙な縁も会ったもんやな。それはともかく、この6人でお相手します~」

穏乃「ぜひっ、よろしくお願いします!」

あかね(ああ、1年ぶりに会ってもあかりの可愛さは変わらない・・・いえ、むしろ倍以上に可愛くなっているわ!)

あかね(新しい写真、補充しないと)

宥(な、なんだかさむ~い)

数時間後

あかり「・・・」

憩「どうしたん、浮かない顔しとるけど?」

あかり「憩お姉ちゃん」

憩「今はあかねさんらが打ってて暇やし、よかったら相談乗るよ?」

あかり「・・・実は――」



憩「ふぅん、なるほどね。知り合いいっぱいおって誰を応援すればいいかわからん、と」

あかり「あかり、会った選手の人皆に頑張ってくださいなんて言ってきましたけど、とっても無責任なことですよね」

憩「いいや、無責任やないよ。だって、あかりちゃんは本当に頑張ってほしくてそう言ったんやろ?」

あかり「でも・・・」

憩「うちな、千里山の先鋒、園城寺怜さんと知り合いやねん」

あかり「怜お姉ちゃんと?」

憩「怜さんのことも知っとるんか、ほんま顔広いな」

憩「それに姫松にも知り合いがおるし、阿知賀ん人等とも知り合いや。けど最後は敵同士になる」

あかり「その、どこに勝ってほしいんですか?」

憩「そうやね、千里山かな。怜さんとは1番長く仲良くさせてもらっとるから」

あかり「そうですか・・・あかりもやっぱり清澄だけを応援した方がいいんでしょうか?」

憩「どこに勝ってほしいって応援するならその方がええやろうな」

あかり「勝ってほしいって応援するなら?」

憩「うん、結局最後に勝つのは1校だけやからそれはしゃーない。けど、全力が出せるよう頑張れって応援するなら全員にしたっても構わんやろ?」

あかり「全力が出せるよう・・・」

憩「勝つか負けるかはともかく、本気が出せますように、精一杯戦ってほしい。そう思って頑張れって言うのもまた応援やろ?」

あかり「あっ・・・」

憩「それやったらうちも皆応援しとるよ。自分の力を最大限に発揮して思う存分戦ってなって」

あかり「・・・そうですね、ありがとうございます、憩お姉ちゃん!」

憩「いいんよ、うちも悩むときあるからな。それで、試合を見る気にはなれたん?」

あかり「はい、もう遅いかもしれませんけど・・・」

憩「ううん、勝負は終わるまでわからへんよ。じゃあ、うちと一緒にTVで応援しよか」

あかり「はい!」



憩「やったやん、清澄1位抜けやで。姫松もおるんに凄いなぁ」

あかり「その姫松も2位抜けですね」

憩「宮守と永水は残念やったけど」

あかり「そうですね、宮守の大将さん泣いちゃってましたし・・・」

憩「さっきも言ったとおりそれだけはしゃーないことや。気にしたらあかん」

あかり「はい・・・」

憩「・・・あかりちゃん、あかりちゃんは一応勝者側の人間や。胸張って笑顔でおらな負けた方も、なんや自分達に勝ったの後悔しとるんかって気分になるで?」

あかり「・・・皆さん、後悔してないでしょうか?」

憩「それは無理やろな。負けてもうたら絶対心のどこかで後悔は残る。うちかて去年の個人戦、宮永さんに負けたこと今でも後悔しとるから」

憩「それでも全力で戦ったことは決して辛い思い出にはならん。ほんの少しの後悔と充実感と共にきっと一生うちの中に残るんや」

あかり「あかりはまだ大会に出たことないから、その気持ちよくわかりません」

憩「そっか。でも、あかりちゃんならいつか大会にも出られるよ。今日見て筋がいいのはわかったし、あかねさんの従姉妹やからな」

憩「ただまあ、ステルスじゃない方の能力をどうにかせんと駄目やけど」

あかり「うぅ・・・やっぱりそれですよね・・・」

憩「優しい能力なんやけどなぁ、とことん麻雀には向かへんな」

あかり「はぁ・・・」

憩「そう落ち込まんと、まだまだ時間はたっぷりあるんやから、改善する方法も見つかるやろ」

憩「幸運譲渡能力が消えて、充分強くなったら今度こそ本気で打とうな。約束や」

あかり「はい、いつになるかわかりませんけど、必ず」

憩「うちはいつまででも待っとるよ」

あかね「憩ちゃん、あかり、終わったわよ」

憩「あっ、あかねさん。どうでした?」

あかね「皆とっても強いわね。油断してたら負けちゃいそう」

憩「高校時代の戎能プロを倒したあかねさんがそこまで言いますか」

あかね「倒したと言っても1回だけ団体戦でよ。個人戦では負けてしまったわ」

あかり「でも、やっぱりあかねお姉ちゃんは強いよぉ。あかり、藤田プロと打ったときはまくるまでもないとか言われてすぐにトばされちゃったもん」

憩「そういえばずっと聞きたかったんですけど、どうしてプロに行かなかったんですか? 話は来てたと思いますけど」

あかね「そ、それは・・・」チラッ

あかり「・・・?」

あかね(プロになったら今よりももっと忙しくなって、滅多に会えないあかりに本当に会えなくなってしまうから・・・)

電車の中

穏乃「はぁ~、皆強かったなぁ~」

憧「でも、だんだん慣れてきたっていうか、少なくとも手も足も出ないなんてことはなくなったわね」

灼「あかねさん、今日は本当にありがとうございました」

あかね「いいえ、こちらこそいい練習になったわ。それに、久しぶりにあかりに会えたから」

あかり「でもあかねお姉ちゃん、あかり1人でも帰れるよぉ」

あかね「危ないから駄目よ。それに桃子も来ているんでしょう? あの子にも会っておきたいわ」

あかね「・・・あかりを1人で女の子達の中に放り込んだおしおきをしないといけないから」ボソッ

宥(ま、またさむ~い・・・)

玄「でもよかった、試合の前にドラが戻ってきてくれて」

あかり「そういえば玄お姉ちゃん、最初は全然ドラが来てませんでしたね。どうしてなんですか?」

玄「う~んと、私ドラがいっぱい来るのはいいんだけど、ドラを切っちゃうとそれから何回か打たないとドラが来なくなっちゃうの」

あかり「だから試合のときも絶対にドラを切らなかったんですね」

玄「うん。お母さんからドラを大切にしなさいって言われてから、手役よりドラを大切にしてきたらいつの間にかこうなってたんだ」

あかり「そうだったんですね・・・でも、なんだか寂しいですね」

玄「えっ?」

あかり「ずっとドラな赤ドラさんはともかく、ドラは局ごとに変わっちゃいます。前の局でドラだった牌も次の局に行ってしまったらただの牌に戻ってしまいます」

あかり「どの牌にだってドラになる可能性はあるのに、ドラの時だけ大切にされるのはなんだか寂しいです」

玄「・・・」

あかり「ああっ、その玄お姉ちゃんの打ち方を批判してるわけじゃないんです! ルール上仕方ないことですから・・・」

灼「あかりは優しいね。私、そんなこと考えたこともなかったよ」

宥「清澄の部長さんのあれを見て牌が可哀想だとは思ったけど・・・」

あかり「ゆみお姉ちゃんが牌に愛されるには牌を愛せって言ってて、だからこんなこと考えちゃったんだと思います」

穏乃「くぅ~、強い人はやっぱり言うことが違うね!」

憧「でも玄、あんまり真に受けちゃ駄目よ。玄のはそういう能力で仕方ないことなんだから」

宥「玄ちゃんは別にドラ以外の牌を嫌ってるわけじゃないもんね」

玄「うん・・・」

あかね「・・・あかり、そろそろ私達は降りる駅よ」

あかり「もうそんなところまで来ちゃってたんだ。それじゃあ皆さん、今日は本当にお世話になりました」

あかね「皆、私も応援するから照ちゃん達が相手でも諦めずに戦うのよ」

穏乃「はい! 本当にどうもありがとうございました!」



ゆみ「モモ、何で私に抱き着いて震えてるんだ?」

モモ「あ、あの人が一緒だってあかりが言ってたからっす・・・」

智美「あの人って赤座あかねさんのことか? まさかモモの従姉妹だとはな」

睦月「かつて戎能プロのいる高校を破って全国制覇を達成した七森高校のエースだった人でしたっけ」

佳織「そんなに怖い人なんですか?」

モモ「私が知っている人の中で1番恐ろしい人っす・・・ある意味で」

あかり「お姉ちゃ~ん!」

智美「おっ、うわさをすればだぞ」

モモ「あ、あかり! 大丈夫だったっすか?」

あかり「あかねお姉ちゃんと一緒だったから大丈夫だよ」

モモ「いや、一緒だからこそ――」

あかね「桃子」

モモ「ひぃ!?」

ゆみ「赤座あかねさんですね。はじめまして、鶴賀学園麻雀部元部員の加治木ゆみと申します」

あかね「あら、ご丁寧にどうも。赤座あかねです。あかり・・・と桃子の従姉妹です。桃子がいつもお世話になっています」

智美「ワハハ、こちらこそモモにはいつも世話になってます」

佳織(う~ん? 綺麗な人だしニコニコしてて怖くは見えないけど・・・)

あかね「会って早々悪いのだけど、桃子とお話がしたいから少し外してくれるかしら? あかりもね」

ゆみ「あっ、はい」

あかり「うん、じゃあお姉ちゃんまた後で」

モモ「な・・・ま、待って・・・」

あかね「さてと・・・人のいないところまで移動しましょうか」



モモ「・・・」ビクビク

あかね「そんなに警戒しないでほしいわ。別にとって食おうというわけじゃないのに」

モモ「じ、自分の行動を省みてから言ってほしいっす・・・!」

あかね「桃子には何もしてないと思うのだけど・・・まあいいわ。久しぶりね桃子」

モモ「ひ、久しぶりっす」

あかね「正直驚いたわ。貴女があかり以外の人とこんな遠くにまで来るなんてね。前に会ったときはあかり以外の人間なんかどうなってもいいなんて言ってたのに」

モモ「・・・必要とされることの嬉しさを先輩から教わったからっす」

あかね「私はもう随分前から貴女を必要としてた気がするのだけど?」

モモ「あかりに変な虫が付かないよう見張り役としてっすよね」

あかね「ええそうよ。でもよかったわ、その先輩のことが好きだというのなら、貴女がその虫になることはなさそうね」

モモ「あかりと私は実の姉妹っす。さすがに有り得ないっすよ」

あかね「そう? 私はもし実の姉妹だったとしてもあかりのこと好きになっていたと思うわ」

あかね「それはいいのだけど、桃子。どうして今日あかりを1人にしたの?」

モモ「は? 1人じゃなくて阿知賀の人達に任せて・・・」

あかね「その阿知賀の人達の中で1人にしたって言ってるの。とてもいい子達だったけど、もしもあかりの魅力に当てられて懸想でもしたら・・・」

モモ「い、いや、昨日も会いましたし・・・」

あかね「あかりの可愛さは一分一秒ごとに進化していくの! 1日会わざれば刮目せずともわかるくらいに!」

モモ(ひぃ~!)

あかね「桃子、貴女もしかしてその先輩のことで頭がいっぱいで、あかりのことなんてもうどうでもよくなってしまったの?」

モモ「そ、そんなことないっす! あかりは今でも私の大切な妹っすから!」

あかね「そう、じゃあその大切な妹を危険に晒した罰を与えないとね・・・」

モモ「な、何する気っすか・・・?」

あかね「・・・その先輩とはキスぐらいしたのかしら?」

モモ「ひっ、ま、まさか・・・」

あかね「・・・」

モモ「や、やめるっす! ま、まだ先輩とは何もして――」

モモ(せ、先輩、助けて・・・)

あかね「・・・」

モモ(も、もう駄目っす・・・先輩ごめんなさい・・・モモは汚されてしまうっす・・・)

あかね「・・・てい」

モモ「いたっ! デコピン?」

あかね「冗談よ。まったく、そこまで怯えられるとなんだか哀しいわ。昔はあかりみたいにあかねお姉ちゃんって呼んで、なついてくれていたのに」

モモ「・・・じょ、冗談に聞こえないんっすよ姉さんのは!」

モモ「あかりとお医者さんごっこしてる時に頭が割れるからパンツ被せてとか人工呼吸とか言ってキスさせたりとか・・・極めつけはあの部屋っす!」

あかね「そうなのよね、あかりも大きくなってしっかりしてきたから過激なことも出来なくなったし、離れてるからグッズ製作もままならないわ」

モモ「私にその・・・そういった愛の形に対しての理解がなければ通報してるところっすよ!」

あかね「心配しなくてもあかり以外にはしないわこんなこと」

モモ「あかりにするから心配なんっす!」

あかね「それそれとして、あかりに変な虫は付いていないのね?」

モモ「・・・京子達以外にも友達が増えたし、こっちに来てから何人か知り合いも増えたみたいっすけどそんな仲の人はいないっすよ」

あかね「そう、よかった」

モモ(昨日の夜何かなかったかって聞いたら顔真っ赤にしたのは内緒にしておくっす・・・私の貞操の為に)



あかね「それじゃあ名残惜しいけれど私はこれで」

ゆみ「はい。また会った時は1局ご指導お願いします」

智美「大学に入れればインカレで会えますね」

佳織「入れれば、だけどね智美ちゃん」

智美「ワハハ~」

睦月「笑ってごまかした!?」

あかね「桃子、あかりのことくれぐれもよくお願いね」

モモ「ま、任せるっす」

あかね「あかり、インターミドルでもこっちに来るんだったわね? その時でいいから、また写真撮らせてね」

あかり「うん! あかねお姉ちゃん、相変わらず写真好きだね」

モモ(あかりの写真だけ、抱き枕にしたいからっすけどね・・・)

あかね「それじゃあ皆、またどこかで会いましょう」

あかり「またね、あかねお姉ちゃん!」

ゆみ「優しい人じゃないかモモ」

モモ「・・・いや、まあ普段はそうなんっすけどね」

佳織「なんだか風越の部長さんと声や物腰が似ている気がしました」

モモ(ああ、最近どこかで似たような気配を感じたと思ったらあの人っすか。あの人まであんなだったら私はもうあかりを守りきれる自信がないっすよ)

智美「それであかり、気持ちの分別はついたのか?」

あかり「はい、あかりが勝ってほしいって応援するのは清澄だけですけど、全員を精一杯戦ってほしいって応援することにしました」

睦月「じゃあ4倍頑張って応援しないとね」

あかり「た、大変ですけどやりますよぉ」

ゆみ「よし、それじゃあ帰って夕食にしよう。明日の試合、会場で見たいんだろう?」

あかり「はい!」

モモ「食べてすぐ寝ると豚になるっすよあかり」

あかり「・・・お胸が豚さんになるならあかりはそうするよぉ」

モモ「姉さんも大きくなってたから気になったっすか」

智美「あかりはモモの妹だから気にしなくていいだろ」

あかり「でも洋榎お姉ちゃんと絹恵お姉ちゃんは・・・」

ゆみ「・・・とにかく、早く帰ろう」

智美「ワハハ、じゃあ車回すぞ~」

佳織「元気出してあかりちゃん。きっとすぐに大きくなるよ」ボイーン

あかり(うぅ・・・お胸ってどうやって大きくすればいいんだろう?)

今日はここまです

投下します
今更ながら宮永姉妹の過去はオリジナル設定ですので嫌いな方は注意してください

次の日

あかり「わ~、人がこんなにいっぱい・・・」

モモ「もう準決勝っすからね。それに白糸台が出るんっすから」

ゆみ「あかりに合わせて早起きしてきてよかったな」

智美「私はまだ眠いけどな」

睦月「せめて先鋒戦だけは頑張りましょうよ」

佳織「宮永照さんの試合ですから」

あかり(色んな人が強いって言う咲お姉ちゃんのお姉さんの実力、一体どれほどのものなのか気になるよぉ)

恒子「会場に最初の選手が入場してきました、あれは・・・白糸台高校の宮永照だぁ!」

モモ「来たっすね」

あかり「あれが――ってえっ? 尭深お姉ちゃん!?」

智美「ワハハ、どうしたあかり?」

佳織「尭深って白糸台の中堅の渋谷尭深さんのこと?」

あかり「えっ、えっ? 白糸台の中堅? 観海寺じゃなくて?」

ゆみ「観海寺? 確か二回戦で白糸台に負けたところじゃなかったか?」

あかり「ええ~!?」

あかり(尭深お姉ちゃんが宮永照さんだったの!? あっ、だから咲お姉ちゃんのこと・・・)

――照「知らない。そんな、奴知らない」

あかり「・・・」



恒子「先鋒戦決着~!」

ゆみ「・・・まさかここまでのものとはな」

睦月「和了る度にきっちりと点数を上げて行ってましたね。ドラもないのによくあそこまで・・・」

佳織「千里山と新道寺は協力して流してたみたいですけど、松実さんは気づいてなかったみたいですね」

智美「まあ、どんな安手でもドラで大化けするんだ。千里山達も差し込みなんてできないだろうからな」

モモ「ドラローさんも思うように牌が捨てられないっすからね。協力は難しかったっす」

あかり「でも最後に皆で協力して大きいのを当てたよぉ」

智美「うん? 千里山の様子がおかしいぞ?」

佳織「ああっ! た、倒れちゃいましたよ!?」

あかり「怜お姉ちゃん!」

睦月「試合中も随分辛そうでしたね」

あかり「怜お姉ちゃんの力、結構体力を使うって言ってました・・・」

ゆみ「あれだけの力だ、何か制約があるとは思っていたが・・・」

モモ「まるでバトル漫画っすね・・・」

あかり「怜お姉ちゃん、大丈夫かな?」

あかり(怜お姉ちゃん、善野さんと同じ病院に行くのかな? 売店で何か買ってお見舞いに行くよぉ! ごめんなさい、阿知賀の皆さん)



晴絵「ドラゴン復活の儀式、始めるよ、玄」

玄「はい・・・」

玄(結局また負けちゃった。ごめんね皆、ごめんねあかりちゃん。次はやってみせるなんて言ったのに・・・)

玄(ドラ来ないな・・・当たり前だよね、切っちゃったもん)

――あかり「でも、なんだか寂しいですね」

玄(・・・)

――あかり「どの牌にだってドラになる可能性はあるのに、ドラの時だけ大切にされるのはなんだか寂しいです」

玄(そうだよね。都合のいい時だけ大事にして、せっかくいい待ちになれるのに平気で捨てるような真似をして・・・)

玄(だからすぐに見離されちゃうんだ。それなのにこうやって打っていたら戻ってきてくれる)

玄(私はいつまでも変わらないのに、それでも本当に見捨てることはしないでいてくれてる・・・)

玄(ごめんね。大事にするってそういうことじゃないよね・・・)

玄(私は待ってるから・・・いつまでも、いつでも貴方達を待ってるから・・・)

穏乃「あれ? 玄さんにドラが来てる?」

憧「ほんとだ・・・えっ? 何泣いてるのよ玄!」

灼「玄、どうしたの?」

玄「今までごめんね・・・ありがとう・・・」

玄(これで、これでいいんだよね、お母さん)

晴絵「何か大切なことに気がついたのね玄・・・よし、憧! 灼! あんた等もウォーミングアップよ!」

あかり「えっと、売店売店・・・あっ!」

照「中々品揃えがいい」

あかり「尭深・・・照お姉ちゃん!」

照「・・・!?」

――照おねーちゃん

照「光!」

あかり「えっ? あかりですけど・・・」

照「あっ・・・ごめん」

あかり「いえ・・・でも、ひどいですよぉ偽名使うなんて!」

照「こう見えて有名人だから、騒がれてしまうと面倒だと思ったんだ。すまない」

あかり「それでしたら二回目に会ったときに言ってくれればよかったのに・・・」

照「言い出しづらかったんだ、それに色々あって機会も言う暇もなかったというか・・・」

あかり「あっ・・・」

照「・・・そ、それはいいとして、どうしてここにいるんだ? 長野の試合は今日じゃないだろ?」

あかり「阿知賀と怜お姉ちゃん・・・千里山の応援に来ていたんです」

照「そうだったの、千里山大丈夫かな?」

あかり「何か買ってお見舞いに行こうと思っていたんですがその前に・・・」

あかり「照お姉ちゃん、もう一度聞きますけど咲お姉ちゃん、宮永咲という人のこと本当に知らないんですか?」

照「・・・その子がなんなの?」

あかり「昔喧嘩をしてそのまま離れ離れなってしまったお姉さんと仲直りがしたいって思ってるそうです」

照「・・・!」

あかり「真面目に打たずに怒らせてしまったから、本気で麻雀を打って気持ちを伝えたいって――」

照「・・・そう、でも無理だろうな」

あかり「えっ?」

照「貴女に言われて気になったから二回戦の清澄の試合を見ていた。大将戦、結局1位抜けだったけど、前半後半を半荘25000点と見たらどっちもプラスマイナス0点だった」

照「それで気になって個人戦の予選の牌譜を見たら、こっちでもプラスマイナス0の試合が何度もあった」

照「わざと負けてたんだ、歪な方法で。それのどこが真面目なの? 私には麻雀を侮辱してるようにしか思えない」

あかり「そ、そんなことないです! 団体戦は凄かったんですよ! 一緒に打った人達だって皆満足するようなそんな麻雀を――」

照「団体戦はチームメイトの為に嫌々やったんだろう」

あかり「そんなこと・・・」

照「・・・じゃあ、私はこれで」

あかり「あ、あの!」

照「何? まだ何か用があるの?」

あかり「え、えっと・・・光さんって?」

照「・・・! 光は私の従姉妹よ」

あかり「従姉妹・・・」

照「魚と泳ぐことが大好きな子だったんだけど病気で身体が不自由になっちゃってね。それでも私た・・・私が麻雀を教えたらプロになるなんて言い出すくらいで・・・」

照「何があっても前向きな明るい子だったよ。病気になる前も後もずっと健康だった私よりよっぽどね」

あかり「へぇ~、とっても強い人なんですね。一度会ってみた――」

照「それは無理。もう、いないから」

あかり「えっ・・・あ、ご、ごめんなさい・・・」

照「気にしなくていい。もう随分前のことだから・・・」

あかり「でも――」

恒子「準決勝次鋒戦まもなくスタートです!」

照「ごめんね、もう行かないと」

あかり「・・・はい、すいません引き止めてしまって」

照「それも気にしなくていいから。じゃあね」

あかり「じゃあ、また」

あかり(気にしてないわけないよね。光さんの話をする時の照お姉ちゃんとっても辛そうだった)

あかり(・・・あんまり人の家庭の事情に首を突っ込むのはいけないことかもしれないけど、それでもあかりはこんなの嫌だよぉ)



咲「うぅ・・・みなも・・・さかな・・・」

あかり「咲お姉ちゃん、起きてください」

咲「光ちゃ・・・はっ! あかりちゃん?」

あかり「おはようございます、咲お姉ちゃん」

咲「おはよう。どうしてここに?」

あかり「咲お姉ちゃんに聞きたいことがあるんです」

咲「いいよ、なに?」

あかり「・・・光さんのことです」

咲「・・・!? そ、それ、誰から――」

あかり「さっき照お姉ちゃんから聞きました」

咲「お姉ちゃんから!? お姉ちゃんとお話したの!?」

あかり「はい」

咲「お姉ちゃん、私のこと何か――」

あかり「わざとプラスマイナス0にして負けるなんて麻雀を侮辱しているって」

咲「そ、そっか・・・そう、だよね。お姉ちゃん・・・」

あかり「で、でも、咲お姉ちゃんのことを見てくれてたんです! 大丈夫ですよ、絶対仲直りできますから!」

咲「・・・うん、そうだね、ありがとう。それで、光ちゃんの話だっけ?」

あかり「はい。咲お姉ちゃん達の従姉妹さんなんですよね?」

咲「そうだよ。宮永光。私と同い年でいつもお姉ちゃんと一緒に3人で遊んでた大切な家族だった」

あかり「咲お姉ちゃんも泳ぐのが好きだったんですか?」

咲「ううん、私とお姉ちゃんはいつもちょっと泳いだらプールサイドで光ちゃんが泳いでるのを眺めてた」

咲「身体を動かすより本を読んでる方が好きだったけど、光ちゃんと一緒に遊んでるときはとっても楽しかったの」

咲「でも、あるとき光ちゃんが病気に罹って身体が不自由になっちゃったんだ。泳ぐことはもちろん歩くことさえ困難になって入院生活を強いられた」

あかり「それで麻雀を教えたんですね」

咲「そう。身体も動かせないし本を読むのも嫌いだって言うからお姉ちゃんと一緒に麻雀を教えてあげたの」

咲「叔母さん・・・光ちゃんのお母さんも強かったからかな、光ちゃん本人もすぐに強くなったんだ」

咲「楽しかったなぁあの頃は。光ちゃんがプロになって水族館作るんだって言って、3人でどんなお魚を入れようかななんて話したりしてた」

あかり「・・・」

咲「・・・でもある日、光ちゃんが入院してた病院が火事になっちゃったの」

あかり「・・・!」

咲「その時の当直は新人さんばかりでね、対応が遅れちゃったんだ」

咲「・・・次の日起き抜けにそのことを知らされた私達は慌てて光ちゃんが搬送された病院に行ったんだけどっ・・・!」

あかり「咲お姉ちゃん・・・」

咲「・・・ごめんね、大丈夫だから。光ちゃんのお葬式が終わってから暫くして、お姉ちゃんが急に麻雀を打とうって言い出したの。打って光ちゃんのこと思い返そうって」

咲「でも私は嫌だった。辛かったの、光ちゃんのことを思い出すのが。あんなに楽しい思い出だったはずなのに・・・」

咲「それでもお姉ちゃんに押し切られて卓に着いて、でも泣きそうで牌も切れなかった私は、それまでとは違う打ち方をすることにした」

あかり「違う打ち方?」

咲「光ちゃんと打っていた時はいつでも本気で勝つ為に打っていた。だから、負ける為に打つようにしたんだ」

咲「そうやって打っていれば光ちゃんのことを思い出すこともなかった。光ちゃんと一緒に打っていた時とは違うんだって思えたから」

咲「でもお姉ちゃんにすぐ見破られた。怒られて本気にする為にお金までかけるようになった」

咲「お金を取られるのも嫌だったし、何より私も光ちゃんと向き合おうと思って勝とうとしたこともあったんだよ」

咲「けどいつまでも涙が出るのは変わらないし、何でいつもそうやって本気を出さないんだって怒られて結局無理だった」

咲「そうやって負けたらお金を取られて勝ったら怒られてを繰り返しているうちに、私は勝ちも負けもしない打ち方をするようになっていた」

あかり「プラスマイナス0にするんですね・・・」

咲「うん・・・最初は騙せてたんだけどその内バレて今までに以上にひどく怒られちゃった。勝ちも負けもしないならお前は何で麻雀を打っているんだって」

咲「光ちゃんと打っていた時は、いつも負けた人のどこが悪かったかを3人で言い合ってた」

咲「あそこが悪かった、ここはこうした方がよかったなんて話してる時間もとても楽しかった。だから、勝とうとも負けようともしない私が許せなかったんだと思う」

咲「その頃にはお姉ちゃんと会話することも殆ど無くなっちゃって、でも麻雀だけは続けてて、その度に余計に嫌われていって・・・」

咲「私達の不仲はお母さんとお父さんにも広まってた。気がつけば私達姉妹を分けて別居することになってたの」

あかり「そんな・・・」

咲「そして離れ離れになる最後の日、私はお姉ちゃんに言ってはいけないことを言ってしまった」

あかり「・・・どんなことを言ったんですか?」

咲「・・・光ちゃんなんかいなければよかったんだって」

あかり「・・・!」

咲「光ちゃんがいなければこんなことになんかならなかったんだ。そう、言っちゃったんだ」

咲「そしたらお姉ちゃんはいなければよかったのはお前の方だ、もうお前は私の妹なんかじゃないって言って、それっきり話もしてくれなくなった」

あかり「・・・悲しいですね・・・」

咲「辛かったの! 変わっていっちゃうお姉ちゃんを見てるのが! 大好きだった麻雀を嫌いになっていくのが怖かった!」

咲「何かの、誰かのせいにしないと耐えられなくて・・・!」

咲「ごめんなさいお姉ちゃん・・・ごめんなさい光ちゃん・・・」

あかり「・・・」ギュッ

咲「ごめんなさい・・・ごめんなさいっ・・・!」



あかり「・・・もういいんですか?」

咲「・・・うん、ありがとうあかりちゃん」

あかり「いいえ、辛いことを思い出させてしまってごめんなさい」

咲「・・・お姉ちゃんが怒るのも当然だよね。私が弱虫だっただけなのに光ちゃんに全部の責任を押し付けて・・・」

あかり「・・・咲お姉ちゃんは悪くないって、あかりには言えません。けど、咲お姉ちゃんだけが悪いわけじゃないと思います」

咲「ううん、私が全部悪いんだよ」

あかり「・・・あかりはそうは思いません」

咲「でも・・・」

衣「咲、遊びに来たぞ~!」

一「こんにちは宮永さんっと、あかりちゃんもいたんだ」

衣「どうしたんだ咲? なんだか目が赤いが」

咲「あっ、これは、その・・・怖い夢を見て泣いちゃってたみたいで、ちょうどあかりちゃんが来て起こしてくれたんだ」

衣「そうだったのか。怖い夢を見て泣くなんて咲は子供だな!」

一「絵本を読み聞かせないと寝れない衣に言われたくないと思うよ」

衣「そ、それは内緒だと言ったはずだぞはじめ!」

咲「ふふふ・・・もうすぐお昼だし、何か食べようか。確か、冷やし中華が残ってたはずだから」

一「僕達は外で食べてきたからいいよ」

咲「じゃああかりちゃん、ちょっと少ないかもしれないけど一緒に食べよっか」

あかり「はい・・・咲お姉ちゃん」

咲「なぁに?」

あかり「明日の試合、会場で応援出来ないかもしれませんけど頑張ってくださいね」

咲「・・・? うん、任せておいて」

衣「鏖殺だ~!」

一「あんまり物騒なこと言わない」

次の日

菫「決勝は明日だ。準決勝のような不甲斐ない真似を見せないよう各自しっかり鍛えるように」

淡「高鴨穏乃・・・今度こそコテンパンにしてやるんだから!」

尭深「ラス親引けるように頑張る・・・」

誠子(宮永先輩が稼いだ点差はちょっとやそっとじゃ崩せなかった。それが2位抜けに甘んじるような結果になったのは全部私のせいだ。もう負けられない!)

菫(このままでは私達は照のお荷物扱いだ。私達のメンツだけでなく白糸台の看板にまで傷をつけてしまう。必ず癖を直してリベンジしてやる)

あかり「あの、すいません」

菫「うん?」

淡「うわっ! どっから出てきたの君?」

あかり「すいません、照お姉ちゃんはどこにいますか?」

尭深「照お姉ちゃん?」

誠子「宮永先輩の妹?」

菫(なんだ照の奴、やっぱり妹がいるんじゃないか)

菫「すまない、照は今日は1人になりたいと言ってどこかに行ってしまった」

淡「テルーだけは練習の必要ないもんね」

あかり「どこに行ったかわかりませんか?」

尭深「聞いてない・・・」

誠子「そういえば昨日魚が見れるところがないかって聞かれたな。私のよく行く釣り場を教えたけど・・・」

あかり「そこ教えてくれませんか?」

誠子「いいよ。えっと地図は・・・あった! はい、ここだよ」

あかり「わかりました。どうも、ありがとうございました! 練習頑張ってください!」

淡「うん、テルーによろしくね~」

菫(ちょっと待て。この子どうやってここまで来たんだ? 来客が来たら外の部員達が知らせに来るはず・・・)

菫「ちょっと君――」

あかり(いっぱい部員さんを引き連れてるから見つけやすくて助かったよぉ)\アッカリーン/

菫「き、消えた!?」

淡「・・・え~っと?」

菫(照は前に妹がいると言っていた。しかし、今ではいないと言っている。そして突然現れて突然消えた妹らしき人間・・・)

尭深「もしかして、幽霊?」

菫「ば、ばばば、馬鹿な! ゆ、幽霊だと!? こんな朝っぱらから!?」

尭深「でもそうだったら説明がつく」

淡「そ、そんなわけないじゃん! ゆ、幽霊なんかいないよ!」ダキッ

誠子「わ、私に抱き着いて言うことか! めちゃくちゃ震えてるし!」

淡「亦野先輩が震えてるんでしょ!」

菫「し、しかし、幽霊だとして何故照の居場所を聞いてきたんだ?」

淡「1人じゃ寂しいから、テルーを連れて行こうとしてるんだよ! た、大変だよ、テルーが危ない!」

誠子「ま、まさかそんなことあるわけないって!」

淡「まだ生きていたかった、お姉ちゃんと一緒にいたかったという気持ちがいつの間にか、お姉ちゃんだけ生きて名声を浴びてるのが許せないっていう怨念に変わってあの子を悪霊にしたんだ!」

尭深「怨念・・・」

菫「ば、馬鹿! そんなわけあるか!」

淡「でも・・・!」

尭深「・・・怨念がおんねん」

菫淡誠子「・・・」

尭深「・・・」

淡「・・・さむっ!」

誠子「どうしたんだ、渋谷?」

菫「お前まさかさっきの悪霊に取り憑かれて・・・」

尭深「ば、場を和ませようと・・・」カァ

菫「と、とにかくだ! 幽霊だろうと、本物の妹だろうと照にそっちに誰かが向かったことは知らせないといけない」

菫「・・・もしも・・・くそっ、電源を切ってるな」

淡「テルー、無事でいてね・・・」

照「・・・」

――私はもう泳げないから、お魚さんに泳いでもらうのだ

照「・・・光」

あかり「ハァハァ・・・やっと見つけました・・・」

照「・・・! あかり?」

あかり「ここにいるって聞きましたけど、ずいぶん広いから探しましたよぉ」

照「・・・なに? 私はもう貴女と話すことなんかない」

あかり「光さんのこと・・・」

照「・・・話したくない」

あかり「咲お姉ちゃんから聞きました。光さんプロになって水族館を作るのが夢だったって」

あかり「照お姉ちゃんが麻雀を打っているのはその夢を叶える為ですか?」

照「・・・ええ、そう。2人・・・いや、もう隠しても無駄か、3人の夢だったんだ水族館を作って一緒に回ることは」

照「あいつは! そんな夢を話したことも! 夢を叶える為に麻雀を打ったことも! 全部なかったほうがよかったって言ったんだ!」

照「車椅子を押して水族館を回ったことも、叔母さんを倒そうと3人で朝まで策を練ったことも、全部、全部・・・!」

あかり「・・・」

照「私は光のことを絶対に忘れない。それは私の妹も同じはずだ。だから光のことをいなければよかったなんて言う奴は私の妹じゃない!」

あかり「・・・」グスッ

照「・・・! なんで、あかりが泣くの?」

あかり「すいません・・・もしあかりが照お姉ちゃん達と同じ立場だったらどうなったんだろうって思って・・・」

あかり「大切な人がいなくなって1人じゃいられないくらい辛いのに、他の大切な人は変わってしまって・・・」

照「私が、変わった・・・?」

あかり「咲お姉ちゃんはそう言ってました。変わっていく照お姉ちゃんを見ているのが辛かったって。大好きだった麻雀を嫌いになっていくのが怖かったって」

照「・・・」

あかり「それでもそれを誰かのせいにするのはよくないことです。でも、あかりも同じだったらそうしてしまうかもしれません」

照「辛かったら言えばよかった!」

あかり「言えなかったんだと思います。照お姉ちゃんが光さんの夢を叶える為に麻雀を打っているのがわかってたから」

照「・・・っ!」

あかり「麻雀は4人いないと出来ませんから。咲お姉ちゃんと照お姉ちゃんと、照お姉ちゃん達のお父さんとお母さん。全員いないと」

照「他に打つ友達だっていた! 馬鹿にするな!」

あかり「照お姉ちゃんと同じだけの実力の人達が?」

照「・・・そっ、それは・・・」

あかり「昨日の準決勝とっても凄かったです。今よりは弱くてもきっと昔からずっと強かったんだなって思いました」

あかり「でも、なんだか楽しそうじゃなかったです。へこまされてたほかの人達もそうですけど、勝ってる照お姉ちゃんが全然楽しそうに見えませんでした」

照「なっ・・・」

あかり「咲お姉ちゃんは、県予選の団体戦決勝戦でとっても楽しそうでした。1人は一度0点まで追い込まれたのに、それでも他の人たちも楽しそうに打って、最後は皆笑っていました」

照「・・・だから、なんなの?」

あかり「・・・照お姉ちゃん達は何で光さんに麻雀を教えたんですか?」

照「・・・それは、泳ぐことが出来なくなった光を楽しませ・・・!」

照(そうだ、私は光に笑ってほしくて麻雀を教えたんだ)

照「そんな・・・だって・・・」

あかり「自分も相手も楽しませる。夢を叶える為に必死になって忘れちゃってたんですよぉ。大切な気持ちを」

照「そんなの・・・」

あかり「咲お姉ちゃんは思い出したんです。光さんと、照お姉ちゃんとの思い出を。そして、それを照お姉ちゃんに伝えたいと思っています」

あかり「ですから、もう一度だけでいいです。咲お姉ちゃんとお話してあげてください。お願いします」

照「・・・し・・・って・・・」

あかり「えっ?」

照「私だって辛かった!」

照「卓に着いて牌に触れる度に身を刻まれる思いだった! それでも、光との大切な夢の為に我慢して打ち続けた!」

照「私だって逃げ出したかった・・・誰かに支えてほしかった・・・でも出来なかったんだよ・・!」

あかり「照お姉ちゃん・・・」

照「私はお姉ちゃんだから強くないといけなかった・・・私だけでも強くいないと咲が本当に潰されてしまいそうだった・・・でも本当は咲に、私と一緒でいてほしかっ・・・!」

あかり「・・・」ギュッ

照「もう誰も失いたくなかったのに・・・! 結局咲を失って・・・! 私は、私は・・・!」

あかり「・・・もういいんですよ。もう、いいんです」

照「うぅ・・・うぅ・・・」



照「・・・叶えたかったんだ、なんとしてでも。私と光と、咲の大切な夢だったから」

照「だから許せなかったんだ。光だけじゃない、私の思い出も全部否定された気がして」

あかり「咲お姉ちゃんは大切に思っていたからそんなことを言ってしまったんだと思います。大切な思い出だから辛くて、どうしようもなくて追い詰められてしまったんです」

照「ああ、わかってるよ。そこまで追い詰めてしまったのは私のせいだ」

あかり「辛かったら言えばよかったってさっき言いましたよね? それは照お姉ちゃんもそうだったんじゃないですか?」

照「・・・ああ」

あかり「・・・まだ間に合いますよ」

照「そうかな?」

あかり「はい。咲お姉ちゃんはずっと待ってますし、それに2人ともまだ生きているんですから」

あかり「これから幾らでもお話できますし、幾らでも思い出を作れますよ」

照「・・・そうだな」

あかり「行きましょうか」

照「・・・うん」



あかり「失礼します」

まこ「ん? なんじゃあかりか」

優希「どうしたんだじょ?」

あかり「試合前に申し訳ないんですけど、咲お姉ちゃんをお借りしてもいいですか?」

咲「えっ、私?」

久「う~ん、もうすぐ出番だけど、まあいいわ」

あかり「ありがとうございます! 咲お姉ちゃん、あかりに着いてきてください」

咲「う、うん」



咲「どこに行くの、あかりちゃん? あんまり遠くには――」

あかり「会場の外に出るだけです。恥ずかしいから呼んできてほしいって頼まれましたから」

咲「誰かが私を呼んでるの?」

あかり「はい・・・あっ、いましたよ」

咲「えっ、あれって・・・」

照「・・・」

咲「お姉ちゃん!」

照「・・・! 咲・・・」

咲「お姉ちゃん、私のこと呼んで・・・」

照「咲、ごめんなさい。お姉ちゃんが馬鹿だった」

咲「えっ・・・」

照「お前が私と同じで気持ちでいることを強要して追い詰めてしまった。本当にごめんなさい」

咲「そ、そんなことない! お姉ちゃんは悪くない! 私が逃げたからお姉ちゃんが1人で抱え込んで・・・」

照「違うんだ。私も逃げ出したかったんだ。それを必死に見えないふりをしてただけなんだ」

咲「だってしょうがないよそれは・・・」

照「ううん。私があの時お前に言い出せていれば、こんなことにはならなかった」

咲「それは私も同じことだよ」

照「ごめん咲」

咲「ごめんね、お姉ちゃん」

照「許すよ」

咲「私も」

照「咲・・・おいで」

咲「うんっ!」ダキッ

咲「・・・あったかいね、お姉ちゃん」

照「うん。それに懐かしいよ」

咲「私、お姉ちゃんに話したいことがいっぱいあるんだ」

照「私も咲に話したいことがいっぱいある」

咲「だったら話そう」

照「ああ。それがきっと、私達に足りなかったことだから」



あかり(本当によかったよぉ)

久「なるほどね」

あかり「久お姉ちゃん!?」

久「咲の為に色々動き回ってくれたみたいね。ありがとうあかりちゃん」

あかり「いえ、あかりも妹ですから。お姉ちゃんが大好きだって気持ちはわかるんです」

久「そう、モモちゃんが羨ましいわ」

あかり「久お姉ちゃんも大切なお友達でお姉ちゃんです。だから大好きですよ」

久「クスッ・・・皆大好きってわけね」

久(全てのものを愛する心か。だからこの子はあんな力を持っているのね)

久「咲、感動の和解に水を注して悪いんだけど、そろそろ戻らないと」

咲「あっ、はい・・・お姉ちゃん」

照「うん、わかってる。見てるから。でもまたプラマイ0はやめなさいよ」

咲「あ、あれは、私にとって麻雀はプラマイ0にする為に打つものって刷り込まれちゃったからなっただけで・・・」

照「・・・ごめんなさい」

咲「いや、お姉ちゃんを責めてるわけじゃなくてね! 大丈夫、今なら思い出せるから。勝つ為に打ってたあの頃のことを」

照「そうか、頑張るんだぞ」

咲「任せて! あかりちゃん」

あかり「なんで――」

咲「ありがとう!」ダキッ

あかり「わわっ・・・」

咲「あかりちゃんのおかげでお姉ちゃんと仲直りできたよ! 本当にありがとう!」

あかり「・・・絶対仲直りできるって言いましたから」

咲「あかりちゃんもお姉ちゃんと一緒に見ててね」

あかり「はい、頑張ってくださいね咲お姉ちゃん!」

久「このままステージに直接行きましょう。じゃあ、宮永・・・照さん、あかりちゃんまたね」

あかり「・・・よかったですね、照お姉ちゃん」

照「ああ・・・きっと光も喜んでくれている」

照(光、ごめんね。お前がいなくなって私は自分を見失っていた。長くなってしまったけど、ようやく見つけだすことができたよ。お前と同じ、優しい明かりに導かれて)



あかり「やっぱり人多いですね」

照「準決勝ともなるとさすがにな」

あかり「立って見るしかないないみたいですね」

モモ「うん? あかりじゃないっすか! 朝から一体どこに行ってたんすか!」

あかり「あっ、お姉ちゃん!」

モモ「ちょっと用事があるなんて言って・・・ってチャンピオン!?」

照「貴女があかりの本当のお姉さん?」

モモ「本当のって言うとなんか変な感じっすけど、そうっす。私があかりの実の姉、東横桃子っす」

照「ありがとう。この子のおかげで私は大切なモノを取り戻すことが出来た」

モモ「大切なモノ?」

あかり「あかりはそんなに大層なことしてませんよ。きっと咲お姉ちゃんの今の麻雀を見れば、照お姉ちゃんも自分で気がついたはずです」

照「ううん、きっと私は強情を張って見ないふりをしただろう。だから、あかりがいてくれて本当によかった」ダキッ

モモ「・・・!?」

あかり「あかりが喧嘩をしてほしくないって思ってやったことですから、気にしなくていいですよ」

照「あかりが何を思ってやったかはどうでもいい。私と咲は救われたんだ。だから礼を言う」

あかり「お礼なんかいりません。ただもう咲お姉ちゃんと喧嘩しないでずっと仲良しでいてください」

照「ああ、約束するよ」

モモ(そういえば、リンシャンさんのこと妹なんかいないなんて言ってたんっすよね。仲直りさせたってわけっすか)

照「・・・それにしてもこの香りは・・・」

あかり「て、照お姉ちゃん。髪に顔をうずめたらくすぐったいですよぉ。それに拭きましたけど走り回って汗かいてて汚いですから」

照「・・・ミラクるんのキャラクターシャンプーの匂いがする。目にしみにくいやつ」

あかり「ええっ!? な、なんでわかるんですか!?」

照「得意だから。でも、やっぱりまだ子供だね」

あかり「ち、違います! 京子ちゃんがおまけが欲しくて買い占めたのを使いきれないからって皆に配って回って・・・」

チャンピオンダ ナニシテルノカナ オンナノコノカミカイデタゾ マサカロリコンダッタノ

モモ「あ、あの、そろそろ離れた方が――」

美穂子「宮永、照さん・・・?」

モモ(ひっ! いつの間に・・・しかも両目が瞳孔まで見開かれてるっす!)

照「貴女は?」

美穂子「福路美穂子と言います。そんなことより、貴女今、何をしていたんですか?」

照「この子の使ってるシャンプーを当ててた」

美穂子「そう・・・あかりを後ろから抱きすくめて髪に顔をうずめて、ね・・・」

あかり「み、美穂子お姉ちゃん? なんだか怖いですよ?」

美穂子「うふふ・・・うふふふふ・・・」

照(な、なんなの、今まで体験したこともない威圧感を感じるんだけど・・・)

みさき「準決勝大将戦、スタートです!」

モモ「し、試合がはじまったっす! 応援するっすよ!」

あかり「う、うん!」

照「咲、しっかりね」

美穂子「・・・あかり、肩に葉っぱが付いてるわよ」

あかり「えっ・・・照お姉ちゃんを探して走り回ってたときに付いちゃったのかな」

美穂子「・・・! そう、走り回ってたのね。どうりで汗をかいてるわけだわ。足は大丈夫なの?」

あかり「実はもう結構辛かったりしますけど、大丈夫です。咲お姉ちゃんの試合の方が大事ですから」

モモ「それだったら私の――」

美穂子「だったら私のお膝の上になっちゃうけど、一緒に座りましょうか」

あかり「そんな、汗で汚いですし悪いですよ」

美穂子「むしろごほう――そんなこと気にしなくていいのよ」

あかり「ありがとうございます、美穂子お姉ちゃん! あっ、でもそうすると照お姉ちゃんが1人になっちゃう・・・」

照「私のことはいい。あんまり無理しても咲も喜ばないでしょ?」

あかり「・・・そうですね」

美穂子「それじゃあ、行きましょう」

あかり「はい、照お姉ちゃん、また後で」

照「また後で」

モモ「・・・私の膝に乗るっすか?」

照「ははは、遠慮するよ」

モモ(なんだ、昨日はこーこちゃんの言うように怖い顔してたっすけど、ちゃんと笑えるんっすね)

みさき「準決勝大将戦、決着! 清澄高校宮永咲選手、四暗刻2回、四槓子1回、とどめに明槓からの数え役満の責任払いで臨海女子をトばして前半戦東四局で勝負を決めました!」

理沙「バケモノ!」

咲「あ、あの~・・・」

ネリー「うわぁぁん! サトハ~!」

チョコレ「あ・・・? あ・・・?」

恭子(二回戦では手抜いとったんはわかるけどなんなんやこれ! すっげぇモンスターどころやないやないですか戎能プロ!)

恭子(2位抜けしてもうたけど、もう戦いたない!)

咲(うぅ・・・なんでこんな・・・あっ! もしかしてさっきあかりちゃんに抱きついちゃったから・・・)



あかり「・・・」

透華「・・・ここまで凄まじいものでしたのね」

純「あのタコス女の時はここまでじゃなかった。清澄の大将が元々豪運だったんだな」

一「あの3人、絶対トラウマになるよ・・・」

あかり「うぅ・・・ごめんなさい」

美穂子「あ、謝ることではないわ。あかりは悪くないんだから」

あかり「でも、あかりのせいで恭子お姉ちゃん達が・・・」

ゆみ「だから福路の言うように、君のせいではない」

照「・・・あれが、あかりの力?」

あかり「照お姉ちゃん、はい、そうです」

照「接触した相手に幸運を与える力か・・・」

照(そういえば私も一昨日いつもより調子よかったな)

あかり「咲お姉ちゃんの今の麻雀を見せられませんでした・・・」

照「まだ機会は残ってる。決勝と個人戦がな」

あかり「そうですけど・・・」

あかり(あかり、明日はこんなことがないように会場には来ないようにするよぉ)

美穂子「・・・照さんも今日の内に打っておかないといけませんよね?」

照「そうだな。菫達に合流する――」

菫「照!」

照「菫、皆、どうしてここに?」

菫「お前がここにいるってネットで噂になってたんだ」

淡「よかった~、無事だったぁ!」

照「無事? 何の話?」

尭深「今朝先輩の妹の幽霊が来て・・・」

照「妹の幽霊? 咲ならそこに映ってるけど」

誠子「い、いえ、なんか赤い髪を2つのお団子にまとめた女の子が――」

あかり「白糸台の皆さん、今朝はどうもありがとうございました」

淡「うわぁ! 出たぁ!」

菫「で、出たな悪霊め! 私の癖を直した真シャープシュートで祓ってやる!」

誠子「落ち着いてください弘瀬先輩! 本当に矢が出るわけじゃないでしょう!」



菫「すまない取り乱してしまって」

ゆみ「いや・・・」

淡「なんだ、テルーの妹じゃないんだね」

モモ「私の妹っす」

誠子「でも本当の妹もいると」

衣「咲って名前だぞ」

尭深「何はともあれ無事でよかった」

照「なんだか心配かけたみたいでごめんなさい」

智美「ワハハ、人騒がせな奴だなあかりは」

あかり「あ、朝は必死でしたから・・・」

照「でも悪霊って・・・ふふふ・・・」

淡「て、テルーが笑ってる!?」

尭深「初めて見た・・・」

菫「や、やっぱり悪霊に取り憑かれてるんじゃ・・・!」

淡「テルーの中に怨念がおんね~ん!」

尭深「もう、淡ちゃん・・・!」

誠子「やめてやれ淡」

「だって、菫があんなに慌てて・・・あっははは・・・!」

菫「わ、私はお前を心配してだなぁ!」

淡「菫ってば1番ビビってたんだから」

誠子「お前も大概だったけどな」

淡「なにおう! 亦野先輩だってブルってたくせに!」

尭深「幽霊を怖がるのは仕方ないこと」

佳織「・・・なんだか、にぎやかな人達なんですね」

智紀「イメージと違う・・・」

睦月「昨日はあんなに恐ろしく見えたのに、印象が変わりましたよ」

未春「皆私達と同じくらいの歳なんだから当たり前なんですよね」

華菜「中々楽しそうな奴等だし!」

あかり(楽しそう・・・うん、今の照お姉ちゃんならきっと大丈夫だよね。自分も相手も楽しめる麻雀を打てるよね)

あかり(近くで見れないのは残念だけど、ちゃんと応援しますからね)

今日はここまでです
金角ちゃんでは少しあれなので名前もいい感じに似てることから某SSで読んだものを使わせていただきました
あかりが次の日に誰に会うかはまた希望を取ります

1 宮守と永水の海水浴
2 コミケに来ていた京子達(ごらく部+咲orゆるゆりキャラ)
3 怜のお見舞い(千里山+憩)
4 その他(シチュとキャラ指定お願いします)

投下開始します

次の日

モモ「あかり、本当に行かないんっすか?」

あかり「うん。ばったり会ったりしちゃったらいけないから、少なくとも大将戦が始まるまでは行かないことにするよ」

智美「そこまで気にすることないだろ」

ゆみ「君は少し他人に気を使いすぎている嫌いがあるな」

睦月「それならあかり、これを貸してあげるよ」

あかり「これは?」

睦月「ポータブルラジオ。これでどこでも今の試合の状況がわかるから」

あかり「わぁ~、ありがとうございます、睦月お姉ちゃん!」

佳織「気をつけてねあかりちゃん」

あかり「もう1人で歩き回るのも慣れましたから、大丈夫です! それじゃあお姉ちゃん達、応援頑張ってください!」

モモ「暗くなるまでには帰るんっすよ~」

あかり「すいませ~ん」

怜「ん? 誰か来たんか・・・どうぞ」

あかり「おはようございます怜お姉ちゃん」

怜「あかり? 何でここに?」

あかり「怜お姉ちゃんのお見舞いです」

怜「今日決勝やろ? 長野の子言うとったよな? 阿知賀もおるし・・・」

あかり「ええ・・・実は――」



怜「はぁ、くっついた相手に幸運を与える力なぁ」

あかり「はい・・・」

怜「それで昨日の清澄の役満連打か・・・そういえばうちもあかりに会うた次の日は調子よかったな」

あかり「初めはあかりも清澄の人達のお役に立てるならって思ってたんですけど、あかりが手を貸してしまったら咲お姉ちゃん達が自分のことをほめてあげられなくなると思ったんです」

怜(・・・ま、まあ竜華には枕神だけやのうてゾーンもあったから・・・)

怜「そうか、そやったら清澄に渡らんかった分はうちが貰ったろか」

あかり「へ?」

怜「言うたやん、またしてくれるって」

あかり「・・・ああ、膝枕ですね。でも、本当の枕さんの方がよくないですか?」

怜「何を言うとるんや、こんな安枕が膝枕に敵うはずないやろ」

あかり「そうなんですか?」

怜「そうや。そもそもどんな高級品でも人肌のぬくもりを感じられる膝枕の方がうちは好きや」

あかり「そういうものですか・・・じゃあ、失礼しますね・・・はい、どうぞ」

怜「・・・ふ~、やっぱりあかりに膝枕されとるポカポカするなぁ。例の力が流れて来とるんを感じとるんやろうか?」

あかり「どうなんでしょう、優希お姉ちゃんも力がみなぎる気がするって言ってましたけど・・・」

怜「はぁ~、なんでもええけど気持ちええわ~」

あかり「ふふふ・・・あかりも怜お姉ちゃんがそんなに喜んでくれて気持ちがいいですよぉ」



恒子「決勝戦先鋒戦スタート!」

怜「始まったか」

あかり「はい・・・」

怜「・・・あ~あ、最初で最後のチャンス逃してもうたな」

あかり「怜お姉ちゃん・・・」

怜「あかり、あかりはうちは強くなっとる言うてくれたけどやっぱり遅すぎたわ。強い人と戦って学ぶなんてこと、それこそ宮永照は質も量もうちの何倍もこなしとるんやから」

怜「もっと早くこの力に目覚めとったら・・・それかもっと力が強くなっとったら・・・」

あかり「強く出来るんですか?」

怜「さあな、でもぶっ倒れて目覚めた力や、もう一回ぶっ倒れたら強くなるかもしれへんやろ?」

あかり「倒れる!? だ、駄目ですよ! そんな危ないこと!」

怜「そうは言っても準決みたいに使いすぎれば勝手に倒れるしなぁ・・・」

あかり「そんな無茶しないでください!」

怜「・・・けど、あん子は無茶して壁を破ったみたいや」

あかり「えっ?」



玄「ツモ、タンヤオのみ、400・700です」

優希(・・・のどちゃんの友達、ドラが全く乗ってないじぇ、どうなってるんだじょ?)

漫(ドラを捨てて早さを取ったんか? 確かに清澄やチャンピオン相手にするんならその方がええんかもしれへんが・・・)

玄(・・・東場は憧ちゃん仕込の鳴きで速攻、勝負は南場。それまでドラなしで打って油断したところに大きいのを叩き込む!)

玄(あれから私はドラをある程度操れるようになった。まだ独占するか全く来ないか極端にしか出来ないけど、対策を取られてるだろう前の打ち方だけじゃ絶対勝てない)

玄(あかりちゃん、貴女のおかげだよ。でも、清澄にも白糸台にも姫松にだって負けてはあげられない)

照(阿知賀・・・照魔鏡で見たところドラを操れるようになったみたい。準決最後のドラ切りがあの子の何かを変えたのかな?)

照(人は予想を超えてくる、か。面白い、それでこそ私も本気を出す価値があるというもの!)ギギギ

優希(・・・! 咲ちゃんのお姉ちゃんがこわこわ。でも親は流されたとはいえまだ東場、絶対に負けないじぇ!)

玄(こんなの準決勝じゃ感じなかった、本気出してなかったんだ・・・でも、私だって準決勝までの私じゃない!)

漫(これで負けたらデコどころか顔中油性で真っ黒けや。負けるわけにいかん!)

あかり(玄お姉ちゃん準決勝では泣いてたのに・・・照お姉ちゃんも皆真剣に打ってて楽しそう。よかった・・・)

怜「・・・あん子はドラを切るのに相当苦悩しとった。たぶん本当に大切な何かを捨てるつもりで切ったんやろう。うちももっと早くに覚悟ができとったら或いはな・・・」

あかり「・・・玄お姉ちゃんはお母さんとの大切な思い出をかけていました。怜お姉ちゃんの大切な何かってなんですか?」

怜「・・・うちがかけれるものなんか命くらいやろな」

あかり「・・・!」

怜「・・・なんてな、さすがに死んでもうたら――何で泣いとるん!?」

あかり「・・・ごめんなさい、最近死ぬってことについて考えさせられることがあって・・・」

怜「考えさせられる?」

あかり「大切な人が死んでしまってずっと苦しんでいた姉妹さんと会ったんです。本当に仲良しだったのに喧嘩をしてしまって・・・」

怜「喧嘩・・・」

あかり「なんとか仲直りすることは出来たんですけどね。でも、死ぬってことは自分だけじゃなくて周りの人をずっと苦しめてしまうことなんだって知りました」

怜「・・・」

あかり「あかりは死ぬのも死なれるのも前よりずっと、怖くなっちゃいました」

あかり「あかりが死んだ後お姉ちゃんや京子ちゃん、大切な皆はどうなっちゃうのか、お姉ちゃん達が死んじゃったらあかりはどうなっちゃうのか、考えただけで泣きそうになっちゃいます」

怜「でもうちとは1回会っただけやん。そんな泣かんでも・・・」

あかり「ううん、1回だけでもあかりは怜お姉ちゃんのこと大切なお友達だって思ってます。きっと一生忘れませんよ、膝枕が大好きでちょっと悪戯好きな怜お姉ちゃんのこと」

怜「・・・そんな生き方しんどいやろ」

あかり「・・・前に1度友達にあかりがタイムスリップして過去を変えようとするっていう紙芝居を作ってもらったことがあります」

あかり「その中であかりはどんなに辛い思い出でも今のあかりを形作る大切な過去なんだって気づいて結局過去は変えなかったんです」

あかり「最後は爆発オチだったんですけど、でも本当にそうだなって思ったんです。辛くても小さくても過去が合わさってあかりは出来ているんだって」

あかり「だからあかりはどんなに小さな出会いでも、大切にして生きるようにしたんです」

怜「・・・そうか、ええ友達持ったんやな」

あかり「えへへ、別に京子ちゃんはあかりにそれを伝えるために紙芝居を作ったわけじゃないんですけどね」

怜「過去は変えられん、なぁ。そうやな、愚痴ったところでどうにもならんもんな」

あかり「でもやっぱりそう思ってしまうことはありますよ。だから、愚痴を言いたくなったらいつでもあかりを呼んでください」

怜「・・・ありがとな」

あかり「いえ、でももう冗談でも命を捨てるなんて言わないでくださいね」

怜「ああ、辛い思い出でも忘れられん子がここにおるんやからな。それにあかりの笑顔曇るんは嫌やからな」

あかり「怜お姉ちゃんも笑顔が1番です」

怜「でも泣いとる顔も可愛えかったなぁ。ほれ、もう1回泣き」

あかり「ちょ、ちょっと怜お姉ちゃん、頭であかりのふとももを叩かないでください! し、痺れて、んん・・・!」

怜「おおっ、その顔は色っぽいであかり」

あかり「い、いいからやめ、やっ・・・!」

怜「いや~、堪能したで色々とな」

あかり「もう~!」

怜「ははは、むくれとるとこも可愛ええであかり」

あかり「・・・あかり、今度やったらやり返すって言いましたよね?」

怜「そういえばそうやったな。よっしゃ、じゃあ今度はうちが膝枕したらなな」

あかり「なんでそんなノリノリなんですか・・・」

怜「せやけどうち患者服やからな。膝枕はふとももを直接感じられなあかんねん」

怜「よしっ、脱ぐわ!」

あかり「ちょっ、ま、待ってください怜お姉ちゃん!」

怜「止めてくれるなあかり、これがうちのこだわりやから!」

あかり「身体冷やしちゃ駄目ですよぉ!」

怜「そこはあかりが暖めてくれるやろ」

あかり「いや、だから――」

怜「ほな行くで――」

憩「怜さん、竜華さんら来た――」

竜華「怜、元気――」

あかり怜憩竜華「・・・」

竜華「と、怜ぃ~! な、なにしてんの!?」

怜「何って膝枕の準備やん」

竜華「膝枕するんに何で下脱ぐ必要があんねん!?」

怜「そら服の上からなんか膝枕やないからやろ」

竜華「そないなこと――」

怜「なんなん竜華? うちら女同士やし騒ぐことあらへんやろ」

竜華「iPS細胞で同性の間でも子供作れるんやで!?」

怜「いや、だからなんなん?」

あかり(流行ってるのかなぁそれ)

竜華「あんた、怜のなんなん!?」

あかり「えっ? えっと、あかりは・・・」

怜「竜華、あんまり大声出したらあかりが怖がるやろ。うちらより一回りくらい小さいんやで?」

竜華「怜、うちよりそん子を――」

セーラ「その辺にしとけや竜華も怜も」

竜華「セーラ、でも・・・」

憩「竜華さん、ここ病院ですから」

泉「なんですんそない大声出して」

浩子「園城寺先輩、何でズボン脱げかけてるんですか?」

あかり「怜お姉ちゃん、もういいですからズボンちゃんと穿いてください!」

怜「ええっ、しゃーないな」

憩「はぁ、ほんまに一緒におったら退屈せん人等やな。それにしても、あかりちゃんまた会うたね」

あかり「はい、憩お姉ちゃん」

怜「憩と知り合いなん?」

あかり「準決勝前の阿知賀の人達との練習試合にお邪魔させていただいたんです」

憩「あかりちゃんそれ内緒――」

セーラ「ほう、阿知賀と練習試合ね」

泉「もこちゃん等呼んで何しとるんやろかと思えば」

浩子「敵に塩送っとったとは」

憩「あ、あ~っと・・・」

竜華「け~い~!」

憩「せ、せやかてボロ勝ちすぎてつまらん言うてましたやん!」

怜「うちは調子乗りすぎてもうたから気をつけなあかん言うたと思うけど?」

憩「え、え~っと・・・」

あかり「憩お姉ちゃんを責めないであげてください! 阿知賀の人達も強くなりたいって必死でしたし、だから・・・」

セーラ「ああ、うん・・・本気やないから心配せんでええで」

泉「なんちゅーか冗談通じん子ですね」

浩子「素直なんか天然なんか・・・」

怜「どっちもやろうな。な~、あかり」

あかり「いや、な~とか言われましても・・・」

竜華「う~・・・」

憩「まあまあ・・・ありがとなあかりちゃん」

泉「ふ~ん、長野からなぁ」

浩子「触れた人に幸運を与えるか。せやからあの時の園城寺先輩あない強かったんやな。なあ、データ取らせてくれへん? 解析出来たら便利そうやし」

セーラ「データ取ってどうにかなるもんなん?」

あかり「さあ・・・?」

憩「でも能力を操れるようになる糸口になるかもしれへんな」

竜華「・・・操れとらんの能力?」

あかり「はい、あかりに触れると無差別に幸運に恵まれるみたいです」

セーラ「やんな~」

泉「でも不幸になるならともかく幸運になるならいいんとちゃいますか?」

浩子「そうか、あんた昨日の清澄の大将みたいなんと毎日同卓してもええんやな」

泉「そ、そら勘弁ですわ・・・」

怜「幸運でも不用意に振りまくのはやっぱりあかんな」

あかり「うぅ・・・善処します」

竜華「・・・ところで、あかりちゃんはいつまでベッドに座っとるん?」

あかり「あっ、忘れてました」

怜「人多くなったし別にええやん」

竜華「シーツがしわになったら看護師さんが大変やん、なぁ憩」

憩「えっ、うちこんなカッコしてますけど看護師でも医者でもないですよ」

セーラ「つーか、怜が寝とるんやからしわなんか今更な話やん」

竜華「う~・・・せやけど近いねん。手触れてまいそうになっとるやん」ボソッ

あかり「・・・」

泉「なあ、あかりちゃんはこれからどうするん? うちらとここで試合観るか?」

あかり「・・・すいませんがそろそろお暇します」

怜「どしたん、遠慮せんでええんよ?」

あかり「いえ、ちょっと用事がありますから」チラッ

竜華(・・・! この子・・・)

セーラ「用事があるんならしゃーないな」

憩(元々会場で見る筈やったんに用事?)

竜華(・・・なんや追い出したみたいで悪い気がするな。あかりちゃんは別に悪いことしたわけやあらへんのに)

あかり「竜華お姉ちゃん、耳貸してください」

竜華「な、何?」

あかり「あかりはまだそういう気持ちわかりませんけど、人を好きになるのはとっても素敵なことなんだって思います。あかりのお姉ちゃんも恋をしてからとっても綺麗に見えるようになりましたから」

あかり「だから、頑張ってくださいね」

竜華「なっ・・・」カァ

泉「おおっ、清水谷先輩がゆでダコになってもうた」

浩子「自分案外エロかったりするん?」

あかり「ち、違いますよぉ! あかりはそんなに変なこと言ってませんから!」

セーラ「竜華は乳デカいくせにうぶやからな~」

竜華「む、胸は関係ないやん!」

怜(なるほど、こうやって思い出を印象付けて忘れんようにしようっちゅーことやな。よし、うちも手伝ったるで)

怜「あかり、ちょっとこっちき」

あかり「・・・? どうしたんですか、怜お姉ちゃん」

怜「思い出を大切にする言うても印象なさすぎたら困るやろ。せやから、もうちょいインパクト残したるわ」チュッ

あかり「へっ・・・?」

竜華セーラ泉浩子憩「・・・」

怜「ん? まだ足りへん? やっぱりマウストゥマウスやないと――」

竜華「怜ぃ! 何しとんねん!」

怜「見たらわかるやん。ほっぺにチューや」

竜華「うちは何でそうしたかを聞いてんねん!」

怜「何でってそないおかしい?」

竜華「おかしいわ! いつの間にそんな唇軽くなったんや! 欧米か!」

怜「ふっるいネタ使うな~、それに唇軽いってなんやねん」

竜華「うちにはしてくれへんのに~!」

怜「竜華もしてほしいん? しゃーないな」

竜華「・・・! 嫌や、そんな適当にされたって嬉しない!」

怜「じゃあどないせいっちゅーねん」

あかり「あわわ・・・と、止めないと」

セーラ「ほっとけほっとけ」

泉「しょっちゅうああやってアホやってるからな」

浩子「夫婦漫才みたいなもんやね」

あかり「そう、なんですか?」

憩「ふふふ・・・けど、ほんまにあかりちゃんとおると楽しいわ」

セーラ「今度大阪にきぃや」

泉「ええですね。歓迎するよ」

浩子「美味いもんたらふく食わせたるからな」

あかり「ありがとうございます、いつか絶対行きます!」

セーラ「おう、待っとるで」

浩子「データ取る準備して」

泉「そっち目的ですか!?」

憩「ほな、またなあかりちゃん」

あかり「はい! また会いましょうね皆さん!」

あかり「病院にいたのにとてもにぎやかで楽しかったよぉ」

あかり「あっ、そうだラジオ・・・」

恒子「先鋒戦決着~! チャンピオン宮永照がトップを独走! しかし稼いだ点数は準決勝のおよそ半分! 他校は沈んでいるもののほぼ平らでまだまだ巻き返せるチャンスは残っています!」

あかり「・・・やっぱり照お姉ちゃんは強いなぁ。けど優希お姉ちゃん達もしっかり抑えられたんだね。凄いよぉ!」



玄(やっぱり負けちゃった・・・でも、また前より多い点数でお姉ちゃんに繋げられた!)

優希(くぅ~、やっぱり咲ちゃんのお姉ちゃんは強いじぇ。けど今は負けても次は負けないじぇ!)

漫(なんとかノルマは達成・・・うちも思う存分打てたし、まあデコに水性くらいで末原先輩も許してくれるやろ)

優希「楽しかったじぇ、また打とう咲ちゃんのお姉ちゃん!」

照「えっ・・・」

玄「そうですね、楽しかったです。機会があればまた是非」

漫「うちは当分は勘弁してほしいですけど・・・打てるというのならまた打ちたいです」

照(いつぶりだろうな、私と同卓した人達がこんなに心から楽しそうに笑っているのは――)

照(――私が、こんなにも麻雀を楽しいと思ったのは)

照「ああ、またいつでも相手になってやる!」

照(咲、光・・・あかり、ありがとう)

恒子「選手一同満面の笑みで互いの健闘称え合っています。小鍛冶プロも20年前を思い出しますか?」

健夜「いえ、私の時は皆泣いて・・・って20年前じゃなくて10年前だから!」

恒子「気にしない気にしない」

健夜「もう・・・でもよかったです。宮永・・・って今回はもう1人いたんだった・・・照選手が笑えるんだとわかって」

恒子「チャンピオンはインタビューの時なんかはいつもにこやかですけど?」

健夜「あれはたぶん作り笑いです。卓上では全く笑いませんし、それに・・・」

恒子「それに?」

健夜「・・・私も笑顔作るの苦手なんでわかるんですよ」

恒子健夜「・・・」

恒子「以上、笑顔を忘れた悲しきアラフォー、すこやんがお送りしました!」

健夜「アラサーだよ! あと、忘れてないからね笑顔!」



あかり「照お姉ちゃん・・・うん、やっぱり笑顔が1番だよぉ」

あかり「あれ? あれは・・・」

豊音「神代さん、急いで!」

小蒔「ちょ、ちょっと疲れました・・・」

あかり「小蒔お姉ちゃん!」

小蒔「この声は・・・あかりちゃん!」

豊音「うん?」

あかり(う、うわ~、この人確か宮守の大将さん。モニター越しでも大きかったけどやっぱり近くで見ると迫力が・・・)

豊音「神代さんのお友達? はじめまして、姉帯豊音です」

あかり「あっ、はじめまして、東横あかりです」

あかり「小蒔お姉ちゃん達は何をしてるんですか?」

小蒔「姉帯さんがコミケ? という面白い行事に行くそうなので着いてきました」

豊音「面白いかどうかは私も初めてだからわからないんだけどね、テレビで見たら人がいっぱいでちょ~楽しそうだったよ~」

あかり「コミケ・・・そういえば京子ちゃんが参加したとか言ってたような」

小蒔「あかりちゃんも行きますか?」

豊音「それがいいよ~」

あかり「う~ん・・・そうですね、あかりもご一緒させてもらいます」

小蒔「楽しみは共有した方がいいですからね」

豊音「ああっ! もうすぐ電車が出ちゃうよ。神代さん、あかりちゃん急いで!」

小蒔「わわっ、待ってくださ~い!」

あかり「豊音お姉ちゃん足も長いから速くて追いつけないよぉ!」

豊音「だったらあかりちゃんは私が肩車してあげるよ~」

あかり「わぁ~、た、高い・・・」

豊音「ちょ~軽いよ~、それじゃあ全速力で行くよ」

小蒔「えっ、私のことは!?」

小蒔「本当に人がいっぱいですね・・・」

豊音「すごい! TVで見るよりもずっと多く見えるよ~!」

あかり「あ、暑い・・・」

小蒔「気をつけないとはぐれてしまいそうですが、姉帯さんがいるから大丈夫ですね」

あかり「飛びぬけてますから見失うことはありませんね」

豊音「でもこの人じゃ場所がわかってもそこまでたどり着くのに一苦労だよ」

小蒔「そうですね・・・では、あかりちゃん、姉帯さんと手を繋がせていただきましょうか」

豊音「そうしようか~」

あかり「いいんですか?」

豊音「いいよ~」ギュッ

あかり「手も大きいですけど、綺麗ですね」

豊音「あかりちゃんのはちょ~ちっちゃくて可愛いよ~」

小蒔「それでは私も」

豊音「・・・なんだか嬉しいよ~、TVで見た神代さんとこうして手を繋げるなんて」

小蒔「私もこの時期はたくさんの人と触れ合えて楽しいです」

小蒔「ところで、コミケとはどのような行事なのでしょうか?」

あかり「知らないで着いてきたんですか!?」

小蒔「楽しいことだと聞きましたから」

豊音「え~っとね、沢山の人達が自分で描いた本やグッズを売るっていう行事だよ~」

あかり「アニメや漫画の二次創作が多いみたいですよ。あかりも友達のお手伝いで作ったことがあります」

豊音「本当!? 凄いよ~!」

あかり「あかりはペン入れとトーンを貼ったくらいですからそうでもないですよ」

豊音「ううん、それでも凄いよ~、私には出来ないもん」

小蒔「アニメや漫画の・・・言われてみればこすぷれ? というものをしている人も多いみたいですね」

豊音「コスプレも行事の1つみたいだよ~」

あかり(知らない人から見れば小蒔お姉ちゃん達もコスプレしてるように見えるよね・・・)

小蒔「ふむ・・・確かになんだか楽しそうです!」

豊音「いっぱい楽しむよ~」

あかり「や、やっと入れた・・・」

小蒔「どれくらい待たされたんでしょうか・・・」

豊音「あれだけ人がいればね~」

小蒔「はぁ~、それにしても、この会場を埋め尽くすほどに沢山の人達が自分で何かを作って来ているんですね」

豊音「中にはプロ顔負けのクオリティの物を作る人もいるらしいよ~」

小蒔「思っていたよりも本格的なのですね」

あかり「だからこそこんなに沢山の人が集まってくるんでしょうね」

豊音「シロだったら人の数を見ただけでダルいって言って帰っちゃうかもね~」

あかり「そうかもしれませんね・・・ん?」

小蒔「どうしたんですか、あかりちゃん?」

あかり「あそこに見え覚えのある人達がいるような・・・」



向日葵「や、やっぱり恥ずかしいです、この格好!」

京子「そう? 似合ってると思うんだけどな、ひまっちゃんのライバるん」

結衣「私達だけの時でも恥ずかしがってたのにこんな大人数の目に触れるところでコスプレさせるなよ」

京子「しょーがないじゃん。ひまっちゃん除いて1番大きい結衣のじゃちょっと足りないんだからさ」モニュ

ちなつ「キャァ~! 何やってんですか京子先輩! ミラクるん・ドンキ!」

京子「あいたっ!」

結衣「全くお前は・・・」

ちなつ「ゆ、結衣先輩大丈夫ですか!? い、今から私が触って消毒しますぅ~!」

結衣「しょ、消毒!? お、落ち着いてちなつちゃん!」

京子「ちなつちゃ~ん、私のならいつでも幾らでも消毒してくれていいんだぜ?」

向日葵「うぅ・・・視線が痛いですわ・・・」

あかり「皆!」

京子「あれっ? あかりじゃん、何でこんなとこいんの?」

結衣「清澄の試合はどうしたんだ?」

あかり「そ、それは・・・」

小蒔「あかりちゃんのお友達ですか?」

京子「うわっ、巫女さんだ! しかもおっぱいデケェ!」

結衣「おいコラ京子、失礼だろ」

豊音「さっき言ってた同人誌描いてるお友達?」

ちなつ「ひぃ~! ゆ、結衣先輩、巨人です! 巨人が進撃してきましたぁ!」

結衣「ちなつちゃんも!」

向日葵「お二方ともTVで見ましたわ。永水の神代小蒔さんと宮守の姉帯豊音さんでしたよね?」

小蒔「はい、神代小蒔です」

豊音「姉帯豊音だよ~」

京子「なんであかりが清澄以外のインハイ選手と一緒にコミケに来てるんだ?」

あかり「・・・色々あったの」

京子「そうか色々あったなら仕方ない」

結衣「それでいいのか!?」

ちなつ「桃子お姉さまは一緒じゃないの?」

あかり「お姉ちゃんは会場で清澄の応援してる」

京子「な~んだ。桃子ねーちゃんなら胸も申し分なかったのに」

向日葵「・・・今からでも呼んでいただけませんか?」

あかり「あはは・・・」

豊音「何売ってるの?」

結衣「魔女っ子ミラクるんの同人誌と自作アニメです」

豊音「ミラクるん! 私も大好きだよ~、アニメ作れるなんて凄いね!」

結衣「本当に大変でしたよ・・・」

豊音「2つとも買うよ~」

結衣「ありがとうございます」

小蒔「これが同人誌・・・普通の漫画と違って平べったくて大きいんですね」

京子「だから薄い本なんて呼ばれたりもしてるんですよ」

小蒔「なるほど。うん、私も買いましょう」

京子「まいどあり!」

櫻子「あぁ、あっつい!」

豊音「あれはガンボーのきぐるみ?」

ちなつ「櫻子ちゃん遅かったね」

櫻子「歩きにくいんだよぉ! しかもあっついし!」

向日葵「わがまま言うんじゃありませんの」

櫻子「本当に暑いんだよ! なんなんだお前は1人で涼しそうな格好して!」

向日葵「わ、私だって好きでこんな格好をしてるわけじゃ・・・」

あかり「櫻子ちゃんが入ってるの?」

櫻子「あ~! あかりちゃん! ちょうどよかった、代わって!」

あかり「えっ、いいけど・・・」

櫻子「やったぁ!」

あかり「うわっ、汗びっしょりだね」

櫻子「もう~、ただでさえ人いっぱいで暑いって言うのにこんなの着てられないよ」

向日葵「だったら東横さんに押し付けるのはやめなさいな」

ちなつ「でもせっかくあるんだし使わないともったいないよ」

小蒔「なんですかこれ?」

ちなつ「きぐるみですよ。ガンボーって言うんです」

小蒔「着てみてもいいですか?」

櫻子「代わってくれるなら誰でもいいですよ」

小蒔「それじゃあ失礼して」

ちなつ(せっかくコスプレしてるのにきぐるみ着ちゃうんだ)

小蒔「ちゃんと手足も動かせるんですね、凄い凄い!」

櫻子「ガンボーはなんとかだボって喋り方するんですよ」

小蒔「そうなんですか・・・ガンボーだボ~」

ちなつ「あいつ無駄に声だけカッコいいから全然似てませんね」

向日葵「でも可愛らしいですわ」

小蒔「えへへ、ありがとうございますだボ~」

豊音「京子のコスプレちょ~可愛いよ~、私もコスプレしてみたいな~」

京子「そう? よかったら作ろっか?」

豊音「本当!? あっ、でも私じゃミラクるんは無理だよ~」

京子「似合う似合わないなんて関係ないよ。やりたいからやる、でいいじゃん。結衣とか見てよあれで雷香のつもりなんだよ」

結衣「お前がさせてんだろうが!」

豊音「ん~じゃあお願いしようかな~」

京子「じゃあ出来たら教えるから携帯かPCのアドレス教えて」

豊音「わかったよ~」

結衣「やけに優しいな」

豊音「同好の士との交流もまたコミケの醍醐味よ」

あかり「そういえば杉浦先輩と池田先輩はいないの?」

京子「綾乃と千歳は私がおいてきた。修行はしたがハッキリ言ってこの戦いにはついていけない」

あかり「修行?」

結衣「去年連れて来た時に綾乃嫌そうにしてたからそのこと言ってるんだろ」

あかり(でも部室でコミケの話してる時の杉浦先輩なんだかそわそわしてたような気がするんだけど・・・)



綾乃「さあ歳納京子、いつでも呼ぶといいわ。本当は嫌だけど仕方なく着いて行ってあげる。仕方なく、仕方なくよ!」

× 豊音「同好の士との交流もまたコミケの醍醐味よ」
○ 京子「同好の士との交流もまたコミケの醍醐味よ」

京子「よぉし! だいぶ捌けたしちょっくら見回ってくる~!」

結衣「おい京子! ったく」

櫻子「私も遊びに行ってこよ~!」

向日葵「ちょっと櫻子! ああもう、この格好であんまり歩き回りたくないというのに・・・!」

小蒔「皆元気ですね・・・ボ~」

あかり「まだ着てたんですね・・・」

豊音「私達も回ろうか?」

あかり「でも・・・」

結衣「もうだいぶ少なくなったし大丈夫だよ。行っといであかり」

あかり「うん、ありがとう結衣ちゃん。行きましょう豊音お姉ちゃん、小蒔お姉ちゃん」

小蒔「お~だボ~」

豊音「沢山買ってシロ達にもプレゼントするよ~」

結衣「やれやれ、私じゃスケブ頼まれても出来ないぞ」

ちなつ「その時は私が描きますから!」

結衣「いや、それはやめてあげて・・・」

ちなつ(気がつけば結衣先輩と2人きり! このチャンスを逃しちゃ駄目よチーナ!)

ちなつ「結衣先輩・・・少し寒くないですか?」

結衣「えっ、暑いくらいだと思うけど・・・」

ちなつ「私がミラクるんの格好してるからでしょうか? ともかくこういう時は人肌で暖まるのが1番だと思うんです」

結衣「いや、だから私は暑い――」

ちなつ「結衣先輩! 熱いキスでちなつを芯から暖めてください!」

結衣「ちょっ、ちなつちゃん! やめて! 人肌はどこにいったの!?」

ちなつ「結衣せんぱ~い!」

結衣「だ、誰か助けて~!」

智紀「・・・ミラ×雷、そういうのもあるのか」



豊音「――だからねジャンル毎に売り場が分かれてるんだよ~」

小蒔「そうだったんですね。それではここは何のジャンルの売り場なのでしょうか、ボ~」

あかり「無理して語尾を付けなくてもいいんじゃないですか?」

豊音「ここはね~・・・百合物かな?」

小蒔「百合? お花のですか?」

豊音「そうじゃなくて、えっと・・・お、女の子同士の恋愛のことをそう言うんだよ~」

小蒔「女の子同士の・・・最近はあい、あいぴーえすさいぼう? というので同性の間でも子供が出来るそうですからね」

豊音「TVで見たよ~」

あかり(TVでやってるんだ!?)

豊音「・・・神代さんはそういう人いるの? 男の人でも女の人でも」

小蒔「えっ、わ、私はまだ修業中の身ですし、そもそも巫女ですし・・・姉帯さんはどうなんですか?」

豊音「わ、私もいないよ~、そもそも周りに同年代の子があんまりいなかったから・・・あかりちゃんは?」

あかり「えっ、あかりもいませんけど・・・」

豊音「あはは、安心した。あかりちゃんにいたらなんだかね~」

小蒔「そうですね年上としては複雑な気分になっちゃいますから」

あかり「いつか素敵な人と出会いたいとは思ってるんですけどね」

豊音「・・・じゃあ、いつか素敵な人と出会えた時の為に勉強しようか」

小蒔「そうですね」

あかり(勉強するのはいいことだと思うけど、ここの漫画でするのはなんだかおかしな気がするよぉ)



あかり「ただいま」

京子「ありがとうございました~・・・おっ、おかえりん」

結衣「楽しかった?」

あかり「う、うん楽しかったよ。ただ・・・」

豊音「・・・なるほど、壁にこう押し付けて・・・」

小蒔「う、うわぁ・・・い、痛くないんでしょうか・・・」

あかり(小蒔お姉ちゃん達が順調に間違った知識を覚えていってるような・・・)

ちなつ(結局結衣先輩に振り切られちゃった。でもチーナはメゲませんよ!)

向日葵「た、ただいま戻りました」

櫻子「・・・」

あかり「櫻子ちゃんと向日葵ちゃん、顔赤いけど大丈夫?」

向日葵「だ、大丈夫ですわ!」

櫻子「平気だよ!」

あかり「ならいいんだけど」

向日葵「・・・櫻子」

櫻子「・・・う、うるさい! 知らなかったって言ってるだろ! あ、あんな、あんなエッチな本があるなんて・・・!」ボソッ

向日葵(・・・本当にああいうことをして気持ちがよくなるのでしょうか・・・って何を考えていますの私は! はしたない!)

櫻子(くそぉ・・・向日葵の顔がまともに見れない・・・でも、ワハハねーちゃんと撫子ねーちゃん似たようなことしてたし友達同士では普通のことなの・・・?)

京子「お~、全部売れたぞ。完売御礼だ~!」

結衣「だいぶ時間余ったな」

豊音「じゃあ一緒に海に行こうよ~」

ちなつ「海ですか?」

小蒔「はい。永水と宮守の皆で行く予定なんです」

櫻子「行きたい!」

向日葵「ですが水着が・・・」

京子「心肺ゴム用、私が今日の稼ぎで全員分奢ってやろう!」

あかり「京子ちゃん、いいの?」

京子「宵越しの金は持たない主義なのさ!」

結衣「そうやって考えなしに金使うから漫画買う金探しに部屋を掃除するはめになるんだろ」

京子「きゃぴぴん!」

小蒔「では、お昼を食べてから海に集合しましょうか」

豊音「待ってるよ~」

ちなつ「は~い・・・って神代さん、きぐるみ着たままですよ!」

小蒔「・・・忘れてました、ボ~」

京子「海だ~!」

櫻子「わ~い!」

あかり「皆で来るのは久々だね!」

結衣「綾乃達がいないのは残念だけどな」

豊音「あっ、来たよ、お~い!」

エイスリン「アカリ!」

向日葵「が、外人さん・・・は、ハロー・・・」

塞「大丈夫、ちゃんと日本語わかるから」

霞「皆可愛らしい子達ね、あかりちゃん」

あかり「はい! あかりの自慢のお友達です!」

ちなつ(う、うわっ、なにこれ本当に胸なの?)

小蒔「ようやくこのうきわを使う時が来ました!」

春「萎んでたから空気入れなおした」

京子「永水の人達はおっぱい大きいなぁ。鹿児島には豊胸にいい何かがあるというのか・・・!?」

櫻子「・・・うがぁ~! 全部お前が悪いんだ向日葵!」

向日葵「ちょ、ちょっと櫻子! 水着がずれて――」ポロリ

白望「ほ~これはこれは」

向日葵「キャアァ~!」ドゴォ

櫻子「ゴフッ!」

巴「お、お腹に膝蹴り・・・以外にアグレッシブな子ね・・・」

胡桃「バカみたい!」

初美「中一に胸も身長も負けてるのですよ~・・・」

向日葵「まったくもう!」

櫻子「ぐぐっ・・・危うくお昼を戻すところだった・・・」

霞「元気がよくて大変よろしい。じゃあ、遊びましょうか」

白望「あかり、水の中ならおんぶできるでしょ?」

あかり「えっ、そんなにあかりにおんぶして欲しいんですか?」

櫻子「気を取り直していっぱい泳ぐぞ~!」

胡桃「そこっ、先ずは準備運動!」

ちなつ「エイスリンさんは絵を描くんですね。私も描いてみていいですか?」

エイスリン「ウン! ・・・ストップ! ウェイ! チナツ、ウミアカクナイ!」

初美「どうやったらそんなに大きくなるんですか~?」

向日葵「さ、さあ? 石戸さんに聞いたほうがよろしいのではないでしょうか?」

京子「じゃあ霞ねーちゃん、どうやったらそんなにおっぱいデカくなんの?」

霞「そうねぇ、意識したことがないからわからないわ。自然とこうなってたの」

胡桃「豊音の身長も?」

豊音「そうだね~、村のお仕事を手伝ったりしてたのは関係あるかもね~」

春「神社のお仕事してたら大きくなるのかも」

巴「私に喧嘩売ってる?」

結衣「ま、まあまあ・・・」

あかり(試合はそろそろ中堅戦くらいかな? 清澄勝ってるのかなぁ・・・)

春「・・・」

豊音「アタックだよ~!」

小蒔「わっ、わっ・・・」

霞「これは追いつけないわ」

豊音「やった~、これで3戦3勝だよ~」

向日葵「バレーであの身長は反則級ですわ」

胡桃「その分ほとんど1人でやってるけどね・・・」

初美「まだ片手で数えるくらいしかボールに触れてないのですよ~・・・」

櫻子(そんなことより向日葵側の人選はなんだよ! 動く度にぶるんぶるん揺れて、私へのあてつけか!)

ちなつ「出来ました!」

エイスリン「ミセテ・・・」

ちなつ「どうです、会心の出来じゃないですか?」

エイスリン「・・・」

ちなつ「エイスリンさん? ねぇ、エイスリンさんってば・・・私の絵のあまりの上手さに驚いて気絶しちゃったのかな?」

白望「ダルい・・・」

塞「妙にノリ気だと思ったのに、何で地面に埋まってるのかしら?」

京子「へっへっへ、霞ねーちゃんに負けないくらいのダイナマイトボディに仕上げてやりますよ」

結衣「砂山2つ建てるつもりなのか」

白望「それはさすがに重いかな・・・」

塞「ほどほどにしてあげてね・・・結衣ちゃん、ちょっとあそこまでどっちが速く泳げるか勝負しない?」

結衣「いいですね。こう見えて陸上部に勧誘されるくらいですから運動は得意なんですよ」

塞「へぇそうなんだ、中々楽しめそうじゃない。かかってくるがいいよ」

恒子「刻一刻と迫ってくるオーラス! 今回ラス親を引いた白糸台渋谷選手はオーラスに役満を和了ることが大変多いです! 他校はどう対処してくるのか!」

あかり(久お姉ちゃんならきっとやってくれるよね・・・)

春「・・・」

あかり「わっ、春お姉ちゃん」

春「遊ばなくていいの?」

あかり「えっ?」

春「最初にちょっと泳いで、それからはずっと荷物番してる」

あかり「見てたんですね・・・」

春「最初から様子がおかしかったから。試合が気になる?」

あかり「・・・はい。あかりは元々東京には清澄の応援をしに来ましたから」

春「どうして会場に行かなかったの?」

あかり「・・・あかりの能力が咲お姉ちゃん達に渡らないようにする為です」

春「あかりちゃんの能力・・・幸運譲渡」

あかり「そうです。昨日は臨海と有珠山の人達に悪いことをしてしまいましたから・・・」

春「どうだろう。私はあの人達は負けるべくして負けたような気がする」

あかり「それでもきっとあんなにあっさり負けることはなかったと思います」

春「・・・一応準決勝まで勝ちあがってるから」

あかり「あかりは東京に来て沢山の選手さんと知り合って、皆色んな想いをかけて戦っていることを知りました」

あかり「あかりはそんな選手さん達の想いを踏みにじってしまいました・・・」

春「もしかして一回戦のあれは・・・」

あかり「あかりの力です。あっ、でも優希お姉ちゃんは本当に強いんですよ!」

春「それはわかってる」

あかり「一回戦の相手は知らない人達でした。でも、その人達だって仲間の皆と練習して、色んな人達の想いを受けて戦ってたはずなのに・・・」

春(私達は能力の制御の修行の為に来てるとは到底言い出せない)

春「それは仕方のないこと。あかりちゃんがいなくても結局最後に残るのは1校だけ。皆負ける覚悟はしてきている」

あかり「それでもあかりは・・・」

塞「・・・あかりちゃん」

あかり「塞お姉ちゃん」

塞「そうやって思いつめちゃ駄目よ。貴女は何も悪いことなんかしてないんだから」

あかり「あかりの能力のこと知ってるんですか?」

塞「シロ達が貴女に会った次の日に熊倉先生・・・私達の監督がね。貴女に会いたいとも言ってたよ」

あかり「あかりに?」

塞「ええ。あの人有望な人を見つける為に各地を回ってるみたいだから」

あかり「そうなんですか・・・シロお姉ちゃん達にもついちゃってたんだ・・・」

塞「・・・あのさあかりちゃん、こんなこと言ったら笑われちゃうかもしれないけど、気持ちの持ち様でいい牌がツモれる時ってあるんだよ」

春「確かに。清澄の部長さん、ガチガチに緊張してた時は全然駄目だったけど、笑顔で打ち出したら手強くなった」

あかり「久お姉ちゃんが・・・」

塞「あかりちゃんのはちょっと表面的に出てきすぎるかもしれないけどさ、誰かに応援してもらってる時って凄いやる気が出て、いい感じにツモれたりするんだ」

あかり「でも・・・」

春「貴女の力は強い。だけど何でもない人にあそこまでの豪運を与えるほどではない。清澄の大将さんも先鋒さんも、貴女の力だけじゃなくてちゃんと自分の力も出していた」

塞「元々の力にあかりちゃんや多くの人達の応援。それが合わさった結果なんだから気に病まないで」

春「誰かの力を借りることを駄目って言われると、姫様や霞さんなんか神様に力借りてるから困る」

あかり「・・・少しだけ気が楽になりました、ありがとうございます、塞お姉ちゃん、春お姉ちゃん」

春「そもそも貴女の能力なんだから好きに使えばいい」

塞「そうそう、気になるならもう全選手に抱きついて回っちゃえばよかったのに」

あかり「いえ、それはさすがに・・・すいません、ラジオ聞いてもいいですか?」

塞「どうぞ」

健夜「――何度か連荘をされた渋谷選手がオーラスに和了れないのはとても珍しいことですね」

恒子「他校の選手はわざと親に差し込んで連荘させていたようにも見えましたが?」

健夜「渋谷選手がオーラスに強いのは今までの局での1打目の牌が帰ってくることが非常に多かったからです。もしかしすると14、15打目を打つとそれが1からやり直しになるのかもしれませんね」

恒子「なにやらよくわかりませんが、とにかく作戦勝ちということでしょう! さあ、先鋒戦で宮永照選手が稼いだリードもじわじわと詰められております! 勝負の副将戦、まもなくスタートです!」

春「どう?」

あかり「中堅戦が終わってまだ白糸台が勝ってるみたいですけどどこもまだ充分勝ち目があるみたいです」

塞「そっか、私達に勝ったんだから清澄か姫松、どっちかに勝ってほしいわね」

あかり「すいません、あかり会場の方に行きます」

春「今から副将戦なら、ちょうど大将戦が始まる頃に着く」

あかり「大将戦が始まればもうあかりの能力を心配する必要もありませんから。少しだけ咲お姉ちゃんに会っておきたいですし」

塞「そっか、じゃあ宮永・・・咲ちゃんによろしくね」

あかり「はい! ちょっとしか一緒にいられませんでしたけど本当に楽しかったです! それじゃあ!」

塞「・・・なんていうか難儀な子ね」

結衣「すいません臼沢さん。あかりのこと慰めてもらったりして」

塞「あら結衣ちゃん。いいのよ、この前シロが迷惑かけちゃったそうだし」

春「優しいのはわかるけど少し相手を気にしすぎ」

塞「そうね、勝負事にはとことん向かない性格してるわ」

結衣「そうですね。口では強くなりたいなんて言いますけど、たぶん勝とうと思って麻雀を打ってませんからねあかりは。能力より何よりそれが問題です」

塞「ふふ・・・あかりちゃんのことよくわかってるのね」

結衣「・・・幼馴染ですから」

今日はここまでです


全てのリクに応えるイッチはほんまぐう聖やでえ……

そして
>>恒子「以上、笑顔を忘れた悲しきアラフォー、すこやんがお送りしました!」

健夜「アラサーだよ! あと、忘れてないからね笑顔!」

一番あかりに会わなくてはいけないのはすこやんで間違いない。
はっきりわかんだね

投下開始します

咲(あかりちゃん、昨日のことのせいで会場まで来れなくなっちゃんだよね・・・ごめんね)

和「咲さん」

咲「和ちゃん、お疲れ様」

和「すいません、少し及びませんでした」

咲「ううん、充分稼いでくれたよ」

和「後は任せました」

咲「うん」

咲(あかりちゃん、どこかで応援してくれてるよね・・・)

あかり「・・・咲お姉ちゃん!」

咲「えっ、あかりちゃん!」

あかり「なんとか間に合ったよぉ・・・」

咲「来てくれたんだ」

あかり「少し会うだけならいいと思って・・・あかり気の利いたこと言えませんけど、頑張ってください!」

咲「任せて」

あかり「照お姉ちゃんも見てくれてますよ」

咲「そうだね。あかりちゃんもしっかり見ててね」

あかり「はい!」

和「咲さん、もうすぐ時間ですよ」

咲「うん・・・和ちゃん、あかりちゃん、いってきます」

和「いってらっしゃい咲さん」

あかり「咲お姉ちゃんなら絶対勝てるって信じてますから!」

咲(そう、お姉ちゃんも見てくれてる。今度こそ私の麻雀を見てもらいたい。だけど高鴨さんの能力に打ち勝てるかな・・・)

和「・・・さて、あかりちゃん。もう観客席は満員でしょうから私達の控え室に行きましょうか」

あかり「いいんですか?」

和「あかりちゃんなら皆歓迎してくれますよ」

あかり「じゃあお願いしますね」



和「ただいま戻りました」

久「お帰りなさい。ご苦労様、和」

あかり「こんにちは」

まこ「なんじゃあかり、結局来たんか」

あかり「元々大将戦までには来るつもりでしたよぉ」

優希「・・・潮の香りがするじぇ」

久「あらあら、夏を楽しんで来たみたいじゃない」

あかり「うっ・・・ちゃ、ちゃんとラジオで応援してましたよぉ!」

まこ「海かぁ、わしも終わったら行きたいのう」

久「全部終わったら遊ぶために少し残るくらいいでしょ」

優希「私のグラマラスボディーをお披露目するのは海でもいいかもしれないじょ」

京太郎「鏡見てから言えよ」

和「はぁ・・・本当に緊張感のない人達ですね」

あかり「でもこれでいいんだと思いますよ」

和「・・・そうですね」

京太郎「おっ、始まったぞ」

優希「いっけぇ咲ちゃん!」

和「頑張ってください、咲さん」

和(今は敵同士ですが穏乃も・・・)

恒子「決勝戦前半戦終了! ここまでトップを維持して来た白糸台をまくったのは、阿知賀女子高鴨穏乃選手! 王者を下しての1位抜けは時の運ではなかったようです!」

健夜「大星選手も宮永咲選手も得意手を封じられて苦戦しているようですね。その分末原選手が食らいついていますが高鴨選手の能力に翻弄されているようです」

久「天江さんから聞いたけど本当に咲とは相性の悪い能力ね」

まこ「山の深いところの牌を支配する、なぁ。深いところを支配して配牌や浅いところにまで影響を与えとる。恐ろしい能力じゃな」

優希「咲ちゃん、南場じゃ1回もリンシャン和了れてなかったじぇ。ありえないじょ」

和「何度も和了れるほうがありえません。それにしても、穏乃、本当に強くなりましたね・・・」

京太郎「咲の奴、ショック受けてねぇといいんだけど」

久「あれでメンタル面は弱い子だものね・・・和、ちょっと行って――」

優希「あれ、あかりがいないじぇ」

まこ「ステルスで消えてそこら辺におるんじゃないか? お~い」

久(・・・ここは照さんとの仲直りを取り持ったあかりちゃんに任せてみましょうか)

咲(嶺上牌もツモ牌も見えない・・・まるで深い霧の中を手探りで歩いてるようだよ・・・)

咲(なんだか一人ぼっちになっちゃったみたいで、ひどく寂しい・・・)

あかり「咲お姉ちゃん」

咲「・・・! あかりちゃん、どうしてここに?」

あかり「咲お姉ちゃんが落ち込んでないか心配だったんです」

咲「・・・少し、キツいかな。マホちゃんやカツ丼さんに取られちゃったりしたことはあったけど、嶺上牌が見えなくなったのは初めてだから」

あかり「・・・咲お姉ちゃんはどうして嶺上開花をそんなに和了れるようになったんですか?」

咲「お姉ちゃんから私の名前と同じ意味を持ってるんだって聞いてからずっと練習してたんだ。そしたら出来るようになってたの。でもなんでいきなりそんなこと聞くの?」

あかり「小蒔お姉ちゃんが能力を制御するのに大切なのは気持ちの持ち様だって言ってました。その時の気持ちを強く想えばきっと和了れるはずです!」

咲「・・・そうかな、高鴨さんだって強い想いで能力を使ってるはずだし・・・」

あかり「弱気になっちゃ駄目です! 信じてあげてください、あんなに強かった衣お姉さんに勝った咲お姉ちゃん自身のことを!」

あかり「お姉ちゃんが言ってました、自分と牌を信じて戦わなきゃ勝てるものも勝てなくなるって」

咲「・・・さっきから人に聞いたことばっかりだね」

あかり「えっ! ええっと、その、あかりはまだ弱いですしそんなに大層なことを考えることも出来ないというか・・・」

咲「ふふ・・・でも、わかったよ、私は今出せる精一杯の力で戦ってくる」

あかり「・・・これも人に聞いたことですけど応援されてるといい牌が来るようなることもあるそうです」

あかり「対局室には声は届きませんけど、忘れないでください。あかりも清澄の人達も鶴賀や龍門渕、風越の人達も・・・今は敵ですけどきっと照お姉ちゃんも皆、咲お姉ちゃんを応援してます」

咲「皆が私を・・・そうだよね、鶴賀と龍門渕の人達はわざわざ東京まで来てくれてるんだよね。だったらその想いに報いないと!」

咲「ありがとう、あかりちゃん。これで私、戦えるよ」

あかり「いいえ。1人で対局室まで戻れますか?」

咲「もしかして和ちゃんから私が方向音痴なの聞いたの? もう、1人でここまで来れたんだから帰れるよ!」

あかり「えへへ、じゃあ頑張ってくださいね。あかりも頑張って応援しますから!」

咲「うん!」

穏乃(宮永さんなんだか前半戦と雰囲気が違うな・・・やっぱり一筋縄じゃいかないか)

淡(ようやくテルーの妹らしいとこ見せてくれるのかな?)

恭子(宮永・・・阿知賀の相手だけもキツいってのに・・・)

咲(・・・相変わらず霧は濃い、でも・・・)

――あかり「咲お姉ちゃん――・・・」

咲(――・・・聞こえるよあかりちゃん、貴女の声が・・・)

咲(力を借りたわけじゃない。でもなんでかな、あかりちゃんが近くにいてくれてる気がするよ。この霧を掃う優しい明かりになって・・・)

咲「カン」

穏乃淡恭子「・・・!」

咲(聞こえる、あかりちゃんだけじゃない、和ちゃん達大勢の人が私を応援してくれてる声が)

咲「もいっこカン」

――あかり「その時の気持ちを強く想えばきっと出来るはずです!」

咲(私が嶺上開花を和了るようになった最初の気持ち。お姉ちゃんとの大切な思い出・・・)

――照「森林限界を超えた高い山の上。そこに花が咲くこともある」

咲「もいっこカン!」

咲(私もその花のように強くなる。約束したんだ!)

咲「・・・ツモ。清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花。16000オールです!」

穏乃(長野の決勝と同じ!? しかも今度は親でやられた!)

淡(イケてんじゃん、さすがテルーの妹)

恭子(どんだけ役満出せば気がすむねんこいつはぁ!)

穏乃「・・・やっぱり凄いね宮永さんは。私のテリトリーがこうも簡単に破られちゃうなんて」

咲「・・・簡単じゃないよ、凄い苦労した。でも、どんなに高く深い山の上にだって花は咲く・・・咲かせてみせる、それが私の名前だから」

穏乃「そっか・・・でも、もうさせないからね!」

穏乃(楽しい! もう1000速くらいまで上がってるのにまだまだいけそう!)

淡(私もそろそろやらないと、高校100年生の名が廃るわね!)

恭子(・・・もう我慢ならん! これ以上なめた真似させへんで一年坊共! 年季の違い、見せたるわ!)

優希「咲ちゃんの本領発揮だじぇ!」

まこ「ようやく調子出てきたみたいじゃのう」

和「咲さん笑ってますね、長野の決勝と同じ・・・いえ、それよりももっと楽しそうに」

あかり(やっぱりカッコいいなぁ咲お姉ちゃん)

久(あかりちゃん、やっぱり貴女に来てもらって本当によかったわ・・・)



穏乃(まさかオーラスまで来て点数平らになるなんてね・・・)

穏乃(大星さんも私の能力を破ってくるし、末原さんにもしっかり対応されちゃった)

穏乃(それでもまだ私が1位! 最後の最後に追い込まれたこの海底さえ乗り切れば私の勝ち! なんだけど・・・)

穏乃(安牌がない・・・天江さんみたく海底和了れればよかったのに・・・)

穏乃(安手でも簡単にまくられちゃうこの状況で私が取るべき最善の手は・・・)

穏乃(海底はカン出来ない。それに宮永さんは直撃を取るタイプじゃない・・・最後の勝負だよ、宮永さん!)パチッ

咲「ロン」

穏乃「・・・!?」

咲「タンヤオ、対々、河底撈魚、8000です」



優希「やった! 咲ちゃんがやったじぇ!」

まこ「最後に河底とはひやひやさせおってからに」

和「咲さん・・・!」

京太郎「あっ、待てよ和!」

優希「私達も行くぞ犬!」

京太郎「だから犬じゃねぇ・・・って今はそんなことどうでもいいや! 咲ぃ!」

まこ「わしも行くとするかいのう」

久(・・・このオーラス、咲は二度カンをして二度ともツモ切りした。これは二回戦のあの時と同じ・・・無理やり海底まで持ち込んだ? 一体どうして・・・)

あかり「久お姉ちゃん、河底撈魚って河の底の魚をすくうって意味なんですよね?」

久「ええそうよ、それがどうかしたの?」

あかり「いえ、なんでもないんです・・・」

――照「魚と泳ぐことが大好きな子だったんだけど――」

あかり(咲お姉ちゃんにとってもやっぱり大切な人なんですね光さんは・・・)



咲(光ちゃんってば河底撈魚の意味を知ってからこればっかり狙おうとするんだもん。海底にだってそんなに行くことなかったのに)

咲(・・・ごめんね、いなければよかったなんて言って。幸せな思い出をいっぱい残してくれてありがとう・・・)

穏乃「・・・はぁ~、まさか山の最深部で私が負けちゃうなんて思わなかったよ」

咲「私は山には何もしてないよ。ただ、沢山の魚が泳いでる河から魚をすくいとっただけ」

穏乃「ああっ、そうかそこは河だもんね・・・う~ん、やっぱり私もまだまだだ」

和「咲さん!」

憧「しず!」

咲「和ちゃん!」

穏乃「憧!」

和「やりましたね、咲さん!」

咲「うん、頑張ったよ私!」

憧「しず、お疲れ様」

穏乃「ごめん憧、負けちゃったよ」

憧「いいのよ、準決越えすら論外なんて言われてたのが準優勝まで来れたのよ? 晴絵の無念も晴れたでしょうし、和とも遊べたんだから文句はないわ」

穏乃「そうだね・・・でも、どうせなら和と同卓したかったなぁ~」

穏乃「ねえ和、何で和が先鋒でも中堅でも大将でもなく副将なの? 姫松の伝統まで考えてエースが置かれるだろう位置に私と憧と玄さんをオーダーしてもらったのに」

和「私達のオーダーは部長が決めましたから・・・ただ私をエースだと考えてくれているのなら新道寺の白水さんと同じ理由ではないかと思います」

憧(いやたぶん和のオカルトに対する空気の読めなさを危惧してエース、能力持ちがあまり出てこないだろう副将にしたんだ・・・そのわりに長野からこっち結構な能力者と当たってきてるけど)

穏乃「そっかぁ・・・こんなことなら私も個人戦に出ればよかったよ」

和「個人戦に出ていないのであれば明日にでも打てますよ。憧と玄さんと、赤土さんも一緒にまたあの頃のように」

穏乃「うん! また一緒に遊ぼう和!」

憧「優勝しちゃったし忙しくなるかもしれないけどさ、奈良に遊びに来てよ。ギバード達も会いたがってるからさ」

和「必ず。コクマもありますし、練習試合の為の遠征費も出るようになるかもしれませんからね」

玄「その時は出来ればあかりちゃんを連れてきてほしいのです!」

和「玄さん・・・えっ、あかりちゃんを知ってるんですか?」

優希「さっきちゃ~ん!」

京太郎「やったな咲! お前最高だよ!」

まこ「ようやったのう咲!」

久「咲、頑張ったわね」

咲「優希ちゃん、京ちゃん、染谷先輩、部長!」

あかり「咲お姉ちゃ~ん!」

咲「あかりちゃん!」ダキッ

あかり「わっ・・・咲お姉ちゃん?」

咲「あかりちゃんのおかげで勝つことが出来たよ!」

あかり「そんな、あかりは何も・・・咲お姉ちゃんが頑張ったから――」

久「違うでしょ咲。あかりちゃん言ってたじゃない、あかりちゃんのおかげじゃなくて自分の力で勝ったって思ってほしいって」

久「でもあかりちゃんもちょっと間違ってる。私達がここまで来れたのは清澄の部員だけじゃない、あかりちゃんや鶴賀、龍門渕、風越、その他大勢の人達が支えてくれたからよ」

久「自分自身も頑張った。だけど優勝することが出来たのは紛れもなくあかりちゃんのおかげでもあるのよ。特に咲に対しては応援以外にも色々してくれたんだし」

あかり「この優勝があかりのおかげでもある・・・」

咲「部長の言うとおりだよ。光ちゃんのこともお姉ちゃんのことも・・・あかりちゃんがいなければ私はきっとこんなに晴れやかな気持ちでここに座ってなかったよ。だから、ありがとう!」

あかり「さ、咲お姉ちゃん、そんなに強く抱きしめられたら少し苦しいですよぉ・・・」

玄「む~、私もあかりちゃんにお礼を言いたいのに・・・」

絹恵「元気出してください末原先輩・・・あれ? あかりちゃんやん。なんでここにおるん?」

照「よしよし、もう泣き止んで淡・・・あっ、あかり」

優希「じぇ~! あかり、お前どれだけ色んな人知り合いになったんだじぇ!?」

あかり「・・・数え切れないくらい沢山です!」



咲「あう~ようやく解放されたよ・・・」

和「いつも以上に疲れました・・・」

まこ「そりゃあインハイ優勝に加えてチャンピオンが咲のこと妹じゃと認めたからの」

優希「長野のレベルが落ちたとか散々言ってたくせにこの掌返しにはなんだか釈然としないじぇ!」

久「そう言わないの。和以外は学校も選手も本当に無名だったんだから」

美穂子「おめでとうございます」

ゆみ「本当に素晴らしい試合だった」

透華「ま、まあ、私達を倒したのですからあれくらいはやってもらいませんと・・・」

一「透華、こんな時くらい素直に褒めようよ」

久「皆・・・貴女達の応援とサポートのおかげよ。本当にありがとう、感謝してもしきれないわ」

京子「いや~それほどでも・・・」

結衣「お前は応援すらまともにしてないだろ!」

櫻子「最後の方しか見れなかったですけど咲ねーちゃんすっごいカッコよかったです!」

咲「櫻子ちゃんがいるということはこの子達は・・・」

あかり「あかりのお友達・・・鶴賀中等麻雀部の皆です!」

ゆみ「他に3人いるんだが・・・」

京子「綾乃と千歳と部長は西垣ちゃんの改造を受けて人間爆弾に・・・」

ちなつ「縁起でもないこと言わないでください!」

衣「相変わらず巫山戯た物言いをする奴だなキョウコ」

京子「おっ、衣ちゃんじゃん」

衣「ちゃんではないと言ってるだろう!」

京子「失敬失敬、衣ちゃんさん」

衣「貴様ぁ!」

結衣「失礼だぞ京子! すいません天江さん」

衣「ふんっ! 衣の気が逸れた内に直撃当てたからといっていい気にになるんじゃないぞ!」

久「龍門渕の人達とは知り合いなのね」

向日葵「インターミドルで全国出場したお祝いを高等部の先輩方にしていただいた時に会いましたので」

透華「そう、お祝いですわ! ささやかながら祝勝会の用意をしてありますのよ!」

まこ「祝勝会て、わしらが負けとったらどうするつもりじゃったんじゃ?」

智紀「その時は健闘を労う会になってただけ」

純「決勝まで来た時点でお祝いものだろ?」

一「風越に鶴賀、それにあかりちゃんの友達も一緒にどうぞ」

あかり「あかり達も行っていいんですか?」

透華「当然ですわ! なんでしたら他の決勝3校の方々もまとめてご招待しましてよ!」

櫻子「やった~! なんだか知らないけど楽しそう!」

穏乃「えっ、なになに、何の話ですか?」

和「いいタイミングで来ましたね穏乃。龍門渕さんが私達の祝勝会を開いてくださるそうで穏乃達もどうですかと」

穏乃「祝勝会・・・パーティだよね!? 行きたい!」

憧「ラーメン食べに行くんじゃなかったの?」

灼「負けた私達が祝勝会に行くのはなんか変だとおも・・・」

穏乃「ええ~、いいじゃないですか~、行きましょうよ~!」

晴絵「いいじゃないの。負けた後は恨みっこなしで交流できるって素晴らしいことよ」

玄「あかりちゃんにお礼と、あのおもちの子とお近づきになりたいのです!」

向日葵「お、おもち?」

宥「人がいっぱいいる方があったかいよ」

久「それじゃあ阿知賀の人達は同行するっと・・・他のとこは・・・」

洋榎「なんや楽しそうな話しとるなぁ」

絹恵「お邪魔できるならしたいです」

恭子「私は・・・」

由子「恭子、複雑な気持ちなのはわかるけど落ち込んでても仕方ないのよ~」

郁乃「お酒飲んで騒いだら嫌な気持ちも飛んでっちゃうで~」

漫「いやお酒はあかんでしょう・・・」

照「私達も参加させてもらおう」

咲「お姉ちゃん!」

菫「おい照、なにを勝手に・・・」

照「久しぶりに咲と食事がしたいんだ。駄目?」

菫「ぐっ・・・そこを持ち出すのは卑怯だろ」

尭深「おいしいお茶があるなら行きます・・・」

淡「・・・」

誠子「大星はどうするんだ? 残るか?」

淡「・・・行く」

誠子「そうか。お酒は駄目だが嫌な気分は騒いで忘れとけ。お前には個人戦もあるんだからな」

透華「それでは皆さん行くということでよろしいのですわね?」

灼「お願いしま・・・」

洋榎「不味いとこやったら怒るで」

菫「ああ、すまないがよろしく頼む」

透華「お安い御用ですわ。ハギヨシ! 人数追加のご連絡を!」

ハギヨシ「はっ、ただいま」

京子「いつ見てもどっから出てきてるのかわかんね~、もしかしてあかりと桃子ねーちゃんのにーちゃんなんじゃ・・・」

桃子「いや、私の姉妹兄弟はあかりだけっすよ」

京子「そうだよな~あかりはドジっ子だからハギヨシさんとは似ても似つかないよな~」

あかり「京子ちゃんひどいよぉ!」

ちなつ「ドジっ子じゃなくてもあの人に似てる人なんて早々いないと思いますけど」

結衣「ある意味私が見た中で1番オカルトな人だよ」

久「随分大所帯になっちゃったけどどうやって移動するのかしら?」

ハギヨシ「僭越ながら、送迎用のバスの手配もいたして参りました」

まこ「ほんに抜かりのない人じゃ・・・」

優希「犬も早くあれくらい使えるようになるじぇ」

京太郎「無茶言うなよ、一生かかっても無理だぞ絶対」

和「それではバスが来るまで少し待ちましょうか」

咲「楽しみだねあかりちゃん」

あかり「はい! こんなに沢山の人と食事するなんてあかり初めてですよぉ! 楽しみだなぁ・・・」

祝勝会会場

透華「急遽用意しましたので少し手狭なのが残念ですわ」

和「手狭・・・この人数が入ってまだまだ空きがあるというのに?」

洋榎「うまっ! なんやこのからあげごっつ美味いやん!」

絹恵「お姉ちゃん恥ずかしいからそんなにがっつかんで・・・」

穏乃「すごい、ラーメンもあるよ!」

ハギヨシ「ラーメンを食べに行くところだったとお伺いしましたので」

灼「抜かりなさ過ぎてこわ・・・」

照「このケーキ高そうだし美味しそう・・・」

菫「こら、いきなりデザートから食べようとするな」

あかり「お、お金持ちって凄いねお姉ちゃん・・・」

モモ「そうっすね、うちの部の予算に回してほしいくらいっす」

智美「ワハハ、スクリーン上げ下げ遊びもそろそろ飽きてきたしな」

睦月「今思えばなんであんなことを面白がっていたのか・・・」

佳織「中等部の方が部室充実してるよね・・・」

ゆみ「・・・祝いの席だ暗い話はなしにしてとにかく食べよう」

玄「おおっ・・・中一でこの大きさ、これは和ちゃん以来の逸材・・・!」

向日葵「あの、玄さん? なんだか目つきが嫌らしいですよ・・・?」

玄「ちょっとだけ、ちょっとだけだから・・・」

向日葵「ちょ、手をわきわきしながらにじり寄って来ないでください!」

晴絵「セクハラやめい!」

玄「きゅ」

和「変わりませんね玄さんは」

憧「・・・和といい玄本人といい、不条理だわこんなの」

未春「こんなところにも敵が・・・」

洋榎「あんたがあかりの言うとった京子ちゃんか」

京子「そうだよん」

由子「こっちの恭子と違って可愛いのよ~」

郁乃「え~、末原ちゃんもおめかししたら可愛かったやん」

洋榎「そのでっかいリボン、うちのに貸したってくれへん?」

京子「代えのならいいよ~」

恭子「ちょっと主将! 私付けるなんて一言も・・・」

郁乃「ええやん、おめかしも気分変えるんにはきくんやから~」

漫「・・・よう見たらそれリボンやのうてネコミミやないですか」

恭子「ね、ネコミミ!? 嫌です! リボンならともかくネコミミやなんて!」

京子「ああそれなら大丈夫、それネコミミじゃないから」

洋榎「あん? ほんまや! ネコやのうて・・・なんやこのぶっさい○ッキーみたいなん!」

恭子「そっちの方が嫌ですわ!」

郁乃「ええから付けてみ~、可愛い服もいっぱいあるから~」

京子「私もコスプレ衣装ならいっぱいあるよ! 先輩達が来た時用に大きいのも作ったのに使えなくて残念だったんだよね!」

恭子「や、やめ・・・善野さん助けて~!」

淡「君もあかりのお友達?」

衣「そうだが、学友ではないぞ!」

淡「あかりの後輩か~」

衣「違う! あかりよりもお前よりも衣の方が年上だ!」

淡「大人ぶっちゃって可愛い~」ナデナデ

衣「ふぁ・・・なでるな~・・・」

誠子「お、おい、大星、その人天江衣さんだぞ!」

淡「えっ? うっそ、こんなちっちゃいのが?」

衣「誰が小さいだ! お前なんかシズノに負けて泣きべそかいてるようなゴミ雀士のくせに!」

淡「はぁ? 泣いてません~、ちゃんと能力破ったから勝ちました~」

淡「それに貴女が天江衣なら高校2年生でしょ? 私は高校100年生だから私の方が上だよ!」

衣「何を烏滸言を・・・」

櫻子「100年生!? 凄い! ちょ~偉いじゃん!」

淡「君は話がわかるね~、そう、私はちょ~偉くて強いんだよ!」

衣「お前は高1だろう!」

淡「実力的には高100なの!」

櫻子「駄目ですよ衣さん、上級生には敬語を使わないといけないんです」

衣「ぐぬぬ・・・この阿呆共め・・・」

誠子「すいません、すいません・・・」

ちなつ「渋谷さんはお茶好きなんですか?」

尭深「嗜む程度に・・・」

ちなつ「本当ですか!? 私も好きなんです! 最初は麻雀部じゃなくて茶道部に入ろうかと考えてたくらいで・・・」

尭深「私もそう。茶室を部室にしてる劔谷がちょっと羨ましい」

ちなつ「茶室が部室に、いいなぁ。でも、私が淹れたお茶をゆ・・・皆が美味しそうに飲んでくれるのがとても嬉しいんです」

尭深「わかる。私も喜んでくれるから色んな茶葉を持っていったりしてる」

ちなつ「私はとうもろこし茶を作ってみたりしてますよ。とっても美味しいって評判だったんですから!」

尭深「そう、私も作ってみようかな。よかったら今度作り方教えて?」

ちなつ「はい! 私も茶葉の種類なんか色々お勉強させてください」

尭深「うん、わかった」

智紀「船見ちゃんもゲームするんだ」

結衣「ええ、そういう沢村さんも?」

智紀「うん。特に格ゲーとかやってる」

結衣「私はRPGが多いですね」

智紀「RPGはとことんやりつくしたくて、ダンジョンとかでわざと行き止まりの方の道に行って宝箱探したりしてしまうから長くやりすぎる」

結衣「わかります、逆に正解の道に先に行くと損した気分になるんですよね」

智紀「それで気がついたらボスも楽々倒せるレベルに。でもそれが楽しい」

結衣「ですよね! ボスを可哀想なくらいあっさり倒すのが快感で!」

智紀「うんうん」

結衣「格ゲーも結構やりますよ。でも中々勝てないんです」

智紀「今はアーケードでやる人は殆ど上級、中級者ばかり。初心者はすぐ狩られて練習もままならないから」

結衣「自宅に筐体があったらいいんですけどね。全国ランキングの店名に○○自宅みたいに表示されたりして」

智紀「それいい。今度透華に頼んでみようかな」

結衣「出来たら私も呼んでくださいね沢村さん!」

智紀「智紀でいいよ、結衣」

咲「久しぶりだね、お姉ちゃんとこうしてご飯食べるの」

照「ああ、懐かしいな」

咲「・・・お母さんの料理、家族4人でまた食べたいな」

照「・・・私達が仲直りしたからってお母さん達もそうなるとは限らないから」

咲「うん、そうだね・・・」

あかり「2人ともそんな顔しないでください。そうなると限らなくても咲お姉ちゃん達が仲直りしたことは咲お姉ちゃん達のお母さん達の仲直りの為には絶対必要なことだったんですから!」

咲「あかりちゃん・・・」

照「・・・お母さんと一緒じゃなくても私は一度そっちに帰るよ。お父さんに謝らないといけないし、光のお墓参りにも行かないといけないから」

咲「・・・光ちゃん長い間寂しくさせちゃったね」

照「謝ってそれから沢山話そう。あれからあったことを2人で」

咲「・・・うん!」

咲「そうだ、光ちゃんのお墓参り、あかりちゃんも一緒に来てくれる?」

あかり「えっ? でもあかりは光さんと会ったことありませんよ?」

照「だからだよ。紹介しないとね、私達がまた光の前に2人で立てるようにしてくれた人だって」

あかり「そ、そんな大げさですよぉ」

照「大げさじゃない。あかりは私に本当に大切なことを思い出せてくれたかけがえのない人だ」

咲「会えてよかったって心から思ってる」

あかり「・・・あかりも咲お姉ちゃん達に会えて本当によかったって思ってますよ」

咲「ふふ・・・あの日、あかりちゃんを連れてきてくれた桃子ちゃんとそうするように言った部長にも感謝しないとね」

優希「咲ちゃん、あかり、なんだか箸が進んでないみたいだけどどうしたんだじぇ?」

京太郎「馬鹿お前、久しぶりに姉妹が再会したんだから積もる話もあるだろ」

和「ですが食べないと損ですよ、はい照さんも」

照「ありがとう原村さん」

咲「・・・私気づいたんだけど、お姉ちゃんに光ちゃんにあかりちゃん。私を導いてくれてる大切な人達って光に関する名前を持った人が多い」

京太郎「俺は!?」

咲「・・・京ちゃんは私をカモにしようと麻雀部に連れてきただけでしょ」

京太郎「いや、それがなかったらお前ここにいないだろ!」

咲「どうかな、部長に探し出されてたかもしれないよ」

京太郎「ぐぐっ・・・あの人だったらありそうだ」

あかり「でも咲お姉ちゃんは京太郎お兄ちゃんにとっても感謝してるんだと思いますよ。色々世話を焼いてくれるって――」

咲「わぁ~!」

あかり「もがっ!」

京太郎「咲ぃ・・・ううぅ! 俺、お前の友達でよかったよぉ!」

咲「わぁっ! いきなり泣かないでよ京ちゃん!」

照「お、オーバーな子ね・・・」

優希「うむ、その気持ちを忘れず雑務に励むがよい!」

和「ゆーき、須賀君はマネージャーじゃありませんよ・・・ところで咲さん。さっきの光に関する名前がどうという話ですが・・・」

咲「えっ? ああっ、その和ってなんだかこう陽だまりの中にいるようなそんな感じのイメージがするよね~。だよね、あかりちゃん!」

あかり「もごもがもが」(それより早く手を離してください)



あかり「はぁ~、少し疲れたからお外に出て風に当たってくるよぉ」

あかり「あれ、先客さんがいた」

今日はここまでです
こんなおざなりじゃなく本格的な麻雀描写がしてみたい
先客さんは例によって希望を取ります

先客って会場にいる人限定?

>>460
じゃなくてもいいですし複数人でもいいです

投下開始します

智葉「――」

菫「――」

あかり「菫お姉ちゃんとなんだか怖そうなお姉さんが睨み合ってる!? と、止めなきゃ!」



菫「メガネを外して髪をおろすだけでここまで変わるものか・・・」

智葉「・・・あの格好が似合わないとでも?」

菫「いや、その姿がいやに様になってるだけであれが悪いとは言わんよ。まるでその・・・」

智葉「そっち系の人だと言いたいのか?」

あかり「ま、待ってくださ~い!」

菫「うん?」

智葉「なんだ?」

あかり「あ、あかりはどうなってもいいですから菫お姉ちゃんは見逃してあげてください!」

智葉「は?」

菫「何か誤解しているようだな」

あかり「な、なんだ普通の高校生さんだったんですね」

智葉「そんなに老けて見えるのか私は?」

あかり「い、いえ老けてるってわけじゃないんです! ただ黒い羽織とかが前にTVで見たその、怖い人達に似てて」

菫「ふふ・・・これが一般人の目だぞ辻垣内」

智葉「気に入ってるんだがなこれ・・・」

あかり「すいませんでした智葉お姉ちゃん」

智葉「・・・いい、気にするな。ところであかりだったか? 弘瀬とはどういう関係なんだ?」

菫「照の妹の知り合いの妹だ」

智葉「ほとんど他人じゃないか」

菫「だが照に大きな影響を与えてくれた子だ」

智葉「大きな影響・・・もしかして準決勝の観戦室で宮永が抱いてた女の子って・・・」

あかり「あかりのことです」

智葉「そうだったのか。あの鉄面皮がマスコミの前以外で割れたと聞いたときは心底驚いたよ」

菫「ああ、正直少し嫉妬したよ。私が3年間苦心してもどうすることも出来なかった照を、こんなにあっさりと変えられてしまうなんてな」

あかり「えっと・・・」

菫「いや、すまない責めてるわけじゃないんだ。そういえばまだちゃんと礼を言ってなかった。照のこと本当にどうもありがとう」

あかり「あかりはちょっとお手伝いしただけですよぉ。照お姉ちゃんは元々咲お姉ちゃんのことを大切に思ってたんですから」

智葉「咲・・・宮永咲か。まさか本当に妹だったとはな」

菫「そういえばお前の所は彼女に負けたんだったな」

智葉「あんなの誰が勝てるんだ。ネリーをなだめるのに私達がどれだけ苦労したことか・・・」

あかり「うぅ・・・ごめんなさい」

智葉「何故君が謝るんだ?」

あかり「実は――」



智葉「――なるほど他人に幸運を分け与える力か」

菫「それであんなことに・・・」

智葉「準決勝であれだけのことをやってのけた宮永咲が何で決勝であんなに苦戦していたのかわからなかったが、これで得心がいったよ」

あかり「ごめんなさい・・・」

智葉「・・・他人との絆を武器にする相手と戦ったことは初めてではない。私でさえあるんだから世界で戦っていたネリーはもっと経験豊富だったはずだ

智葉「それで勝てなかったなら単純にネリーが力不足だっただけだ」

あかり「で、でも・・・」

智葉「己惚れるな。力はあくまで力、それを使う相手によってどのようにでもなる。決勝を見てわかった、宮永咲は姉にも勝る打ち手だ」

智葉「その彼女が使ったからこそあそこまでの力を発揮した。決闘で武器の優劣に文句をつけるなど無粋の極みだろう。私達は君というドスに勝る武器を見つけられなかった、それだけのことだよ」

菫「いいこと言ってるようだがその例えはどうなんだ」

あかり「ドスってなんですか?」

菫「小刀のことだ。よく任侠物の映画なんかでヤクザが懐に忍ばせてる」

あかり「や、やっぱりそっちの人の娘さんか何かなんじゃ・・・」

智葉「ち、違う! いつも使ってるからとっさに口に出ただけで!」

あかり「いつも使ってる!?」

智葉「いや現実で使ってるわけじゃなくてだな!」

菫「落ち着け辻垣内。あかりちゃんも辻垣内はそんなに怖い奴じゃないから私の影に隠れなくてもいいんだぞ」

菫「こう見えて近所の幼稚園児に麻雀を教えたりしてるから町内の人気者なんだ」

あかり「・・・そうなんですか?」

智葉「・・・後進の育成は先を行くものとして当然の義務だ」

菫「お前の所は先鋒以外留学生で固めるから報われるかどうかはわからないけどな」

智葉「厭味かそれは?」

あかり「でも外国の人達といっぱいお友達になれるんですよね。羨ましいです」

智葉「まあ確かに外国の文化に触れられるというのは勉強にもなるしいいことだろうな」

あかり「あかりもこの前留学生さんとお友達になったんですよ」

智葉「意外にいるものだな。しかし異文化交流もいいものだが困ることもある。ネリーはことあるごとに服装がだらしなくなっていくし、ダヴァンはどこでもラーメンを食いだすし・・・」

菫「それは外国の文化云々というより本人の問題じゃないのか?」

あかり「ところで智葉お姉ちゃんはどうしてここに?」

智葉「ダヴァンがコンビニ限定のカップラーメンを食いたいと言い出してな。買いに向かっていたら弘瀬が見えたんで話をしていたんだ」

菫「三連覇を達成できなかった私達を笑いに来たのかと思ったよ」

智葉「誰がそんなふざけた真似をするか。私達だって同じ相手に負けたというのに」

あかり「智葉お姉ちゃんは個人戦にも出るんですか?」

智葉「ああ」

菫「辻垣内は去年の個人戦3位だからな」

あかり「えっ、凄いですね!」

智葉「いや、個人戦はより稼いだ者の順位が上がる。その場合誰と当たったかにもよって大きく差も出るだろう。一概に順位だけで強さを測ることは出来ないさ」

菫「つまり1位の照にも負けてないかもしれないと言いたいわけか?」

智葉「ふっ・・・奴とは直接対決して負けたんだ、認めざるを得ないだろうよ。荒川には負けているつもりはないがな」

あかり「憩お姉ちゃんとは直接打たなかったんですね」

智葉「いや、2人まとめて負けたんだ。しかし、荒川と知り合いなのか」

菫「ならこれで去年の個人戦トップ3と知り合いになったわけだ」

あかり「考えてみれば・・・結構凄いことですね」

菫「おまけに今年の団体優勝校の清澄とも懇意にしている」

智葉「マスコミが知ったら放っておかないだろうな」

あかり「あかりもそんなに多くのことを知ってるわけじゃないんですけどね」

菫「照とはどこで知り合いになったんだ?」

あかり「Aブロックの二回戦の後、スーパーで買い物をしてる時に偶然に会ったんです」

菫「ああ、皆の為にとか言ってほとんど淡と自分で食べたあの大量のお菓子を買っていた時か」

あかり「最初に会った時は騒がれたら困るからって尭深お姉ちゃんの名前を偽名に使ったんですよ。だから準決勝で本当の名前を知った時は驚きました」

智葉「まあ奴の名はかなり知れ渡っているからな」

あかり「それでその日の夜、あかりは清澄のお部屋にお泊りさせてもらってたんですけど、ロビーのテラスでまた偶然に」

菫「同じ宿泊所だったのか・・・」

智葉「偶然にしても出来すぎてる感があるな」

あかり「照お姉ちゃんってば飲めないのにブラックコーヒー飲んで噴出しちゃったんですよ」

智葉「飲めないのか。それは意外だ」

菫「ああ見えて甘党なんだ」

あかり「それから・・・」

――照「・・・あかり、満足しないかもしれないけどでも、今はこれで我慢して」チュッ

智葉「・・・? どうした?」

菫「顔が赤くなったが・・・」

あかり「い、いえ、何でもありません! 何もなかったですから!」

菫(照の奴、一体何をしでかしたんだ?)

智葉(ネットではあかりを抱いてたからロリコンじゃないかなんて噂も立てられていたが、まさかな・・・)

あかり「ああそうだ、月です!」

智葉「月?」

あかり「はい、月が綺麗ですねという言葉のもう1つの意味を教えてもらいました」

菫「ああ、愛の告白がどうだのいうやつか」

あかり「知ってるんですか?」

智葉「それなりに有名な話だ。だが作り話じゃないかという説もあるそうだがな」

あかり「えっ、そうだったんですか・・・なんだか綺麗な話でいいなぁって思ってたんですけど・・・」

菫「真偽はともかくここまで広まっているんだ。問題なく使えるだろう」

智葉「下らん話だがな。自分の気持ちすら素直に伝えられないようで何が愛だ。私がそう言われたらだからどうしたと返してやる」

あかり「智葉お姉ちゃんははっきりと告白されたいんですね」

智葉「回りくどいのは嫌いなんだ。それに告白されるよりする方が・・・」

菫「くくく・・・」

智葉「・・・忘れろ」

あかり「智葉お姉ちゃんは勇気がありますね」

菫「くく・・・辻垣内に告白される方はもっと勇気が必要そうだけどな」

智葉「やかましい!」

智葉「・・・ったく、私はそろそろ行くぞ。ダヴァンが腹を空かせているだろうからな」

菫「気をつけろよ。コンビニの店員を脅かさないようにな」

智葉「お前な・・・」

あかり「また会えたら嬉しいです」

智葉「ああ、そうだな。君も麻雀を打つなら少し指南してやろう」

菫「園児に教える先生だけあって子供には甘いな」

智葉「言っただろう、後進の育成は先を行くものの義務だ。強い打ち手が増え、それと打てるなら私も楽しい」

あかり「よかったらネリーお姉ちゃん達ともお友達になりたいです」

智葉「いいだろう。あいつらも何だかんだ言って子供好きだからな」

菫「同じ子供とはいえ中学生と幼稚園児はだいぶ違うだろ」

あかり「あかりそんなに子供じゃないですよぉ」

智葉「そう言ってる内はまだまだ子供だ」

智葉「じゃあな。どっちの宮永にも伝えておけ、私は負けるつもりはないから全力で来いと」

菫「わかった」

あかり「智葉お姉ちゃんも頑張ってくださいね」

智葉「・・・」(腕を挙げて去っていく)

あかり「・・・なんだかとってもカッコいい人でした」

菫「真っ直ぐではっきりとしているからな。気持ちのいい奴だよ」

あかり「智葉お姉ちゃんと仲いいんですか?」

菫「大会の時に何度か会ったぐらいだが、なんというか馬が合うんだ。辻垣内は私ではなく照にご執心のようだがな」

あかり「ライバルなんですね」

菫「照の方も辻垣内を意識しているところがあるからそう言ってもいいだろう」

あかり「なんだかいいですね、そういうの」

菫「あかりちゃんにはそういう子はいないの?」

あかり「え~っと、いるにはいるんですけど・・・」

――マホ「あかりちゃん、あかりちゃん! マホ、遂に1度もチョンボせずに1日を乗り切ったんですよ!」

あかり「智葉お姉ちゃんとはタイプが違うというか・・・それにあかりはまだ大会に出たことありませんし・・・」

菫「まあ他校の生徒でなくとも、同じ部の仲間同士でだって切磋琢磨し合うことは出来るんだぞ。白糸台なんか部内にいくつものチームがあって私達虎姫もその1つにすぎないんだから」

あかり「部員さんいっぱいいますもんね」

菫「多くの打ち手と出会い、打てば強くなっていける。いつか君が本当に強くなって私の前に現れる日が来ることを願っているよ」

あかり「どれくらいかかるでしょうか?」

菫「君の実力を知らないからなんとも言えないな。ただ、私もここで止まるわけではないからそう簡単には追いつかせないよ」

あかり「照お姉ちゃんに負けないようにですか?」

菫「・・・そうだ、今はまだ届かずともいつか必ず照も辻垣内も射抜いてみせる」

あかり「頑張ってくださいね、あかり、応援します」

菫「・・・さっきは辻垣内にも頑張れって言ってたよな?」

あかり「皆を応援することはおかしいことじゃないって憩お姉ちゃんから教わりましたから」

菫「そうか、なら素直に受け取っておくとするよ。ありがとう」

玄「あかりちゃん、1人?」

あかり「玄お姉ちゃん。さっきまで菫お姉ちゃんと智葉お姉ちゃんと一緒にいたんですけど、今は1人です」

玄「智葉お姉ちゃん? まあそれはともかく暇なら私とお話しようか」

あかり「いいですよ」

玄「じゃあ先ずはお礼をね。ありがとうあかりちゃん」

あかり「・・・? 何のお礼ですか?」

玄「あかりちゃんのおかげで私はドラを少しだけ操れるようになったんだよ。だから決勝戦で宮永さんの点を抑えることが出来た。充分稼がれちゃったけどね」

あかり「・・・あのときあかりが言ったこと、そんなに気になりましたか?」

玄「あかりちゃんに言われて少しドキってしたんだ。私はドラを大事にするあまりに他の牌を蔑ろにしてきたんじゃないかって」

玄「あの優しかったお母さんがそんなことしろなんて言うはずないのにね」

あかり「・・・あの、もしかして玄お姉ちゃん達のお母さんって・・・」

玄「・・・うん、私達がまだ小さい頃に遠くにいっちゃったんだ」

あかり「・・・大切な思い出だったのに、あかり何にも知らないであんなこと言ってごめんなさい」

玄「いいんだよ、実際あかりちゃんの言ったことは間違いじゃなかったんだから」

あかり「・・・寂しくなかったんですか? その、お母さんがいなくて」

玄「お姉ちゃんがいたからね。それにこう見えて友達も多かったんだよ?」

玄「麻雀教室がなくなってから皆が戻ってくるまでの2年間は少し寂しかったけどね」

あかり「帰ってこないかもしれないって思ったことはなかったんですか?」

玄「時々はあったけど信じてたからね。またいつか楽しいことがあるかもしれないってね」

あかり「玄お姉ちゃんは強いですね。あかりだったら絶対途中で諦めちゃいます」

玄「私も麻雀教室の年少組の子達遊びに来てくれてなかったらどうなってかわからないよ」

玄「でもあの2年があったから私は皆のことをもっともっと大切だって思えるようになったのかもしれない」

あかり「・・・」

玄「だから今はあの別れにも感謝してるよ」

あかり「・・・あかりは怖いです。誰かと別れてしまうこと」

玄「そうだね、感謝してるって言ったって私も出来ればもうずっとあんな体験したくないって思ってるよ。でもね、大切な人との別れっていうのは必ず来ちゃうんだ」

あかり「悲しいですね・・・」

玄「うん・・・でも、悲しい感じられるから嬉しいって感じることも出来るんだと私は思うよ。今の悲しいはいつかの嬉しいに繋がるんだってね」

玄「だからいつか来る別れを恐れずに色んな人と仲良くしようよ。大丈夫、もしも二度と会えなくても思い出は残るから」

あかり「思い出は残る・・・」

玄「思い出があればいつだってそこでまた会えるよ。私はねあかりちゃん、あかりちゃんとの思い出をいっぱい作りたいって思ってるんだ」

あかり「あかりとの思い出を?」

玄「うん! あかりちゃんといるとなんだか心が暖かくなって楽しい気分になれるんだ。そんなあかりちゃんといつでも会えるように、いっぱい思い出がほしい」

あかり「そ、そうですか? そこまで言われると照れますよぉ・・・」

玄「えへへ、私もちょっと恥ずかしい・・・でも、あかりちゃんは私に大切なことを教えてくれた人だからね」

あかり「あかりが教えたわけじゃ・・・」

玄「もう! そうやって謙遜するのはいいけどあんまりやりすぎるのもよくないよ。他人からの感謝は素直に受け取るものなのです!」

あかり「えっと、じゃあその、どういたしまして」

玄「はい、よろしい」

あかり「・・・お礼を言われてるのに変な感じですね」

玄「ふふん、玄お姉ちゃんの指導です」

あかり「くす・・・あかりも玄お姉ちゃんといっぱい思い出を作りたいです」

玄「じゃあ作ろう、私達は個人戦にも出てないしこれからいっぱい時間あるから」

あかり「はい! いっぱい遊びましょうね玄お姉ちゃん!」

玄「うん!」

あかり「そういえば玄お姉ちゃん。玄お姉ちゃんが前に言ってたおもちってお胸のことなんですね」

玄「そうだよ~おもちみたいだよね~」

あかり「玄お姉ちゃんのはそうかもしれませんけど・・・」

玄「向日葵ちゃんが規格外なだけでまだ中学生だから普通だよ。桃子ちゃんもあかねさんも大きかったしそのうち大きくなるよ」

あかり「・・・和お姉ちゃんは小学生の頃から大きかったんですよね?」

玄「う、うん・・・」

あかり「玄お姉ちゃんがあかりと同じくらいの頃はどうだったんですか?」

玄「う、う~ん・・・」

あかり「・・・やっぱり大きい人は昔から大きいんじゃないですか」

玄「いや、でも、和ちゃんだって昔より大きくなってたし、確かに成長するんだよ!」

あかり「大きくなる素質があったからなんじゃないですか?」

玄「うう・・・でもね、大きければいいってものじゃないんだよ! それは大きいに越したことはないんだけど、形がいいとか手触りがいいとかそういうのも・・・あっ・・・」

あかり「・・・玄お姉ちゃんのエッチ。いつもそんなこと考えてるんですね」

玄「そ、そんなことないよ! 私だって四六時中おもちのこと考えてるわけじゃないよ! ドラのこととか考えてるときあるもん!」

あかり「大体手触りがいいって、玄お姉ちゃんそんなに色んな人のお胸を触ってきたんですか?」

玄「ええっ!? そういうわけじゃなくてね、なんというかフィーリングで・・・」

あかり「・・・あかりのはその、形がよかったり手触りがよかったりするんでしょうか?」

玄「へっ?」

あかり「玄お姉ちゃんに見てもらったり、触ってもらったらわかりますか?」

玄「ちょ、あかりちゃん!? な、何を言ってるの!?」

あかり「だ、だって、お姉ちゃんは年々大きくなっていくのにあかりは小さいままで、あかりだけ取り残されてるみたいでちょっぴり不安なんです」

あかり「だから、お胸に詳しい玄お姉ちゃんに色々アドバイスを受けたいんです!」

玄「私も女だからその気持ちはわかるけど、でも・・・」

あかり「駄目ですか・・・?」

玄「あかりちゃんは恥ずかしくないの?」

あかり「恥ずかしいですけど、お医者さんに見せるんだと思って耐えます!」

玄(お医者さん・・・そう、お医者さんごっこだと思えば・・・あかりちゃんの悩みを解決できるなら・・・)

玄「わ、わかった。玄お姉ちゃんにおまかせあれ」

あかり「本当ですか!? じゃあ早速お願いします!」

玄「わぁ~! ここで服脱いだら駄目だよ~!」



玄(こ、こんな人気がないところに連れ込んで・・・本格的にいけないことをしてる気分だよ・・・)

あかり「ここならいいですよね。じゃあ――」

玄「待って! ふ、服は脱がなくていいよ。触ったら形はわかるからね」

あかり「服の上からでいいんですか?」

玄「私くらいになると服の上からでも大丈夫なんだよ!」

玄(さすがに直接だと色々と問題が・・・いや、服の上からでも問題大有りなんだけど・・・)

あかり「それじゃあよろしくお願いしますね」

玄「う、うん・・・」

玄(お医者さんごっこ、これはお医者さんごっこ・・・)モニュ

あかり「んっ!・・・」

玄(お医者さんごっこ、お医者さんごっこ・・・)モニュモニュ

あかり「んんっ!・・・」

玄(お医者さん・・・ふぅ~む、なるほどなるほどなるほど~、まだまだ未成熟だけど形もいいし、触っていてとても気持ちがよくなるおもちなのです!)モニュモニュ

あかり「く、玄おねえちゃ・・・!」

玄(これはなかなかのなかなかだね。このまま大きくなれば最高のおもちに――)モニュモニュ

あかり「あっ・・・! く、玄おねえ・・・ちゃん、そ、そこは駄目です・・・!」

玄「えっ・・・ああっ!?」

あかり「んんっ・・・はぁはぁ・・・」

玄「ご、ごめんね・・・大丈夫だった?」

あかり「だ、大丈夫です・・・」

玄(何やってるの私! 途中から完全に楽しんでたでしょ!)

あかり「そ、それで、どうでした?」

玄「えっ、えっとね・・・うん、形もよかったし手触りも申し分ないよ。でもやっぱり大きさが物足りないというか・・」

あかり「・・・そうですか」

玄(あ~、何言ってるんだろ私は! こんなこと言ったら落ち込むのわかってるのに!)

あかり「・・・お胸大きくするのってどうすればいいんでしょうか?」

玄「・・・どうするんだろうね、私も特に気にしたことなかったから」

あかり「霞お姉ちゃんもそう言ってましたよぉ。はぁ・・・やっぱりあかりはずっと小さいままなのかな・・・」

玄「そ、そうだ! 揉んだら大きくなるってよく聞くよ!」

あかり「揉んだら?」

玄「うん! だから私がもっと・・・」

あかり「嫌です。玄お姉ちゃん手つきがいやらしかったですから」

玄「い、いやらしくなんかないもん! それに揉んでもらわなきゃ駄目だって聞いたよ」

あかり「えっ、そうなんですか・・・う~ん・・・さっきみたいにエッチにしたら嫌ですからね」

玄「えっ、いやその、今から?」

あかり「だって玄お姉ちゃん以外にこんなに恥ずかしいこと頼めませんし・・・」

玄「や、その、やりすぎると逆効果なの! だからさっきいっぱい揉んだから今日はもうおしまい!」

あかり「む~、やっぱりそう簡単にはいかないんですね。それじゃあまた今度お願いしてもいいですか?」

玄「う、うん、いいよ!」

あかり「えへへ、ありがとうございます玄お姉ちゃん!」

玄(勢いで頷いちゃったけど本当にいいのかな・・・)

あかり「霞お姉ちゃんは無理でもお姉ちゃんと同じくらいにはなりたいなぁ」

玄(・・・まあ、あかりちゃんが笑ってくれてるしいいよね。これもいい思い出になる、のかな?)

今日はここまでです
次は何か小ネタを書きたいと思うのでシチュの希望があれば言ってください
あかりが出なくてもいいですし、ifの話でもいいです

乙~
×弘瀬 ○弘世

>>489
ガイトさんを気にするあまりに菫の方を間違えてしまうとは・・・指摘ありがとうございます

投下開始します

小ネタその1

智美「ワハハ、ナデコ~遊びに来たぞ~」

撫子「・・・あんた受験勉強はどうしたのよ?」

智美「その受験勉強が行き詰まったから来たんだよ」

撫子「そう、あいにく私はさくさく進んでるの」

智美「それならちょっと休んでも問題ないだろ?」

撫子「・・・ハァ、わかったわよ。ちょうど昼時でご飯作らなきゃいけないし」

智美「私のは大盛りで頼むぞ~」

撫子「当然のごとく食べていくつもりなのね・・・」



花子「あっ、ワハハのお姉さん、久しぶりだし」

智美「ワハハ、久しぶりだな花子。櫻子はいないのか?」

撫子「ひま子んとこ。まったく、あの馬鹿ですら勉強しようと努力ぐらいするっていうのに・・・」

花子「宿題するのは当然だし、別に褒めることなんかじゃないし」

智美「花子は偉いな~、私なんか宿題の存在すら忘れるのに」

撫子「1回頭診てもらった方がいいんじゃないのかって一時期は本気で心配してたわ。もう慣れたけど」

智美「う~ま~い~ぞ~!」

撫子「そんな大声出さない」

花子「でも撫子お姉ちゃんの料理は本当においしいし。櫻子はいつも宅配に頼ろうとしたり、無駄に大量に作らないとおいしくできなかったり散々だし」

智美「櫻子も料理できるんだな」

撫子「私だけじゃキツいからあいつにも覚えさせたんだけど、未だに塩と砂糖を間違えるレベルよ」

花子「花子が作った方がマシだし」

智美「色々大変だな~」

撫子「あんたはいいわね、能天気そうで。あんたが大学受験失敗するんじゃないかって心配してるこっちが馬鹿みたいな気分になるわ」

智美「ワハハ、失敗しても家業を継げば問題ないからな~」

撫子「金持ちはこれだから。こっちは落ちたら何にもないってのに」

智美「ん~? 落ちたら私に毎日味噌汁作るようになるのが早まるだけじゃないのか?」

花子「味噌汁?」

撫子「・・・気にしなくていいわよ花子・・・馬鹿」

撫子「花子、留守番頼んだよ」

花子「任されたし」

智美「1人で大丈夫か?」

花子「余裕だし! いってらしゃいだし、お姉ちゃん達!」

智美「夕飯楽しみにして待ってるんだぞ」

撫子「その口ぶりだと夕飯まで一緒にするつもりのように聞こえるけど?」

智美「何か問題が?」

撫子「1人分増えるだけでも作業量結構変わるんだからね」

智美「ワハハ、気にするな。大勢食べた方がおいしいんだからその為には労力を惜しんではいけないんだ」

撫子「その労力私1人に圧し掛かるんだけどね・・・帰りにスーパー寄りなさいよ」

智美「わかった~、それじゃしゅっぱ~つ!」

撫子「ちょっと智美、私まだシートベルト――きゃあ!」

花子「・・・櫻子があんな風になったのもわかるし。花子が乗るようなことにはなりませんように・・・」

智美「とうちゃ~く!」

撫子「・・・あ~もう、フラフラする」

智美「貧弱だなぁナデコは。しょうがないからそこのベンチで膝枕してやろう」

撫子「誰だってこうなるわよ・・・」



撫子「は~・・・」

智美「大丈夫かナデコ?」

撫子「なんとか・・・ねえ智美、あんたが運転荒いのは本当だけど、私と2人の時はわざと荒くしてるでしょ?」

智美「なんでそんなことしなきゃいけないんだ?」

撫子「・・・こうやって膝枕とかするため」

智美「ワハハ、バレてたのか」

撫子「振り回されるこっちの身にもなりなさいよ」

智美「でもわかってて付き合ってくれてるんだろ?」

撫子「・・・うるさいわよ」

智美「そうか? 私は毎日だってナデコに好きだって言っても足りないくらいだぞ」

撫子「・・・さっきもそうだけどあんたってほんとそうやってすぐ、恥ずかしげもなくそういうこと言うわよね」

智美「いや?」

撫子「・・・言わなきゃわかんない?」

智美「ワハハ、本当に中々言葉にしてくれないな~」

撫子「なんでもやりすぎるのはよくないのよ。毎日同じ物食べてたら飽きるのと同じ」

智美「えっ、ナデコは私に毎日味噌汁作ってくれないのか?」

撫子「私が言いたいのはそういうことじゃないわよ。ハァ・・・あんたって実は櫻子より馬鹿なんじゃないの?」

智美「・・・私はあんまり頭がよくないから、遠まわしにナデコに好きだって伝える方法を考えつかないんだ。はっきりとした言葉や行動でしか示せない」

撫子「はっきりとした言葉や行動、ね。それで顔が下がってきてるわけか」

智美「言葉ではもう示したからな~」

撫子「言葉で示したなら行動はもう――」

智美「・・・いらない?」

撫子「・・・いる」



智美「――今度はちゃんと言葉にしてくれるんだな」

撫子「そうしないと伝えられないなら、こっちもそうしないと伝わらないかもしれないじゃない」

智美「嬉しいけど察しはいいんだ。麻雀とナデコとの付き合いで鍛えられたからな」

撫子「それを同列に並べるから馬鹿だっていうのよ・・・」

撫子「それにしてもあんた、本当に大学の方は大丈夫なんでしょうね?」

智美「ワハハ~」

撫子「笑ってごまかすな・・・どうやったら本気で勉強してくれるのかしらこの子は・・・」

智美「・・・インカレ」

撫子「インカレ?」

智美「ナデコと一緒に目指せるなら私も本気が出せるぞ」

撫子「・・・そうね、宮永照はプロに行くだろうしあんたが考えてあげてもいいわ」

智美「本当か!? やる気があふれてきたぞ~!」

撫子「それはいいんだけど、あんた志望校どこにするのよ? あんたが決めてくれないと私が決められないでしょ」

智美「・・・? ナデコと同じ七森大だけど?」

撫子「あんたが入れるわけないってずっと言ってるでしょうが!」

智美「そんなことないぞ~、ナデコがみっちり勉強教えてくれるからな」

撫子「あんたが大学受かったらインカレ目指すって条件出して、何で私が勉強まで見るのよ」

智美「そっか~、じゃあゆみちんに頼むか」

撫子「・・・いいわよ、私が教えてあげる」

智美「お? 嫉妬かナデコ~」

撫子「うるさいわね・・・あんたやっぱりさっきのはっきりとした言葉がどうだのって嘘なんじゃないの?」

智美「ワハハ、さあてどうだか」

撫子「あんたがそうやって偉そうにしてるのなんかムカつく」

智美「なにおう、私はこう見えても鶴賀麻雀部の元部長なんだぞ」

撫子「ほとんどの人から加治木が部長だと思われてたようなお飾りの部長でしょ」

智美「それでも部長は部長だ」

撫子「はいはいそうですか・・・っと」

智美「もう膝枕はいいのか?」

撫子「ええ。ほら、手繋ぐんでしょ?」

智美「今日はなんだか優しいなナデコ」

撫子「たまにやるからいいってことはたまにはやるってことよ」

智美「ワハハ、やっぱりナデコは可愛いなぁ」

撫子「ふん・・・あんたには負けるわよ」

小ネタその1 カン

小ネタその2

あかり「モモちゃん、起きて。もう朝だよぉ」

モモ「ふぁ・・・おはようっす姉さん」

あかり「おはよう。もうご飯出来てるよ」



モモ「姉さんは相変わらず朝が早いっすね、夜も9時に寝ちゃうし、高校生でそれは逆に不健全っすよ」

あかり「そ、そうかな?」

モモ「中一の私ですら日を跨ぐまで起きてるのが普通なのに・・・」

京子「桃子~! そこにいるのはわかっている、早く出てこ~い!」

あかり「あっ、京子ちゃん達が来たよ」

モモ「チャイム連打はやめてほしいって言ってるんっすけどね」



モモ「うるさいっすよキョッピー先輩」

京子「出たな怪人ステルス姉妹!」

結衣「おいコラ。すいませんあかり先輩」

あかり「ふふふ・・・いいんだよ。いつも元気だね京子ちゃん」

モモ「それだけが取り柄っすから」

京子「こんな美少女捕まえて元気だけが取り柄とは何事だ~!」

モモ「本当の美少女は自分のこと美少女って言ったりしないんっす。ねえ姉さん?」

あかり「えっ? あかりは京子ちゃんのこと美少女だと思ってるけど・・・」

京子「ふ~む、性格もよくてこんなに可愛いあかり先輩に今まで浮いた話がないなんておかしい」

モモ「見えてなきゃ意味ないっすからね」

結衣「恐るべしステルス能力・・・」

あかり「あはは、あかりにステルスがなくてもそんなに人気者になるとは思えないよぉ」

京子「いや、きっとこの世に舞い降りた天使だって一部の人達に祭り上げられて・・・」

結衣「それは人気者とは言わないだろ」

モモ「他の誰が知らなくとも姉さんの魅力は私が知ってるっす。それで充分っすよね」

あかり「そうだね。人気者になれなくてもあかりにはモモちゃんと京子ちゃん、結衣ちゃんがいるから」

モモ「・・・キョッピー先輩達もっすか」

京子「なんだよ~、私がいちゃ不満か~?」

モモ「姉さんをコスプレ衣装の着せ替え人形にする人なんていらないっす」

京子「だってアニメのキャラって大抵高校生くらいだからさ、それくらいの人に着てもらいたいじゃん」

あかり「あかりも可愛い服いっぱい着れて楽しいよ」

モモ「私も姉さんのコスプレ見れるのは楽しいんっすけどね」

結衣「でも本当にもったいないですね。こんなに綺麗な人なのに・・・」

京子「なんだったら私と付き合う?」

モモ「駄目っす。それだったら私と付き合うっす!」

あかり「ええっ!? えっと、その、女の子同士だよ?」

京子「知らないのあかり先輩、iPS細胞ってので同性の間でも子供ができるんだよ」

結衣「子供作る段階まで見越してるのかお前」

あかり「そ、そうなんだ・・・でも、どうしよう・・・」

結衣「そんなに深く考えなくていいですから。どうせ適当に言ってるなんですし」

京子「適当じゃないぞ! 私はあかり先輩の圧倒的なコスプレ力に心奪われた。この気持ちまさしく愛だ!」

モモ「やっぱりただコスプレ衣装着る人がほしいだけじゃないっすか」

あかり「別に付き合うとかそういうことしなくてもいつでも手伝うよぉ」

結衣「重ね重ねすいませんねあかり先輩」

京子「じゃあ今度これ着てみて!」

モモ「絵・・・? なんすかこの申し訳程度に大事なところだけ布で隠したような服?は」

京子「この前海岸でこれ来たねーちゃんがアイス食っててさ」

結衣「これつけてじゃない、着て外出する人がいるのか・・・」

京子「あかり先輩なら気づかれないし恥ずかしくないでしょ?」

あかり「う、う~ん・・・」

モモ「駄目に決まってるっす! 変態じゃないんっすから!」

結衣「そのお姉さんに失礼だぞ桃子」

京子「ちぇ~、じゃあ去年のインハイに出てた永水のちっちゃい巫女さんの服なら・・・」

モモ「似たようなもんじゃないっすか! キョッピー先輩、姉さんに露出してほしいだけっすよね?」

京子「だって想像してみ。大勢の人に見られるかもしれないってびくびくしながらこの格好で歩くあかり先輩。興奮するじゃん?」

結衣「朝っぱらから何を口走ってるんだお前は!?」

京子「そんなこんなで学校に着いたぞ!」

結衣「何でわざわざ口に出す」

モモ「じゃあ姉さん、私達はあっちなんで」

あかり「うん。ちゃんと勉強頑張るんだよ皆」

京子「あかり先輩もコスプレのこと考えといてね!」

あかり「わ、わかったよぉ」

モモ「だから駄目だって言ってるじゃないっすか」

京子「だったら桃子が着る?」

モモ「嫌っす。自分で着ればいいじゃないっすか」

京子「やだよ恥ずかしい。じゃあ間を取って結衣に着てもらおう!」

結衣「自分が恥ずかしいと思ってることを他人やらせようするんじゃねぇ!」

京子「馬鹿だな~、恥ずかしがってるところを見るのがいいんじゃん」

モモ「それには同意するっす。だからって姉さんにはさせませんっすけど」

結衣「お前等な・・・」

あかり(ふふふ・・・さて、あかりも勉強頑張らないとね!)

あかり「はぁ・・・今日もまた番号順に当てられてたのに飛ばされちゃったよぉ・・・この分だとちゃんと出席取られてるかどうかすら心配になってくる」

あかり「高校に入ったら何かが変わるかもって思ってたけど、余計にステルスがひどくなった気がするよ」

あかり「・・・モモちゃんはきっと楽しくやってるんだろうなぁ」



ちなつ「こんにちは・・・って誰もいない」

モモ(いるんすけどね)

ちなつ「お茶の用意をして待ってよっと」

モモ(ちょっとおどかしてやるっす)

ちなつ「あれ? 窓が開いてる。さっきまで開いてたっけ?」

モモ(はい、お茶っす)

ちなつ「えっ、な、なんでお茶がここに? 確かにさっきまでなかったはず・・・」

モモ(コップもないと駄目っすよね)

ちなつ「ひぃっ! こ、コップが宙に浮いてる!? な、なんなの、お化け!?」

モモ(モフモフさんは臆病っすね~、背中つついてみるっす)

ちなつ「そ、そんな、幽霊が出るって噂は聞いてたけど本当だったなん――ひゃあ! 今何かが背中を~!」

モモ(ふっふっふ・・・やっぱりモフモフさんはいじりがいがあっていいっすね)

京子「京子ちゃんが来たぞ~!」

ちなつ「・・・もう京子先輩でもいいや。京子先輩!」ダキッ

京子「ち、ちなつちゃん!? どどど、どうしたのそっちから抱きついてくるなんて・・・」

モモ(毎日自分から抱きつきに行ってるくせに相手からこられるとこれなんすから。ヘタレというかなんというか・・・)

ちなつ「ゆ、幽霊です! 幽霊が出たんです!」

京子「幽霊? まさかそんなのいるわけないじゃん」

ちなつ「でもお茶出してきたり背中つつかれたんですよ!?」

モモ(氷も出すっすよ~)

京子「おわっ! な、何!? 背中に冷たい物が入った!? こ、氷?」

ちなつ「ほ、ほら! ポルターガイストってやつですよ! 勝手に物を動かしてくるんです!」

京子「そんなまさか・・・」

千鶴「・・・入り口で立ち止まるなどけ」

京子「うわっ! 千鶴」

千鶴「氷が床に落ちてる・・・暑いからって氷で遊ぶな」

京子「いや、遊んでたわけじゃないよ!」

ちなつ「ポルターガイストが勝手に持ちだしたんですよ!」

千鶴「は? ポルターガイスト?」

モモ(メガネ借りるっす)

千鶴「うわっ!」

ちなつ「こ、今度は池田先輩のメガネが勝手に!?」

モモ(そしてキョッピー先輩にかけさせる!)

京子「ぐわっ! 度キツッ!」

千鶴「くそっ、返せ歳納!」

京子「ちょ、ちょっと千鶴待って・・・うわぁ!」

モモ(お~、キョッピー先輩が押し倒されたっす)

千鶴「くっ・・・なんで倒れるんだよ!」

京子「いや、だってメガネの度がキツくてフラフラしてたから・・・」

千鶴「だったらすぐ返せ!」

京子「わかっ・・・ちょ、千鶴!? どこ触って、んっ!」

千鶴「ぼやけてよく見えないんだよ!」

京子「私が返すからまっ・・・そ、そこはやめ――」

綾乃「歳納京子~! 貴女また掃除当番サボって・・・」

モモ(おっ、修羅場っすね)

綾乃「と、と、歳納京子~! 何やってるのよ!?」

京子「何って・・・ちょっと千鶴やめて、くすぐったい!」

千鶴「ああくそっ! もっと顔近づけないと見えない!」

綾乃「ちょっと千鶴さん!? どうして歳納京子に顔を近づけてるの!? や、やめなさい!」

京子「ち、千鶴・・・顔が近いよ・・・」

千鶴「うるさい、ド近眼なんだからしょうがないだろ!」

綾乃「あっ、ああっ・・・」

モモ(あやのん先輩が涙目になってるっす。こっちもこっちでいじりがいがありそうっすね)

千鶴「まったく・・・」スチャ

綾乃「えっ、メガネ?」

千鶴「そうですよ。このアホが私のメガネを取りやがって、それを取り返そうとしてただけです」

京子「だから取ったの私じゃないってば!」

千鶴「だったらなんでお前がかけてんだよ!?」

ちなつ「ポルターガイストがかけさせたんですよ! あ、悪霊に弄ばれてるんです私達!」

綾乃「な、なんだメガネか・・・よかったぁ・・・」

モモ(ほっとしてるところ悪いっすけどまだまだステルスモモの独壇場は続く・・・ろ?)

りせ「・・・」

ちなつ「で、出た~! って部長だった・・・」

千鶴「何もないところを掴んでる?」

モモ「相変わらず底が知れない人っすね部長」

綾乃「東横さん!?」

京子「桃子! 今までのはお前の仕業か!」

りせ「・・・」

モモ「おいたがすぎる? だってモフモフさん達いじってて楽しいんすよ」

千鶴「部長の声聞こえるのか」

りせ「・・・」

モモ「・・・わかったっすよ。皆さん、少しやりすぎてしまったっす。すいませんでした」

ちなつ「もう! 本当に怖かったんだからね! 京子先輩に抱きついちゃうくらいに!」

京子「それはどういう意味なのかなちなつちゃん!?」

千鶴「・・・メガネを取るのはやめてほしい。本当に何も見えなくなるから」

モモ「じゃあ今度はメガネを取る以外のことするっすね」

千鶴「いじること自体やめろ」

京子「これはもうあかり先輩に例のあれを着てもらわなきゃ私の怒りは収まらないぞ!」

モモ「それとこれとは話が違うっす」

モモ「ふぅ~、疲れたから冷蔵庫にあったプリンでも食べるっす」

綾乃「そ、それ私の!」

モモ「美味いっす~」

綾乃「高かったのに~!」

京子「お前全然反省してないだろ」

モモ「そんなことないっすよ。次回は今回の反省を活かしてより面白いことをするつもりっす」

千鶴「変なとこ反省するな!」

モモ「次回もステルスモモの独壇場に期待して待ってるっす」

りせ「・・・」

モモ「次もやりすぎたら止める? やってみるといいっすよ。言っておきますけど今日の私は本気を出してなかったっすからね!」

京子「あんまりひどいとあかり先輩に言いつけるぞ!」

モモ「そ、それだけは勘弁しなすってほしいっす・・・」

ちなつ「あかり先輩って桃子ちゃんのお姉ちゃんだよね」

モモ「私の自慢の姉さんっす!」

京子「自慢しても見えないけどな」

千鶴「姉もステルスなのか・・・」

ちなつ「なんというか不便だね」

モモ(・・・朝はああ言ってたっすけど本当は寂しいんっすよね姉さん。早く私にとってのここのような場所を見つけられるといいんすけど・・・)



智美「ワハハ、負けたぞ」

睦月「強いですねこの人。いつも来てくれる人でしょうか?」

ゆみ「名前がデフォルトのままだからわからんが、打ち方から見て間違いないだろう」

睦月「どうします?」

智美「いかない手はないだろ」

ゆみ「そうだな」



あかり「なんとか勝てた・・・やっぱり強いなぁ麻雀部の人達は」

あかり「ん? チャット・・・お強いですね、かぁ。そちらこそっと」

あかり「えっ、もしよろしければ麻雀部に入ってくれませんか・・・」

あかり(あかりが麻雀部に? そ、そんな、いいのか――)ドンッ

クラスメート「あっ、ごめん!」

あかり「う、ううん。いいんだよ気にしないで」

クラスメート「ほんとごめんね・・・あんな子クラスにいたっけ?」

あかり「・・・」



睦月「返信来ませんね・・・」

智美「おっ、来たぞ。なになに・・・申し訳ありませんけど、お断りさせてもらいます。きっと迷惑をかけてしまうから?」

ゆみ「迷惑? どういうことですか」

睦月「・・・見えなくて見つけることも出来ないと思います。だから本当にごめんなさい・・・」

智美「落ちちゃったぞ」

ゆみ「見えなくて見つけることも出来ない・・・?」

智美「ワハハ、エニグマティックだな~」

ゆみ「・・・」

あかり(麻雀の団体戦って確か5人必要なんだよね。部員足りないのかな・・・でも、あかりが入っても仕方ないよね。いてもいなくても誰も気づかないんだから・・・)

モモ「――」

あかり「あっ、モモちゃ・・・」

京子「ハーゲンだぜのラムレーズンで許してやろう」

モモ「あれ高いじゃないっすか」

ちなつ「私はボロナミンCね」

モモ「・・・はぁ、仕方ないっすね。ユッピー先輩は何にするんすか?」

結衣「えっ、私はいいよ。何もされなかったし」

モモ「いつものお礼ってことにしておくっす」

結衣「そう? じゃあブラックコーヒーをお願いしようか」

京子「私もお礼と謝罪分で2つな!」

モモ「キョッピー先輩には色々迷惑もかけられてるからお礼はなしっす」

京子「なんだよそれ~」

あかり(・・・邪魔しちゃ悪いよね)

モモ「ただいまっす~」

あかり「おかえりなさいモモちゃん」

モモ「姉さんにファンチ買って来たっすよ。はい」

あかり「ありがとう・・・ねえモモちゃん」

モモ「なんっすか?」

あかり「モモちゃんは麻雀部にいて楽しい?」

モモ「・・・楽しいっすよ」

あかり「そっか・・・」

モモ「何かあったんすか?」

あかり「・・・高等部の麻雀部の人に入らないかって誘われて、でもきっと能力のせいで迷惑かけちゃうからって断ったの」

モモ「・・・」

あかり「あはは、クラスの子達にも忘れられてるくらいだもん。これでよかったんだよね・・・」

モモ「・・・そうっすね。姉さんがいいと思ってるならそれでよかったんだと思うっす」

あかり「うん・・・よかったんだよ・・・」

モモ「でも姉さん、覚えておいてほしいっす。他人と関わる上で完全に相手に迷惑をかけないなんてこと出来ないっす」

モモ「迷惑をかけてしまうことを恐れていたら人と関わりを持つことは出来ないんすよ」

あかり「モモちゃん・・・」

モモ「私は姉さんにいっぱい迷惑をかけてると思うっすけど、それは姉さんとそれだけいっぱい関わってるってことっす」

モモ「姉さんが私と関わるだけでいいと思ってるならそれはそれで嬉しいっすけど、それじゃ寂しいって言うなら遠慮せずに色んな人と関わっていってほしいっす」

あかり「・・・ありがとうモモちゃん。あかり、もう少し考えてみるよ」

モモ「・・・でも私のこと寂しくさせないでくださいっすね」

あかり「うん! どんなに多くの人と関わりを持ってもモモちゃんのこと忘れたりしないよ」

モモ「はい。大好きっす姉さん」ダキッ

あかり「あかりもモモちゃんのこと大好きだよぉ」

ゆみ「IPを表示するようにした。これでどこの教室から繋いでいるのかはわかるはずだ」

智美「ワハハ、強攻策に出たなゆみちん」

睦月「後はあの人が来るのを待つだけですね」

智美「来てくれるかな~」

ゆみ「信じて待つしかないさ」

睦月「・・・! 来ました!」

智美「えっとこのIPは・・・」

ゆみ「1のAか! 蒲原、引き止めておいてくれよ!」

智美「了解~」



あかり(う~ん、昨日の今日でやっぱり入りますなんて言うのはおかしいかなぁ?)

ゆみ「失礼する!」

あかり「あの人、3年生の人だ。何の用事があるんだろう?」

ゆみ(それらしい奴はいない・・・しかし、必ずここのどこかにいるはずなんだ!)

ゆみ「私は麻雀部の加治木ゆみだ! いつも部のネトマに来てくれる人、私は君が欲しい!」

あかり「・・・!?」

あかり(ど、どうしてここが・・・それにあんなこと言ったのになんで・・・そんなにあかりのことを必要としてくれてるの・・・?)

ゆみ「お願いだ、出てきてくれ!」

あかり(下級生の教室にまで来て、恥ずかしいだろうにあんなに大声を出して・・・)

――モモ「他人と関わる上で完全に相手に迷惑をかけないなんてこと出来ないっす」

あかり(そっか、もう迷惑かけちゃったんだね・・・)

ゆみ(見えないというのはこういうことか・・・どうする、それらしい人について聞いて回るか?)

あかり「あかりでよければ・・・」

ゆみ「・・・!」

あかり「あかりでよければ、力になります!」

ゆみ「・・・ふっ、なんだちゃんと見えるじゃないか」

ゆみ「ただいま戻った」

智美「おっかえり~、見つからなかったのか?」

ゆみ「いや隣にいるんだが・・・」

睦月「えっ?」

あかり「・・・」

智美「おわっ! ゆみちんの隣から女の子が!?」

睦月「見えないって比喩とかじゃなかったんだ・・・」

あかり(初めのインパクトが大事だよね。よ、よ~し!)

あかり「皆のハートにどっきゅーん! はじめまして、東横あかりだぴょ~ん!」

ゆみ睦月智美「・・・」

あかり「・・・」

あかり「・・・帰ります~!」\アッカリーン/

ゆみ「ま、待て! 待ってくれ!」ガシッ

智美「ワハハ、中々個性的な奴だな」

睦月「なんというか明るい人なんですね」

あかり「うぅ・・・」

ゆみ「まあそのなんだ、私達に強い印象を付けたかったのはわかる。だが焦らずともいいだろう。これからは同じ部の仲間として多くの時間を共に過ごすことになるんだからな」

智美「何にもない部だけどよろしく頼むぞ~」

睦月「歓迎しますよ東横さん」

あかり「皆さん・・・!」

ゆみ「ようこそ、麻雀部へ!」

あかり「はい! よろしくお願いします!」



あかり「それじゃあモモちゃん、行ってくるね」

モモ「行ってらっしゃいっす」

モモ(・・・麻雀部に入ってから姉さんは毎日楽しそうにしてるっす。それはいいんっすけど、加治木先輩とやらのことばかり話すのが非常に気にかかるっす)

モモ(姉さんの為に恥ずかしい思いをしてくれたらしいから当分は見逃してやるっすけど、あんまり調子に乗らないでくださいっす。最後に姉さんが笑いかけてくれるのはこの私っす)

モモ(・・・それはそれとして姉さん、その服はちょっと気が早いんじゃないかと思うっすよ)

あかり「先輩!」

ゆみ「やあ、あかり・・・な、なんだその格好は!?」

あかり「妹のお友達に作ってもらった服です」

ゆみ「もはや服の体をなしていないだろう!」

あかり「大丈夫ですよ、先輩にしか見えてませんから」

ゆみ「わ、私に見せられても困る!」

あかり「見てもらいたいんです、あかりのことを見つけ出してくれた先輩に、あかりの全てを」

ゆみ「す、全てって!?」

あかり「それに先輩もあかりの為に恥ずかしい思いしたんですからこれでおあいこです」

ゆみ「わ、私は別にそんなこと望んで・・・」

あかり「もしかして見苦しいですか?」

ゆみ「んぐっ・・・そ、そんなことないぞ、とても、綺麗だ・・」

あかり「よかったぁ」

ゆみ「・・・まったく、君には毎度毎度驚かされるよ」

あかり「ふふふ・・・じゃあ行きましょうか」ダキッ

ゆみ「そ、その格好で抱きつくのはやめてくれ・・・」

あかり「赤くなった先輩が可愛いんで嫌です」

ゆみ「あ、あかり・・・」

あかり「えへへ、これからもあかりのことちゃんと見ていてくださいね先輩!」

小ネタその2 カン

小ネタその3

エイスリン「アー・・・ココドコ?」

櫻子「あれ、エイスリンねーちゃん?」

エイスリン「・・・! サクラコ!」

櫻子「こんなところで何してるんです?」

エイスリン「エイガミヨウトオモッテ。デモミチワカラナクナッタ・・・」

櫻子「迷子ですか・・・シロねーちゃん達は?」

エイスリン「・・・ワタシヒトリ。ケイタイモワスレチャッタ・・・」

櫻子「携帯を忘れるなんておっちょいですねエイスリンねーちゃん。しょうがない、私の携帯の地図で・・・」

エイスリン「ガメンマックロ」

櫻子「・・・ふ、ふん! この私にかかれば地図なんかなくたって道案内くらい楽勝!」

エイスリン「ツイテキテクレルノ?」

櫻子「当然ですよ! 私に任せてください!」

エイスリン「サンクス! サクラコ!」

櫻子「ところで何の映画を見るんですか?」

エイスリン「・・・マジョッコミラクルンッテアニメ」

櫻子「エイスリンねーちゃんもミラクるん好きなんですね」

エイスリン「トヨネガオモシロイッテイウカラミニイク。ミルノハハジメテ」

櫻子「そうだったんですか」

エイスリン「コドモムケッテイウカラミンナトミニイクノハズカシカッタ。トヨネハモウミタッテイッテタカラ」

櫻子「だから1人で出てきたんですね。でもミラクるんって子供向けなんですかね。私も時々見ますけど話わからない時がありますよ」

エイスリン「ソウナノ?」

櫻子「はい。それにコミケでミラクるんの同人誌買っていく大人の人沢山いましたし」

エイスリン「ソウナンダ・・・サクラコハナンデココニイルノ?」

櫻子「え~っと・・・あれ、なんでだ?」

エイスリン「・・・」

櫻子「な、なんですかその目は! そ、そう! 散歩です散歩!」

エイスリン「サンポ・・・」

櫻子「そうです! たまにこう歩きたくなるんですよね!」

エイスリン「デモアメフッテル」

櫻子「・・・あ、雨の中を散歩するのも楽しいもんですよ! ほ、ほらいつもと足音も違いますし!」

エイスリン「ナルホド、サンポモオクガフカイ、ダネ」

櫻子「そうそう。それで、どこの映画館に行くんですか?」

エイスリン「ウ~、キンジョ!」

櫻子「近所って言われても・・・あっ! そういえば歳納先輩がこっちの方でしか上映してないアニメが見たいって言って、一緒に探し回ったっけ・・・」

櫻子「確か・・・こっち!」

エイスリン「ワタシソッチカラキタ・・・」

櫻子「・・・や、やっぱりあっちです!」

エイスリン「ホントニダイジョウブ?」

櫻子「し、心配しないでください! なんたって一度行ったんですから!」

エイスリン「・・・ワカッタ、イコウ!」

櫻子「あれ、おっかしいな~」

エイスリン「サクラコ?」

櫻子「見覚えあるし道は間違ってないはずなんだけど、う~ん?」

エイスリン「サクラコモマイゴニナッチャッタ?」

櫻子「そ、そんなことないですよ! もうちょっと行けばきっと・・・」



櫻子「あ~! 遂に知らないとこに出ちゃったよ~!」

エイスリン「ミツカラナイネ」

櫻子「くそ~! 確かめちゃくちゃ大きかったはずなのにどこに行ったんだ!?」

エイスリン「イッカイモドル?」

櫻子「・・・そうですね。戻ってる時に見つかるかもしれませんし」



櫻子「結局エイスリンねーちゃんと会ったところまで戻ってきてしまった・・・」

櫻子「ぐぬぬ・・・なんでだよ! 確かに行ったはずなのに!」

エイスリン「サクラコ、モウイイヨ。ムリシナイデ」

櫻子「いや! ここで諦めたら道案内もまともにできないんですのとか向日葵に馬鹿にされちゃう! 絶対に見つけてみせる! 今度はあっちに行ってみましょう!」

エイスリン「サクラコ、ダカラソッチハワタシガキタホウコウ・・・」

淡「あれ? サクラコじゃん。何してんの?」

櫻子「淡ねーちゃん!」

淡「一緒にいるのは・・・あっ、地区大会でテルーより和了ったとかいう外人! 確か・・・タンバリン?」

エイスリン「エイスリン!」

淡「そうそうそれそれ、で、サクラコはインスリンと何やってるの?」

エイスリン「インスリンジャナクテエイスリン!」

櫻子「エイスリンねーちゃんが映画館探してるって言うから道案内してたところです!」

エイスリン「イッショニマヨッテタヨウナ・・・」

淡「映画館? あそこにあるけど」

エイスリン「エッ? ニホンノシアターアンナニオオキイノ?」

淡「違うって、ショッピングセンターの中に映画館があんの」

櫻子「もう~! わざわざ探さなくてよかったじゃないですか!」

エイスリン「ゴメンナサイデシタ・・・」

淡「探すってサクラコが道案内してあげてたんじゃないの?」

櫻子「えっ、いやその・・・とにかく行きましょうエイスリンねーちゃん! またね淡ねーちゃん!」

淡「うん、またね~」

エイスリン「ジカンムダニシチャッタネ。ホネオリゾンッテイウンダッケ?」

櫻子「えっ!? エイスリンねーちゃん骨折れちゃったんですか!? びょ、病院行かないと!」

エイスリン「ヒユダヨサクラコ! オチツイテ!」



エイスリン「ヒロイ・・・コノナカデマタマヨッチャウカモ・・・」

櫻子「大丈夫です! 一度行きましたから!」

エイスリン「ソレサッキモキイタ・・・」

櫻子「さ、さすがにお店の中まで入ってしまえば迷いませんよ!」

エイスリン「ホントニ?」

櫻子「本当です! ほら、こっちですよ!」

櫻子「駐車場に出た・・・」

エイスリン「・・・」

櫻子「い、いや~、まさか映画館の場所が変わってるなんて思わなかったな~、あっ、あんなところに案内板がある! あれでどこに行ったか確認しましょう!」

櫻子「うっ・・・お店多すぎてどこだかわからない・・・えっと映画館は・・・」

エイスリン「・・・カケタ!」

櫻子「えっ?」

エイスリン「シアターノカイダケダケド、エニカイタ。コレデマヨワナイ!」

櫻子「うわっ! 凄い完璧に写してる!」

エイスリン「フォローミー、サクラコ!」

櫻子「ふぉ、ふぉろー?」

エイスリン「ツイテキテッテイミダヨ!」



櫻子「やぁっと着いた~・・・」

エイスリン「クロウシマシタ・・・」

櫻子「ミラクるんの上映時間は・・・」

エイスリン「・・・! モウスグ! ベストタイミング!」

櫻子「・・・ふ、ふっふっふ、実は私はこれを狙ってわざと迷ったふりをしてたんですよ!」

エイスリン「サクラコ、スゴイ!」

櫻子「あっはっはっは、凄いでしょ~・・・偶然だけど」ボソッ

エイスリン「ナニカイッタ?」

櫻子「う、ううん、なんでもないですよ! あっ、私ポップコーン買っていいですか?」

エイスリン「ウン! オレイニワタシガカッテアゲル!」

櫻子「えっ、そんな悪いですよ」

エイスリン「エンリョイラナイ! スイマセ~ン!」

櫻子(うぅ・・・罪悪感が・・・)



ライバるん「ねえ、ねえ、ミラクるん! ねえ、何してるのよこんなところで! ねえ、こら、冗談やってる場合じゃないでしょ? ねえ、ミラクるん! 目を開けてよ! あんたみたいなのがいないと皆が困るでしょ・・・?」

ガンボー「もうやめるボ・・・楽にさせてやらなきゃボ・・・というか目開いてるし」

ライバるん「だって・・・ミラクるんなんですよ?」

エイスリン「ミラクルン・・・」グスッ

櫻子「ぐ~・・・」

櫻子(はっ! いかん、意味わからないから寝ちゃってた・・・エイスリンねーちゃん泣いてるしきっと面白いんだ、ちゃんと観ないと・・・)



ミラクるん「ゲームオーバーだド外道~ッ!」

エイスリン「ミラクルンガンバッテ・・・!」

櫻子「ぐ~・・・質量を持った残像とでも言うのかそのおっぱい・・・」



エイスリン「オモシロカッタネ!」

櫻子「えっ、は、はい!」

エイスリン「ニホンアニメーション、ヤッパリトテモスゴイ! トヨネニイッパイカシテモラウ!」

エイスリン「アリガトウサクラコ、サクラコノオカゲ!」

櫻子「・・・えっ、いや私は何も・・・じゃない、時間調整しただけで映画館まで来れたのはエイスリンねーちゃんが自分で――」

エイスリン「ウウン、ワタシヒトリボッチダッタラキットアキラメテタ。サクラコガイッショダッタカラアキラメナイデコレタ」

櫻子「・・・もしかして時間調整したっていうの嘘だって気づいてます?」

エイスリン「ウン。ケイタイモキレテテ、ウデドケイモシテナイカラネ」

櫻子「気づかれちゃってたか・・・ごめんなさい・・・」

エイスリン「アヤマラナイデ。ゲンキナサクラコトイッショニイテイッパイゲンキモラッタ。ポップコーンハソノオレイ」

櫻子「元気を?」

エイスリン「ソウ。サクラコ、ベリーキュート。アカリノトキトオナジ、イモウトトアソンデルミタイデタノシカッタ!」

櫻子「妹かぁ。私もエイスリンねーちゃんみたいな優しい人が本当のねーちゃんだったらいいのにって思いました!」

エイスリン「サクラコハオネエチャンイルノ?」

櫻子「いますよ~、意地悪で冷たい人でエイスリンねーちゃんと同じなの歳くらいな人です」

エイスリン「オネエチャンノコトキライナノ?」

櫻子「嫌い・・・じゃないですけど・・・なんていうか向日葵と同じで私の扱いが雑なんですよ」

エイスリン「・・・ヒマワリトオナジナラ、キットオネエチャンハサクラコノコトダイジ」

櫻子「そうですか? 土下座してどっか行ってくれて頼まれるくらいなんですけど」

エイスリン「ダ、ダイジョウブ。タブンサクラコノオネエチャンハトヨネガイッテタツンデレ」

櫻子「ツンデレですかぁ・・・」

櫻子(まああかりちゃん達の合宿所に行ったときは心配してくれてたみたいだしそうなのかな)

エイスリン「ソレジャアサクラコ、ココデオワカレ」

櫻子「はい。私も楽しかったですよ」

エイスリン「マタアソボウネ」

櫻子「そうですね。また遊びましょう! ばいばいエイスリンねーちゃん」

エイスリン「バイバイ!」

櫻子「ふぅ~、さて私も帰るとする・・・帰り道がわからなくなった・・・」

櫻子「ええい! 立ち止まっててもしょうがない! とにかく行くぞ!」

向日葵「・・・どこに行こうとしていますの貴女は?」

櫻子「おわっ! なんだよ向日葵いきなり出てくんな!」

向日葵「貴女が迷っているんじゃないかと思ってわざわざ出てきたというのに随分な言い草ですわね」

櫻子「残念だったな! もう迷い終わったんだよ!」

向日葵「迷い終わったって・・・というか今さっき帰り道がわからないとか言ってたじゃありませんの」

櫻子「知らない! お前の聞き間違いだろ! さっさと帰るぞ!」

向日葵「待ちなさい櫻子! そっちじゃありませんわ!」

櫻子「じょ、助走つけるためにだな!」

向日葵「もういいですから・・・まったく、その様子だとおつかいも出来ていないのでしょう?」

櫻子「おつかい?」

向日葵「貴女ねぇ、歳納先輩がペンがないって言って買ってきて欲しいと頼まれたんでしょう」

櫻子「ああ、だから私雨の中外に出てたんだ」

向日葵「はぁ・・・本当に鳥頭なんですから・・・」

櫻子「なんだよ鳥頭って?」

向日葵「どうでもいいでしょう、ほら、こっちですわ」

櫻子「そっちはエイスリンねーちゃんと最初に行った方向・・・見覚えあったのはあそこを通ってここまで来たからだったのか」

向日葵「何をぶつぶつ言っていますの? ペンなら私が買いましたし、後は帰るだけですわよ」

櫻子「・・・お前が仕切るなよ! 道がわかってるなら私が先に行く! 向日葵はハローミーだ!」

向日葵「はぁ? 何を言っていますの?」

櫻子「ぷぷ・・・知らないのか向日葵。着いて来いって意味の英語なんだぞ」

向日葵「フォローミーではなくて?」

櫻子「・・・似たようなもんだろ!」

向日葵「あっ、コラ、櫻子! 急に走り出しては危ないですわよ!」

櫻子「ふ~ん! 向日葵には私の元気分けてやらないんだからな!」

向日葵「元気って何の話をして・・・櫻子! そこは右ですわ!」

櫻子「ぐぅ・・・後ろから完璧な案内しやがって・・・見てろよ、私だっていつかちゃんと道案内くらい出来るようになってやるんだからな~!」

小ネタその3 カン

小ネタその4

玄「ただいま帰りました!」

穏乃憧「お邪魔します」

あかり「おかえりなさい玄お姉ちゃん」

玄「ただいま、あかりちゃん」

あかり「憧ちゃんとしずちゃんもこんにちは」

穏乃「こんにちはあかり」

憧「その格好、旅館の方の手伝いしてたの? 偉いわね」

あかり「あかりもここの子だから、お手伝いするのは当然だよぉ!」

仲居「あらお帰りなさい。もう上がっていいわよあかりちゃん。お疲れ様」

あかり「わかりました。お仕事がんばってくださいね!」

憧「今はマスコット、成長すれば看板娘。松実館の未来は明るいわね」

穏乃「宥さんと玄さんもいるからね」

あかり「あかりなんてお姉ちゃん達と比べたら全然魅力ないよ」

穏乃「そんなことないよ。ねえ憧?」

憧「そうよ。可愛いんだから自信持ちなさいあかり」

玄「そうだよ! おもちだっていつか大きくなるから!」

憧「玄はそれっばっかね~」

穏乃「あんまり胸大きいと走る時邪魔になりますよ」

あかり「でもお姉ちゃん達に比べて成長が遅くてちょっぴり不安だなぁ」

憧「玄と和がおかしいのよ。あかりくらいの歳ならそれくらいが普通よ」

あかり「そうだよね。桜子ちゃんもそうだし」

玄「心配しなくてもちゃんと成長してるよ」

穏乃「なんでわかるんです?」

玄「だって毎日お風呂・・・おっと危ない危ない」

憧「・・・あかり、危ないと思ったらすぐに宥姉かあたしのとこに来なさい、いいわね?」

あかり「・・・? うん、わかった」

宥「呼んだ~?」

玄「あっ、お姉ちゃん!」

穏乃「相変わらず家の中でも厚着ですね」

憧「あかりは手伝いしてたのに宥姉はこたつでごろごろしてたの?」

宥「だって・・・」

あかり「あかり1人で充分なお手伝いだったから」

宥「そういうことだから・・・」

穏乃「あんまり怠けてちゃいけませんよ。今度私と山に行きましょう!」

宥「う~ん・・・寒そうだから遠慮する・・・」

玄「じゃあ山の代わりに今からボウリングに行こうよ」

宥「ボウリング?」

憧「灼んとこでね。ただにしてくれるって言うから」

穏乃「あかりも一緒に行こうよ!」

あかり「いいの?」

憧「いいのよ、灼もあかりならうるさく言わないでしょうし」

あかり「じゃあ着替えてくるね!」

宥「私も~」

玄「私も着替えてくるから少し待っててね」

穏乃「はい!」

憧「早くしなさいよ」

あかり「こんにちは~」

灼「いらっしゃい。あっ、あかりも来たの」

あかり「はい! 灼お姉ちゃんありがとうございます」

灼「いい。皆が楽しく使ってくれれば私も嬉し・・・」

憧「そんじゃ灼も一緒にやりましょうよ」

灼「・・・はっきり言って負ける気しないんだけど」

穏乃「言いますね、私も負けませんよ!」

玄「・・・出来ればハンデつけてほしいです」

灼「そうだね圧勝だとつまらないから、100点くらいハンデつけてあげる」

宥「私上手く出来るかなぁ」

憧「ちなみに最下位には罰ゲームだからね」

あかり「ええっ!?」

宥「さ、寒くないことでお願いね・・・」

灼「上等。じゃあシューズはあっちね」

穏乃「やた~、ダブルだよ!」

憧「中々やるじゃないしず」

あかり「しずちゃん凄い!」

灼「ターキー取ったら七面鳥出さないと・・・」

玄「七面鳥?」

灼「3連続ストライクがターキーって呼ばれてる由来は、アメリカで客寄せに3連続ストライク出した人に七面鳥の料理出してたから、らしい」

穏乃「七面鳥・・・おいしそう・・・」

灼「・・・ごめん、からあげくらいしかない」

憧「それに3回で七面鳥なら4回の灼には何が出されるのかって話よね」

宥「4連続ストライクはなんていうの?」

灼「4回目からは基本的にフォース、フィフィスとかで普通に数える。でもそれじゃ寂しいからってハムボーンとか呼ばれることあるらし・・・」

憧「ハムボーン・・・骨付き肉ね。なんというかアメリカンなのね。ボウリングってアメリカ発祥なの?」

灼「ううん。元は魔除けの儀式で古代エジプトの頃からやってたって」

穏乃「古代エジプトの魔除けの儀式・・・私古代エジプトって言ったらカードゲームの印象しかないよ」

灼「でも今のような形になったのはアメリカ発祥だって。ちなみにボウリングでアメリカンって言うと2つのレーンを交互に投げる方式のことを言うんだよ」

あかり「勉強になります!」

憧「こんなこと勉強したって意味ないけどね」

灼「意味ないとはひど・・・」

玄「よ~し、私もがんばってストライク取ろう!」

宥(がんばれ玄ちゃん~)クネクネ

玄「今日の晩御飯は肉じゃが?」

あかり「宥お姉ちゃん肉じゃが食べたいの? じゃあじゃがいもさん買って帰らないとね」

宥(えぇ~!?)

憧「それにしても宥姉とあかりは低空飛行ね。宥姉は1回取ってるけどあかりはスペアすらないじゃない」

宥「だってボール重たい・・・」

あかり「端っこの方ばっかり行っちゃうんです・・・」

灼「あかり、レーンの最初に三角形が並んでるしょ? それをよく見て真ん中から少し外れたくらいで投げてみて」

あかり「はい、わかりました!」

憧「ボウリングに関しては饒舌ね」

灼「・・・いいじゃない、好きなんだから」

穏乃「好きなことに関してはいっぱい話したくなるのは当たり前だよ憧! 今度は私の好きなこと・・・山に行こうよ!」

憧「あんたが行きたいだけでしょうが」

穏乃「そんなことないよ! 私は山で1人でいたからあれを使えるようになったけど、やっぱり皆と一緒の方がいい!」

憧「とは言ってもねぇ・・・」

宥「か、カイロとか探さなきゃ・・・」

あかり「あかり、クマさん好きだけど本物が出ちゃったらどうしよう・・・」

灼「たぬきなら大丈夫だよね・・・」

穏乃「もう、山ってそんなに悪いところじゃないんだよ! 私がしっかり案内してあげたらきっと皆好きになるよ! たとえばね・・・」

玄「やった~ストライク・・・って誰も見てくれてない!?」

灼「おばあちゃんが言っていた、私はボウリングを司り、総てのピンを倒す女」

憧「くっ・・・ハンデありでもボロ負けじゃないの!」

穏乃「やっぱり強いな~」

玄「さすがです灼ちゃん!」

宥「な、なんとか罰ゲームは免れた・・・」

あかり「うぅ・・・結局最下位だったよぉ」

憧「可哀想だけどそういう決まりだからね、しず」

穏乃「はい、これ」

あかり「しずちゃんと同じジャージ?」

憧「罰ゲームはしずと同じ格好をしてもらうことよ!」

穏乃「これが罰扱いなのってなんか納得いかない」

灼「というか穏乃が負けてたらどうするつもりだったの・・・」

あかり「う~ん、そんなに変なことじゃなくてよかったのかな? じゃああかり着替えてくるよぉ」

穏乃「ちゃんと下全部脱ぐんだよ」

あかり「ええっ!? パンツも!?」

穏乃「当たり前じゃん!」

玄「じゃあ今穏乃ちゃんって・・・」

宥「さ、寒くないの?」

穏乃「全然!」

あかり「・・・や、やっぱり罰ゲームだよぉ・・・」



あかり「お、お待たせ・・・」

憧「お帰りなさい」

灼「ちょっと大きいみたい。袖が余ってる」

穏乃「新道寺の鶴田さんみたいだね!」

玄「ちょっと可愛いかも」

宥「寒くない、あかりちゃん?」

あかり「だ、大丈夫・・・なんだか変な感じだけど・・・」

穏乃「邪魔な衣服を脱ぎ去ることで多くの星の力を受けて強い力が出せるようになるんだよ!」

憧「何言ってんだか・・・」

あかり「いつまで着てればいいの?」

憧「そうね・・・家に帰るまでかしら」

あかり「ええ~!?」

穏乃「その反応、何気に私にすっごい失礼だよね?」

あかり「う~、こけちゃったらどうしよう・・・じゃがいもさんも買いに行かないといけないし・・・」

宥「いや、別に私肉じゃが食べたいわけじゃないからね」

穏乃「恥ずかしい思いもジャージ部魂で乗り切ればいいんだよ!」

玄「ジャージ部?」

穏乃「うん、清水谷さんから教えてもらったんだ! ジャージを着て色んな人のお手伝いをする部活なんだって!」

灼「別にジャージだけ着てるわけじゃないと思・・・」

あかり「色んな人のお手伝いを・・・うん、あかり恥ずかしいけどジャージ部頑張る!」

穏乃「えへへ、まるっ、だね!」

玄「全然まるじゃないのです! うちの妹に変なことさせないでほしいのです!」

穏乃「そのジャージは部の仲間の証としてあかりにプレゼントするよ」

あかり「うん、大切にするね」

憧「いや、捨てちゃっていいからね」

玄「憧ちゃん、穏乃ちゃん、また明日ね」

宥「またね~」

穏乃「はい! あかり、ジャージ部の活動は追って連絡するからね」

憧「やめんか! ったく、あかり、たまには高等部の方に顔出しに来なさい。晴絵も会いたがってるから」

あかり「わかったよぉ、バイバイ、憧ちゃん、しずちゃん!」

あかり「しずちゃんが何でこんな格好をしてるのか気になったけど、お手伝いするためなんだね。見直したよぉ」

玄「いやたぶん違うと思うよ」

宥「走りやすいからじゃないかな?」

あかり「あかり、旅館のお手伝いする時もこれ着ることにするよ」

玄「うちに変な噂が立つからやめて・・・」

宥「これから寒くなるし風邪ひいたら大変だから少なくともしばらくはそれ着ちゃ駄目だよ」

お風呂場

あかり「はぁ・・・今日は一段と体が冷えちゃったよぉ」

玄「あんな格好をしてれば当然だよ。ちゃんと暖めないとね」

あかり「うん・・・でも玄お姉ちゃん、あかりもう1人でお風呂入れるよ?」

玄「・・・私があかりちゃんと一緒に入りたいと思ってるの」

あかり「玄お姉ちゃんは甘えんぼさんだね」

玄(お風呂でなら自然にあかりちゃんのおもちを揉んで育ててあげることが出来るからね)

玄(和ちゃんがいなくなって圧倒的に足りなくなったおもち成分を担う次世代おもち育成計画は順調なのです)

玄(私がおもちを揉むことで、ちょっとずつだけどおもちが大きくなっていく。私はそういうことに幸せを感じるの)

あかり「玄お姉ちゃん、身体洗うのお願いね」

玄「おまかせあれ!」

玄(ハーベストタイムが待ち遠しいなぁ・・・)

アナウンサー「最近巷では極端に布の薄い服を着る女子高生が増えているそうです。若者の流行というものはよくわかりませんね」

はやり「そうかな? はやりもよくボディコンとか着ますよ☆」

あかり「へ~、そうなんだ。じゃああのジャージは流行の最先端なんだね」

宥「私には考えられないよ・・・」

あかり「ところで宥お姉ちゃん。宥お姉ちゃんは何でいつもあかりをお膝に抱くの?」

宥「う~ん、あかりちゃんを抱いてるととってもあったかいからかな。迷惑だった?」

あかり「ううん。あかりも宥お姉ちゃんのお膝の上あったかくて好きだよ」

宥「そう、よかった」

玄「昔は私だったのにね~、あかりちゃんが生まれてからは取って代わられちゃった」

宥「玄ちゃんはもう大きくなっちゃったからね」

あかり「あかりも大きくなっちゃったらこうしてもらえなくなるの?」

宥「どうかな、こんなに気軽には出来なくなると思うけど・・・」

あかり「じゃああかり大きくなりたくないなぁ」

玄「それは駄目だよ! あかりちゃん・・・のおもちが・・・大きくなったら玄お姉ちゃんがいっぱい抱きしめてあげるのです!」

宥「でもこれくらいの方が抱きやすくていいよ。あんまり大きくならないでくれたら私は嬉しい」

玄「むむ・・・大きい方がいいに決まってるよ!」

宥「え~ちっちゃい方が可愛いよぉ」

あかり「あわわ、喧嘩しないで~」



あかり「ふぅん・・・ふぅん・・・」

宥「あかりちゃん寝ちゃった・・・」

玄「もう11時だからね。今日はよく起きてたほうだよ」

宥「私ももう寝ようかな。玄ちゃんも一緒に寝る?」

玄「・・・うん!」



宥「ねえ玄ちゃん、あかりちゃんって犬っぽいって思わない?」

玄「犬のきぐるみパジャマ着てるから?」

宥「そうじゃなくてね・・・」

玄「えっ・・・お姉ちゃんあかりちゃんをそんな目で・・・」

宥「だからそうじゃなくてね! なんていうかこう、子犬っぽいっていうか・・・」

玄「あ、それはよくわかる」

宥「でしょ・・・それでね犬って、落ち込んだり泣いてる人のことを慰めてくれたりするんだって」

宥「もしかしてあかりちゃんはお母さんのことで落ち込んでる私達のこと慰めてくれてるんじゃないかって・・・」

玄「・・・あかりちゃんだって悲しかったはずだし、それにもう随分前のことだよ?」

宥「そうだね。でも、お母さんのことを思い出して悲しくなった時、不思議とそばにあかりちゃんがいるの」

玄「・・・それもよくわかる」

宥「あかりちゃんの笑顔を見てると明るい気持ちになれた。でも、あかりちゃん自身も本当は悲しいのに無理してるんじゃないかって時々心配になるの」

玄「・・・たぶんそんなことないよ。だって作り物の笑顔を見て明るい気持ちなんかなれるわけないもん。あかりちゃんは心から笑ってるよ」

玄「でもあかりちゃんだって泣いちゃうときがあるかもしれない。その時は私達が慰めてあげる番だよ」

宥「・・・うん、そうだね」

あかり「すー・・・すー・・・」

宥「ふふふ・・・幸せそうな寝顔」

玄「やっぱりこっちまで幸せな気分になるね」

宥「いい夢が見れそうな気がするよ。おやすみ、あかりちゃん。玄ちゃんも」

玄「おやすみなさい」

あかり「・・・おねえちゃ~ん・・・」ムニャムニャ

宥(あったか~い・・・このぬくもりがずっと私のそばにありますように・・・)

小ネタその4 カン

今日はここまでです
次からの展開上希望を取ってのキャラの絡みを作るのが難しくなってしまいます
今のところ最後に希望を取ってあかりと深く関わったキャラ(咲、照、玄、怜、モモ、美穂子)のルートを書こうと思っているのですが
このキャラを入れてほしいという希望があれば書いてください

そういえば
咲-saki- 阿知賀編にも桜子いるね
ギバード桜子(CV大亀あすか)

>>556
>>537であかりが言ってるのはそっちの桜子のことです。同じ学年の綾のことを言った方が自然だったかもしれませんが

投下開始します

小ネタその5

あかり「でも美穂子お姉ちゃん、本当にあかりでよかったんですか?」

美穂子「なにがかしら?」

あかり「一緒に服を選ぶのですよぉ。あかり、ファッションのことなんてよくわかりませんよ?」

美穂子「いいのよ。むしろあかりが私に着てほしいと思う服を選んでほしいの」

あかり「そうですか? だったらあかり頑張って美穂子お姉ちゃんに似合う服を選びますね!」

美穂子「ふふ・・・せっかくだからあかりの服も買ってあげるわね」

あかり「そんな、悪いですよ」

美穂子「私じゃ着られないような可愛らしい服もあかりなら着れるでしょ? 私の代わりにそういう服を着てくれたら嬉しい」

あかり「・・・わかりました! あっ、でもあんまりお金無理しないでくださいね」

美穂子「大丈夫よ、沢山持ってきたから」

美穂子(それぞれがそれぞれの望んだ服を着ること、それはすなわち私があかりの色に、あかりが私の色に染まるということ。とても楽しみだわ)

あかね「あら? あかり?」

あかり「あかねお姉ちゃん?」

美穂子「・・・!」

あかね「こんにちはあかり。そちらの人は?」

美穂子「はじめまして、福路美穂子と申します。赤座あかねさん、ですよね?」

あかね「ええ、はじめまして福路さん」

あかり「あかねお姉ちゃんのこと知ってるんですか?」

美穂子「風越でも警戒していた人だから・・・あかりとはどういう関係なの?」

あかり「従姉妹です」

あかね「そういう貴女はあかりとはどういう関係なのかしら?」

美穂子「どういうって・・・」

あかり「う~ん・・・お友達で麻雀の先生、になるのかな?」

あかね「ふ~ん・・・そのわりにはとても仲良しそうね。手繋いでるし」

美穂子「はぐれてしまっては大変ですから」

あかり「1回はぐれちゃうとステルスのせいで見つからなくなっちゃうからね」

あかね「そう、ステルスでね。そっか、貴女には効くのね。ふ~ん・・・」

美穂子(・・・!? 今一瞬勝ち誇ったような顔をしたような・・・)

あかり「あかねお姉ちゃんはどうしてここに?」

あかね「あかりに会いに行こうと思っていたのよ。新しいカメラを買ったから写真を撮りにね」

あかり「インターミドルの時にって言ってたのに、あかねお姉ちゃんはせっかちさんだよぉ」

あかね「長い間会ってなかったんですもの。大きくなったあかりの写真が早く欲しかったの」

あかり「あかりそんなに大きくなったかな?」

あかね「とってもね。それにとても可愛らしくなったわ。もちろんそれは昔からなんだけど、それよりもずっと可愛くね」

あかり「そ、そうかな?」

あかね「うん。お姉ちゃんまで誇らしくなっちゃうくらいよ」ナデナデ

あかり「えへへ・・・」

美穂子「・・・」

あかね「それで、あかり達はどこにお出かけなのかしら?」

あかり「服屋さんだよ。美穂子お姉ちゃんがあかりに選んでほしいって」

あかね「服屋さんねぇ・・・ねぇ福路さん。私も一緒に行っていいかしら?」

美穂子「えっ・・・?」

あかね「そろそろ新しいのを買おうと思っていたの。せっかくだから私もあかりに選んでもらいたいわ」

あかり「昔からあかねお姉ちゃん、服とかあかりが選んだのばっかり着てたよね」

あかね「あかりのセンスを信用しているの」

美穂子(昔からあかりに服を・・・もしかしてこの人私と同じで・・・)

あかね「駄目かしら福路さん?」

美穂子(もしそうなら一緒にいるのは・・・だけど、断るとあかりからの印象が悪くなってしまう・・・)

美穂子「・・・いいですよ、一緒に行きましょう」

あかね「ありがとう」

あかり「あかねお姉ちゃんとお買い物に行くの久しぶりだね」

あかね「ええそうね。そうそう、せっかくだからあかりの服も買ってあげましょう」

美穂子(・・・!)

あかり「えっ、美穂子お姉ちゃんも買ってくれるって言うから悪いよ」

あかね「でも私が買ってあげた服はもうほとんど着られなくなっちゃったでしょ? だから新しいのをプレゼントしてあげる」

あかり「う、う~ん・・・じゃあお願いするよぉ」

あかね「ふふっ・・・人の好意は素直に受け取るのが1番!」

美穂子「・・・さて、話もまとまりましたし行きましょうか」

あかね「そうね、でも1つだけ」

あかね「福路さん、私にはあかりのステルスが効かないから手を繋がなくてもいいのよ?」

美穂子「なっ・・・」

美穂子(まさかこの人も私のあかりへの気持ちに気づいて・・・?)

あかね「人もそれほど多くないし、暑いから大変でしょう?」

美穂子(くっ・・・!)

あかり「え、えっと、あかねお姉ちゃん。あかり、美穂子お姉ちゃんと手を繋いでたいんだけど・・・」

あかね「えっ・・・」

あかり「その、美穂子お姉ちゃんと手を繋いでたらこの暑さとなんだか違うあったかさを感じられるというか・・・だから、えっと、駄目ですか美穂子お姉ちゃん?」

美穂子「あかり・・・いいえ、私もあかりと手を繋いでいたら、とても楽しい気分になれるから構わないわ」

あかり「ありがとうございます、美穂子お姉ちゃん!」

美穂子(あかりが私と手を繋ぐことをそんな風に思ってくれてたなんて・・・嬉しい・・・!)

あかね「・・・」



あかり「あかりちょっとお手洗いに行ってきますね」

あかね「ええ、ここで待っているわ」

美穂子(ああ・・・手が離れてしまった。でも、あかりの小さくて柔らかい手の感触はしっかりと覚えたわ!)

あかね「・・・福路さん」

美穂子「・・・なんでしょう、赤座さん」

あかね「単刀直入に聞くわ。あかりのこと、どう思っているの?」

美穂子「妹みたいに・・・って言っても納得しませんよね。たぶん、赤座さんと同じですよ」

あかね「・・・私があかりを妹みたいに思っていないと?」

美穂子「そうは言いませんけど、でもそれ以上に想っていますよね?」

あかね「・・・同じ人に惹かれる者同士、通じ合うところがあるってことかしらね?」

美穂子「そうなんでしょうか・・・」

あかね「まあ、通じ合えるからといって分かり合えるわけではないのだけれどね」

美穂子「そうですね」

あかね「福路さんはあかりと会ってどれくらいになるの?」

美穂子「まだそれほど経っていませんよ」

あかね「・・・私はあかりが生まれた頃から知っているわ。貴女の知らないあかりが小さかった頃のことを」

美穂子「そんなに昔からの仲でも優しいお姉ちゃん、くらいにしか思われてないみたいですけどね」

あかね「貴女だって麻雀の先生でしょう」

美穂子「私はまだ会ったばかりですから。それに昔のあかりは知りませんが今のあかりを知っています。久しぶりの一緒の買い物ということはそう気軽に会えるわけではなさそうですね」

あかね「・・・ええ」

美穂子「私はすぐに会いに行けます。赤座さんが知ることの出来ない、今現在のあかりを知ることが出来るんです」

あかね「・・・それでも過去があるというのは大きなことよ。私はあの子とキスだって――」

美穂子「ただ唇を重ねるだけのキスなら私はいりません。私が欲しいのはあかりの身体ではありませんから」

あかね「・・・」

美穂子(・・・なんてカッコつけて言ってみたけどすっごい羨ましい!)

あかね「・・・本気なのね」

美穂子「はい」

あかね「・・・いいわ、認めてあげる。ただし、私も負ける気はないから」

美穂子「元々女同士なのに更に家族であることも考えればとても不利だと思いますけど?」

あかね「従姉妹同士は結婚だって出来るのよ。それにあの子は真摯な愛情を性別がどうだと言って無碍に出来る子じゃない」

あかね(姉がそういう恋愛をしているのもきっとプラスになる。桃子もたまには役に立つわね)

美穂子「女同士では結婚出来ませんよ」

あかね「妻だとか恋人だとかいう肩書きが欲しいわけじゃない。私だって欲しいのはあかりの心よ」

美穂子「ふふふ・・・そうですね。誰に認められずともあかりが愛してくれればそれでいいです」

あかね「ふふふ・・・やっぱり少しだけなら分かり合えるのかもしれないわね私達」

あかり「ただいま~」

美穂子「お帰りなさいあかり」

あかり「少し混んじゃってて遅くなっちゃいました」

あかね「いいのよ、別に急ぎではないんだし」

美穂子「服を選ぶときもゆっくりでいいからね」

あかり「はい」

美穂子「また手を繋ぐ?」

あかり「・・・お願いします」

美穂子「ふふ・・・はい」

あかり「あかねお姉ちゃんも一緒に繋ごう」

あかね「えっ?」

あかり「だってここまで来る間なんだか寂しそうにしてたから」

あかね「あかり・・・ええ、繋ぎましょう」

あかり「えへへ、やっぱり人と手を繋ぐのっていいね」

美穂子(私だからあんな風に言ってくれたわけじゃないのね・・・)

あかね(残念だったわね福路さん。貴女はまだあかりの特別ではないの)

美穂子(・・・恋人繋ぎしたら少しは何か思ってくれる?)

あかね(恋人繋ぎくらいしちゃってもいいかしら?)



あかね「さあ着いたわ」

美穂子「あかり、お願いね」

あかり「・・・お願いって・・・ここ、ランジェリーショップですよぉ!」

美穂子「そうだけれど」

あかね「何か問題が?」

あかり「そ、そりゃまあ服は服だけど・・・」

美穂子「あかりもそろそろ動物のプリントパンツは卒業しないといけないと思ったからここに来たの」

あかり「ええっ、結構気に入って・・・って、何で知ってるんですか!?」

あかね「あらあら、あかりはまだまだ子供ね~」

あかり「だって可愛いんだもん。ここきっとああいうの置いてないよね。合宿の時に失くしちゃったの買いなおそうと思ってたんだけど・・・」

あかね「合宿?」

あかり「ああ、うん。清澄の人達の強化合宿にあかり達も呼ばれたの。美穂子お姉ちゃんとはその時に会ったんだよ」

美穂子「あかりと出会えたことも含めてとても有意義な時間でした」

あかね「そう・・・」

あかね(福路さんも一緒にいてあかりのパンツが無くなった。そして福路さんはあかりがどんなパンツを穿いてるか知ってるいる。それって・・・)

美穂子「ふふ・・・」

あかね(・・・! まさかそこまでのレベルにまで達してるなんて・・・これは手強いわね・・・)

美穂子「プリントパンツは無いけれど私があかりに似合うの見繕ってあげるわね。でも先ずは私のを先に選んで」

あかり「う~・・・なんだか恥ずかしいよぉ・・・」

美穂子(はぁ・・・恥ずかしがってる姿もまたいい・・・)

あかね(・・・でも福路さん、あかりのパンツを被って姉妹物の恋愛漫画を読むなんて発想が貴女にはある?)

あかり(なんとか2人ともの選んだけど、正直あかりにはよくわからないよ)

あかり(似合ってるかどうかを考えるにはそれを着けてる美穂子お姉ちゃんとあかねお姉ちゃんを想像しなきゃいけなくて・・・あかり、変態さんになっちゃったみたいだったよぉ・・・)

あかり(うぅ、まだ顔が熱い・・・)

姫子「部長、こいなんどうですか?」

哩「少し派手すぎん?」

やえ「この品揃え、ニワカではないようだな!」

由華「ランジェリーショップのニワカってなんですか・・・」

あかり(意外に女の人同士のお客さんが多い。そんなに変なことじゃないのかなぁ?)

美穂子「あかり」

あかり「どうしたんですか美穂子お姉ちゃん、試着終わったんですか?」

美穂子「ええ」

あかり「気に入りました?」

美穂子「う~ん、他にも見せ・・・もとい見たいから持って来てくれる?」

あかり「は、はい」

あかり「他にもって言われても・・・」

良子「ハル、これっすっげ~ですよ」

春「確かに凄い」

あかり「春お姉ちゃん?」

春「あかりちゃん?」

良子「ハルのお友達ですか?」

春「うん」

あかり「わっ、もしかして戎能プロですか?」

良子「ザッツライト」

春「私の従姉妹」

あかり「プロの人と親戚だなんて凄いですね」

春「そう? 別に私が凄いわけじゃないと思うけど」

良子「あかりちゃんは何故このような場所に? まだ少し早いと感じるけど?」

あかり「いえ、あかりは一緒に来た人達に似合うのを探してるだけで・・・」

春「意外に大人」

良子「一緒に来た人達・・・その歳で複数人侍らせているとは中々の逸材だね」

あかり「大人? はべらす?」

良子「だったらこれを持っていってあげるといいよ」

あかり「え!? こ、こんなのをですか!?」

良子「時にはこうしたもので気分を盛り上げることも重要だよ。どうせ最後には・・・ウップス」

春「経験ないくせに」

良子「あ、あるあるウェイウェイ」

春「嘘ばっかり」

あかり「で、でも良子お姉ちゃん達が買うんじゃ・・・」

良子「目に入ったから手に取っただけだよ」

春「はっちゃんが慎みを持てってお家の人に怒られたから下着を探しに来たのに、それだと意味ないし」

あかり(どうしよう・・・美穂子お姉ちゃん気に入るかな・・・?)

あかり「と、とりあえず見せてみますね」

良子「・・・そんなものを勧めておいてなんだけど、まだ幼いんだから節度はしっかり持つんだよ」

春「先越されてるから焦っちゃって」

良子「シャラップ!」

あかり「美穂子お姉ちゃん、持ってきましたよ」

美穂子「ありがとう・・・ねえあかり、どっちが似合うか聞きたいから中に入ってきてくれる?」

あかり「ええっ!? そ、それは・・・」

美穂子「お願い、私だけじゃ迷ってしまうわ」

あかり「う、うぅ・・・わかりました・・・」

美穂子(・・・勢いに任せてとんでもないことを言ってないかしら私・・・)

あかり「は、はい、これ・・・」

美穂子(・・・! な、何これ、あかりはこういうのが好きなの!?)

あかり(恥ずかしくて目が開けられないよぉ・・・)

美穂子「・・・あかり、目を開けて私を見てくれないと似合うかどうかわからないでしょ?」

あかり「う~・・・はい・・・」

美穂子(さすがに恥ずかしい・・・)

美穂子「ど、どうかしら?」

あかり「き、綺麗です、よ・・・」

美穂子「そ、そう・・・」

あかり「・・・恥ずかしいならこんなことしないでくださいよぉ」

美穂子「け、けど、あかりが気に入るかどうかが重要だから・・・」

あかり「え?」

美穂子「な、なんでもないわ! つ、次はこっちを・・・」

あかり「わ、わ~! あかりが目を瞑るの待ってからにしてください~!」

あかね「・・・福路さん?」

美穂子「・・・あ、赤座さん!?」

あかね「中からあかりの声が聞こえるのだけれど、一体何をしているのかしら?」

美穂子「あえ、そ、その・・・」

美穂子(声音は優しいのになんでこんなに恐ろしいの・・・)

あかり「あ、あかりに直接見て似合うかどうか判断してほしいって・・・」

あかね「他人の意見を聞きたいのはわかるけど、さすがに下着はいただけないわ。あかり、出ていらっしゃい」

あかり「う、うん。ごめんなさい美穂子お姉ちゃん」

美穂子「い、いいの。こっちこそごめんなさい。恥ずかしい思いさせて」

あかり「心臓が破裂しちゃいそうでしたよぉ」

美穂子(私もよ・・・これで少しは意識してくれるようになるといいんだけど・・・)

あかね(まったく、こんな直球な手段に訴える人だとは思わなかったわ。桃子に注意するよう言い聞かせないと・・・)



あかね「あかり、今日は写真いっぱい撮らせてくれてありがとね」

あかり「あかねお姉ちゃんも服ありがとう」

あかね「サイズはわかったから今度また私のお古もあげるわね」

あかり「うん!」

美穂子(親戚であることの利点を最大限に活かしている・・・やっぱり最大の敵はこの人か・・・)

あかね「福路さんも、楽しかったわ」

美穂子「私も赤座さんとお知り合いになれてよかったです」

美穂子(この恋路が険しいものだと再確認できたから)

あかね「それじゃあ私はこれで。福路さん、あかりに何もし・・・じゃない、何もないよう、しっかりとお願いしますね?」

美穂子「はい。あかりのことは私が責任を持って面倒を見ますので、心配しないでください」

美穂子あかね「うふふふ・・・」

あかり(な、なんでかな、2人とも笑顔なのに寒気がするよ・・・)

小ネタその5 カン

あかり「おはようございます!」

優希「おう、あかり。おはようだじぇ!」

和「おはようございますあかりちゃん」

煌「元気なあいさつ、すばらです!」

あかり「あれ? 確か新道寺の・・・」

煌「花田煌です!」

あかり「お知り合いなんですか?」

優希「花田先輩は私とのどちゃんの先輩なんだじぇ!」

和「昔は長野に住んでいたんですよ」

あかり「そうだったんですか」

煌「準決勝の時に優希達がタコスを差し入れてくれましてね、今日はそのお礼もかねて来たというわけです」

優希「気にしなくていいって言ってるのに」

煌「借りた恩は返さないとすばらくないですから」

和「それを言えば、私達の方こそ花田先輩には色々と恩がありますよ」

煌「ところであかりと言いましたか。見たところまだ中学生くらいのようですが、高遠原の生徒なのですか?」

あかり「いえ、鶴賀です」

煌「鶴賀・・・松本りせさんのいる学校ですね」

あかり「部長を知っているんですか?」

煌「ええ。インターミドルで戦いましたからね。強かったですよ彼女は。何せ私以外で彼女と対局した選手は皆トバされましたからね」

あかり「2人一気にですか!?」

煌「私の時はそうです。それ以外の卓では3人同時にですね」

優希「えっ、皆ってまさかインターミドルでそのりせって子と打った人全員ってこと?」

煌「はい、全国含め彼女は私以外の全ての対局者をトバして優勝したんです。その恐ろしいまでの強さから小鍛冶プロの再来とまで呼ばれていたのですが・・・」

和「去年の大会には出ていませんでしたね」

優希「なんでだじぇ?」

煌「それはわかりませんが、彼女と対局してトラウマを作り麻雀をやめてしまった人もいましたし、何か思うところがあったのでしょう。誰が悪いわけでもないというのが実にすばらくない」

あかり「部長そんなに凄い人だったんだ・・・」

優希「でもそんな子と打ってもトバないなんてさすが花田先輩だじょ!」

煌「ふふ、数少ない私の取り柄です」

和「堅実にオリていければそうそうトんだりしませんよ」

煌「私はどちらかといえば攻める派なんですけどねぇ」

あかり「あかりなんて今までほとんどトビ終了ですよ・・・」



優希「タコスがなくなっちゃったじぇ。お~い、犬~!」

和「須賀君は部長に頼まれて何か買出しに行ったみたいですよ」

優希「ちっ、使えない犬だじょ」

煌「あまりそのようなこと言うものではありませんよ優希」

優希「まあいっか、この機会に新たなタコスを探訪する旅に出るじぇ!」

煌「そうですね。このようなすばらな天気の日に部屋に篭っているのはすばらくないですから」

和「では少し出かけましょうか。あかりちゃんはどうします?」

あかり「一緒に行きます!」

優希「よ~し、目指すはタコスの国だじぇ!」

煌「優希は本当にタコスが好きですね」

和「清澄にも学食がタコスがあるから入学したくらいですからね」

優希「身体はタコスで出来ているんだじぇ」

あかり「あかりは合宿の時優希お姉ちゃんに貰って初めて食べたけど本当においしかったですよぉ」

煌「そうそう手に入らないというのが難点ですがね・・・おや?」

成香「素敵に迷いました・・・」

優希「あれは・・・有珠山の・・・」

和「本内さんですね。どうしたんでしょうか少し泣いているみたいですけど」

煌「・・・もし、そこの方」

成香「は、はい!?」

煌「そんなに驚かないでください。お困りのようでしたので声をかけさせていただきました」

成香「ああ、その・・・駅はどちらの方にあるのでしょうか?」

煌「駅ですか、確かあちらでしたね。ほら、あそこに案内板もあるでしょう?」

成香「あっ、本当ですね。すいません、助かりました」

煌「いえいえ、泣いてる人は放っておけないたちなものですから」

優希「花田先輩は相変わらずお人よしだじぇ」

煌「人の笑顔を見るととてもすばらな気持ちになりますからね。それに情けは人の為ならずとも言いますし」

あかり「人の為にならないんですか?」

和「そういう意味ではありませんよ。情けは人の為ならずという言葉は誰かに情けをかければ巡り巡って自分へと帰ってくるという意味なんです」

煌「そう、情けが巡るということはつまり、私が情けをかけた人がまた誰かに情けをかけ、その人がまた・・・と繋がっていくということです」

煌「そうやって世界中の皆が情けをかけ合う、助け合うようになる。これほどすばらなことはありません。私はいつかそんな日が来ることを祈って、親切心を忘れずに生きているのですよ」

優希「話が壮大だじぇ」

あかり「でも素敵です煌お姉ちゃん!」

煌「ふふふ・・・そう思ってくれるのであればあかりも人に親切に生きてくださいね」

あかり「はい!」

優希「私もいっぱい人に親切にしていっぱい返してもらうじょ!」

和「はぁ・・・まったくゆーきったら・・・」

優希「さすが東京は長野と違ってタコス屋も豊富だじぇ!」

煌「一口にタコスと言っても様々な種類があるのですね」

あかり「沢山あって迷っちゃいますね・・・あれ? あそこの公園にいるの、塞お姉ちゃん?」

和「臼沢さん、1人でどうしたんでしょうか?」

あかり「・・・あかり、ちょっと行ってきます」

優希「おっ、早速恩を売りに行くのか」

和「言い方が悪いですよゆーき」

煌「有言実行、すばらです」

あかり「あかりの分は優希お姉ちゃんにお任せしますね」

優希「任せとけ、私が責任持って食べよう!」

煌「・・・買っておいてくれと頼んでいるのでは?」



あかり「塞お姉ちゃん!」

塞「・・・あかりちゃん」

あかり「どうしたんですか、元気ないみたいですけど・・・」

塞「・・・そう見える?」

あかり「はい・・・」

塞「・・・どうしようもないことなんだけどさ、もっと早くここに来たかったなって」

あかり「もっと早く?」

塞「うん。せめてあと1年早く皆と一緒にここで戦いたかった」

あかり「・・・」

塞「全国の強豪と打ち合えたことも、皆と海に行ったことも。楽しかっただけにさ、どうしてもそう思っちゃうんだよね」

あかり「コクマは・・・」

塞「私達皆受験生だからね。これが終わったら受験勉強に追われる日々よ」

あかり「インカレもありますし・・・」

塞「そうだね。でも、エイスリンさんは国に帰っちゃうと思うんだ。それにね、目前に控えた今だからわかる。大学生と高校生は大きく違うってことが」

塞「もう大人なんだって自覚が出てくるというか・・・所謂青春ってやつを高校生と同じ時と同じように感じられなくなっちゃうの」

あかり「あの、その・・・」

塞「あはは、ごめんね。慰めようとしてくれてるのにこんなこと言って」

あかり「・・・最後だったから、最後の1回だったからそんなに楽しかったのかもしれません」

塞「最後だったから?」

あかり「はい。3年になるまでずっと出られなくてようやく出られた大会ですから、出ることが出来てとっても嬉しかったと思います」

塞「・・・うん」

あかり「長年の願いが叶ったということも塞お姉ちゃん達がインハイを楽しめた理由の1つなんじゃないですか?」

塞「・・・そうかもね」

あかり「・・・もっと早く出られていたら違った楽しさも感じられたのかもしれません。でも、きっとそれじゃ感じられなかった楽しさを塞お姉ちゃんは感じられたんです」

あかり「何でもそんなふうにいい方向に考えた方があかりはいいと思います」

塞「・・・そうだね。うん、そうするよ。ありがとう、あかりちゃん」

あかり「いいえ、昨日は塞お姉ちゃんがあかりを慰めてくれましたから」

塞「ふふ・・・まさか一回りも小さい子に慰められちゃうとはね。お姉ちゃんって呼ばれる資格失くしちゃったかな」

あかり「そ、そんなことないですよぉ! あかりはまだ大会に出たことないですから、塞お姉ちゃんの気持ちがわかってたわけじゃなくて・・・」

塞「え~、なんだかショック~」

あかり「えっ!? そ、その・・・」

塞「クスッ・・・冗談。たぶんあかりちゃんの言うとおりだよ。もっと早く来れていたとしても楽しかったでしょうけど、それは今とは意味合いの違うもの」

塞「どっちがよかったかなんてわからないけど、私は今感じてるこの楽しさを思い出に残すしかないんだ」

あかり「塞お姉ちゃん・・・」

塞「・・・あかりちゃん、これからどっちの道も選べる君にお姉ちゃんからのお願い」

塞「どっちの道を選ぶにしても悔いの残らないように生きて」

あかり「悔いの残らないように・・・」

塞「・・・なんて言っても難しいよね。先が全部わかるわけじゃないんだし、そもそも大会に出られるかどうかは部員数とか麻雀の腕で決まるんだし。まあ、迷ったらいつでも言いなさい」

あかり「・・・はい!」

塞(見ていると不思議と明るい気持ちになれるこの子の笑顔が曇ってしまうことがないように、私に出来るだけのことをしてあげよう・・・)

今日はここまでです

短いですけど投下開始します

京子「東京よ、私は帰ってきた!」

結衣「つい先日来てまただから何の感慨もわかない」

綾乃「ええそうでしょうね、貴女達はね・・・」

千歳「綾乃ちゃん、元気出してぇな」

櫻子「この前はあんまり遊べなかったから、今度はいっぱい遊んでやるぞ!」

向日葵「遊びに来たんじゃありませんわよ」

あかり「大会頑張ってくださいね先輩方」

ちなつ「全国でも結衣先輩に敵はいませんよ!」

京子「任せろ~、この大会が京子ちゃん伝説の最初の1ページだ!」

結衣「やれるだけのことはやってみるよ」

綾乃「今度こそ歳納京子より稼いでみせる!」

千歳「まあぼちぼちやってくわ~」

りせ「・・・」

奈々「皆の力を合わせて頑張ろう、だってさ」

あかり「そういえば部長ってものすごく強い人だったんですね。あかり知りませんでしたよぉ」

ちなつ「確かに部長って地区大会は個人でも団体でも負けなしでしたよね」

向日葵「ですが一昨年の大会には出ていらっしゃらなかったですわ」

櫻子「何でですか?」

綾乃「あ~、その・・・色々あってね・・・」

櫻子「色々って?」

千歳「う~ん、それはな・・・」

奈々「親戚の不幸が重なってしまったんだよ」

向日葵「あっ、すいません・・・」

りせ「・・・」

奈々「気にしないで。今年はこうしてちゃんと皆と一緒に出られているから、だと」

京子「・・・さすがに強すぎて沢山の打ち手を壊しちゃったショックで声が出なくなったなんて言えないよね」

結衣「・・・同じ麻雀部の仲間も皆いなくなって辛かっただろうな」

ちなつ「けどあかりちゃん、部長の過去なんてどこで知ったの?」

あかり「えっと煌お姉ちゃん・・・新道寺女子の花田さんと知り合いになって――」

りせ「・・・!」

櫻子「わぁっ! どうしたんですか部長、いきなりあかりちゃんに詰め寄ったりして」

奈々「新道寺の花田、インターミドルで松本と打って唯一トバなかった奴か」

ちなつ「唯一って・・・」

りせ「・・・! ・・・!」

あかり「えっ、あの、な、なんて言ってるんですか?」

奈々「元気にしていたか、私のこと何と言ってたか」

あかり「・・・とっても元気でしたよ、すばら~って」

綾乃「すばら?」

あかり「部長のことは強い人だったと言ってました」

りせ「・・・」シュン

あかり(あ、あれ? 落ち込んじゃった?)

奈々(花田からすればそれくらいにしか思えないだろう。怖い人だとか思われてなかっただけよかった方か)

奈々「ともかく、明日の開会式が終わってからが本番だ。今日はそう気張らずにゆっくり休めよ」

京子「よっしゃ! 宿舎に着いたら朝までミラクるん鑑賞会しようぜ!」

綾乃「朝までやっちゃ駄目でしょうが!」

結衣「抽選によっては明日そのまま試合もありうるからな。眠くて本気で打てないなんてことになったら大変だろ」

千歳「でも試合まで日があるんやったらうちは東京のおいしい漬物屋さん探しに行きたいわ」

櫻子「あっ、じゃあ私が案内しますよ」

向日葵「池田先輩を大会に出させない気ですの?」

櫻子「どういう意味だよ!」

京子「うむ、もしもの時はあかり、頼んだぞ」

ちなつ「あかりちゃんの力を借りる気ですか?」

京子「いやまあ貸してくれるならその方が楽でいいけど・・・」

あかり「ごめんね京子ちゃん。あかり、京子ちゃん達に自分を褒められるようでいてほしいから」

京子「うん、それは聞いたよ。私が言いたいのは能力のことじゃなくて――」

奈々「お前ら、早く来ないと爆破するぞ」

あかり「や、やめてください! ほら、京子ちゃん行こう!」

京子「・・・まっいっか。とりあえず今日は映画第一作だけ見て明日に備えるとしますか!」

京子「げぇ~、本当に即日試合かよ~」

結衣「しょうがないだろ、くじで決まったんだから」

京子「牌譜読む時間すらないと私の戦術が~」

綾乃「戦術って牌譜丸暗記するだけでしょ。何をツモるかなんてその時々で変わるんだから意味ないと思うんだけど」

京子「う~ん、なんというか牌譜を読んでるとさ、その人がどんな流れの時に何を張って何をツモり、何を捨てるかってわかっちゃうんだよね」

綾乃「そんな馬鹿な・・・」

あかり「清澄のまこお姉ちゃんは小さい頃から雀荘で沢山の人の対局を見てきたから、自分が打つときに似た内容の対局を思い出して展開を読むことが出来るらしいですよ」

あかり「京子ちゃんのはそれと似たような感じなのかもしれませんね」

結衣「まあ牌に偏りが出る能力者もいるし、牌譜を覚えておいて悪いこともないでしょ」

千歳「対戦相手の牌譜がないと出来へんところが困りもんやけどね」

向日葵「ですからエース、相手の牌譜も多いであろう先鋒にオーダーされているんですよね」

櫻子「今まで覚えた牌譜を合わせればその清澄の人みたいになれるんじゃないですか?」

京子「無理。一夜漬けだもん、すぐ忘れちゃうよ」

綾乃「貴女ね・・・」

アナウンサー「まもなく第一試合、先鋒戦開始です。出場選手の方はすみやかに対局室へ向かってください」

京子「しゃーない、能力に頼らない私の真の実力を全国に知らしめてやるとするか!」

あかり「京子ちゃんならきっとやれるよぉ!」

櫻子「ファイトですよ歳納先輩!」



京子「どうだ、これが私の力だ!」

結衣「・・・見事にこんがり焼けてたな」

京子「ちくしょう! 今日はついてない日だったんだよ! そう、あの日で・・・」

結衣「下品な言い訳をするな!」

ちなつ「ついてないというか明らかに実力で負けてましたよ!」

綾乃「普段から真面目に打たないからこういうことになるのよ!」

櫻子「だいぶ点差つけられちゃいましたよ・・・」

京子「綾乃~、私の仇取ってきてくれ~」

綾乃「言われなくてもそうするわよ・・・まったく、万全じゃない貴女に勝ったって何も嬉しくないわ・・・」

綾乃「ポン!」

綾乃「チー!」

綾乃「ツモ! 役牌、タンヤオ。700・1300の2本場は900・1500!」

恒子「鶴賀学園杉浦選手、先鋒の歳納選手が作ってしまった負債を連荘を重ねてみるみる解消していきます!」

健夜「鳴きのセンスが光る選手ですね」

恒子「連荘を重ねていくその姿は高校生チャンプの宮永照選手を思い出させますね」

健夜「彼女ほど連続することはありませんし、鳴きを入れての早仕上げですから点数は低いまま積み棒分上がるだけですけどね」

恒子「相変わらず若い子には手厳しいですね」

健夜「いや事実を言ってるだけだから・・・それにしても・・・」

綾乃「今日は調子がいいわ。このまま押せ押せオセアニアよ!」

健夜「時々口走る変なダジャレはなんなんでしょうか」

恒子「さあ?」

健夜「意識して言ってるようにも見えませんし、最近の中高生は個性的ですね」

恒子「すこやんもだいぶ個性的でしょ。なんたって水着とネコミミが似合うアラサー実家ぐら――」

健夜「こーこちゃん!?」

結衣「ロン! 12000」

結衣「ロン! 18000」

向日葵「船見先輩は杉浦先輩とは対照的に鳴かずに大きい手で直撃を取るタイプですよね」

櫻子「船見先輩と打つとすぐにトバされるからちょっと苦手・・・」

京子「ゲームでもボスを可哀想なくらいあっさり倒すのが快感とか言ってたからなぁ。団体戦じゃ点数多すぎて滅多にトバせることないけど」

千歳「鶴賀のシャープシューターさんやね」

京子「時々外すし大きいの張るのに時間かかるからシャープって感じじゃないな。菫ねーちゃんが弓で射抜くなら、結衣は銃で打ち抜いてる印象」

ちなつ「私のハートも打ち抜いてくださ~い!」

あかり「何言ってるのちなつちゃん!?」



恒子「鶴賀の池田選手、この後半戦オーラスに至るまで振込みはなし。かなり手堅い選手ですね」

健夜「観察眼とそれから得た情報で相手がどのような打ち手なのかを想像する発想力が高いようです。堅いあまりに攻撃に転じられないようですが」

千歳(・・・うちの下家の子、焼き鳥になってもうて少し泣いてもうとるな。せやけど、うちも負けられへんからごめんな)

千歳(焼き鳥といえばさっき綾乃ちゃんが帰ってきたとき、歳納さんほんまに喜んで綾乃ちゃんに抱きついとったなぁ・・・)スチャ



京子『綾乃!』ダキッ

綾乃『仇、取ってきてあげたわよ』

京子『ありがとう、私負けても綾乃が絶対取り返してくれるから安心して打てるんだよ?』

綾乃『歳納京子・・・』

京子『さあ、疲れてお腹も減ったでしょ? 少し時間経っちゃったけど焼き鳥、食べてもいいよ?』

綾乃『馬鹿、余計に疲れるでしょ・・・』



千歳「ええなぁ・・・」

審判「ちょ、ちょっと君、大丈夫か!?」

恒子「おっと、池田選手突然鼻血を出しました、何があったんでしょうか?」

健夜(トリップしてるようだけど・・・発想力じゃなくて妄想力が高い子なのかも)

りせ「ツモ。ダブリー一発、タンピンドラ3、裏・・・3。12000オール」

恒子「一昨年の個人戦で驚異的な成績を残し優勝した松本りせ選手! 去年は公式戦に姿を見せませんでしたがその強さは今だ健在!」

健夜「いえ、彼女の実力はこんなものではありませんよ」

恒子「その言い方ですと松本選手をよく知っているように聞こえますが、何かご関係が?」

健夜「あっ、いえ。ただ一昨年の大会が終わった後に打ったというだけでして・・・」

健夜(・・・私の姪だって言ったら騒がれるよね)

健夜(小さい頃から私と打ってきて私のレベルが普通だと思ってたから一昨年沢山の選手を潰してしまったこと、まだふっ切れたわけじゃないんだね)

健夜(でもなんとか麻雀のときだけでも声が出せるようになったみたいでよかった・・・チームメイトの子達には感謝しないと)



櫻子「やった~! 勝った!」

向日葵「お疲れ様ですわ先輩方」

千歳「ほんま疲れたわ~」

綾乃「まあ、なんとかなって一安心だわ」

京子「くそ~終わってみれば私だけマイナスじゃないか!」

あかり「そういうときもあるよ。元気出して京子ちゃん」

京子「二回戦では華麗なる私の必殺技でブットばしてやるからな!」

ちなつ「結衣先輩お見事でした!」

結衣「ありがとうちなつちゃん。でもやっぱり全国の選手は強いよ。結局二回しか直撃取れなかった」

ちなつ「結衣先輩が一手打つたびにチーナの心にド直撃してるんで全く問題ありませんよぉ!」

結衣「そ、そう・・・」

りせ「・・・」

奈々「まだ本気は出せないか?」

りせ「・・・」

奈々「そうか・・・麻雀の腕だけでなく豪胆さも叔母から学べればよかったんだがな」

照「あっ、いた。一回戦突破おめでとう」

淡「中々イケてんじゃん皆」

あかり「照お姉ちゃん! 淡お姉ちゃん!」

綾乃「み、宮永照さん!? 千歳、本物の宮永照さんと大星淡さんよ!」

千歳「綾乃ちゃん落ち着いてぇな。東横さんが知り合いになった言うとったやろ?」

淡「ふふ~ん、私も有名になったもんだね!」

櫻子「淡ねーちゃん凄かったですもん! リーチかけるときのあの牌の滑らし方とか、逆回転とか!」

淡「でしょ~? 今度サクラコにも教えてあげるね」

向日葵「そんなことより打ち方を教えてあげてほしいのですけれど・・・」

照「試合見てたよ。京子は残念だったけど皆凄かったよ」

京子「きょ、今日は不調の日だったんです!」

淡「もしかしてせい――」

照「淡、下品なこと言わない」

ちなつ(大星さんってもしかして櫻子ちゃんや京子先輩と同レベル・・・)

照「ところで、二回戦までの練習のスケジュールは決まってるのでしょうか?」

奈々「いや、そんなものは一切ない!」

綾乃「胸張って言うことじゃありませんよ!」

照「私達でよければこの子達の練習相手になりますよ」

淡「私達チーム虎姫がね」

結衣「ほ、本当ですか!?」

千歳「わぁ、今年のインハイ団体戦3位のチームに練習つけてもらえるって凄いなぁ」

奈々「申し出は嬉しいが本当にいいのか?」

淡「うん。この子ら結構面白いし。それに・・・」

りせ「・・・」

淡「・・・その子と打ってみたいからね」

京子「照ねーちゃん達がついてくれるなら百人力だよ! これは優勝確実だね!」

綾乃「ぼろぼろボロブドゥールだったくせに調子に乗らないでよね!」

結衣照「ぶふっ!?」

淡「あの子の試合見てるときも思ったけど、照ってばあんなギャグで笑うの?」

照「・・・笑ってない。くしゃみが出ただけ」

綾乃「次もあんな調子だったら罰金バッキンガムよ!」

結衣照「・・・」プルプル

淡「やっぱり笑ってるでしょ!」

照「わ、笑ってない・・・」

淡「なんか前まで全然笑わせられなかったのにムカつく! ころころコロッセオ!」

結衣照「・・・」

淡「なんでよ!?」

あかり「照お姉ちゃん、咲お姉ちゃんとはちゃんと連絡取ってますか?」

照「・・・ああ、また今度こっちに来るらしい」

あかり「よかった。やっぱり皆仲良しなのが1番です!」

照「そうだな。つくづくそう思わさせられたよ」

あかり「・・・おばさんとおじさんも仲直りできるといいですね」

照「離婚してないんだ、まだ心のどこかで好きあってるはず。あかりが私にそうしてくれたようにそれを思い出させてみせるよ。咲と一緒に」

あかり「頑張ってくださいね。あかりに出来ることがあれば何でも言ってください!」

照「うん。ありがとうあかり」ナデナデ

あかり「えへへ・・・」

ちなつ(あかりちゃんって桃子お姉さまに随分好かれてるし、年上キラーなのかな?)

今日はここまでです
りせがすこやんの親戚だという設定は>>33にある通り中の人繋がりです

投下開始します

京子「準決勝も快勝! いや~、こんなにさくさくいくとは思わなかったよ!」

結衣「一回戦は焼き鳥だったくせによく言うよ」

京子「その分二回戦からはいっぱい稼いだじゃん!」

綾乃「くっ・・・結局本気を出されれば勝てない運命だと言うの!?」

千歳「まあまあ、綾乃ちゃんは大きく稼ぐタイプやないし、稼ぎ負けるんもしゃーないわ」

向日葵「一回戦からのトータルで見ればさほどの違いはありませんわ」

櫻子「この勢いなら本当に優勝できますね!」

ちなつ「ああ・・・結衣先輩が大勢の人に認められるのはいいけれど、ファンが増えてしまうと私とのラブラブ生活の邪魔に・・・」

あかり「でもさすがですね先輩達は!」

奈々「まさに大爆発だな。これで物理的にも爆発していれば言うことなしなんだが・・・」

綾乃「ここまでの苦労を水の泡にする気ですか!?」

奈々「はっはっは、だったら明日は空に祝砲が上げられるよう頑張ってくれよ」

結衣「空でも許可取らずにやるのは駄目なんじゃ・・・」

向日葵「ところで先ほどからPCで何をしていらっしゃるんですか?」

奈々「加治木達と電話が繋がっててな、こっちの映像が写るように設定してるんだ・・・出来たぞ」

智葉「ワハハ、元気か後輩達よ」

綾乃「蒲原先輩! お久しぶりです」

千歳「加治木先輩も暫くぶりです」

ゆみ「ああ、2人とも準決勝では大活躍で私達も鼻が高いよ」

京子「私は!?」

ゆみ「無論、京子も結衣もりせもだ。このままの勢いならば明日の決勝も勝てるだろう。期待しているぞ」

モモ「明日は私らもそっちまで応援しに行くっすから頑張るんっすよ!」

あかり「お姉ちゃん達も?」

睦月「うん。試合開始にはちょっと間に合わないかもしれないけど、会場で精一杯応援するよ」

京子「え~、私の試合も最初から見てくださいよ~」

佳織「ごめんね、さすがにそう何度も智美ちゃんのおばあちゃんにご迷惑かけるわけにもいかないから・・・」

ゆみ「1年組も来年はりせが抜け君達の中からレギュラー選手が選ばれることになるだろう。しっかりと見て全国のレベルを知っておくことだ」

あかり「はい!」

桃子「あかりは全国のレベルを知る前にすることがあるっすけどね」

あかり「うっ、なんとか来年までには制御出来るようになるよぉ」

京子「相変わらずだもんなあかりのフォーチュンギフトは。淡ねーちゃんダブリーはいつもだけど天和は初めて和了ったって喜んでたし」

結衣「フォーチュンギフト?」

京子「せっかくの能力なんだから名前付けた方がカッコいいじゃん」

綾乃「直訳すると幸運の贈り物ってとこかしら?」

京子「そうそう、わざわざ和英辞典引いて考えたんだぞ、感謝しろあかり」

あかり「フォーチュンギフト・・・素敵な名前だね。ありがとう京子ちゃん!」

京子「ちなみに最初はめんどくさいからそのまましあわせギフトでいいやって思ってたんだけどね」

ちなつ「ギフトは和訳しないんだ」

智美「あかり以外の3人もうかうかしてると来年の新入部員に持っていかれるかもしれないぞ」

向日葵「櫻子にも新入部員にも負けませんのでご心配なく」

櫻子「なんだと! 私だってお前になんか絶対負けないんだからな!」

ちなつ「結衣先輩と肩を並べて戦う為に、私も負けられないよ!」

睦月「ふふふ・・・その意気なら大丈夫だね」

りせ「・・・」

奈々「私の後を継ぐ立派な選手になってねってさ」

千歳「そうやね、部長が抜けてもうたら部にとってはかなり手痛い損失になるから」

向日葵「ぶ、部長の代わりは・・・」

ちなつ「さすがに厳しい・・・」

櫻子「ふんっ! 2人ともそんな調子じゃレギュラーの座は私のものに決まったようなものだな!」

あかり「あかりは!?」

りせ「・・・」

桃子「まあ来年がどうなるにせよ、今は明日のことの方が重要っす」

佳織「加治木先輩が言ったとおり今の勢いなら勝てるよ。頑張ってね皆」

京子「うん! あっそうだ、優勝したらお祝いにかおりんに着てもらいたい服があるんだけど」

佳織「えっ!? そ、その変なのじゃなければ・・・」

京子「変なのじゃないよ! エロいけど!」

結衣「それを変だって言うんだろうが!」

ゆみ「ふふっ・・・ともかく明日の試合後、笑顔で会えることを祈っているぞ。それではな」

モモ「また明日っす~」

結衣「・・・先輩達も見に来てくれるっていうなら余計に負けられないな」

綾乃「うぅ・・・私プレッシャーに弱いのよ・・・」

京子「あれあれ~? 綾乃ってば弱気になっちゃってる~?」

綾乃「なっ・・・そんなことないないナイアガラよ! 見てなさい、今度こそ私がぜぇ~ったい勝つんだから!」

京子「へへ・・・綾乃はそうじゃなくっちゃね」

京子『言ったでしょ、綾乃がいるから安心して打てるって。綾乃が元気でいてくれないと私が困るの』

綾乃『・・・自分が安心して麻雀を打つためだけなの?』

京子『違うわ。元気な綾乃が好きだからって理由の方が大きい。でも、少しだけいつもの調子が出なくて泣いてる綾乃も見たかったかも』

綾乃『だったら、今からいっぱいなかせて・・・』



千歳「あははは~・・・」

向日葵「池田先輩はブレませんわね・・・」

ちなつ「結衣先輩もあまり気負わないでくださいね」

結衣「・・・うん、ありがとうちなつちゃん」

ちなつ「負けても私が一日中でも慰めますから! あっ、そっちの方がいいかも・・・」

結衣「ちなつちゃん!?」

あかり(この調子ならきっと皆勝てるよね?)

りせ「・・・」

あかり「・・・? どうしたんですか部長?」

りせ「・・・」

奈々「何でもない。ごめんなさいって言ってるぞ」

あかり「いいえ、気にしないでください」

あかり「・・・でも部長、本当に大丈夫ですか?」

りせ「・・・?」

あかり「煌お姉ちゃんが部長が去年の大会に出なかったのは部長と打って麻雀をやめてしまった人がいたからじゃないかって言ってました」

あかり「親戚の不幸っていうのは嘘で、本当は煌お姉ちゃんの言うとおりなんじゃないかってあかりは思ってるんですけど・・・」

りせ「・・・」コクリ

あかり「やっぱり、そうだったんですね」

りせ「・・・」

奈々「大丈夫だけど、本気で打つことが出来なくて相手に申し訳ないと思っている」

あかり「ほ、本気じゃないんですね、あれで・・・」

りせ「・・・」

奈々「私はまた本気が出せるようになりたい。だから・・・」

あかり「だから?」

りせ「・・・」フルフル

奈々「・・・何でもない、忘れて」

あかり「はい、わかりました?」

京子「さて、私の必殺技、ワンナイトピクルスを使うときが来たようだな」

結衣「なんかピクルスって間抜けな響きだな」

京子「くそ~、味も悪ければ語感も悪いなんてやっぱりピクルスは嫌いだ!」

綾乃「というかそれ直訳でしょう? もっとカッコいい表現があるんじゃないかしら?」

京子「それは鋭意調べておくとして・・・あかり、牌譜持ってきて」

あかり「うん、わかったよぉ京子ちゃん!」

りせ「・・・」

奈々「・・・本当にいいのか? 下手をすればまた仲間を失うことになるぞ?」

りせ「・・・」

奈々「信じてるから、か。そうだな、こいつらなら例え失敗してもお前を見捨てたりはしないだろうな」

りせ「・・・」

奈々「絶対に失敗しないことも信じてる? ああ、必ずやってくれるさ」

次の日

あかり「えっ、部長と先生がいなくなった!?」

綾乃「そうなのよ! 朝起きたら、爆友の輪を広げに行きます。なんてわけのわからない置手紙があって!」

あかり(そんな・・・まさか部長が耐えられなくなって?)

櫻子「どうしよ~! このままじゃ人数不足で負けちゃうよ~!」

ちなつ「落ち着いて櫻子ちゃん! 補欠の選手が出れば大丈夫だから!」

向日葵「わ、私では部長の穴を埋めることなんて・・・」

京子「えっ? 何でひまっちゃんがそんなこと言うの? 補欠はあかりでしょ?」

あかり「えっ?」

綾乃「何言ってるのよ歳納京子! 補欠は古谷さんだって先生が言ってたでしょ!」

京子「いや私も聞いたけど選手登録表に書いてたし・・・」

綾乃「千歳!」

千歳「・・・ほんまや! 補欠、東横あかりってなっとるで!」

あかり「ええっ!?」

櫻子「どうなってんの!? 先生が登録のとき向日葵とあかりちゃんの名前を間違っちゃったのかな!?」

向日葵「そんな、貴女じゃあるまいし!」

あかり「そ、そんな・・・あかりが・・・?」

結衣「とにかく皆落ち着いて!」

向日葵「・・・先輩方と東横さんは早く会場へ。私達は手分けして部長達を探しましょう!」

ちなつ「そうだね。部長は大将だから充分時間はあるよ!」

櫻子「でも、部長もステルス的なとこあるから探しづらいよ!」

結衣「加治木先輩達にも連絡して一緒に探してもらおう!」

綾乃「そうね、貴女達だけで東京を歩かせるのは危険だもの」

櫻子「この前来たんで大丈夫ですよ!」

向日葵「貴女には誰か先輩方ついてくださらないと同じところをぐるぐる回るだけになって役に立たなそうですけど」

櫻子「なんだと!?」

千歳「こんなときに喧嘩はあかんで2人とも。3人とも一年生なんやから先輩達が来たら合流するように。ええな?」

ちなつ「結衣先輩、応援出来ないかもしれませんけど・・・」

結衣「私は大丈夫だから部長のことお願いね」

向日葵「部長、何でこんなことを・・・?」

櫻子「考えてもしょうがないよ! とっとと探し出して聞き出そう!」

向日葵「そうですわね・・・先輩方、加治木先輩達への連絡お願いしますわ」

京子「わかった。ちなつちゃん達も気をつけて」

ちなつ「はい。行こう2人とも!」

綾乃「部長、やっぱりまだ・・・」

結衣「でも今までそんな素振りは見せなかったけど・・・」

千歳「部長はあんまりそういうの顔に出さへんからなぁ・・・」

京子「まさか本当にもしもの時が来るかもしれない状況になるなんて・・・」

結衣「・・・ちなつちゃん達を信じて、私達は試合に集中しよう」

綾乃「そうね、きっと探し出してくれるわよね」

千歳「なんやったらうちまででトバせばええんやからな!」

京子「でもあかり、万が一もしもの時が来たら、そのときは頼のむぞ」

あかり「う、うん・・・」

副将戦終了後

千歳「どう?」

綾乃「・・・」

千歳「そっか・・・」

結衣「なんとか1位にはなれてるけど・・・」

あかり「・・・」

京子「・・・あかり! 私が言った欲しい牌をいらないと思い込む戦法を使うんだ!」

あかり「・・・あかりに出来るかな?」

結衣「もうやるしかないよ。1回補欠の選手が出ちゃったら選手交代は出来ないからな」

綾乃「頑張って東横さん」

千歳「頼んだで」

あかり「は、はい! あかりなんとか頑張ります!」

恒子「現在1位の鶴賀学園ですがなんとトラブルが発生して大将の松本りせ選手が出場出来ず、補欠選手である東横あかり選手が打つそうです!」

恒子「松本選手は今大会でもトップクラスのプレイヤーでしたので、この損失はかなり痛いものとなるのではないでしょうか!」

健夜(りせ、貴女・・・)

恒子「おっとここで件の東横選手が入場しました。実力未知数の彼女は果たして松本選手の代わりに優勝を掴み取ることが出来るのか!?」

健夜(・・・!? あの子から感じる力、今年のインハイで時々感じたあの力!?)

健夜(あれを自分に使えるというのならかなりの打ち手だということになるけれど、補欠だということは・・・)



明星「ロン。5200」

あかり「はい・・・」

あかり(・・・玄お姉ちゃんにあんなこと言って自分は牌を蔑ろにするなんて出来ないよぉ。永水の人にはステルスもあんまり効かないし・・・)

明星(この子たぶん霞さんが言ってた幸運譲渡の・・・本当に制御出来ないのね。対戦相手にまで幸運を渡すなんて)

明星(そんなので勝っても嬉しくないから彼女からの幸運は祓うけど、もう1つの能力も中々厄介ね。いつもの倍は集中しないと気が逸らされちゃう)

あかり(もうすぐまくられる・・・あかりには無理だったんだ・・・)

???「アホ! まだ勝負の途中やろが!」

あかり(えっ? だ、誰?)

怜?「諦めたら終わりやであかり」

あかり(怜お姉ちゃん!?)

怜ちゃん「枕神怜ちゃんや」

あかり(ま、枕神?)

怜ちゃん「あかりに膝枕してもろうとったとき、あかりの力がうちに流れただけやなくて、うちの力もあかりに流れとったんや」

怜ちゃん「この怜ちゃんパワーがな!」

あかり(怜ちゃんパワーって・・・)

怜ちゃん「あかり、あんたに未来を見せたる! せやから諦めんでしっかり戦い!」

あかり(で、でも・・・)

怜ちゃん「これ見て驚け、完成形への道・・・」

あかり(・・・何も見えませんけど)

怜ちゃん「・・・こん局は和了れへんようやな。まあまだまだこれからや! 用法用量をよく守って大事に怜ちゃんを使ってな~」

あかり(ちょ、ちょっと、怜お姉ちゃん!?)

明星(あの子に何か憑いてる? もしかしてお祓いしてあげた方がいいんじゃないかしら?)

あかり(な、なんだかよくわからないけど、あかりもう少し頑張るよぉ!)



怜ちゃん「あ~、こん局も駄目やな」

怜ちゃん「う~ん、ここも駄目」

怜ちゃん「・・・」フルフル



あかり(何が未来を見せたる、ですか!)

怜ちゃん「まさかここまで駄目駄目やとは思わへんかった・・・」

あかり(永水の人以外にもステルスが効かなくなって来ちゃいましたし、3位にまで落ちちゃいましたし・・・)

怜ちゃん「・・・このオーラスも駄目みたいや。これが最後やししゃーない、振り込まんように相手の当たり牌教えたるわ」

あかり(・・・なんだかずるいですよね。あかり、咲お姉ちゃん達には力を貸さなかったのに自分は怜お姉ちゃんに力を借りて・・・)

怜ちゃん「・・・うちが勝手に出てきただけや。結局何の力にもなれてへんし」

あかり(ううん、怜お姉ちゃんがいてくれて本当に助かってますよ。1人だったらきっと今頃逃げちゃってました)

怜「・・・そうか、それならよかったわ」

あかり(そう、あかりは自分の力で戦ってない。ここに出る資格だって自分で掴み取ったわけじゃない。だったらあかりは・・・)



恒子「前半戦オーラスを向かえ、現在の1位は永水女子。大将戦を1位で迎えた鶴賀学園は3位へと落ち込んでしまっております」

健夜「鶴賀の東横選手は配牌もボロボロでツモも振るわず、聴牌に取れたのさえたった1局のみです」

恒子「対して永水以外のその他2校は何度もいい手が来ているのに何故か妙な打牌をして崩してしまうということを繰り返していました」

健夜「心ここにあらずといった感じでしたね。優勝を決める大一番で緊張していたのでしょうか」

恒子「そのせいもあって東場は永水の独壇場でした。しかし、覚悟を決めたのか七森が反撃し、南場は二校の叩き合い。残り二校は焼き鳥状態です!」

健夜(やっぱり自分にはあの力を使えないんだね。まさか対局者にまで幸運を与えるなんて思わなかったけど)

健夜(りせが後を託していくくらいには強いのかと思ったけど、これじゃあね・・・)

怜ちゃん「4位の子、かなりでっかい手張っとるで。食らったらまくられる。今のあかりの手の中やと3索が当たりや、切ったらあかんで」

あかり(・・・)

4位(うぅ・・・焼き鳥になっちゃうなんて・・・誰か差し込んでよぉ・・・)グスッ

あかり(・・・)パチッ

怜ちゃん「・・・!? あかり、何やって――」

4位「・・・! ロ、ロン! 16000です!」

怜ちゃん「あかり・・・!」

あかり(・・・ごめんなさい怜お姉ちゃん。あかりには目の前で泣いてる人を更に追い詰めるようなことは出来ません)

怜ちゃん「わかっとるんか、あかり! うちはもう出てこられへんのやで!?」

あかり(ごめんなさい・・・)

怜ちゃん「あか――」スゥ

あかり(・・・おトイレに行こう)



あかり「勝つためには他の人達を泣かせなきゃいけない・・・でもこのまま負ければ京子ちゃん達を泣かせちゃう・・・」

あかり「あかりがもっと強かったら、咲お姉ちゃんみたいに皆を楽しませられる麻雀を打つことが出来たら・・・」

あかり「ごめんね皆、あかり弱くて、自分勝手で、いくじなしで・・・」

???「・・・」

今日はここまでです
あかりのところに来たキャラは咲、照、玄、怜、塞、モモ、美穂子の内から希望取ります

とりあえず照ルートだけ投下開始します

照「・・・あかり」

あかり「照お姉ちゃん・・・?」

照「オーラス、4位の子に差し込んだでしょ?」

あかり「・・・わかりますかやっぱり」

照「うん・・・どういうつもりなの? 安手で流したわけじゃないし今の鶴賀にそんな余裕ないでしょ?」

あかり「4位の人が泣きそうだったから・・・」

照「・・・あかりそれは真剣勝負をする上で最もやってはいけないことよ」

あかり「でも、あかりは皆に笑ってほしくて・・・」

照「確かに差し込んであげればその時は笑顔になるかもしれない・・・ねえあかり、貴女は長野の決勝卓で負けた天江さん達が泣きながらも最後は笑顔になれた理由がわかる?」

あかり「・・・わかりません」

照「全員が全力で戦っていたからだよ。自分の全力を尽くしてあの結果だった、だから笑顔でそれを受け入れることが出来た」

あかり「・・・」

照「咲はあの卓で風越の子に差し込んだよね? でもあれはさっきのあかりと違って勝つための布石としての差し込みだった」

照「そんな意図もなく、ただ泣きそうだから負けそうだからなんて理由で差し込んでくる人が1人でもいたら他の対局者はどうなると思う?」

あかり「どう、なるんですか?」

照「あの子が差し込んでくれるから。そんな下らない甘えが微かにでも出来てしまう。そんな甘えを持った人間に本気を出すことなんて出来ない」

照「負けたことをあかりがもっと差し込まなかったからなんて思う気持ちが出来てしまって素直に受け入れられなくなる」

照「これから何度も思い出すであろう思い出がとても苦いものになる。あかり、貴女は一時の笑顔のために彼女達の未来の笑顔を奪おうとしてるの」

あかり「未来の笑顔・・・」

照「負けてしまうことは本当に悔しい。思い出す度にその悔しさを味わうことになるかもしれない。だけど、全力で戦うことが出来ていたなら同時に充実感ももたらしてくれる」

あかり「充実感・・・あっ・・・」

――憩「それでも全力で戦ったことは決して辛い思い出にはならん。ほんの少しの後悔と充実感と共にきっと一生うちの中に残るんや」

照「あかりの言う自分も相手も楽しませる麻雀は打っている間だけ楽しければそれでいいの?」

あかり「そんなことないです・・・!」

照「だったら全力で戦って勝ちなさい。他の子が忘れたくても忘れられないくらいに強く心に刻み付けるの。全力で戦いあったこの試合を」

あかり「けど、あかりがここにいるのは自分で戦った結果じゃなくていなくなった部長の代わりです。ここまで何にもせずに来たあかりが今まで必死で戦ってきた人達を倒すなんて・・・」

照「そんなくだらないことを引け目に思っていたのね」

あかり「くだらないって――」

照「あかりは今、りせの代わりにここにいるのかもしれない。だけどそれでも、あかりは今誰かに望まれてここにいるのよ」

あかり「そんな、あかりが補欠だったのだって何かの間違いかもしれないのに、望まれてなんて・・・」

照「少なくとも私はあかりがここで戦うことを望んでいる」

あかり「えっ?」

照「色んなあかりを見せてくれるんでしょ? 私に見せて、カッコよく戦ってるあかりの姿を」

あかり「・・・きっとカッコよくなんてないですよ?」

照「弱くったって何かに全力で向かう人はそれだけでカッコいいの」

あかり「ふふ・・・わかりました。じゃああかり、精一杯頑張って戦ってきます!」

照「いってらっしゃい」

照(あかり、貴女が笑顔で帰ってくるって信じてるからね・・・)



明星(この調子なら勝てそうだわ。ただ、鶴賀の子がどうにもやる気がないのが残念ね)

明星(あの様子じゃこのまま帰ってこないこともありえ――)

あかり「お待たせしました」

明星(・・・さすがに帰ってはきたか)

あかり「前半戦はすいませんでした。あかり、人を楽しませるということの意味を履き違えていました。でももう大丈夫です――」

あかり「これからは、全力で戦います。だから皆さんも全力でお相手お願いします」

明星(・・・! ふふっ、何があったのかしらないけど面白くなってきたわ)

洋榎「やっとデクに命が宿ったようやな」

恭子「ええ顔になりましたねあかりちゃん。あのままやったら今度会うたときデコに落書きしてましたわ」

絹恵「気張りやあかりちゃん」

浩子「これはおもろいデータが期待できますな」

泉「今はデータよりも応援したったりましょうよ先輩」

セーラ「まだまだ充分巻き返せる点差や。やれるであかり!」

竜華「・・・頑張れ、あかりちゃん」

怜(うちじゃ何もしてやれへんかったのは残念やけど、あの子に笑顔が戻ってよかったわ・・・)

洋榎「そらそうと千里山組はなんでうちん家に集まっとんねん! うっとうしくてしゃーないわ!」

怜「うちら監督にお呼ばれしただけやし」

浩子「ごっつデカい新しいTV拝みに来たかったですし」

セーラ「そう固いこと言うなや洋榎」

洋榎「ええい肩抱くな! その見た目で無駄にある乳が当たって腹立たしいねん!」

絹恵「お母さんもうすぐ帰ってくると思いますから、ゆっくりしてってくださいね」

竜華「ありがとな絹ちゃん」

恭子「落書きといえば、泉ちゃんがうちにおったらインクの消費量がえらいことになりそうやな」

泉「ちょっと、そらないですよ末原さん!」

胡桃「あかりちゃんようやく本気みたいだね」

シロ「ずいぶん長くかかったなぁ・・・」

エイスリン「マダトリカエセル!」

豊音「うん、きっとやれるよ~、頑張れ~」

塞「一時はどうなることかと思ったけど本当によかったわ」

エイスリン「・・・カケタ!」トロフィーを持ったあかりの絵

シロ「優勝祝いはまだ早いんじゃない?」

豊音「早めに準備するのにこしたことはないよ~、私は何あげよっかな~。コミケで買った本でいいかな~」

胡桃「それは絶対駄目!」

塞「あかりちゃんを変な道に導こうとしないで!」

豊音「え~、ちょ~面白いのにね~エイスリンさん」

エイスリン「アレガダメナラワタシガカイタノオクル!」

胡桃「それも駄目だよ! もう~、トヨネのせいでエイちゃんが変な日本観を築いていってるよ!」

シロ「ダル・・・」

霞「あらあら、明星ちゃんが驚いてるわ」

初美「ふんっ、あかりちゃんのもう1つの能力にかまけて調子に乗った罰なのですよ~」

巴「明星ちゃんに厳しいですね」

初美「中学生のくせに身体つきが生意気だからですよ~。ここで1回へこまされて現実を知るといいのですよ~」

春「心がへこんでも胸はへこまない」

初美「うるさいのですよ~」

霞「でもそうね、一度くらい挫折を味わった方が明星ちゃんも強くなれるかもしれないわ。あかりちゃんを応援しましょうか」

春「うん」

巴「いや、さすがに明星ちゃんが可哀想では・・・」

小蒔「やはりあの童女は可愛らしいですね。なんとしてでも手篭めに・・・」

霞「てい」ボカッ

小蒔「きゅう・・・」バタッ

巴「姫様、後輩が試合をしているのに寝ないでください・・・」

穏乃「うおおお~! 頑張れ~あかりちゃん~!」

憧「しずうっさい。もう夜なんだから静かに」

穏乃「静かに応援なんて出来ないよ! 声出していかなきゃ!」

灼「いやどうやっても声届かないから・・・」

宥「でも声を出して応援することは無意味じゃないと思うよ」

憧「出すのはいいけどもう少し音量を考えなさいって言ってるのよ」

穏乃「フレーフレー、あ、か、り!」

憧「ああもう! TVの音が聞こえないのよ!」

穏乃「もごっ!?」

憧「ったく、麻雀のときみたいに少しは落ち着きなさいよね」

玄「あかりちゃん、あかりちゃんならきっとやれるよ。牌のことを思いやってあげられる貴女なら」

玄「・・・今度会うときは一回り大きくなったあかりちゃんに会えることを期待してるね。・・・おもちも一回り以上大きくなってくれてると嬉しいなぁ」

玄「そしたら大きくなったおもちをまた・・・えへへへ・・・」

宥「玄ちゃんだらしない顔してるよ?」

灼「何考えてんだか・・・」

智葉「いい面構えだ。これなら大丈夫だろう」

憩「そうですね。あんないい笑顔で麻雀打てる子やったんですね」

あかね「いいえ、私もあんな顔で麻雀を打つあの子を見るのは初めてよ。と言ってもあの子が麻雀をやっているなんて知ったのはつい最近なんだけど」

善野「優しくて思いやりがあるだけに、他人と本気で争うことが出来ない。日常ではともかく麻雀をするなら致命的ね」

智葉「ですが吹っ切れたようです。休憩の間に誰かに諭されたのか・・・」

憩「うちが言ったこと思い出してくれたんやったら嬉しいなぁ」

あかね「・・・これは由々しき事態かもしれないわ。これで優勝してしまえばその人があかりにとって特別大きな存在になるのは必至」

あかね「だけどあかりが負けて泣いている姿なんて見たくないわ・・・どうしましょう・・・」ブツブツ

智葉「・・・こっちは大丈夫じゃなくなったみたいだが」

憩「あはは、大丈夫矢やと思いますぅ~・・・たぶん」

善野(あの子の周りにはきっと優秀な導き手が沢山いる。やっぱり、あかりちゃん自身も幸運に恵まれているのね)

美穂子「よかった、あかりが笑っているわ・・・」

華菜「どっかで大声でも上げてきたんですかね?」

未春「いや、たぶんそんなことをするのは華菜ちゃんくらいだと思うよ」

千鶴「・・・あの時はさすがに心配になったよ華菜姉さん」

華菜「酷い言われようだし!」

美穂子「でも驚いたわ。華菜に緋奈ちゃん達の他にまだ2人も妹がいて、1人はあかりと同じ麻雀部にいるなんて」

華菜「今度のエイプリルフールのネタに使うから黙っておいてほしいって千歳に頼まれたんですよ」

未春「エイプリルフール?」

美穂子「けれど残念ね、応援しに行きたかったでしょう?」

千鶴「それは、まあ・・・」

華菜「千鶴ごめんな。チビ達の世話役がいないと悪いからって部活させてやれなくて。お前も麻雀部だったら行けたのに」

千鶴「いいよ、華菜姉さんと千歳姉さんが楽しいならそれで」

華菜「うぅ~! 千鶴はいい子に育ってくれて本当によかったし~!」

透華「ようやく目覚めたようですわね」

純「目覚めたところでって感じもしないでもないけどな」

衣「そうでもないさ。言っただろう、あかりは衣と真逆なれど人の世から遠く乖離した存在だと」