佐々木「折角家の前まで行ったのに、足が震えて踏み出せなかった」
佐々木「とんだヘタレ具合だよ」
佐々木「きっと涼宮さんは、普通に渡せたんだろうなぁ」
佐々木「……はぁ」
佐々木「きっと涼宮さんのことだから義理とかいいながらすごい手間かけて作ったんだろうなあ」
佐々木「…でも僕も多分人生で一番手間かけたんだよなぁ」
佐々木「橘さんにはいろいろ手伝って貰ったから感謝しないとね」
佐々木「……渡せてないんだけどね」
佐々木「…もしかしたら、これも本命として渡そうとしたから足が震えたのかもしれない」
佐々木「義理として渡そうとすれば普通に渡せたのかも」
佐々木「…でもそれは負けな気がするなあ」
佐々木「…よくよく考えてみよう」
佐々木「涼宮さんは義理として作ったけど、僕は本命として作った」
佐々木「この時点でメタ視点では僕に軍配が上がっているんじゃないか?」
佐々木「ツンデレ属性と素直属性じゃ圧倒的に僕の方が有利だ」
佐々木「だったらちょっと遅れて渡しても十分に効果はあるはず」
佐々木「バレンタインなんて所詮ただの理由付け、単なる指標でしかないんだ」
佐々木「思いが詰まっていれば例えお盆に渡そうが敬老感謝の日に渡そうが十分な効果を持っているはずだ」
佐々木「…でも、もし仮に、万が一、恐らくないとは思うけど」
佐々木「…涼宮さんが本命としてチョコをあげてた場合」
佐々木「…どうしようか」
佐々木「デレ期に入ったツンデレほど厄介なものはないからなぁ」
佐々木「しかも、そうなってたら遅れてチョコを渡す僕が馬鹿みたいじゃないか」
佐々木「予選前敗退だよ」
佐々木「こんなこと考えてる場合じゃないな。早く渡さないと」
佐々木「しかしやはり敵状が気になるな」
佐々木「当然涼宮さん以外からもチョコを貰っただろう」
佐々木「…もしかしたら本命を貰ってたりするかもしれない」
佐々木「彼は何だかんだモテるから」
佐々木「中学の時は僕が目を光らせていたから事なきを得たけど」
佐々木「別々の高校に通う今僕の手は届きにくくなっている」
佐々木「だから別の高校に通うのは嫌だったんだ」
佐々木「周りに言われて仕方なく進学校に進んだけど」
佐々木「正直不安で夜も眠れなかった」
佐々木「というか!何で彼は僕の気持ちに気付かなかったかなあ!!」
佐々木「君以外のみんな気付いていたというのに!」
佐々木「…で、何で僕は自分から告白しなかったかなぁ」
佐々木「……ほんとヘタレだ」
何が言いたいかというと
ヘタレる女の子って最高だと思うんです
さあみんなもヘタレ女子を書いてみよう
佐々木「そうだ、肝心の告白の仕方を決めないといけないじゃないか」
佐々木「あのキョンのことだ、普通にチョコを渡しても恐らく絶対に僕の気持ちには到達しない」
佐々木「ガツンと一発決めてやらなきゃだめなんだ」
佐々木「僕のシュミレーションによれば、彼に言葉で伝えるのは安全でない」
佐々木「彼のことだから突然難聴になるに違いない」
佐々木「だから、思い切って身体接触を試みるんだ」
佐々木「女の子に抱きつかれて嫌がる男なんていない。いたとしたらそれはホモだ」
佐々木「…あーでも突然抱きついたらいくらキョンと僕の仲と言えど引いちゃうかな…」
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