アニ「そこ退きなよ」 ミカサ「絶対に 嫌 」(126)

ライナー「ここ数日なんだが…センパイ方はやたら浮き立ってねぇか?」

アルミン「ライナーもそう思う?」

ライナー「ああ、なんつーかソワソワしてるような感じが」

アルミン「でも女の人達はそうでもないよね。男だけがソワソワしてる」

ライナー「気になるな。アルミン、聞いてきてくれるか?」

アルミン「なんで僕が……まぁいいけど」

不本意ではあるもののアルミンも気になっていた。
挙動不審…というよりも、やたらと斜に構えたキメ顔(と、本人は思っているのだろう)の男性が居たので早速聞いてみる。


アルミン「あのー、すみません」

オルオ「なんだ?」

アルミン「なんだか先輩方が最近ソワソワしてるような気がして……何かあったんですか?」

オルオ「あん?別に俺はそんなことねぇよ。周りのヤツらはそうかもしれねぇがな」

アルミン(あなたがソワソワしてたから聞いたんですけどね…)

アルミン「周りの人達……ってことは、やっぱり何かあるんですよね?」

オルオ「…なぁ訓練兵。もしかしてお前、ウォール・マリア出身か?」

アルミン「?…ええ、そうですが」

オルオ「あー、それなら知らなくとも仕方ねぇ」

オルオ「周りが浮きだってんのは、三日後にバレンタイン・ディが迫ってるからさ」

アルミン「バレンタイン・ディ?」

オルオ「そうだ。ウォール・ロゼの風習みたいなもんでな……その日にはなんと…」

アルミン「なんと?」


オルオ「チョコが貰える」


アルミン「チョコ!?」

ライナー「本当ですか!?」

一応ながら<チョコ>という食べ物について、アルミンもライナーも知っている。
ウォール・シーナより内部では普通に流通しているものの、ロゼでは中々手に入らないお菓子。
マリアともなれば伝説級の一品であった。

アルミン「チョコかぁ……ライナーも食べたことあるんだ?」

ライナー「俺は一度しかないが……あれは美味かった。マジでやばかった」

そういえば昔、エレンのお父さんが内地診療のお土産に買ってきてくれたことがあった。
ミカサとエレンの三人で仲良く食べた記憶が鮮明に蘇る。
それもそうだろう。あれだけ甘くて美味しいものを口にしたのは生まれてであり、それ以来口にしていないのだから。


オルオ「だが、皆が皆貰えるわけじゃねぇ」

アルミン「えっ?」

オルオ「実はな……女しか貰えないんだ」

ライナー「はっ?」

この先輩が言うところ、この町の女性全員にチョコが配布されるらしい。
そして…風習というからに値する内容は、二人を絶望させるものであった。

ライナー「好きな男に渡す儀式…だ……と?」

アルミン「そんな……っ!!」

オルオ「そう……お前が考えている通り、俺たち男がチョコを口にするケースは稀ってことだ」

滅多に口に出来ないお菓子が配布されるなら、男に渡すよりも自分で食べてしまえという発想に女性たちは行き着いてしまう。
本来ならば求愛がどうのこうので男に渡すはずだが、本末転倒と化しているのが現状らしい。
そりゃそうだろう。この食糧難の町では当然のことであり、女性は甘いものに目がないのだから。

漁師さんチーッス

アルミン「因みに先輩は、去年貰えたんですか?」

オルオ「あっ、当たり前だろ!?めちゃくちゃ美味かったぜ!!」

オルオ「じゃあな!!お前らも男を磨いてせいぜい頑張るこった!!」

アルミン(…貰えなかったんだろうな。この人)


ライナー「…どうする?」

アルミン「いや、どうするも何も…ミカサはエレンにあげるだろうし、僕は無理だろうなぁ」

ライナー「クッソ…食いたかった!!」

アルミン「諦めるの早すぎでしょ。クリスタから貰えるかもしれないよ?」

ライナー「そこまで親密じゃねぇ……いや、頑張ったら貰えるか…?」

アルミン(あと三日じゃどうしようもないと思うけど)


ライナー「ま…考えるしかないか」

ライナー「―――――ってことがな、あるらしい」

アニ「へぇ……そりゃどうも」

ライナー「………」

アニ「…食べたいの?」

ライナー「食べたい」

アニ「………」

ライナー「…やっぱりいい。どうせお前はエレンに渡すんだろうからな」


アニ「いや、少しくらいはあげるよ。半分くらいだけど」

ライナー「いいのか!?」

アニ「事前に情報をくれた礼さ。ベルトルトと分けて食べなよ」

ライナー「やった!!やったぁー!!」

ライナー「おいベルトルト!!チョコが食えるぞ!!」

ベルトルト「うわっ!?なんの話……?」


アニ(十中八九はあの女が邪魔しに来るだろうから…対策考えなきゃだね)

あ、一応コレの続きって感じで
http://unkar.org/r/news4vip/1366033470

アルミン「―――――ってことがね、あるみたいだよ」

ミカサ「…!!」

これには流石のミカサも驚いた。
プレゼントを渡すことを機に好意を伝えるイベント…これを考案した人物はよほどの策士だったのだろう。
もしかするとアルミン以上に頭が回る天才だったのかもしれない。とさえ思えた。


アルミン「それで、その……ミカサはエレンに渡すんだろうけど…」

アルミン「出来れば僕も少し食べたいなぁー……って…」

ミカサ「もちろん、アルミンにもあげる」

アルミン「えっ!?いいの!?」

ミカサ「事前に教えてくれたお礼。一欠片くらいだけど」

アルミン「…あぁ、それでも嬉しいよ」

渡すチョコが愛の形というのなら、それはエレンに沢山渡すべきだとの結論が出ていた。


ミカサ(けれど、これは…)

バレンタイン・ディ当日は修羅場になるだろう……エレンに言い寄る女がどれほどいるのか、考えるだけでもおぞましいらしい。
当日はエレンを絶対死守し、言い寄る女狐共を根絶やしにすることを、ミカサは今ここに決意する。

ペトラ「はいどうぞー」

サシャ「チョコっ!!チョコォォオオ!!!」

ペトラ「はい、じゃあアナタで最後ね」

ミカサ「………」コクッ

ペトラ(私は…リヴァイ兵長に半分、自分で半分たべよう)


ユミル「な、なぁ…クリスタ」

クリスタ「なぁに?」

ユミル「…やるよ」

クリスタ「えっ?でもユミルの分がなくなっちゃうよ!?」

ユミル「いや気にすんなって!!お前が食べてくれりゃ嬉しいからよ!!」

クリスタ「えぇ……じゃあ、はいコレ。私の分をあげる」

ユミル「えっ?いいの!?貰っちゃっていいの!?」

クリスタ「うん。これでどっちも損しないでしょ?早くたべよ?」

ユミル(よっしゃ!!作戦成功ぉおおー!!相思相愛だぜひゃっはー!!!!)

コニー「今日はそういう日だったのか…俺も食べたかった」

マルコ「い、いや…まだ貰えるかも…!!」

ジャン「当たり前だろ!!俺は絶対にミカサから貰うぜ!!」

コニー「エレンの傍から離れる気配が一向に無いけどな」

ジャン「うるせぇよ!!」

コニー「ところでアイツ…何やってるんだ?」


サシャ「………」ブツブツ


クリスタ「あ…なんか、そのまま食べるよりも牛乳に溶かして飲んだほうが沢山食べた気になるかもしれないって悩んでるみたい」

コニー「馬鹿だなアイツ」
 

ベルトルト「中々エレンから離れないね…ミカサ」

ライナー「こりゃ難しいかもしれないな…どうする?」

アニ「どうもしないさ。ほら、アンタらの取り分。食べてなよ」

ライナー「だってよ!!食べようぜベルトルト!!」

ベルトルト「ああ!!」

半分に割った板状のチョコレートを、二人は美味しそうに食べている。
そんな二人見ていると、昔、お父さんがくれたチョコレートを嬉しそうに食べていただろう自分を思い出した。


アニ(まぁ…少しくらいなら食べてもいいか)

好意を伝える手段とは言え、エレンに残り半分全てを渡すのは勿体ない。

アニ(うん…美味しい…)

というか、仲間として好きといった程度なのだから、四分の一くらい渡せばいいだろう。

アニ(甘い…)

アニ「………」モグモグ

アニ「…あ…」

全部食べてしまった。

エレン「なんでそんな気ぃ立ててんだよ?ミカサ?」

ミカサ「………」

今日は一日中エレンの傍から離れないで居たミカサ。
しかし、誰もエレンにチョコを渡そうとする者はいなかった。
アニという女狐は必ずや来るだろうと予測していたが……杞憂だったのかもしれない。


ミカサ(考え過ぎだったのかな…?)

ミカサ(…それより、何と言ってチョコを渡そう…)

未だにテーブルの上にチョコを放置したまま、告白の内容は何も考えていなかった。


ミカサ(結婚してください、とか……いや、もう家族だし結婚は意味が無い)

ミカサ(この戦いが終わったら子供が欲しいです……ダメだ。もしかするとエレンが発情して再来月には妊娠してしまう)

ミカサ(そうなったらエレンを守れなくなっちゃうし…何と言えば……)


ミカサ(籍を入れましょう……うん。これがいい)

ベルトルト「アニ…なんで全部食べちゃったの…」

アニ「……何も、言わないで」

自分の馬鹿さ加減に失望した。ここまで馬鹿だとは……辟易する。
所詮は甘いものが好きな、ただの女の子であると痛感させられた。


ライナー「アニ!!」

アニ「ん?」

ライナー「これ渡して来い!!」

アニ「…!!」

流石はみんなのアニキ。こんなこともあろうかと、チョコを残しておいたのだ。
ただしそれは食べかけなので、欠片ほどしか残っていないが。

ベルト「ライナー…そんな欠片を渡しても…」

アニ「…借り、作っちゃったね」

ベルト「!?」

アニ「これ、渡してくるよ」

ライナー「よし、気持ちを伝えてこい!!」

ライナー「…つってもミカサが邪魔だからな…俺が隙を作ってくる」

ルト

ライナー「なぁ、ミカサちょっといいか?」

ミカサ「………」ブツブツ

ミカサ(いや…籍といっても結局は法律上の関係になるだけだし、これじゃダメ)

ミカサ(形はもうどうでもいいから、私だけを見てくれるように……)

自分の世界に入り込んでいるのか、中々戻ってきそうにもない。
これなら今のうちにアニを接触させればいいような気がする。


エレン「あ、ライナー」

ライナー「ん?」

エレン「チョコ食う?」モグモグ

ライナー「え!?いいのか!?」

エレン「なんか知らないけどミカサがチョコ持ってるからさ。俺とミカサとアルミンとお前で四等分な」パキッ

ライナー「おぉ!!嬉しいぜ!!」

ミカサ(よし、私だけを見てください。好きです……にしよう)

ミカサ「…ん?」


エレン「こりゃ美味ぇな!!」 モグモグ

ライナー「あぁ…人に優しくしたら良いことが起きるもんだな」モグモグ


ミカサ「………」

ライナー「…あ」

それは、人殺しの目だった。


ライナー「ひっ…!!」

“ズドンッ!!”


ライナー「ぉ…ごォ…!?が……!!」ビクンビクンッ

超強烈なミカサの拳は、到底人を殴ったとは思えないような音を鳴らす。
腹部をアッパー気味に抉られたライナーは天井に激突した後、床に叩きつけられていた。

ライナー「かッ…ぁ!……!!」

エレン「おい!?しっかりしろライナー!!」

いくら巨人とはいえ、今の打撃は冗談抜きでヤバかった。
下手したら心臓が破裂するんじゃないかと思うくらいに強烈だった。


エレン「何すんだよミカサ!!」

ミカサ「どいてエレン!!そいつ殺す!!絶対に殺す!!」

エレン「なんだよ!?チョコならまだお前の分残してるじゃねぇか!!」

ミカサ「…!?」

ミカサ(まさかエレンはバレンタインのことを知らないで…チョコを口にしたの!?)


ミカサ「………っ」

エレン「み、ミカサ?」

ミカサ「ぅう……うぁぁああん!!!」ダダッ

エレン「ミカサ!?おい!?」

何故ミカサが泣きながら逃げたのか……エレンには全くをもって理解不能であった。

エレン「ミカサ…」

ジャン「おい!!エレン!!」

エレン「…っ…わかってる。俺が間違ってた」

エレン「ミカサを泣かせちまうなんて…!!」

ジャン「誤って責任取れるとでも思ってんのかテメェ!!」

エレン「思ってるわけねぇだろ!!」

ジャン「じゃあどうすんだ!?言ってみろよ!!」

エレン「…チョコを、沢山作るんだ」

ジャン「…は?」

エレン「アイツがあんなにチョコ好きなんて…知らなかったから」

エレン「だから!!ミカサに沢山のチョコを作ってやるんだ!!」

完全に間違っている。ここまで馬鹿だと誰も突っ込めない。
ミカサを愛して止まないジャンでさえ、呆れて何も言えなかった。

アニ「ふーん…アンタ、チョコの作り方知ってるんだ」

エレン「あ…それは…」

アニ「材料はどうするの?」

エレン「……っ」

エレン「アニは、知ってるのか…作り方」

アニ「まぁ、一応」

エレン「…頼む。俺に力を」

アニ「いいよ」

エレン「本当にいいのか!?」

アニ「まぁ条件こそあるけど…全面的に協力するよ」


ジャン「俺も手伝うぜ!!」

エレン「お前…」

ジャン「お前一人じゃロクなチョコ作れねぇだろ!!ミカサが満足するチョコってモンを教えてやるよ!!」

エレン「…みんな、ありがとう」

こうして、食糧難の時代に無謀とも思えるチョコ造りが始まった。

アニ「じゃあ先ず、材料をどうにかしよう」

ジャン「それもそうだな」

アニ「牛乳とバターは食料庫から拝借するとして…鍵はどうしたもんか」

サシャ「あ、私持ってますよ」

エレン「!?」

アニ「…アンタ、それどうやって」

サシャ「えー…鍵自体を盗むわけにいかないですからね。ステンレスを削って複製しました」

ジャン(頭おかしいんじゃねぇかコイツ…)

アニ「そう。それなら牛乳とバターを頼むよ」

サシャ「そのかわり、私にも食べさせてくださいね」

エレン「まぁ…いいけど」

サシャ「っし!!」

アニ「問題なのは、原料のカカオ豆を手に入れることだね。それと砂糖」

エレン「あ、カカオ豆って聞いたことあるな」

ジャン「市場まで出れば売ってあるんじゃねぇか?」

アニ「とは思うけど…この町じゃカカオも砂糖も些か高値だよ」

ジャン「じゃあどうすんだよ…」

アニ「そこは私に考えがある。ジャンは明後日までに一室を調理出来る環境に整えて置いてほしい」

ジャン「わかった…材料はアニに任せるぞ」

アニ「ああ。そじゃエレンは私と材料調達に付き合ってもらうよ」

エレン「俺が当事者だからな…頑張るよ」

―その日の夜―

エレン「…ここって、まさか」

アニ「まさかも何も、商会さ」

エレン「こんな時間に商会が空いてるわけ…」

アニ「ないよね」

エレン「だからパーカーで顔隠してるのか。アニ」

アニ「ほら、ハンカチあげるから、これでアンタも顔隠しておきな」

エレン「どーも」シュルッ


エレン「で、この倉庫…どっから侵入すr」

“パリィンッ!!”

アニ「硝子を割れば鍵を空けるくらい容易さ」

エレン「馬鹿かお前!?今の音で人来るぞ!?」

アニ「わかってる。だからアンタが手早く砂糖とカカオを盗んできて」

アニ「私は見張りしてるから」

エレン「マジかお前…あぁもう!!」ダッ

アニ「30秒で盗んできな」



商会のオッサン「おい!!貴様何やってる!?」

アニ「…アンタ、一人?」

オッサン「女かお前…?」

アニ「女一人が相手なんだから、醜く太ったアンタでも勝てるんじゃないの?」

オッサン「っ…馬鹿が!!俺が叫べば警備がわんさか来るぞ!!」

アニ「………」

アニ「死人が、どうやって喋るの?」

エレン「おーい、終わったぞ!!」

エレン「……って…誰、これ?」


オッサン「」


アニ「さっさと逃げよう」

エレン「おい……アニ、まさか殺して」

アニ「ないよ。多分だけど」

エレン「…うん。殺してないならいいんだ」

アニ(まぁ殺してない確証はないけどね)


アニ「人が集まるから、屋根伝いに戻ろう」

エレン「砂糖結構重いのに……立体機動装置持ってくりゃよかった」

アニ「そんなもんなくたって飛べるさ…捕まりな」

アニの手助けを受けつつ、屋根を飛び跳ねながらやっとのことで兵舎へ帰宅。
次の日、商会の太ったオッサンが全治半年の大怪我を負ったとの噂を聞いたが、知らないフリをした。

―調理開始―

ジャン「いやーしかし、結構な量出来そうじゃねぇか?」ゴリゴリ

サシャ「ですね!!」

アニ「喋ってないで手を動かしなよ。豆を細かくすることで滑らかな舌触りになるらしいからさ」

ジャン「お前も手伝えよ…」

ジャン「…つーか、エレンのヤツは何やってんだ?俺と同じ作業してるみたいだが」


エレン「………」ゴリゴリ


アニ「気にしなくていいよ。テンパリングあたりからコッチの作業も手伝わせるから」

ジャン「まぁ…それならいいけど」

サシャ「ん〜…苦っ!?」ペロッ

ジャン「当たり前だろ。カカオなんだから」

エレン「疲れるな…ジャン、交替してくれ」

ジャン「アニ、この作業は本当に必要なのか?」

アニ「不必要な作業なんてないさ。訓練と一緒で練度を高めれば高めるほど美味しくなる…」

アニ「…と、この本に書いてある」

ジャン「そうか。ミカサのためなら我慢するか」

文句を垂れながらも、一同はチョコレート精製に励む。


ジャン(熱っちい……)ポタッ

ジャン(やべ、汗入っちまった……いや…ミカサが食べるからいいか)

アニ「………」

アニ(見てないことにしよう)

アニ「………」コネコネ

ジャン「おー、やっぱ型造りは女が上手いモンだな」

アニ「そうでもないよ。適当に丸めてるだけさ」

ジャン「…適当に作るなよ」


エレン「………」コネコネ


ジャン「で、なんでまたエレンは一人で作業してんだ?」

アニ「気にしなくていいさ」

サシャ「あのー…私も丸めたいんですけど」

ジャン「お前はつまみ食いするからダメだ」
 

―翌日―

エレン「おーい、ミカサ!!」

ミカサ「…エレン」

ミカサ「あ、あの……こないだはいきなり泣いてしまって…」

エレン「…いや、あれは俺が悪かった」

エレン「だからお詫びってわけじゃないけど…ほら、コッチ来いよ!!」

連れられた一室のテーブルには、沢山のチョコレートが用意されていた。

ミカサ「これは…!?」

エレン「俺たちが作ったんだ!!」

ジャン「主に俺が作ったけどな!!」

ミカサ「で、でも材料なんてどうやって…」

エレン「あー…そこらへんはあんまり気にしないでほしいんだけど…」

エレン「サシャやアニが手伝ってくれてさ」

ミカサ(アニが…?)

アニ「………」モグモグ

少し離れた席で、自分の取り分と思われるチョコレートをアニは頬張っていた。


エレン「ほら、沢山食べろよミカサ!!」

ミカサ「うんっ…!!」

サシャ「凄く美味しいですよ!!」

ユミル「おー、こりゃ美味いな!!」

アルミン「本当にこんなものが作れるなんて…みんな凄いよ!!」


エレン「どうだ?ミカサ?」

ミカサ「すごく…美味しい!!」

エレンにバレンタインチョコを渡すことは出来なかったが、逆にエレンからチョコを貰えるなんて…これ以上の幸せはない。
寧ろあの場面で、ライナーがチョコを食べたことに感謝したいほど、ミカサは幸せな気持ちでいっぱいになれた。


ミカサ(あぁ…幸せ…)モグモグ

ライナー「こんなにチョコを食べれるなんて…殴られた甲斐があったってもんだ」

アニ「そう。良かったね」

ライナー「…なぁ。お前がさっきから食べてるチョコだけ、なんか形がいびつじゃないか?」

アニ「ああ、そりゃね」モグモグ

ライナー「それ…食べてみていいか?」

アニ「いっこだけなら」

みんなで作ったチョコはアニが丸めたもの。
形は綺麗に整えられており味も申し分ない。少し塩っぱい隠し味は入っているが。


ライナー「ん…舌触りが荒いな。美味いけど」モグモグ

アニ「だろうね」

それはそうだろう。
とても器用とは言えないエレンが一人で、一から十まで全てを手作りで生成したチョコなのだから。


アニ(まぁ…私はこっちのほうが好きだけどね)

アニ(また作らせよう)モグモグ

終わり

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