モバP「早苗さんがタイホしてくれなくなった」(86)

P「……おかしい」

ちひろ「何がおかしいんです?」

P「最近、千枝や薫達と触れ合っても、出て来ないんです」

ちひろ「出て来ない?」

P「早苗さんですよ、早苗さん!」



ちひろ「(またこの人は何を言い出すんだろう)」

P「例えばですね、こう」ガバッ

ちひろ「キャッ!?」

P「ほら!こんな風に身体をベタベタ触っても……」ベタベタ

ちひろ「あ、あんまり触るとモバコイン請求しますよっ」

P「サンタや水着衣装の時はタダだったじゃないですか」

ちひろ「それとこれとは別です!」



P「……ね?出て来ないんです」

ちひろ「(まず出てくるような事をしないでほしいんですけど)」

早苗「おっはよー、プロデューサー君」



P「ほらぁ!こんな風に普通に現れちゃってるんですよ!」

ちひろ「(普通に現れたらダメなアイドルって……)」

P「これはもう、かなりの異常事態と見て間違いありません」

P「一体どうして……!」

ちひろ「本人に聞けばいいじゃないですか、そんなの」

P「……それもそうですね」

早苗「――あたしがプロデューサー君をタイホしなくなった理由?」

P「何故なんですか!」



早苗「だって、それってアイドルがするようなことじゃないでしょ?」



P「……なん、だと……!?」

ちひろ「いや、至極まっとうな理由ですよね」

早苗「折角警察辞めてアイドルになったのに……」

早苗「やってる事が結局、前と同じじゃないかって。ふと思っちゃって」

P「ぐぬぬ……」

早苗「そりゃあ、仕事でそういうキャラをやれって言われたらしますけど」

早苗「……プロデューサー君相手にするのも、ねぇ?」

P「さ、早苗さんが俺をタイホしてくれなくなったら……」

P「この事務所の治安は!低年齢アイドルの平和は!一体誰が守ってくれるんです!?」

ちひろ「早苗さん一人に色々背負わせ過ぎだと思います」

早苗「それについても、ちょっと思うところがあってね~」

P「思うところ?」

早苗「……ぶっちゃけ、ただのお節介じゃない?」

P「そんな事はありませんよ!全然!」

ちひろ「プロデューサーさんじゃなくて、助けられる子達の方ですよ」

P「何ですって!?」

ちひろ「(むしろ何で自分の方だと確信できるかな)」

P「あいつらが早苗さんに文句でも言ったんですか!?」

早苗「ううん、それは無いけど……」

早苗「でもプロデューサー君ってさ、いつも彼女達と仲良さそうじゃない?」

ちひろ「まぁ、基本は大体そうですね」

早苗「あの子達の気持ちを考えたら、あたしはお邪魔虫かな~って」

P「そ、そんな事はありませんよっ!!」

早苗「そう?」

P「えぇ、これっぽっちもありません!本気で助けてほしいと思ってるはずです!!」

ちひろ「(それはそれでまた問題なんですけど)」

早苗「でもまぁ、シメるのはもうやめる事にしたから」

P「……い、今、なんと?」

早苗「シメるのは、もうやめる事にしたの」

P「な、何でっ!?」

早苗「暴力を振るうアイドルって、世間からしたら……ちょっと、どうなのかなって思ったのよね」

P「何を言ってるんです、暴力なんかじゃありませんよ!」

P「あれは私刑、制裁、体罰とも言い難い……むしろご褒美なんです!」

ちひろ「(駄目だこいつ……早く何とかしないと……)」

早苗「でもさ、それってプロデューサー君の感じ方でしょ?」

早苗「皆が皆、そう解釈してくれる訳ないだろうしねー」

P「ぐぬぬ……」

ちひろ「と言うかプロデューサーさんの性癖、かなりマイノリティな部類だと思いますよ」

P「み、皆が分かってくれなくても、俺は分かってますから!」

P「それで良いじゃないですかっ!!」バンッ

早苗「プロデューサー君……」

ちひろ「(いや、全然良くないですから)」

早苗「プロデューサー君には悪いけど、やっぱりあたし……」

P「早苗さん……」

早苗「折角アイドルになったんだから、もっとアイドルらしくしてみたいの」

P「……分かりました」

早苗「えっ……いいの?ホントに」

P「早苗さんの意向を無視してまで、俺も意固地にはなれませんよ」



P「……思う存分……普通の、女の子をっ……満喫してくださいっ……!」プルプル

ちひろ「(そんな一昔前のアイドルが引退する時みたいな言い回しを……)」

~翌日~

P「――と、言う訳で!」

P「ポスト早苗さんとなるアイドルを、新たに探そうと思います!」

ちひろ「……つまり、何をするんです?」

P「まずここに仁奈がいます」

ちひろ「はい……えっ?」

仁奈「今日はオフなのですよ」

ちひろ「……何故に仁奈ちゃんが?」

P「最初にですね、俺が仁奈にこう、ガバァーっと抱きつきます」

ちひろ「はぁ」

P「次に候補のアイドルが登場、タイホして俺をシメます」

ちひろ「シメるんですか」

P「この二段階をもってアイドルを評価し、早苗さんの後継者を決定したいと思います」



ちひろ「(……何が何だか分からない……)」

P「ちひろさんにはテストの始めの合図をお願いしたいんですが」

ちひろ「それは構いませんけど……」

P「それでは、お願いします」

ちひろ「はぁ……ではテスト一回目、スタート」

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「ギャー!近寄るなですー!」

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」

ちひろ「(本当にテストなのこれ?)」

拓海「おうおうおう、何してやがんだテメェは!」ガシッ

P「な、何をするだぁー!」

拓海「覚悟しやがれ!シメっぞコラァ!」

ちひろ「(本格的だなぁ)」



P「……あー、ちょっとやめやめ」

拓海「あん?」

ちひろ「はい?」

http://i.imgur.com/hLAggfB.jpg
http://i.imgur.com/jMChNwP.jpg
片桐早苗(28)

http://i.imgur.com/uL8O9aH.jpg
http://i.imgur.com/9f56mH0.jpg
市原仁奈(9)

http://i.imgur.com/POZpQA3.jpg
http://i.imgur.com/cUG4wOX.jpg
向井拓海(18)

P「なんか違う。コレジャナイ」

拓海「はぁ?」

P「これじゃただ痛いだけだ。それはシメるとは言わない」

拓海「じゃあ、どんなのを期待してたんだよ」

P「まず両腕で、俺の顔を胸元にロックする!」

P「そしてその豊満なおっぱいに、顔を埋める!ハイ俺窒息!昇天!」

P「……これしかないだろう!?」



拓海「……なぁ、何言ってんだ?プロデューサーの奴」ヒソヒソ

ちひろ「さぁ……あんまり気にしない方がいいと思いますよ」ヒソヒソ

ちひろ「テスト二回目、スタート」

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「ギャー!近寄るなですー!」

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」






智絵里「あの……や、やめて……くださいっ!」ブルブル

ちひろ「(ミスキャストでしょこれ)」

このPよくクビにならないな

智絵里「に、仁奈ちゃんを……離して、ください!で、でないと……」ギュッ

P「離さなかったら、どうするんだ?ん?」

智絵里「し、シメちゃいます!……えいっ」


キュッ


P「ぐぇっ」

智絵里「プロデューサーの、こんな姿……見たくない、見たくないっ……!」キュウウウウウ

P「か……はっ……い、きが……!」バタバタ

ちひろ「(……止めた方がいいんですかね?)」

P「ゲホッゲホッ……ち、智絵里……」

智絵里「だ、大丈夫ですか、プロデューサー!?」

P「あ、あぁ……加減さえ間違わなければ、イケるかもな!」

ちひろ「えっ」

P「虚ろな目で見つめられ、智絵里のか細い手に首を絞められるこの感触……」

P「なかなか良かったぞ。これは、新しいエクスタシーだ!」キリッ

智絵里「えへへ……ほ、褒められちゃいました……」

ちひろ「(プロデューサーさんの事が良く分からなくなってきました)」

ちひろ「テスト三回目、スタート」

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「ギャー、近寄るなですー」

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」



晶葉「そこの性犯罪者~。その子を今すぐ離しなさ~い」

P「やなこった!」

晶葉「では仕方がない。早苗ロボ28号、状況を開始せよ……ポチっとな」ポチッ

早苗ロボ28号「She・May・Roux♪」ウィーン


ガシャコン ガシャコン プシュー ギギギギギギギ


P「ぬわぁぁぁぁぁぁっ!!」グキグキグキ

ちひろ「外見はともかく、動きは早苗さんそっくりですね」

晶葉「当然だ。あのロボは片桐早苗の挙動を寸分の違いなくトレースしているからな」

晶葉「では評価試験の結果を聞かせてもらおうか、プロデューサー」

P「うーん、不合格」

晶葉「何?」

P「確かにあれは良く出来た早苗さんだ。だが一つ、致命的に足りない部分がある!」

晶葉「足りない部分、だと……?」

P「まだ分からんか……」



P「心じゃよっ」ビシッ

ちひろ「(……見た目はいいんですか?)」

ちひろ「テスト四回目、スタート」

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「ギャー、近寄るなですー」

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」



ヴィィィィィィン

ドドドドドド……

P「!?」

小梅「ね、ねぇ、プロデューサーさん……し、し、知ってる?」ドドドドド

P「……な、何を?」

小梅「じゅ、13日の金曜日に、で、出てくるジェイソンって……」

P「え、あの、ちょっと……」

小梅「チェーンソー……つ、使ったこと、ないんですよ……?」ヴィィィィン



P「や、や……やめっ………やめなさいっ!!」

ちひろ「……杉下右京?」

小梅「ど、どうして……?」ドドドドドド

P「小梅、君は根本的な間違いを犯している!」

小梅「えっ……」

P「その『シメる』だと、俺の人生の幕をシメてしまう!」

小梅「ほ、ホッケーマスクも……用意、したのに……」ガシャン

P「……分かってくれ、小梅」

小梅「………」ションボリ

ちひろ「(切り刻まれても復活しそうですけどね。ジェイソンみたいに)」

ちひろ「テスト五回目、スタート」

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「ギャー」

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」



浅野風香は、発起した。

必ず、かの邪智暴虐のプロデューサーを止めねばならぬと決意した。

浅野風香は、止め方が分からぬ。

浅野風香は、一介のアイドルである。歌を歌い、レッスンを受けつつ過ごしてきた。

けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感――



P「ストップ」

風香「えっ?」

P「プロローグだけでどんだけ時間かかりそうなんだ、それ」

風香「えぇっと、あと800字ほど……」

ちひろ「そんなにあるの!?」

P「長すぎるのはなぁ、ちょっと」

風香「そ、そうなんですか……?」

P「風香はこのやりとり、毎日やれると思うか?」

風香「毎日!?それはちょっと……」

P「……どう考えたって日が暮れちまうよな」

風香「あぅぅ……で、出直して来ますっ!」ピューッ

ちひろ「(と言うか毎日やるつもりなんですか、前半の流れ)」

ちひろ「テスト六回目、スタート」

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「ギャー」

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」



紗南「こらー!仁奈ちゃんから離れなさーい!」

P「やなこった!」

アナウンサーはだいたい1分間に390~470文字で話すそうだから
800字くらいならまだましかも

紗南「あたしのターン!ドローッ!」スッ


チャーン チャチャチャー チャチャチャーン


P「何っ……!?」

ちひろ「あっ、BGMが変わった」

紗南「来たっ!……勝利の鍵!!」

紗南「いきなり行くよ、あたしの秘奥義!その身に刻め~!」

紗南「いでよ、伝説のアイドル達!……究極奥義!アイドルマスター(仮)!!」ペカー

??「うーっ!わっほい!」ドンガラッ

???「はいたーっち!いぇい!」バシ-ン

??「穴掘って埋まってますぅ!!」ザクザク

?「やーりぃ!」ボコォ

??「この変態!ド変態!Da変態!変態大人!!」ゲシゲシ

?「ナンクゥ……ナイザァーッ!」ドギャァァァン



紗南「どこからともなく現れた6人の謎のアイドルが、プロデューサーさんをフルボッコだよ!」

ちひろ「本当にどこからともなく現れましたね……」

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http://i.imgur.com/Apj75e0.jpg
緒方智絵里(16)

http://i.imgur.com/mMBfNdV.jpg
http://i.imgur.com/XMydWF2.jpg
池袋晶葉(14)

http://i.imgur.com/0xPJf8Y.jpg
http://i.imgur.com/X1BVtx9.jpg
白坂小梅(13)

http://i.imgur.com/amyaWVR.jpg
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浅野風香(16)

http://i.imgur.com/CDDfWqS.jpg
http://i.imgur.com/E3SFMDJ.jpg
三好紗南(14)

紗南「そしてどこへともなく去っていく!ありがとう、謎のアイドル達!」

紗南「……で、実はこれまだ体験版なんだよね」

ちひろ「体験版?」

紗南「製品版だと13人の伝説のアイドル全員が揃う、とっても豪華な」

P「却下」

紗南「えぇっ!?」

P「あの6人だって暇じゃないんだぞ!」

ちひろ「(……こうして駆り出されてる私達は暇だと?)」

ナイツオブラウンドかwww

ちひろ「テスト七回目、スタート」

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「………」カチッ

『ギャー!近寄るなですー!』

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」



凛「……最低」

P「」グサッ

http://i.imgur.com/TGioZGZ.jpg
http://i.imgur.com/xrHPtoS.jpg
渋谷凛(15)

P「り、凛……!?」

凛「プロデューサーの事、信じてたのに……」

凛「こんな小さな子にまで、手を出すなんて」

P「い、いや、これには訳が」

凛「言い訳なんて聞きたくない」

P「ぐぅ……!」

凛「このロリコン。ペド野郎」

P「ぐふぁっ!」ドテッ

凛「変態」

P「うおぁあっ!」バタバタ

凛「どうだった?」

P「心が……心がキリキリ、シメられる……!」

P「凛の言葉に、我が身が押し潰されそうだ……!」

凛「……ふーん。案外チョロいんだね」ジトー

P「あぁっ!そ、そんな蔑んだ目でっ……!」ゾクゾク

P「言葉攻めとこのセットは……いや、俺がいつまで耐えられるか……」

P「しかし……ぐぅぅ……な、悩むぅ……!」

ちひろ「(喜んでんだか苦しんでんだか、わけが分からないよ)」

ちひろ「で、大体終わりましたけど……決まりました?」

P「……うーん、駄目ですねー」

ちひろ「はい?」

P「やっぱり、シメの部分がですね。どれも皆、ちょっと納得できませんでした」ハハハ



ちひろ「………」

P「あれ?どうしました、ちひろさん?」

ちひろ「こんだけ時間割かせておいて、挙句納得できませんでした?」

P「え、えぇ」

ちひろ「……こっちが納得できるかぁぁぁぁぁぁ!!」ガシッ

P「!?こ、これは腕挫十字がt」


メキメキメキメキメキメキ


P「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」バタバタ

ちひろ「時間を返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

仁奈「……帰って羊の気持ちになるです。ふわぁ~……」

~翌日~

P「仁奈ーっ!!」ガバッ

仁奈「ギャー!ち、近寄るなですー!」

P「仁奈ー!仁奈ぁーっ!」モフモフ

ちひろ「……プロデューサーさん」

P「げぇっ!ちひろさん!」



ちひろ「(こうして一時のテンションに身を任せてしまった結果……)」

ちひろ「(私はポスト早苗さんに決定されてしまった。プロデューサーさんによって)」

メキメキメキ

P「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!」

ちひろ「あれほど手を出したら駄目だと言ったじゃないですか」

P「こ、これは、身体が勝手にですね……」

ちひろ「問答、無用!」メキメキメキ

P「あおぉぉぉぉぉぉぉ!!」


―――――

―――

P「――しかし、早苗さんの後継者がこんな身近にいるなんて気が付きませんでしたよ」

ちひろ「(あんなに懲らしめたはずなのに、ケロッとしてるのが本当に不思議でならない)」

P「まぁ、これでしばらくは安泰……」



まゆ「プロデューサーさん、ちょっといいですかぁ?」

P「ん?どうしたんだい、まゆ」

まゆ「まゆ、プロデューサーさんを監禁するの……もうやめようって、思ってるんですよぉ」

P「何だって!?」

ちひろ「………」ガタッ

どうしたまゆ。具合でも悪いのか

P「ま、待ってくださいよちひろさん!」

ちひろ「絶対イヤです!」

P「まだ何もしてませんよ!?」

ちひろ「もうやること分かってますから!展開的に!」

P「素質があるかもしれないじゃないですか!」

ちひろ「そ、そんなのありません!!」

P「一回だけ、一回だけでいいですから!病みつきになりますって!ヤンデレだけに!」

ちひろ「(もうやだこのプロデューサーさん)」



おわり




??「ボクはカワイイですからプロデューサーさんをシメるのなんて朝飯前ですよ」
                     ↓
??「ひっ、ひいっ! いくらボクがカワイイからってこんなことを……ふぇ……ぐすっ」

こういうの書いてもいいんですよ



P「まゆ、監禁するのに睡眠薬は使うなって言ってるだろ。オーバードーズになったどうるすんだ」

まゆ「うふ、ごめんなさい」

二人はこんな感じか

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