苗木「ダイイングメッセージだけで裁判を乗り切る」(157)

 MorningTime 苗木の部屋


苗木「はぁ……」

苗木「昨日の裁判の疲れかな なかなか起き上がれないや……」

苗木「それにしても、ダイイングメッセージか……」

苗木「決め手とまでは言わないけど、解決の足がかりになったの確かだよね」

苗木「もし次があったら、意識して探してみるのも悪くないかも」

苗木「……いや、何を考えてるんだボクは あんなこと、二度と無いに越したことは無いじゃないか」

苗木「……ふぅ、行こう みんな待ってるよね」

シャイニングメッセージ?

 MorningTime 一階廊下


不二咲「あぅ」

苗木「……あれ いま不二咲さんの声が聞こえたような」

不二咲「イタっ」

苗木「今度は足に感触が……って不二咲さん!?」

苗木「踏みつけてゴメンね! 大丈夫?」

不二咲「だ、大丈夫 こっちこそゴメンね」

苗木「う、うん――それよりさ 何でこんな所に寝転んでたの? もしかして貧血で倒れてたとか――」

不二咲「ち、ちがうよぉ でもありがとう――じゃあボク、先に食堂に行ってるね」

>>5光らせてどーすんだよ!

苗木「……なんだか落ち着かない様子だったな 不二咲さん」

苗木「少し心配だけど、ボクも食堂へ急ごう」


 MorningTime 食堂


石丸「おはよう苗木クン! 今朝は君が最後だぞ!」

苗木「お、おはよう――ゴメン、ちょっと疲れてたみたいで……」

石丸「疲労のコントロールはストレス社会で生きる全員に当てはまる課題だ!
   将来苦労しないように、生活リズムを秒単位で保とうではないか!」

朝日奈「き、気疲れがスゴそうなんだけどソレ」

大神「昨日の今日だ 仕方あるまい」

不二咲「うん……つい昨日のこと、なんだよね……」

霧切「……」

セレス「……あら、アナタ 背中に汚れがついてましてよ? 足跡、のように見えますけれど」

不二咲「えっ! あっ、さっきの――」

セレス「山田クン、はらいて差し上げて」

山田「ミルクティーの仕込みを終えてすぐにこの仕打ちぃ!? 悔しいでも感じてしまいますなぁ」

山田「あ、でも 不二咲千尋タンの背中を撫で回せるなら、これはむしろご褒美では――」

セレス「誰が“撫で回せ”っつったよこの豚がァあ!」

山田「ひぃいいいいい! すんまそーんっ!」

不二咲「だ、大丈夫だから 自分でやれるよぉ!」

大和田「よぉ苗木 お前も背中になんか付いてんぞ」

苗木「え? ホント?」

葉隠「なんか二スというか接着剤みたいな光沢がこびりついてるべ」

モノクマ「あっ、ソレはね」

葉隠「で、出たぁ!?」

モノクマ「あっ、ソレはね」

山田「あのー、二度言っていいのは大事な事だけなのですが 我々の界隈的に考えて」

モノクマ「あっ、ソレはね」

腐川「は、早く続きを言いなさいよっ」

モノクマ「あっ、ソレはね」

腐川「……」

モノクマさん安定のウザさ

霧切「埒があかないわ」

苗木「えっ……き、霧切さん!?」

霧切「ペロッ……この味はワックスね 整髪料ではないほうの」

石丸「い、異性の服を舐めるなんて、不純異性交遊だぞ霧切くん!」

朝日奈「そんな特殊な交遊ないって……」

モノクマ「ハイ大正解っ! ソレはね、大和田くんのパンチで吹っ飛んだ苗木くんが
     背中をスらせた時の摩擦でついた、体育館の床ワックスなのでした!」

モノクマ「いやぁ、みんなを迎える体育館を汚いままにしておけないと思ってさ
    直前まで清掃してたのよね」

モノクマ「ぜんぶ乾かしたつもりが、わずかに残った部分に見事ダイブするなんて
     つくづく苗木クンは不運な子よね うぷぷふ」

大和田「マジかよ……悪かったな苗木、服を悪くしちまって」

葉隠「謝るところが変だべ」

朝日奈「タイミングもね」

苗木「ううん、気にしてないよ 指で削れば取れそうだし」

セレス「楽観的ですこと ワタクシが苗木君の立場なら気が気でありませんわ」

大和田「俺もこの長ランは大事だからよ……ったく、借りが出来ちまったな」

大和田「何かして欲しいことが有れば言ってくれよ 俺に出来ることでよけりゃあよ」

苗木「う、うん 気が向いたらお願いするよ」

不二咲「いいなぁ……」

 それから数日は比較的、ゆるやかな時間が過ぎていったと思う 

 口喧嘩は日常茶飯事で、嬉しいことも泣きたいことも沢山あるけど、いまだ僕たちは平然を保っていられてる

 それが、死んでいった2人に報いるための精一杯の強がりだとしても、ボクは無駄だなんて思えない

 それにしても最近、大和田くんがボクと会う度に借りを返しだかる

 断りつづけるのも難しくなってきたし、そろそろ何か考えなきゃ――そんな事を考えながら眠りについた

 その、次の日の事だ――

Daytime 女子更衣室


苗木「ふ、不二咲さん……!」


十神「あまり騒ぐn 葉隠「苗木っち! 待ってたべ!」

十神「……オイ きs 大神「くっ……幾度このような事を続けなければいかんのだ……」

十神「ふざk 霧切「起こってしまったものは仕方ないわ」

十神「……」

霧切「捜査を始めましょう」

苗木「そんなっ……」

強制シャットダウンさんが何したって言うんだ!

――捜査開始!


苗木「……いつまでも目をそらしてちゃ駄目だ よし、やるぞ……」

苗木「凶器はこのダンベル、だよね ダイイングメッセージは書かれてないみたいだ」

苗木「カーペットにもメッセージはない」

苗木「このポスターの裏や床そのものにも――ないか
   いや、カーペットが敷かれてた床にならメッセージが隠されてるかも 探してみよう」

苗木(そうだ、霧切さんの意見も聞きたいな――前回あったダイイングメッセージの提示をすすめてくれたのは
   そもそも霧切さんだったし)

霧切(あ……四つん這いになった苗木くんのシャツの裾がめくれて……
   パ、パンツの色は青と白のシマシマ模様 腰回りには可愛らしい産毛が生え揃っていて、それからそれから――)

苗木(でも真剣な顔でメモに書き込んでるみたいだ うーん……)

霧切(あ、立ち上がっちゃった……(´・ω・`)ショボーン)

苗木(な、なんか落ち込んでる 話しかけづらいなぁ)

苗木「あの、霧切さん ちょっとイイかな」

霧切「なっ、なに? 忙しいから手短にね」

苗木「うん、ダイイングメッセージが見つかってないかなぁ と思ってさ」

霧切「見つかってないわ 今の所はね」

苗木「そっか……」

霧切「……話の途中でガッカリされた、私の身にもなってほしいわね」

苗木「あっ、ゴメン」

霧切「……じゃあね」

苗木「あっ、霧切さん――行っちゃった」

苗木(怒らせちゃったかな……)

霧切(一度部屋に戻って苗木くんデータベースをまとめなきゃ)

霧切「なっ、なに? (視姦で)忙しいから手短にね」

苗木(それからしばらく捜査を続けても、めぼしいメッセージは見つからなかった)

苗木(ど、どうしよう……! メッセージ探しに集中しすぎたから、手持ちのコトダマが一切ないよ!)

苗木(モノクマファイルは誤ってプールに落としてしまったし
   このままじゃ裸一貫で裁判に臨まなくちゃならなくなる!)

モノクマ「学級裁判の時間だよ 集まってね!」

苗木「マズい……早く見つけないと」

苗木「でもメッセージを残してそうな場所は全部さがしちゃったし 残された場所があるとすれば……」

苗木「……ゴクリ」

苗木「ふ、不二咲さん ゴメンっ」

苗木「あああわわわっ、ボクにやっぱり無理だよ! 女性の裸みるのも初めて……ってアレ?」

苗木「つ、ついてる……!? じゃあ、不二咲さんは男性だったのか」

苗木「アレ……? よく見てみると、不二咲さんの先っちょから白い液体が……」

苗木「それに不二咲さんの下着にこびり付いてるのは、まさか――ついに見つけたぞっ」

苗木「これが不二咲さんのダイイングメッセージなんだ!」


【コトダマNo.1】 不二咲千尋のダイイングメッセージ(?)

 パッと見は黒にも見える 寒色に色調された青色のブリーフ
 こびりついた謎の白い液体が、見慣れたトウモロコシを描き出している

 おねしょされた布団を見ると世界地図が描かれていた――たとえカーチャンに叱られ地図は洗われても
 ボクらの胸の中の地図はいつまでも消えなかった そんな少年時代を彷彿とさせるクオリティ

ダンガンSS恒例だけど
次第にカオスになってまいりました

 DayTime エレベーター前


腐川「や、やっと来たわね アンタが一番最後よ」

苗木「待たせてゴメン みんな、行こう――ん?」

霧切(凛々しい顔してる苗木くんも可愛い)

苗木(霧切さんがこっちを睨んでる……さっきのことまだ怒ってるのかな……うう)


 再び始まってしまう――命がけの騙し合い 命がけの裏切り
 命がけの謎解き 命がけ言い訳 命がけの信頼……命がけのメッセージ探し

 命がけの学級裁判――!

 DayTime 裁判所


モノクマ「では最初に、学級裁判のルールから説明し(ry)権利が与えられます!」

十神「まずは凶器n 苗木「みんな、ボクにはもう犯人が分かってしまったんだ」

十神「!?」

山田「か、開始数秒で解決発言とは、これが推理モノならかませフラグですぞぉ?」

霧切「……ひとまず聞いてみましょう なにかしらの手掛かり位ならあるかもしれない」

苗木「まず、犯人は不二咲さん 被害者本人なんだ……!」

噛ませてすらもらえないかませメガネとかwwwww
ただのメガネwwwwww

朝比奈「ど、どういう事!? 不二咲ちゃんは自殺だったってこと!?」

大和田「そんなはずねぇ! アイツは、アイツは俺が――」

苗木「それは違うよ!」

苗木「実際に、ダンベルで不二咲さんを殴ったのは大和田くんだったかもしれない
   だけど、その殴打を依頼したのが不二咲さん自身なら話は違ってくるはずだ」

大神「解せぬ……仮にそうでも、なぜ不二咲は大和田にそのような事を頼んだのだ」

苗木「すべては、不二咲さんのダイイングメッセージに描かれてある」


 [⊃ 【不二咲さんのダイイングメッセージ(?)】


苗木「コレがボクの答えだ!」

葉隠「な、なんか嗅ぎなれたニオイが漂ってるような」

苗木「当然だよ葉隠くん パンツについたこのシミは、不二咲さんの精液」

苗木「これは恐らく、ダンベルに殴られた不二咲さんが、痛みという快感のあまり達した痕跡なんだ!」

山田「あのぉー……そのシミが、事件前についた可能性もあるのでは?」

霧切「貸しなさい その下着を」

霧切「クンカクンカ……このニオイからいって、射精推定時刻は死亡推定時刻と合致している
   つまり、この精液が世に出されたのが事件当時であることは間違いない」

葉隠(……ふぅ)

山田(ふぅ……)

朝比奈「あれ!? なんかさっきよりクサくない!?」

霧切さんゼッタイ苗木に気にいられたくてテキトー言ってるだろwww

苗木「そもそも正規の手段で射精をするなら、男は必ず下着を下ろす
   でも不二咲さんは下着をつけたまま射精した」

苗木「そこには必ず、不正規な手段が存在したハズなんだ そしてその手段こそが
   ダンベルによる殴打であったと考えられるハズだよ」

霧切「不二咲さんにとっても想定外だったのね 射精してしまう事は
   だから下着を脱ぐチャンスを逃した」

霧切「能動性のカケラもない、無意識下のダイイングメッセージ……といったトコロかしら」

大和田「……苗木 もう一つだけ教えてくれ」

苗木「うん」

大和田「不二咲のヤローはなんで、“俺”に殴られたかったんだろうな」

苗木「君じゃなきゃ駄目だったんじゃないかな」

苗木「ボクでも、葉隠くんでも、霧切さんでも……他の誰に出来ない何かが
   大和田くんにはあったんだよ」

朝日奈「食堂で不二咲ちゃ……不二咲くんが言ってた『いいなぁ』ってそう言う事だったんだ……」

大和田「バカ野郎が……だからってダンベルなんか持ち出してきやがって……不二咲ぃ……」

苗木(蹴られるためにボクの部屋の前で寝そべってた時もあったけど、秘密にしておいた方がいいよね!)


――こうして、第2の裁判が終わった

仲間の死が、ボクたちの心に亀裂を走らせているうちは、ボクたちは自分がまだ正常であると認識できる

だからボクは、この痛みがずっと続けばいいのにと思った

正常でいられなかった為に死した、仲間の代わりに生き続けるためにも

 MorningTime 苗木の部屋


苗木「……ふぁあ……よく寝た」

苗木「……昨日の裁判はダイイングメッセージのおかげで早く終わったし
   ダイイングメッセージって、時間を節約する用途もあるんだなあ」 ※ありません

苗木「よし、食堂に行こう」


 MorningTime 食堂


十神「な、苗木っ 朝比奈「苗木おはよう!」

十神「……」

ジェノサイダー翔「おっはよおございまあすゲラゲラゲラ」

苗木「うわぁあ!?」

朝日奈「腐川ちゃんってば何でジェノサイダーになってるのさ!」

霧切「初日以来ね……」

ジェノサイダー翔「まーまーそんな事よりも、今から女性陣の皆々様を
       ざんばらファッションの裸ん坊にしちゃうけどいいわよねっ?
      答えは聞いてなぁーい!」

大神「ぜぁああッ!」

ジェノサイダー翔「熱烈な歓迎ありんすでござんすギャハハハ! でーも当たっとらんぞよぉ?」

大神「浅かったかッ……」

葉隠「うわぁああああ! 朝っぱらから頂上決戦だべぇええ!」

セレス「はぁ……少し遅れて来てみれば、何の騒ぎですの?」

霧切「さしずめ、不二咲さんの一件を省みた身体検査じゃないかしら」

朝日奈「私達まで男だって疑ってるの!? なにそれ! 意味わかんないよ!」

初日からジェノサイダーばれてんのかよww
十神のトリック弱体しすぎだし豚神説ありそうだww

ジェノサイダー翔「あー……ハサミで動脈をザックリいこうとしても、オーガちん相手だと無理っぽいのよね」

ジェノサイダー翔「じゃあ、これならどうかしらぁん!?」

山田「ジェノサイダー翔の攻撃! 天井に952のダメージ! 天井がバラバラに崩れだした――って何でぇえええええ!?
   オーガの肌<<<<<<<越えられない壁<<<<<天井なの!?」

苗木「みんな! 早く食堂から出よう!」

朝比奈「う、うん!」

霧切(今日の苗木クンはカッコ可愛いわ……)

 同刻 一階廊下


大和田「あー、今日のアレなんにすんよ兄弟」

石丸「朝食といったらアレに決まってるだろう!」

大和田「だよな! 納豆に目玉焼きだよな!」

石丸「その通り! 食堂に急ごうではないか兄弟!」



……
………


苗木「ってわけで、今日はもう食堂には入れないんだ……」

大和田・石丸「oh……」

ヤダ…この2人の会話ホモっぽい///

モノクマ「初犯だから見逃すけど、あんま天井とかカチ割るなぁあー!
     あとコロシアイは隠れてしろよ! いろいろ用意した意味ないだろ!」

モノクマ「あ、食堂は明日の朝までに直しておくから
     べ、別にアンタたちの為じゃないんだからね!」

セレス「食堂の封鎖とはまた……わたくしの優雅なティータイムに、水を差されてしまいましたわ」

腐川「わ、私に言わないでよっ!」

霧切「余剰な時間が出来たなら、新しく解放された場所の探索にあてるべきね」

大和田「腹減ったからサウナに行こうぜ兄弟……今なら食べ頃のバターになれそうだ……
    ソイツを二人で分け合おうぜ……」

石丸「き、気をしっかりもつのだ兄弟い!」

 nighttime 脱衣場


苗木「ふぅ、サッパリした ゴクゴクッ――ぷはぁ!
   風呂あがりのイチゴ牛乳はサイコーだね」

苗木(今朝のバトルには驚いたなぁ……でもついつい見入っちゃったよ――ダイイングメッセージが出るかどうか、とか)

苗木「いやいや、何を言ってるんだボクは……最近オカシいぞ」

苗木(……ダイイングメッセージといえば、最初に死んだ江ノ島さんも残してくれていたのかな)

苗木(今日の探索ついでに体育館に行って改めて捜してみても、惨たらしいあの痕跡はキレイに片付けられていて)

苗木(まるで、はじめから江ノ島さんという存在なんて無かったかのように ニオイもカタチも、何もかもが消えていた)

苗木(あの瞬間の彼女にも、遺すべきメッセージがあったのか もう確かめようがない)

苗木(だからボクは唯一、確かめることができる自分自身の記憶に問いかけ
   江ノ島さんの姿を探してみた――)

展開は頭おかしいのになんで文章は無駄に小綺麗なんだよここの>>1はw

 ――数日前

 MorningTime 購買部


江ノ島「ヤッホー苗木ぃ 今日もギャルウケしそうな容姿してんじゃん」

苗木「えぇ!? ど、どういう意味で捉えたらいいのかな、今のは」

江ノ島「小動物系? ぬいぐるみ系っていうの? なんかギューッと抱き締めたくなる感じがさ」

江ノ島「ギャルの界隈だとマジウケなワケよ」

苗木「へ、へえ……じゃあ、江ノ島さんもそうなの?」

江ノ島「え?」

苗木「いや、だってさ……江ノ島さんもギャルだし むしろ超高校級のギャルなんだから
   云わばギャルの模範解答みたいな人なんだよね そんな江ノ島さんなら当然
   ぬいぐるみ系? みたいな人をハグりたくなるのかな、って……」

江ノ島「ちょっと、なに距離とってんのよ……ってハァ!?」

江ノ島「ち、違っ! 違うっつーの! そういう意味で言ったんじゃないからっ!」

適当にクソ展開を書き散らす時と違い、
わざと頭おかしい内容を書こうとする時は、かえって文体がまともになるものだ

>>63へぇそーゆーもんか

そして江ノ島むくろちゃんペロペロ

江ノ島「べ、べつに苗木のことなんか何とも思ってないし
    抱き締めたくなったとしても一分に一回くらいの頻度だし
    部屋のぬいぐるみを苗木に見立ててチュッチュしたりしてるだけだし……ハッ」

苗木「……」

江ノ島「ちが、違うっ! 違うもんバーカ! 苗木のことなんか、苗木のことなんか……うぅう」

苗木「江ノ島さん……」

江ノ島「はぅ!? ちょっと! なんで、勝手に抱きついてるのよぉ……」

苗木「ゴ、ゴメン……なんか抱き締めたくなっちゃって」

江ノ島「わ、私はべつに――」

苗木「うん、分かってる これはあくまでボクがしたい事だから」

江ノ島「……うん なら、仕方ない……よね いいよ、好きにして」

………
……



苗木(あの後、夜になるまでギューッとしてたんだよね)

苗木(帰り際の江ノ島さんに『意気地なし……』って言われたけど、思い返せば
   あれが江ノ島さんの最後の言葉だったな……)

苗木「江ノ島さん……」

苗木「……ハァ――ん? 何だろ、ロッカーの中から声が……」

苗木「こ、これは……」


 次の日 MorningTime 脱衣場


アルターエゴ「おかえりなさいませご主人タマ!」

山田「人工知能の男の娘メイド……だと……? 詰め込みすぎだろ常考」

十神「なんの騒 葉隠「だがそれが良いべ!」

十神「(´;ω;`)」

朝から夜までとか生殺しすぎるwwwwww

霧切「彼女がPCの解析に成功すれば、この事件の解にも繋がる重要な手掛かりになるかもしれない」

朝日奈「コレって苗木が見つけたんでしょ? 裁判の時といい、苗木は探し物の天才だnヒイッ!?」

霧切「ギロッ」

朝比奈(な、なんで霧切ちゃんがこっち睨んでるの……?)

霧切(私が苗木クンを褒めたかったのに……)

セレス「……どちらにせよ、今の所これ以上の情報は得られないようですわね」

苗木「みたいだね」

 それからまた数日がたった

 アルターエゴをめぐった一悶着も、モノクマが提示した五億円も、ボクにとってはとるに足らないモノで

 きっとみんなにとってもそうだと信じていた

 だけど、結果を見ればその認識は誤りにすぎなくて

 悪意が間口を開くときには必ず 誰かの死がつきまとうモノなんだって

  気付くべきだったんだ――ここは、そういう場所だったのだと

 Daytime 美術準備室


山田「……」

苗木「山田クンっ!」

朝日奈「キャアアアア!」

大和田「くっ……豚神と山田の二人が殺されるなんてよぉ……」

石丸「とんがみ? シャ神クンではなかったか?」

霧切「十神百夜くんでしょ……下と上の名前のどちらにも、数字があったと覚えれば覚えやすいわ――それと」

霧切「いくら彼が無口だったからって、非業の死を遂げた人の名を忘れてしまうのは、感心しないわね」

朝日奈「そこは仲間の名前って言ってあげようよ! セリフがそこはかとなく他人事っぽいから!」

霧切さん惜しい!

山田「う……」

苗木「山田くん!」

石丸「くっ……! 一時的に意識を取り戻してはいるが、この脈拍ではいずれ……」

山田「……かゆ、うま……」

苗木「言ってくれ! 言うんだ山田くん、犯人の名前を――ダイイングメッセージを!」

山田「は、犯人は……ヤ、ス……ガクッ」

苗木「……山田くん? 山田くん! ひふみくぅううううんッ!」

苗木「山田くん……君の無念は、君自身のメッセージで取り払ってみせる……」

霧切「それはどうかしら」

苗木「え?」

霧切「“犯人はヤス” 結論から言えば、コレが実際に犯人の名前を指すことは少ないの 有名なキーワードだけど、知らない?」

大和田「オ、オレは知らねぇな」

石丸「ボクも、残念ながら初耳だ」

苗木「そう、なんだ……これはダイイングメッセージじゃないんだ」

霧切「そうね、サブカル界隈のネタみたいなモノだから――でも、何だか山田くんらしい最後じゃない」

朝日奈「そ、そうだよね! 最後の言葉にまでネタを仕込むなんて、ホント
    や、山田らしい、よグスッ」

ガチのダイニングメッセージなのに
ネタ扱いにされてクソワロタwwwwww

大神「朝日奈よ……本調子でないのならともに部屋で休もうか?」

朝日奈「ううん、大丈夫 私も頑張るよ! 山田の無念を晴らさないとだもん!」

大神「フ……そうだな」

苗木(そうだ 頑張るんだ……今のがダイイングメッセージでも、そうじゃなくても――)

苗木(他にダイイングメッセージがあると信じて 山田くんと、えーと……もう一人のためにも!)

セレス「……」

――捜査開始!


苗木(そういえば、山田くんの死体は最初保健室にあったんだよね)

苗木(保健室の捜査もしておいた方がいいかな)

セレス「苗木くん 少々お時間を取らせていただいても構いませんか」

苗木「どうしたの? セレスさん」

セレス「こちらですわ」

苗木「え? ちょっと、セレスさん!?」

霧切「ジー」

セレス(こちらを見つめる方が一人いますが、構ってるヒマはありません)

霧切(私も苗木クンと一緒に捜査したかったのに!)

 DayTime 脱衣場


セレス「こちらを御覧ください」

苗木「なくなっていたノートPCだ! セレスさんが見つけたの?」

セレス「ええ、偶然ですが――ついでに言えば、十神くんが頻繁にアルターエゴと接触をしていたようですわね

セレス「――さらにアルターエゴを隠したのも、十神くんとの事でしたわ どちらもアルターエゴの証言ではありますが」

アルターエゴ「うん! いろいろ教えてもらったよ!」

苗木「十神くん……だったよね でも……その十神くんがアルターエゴに何の用があったんだろ
   山田くんみたいに惚れ込んでたのかな」

セレス「さぁ、その理由は定かでは有りませんが、ただ一つ言える事がありますわ」

セレス(フフッ、ここで苗木くんの思考を誘導すれば――わたくしのトリックはさらに盤石なモノとなる)

セレス(さぁ、チェックメイトですわよ 苗木くん?)

結局セレスさんかよおおお(絶望)

アルターエゴ「そのぉ、十神くんは寂しかったんだって……みんなに話が出来なくて」

セレス「えっ」

アルターエゴ「十神くんはプライドが高かったから、誰にも相談が出来なくて
     隠れてボクと話してたんだけど、セレスさんがボクと話している十神くんを見つけたんだ」

セレス「ちょっ」

アルターエゴ「セレスさんは夜時間に出歩いていた十神くんを咎めずに、ボクの目の届かない所で十神くんを励ましてくれたんだよね」

アルターエゴ「最近は十神くんも来なくなってたし きっと十神くんとセレスさんがお友達になったんだなぁって、ボクも嬉しかったんだ
    あ、でも昨夜なら、十神くんココに来たよ 何だか『セレスに呼び出された』から『お前のおかげだありがとう』とか言ってたかなぁ エヘヘ、嬉しい
    あ、その時の音声あるから聞きたい? ちゃっかり録音してたんだぁ」

アルターエゴ「……あれ? 二人ともどうしたの? そんなに険しい顔をして、あのぉ……ボクなにか変なこと言ったかなぁ」


 アルターエゴ(十神白夜)のダイイングメッセージにより、開廷前に事件解決――!

――こうして第3の裁判(?)は終わった

 セレスさんは終始、悔しそうにしていたけれど最後には「“セレス”のまま死ねるのは、喜ばしいことなのかもしれませんね」と話し、ニッコリ笑った

 セレスさんらしい、妖しいけれど可愛らしい笑顔――だったと思う

 なんかもうダイイングメッセージってスゴいよね!

ちょっとモノミが鳴いてるからウンコ流してくる

飼育代行はよ

 MorningTime 苗木の部屋


苗木「んんっー、よく寝た」

苗木「裁判なしの即刻オシオキタイムだったから、睡眠時間がバッチリだ 心なしか肌もツヤツヤしてるよ」

苗木「よし、道すがらでダイイングメッセージを探しながら食堂に向かおう!」


 MorningTime 食堂


苗木「みんなおはよう!」

石丸「おはよう! 今朝は二番目の到着だぞ苗木くん、感心なことだ!」

霧切「じゃあ三番目の私は?」

石丸「男なら常に一番を目指すものである!」

苗木「じゃあ二番目のボクも大した事ないんじゃ……」

霧切「そもそも私は女よ」

大和田「よぉ、おはよーさん」

葉隠「ロシアンルーレットを見立てたピザで、自分の運勢を占いたいべ……」

朝日奈「お腹にズッシリきそうな占いだね……」

腐川「そ、それは自分の才能で占いなさいよ」

大神「……」

朝日奈「サクラちゃんもそう思うよね? ……サクラちゃん?」

大神「あ、あぁ……すまぬ、何か言ったか朝日奈よ」

朝日奈「う、ううん 何でもないよ……うん」

十神が死んで戦闘に特化したパーティと化してきたな

苗木(大神さん……モノクマと肉体言語で語らってたし、その事で悩んでるのかも)

苗木(それにしても、大神さんが肉弾戦とかを通した外傷で死んでしまうのは、かなり難しいんじゃないかな
   どんな人が来ても、つい条件反射で返り討ちにしてしまいそうだ)

苗木(あるとしたら“毒殺”くらいのモノなのかも)

苗木(毒殺かぁ……あっ)

苗木「良いこと思いついた」

霧切「えっ」

 DayTime 四階 科学室


苗木「うーん……コレかな、それともコレかなぁ」

霧切「ジー」

苗木(うぅ、見られながらだと探しにくいなぁ)

霧切(苗木クンの視線を独り占めする劇薬が羨ましい……わたしも苗木クンに見られたいわ……)

苗木「き、霧切さん 霧切さんもココに用があるの?」

霧切「劇薬と化したい」

苗木「えっ」

霧切「えっ」

霧切「い、今のは違うわ 毒そのものではなく
   優しい毒を吐ける人間になりたいなーという願いを込めた隠喩なの!」

苗木(そ、それなら図書館で自己分析に関連した本を漁った方が早いんじゃ……
    でも聡明な霧切さんの事だから、何かしらの考えがあっての事なんだよね)

苗木「そ、そうなんだ ボクがココに来た理由だけどさ、いい感じで死にかけられる毒薬を飲みに来たんだ」

霧切「やっぱり劇薬になりたい」

苗木「えっ」

霧切「えっ」

もう何が何やらwww

霧切「な、苗木クンのクセに生意気よ!」

苗木「えぇえ!? 優しい毒を吐く決意はどこに行ったの!?」

霧切「……いい感じに死にかけられる劇薬に心当たりはないけれど、劇薬の致死性を緩和させるワクチンになら心当たりがあるわ」

苗木(あ、なかった事にするんだ……)

霧切「保健室にあったから、取ってきてあげる」

苗木「ホント? 助かるよ」


 同刻 保健室


霧切(フフ、苗木クンの役に立てる……劇薬をのみたい苗木クンの力になれる)

霧切(劇薬を飲みたい……?)

霧切「なんで!?」

 同刻 科学室


霧切「解毒薬はもってきたけど、なぜ劇薬を飲んでまで自分の命を危機に晒したいのか その説明を求めるわ」

苗木「……うん」

苗木「ボクは気付いたんだよ 仲間のメッセージに耳を傾けるだけじゃ、至れない境地がある」

苗木「自分のダイイングメッセージすら満足に得られない人間が、誰かがこぼす死に際の一言を真に理解できるとは思えないんだよ」

苗木「だから霧切さん! 毒が体に回りきる前に、タイミングを見計らってボクに解毒薬を投与して欲しいんだ!」

霧切(ボクを瀕死から救って欲しい=ボクの死に顔を霧切さんだけに見せてあげる
   =男を看取るのは愛する妻の役目=苗木「結婚しよう、霧切さん」)

霧切「ふ、不束者だけど、こちらこそお願いするわ……」

苗木(気のせいかな 霧切さんからピンク色のオーラが出てるけど……)

>解毒剤を投与してほしいんだ!

こんなプロポーズがあってたまるかwwwwww

苗木「じゃあ、飲むよ」

霧切「えぇ」

苗木「んくっ……ゴクン」

苗木「あぶじょりぃぎゃびりゃりりぃいいい!!!」

霧切(地面でのたうち回る苗木クンも可愛いわね……じゃなくて)

霧切「苗木クン! 言うのよ! ダイイングメッセージを!」

霧切(……? ダイイングメッセージって、たいがい犯人を指すんじゃなかったかしら
   でも今現在、犯人を特定するための状況下にはない なら苗木クンのメッセージは、誰を指せばいいの……?)

苗木「あ……あぁ……」

霧切「……苗木クン! 好きな人の名前を言いなさい! 最初にキではじまり、最後にコで終わるミステリアスな美少女の名前を言いなさい!」

苗木「キ……キ……キリギリ、ス……」

霧切「……苗木クン? 苗木クン! 苗木クゥウウウウウウン!」

霧切「……」

霧切「なんか悔しいから口移しで解毒剤飲ませてやるわ」


ボクが初めて毒を飲んでから数日がたった

あれから後も、毒を飲むことにドハマりして遊んでいたら、なぜか殺人事件もピタリとやみ、平和そのものだ。

大神さんとイザコザもあって、みんな疑心暗鬼に取り憑かれていた節もあったけれど
しびれを切らしたモノクマが学園の全域を解放したころには、みんなその事をスッカリ忘れていた

そして今日――植物園で戦刃むくろという人が、爆死した。

 DayTime 裁判所


苗木「ボクにはもう、犯人が分かっている」

モノクマ「うぷぷぷ」

霧切「言ってやりなさい、苗木クン 鍛え上げたアナタのダイイングメッセージを」

苗木「山田クンが残した『犯人はヤス』というダイイングメッセージ」

苗木「これが山田クンと十神クン殺しの、第三の事件を指しているとは限らないんだ」

苗木「そして、犯人はヤスというスラングは
   “主要人物と最も親しい人物が犯人”であった展開を指して、用いられる場合がある」

苗木「この“主要人物”をボク“苗木 誠”と仮定し
   ボクが最も親しいと思う人物を、ここに宣言するよ」

霧切「ドキドキ」

苗木「ボ……ボクが最も慕っていて――信頼していた女の子は、今は亡き江ノ島さんなんだ!」

霧切「えっ」

苗木「えっ」

伏線むりやり回収してんじゃねえよwwww

モノクマ「な、なに言っちゃってんですかね苗木クンは 江ノ島サンは死んでるんですよ!
     とっくの昔にね!」

モノクマ「死んだ人を名指しして犯人呼ばわりするなんて、死者に対する冒涜っすよマジで うぷぷぷ」

朝日奈「私は、苗木を信じるよ」

モノクマ「えっ」

大神「我もだ」

葉隠「オレっちもありえねーとは思うんだけどよ
   苗木っちが間違えた答えを出すなんてこと、今まで無かったしな」

モノクマ「ちょっ」

石丸「僕も勉強になった……世界には倫理や常識では計れない、物事があるという事を」

アルターエゴ「大和田くん! ボクのエンターキー
     大和田くん印のツルハシで突きまくってぇ!」

大和田「おう! 任せろ」

ジェノサイダー翔「ゲラゲラゲラ! 私的にはどうでもよーし!」

苗木「さぁモノクマ! 投票タイムだ!」

モノクマ「\(^o^)/」

 投票は満場一致で江ノ島盾子(霧切さんは何故か自分に押していた)だった

 ボクの睨んだ通り黒幕である江ノ島盾子が姿を現すも、投票がすでに済んでいたためオシオキを受けて敗北

 ボクは想い人の本当の名前――戦刃さんの存在を知れて万々歳だった

――ここまでが、絶望的な事件の全貌だ

 “死人に口なし”とは誰が言った言葉だっただろう
 それは確かに正しい この事件を通してボクはそれを痛感した

 死者は自分の意志を伝えることが出来ない だからこそ、死者が遺した事実から正しい解釈を引き出してあげるのが、死者を取り巻くボクらの義務であるとボクは思う

 だから、ボクが誰かのメッセージを聞き届けている間は キミのことを想っていてもいいよね

 今は見えず、聞こえないキミの気持ちを“愛情”として受け取ってもいいよね

 ――戦刃さん。


おしまい

みなさん長々と乙でした!
今回はオマケコーナーはなしですが、いつか書くSSのスレタイだけ置いて
オマケSSを投下するぜ !
それってどの道オマケじゃねえかなんて突っ込みはヤボだよ! うぷぷぷ


 戦刃「お姉ちゃんの体を盾子ちゃんのバディで受け止めて刃こぼれさせて欲しい」


そのうちスレたてるときはこれで!
じゃあオマケで8レスほど書くよ!

霧切「苗木クンの11037好きがヒドくて新婚生活がヤバイ」




 夜 ナエギリ宅 寝室


霧切「あっ、ん 苗木くん! ギュッてしてっんっ」

苗木「うん……! あぁ、霧切さんのが良すぎてもう出ちゃうよ!」

霧切「出して! 苗木くんの種を私の苗どころに植え付けてぇ!」

苗木「出るっ出るよ11037ぁあ! 中で出すよお!」

霧切「えっ」

苗木「うっ」

霧切「……」

苗木「……あ」

 同刻 ナエギリ宅 リビング


霧切「……苗木くん」

苗木「はい」

霧切「なにか言いたいことは?」

苗木「さすがに全裸で椅子に座らせられるのは身にこたえます」

霧切「そう、よかったわね それで、さっきしていた苗木くんの発言だけど――」

苗木「ご、ごめん霧切さん!」

霧切「謝ってすむ問題じゃないわ……何よ11037って
   人の名前ならまだしも11037って何よ、苗木くんは11037のドコに何を出そうとしたのよ!」

苗木「い、11037の苗どころにボクの種を出そうと……しました」

霧切「こ、行為中の決め台詞をここまで引っ張るなんて悪趣味よ」

苗木(あれ毎回言ってたけど決め台詞だったんだ……)

霧切「いいわよ……知ってるもの 数年前に終えた希望更生プログラム内のパスワードに、その数字をいれてしまうくらい
   アナタが舞園さんのことを引きずってること位は」

霧切「でも、世界が平和になって 私たちがこうして家をもてる位に国も復興して
   私と一緒になりたいって、アナタが言ってくれたから
   苗木くんは舞園さんより私を選んでくれたって信じてたのに……!」

苗木「ち、違うよボクは別に舞園さんのことは――」

霧切「うそよ! 証拠だってあるんだから」

苗木「証拠!?」

霧切「ここに、11072(いいオナニー)という有名なアナグラムがあるわ」

霧切「これを苗木くんが好きで好きでたまらない11037に当てはめると
   1(イ)1(イ)0(お)3(さ)7(ななじみ)つまり――」

霧切「イイ幼なじみになるじゃない! さぞ舞園さんの体が良かったのでしょうね!」

苗木「いやいやいやいやいや、おかしいよ霧切さん! ロジックエラーも甚だしいよ!」

苗木「そもそもそれは舞園さんのメッセージであって、ボクの意志は反映されてないだろ!
   だからそのメッセージを使って、ボクが舞園さんの体を性的に褒めているという解はおかしいんだ!」

苗木「そもそもボクと舞園さんは幼なじみなんて間柄じゃないよ!
   ていうか【良い幼なじみ】なら普通なのにわざわざ【イイ幼なじみ】だなんてエッチな邪推する
   霧切さんの頭の中が心配だよ! 超高校級の探偵がもつ灰色の脳細胞あらため
   桃色の脳細胞だよ!」

霧切「うるさい!」

苗木「えぇ!?」

霧切「ヒドいわ! 私は初めてだったのに!
   苗木くんはもう【使用済み】だったのね!」

苗木「そ、それも違うよ! ボクだって霧切さんが初めてだったんだ!」

霧切「こ、こうなったら未来機関に保管されている
   江ノ島盾子の記憶消去技術を持ち出して、私と苗木くんの初体験の記憶を消して
   もう一度“2人の初めて”をするしかないわ
   ついでに苗木くんのなかにある舞園さんに関連した記憶を全て消して
   苗木くんを真に私のモノにしてやるから……!」

苗木「霧切さん!」

霧切「はうっ!?」

霧切「い、いまさら抱き締めたって許さないから……!」

苗木「ゴメン霧切さん――ボクは確かに引きずってたよ
   いや、今も引きずってるんだよね、多分――」

苗木「桑田くんの事を」

霧切「ほ、ほらやっぱり――って」

霧切「は?」

苗木「でも、ボクはホモじゃないんだ! その証拠に霧切さんに興奮できるし、たまに舞園さんで抜いてもいる」

苗木「桑田くんはその、性の対象というか憧れみたいな感じなんだ
   あのアポ顔を思い出すと勇気が湧くっていうかさ、人間あんな絶望的な顔が出来ることを知ってしまうと
   自分の悩みがアホらしくなるっていうかさ、アポだけに」

苗木「気分を高めたりしたいときに、つい叫んでしまうんだよね
   さっきの数字を」

苗木「まぁ預金通帳の暗証番号もパソコンのパスワードも、ぜんぶ11037なんだけどね! HAHAHA!」

霧切「ごめん苗木くん もうあなたが何を言ってるか、半分も理解できない」

苗木「だから霧切さん――」


――そろそろ服、着てもいいかな!


おしまい

みなさん乙でした! 支援がたくさんあると希望に満ちた狛枝くんがオレに微笑みながら
笑ってくれるけどそんなことは無かったぜ!

ではおやすみなさい!

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