照「妹ラブハーツ?」(131)

元ネタ:放課後ラブハーツ


注※パラレルものです。咲キャラ全員が同じ高校に通っています

照「ふぅ…やっと中間試験が終わった。赤点はまぬがれたかわかんないけど」

照「でも多分大丈夫なはず…今回は一週間前から勉強付けだったんだから!」

照(といっても、いつもの3人とだったから不安だなぁ)

照(…でも今日は午前で学校も終わったし、この疲れた体を癒さないと)

照(となるとやることは一つだけ)


照「咲ぃぃいぃぃぃいいいいぃぃいいいぃぃいぃいぃい!!!!!!!!」ガラッ

咲「うわっ!な、なんなのお姉ちゃん」

照「別に何も。姉妹で触れ合うのに理由などいらない」

咲「あるよ!私は触れ合いなんかいらない!本読んでるんだから帰って!!」

照「なら私も本を読む」スワリ

咲「自分の部屋で読みなよ…」

照「今日は咲の部屋で読みたい気分」ススス ピトッ

咲「お姉ちゃん、近い近い」スススッ

照「どうして逃げるの?本を読むのに姉妹の距離は関係ない」ズイッ

咲「単純に鬱陶しいから」ジリジリ

照「またまたぁ」ジリジリ

咲「………」

咲(もう無視して本に集中しよう…)

照「……こうやって、背中を合わせて読書するのも久しぶりだね」

咲「………」

照「覚えてる?咲が小さいころは、しょっちゅう私が本を読んであげてたんだよ?」

咲「………」ペラッ

照「『もっと感情こめて!』とか、『違う話読んで!』とか…色々怒られちゃったなぁ」

咲「………」

照「…はは。やっぱり、大分前だから覚えてないか」クルッ

咲「………」ペラッ

照「じゃあ今からそれを再現してあげよう…

 『わたしも大丈夫です・・・・・・あの、ちょっとお訊きしてもよろしいですか?』

  篠川さんの口調はさっきよりもなめらかだ。どうやらスイッチが入ったようだ…

  あっ、これビブリア古書ど___」

咲「うるさああああいっ!!!」バンッ

咲「うるさいっ!静かにしてよ!」

咲「大体なんなの!?人が読んでる小説音読するなんて頭おかしいよ!」

咲「私ページめくった直後だよ!まだそこ読んでないんだよ!??」

咲「というよりお姉ちゃんが私に本を読んでくれたって話!もう何回も聞いてるよ!!」

咲「覚えてる?ってそりゃ覚えてるよ!確かおとついも話してたよ!」

咲「覚えてても覚えてなくても再現しなくていいんだよ!なんなの!」

咲「私、居間で読書してくるからもうお姉ちゃんは自分の部屋に戻って!」

咲「戻ってもうちょっと試験勉強でもしてて!受験だしちょうどいいよね!」

咲「絶対邪魔しないでよね!!!!」


照「………何故か怒られてしまった」

照「咲…なんでだ。昔はあんなに仲がよかったのに…」

照「妹の気持ちがわからない…」

翌日 私立小林学園3-2教室

照「…ということがあったんだ」

宥「それは照ちゃんが悪いでしょ」

洋榎「照が悪いな」

照「あれ、私が悪いの…?」

宥「咲ちゃんだって自分の時間が欲しいはず。当たり前のことだよ」

洋榎「いくら姉妹ちゅうても最低限のマナーは守るべきやな」

照「二人ならわかってくれると思ったのに…よってたかって責めなくてもいいじゃない」

宥「よくその調子で姉妹関係が保ててるね…逆に感心しちゃうなぁ」

照「ふふん…まあね」ドヤァ

洋榎「全然褒めとらんやろ」

照「えっ」

洋榎「なんで驚いとるんや。今、宥にけなされてたんやで~?」

照「どこが?」

洋榎「は?なにがや」

照「だって今の宥の言葉って、『宮永姉妹は特別な絆で結ばれてるから何が起きても大丈夫』ってことでしょ?」

宥「えっ?」

照「私も逆に言うと…二人とも、妹と固い絆で結ばれてないってこと。かわいそう(笑)」

宥・洋榎「…」ムカッ

照「まぁそれも当然。玄ちゃんや絹ちゃんと違って咲は地上に舞い降りた唯一の天使だもの」

照「月とスッポンどころじゃなく、言うなれば銀河系と原子」

照「もっとも、ツキと焼き鳥って言うなら話は別だけど(笑)」

宥「…………」ゴゴゴゴゴゴ

洋榎「あーアカン。これはアカン。言うてしもうたな照」

照「実際にあったことを言っただけ。咲だったら校内麻雀大会で私相手でも、焼き鳥なんて無様なことはしない」

宥「…そうだね。こないだの麻雀大会は楽しかったなぁ」フルフル

洋榎「ゆ、宥?」

宥「特に玄ちゃんが誰かさんの妹の、嶺上見逃しての三槓子狙いを槍槓し役満上がった場面」

宥「ロマンも大事だけど、やっぱりチャンスを逃さないってのも大事だと思うなぁ」

宥「あっ…そういやそのせいでどこかの姉妹対決ができなかったんだっけ?」

宥「仕方ないよね。その子が玄ちゃんより弱かったのが悪いんだもの…」ニコニコ

照「………」ムカッ

洋榎「せ、せやなぁ…ウチんとこも絹がもうちょい強かったらよかtt」

宥・照「洋榎(ちゃん)は黙ってて」

洋榎「あ、はい」

照「見くびるなよ宥。咲はあのとき本調子じゃなかった。靴下も脱いでない」

照「それに、あのドラ爆は咲の調整で上がらせてもらったものだからな」

宥「うん…でも結果では咲ちゃん、プラマイゼロじゃなかったみたいだね…」

宥「靴下脱いでなくても、そっちは常にできるとか照ちゃん自慢してなかった?」

照「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

宥「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

洋榎「二人ともリアルファイトだけはやめちくりな~」

照「わかってる、いまこの天然偽装赤女に姉妹の絆を見せてやる」ピッポッパッ


1-3教室

咲「うわぁ…お姉ちゃんから電話だ…」prrrrrrr

咲「出たくないけど…出ないと1年教室まで乗り込んでくる…」prrrrrr

優希「咲ちゃんどうしたんだじぇ?」

穏乃「やっと学校終わったんだからはやく遊びに行こうよ!」

咲「…ごめん、私ちょっとパス。これ持ってって」

憧「はい…って携帯じゃん?持ってなくていいの?」

咲「うん…お姉ちゃんから逃げなきゃいけないから」

優希「…そっか、残念だじぇ。せめてもの餞にコレを持っていくんだじょ!」タコスッ

穏乃「じゃあ私達は無駄に山を駆け上って照さんを霍乱させるから、安心して逃げててよ!」

咲「うん…ありがとうみんな。この埋め合わせは必ずするから」

憧「いいってことよー助け合い、助け合い」

咲「それじゃあねっ!」タタタタ


照「……咲が電話に出ない」

洋榎「そら当然やろ。今日5回目やで?」

宥「特別な絆だからしょうがないね」

照「もしかして誘拐されてるのかも…様子を見に行かないと」

洋榎「考えすぎやから。昼休みのときは出とったやん」

照「とにかく一年教室に行って来る!」

宥「ま、まぁ…行くだけ行ってらっしゃい…」

2-3教室

咲「玄さん!匿って下さい!」

玄「あれ、咲ちゃんいらっしゃい。またお姉ちゃんから逃げてきたの?」

咲「はい…1年教室にいたら見つかっちゃうので」

玄「照さんの心配性も筋金入りだね」

咲「うぅ…心配性とかじゃないですよ。あれはもう病気です」

玄「そ、そんな…お姉ちゃんのことを悪く言っちゃだめだよ」

玄「照さんだって、咲ちゃんが大切だから過保護になっちゃてるんだと思うよ」

咲「玄さんはもうちょっと姉という存在を疑うべきです」

玄「疑うだなんて…お姉ちゃんなのに?」

咲(あ…玄さんは宥さんに洗脳されてるんだな。なんとかしないと…)

咲「……すみません、言い方が悪かったです。要はもうちょっと姉離れすべきってことです」

玄「うぅ…それは…そうだよね…」ムムム

咲「なんでも玄さん、未だに宥さんとお風呂に入ってるらしいですね」

玄「それがどうかしたの?」

咲「姉妹とはいえ宥さんも高3です。そろそろ一人の時間を欲しがるころだと思います」

咲「いつまでも甘えてばかりだと宥さんの為にもなりませんし、そろそろ自立すべきだと思いますよ」

玄「うぅ…何も言い返せない。しかも年下の咲ちゃんに言われるなんて・・・」

咲「でも、今行動しないとこの先ずっとこのままですよ」

玄「うん…だよね…わかったよ。今日から少しずつ姉離れしてみるよ!」

咲(これでよし…宥さんもお姉ちゃんと同類のはずだから…)

絹恵「あれ、咲ちゃんやん!いらっしゃ~い。今日も大変やね」

咲「こんにちは絹恵さん」

玄「絹ちゃんおかえり。先生いた?」

絹恵「おらんかった。てか胸見て言うな!…放課後すぐに日誌届けるって言うたのになぁ」

玄「そっか…じゃあ咲ちゃんもいるし、教室で待ってようか」

咲「すみません、ご迷惑をかけて」

絹恵「迷惑やないよー。私らどうせ暇やしなぁ」ハハハ

玄「そうだね、これで、お姉ちゃん同士も仲がよかったらいいのにね」ハハハ

絹恵「案外仲良さそうに見えるけどなぁ」ハハハ

3-2教室

照「…ただいま」

宥「おかえり」

洋榎「おかえり」

照「咲、見つからなかったよ…」

宥「よーしよし、惜しかったね」ナデナデ

照「うぅ…」ギュッ

洋榎「今度はうちらも一緒に探したるからなー」ナデナデ

照「…ありがとう」

菫「お前達、喧嘩してたんじゃなかったのか」

宥「姉にとって一番辛いことは、妹が視界にいないことだから…」ブルルッ

洋榎「特に家の中で妹とおられんのがいっちゃん辛いでなぁ…」ゾクッ

菫「なら帰れよ姉バカ共」

洋榎「せやけどやっぱ、おかえりって言われたいやん?」

宥「妹にお出迎えされるってことはね、妹に受け入れられてるってことだから」

照「………グスッ」ギュウウウ

洋榎「よーしよし」ナデナデ

宥「よーしよし」ナデナデ

菫「…もうどうでもいいや」

洋榎「そういう菫こそ、なんでここにおるん?」

菫「日直だからだ。防犯の為、教室の鍵を掛けることになったんだよ」

照「そっか…じゃあここにいると菫に迷惑がかかる」

宥「ならはやく帰らないといけないね…」

菫「わかったなら早く出てってくれないか」

洋榎「しゃあないなぁ…ほんならこの後は菫の家に直行ってことで」

照「了解」

宥「了解~」

菫「家に帰れ!」

下校中


照「今日はあったかくてよかった」

宥「うん。お日様ぽかぽかだよ」ポヤーン

菫「…やっぱり家に来るのか」

洋榎「しかし、満更でもない菫だった」ボソッ

菫「な、なんだと!?」

照・宥「?どうしたの」

菫「い、いや…なんでもない行くぞ」

洋榎「…なぁなぁ、どっちが好きなん?」ヒソヒソ

菫「ぶっ」

照「菫、様子がおかしいけど大丈夫?」

宥「体調が悪いなら、私達帰るけど…」

菫「気にしないでくれ。むせただけで本当になんでもない」

照「そっか…じゃあ行こうか」

宥「そうだね」

菫(少しは遠慮しろよ…)

洋榎「それで、菫は照と宥、どっちのことが好きなん?」ヒソヒソ

菫「うるさい。どっちでもないから黙ってろ」ヒソヒソ

洋榎「なんでや。減るもんやないしええやろ別に」ヒソヒソ

菫「お前だけ帰らしてもいいんだぞ」ヒソヒソ

洋榎「なんやて!?もしかして…二人とも好き、なん?」///ヒソヒソ

菫「うるさい。…そういうお前は好きな人とかいるのか?」ヒソヒソ

洋榎「ん?絹やけど」ヒソヒソ

菫「いやいや。姉妹的な意味ではなくてだな…」ヒソヒソ

洋榎「絹やけど(マジキチスマイル)」

菫「…わかった。もう聞かないから」ヒソヒソ

洋榎「なんでや…うちかてたまには妹自慢したいんやで」

菫「そのまま心の中に閉まっていてくれ…」

洋榎「ほんで、くどいようやけどどっちが好きなん?」ヒソヒソ

菫「……案外、お前かもしれないぞ」ヒソヒソ

洋榎「まじか…そら悪いけどごめんなさいやな。絹を裏切るなんて出来へんわ…(マジキチスマイル)」ヒソヒソ

菫「………」

菫「こないだ絹ちゃんに好きな人ができたみたいだと発狂し___」

洋榎「そんなことが起こるわけ無いやろ」

菫「………」

洋榎「あーあー。わけわからん。わけわからんわー。…って、それうちのことかー!なんや安心やな」

菫「………」

洋榎「ん? どないしたん?」

菫「別に。3人の中で一番お前がやばそうだなって思っただけだ」

洋榎「そらおおきに~」

菫「褒めてないから」

*******

宥「それでね…玄ちゃんが今度来たとき、菫ちゃんの好きなご飯をお作りしますって」

宥「いつもお姉ちゃんががお世話になってるんだから当然だよ…って屈託なく言うんだよ」

菫「それは…その、申し訳ないな、うん…///」

宥「本当に優しい子で、心があったかくなれるんだぁ…」ポヤーン

洋榎「ええなぁ。玄ちゃんのお弁当おいしいって絹も絶賛しとるし羨ましいわ」

洋榎「あぁ…家に玄ちゃんがおったらなぁ…」

洋榎「絹は毎日美味しいご飯食べれるし、うちは絹の笑顔が見れる。いいことずくめやな!」

照「自分の力で笑顔にさせればいいんじゃない?」

洋榎「それがかなわんからなぁ…。うちにできる事は自室の中の絹を見守ることくらいや!」

洋榎「って、もうこんな時間か!はよ帰らんと絹が心配や!」

宥「本当だ…それじゃあ、もう帰るね。ばいばい菫ちゃん、照ちゃん」

洋榎「ばいなら~」ヒラヒラ

菫「ああ、じゃあな」

照「また明日」ヒラヒラ

照「ふぅ…やっと二人っきりになったね菫」

菫「気色悪い近寄るな」

照「…菫さんお願いがあります!」ドゲザッ

菫「な、なんだいきなり土下座なんて」

照「妹の気持ちをわかる方法を教えてください」

菫「はぁ? それならお前達の方がよくわかってるだろ」

照「そんなことはない、姉と妹は違う存在。完全に理解することは不可能」

菫「だとしても、実際に妹がいる宥や洋榎に聞いたほうがいいだろ」

照「それだけはプライドが許せないから無理」

菫「それでなんで私なんだよ…」

照「だって、菫ってほらあれでしょ?恋愛マスター」

菫「はぁ?」

照「噂は聞いてるよ。下は10歳から上は子持ちの40代まで落とした女は数知れず」

照「早いときは数時間、遅くても一週間以内には落とす無敵のシャープシューター」

照「つまりは妹の心理も知り尽くしてるってことだよね。お願いしますっ!」

菫「…はぁ。一体どこからそんな噂が出てきたんだよ」

照「えっ、違うの?」

菫「当たり前だろ。第一、お前は誰からその話を聞いたんだ」

照「誰って…1組の石戸さんからだけど」

菫「なっ…!」

照「その反応…噂は完全にでたらめではないってことだよね」

菫「い、いいや!でたらめだ。あいつの話なんか信用するな!」

照「何を慌てふためいてるの?変な菫…」

菫「うるさい!いいからこの話はおしまいだ!」

照「………」

菫「な、なんだよ。まだ何かあるのか」

照「冷静に考えればそうだよね。菫が恋愛マスターなわけないか」

菫「お前は急に喧嘩を売ってくる奴だな」

照「でもそうじゃん。もし仮に菫が恋愛マスターだったなら、速攻で宥を落としてバカップル振りをクラス中に見せ付けてるはずだもんね」

菫「はぁ?どうしてそこで宥が出てくるんだ」

照「えっ、菫って宥のことが好きなんじゃないの?」

菫「なわけないだろ。宥を好きになる奴なんて別のクラスか別の学年の奴だけだ」

照「えっ……うそ……」

菫「何を驚いている…まさかお前、宥のことが…」

照「いや、そうじゃなくて…ってことは…菫が好きなのって………………私?」

菫「気が狂ったか」

照「でも洋榎が、私か宥だって言ってたし」

菫「あんまりあいつの言葉を真に受けるな」

照「それに、さっきだって宥の話を楽しそうに聞いてたじゃない」

菫「あれは…その…なんていうか///」

照「………」

菫「な、なんだよっ///」

照「菫、もしかして………」

菫「うるさいだまれそれ以上言うな」////

照「……………玄ちゃん?」

菫「ち、ちがっ…………////////」

菫「……………///////」

菫「……う、うわぁ…///////」

照(わかりやすっ)

照「えっ、うそ。本当に玄ちゃんなんだ。うわぁ…」

菫「だ、だからっ……うぅ、誰にも言うなよ///」

照「わかった。なるべく気をつける」

菫「なるべくじゃなくて絶対に気をつけてくれ///」

照「善処する…でも、どうして玄ちゃんを好きになったの?血みどろロシア帰りの妹だよ?」

菫「いちいち宥を引き合いに出すのやめろ…」

照「だってどうしても突き当たる問題だからね。妹に恋人が出来たとなると命も狙われかねない」

菫「命って…いくらなんでも言いすぎだ」

照「いや、私ならそうする。あと多分宥に協力する」

菫「そこは私の方に協力してくれよ。麻雀大会でも協力してやっただろう?」

照「それとこれとは話は別」

菫「このやろう…!」

照「ていうかそこも疑問なんだけど…あれだけ麻雀大会で狙い撃ちして涙目にさせてたのに好きってどういうこと?」

照「好きな子いじめたいって菫、小学生みたい」フフフ

菫「それはお前が、宥に姉妹対決させたくない、って頼んできたからだろっ!」

照「えー、そんなー(棒)」

菫「ああもう。…だが確かに、玄ちゃんのことが好きだと気付いたのはそのときからだ」

照「おっ。それまではただの仲いい後輩だったの?」

菫「…正直、少し気になるなと思ってはいた」

菫「お前達3人と行動するようになってから、毎日のように妹自慢の話を聞かされて」

菫「どいつもこいつも誇張ばかりしやがって姉バカどもが…と思っていた。宥の家に行くまでは」

照「………」フンフン

菫「実際に玄ちゃんに会ってみたら本当に気立てがよくてニコニコしていて優しくてしっかりしていて…」

菫「…(中略)…それで晩御飯までご馳走になってお茶まで出されて…可愛くていい子だなと思ってたんだ///」テレテレ

照「ふーん。まぁ、宥の洗脳が行き届いてるからね」

照「それでそれで、麻雀大会で凹ませてどういう風に思ったの?」ワクワク

菫「うっ…こればかりは本当に、絶対に誰にも言うなよ」

照「わかってるからはやく」ワクワク

菫「…玄ちゃんの涙目をみたとき、罪悪感で胸がいっぱいになった。なんで照なんかの言うことを聞いてしまったんだろう、と」

菫「だがそれと同時に、その…なんていうか少し興奮してしまったんだ」

菫「この子の笑顔を守りたい…だが、涙目も見ていたい…相反する気持ちに押しつぶされそうになったとき、気付いたんだよ」

菫「あぁ…私は玄ちゃんの涙目を自分のものだけにしたいんだな、と」

照「なるほどなるほど、なるほどー」

照「………」ピッ

 ボイスレコーダー『あぁ…私は玄ちゃんの涙目を自分のものだけにしたいんだな、と』

照「よっし、菫の弱みゲット!」

菫「何やってるんだお前は!」ドゴッ

照「痛いっ!」

菫「それを渡せっ!」ドタバタ

照「渡さないっ!」ドタバタ

菫「いいからよ・こ・せ!」グググググ

照「い・や・だ!よこしてもいいけど、条件がある!」ゴゴゴゴゴ

菫「うぐぐぐぐ…はぁ、条件ってなんだよ」

照「…菫が恋愛マスターと呼ばれてるって話に戻る。その理由を教えて」

照「そして私に妹の気持ちをわかるようにして」

菫「…はぁ、もうどうにでもなれ」

菫「ちょっと待ってろ」ガサゴソ

照(…やっぱり何か秘密があったんだね。私の目に狂いはなかった)ニヤリ

照(ふふふ、これで菫に妹術を学べば、咲と昔みたいにキャッキャウフフfできるはず)ニヤニヤ

菫「…あ、あった。これだ。ほら」

照「わわっ…て何これ、ゲーム?」

照「『妹ラブハーツ』?」

菫「俗に言うギャルゲーってやつだ。私と石戸はいわゆる、ギャルゲー仲間でな」

照「ギャルゲー?」

菫「簡単に言うと、女の子を口説くゲームだ。それでもやって妹の気持ちを理解してみろ」

照「……なんだ、恋愛マスターってゲームの話だったんだ」

菫「…」ムカッ

菫「おい、照。お前はゲームだと馬鹿にしているかもしれないが、咲ちゃんの読む小説だってフィクションだろ?」

照「えっ、まぁそうだけど…」

菫「それに『妹ラブハーツ』はただのゲームじゃない。全国の妹ファンを虜にした妹萌えのバイブル」

菫「作られたものとはいえ、ありとあらゆる妹の要素が含まれている」

菫「逆に言うならば、そんな作られた妹像さえ理解できない奴には姉を名乗る資格がないだろうな」

照「何?菫は私に姉失格とでもいいたいの?」ガタッ

菫「やってみればわかることだろ。クリアできなかったらそういうことだな」

照「…菫は私を怒らせた」

菫「そうか、それはすまなかったな」シレッ

照「…待ってろ、今日中に終わらせて咲とのいちゃいちゃを見せ付けてやるからな…!」ダッ

****

その日の夜 照の自室

照「____なんて、啖呵をきったのに正直妹の気持ちが理解できない…」

照(というより何このゲーム、こんなに妹がいるって意味がわからない)

照(それに咲に似た子なんて出てこない。本当に妹術が身につくのかな…)

照(あ、でもこの子かわいい…咲とは性格が違うけど、こんなことされたいな)

照(ふふっ。この子のこういうところ、ちょっと咲に似てるかも…)

照(……)

照(そ、そうか!そういうことだったのか!)

照(人は誰もが多面性…咲だって色んな姿を持っているはず)

照(でも姉妹の私にはどうしても一つのイメージだけを持ってしまいがちだったんだ!)

照(例えばオーラスで、決死の覚悟でドラを捨てる可能性だとか、それでも狙い撃ちされて焼き鳥が完成する可能性だとか…)プゲラッ

照(そういう上っ面のものは簡単に予想できるから、なんでも理解したつもりでいた)

照(だけど、その焼き鳥の涙目に興奮する変態が現れる可能性…)

照(そんな内面的なものなんて、私は予想をしたことがなかった。いや、出来なかったんだ)

照(私は何も知らなかったのだから。知ろうともしていなかったのだから)

照(妹には色んな姿がある…姉とはつまり、妹のどんな姿も受け入れるもの)

照(菫の言いたかったことは、こういうことだったんだね)

照(ありがとう菫!)

照(……)カチッ カチッ

照(となると、私がまず理解すべきなのは私とも咲とも性格が全然違うキャラ…)

照(…いや、性格が全然違う、と思っているキャラ)

照(…この子か。この子のことを理解するために私は何をするべきなんだろう…)

照(………!)ハッ

翌朝

ジリリリリリリリ カチッ

咲「ふぁぁあ…もう朝か。お姉ちゃんが起きるより先にご飯食べて学校行かないと…」

咲(栞子さんはいいな…本のこと詳しくて、大人しくて、控えめで…でも芯に強いものを持っていて)

咲(私もそういうお姉ちゃんが欲しかったなぁ…)シミジミ

咲(そういやあの二人、どこか松実姉妹に似てるかも。今度玄さんに話してみようっと)クスクス

咲「お母さん、おはよ」ガラッ

照「おっはようにゃあ☆( ゚ω^ )b」クネッ

照「今日のご飯はテルテルが作ったんだにゃ♪さぁさぁおいしく頂くのにゃっv(・ω<v)ピース」

咲「…………」

咲「……………………は?」

咲「え?何これ…え?夢?」

咲(え?? 何???なんでお姉ちゃんが猫のコスプレして居間に立ってるの???)

照(咲、すまない…今日、私は姉としてお前のそばにいてやることが出来ない)

照(でも、それもこれも全部咲の為なんだ…許してくれ)


照「おおっと☆咲ちゃんはまだおねむさんにゃにょかにゃあ?(´・ω`・)」クネッ

照「全く…しょうがにゃい子だにゃあ( ゚ω^ )⌒☆」

照「さっさとお洗面台で顔を洗ってくるんだにゃヾ(◜▿~ )」

咲「あ…うん……」


咲(そっか…昨日遅くまで本を読んでたから、こんな変な夢見ちゃったんだな)スタスタ

咲(だとすると、私はまだ寝てるってことだよね?早くしないと遅刻しちゃうかも)パシャパシャ

咲(………)フキフキ

咲「え…夢じゃない…?」フルフル

咲「いってきます」

照「いってきますにゃあ(`・ω・´)」


咲「………」テクテク

照「ふぁあああ♪ 今日もお日様ぽかぽかで気持ちいいのだにゃあ˖✧◝(⁰▿⁰ )◜✧˖」

照「おおっと、あれはキンモクセイΣ(´∀`) いい匂いだにゃあ(◜▿~ )ノ」

咲「…え?その格好でついてくるの?」

照「にゃにゃにゃ~???(・ω・)」

照「当然だにゃ!テルテルはいつでも咲にゃあちゃんと一緒にゃっ!( ゚ω^ )b」

咲「やめて…こないだ冷たい態度とったことは謝るから本当にやめて」

照「?冷たい態度? なんのことかわからないんだにゃ?(‵_‵)」

照「でもでも~↑…テルテルは咲にゃあちゃんと一緒にいたい!それだけはわかるのにゃ˖✧◝(⁰▿⁰ )◜✧˖」

咲「いやっ…やめて、お姉ちゃんごめんなさい。だからやめて」

照「にゃあ…恥ずかしいのはわかるけど、咲にゃあちゃん照れなくてもいいんだにゃあ( ゚ω゜ )))」

咲「いやっ…こっちこないで」ダッ

照「待つのにゃー!( ◠‿◠ )」

咲「や、やだーーーーーーー!!!!!!!」


<ヤダーーー ニャーーーー

玄「あ、あれは咲ちゃん…と照さん!?」ガクガク

小蒔「あわわっ…一体照さんに何があったんでしょうか」ガクガク

1年教室前

咲「はぁ…はぁ…なんとかお姉ちゃんを熊倉先生に押し付けてこれた…」

咲「これでお姉ちゃんは1年教室までこれないはず…」

玄「咲ちゃん!大丈夫?」

小蒔「何かよくないものに憑かれてはいませんか!?」

咲「玄さん…小蒔さん…おはよう御座います。今日はお二人とも宥さんたちと別登校なんですね」

玄「う、うん…昨日咲ちゃんに言われたこと、小蒔ちゃんと相談して自立していこうって決めたから…」

玄「…ってそんなことより! 一体何があったの?喧嘩でもしたの?」

咲「………」

小蒔「咲さん?」フルフル

咲「わ、わからないんです…」

玄・小蒔「…」ゾクッ

咲「お姉ちゃんが頭おかしいのはいつものことなんですが…今日は本当、特に意味がわからなくてただ怖いんです…」ガタガタ

玄「……」ギュッ

咲「最初はただ、あんな格好であんな言動をする姉が恥ずかしいって気持ちだけだったんですが」

咲「ふとした拍子に見た、お姉ちゃんの目…」ゾクッ

咲「なんだか上手くいえないんですけど、怖いんです」ヒシッ

咲「玄さん…どうしよう、私…怖いです」ギュウウッ

玄「大丈夫…咲ちゃんには私たちがついてるよ」ナデナデ

小蒔「私も、出来ることは何でも協力します!安心してください!」ナデナデ

咲「玄さん…小蒔さん…」グスッ

玄「…落ち着いた?」

咲「はい! 恥ずかしいところをお見せしてすみません//」

小蒔「そんな、遠慮しないで下さい!咲さんは私たちの可愛い後輩なんですから」

咲「…はい!ありがとうございます。私、お二人の妹に生まれたかったです…」

玄「あはは…2年教室でよかったらいつでもおいで」

小蒔「みんなで待ってますから!…それでは、時間も時間ですしそろそろ戻りますね」

咲「あ、あの…!」

玄・小蒔「?」フリムキ

咲「お二人もその…もし突然姉が豹変したらその…全力で逃げてくださいね」

玄「うーん…家はたぶん大丈夫だと思うけど、気をつけるね」

小蒔「霞ちゃんが豹変だなんて…でもご忠告ありがとうございます」

玄・小蒔「……」テクテク

玄「お姉ちゃんが豹変、か…想像できないや」

小蒔「私も、霞ちゃんが今朝の照さんみたいになるところなんて考えられません」

玄「うん…何があったんだろうね。でも照さんのことも心配だなぁ」

小蒔「後で霞ちゃんに照さんのご様子を伺ってもらうことにします」


玄「でももし、咲ちゃんの言うとおり霞さんがあんなふうになったら…小蒔ちゃんならどうするの?」

小蒔「えぇっ!わ、私ですか!?…そうですね、とりあえず玄ちゃんに助けてもらいます!」

玄「わ、わたし!?」

小蒔「はい!玄ちゃんなら…助けてくれますよね!」

玄「う、うん…頑張るよ。…じゃあもし私のお姉ちゃんがああいう風になったら小蒔ちゃんが助けてね!」

小蒔「えっ…ま、任されました!」

玄・小蒔「ふふふっ」ニコニコ

玄・小蒔(まぁ、そんなことないだろうけどなぁ…)

3-2教室 

ザワ ザワ ザワザワ

熊倉「宮永さん。あなたもう3年生でしょう?いつまでもふざけてないで」

照「ふざけてにゃんかにゃいんだにゃ!テルテルはいつでも真剣なんだにゃ(▹д◃´)」プンスコ

熊倉「あんまり問題起こすようだと、内申に響くんだからそろそろやめるんだよ」

照「にゃにゃ!?( ゚ω゜ )にゃいしんってにゃんにゃのだにゃ…おいしいのにゃ?(‵∀‵)」

熊倉「困ったねぇ…おや、弘世!」

菫「」ビクッ

熊倉「ちょうどいい保護者がいたよ。ちゃんとこいつの面倒見ておくんだよ」

菫「えっ、そんな困ります…ここは先生が担任としてちゃんと指導すべきです」

熊倉「私よりいつも一緒にいるアンタのほうが適任だと思うから…そんじゃ任せたよっ!」

菫「く、熊倉先生!」


菫「…ちくしょう逃げられた」

照「にゃあ?菫、なんだか悲しそうにゃんだにゃあ(´・ω・`)」

菫「うるさい黙れ。頼むから今日一日ずっと黙っててくれ」

照「菫、元気だすのにゃ!菫をいじめる悪い奴にゃんて、テルテルがやっつけてやるのにゃ!(・ω・´)」

菫「お前だよ!原因は全てお前だよおおおお!!!」

洋榎「おっはようさーん!今日も元気な洋榎ちゃんのお出ましやでー!」ガラッ

宥「…………………………………………………………………………………」

照「おっはようにゃあ☆(´∀`) 洋榎はいっつも元気で良い子良い子なんだにゃあ(*´∀`*)」

洋榎「なんや、照も今日はえらいテンション高いなぁ」

宥「…………………………………………………………………………………」

照「当然だにゃあ(゜∀゜) テルテルは元気だけが取りえにゃんだからにゃあ( ゚ω^ )b」

洋榎「はははっうけるわ。キャラちゃうやろ」ハハハハ

宥「…………………………………………………………………………………」

菫「おい、なんか一人死んでるぞ」

洋榎「あー、今こいつに触れたらアカン」

菫「はぁ?一体何があったんだ」

洋榎「なんでも玄ちゃんに一緒にお風呂もお布団も拒否されたらしいで。ついでに登校も」

宥「…………………………………………………………………………………」

照「宥にゃあ、死んでるのにゃあ:(´ཀ `):」

洋榎「ほんまそれ(笑)」

宥「誰…玄ちゃんに姉離れだなんて言葉を教えたのは…」

菫「誰って、自分で決めたことじゃないのか?」

宥「そんなことない!玄ちゃんはそんな酷いことする子じゃないの!」

洋榎「酷いことって、高2やったら普通なんちゃう?」

照「祝!˖✧◝(⁰▿⁰ )◜✧˖玄ちゃん思春期到来(ゝω・)vミ☆」

洋榎「テルテル、満面の笑顔やな」

宥「…………………………はぁ」

宥「私は何を糧に生きればいいの……………」

洋榎「まぁまぁ、落ち込むなって。その内玄ちゃんなら戻ってきてくれるやろ(マジキチスマイル)」

洋榎「ウチの絹のように一緒にお布団入ることになるからな(マジキチスマイル)」

照「それこそ、戻ってきてから言えってことなのだにゃあ( ◠‿◠ )」

洋榎「なんやて?」ガタッ

菫「喧嘩するなお前ら!」

霞「失礼」ガラッ

洋榎「失礼するなら帰って~」

霞「…………」ゴゴゴゴゴゴ

洋榎「ひっ、て、テルテル…なんかあいつ怒っとるで」ビクビク

照「ん~?あのおっぱいお化けのことはよくわからないんだにゃあ(ˇ∀ˇ)」

霞「松実さんはもう来ていらっしゃるかしら?」

照「宥ならそこで死んでるんだにゃあ:(´ཀ ` ):」

宥「…………………………………………………………………………………」

霞「あらあら本当ね。手間が省けたわ」ゴゴゴゴゴゴ ドサッ

洋榎「おっ、鞄からなんか落ちたd」

 ゴウモンキグ テジョウ ベルト タオル オモリ アトヨクワカラナイモノ タクサン

洋榎・照・菫「…………」

照「さようなら、宥。なんだかんだいっていいやつだったよ」

菫「おい、素に戻ってるぞ」

霞「宥、あなた大変なことをしてくれたわね」ゴゴゴゴゴ

宥「………………」

霞「玄ちゃんでしょ?家の小蒔ちゃんに姉離れだなんて言葉を教えたのは…!」ゴゴゴゴゴゴ

宥「あね、ばなれ………?」ピクッ

霞「お陰で昨日小蒔ちゃんに『今日から自分のことは自分でやります!構わないで下さい!』って言われたのよ!なんてことをしてくれるの!!」

洋榎「小蒔ちゃんも、ストレス溜まっとったんやないの?」

照「祝!˖✧◝(⁰▿⁰ )◜✧˖小蒔ちゃん思春期到来(ゝω・)vミ☆」

霞「……」ギロッ

洋榎「お口チャックしときます」

霞「それで、小蒔ちゃんに変なこと吹き込んだ落とし前は、どうつけてくれるつもりなの?」

宥「………はぁ?」ギロッ

霞「!?」ビクッ

宥「…霞ちゃん。私の玄ちゃんが、小蒔ちゃんに姉離れを促したとでもいいたいの?」ゴゴゴゴ

霞「え、ええ…そうだけど」

宥「逆なんじゃないのかな…」

霞「な、なにがよ…」

宥「小蒔ちゃんが、玄ちゃんに姉離れを促したんじゃない…?」

霞「…はぁ?そんなわけないでしょ。なんで小蒔ちゃんがそんなことをするの?」

霞「小蒔ちゃんはね、小心者で、一人じゃ何もできないくらいに大人しい子なの」

霞「玄ちゃんみたいなおせっかい焼きと一緒にしないでくれる?」

照「にゃんと…小蒔ちゃんただの駄目人間にゃんだにゃ(゜ω゜)」

霞「しばいたろか」

照「にゃにゃーん(☝՞ਊ ՞)☝」

宥「…そうだね、駄目人間だね。なら霞ちゃんは小蒔ちゃんの成長を暖かく見守るべきなんじゃない?」

宥「言っておくけど、玄ちゃんは家事もこなすし私服もセンスあるしお勉強も頑張る子」

宥「ご近所付き合いもきっちりこなす、旅館のお手伝いもする。とてもしっかりした子なんだよ?」

宥「わざわざ姉離れなんてする必要がないんだからね…!」

照「むしろ宥が妹離れして自立すべきなのにゃあ( ◠‿◠ )」

照「駄目人間☆乙にゃーん(☝՞ਊ ՞)☝」

宥「照ちゃん」ニコニコ

照「むむっ(-ω-`) 呼んだかにゃあ、炬燵の廃棄物よ(◮∀◮` )」

宥「退けや。…いてこますぞ」ニコニコ

照「ちょっと何言ってるかわかんにゃいんだにゃ( ◠‿◠ )英語で言うんだにゃあ( ◠‿◠ )」

宥「ニフラム」ニコニコ

照「貴様より弱いなんてありえにゃいんだにゃあ☆(◔∀◔´ )」

照「ま、妹の気持ちを理解できない姉にゃんかにはわかりっこにゃいんだけどにゃ˖✧◝(⁰▿⁰ )◜✧˖」

宥「照ちゃんが咲ちゃんの気持ちを理解できたことなんてあったの?」ニコニコ

霞「頭沸いた言動している人に言われたくない言葉ね…」ゴゴゴゴ

照「ふふっ…愚かものどもめだにゃあ( ◠‿◠ )」

照「そうやって理解したつもりになっているからこそ、玄ちゃんも小蒔ちゃんも離れていったんじゃにゃいのかにゃ?(◮∀◮` )」

宥・霞「!?」

洋榎「もうすぐホームルーム始まるでー」

照「妹という存在もまた一人の人間。姉視点のみの一面では完全に理解できにゃいのにゃ(-ω-`)」

照「凝り固まったイメージで物事を捉えるから『家の玄ちゃんに限って…』にゃんてことを言っちゃうのにゃ(´・ω`・ )」

宥「うっ……確かに『今日からお姉ちゃんとお風呂に入らない』って言い出したとき、玄ちゃんが何を考えているのか全くわからなかった…」

霞「私も、九面の神が変なお託けをなさったのかと疑ったわ…」

照「だが全ては妹の意思。それは昨日の体験からも認めるべきにゃのだにゃ(`・ω・´)」

照「妹の思い、妹の行動…全部受け止めて更なる理解を行う…。お前達二人ももう一度妹を理解しなおすべきにゃのだにゃあ( ゚ω^ )」

菫(何言ってんだこいつ。というかそもそもなんでこんな格好してるんだ?)

霞「悔しいけれどそのとおりね…」

宥「…でも、姉離れした玄ちゃんを理解するなんて今の私にはどうしたらいいのか…」

照「ふむ…せめてもの情けだにゃ松岡ファブリーズよ。こいつを昼休みまでにマスターするんだにゃ☆( ゚ω^ )」

宥「なにこれ…妹ラブハーツ?」

菫「」

洋榎「おっ、なんや?なんかやんのー?」

昼休み 2-3教室

玄「せーのっ でもそーんなーんじゃダーメ♪」

小蒔「そーんなーんじゃ ドーラッ♪」

玄・小蒔「飜数は増加ーすーるよっ もっとーもっと♪」

咲「こんにちは」

絹恵「いらっしゃい咲ちゃん」

玄「こっちおいで、一緒に食べよう」

咲「はい!…お邪魔します」テレッ

小蒔「今日のお昼ご飯は玄ちゃんに作ってきてもらったんですよ~!」イイデショ イイデショ

玄「はい、小蒔ちゃん。いっぱい作ってきたから遠慮せず食べてね」

小蒔「はいっ!食べて食べて食べまくります」パァァアア

咲「あはは、相変わらず仲良しですね。癒されます」

絹恵「その気持ちようわかるわ。学校は家で荒んだ心をほぐしてくれる唯一の場やからなぁ」

咲「あれ、玄さん。そっちのお弁当は何です?」

玄「これはお姉ちゃん用だよ。今日は別々に学校に来たから、渡す暇がなかったんだ」

玄「よいしょ…っと。それじゃあ、ちょっとお姉ちゃんのところに行ってくるね」

絹恵「いってら~」

小蒔「いっふぇらっふぁい」

玄「いってき…ってもう、駄目だよ小蒔ちゃん」

玄「食べるのとしゃべるのを同時にやるのはお行儀悪いよ」

小蒔「!………」コクコク モグモグ

玄「……はい、あーん」

小蒔「あーん」

玄「…美味しい?」

小蒔「…!」モグモグ コクコクコク モグモグ コクコク

小蒔「」ゴクン

小蒔「玄ちゃん!あーんした直後話しかけるなんて卑怯です!」

玄「てへへ、ごめんね小蒔ちゃん」

絹恵「玄ちゃんは小蒔ちゃんに対してはいたずらっ子やなぁ」ポヤーン

小蒔「今度やったら拗ねますからね!」

玄「だって小蒔ちゃんかわいいから!」

霞「ふぇぇ。。。小蒔しゃんも玄しゃんもくぁわいいよぉ。。。」

玄・小蒔「!?」

小蒔「霞ちゃん…?な、なんですかその格好…よ、幼稚園児の…」

霞「ふぇ?はぅぅ。。。見ちゃらめぇなのぉ。。。ふぇぇぇ。。。」

玄「わ、うわわ…ど、どうしてここに…というより、どうしたんですか」

霞「ふぇぇ。。。あんみゃりじろじろ見りゃれりゅとはじゅかしいのぉ。。。」

霞「。。。でも、おにいにぃならぁ。。。いいよぉ。。。」

玄「へ?え?わ、私のこと?」

霞「しゅみは、おにいにぃのことだーいしゅき」

霞「だからぁ。。。おにいにぃに、もーっとしゅみのこと知ってもらいたいなぁ。。。」

玄「い、意味が解らないです!なななななんで近寄ってくるんですか!?」ビクビク

小蒔「か、霞ちゃん!玄ちゃんが困ってるじゃないですかやめてあげてください!」ビクビク

霞「はぅぅぅ。。。しゅみは悪い子。。。でも、がまんできないよぉ。。。」ギュッ

玄「痛いです霞さん。離しっ…や、やめっ…」

小蒔「だ、ダメー!」

宥「ふんっ」ドゴッ

霞「ごはっ!」

玄「ひゃっ…」

小蒔「く、玄ちゃん!…大丈夫、玄ちゃん」

玄「う、うん。大丈夫、お姉ちゃんが助けてくれたから…ありがとうお姉ちゃ__」

宥「礼には及ばないよ☆ にいやを助ける為だもの!」キメポーズ

宥「見て!にいや!私…魔法少女になったんだ!」キラリン

宥「これでいつでもにいやを守れる!嬉しい」キメポーズ2 フリフリ

玄「」

霞「ふぇぇぇ。。。…やはり一筋縄ではいかぬか。柵に捉われた俗物ならば鬼籍を改定できると推測していたが…目論見が外れたか」

霞「だが斉しく看過すべき策略を破壊せしめんと欲したは失敗だったようだな」ドゴゴゴゴ

小蒔「」

宥「うぅ…なんて魔力。これが四天王の上に立つものの力なの!?」

宥「…で、でも負けない!だって今、にいやが私を見ててくれてるんだもの!」

宥「聖剣アルカディアユートピース!お願い!私に力を…!」

玄「…………へ?じゅ、受験のストレス?」

咲「…すみません、私ちょっと用事思い出しましたので」

絹恵「なんや、咲ちゃん急がしいんか。しゃあないなぁ、ウチも付きおうたるわ!」

玄「ま、待って!咲ちゃんも絹ちゃんも行かないで!」

咲「…玄さん。こないだの麻雀大会のときみたいに、また面倒ごとを押し付けてしまってすみません」

咲「実は、あれ以来私…玄さんが困ってたらいつでも助けてあげようって思ってたんです!でも…」

咲「でも、流石に…霞さんと宥さんの二人は無理です。ごめんなさい」サッ

玄「そんな、咲ちゃん!」

咲「先立つ私を許してください!」ダッ

玄「だ、ダメだよ咲ちゃん教室から出ちゃ!」

玄「お姉ちゃんがここに来たってことは、きっと廊下には___」


照「おっかえり咲にゃああああああん( ゚ω^ )b」クネッ

照「テルテルにそんにゃに会いたかったのかにゃ?どうにゃのかにゃ?(ゝω・)vミ☆」

照「咲にゃんの方から飛び込んでくれるなんて、テルテル感激にゃのにゃぁん˖✧◝(⁰▿⁰ )◜✧˖」

咲「」

屋上

小蒔「風が……気持ちいいですね……」

玄「うん……今なら高く飛べそうな気がする……」

咲「はぁ……空は青いなぁ……」

小蒔・玄・咲「…………」ハァ

絹恵「げ、元気出すんや三人とも」

小蒔「なんで絹恵ちゃんは平気なんですか……」

絹恵「せやかてお姉ちゃんがきっしょいのはいつものことやし…」

咲「いつも変でも、あんなの耐えれないですよ…」

玄「というより…お姉ちゃんにあんな一面があるなんて知らなかった………」

小蒔・玄・咲「………」ハァ

ガターン

照「咲にゃあちゃん!いきなり走り出すにゃんてどうしちゃったのにゃあ!(´・ω・`)」

宥「にいやはいつも命をかけて戦ってくれてたんだね…ごめんね、何もできなくて…」キメポーズ3

霞「ふぇぇ。。。でも小蒔しゃんのなやみならしゅみもいっしょにのりたいよぉ。。。」

洋榎「そ、そうですよ。わ、わわ、私でよければちからになりましゅ…//////」

玄「私らの悩みはあんたらやっ!」

宥「はぅぅ☆まさか姉への反抗期!?」キラリン

小蒔「こんわっぜかわけ解らなか悩みがあったやろかい!」

霞「ふぇぇ。。。はんこーき、とはいえぶんすか中の小蒔しゃんはじめてみたよぉ。。。」

絹恵「どう考えてもあんたらのイカれた言動が原因やから」

洋榎「き、絹…ちゃんは、は、反抗期じゃっ…な、ないんです…よね/////」

絹恵「気色悪い」

洋榎「えっ…ええっ!///」フフッ

絹恵(きもちわるい…)

咲「……で?元凶はどうせお姉ちゃんなんでしょ」

照「にゃにゃ!?テルテルを疑うにゃんてひどいのにゃ! ゚・゚(ノД`)゚・゜」

咲「…………」

照「うぅ…信じて貰えにゃいみたいにゃのにゃあ(´・ω`・) かくにゃる上は…」

照「体と体でぶつかり合って妹を理解するのにゃあーっ!( ゚ω^ )b」ダダダッ

菫「ロン(物理)」

照「ぐへぇ」

菫「いい加減にしろお前ら!妹さんたちからの信頼をマイナスにする気かっ!」

宥「す、すみ☆すみ…」

菫「妹を演じれば妹を理解できる…そんなわけあるかっ!そんなことできると思っていたのか!?」

霞「すみ☆すみ…で、でも価値観が違ったら理解もなにも…」

菫「でもじゃない!姉と妹で考え方を同じにする必要なんてないだろっ!バカかっ!」

菫「そもそも姉が妹のことを疑ってどうするんだ。目の前の妹の姿を見てみろっ!」

照・洋榎・宥・霞「………」

玄・小蒔「………」

咲「」メヲソラシ

絹恵「」メヲソラシ

菫「生まれてからずっと一緒だった妹だろっ!一緒に育ってきた妹だろっ!」

菫「余計な小細工なんかせずに、ありのままを受け入れてやれよっ!」

洋榎「…せやな。すみ☆すみの言うとおりやったわ…」

宥「玄ちゃんごめんね…お姉ちゃん間違ってた」

玄「お姉ちゃん…」

霞「小蒔ちゃんが自立するって聞いてから、なんだか遠くにいっちゃいそうで不安だったの…」

小蒔「霞ちゃん…いえ、私も悪かったんです…」

洋榎「絹…これからも一緒にいてくれるか?」

絹恵「…まぁ、家におるぐらいなら…」

照「咲…こんなバカな姉を許してくれ…」

咲「……」

咲「とりあえずその格好をやめてよ…」

照「咲…」ジィーン

菫「ふふっ…一件落着だな…」

一週間後 屋上

宥「……」タソガレ

照「あれ、先客がいる」

宥「ん?照ちゃんか」

照「珍しいね。宥が外でのんびりしてるなんて…」

宥「うん。ちょっとね…」

宥・照「…………」

照「あれからどう?玄ちゃんは相変わらずべったりなの?」

宥「う、うん…なんだか前以上に優しくなったよ」

宥「何も言わなくてもご飯やお風呂やお布団の準備してくれるし、一緒にテレビ見ようって誘ってくれるんだ」

照「そう…」

宥「でも、一緒にお買い物だけは理由をつけて断るようになっちゃった…」

照「……」

宥「それに、しょっちゅう菫ちゃんを晩御飯に誘うようになっちゃった…」

照「…ごめん」

宥「照ちゃんの方はどう?」

照「私のほうは前と一緒。でも若干姉妹間の距離が離れた気がする…」

宥「そうなんだ…」

照「外で話しかけても、前はうざいって構ってくれたのに今では無視してどっか行っちゃう…」

宥「……」

照「後、咲の部屋に鍵がついた」

宥「…元気出して」

照「うん…」


宥「…実はね、照ちゃん。照ちゃんがなかなか咲ちゃんに会えなかったの、私のせいなの」

宥「私…玄ちゃんに、咲ちゃんが困ったときは2年教室で匿ってあげなさい、って入れ知恵してたんだ」

照「うん…なんとなくそんな気がしてた…」

宥「照ちゃんは、用が無い場所へはたどり着けない、変な方向音痴だからね」

宥「毎日咲ちゃん自慢聞くのが悔しくて、ちょっと意地悪してたの…ごめんね」

照「いいよ…気にしてないから…」

照「それに私も…。実は咲に、私と宥が同類であることを吹き込んで、暗に玄ちゃんに姉離れさせるよう仕向けてたんだ…」

照「私も、宥の玄ちゃん自慢が羨ましくて、意地張ってた。ごめん…」

宥「いいよ…もう過ぎたことだから…」


赤土「宮永、松実!こんなとこにいたのか」ガラッ

宥「赤土先生…」

照「何か用ですか…」

赤土「なんだなんだ?辛気臭いぞお前ら!いつものアホみたいな元気はどうしたんだ?」

赤土「…まぁ、それはともかく、はいこれ。麻雀大会の景品」ペラッ

照「はい…」

宥「ありがとうございます…」

赤土「一位と二位で行く、ペア遊園地招待券!…まさかしょっちゅう喧嘩してるお前らに当たるとはな」ハハハ

赤土「ごめんなー!本当は二人ともにペア招待券渡した方がよかったんだろうけど、ほら、予算が少なくて」ハハハ

赤土「特に松実の妹の方は、姉と一緒に行くんだー!って粋がってたのに残念だったよ。ったく、教頭はケチだよなーっ!」ハハハ

宥「はい……」

照「そうですね……」

赤土「…っと、建前はそんだけ!後は譲渡やら売買やら好き勝手やってくれ。私はなんも言わないから」

赤土「それじゃあ、あんまりこんな寒いところにいると風邪ひくから気をつけろよー!」

宥「はい……」

照「そうですね……」

宥・照「………」


宥・照「……………」

宥「照ちゃん…これ、あげる…」

照「いい。私のほうこそあげる…二人で行ってきて…」

宥「いいよ…多分…しばらく玄ちゃんとお出かけできないと思うから…」

照「…そっか、ごめん、ありがとう……」

宥・照「………」


照「あっ、そうだ。宥にこれあげるよ…」

宥「ん?なにこれ…ボイスレコーダー?」

照「うん…家に帰ったら玄ちゃんと再生して…」

宥「うん…よくわからないけどありがとう…」

宥・照「………」

宥・照「……ハァ」


宥・照「妹の気持ちがわからない」

カン

咲14話までの繋ぎに瀬戸花のアニメ見よう(ステマ)
あれもめっちゃ面白いから(ステマ)

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