P「社長、アイドル達のことでご相談が……」(143)

某月某日 765プロ社長室

P「失礼します」

高木「おお、君か。頑張ってくれているようだね。我が765プロのアイドル達も近頃は大分世間の注目を集めているようで、実に喜ばしい限りだ」

P「はい、ありがとうございます社長。社長の方からもかなりの後押しをして頂いてると伺っております。
 僕も彼女達がトップアイドルの高みへ上り詰めることができるよう、粉骨砕身する覚悟です。
 ……それでですね、本日はそのアイドル達について、一つご相談があるのですが」

高木「ふむ?大抵の問題は君と音無君、律子君の3人で解決できているみたいじゃないか。
 わざわざ私の所まで話が上がってくるということは、かなり重大なものだと考えても良いのかね?」

P「あ、あー。まあ、重大……といえば重大ですね。段々と僕の手に負えるレベルではなくなりつつありますし、それに律子や音無さんを頼るわけにもいかないもので」

高木「おいおい、そんな大変な事態になっているのなら、もっと早くここに来るべきではなかったのかね?ホウ・レン・ソウは基本だよ君」

P「申し訳ありません。何と申しますか、こちらの恥を晒すようなものでして、誰かに相談というのも気が引ける話題でしたので、ついズルズルと……」

高木「あー、いや、そんなに恐縮しないでくれたまえ。むしろ君が苦しんでいるのに気づけなかった私の方にも問題があるだろう。
 しかし、普段のアイドル達の様子を思い返しても、特に問題があるようには思えないのだがね。
 女性の集団となれば大抵は内部で派閥が出来てギスギスするものだが、ウチのアイドル達はそんな気配も無く全員和気藹々としているし、
 君とアイドル達との関係も良好だろう。一体――「それなんです!」おおぅ!?何だね突然大声を上げて!」

P「す、すみません思わず。で、ですがその良好である、というか良好過ぎるのが問題で……」

高木「ふむ、仲が良い、良いことじゃないかね?気難しい年頃の子が多いというのに、ああまで慕われているというのは業界でも中々聞かないが」

P「慕うにも限度ってモノがあると思いませんか!?
 事務所にいるとかまってかまってのコールでロクに書類仕事が出来ないですし、
 近頃は外でも甘えるようになってきてゴシップ誌に目をつけられていないか気が気じゃないんです!
 ああやめろそんな目で俺を見るな抱きつくな感触が匂いがががg……」

高木「だ、大丈夫かね?何だかどんどん目から生気が失われているのだが……」

P「……ハッ!?こ、これはお見苦しい所を……」

高木「まぁ君の言いたいところは理解したよ。確かに社長としてのひいき目かも知れないが、ウチのアイドル諸君は非常に魅力的だ。
 彼女達に好意を向けられては、君も心穏やかでいられないだろう。
 しかし男としてはかなりうれしい立場にいると思うのだがねぇ、いや実に羨ましい。ハッハッハッ……」

P「は?そんな事言うなら代わりましょうか?ただし下心見せた瞬間眉間に風穴開けるという条件で」

高木「ちょ、ちょっとした冗談だよ君。あまりにも追い詰められているようだから気を和ませようと……、
 すまないと思っているからその目はやめてくれたまえ、本気で怖いから。
 ……ウオッホン!確かに彼女達はアイドルだ。好意を向けられているからといって素直に受け取るわけにはいかないな!
 うむ、実に職務に忠実だね!さすが私が直々にスカウトしただけのことはある。素晴らしい!」

P「……ハァ、何で俺なんかをこんなに好いてくれてんのかなぁ。
 お前ら芸能人だろ?仕事で俺なんかよりずっとイケメンと日常的に会ってるじゃないか。
 いや、嬉しいか嬉しくないかと言ったら嬉しいよ?嬉しくないわけ無いじゃんあんな可愛い娘達に迫られてさぁ。
 でも君たちアイドルだよ?手なんか出せるわけ無いんだよわかってくれよ。
 つーかプロデュースしてる身としてはもっと上を見て欲しいんだよこんな冴えない野郎に入れ込まないでくれよ何か騙してる気分になるんだよ。
 ……あー何か考えてたら申し訳なくて涙出てきた」

高木(これはかなりの重症だな)「あー、つまりはだ、彼女達に君へのスキンシップを自重して欲しいと、そういう事でいいのかね?」

P「……ん?あっ、申し訳ありません。また自分の世界に入り込んでしまっていました。
 それで本題に戻りますが、希望としてはそうして頂きたいのですけど、正直そうしてしまうとあの娘達のテンションが下がる恐れがあるのが……。
 以前ちょっと自分の方から距離を取ってみたのですが、途端に全員が捨てられた子犬みたいな目でこっちを見てくるように……」

高木「そういえば胃痙攣で倒れたと聞いたがひょっとして……」

P「はい、それです。罪悪感が半端じゃありません、一週間しか保ちませんでしたよ。自分でも胃に穴が開かなかったのは奇跡だと思ってます。
 思い返せば暴走が始まったのがあの頃です。今現在の惨状はアレの反動かもしれません。
 なので下手につつくとまたさらに悪化する恐れが……」

高木「これは……、何と言うか、対処を間違えると大変なことになりそうだね。
 すまないが普段彼女達とどのようなコミュニケーションをとっているのか説明してくれないかね?それを踏まえてどのように扱うかを考えていこうじゃないか」

P「わかりました。まず中学生組から説明します。あの娘らは……まだ平和です。
 何と言うか、僕が一番身近な年上の男ということでちょっと意識している感じなんだと思います。
 まぁ苦労の多い業界です、まだ子供ですし、彼女達から見れば甘えるのに手頃な立場なんじゃないかと自分でも思います。
 要求も頭を撫でろとか、膝に乗せろとか、ハグしろとかこの程度ですよ。これで大したことないというのは自分でも感覚がマヒしてる感がありますが、このあと説明しますけど年長組はケタが違うんですよ。
 それに比べたら微笑ましいレベルです。あとは、向こうから抱きついてくることも多いですね。まぁこれは美希と亜美真美だけですが。」

高木「ハッハッハ!苦労しいるようだね。それにしても凄まじい自制心だ。この歳になった私ならともかく、君の歳で同じ状況になっていたらもう心が折れていそうだよ」

P「笑い事じゃありませんって……。伊織とやよいはまぁいいんですよ。伊織は我慢強いのか相当フラストレーションが溜まっている時しか甘えてこないし、やよいもワガママを言いませんから。
 双海姉妹はなぁ……。女の子なんだからもう少し慎みを、ああでも真美の方は最近なんだか恥ずかしいという感覚を覚えてきたのかスキンシップが大人しくなってきましたね。
 ああそうだ、中学組でも美希は別格です。あいつは年上組と同じ範疇ですホント」

高木「確かに美希君の君へのアプローチは凄まじいものがあるね。確かハニー、だったかな?」

P「ああそうだ、せめてその呼び方だけでも何とか出来ませんかね社長。最近あいつ現場でも僕のことハニーって呼びそうになってて危なっかしいんですよ」

高木「言っても聞かないと思うがねぇ」

P「ですよね……、ハァ」

高木「中学生組についてはこんなものかな?
 ……ああ、喋っていたら何だか喉が渇いてきたな、君もコーヒーで良いかね?」

P「あ、それなら僕が」

高木「良いんだよ、そこでくつろいでいたまえ。苦労しているようだからね、私のねぎらいの気持ちのようなものだ」

P「それならお言葉に甘えて」

高木「ほら、飲みたまえ。……さて、順序としては次は高校生組についてかね?」

P「ありがとうございます。ええ、そうですね。ここから上は何と言うか、一気に過激になるんですが」

高木「過激、と言うと?」

P「簡単に言うと、搦め手っぽいのが一気に増えますね」

高木「ま、まぁ高校生といえばそういう年頃だろう、そういう楽しみを通して彼女達の仕事にも張りが出るのではないかね?」

P「でもアイドルなんですからさすがに恋愛はマズいでしょう。もっと他に情熱を向けて欲しいですよ。
 それにしても、同じ男狙ってるはずなのになんであんなに仲いいんでしょうねあいつら?
 学生の頃無茶苦茶仲悪い女子グループがあったからてっきりどこもそんなものだと思ってたんですが、見えない所で何かやってる雰囲気も無いですし」

高木「ハハハ、そこは君への愛で一致団結しているからではないかね?
 それで?美希君も中学生ながらこちらのグループだと言っていたが」

P「洒落になってませんよそれ。……まぁまず美希ですよね。あの体型なのに亜美真美と同じノリでぶつかってくるんですよ?あれは無茶苦茶心臓に悪い。
 美希以外にも、基本年上の奴ら全員に言えることですが、やっぱり抱きつかれた時の感触が中学組とは段違いなんですよね。あ、千早については触れないでやってください」

高木「ん?んん?年上組全員ということはその、全員抱きついたりしてくるということかね?つまり、三浦君や四条君も?」

P「ハハッ、その通りですよ悲しいことに。あずささんと貴音の抱きつきは反則ですね……。
 でも最近は意識から感触を切り離せるようになってきたんで大分平気になったんですよ?あと、歳を取ると恥じらいがあるのか回数自体は減るのが救いです。
 でも、美希はそんなの知るかって感じで……、飛びついてくるのはもう諦めましたけど、ちょっとスピードを緩めて欲しいとは思いますね。喰らった時たまに体の中でミシッ、って音がするんですよあのタックル。
 あと最近は何処で覚えてきたのかやたら言動が挑発的です。『ハニーなら美希のこと好きにしていいよ?』とか言われたときはさすがに揺れました。
 あれ実際は意味わかってないんだろうなぁ……。髪の毛ぐしゃぐしゃになるまで頭を撫で回してやっただけで満足して離れたし。
 まぁこんな感じで美希って絡んでくる頻度は多くても、くっついてくる以上のことはしてこないのでそれは楽ですね。そのくっついてくるのがある意味一番の脅威ではありますけど」

高木「と言うことは、他の高校生組はそうではないと」

P「春香のお菓子しかり、雪歩のお茶しかり、アピールの方法もバリエーションが広がってくるというのもあってそれはそれで楽しくはあるんですけどね。
 ただなんかその方向性が暴走を始めてるんですよ……。アイドルとプロデューサーだからってつれなくしすぎたんでしょうかね?ゴメンな皆……グスッ」

高木「ああまた悪い方向へトリップし始めた。ほら!しっかりしたまえ!」

P「……ハッ!な、何度もすみません。ああでも、千早はかなり大人しいですね。
 大人しいというより不器用といえるのかもしれませんけど。
 レッスンにかこつけて二人っきりになろうとするくらいしかしてきませんから」

高木「ううむ、実に初々しいじゃないか。私も十代の頃を思い出すよ」

P「ただ何を間違えたのか最近二人っきりになる時コスプレをするように」

高木「ちょ、ちょっとそれは私の若い頃には無かったかな……」

P「顔真っ赤にして『め、メイドちーちゃんですよ』ってそんな恥ずかしいならやらなきゃいいのに。
 でもあの衝撃は半端じゃなかったですね。戦術核クラスの破壊力でした。
 しかも毎回衣装が違うんですよね。メイド、巫女、婦警、その他諸々。学制服はあれきっと自前のなんだろうなぁ。
 あと何かアニメのキャラの格好をしてきたこともありましたね。
 それにしても思い返せばどの衣装も随分しっかりした作りだったな。
 パーティジョーク用の安物じゃないよな。何処で買ってるんだろう……?」

高木「如月君にそんな一面が……。まあ、衣装の入手経路についての考察は後にして、先にアイドル達の様子を教えてくれないかね」

P「ああ、すみません。それじゃあまぁ、春香からいきましょうか。
 春香といえばよく転ぶイメージがありますが、実際あれいくらかはわざと転んでるんですよね。
 もちろんマジですっ転んでる場合も多々あるのですが。」

高木「んん?何故わかるのかね?」

P「そりゃだって、狙いすましたかのように転びながら抱きついてくるんですから。それが何度もあればこりゃ何かあるぞと思わないほうがおかしい。逆にそうじゃないのはマジゴケです」

高木「ハッハッ、それは確かにわかりやすい。最近の若者はそういうのを何と呼ぶんだったか、あくどいじゃなくて……」

P「あざとい、の事ですか?あくどいはさすがにひどいですよ」

高木「おぉ、それだそれだ。日々流行情報はチェックしているつもりなのだが、こうパッとすぐに言葉が思い浮かばないのはやはり歳だろうかねぇ」

P「いやいや、まだ社長には現役で頑張っていただかないといけないのに、そんな弱気なことでは……。
 おっと話がずれました。他に春香のエピソードといえば……。ああ、そうだ。春香ってよくお菓子を持ってきますよね?」

高木「ああ、私も密かに楽しみにしているんだよ。あれは実に美味しいね」

P「以前春香の持ってきたお菓子がガラナチョコだったことがあります」

高木「ガ、ガラナチョコ?……というとアレかね?」

P「社長の想像しているもので正しいと思います。一時期流行ったアレです」

高木「あー、何と言うか、確かにいきなり過激に……。というかそもそもガラナチョコって家庭で作れるものなのかね?」

P「さぁ……?いつもの箱に入れて持ってきてたんで包装なんかはありませんでしたけど、それが売ってたものを詰めたのか本当に自分で作ったのかはちょっと僕には……」

高木「まぁお菓子の作り方なんて我々が分かるはずもないか。それで、食べたということかね?そのチョコを?」

P「見た目は普通のチョコと何の違いもありませんでしたから、気づかず食べてしまいましたよ。
 でもやっぱりああいうのって効果に個人差があるみたいで、僕自身は全然効かなかったんですが……」

高木「ああ、それは運が良k「何をトチ狂ったのか春香が一気食いしやがってエラい事に」最悪じゃないかねそれは」

P「普段の迫り方が全然本気じゃないんだってことがよくわかりましたよ……。
 それで何とかチョコの効果が収まるまで自分の理性と春香の暴走を抑えきったのはよかったんですが、
 春香が完全に前後不覚になって終業後に僕が春香を家まで送り届けるしかなくなってしまいまして」

高木「ハハハ、夜中に若い男がフラフラになった自分の娘を担いで家にやってきたって?私だったら迷わずそいつをぶん殴って警察を呼ぶねぇ」

P「一応連絡はしておいたんで警察だけは回避しましたよ、殴られはしましたけど。
 音無さんも律子もいなかったのが痛かったです。春香はレッスンで無理をしすぎたということにしました」

高木「まぁ天海君の名誉のためにも、実際何が起こったかなんてとても言えないから仕方ないだろう。
 仕事をしていればこんな理不尽なこともあるのだと我慢してくれると助かるよ」

P「そのへんは理解していますよ。それで、その翌日にがっつり叱ったのもあると思うんですが、これ以降は懲りたのか妙なものを持ってくるということは無くなりましたね。
 その分美希にも劣らぬ勢いでベタベタしてくるようになりましたのでそれはそれで心が休まらないのですが」

高木「ま、まぁ反省しているというのならそれについて私の方から何か言う必要もないだろう。スキンシップが過剰だというのは最後に対処を考えようじゃないか」

P「まぁでも春香は食い物な分まだマシなんですよね……」

高木「何やら不穏な発言が聞こえたのだが」

P「あらかじめ言っておきますが、こっから更にキツくなっていきますよ。次は雪歩にしましょうか」

高木「この流れで萩原君の話題ということは、お茶かね?」

P「はい、僕が徹夜明けだったりスケジュールがタイトだったりでフラフラになった時、雪歩って必ず同じお茶を出してくるんですよね、『リラックスできるお茶だ』って。
 僕って疲れてると逆に寝付きが悪くなるタイプなんですけど、そのお茶を飲んでから仮眠をとるとスッと寝れるんですよ。
 ああ、こりゃいい家にも置いとこうと思って雪歩に銘柄を聞いたんですけど教えてくれなくいし、じゃあ分けてくれと言っても断られまして。
 ラベル確認しようと思ったんですが給湯室にもそれらしい茶葉が見当たらず、最終手段で雪歩がお茶を淹れるところを覗いて直接銘柄を確認しようと思ったんですが……」

高木「な、何となくオチがわかってしまったよ」

P「給湯室で待っていたのは僕の湯呑みに謎の白い粉を入れる雪歩の姿でした。
 全然気づきませんでしたよ。そのお茶が出るのは決まって体力が限界の時で、眠くなるのは当然だと思ってましたから。
 寝てる間に何かされた痕跡が無いのが逆に怖いです。でも目が覚めた時近くにはいるんですよね雪歩。何してるんだろうマジで……?」

高木「あー、そのお茶は今でも出されているのかね?というか飲んでるのかね?薬入りだとわかっていても」

P「雪歩のことだから一服盛ってることがバレたとなったら罪悪感で自殺しかねないと思うと言い出せなくて、何かもう黙って飲むしか……。
 普段の業務の時は普通のお茶しか出てこないですし、僕を眠らせて何かしている様子も無いからとりあえずは大丈夫じゃないかと。
 それに疲れた時に快眠できるという誘惑には逆らえずつい……」

高木「押してはいけないスイッチが目の前にある気分だよ……。まぁ君が大丈夫だと言うのなら様子を見ようか。
 それにしても、危険にあえて踏み込むのはある意味男の鑑とも言えるかもしれないが……。とにかく何か問題があると思ったらすぐに報告してくれよ?」

P「ええ、それはもう。さてじゃあ次は誰にしましょうか……」

高木「高校生組の残りは菊地君と我那覇君か。萩原君の話を聞いた後だとこれよりひどい事は無いだろうと思えるのだが」

P「正直こいつらもかなりキてますよ……。先に響からいきましょうか」

高木「まぁその辺はまかせるよ」

P「じゃあ響について。あいつちょっと前から事あるごとに『プロデューサーが家族ならなぁ』って言うようになったんですよね」

高木「普通ならモテモテじゃないかと言ってやりたいところなんだが……」

P「その予感は正しいと思いますよ。で、こっちも他のアイドルに対してと同様にハイハイと適当に流していたんですがけどね?
 あるとき自分の思っている『家族』と響の言う『家族』が違うものを指してるんじゃないかな?という気がしまして」

高木「ああまた嫌な予感が」

P「その理由なんですが、ある時響が首輪を持ってこっちを見つめてることに気づいたんですよ。
 そのとき思ったんです、あれ?響の言う『家族』ってひょっとしてハム蔵的なアレなのかな……と」

高木「ほ、ほら!逆に自分につけて欲しかったのだという可能性も」

P「そんな趣味ありませんから!どっちにしろ嫌ですよ!……まぁそんなわけで正直最近は響が怖くて仕方ありません」

高木「な、何と言うか、彼女も単身上京してきて寂しいのだろう。暖かく見守ってあげたらどうかね?」

P「見守ってて気づいたら取り返しの付かないことになりませんかねこれ?ハァ……。とりあえず先へ進みましょうか、高校組最後は真ですが……」

高木「菊池君か、サバサバしているタイプだと思っていたが」

P「見た目と違って結構面倒臭いヤツですよ実際。でも、正直コイツに関しては性格的な所は大きな問題じゃないんです。
 どう言ったら良いものか、今までの奴らとは完全に違った方向でオカシイんですよ」

高木「おいおい、随分な言いようじゃないか?」

P「聞けば納得していただけると思いますよ。……さて、ウチは真を王子様的な方向で売り出していますが、
 元々アイツは可愛くキャピキャピしたいという欲求が強かったのはもちろんご存知ですよね?」

高木「ああ……、生っすかで観客を凍りつかせた時は私の心臓も一緒に止まるかと思ったよ」

P「ある意味伝説ですよあれは。録画見せた時やよいですらドン引きしてましたもん。
 ……とにかく、仕事では凛々しくても私生活では女の子らしくというのがアイツのスタイルだったんですが、
 最近私生活の方も男っぽいものにシフトしているんですよね。どうやら僕のせいらしいですけど」

高木「は?どういうことかね?」

P「これまで説明した通り、僕は色んな女の子から無茶苦茶アプローチを受けて、それらを全部適当に受け流しているわけです」

高木「ハッ、そこだけ聞くとクズ男みたいだね。ってちょっと待ってくれよ。まさか、女性に反応しないからと……」

P「はい、どうやら僕がゲイだと思ってるみたいで……。
 ハハハ……、いや、マジで、何でそうなるんだよ!?『男の人よりカッコいい女の子なら結婚もできるし完璧ですよね!』って知らんがな!」

高木「ちょ、落ち着くんだ!」

P「ハァ、ハァ、すみませんつい気が高ぶって」

高木「まぁ君の気持ちも理解できるがね。何とも凄まじい論理展開だねそれは」

P「あいつ頑張り屋なのはいいけど、どういうわけか頑張る方向を間違えるんですよ……。
 それにしても、ノーマルだと主張したらしたでまた面倒になることは目に見えてるし、これについてはどうしたものかと」

高木「他のアイドル達へ噂が広まる恐れは?話を聞く限り下手に君が誰かと付き合っているという話が出るよりダメージが大きいと思うのだが」

P「大丈夫だと思いますよ?真のやつ自分だけが気づいているアドバンテージだと思い込んでますから。無闇に言いふらしたりはしないんじゃないでしょうか」

高木「ある意味純粋だといえるのかもしれないが、どうにもコメントに困るな。
 ……さて、高校組の話まで終えた上での感想だが、実にひどいな!」

P「これ何とかなるんですかね?はっきり言ってやよいと伊織がいなかったら発狂してますよ。平和な場所があいつらの側しかありませんもの」

高木「一部おかしな所もある気がするが、よくぞこんなになっても手を出さずにいたものだと逆に感心するよ。
 ううむ、一度休暇でも取ってみるかね?仕事は我々で何とかしておくから、アイドル達から開放されてのんびりするも良いんじゃないかね。
 彼女達も、君がいないことで少しは冷静になれるんじゃないかと思うのだが」

P「いや、長期間一人になるのってかなりマズいんですよ……。その、あずささんが」

高木「三浦君が?……ああ、そういうことか。大丈夫だろう、最近は律子君も三浦君の捜索に大分慣れたと聞く。
 第一竜宮小町のプロデューサーは彼女だ。彼女に任せてもいいのではないかね?」

P「いえ、それじゃなく……って、ああそうだ僕以外知らないんでしたこれ。実はオフの日って必ずと言って良いほどあずささんと出会うんですよね。
 本人は偶然だとか言ってますけど、僕の家の前までやってくることもあるのにそれはないだろうと」

高木「君の家は確か……」

P「ええ、春香ほどじゃないですが、ここからわりかし遠いですよ。どう考えても偶然やってこれる距離ではないです。
 そもそも社長、僕の住所なんて教えてないですよね?」

高木「そりゃあもちろん。個人情報だからね」

P「何なんだろうなあの人……。ちょっと目を放しただけで時間的にありえない距離移動してるし、超能力でも使ってるのか?
 とにかく、ありえないと思いたいのですが、長期の休みを頂いて遠出しても旅先でエンカウントしそうで不安です。家にいても押しかけてきますきっと。
 あの人も二人っきりになると怖いんですよ。年の功、と言ったら怒られそうですけどやっぱり大人な分誘惑の仕方が春香達よりも強烈で……」

高木「うーむ、一人でゆっくりするというのも難しそうだね。それに本人が偶然だと主張しているとなると、強く言うのも難しそうだ
 しかし超能力か。そういう不思議なものは四条君の担当だと思っていたがね、ハハハ」

P「貴音はなぁ……、あいつは不思議というより完全に意味不明です。たまにふらっと近づいてきたかと思うと『さしあげます』と一言だけ言って食い物くれるんですよ。
 それで、こっちの頭をなでたり抱きついてきたりしたあとしばらくじっとこっちを見て、またすぐどっか行くんです。
 食い物はカップ麺だったり有名な店のお菓子だったりとジャンルはバラバラなんですけど、よっぽどまともな物食ってないように見られてるんでしょうか?
 くれた物は食べてみると全部旨いんでありがたく頂いてますけど」

高木「何やらもう、平和ならいいじゃないかというコメントしか出てこない点で大分私も感覚がおかしくなっている気がするよ。
 しかし、こんな状況で律子君や音無君は何も言ってこないのかね?彼女達にも止める責任があるだろう……何だねその表情は?」

P「ところで社長、僕の携帯のメール受信ボックスを見てください」

高木「む?どれどれ……?」

携帯「受信ボックス

     秋月律子
     秋月律子
     秋月律子
     秋月律子
     秋月律子
     秋月律子
       ・

       ・
       ・    」

高木「うわっ……」

P「止めるどころかわりと問題児です。あぁ、内容はいわゆるヤンデレ的に危険な方向ではないですのでご安心を。
 誰かに見られたと知られたら引きこもりそうなので内容は公開しませんが、お前いくつだよって言いたくなるくらい甘ったるい文章がひたすら書き連ねられてるだけです。
 仕事だとそんな素振り全く見せないんですけどね。僕が律子に派手に叱られた日の夜とか凄まじいご機嫌伺いメールが来たりしますよ?」

高木「普段の業務を見てると想像できないのだが……」

P「まぁ性格的にそういうのをオープンにするのは嫌なタイプでしょうから。でも面と向かってこのメールについて触れると凄く面白い反応しますよ?」

高木「まぁ業務に支障が無いというのなら好きにさせてもいいのではないかね?君がどうしても迷惑だというのならなんとかするが」

P「いや、これは放置しておいてもいいですしょう。それほど困らないですし、業務時間中は真面目ですから」

高木「考えたくないが、この分だと音無君も同じような感じなんだろう?もう少し歳相応に落ち着いて貰いたいものだが……」

P「音無さんはひどいというか必死すぎというか、歳相応というよりむしろ歳のせいで追い詰められてる感がひしひしと」

高木「……今度見合いの話でも用意したほうがいいかもしれないな」

P「是非そうしてあげてください。そもそも何故あの人に男が出来ないのか不思議でならないんですけど」

高木「やはり君にも彼女は魅力的に見えるかい?なら、いっその事君が」

P「いやいや、確かに僕に特定の相手出来たら皆の態度も落ち着くかもしれませんが、765プロ崩壊するかどうかの賭けになりませんかそれ?
 多分今も全員から等しく距離をとってるからこその均衡状態ですよきっと。
 ……あーもう、あいつらもう少しでいいからまともでいてくれたらこんな気苦労しなくて済むのに。いい加減独り身が辛い。
 嫁さんとまでは言わないからせめて彼女が欲しい。忙しすぎてすぐフラれる未来しか見えませんけどね。ハハハ……」

高木「ハッハッハ、ウチもせっかく軌道に乗ってきたんだ、崩壊は避けたいところだね。この件は保留にしておこうか。
 それと、仕事を理解してくれるパートナーを見つけることも優秀なプロデューサーの条件だよ。まぁそっちは君自身で頑張ってくれたまえ。
 ふう……。おや、もうこんな時間か、随分話が長くなってしまった。しかし君が困っているのは分かったが、どうにも難しい問題だね。
 済まないが、一晩考えをまとめる時間をくれないか?君も今日の業務が残っているだろう?明日もう一度相談しようじゃないか」

P「了解しました。……ああ、この部屋を出たくない。短いが平和な時間だった……」

高木「またそんな悲しいことを……。私も君がそんなことを言わないでも良いように、なんとか名案をひねり出してくるから、今日一日頑張ってくれたまえ」

P「お願いします。では、失礼しました」

高木「ティンときた」

翌日 765プロ社長室

P「失礼します」

高木「やあ、よく来たね。待ってたよ」

P「早速ですが、昨日の件についてお話を」

高木「うむ、その話だがね、昨日風呂に入ってる時にティンと来たんだよ!この状況を解決する最高のアイディアがね!」

P「ほ、本当ですか!?助かります、社長!」

高木「つまり逆転の発想だよ君ぃ!逆に考えるんだ。手を出しちゃってもいいさ、とね!」

P「は?……はぁぁあああ!?
 いやいや、アイドルですよ?ダメでしょう!?」

高木「よく考えてみたら、ここで君とアイドルを疎遠にして外部に勝手に恋人を作られるより、
 ウチの中で恋愛模様を完結させたほうが情報管理も出来るしスキャンダルになる確率が低いんじゃないかと思ってね。
 もちろん事務所の外では他人の目があるから今まで以上に君とのスキンシップを控えてもらう必要があるが、
 その分事務所の中で自由に振る舞えるようにすれば彼女達も我慢してくれるだろう。
 君がきちんと仕事をできるよう、君との接触を完全に禁止して、君が仕事に専念できる時間もちゃんと用意する。その間に書類業務は済ませてくれたまえ。
 仕事に当てられる時間そのものは以前より短くなるだろうが、アイドル達に邪魔されながらダラダラ作業するよりむしろ効率は上がるんじゃないかね?
 さすがに外回りなんかがある場合は、申し訳ないが彼女達に我慢してもらうことになるがね。」

P「で、でも……、そ、そうだ!そんなことしたら彼女達の関係にヒビが入るかもしれませんよ?
 せっかく皆仲がいいのに、僕がうっかり誰かに入れ込み過ぎたりしたら喧嘩になりますよきっと!
 そんなバランスの取り方なんてわかりませんよ僕!?」

高木「ハッハッハ、そんなの簡単じゃないか!「えっ?」
 ガッとやって
 チュッと吸って
 はーん
 で、全員メロメロにしてやればいいのだよ!文句を言おうなんて人間がいなくなるまで徹底的にね!」

P「いや、いやいやいやいや……、何言ってんだオイ!?」

高木「ふむ、上司に向かってその口の利き方はどうかと思うが、まぁ混乱しているようだし大目に見ようか。そして残念だがこれは決定事項だ。辞表は認めないからそのつもりでね」

P「……ああ、終わった、何もかも。今まで耐えてきたのは何だったんだ」

高木「むしろ始まりじゃないかね?耐えてきたということはつまり許されるなら手を出したかったんだろう?OKサインが出たのだから喜ぶべきだと思うんだがねぇ。
 まぁいい。とにかく、ウチのアイドルの運命は君の甲斐性に委ねられた!これから頑張ってくれたまえよ!
 ああ、さすがに妊娠だけは誤魔化しようがないから、避妊はしっかりお願いするよ?避妊具は経費で落ちるようにしてあげるからガンガンいきたまえ」

P「ハハハ、何かもう死ねよ」

高木「うむ、実にいい笑顔だ。腹は括ったみたいだね!「聞けやコラ」
 よし、じゃあ皆入ってきたまえ」

P「あ?皆?」

        -――- 、               |┃

      / / ̄`ヾフ´ ̄`ヽ            三 |┃
     〃∠ __」 _____   \           |┃
    .'_〃_i__i ____ . イ、   '. .   ガラッ    |┃
    i i   |  ハ  i i   | i    ハ         |┃
    | l   l 厂`V从从リト!リ   l }    ノ//  |┃
    | l    xf示    示x ト、__」ノ       三 |┃
.    l l    { ヒり     ヒり∧  |       , -‐ぅ┃
    V   ト、     '   { ノ  |      /  i´|┃
.     V  八   「 7   ノ7   l       {  人.|┃
      Vハト、ト≧=⊇__. イ /ル'レ′   ..,イ` ー‐ .|┃
      ⅥⅥ}   iⅥN{          ! ` ーァ .|┃
       xく `ヽ、 ト、≧=x__      |     .|┃

      ∠ /\ , -―xY_  {、__     !      .|┃
     / ̄`ヽ  く   ー }フ^ ト、>- 、__|    三 |┃
     i     \ `ス   i !\ノ } `Y {   ...三 |┃

ガチャ

春香「プロデューサーさんっ!ハーレムですよ!ハーレム!
 チョコレートいっぱい用意しておきますね!」

美希「ハニーとの関係を公認してくれるなんて社長ナイスなの!
 外でハニーと仲良く出来なくなるのは残念だけど、その分事務所でいっぱいラブラブできるんだよね?あはっ!」

真「プロデューサーがゲイじゃなかっただなんて……、僕の努力は一体……。
 よ、よし!気を取り直してまた女の子らしくなれるように頑張るぞ!」

雪歩「ダメだよ!ここ最近の真ちゃん、前よりずっとカッコ良くなっててスゴかったんだよ!?もったいないよ!
 ……あ、そうだ!そういえばこれって、プロデューサーと真ちゃんと私の三人で仲良くしてもいい(性的な意味で)ってことだよね!?フ、フヒヒっ」

千早「さ、三人……。高槻さんとプロデューサーと私で仲良く……。
 ……はっ!ぷ、プロデューサー!こうなってしまいましたが、その、恥ずかしいのでああいう格好をするのはやっぱり二人っきりの時だけで……」

響「プロデューサーが自分だけの家族にならないのは残念だけど、皆で仲良く出来るならそれはそれでうれしいぞ!」

やよい「うー?よくわかんないけど、皆で仲良く出来るんですよね?うっうー!」

伊織「み、皆だなんて……。私達全員じゃないと満足出来ないとか、この節操無し!変態!der変態!変態大人!
 で、でももう遠慮しなくてもいいのよね?……にひひっ、覚悟しなさいよね!」

亜美「んっふっふ→、これでど→ど→と兄ちゃんを亜美たちのせくちーボディーでのーさつ出来るよ真美!ってあれ?どったの真美?」

真美「の、のーさ……。う、うあー!兄ちゃんのバカー!」

貴音「私達全員の気持ちを受け止めようなど、並大抵の者では出来ない発想です。感服いたしました。さすがあなた様です」

あずさ「やっぱりプロデューサーさんが私の運命の人だったんですね、うふふふふ
 皆いっぱい甘えてくるでしょうけど、私になら甘えてきてもいいですよ?」

律子「何だか凄いことになりましたが、仕事はしっかり頼みますよ?プロデューサー殿!
 ……、これからはメールじゃなくて直接伝えられるんですね、ふふっ」

小鳥「今度から他の女の子がどんな様子なのか詳しくレポートお願いしますね、色々捗るので!
 あ、あとあたしはアイドルじゃないから避妊しなくてもOKですよプロデューサーさん!」

P(あ、完全に逃げ場消えた)

高木「うむうむ、皆喜んでくれているようでなによりだ。よし、最後にこれから頑張る君へ私から餞別をあげよう。
 知り合いの事務所から譲ってもらったのだがね?何やらよく効く栄養ドリンクらしい。
 すたどり……?とかなんとかむこうの事務員が呼んでいたよ。
 たくさんあるから、これを飲んでイロイロと頑張ってくれたまえ!さて、これにて一件落着だね!ハッハッハッハ……!」

P「……ああ、もうやりゃあ良いんだろわかったよ。
 全員まとめて面倒見てやらぁ畜生!そして社長てめえいつか覚えてろよ!」

春香「そうこなくっちゃ!じゃあみんないくよ?せーのっ」

「「「全員幸せにしてくださいね?プロデューサーさん!」」」

終わり

書き溜めここまで
読みづらいとのご意見のかた申し訳ない
どうにも簡潔にすっきりとまとめられず一つの会話文に情報を詰め込みすぎ
結果として冗長となってしまうのは完全にこちらの技量不足であると反省しております

ああ、あとエロは無理。理由は同じく技術的な問題

改行時1段下げはクセでやってしまうんですが、台本形式で頭に発言者の名前があると逆に違和感あるみたいですね

せっかく立てたのでもう少し書く。なるべく読みやすくを目標に
書き溜めないから時間かかるだろうけど

春香ガラナチョコ自爆編

春香(やっと届いた、ガラナチョコ……!私なら違和感なく渡せる!
 私達がどれだけ誘惑してもびくともしないプロデューサーさんでも、これを食べれば……。うふ、うふふ、うふふふふ……)

某月某日 765プロ事務所

春香「プロデューサーさん!差し入れどうぞ!」

P「お?今日はクッキーじゃなくてチョコレートか。珍しいな」

春香「はい!雑誌でチョコレートは他の甘いものよりエネルギーになりやすいって書いてたんですよ!」

P「へー、じゃあ頂こうか」

春香「どんどんどうぞ!(そしてその有り余るエネルギーで押し倒してください!)」

P「……何だか今日はずいぶんテンション高いな春香。何かあったのか?」

春香「え!?そ、そうですか?えっと……き、きっと味見でチョコレート食べたからかもしれませんね!」

P「ハハハ、その様子なら効き目バツグンかもな。どれさっそく……」

春香「ど、どうですか……?」

P「んー……、何か変わった風味だな。でもなんかクセになる。もう一個いいか?」

春香「ええ!そりゃもう!いっそ全部食べる勢いで!」

P「さすがに全部食ったら糖尿になりそうだから遠慮しとくよ……。でも、うん旨い」

数十分後……

春香(おかしい……、一緒についてきた説明書ではもう効果が出てるはずなのに……)

春香「あ、あの!プロデューサーさん、何か気分に変わったところとかありませんか?」

P「ん?いや、特に無いな……」

春香「そ、そうですか……」

P(な、何で落ち込むんだ?今の会話の何処に地雷が!?……あ!)

P「あ、ああ!そういえば!」

春香「は、はい!そういえば、何ですか!?」

P「そろそろ疲れてくる頃だけど、全然そんなこと無いな!やっぱり春香のチョコのおかげかな?ハハハ……」

春香「あ……、そうですか、それはよかったです……」

P(えええ……?これハズレ?じゃあ一体何だ?)

春香(何で?何で効かないの?まさか……偽物だった!?そんな、高かったのに!)

春香「う、ううう……」

P「は、春香……?どうした?具合でも悪いのか?」

春香「(プチン)あー!もぉぉぉおお!」

P「うおあ!?何だいきなり!?」

春香「せっかく買ったのに!何で効かないのよ!こんなもの!こんなもの!(むしゃむしゃ)」

P「おい春香!さすがにチョコの一気食いはマズいって!太ったら減量で地獄見るぞ!?」

春香「ヒグッ、う、うええええ……!」

P「え?えええ!?何で泣くの!?俺が太るとか言ったからか!?悪かったから泣き止んでくれよ!頼むからさぁ!」

数分後

春香「グスッ……」

P「落ち着いたか?」

春香「はい、取り乱してすみませんでした……」

P「急に泣き出すなんて……、ストレス溜まってたのか?気付いてやれなくてゴメンな」

春香「そんな!プロデューサーさんが悪いんじゃないんです!私が空回りしてただけで……」

春香(やっぱり優しいな……。何だか心だけじゃなくて体までポカポカする……ん?)

同日朝

春香「あ、チョコの説明書。なになに……?このチョコを食べると体が熱くなり、心は異性を求めて燃え上がるでしょう……」

そして現在に戻る

春香(まさか?まさかまさかまさか?)

P「もっと俺を頼って、ちょっとしたことでもすぐ相談してくれてもいいんだぞ?」

春香(あ、プロデューサーさんの手、頭に……)

ポン

春香「うひゃう!?」

P「うわ!……す、すまん、勢い強すぎたか?」

春香「い、いえ!そんなことは!」

春香(え?嘘……、偽物じゃない?じゃあプロデューサーさんが平気なのはどうして……?)

春香「あ、あのプロデューサーさん。もう一回お願いします。こんどはなでる方向で」

P「ん?ああ、まあいいぞ」

ナデリナデリ

春香「ふ、ふわああああああ……」

言っとくが本番は無いぞ

P(何か反応がいつもより過敏な気がする、有り体に言ってしまえばエロい)

春香「ぷ、ぷろりゅーさーさぁん……えへへ」

P「は、春香……。ずいぶんごきげんだな……」

春香「んー?やっぱり、チョコのおかげですかねー」

P(チョコ!?チョコでこうはならんだろ!いや、待てよさっきはスルーしたが)

P「そうだ春香。さっきチョコやけ食いしてたとき『何で効かないの?』とか言ってたよな?あれ、どういう意味か教えてくれないかな?」

春香「そうですよプロデューサーしゃん!何でチョコが効かないんですか!せっかく買ったのに!」

P「あー、わかったからいいわ。春香、何でガラナチョコなんか買った」

春香「プロデューサーさんが悪いんですよ!私がどんだけ誘惑しても全然冷たいし」

P「いや、だからお前アイドルなんだからそういうのはマズいんd「私だってプロデューサーさんに初めてをあげたいんですよ!」何言ってんですか春香さん!?」

春香「えへへ、ぷろでぅーさーさん。私の方はもう準備万端ですよ。ほら、触ってみます?」

P「そう言って俺の手を自分の下半身の方に持って行こうとするのはやめろ!」

春香「そうですよね!私だけ気持ちよくなっちゃダメですよね!大丈夫です、日々予習は欠かしてませんから!」

P「俺の下半身に触れるのもアウトだ!」

春香「もう!何でそんなワガママ言うんですか!」

P「いやいやいや、どっちかと言うとワガママ言ってんのは春香の方だろ?」

春香「下がダメなら上ならいいんですよね!?「あの、俺の話をですね」待ってください、今脱ぎますから!」

P「ストォォォオップ!それはマズい!俺が死にかねない!社会的に!」

春香「え、服の上からのほうが興奮するんですか?変わってますね」

P「いや、そうじゃなくt「大丈夫です!プロデューサーさんがどんな性癖でも受け入れますから」聞けよもう!」

春香「さっきから何なんですか!脱げばいいのか着衣プレイがいいのかはっきりしてください!」

P「いや、だから俺はお前とそういうことをするつもりは無いんだって!つーかアイドルが着衣プレイとか言うな!」

春香「そこがおかしいんですよ!女の子の方から迫ってきてるのに何で手を出さないんですか!?」

P「だから何度も言ってるだろう?お前はアイドルだから手を出すわけにはいかないんだよ」

春香「そんな取ってつけたような理由なんて知りません!」

P(面倒くせええええええ……」(あ、やばい声に出た)

春香「め、めんど……。やっぱり、私のこと嫌いなんだ……」

P「い、いやそんなことはないぞ?俺は春香のことを大事に思ってる。本当だ」

春香「じゃあ、じゃあ何で私の処j「はいカーット!」ばってくれないんですか!」

P「やめて!何処で聞かれてるかわかんないから!あと大事に思ってるからこそそういうことをしないんだって理解してくれよマジで!頼むから!」

春香「……わかりました、もういいです」

P「な、納得してくれるのか?(あれ?なんか雰囲気が)」

春香「はい、プロデューサーさんがそんな態度ならもういいです。これから街へ出て適当な男の人に相手をしてもらうことにします」

P「は、はあ!?いきなり何を言い出すんだ、とりあえず落ち着け!」

P(じ、自爆戦術できやがった、しかもこの様子だとマジでやりかねん!)

春香「だって、プロデューサーさん。私今もう結構限界なんですよ?ちょっと身動きするだけで服が擦れてヘンな声がでそうなんです」

P「だからって、知らない男とだなんて、そんなことしたらアイドルとして終わりだぞ?」

春香「だから、プロデューサーさんが相手をしてくれれば万事解決じゃないですか」

P「いや、でもそれh「あー!今すぐ部屋を出ようかなー!」待て、落ち着け!」

春香「ふふふ、あんなにチョコを食べちゃったし、一回や二回じゃ満足できないだろうなぁ。もしかしたら初めてなのに何人も相手しちゃうかも……」

P「春香、早まるな。わかった、わかったから……」

春香「……じゃあお願いしますねっ、プロデューサーさんっ!」

P(威圧感が消えた……。何だったんだあれは?)

春香「……?どうしました?」

P「いや、何でもないよ。これからのことを考えてたんだ」

春香「あ!そうですよね!プロデューサーさんと結ばれるならどこでもいいですけど、やっぱり初めてがソファーの上でというのもムードがないですもんね!」

P(そうだ、仕事が終わってからちゃんとしたホテルに行こうとでも言っておけば、効き目が切れるまで時間稼げるんじゃ……)

春香「プロデューサーさん?時間稼ぎなんてセコいこと考えてるようだったらすぐにでもここ飛び出しますからね?」

P(ま、またさっきの……?)「ハ、ハハ……、俺はそんなセコい男じゃないぞ?」

春香「アハハ、そうですよねー。やっぱり緊張してきたのか不安で、エヘヘ……」

P(さてどうする……?据え膳?却下。誤魔化す?無理だろ。必要なのは本番を迎えず春香を満足させる一手……!)

P「よし、春香。こっち来い」

春香「あ、はーい。……う、ふぁっ、くっ」

P「何だ何だ、ずいぶん面白い歩き方だな?」

春香「もう、さっきも言ったじゃないですかぁ、服が擦れるだけで気持ちいいんですよぅ」

P「へぇ(ちょっと二の腕辺りを触ってみるか……)」

サワッ

春香「くっ、ふぅぅぅぅ……」

P(お、これは凄い感度……いけるか?)「おいおい、腕をなでただけでこれか?つーか声なんか我慢するなよ」

春香「で、でもやっぱり恥ずかしくて」

P「えー?俺は春香のエッチな声が聞きたいんだけどなぁ」

春香「んっ、ひぅ。そ、そんな耳元で……」

P「ほら、また我慢した。言うことを聞かないなんて、これはオシオキかな?」

春香「お、オシオキ……ですか?」

P(よし、これなら大丈夫だ。流石にこうなった以上何もせずに終えるのは無理。ならばせめて、前戯のみで春香を失神させる……!)

P「よし、じゃあ膝の上に乗れ」

春香「は、はい……!」

P(ぐっ、やはりやよい達とは肉付きが違う……っておっと!)

P「春香、この手は何だ?」

春香「そ、その……、プロデューサーさんの方の準備が出来てないみたいだから……」

P「へぇ、俺の事を考えてくれたんだ、優しいなぁ春香は」

春香「え、えへへ……もちろんですよ。プロデューサーさんのためなら「でも嘘は駄目じゃないか?」……え?」

P「いや、嘘だろ?俺のためだなんて」

春香「そ、そんなこt「いいや、俺には分かるね。春香のことなら何でもお見通しなんだよ俺」

P「だってさぁ、お前もう自分が楽しむことしか考えてないだろ?」

春香「あ、う……」

P「ほら言い返せない。……なぁ、さっき俺お前に何するって言ったっけ?」

春香「お、オシオキ……です」

P「そうだよな?でさ、オシオキされる側が勝手に気持ちよくなろうとして良いと思うの?」

春香「ダメ……、です……」

P「何だ、ちゃんとわかってるじゃん。ということではいペナルティ」

春香「あ……、え……?プロデューサーさん!これ……!」

P「ん?イタズラする悪い手は動かないように押さえておかなきゃダメだろ?……ああ、それが気に入らない?悪いな、手近なのが俺のベルトしか無かったから」

P(よし、申し訳ない気もするが春香からのアクションは潰せた。これで一方的にこちらから攻められる)

P「さて、オシオキスタートだけど……、どうしようかなぁ。この辺からか?」

春香「んっ、ふぅっ(お、お腹を触られてるだけなのに……)」

P「だから声我慢すんなって。オシオキが延長されるだけだぞ?……やっぱりまだるっこしいな。直接触るわ」

春香「え?直せふわうっ!?」

P「お?今のはいい声だったぞ、それにしてもさすがアイドル。肌の手入れは欠かしていないな」

春香「ひゃ!んあっ!(直接触られるだけでこんなに違うの……?)」

P「んー、でもちょっと弛んでる?この上にさらにさっきのやけ食いチョコがプラスされるんだろ?大丈夫か?」

春香「ぷろっ!でゅーさぁっ!おんなのこにぃっ!そんなこといっちゃだめふわぁ!?」

P「あ、ゴメン。何か反抗的だったからつい。んー、でも反応が面白かったからもう一回」

春香「だ、ダメ!プロデューサーただでさえ私脇弱いのに今はもっと敏感にアハハハハハ!や、やめてくださヒハハハハハ!」

P「いやー、楽しそうだな。俺ももっと頑張らなきゃな」

春香「ゴホッ。ち、ちがウワハハハハハ!こ、こうさんですから……っハハハハハハ!」

P「降参?しゃーないな。あー面白かった」

春香「ゼェ……、ハァ……。も、……ハァ、もう!ひどいですプロデューサーさん!」

P「えー?だってオシオキじゃん。嫌なことをするのが当然じゃね?」

春香「そ、それはそうですけど……。でももっとする事があると思います!」

P「する事ねぇ……」

P(実際やってみて思うが、思った以上に触れる所が無い。胸まで触るとそれをタテにされたら逃げられなくなりそうだし、どうしたものか……)

P「よし、じゃあ次はとりあえずうつぶせになれ」

春香「は、はい……」

P(後ろ手に拘束され不安そうにこちらをチラ見する……中々クるものがあるな)

P「そんなビビるなって。今からやるのはただのマッサージだから」

春香「ま、マッサージ……?」

P「そう、マッサージ。だからリラックスしろ」

春香「まぁそういうなら……」

P「よーし始めるぞー?」

春香「んっ、はぅ……っ」

P「あー、お客さん、こってますねー」

春香「やぁっ、うぁ……、凄く気持ちいい……寝ちゃいそう……」

P(マジでこれで寝てくれりゃ楽なんだけどな……)

P「寝たかったらそのまま寝ていいぞー」

春香「そんな、あ……はぁ……、事したら、やっ……あん、また逃げちゃうじゃないですか、んっ……ふぅ……」

P(ですよねー。仕方ない、エロ本に書いてあった怪しい情報だが、試してみるか)

春香「貴音さんじゃないけど、あっ……うん、ほんといけずですよぷろでゅんひぃぃぃぃぃぃぃっ!?」ビクンビクンッ

P「うお!だ、大丈夫か?」

春香「ハッ、ハッ……(な、何今の?背中をマッサーふあああああああああああっ!」

P(ま、マジかよ……本当に効くとは……、いや普通信じねえだろ快楽のツボだなんて)

春香「ぷ、プロデューサーさん!?何してるんですか!?」

P「いや、ただのマッサージだろ?何かおかしなことしてるか?」

春香「い、いえ。でもこの気持ちよさはああああああああん!?」

P(よし!)

春香「ひゃうあ!」

P(これなら!)

春香「くふぁう!?」」

P(いける!)

春香「くっ、あああああああああああああああ……!」ガクッ

P「か、勝った……。しかし虚しい……これが勝利か……」

P「……げ!もうこんな時間かよ!全然作業終わってないのに!」

P「もう春香はもう今日は自力で帰れないだろうし、定時なったら一旦送って、徹夜コースだなこりゃ……」

P「とりあえず春香の実家に連絡を……。あ、もしもしこちら765プロの……」

その後、家に送り届けた春香が「プロデューサーさん、激しすぎます……」と寝言で言ったせいでブチ切れた春香の父親にぶん殴られるPであった。

終わり

すげえ長い間ありがとう。合いの手感謝。

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