女「おしるこサイダー買ってきてよ」 (61)

男「……」

男「嫌」

女「なんでー、お金はちゃんと二人分出すからさぁ!」

男「あんなクソまずいもん誰が飲むかよ……」

女「えーおいしい」

男「いや不味いだろ……最初は目新しさでみんな買ってたけど今じゃ誰も買ってねぇよ……」

女「とにかくかってきてよ!」

男「断る」

女「えー、不毛な味で美味しいのにー」

男「なんだよ不毛な味って、全然うまそうなイメージできねぇよ」

女「……どうしてもダメ?」

男「しつこい」

女「……はぁー、そんなんだから皆に避けられるのよ」

男「なっ……!」

女「目つきも悪いし融通も聞かないしー?」

女「コミュニケーションもろくにとらないし……男は周りに不良だと思われてるんだよ?知ってた?」

男「……」

女「んー?」

男「うるせぇおしるこサイダー女、一生産業廃棄物飲んでろ……」スタスタ…

女「あーあ、行っちゃった」

ーーーー

男「……」スタスタ…

生徒A「でさぁー」

生徒B「まじかよw」

男「……」ジロッ

生徒A「!?」ビクッ

生徒B「お、おい、向こう行こうぜ」ダダッ

男「……」ポツーン…

男「チッ……」スタスタ…

ーーーー

女「あーあー、ああいう態度が人を遠ざけてるってわからないのかねー」

女「ほんっとーにおしるこサイダーなんだから……」

授業中ーーー

教師「で、あるからしてー」カッカッ

ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ

教師「ほら、静かにしろー」

男「……」ウトウト…

教師「おい、男」

男「!……何ですか」

教師「俺の授業は子守唄じゃねぇんだからな?寝るなよ?」

男「……はい」ジッ…

教師「……なんだその目は」

男「……はい?」

教師「その反抗的な目はなんだと言ってるんだ、眉間にシワなんて寄せて」

教師「何が気に入らないんだ?ん?」

男「……これはクセなんですよ」

教師「……」

男「……」ジッ…

生徒A「おいおい男のやつまたやってるぜ」コソコソ

生徒B「あいつ注意されるとすぐ眉間にしわ寄せるよな……教師たちみんなアイツのこと嫌ってるって噂だぜ?」ヒソヒソ

生徒A「そりゃそうだろうなぁ……なんせ不良だしな」コソコソ

教師「……とにかく授業ちゃんと聞けよ?」

男「はい」

同時 校庭ーーーー女在籍クラス体育

女友A「でさー、それがすごく臭くてー」

女「あははーわかるわかる、臭いのはねー」

女「……ん?」チラッ

女「あれ、アイツまーた目ぇつけられてるじゃん」

女友A「女ー?どうしたの?」

女友B「あ、あれ男くんじゃん」

女友A「男くんってあの不良って噂の?」

女「(やっぱりみんなその認識なのねぇー)」

女友B「あ、先生に怒られてる」

女友A「次女の番だよー」

女「あ、おけおけ、じゃいってくるわ」

女友B「50m走って意外と疲れるねー」

女友A「運動してないからじゃない?」

体育教師「いちについて……ヨーイ……ドン!」

女「ッ!!」ダダダダ!!

女友A「うわー……相変わらずの運動神経……」

女友B「あれで勉強もできるし可愛いし……あんなんチーターや……」

女友A「??……チーターって?」

女友B「な、なんでもない」

女「ふぅー」ハァハァ

女友A「おつかれー、いやーさすがにはやいねー」

女友B「今の記録クラスで一番だって、すごい」

女「いやぁ、まぁーそれほどでもあるよ」ニヤッ

女友A「うざー!」

女「あっはっはっ」

体育教師「おーい!お前ら集まれー」

女友B「集合だってさ、いこー」

女友A「うぃーうぃー」

女「……」チラッ

男『……!』ピクッ

女「あ、目が合った」

女「いいのかなぁさっき注意されてたのによそ見なんかして……」

女「……」ニヤッ

女「ふぁっ、きゅー」ビシッ(中指を立てる)

男『!……』

男『……!』ビシッ(中指を立てる)

教師『おい!男!何だその態度は!!』

男『!!』

女「……プッ」プルプル

女「(男ってやっぱり馬鹿だ……)」ブフッ…プルプル

放課後ーーーー

男「チッ……(あいつのせいで散々な目にあったぜ……)」

男「……!」プルルル…

男「電話……あいつか」ピッ

女『おしるこサイダー買ってきてよ!』

男「おい、開口一番それか」

女『それ以外に何言えっての?愛の告白?』

男「他に言うことあるだろ」

女『ボケをスルーしていくぅー』

男「うぜぇ」

女『とにかくおしるこサイダー』

男「なんで中指立ててきた相手のパシリなんぞしないといけねーんだよ」

女『アレは薬指を立ててたんだよ』

男「見え見えの嘘ついてんじゃねぇ」

女『大体男だって私に中指立ててきたじゃん。傷ついた、慰謝料のおしるこサイダーを要求する』

男「……アレは薬指を立ててたんだよ」

女『うそこけ』

男「……」

女『……』

男「……(財布の小銭は……ちょうど120円か……)」

男「チッ……運のいい女だ……」

女『それほどでもー』

男「うぜえ」

体育館一階 道場ーーーー弓道部練習中

ダーンッ!! ダーンッ!!

女「はーいみんな休憩に入っていいよ!」

ワイワイ ガヤガヤ

弓道部員A「部長!おつかれさまです!」

弓道部員B「タオルどーぞ!」

弓道部員C「スポーツドリンク飲みますか!」

女「ありがと、でもスポーツドリンクはいいよーあとちょっとでかわりのが来るから」

弓道部員C「?」

男「おい……買ってきたぞ、金よこせ」

女「おうおうご苦労ご苦労」

弓道部員C「!?」ビクッ

弓道部員A「あ、私弓の調整しなきゃ……」ソソクサ

弓道部員B「て、てつだうよー!」ソソクサ

女「……見事に避けられてるねー」

男「……」ジッ…

女「ほらほら眉間にしわ寄せるなってば、一年生がビビってるじゃんよー」

男「うるせぇ知るか、はやく金よこせクソ女」

昨日も見た気が

女「ほいっ」パスッ

男「……なんのつもりだ、この矢は」

女 「弓で一本勝負。中心に近い方が勝ち。私が勝てばチャラ、男が勝てば二倍の代金払う。どう?」

男「……上等だ。」

>>24
昨日じゃなくて今日の朝立てたやつが落ちてたから立て直した

ーーーー

女「いやぁ!おごりのおしるこサイダーはまた格別かな!」ゴクゴク

男「……チッ」ドンッ

弓道部員達「!」ビクッ

女「ほらほら、みんなが怖がるからやめてくれる?」

男「……うっせ」

女「いやぁ惜しかったねぇ!実に惜しかった!的には当てられたけどねぇ!隅っこギリギリ!」

男「……」

女「ま、素人が的に当てられるだけすごいんだけどね?」グビグビ

男「フォローすんじゃねぇよクソ」

女「ていうか男はちゃんと周りも見ないとダメだよ、敵ばっかつくるんだから」

男「うるせぇ余計なお世話だ」

女「うちのクラスの女の子たちもあんたのこと不良って言ってたわよー?」

男「しらん……」

女「……負けたからってムキになってる? 」

男「な っ て ね ー よ 」ムスッ

女「なってんじゃん」ブフッ

女「よーし、そろそろ休憩もおわりにしなきゃね……っと」スクッ

男「……」スクッ

女「あ、男。そのおしるこサイダー上げるよ流石に一人で飲みきるのも悪いしさ」

男「いらねぇよ」

女「まぁまぁそう言わずに、好意は受け取っておくものだよ少年」

男「もともと俺の金だろうが……」

女「とにかくごみ捨てに行くのもめんどくさいしもっていって」

男「……チッ」カタッ スタスタ…

ーーーー

男「……」スタスタ…

男「……勝手な女だなホント……」スタスタ…

男「つーかもともとこれ俺の金なんだから俺が全部飲むのが普通だろ……」

男「チッ」

男「……」ゴクゴク…

男「はぁー……やっぱりクソまずいじゃねぇか……」ポイッ シュッ

ゴミ箱「カランカラン」

おっさん「お、ナイッシュー」

翌日 校舎 屋上前踊り場ーーーー

女「……」ムスッ

男「……」

女「……」ムスッ

男「……おい」

女「……」ムスッ

男「おい」

女「……なによ役立たず」ムスッ

男「……お前は子供かよ……」

女「ふんっ」

男「あのなぁ、いくらなんでも売り切れだったんだからしょうがねぇだろうが」

男「(つーか誰もあんなもん売り切れになるとは思わねぇよ……)」

女「……おしるこサイダー」

男「……」

女「ねぇ、男は私とのジャンケンに負けたんだよねぇ」

男「……」

女「それで『また』おしるこサイダーを私に奢ることになったのよねぇ?」

女「だとしたら近くのスーパーなり行ってでも買ってくるべき」

男「何を言い出すんだよお前は……大体校舎外には今の時間出れねぇだろ」

女「……」

女「……」ムスッ

男「……」

女「……」ムスッ

男「いいかげん機嫌直せよ」

女「無理、おしるこサイダーが無くては私の機嫌はマリアナ海溝不可避」

男「あのなぁ……」

女「……」

女「そうだ、おしるこサイダーがないなら男がおしるこサイダーの変わりになればいいのよ」

男「……はぁ?」

昼休みーーーー

男「……電話…か…」ブブブ…

男「……はぁー……」ピッ

男「もしもし」

女『おしるこサイダー、今すぐ来なさい!』

男「……」

女『返事は?』

男「わかったよ……行けばいいんだろ」

女『ではでは、おーばー』ツーツーツー…

男「はぁ……」

男「(おしるこサイダーのかわりに今日一日は呼んだらすぐ来い……ね……)」

男「めんどくせぇ……」スタスタ…

前スレ分はこれで終わりだから今から続き書くけど1レス5分とか10分空くことになるとおもう

女のクラスーーーー

男「……」ガラッ

生徒C「でさ!そいつ両刀だったんだよ!」

生徒D「うわマジかよ半端ねぇ」ドンッ

生徒D「あ、すいませ……」

男「……」ジッ

生徒C「うわ、ちょ、俺知らねぇぞ!」ダダッ

男「……チッ」

女「おいこら」ベチッ

男「人の頭を叩くな……」

女「なに人のクラスメイト脅してんのよアンタは」

男「おどしてねーよ」

女「まぁとにかくご苦労だったねぇおしるこサイダーくん椅子にかけたまえ」

ザワザワ ガヤガヤ

男「……まわりうるせーな……」

女「男が眉間にしわよせてこっちみんなオーラ出してるからでしょ」

男「出してねーよそんなもん……」

女「出てんのよ」

男「……」

女「て、言うか男おべんとうばこは?」

男「俺は昼は購買で買うんだよ」

女「いかんですなー、それでは栄養バランスが偏りますなー」

男「うっせぇ」

女「仕方ないから明日から私が男の分のおべんとうも作ってきてあげるわけねーだろーぶぁぁか」ブフッ

男「……何がしたいんだお前は」ジッ…

女「まぁ今から買いに行くってのもめんどくさいし私のおべんとうをわけて差し上げよう、ありがたく思いたまえよ」

男「うぜぇ、いらねぇよ別に……昼飯くらい食わなくてもどうってことねぇよ」

女「……あれ?おべんとうが2つ入ってる……あ、お母さん間違えてお父さんのもこっちに入れてる」ガサガサ

女「ま、ちょうどいいしこれ男が食べなよ」

男「……これお前の父親のだろ、食うわけにいかねぇだろ」

女「食べないで腐らせろって言うの?もったいないじゃん、ほら食え食え」

男「……」

女「いただきまーす」

男「……いただきます」

男「……(……卵焼き甘い)」モグモグ

女「今卵焼き甘いって思ったでしょ」

男「!……ああ」

女「うちのお母さん甘党でさぁ、こういうやつは全部甘くなってんのよね」

男「甘いもの好きは遺伝か」

女「男はいつも塩気の多いの食べてるから口に合わなかったんじゃない?」

男「……別に、普通だ」

女「美味しいってこと?」

男「普通は普通だハゲ」

女「ハゲてないしー」モグモグ

女「ごちそうさま」

男「……ごちそうさん」

女「でー、どうだった?うちのお母さんのお手製弁当さまは」

男「……普通だ」

女「美味しかった?美味しかった?美味しかった?」

男「……」

女「どうなのー?ねぇねぇ?」

男「ああもううるせーな美味かったよ。ほら、これでいいんだろ」

女「お褒め預かり光栄です」

男「別にお前を褒めたわけじゃねぇ」

女「わかってるわよ、お母さんの変わりに言ってあげたの」

男「なんだそれ」

女「さておしるこサイダーくん、一息ついたところでジュースを買ってきたまえ、お金は出してやろう」

男「……どうせ拒否できねーんだろ」ジッ…

女「あたりまえ体操」

男「チッ……」スクッ

女「今日はおしるこサイダー……はないからまぁなんか適当に買ってきて」

男「……」スタスタ…

ガラガラ バタン

女「~♪」

女友A「ね、ねぇ女ちゃん」トントン

女「ん?どうかしたの?」

女友A「女ちゃんって男くんとどういう関係なの……?」

女友B「も、ももも、もしかして脅されてるとか!?」

女「え、えー……」

女「(すこぶる評判悪いわねー……)」

女「いやいや大丈夫よ、ただの友達だからさ」

女友A「え、えー……でもあの男くんだよ?超不良だよ?」

女友B「よ、よよよよ、夜の校舎窓ガラス壊して張り替えてるって噂の男くんだよ!?」ビクビク

女「なんじゃそら」

女「いやー噂ほど悪い奴じゃないと思うよー、私は」

女友A「え、えー……」

女友B「にわかには信じられないよ……」

女「んー、まぁ本当に悪い奴じゃないんだけどなー……」

女友A「……」

女友A「あのさぁ、女ちゃんもしかして……もしかしてなんだけどさぁ」

女「ん?」

女友A「あ、アイツと付き合ってるの……?」

女友B「え、ええええーーー!?!?」

女「は、はぁ……!?なにその発想力!?」

女友A「違うの?」

女「ち、ちがうっ!」

女「いや確かにあいつは悪い奴じゃないと思ってるけど別に付き合ってるとかじゃないしいやていうかなんでそんな発想に至るか理解不能ですわっ」

女友A・B「(ですわ……?)」

女「いやまぁいいやつだしなんだかんだで望んだことしてくれるから悪い奴とかじゃないって断言できるしそうだけどあのねチョモランマ!」

女友A・B「(チョモランマ?)」

女「本当にそういうのとちがうし付き合ってる??いやいや冗談にもならないってばホント笑っちゃうわよアハハハ」

女「と、とにかく違うからっ!」バンッ

女友A「あ、え、うん。ご、ごめん」ビクッ

女友B「(女ちゃん怖い……)」

男「……おい」

女「あっ……と」

女友A・B「!」ビクッ

女友A「あ、あっち行ってようかー……」ソソクサ

女友B「そ、そうだね!ご、ごゆっくりー!」タタタッ!

男「……何だあいつら」ジッ

女「だからすぐ眉間にしわ寄せるなってば」ペチッ

男「うるせぇ頭をはたくな」

女「愛のムチよ」

男「……おら、飲みモン」ドスッ

女「お、これ私がおしるこサイダーの次に好きなおしるコーラじゃん。ちゃんと覚えてたのねえらいえらい」ナデナデ

男「撫でんじゃねぇ」ペシッ

女「はたくのも撫でるのもダメってどうすればいいのよ」

男「俺に触れるな」

女「ちょっとちょっと、こんな超絶完璧美少女に触られてるのよ?もっと喜ぶもんじゃない?」

男「寝言は寝て言えクソ女」

女「ひどいっ……」グスッ

男「うぜぇ」

女「まったく、ちょっとくらいボケに乗るくらいしたら?」

男「うるせぇ」

女「ヒマラヤ山脈の雪男が見つかったそうよ!」

男「黙れ」

女「(あー、これ完全に無視モード入ってるわ多分何言っても一単語でしか返してこないやつだわ……)」

男「帰れ」

女「いやまだ何も言ってないから勝手に人の心読まないでくれる?」

キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…

女「おわっと、いつの間にか昼休み終わりの時間じゃん!」

男「……」スクッ

女「おっと、今日は部活ないから放課後も来ること。いいわね?」

男「……チッ……わかったよ」スタスタ…

ガラガラ バタン

女「ふんふんふん~♪」パタパタ

男「……」スタスタ…

男「……」

男「……」グッ…

ーーー『冗談にもならない』

男「……ッ!」ドンッ!!

男「……くそ……」

男「……」

男「……」スタスタ…

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