カイジ「ボクシング……?」 (27)

遠藤「ああ」

カイジ「どういうことだ…。ボクシングなんて俺はやったことないぞ」

遠藤「あるんだよ」

カイジ「は?」

遠藤「お前はプロボクサー…。それも4戦4勝4KOのホープ…ッ」

カイジ「わかった…。わかったよ!だがな、俺の借金を返せるくらいのビッグマッチなんてあるのか!?」

遠藤「お前にはこいつと戦ってもらう」

カイジ「は…?日本チャンプ…?」

遠藤「ああ。それも世界に挑戦してもおかしくないレベルのボクサーだ」

カイジ「名前は…鷹村守……。…………は?鷹村守?」

遠藤「ああ。日本最強とも言われる鷹村守だ」

カイジ(勝てるわけねぇ…。だが勝たないと地下行き……。)

カイジ「わかった…。やろう……!」

遠藤(こいつアホだ)

遠藤「鷹村の階級はミドル級だ。お前も体重は同じくらいだろう」

カイジ「ああ…。試合はいつだ?」

遠藤「3ヶ月後だ。場所は後楽園ホール」

カイジ「俺はどこのジムの所属になっている?」

遠藤「川原ジムだ。宮田一郎と同じジムだな」

カイジ「…宮田一郎?」

遠藤「そうか、お前はボクシングに詳しくなかったな」

カイジ「誰だよ、宮田一郎ってのは」

遠藤「国内随一と言われるカウンターパンチャーだ。鷹村についても詳しい」

カイジ「そうか…。これで少しは情報が集まるか…。」

遠藤「とりあえずお前の寝床は今日から川原ジムの隣だ。アパートがあるからそこの202合室に行け」

カイジ「ああ。」

カイジ(クソ…ッ!何でこんな目に…!)

カイジ「ここか…。確かに隣はジムだな」

??「フッ…フッ…フッ…」タッタッタッ

カイジ「ん?あれは…ボクサーか?えらく美形だな…。ジムに帰って行くところっぽいが」

プァーン

カイジ「車?っておい!アブねぇ!おい兄ちゃん!アブねぇぞ!!」

??「!」

プァーン

カイジ「行ったか……。大丈夫か?」

??「ああ。すまない。あのままだと轢かれていただろう……」

カイジ「そこのジムの人か?」

??「ああ。宮田だ」

カイジ「!?」

カイジ(宮田だと……?鷹村について詳しいって行ってたな……)

宮田「どうかしたか」

カイジ「あ…いや、何でもねえ。有名なボクサーだったもんでびっくりしただけだ」

宮田「そうか。礼がしたい。連絡先を教えてくれるか?」

カイジ「いや、俺も今日から川原ジムに世話になる。それに家はジムの隣だ。用があればいつでも来てくれ」

カイジ(これはいい拾い物をした……!!宮田一郎にこんな早く出会えるとは…!しかも最高の形で!)

宮田「そうだったか。これからよろしく頼む」

カイジ「ああ。俺は後で顔を出すから先に帰っててくれ」

宮田「ああ。」タッタッタッ

カイジ「よし……どうやって鷹村守について聞き出すか……。その前にボクシングについて調べねぇと……」

三時間後

カイジ「ミドル級って72.5kgもあるのかよ…。今の体重は62kg…どうやって三ヶ月で10キロも筋肉を増やせってんだ……っ!」

カイジ「とりあえずジムに顔を出すか…」

ガララッ

カイジ「………。」

練習生A「あ、来ましたよー!会長ー!」

会長「よく来たな。君には期待しているよ。だがしかし……体つきが……」

カイジ(やばいっ……!素人であることがバレる…っ!それは避けたい……!何か理由っ!体つきが貧相になる理由…!!)

??「カイジ!遅かったじゃないか!」

カイジ「!?」

カイジ(誰だ…あの日焼けした小さいおっさんは……)

会長「ああミスターサカグチ。いらしてたんですか」

カイジ(サカグチ…?誰だ…。ボクサーではなさそうだが…)

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