後輩「先輩って気持ち悪いですよね」(157)

後輩「本当に気持ち悪いですよね」



後輩「何ですか?何か言いたいことでもあるんですか?」ニヤニヤ



後輩「何ですか?私は本当のことを言っただけですよ?え?それとも自覚がなかったんですか?」



後輩「鏡見たことないんですか?あぁ、だからこそ、そんな身形で平然と外を歩けるわけですか」

…っ

後輩「え?もしかして泣いちゃいましたぁ?先輩、先輩?ねぇ、泣いてるんですか?うわ、うわぁ」



後輩「後輩に泣かされるなんてとんだ屈辱ですよね?気持ち悪過ぎてさすがに引きますよ。ねぇ先輩、今どんな気持ちですか?教えてくださいよぉ」ニヤニヤ

後輩「あ、先輩。今帰りですか?」

後輩「今日も相変わらず気持ち悪いですね」ニヤニヤ



後輩「最早それが先輩のアイデンティティーですよね。良かったじゃないですか。
何の取り柄もない先輩にも、誰にも負けない個性があって」ニヤニヤ

後輩「私はそんな個性100億回生まれ変わっても御免ですけどね」



後輩「…何ですか?」

後輩「言いたいことがあるなら、はっきり言ってください!」

……ニ、…テ…

後輩「え?何ですか?」

…ショ……ッテ…レ…

後輩「聞こえません!全然聞こえないですよ先輩!」

…………イ、イッ………

後輩「い?」



イッイッ、イッ、イッショニカエッテクレナイカ!?



後輩「」






後輩「………………はい?」

後輩「先輩、今なんて言いました?」

ダッダカラ、イッイッショニカエラナイカッテ

後輩「…つまり、私を誘っているんですか?」

………

後輩「先輩が?私を?」



後輩「ふ。ふふ…あはは!」

後輩「もしかして何か勘違いしてるんじゃないですか?」

後輩「気持ち悪いです」

…ッ

後輩「先輩のような最底辺の人間が、私を誘おうだなんて、身分違いも甚だしいと思わなかったんですか?ねぇ先輩!私がそれに応じると、一ミリでも期待していたってことですよね?」



後輩「勘違いしているなら教えてあげます」ニヤニヤ

後輩「私がこうやって先輩を構ってあげているのは、別に同情とかじゃないんですよ?」

後輩「彼女も友達もいないぼっちの先輩を哀れんでいるわけじゃないんです」



後輩「分かりますか?先輩」ニヤニヤ



後輩「先輩は、ただのストレスの捌け口です」

イケメンですよ ∧( 'Θ' )∧
デルモっていったらえってみんなが一目置いて扱って

見返り美人です ∧( 'Θ' )∧

後輩「オモチャなんですよ、先輩は」ニヤニヤ



後輩「都合のいいオモチャ。壊れてもいいオモチャ。簡単にポイできる使い捨てオモチャ」



後輩「ねぇ、理解できました?先輩」ニヤニヤ

直観ならSENSE

後輩「自分でいうのもなんなんですけど、私って優等生じゃないですか。
何でもそつなくこなしちゃうから、先生たちからの期待も大きいんですよ」

後輩「それは快感ではあるんですけど、やっぱりストレスも溜まるんですよね」

後輩「でも先生や友達に不満をぶちまけたりできないじゃないですか?
あ、先輩は友達がいないから分からないかもしれないですけど」ニヤニヤ

ちょっとトイレ

後輩「そこで先輩です」ニヤニヤ

後輩「だってどれだけ何を言ってもいいんですもん」

後輩「こんな便利なストレス発散はないですよ」

後輩「先輩にならどれだけ不満をぶちまけたって、全っ然気にならないんですから」

後輩「普通の人が相手だと、嫌われるのが怖くてとてもじゃないけどこんなことできませんからね」

後輩「…あれ?どうしました?先輩」



後輩「何か言いたそうな顔してません?気のせいですか?」ニヤニヤ

後輩「もう一度言いますけど、先輩はただのストレス発散の捌け口ですからね?それぐらいしか、先輩に存在価値なんてないんですから!」

Drawingは隣ですかね ∧( 'Θ' )∧

隣人はドSなんですよ ∧( 'Θ' )∧

後輩「むしろ感謝するべきですよね?」

後輩「本来なら存在価値のない、ゴミクズよりも最底辺な存在である先輩を、有効活用してあげているんですから!」



後輩「…何ですか?どうしたんですか?先輩」ニヤニヤ

後輩「私、何か間違ったこと言いました?先輩がクズで気持ち悪くて最底辺の人間であることは事実ですよね?」ニヤニヤ

後輩「ねぇ、私が今言ったことに反論とかないですかぁ?先輩?」ニヤニヤ



後輩「うつ向いて黙ってたら分かりませんよ?」



後輩「ねぇ!聞いてますか先輩!」

はい
ぬり絵は
塗り方ですよ ∧( 'Θ' )∧

後輩「…」



後輩「…」



後輩「…ふ」

後輩「ふ…くく…ひひ…」



後輩「あはは!何ですか先輩?その顔!傑作です!」



後輩「傷ついちゃったんですか?ねぇ、ショック受けてたりします?ねぇ先輩?」ニヤニヤ

後輩「はぁ、もう本っ当先輩ってば最高です。最高に最低に気持ち悪いです」



後輩「どうしました先輩?震えてません?」



後輩「寒いんですかぁ?」ニヤニヤ



後輩「あぁでも確かに、いつの間にか日が落ちて冷えてきましたね…」

後輩「先輩なんかに構ってたら、もうこんな時間ですよ。私の貴重な放課後が先輩なんかに食い潰されちゃいましたよ?あーあ勿体ないなぁ」



後輩「もう帰ろうっと!じゃあ先輩、私帰りますね?」

…ッ

後輩「さようなら先輩!」



タッタッタッタッタッ……

























後輩「何泣きそうな顔で突っ立っているんですか先輩?」ヒョコッ

後輩「あはは!ひっどい顔ですねー!気持ち悪ーい!」

…ナッ、ナンデ…

後輩「何がですか?そんなことより、先輩なんかに構ってたら体が冷えちゃったんですけど。風邪ひいたらどうしてくれるんですか?」



後輩「先輩、近くに新しく喫茶店出来たの知ってます?」

…?

後輩「あは。やっぱりぼっちの先輩が知ってるわけないですよね!そのお店ね、キャラメルカプチーノが美味しいんです」

後輩「キャラメルカプチーノ、分かります?この前友達と行ってみたんですけど、お店の雰囲気とか、カップとかの小物もすっごく可愛いんですよ」



後輩「今から行きません?」



…エッ

後輩「今、完全に頭の中キャラメルカプチーノとチーズケーキなんですよねぇ。寒いし。あったかいもの飲みたいんですよ」



後輩「でも喫茶店とか、一人だと入りにくいじゃないですか?あ、ぼっち先輩は平気かもしれないですけど」

後輩「ってことで!」グイッ

…!

後輩「何間抜けな顔で突っ立っているんですか先輩」ニッ

後輩「もちろん先輩のような下等生物に奢られたりしたらこの上ない屈辱ですから、今日は私がご馳走してあげます」

後輩「ねっ?早く行きましょ!」ダッ

…アッ、チョッ…!

後輩「突然ですが先輩に問題です」

後輩「私が不良に絡まれて、ヤバい所を見かけたとします。先輩ならどうしますか?」

後輩「…」ニコニコ

エッ…エッ、ト…

後輩「はい?」

……タ、タスケ…ル…

後輩「……………はぁ?」

…エッ?

後輩「何をとんちんかんなことを言っているんですか?」

…エッ…

後輩「私を助けるなんて、大前提じゃないですか」



後輩「まさか見なかった振りをする、なんて選択肢が先輩の中で存在しているわけですか?とんだゲス思考ですね、軽蔑します」

後輩「あ、軽蔑するなんて言っちゃいましたけど。
私の中での先輩の印象はド底辺の最下層でこれ以上下がることはないですから、安心してくださいね」



後輩「私が聞いたのはその方法です」

後輩「先輩は、どうやって私をピンチから救ってくれるんですか?」ニヤニヤ



後輩「…」ニヤニヤ

…ト、トメル

後輩「止めるって?どうやってです?」ニヤニヤ

…バッテ、トットビコンデ、ソレデー

後輩「ブー。ブッブー」バツッ

…エ

後輩「大不正解ですよ先輩?呆れました」

後輩「バァッ、と?不良たちに飛び込んで?」



後輩「それで?」



後輩「その行動にいったい何の意味があるんですか?」

後輩「そのヒョロッヒョロなシャー芯で、何をどうするって言うんですか?」



後輩「だいたい先輩、ケンカなんてしたことないですよね?一方的にボコられたのはケンカには入りませんからね」

…オッオトリクライニハ…ナレル!

後輩「はあぁー…」



後輩「囮?先輩がぁ?何を勘違いしちゃって傲っているんでしょうねこのゴミクズは」

後輩「先輩ごときが囮になったところで、どうなります?」



後輩「瞬殺されて終わりですよ?」


後輩「全っ然これっぽっちも助けになりませんよね?」

後輩「チッチッチッチッブッブー!時間切れでーす」バツッ



後輩「正解は、迷わず110番!からの大声で周りに助けを求める、でしたー!」



後輩「何を不満そうな顔をしているんですか?先輩にできることなんて、それくらいしかないじゃないですか」

後輩「颯爽と登場してヒロインを救いだす、なんてイケメンだけに許された特権なんですから。現実を見てください先輩」



後輩「先輩はどれだけ格好つけようとしたって、無意味なんですからね?ただただ気持ち悪いだけです」



後輩「とにかく、分かりました?もしも何か、予測不能な出来事に巻き込まれたら、真っ先に110番、ですよ。
無意味な無謀さなんて、先輩には全くこれっぽっちも求めていないんですから」

後輩「…何ですか?先輩」



後輩「モゴモゴしてちゃ聞こえませんよ?はっきり喋ってください」ニヤニヤ

…デッ…デモ

後輩「でも?何です?」

…ホッ本当に…どうしようもないくらい、危険がセッ迫ってたとしたら
タッタッ多分、…イヤ…いや
………ゼッ絶対飛び出して助けに行く!
絶対に!



後輩「」

後輩「な」

後輩「あっあはは!ひ、ひひ…ひは、な、何を得意気になって宣言しちゃってるんですか先輩ってば!」

後輩「はっ恥ずかしい勘違い野郎ですね!ヒーロー気取りしたいんですかぁ?あはは!気持ち悪いです!」

後輩「さっきも言いましたよね!先輩なんかが格好つけたって、より気持ち悪くなるだけなんですってば!」

後輩「あーあー鳥肌立っちゃいました。余りの気持ち悪さにゾクゾクしましたよ本当。
あーあーもう、テンション下がりましたよ、先輩のせいで。最悪。最低」

後輩「…」



後輩「…」



後輩「…あ、ケーキ来ましたね」

後輩「…」モグ



後輩「…ねぇ、先輩」



後輩「…」



後輩「それ、一口もらっていいですか?」

後輩「いいですよね?これ、私の奢りですし」

…ウ、ウン

後輩「じゃあその、上に乗ってるイチゴがいいです」

…ハイ

後輩「…お皿ごと差し出せ、なんて言ってないですけど?」

後輩「先輩聞いてました?私はイチゴが欲しいって言ったんですけど。それとも、まるごとケーキくれるってことですか?
私が先輩なんかの為に選んであげたケーキを、いらないと言うわけですか?
私がわざわざ、先輩なんかにご馳走してあげるって言っているのに、それをまるごと無下に拒否るわけですか?
本当、どこまでゲスいんですか先輩」

…ダッダッテデモ、ジャア…

後輩「私はチーズケーキを食べているんですよ先輩。分かります?」

後輩「このフォークは今、チーズケーキを食べるためにあるんです。チーズケーキ専用なんです。理解できますか先輩?」



後輩「それで、このフォークでイチゴを刺したらどうなります?完全にイチゴ味になっちゃうじゃないですか?」

…………

後輩「それでまたチーズケーキを食べたらどうなります?チーズの中に仄かにイチゴ味がしちゃうじゃないですか!
そんなの我慢できません。断固拒否です。分かりましたか先輩?」

後輩「…」

…ッ

スッ

後輩「…!」

…アッ、アッ…アー…ン カァァァァ

後輩「…」

後輩「ふ…くく…」

後輩「あはははは!ひひっ。顔真っ赤ですよ先輩!耳まで真っ赤っか!あは!気持ち悪ーい」

……………ッ

後輩「手ぇ震えてるじゃないですかぁ?きひ。女の子に向けてあーん、なんてしたの初めてですもんね?初めてですよね?
あ、先輩そんなに揺らすとイチゴが落ちー」

パクッ

後輩「…ちゃう所でした」モグ

アッ……………

後輩「…」モグモグ



後輩「ふふ…えへへへへ。おいしいです、先輩」

後輩「先輩。私、チーズケーキも大好きですけどイチゴも大好物なんです。…先輩?聞いてますか?せんぱーい?」



後輩「なに固まっちゃってるんですか先輩?
もしかして、あーんしたぐらいで気力使い果たしたんですか?たかがこれくらいで?
本っ当先輩って経験値低いですよね。人生の」

後輩「こんなのみーんなやってますよ?なに変に意識しちゃってるんですか?
もしかしてか、間接キスとか意識しちゃってるんですか?ねぇ先輩?」ニヤニヤ

…………ッッッ カァァァァァァァァ

後輩「はっ、ちょっと、なっ…な、なにさらに顔赤らめてんですか!きっ気持ち悪い気持ち悪い!
勘違い甚だしいです!身の程を弁えてください!」



後輩「いいですか?こ、こんなの本当、なんてことないことなんですから!意識するなんてばっかじゃないですか?
ほらっ!」

ズイッ

………………ッ???

後輩「間抜け面で固まらないでください。ほら先輩早く!落ちちゃいます!」

…エッアッ…アッ パクッ

後輩「…」

…ア…………… モグ

後輩「…おいしいでしょ?先輩っ」ニッ

後輩「…さ、残りも食べちゃいましょう。ほらほら、先輩も!」パクッ

……エッ…アッウン

後輩「…………ぁ」

…?

後輩「……ちょっと、イチゴの味した…」ポツリ

…ッ!? カァァァァァァァァ

おわり
見てくれた人ありがとうございました

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