コナン「光彦が爆発した?」 (30)

歩美「そうなの! た、た、大変……」

コナン「爆発って……? お前ら、何かやったのか?」

元太「何もやってねえよぉ!」

コナン「けど、あのおとなしい性格の光彦が何もないのにキレるとは……」

元太「は?」

コナン「ん? だから、キレたってことだろ? 爆発って。怒らせたんだろ、何か悪戯してよ」

歩美「ち、違うよ!」

元太「本当に光彦が爆発したんだっつうの!」

コナン「……え?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387697834

コナン「え、その、つまり、物理的にってことか?」

歩美「」コクリ

元太「ほら、こ、これ、見ろよ!」

コナン「……!」

コナン「元太、それ、まさか……その、袖についてるの……」

元太「血だっつうの! 光彦の!」

コナン「マジかよ」

~数分前~

光彦「おはようございます、歩美ちゃん! 元太くん!」タッタッタッ

歩美「おはよー」

元太「よう」

光彦「今日も良い天気ですn

ドカーン

コナン「……マジで?」

歩美「……」コクリ

コナン「と、とりあえず現場へ……」

灰原「おはよう。どうしたの、あなた達。そんな慌てちゃって」

元太「み、光彦が爆発したんだよ!」

灰原「爆発……? 何、彼女でもできたの、彼」

歩美「そうじゃなくて!」

コナン「本当に、文字通り、爆発したらしいんだ、灰原」

灰原「え……?」ハッ

コナン「どうした?」

灰原「……誰か、携帯持ってる?」

歩美「も、持ってるけど」

灰原「ワンセグ繋いで、10チャンネル映してくれない?」

歩美「う、うん……」ピッ

コナン「何で、今、テレビなんか?」

灰原「……見れば、分かると思うわ」

歩美「あ、阿笠博士だ! ヨ―コちゃんも出てる」

コナン、元太「!?」

コナン「えーと、何だ? 『町の発明家 大実験』?」

ヨ―コ『今日は、米花町の発明家、阿笠博士をお招きして、博士の発明した小型爆弾で大実験をしちゃうつもりだったのですが……』

ヨ―コ『爆発、しませんね?』

阿笠『お、おかしいのう……』テクテク

阿笠『この、ワシが作った探偵バッチの裏に小型爆弾を貼り付けておいた筈なのじゃが』

阿笠『!?』

ヨ―コ『どうしました、博士?』

阿笠『こ、これは光彦くんの……昨日修理に出してきた……』ゴニョゴニョ

コナン「……」

灰原「……」

歩美「……」

コナン「ちょっと、待ってくれ」

コナン「……そういうこと、か?」

灰原「ええ」

元太「どういうことだよ、コナン」

コナン「……博士が、爆弾つけたバッチの方を間違えて光彦に返しちまったってことだよ」

灰原「さっき、スイッチを押したのね……そしたら、円谷くんが」

歩美「あ、CM入っちゃった」

プルル……

コナン「博士から、電話だ」ポチッ

阿笠『も、も、もしもし、し、し、新一か?』

コナン「ああ」

阿笠『み、み、み、み、みみみみみみ』

コナン「爆発したよ」

阿笠『!?』

阿笠『そ、そ、そ、そんな……』

コナン「どうする? 博士」

阿笠『ど、ど、どうするも何も……やってしもうた』

コナン「やってしもうたじゃねえよ」

コナン「そのまま、警察に自首しな、博士」

阿笠『い、嫌じゃ!』

コナン「おい」

阿笠『そんな、ワシが、そんな』

灰原「おとなしく罪を認めなさい、博士」

阿笠『う、うう……』

阿笠『!』ピコン

コナン「どうした? 博士」

阿笠『ふふふ……そうはいかんぞ、新一、哀くん』

コナン「何だ? 悪あがきか、バーロー」

阿笠『ワシが逮捕されたら、君らも困るじゃろう?』

コナン、灰原「!」

阿笠『君らの戸籍を偽造したのはワシの仕事じゃよ。ワシが逮捕されたら』

阿笠『そこから手繰られて、どうなってしまうかのう?』

コナン「は、博士……!」

灰原「……汚いわね」

阿笠『何とでも呼べば良いぞい! ともかく、ワシを助ける策を早く考えるのじゃ!』

阿笠『もうCMあけるから、思いついたらまた電話しなさい』プチッ

コナン「最低だ、あのじじい……」

歩美「どうしたの? コナン君たち」

コナン「……」

灰原「とりあえず、あなた達、先に学校行ってて。わたし達は円谷くんのことをもうちょっと調べるから」

元太「なんだよぉ。弔い合戦なら俺たちにもやらせろよ」

歩美「そ、そうだよ!」

コナン「……ごめんな。けど、仕方がない事情があるんだ。だから、先行ってくれ」

歩美「……はーい」

コナン「……さて、どうする?」

灰原「どうしましょう」

コナン「光彦の爆発をなかったことにするか?」

灰原「流石に、目撃者がいるんじゃないかしら? あの子たちとは別に」

コナン「だよなあ……」

コナン「じゃあ、こんなのはどうだ?」

灰原「どんなのよ」

コナン「架空の犯人に、罪を押しつける」

以上、書きためた分、投下終了です。
続きは今夜中にまた書きためて投下します。

取り違えで光彦死亡→犯人を誰かに押し付ける、と展開が

光彦「トリック・オア・トリート!」
ttp://minnanohimatubushi.2chblog.jp/archives/1864732.html

に酷似していますが、同作者です。
vipで規制されてましたので、こちらで立てさせていただきました。
前回、ラストの方適当になってしまった分を多少真面目にやり直すつもりで書いてます。

パリィン

コナン「よし、こんなもので良いか」

灰原「ここから、”犯人”が博士の家に忍び込んだってことにするわけね」

コナン「ああ」

灰原「それで、円谷くんのバッチと、爆弾付きのバッチを入れ替えた、と」

コナン「だな」

灰原「けど、”犯人”はどうやって博士が小型爆弾を製造したことを知ったの?」

コナン「バーロー、さっき、ネカフェに寄ったろ?」

コナン「あの時、博士のパソコンにハッキングした痕跡を残して置いた。時計もいじくってな」

灰原「成程、それで博士の情報を知ったってわけね」

コナン「そういうこと」

コナン「その他諸々の偽造工作も済んだし……とりあえず、これで安泰だろう」

灰原「そうね。警察が思い通りに動いてくれれば良いけど」

コナン「なーに、動き出しても目暮のおっちゃん達だろう? 大丈夫大丈夫」

灰原「……だと良いわね」

コナン「まあ、ともかく、学校行こうぜ」

灰原「そうね」

~翌日~

蘭「大変! コナンくん!」

コナン「……なーに、蘭姉ちゃん、朝っぱらから」

蘭「お、お父さんが……!」

コナン「おじさんがどうかしたの?」

蘭「お父さんが、逮捕されちゃったの! 光彦くんを殺した疑いで!」

コナン「!?」

コナン「糞! まさか!」

コナン「おっちゃんが昨日、仕事なくて博士の家のあたりをぶらぶらしてて」

コナン「なんとなく寄ったネカフェで座った席が昨日、俺が使った席かつ偽装した時間だったなんて!」

コナン「なんってこった!」

コナン「おい、博士ぇ!」ピンポーン

阿笠「なんじゃぞい、朝っぱらから」

コナン「てめえのせいでおっちゃんが逮捕されちまったじゃねえか!」


阿笠「そうらしいのう」

コナン「どうしてくれるんだ、てめえ!」

阿笠「いや、でも」

コナン「でもじゃねえ!」

阿笠「……」

阿笠「そんなに毛利くんを助けたいなら、ワシを告発すれば良いじゃろう?」

阿笠「もっとも、その場合は哀くんも新一も道連れじゃがのう」ニタニタ

コナン「……」

コナン「糞、どうすりゃ良いんだ……」

灰原「どうしたの? 探偵さん。浮かない顔ね」

コナン「……当たり前だろ」

コナン「おっちゃんが、逮捕されて……でも、救えねえんだ」

コナン「……博士の身は、正直どうなっても構わねえけど……お前まで危険にさらすのは……」

灰原「……」

灰原「そんなに、助けたいの?」

コナン「ああ」

灰原「一つ、アイディアを思いついたわ」

目暮「いい加減、自白してくれんか、毛利くん」

小五郎「んなこと言われても、俺はやってないんですよ、警部」

小五郎「どうしてまた、俺があの坊主の友達を殺さなきゃならねえんです?」

目暮「しかしだねえ……証拠が」

ガチャ

高木「け、警部!」

目暮「なんだね、高木くん。取り調べ中だぞ」

高木「た、大変なんです」

目暮「何がだ」

高木「その……光彦くんが、い、生きてたんです!」

光彦「もう、驚きましたよ……」

光彦「ちょっといなくなってたら、僕が死んだことになってるんですから」

目暮「ほ、本当に光彦くんなのかね?」

光彦「見れば分かるでしょう?」

目暮「しかし、あの日、君は爆発したと……」

光彦「手品ですよ。元太くんと歩美ちゃんをちょっと、驚かせてみたかったんです」

光彦「お騒がせして、申し訳ございませんでした」

目暮「ふ、ふむ……」

高木「警部」

目暮「……釈放しろ。毛利くんを」

光彦「しかし」

光彦「僕は、何で殺されたことに?」

目暮「そりゃあ、爆殺されたことになっとったんだよ」

光彦「ああ、これでですか」ヒョイ

目暮「!!」ダッ

目暮「そ、それは!」

光彦「はは、逃げなくても大丈夫ですよ警部ー」

光彦「博士の部屋から盗んできたのは、もう一つあったってだ……け……あっ」ボトッ

ドカーン

小五郎「で、今度は本当に死んじまったと」

目暮「……ああ」

目暮「全て、私の不注意だ……」

小五郎「いやいや、あの子が、自分で落としてしまったのでしょう? 爆弾を」

小五郎「あんたの所為じゃありませんってば、警部」

目暮「しかし……」

小五郎「まあ、飲みに行きましょうや。こういうことは、忘れるに限る」

灰原「……なんとかなったわね」

コナン「ああ」

コナン「お前のおかげだよ、灰原」

灰原「別に、大したことないわ」

コナン「いや、光彦の姿になりすませて、生きている様に見せかけて……その後、その”光彦”を消滅させるなんて」

コナン「俺には思いつかなかったよ、流石は元黒の組織」

灰原「……余り、嬉しくないわね、そういう言い方」

コナン「はは、すまねえな」

コナン「こうして、光彦爆殺事件はなんとか誰にも迷惑をかけずに収束させることができた」

コナン「世間的には、光彦が不注意の馬鹿ガキだったということでケリがついた」

コナン「けれども、俺は真の悪人を知っている」

コナン「いつか、対決しなければならないだろう」

コナン「けど、それまでは……なんとか守り抜いた、この日常の中で過ごしていたい」

コナン「お前の尊い犠牲は、決して忘れない。ありがとう、光彦」

~完~

終わりです。
ありがとうございました

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