唯「ムギちゃんって実際どのくらい強いの?」(91)

紬「え?」

唯「いやほら、ムギちゃんって力持ちだよね」

紬「そうかしら」

唯「そうだよ」

紬「まあそうだとしても、どのくらい強いってどういう事?」

唯「物騒な話だけど喧嘩とか強いのかなって思ってさ」

紬「け、喧嘩?」

唯「いやなんて言うかさ、格闘技とか?そんな感じの」

紬「一体どうしたの唯ちゃん」

唯「深い意味は無いよ、ちょっと興味があったから」

律「横からすまんが実は私もムギの強さにはちょっと興味あった」

澪「・・・実は私も」

梓「・・・私もです」

紬「ちょっと皆」

唯「そもそもムギちゃんは謎が多いからね、強さ以外にも気になることはあるんだけど」

紬「例えば?」

唯「例えば・・・う~んとね、毎月のおこづかいとかさ」

紬「私おこづかい制じゃないわよ」

唯「カード?プラチナ?それともブラック?」

紬「一応クレジットカードは持っているけど」

唯「すごいね」

紬「すごくなんかないわ」

律「話がそれてるぞ」

唯「おっとそうだね」

紬「もう止めない?この話」

唯「ん?どうして?」

唯「もし喧嘩とか格闘技とか全然やってないなら最初から否定すればいいよね」

唯「でもムギちゃんは一回も否定しないでとぼけたり話を逸らしたり」

唯「まるで何かやっててそれを隠してるような感じだねえ」

紬「・・・」

唯「ありゃりゃ、当たりかな?」

紬「今日は随分鋭いのね」

唯「えへへ」

紬「まあ隠す意味も無いから正直に言うね」

唯「うん」

紬「私は格闘技をやっているわ」

唯「やっぱりねえ」

紬「私の家に伝わる武術を小さい頃から習っているの」

律「やっぱすげえわムギん家」

澪「英才教育ってやつか?」

紬「そんなところね」

梓「護身術なんですか?」

紬「まあね、琴吹家の長女たるもの強さは必要不可欠なの」

唯「お金持ちは大変だねえ」

紬「私に仕えている執事達も強いけれど、私はそれ以上に強く在る必要があるの」

唯「舐められないように?」

紬「というか、琴吹家の起源は古のバーリ・トゥードのチャンピオンと言われているわ」

唯「おお、なんかすごい事カミングアウトされたよ」

紬「だから強い事は絶対条件なの、家の者も執事も」

律「すげえ世界だ」

澪「何かムギを見る目が変わるなあ」

梓「ですね」

紬「・・・さて、今度は私からの質問よ」

唯「あ、待って待って」

紬「何?」

唯「聞かれる前に答えるよ、どうせばれてるだろうし」

紬「そう」

唯「私もやってるんだ」

紬「・・・」

唯「喧嘩の方だけど」

紬「でしょうね」

紬「それで?唯ちゃんは私と戦いたいの?」

唯「私が喧嘩やってるって聞いて驚くどころかいきなりそれ?嬉しいなあ」

紬「だって唯ちゃんは格闘技じゃなくて喧嘩をやってるんでしょう?」

唯「そうだね」

紬「じゃあ聞いても答えないんじゃないかな?」

唯「・・・」

紬「自分の手の内を簡単にばらすのが唯ちゃんの喧嘩?」

唯「・・・」

紬「大事なのは唯ちゃんが私と戦う意思があるかどうかでしょう」

唯「ムギちゃんも実は喧嘩の方が得意そうだね」

紬「あらありがとう」

唯「でも安心して、戦う気は無いよ」

唯「理由もメリットも無い」

紬「そう、良かった」

紬「私も唯ちゃんとは喧嘩したくないもの」

唯「ちょっとだけ残念だよ」

紬「それで本題は何?」

唯「話が早いね」

紬「同じ穴のムジナって分かるまでは言いだし辛かった事なんでしょ?」

唯「ムギちゃんは頭が良いね」

紬「唯ちゃんも」

澪「・・・」

律「なんか全然ついていけなくなったな」

梓「あれホントに唯先輩とムギ先輩ですか?」

澪「怖すぎる・・・」

唯「実はヤクザの事務所を探してほしいんだよ」

紬「ヤクザ?」

唯「うん、今ちょっと練習相手が欲しくてね」

紬「なるほど」

唯「下手したら死んじゃうかもしれないから」

紬「だからあとくされの無いヤクザってわけね」

唯「ヤクザならいっぱいいるし、警察とかにも行けないだろうから」

紬「そういう事なら協力するわ」

唯「わ~い!ありがとうムギちゃん!」

紬「私の系列の組の敵対勢力ならいくらでもやっちゃっていいわよ♪」

唯「楽しみ~」

律「おいおい」

梓「とんでもない事言ってるです」

澪「ヤクザって・・・」

律「ムギはまだ分かるけど唯もとんでもねーな」

唯「あのね、出来れば大小いろんな事務所を紹介してほしいんだけど」

紬「唯ちゃん一人で行くの?」

唯「うん!」

紬「え~いいな~私も一緒に行きたい!」

唯「あ、じゃあ一緒に行く?」

紬「え~いいの?」

唯「二人の方が楽しいよきっと」

紬「じゃあじゃあ、私またお弁当持っていくね」

唯「ありがと~!」

紬「何がいいかな」

澪「ここだけ聞けば普通の会話だ」

律「でもヤクザの事務所潰しに行く計画だろ?」

梓「なんでこんなに楽しそうなんですか」

そして当日

唯「ここが芳文組の事務所かあ」

紬「唯ちゃん、サンドイッチ食べましょ」

唯「ヤクザを見ながらサンドイッチ、乙だねえ」

ヤクザ「おい嬢ちゃん達、ここでレジャーシート敷いて飯食ってんじゃねえよ」

唯「うわあヤクザが話しかけてきた」

紬「目を合わせちゃ駄目!」

ヤクザ「あ?なんだてめえら」

唯「もう、せっかく楽しくお昼食べてたのに」

紬「先にやりましょうか」

唯「そうだね」

ヤクザ「あ?舐めてんのかこら」

唯「ムギちゃん」

紬「なあに?」

唯「この前ムギちゃんに軽く喧嘩を売るような事しておいてなんだけどさ」

紬「うん」

唯「私ムギちゃんの事ほんとに好きだし、ムギちゃんとは喧嘩したくない」

唯「ムギちゃんだから、仲間だから信頼してるから」

唯「損得とかそういうの無しで付き合える仲間だと思ってるから」

紬「・・・だから見せるんでしょ、自分の戦い方を」

唯「・・・うん」

紬「ありがとう唯ちゃん」

唯「見せるよ、私の喧嘩」

紬「安心して唯ちゃん」

紬「誰にも言わないわ、唯ちゃんの事は」

唯「ありがとう」

紬「それに忘れてもらっちゃ困るわ」

紬「これから私も、唯ちゃんに自分の戦い方を見せるって事」

唯「・・・うん!」

紬「喧嘩では初めての共闘になるわ」

唯「私も」

紬「行きましょ」

唯「うん!」

ヤクザ「いい加減にっ」

唯「とう!」ドゴッ

ヤクザ「」ドサッ

紬「へえ」

唯「これが一撃必殺の私の打撃」

紬「唯ちゃんも使えるんだ、それ」

唯「え?じゃあムギちゃんも?」

紬「まあ武術じゃ心臓を打つ、いわゆるハツ打ちは古くからある手だもの」

唯「なあんだ、そうだったんだ」

紬「えい!」ゴッ

ヤクザ「」ドサ

紬「大人数相手なら有効な手よね、これ」

唯「私の力じゃ気絶くらいがせいぜいだけど」

紬「私の力で打ったら死んじゃうかもね」

唯「うーん」ドゴ

ヤクザ「」ドサ

紬「ま、死んだらその時ね」ゴガ

ヤクザ「」ドサ

唯「そっかあ」ドッ

ヤクザ「うぐう」フラッ

唯「あ、やばっ」

紬「もう、しっかり」ズガッ

ヤクザ「」ドサ

ヤクザ「てめえらこんな事してただで済むと」

唯「うるさい!」ブォン

ヤクザ「!」ドグチャ

紬(金的・・・容赦の無さはさすが喧嘩師ね、唯ちゃん)

唯「うわっ潰れちった」

ヤクザ「」ピクピク

紬「っと」

ヤクザ「ヤクザ舐めやがって・・・てめえら絶対殺す!」

紬「えい」クッ

ヤクザ「!?」

唯(合気!?嘘!?実践で合気!?)

紬「合気なんてこんなザコにしか使えないわ」グググ

ヤクザ「?!」

唯「でもすごい・・・」

紬「はっ」フォン

ヤクザ「やめっ」グチャ

唯「最後は投げ・・・顔面から地面に激突しちゃった」

紬「逆一本背負いよ~♪」

>>1
紬「やろう」
唯「やろうか」
そういうことになった。
愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛打打打打打打打打打打打打打殺殺殺殺殺殺愛愛愛肉
肉肉憎愛愛愛愛蹴殴蹴殴蹴殴蹴蹴蹴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺

・・・・・・・・・

唯「ふう」

紬「とりあえずここは終了ね」

唯「じゃあ次の事務所行こうか!」

紬「うん!」

最強の

格闘技は何か!?

菫「今日の相手はあなた?」

男「ああ」

菫「分かった、それじゃ始めましょう」

男「その前にひとついいか?」

菫「何よ」

男「お前は本当にいいのか?」

菫「何がよ」

男「言っておくが手加減はしない」

菫「当たり前でしょ」

男「・・・お前にはもっと他の道もあるんじゃないのか?」

菫「好きでやってるんだからほっといて」

男「・・・分かった」

菫「何?そんな事言うためにわざわざ・・・」

男「・・・もう始まってるっての」

菫「きゃ!」ガシッ

男「ここから出るには勝つしかない」

男「皆分かってる事だ、なのに棄権を促してどうする?」ギリギリ

菫「・・・!」

男「悪いな、これが俺の手だ」

菫「ちょっとは・・・マシなのも居るじゃない・・・」

男「強がりはよせ、もう耐えきれなくなる」

菫「・・・ふふ」

男「・・・何がおかしい」

菫「私一番最初に言ったわよね・・・」

菫「『それじゃ始めましょう』って」

男「それがどうした?結果油断してこのザマ・・・」

菫「・・・バカ」

男「!?」グラァ

男「・・・なんだ?」ドサッ

菫「ここは暗いからね、分からなかったでしょうけど」

菫「最初に対峙した時に神経毒を塗った針をあんたに投げた」

男「なっ」

菫「その時点で決まりなのよ、勝負は」

菫「やり方は良いけど、自分の肉体だけが武器?みたいな考えは甘いのよ」

男「ぐっ」ブルブル

菫「ナイフくらい持ってるんでしょ?なんで切りつけなかったの?」

男(意識が・・・)

菫「まあ使い馴れないナイフで読まれやすい攻撃をするよりも、自分の技術を信じたまではいいわ」

菫「でもあなたは裸締めが決まった時点でナイフを出して私を刺すべきだった」

菫「女の私を締め落とすのが快感だったのかしら?」

菫「勝利の余韻?異常性癖?」

菫「・・・つくづく甘い」

男「くそ・・・」

菫「じゃあね」ブシャッ

蠱毒・・・

器の中に多数の虫を入れて互いに食い合わせ、最後に生き残った最も生命力の強い一匹を用いて呪いをする。という術である

琴吹の正式な執事達は誰もがこの一匹なのだ



今この虫壷には一人の少女が居る

暗殺術の申し子、現代のくのいち

斎藤菫、彼女はこの壷の中で戦い続ける

菫「あと何匹喰えばいいの」

菫「まあいいか」

菫「とりあえず明日の戦いに備えて暗器の手入れをしなくちゃ」

最強の格闘技は何か!?

多種ある格闘技がルール無しで戦った時・・・

スポーツではなく

目突き金的ありの

『喧嘩』で戦った時

最強の格闘技は何か!?

今現在最強の格闘技は決まっていない

続く

かも

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