コナン「おい、光彦!いつ迄も引きこもってんじゃねーぞ!」(193)


【17時、学校の帰り道にて】

コナン:「痛ってー…」

歩美 :「大丈夫、コナン君?」

コナン:「ああ、まだ痛むけどなんとか…」

灰原 :「あんまり無理しないことね。」

コナン:「ああ…」

歩美 :「それにしても元太君ひどいよね!」


(回想~30分前、帝丹中学1年B組、帰りの会にて~)

元太 :「おめーの話なんかいいから早く帰らせろよー、先公!」

先生 :「こ、小嶋君…」

コナン:「おい、元太!いいかげんにしろ!」

元太 :「あぁ!うっせーぞ、コナン!」

灰原 :「ちょっと小嶋君!落ち着きなさいよ!」


元太 :「おめーまでコナンの肩を持つのかよ、灰原!?」

灰原 :「みんな早く帰りたいのは一緒よ。小学生じゃないんだからじっとしてなさいよ!」

元太 :「なんだとー!俺は餓鬼じゃねーよ!」ドスッ!

灰原を小突いた元太。

灰原 :「きゃ!」


コナン:「元太、てめーいいかげんにしろー!!」

元太 :「おめーいい子ぶってんじゃねーぞ、おらー!!」ドカッ!ボコッ!

元太に殴られたコナン。

コナン:「ぐわっ!うっ…」

歩美 :「ちょ、ちょっと元太君!?暴力は駄目だよ!」

元太 :「うっせー!こいつが生意気だからいけねんだよ!」

歩美 :「…コ、コナン君、大丈夫?」

コナン:「ああ…っく。」

元太 :「ふん!ほんとムカつくぜ!俺はもう帰るからな!」

ガラッ!バタン!

(回想終わり)


歩美 :「コナン君と哀ちゃんは正しいことしたのに…悪いのは元太君だよ!」

コナン:「あ、歩美ちゃん…」

歩美 :「暴力を使うなんて弱い人がすることだよ!」

灰原 :「そうね…」

歩美 :「コナン君…元気出してね?」

コナン:「歩美ちゃん、ありがとな。」

歩美 :「歩美は落ち込んでるコナン君なんて見たくないもん!」

コナン:「あはは…」

ブーブー!

歩美 :「あっ、メールだ!誰からだろ?・・・」

コナン:「(歩美は変わらねーな…)」

歩美 :「・・・歩美、用事が入っちゃったから、また明日ね!コナン君!哀ちゃん!」


コナン:「ああ!気を付けて帰れよ!」

灰原 :「また明日ね、吉田さん。」

歩美 :「うん!バイバーイ!」タタタタタッー!

灰原 :「…吉田さんは変わらないわね…」

コナン:「そうだな…」

灰原 :「…それに比べて、小嶋君と円谷君は…」

コナン:「…変わっちまったな…」


灰原 :「まだ、痛む?」

コナン:「ああ…元太の奴に思いっきり殴られたからな…」

灰原 :「…手当てしてあげるから、家によらない?」

コナン:「えっ!?いいのかよ?」

灰原 :「いいわよ、別に。」

コナン:「じゃあ、頼むわ。」


【17時15分、阿笠邸にて】

ガチャ!

灰原 :「ただいまー。」

阿笠 :「お帰り、哀君。おや、新一も一緒じゃったのか?」

コナン:「ああ…」

阿笠 :「ど、どうしたんじゃその顔は!?腫れておるぞ、新一!?」

灰原 :「小嶋君に殴られたのよ。」

阿笠 :「げ、元太君にか!?何があったんじゃ!?」

先ほどの出来事を話すコナンと灰原。


阿笠 :「…そんなことがあったとは…」

灰原 :「ええ…そうだ、博士。工藤君に手当てするから救急箱持ってきてくれるかしら?」

阿笠 :「そうじゃな。ちょっと待っておれ。」

ガチャ!

コナン:「まだ痛むな…」

灰原 :「あなたが体型的に敵うわけないんだから、無茶しないでよね。」

コナン:「ああ…気を付ける…」

灰原 :「まったく…」



ガチャ!

阿笠 :「待たせたな、新一!これでも塗るんじゃ!」

コナン:「おう、わりーな博士!」

阿笠 :「それにしても、元太君はどうしてしまったんじゃろ…」

灰原 :「…わからなくもないけどね…」

コナン:「…まあな…」

元太が中学に入ってから荒れてしまった原因は元太の家庭にあった。
中学に入ってからまもなく、元太の実家の酒屋が潰れてしまった。
追い打ちをかけるかのように両親が離婚…
父親に引き取られたが、その父親も酒に溺れる毎日…
こんな状況になればああなるのもわからなくもない…




阿笠 :「小学校まではあんなに仲がよかったのにのぅ…」

コナン:「…そうだな…」

灰原 :「もう元には戻らないのかしら…」

コナン:「…」

阿笠 :「時間が経てば元太君も落ち着くじゃろ。この時期の子供にはありがちなことじゃよ!」

灰原 :「そうね…」

阿笠 :「それより、歩美君と光彦君のほうは相変わらずかな?」

コナン:「歩美の方は相変わらずだけど、光彦がな…」

阿笠 :「…相変わらず学校には来ないのかね?」

灰原 :「ええ…」


コナン:「光彦の奴、今なにしてんだろうな?」

灰原 :「最近全く会ってないわね…」

阿笠 :「困ったのぅ…」

コナン:「なんとかしてあげてーけど、あいつ自身の問題だからな…」

灰原 :「そうね…」

阿笠 :「…また、みんなで集まってキャンプでもどうじゃ!」

コナン:「…そうだな、またみんなで行くか!」

灰原 :「そうね…あの子たちも誘ってみましょう。変わるきっかけになればいいわね。」

コナン:「ああ。俺から声掛けとくよ!」

灰原 :「あんまり無茶はしないでよね。」

コナン:「へいへい。」


阿笠 :「ほほほ…。二人は相変わらず仲がいいのぅ!」

灰原 :「べ、べつに…」

コナン:「…おっ、もうこんな時間か。そろそろ帰るな!」

阿笠 :「気を付けて帰るんじゃぞ、新一!」

コナン:「わーってるって!ありがとな、灰原、博士ー!!それじゃあ!」


【17時40分、毛利探偵事務所にて】

ガチャ!

コナン:「ただいまー!」

蘭  :「お帰りー、コナン君!」

コナン:「ただいまー、蘭姉ちゃん!」

蘭  :「ちょ、ちょっとコナン君!?どうしたのその顔!?」


コナン:「ちょ、ちょっとぶつかっちゃって…あはは…」

蘭  :「まさか、喧嘩とかしたわけじゃないでしょうね?」

コナン:「ぼ、僕はそんなことはしないよ。」

蘭  :「そうよね、コナン君はそんなことはしないよね。」

コナン:「あはは…」

蘭  :「その怪我誰かに診てもらったの?」

コナン:「うん。さっき博士に診てもらったんだよ。」

蘭  :「そう。あとでお礼しとかなくちゃね!」

コナン:「いいよ別に…。そう言えば、おじさんは?」

蘭  :「なんか用事があるみたいで、ついさっき出かけたわよ。」

コナン:「ふーん、そうなんだ。」


蘭  :「それより、コナン君!好きな子とか出来た?」

コナン:「えっ!?なんで!?」

蘭  :「コナン君かっこいいし、女の子のモテそうじゃない!」

コナン:「そ、そんなことないよ~、エヘヘ。」

蘭  :「まーたしらばっくれて!」

コナン:「そういう蘭姉ちゃんはどうなの?」

蘭  :「えっ!?私ー?べ、別に相変わらずだよ。」

コナン:「新一兄ちゃんと?」

蘭  :「う、うん…最近会ってないけど…」

コナン:「…今でも好きなの、新一兄ちゃんのこと?」



蘭  :「好きだよ!きっと新一は忙しいのよ。ほらアイツ推理オタクだし!
    私はずーと新一のこと待ってるよ!」

コナン:「…(ら、蘭…あみんかよ…)」

蘭  :「それにしてもコナン君。だんだん新一に似てきたわね?」

コナン:「そ、そう!?」

蘭  :「うん、そっくり!コナン君といると新一といるみたいに思っちゃうくらい!」

コナン:「そうかな…あはは…」

蘭  :「あっ!もうこんな時間だわ!晩御飯作るからちょっと待っててね!今日はコナン君の好きなハンバーグよ!」

コナン:「た、楽しみだねー!」


【18時、自宅にて光彦】

光彦 :「…う~ん…もう18時ですか。そろそろ起きないと…」ムクッ

光彦 :「くー、よく寝ましたね~!見事な昼夜逆転生活です!」

光彦 :「今日も早速2chを見るとしますか!」カタカタ!

光彦 :「それにしても2chは最高ですね~!!学校なんかよりよっぽど楽しいですぅ~!」

光彦 :「眠れる夜が始まります~!!」カタカタ!

【19時、近所をうろつく元太】

元太 :「毎日、面白くねーぜ!何か面白いことねーのかよ、クソッ!」

元太 :「それにしてもコナンの奴むかつくぜ!何様のつもりだよ!」

元太 :「灰原の奴も生意気だぜ!コナンの味方なんかしやがって!」

元太 :「あいつら痛い目に遭わせてーぜ!」


【20時、自宅にて灰原】

阿笠 :「哀君。ワシはちょっと用があるので出かけるとする。帰りが遅くなるかもしれんから、先に寝とってよいぞ。」

灰原 :「わかったわ。いってらっしゃい…」

阿笠 :「す、すまんのぅ、哀君。」

ガチャ!バタン!

灰原 :「さぁーて、薬の研究の続きでもしようかしら…」


【時が過ぎ、午前1時、自宅にて光彦】

光彦 :「うーん…ちょっとお腹が空きましたねー。一旦中断して、コンビニにでも行くとしますか!」

【午前1時10分、コンビニにて】

ガラッ!

店員 :「いらっしゃいませー!」

光彦 :「…(この時間が絶好調ですね!夜は長いですから体調を整えないと。)」

光彦 :「(その前にサンデーでも読みますか!)」

光彦 :「(えーと、サンデーは…)あっ!元太君じゃないですか!?」

元太 :「おっ!?光彦じゃねーか!久しぶりだなー、おい!」

光彦 :「何か月ぶりですかね~、元太君と会うのは。」

元太 :「そうだなー、わかんねーな!」

光彦 :「元太君らしい答えですねwwww」


元太 :「それより、学校にも最近きてねーよな?」

光彦 :「はい!起きた時には学校が終わってますからねwwww」

元太 :「光彦は、いわゆるミートってやつか?」

元太 :「ニートは楽しいのか?」

光彦 :「最高ですよ!元太君もニート生活始めませんか!ネットを見て一日を過ごす夢のような時間ですよ!」

元太 :「俺はネットとかよくわかんねーからな…」

光彦 :「そういう元太君は最近どうなんですか?」

元太 :「俺は給食の時から学校に行くって感じだな。イライラしているときはサボるけどよ!」

光彦 :「ミートじゃお肉のことですよ、元太君wwwwそれをゆうならニートですよ!」

光彦突っ込み遅いなwwww
池沼みたいになってる

>>86
ミスったw


光彦 :「へー、意外と真面目なんですね、元太君は!」

元太 :「そうでもねーぜ。ちょくちょく学校で暴れてるしよ!」

光彦 :「そうなんですか!元太君、完全にDQNじゃないですか!」

元太 :「DQN?なんだかそれかっこいいな!」

光彦 :「そんなに威張れるものじゃないですよwww」

元太 :「ニートよりはましだろ。」

光彦 :「どっちもどっちですねwwww」

元太 :「そうだ光彦。昨日学校でコナンの奴殴ったんだよ!」

光彦 :「えっ!コナン君殴ったんですか!kwskお願いします!」

光彦に学校であったことを話す元太。

光彦 :「へー、そんなことがあったんですか。」

元太 :「コナンの奴むかつくよな!ぶっ飛ばしてやりてーぜ!」


光彦 :「暴力はいけませんよ、元太君!」

元太 :「お前まで俺に説教する気かよ、光彦!?」

光彦 :「いえ、そういうわけじゃ…僕が言いたいのは別の方法でコナン君を追い詰めるんですよ!」

元太 :「なんだ、お前もコナンのこと嫌いなのか?」

光彦 :「そうですね。僕のことを見捨てましたからね、彼は。僕が苛められていると知っておきながら!同じ目に遭わせてやりたいものです!」

元太 :「奇遇だな…光彦。俺もちょうど今そう思ってた所なんだぜ。」

光彦 :「悪い顔してますねー元太君wwww。」

元太 :「それで、どうすんだ、光彦?コナンをリンチでもすっか?」

光彦 :「だから、暴力はいけませんよ!」

元太 :「じゃあどうやって?」

光彦 :「コナン君の身近な人を傷つけるんですよ、元太君。」

元太 :「身近な人?」

光彦 :「ええ。特に女性をね。ヒヒヒ…」


元太 :「あの姉ちゃんか!?」

光彦 :「蘭さんですか?」

元太 :「ああ!コナンの奴あの姉ちゃんのこと好きじゃねーか?」

光彦 :「…蘭さんは厳しいですね。」

元太 :「どうしてだよ!?俺たち二人だったら襲えるだろ?」

光彦 :「元太君知らないんですか?蘭さんは蘭斗聖拳の使い手ですよ?」

元太 :「えっ!?マ、マジかよ!?」

光彦 :「はい。あのサウザーより強いんですよ!」

元太 :「それは敵わねーな…瞬殺だぜ…」


元太 :「じゃあ、灰原か!アイツ生意気だからちょうどいいかもな…グヒヒ。」

光彦 :「いえ。灰原さんはガードが堅いですし、手を出すのは難しいですね。」

元太 :「…そうだな。おまけにコナンの奴に守られてるしな…。」

光彦 :「ええ。灰原さんにはコナン君がついてますからね…」

元太 :「『天国のカウントダウン』で灰原の奴助けたの俺達なのによー!!」

光彦 :「俗にいう世界一長い2秒ですか。あの時は僕たち頑張りましたね!」

元太 :「まったくだぜ!いつもコナンの奴にいいとこ取りされるかんな!
     腹立つぜー!」

光彦 :「全くです!」


元太 :「それじゃあ…歩美か!」

光彦 :「当たりですよ、元太君!歩美ちゃんを僕らで襲うんです!」

元太 :「歩美だったら楽勝だな。ガードも緩そうだしな!」

光彦 :「はい。二人に比べれば簡単ですね。」

元太 :「よし、歩美で決まりだな!で、どうやって襲うんだ?」

光彦 :「女性を襲うと言えば、レイプしかないでしょう、元太君!」

元太 :「レ、レイプ!?マジかよ、光彦!?」

光彦 :「流石に元太君でもレイプは知っているんですね?」

元太 :「当たりめーだろ!馬鹿にすんなよ!」


光彦 :「ははは…実は僕一度レイプをしてみたかったんですよ…イヒヒ…」

元太 :「万引きならしょっちゅうだけどな!今もポケットにくすねたの入ってるぜ!」

光彦 :「そんなのよりもっとスリルがありますよ。想像してみて下さい、歩美ちゃんを犯す絵を…イヒヒ。」

元太 :「確かに面白そーだな、コナンの奴驚くぞー…グヒヒ!」

光彦 :「よし、決まりですね!今日にでも決行しましょう!」

元太 :「今日って、どうやって歩美を誘い出すんだよ!」

光彦 :「それは僕に任せてください…」

元太 :「わ、わかった…」

光彦 :「今から楽しみですね~」

元太 :「ああ。…光彦、おめー変わったな。」

光彦 :「元太君の方こそ。」

元光 :「wwwwww」

店員 :「お客さん!何も買わないんだったら帰ってよ!」

元光 :「す、すみません!」ダッ!


光彦 :「ふう…それじゃあ、後で連絡しますので。」

元太 :「ああ。それじゃあお休みな。」

光彦 :「えっ!?僕は今からが活動時間なんですけど?」

元太 :「そ、そうか、じゃあな。」タタタタ…

光彦 :「はい!(今日は面白くなりそーです~!!)」

【翌日、帝丹中学1年B組にて】

コナン:「おはよう、歩美ちゃん!」

歩美 :「あっ、おはよう、コナン君…」

コナン:「んっ?元気ないようだけど、どうしたの歩美ちゃん?」

歩美 :「えっ!?歩美は元気だよ。ちょっと疲れててね…」

コナン:「ふーん、そうなんだ…」


灰原 :「おはよう、江戸川君、吉田さん。」

歩美 :「哀ちゃん、おはよー。」

コナン:「おはよう。って相変わらず眠そうだな、おめー…」

灰原 :「私、夜型だから…」

コナン:「ははは…」

灰原 :「…小嶋君と円谷君来るかしらね?」

コナン:「元太ならいつもの時間にくるかもしれねーけど、光彦はわかんねーな…」

歩美 :「光彦君いつになったら来るんだろうね…」

灰原 :「…」

コナン:「…そうだ、歩美ちゃん!昨日博士と話したんだけど、またみんなでキャンプにでも行かねーか?」

歩美 :「キャンプ?…そうだね!またみんなで行こーよ!元太君と光彦君も誘ってみよー!」

コナン:「そうだな。」

ガラッ!

先生 :「はーい、皆さん!席に着いてー!出席取りますよー!」


【午後1時、阿笠邸にて】

阿笠 :「昨日は楽しかったのぅ…」

ピンポーン!

阿笠 :「誰かのぅ?」

ガチャ!

元太 :「よう!久しぶりだな、博士!」

光彦 :「お久しぶりです!」

阿笠 :「おー、元太君に光彦君じゃないか!どうしたんじゃ?ワシになにか用か?」

元太 :「今、博士一人か?」

阿笠 :「そうじゃよ。哀君は学校じゃし。」

元太 :「そうか、それはよかったぜ。」

阿笠 :「?」


光彦 :「あのー、博士にお願いがあるんですけど…」

阿笠 :「なにかね?」

光彦 :「そのー…コナン君の蝶ネクタイ型変声期と時計型麻酔銃の予備なんてあります?」

阿笠 :「んっ?それならあるが…一体何に使うんじゃ?」

光彦 :「それは秘密です!」

元太 :「あるんだったら、さっさと貸せよ、博士!」

阿笠 :「…よ、よいが、ちゃんと返すんじゃぞ。今持ってくるからちょっと待っておれ。」

ガチャ!

元太 :「…博士はちょろいぜ!」

光彦 :「ええ。博士はお人好しですから。」

元太 :「それにしても、光彦。よく思いついたな!」

光彦 :「こういうことに関してはコナン君より頭が回りますからね!」

元太 :「頼もしいぜ。」


ガチャ!

阿笠 :「待たせたな。ほれ、蝶ネクタイ型変声期と時計型麻酔銃じゃ。」

元太 :「ありがとな、博士!借りるぜ!」

阿笠 :「あ、ああ…」

光彦 :「ありがとうございます!それでは」

阿笠 :「と、ところで、二人とも学校には行っておるのかね?」

元太 :「見ればわかるだろー!行ってねーよ!博士まで説教する気かよ!?」

阿笠 :「そ、そういうわけじゃ…」

元太 :「ふん。じゃあ帰るからな!」

阿笠 :「あ、ああ…」

バタン!


元太 :「これからどうするんだ、光彦?」

光彦 :「そうですね…とりあえず僕の家に行きましょう。今は誰もいませんし。」

元太 :「わりーな。ところで、何時になったら決行するんだ?」

光彦 :「…そういえば、歩美ちゃんって部活とか入っているんですか?」

元太 :「たしか…サッカー部のマネージャーしてるな。灰原もな。」

光彦 :「…コナン君に付きっきりですね。」

元太 :「ちっ!あのリア充野郎め!爆発しちまえ!」

光彦 :「はははwww元太君はウナ充ですからね!」

元太 :「うな重食いてえな…って、上手いこと言ったつもりか、光彦!」

光彦 :「冗談ですよwww」


元太 :「ふん。」

光彦 :「それで話を戻しますと、部活が終わるのは17時半から18時の間です。」

元太 :「まあ、そのくらいだな。」

光彦 :「それで歩美ちゃんが家に帰るのは18時半くらいです。」

元太 :「となると、その時間か…」

光彦 :「はい。18時半過ぎくらいに歩美ちゃんに電話を入れます。
     もちろん変声期を使ってコナン君の声でね!」

元太 :「好きなコナンに誘われたら歩美の奴ぜってー来るな。」

光彦 :「確実に来ますよ!」


元太 :「それで、歩美の奴をどこに誘い込むんだ?」

光彦 :「そうですね…公園とかでいいんじゃないですか?
     麻酔銃で眠らせますし。」

元太 :「眠らせて、公園でやんのか?」

光彦 :「はい!緑に囲まれて解放感がありますしね!打ってつけです!」

元太 :「でもよー、誰かに見られんじゃねーか?」

光彦 :「杯戸公園だったら広いから大丈夫じゃないですかね?」

元太 :「ああ、あそこだったら馬鹿みたいにでけーから平気だな!」

光彦 :「ええ。もしもばれそうになったら逃げればいいですし!」

元太 :「それもそうだな。」

光彦 :「…話してたら僕の家につきましたね。時間まで僕の家で待機しましょうか。」

元太 :「おう。上がらせてもらうぜ。」

ガチャ!バタン!


【放課後、帝丹中学にて】

歩美 :「結局、今日も光彦君来なかったね…それに元太君も…」

コナン:「…」

灰原 :「そのうち来るわよ。だから心配することないわ。」

歩美 :「…うん、そうだね!友達だから信じてあげよう!」

コナン:「…ああ、そうだな!」

灰原 :「そうね。」

歩美 :「うん。…ところでコナン君と哀ちゃんは部活でるの?」



灰原 :「ええ。」

コナン:「ああ、出るけど。なんで?」

歩美 :「…歩美、今日出れないんだ。体調が悪くてね。ごめんね。」

コナン:「いいよ、謝らなくても。それより家帰って休んだ方がいいぜ。」

灰原 :「そうね…無理しない方がいいわ。」

歩美 :「うん…それじゃあ、歩美帰るね!部活頑張ってねー!」

コナン:「おう!また明日な!」

灰原 :「また明日ね、吉田さん。」

歩美 :「うん、ばいばーい!」


コナン:「歩美の奴朝から元気なかったからな…」

灰原 :「いつも元気な吉田さんだから、珍しいわね…」

コナン:「ああ…部活に遅れるといけねーから急ぐか!」

灰原 :「そうね。」

コナン:「今日もマネージャー頼むぜ!」

灰原 :「はいはい。」

【17時半、帝丹中学にて】

灰原 :「お疲れ様。はい、お水。」

コナン:「おう、わりーな。」ゴクゴク

灰原 :「相変わらずサッカーは上手ね。」

コナン:「何年やってると思ってんだ。」

灰原 :「そうね、ふふ。」

コナン:「疲れたし、着替えてさっさと帰るか。」

灰原 :「ええ。」


【17時45分、光彦邸にて】

光彦 :「…一時間切りましたね。」

元太 :「ああ…どうでもいいけど、腹減ったぜ~。」

光彦 :「元太君は昔っから変わりませんねwww」

元太 :「仕方ねーだろ!」

光彦 :「わかりましたよ。では、コンビニにでも行きますか。」

元太 :「おっ、いいぜ!なんか盗んで食うとするか。」

光彦 :「腹が減っては戦は出来ん、と言いますしね。」

元太 :「おう!腹ごしらえしとかないとな!」

光彦 :「それじゃあ、行きましょう!」

元太 :「おう!」

ガチャ!バタン!


【17時50分、コンビニにて】

光彦 :「僕は雑誌でも読んでますから、その間に盗むなり、買うなりしてくださいね。」

元太 :「おめーは食わないのか?」

光彦 :「はい。あまりお腹は減っていませんし。」

元太 :「そうか。…んっ!?おい、光彦!あれ歩美じゃねーか!?」

光彦 :「えっ!?ど、どこですか!?」

元太 :「あそこの歩道橋のところだよ!」

光彦 :「ほ、歩道橋!?元太君どんだけ目がいいんですか!?」

元太 :「両目で1.6だな。」

光彦 :「無駄に視力だけいいんですね。」

元太 :「まあな。とにかく追いかけるぞ!」

光彦 :「はい!」


【18時、阿笠邸にて】

ガチャ!

灰原 :「ただいまー。」

阿笠 :「お帰り、哀君。今日は部活だったのかな?」

灰原 :「ええ。」

阿笠 :「…哀君。実は君が学校に行っている間に元太君と光彦君が訪ねてきたんじゃ。」

灰原 :「えっ、小嶋君と円谷君が!?何しに?」

阿笠 :「なんでも、新一の蝶ネクタイ型変声期と時計型麻酔銃の予備を貸してほしいとたのまれてのぅ…」

灰原 :「!」

阿笠 :「二人とも何に使うんじゃろうな。」

灰原 :「…博士、貸したのね?」

阿笠 :「えっ?あ、ああ、貸したが…まずかったかね?」


灰原 :「今のあの二人がどういう状況か知っているでしょう?
     悪用するに決まっているじゃない!」

阿笠 :「!」

灰原 :「とにかく彼らを探した方がいいわね。」

阿笠 :「そ、そうじゃな…」

灰原 :「工藤君にも伝えとくわ。」

【その頃、元太と光彦は】

元太 :「おい、こっちだ光彦!」タタタタタッーーー!!

光彦 :「ハァ、ハァ…元太君、速いです~。」タタタタタ…

元太 :「全く、このへたれが。ちんたらしてたら歩美を見失っちまうぞ!」

光彦 :「わ、わかりました…頑張ります~。」

元太 :「歩美の奴どこに行くきだ?あんな格好して。」

光彦 :「たしかに。誰かと会うんですかね?」

元太 :「それはわかんねーけど…おっ、左に行きやがった。」

光彦 :「あっちは、繁華街のほうですね。」


【その頃、毛利探偵事務所にて】

ガチャ!

コナン:「ただいまー!」

蘭  :「お帰りー、コナン君!今日は部活だったの?」

コナン:「うん。」

蘭  :「コナン君はサッカー上手だし、早速エースじゃない?」

コナン:「そんなことはないよ。」

プルルルルル~!

蘭  :「あっ、電話。」

コナン:「僕が出るよ。」

コナン:『はい、もしもし。毛利探偵事務所です。』

阿笠 :『ワシじゃ、新一。』

コナン:『おっ、博士か。どうした?』
阿笠 :『実は・・・・・・』 


蘭  :「…元太君と光彦君がどうかしたの?」

コナン:「えっ!?あ、あいつらが博士のメカを勝手に持ってったらしんだよ。
     博士が困ってるんだって。」

蘭  :「そうなんだ。…そういえば元太君と光彦君だったらさっき見たわよ。」

コナン:「えっ!?ど、どこで?」


蘭  :「ついさっきなんだけど、元太君と光彦君がいっしょにいるのをここから見たの。
     なんだかキョロキョロしてたけどね。」

コナン:「どこへ向かったかわかる?」

蘭  :「うーんと、たぶん駅の方だと思うよ。」

コナン:「…駅か…ありがとう、蘭姉ちゃん!」

蘭  :「ううん。…コナン君、これから博士の所へ行くの?」

コナン:「うん。あいつらを博士と一緒に見つけに行かないといけないからね。」

蘭  :「そう…気を付けて行ってらっしゃいね。」

コナン:「うん。そうだ、夕食は博士の所で食べるから。」

蘭  :「わかったわ。…今日もお父さんいないから、一人でご飯か…」

コナン:「ご、ごめんね、蘭姉ちゃん…」

蘭  :「ううん、平気よ。あんまり遅くならないようにね!」

コナン:「うん。じゃあ行ってくるね!」

蘭  :「行ってらっしゃい!」

ガチャ!バタン!


【その頃、元太達は…】

元太 :「歩美の奴、繁華街に何の用があるんだ?」

光彦 :「わかりません…でも何か嫌な予感がしますね…」

元太 :「嫌な予感って、何だよ光彦?」

光彦 :「…いえ、とにかく歩美ちゃんを追いかけましょう!」

元太 :「ああ…(光彦の奴なんか知ってんのか?)」

光彦 :「…」


【その頃、阿笠邸にて】

コナン:「博士ー!!!」

阿笠 :「おー新一!早かったのぅ。」

コナン:「ああ。それよりアイツらに関する手がかりを手に入れたぜ!」

阿笠 :「て、手がかり?」

コナン:「ああ。蘭の奴があいつらをついさっき見たんだってよ!」

阿笠 :「ほ、ほんとかね!?」

コナン:「蘭の話だと、あいつら駅の方に向かったらしい。」

灰原 :「…あそこらへんは開けてるし、繁華街にも近いわね。」

コナン:「ああ…まさかとは思うが、あいつら…」

阿笠 :「し、新一。何か分かったのか?」

コナン:「…俺の変声期を持ち出したってことは、声を変えたいってことだ。」

コナン:「そして、麻酔銃を持ち出したってことは、誰かを眠らせる腹だ。」

阿笠 :「ね、眠らすじゃと?でも誰を?それに変声期とのつながりがいまいち見えてこんがね?」


コナン:「変声期を使って誰かを誘い出し、そいつを麻酔銃で眠らせて…」

阿笠 :「ば、馬鹿な!?彼らはまだ中学生じゃぞ!」

コナン:「ああいう奴らはこういうことに関しては頭が回るんだ。ただのニートだと思って甘く見てたぜ…」

灰原 :「…(そういうあなたこそしょっちゅう似たようなことしていたくせに…)」

阿笠 :「新一。このままだとあの子たちは犯罪者になってしまうぞ?」

コナン:「ああ。なんとかして止めねーとな。」

灰原 :「そうね…このままいけば間違いなく破滅の人生を送るわ。」

阿笠 :「そ、そうじゃな。なんとしても阻止しなければ。」

灰原 :「…ところで工藤君。あの子たちは誰を誘い出すのかしら?」


コナン:「そうだな…おそらく身近なやつだと思う。俺ら以外であいつらと仲のいい…」

阿笠 :「そうじゃな。赤の他人じゃとリスクが大きいからのぅ。」

灰原 :「…!吉田さんしかいないわね。」

コナン:「ああ…歩美しかいない!」

阿笠 :「な、なんじゃと!?あの子たちは歩美君に手をだすというのか!?」

コナン:「一番可能性は高い。」

灰原 :「そうね。吉田さんの携帯に電話してみましょう!」

コナン:「そうだな!」

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