エレン【ELLEN】(605)

エレンの初期設定が違うifものです

※原作ネタバレ、勝手な設定、cp、キャラ崩壊があります ご了承ください

すみません トリップのテストします

コテハンは隠れるものだと思ってました……すいません


次からちゃんと投下していきます


841年


ウォール・マリア北区  ある山


ヒュオオオオオオ…


エレン(寒い……)


誰も住まないような極寒の雪山に、一人の少年の姿があった


エレン(まあ、ここは壁内で一番の寒さを誇る山だから、寒いのは当たり前か……)ザッ ザッ ザッ

エレン(おっ、見えてきたか)


まだ6歳である彼の視線の先には、ボロボロに壊れた研究施設があった

出来ればカップリングの組み合わせまで教えて欲しい


エレン(………)ザッ ザッ ザッ


そして、彼はその施設の中に入って一言つぶやいた




エレン「……ただいま」

>>5
一応、エレミカにする予定です シリアス?気味なのでそこまで気にしないでください




ガサガサ ゴソゴソ


エレン「おっ、あったあった」チャリン

エレン(…この鍵は俺が肌身離さず持っていないと……)ス…


彼は机の引き出しから鍵を取り出し、首にぶら下げた


エレン(地下室の鍵も見つかったし、ここを出るか……ん?)チラ


ふと視線を机の上にやると、研究者らしい白衣を着た男性の写真が目に入った 


エレン「父さん……俺、精一杯生きるよ」


ザッ  ザッ  ザッ


彼は研究施設を後にした


843年


ウォール・マリア南部 ある山


ミカサ父(まさかこんな所に崖が出来ているとは…昨日の雨で地盤が緩んでいたのか)ポタポタ

ミカサ「お父さん!お父さん!」ウルウル


ミカサは崖の上から、下にいる父親に向かって叫んでいる


ミカサ父(や…やばい…出血がひどくて意識が……)

ミカサ(ど、どうしよう……このままじゃお父さんが死んじゃうかも…)ポロポロ


タタタタタッ


「そこを退け!」


ミカサ「えっ?」クルッ


彼女が振り返ると、そこに黒髪の少年が走ってきた


ダンッ


そのまま少年は崖から飛び降りた


ズザァァァ

エレン「痛ててて…何とか無事に降りれたな それより!」バッ

エレン「大丈夫ですか!?」

ミカサ父「ぅ……ぅう……」ハァ ハァ

エレン(出血が多く、意識も朦朧とし始めている…急いで止血しないと)ガサガサ


彼は直ぐに応急処置をした


エレン「よし!これでとりあえずは大丈夫だろう」

エレン「オーイ!君のお父さん(…だよね?)、応急手当したからもう大丈夫だぞ!」

ミカサ「ほ、本当に!!」グスン

エレン「とりあえず、ここじゃ獣に襲われる危険性もあるから移動したいんだけど…この辺に安静に出来る場所はあるか?」

ミカサ「この辺は私の家しかないけど・・・」

エレン「じゃあ今からお父さんを家まで運ぶから道案内してくれるか?」

ミカサ「う、うん!」


アッカーマン家


ガチャ


ミカサ「お母さん、ただいま!」

ミカサ母「おかえり、ミカサ…あれ?お父さんは?」

エレン「…お邪魔します」


黒髪の少年が彼女の夫を担いで家に入ってきた


ミカサ母「え!?お父さん!!何があったの!?」

ミカサ「この子が助けてくれたの!」

エレン「崖から落ちたみたいです 出血多量で意識はありませんが、応急手当はしてるので命に別状はありません」

ミカサ母「え?あなたが応急手当をしてくれたの!?」

エレン「はい とりあえず横に寝かせてあげたいのでベットはありますか?」

ミカサ母「は、はい!こっちにあるわ」


ガチャ


ミカサ母「この部屋のベッドを使っていいわよ」

エレン「わかりました」ヒョイ

ポフ

ミカサ父「zzz」

エレン「腕も骨折してるみたいだったので、落ちていた枝で添え木をしてますが、もう少し綺麗な木材に交換したほうがいいと思います
それから、血液を作れるように栄養のあるものを沢山食べさせてください」

ミカサ母「わかったわ…旦那を助けていただき本当に感謝してるわ ありがとう」ペコ

エレン「いえいえ、人…として当たり前のことをしたまでです では、俺はもう行きます」

ミカサ「待ってよ!もうちょっと一緒にいようよ」

エレン「……ごめんね、でも俺は一人旅をしてる途中だから…」


ミカサ母「じゃあここで一休みしてってもいいんじゃない?急いでいるなら止めないけど…」

エレン「急いではいませんが…」

ミカサ母「じゃあ決まりね 今日は家に泊まっていきなさい、ご馳走を振舞ってあげるからね」ニコ

エレン「……はい、ありがとうございます」

ミカサ母「ふふふ、それでよろしい 子供はそうやって素直じゃないと…そういえばあなたの名前を聞いてなかったわね 名前はなんて言うのかしら?」

エレン「俺は……エレン、エレン・イェーガーといいます」

ミカサ母「じゃあエレン、ミカサと一緒に遊んでなさい 直ぐに夕飯にするからね」スタスタ

ミカサ「ねぇ、エレン 私の部屋に行こう!」ギュッ

エレン「う、うん…」

ミカサ母(ふふふ、ミカサったら同じ年代の子と遊べるのが相当嬉しいみたいね
それにしてもあの子……医療知識も凄いけど、お父さんをここまで運んできた腕力も相当だわ……一体何者なのかしら?)


コトコトコト

ミカサ母「これぐらいかな……」パクッ

ミカサ母「うん♪我ながら素晴らしいできだわ」モグモグ

ミカサ母「ミカサー!エレンー!ご飯ができたわよー!」

タタタタタッ

ミカサ「今日の夕飯はなあに?」

ミカサ母「今日の夕飯は…コレよ!」ドンッ

ミカサ「やったあ!肉じゃがだ!」パアァ

エレン「肉…じゃが?」

ミカサ「うん!お母さんの得意料理でとっっっても美味しいのよ!!」

エレン「とっっっても?」

ミカサ「そう!とっっっても!!」

ミカサ母(あまりハードルをあげないでよ、ミカサ…)


ミカサ母「じゃあ、2人とも席について」

ミカサ母「いただきます」ペコ

ミカサ「いただきます!」ペコ

エレン「…いただきます?」

ミカサ母「ああ、それはね 命ある食材を頂くから、感謝の意味をこめて『いただきます』っていうのよ ちなみに食べ終わったら『ごちそうさま』っていうのよ」

エレン「へぇ~…良いことですね じゃあ、いただきます」ペコ

ミカサ「ホラ、肉じゃが食べてみて」

エレン「う、うん…」パク

ミカサ母「お味はどうかしら?」

エレン「!!」

エレン「うめぇ!!」パアァァ


ミカサ母「ふふふ、それは良かったわ」

エレン「あっ、すいません とても美味しかったです!」アセアセ

ミカサ母「何故謝るの?それに敬語じゃなくていいわよ さっきみたいに子供らしくしなさい」フフフ

エレン「で、でも……」

ミカサ母「…少しだけあなたのことを聞いてもいい?もし答えられないのなら答えなくてもいいからね」

エレン「はい…」

ミカサ母「エレン、あなたは一人旅をしてるって言ったわよね 親御さんはどうしたの?」

エレン「……いません」

ミカサ母「そう……」

ミカサ母(捨て子?それとも両親共に死んでしまったのかしら…どっちにしろ聞かない方が良さそうね)


ミカサ母「どこから来たの?」

エレン「…昔はウォール・マリア北区にある山に住んでいました」

ミカサ「北区ってどこら辺なの?遠いの?」

ミカサ母「とっても遠いとこよ 極寒の地だからあまり人が住んでいないの」

エレン「その通りです その山は雪山で、僕達以外は誰も住んでおらず、近寄りすらしませんでした」

ミカサ母(僕達?……親御さんと一緒に住んでいたのかしら そしたら、その親御さんはもう…)

ミカサ母「…じゃあ何で一人旅をしているの?」

エレン「それは………自分が存在理由を探す為…こんな自分でも人の役に立ちたい為……その為に父さんの医学書を読んで医学を学び、人助けをしながら一人旅を続けてきました」

ミカサ母(この子は何故だかわからないけど、自分の存在を否定的に考えているみたい…それで人の役に立つことで存在理由を見つけようとしてるのね…
……悲しく、強く、そして…とても優しい子だわ)

エレン(…何で俺はこんなに自分のことを話しているんだ……?)


ミカサ母「……決めた!」

ミカサ「何を決めたの?」

ミカサ母「エレン!あなたは今日から私達と一緒にここに住みなさい!」

エレン「ええ!?」

ミカサ「本当に!?やったあー!」

エレン「で、でも俺は…」アタフタ

ミカサ母「エレンは私達のことは嫌い?」

エレン「そんなことありません!」

ミカサ母「じゃあ決定ね」ニコ

エレン「でも、俺は……俺は!やっぱり駄目だ!俺は普通じゃないんだ!あなた達とは違うんだ!誰かと一緒に暮らすなんて……できないんだぁ!」

ミカサ「エレン…」


エレン「…だからすいません 俺はこのまま・・・」

ミカサ母「………」ス…

ギュ


彼女は立ち上がると優しく彼を抱きしめた


エレン「お…おばさん……?」

ミカサ母「私達はあなたのことを全然知らない…でも、あなたのことは不思議と信じることができるの」ギュゥゥ

エレン(……あたたかい…)

ミカサ母「一人じゃ辛かったんでしょ?でも、もう一人じゃない…あなたは私達の家族なのよ」

エレン「……俺はここにいていいの?」ジワ…

ミカサ母「いていいのよ 私達がお願いしているんだから」


エレン「…こんな俺でも……幸せになっていいの?」ポロポロ

ミカサ母「幸せになっていいのよ 私達とここで幸せに生きましょうね」

エレン「…ぅぅ…ぅうわああああああああん!!」ボロボロ

ミカサ母「そうやって泣いていいのよ 弱みを見せていいのよ…私達はもう、家族なんだから」ナデナデ

ミカサ「…お母さん、私も」ダキッ

エレン「うわあああああああああん!!」ボロボロ


彼は二人に抱かれながら、大粒の涙を流しながら、深い眠りについた


エレン「zzz」スヤスヤ

ミカサ母「あらあら、泣き疲れて寝ちゃったみたいね」

ミカサ「zzz」スヤスヤ

ミカサ母「あら、ミカサまで寝ちゃったのね しょうがない子だわ」フフフ


ミカサ父「お…おい」フラフラ

ミカサ母「お父さん!?もう動いて大丈夫なの?」

ミカサ父「ああ…何とかな それより私は誰に助けてもらったんだ?」

ミカサ母「この子よ この子が崖から落ちたあなたの応急手当をし、ここまで運んでくれたのよ」

ミカサ父「そんな小さな子が私を?」

ミカサ母「そうよ あと今日からこの子は私達の息子になるからよろしくね」

ミカサ父「え?」

ミカサ母「ずっと息子が欲しいって言ってたでしょ?夢が叶ったじゃない」

ミカサ父「え!?」

ミカサ母「じゃあ私はこの子達を部屋で寝かしてくるから、余った夕飯全部食べちゃってね」ヨイショ

スタスタ

ミカサ父「……話についていけてないんだが…」パク

ミカサ父「美味しい…」モグモグ

今日はここまで


こんな感じで、ゆっくり牛歩…いえ、亀歩で投下していきます
絶対に完結はさせるので、そこだけは安心してください


ではまた今度

レスありがとうございます 

少し見づらいので以下のように変更します
ミカサ母→母
ミカサ父→父

ではキリが少し悪いのですが、書き溜めておいた分を投下します


チュン  チュン


エレン「………」


ミカサ「えへへ~……zzz」ギュゥゥ


エレン(何で俺はこの子に抱きつかれながら寝てんだ?)


エレン「…ぷっ、凄い幸せそうな顔で寝てるな」グイッ


エレン(さて、どうするかな…)スタスタ


ガチャ


エレン(まだ、太陽が昇りきってないな…)


エレン(本当はここに居ちゃいけないんだよな……いつまでも一緒に居られるわけでもないし、皆にも迷惑をかけるだろうし………やっぱり、黙ってここを出たほうが…)


母「おはよう、エレン 朝早いのね」ニコ


エレン「お、おはようございます 起こしちゃいましたか?」ペコ


母「はい、礼儀正しくていいけどやり直しね」


エレン「え?」


母「他人に挨拶するならそれでもいいけど、今日から私達は家族なんだから、そんな挨拶じゃ駄目よ」


エレン「え、え~と…お…おはよう、おばさん?」


母「それでよろしい!エレンにも、この家のルールに従ってもらうからね」


エレン(家を出る雰囲気じゃなくなっちゃったな…)


母「…返事は?」


エレン「は、はい!」


母「はい、やり直し」


エレン(えー)


母「子供は子供らしくしなさい はい!じゃなくて、うん!って言いなさい」


エレン「…う、うん」


母「元気良く!」


エレン「うん!」


母「それでよろしい 私達に敬語は全部禁止だからね」


エレン「うん…」


母「それと子供らしくちゃんと私達に甘えること じゃないと怒るからね」


エレン「うん……」ウル


母「…どうしたの?」


エレン「母さんがいたら、こんな感じなのかなって思ったら……嬉しくて…」ゴシゴシ


母「…お母さんはいなかったの?」


エレン「うん…俺には家族は………父さんしかいなかったから…」


母「そう…でも、今日から私がお母さんだからね いっぱい愛してあげるし、怒ってあげるよ」ナデナデ


エレン「…ありがと、おばさん……」


母「じゃあ私は朝食の準備をするわ エレンはもう少し寝ててもいいのよ?」


エレン「いいです…じゃなくて、いいよ 俺は少し外で体を鍛えてくるから」


母「あら、たくましいわね 毎日の日課なの?」


エレン「うん、誰かを助ける時に強くないと助けられないから、毎日鍛えているんだ」


エレン(あの『力』に頼りたくない為でもあるけど……それに、今は…)


エレン(……守りたい家族もできたから)ボソッ


母「ふふふ、聞こえてるわよ 嬉しいことを言うのね」


エレン「~~~///じゃ、じゃあ行ってくる!」ダッ


母「…意外と恥ずかしがり屋さんなのね」クスッ


トントントン  コトコトコト


母「お父さんとミカサはまだ起きないのかしら…」


ガチャ


エレン「た、ただいま!」


母「お帰りなさい、エレン」ニコ


エレン「何か手伝おうか?」


母「じゃあ、お寝坊さんな二人を起こしてきてちょうだい」


エレン「うん!」


ガチャ


ミカサ「zzz」ムニャムニャ


エレン「まだぐっすり寝てるな…」


エレン「ミカサー起きろー」ユサユサ


ミカサ「…ん~~……あと五時間ぐらい寝かせて~…」ゴロン


エレン「…これは手強いな こうなったら奥の手を使うしかないな…」ニヤリ


エレン「くらえー!」ガバッ


コチョコチョ コチョコチョ コチョコチョ


ミカサ「あははははははははは!や、やめてぇぇ!」ジタバタ


エレン「よし、これぐらいで許してやろう!」


ミカサ「はぁ…」グッタリ


エレン「お前が直ぐに起きないのが悪いんだぞ?」


ミカサ「それでもこちょこちょは無しでしょ!」


エレン「ほら、いいから顔洗ってこい 俺はおじさんを起こしてくるから」


ミカサ「!」ピコーン!


ミカサ「待って!私も一緒にお父さんを起こす!」


エレン「ミカサ、お前………起こすんだな!?今、あれで!」


ミカサ「ええ、勝負は今!!あれで起こす!行くよ、エレン!」ニヤリ


エレン「おう!」ニヤリ


トントントン  コトコトコト


母「ふふ~ん ふふふ~ん♪」トントントン



オキローー!!
ギャハハハハハハハハ!!フ、フタリトモ!ヤ、ヤメナサイ!!



母「…一気に家が騒がしくなったわね」クスッ


父「痛テテテテ…」


ミカサ「お父さん、ごめんなさい…」シュン


エレン「腕を骨折しているのを忘れていました……すいません」シュン


父「心配ないよ これぐらいじゃ、お父さんはビクともしないからな!」ニカッ


母「それよりもエレン…こっちに来なさい」


エレン「うん…」スタスタ


母「えい!」


ビシンッ


エレン「いてっ!」


母「また敬語になってわよ だから罰としてデコピン一発ね、次からは気をつけなさい」ニコ


エレン「…わかったよ、おばさん」ヒリヒリ


エレン「……」ウル



彼女のデコピンは蚊に刺されたぐらいの痛みでしかなかった しかし、彼は涙を流した その痛みは彼にとって罰では無く、ご褒美でしかなかったから、彼女の愛情を感じたから…



ミカサ「大丈夫!?エレン」アセアセ


母「えっ!?そんなに強かったかしら!?ごめんよ、エレン」アタフタ


エレン「ち、違うよ!痛くて泣いたわけじゃない!…め、目にゴミが入っただけだよ!」ゴシゴシ


ミカサ「…そうか!エレンは泣き虫なんだ!」


エレン「違う!」


ミカサ「でも、昨日だってあんなに泣いてたじゃん!」


エレン「う、うるさい!あれもゴミが入っただけだよ!」


母「さすがにそれは無理があるわよ」クスッ


父「ハハハハ!ミカサも明るくなったな エレンがうちの家族になってそんなに嬉しいか?」


ミカサ「うん!」


エレン(…素直に喜ばれると恥ずかしいな///)ポリポリ


母(あっ、また恥ずかしがってる)


母「ほら、早く朝ご飯を食べなさい せっかく作ったのに冷めちゃうわ」


父「それはいけない じゃあ、二人とも席について……いただきます」


エレン・ミカサ「いただきます!」



カチャカチャ



父「そういえば、エレンは何歳なんだ?」モグモグ


エレン「…今年で8歳だよ」モグモグ


ミカサ「私と同い年なんだよ!」


エレン「残念ながらな どう見ても年下にしか見えないんだが…」


ミカサ「ひどい!?じゃあエレンの誕生日はいつなの?」


エレン「誕生日……」


ミカサ「…エレン?」


エレン「ああ、ごめん 誕生日は…3月30日だ」


ミカサ「へへーん、私は2月10日!」ドヤッ


エレン「…だから?」


ミカサ「だから、私の方がお姉さんなんだよ!ミカサお姉ちゃんと呼んでいいよ」


エレン「結構です」


ミカサ「えー呼んでよー」


エレン「呼ばない」


ミカサ「呼びなさい!」


エレン「呼ばないって言ってるだろ!しつこいな!」


母「こら!ケンカしないで早く食べちゃいなさい!」


エレン・ミカサ「はーい」


父(さすがは子供 切り替えがはやいな)





エレン・ミカサ「ごちそうさまでした!」


母「ここまで綺麗に食べてくれたら食材も嬉しいはずだわ」フフフ


ミカサ「お母さん、私も食器洗うの手伝うよ」


母「ありがとね」


エレン「…じゃあ俺はまた外で鍛えてくるよ」


父「……」





エレン「ふっ……ふっ……ふっ……」グッ グッ


父「おおっ、凄いな 私より腕立てできるんじゃないか?」


エレン「おじさん…」


父「ほら、タオルで汗を拭きなさい」


エレン「ありがとう…」ゴシゴシ


父「…エレンはどうしてそこまで自分を鍛えるんだ?」


エレン「おばさんにも言ったけど、誰かを助ける時に自分が強くないと助けられないから鍛えてるんだ 力がないとこの世界では誰も守れないから……」


父「……昔、誰かを助けられなかったことがあるのか?」


エレン「ッ!!…………うん」


父「そうか…」


エレン(俺は父さんを…助けることが……)


_
____
_________
______________
___________________


エレン「父さん!!」


グリシャ「はぁ…はぁ…す…すまない お前に『力』を使わせてしまって…」


エレン「俺のことはいいから喋らないで!今、治療するから!」


グリシャ「無駄だ……握り潰されかけたんだぞ…私の内臓はもう、ボロボロだよ…」


エレン「ひどすぎるよ!自分一人で逃げるつもりなの!?」ポロポロ


グリシャ「……すまない」


エレン「父さんなんか嫌いだ!父さんなんか大ッ嫌いだぁ!!父さんなんか…父さんなんか……」


グリシャ「……エレン…私はお前のことを……愛してるよ」


エレン「!!」ブワッ


エレン「父さん!死なないでよ!!お願いだから、俺を一人にしないでよ!!」ボロボロ


グリシャ「エレン…お前は精一杯生きるんだぞ……人間…として……な………」


エレン「わかったから父さん!だからこれからも俺の成長を見ててくれよ!!その目で見ててくれよ!!」ボロボロ



そして、先ほどまで聞こえていた呼吸音が、聞こえなくなった…



エレン「返事をしてくれよ!!お願いだから……」ボロボロ



いくら問いかけても返事は返ってこなかった…



エレン「ぅう……うわああああああああああああ!!」


___________________
______________
_________
____
_


エレン「……」ポロポロ


父「エレン!?」


エレン「!!ご、ごめん 少し思い出しちゃっただけだよ」ゴシゴシ


父「……エレン 私じゃ少し頼りないかもしれないが、ここでは私が全力でお前を守る だから少しは頼ってくれよ?」ポンポン


エレン「…どうして皆、俺を泣かせるんだよ せっかく拭いたのに…」ボロボロ


父「ほらほら、またミカサに泣き虫って言われるぞ?」ゴシゴシ


父「もう大丈夫か?」


エレン「…うん」


父「…さっきお前を守るってかっこよく言ったんだが…今日は少しだけ私を助けてくれないか?」


エレン「うん?」


父「この腕じゃ薪を割ることができないから、かわりにやってくれないか?筋トレにもなるし」


エレン「もちろん!俺に任せて!」




そして、彼は幸せな日々を送った 毎日が夢のように感じていた 
しかし、夢はいつか覚めるのものである……

今日はここまで


…キリ悪いですよね すいません
こんな状態ですが、しばらく空けます


ではまた今度


844年



ミカサ「うぅ……痛いよぅ…」


母「よく我慢できたね…ミカサ」


エレン「一体何の刺青をしたの?」


母「この印は私達一族が受け継がなくちゃいけないものなの…ごめんね エレンにはしてあげられなくて…」


エレン「…別にいいよ」


エレン(刺青をすると俺の正体がバレる可能性があるし、それに……意味が無いから…)


母「ミカサも自分の子供ができた時には、この印を伝えるんだよ?」


ミカサ「……?ねぇ、お母さん どうやったら子供ができるの?」


父「……」

エレン「……」


母「……さぁ お父さんに聞いてみなさい」ニコ


父(おい)


ミカサ「ねぇーお父さん」


父「いや…お父さんもよく知らないんだ……!」ピコーン!


父「そうだ、医療知識もあるエレンに聞いてみようか…」チラ


エレン(おい)


ミカサ「ねぇーエレン」


エレン「いや、その……」チラ


母・父(エレン、ファイト!)グッ


エレン(この裏切りもんがぁぁ!!)


ミカサ「早く教えてよー」


エレン「お…お前が大人になったら自然とわかるはずだよ!」アセアセ


ミカサ「私はもう大人だよ!」


エレン「まだ子供だろ!身体が大きくなったら俺が教えてやるから、今は我慢しろ」


ミカサ「む~~…わかった、約束だからね!」


母(上手く切り抜けたわね、さすがはエレンだわ…でも)


母「大きくなったらエレンが教えるのね それなら安心だわ」ニヤニヤ


エレン「~~~///」カァー


ミカサ「何でそんな顔を赤くしてるの?」


エレン「う、うるさい!!」


エレン(ったく、なんて親だよ……でも、考えてみれば俺じゃ教えることはできないんだよな…)


エレン「……ミカサ、凄いことなんだぞ 新しい命が生まれるってことは……
偶然であっても…どんな理由であっても、そこに命が生まれたのなら……その命が尽きるまで、精一杯生きていかなくてはならないんだ……」


ミカサ「??難しくてよくわからないよ」


エレン「…それも、大人になったらわかるはずだ」


コンコン



父「おっ、やっと来たか」


エレン「誰が来たの?」


父「この前、シガンシナ区の街に行った時に、知り合いの駐屯兵に遊びに来いって言ったんだ」


ミカサ「どんな人?」


父「酒臭いオジサンだよ でも、お父さんにとっては数少ない信頼できる人なんだ ミカサも赤ちゃんの時に会ってるぞ」スタスタ


父「ハンネス、待ってたぞ」ガチャ



しかし、そこに立っていたのは、人相の悪い3人組だった そして、彼らの手には凶器が…


ドスッ



父「…う……!?…ぅ……」ガクッ



来訪者は、躊躇なく彼の腹にナイフを深く突き刺した そして、彼は…絶命した



エレン「なっ!?」



「どうも失礼します」



幸せだった家庭は無常にも崩れ去った


「いいか?大人しくしろ こいつで頭を割られたくなかったr―ミカサ母(子供達を守らなくては!!)ガタッ



すぐさま彼女は斧を持った男に、小さなナイフで襲い掛かった



母「うああああああ!!」


「うおぉぉ!?この女!」


母「ミカサ!!エレン!!逃げなさい!!」



非力な彼女は、子供達を守る為に必死で抵抗し、家から追い出そうとした



「くそ…こいつ!!」


母「ミカサ!!エレン!!早く!!」


しかし、ミカサはまだ状況を整理できていなかった



ミカサ「えっと…お父さん?え…!?イ…ヤダ…」オロオロ


「くそ!!いいかげんにしろ!!」ブンッ


母「!!」



男は斧を振り下ろした



バキッ!


「うおぉぉ!?」


ドザァァァ


エレン「………」


斧が彼女に振り落とされる前に、彼が斧を持った男を蹴り飛ばし、家から追い出した



母「エ…エレン……?」


エレン「おばさん……」ス…


ミカサ「」ゾクッ


エレン「…そのナイフを貸して…」パシッ


母「ぁ……あ…」ガクガク



彼女は彼の目を見た瞬間、恐怖で動けなくなった いつも優しく正義感溢れていた彼の目が、まるで漆黒の闇のように真っ黒くなっていたから……そう、彼女にとって夫を殺した殺人鬼よりも、約一年間一緒に暮らしてきた彼の方が怖かったのである


エレン「………」スタスタ


母「はっ!エ、エレン!!駄目よ、逃げて!!」


エレン「…お願いだから、玄関は開けないで……おばさんとミカサには、こんな俺を見せたくないから…」ギィィ…



バタン



「なにしやがんだこのガキ!!」

「こいつは殺してもいいのか?」

「…ああ、東洋人じゃなさそうだし、本当は商品にしたいが邪魔になりそうだから殺しておくか」


エレン「…何故だ」


「は?」


エレン「何故、人間はこんなにも醜いんだ…何故、こんなにも簡単に尊い人の命を奪うんだ…」ギロッ


「!!」ゾクッ

「お…おい、何かやばくねぇか あのガキ」ガクガク

「…う…うおおおおおおおおお!!」ダッ

「ま…待て!!」


エレン「お前ら何か人間じゃねぇ……獣(けだもの)だ」


ミカサ「お…お母さん……エレンは?」


母「大丈夫…心配いらないわ」ガクガク


母(あ…足に力が入らない…お願いだから動いて!エレンが…エレンが!!)



グアアアアァァ!!



母「!!」


ミカサ「何今の声は!?」



オイ、ウソダロ!?コイツ…シネェェ!!
ギャアアアアァ!!



家の外からは来訪者達の叫び声しか聞こえてこなかった


オマエラ!ヒェェ!?
ヤ、ヤメテクレー!!ユルシテクレー!!
ウアアアア!!



そして、静寂が訪れた



ミカサ「……」


母(叫び声が止まった…?)


ギィィィ…


母「エ…エレン!?」



そこには、血まみれの彼の姿があった


エレン「ごめん…おばさん……俺はおじさんを……また家族を守ることができなかった…」


母「そ、それはあなたのせいじゃ無いわ!」


エレン「…俺はもうここにはいられない……出ていくよ」


ミカサ「どうして!?もう家族を失いたくない!!」


エレン「…おばさんは…俺が怖いんでしょ?」


母「そ、そんなこと…な、ないわよ…」ガクガク


エレン「…足が震えてるよ 無理しなくていいよ…俺はもう行くから…」


ミカサ「ヤダ!!」ダキッ


エレン「ミカサ…」


ミカサ「私は怖くない…離れたくない!これ以上、私を寒くしないで…お願い……」ポロポロ


エレン「………」シュル



彼は自分の巻いていた赤いマフラーをミカサに巻いてあげた



エレン「どうだ、あったかいだろ?」


ミカサ「うん…あったかいけど……エレンがいれば、これはいらない!」


エレン「俺はいなくなるんだ かわりにそのマフラーをやるよ」


ミカサ「いらない!!エレンがいい!!」ブンブン!


エレン「ミカサ…そのマフラーは俺の母さんだった人の物だってお前に教えたよな?」


ミカサ「うん…」


エレン「俺にとってそのマフラーは宝物なんだ…それをあげるって言ってんだ 大事に貰ってくれよ」


ミカサ「…わかった、貰う……でも、エレンもいかせない!!」ギュゥゥ


エレン「…いつまで経っても子供だな、お前は…」


母「エレン…私は本当にあなたを怖がったりしてないわ だからお願い…」


エレン「…それだけじゃないんだ 俺は人殺しなんだ…それに……元々、ここにいちゃいけない存在なんだ…」


ミカサ「そんなことない!!」


エレン「ミカサ……この世界は残酷なんだ 強者が弱者を食らうような世界なんだ…だから……戦え」


ミカサ「戦え?」


エレン「そうだ…守りたいモノがあるんだったら強くなれ 勝てなきゃ死ぬ…勝てば生きる…そんな残酷な世界だからこそ、戦わなければ勝てないんだ 俺も戦う…だからお前も…戦え!」


ミカサ「…戦わなくても、エレンが私を守ってくれるんでしょ?」


エレン「それはできない…俺は………お前をずっと守り続けることができないんだ」


ミカサ「何で!?どうして!?」


エレン「…ミカサ……今までありがとな…そして、元気でな…」ドンッ


ミカサ「うッ……」ガクッ


母「ミカサ!?」


エレン「大丈夫…当身で気絶させただけだよ」


母「エレン…本当に行くの?」


エレン「うん……おばさん…俺のことを息子にしてくれてありがと…」ポロポロ


母「エレン…」


エレン「こんな俺の…家族になってくれてありがとう…俺はこれから一人で戦っていくって決めたんだ…」ポロポロ


母「…わかったわ もうあなたを止めない」


エレン「おばさん…」


母「だから最期に……甘えなさい」ニコ


エレン「!!……ぅぅ…うああああああああ!!」ダキッ


エレン「行きたくない!離れたくない!!俺だってずっとおばさんやミカサと暮らしていたいんだ!!」ポロポロ


母「私もよ…」ナデナデ


エレン「もう家族を失いたくないんだ!!」


母「失わないわ…どこに行っても、あなたは私達の家族なのよ…私の息子なのよ」ギュゥゥ


エレン「うあああああああああああ!!」ボロボロ



彼は彼女に抱かれながら泣いた ひたすら泣いた 彼の泣き声がやむことは無かった


ザッ


ハンネス「おいおい…こりゃあどういうことだ!?何であいつの家の前に3人の死体が転がってんだ!?」


ハンネス「まさか…!?」ダッ


ガチャ


ハンネス「失礼します!」


ハンネス「!!」



そこには白い布を被せられた死体と、その横で抱き合ってる二人の親子の姿があった


ミカサ「お母さん…どうして……何でエレンは私達を見捨てたの!?」ポロポロ


母「違うわ…エレンはどこに行っても私達の家族なのよ」ギュッ


ミカサ「お父さんが死んで……エレンもいなくなって………私、寒いよ…」ポロポロ


母「マフラーがあるでしょ…一生大事にしなさい」ポロポロ


ミカサ「エレンの…エレンのバカ…エレンのバカあああああああああああああ!!」ボロボロ



静かな山に彼女の泣き声が鳴り響いた



バカアアアアアアアアアアアア!!



エレン(ごめんな、ミカサ……俺はこれから…一人で戦うって決めたんだ 大切な人達を守る為に…少しでも母さんやミカサの生きるこの世界を良くする為に……)

今日はここまで


まだほとんど何もわからない状態で見ると、エレンがかなりの泣き虫に見えてしまう…
次回はウォール・マリア崩壊まで書く予定です


ではまた今度


845年


シガンシナ区 アッカーマン家



母「ハンネスさん…あの時は本当に感謝してるわ」


ハンネス「いいって 俺はただ、この安い土地を紹介しただけだ」ズズズズ


母「そんなことないわ 資金も出してくれたし、エレンの犯した罪も無かったことにしてくれたじゃない」


ハンネス「そりゃ9歳の子供が斧やら包丁やらを持った男3人を、あんな小さなナイフ一本で殺したなんて誰も信じないからな 実際に見た奴もいないんだろ?仲間割れってことでよかったんだよ それよりミカサは?」


母「外でアルミンと一緒に遊んでいるはずだわ」


ハンネス「そうか あいつらはいつも一緒にいるよな」


母「アルミンにも感謝してるわ お父さんとエレンを失ったミカサはずっと部屋で泣いていたから…それを見かねたアルミンが毎日、面白い話をしに来てくれたおかげで元気を取り戻したんだもの」


ハンネス「アルミンは頭が良くて、優しいからな……もしかしたら、ミカサに惚れてんじゃないのか?」


母「そうよ、知らなかったの?」


ハンネス「そうなのか!?」


母「見てればわかるわよ ふふふ、ミカサも罪な女ね」


ハンネス「そうか、アルミンがミカサを……」


ハンネス(今度、茶化してやろう…)ニヤリ


母「もの凄く悪い顔してるわよ…それよりいつまでここでコーヒー飲んでるのかしら?そろそろ仕事に戻らなくていいの?」


ハンネス「おっといけねぇ すっかり忘れてた」


母「忘れてたって…しっかりしなさい!奥さんにあなたがセクハラしてきたって言うわよ」


ハンネス「ひでぇな!?俺は女房一筋だぞ!!」


母「ふふふ、冗談よ 今度またミカサと一緒に、お茶をしに行かせて貰うって言っておいてね」


ハンネス「おう!じゃあまた明日な」



ハンネスはほぼ毎日、アッカーマン家を訪れている 兵士が頻繁に出入りすることで、人攫いが来る確立を下げているのである


___________________


ミカサ「それでね エレンが私の頭をポカって殴ったんだよ!酷いと思わない?」


アルミン「ははは…そうだね」


アルミン(ミカサの話はいつもエレンって子の話なんだよなぁ……これも5回目だし)


アルミン「……ミカサはエレンのことを嫌いなんだよね?」


ミカサ「も、もちろんよ!だってエレンは私達を見捨てて、どっか遠くに行っちゃったんだもん……」


アルミン(本当に嫌いだったら毎日エレンのことを話さないし、そのいつもしているマフラーも捨てるよ……やっぱりミカサはエレンのことが…)



カンカンカンカンカン!



ミカサ「!!調査兵団が帰ってきたみたい!」


アルミン「ミカサ、見に行こう!」


タタタタタタッ


ザワザワ  ザワザワ

「どういうことだ…ほとんど生きて帰ってきてるじゃないか」

「最近は壁外調査での被害が減ってきたと言われていたが、今回は100人以上の大部隊だぞ!?被害が20人にもみたないなんて…ありえるのか?」


ミカサ「これは人類もアイツらに負けないぐらい強くなってる証拠だよね、アルミン!」


アルミン「………」


ミカサ「…アルミン?」


アルミン(おかしい…ヤツらに屈服せずに帰ってきたはずなのに皆、歓喜の表情と言うよりも困惑し驚いているように感じる…)




キース(…手放しで喜んで良いものなのか?今回の壁外調査でも、ヤツらの正体を掴むことは出来なかったが、被害も少なく、壁外で得た食材や薬草なども持って帰れて大成功と言える内容なんだが……)


エルヴィン「…キース団長、一体壁外では何が起きているんですか?」


キース「わからない…だが、まだ我々も現状を把握できていない状態だ 民衆には伝えないほうがいいだろう」


キース(いや…言っても信じないかもしれないな まさか、壁外でヤツらに数体しか遭遇していないなんて…そのかわりに数十体ものヤツらの死体が転がっていたなんて……)


アルミン「………」


ミカサ(アルミンが考えことに集中しちゃってる…)


グゥ~


ミカサ「あ///」


アルミン「……ぷっ、アハハハハハ!」


ミカサ「ちょっとアルミン!そこまで笑うことないでしょ//」


アルミン「ごめんごめん、じゃあお昼を食べてから川辺に集合だね」


ミカサ「うん、じゃあまた後でね~」フリフリ


ガチャ


ミカサ「ただいまー!」


母「おかえりなさい ちゃんと手を洗ってうがいをするんだよ」


ミカサ「はーい」


カチャカチャ


ミカサ「そういえばお母さん、さっき調査兵団が帰ってきたんだけど、ほとんど被害が無かったんだってー」モグモグ


母「!………そう」


ミカサ「?…お母さん、どうかしたの?」


母「い、いえ、何でも無いわ きっと外から新しい食材を持って帰ってきてるはずだから、お肉とかが安く手に入るかもしれないわね」


ミカサ「本当!最近、調査兵団のおかげで新しい品種の野菜とか食べれるようになったし嬉しいことづくしだね!」


母「そうね これも……調査兵団のおかげね」


母(本当は違うのよ、ミカサ……)


_
____
_________
______________
___________________


母「エレン…これから何処に行くの?」


エレン「……壁外に行こうと思う」


母「壁外!?何を言ってるの、エレン!!」


エレン「……おばさんには俺の秘密を教えておくよ 俺は――」


___________________


エレン「―――ってことだから、俺は壁外でも大丈夫なんだ」


母「…な…何てことなの……」ポロポロ


エレン「おばさん…泣かないで……」


母「だってエレン……こんな運命…辛すぎるわ……あなたがかわいそう…」ポロポロ


エレン「…俺は辛くなんかないよ……今まではこの『力』を使わないようにしてきた…人助けをしたいと思っても、やっぱり自分が一番大事だったからね 
でも……もう俺には……自分より大事な人達ができたから…この『力』を……使う」


母「エ、エレン!やっぱり、ずっと一緒にいましょう!私があなたを守るから!」


エレン「…もう決めたんだ 俺は行くって…少しでも家族が平和に暮らせるのなら…俺は……」グッ


母「エレン……」


エレン「……おばさん…いや……母さん」


母「!!」


エレン「いってきます…」ニコ


母「………いってらっしゃい……私の可愛い息子…エレン」ニコ


エレン「…ありがと……母さん」ギィィ



バタン



母「……元気でね…エレン…」ポロポロ


___________________
______________
_________
____
_



母(エレン…あなたのおかげで笑顔になってる人達がたくさんいるわよ…ミカサも元気にしてるわよ)ポロポロ


ミカサ「!どうしてお母さんは泣いてるの?」


母「…今が幸せだからよ」ゴシゴシ


ミカサ「幸せだから泣くの?」


母「そうよ 悲しい時や辛い時だけじゃなくて、嬉しい時や幸せな時にも涙は流れるものなのよ」


ミカサ「そうなんだ…じゃあ私も!うぅ~~~~!」ギュゥゥゥ


母「そんなに力いっぱい目を瞑っても涙は出ないわよ そういう感情は自分でコントロールすることなんてできないんだから」クス


ミカサ「先に言ってよ!」


母「言わなくてもわかるでしょ まったく…少しはアルミンみたいに賢くなってほしいものだわ」


ミカサ「あーお母さん!今、私をバカにしたでしょ!」


母「してないわよ」


ミカサ「したもん!騙されないんだからね!」プンプン!


母「…それよりアルミンと遊ぶ約束してるんじゃないの?」


ミカサ「あっ、そうだった!じゃあ行ってくるね」フリフリ


母「いってらっしゃい 暗くなる前に帰ってくるのよ」フリフリ


ミカサ「はーい」ガチャ


バタン


母(…ちょろすぎるわ、ミカサ)


その頃、アルミンは路地裏で三人の悪ガキに虐められていた



「どうした異端者 悔しかったら殴り返してみろよ!」


アルミン「そ…そんなことするもんか!それじゃお前らと同レベルだ!!」


「何だと!?」


アルミン「僕が言ったことを正しいと認めているから…言い返せなくて殴ることしかできないんだろう?
そ…それは!僕に降参したってことじゃないのか!?」


「う……うるせぇぞ、屁理屈野郎!!」グイッ



ヤメテー!!



そこへ救世主が現れた


「ミ、ミカサだ!」



ミカサ「ぼ、暴力は駄目よ!」タタタタタッ



(可愛い……)
(綺麗だ……)
(結婚したい……)



ミカサ「それ以上アルミンを虐めたら……」


(虐めたら?)


ミカサ「私も怒るんだからね!!」プンプン!


(めっちゃ可愛い……)
(怒られたい……)
(結婚したい……)


(このままじゃミカサに嫌われちまうぞ!)コソコソ

(それは絶対嫌だな!)コソコソ


「きょ、今日のところはこのぐらいにしてやる!ちゃんと怪我を治せよ!!」ダッ

(さりげないフォローをいれることで、ミカサに優しさをアピールだぜ!)タタタタタッ


ザッ


ミカサ「だ、大丈夫!?アルミン」アセアセ


アルミン(またかっこ悪いとこミカサに見せちゃったな…)ハァ ハァ


ミカサ「アルミン、立てる?」ス…


アルミン「!!」


アルミン「ひ……一人で立てるよ」ムクッ


ミカサ「そう?あまり無理しないでね」


アルミン(こんなにも弱い自分が…情けない……)グスン


___________________


アルミン「――それで人類はいずれ、外の世界に行くべきだって言ったら殴られた 異端だって」


ミカサ「ひどい…」


アルミン「もちろんアイツらが言いたいこともわかるんだ 壁の中にいるだけで100年ずっと平和だったからね だから、下手に外に出ようとしてヤツらを壁の中に招くようなことが起きないように、王政府の方針として外の世界に興味を持つこと自体をタブーにしたんだ」


ミカサ「興味を持つぐらい良いと思うんだけど…」


アルミン「僕もそう思うよ…」


アルミン(でも、本当にそれだけの理由なんだろうか?)


ミカサ「私はアルミンから外の世界の話を聞くのは大好きだよ」ニコ


アルミン「あ、ありがと、ミカサ//」


ミカサ「…でも、アルミンには外に行ってほしくない また、大切な人を失いたくない……」ギュ



ミカサは俯きながらマフラーを握り締めた



アルミン「ミカサ……」



ドオンッ!!



ミカサ・アルミン「!?」



突如、地響きと共に爆音が鳴り響いた


ミカサ「な、何の音…!?」


アルミン「…え?」ザワッ



アルミンは頭がとても良い その為、彼は大通りで壁の方を指差している人達を見て、瞬時に“ある推測”を考えついてしまった



アルミン(ま…まさか……!?)ダッ


ミカサ「ま、待ってよ、アルミン!」ダッ



ザッ



アルミン「そ、そんな……」



そして、その推測は当たっていた
彼はそれを見た時、一瞬にして血の気が引いた


ミカサ「アルミン!何が見えるの!?」ザッ


ミカサ「!?」



少し遅れて、ミカサも大通りに出て、壁に目を向けた そして、あってはならないモノが目に入った



アルミン「そんな……!?」


ミカサ「か、壁は…50mあるのよ……!?」


ミカサ「…あ……あれは…」



彼らの平和そのものである壁の上から、人類の天敵は顔を出していた
その天敵とは…




「巨人だ」


その日、人類は思い出した 

ヤツらに支配されていた恐怖を……

鳥籠の中に囚われていた屈辱を……



アルミン「あ……ありえない 巨人は最大でも15mのはず…!50mの壁から頭を出すなんて…」


ミカサ「動くよ!?」



超大型巨人「……」ググググ…



壁から頭を出している60m級の巨人「超大型巨人」は、ゆっくりと足をあげた
そして、そのまま足を振り下ろした



ドッゴオオォォン!!



壁は破壊された
爆音と同時に、いくつもの壁の破片が飛び散った



アルミン「か…壁に……穴を開けられた……!?」



う…うわああああああああああ!!



街の人達は皆、内側の扉に向かって一斉に駆け出した



アルミン「逃げるよ、ミカサ!!」ダッ


ミカサ「!!」ダッ


アルミン「ミカサ!?」



しかし、ミカサだけは皆とは逆の方向に走り始めた


ミカサ「壁の破片が飛んでいった先に家が!!」



タタタタタタタッ



アルミン「うぅ……!」ブルブル



アルミンはミカサを追いかけようと思っても、恐怖で動けなかった



タタタタタタタッ


ミカサ(家に当たっているはずない……とっくに逃げたに決まってる…)ハァ ハァ


ミカサ(この角を曲がれば…いつもの家が……!!)



しかし、彼女の願いも虚しく、壁の破片は彼女の家を倒壊させていた


ミカサ「お母さん!!」ダッ



彼女はすぐさま瓦礫を掻き分け、母親を探した



ミカサ「お母さん…お母さん…!!」ガラガラ


母「ミ、ミカサ…かい…?」



彼女は不運にも瓦礫の下敷きになってしまっていた



ミカサ「お母さん!!今どけるから!!」ググググッ


母「!…巨人が入ってきたんでしょ!?早く逃げなさい!!」


ミカサ「イヤだ!!お母さんと一緒に逃げる!!」


母「お母さんの足は瓦礫に潰されて、ここから出られたとしても走れないの……わかるでしょ?」


ミカサ「わからないよ!私はバカだからわからない!!」


母「お願いだから言うことを聞いてちょうだい!!ミカサ!!」


ミカサ「イヤだ!もう家族を失いたくない!一人ぼっちになりたくない!!」



ズシン  ズシン  



ミカサ・母「!?」



さらに追い討ちを掛けるように1体の巨人が近づいてきた


ミカサ「お願いだから動いてよ!!」ググググッ


母「ミカサ!!いい加減、逃げなさい!!」


母(どうしましょう…このままじゃ二人とも……)



タタタタタタッ



母「ハンネスさん!!」


ハンネス(急いであの巨人を殺して二人を連れて逃げるんだ……!!)チャキ


母「待って!!戦っては駄目!!ミカサを連れて逃げて!!」


ハンネス「!?…見くびってもらっちゃ困るぜ!俺はこの巨人を殺してキッチリ二人とも助ける!!じゃないとあいつ(ミカサ父)に顔向けできないぜ!!」チャキ


母「ハンネスさん!お願い!!」


ハンネス(…確実にミカサだけは助かるほうを取るか 巨人と戦って二人とも助けるほうを取るか…いや、悩むまでもねぇ 俺は………!!)



巨人「」ニタァ



ハンネスは巨人の笑顔を見た瞬間、戦意を喪失してしまった



ハンネス(俺は……)


ガシッ


ミカサ「!?」



ハンネスはミカサを担ぐと、その場から逃げ出した 



母「ありがとう……」


ハンネス「……」タタタタタッ


ミカサ「ハンネスさん!!離して!!お願いだからお母さんを助けて!!」ジダバタ


母「ミカサ!!生き延びるのよ!!」


ミカサ「お母さーーーん!!」


ズシン  ズシン


母(これでいいのよ…これで……)



死を覚悟した瞬間、彼女は楽しい家族の日々を思い出していた



母(…ぁ…ぃ…いかないで…)ボソッ



彼女は自分の願望を、想いを必死に押し殺した


バリバリバリ



巨人が瓦礫を退かしていく



ミカサ「やめてぇぇぇぇぇぇ!!」



『戦え』



ミカサ「!!」



ミカサの頭に、ある人物の言葉が浮かび上がった


『…守りたいモノがあるだったら強くなれ 勝てなきゃ死ぬ…勝てば生きる…』



母「どうして!?何で私達を引き裂くの!!」ポカポカ


巨人「」ギュッ


メキメキメキメキ


母「…ぁ………」ピクピク



巨人は彼女を掴みあげた 彼女は必死に抵抗したが、握り締められ虫の息にされた



ダダダダダダダダッ


ハンネス「くっ!?正面からも15m級が…しかも凄いスピードで走ってきやがった!?」


ミカサ「………」


ドクンッ



『そんな残酷な世界だからこそ、戦わなければ勝てないんだ 俺も戦う…だからお前も…』



ドクンッ


ミカサ「………」グイッ


ハンネス「ミカサ!?」


ダンッ!


ハンネス「なっ!?」



ミカサはハンネスの拘束から抜け出すと、巨人に向かって常人では出せないほどのスピードで駆け出した


ハンネス「やめろ!!ミカサ!!」ダッ


ズシンッ!


ハンネス(しまった、もう追いつかれた!巨人に踏み潰される……!!)バッ


ダダダダダダダッ


ハンネス「……な、何!?俺を無視して、ミカサのほうに向かっていっただと!?」



ミカサ(そうだ…この世界は残酷なんだ…私は既にエレンから教わっていた 守りたいモノがいるのなら…)ダダダダダダッ




『戦え!』


ダンッ!


ミカサ「うあああああああああああ!!」ブンッ!



彼女は巨人に向かって小さな拳を突き出した



ドゴンッ!!



ミカサ「え?」



しかし、巨人に当たったのは大きな拳だった



黒髪の巨人「アアアアアアアアアア!!」


後ろから走ってきた15m級の「黒髪の巨人」が殴り飛ばしたのである


ズザァァァ


巨人「」パキパキパキ



顔を吹き飛ばされた巨人は、すぐさま顔を再生させていた



黒髪の巨人「アアアアアアアア!!」グチャッ



しかし、黒髪の巨人は項を踏みつけて止めをさした



巨人「」シュウゥゥゥ……



ミカサ(きょ…巨人が巨人を殺してる…!?)


黒髪の巨人「………」ス…


ミカサ「!!お母さん!!」



黒髪の巨人は消滅している巨人の手の中から彼女を掴みあげ、優しく手のひらに乗せた



母(こ…声が……体が……動かない…)ピクピク



彼女は既に内臓をグチャグチャに潰されており、助かる見込みはなかった



ミカサ「お母さんを返せ!!」ダッ


ガシッ


ハンネス「ミカサ!!今のうちに逃げるぞ!!」タタタタタッ


ミカサ「イヤだぁ!!お母さん!!」ジタバタ



ポタッ



ミカサ「!?……え?」



黒髪の巨人「…ァ……ァァ…」ポロポロ



ミカサ「きょ…巨人が……泣いている…?」



母(!!……さ…最後に帰ってきてくれたのね……ありがと…そして、おかえり…なさ…い……)ニコ



黒髪の巨人「!……ァァ…アアアアアアアア!!」ボロボロ



黒髪の巨人は、動かなくなった彼女を優しく抱きしめながら、泣き叫んだ 膝をついて、まるで子供のように大声で泣き叫んだ


ミカサ(あの巨人はお母さんの死を…悲しんでいるの……?)



黒髪の巨人「ァァ………」ムクッ


ボゴッ



黒髪の巨人は泣き止むと地面に穴を掘り、彼女を埋めてあげた



黒髪の巨人「……アアアアッ!!」ダンッ!



そして、巨人が群がる大通りへと走り出した


タタタタタタタッ



ハンネス「…もうすぐ船につくぞ」


ミカサ「……」


ハンネス「すまない…お前のお母さんを助けられなくて…
俺に勇気が無かったから、巨人に立ち向かうことができなかった………本当にすまない…」


ミカサ(……寒い…)


ミカサ(…あぁ……またこれか……また私は家族を……)ギュッ


アルミン「…寒くなくなった……?」


ミカサ「…ううん……まだ、寒い…」



その「寒さ」は体感では無い 彼女の心が「寒い」と言っていたのである



アルミン(……僕じゃミカサの心までは温められないか……でも少しでも、1度でも彼女の心が温かくなっているのなら、僕は彼女を温め続ける…)ギュゥゥ


ミカサ(…寒いよ…お父さん…お母さん……エレン…)



「閉門しろ!!急げ!!巨人が突っ込んでくるぞ!!」



一人の兵士の叫び声と共に、巨人が内扉に向かって突進してきた



「何だこいつ!?武器が効かない!!」


鎧の巨人「……」ズン! ズン! ズン!



ダダダダダダダッ



鎧の巨人「!?」



堅い鎧を纏った巨人「鎧の巨人」の後ろからもう1体、巨人が猛スピードで走ってきた



黒髪の巨人「アアアアアア!!」ガシッ


グワンッ



そして鎧の巨人に追いつくと、そのまま掴んで投げ飛ばした


ドシィィィィン!


鎧の巨人(な…なんだあの巨人は……!?)


黒髪の巨人「………」ギロッ



アルミン「巨人が巨人を攻撃した!?」


ミカサ(あの巨人はさっき泣いていた巨人…)



鎧の巨人(コイツは奇行種か…?…それとも……座標なのか!?)


黒髪の巨人「アアアアアア!!」ダッ


ガシッ
     グワンッ



そして、黒髪の巨人は鎧の巨人の口の中に手を入れ、一本背負いのように投げ飛ばした



ドシィィィン!


鎧の巨人(マ…マズイ……コイツは俺達よりも……強い…!!)


黒髪の巨人「アアアアアア!!」ダッ


鎧の巨人(くっ…やられる!)ググググ…


バキッ!


黒髪の巨人「!?」


ガシッ
    グワンッ



追い討ちを掛ける黒髪の巨人だったが、横から別の2体の巨人が現れた そして黒髪の巨人を投げ飛ばし、鎧の巨人を守った



鎧の巨人(ベリック!アニ!)


女型の巨人(ここは私達に任せて、あんたは扉を破壊しな)クイクイ


鎧の巨人(扉を破壊しろってことか…二人とも頼んだぞ!)ダッ


黒髪の巨人「アアアア!!」ダッ


女型の巨人(あんたをライナーのとこには行かせない!!)ザッ


船は無事に出港しており、ウォール・ローゼに向かって進んでいた



ミカサ(寒い……)


ピシッ
     ドゴォンッ!!



爆音と共に、再び壁の扉は破壊された



ズザァァァァァ


鎧の巨人(これで一先ず作戦成功だ…後はベルトルト達と合流して、急いで壁内に潜入しないと…)



アルミン「と…扉が…ウォール・マリアが突破された……!?」


「おしまいだ…」

「また人類は…巨人に食い殺されるんだ……」



平和の象徴である壁が壊されたことで皆、絶望の底へと落とされた
しかし、彼女だけは違った



ミカサ(もうお母さんはいない…私には家族がいない……
巨人が奪ったから?……いえ、違う 私が弱いから……)ス…


アルミン「ミ…ミカサ……?」


ミカサ「アルミン……私は強くなる…そして戦う…
…お母さんを殺した巨人を……一匹残らず駆逐する為に…」



彼女はこの日を境に笑わなくなった


ザッ


ライナー「アニ!ベリック!大丈夫か!?」


アニ「な…何とかね」ハァ ハァ


ライナー「あの巨人は倒したのか?」


ベリック「いや、お前が扉を壊した後、俺らを無視して巨人の侵入を防ぎに行った……」ハァ ハァ


ベルトルト「あの巨人は『座標』なの?」


ベリック「わからない…だが、俺やアニと同じ硬化能力も持っていやがった…いや、俺達の能力を見て、学習したって感じだった」


ライナー「何!?」


ベリック「はっきり言って、ライナーの扉の破壊があと少し遅れていたら俺達はやられていた……それほどアイツは強かった…
しかし、今はアイツのことを考えるよりも、壁内への潜入を優先させるぞ 巨人化も連続して出来るほど便利なもんじゃないし、巨人の脅威から逃れないといけないからな」


ライナー「…ごめんな、アニ 俺が不甲斐無いせいで船に乗れなくて…」


アニ「いいって…元々、私だけ船に乗って安全に壁内に侵入するのは、仲間はずれみたいで嫌だったからね」


ライナー「…お前はさみしがり屋だから、一人じゃ泣いてたかもな」


アニ「」イラッ


アニ「……」ゲシゲシ


ライナー「あ、謝るからケツを蹴るのはやめてくれ!」イターイ!


ベリック「お前ら、遊んでんじゃねぇ!とっとと壁内に潜入しないと巨人に食われるぞ!!」


一方、扉が破壊されたシガンシナ区では、まだ黒髪の巨人が、巨人の侵入を防いでいた



黒髪の巨人「アアアアアア!!」グシャ  


巨人「」シュウゥゥゥ…



黒髪の巨人は倒した巨人の死体で穴を塞いでいた



黒髪の巨人「……!?」ヨロッ



しかし、黒髪の巨人にも限界が来ていた



黒髪の巨人「……」ビキビキビキ



黒髪の巨人は指を硬化させた


黒髪の巨人「……」ガシッ ガシッ ガシッ ガシッ



そして、壁に指を突き刺して登っていった



黒髪の巨人「……」プシュゥゥゥ



壁を登りきった黒髪の巨人の項部分から、一人の少年が出てきた
それは…



エレン「はぁ…はぁ…」


エレン「や…やっぱり少し無茶をし過ぎたか…今日は朝から壁外で戦いっぱなしだったからな……フンッ!」ブチブチブチ  ブチッ!


エレン「す…少しはこれで皆が逃げる時間を稼げたろ……」ハァ ハァ


スタ


彼は蒸発し始めている巨人体から降りた



エレン(本当は巨人が動けなくなる夜まで戦っていたかったんだが……)バタンッ


エレン(もう…体がいうことをきかない……母さん…助けられなくて…ごめ…ん……ね………)ポロポロ



彼は涙を流しながら、深い眠りについた

今日はここまで


やっと一段落ついた感じです またしばらく空けます


ではまた今度

訂正 >>116>>117の間




アルミン「だ、大丈夫?ミカサ…」


ミカサ「アルミン…寒い……寒いよ…」ギュゥゥ



ミカサはマフラーを握り締めながらうずくまっている



アルミン「ミカサ…」ギュッ



アルミンは彼女を包み込むように抱きしめた



アルミン「僕はミカサの傍からいなくならないよ…ずっと傍にいるよ」ギュゥゥ


ミカサ「……ありがと、アルミン……」

見直ししたら一レス投下できていませんでした すいません


あと皆さん、レスありがとうございます!とても励みになります!


では良い休日を


チュン  チュン


エレン(…結局、朝まで寝ちゃったか……俺はまた家族を…母さんを……助けられなかった…)ポロポロ


エレン(……いつまでも泣いてちゃダメだ 母さん達に笑われちゃう…)ゴシゴシ


エレン(俺にはやるべきことがある……下は…)チラ



壁の下では、多くの巨人が集まっていた



エレン(ウォール・マリアにはもう多くの巨人が侵入しちまったか……やっぱり、巨人の死体だけじゃ無理だったか………ミカサは無事だろうか…)


エレン(それにしても昨日の奴ら…あれが父さんが言っていた壁外の戦士達なのか…?奴らがどれほど巨人化を操れるのかわからないが、あれだけ戦ったんだ しばらくは巨人化できないはず……)


エレン(とりあえず、周辺の家の瓦礫で壁の穴を塞ぐか そうすれば少しの間は巨人の侵入も防げるだろうし……)スタスタ


エレン「…ぐッ……がはッ!?」ガクッ



彼は突然、血を吐きながら膝をついた



エレン(ぐっ……体が悲鳴をあげてやがる…昨日は壁外で戦いっぱなしだったからな…)ヨロヨロ


エレン(…ここが踏ん張りどこなんだ……頼むから持ってくれよ、俺の体…)タンッ



彼はボロボロの体を無理矢理動かして、壁から飛び降りた


エレン(さて…まずは昨日と同じように周辺の巨人を殺して、その死体で穴を塞いでおくか その後、瓦礫を詰め込めば何とかなるだろ)ガリッ



カッ!!


ズシィィィィン


黒髪の巨人「……」シュゥゥゥ



そして彼は巨人へと姿を変えた



ドドドドドドッ


黒髪の巨人(わんさか集まってきやがって…)


黒髪の巨人「アアアアアア!」ダッ

まず彼は壁の穴のシガンシナ区側を巨人の死体で塞いでおき、壁を登って逆側に行き、周辺の壁の破片や家の瓦礫などを、片っ端から穴に詰め込んだ



ドサッ!


黒髪の巨人(これで2、3日は侵入を防げるだろう 後は少しずつ補強をしながら、ウォール・マリア内の巨人を殺していけばいいか……その間に奴らが大人しくしてくれていればいいんだが…
……どっちにしても今は、ウォール・ローゼ内で体を休ませないといけないな…)ズシン ズシン



彼は壁内へと向かった



ズシン  ズシン


黒髪の巨人(……ん?あの巨人…巨人の死体に近づいて何をするつもりだ…?)


プシュゥゥゥゥ


黒髪の巨人(なっ!?)



驚くことに、横たわっていた巨人の項から人間が出てきた



黒髪の巨人(あいつも奴らの仲間か!?)


ズシン  ズシン


巨人「」アーン



別の巨人が、項から出てきた人間を食べようとしていた



黒髪の巨人「……」


巨人「」シュウゥゥゥゥ…


黒髪の巨人(情報を得る為にも一旦は助けておくか…それに敵じゃない可能性もあるしな)ス…


ズシン  ズシン



彼は巨人から出てきた人間を手に乗せ、再び歩みを進めた


___________________


(……ん?ここはどこだ?)


エレン「おっ、目が覚めたか」


(……誰だ、このガキは…)ムクッ


エレン「…とりあえず何か食うか?腹減ってんだろ?」ヒョイ



彼は先ほど助けた、黒髪でソバカスが特徴的な少女に、水とパンを投げ渡した



(敵意は…無さそうだな……)パシッ


エレン「そこら辺の家から少しばかりパンと水を貰ってきたんだ 食えよ」


(この体……私は巨人から人に戻れたのか…だが、今の状況がさっぱりわからねぇ…ここはこいつから情報を得るしかないか)ゴクゴク


「……ここは…どこだ?」


エレン「ここはウォール・マリア南部にある巨大樹の森の樹の上だ」


「ウォール・マリア?……ウォールってことは壁の中なのか、ここは!?」


エレン(…この反応を見ると壁外から来たのは間違いなさそうだな…だが、敵では無さそうだ 何らかの方法で巨人から人間に戻ったのか……)


エレン「そうだ、壁内だ だが昨日、壁外から来た戦士達によって壁の扉が壊されて、ここにも巨人が侵入している」


(それで私も壁内に侵入できたのか……)


エレン「…お前は奴らと同じ戦士じゃないよな?」


「……ああ、違う」


エレン「そうか、よかった……お前、名前は?」


(どうする…もしこいつが私達の一族を知っていたら……いや、せっかく人間に戻れたんだ 自分を否定しながら生きるのはやめよう…)


「…ユミルだ」


エレン「そうか…俺はエレンだ よろしくな、ユミル」


ユミル(とりあえずは『ユミルの民』は知らないらしいな…)


ユミル「……ここは巨人に襲われる危険性はないのか?」


エレン「無くはないが今は巨人が動けなくなる夜だし、それにここの周辺の巨人は片付けておいた」


ユミル「片付けた!?……その武器でか?」


エレン「立体機動装置を知らないのか…確かにこの武器で巨人を殺すことは出来る だが、俺はこの装置を移動の道具としか使っていない」


ユミル「じゃあどうやって巨人を?」


エレン「…お前は自分が巨人であること自覚してるのか?」


ユミル「!!」


ユミル(こいつは私が巨人であることを知っていながら殺さなかったのか……しかも壁内の人間はほとんど、巨人は元は人間だという事実を知らないはずなのに、こいつはあまり驚いていない…ってことは……)


ユミル「お前も……巨人なのか?」


エレン「…ああ、そうだ……」


ユミル「そうか……じゃあ、お前は巨人になって周辺の巨人を片付けたのか」


エレン「そのとおりだ…」


ユミル(簡単に言っているが巨人の最大の恐ろしさは数だ 例え巨人の力を持っていたとしても、たった一人で群がる巨人を殺せるのか?だとしたら、こいつは相当の実力を持っている…)


エレン「……お前はこれからどうするつもりだ?」


ユミル「…せっかく人間に戻れたんだ 人間として生きるさ」


エレン「そうか……じゃあ、巨人の力を使わないんだな?」


ユミル「ああ」


エレン「………」


ユミル「…どうかしたか?」


エレン「いや、何でもない……それよりパンと水だけじゃなく、一応お前が着れそうな服も拝借しておいた そこにあるから着ておけ……服がボロボロで際どい格好だからな」


ユミル「!!」ササッ


エレン「し、心配すんな 俺はこれでも医者だから女の裸も見慣れてる//」ポリポリ


ユミル「じゃあ何でテレてんだよ 普通は私がテレるとこだろ…この変態」ヌギヌギ


エレン「なっ!?命の恩人を変態扱いすんなよ!って脱ぐなら脱ぐって言え!!///」プイッ


ユミル「思春期真っ盛りの恩人さんに、少しサービスしてやっただけだよ
……ってか、服のセンスねぇな 何だこのワンピースは…もう少し動きやすい服装はねぇのかよ」


エレン「しょうがねぇな…一応、俺の分も取ってきてるからそれでいいか?」ゴソゴソ


ユミル「ああ、動きやすいのなら何でもいいぞ」

エレン「ほら、シャツとズボンだ」ヒョイ


ユミル「…こっち向いて渡してくれよ」


エレン「な、なに言ってんだ!だってお前、裸だろ!?」アセアセ


ユミル「…さっきのワンピースを着てるから大丈夫だ」


エレン「…ほんとか?」チラ



しかし、ユミルは服を着ておらず、ワンピースで前を隠してあるだけで、綺麗な太ももや白い下着がチラチラ見えていた



エレン「ちょっ、お前!?//」プイッ


ユミル「ダハハハハハ!純情で、からかいがいのある奴だな」ゲラゲラ


エレン「いいからこれを着ろ!!」


ユミル「はいはい、わかりましたよ」スルスル


ユミル「今度はちゃんと着たぞ」


エレン「まったく…お前、性格悪すぎるぞ」ハァ…


ユミル「いいじゃねぇか せっかく人間に戻れたんだ、楽しまないと損だろ?」


エレン「……お前はどうやって人間に戻ったんだ?」


ユミル「知らん」


エレン「そうか…知らないか……」


ユミル「正確に言うと私がどうやって戻ったのかは知らないが、巨人から人に戻る方法は知ってる」


エレン「本当か!!」


ユミル「ああ…私達のような巨人化できる奴を食らうことだ だから、私も誰かは知らないが食べたんだろうな……」


エレン「!!……マジかよ」


エレン(それじゃあ根本的な解決にはならない……やっぱりアレを完成させないといけないか……)


ユミル「…これからどうすんだ?」


エレン「俺は一旦、壁内で休息を取ってから、侵入してきた巨人を排除していく」


ユミル「だが、壁に穴が開いている状態で殺しても意味無くないか?」


エレン「そこは心配いらない 今朝、壁の穴は瓦礫で塞いできたから、2、3日はこれ以上増えることは無い 後はでっかい岩とか探しつつ、壁の穴付近で巨人狩りをするつもりだ」


ユミル「へぇ~頑張るな……お前は何の為にそんな命がけで戦ってんだ?」


エレン「全人類の為…って言えたらかっこいいよな もちろん少しはそう考えているが、俺は俺自身の為に戦っている」


エレン(そう…俺の家族が幸せになる為に……)


ユミル「…微妙に答えになってないが、まぁどうでもいいか 私はお前を手伝う気は無いぞ?」


エレン「ああ、わかってる お前はお前の人生を歩め」


ユミル「だが…お前一人で出来ると思ってんのか?」


エレン「……いや、状況が一変したからな…一刻も争うし、一人じゃ難しいだろう」


ユミル「じゃあどうすんだ?」


エレン「…調査兵団に協力をお願いする」


ユミル「調査兵団?」


エレン「ああ、壁外の巨人領域に勇敢にも挑む組織だ」


ユミル「なるほどな…で、その調査兵団ってのにどんな協力をお願いすんだ?」


エレン「色々とな……心配すんな、お前を売ったりはしないぞ」


ユミル「そりゃ嬉しいが……じゃあ礼は私の体でいいか?」


エレン「結構です!!」


ユミル「お前なぁ…私も本気で言ってないから傷つかないけど、もう少し断わり方ってもんがあんだろ それじゃあ女子にモテないぞ?」


エレン「…別にモテたくねぇからいいんだよ」


ユミル「まさかお前……ホモか?」


エレン「ちげーよ!!もうからかうな!壁内まで送ってやんねぇぞ」


ユミル「ちぇ、わかったよ……そういや、何でここに留まってんだ?お前は簡単に壁内に行けるほどの実力を持ってんだろ?」


エレン「まぁ、そうだが……少し体力を回復させてんだよ」


ユミル「そうか……あと、お前は見たところ壁内出身だよな?」


エレン「ああ、そうだ」


ユミル「…壁内でどうやってその巨人の力を手に入れたんだ?」


エレン「それは………言いたくない」


ユミル「…何でだ?」


エレン「別にいいだろ……誰にだって言いたく無いことぐらいあるだろ
ただ……お前と俺は違う それだけは言える」


ユミル「ふ~ん……」


エレン「それよりもう少し寝てろ 日が昇る前にここを出発する」


ユミル「お前も寝んのか?」


エレン「いや、さすがに夜とはいえ、巨人の活動領域で見張りも無しはマズイだろ 心配すんな、ちゃんと起きてるよ」


ユミル「……じゃあ、久々に人と会話したから疲れてるし、お言葉に甘えさせてもらうよ」ゴロンッ



そして、彼女は深い眠りについた



ユミル「zzz」スヤスヤ


エレン(ぐっ……!!)ガハッ!


ベチャ


エレン(はぁ…はぁ……正直、体は限界に近い………まぁ、明日までなら何とか持つか)



翌朝、彼らは日が昇る前に壁内へ避難することができた



ユミル(こいつ……道中で多くの巨人と遭遇したが…やはりかなりの強さだった…)


エレン「じゃあお前とはここでお別れだ…」


ユミル「…本当にいいのか?金まで貰っちまって」


エレン「ああ、生きるためには必要だからな 遠慮すんな」


ユミル「…何故、私にそこまで優しくすんだ?」


エレン「別に優しくしてるわけじゃねぇんだけど……しいて言うなら少しだが、お前と俺が同じ…だからかな」


ユミル「ふ~ん……巨人だからか?」


エレン「いや違う…巨人の力を自ら欲していないからだ」


ユミル「あー…確かに欲してないな」


エレン「…お前は、もし完全に人に戻れるのなら戻りたいか?」


ユミル「…出来れば戻りたいが、今は戻りたいと思わねぇ この世界を生き抜く為にも力が必要だからな」


エレン「そうか……じゃあ、力が必要ない世界になったら、またお前に会いにいくよ」


ユミル「そんなの何年かかるんだよ」


エレン「そうだな……俺が生きているうちには無理だろうな」


ユミル「…じゃあこれでお前とはもう会わねぇな」


エレン「そうかもな…じゃあ、元気でな 死ぬなよ」


ユミル「色々と助かったよ、サンキューな
……やっぱりお礼として童貞でも卒業させてやろうか?」


エレン「結構です!!」



そして、彼らは別れた


一方その頃、壁を壊した張本人達は……



ライナー「ひっぐ……」ポロポロ


アニ「いつまで泣いてんだよ、あんた達……」


ベルトルト「だ…だって、ベリックが……」ポロポロ


アニ「…あんた達だって、死のリスクがあるってわかってて、ここに連れて来られたんだろ?少しは我慢しな…
それにベリックだってそんな姿のあんた達を見たいと思ってないはずだよ」


ライナー「……そうだな アニの言うとおりだ」ゴシゴシ


ライナー(ベリックがいない今、俺がこいつらを引っ張っていかなくちゃ……)


アニ「……もう大丈夫かい?」


ライナー「ああ、心配かけてすまない……アニもあまり溜め込むなよ 悲しい時は泣いていいんだぞ?」


アニ「…わかってるよ」


ベルトルト「…ひっく……」グスン


ライナー「ベルトルト…もう行くぞ 俺達が立ち止まってちゃダメなんだ 俺が先頭を歩くから、お前らはちゃんと俺についてこい」スタスタ


ベルトルト「……うん」ゴシゴシ


アニ「さっきまで泣いてた奴が…無理してかっこつけちゃって……」


スタスタスタ


エレン(まずは体を休めてから調査兵団の本部に向かうか……ん?あれは…)サッ




ミカサ「………」モグモグ


アルミン「ミ、ミカサ……本当に大丈夫?」


ミカサ「ええ……何ともない」モグモグ


アルミン(ミカサ……昨日からまったく表情が変わらない まるで、感情を失ってしまったみたい……)




エレン(ミカサ……生きててよかった…本当によかった……ん?)


「何で俺達の食料をこいつらにあげないといけないんだよ」

「しかたないだろ、予想以上に生き残ってたんだから」


エレン(そうか…俺が巨人の侵入を遅らせたから多くの人達が生き残れた……しかし、そのせいで食料難に拍車をかけてしまったのか…)


「ケッ、もう少し減らしてくれりゃあ良かったのに…」



「くそ、内地の憲兵団め…巨人の恐怖を知らねぇくせに…」ギリッ

「だが、俺達はあいつらの施しがないと生きていけないのも事実だ…下手に文句は言えないさ」


スタスタ


エレン「おい…」


「ああ?何だ、俺に文句でもあんのか?クソガキが…」


エレン「……なら、お前が巨人の餌になってくればいいだろ」ギロッ


「」ゾクッ


エレン「人それぞれ考えが違うから、そう思うのも悪いとは言わねぇ…だが、地獄から生還してきた人達の前で言うことじゃねぇだろ」


「ぁ…ああ……」ガクガク


ザワザワ


アルミン「ん?向こうが少し騒がしいな 何かあったのですか?」


「いや、憲兵が俺達避難民の悪口を言っていたんだが、君達と同じぐらいの少年が彼らをまるで小鹿のように震えさせて黙らせたんだ」


アルミン「僕達と同じぐらいの少年?」


「ああ、黒髪で少し…いや、かなり目つきの悪い少年だったよ 目を見ただけでこっちまで震えそうだったさ」


アルミン(…僕達と同じ避難民なのかな?)


タタタタタタッ


エレン(危ねぇ…カッとなっちまうのは俺の悪いクセだな…危うくミカサに見つかっちまうとこだったぜ……
今、ミカサに会ったら多分俺は……甘えちまう…だから、今はまだ会うべきじゃない…我慢しないと…)



彼はその後、丸一日体を休めてから調査兵団本部へと向かった

今日はここまで

このあと調査兵団で少し会議してから、一気に飛ばして訓練兵までいきたいと思ってます

ではまた今度


調査兵団本部



ガサッ


エレン(こんな子供が正面から団長なんかに会えるはずないからな 気づかれないように忍び込まないと…)


ゾクッ


エレン「!?」バッ



彼は背後から殺気を感じ、瞬時に身を翻した


リヴァイ「ほぅ……ガキのクセにいい危機察知能力を持っているみたいだな」


エレン(この人……強い!)


リヴァイ(このガキ…何者だ?何故かは知らねぇが立体機動装置まで持っていやがるし…)



二人は一定の距離を保ちながら相手の出方を伺っている



エレン(くそ…油断していた まさかこれほどの人が調査兵団にいるとは…
しかも何故か……お掃除フル装備だし!!)



そう、リヴァイは頭には三角巾、首には口を覆っていた手拭い、手には箒とパタパタ……まさに人類最強の掃除師である


リヴァイ(こいつ………)


リヴァイ「…ここに忍び込んだ理由を言え」


エレン「……調査兵団団長に会う為です」


リヴァイ「なら正面から入ってくればいいじゃねぇか」


エレン「こんな怪しい少年を易々と団長に会わせるはずないじゃないですか」


リヴァイ「…それもそうだな じゃあ、何故団長に会おうとしているんだ…世間話をする為じゃねぇだろ?」


エレン「…はい 直接会って信頼できる人かどうか判断してから、ある情報を話すつもりです」


リヴァイ「ほう……」


エレン「…団長に会わせてください」


リヴァイ「……ついて来い」


エレン「え?…は、はい!」


エレン(自分で言うのもあれだけど、こんな簡単に信用してもらっていいのか?)


スタスタ


ハンジ「あれ?リヴァイ、その子誰?」


リヴァイ「チッ、めんどくせぇのに会っちまった」
※兵装に着替えました


ハンジ「まさか…リヴァイの隠し子!?」


リヴァイ「ちげぇよ コイツと俺じゃ、全然似てねぇだろ」


ハンジ「似てるよ、目つきが悪いのとか身長が低いのとか!」


リヴァイ「」イラッ


エレン(俺、そんなに目つきが悪いかな…)


リヴァイ(シカトしよう…)スタスタ


ハンジ「ちょっと待ってよー どこに連れて行くの?」


リヴァイ「こいつを団長に会わすんだ」


ハンジ「キース団長に!?…そうか!この子はキース団長の隠し子なのか!?」


リヴァイ「いい加減ウザイからあっち行ってろ」


エレン(キース?キースって……あのキースさんなのかな?)




エルヴィン「これが被害状況です」


キース「なるほど……予想よりも被害が少ないな」


エルヴィン「はい、現地の駐屯兵団の報告によると、謎の黒髪の巨人が他の巨人を殺していたそうです そのおかげで巨人の侵入が最小限に抑えられて為、民衆の多くが逃げ延びることができました」


キース「エルヴィン…お前はその黒髪の巨人をどうみている?」


エルヴィン「…我々が壁外で見た巨人の死骸も、その黒髪の巨人の仕業だと思います」


キース「私もそう結論づけている しかし、巨人が巨人を殺すなど…ありえるのか?」


エルヴィン「ただの奇行種かもしれません……ただ、我々人類にとっては嬉しい誤算です」


キース「うむ…」



コンコン



キース「誰だ?」


オレダ、リヴァ―ハンジダヨ!


キース「…そうか、入っていいぞ」



ガチャ



リヴァイ「何でテメェまで来るんだよ」


ハンジ「だって~面白そうじゃんか!」


エルヴィン「お前達…団長の前ではもっとちゃんとしろ」ハァ…


キース「それで私に何か用か?」


リヴァイ「…団長にどうしても会いたいって奴を連れてきた…入れ」


エレン「………」スタスタ


エルヴィン(子供?…しかも立体機動装置をつけている……)


キース「その子供が私に会いたいと?」


リヴァイ「あぁ…会って信用できる人間なら、ある情報を話すと言ってきた」


キース・エルヴィン「!?」


キース「ある情報…君、それは我々に有益なものか?」


エレン「はい…その前にキース団長に一つだけお聞きしてもよろしいでしょうか?」


キース「…何だ?」


エレン「あなたはグリシャ・イェーガーをご存知ですか?」


キース「!?あぁ、グリシャは私の旧友だ…君は何故、グリシャの名を?」


エレン「やはりあなたがあのキースさんでしたか…自己紹介が遅れました、俺はエレン・イェーガーと言います」


キース「!!そうか、君はあいつの息子か!」


エレン「……はい」


エレン「キースさんの話は父さんから良く聞いていました まさか調査兵団の団長をしているとは思いませんでしたが…」


エルヴィン「…では、君はキース団長のことを知らずに会いに来たのか?」


エレン「はい 調査兵団の団長さんが信頼できる人なのかどうか見極める為に来たんです でも、その心配ももう要りません 父さんの親友であるキースさんなら信頼できます」


キース「それはありがたいんだが…グリシャは今どうしてる?」


エレン「…父さんは4年前にもう……」


キース「そうか…私の数少ない親友だったんだが…惜しい男を亡くしたな」


エレン「それでキースさん…二人きりでお話したいことがあるんですが……」


キース「二人きりじゃないとダメなのか?」


エレン「他言されるとマズイですし、俺の命にも係わるので…」


キース「…それは大丈夫だ ここにいる三人は絶対に他言しないし、頭もよく切れる、とても信頼できる部下だ だから、彼らも一緒に聞いていても良いか?」


エレン「…わかりました いいですよ」


ハンジ「じゃあ飲み物でも飲みながら話そうよ 私がいれてくるから何飲む?」


キース「私はまだコーヒーが残っているから大丈夫だ」


エルヴィン「私も大丈夫だ」


ハンジ「エレン君は?」


エレン「お、俺は何もいらないです」


ハンジ「遠慮しなくていいよ じゃあ、リヴァイと同じミルクでいい?」


リヴァイ「おい、いつ俺がミルクを頼んだ?」


ハンジ「だって…身長を伸ばしたいでしょ?」


リヴァイ「テメェ…」ピキピキ


エルヴィン「落ち着けリヴァイ」


エレン「じゃ、じゃあ俺はミルク以外なら何でもいいので、リヴァイさんと同じ物でお願いします」アセアセ


ハンジ「う~ん、わかった じゃあ二人には紅茶でもいれてくるよ」ガチャ


バタン


リヴァイ「あのクソメガネ……」イライラ


エルヴィン「すまないな、君に気を遣わせてしまって」


エレン「いえ、大丈夫です」


エルヴィン「君はとてもしっかりとした子供だ………だが、リヴァイ お前は何故、エレン君をここに連れてきたんだ?普通ならどんな理由があろうと、見ず知らずの子供を団長の部屋に連れてこないだろ?」


リヴァイ「それはこいつが……危険だからだ」


エレン「!?」


キース「危険だから連れてきたのか?」


リヴァイ「あぁ、最初にこいつを見た時、こいつは完璧に気配を殺していた 俺が気づけたのは偶々掃除をしていたからだ そして、直ぐにこいつが危険だと感じ、殺気を放ったんだ」


エレン(そうか…あの時の殺気は俺を試していたのか…)


リヴァイ「こいつはすぐさま殺気を感じて俺の間合いから逃げた…素人、ましてはこんなガキが出来ることじゃねぇ」


エルヴィン「じゃあ何故、そんな危険人物をここに連れてきたんだ?」


リヴァイ「…そんな危険人物であるこいつから、まったく殺気や敵意が感じられなかったからだ 俺が殺気を向ければ、普通は怯えるか殺気を俺に放つはずだ しかしこいつは間合いに入らず、俺の出方をずっと見ていた」


エレン(凄い…この人はあの一瞬でここまで俺の実力を見極めていたのか…)


キース「…一つ聞いても良いか?」


エレン「はい…」


キース「その立体機動装置はどこで手に入れたんだ?」


エレン「……いきなり話すと混乱するかも知れませんが…壁外で拾いました」


リヴァイ「はあ?おい、そういう冗談はいらn……」


エレン「……」


リヴァイ「…冗談じゃないのか」


エレン「はい…」


キース「壁外ってことは……我々の仲間、調査兵の死体から盗んだということか?」


エレン「…結果だけ見るとそうなります もちろん、その方…いえ、壁外に見かけた方々は全員、地面に埋めて弔いました」


エルヴィン「……君の正体がますますわからなくなってきた」


エルヴィン(いや、ある程度予測はつくんだが…そんなことがありえるのか!?)


リヴァイ(だがそう考えれば全ての辻褄があう……)


キース(壁外で巨人が死んでいたこと…巨人が巨人を殺していたこと…そして、彼が壁外にいたこと……これらから導き出される答え……彼の正体は……)



エレン「本当はハンジさんが来てから話そうと思ったんですが……先に俺の正体だけ言っておきます 俺は……」



そして、三人の出した答えを彼は口に出した




「巨人です」




ガチャ


ハンジ「ごめんね~ミケに会っちゃって、少しだけ遅れちゃったよ」


エレン「あっ、ありがとうございます」


キース「………」

エルヴィン「………」

リヴァイ「………」


ハンジ「……何で三人は固まってるの?」


エレン(まぁそうなるよな…いや、頭が切れる人達だからこそ、俺に斬りかかったり、拘束したりしないのか)


ハンジ「…ま、いいか エレン君はミルクとストレート、どっちがいい?」


エレン「じゃあミルクティーでお願いします」


リヴァイ「いや、なに普通に会話してんだよ」


ハンジ「何を言ってるの、リヴァイ 頭大丈夫?」


リヴァイ「あぁ、大丈夫だ……いや、少し整理できてねぇ」


ハンジ「一体どうしちゃったの、みんな?」


エレン「皆さんに先に俺の正体を言ったんです……あ、これ凄く美味しいですね!」ズズズズ


ハンジ「そりゃあハンジ特性ブレンドティーだからね!…って君の正体?」


エレン「はい、実は俺はky―リヴァイ「少し待て」


エルヴィン「良く止めた、リヴァイ 私達ですら整理できていない状況で、ハンジにこの事実を伝えるのは悪影響だ」


ハンジ「ええーめっちゃ気になるんだけどー」


リヴァイ「あと、お前」


エレン「はい?」ズズズズズ


リヴァイ「色々と言いたいことがあるが、とりあえず飲むのをやめてカップを置け」


エレン「はい」カチャン


キース「エレン君…色々と確認させてもらう まず、君は我々には敵意が無い…それでいいんだな?」


エレン「もちろんです だって俺は少しでも皆さんの力になる為に、ここに来たんですから」


キース「…それは嬉しいんだが、さっきの発言は本当なのか?」


エレン「はい…信じられないかも知れませんが、本当です」


ハンジ「だから何が本当なの?」


リヴァイ「後で教える…お前は少し黙ってろ」


ハンジ「ひどっ!?それじゃ、私がいる意味がないよね!?」


エレン(…何でハンジさんには言わないんですか?)コソコソ


エルヴィン(君に危険が及ぶんだ)コソコソ


エレン(俺に危険……そうだよな、普通に考えればわかる きっとハンジさんは巨人が死ぬほど憎いんだ…)


キース「…それを証明することはできるのか?」


エレン「できますが……」


キース「それじゃあ証明は後でやってもらう 君が話したがっていた情報はこれでいいんだな?」


エレン「いえ、俺の正体はまだ序章でしかありません 信憑性と俺を信頼してもらう為にも話しておかないといけないことだったんです」


エルヴィン「…では、君が持っている情報とは何だ?」


エレン「大まかに言うと……巨人の正体…そして、ある薬についてです」


ハンジ「巨人の正体!?それを君が知っているのかい!?」クワッ!


エレン「うおっ!?」


リヴァイ「落ち着け、奇行種」ガシッ


ハンジ「ねぇ、早く教えてよ!プリーーーズ!!」


エレン(えー何このテンション…)


エルヴィン「すまない…ハンジは変わり者でね 巨人の研究をしてるうちに、ああなってしまったんだ…」


エレン「ハンジさんは巨人の研究をしているんですか!?」


ハンジ「もちろん!あの可愛らしい巨人達への愛情なら誰にも負けないよ!!」フンスー!


エレン「ははは……なるほど、これがハンジさんに言わなかった理由ですか」


エルヴィン「すまない…」


エレン「……でも、研究者であるハンジさんには特に聞いて欲しいです」


ハンジ「いいよ!いいよ!たっぷり聞いたあげるよー!!」


リヴァイ「静かに聞けねぇのなら追い出すぞ」


ハンジ「じゃあ静かにする!」ピシッ


エレン(本当に面白い人達だな)クス


エルヴィン「では、話を進めてくれ」


エレン「はい、まずは巨人の正体です キースさん達は薄々感づいているとは思いますが…巨人は皆、元々人間です」


ハンジ「え?ええええええ~~!?」


リヴァイ「俺達は今まで人を殺して飛びまわっていたのか………」


キース「……巨人になっている人間は意識があるのか?」


エレン「いえ、正確にはわかりませんが普通の巨人は自我がありません」


エルヴィン「…壁外にいる巨人達は、君みたいに人間に戻れるのか?」


エレン「俺みたいに巨人の力を持った人間を食べることで、人に戻れるみたいです」


ハンジ「ん?」


キース「それだとあの数の巨人を全員、人間に戻すことは不可能か…」


エルヴィン「…君は意識を保ったまま、巨人になることができるってことでいいんだな?」


エレン「はい」


ハンジ「んんっ!?」


エルヴィン「となると……今回のウォール・マリア陥落の元凶である、あの二体の巨人も…」


エレン「はい…俺と同じ、巨人の力を持った人間だと思います」


ハンジ「はい、先生!少し話を止めてもよろしいでしょうか?色々と状況が理解できていないので説明をお願いします」


エルヴィン「……ハンジ もう、わかってるとは思うが、エレン君は巨人だ」


ハンジ「嘘……だよね……?」


エレン「いえ…本当です」


ハンジ「…アソコが巨人化するってオチじゃないよね?」


エルヴィン「子供の前で下ネタはやめなさい」


ハンジ「…これは私が彼を襲ってもいいのかな?」


エレン「襲う!?」


リヴァイ「やったらその場で削ぐぞ」


ハンジ「…そう言われて止まるハンジじゃないぜ!!」ガバッ


エレン「ええー!?」


ハンジ「人間の状態でも影響とかあるの!?人を食べたいとか、再生能力があるとか、アソコが巨人化するとか!!」ペタペタ


エレン「ちょっ!?//そこは触らないでくださいよ///」


リヴァイ「お前はショタコンか」ガシッ


ハンジ「ちょっと!!今はチビオッサンはお呼びじゃない!!」ジタバタ


リヴァイ「」プチンッ


ズルズル
     ポイッ


バタンッ


リヴァイ「俺はまだ二十代だ」


ドンドンドン!
チョットー!!アケテヨー!!


エルヴィン「エレン君、大丈夫か?」


エレン「は…はい…何とか……」ハァ ハァ


キース「ハンジ、ちゃんと落ち着いてエレン君に危害を加えないで話を聞くのなら入れてもいいが…」


モチロン、ヤクソクシマス!


キース「エレン君…入れてもいいか?」


エレン「…はい」


エレン(正直めっちゃ嫌なんですけど…)


エレン「……」チラ


ハンジ(エレン君が巨人!エレン君が巨人!!)ギラギラ


エレン(獲物を狩るハンターみたいな目をしてるんですけど…)ビクビク


エルヴィン「では質問に戻る あの二体の巨人を君は知っているのか?」


エレン「いえ、知りません ただ、二体では無く四体です 他にも仲間がいました」


エルヴィン「そうか……では敵の目的は?」


エレン「…父さんが昔、言っていました 『私と同じように壁内人類を滅ぼしに、壁外から戦士が来るかもしれない』と…」


エルヴィン(壁外から戦士……それが敵の正体か)


キース「何だと!?では、グリシャも巨人だったのか!?」


エレン「はい…父さんは結局、壁内で暮らすことに決めたみたいですけど…」


キース(あのグリシャが……)


ハンジ「つまり、巨人の力は遺伝するってことなの!?」


エレン「いえ、それはわかりませんが、たぶん遺伝しないと思います」


リヴァイ「じゃあ何でお前は巨人なんだよ?」


エレン「……俺が巨人の力を得たのは、父さんとはまた別の方法なんです」


ハンジ(別の方法……?)


エルヴィン「一つ気になったんだが…君は巨人の状態で他の巨人から襲われたりするのか?」


エレン「はい 巨人の生態はよくわからないんですが、むしろ巨人体のほうによく群がるみたいです」


ハンジ「それは面白い情報だね!ちなみにどうやって巨人になるの?」


エレン「強い目的意識と自傷行為が必要です あと普通はかなりの体力が消耗するので、何度も巨人化することは出来ないんです」


エルヴィン「そうなると敵は今頃、体力の回復をしているのか…おそらく壁内で」


エレン「はい、そうだと思います」


エルヴィン「…どんな人間が巨人になるかわからない為、民衆の中から敵を探し当てるのはほぼ不可能ですね」


キース「そうだな……我々にできることはいつ敵が現れても対応できるようにすることだけだ つまり、受身になるしかない…」


エレン「……他に何か質問はありますか?無ければ話を進めますが…」


ハンジ「じゃあ今更なんだけど、やっぱり君が巨人であるって証明を何か見せてくれないかい?」ワクワク


エレン「……いいですよ」チャキ


ズバッ


彼は手のひらを刃で切りつけた


ハンジ「ええ!?ちょっと何してんの!?」


エレン「大丈夫です 見ててください」ポタポタ


シュウゥゥゥゥゥ



蒸気と共に彼の傷口が塞がっていった


ハンジ「うおおおおおおぉぉぉ!!」キラキラ


エルヴィン「なるほど…さっきハンジが言っていたように、高い再生能力があるのか……」


リヴァイ「本当にお前は普通の人間じゃねぇんだな……」


エレン「ははは……残念ながらその通りです」


ハンジ「痛みはあるの!?傷が再生してる時はどんな感じなの!?どこまでの傷なら再生するの!?」ズイッ


リヴァイ「テメェ…またつまみ出されたいのか?」


ハンジ「いいじゃんこれぐらい!彼に手は出してないんだから」


エレン(めっちゃ顔近いですけどね…)ハハハ…


エレン「痛みは普通に感じます それに再生している時は少しムズムズする感じです どこまでの傷ってのはわからないですが……首を跳ねられたりしなければ、たいていは再生するんじゃないんですかね」


リヴァイ「気持ちわりぃな……」


エレン(酷い……)シュン


リヴァイ「(やべぇ……罪悪感ハンパないな)……すまない、言い過ぎた」


ハンジ(リヴァイのバーカ)ボソッ


リヴァイ「」イラッ


エレン「で、では俺が巨人であることもわかってもらえたので、そろそろ本題に入ります」


エルヴィン「本題?」


エレン「はい、本題と言うか俺からのお願いごとです」


リヴァイ「情報提供の見返りか…で、それは何だ?」


エレン「まず一つ、俺と一緒にウォール・マリアの奪還を手伝ってください」


キース「それはこちらからお願いするつもりだったんだが……」


エレン「じゃあ協力してくれるんですか!」


キース「ああ、もちろんだ」


エレン「ありがとうございます 今はウォール・マリアの穴を近くの民家の瓦礫で塞いでいるんですが、明日ぐらいには退かされてしまいます」


エルヴィン「今現在、巨人の侵入は防がれているのか!?」


エレン「はい」


キース「君には頭が上がらないな……」


エレン「それで俺だけでは壁を完璧に補修することは出来ないので、皆さんにも手伝って欲しいんです」


キース「あぁ、もちろんだ 直ぐに補強資材を用意してウォール・マリアを奪還しなくては……」


エルヴィン「そうですね…でないと民衆が口減らしされてしまう」


エレン「口減らし……」


エルヴィン「…君のおかげで救われた命を、わざわざドブに捨てるようなことがあってはいけない……」


キース「…うむ、上がその決定をするのは少なく見ても半年ぐらいだろう」


リヴァイ「……お前はどうしてそこまでして戦う?人類の平和の為か?」


エレン「…いえ、違います 人を助けたいという気持ちも、もちろんあります…けど俺は俺自身の為に戦っています」


リヴィイ「…巨人を殺す、つまり人を殺すのを自覚しながらも、自分の為に殺人を犯していたってことか…」


ハンジ「ちょっと、リヴァイ!」


エレン「その通りです……俺は救世主でも英雄でもない 俺は自分のエゴで多くの人を殺してきました」


エルヴィン「…巨人を殺すことが本当に君の為になっていたのか?」


エレン「はい…ただ、いたずらに巨人を殺していたわけじゃありません あなた達調査兵団が壁外に出る時だけ巨人を殺してました」


キース「……何故だ?それでは我々の為に君は戦っていることになるぞ?」


エレン「結果的にそうなりますが違います あなた達が生きて帰れば、新しい薬草や果実などを持って帰れる そうすれば、その果実などを育てる仕事が増える、いままで治らなかった病気も治る…壁内が少しだけ幸せになる」


リヴァイ「…それでもお前の為になってないぞ?」


エレン「いえ、なっています そうすれば幸せになって優しい人達が増える……壁内にいる俺の家族が笑顔になるんです」


キース「……家族の幸せの為…か」


リヴァイ「…随分、遠まわしの愛情表現だな」


エレン「はい…所詮、俺の小さな我侭ですから……でも、これは巨人と戦う理由であって、俺が頻繁に壁外に出ていた理由ではありません」


ハンジ「巨人と戦う以外で壁外に出る理由があるの?」


エレン「はい それは俺の二つの目のお願いと言うか…全人類の希望です」


キース「それは一体…」


エレン「それは……」





「巨人化を解く薬の開発です」



今日はここまで


やっと一段落つけました ので、しばらく空けます 


ではまた今度

皆さん、レスありがとうございます!期待に応えられるかわかりませんが頑張ります!

このssのエレンは原作と違うという意味でELLENにしました 他にも理由がありますがネタバレになるのでまだ言えません なのでスペルミスではありません

では投下していきます


そして、月日が流れた


847年


―トロスト区 訓練所―



キース「オイ、貴様」


アルミン「ハッ!」バッ


キース「貴様は何者だ!?」


アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」



多くの訓練兵志願者の中に、成長した彼女の姿もあった



ミカサ(今日から私は訓練兵……)


キース「何の為にここに来た!?」


ジャン「憲兵団に入って内地で暮らす為です!」



ミカサ(やっとここで巨人殺しの技術を学べる…)



彼女が兵士を志願した理由 それはただ一つ、母親を殺した巨人を駆逐する為



サシャ「半分…どうぞ……」


キース「半……分…?」


サシャ(これでいいんやろ?)フーッ



通過儀礼も無事(?)に終わり、彼らの共同生活が始まった



――食堂――


ワイワイ  ガヤガヤ



ミカサ「………」モグモグ


アルミン「開拓地よりは食事はマシかもね」ゴクゴク


ミカサ「そうね」モグモグ


ミカサ(……ここで私は強くなって…お母さんの仇を…巨人をこの世から一匹残らず駆逐する…)



彼女はこの2年間、復讐の為に開拓地で己を鍛え上げてきた


「ミカサ……」


ミカサ「!?」



そんな彼女の前に3年前に別れたはずの家族が現れた



エレン「久しぶりだな…」


アルミン「…ミカサの知り合い?」


エレン「あぁ、俺はエレン こいつの家族だ よろしくな…アルミンだっけ?」


アルミン「君がエレン!?」


エレン「ああそうだけど?…アルミンはミカサの友だt―バチンッ!



賑やかな食堂は、ミカサのビンタによって静まり返った
そして、皆一斉に彼ら視線を集めた



ジャン(なん……だと!?あの女の子、綺麗過ぎるだろ!!)


アニ「……」


ユミル(…なんであいつがここにいるんだ?)


クリスタ(ケ、ケンカなら、止めたほうがいいよね?)アタフタ



ミカサ「………」


スタスタ



そして、彼女は無言で立ち去った



アルミン「ミ、ミカサ!?ちょっと待ってよ!」タタタタッ


エレン「………」ヒリヒリ


ジャン「…おい、残念だったな それにしても、訓練兵になっていきなりあんな美人をナンパするなんて、お前の頭は大丈夫か?」ゲラゲラ


エレン「ミカサ……」


ジャン「人の話を聞けよ」


___________________


エレン(はぁ……ミカサ)トボトボ


「おい、ビンタ野郎」


エレン「はぁ?」クルッ



彼が振り返ると、見覚えのあるソバカスの少女が立っていた



エレン「ユ、ユミル!?」


ユミル「よっ、命の恩人さんよ」


エレン「久しぶりだな!」


ユミル「まぁ、二年ぶりだな まさかこんなとこでお前と会うとは……何でこんなとこにいんだ?調査兵団とは協力できなかったのか?
…そんなはずはねぇか 一年前の奇跡と言われたウォール・マリア奪還は、お前の仕業だろ?」


エレン「…あぁ」


ユミル「やっぱりな…で、さっきの質問に戻るが、そんな英雄がどうしてここにいるんだ?調査兵団にお世話になっているんだろ?何か交渉決裂でもしたのか?」


エレン「もちろん、良くしてくれた 今でもエルヴィン団長達とは友好関係にある
……俺がここにいるのは、俺の勝手な我侭なんだ」


ユミル「……さっきの女が関係してんのか?」


エレン「…あぁ、俺の残された唯一の家族なんだ」


ユミル「ふ~ん…家族……ね」


エレン「そういうお前はどうしてここに?」


ユミル「私も色々と事情があってな……」チラ



クリスタ(このパンと水をあの子にあげないと…)テクテク



ユミル「…じゃあ、もう行くわ これから三年間よろしくな」


エレン「おう、また明日な」


――男子宿舎――



エレン(ミカサ……俺のこと嫌いになっちまったのか…?)ドヨーン


ガチャ


アルミン「はぁ……」


エレン「ア、アルミン!……ミカサは?」


アルミン「何も口を開かないまま女子宿舎に戻ったよ」


エレン「そうか……」


アルミン「…君は本当にあのエレンなのかい?」


エレン「どのエレンかは知らないが、俺はミカサの家族だったエレン・イェーガーだ」


アルミン「そうか…エレン、とりあえず今はミカサに近寄らないほうがいいよ」


エレン「…やっぱりあいつは怒ってるのか?」


アルミン「うん……君がいなくなって、シガンシナ区に来たばかりの彼女は、ずっと部屋に引きこもって泣いていたんだ その後、何とか元気になったけど、二年前にお母さんを亡くして……その日からミカサは笑わなくなってしまったんだよ」


エレン「そうか……」


アルミン「…何で君は彼女達をおいて出て行ったの?」


エレン「……それがミカサや母さんの為だからだ」


アルミン「じゃあ、何で今頃現れたの?」


エレン「それは………」


アルミン「…僕は君を許せない……でも僕は、君しかミカサの心を温めてあげることができないと思うんだ」


アルミン(そう…彼女にとって必要なのは僕じゃない…君なんだ)


エレン「………」


アルミン「少しずつ仲直りしていこう…僕も手伝うから」


エレン「ありがとな、アルミン……」



――女子宿舎――



ミカサ(…どうして今頃現れるの……許せない……でも…)


ミカサ(生きててよかった……エレン)ポロポロ



唯一の家族となった彼と再会した その出来事が、人一倍家族を愛する彼女にとって嫌な事であるはずが無い

彼女はマフラーを握りしめ、二年ぶりに涙を流しながら、深い眠りについた



翌日 


アルミン「zzz……ん~」ゴロン


アルミン(……あれ?横にいるはずのエレンがいない……)



アルミンはエレンを探しに宿舎の外に出た



アルミン(トイレにもいなかったけど……ん?訓練場に出る扉が開いている)スタスタ


ガチャ


アルミン(誰もいない……ん?あれはエレン!?)



エレンは訓練場の横の森から歩いて出てきた


エレン「ふぅ……おっ、アルミン おはよう!」スタスタ


アルミン「お、おはよう…エレン、もしかして朝練?」


エレン「う~ん…一応朝練になるのか これは毎日の日課なんだよ」


アルミン「でも、まだ日が昇りきってないよ?」


エレン「?日が昇りきらないと朝練しちゃダメなのか?」


アルミン「い、いや、そういうわけじゃないけど…」


エレン「これからストレッチするけどお前も付き合うか?」


アルミン「え?…う、うん」


――女子宿舎――



ミカサ(……情けない…エレンと会っただけで安心してしまい、熟睡してしまった…今日の朝練は諦めよう)スタスタ


ユミル「おい」


ミカサ「…何?」


ユミル「お前と昨日ビンタされた奴はどういう関係なんだ?」


ミカサ「別に……たいした関係じゃない」


ユミル「ふ~ん…」


ミカサ「もう行ってもいい?」


ユミル「あぁ、悪いな…お前、名前は?」


ミカサ「…ミカサ」ガチャ


バタン


ユミル(こういうのは普通、名前を聞き返すだろ…)


クリスタ「ふわぁ~……あっ、おはようユミル 昨日はあの子を運んでくれてありがとね」


ユミル「おう…」

――食堂――


朝早く、まだ数人しか集まっていない食堂で彼らは雑談をしていた



エレン「昨日言いそびれたけどありがとな、アルミン ミカサの面倒を見てくれて」


アルミン「別に君にお礼を言われることじゃないよ」


エレン「そういえば、アルミンはどうして訓練兵になろうと思ったんだ?」


アルミン「…僕のおじいちゃんが二年前の奪還作戦…いや、口減らしで亡くなったんだ 
だから、僕はその決定をした王政や憲兵団を見返してやりたいと思って兵士に志願したんだ」


エレン「………ごめんな」


アルミン「どうしてエレンが謝るの?」


エレン「いや……何となくだ」


エレン(俺のせいで多くの人達が……)


_
____
_________
______________
___________________



エレン「どうしてですか!?調査兵団の主力部隊は残して、少数部隊と避難民達だけでウォール・マリア奪還なんて…死ねって言ってるようなもんじゃないですか!!」



エレンのおかげで多くの民衆が助かった しかし、そのせいでウォール・ローゼは人で溢れかえってパンク状態になってしまった
それを見かねた王政府はウォール・マリア奪還作戦を命じた 投じられる人員はおよそ35万人だった



キース「すまない…私の力不足だ」


エルヴィン「まさかたった二ヶ月で奪還作戦を命じるとは……」


エレン「あと少しで…大岩で穴を完璧に塞ぐことができるんですよ!?」


キース「あぁ…」



エレンの巨人の力でキース達が直ぐに用意した大岩を、巨人が動かない夜に運び、壁の穴を塞ぐ予定だった
その作戦を実行してから約二ヶ月で、穴まで数kmのとこまで来ていた



エレン「あと一週間…いや、明日までにやり遂げてみせます!だから―リヴァイ「エレン!!」


リヴァイ「例え、明日までに穴を塞いだとしても、ウォール・マリア内の巨人を一掃するには一年ぐらいかかる……俺達だって納得してない…だが、上の決定は絶対だ」


エレン「……くそっ、王政府め!人の命を何だと思っているんだ!」ギリッ


ハンジ「エレン…」


キース「ここで人を減らさないと土地や食料をめぐって戦争になってしまう…だからこそ、この作戦を命じたんだろう」


エレン「……だからって命を捨てていい理由にはなりませんよ」スタスタ


リヴァイ「どこに行く?」


エレン「…トイレです」ガチャ



バタンッ



リヴァイ「…いいのか、止めなくて?あいつは一人で戦いに行ったぞ」


エルヴィン「…我々には彼を止める権利を持っていない
…それに本当は彼が一番理解しているはずだ……救えない命もあるってことを…」


___________________


そして、エレンは一人で壁外へと向かった



エレン(こんなの間違っている……生きたくても生きられない命もあるのに…何故、生きたいと思っている人達をわざわざ殺すんだ!)ダンッ


ヒュウゥゥゥ…


エレン(俺が…彼らを……死なせない!!)ガリッ


カッ!!



エレンは巨人となって、大急ぎで大岩を運んだ そして、無事に穴を完璧に塞ぐ事ができた しかし、まだウォール・マリア内には大量に巨人が侵入している 彼はそのまま、夜のうちに巨人を排除していった


しかし、たった一夜で全ての巨人を一掃することなど到底できず、ついにその日を迎えてしまった



黒髪の巨人(ぐっ……体が限界に近い……)


ドドドドドドッ


黒髪の巨人(巨人が一斉に北上し始めた!?)


ウオオオオオオオオオオオオオオ!!



遠くから地響きに似た叫び声が聞こえた
それは奪還作戦の開始の合図だった



黒髪の巨人(チッ、さすがに巨人体の俺よりも、30万人の大群のほうに引き寄せられるか……)ダダダダダダッ


黒髪の巨人(ここで何としてでも巨人達を食い止める!!)グッ



彼は巨人を追いかけながら殺していく しかし、自分に向かってくる巨人ならまだしも、バラバラになって北上している巨人達をすべて殺すことなど不可能だった



「巨人が来たぞ!?」

「うわあああああああ!!」


グチャ



巨人と人間の関係は捕食者と餌 人間が何人いようと無意味である ましては訓練をしていない民衆達に、その関係を覆すことなど出来るはずもない



黒髪の巨人(やめろぉぉぉぉ!!)グチャ  グチャ



彼は巨人を次々と殺していく しかし、全方位から来る巨人達から、逃げる事が出来ずに集まっている人達を護ることなど不可能である



「いやああああああああああ!!」


パクッ


黒髪の巨人(やめてくれ…)


「ぎゃああああああああああ!!」


ブチッ


黒髪の巨人(もうこれ以上…殺さないでくれ……!!)


「助けてええええええええ!!」


グチャ



巨人を殺せど殺せど、人々の叫び声が途切れることは無かった 
結局、生還したのはたった100人程度であった つまり、彼の目の前で約35万人もの人々が死んだのである



黒髪の巨人「ァァァ……ァァ」ポロポロ


黒髪の巨人(何にもできなかった……俺が弱いから……俺が弱いからッ!!)


黒髪の巨人「アアアアアアアァァァッ!!」



彼はその後、巨人を殺し続けた 自分の力の無さを悔やみながら、まるで助けられなかった人達への懺悔のように…


___________________
______________
_________
____
_



エレン(俺が弱いから……)


アルミン「その半年後に何故かはわからないけど壁の穴が塞がれて、ウォール・マリア内の巨人が全滅していた…王政は巨人が全滅したのは謎の病気って発表していたけど、僕はあの黒髪の巨人の仕業だと考えてる じゃないとあんな大きな大岩を、人間の手だけで運ぶなんてできないし…
……何はともあれ、奪還作戦があと半年だけ遅れていたら、おじいちゃん達は生きていられたのに………エレン、聞いてる?」


エレン「あぁ…すまない ちゃんと聞いてたよ」


アルミン「…ごめんね、少し暗い話になっちゃったよね……でも、実はさっき言ったこと以外にも兵士になりたい理由があるんだ…そっちのほうが大きいかも」


エレン「へぇ~…それは何だ?」


アルミン「僕は…外の世界に行きたいんだ」


エレン「壁外に?……それじゃあ、調査兵団に入って巨人を倒したいってことか?」


アルミン「違うよ 僕は外の世界を探検してみたいんだ」


エレン「ふ~ん……探検か…あんま興味ねぇな」


アルミン「酷い!?じゃあエレンにも外の世界の魅力について僕が教えてあげるよ!」


___________________



ワイワイ  ガヤガヤ


スタスタスタ


ミカサ(アルミンはもう起きて、席についているだろうか……)キョロキョロ


ミカサ(あ………エレンと一緒にいる)


アルミン「――でね、この壁の外には塩水でできた広大な海!炎の水!氷の大地!砂の雪原!僕達が想像できないような素晴らしい世界が広がっているんだよ!!」


エレン「………」


アルミン「あ……ごめんね、もしかしてつまらなかった?そうだよね、そもそも外の世界に興味を持つのはタb―「それは本当なのか、アルミン!?」ガシッ


アルミン「えっ!?」


エレン「こんなに興奮したのは初めてだぜ!!俺はぜひとも海を見てみたいな!」キラキラ


アルミン「そうだよね!僕もまずは海を見てみたいんだ!巨人と同じぐらい大きな魚もいるみたいだよ」キラキラ


エレン「マジかよ!?こんなことなら壁から離れて、もっと遠出をすればよかったぜ……」


アルミン「え?」


エレン「い、いや、何でもねぇよ!」アセアセ


アルミン「でも良かった、エレンも外の世界に興味を持ってくれて」


エレン「こんな魅力的な話を聞かされたら誰だって行きたくなるだろ!」


アルミン「じゃ、じゃあ、いつか一緒に外の世界を探k―ミカサ「ダメ」


アルミン「ミ、ミカサ!?」


ミカサ「アルミン、外の世界に興味を持つのは認める だからといって行こうとするのは絶対ダメ」


エレン「そんなのアルミンの自由だろ!」


ミカサ「……あなたには関係ない これは私とアルミンの問題」


エレン「お前…」


アルミン「ふ、二人とも落ち着いて!ほら、食事を持ってきて早く朝ご飯を食べちゃおうよ」


ミカサ「ええ、そうしましょう、アルミン」


エレン(ミカサ……お前はそんなにも俺が嫌いになっちまったのか?)


エレン(ミカサがあんな状態だから…とりあえずはミカサ達とは別のテーブルで食べるか)ガタッ


スタスタ
      ガタッ


エレン「………」


アルミン「………」


ミカサ「さぁ早く食べましょう、アルミン」


アルミン「う、うん」ガタッ


エレン(何でわざわざ遠くの席に座ったのに、平然と俺の前の席に座ったんだ?俺のことが嫌い……なんだよな?)



エレン 
 ______
| テーブル |
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ミカサ  アルミン


エレン「ミカサ…何でここで食べるんだ?」


ミカサ「…どこで食べようと私の勝手 あなたには関係ない」


アルミン(やっぱりミカサも内心ではエレンといられて嬉しいんだ)クスッ


エレン(なに考えてんのかさっぱりだ…とりあえず、食うか)


エレン・ミカサ「いただきます」ペコ


アルミン(…あぁ、本当に家族なんだなぁ)フフフ


カチャカチャ


ミカサ「………」モグモグ


エレン「…お前、髪短くしたんだな」モグモグ


ミカサ「………」モグモグ


エレン「いつ切ったんだ?」


ミカサ「…昨日の朝、訓練所に来る前 立体機動に邪魔だから…」


エレン「そうか…」


エレン(普通の会話程度だったらしてくれるってことでいいのか?)


___________________



キース「まずは貴様らの適正を見る!両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ!!」


エレン「アルミン、ちゃんとベルトを確認しておいたほうがいいぞ」カチャカチャ


アルミン「うん」カチャカチャ


エレン「…ん?俺のベルト、壊れてるな キースさn、教官!」


キース「……何だ?」


エレン「ベルトの金具が破損しています」


キース「どれ……なるほど、確かに破損している……ここが破損するなど聞いたことはないが、新たに整備項目に加える必要がある…イェーガー、今回はワーグナーのベルトを借りて適正試験を行え 次回までに新しいベルトを用意しておく」


エレン「ハッ!」バッ


キース(それと…あとで教官室に来い)ボソッ


エレン(は、はい、わかりました!)バッ



その後、彼らは無事に適正試験を合格した



――教官室――


キース(今期は優秀な人材が多そうだな…)ペラ


コンコン
      エレン・イェーガーデス!


キース「入れ」


エレン「失礼します!」ガチャ



エレン「俺に何か用ですか?」


キース「用と言うよりも警告だ 貴様、私のことをキースさんと言おうとしただろ?」


エレン「」ギクッ


キース「ここでは私と貴様は面識がないという事をしっかりと自覚しろ」


エレン「ハッ!」バッ


キース「…今度から、立体機動の訓練に入る 正体がバレないように注意して取り掛かれ」


エレン「ハッ!」バッ


キース「以上だ……いや、最後に一つだけ」


エレン「はい、何でしょうか?」


キース「これから3年間、悔いの無いように過ごせ…」


エレン「…はい、わかってます ありがとうございます、こんな我侭を聞いてくださって」


キース「君には我侭を言う権利がある 君のおかげでウォール・マリアを奪還することが出来たんだからな…それにあの薬も……」


エレン「今はハンジさんのおかげでだいぶ完成に近づいています…本当は俺も手伝ったほうが早く完成するんですけど……」


キース「いいんだ、君は今まで一人で戦ってきた だが、今は一人じゃない 少しは我々にも協力させてくれ
それに今は君は、ここで仲間をつくるべきだ 我々のような年上の仲間とは違い、同期っていうのは特別な存在なんだぞ」


エレン「…父さんとキースさんも訓練兵で同期でしたもんね」


キース「あぁ…ここで共に育った大切な仲間……親友だった」


エレン「父さんも言ってました……あんな良い奴は他にいないって」


キース(…グリシャめ)


エレン「一緒になって女子風呂を覗く為に地面に穴を掘ったこともあるって…」クスッ


キース(グリシャめ!!私の黒歴史をよくもバラしたな!!)ギリッ


キース「…イェーガー訓練兵、このことを他言したらどうなるかわかっているな?」ギロッ


エレン「ハ、ハイ!この秘密は墓場まで持っていきます!」バッ


キース「それでよろしい…あと貴様、さっきキースさんと言ったな?」


エレン「あっ」


キース「50周だ」


エレン「…はい、走ってきます」シュン



――男子宿舎――


ガチャ


エレン(ふぅ…罰則って言ってたけど…絶対に秘密をバラすなっていう警告だよな、これ)


ライナー「よお、お疲れさん」


エレン「そんなに疲れてねぇよ」


アルミン「でも、結構走ってたよね?」


エレン「昔から鍛えてるから体力には自身があるんだ それより、ライナーとベルトルト…だったよな?」


ライナー「あぁ」


エレン「お前ら、姿勢制御めちゃくちゃ上手かったな センスがあるよ」


ベルトルト「…ありがと」


ライナー「エレン、お前だってまったくブレがなかったじゃないか」


エレン「まあな(既に飛べるからな)」ハハハ


ベルトルト「……でも、何で教官に走らされていたの?」


エレン「別に走らされていたわけじゃない 教官とはベルトの件で話しただけで、走ってたのは自主練だ(嘘だけど…)」


ベルトルト「……君はどこ出身なの?」


エレン「俺はウォール・マリア北区の雪山出身なんだ」


アルミン「え?そうなの?」


エレン「あれ?ミカサは言ってなかったのか?」


アルミン「うん…ミカサは君のことをよく話していたけど、君の過去のことは話していなかったよ」


ライナー「ミカサって…あのビンタした女か?」


エレン「あぁ、俺は北区出身だけど、6歳の頃から一人旅をして、8歳のときにミカサの家族になったんだ」


ライナー(なんで6歳で一人旅をしてたのか……聞かないほうがいいか)



ジャン(あいつ、あの子の家族だったのか…じゃあ仲良くしておいた方がいいか いや、あの子があいつを嫌いなら俺も嫌ったほうが……)ブツブツ


コニー「お前、なに一人でブツブツ言ってんだ?」


マルコ「今はそっとしてあげよう…」


ベルトルト「じゃあ何でビンタされてたの?昨日はみんな、その話題で持ちきりだったんだよ」


エレン「まぁ…俺が悪いんだ ミカサと家族になって1年後に俺は…ミカサを、家族をおいて家を出たんだ……」


ライナー「それでいきなり現れたお前を叩いたと……」


アルミン「きっとミカサも内心では嬉しいんだと思うよ…2年前におばさんを亡くした彼女にとって君は、残された唯一の家族なんだから…」


エレン「………」


ライナー(2年前…俺達のせいか………)


ベルトルト「……一つ聞いていい?ウォール・マリアが奪還された今、別に兵士じゃない選択もできたはずなのに、君達はどうして兵士を目指すの?」


アルミン「僕は…開拓地に残らなかったのは、あんなめちゃくちゃな奪還作戦を強行した王政があることを考えると、じっとしてられなかっただけで…体力に自身無いし、自分に何ができるのかわからないけど……この状況を黙って見てることなんて…できないよ」


ベルトルト「そ、そっか…」


ライナー(外見は弱そうに見えるが、正義感があって強い奴なんだな……)


ベルトルト「…君はどうなの?」


エレン「俺は……ただの我侭かな」


ライナー「兵士になることがか?」


エレン「いや、ここにいることが俺の我侭なんだ……」


ベルトルト「??」


ライナー「……よくはわからないが、お前には強い信念があるように感じる
…俺にも絶対に曲げられないものがある……絶対に…何としてでもなしえないといけないことがあるんだ」


ライナー(故郷に帰る……どんなことがあろうと俺達3人でな…)


ベルトルト(ライナー……)


エレン「そうか…なら、俺にできることがあったら何でも言えよ 何としてでも手助けしてやるからな」ニカッ


ライナー「あ、あぁ…ありがとな」


ライナー(ごめんな……その優しさが逆に胸を締めつけるんだよ)

今日はここまで


ではまた今度

すいません やっぱりキリが悪いのでもう少し投下します


数日後



エレン「お、おはよう、ミカサ!」


彼らは朝練を毎日行っている 必然的に会う機会が多くなる しかし…


ミカサ「………」スタスタ


エレン「……はぁ、また無視か」シュン


――食堂――



ワイワイ  ガヤガヤ



エレン「ミ、ミカサ、今日の訓練って何だっけ?」


ミカサ「……立体機動装置のアンカー射出訓練」モグモグ


エレン「そ、そうだったな、初めて実戦的な訓練だから怪我しないようにしないとな」


エレン(朝練の時は無視するクセに、飯の時はちゃんと会話してくれるんだよな…いまだに俺の前に座るし)


アルミン「僕にもできるかなぁ」


エレン「きっとできるさ、アルミンは立体機動の仕組みを一番早く理解してたじゃねぇか」


アルミン「頭で考えるのと、実際に動かすのは違うからね この訓練では過去に死者も出ているみたいだから慎重にやらないと…」


エレン「大丈夫さ、落ち着いてやれば意外と簡単だぞ?」


アルミン「まるで立体機動した時があるみたいな言い方だね」ハハハ


エレン「そ、そんなことあるわけないだろ!」ハハハ…


ミカサ「……」モグモグ



___________________



キース「今日は貴様らには実際に立体機動装置を扱ってもらう!手取り足取り教えてもらえると思うな!昨日までに得た知識で既に出来るはずだ!!
さっそくそれぞれ前方にある木に目掛けてアンカーを飛ばしてみろ!!ただし、毎年この訓練で勝手に飛ぶ輩がいる…今年はそんなバカがいないことを願うが、もし勝手に飛んで死んでなかったら、たっぷり罰を与えてやるから安心しろ!!では、始めろ!!」



アンカーの射出は簡単な作業である 立体機動装置の柄のハンマー(撃鉄)を起こして、二つある中の上のトリガーを引くだけ 



アルミン(こ、これであとは真っ直ぐ飛ばすだけだけど…皆、やらないのかな?)キョロキョロ



だが、一番最初に誰かがやるまで皆、傍観者になっている 人間とはそういう生き物である


パシュ!


皆が周りを窺っているなか、一番最初に射出させたのは彼だった

彼のアンカーは正確に目標の木に刺さった



エレン「……どうした、皆?そんなのんびりしてたら巨人に食われちまうぞ?」


ジャン「なっ!てめぇに言われなくても、今からやろうと思ってたんだよ!」パシュ


ライナー「そうだな、練習あるのみだしな」パシュ


アニ「……」パシュ



彼の一言で皆、徐々に訓練を開始した

しかしながら、最初から正確に木に刺さる者はほとんどいなかった



ジャン「げっ、意外と難しいな…」


ミカサ「………」パシュ



彼女のアンカーは最初から正確に木に刺さった



ミカサ(…思っていたより少し下に刺さった 次はもう少し上を狙ってみよう)ギュルルルル


パシュ



彼女はワイヤーを巻き取り、再びアンカーを射出した
今度は狙い通りにアンカーを刺すことが出来た



ミカサ(よし、だいたいどの辺にアンカーが飛ぶのか理解した)


キース(うむ…さすがだな、既にものにしている…ミカサ・アッカーマン、素晴らしい逸材だ)


エレン「スゲーな、ミカサ!二回目で刺さるポイントの微調整までするとは…」


ミカサ「…それは嫌味?あなたは最初から正確に目標ポイントに刺せていた まるで……扱ったことがあるかのように…」


エレン「」ギクッ


ミカサ「…どうして?」


エレン「き、気のせいだろ!俺はアルミンを教えてくる!」ダッ


ミカサ(逃げられた…おそらくエレンは私達と別れたあと、立体機動装置に触れていたはず……)


エレン「ア、アルミン!調子はどうだ?」


アルミン「エレン…君みたいに正確に刺さらないよ」


エレン「そうか…試しに一回、やってみろよ」


アルミン「う、うん」パシュ



アルミンのアンカーは目標の木ではなく隣の木に、さらにその木の下のほうに刺さった



アルミン「ご、ごめんね、ミーナ!」


ミーナ「ううん、私だってさっきアルミンのほうの木に刺しちゃったじゃない 意外と難しいよね、これ もっと簡単に出来ると思ったのに…」


エレン「最初から出来る奴なんて一握りだ それに出来ないからこその訓練だろ?」


アルミン「そうだね、エレンの言うとおりだ」


エレン「じゃあ少しだけアドバイスしてやる」


アルミン「本当に!」


ミーナ「私も聞いていい?」


エレン「もちろんいいぞ」


ナック(…俺も聞いておこう)


エレン「まずお前らはアンカーが腰から射出されていることを理解しろ だからお前らの目線の刺したいポイントよりも上を狙って射出させるんだ」


アルミン「なるほど、考えてみれば当たり前だ 僕達の目線からアンカーは出ているわけではないんだから、目線から腰の分だけ下に刺さってしまうんだ」


エレン「そのとおり、慣れてきたら腰で刺したいポイントを見るような感じで出来るようにしたほうがいいぞ」


ミリウス(腰で見るか…難しいな)


ミーナ「う~ん、腰に目がついていれば簡単なのになぁ」


エレン「それは不可能だろ!」ハハハ


ミーナ「もう!そんなに大笑いしなくてもいいでしょ!」プンプン!


アルミン「じゃあ試しに一回やってみるよ」パシュ



しかし、アンカーは木に刺さらずに横を通り抜けた



アルミン「当たらない…」


エレン「まぁ、最初だしな それに高さはだいぶ修正出来てたろ?」


アルミン「うん!ありがとね、エレン」


エレン「いいって、仲間だろ?それにあのぐらいならまだ修正できるぞ」


トーマス(俺もやってみよう…)パシュ


ミーナ「横にずれるのはどうやって修正するの?」


エレン「ここで重要なのはいかに腰がブレだ パターンとして2通りある、一回俺がやるから見てろ」


エレン「まず、パターン1 腰の筋力でブレを抑える」パシュ



彼のアンカーは綺麗に目標の木に刺さった



エレン「だが、中途半端な筋力で抑えようと思っても腰を痛めるだけだから気をつけろよ」


アルミン「僕には出来そうにないな…」


ミーナ「私も…」


トーマス(俺も出来そうにないな…)


エレン「じゃあ今度は左のアンカーでパターン2をやるぞ」パシュ



彼の左のアンカーは、右のアンカーの直ぐ横に刺さった



アルミン「凄い、正確に刺さった……けど、腰は結構動いてたよね?」


エレン「あぁ、射出の衝撃を無理に受け止めることなく、腰を回転させて流していたんだ」ギュルルルルル


ミーナ「それって難しくない?」


エレン「最初は難しいかもしれないが、そのうち慣れると思うぞ それと…」パシュ  パシュ



彼は左右のアンカーをそれぞれ別の木に刺した



エレン「こうやって二つ同時に射出する場合もあるから、どっちにしても腰の筋肉はしっかりと鍛えておいたほうがいいぞ」


アルミン「…とりあえず、エレンが凄いってことがわかったよ」


ミーナ「…そうね、平然と二つ同時に正確に出来るんだもの」


エレン「ほら、無駄口叩いてないで練習しろ 小手先の技術だけじゃ上手くはならない、最終的に必要なのは反復練習による自分だけの感覚なんだ」


ミーナ「はーい、エレン教官」


エレン「おい、ふざけてないでやれ!……それと、お前達も聞きたいことがあったら聞いていいぞ?」


トーマス・ナック・ミリウス「」ギクッ


トーマス「じゃ、じゃあ!俺のをちょっと見てくれないか?」


エレン「あぁ、いいぜ」


ナック「じゃあ、次俺な!」


ミリウス「俺も最後でいいから見てくれないか?」


トーマス「じゃあいくぞ」パシュ


エレン「う~ん…もう少し上を狙ったほうがいいな ここから目標の木までは距離があるから、少し山なりになるんだ」


ハ、ハイ!エレンキョウカン!
キョウカンハヤメロ!


ミーナ「あーあ、取られちゃった」


アルミン「仕方ないよ、エレンは実力があるんだから…それに彼は人を惹きつける何かがあるからね」


ミーナ「それで魅力的なエレンにアルミンがメロメロになったと……なんて罪な男なの」


アルミン「その言い方だと僕が女性みたいだからやめてね」


ミーナ「冗談はさておき、練習しないとエレン教官に怒られちゃうわ」


アルミン「教官って言ったほうが怒られるよ」クスッ


パシュ  パシュ  パシュ


ジャン(射出の威力、アンカーの飛距離がだいたいわかってきたぜ!)パシュ



キース(今期は優秀な人材が多いな…ブラウン、フーバー、レオンハートの三名…あと、キルシュタインも最初こそ悪かったが、今はしっかりと修正していてなかなかだ…それと……)チラ


コニー「とうっ!」パシュ


サシャ「やぁーっ!」パシュ


キース(あの二人……掛け声さえなければもっといいんだが…)ハァ


ミカサ(今は立ち止まって出来ているが、果たして飛びながら正確に出来るものなのか…?こればっかりはやってみないとわからない)


パシュ


ミーナ(やったぁ!初めて狙い通りの場所に刺せた!)カチッ


ミーナ「え?」グンッ



ミーナは歓喜のあまり、アンカーを抜かずにワイヤーを巻き取るトリガーを引いてしまった

彼女は木に向かって飛び出してしまった



キュイイィィィィン


ミーナ「きゃああぁぁぁぁ!?」


アルミン「ミーナ!?」


エレン「あのバカ…」ダッ


パシュ



彼はすぐさまミーナを助ける為に飛んだ



ギュイイィィィィン



ジャン「は、速っ!?」


ミカサ(やはりあのスピード…エレンは立体機動を完璧にマスターしている…)


ミーナ(あぁ…私はこのまま木にぶつかって死ぬのね…)


ガシッ



彼は木にぶつかる寸前にミーナを掴んで救出した



スタ


エレン「ったく、お前は教官の話を聞いてなかったのか?」


ミーナ「え?あれ?生きてる!?私今、どういう状態?」


エレン「木の枝の上で俺に首根っこ掴まれてぶら下がってる状態だ」


ミーナ「あっ…エレンが助けてくれたのね、ありがと…でもこういう時は普通、お姫様抱っこじゃないの?」


エレン「助けてやったのに注文をつけるんじゃねぇよ……それよりあそこの教官を見てみろ」



キース「……」ゴゴゴゴゴ



ミーナ「………まさに鬼の形相だね」ダラダラ


エレン(俺も怒られるな…)ハァ


エレン「ほら、とりあえず降りるぞ」タンッ


ミーナ「え?ちょっと待って!この高さから着地なんて…」


パシュ



彼は飛び降りた木にアンカーを刺し、地面から1mぐらいのとこで宙吊りの状態になって止まった



エレン「…こういう使い方もあるって覚えておけ」パッ


ミーナ「きゃぁ!」ドサッ


エレン「これは俺からの罰だ…そしてこれから……」チラ


キース「たっぷりと貴様ら二人に罰を与える 覚悟しておけ」


エレン(ですよねー)



その後、彼らは死ぬまで走らされた そして、一ヶ月間トイレ掃除を命じられた

今日はここまで


ではまた今度

そこまで言っていただけるなんて、とても嬉しいです!

>>270 訂正
×ここで重要なのはいかに腰がブレだ
○ここで重要なのは腰のブレだ

他にも細かいミスが結構あります……すいません

腰のブレよかエレンのブレに違和感
捨てたなら関わろうとするなよこのスケコマシ
どうせまた消えるんだろうし

>>284
指摘ありがとうございます 
その辺のブレの理由もこれから徐々に明らかにしていく予定です ネタバレになるのであまり言えませんが、このエレンも「弱い人間」であるということを表現したいんです
ま、スケコマシは否定しませんし、見てればわかると思うんですが、どうせ消えます(笑)

キリが悪いんですが書き溜めた分、投下します


月日が流れ、入団より一年が経過


848年


――食堂――


エレン「そういえば昨日、成績が発表されてたな」


アルミン「うん…僕は下から数えた方が早かったよ」


エレン「ミカサは相変わらず、断トツのトップだったな まったく凄い奴だよ、お前は」


ミカサ「………どうも」


アルミン「でも、何でエレンは順位が低いんだろ?」


エレン「立体機動とか馬術が足を引っ張ってんだよ…今回も40位ぐらいだったからな」


ミカサ「………」


ジャン「だっせぇな、最初のほうは誰もお前についていくことすら出来なかったのに、今じゃお前が俺達についてこれないんだもんな」ゲラゲラ


エレン「そうだな…これからも頑張って、俺との差を広げてくれよ」ガタッ


スタスタ


ジャン「おい、どこ行くんだよ?」


エレン「自主練だ」スタスタ


ジャン「またかよ、休日だってのによくやるな…あいつ、人一倍努力するのに実力が追いつかないんだよな つまり、才能がねぇってことだ」ゲラゲラ


ミカサ「…ジャン」


ジャン「な、なんだミカサ?//」


ミカサ「あなたは何もわかってない……私達、104期訓練兵は例年と違って訓練中の死亡事故が極端に少ない その理由がわからないの?」


ジャン「そ、それは俺達が優秀だからじゃ…」


ミカサ「違う……この間、ダズが立体機動の訓練中に装置が故障して死にそうになった」


ジャン「あぁ、たまたま近くにいたエレンが助けたおかげで死なずにすんだってヤツだろ?」


ミカサ「そう…他にも多くの訓練兵がエレンに助けてもらっている」


ジャン「なっ!?そんな話、聞いたときねぇぞ!」


ミカサ「ええ、事故になる前にアドバイスをして回避させたり、教官に怒られるからと助けたことを口止めしているらしい」


ジャン「じゃ、じゃあどうしてお前はその情報を?」


ミカサ「女子がそんな簡単に口止めできると思うの?」


ライナー「思わないな」


アルミン「説得力が違うね」


ミーナ・クリスタ「それほどでも//」テレ


ユミル「お前ら、そこは照れるとこじゃないぞ」


ジャン「…あいつは皆をフォローする為にいつも手を抜いてるってわけか……」


アルミン「…それは違うと思う エレンは皆のフォローに全力を捧げているんだよ」


ジャン「…気に食わねぇ野郎だ あいつはそんなに偽善者でいたいのか?皆を助けることであいつにメリットなんかねぇだろ?」


ライナー「…じゃあ聞いてみるか、直接本人に」


ジャン「だが、口止めしてるような奴が本音を言うと思うか?」


ライナー「そこは…アルミンがどうにかしてくれるだろう」


アルミン「僕に丸投げ!?」


ライナー(ここはエレンとミカサの関係を修復させるチャンスだろ?)コソコソ


アルミン(な、なるほど!確かにそうだね さすがは皆の兄貴分のライナーだよ)コソコソ


ジャン「なにこそこそ話してんだよ」


アルミン「じゃあ、ある人にエレンの本音を聞いてきてもらおう…それはミカサ、君だ」


ミカサ「…私?」


アルミン「あぁ、エレンも家族にはやっぱり嘘はつけないと思うんだ だから、ミカサしかエレンの本音を聞き出すことは出来ないんだよ」


ジャン「べ、別にいいんじゃねぇか エレンの本音を聞かなくても…」


ベルトルト「そもそも君が話題を振ったんでしょ?」


ミカサ「…わかった、やってみよう」


アルミン(よし!これがきっかけに二人の関係が元に戻ればいいんだけど…)


ユミル「……」


___________________


シュッ シャッ シュシュシュッ


エレン「ふぅ…シャドーもこれぐらいにしておくか」


ザッ


ミカサ「……」


エレン「ミ、ミカサ!?どうした、俺になんか用か?」


ミカサ「………」


エレン(…やっぱり一年たった今でも、二人きりだと口を聞いてくれないか)


ミカサ「…どうして」


エレン「え?」


ミカサ「どうしてあなたは訓練中に立体機動のスピードをさげてまで、他の人を助けているの?」


エレン「いや別にそんなつもりは……」アセアセ


ミカサ「言い訳はいらない、これは紛れも無い事実」


エレン「……」


ミカサ「…理由を言って」


エレン「………理由は簡単だ もう、俺の目の前で…人が死ぬのは見たくないだけだ」


エレン(父さん、おじさん、母さん…それに口減らしで死んでいった人達のように……)


ミカサ「…それは綺麗ごと 弱い人間は直ぐに死ぬ、これが現実 あなたが教えてくれたことでしょ?」


エレン「あぁ…」


ミカサ「あなたは私に強くなれと言った、弱い私は守ってくれないと言った……」


エレン「そ、それは…!!」


ミカサ「なのにあなたは弱い赤の他人を守ってる……どうして?私とお母さんは守ってくれなかったのにどうして?」


エレン「………すまない」


ミカサ「…どうして私達を見捨てたの!?どうして私を一人にしたの!?」



彼女は声を荒げて、感情を爆発させた



エレン「ミカサ……」


ミカサ「どうして今頃になって私の前に現れたの!?それなら…それなら……」



そして、思ってもいない言葉が彼女の口から出てしまった



ミカサ「現れないでくれたほうが良かった!!」


エレン「!!」


ミカサ「あっ…」ハァ ハァ


エレン「……そうだよな…俺が自分勝手すぎたよ……ごめんな、ミカサ」スタスタ


エレン(………元気でな)


彼はその場から立ち去った



ミカサ(ち…違う……今のは本当の私の気持ちじゃない……)


――物陰――



ジャン「お、おい…大事になってんぞ」


ライナー「作戦失敗か…いや、一応本音は聞けたが…二人の間の溝をさらに深くしちまったかもな」


サシャ「それより…ミカサがあんなに声を荒げるところ、初めて見ましたよ」


アルミン「良くも悪くも、ミカサにとってエレンは本音を言える唯一の存在なんだよ……」


ユミル「……お前はそれでいいのか?」


アルミン「え?」


ユミル「いや…何でもない」


クリスタ「そ、それよりどうしよう!?どうすれば仲直りできるのかな!?」アセアセ


ユミル(…しょうがねぇな あいつには借りがあるしな)


ユミル「ミカサは私に任せな…仲直りできるかは知らんが助言ぐらいはしてきてやるよ」


アルミン「本当に!?…でも、何でユミルが?」


ユミル「まぁ、恩返しみたいなもんだ……それより私だけでいいから、あいつらの関係を話せる範囲で教えろ」


アルミン「え!?で、でも……」


ユミル「今は躊躇している時じゃねぇだろ?秘密は絶対に守るから安心しな」


アルミン「…うん、わかった」



アルミンは彼女に何故エレンがミカサに嫌われているか話した


ユミル「なるほど……親父さんが殺された後にエレンがミカサ達を置いていなくなったのが原因か……思ったよりも根が深そうだな」


アルミン「ミカサはおばさんを亡くしてから一回も笑わなくなった……もし、彼女の笑顔を取り戻せる人がいるのなら、それはエレンしかいないんだよ…」


ユミル「…いいのか?お前はわざわざ敵に塩を送っているんだぞ?」


アルミン「敵って……」


ユミル「違うとは言えないだろ?だって、お前はミカサのことが…」


アルミン「いいんだよ…ミカサが幸せになってくれるのなら、横にいるのが僕じゃなくても…」


ユミル「ふ~ん……まっ、お前が納得してんだったら別にいいが……後悔だけはしないようにしろよ?」


アルミン「う、うん……ユミルって意外と優しいんだね」


ユミル「意外って…失礼だな、お前 じゃあ、私はみんな大好きミカサちゃんをなだめてきてやるか」


アルミン「ユミル…」


ユミル「ん?」


アルミン「ありがと…」


ユミル「…へっ、まだ何もしてねぇよ」スタスタ



___________________



ミカサ(あぁ…私は何て酷いことを言ってしまったのだろう……)ズーン


ユミル(……見事なまでに落ち込んでいやがるな…ったく、めんどくせぇな)


ユミル「おい、暫定主席さんよ」


ミカサ(エレン……)ズーン


ユミル「」イラッ


グリグリグリグリ!


ミカサ「……何故、あなたは私にぐりぐり攻撃をしているの?」


ユミル「…痛くねぇのか?」グリグリグリ


ミカサ「痛い…凄く痛い……」


ユミル「それは頭か?それとも……心か?」グリグリグリ


ミカサ「…両方」


ユミル「……とりあえず私の話を聞いてくれるか?」


ミカサ「ええ…」


ユミル「お前はあいつにさっき現れないほうが良かったって言ったよな?あれは本心じゃないんだろ?」


ミカサ「………」


ユミル「…今は嘘をつくなよ 真剣な話をしてんだから」


ミカサ「…そう、ついカッとなって言ってしまった 本心ではない…」


ユミル「やっぱりか……本当はあいつに会えて嬉しいんだな?」


ミカサ「……」コクッ


ユミル「お前とあいつの関係をある程度アルミンから聞いた」


ミカサ「そう…」


ユミル「…実は私は3年前にあいつに命を助けてもらったことがある」


ミカサ「!!」


ユミル「その時、あいつは一人で戦っていた…何と戦っていたのかは知らねぇがな 
だからおそらく、お前をおいて出てった時からあいつは戦っていたんだと思う…」


ミカサ「……」


ユミル「それで私はあいつに聞いたんだ、『お前は何の為に戦ってんだ?』ってな そしたらあいつは『俺は俺自身の為に戦っている』って言いやがったんだ」


ミカサ「エレン自身の為……」


ユミル「その後すぐにあいつと別れたんだが、あいつは正直ここにいなくてもいい存在だ……お前もあいつが普通じゃねぇってことぐらい、立体機動とかを見りゃわかってんだろ?」


ミカサ「……」コクッ


ユミル「そんなあいつがここにいるのが、私は不思議でしょうがなかった…だが私は初日にあいつがここに来た理由がわかった それは…お前に会うためだ」


ミカサ「………」


ユミル「その時、あいつの戦う理由も自分の為って言っていたが…お前と亡くなったお袋さんの為だったんだと気がついた……
あいつにとって家族とは自分の全て…つまり、あいつは家族の為に3年間戦ってきたんだ」


ミカサ「家族の…為」


ユミル「…私は別にお前とあいつの関係を元に戻したいと思っちゃいない…だが、あいつは戦いをやめてまでお前に会いにきたんだ だからせめて、あいつがお前を見捨てたとは思って欲しくねぇんだよ」


ミカサ「………」


ユミル(ダメか…?)


ミカサ「…そんなエレンに……家族である私は何て酷いことを……」


ユミル「そう思ってんなら素直に謝れ そうすればあいつは直ぐに許してくれるさ」ワシャワシャ


ミカサ「……ありがとう、ユミル」


ユミル「これで貸し一だからな しっかりと見返りを貰うぞ?」


ミカサ「…ええ、私にできることなら何でもする」


ユミル(そうだ、アルミンも貸し一にしておこう…)ニヤリ


タタタタタタッ
      ザッ


コニー「た、大変だ!!エレンが訓練所を出て行きやがった!!」


ミカサ・ユミル「!!」


ユミル「それは本当か、バカ!?」


コニー「本当だ、ブス!!」


ミカサ「ユ、ユミル…どうしよう」オロオロ


ユミル「とりあえずアルミン達と合流するぞ!」ダッ


――食堂――


ユミル「どうなってんだよ、ただの外出じゃねぇのか!?」


アルミン「違うみたい…僕達がエレンを探している時に教官室に行っていたらしく、僕達が食堂でエレンが来るのを待っていたら、部屋にいたマルコやコニー達に『俺、ここを出て行くわ』って言って荷物を持って出ていったらしいんだ」


マルコ「ごめんね…突然のことで止めることができなかったよ」


ミカサ「私のせいだ……私がエレンに酷いことを言ったから……」ポロポロ


ジャン「ミ、ミカサのせいじゃねぇよ!全てあいつが……」


アルミン「僕がミカサに頼んだのが発端だけど、間違いなくミカサ…君の発言のせいだよ」


ジャン「アルミン!?テメェ…!!」


アルミン「だからこそ君が連れ戻さないといけないんだ!こんなところで泣いている場合じゃないだろ!!」


ユミル「アルミン…」


ミカサ「…アルミンの言うとおり……私はまた、選択を間違えるとこだった」ゴシゴシ


アルミン「大丈夫…いつでも僕が正しい選択を教えてあげるよ」ニコ


ミカサ「…本当にありがとう、アルミン」


ジャン(くそっ…俺はミカサにいいとこを見せたいと思ってるだけで、ミカサの為を想って行動や発言をしていなかった……自分が情けねぇ)ギリッ


ベルトルト「だけどエレンがどこに行ったのか、手がかりも無しに探すなんて無茶だよ?」


アルミン「せめてエレンが行きそうなとこがわかればいいんだけど…」


ジャン「あの野郎、休日はいつも訓練場で自主練してるからな…」


ユミル(あいつの行きそうなところ…まさか……調査兵団本部か?)


ガチャ


キース「…お前ら、休日だからといって騒がし過ぎるぞ」


アルミン「き、教官!」


ミカサ「…教官、エレンが訓練兵をやめるというのは本当ですか?」


キース「やはりもう噂になっているか……あぁ、本当だ…だが、正式な書類はまだ書いていないから、正式な除隊は明日になるだろう」


ミカサ「…では、書類を書くのをやめてください そして、エレンの行き先を教えてください、連れ戻してきます」


キース「…ならん、除隊は本人の意思を尊重する 本人が除隊を取り消すと言わない限り、私は書類を書き、イェーガーを除隊させる」


クリスタ「そ、そんな…」


キース「…お前らは休日にもかかわらず、兵舎を走り回ってうるさくしたな」


ジャン「なっ!?そんなにうるさく走ってはいなかったはず……!!」


キース「言い訳は聞かん よって今、この場にいる11人には罰を与える!これから調査兵団本部に行ってハンジ・ゾエ分隊長から荷物を預かってこい!!」


ユミル「!!」


ライナー「調査兵団本部にですか!?」


キース「あぁ…遅くなってもかまわんから、今日中に…必ずだ」


アルミン「!!…わかりました、今すぐ行ってきます!」バッ


コニー「何言ってんだよ、アルミン!それじゃあ、エレンを探す時間が無くなっちまうだろ!?」


マルコ「いや、アルミンの言うとおり、すぐに向かおう」


ジャン「…そういうことか」


サシャ「どういうことですか?」


ミカサ「…ありがとうございます、教官」ペコ


キース「私はただ罰を貴様らに与えただけだ……早く荷物を取りに行ってこい」


ミカサ「ハッ!」バッ



そして、彼らは調査兵団本部へと向かった

今日はここまで


本部に向かってるのはアニを除く主要メンバー+ミーナです


ではまた

>>1でコテがじょうじになってたけど、もしかしてテラフォとのクロス書いてた人?

レスありがとうございます!
>>316
そうです、ゴキブリを書いた人です 少し長めのssを二つ掛け持ちはさすがに悪いと思いまして、こっそりやる為にコテをトリに変えてやってました
しかも今はコテ(じょうじ)の方を放置中ですし、他にも名無しで何個か完結させてます……最低ですね、すいません
でもまだ一個もエタらせてないですし、いつも締めから考える派なので絶対に完結させます!そこだけはご安心を

少し長くなりましたが、今日の分を投下します


タタタタタタッ


ライナー「でも、何でエレンは調査兵団の本部にいるんだ?」


コニー「え?エレンは調査兵団本部にいるのか!?」


サシャ「どうしてわかるんですか!?」


ジャン「さっきの教官の話を聞いてればわかるだろ、普通は……って、お前らは普通じゃなかったな」


クリスタ(……私も普通じゃなかったんだ)シュン


ユミル(ジャン…あとでシメる)


ミカサ(エレン…エレン………)ギュ



彼女はマフラーを握り締めながら走っている



アルミン「…大丈夫だよ、ミカサ また昔みたいに戻れるよ…きっと」


ミカサ「……うん」


マルコ「そろそろ着くよ、みんな」


ベルトルト「ん?あそこにいるのは……アニ!?」


オーイ!アーニ!


アニ(え?あんな大人数で何してんの、あいつら?ていうか恥ずかしいから大声で呼ばないで欲しいんだけど……)


ザッ


ミーナ「アニ!こんなところで会えるなんて…これも運命ってやつだね♪」


アニ「……で、あんたらはこんな大人数でなにしてんのさ?」


ミーナ「スルー!?」


マルコ「実は……」


カクカクシカジカ


アニ「…なるほど、だからあいつはあんなに落ち込んでいたのか」


ミカサ「エレンを見かけたの!?」


アニ「あぁ…珍しく街で見かけて、かなり落ち込んで歩いていたから跡をつけたんだ そしたら調査兵団の本部に入ってったよ…平然と裏口からね」


ベルトルト(…つまりエレンは調査兵団に関わりを持っている……しかも裏口を知っているということは表立った関係じゃないということだ……エレン、君は一体…)


ライナー「…じゃあ、あいつを連れ戻しに行くか」


ミカサ「ええ、急ぎましょう」


アニ「…じゃあ頑張んなよ」スタスタ


ミーナ「えー、アニも一緒にエレンを連れ戻しに行こうよ」


アニ「何で私が…」


ユミル「相変わらず冷めてんな」


アニ(しょうがないでしょ……情が移らないように、休日だってできるだけ人と会わないようにしてんだから…)


ライナー「ほら、アニも行くぞ 俺達は仲間だろ?」


アニ「はあ?」ギロッ


ミーナ「ほら、女の子がそんな汚い言葉と眼光を使っちゃダメだよ」グイグイ


アニ「ちょっと引っ張らないでよ!」


「おい、お前ら こんなところで何騒いでんだ?」


アルミン「す、すみません!調査兵団の方ですか?」バッ


オルオ「おう、そうだ お前らは……訓練兵か?」


アルミン「は、はい、そうです!」


ミカサ「…エレンに会いに来ました、会わせてください」


オルオ「エレン?…いや、そんな奴知らねぇな」


ミカサ「嘘、そんなはずはない」


オルオ「何だてめぇ…訓練兵の分際でこのオルオ・ボz―ガチンッ!


クリスタ「きゃあっ!!だ、大丈夫ですか!?」


ペトラ「あっ!ちょっと、オルオ また舌を噛み切ったの?」


クリスタ「早く手当てをしないと…」アセアセ


ペトラ「大丈夫よ、いつものことだから それより…あなた達は?」


ミカサ「私達はエレンに会いに来ました」


ペトラ「エレン?……聞いたことない名前ね 少し調べてみるわ」


アルミン「ちょっと待ってください!エレンっていうのは僕達の同期なんです」


ペトラ「…ってことは調査兵じゃなくて訓練兵?そのエレンって子がここにいるの?」


アルミン「はい、そのはずなんですが…そうだ!キース教官から連れ戻すように頼まれているので、ハンジ・ゾエ分隊長に聞けばわかると思います」


ペトラ「ハンジ分隊長か…ちょっと待っててね、部下がそこいるから聞いてみるわ」タタタタッ


ジャン「どういうことだ…?あいつはここに出入りしてたわけじゃねぇのか?」


アルミン「わからない…もしかしたら………」


タタタタタタッ


モブリット「君達がエレン君の同期かい?」


アルミン「ハ、ハイ!」バッ


モブリット「キース教官から頼まれたって本当かい?」


アルミン「はい、エレンを連れ戻すように言われました」


モブリット(キース元団長は何でこの子達をよこしたんだろうか?…とりあえず、エレン君の正体がバレる危険性もあるからどこかで待たせておくか)


モブリット「じゃあ、僕についてきてくれ」


アルミン「ハッ!」バッ


――調査兵団本部 食堂――


ライナー「…遅いな」


ミカサ「…やっぱり探しにいく」ガタッ


アルミン「ミカサ、落ち着いて きっと大丈夫だよ」


サシャ「でほ、なんへえへんのことをしはないひとたちがいたんへしょほか?」モグモグ


ジャン「テメェはなにのんきに飯を食ってんだよ!ていうか飲み込んでから話せ!!」


アルミン「それはきっと分隊長クラスの上官しか、エレンの存在を知らないんだと思う…」


ミーナ「そのまま進めるの!?」


ベルトルト(アルミンの言うとおりだと…エレンは調査兵団にとって相当重要な人物ってことになるな…)


ガチャ


ハンジ「やあ、訓練兵の諸君、こんにちは 私が分隊長のハンジ・ゾエだ」


バッ!


ハンジ「あぁ、直っていいよ」


ミカサ「いきなりで失礼ですが、エレンはどこですか?」


ハンジ「…君がミカサだね」


ミカサ「はい」


ハンジ「ふぅ~ん…思ったよりも綺麗な子だ、エレンも隅に置けないな」ボソッ


ミカサ「はい?」


ハンジ「あぁ、何でもないよ じゃあエレンのとこに連れて行ってあげるからついてきて」


ゾロゾロ


アルミン「あの~…ハンジ分隊長達とエレンの関係って何なんですか?」


ハンジ「…ごめんね、機密事項だから教えられないんだ」


ベルトルト(ますますエレンの正体が知りたくなってくるよ…)


ハンジ「でも……いつかは全て話すことができると思う だから、それまで待っててね」


アルミン「…はい」


ハンジ「それより…さっきまでエレンと話していたんだけど、ミカサは本当にエレンと会いたくなかったの?」


ミカサ「いえ、違います……本当は…会えて嬉しかったんです」


ハンジ「そう…ならよかった 実は私達が半ば無理矢理に彼を訓練兵にさせたんだよ」


アルミン「え?どうしてですか?」


ハンジ「詳しくは話せないんだけど、私達は彼に何かしてあげたくてね それで彼に望みを聞いたんだ、そしたら…『家族に会いたい』って言ってね」


ミカサ「………」


ハンジ「彼はそれでも頑なに君に会おうとしなかった…その理由も重々理解できたけど、私達は彼に内緒で訓練兵の志願書を出したんだ」


アルミン(エレンの為にそこまでするなんて……ハンジ分隊長達にとってエレンとはどんな存在なんだろう…?)


ハンジ「……そろそろ彼に気づかれないように、足音を立てないように歩いてね」


マルコ「何故、エレンに気づかれないようにするんですか?」


ハンジ「君達は…エレンが君達のことをどう思ってるか知りたくないの?」ニヤリ


ジャン「お、俺は別に…」


ミーナ「めちゃめちゃ知りたいです!」


ライナー「…確かに知りたいな」


ハンジ「そうでしょ?と、いうことで皆の名前を教えてね そして私が部屋に入ってエレンに質問するから、それを盗み聞きしちゃうという作戦だよ」ドヤッ


クリスタ「エ、エレンに悪いですよ」


ハンジ「気にすることないさ どうせエレンは皆の前では本音を言おうとしてないでしょ?それにこれは君達にエレンのことを知ってもらう、いい機会なんだよ」

今日はここまで


いつもと違って3分割ぐらいで投下しているんですが…やっぱりキリが悪くて嫌ですね
次の投下の後からは、また一週間に一回投下ぐらいのペースでやっていきます

ではまた

明日テストなのに読んじゃったじゃないか(憤怒)

やっぱりじょうじさんだったか!リーの方を更新して無い理由がわかったよ。どっちも期待してるよ~!



特にいつも話の終わらせ方が上手いので期待のハードルを上げときますね(ゲス顔)

レスありがとうございます!
>>334
ご愁傷様です(笑)

>>335
そのハードルはくぐってもいいんですよね?(ゲス顔)


では続きを投下していきます


――団長室――


エルヴィン「本当に訓練兵をやめたいと思っているのか?」


エレン「はい……」


エルヴィン「そうか…」


エレン「これからはまた、薬の開発の手伝いをします 壁外に薬草を取りにいくのは危険ですからね」


エルヴィン「…実は壁外調査で一つだけ、問題が起きた」


エレン「問題?」


エルヴィン「先日、壁外調査に出た一小隊が全滅した…それ自体は別に珍しいことではないが、一人の兵士が手帳を…戦果を残してくれたんだ その中に奇妙なことが書かれていてね」


エレン「…何ですか、それは?」


エルヴィン「見てもらったほうが早い…」パラ



エルヴィンはイルゼ・ラングナーの戦果を彼に見せた


___________________


私はイルゼ・ラングナー  第34回壁外調査に参加


第二旅団最左翼を担当  調査中、謎の巨人に遭遇


その17m級巨人  全身が毛で覆われており、まるで獣


所属班の皆もその異形な姿に畏怖  直ぐに撤退


しかし驚くことにその獣の巨人  他の巨人を呼び寄せた 


まるで統率されているように巨人が襲ってきた  そして皆食われた  


私は奇跡的に逃げることが出来た  逃げる際に獣の巨人に驚愕


喋った  巨人がはっきりと人語を喋ったのだ


『壁が壊れてない』  『あいつら何やってんだろう?』  


『もしかして裏切った?』  『まぁ、あと二年ぐらいは様子見て、ダメだったら…』


『一気に滅ぼしちゃうか』


恐怖で手が震える  明らかに知能を持っており全ての元凶にさえ感じた


この事実を早く壁内に伝えなくては  馬も失い壁内に向かって走る


生き延びる可能性はほぼ不可能  だが私は最後まで戦い抜く


少しでも壁内に近づく  この手帳を見つけてもらう可能性を少しでもあげる為に


私は死をも恐れぬ人類の翼、調査兵団の一員  私は決して屈しない


私は屈しn


___________________



エレン「……凄い人ですね」


エルヴィン「あぁ…こんなにも芯の強い兵士を部下に持てて、私は幸せものだ」


エレン「獣の巨人……か」


エルヴィン「巨人の姿で喋る獣の巨人……前に君が言っていた巨人のことなのか?」


エレン「それはありえません だって……あの巨人は俺が殺しましたから…」


エルヴィン「ではこの巨人は別者か……」


エレン「恐らくは戦士に指示をして、壁を破壊させた張本人だと思います
それより……他の巨人を呼び寄せたってとこが気になりますね」


エルヴィン「もし本当に、無知性の巨人を操ることが出来たら…」


エレン「厄介ですね…」


エルヴィン「それに…壁内に侵入した戦士は、本当に君のお父さんみたいに寝返ったのか?」


エレン「まだわかりません…」


エルヴィン「…とりあえず我々はシガンシナ区の護衛をさらに強化していくつもりだ」


エレン「じゃあ俺は……壁外にあると思われる、奴らの本拠地に向かいます…そして、この争いを止めてきます」


エルヴィン「駄目だ、場所もわからず成功率が低い それに……君の死ぬリスクが高すぎる」


エレン「でも…」


エルヴィン「それ以前にこの戦果からもわかるように、あちら側は確実に壁内人類を滅ぼそうとしている 巨人化を解く薬が完成していない状況では、話し合いに応じてくれないだろう」


エレン「じゃあ……時間がありませんから、急いで薬を完成させましょう」


エルヴィン「あぁ、もちろん薬の開発は急がせる だが、それを君に手伝ってもらう気は無い」


エレン「どうしてですか!?」


エルヴィン「君は今、訓練兵だろ?ちゃんと卒業してからここに戻ってきなさい」


エレン「でも、俺はもう……」


カツカツカツ


エルヴィン(やっとハンジが来たか…モブリットからおおよその話は聞いたが、エレンの仲間達が来ているらしいからな…彼の正体をバレないようにしないと…)


エルヴィン「エレン…モブリットが言うには、これから本部に多くの人が出入りするそうだ だから今から君の正体や獣の巨人の話などの機密事項は伏せるようにしてくれ」


エレン「…わかりました」


コンコン
    ガチャ


ハンジ「いや~ごめんね、エレン ちょうど今、キースさんから早馬で連絡が来たよ」


エレン「キース教官からですか?」


ハンジ「うん、『今日までなら書類の破棄は認める』だってさ」


エレン「……俺は破棄するつもりはありませんよ」


ハンジ「まぁまぁ、まだ時間があるんだからゆっくり考えればいいよ……それより、今期は優秀な人材が多いって聞いているけど、エレンは彼らのことをどう思ってるの?そうだな…例えばライナーって子とか?」


エレン「何でハンジさんがライナーの名前を知っているんですか?」


ハンジ「ちょくちょくキースさんから情報を頂いててね いい子がいたら調査兵団に勧誘しようと思ってたんだ」


エレン「そうですか……ライナーは頼りになる奴で皆の兄貴分なんです 見た目も同期に見えないんですよ」ハハハ


ガタッ!


エレン「ん?」


ハンジ「モブリットから聞いてないの?人の出入りが多くなるって言ってたでしょ?きっと誰かが壁にぶつかったんじゃないかな」ハハハ…


エレン「そうですか?……でライナーですけど、指揮能力もあり冷静な状況判断も出来るいい兵士ですけど、少し正義感が強すぎて他人の為に無茶をし過ぎることがありますね
それに皆がライナーを頼るから、あいつが壊れてしまいそうな時があります…だからもし、あいつが調査兵団に入ったら助けてやってください」


ハンジ「…でも、訓練所で壊れてしまうこともあるでしょ?」


エレン「それは大丈夫だと思います あいつの傍にはいつも、ベルトルトがついていますから」


ハンジ「ベルトルトって子も確か成績上位者だよね?」


エレン「はい、あいつも優秀な兵士です 何でもそつなくこなしますが、ライナーと違っていつも皆と距離を置いているんですよ まるで自分の気持ちに嘘をついてるかのように…」


エルヴィン「…つまり本音は距離を置きたくないということか」


エレン「はい…あいつを見てると昔の自分を見てるみたいで、何とか助けてやりたくなるんですけどね……
でも、あいつもきっと大丈夫だと思います ライナーとベルトルトはお互いに足りない部分を補いなっているので、この先にどんな困難があっても二人で前に進むと思います」


ハンジ「ふ~ん…」


エレン「まさに……お似合いの夫婦です!」ハハハ!


ガタッ!  ガタッ!


エレン「…外が騒がしいですね」


ハンジ「少し注意をしてくるよ……」スタスタ


ガチャ


ハンジ「ちょっと!少しは静かにしてよ!」


ライ・ベル「す、すいません」シュン


ハンジ「もし今度うるさくしたら……人体実験のモルモットになってもらうからね」ニヤリ


一同「」ガクガク


ハンジ(まぁ、嘘だけどね これで少しは静かになるでしょ)


バタンッ


ハンジ「注意(脅)してきたよ…それよりエレンは最初の方で罰則を受けたんだってね」


エレン「あぁ、ありました ミーナって奴がドジをしましてね」


ハンジ「王子様のように助けたって聞いたけど?」


エレン「そんなの嘘ですよ どちらかと言うと悪さをした子供を懲らしめるように助けました」ハハハ


ハンジ「彼女に恋愛感情とか無いの?」ニヤニヤ


エレン「まったく無いです あいつは明るくてとても気が利く奴ですけど、そういう目で見たときありません」キッパリ


ガタッ!


ハンジ(今のはしょうがないか……エレンのことが好きじゃなくても、ここまで言われたらショックだもんね)


ハンジ「…じゃあ他の女の子は?例えばアニって子とかユミル、クリスタとか…」


エレン「何でハンジさんがそいつらのことを聞くんですか?」


ハンジ「だ、だから成績がいい子はキースさんから聞いてるんだってば」アセアセ


エレン(怪しい……)


エレン「みんなを恋愛感情で見たときなんてありませんよ」


ハンジ「ちぇっ、つまらないの……じゃあせめてどんな子達なのか教えてよ」


エレン「そうですね ユミルは……性格が捻くれてます」


ガタッ!


ハンジ(あの子達……)イラッ


エレン「ま、そこがあいつの良いとこでもあるんですけどね 兵士としても冷静な状況判断が出来ますし、仲間を想う優しさも持っています…捻くれているけど」


ハンジ「まずまずの評価ってとこか……アニって子は?」


エレン「アニは兵士としては一流です 訓練はサボりがちなんですが、立体機動の斬撃や高い格闘術も持っています……けど、ベルトルト以上に人と距離を置いています」


ハンジ「へぇ~…エレンは何でだと思う?」


エレン「正直わかりません…ただ、ベルトルトは俺のように自分の本性を隠しながら人と接している感じがするんですが、アニは逆でそういうことが出来ないからこそ他人との接点を無理矢理無くしている感じがします…恐らくアニは純粋なんだと思います」


ハンジ「ふ~ん……じゃあ次はクリスタだね」


エレン「まだやるんですか?」


ハンジ「いいじゃんいいじゃん!久々に会ったんだからいっぱい話を聞かせてよ!」プンプン!


エルヴィン(アラサーがやると……正直キツイな)


エレン「わ、わかりましたよ…クリスタはとても優しい良い子ですけど……危なっかしいとこがありますね」


ハンジ(そんな感じには見えないけど…)


エレン「クリスタは昔の俺と一緒で、人助けをすることで自分の存在価値を見出しているんですよ……でも、違うところもあります」


ハンジ「違うとこ?」


エレン「あいつは自分で死にたいと思ってるように感じるんです……どんな過去があったか知らないが、俺はあいつに教えてやりたい……命の重さを…生きるという素晴らしさを…」


エレン「……そういえば食堂で所属兵科を聞かれたときに調査兵団って答えたんですが、ジャンって馬面の奴が俺のことを『死に急ぎ野郎』なんて言うんですよ?その時思いましたよ…俺にピッタリな名だなって!」ハハハ


ハンジ「エレン……笑えないよ」


エレン「…そのジャンは利己的な考えを持つ奴ですね そのせいか他人と軋轢を生みやすい性格をしてます」


ハンジ「エレンはジャンとは仲が悪いの?」


エレン「そうですね、かなり悪いほうです……でも、あいつのこと嫌いじゃないですよ?それに俺はあいつが一番調査兵団に必要な人材だと思ってます」


エルヴィン「そんなに優秀な人材なのか?」


エレン「今はまだまだですけどね 状況判断、戦術理解に優れていて、頭の回転も速い…あとは経験さえ積めば良い指揮官になると思いますよ」


エルヴィン「指揮官は時には仲間を切り捨てることもある…彼にそんなことが出来るのか?」


エレン「時と場合にもよりますが……基本的に出来ないと思います あいつは自己中心的な考えの持ち主ですが、仲間を見捨てるようなことはきっと出来ません でも俺は…これからはそういう指揮官が必要になると思うんです」


エルヴィン「…そうだな 平和な時代なら、私みたいな指揮官は必要ないな」


ハンジ「ええ、必ず実現しよう…私達みたいな者が上に立たない時代を、私達の手で…」


エレン「その為にもあの薬を―ハンジ「そ、それより他の子は!?例えば…マルコって子とか?」アセアセ


ハンジ(あっぶねぇ、完全に油断してたよ……外の子達に聞かれたかな?)


エレン「マルコですか…あいつも指揮官向きですね 頭も良く、ジャンとは違って仲間からの信頼が厚いですし でもマルコとジャンは憲兵団志望なんです、他の奴らも基本的に……本当は憲兵団なんかには行ってほしくないんですけど…」


エルヴィン「…まだ、憲兵団が憎いか?」


エレン「はい…王政府と憲兵団だけは絶対に許せません」ギリッ


エルヴィン「そうか…」


ハンジ「…他に成績上位者だとコニーとサシャって子がいたね」


エレン「あいつらは本当のバカですよ」ハハハ


エレン「でも、愛すべきバカって奴ですね とってもいい奴らで、二人がいるだけで場が和むんですよ
兵士としても優秀で、二人とも狩猟民族なので身のこなしが軽く、立体機動も型にはまってないんです」


ハンジ(あと聞いてないのは…アルミンって子とミカサだけか)


ハンジ「エレンはアルミンって子と一番仲がいいって聞いたよ」


エレン「はい、自分で言うのもあれですけど、本当に仲がいいです それにアルミンは凄い奴で、とにかくずば抜けて頭が良いんですよ そして、アルミンは俺に夢を与えてくれました……叶えることは不可能ですけどね」


エルヴィン「…どんな夢なんだ?」


エレン「じゃあ、エルヴィン団長とハンジさんにも教えてあげますよ……外の世界の魅力を!!」


30分後…


エレン「――があるみたいなんです!それから……」キラキラ


エルヴィン(……ハンジ、そろそろ止めてくれ)ヒソヒソ


ハンジ(でも、あんなキラキラした目のエレンなんて見たときないし、それに……まるで普通の子供みたいじゃないか)ヒソヒソ


エルヴィン(確かにな…)


エレン「あっ……す、すいません!ベラベラと長く話しすぎました!」ペコ


ハンジ「いいって、そんなに楽しそうに語るエレンなんて初めてみたから……いや、前にもあったね」


エレン「え?自分で言うのもあれですけど…そんなことありましたっけ?」


ハンジ「…家族のことを話していたときだよ」


エレン「あぁ…なるほど」


ハンジ「じゃあ、最後に…3年ぶりにあったミカサはどうだった?」


エレン「変わっていました…いえ、俺がミカサを変えてしまったんです……昔は喜怒哀楽が顔を見ればすぐわかるぐらい表情がコロコロ変わる奴でした でも今ではほとんど無表情で、感情を無くしてしまったようにさえ感じます…母さんのように長い黒髪も切っていましたし……それもこれも全部、俺のせいです」


ハンジ「…彼女はそう思ってないんじゃないのかな?」


エレン「いえ、あいつもそう思ってるはずですし、たとえ思ってなくても俺のせいなのは事実ですから……
でも、この一年間は楽しかったです 初めて友達ができたし、それに…ミカサと一緒にいることができましたから…もうこれで、俺の我侭はお終いです これで悔いなく―ミカサ「それでまた、私の前からいなくなるの?」


エレン「ミ、ミカサ!?何でここに!?」


ハンジ「エレンを連れ戻しに来たんだよ それに彼女だけじゃない…」


ゾロゾロ


エレン「お前ら……」


アルミン「エレン…帰ろうよ」


サシャ「そうですよ!早く帰ってご飯を食べましょうよ!」


コニー「お前はさっき食ってたろ!!」


ライナー「エレン…もうミカサも怒ってないから帰るぞ」


エレン「……いや、帰らない」


ジャン「なに子供みたいに駄々こねてんだよ…とっとと戻るぞ」


エレン「お前らだけで帰れ…俺は元々、あそこにいちゃいけない存在だったんだ 戻ったとしても、またミカサを、お前らを悲しませることになる……だから、これが正解なんだよ」


ハンジ「エレン…」


ミカサ「………」スタスタ


ギュッ



彼女は彼に近づくと、そのまま抱きついた


ジャン「¥ky#j$%p?&」


マルコ「ジャン…言葉になってないよ」


エレン「ミ、ミカサ……」


ミカサ「………」ス…


そして彼女は優しく…



ミカサ「ふんっ!」シュッ!


ズドンッ!!


エレン「ごッ……ハッ!!」ガクッ



ボディに拳を突き刺した


アニ「…ナイスボディ」


ミーナ「見てるだけで痛いよ…」


ベルトルト「あの僅かな隙間から、あそこまで強烈なボディを打つなんて…」


ライナー「エレンの体が綺麗にくの字に曲がったぞ…」


ミカサ「…では、2年後に今度は調査兵として会いにきます 失礼しました」ヨイショ



彼女は彼を担いで部屋を出て行った



エルヴィン「…これは調査兵団に入団希望ってことでいいだよな?」


ハンジ「あぁ…そうだね 頼もしい限りだよ」


アルミン「ぷっ、ミカサらしいや!」ハハハ


マルコ「そうだね」ハハハ


クリスタ「ほら、ユミル!いつまでも笑ってないで私達も戻るよ」


ユミル「だって!あ、あそこは普通、愛の告白か何かで引き止めるとこだろ?ぶ、物理的って!」ゲラゲラ


___________________


アルミン「ハンジ分隊長、本当にご迷惑をお掛けしました」ペコ


ハンジ「別に迷惑は掛かってないよ、私も楽しかったしね それより…君達に言っておきたいことがある」


アルミン「何ですか?」


ハンジ「エレンと出会ったことで、これから辛いことがあるかもしれない……でも、彼と出会ったことを後悔することは絶対に無いと思うんだ だからこれからも…最後まで彼のことをよろしくね」


ミカサ「…もちろんです」


アルミン「辛いこともみんなで乗り越えてみせます もちろんエレンも一緒にです」


ハンジ「そう…エレンはいい仲間を持ったね あっ!あとミカサにだけ一つ良いことを教えてあげるよ、ちょっとこっちに来て」ニヤリ


ミカサ「…わかりました ライナー、エレンを持ってて」ヒョイ


ライナー「お、おう」


ゴニョゴニョ


サシャ「なに話してんでしょう?」


アニ「さぁ?ていうか早く帰りたいんだけど…」


コニー「おっ、終わったみたいだぞ」


ミカサ「///」スタスタ


アルミン「あれ?ちょっと頬が赤くない?」


ミカサ「そ、そんなことはない ライナー、エレンを返して 私が持つ」


ライナー「お、おう…」ヒョイ


ハンジ「じゃあ皆、卒業したらぜひ調査兵団に入団しなよ 今なら安くしとくからさ」フリフリ


ユミル「最後に勧誘かよ しかも安くって…入団費を取るのかよ」


マルコ「さて、訓練所に戻ってエレンを説得しないと」


ジャン「書類を破棄するまで、柱に縛り付けておけばいいんじゃねぇか?」


ミーナ「酷い!?」


ミカサ「…それもいいかもしれない」


ジャン「だ、だろ!!」パアァ


ミカサ「でも……まずは二人きりで話をさせて欲しい」


――訓練所――



エレン「ぅ…う~ん……うん?ここは…」


ミカサ「…やっと起きた」


エレン「ミ、ミカサ!?…ってお前!あれはさすがに酷いだろ!!」


ミカサ「あなたがいつまでも駄々をこねてたから ので、私は悪くない」


エレン「理不尽!?」


ミカサ「でも……あなたに酷いことを言ったのは、私が悪い…ごめんなさい」ペコ


エレン「いいって…事実だからな」


ミカサ「…あなたのことを少しは憎んでいることは事実 どんな理由があろうと私達を捨てたのだから……」


エレン「あぁ…」


ミカサ「…でも、私はそれ以上にあなたに会えて喜んでいた」


エレン「…そんな素振り見せなかったじゃねぇか」


ミカサ「それは……どう接していいか、わからなかったから」


エレン「だから二人きりのときは口を聞いてくれなかったのか……てっきり嫌われてるんだと思ったよ」


ミカサ「嫌うはずない……だってあなたは私にとって唯一の家族だから…ので、もう私をおいていなくならないでほしい」


エレン(あと二年間……俺はここにいていいのか?…ダメだろうな)


エレン「……ごめんな、ミカサ…それはできないんだ」


ミカサ「…わかった、じゃあどこに行ってもいい 私もそこについて行くから」


エレン「はあ?…いやいや、無理だから」


ミカサ「それはあなたが決めることではない、私が決めること あなたがここを出るのなら、私もここを出よう」


エレン(どうしよう……このままじゃミカサは本当に俺についてくるな)


エレン「………はぁ、わかったよ 残ればいいんだろ?」


エレン(…あと二年間だけ、俺の我侭を続ける……その間にこいつを説得して、俺の後を追うことをやめさせないと…)


ミカサ「ええ、そうすればいい」


エレン「…ただし、条件がある 俺の後を追うn―ミカサ「不毛」


エレン「………お前、我侭だな」


ミカサ「そう?」


エレン「ったく…じゃあ条件を変更する…俺のことを昔みたいに呼んでくれ お前まだ俺を名前で呼んでないだろ?」


ミカサ「……それだけでいいの?」


エレン「あぁ、俺にとっては重要なことだからな」


ミカサ「……エレン」


エレン「……ふっ」


ミカサ「何故笑うの?」


エレン「いや、随分あっさりと言うもんだからな 俺、結構気にしてたんだぞ?」


ミカサ「そう……それは悪いことをしていた」


エレン「じゃあ、そろそろ除隊を破棄しに行くか」


ミカサ「…最後に一ついい?」


エレン「何だ?」


ミカサ「私の髪、似合ってる?」


エレン「な、何だよいきなり!?」


ミカサ「答えて」


エレン「に、似合ってるよ……けど、長いほうがお前には似合ってたと…俺は思うぞ」ポリポリ


ミカサ「……そう…ありがとう」


エレン「い、行くぞ//」スタスタ


ミカサ(ハンジさんの言うとおりだった…)


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ハンジ「エレンはね、よく君のことを話してたんだよ」


ミカサ「私のことを?」


ハンジ「あぁ、君や両親と過ごした時間は短かったけど、彼にとって人生で最高の時間だったみたいなんだ」


ミカサ「…私にとってもあの時が一番幸せでした」


ハンジ「…彼は決して君のことを捨てたりしてない 理由は言えないがそれだけはわかっててくれ」


ミカサ「…はい」


ハンジ「それと…エレンは君の長くて綺麗な黒髪が好きだったみたいだよ」ニヤニヤ


ミカサ「え?」


ハンジ「そのことを言った後、照れて顔を真っ赤にしながら直ぐに訂正してたけどね」ハハハ


ミカサ(エレンが私の髪を……///)

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_________
____
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ミカサ(……また、髪を伸ばそう)フフ…


エレン「おっ、珍しく笑ったな」


ミカサ「…笑ってない」


エレン「別に笑うぐらいいいだろ?」


ミカサ「だから笑ってない」


エレン「こいつ……」


エレン(…よし、決めた!意地でも卒業までにミカサを笑わしてやる!)



その後、彼は無事に除隊を破棄した


___________________


エレン(ほんと皆いい奴らだな…)スタスタ



彼は自分のことを仲間が連れ戻しに来てくれたことで上機嫌になり、皆が寝静まった後に宿舎の外を散歩していた



エレン(そういえば…よくミカサと一緒にこっそりと夜に外に出て、星を眺めてたな……まぁ、あいつは直ぐに寝てたけど)クスッ


オソイゾ…


エレン「ん?どこからか声が聞こえるな 誰かが盛ってんのか?………覗くか」コソコソ



漆黒の闇の中、声だけを頼りに森の中を歩いていく

そして彼は声の主達のもとに辿り着いた



エレン(あれは……ライナーにベルトルト、それに…アニ?こんなとこで何を話してんだ?)




アニ「それよりあんた、いい加減にしてくれる?私は何の為にぼっちしてると思ってんの?」ギロッ


ライナー「す、すまん…」シュン


ベルトルト「まぁまぁ、後で僕がしっかりと注意しとくから……今はエレンについて話し合おう」


アニ「…あいつと調査兵団の関係は何なの?」


ベルトルト「わからない…宿舎でそれとなくエレンに聞いても、昔ちょっと世話になってたとしか言わなかったよ」


ライナー「だが…あれはおかしい アルミンの言うとおりエレンの存在を、団長や分隊長クラスの上官しか知らないと仮定するのが普通だ…そして……『薬』という単語が会話の中で出ていた…」


アニ「『薬』って……巨人化の薬のことなの?」


ベルトルト「…その可能性もあるけど、あの話の流れ的には違うと思う」


ライナー「今、答えを出すことは難しい……とりあえず今後はエレンのことも注意して監視するぞ」


アニ「クリスタとウォール教、エレンと調査兵団……調べることが多すぎるね それと……あまり気にしないほうがいいよ」


ライナー「何のことだ?」


アニ「エレンの話だよ あいつは私達のことをよく観察していた…そして、私達の力になろうとしている…」


ベルトルト「…彼じゃ力にはなれないのにね」


ライナー「あぁ…エレンは確かにいい奴だ こんなクズな俺達も助けようとしてくれている」


アニ「…あんた、大丈夫だよね?」


ライナー「あぁ、わかってる…例えあいつが手を差し伸べてきても、俺はその手を振り払う 俺達は戦士だからな……」


ベルトルト(戦士のライナーは頼もしいんだけど……時々、兵士になるからな…)


アニ「じゃあ、今日はこれで解散ってことで」


ライナー「…お前ももう少し皆と仲良くしろよ それじゃあ壊れちまうぞ?」


アニ「ふん…既に壊れてるあんたに言われたらお終いだよ」スタスタ


ライナー「…あいつ、相当無理してるよな?」


ベルトルト「エレンも言ってたように、アニは僕達の中で一番純粋で優しいからね 仲良くなった友達を躊躇なく殺すことなんてできないんだよ」


ライナー「ベリックもアニにはあまり直接的な殺しはさせないようにしてたからな」


ベルトルト「あと二年……正直に言うと早く終わってほしい気持ちと、このまま終わってほしくない気持ちがあるんだ」


ライナー「それが普通だ……俺達も巨人であるが、ただの人間でもあるんだから…」





エレン(う…うそ……だろ?ライナー、ベルトルト、アニが…戦士(巨人)だったのか!?)

今日はここまで


少し飛ばしてキリのいいとこまで終わらせました ので、内容が少し薄い感じがしますがご了承ください


ではまた今度

キャラsageをせず映えらせるという
ある意味荒行に挑戦してるんだし
多少薄く感じるのは仕方ないだろ
あんたは上手いよ乙

最後に目がいくけど、他で意外と重要なことを言ってる気が……エレンは前に獣の巨人にあってるのか?

とりあえず続き気なる乙!

レスありがとうございます!
>>380
あんまりキャラsageをしないように意識して書いてませんが、そう言ってもらえて嬉しいです!

>>382
その辺は次回の投下で明らかになります

では今日の分を投下します


――食堂――


ワイワイ  ガヤガヤ


エレン「……」チラ



ライナー「ベルトルト…今日の対人格闘の訓練、俺と組んでくれないか?」


ベルトルト「……無理だよ 僕はマルコと約束してるし、君は…ミカサとだろ?」


ライナー「はぁ…昨日の思い出したらやる気が……」


ベルトルト「ライナー、頑張って…」



エレン(あいつらが巨人……)


ミカサ「…エレン、余所見をしてないで早く食べなさい」


エレン「はいはい」


ミカサ「『はい』は一回」


エレン「うるさいな、お前は俺の母さんかよ!!」ガタッ


ミカサ「もちろん違う、でも私はエレンの家族 ので、注意する」


エレン「あーもう!昨日まではまったく俺に話しかけなかったくせに、今日は何なんだよ!!」


ミカサ「じゃあ前みたいに無視すればいいの?」


エレン「極端だな!?中間は無いのか!!」


ミカサ「ない」


エレン「」イラッ


アルミン「アハハハ!まるで関係が変わったね」


ジャン「おい、死に急ぎ野郎!!お前……羨ましいんだよ!!」ガシッ


エレン「やめろよ!そんなに強く引っ張ったら、服が破れちゃうだろ!!」


アルミン「ツッコむとこそこ!?」


サシャ「ジャンとの関係はさらに悪化したみたいですね……それよりエレン!早く私にパァンをください!!」


エレン「あぁ、そういえばお前はそういう約束だったな」グイッ


ジャン「うおっ!?」


ドサッ


エレン「もっと強くなってからケンカを売れよな」


ジャン「ぐっ…!くそぉ…今に見てやがれ!!」ダッ


エレン「ザコキャラのような捨て台詞だな…」


サシャ「それよりもパァンを私に!!」プリーズ!


エレン「わかってるよ、ほいっ」ヒョイ


サシャ「わん!」ピョン


パクッ


サシャ「~~~♪」モグモグ


エレン「昨日の一件で迷惑かけたから、何か一つお願いを聞くと言ったが……本当にいいのか?一年間、毎日パンを一個で?」


サシャ「はい、十分です!」


サシャ(本当は一食全部と言いたいとこなんですが……ミカサが怒りますからね)


エレン「ミカサとアルミンはまだ使わないんだよな?」


ミカサ「ええ…今は必要ないから」


アルミン「僕はもう少しじっくりと考えて、一番いいお願いごとをするつもりだよ」ニヤリ


エレン「もの凄いゲス顔だぞ?……頼むから俺が出来る範囲内にしてくれよな」


アルミン「他の人達はどんなお願いをしたの?」


エレン「クリスタとマルコはそんなのいらないって言ってくれたけど、保留ってことにしといてある コニーは勉強を教えてくれだってさ ユミルもお前と一緒で嫌な笑みを浮かべながら残しておくってさ あとは…ミーナが一番欲に忠実だったな」


アルミン「どんなお願い?」


エレン「なにか高いものを買ってだとよ」ハハハ


アルミン「さすがミーナだね」ハハハ


エレン「それとジャンは俺に訓練で手を抜くなだってさ」


アルミン「それもジャンらしいや ライナー達やアニは?」


エレン「………まだ保留だ」


アルミン「ふ~ん、そうなんだ」


スタスタ


アニ「……ちょっといい?」


エレン「アニ……なんだ?」


アニ「今日の対人格闘訓練…私とやってくんない?それで昨日のお願いはチャラにしてあげるから…」


エレン「…わかった、いいぞ」


ミカサ「………」


___________________


アニ「じゃあ、あんたが私を襲う役ね」ヒョイ


エレン「わかった…」パシッ


アニ(2年前…私達が壊したウォール・マリアの穴が塞がれた 調査兵団が大岩を運んだって言っていたが、あんな大岩を人の手だけで運ぶなんて不可能…あれは恐らく、あの黒髪の巨人の仕業だ
そして、こいつは調査兵団と何かしらの関わりを持っている…もしかしたら、こいつが………ここで私が確かめてやる…)


アニ「…本気できな」ス…


エレン「あぁ………行くぞ!」ダッ



ジャン「…おいおい、あそこ見てみろよ」


コニー「アニとエレンが戦ってる!?しかも二人とも、めちゃくちゃ動きが速ぇ!」


サシャ「す、凄いですね……エレンってあんなに強かったんですか…」


ライナー(アニ……)


ミカサ「………」


ユミル(エレンの野郎…短刀を使ってないじゃねぇか…それに……)


ベルトルト(まるで二人とも事前に打ち合わせして戦ってるように感じる……)


ジャン「おっ、エレンが仕掛けたぞ!」



エレン(こいつ……)シャッ!



彼は左ストレートを放った



アニ「……」パシッ



彼女はその拳を振り払うと同時に距離を詰める


エレン「……」ガシッ


グワンッ



しかし、彼は彼女の腕を掴み、体を移動させながら投げ飛ばした



ズザアァァァ


クリスタ「エ、エレン!?」


ミーナ「女の子にそこまですることないでしょ!!」


アニ「いや……私が本気でやってって頼んだんだ それにこれぐらい何ともないよ」


エレン「……これで気がすんだか?」


アニ「あぁ…これで十分だよ」


アニ(そう…さっきの戦いは、前に黒髪の巨人と戦った時とまったく一緒だった……これでエレンが黒髪の巨人であることは証明できた そして、途中から私の動きに合わせてきたってことは、あいつも私の正体を知っている……おそらく昨日の尾行で不審に思ってたか、夜の密談を聞かれたかもしれないね)


エレン(やはりアニがあの女型の巨人か……そして容姿からベルトルトが超大型巨人、ライナーが鎧の巨人…もう一人いるはずだが、きっとユミルが食べてしまったんだろうな…
これからどうするか……エルヴィン団長達に報告してこいつらを捕まるのがベストだ……だが、大人しく捕まってくれるはずがない また多くの犠牲者を出してしまう……それに俺はあいつらを……)


エレン「………」


___________________


ザッ


ユミル「何だよ、夜中にこんなとこに呼び出して……夜這いか?」


エレン「違う…真剣な話だ」


ユミル「ほぅ……で、なんだ?」


エレン「もし、ここにいる仲間に巨人がいるとしたら…お前ならどうする?」


ユミル「……いるのか?ここに」


エレン「もしもの話だ…」


ユミル「…そうだな……私がお前の立場だったら…殺すな」


エレン「…どうしてそう思う?」


ユミル「アルミンからお前とミカサの関係をある程度聞いたんだ…ミカサの母親、つまりお前の母親をあいつらが殺したんだろ?…殺す動機には十分だ」


エレン「…だが、一年間共に過ごしてきた仲間だぞ!?」


ユミル「もしそうだとしても、お前なら……殺意を抑えられないんだろ?だって…今のお前はもの凄い顔をしてるぞ まるで殺人鬼のような…」


エレン「はっ!……す、すまない」


ユミル「お前もそんな顔ができるんだな……クリスタが見たら気絶してたぞ」


エレン「本当にすまない………それより一つ話したいことがある」


ユミル「…何だ?」



スタスタ


アルミン「倉庫の片付けしてたらもうこんなに暗くなっちゃったね」


ミカサ「あそこまで汚いとは…もっと日頃から整理しておくべき」


アルミン「その通りだね、教官にも一応言っておくよ………ん?こんな夜中にあんなところで誰かが喋ってるみたいだね 暗くてよく見えないけど…」


ミカサ「…!!エレンと……ユミル」


アルミン「え!?……そ、そうなんだ、よく見えるね」


アルミン(どうしてエレンとユミルが……まさか二人はそういう関係なの!?)


ミカサ「……アルミン、行こう」スタスタ


アルミン「あ…う、うん」


タタタタタッ



エレン「ん?」


ユミル「どうした?」


エレン「いや、誰かの足音が聞こえた……もう遠ざかったがな」


ユミル「マジかよ…こんな夜中にお前と会ってたら勘違いされちまうじゃねぇか」


エレン「すまないな…とりあえず明日、お前がそうしたいのならその場所に来てくれ」


ユミル「あぁ…一晩じっくり考えて、答えを出すよ」


――女子宿舎――



ガチャ


クリスタ「あっ、おかえりユミル こんな夜中にどこに行ってたの?」


ユミル「……便所だ」


ミカサ「…ユミル」


ユミル「何だ?」


ミカサ「………いえ、何でもない…おやすみなさい」


ユミル「お、おう……」


ユミル(もしかしてミカサに見られちまったか?)


___________________


早朝、ミカサはいつも通り訓練場で朝練をしていた しかし、そこに彼の姿はなかった


ミカサ(おかしい……エレンが朝練をサボることなんてありえない……)


――食堂――


ミカサ「……アルミン、おはよう」


アルミン「おはよう、ミカサ」


ミカサ「…エレンは?」


アルミン「あれ?一緒じゃないの?」


ミカサ「ええ、今日は朝練に来なかった…宿舎にいないの?」


アルミン「うん…でも朝に物音がしてたから、いつも通りの時間に起きてたみたいだよ 訓練場にいないとなると…どこに行ったんだろう?」


ミカサ「…とりあえず朝食を食べて、それから探しに行きましょう」


アルミン「うん…」


ユミル「………」



結局その日、訓練にも彼の姿がなかった



ジャン「あいつ…本当に大丈夫なのか?」


アルミン「わからない…教官が街の病院に行っているって言ってたけど…」


ベルトルト「ライナー……」


ライナー「あぁ、わかってる……」



日が沈み、辺りが漆黒の闇に包まれた頃、彼らはまた密会をしていた 



アニ「どうする?おそらくあいつは調査兵団に私達の正体をバラしに行ったはずだよ」


ライナー「アニの報告が正しければ三人で束になってもあいつに勝てるかわからない…何とか隙を突くしかないな」


ベルトルト「じゃあ…ここを一旦出るんだね?」


ライナー「あぁ……今夜中にも出たほうがいいだろう」


「その必要はない…」


ライ・ベル・アニ「!!」


彼らはすぐさま声の主の方を向き、臨戦態勢に入った



エレン「よう…3年ぶりだな……鎧の巨人、超大型巨人、女型の巨人…」


ライナー「エレン…」ス…


エレン「ここで巨人化するつもりか?やめておけ…俺はお前達と戦うつもりはない」


ライナー「戦うつもりはない?…じゃあ何の為にここに来たんだ?」


エレン「少し話がしたくてな……」


アニ「……今日はどこに行ってたんだい?黒髪の巨人…」


エレン「やっぱり俺の正体もバレてたか……お前らの予想通り、調査兵団の本部に行ってきた…」


ライナー「てことは周りに調査兵が待機してるのか…」


エレン「いや……俺一人だ」


ベルトルト「そんなの信じられないよ…」


エレン「どうして呼ぶ必要があるんだ?さっきも言ったろ?俺はお前らと戦うつもりはないって…」


ライナー(どういうことだ?もしかして俺達と手を組むつもりなのか?)


エレン「だが……お前らを殺すつもりはあるがな」ギロッ



彼が睨み付けると場の空気が凍りついた


ライナー(凄い殺気だ……まるで大量殺人鬼のようだ)ゾクッ


ベルトルト(くっ…冷や汗が止まらない!)


アニ(やっぱりこいつは普通じゃない……)


エレン「…本当ならお前らを捕まえて情報を吐かせたほうがいいんだろうな……だが、お前らは俺にとって……親の仇だ だから……殺す」


ライナー(ど、どうする…!?このまま戦っても俺達が勝てるイメージがまったく湧かない…!!)


エレン「…なんてな!嘘だよ、殺すつもりもねぇよ ただ……それはお前ら次第だけどな」


ライナー「……どういうことだ?」


エレン「この一年間…お前らと過ごしてきて色々あったが…全部が全部、嘘だとは思えない……お前らは俺達と暮らしていて、本当は楽しかったんじゃないのか?」


ライナー「………」


エレン「もちろん俺はお前らを許せない……母さんやたくさんの人達を殺したんだからな でも……憎しみは何も生まない……それにお前らにも背負ってるもんがあったんだろ?」


アニ「……まどろっこしいね あんたは私達をどうしたいの?」


エレン「助けたい……と思ってる お前らを救ってやりたいと思っているんだ」


ベルトルト「…僕達に協力して人類を滅ぼすってことなのかい?」


エレン「違う…お前らを戦士の使命から解放させたいんだよ」


ライナー「それは無理だ…俺は…俺達は壁内人類を滅ぼして、絶対に故郷に帰るんだ!これだけは曲げられない…どんなことがあってもな」


エレン「つまり故郷に帰れればいいんだろ?だったら……もし、壁内人類を滅ぼさずに故郷に帰る方法があるとしたら…どうする?」


ライナー「そんな方法あるはずないだろ!!」


ベルトルト「……エレン、どんな方法なんだい?」


アニ「ベルトルト!?何を言ってんの!!」


ベルトルト「だってもしそんな方法があるんだったら、そっちのほうがいいに決まってるじゃないか!!僕はもうこれ以上……人を殺したくないんだよ…」


ライナー「ベルトルト……」


エレン「信憑性がないことを言っているのは自覚している…それでも俺を信じて、その方法を知りたければついてこい ただし、ついてくるならもう後戻りはできない もしその方法を知って逃げるのなら…容赦なく殺すからな」


アニ「ライナー…どうする?」


ライナー「…ベルトルトはエレンについていきたいんだな?」


ベルトルト「うん…でも、ライナー達が行かないって言うなら僕もそれに従う……三人一緒じゃないと故郷に帰っても意味がないからね」


ライナー「…アニはどうしたい?正直な気持ちを教えてくれ」


アニ「私は………ベルトルトと同じだよ 本当は誰も殺したくなんかない…」


ライナー「…決まりだな」


エレン「…いいのか?そんな簡単に俺を信用して」


ライナー「お前はいい奴だ…それは一年間共に過ごしてきたからわかってる それに…俺が一番、使命から逃げたいと思ってたからな…」


エレン「そうか…じゃあついて来い」



彼らは訓練所の横にある森の奥へと歩み始めた


スタスタ


ライナー「エレン、そろそろ教えてくれよ 一体どんな方法なんだ?」


エレン「もう少し待て…」


アニ「まさか…私達を騙してないだろうね?調査兵団が待ってるとこに連れて行くとか…」


エレン「そんなことしねぇよ それにこれは調査兵団の意思じゃない…俺の意思だ 俺が無理を言ってこうしてるんだ」


ベルトルト「どういうこと?」


エレン「もし俺が調査兵団にお前らの正体を伝えたならば、直ぐに抹殺しに来てただろう…今日、俺が本部に行ったのはお前らを売る為じゃない、ある物を取りに行っていたんだ」


ライナー「ある物?」


エレン「あぁ…全人類の希望だ……おっ、あいつも来てるみたいだな」


ライナー「……あれは…ユミル!?」


ザッ


エレン「悪いな、少し遅れちまって」


ユミル「いや、私も今来たとこだ それより……敵はライナー達だったのか」


エレン「あぁ…」


ライナー「どういうことだ、エレン どうしてユミルがここにいるんだ!?」


エレン「それは…ユミルも巨人だからだ」


ライナー「はあ!?」


ユミル「おう、ほんとだぞ」


ベルトルト「随分と軽いね!?」


ユミル「まぁ…あれだ お前達の仲間を食ったのが私だと思う」


ライナー「ベリックを!?」


ユミル「おう、多分な」


ベルトルト「だから軽いって!!」


ユミル「なぁ…お前らは仲間を殺した私を恨むか?」


ライナー「……いや、あれはお前のせいじゃない 俺が弱かったからベリックを助けることができなかったんだ…言うなれば俺のせいだ…」


ベルトルト「ライナー…」


アニ「……あんたも女々しいね、いつまで引きずってんの?誰もあんたを攻めてないだろ?あれはあんたのせいじゃない……私達三人のせいだよ…」


エレン「…やっぱりアニって意外と優しいんだな」


アニ「……」ギロッ


エレン「無言で睨みつけんなよ、こえーな」ビクッ


アニ「それよりさっさと本題に入りな」


エレン「はいはい……じゃあお互いに正体がわかったとこで本題に入るな」ガサガサ



彼は茂みからスコップを取り出した



エレン「ほい、ライナー」ポイッ


ライナー「うおっ!スコップをいきなり投げるなよ」パシッ


エレン「悪りぃ悪りぃ、それじゃあここを掘ってくれ」


ライナー「わかった…」ザクッ


ガキンッ!



地面を掘っていくと、何か硬いものに当たった


ライナー「何かあったぞ」


エレン「サンキュー、ライナー そのカバンを貸してくれ」


ベルトルト「凄い頑丈そうなアタッシュケースだね」


エレン「立体機動装置のボンベと同じ素材でできてる特注品だ」


アニ「……その南京錠だけ随分ボロボロだね」


エレン「あぁ…これは元々、俺の父さんの地下室についていた物だからな 今はこのカバンにつけているんだ じゃあ…開けるぞ」チャリン



彼はいつも首にしていた鍵を取り出して、カバンの鍵を開けた


ライナー「これは……薬?」


エレン「あぁ、これは………巨人化を解く薬だ」


ライ・ベル・アニ「!?」


ユミル「私は事前に聞かされていたが……本当にこれで普通の人間に戻れるのか?」


エレン「あぁ…既に実証済みだ」


ライナー「そ…そんなことができるのか!?」


エレン「できる!…しかしこの薬の製造方法がわからないんだ だから今はここにある4本と調査兵団にある1本の計5本しかない」


ベルトルト「じゃあどうやってこれを作ったの?」


エレン「これを作ったのは…俺の父さんなんだ」


アニ「こんなものを作れるってことは…あんたの親父も只者じゃないね」


エレン「あぁ…俺の父さんはライナー達と同じように壁外から来た戦士…つまり、巨人だった」


ライナー「な、なんだと!?」


エレン「それじゃ薬について、父さんについて、そして……俺の正体について話していく」


ユミル「お前の正体って…巨人以外にもあるのか?」


エレン「じゃあまずは…俺の正体から話すな……」



そして彼は静かに語り始めた



エレン「俺の本当の名前はエレンじゃない…俺はN.3773……父さんの巨人化生体実験によって作られた殺人兵器なんだ」



今日はここまで


やっとここまでこれました ピクシス司令の「巨人化生体実験」からこの設定を妄想しました ELLENはタイトルを考えてる時に本棚の「RAVE」を見てふと思いついただけなので、完璧に後付けですけどね

次回で過去編をやってから終わりに向かうので、あと3、4回の投下で終わらす予定です


ではまた今度

休日に  家でゴロゴロ  ssを書く  (字あまり)


ということで続きを書き終えたので投下します 話の内容は少しだけ重いので注意です


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俺の父さん、グリシャ・イェーガーはこの壁内人類を滅ぼしにきた戦士だった



グリシャ(壁内の人類は本当に悪魔の末裔なのか…?まるでそんな風には見えない 私達と同じ普通の人間じゃないか…)



父さんは自分で物事の本質を見極めて、己の信念に従う人だった その為、使命に違和感を覚えた父さんはもっとよく壁内人類を知るためにも訓練兵となった
そして、父さんは壁内人類を愛してしまい、滅ぼす事をやめた



キース「ほんとに兵士をやめるのか?」


グリシャ「ああ、私は私にしかできないことをする だから兵士をやめて医者になる」


キース「そうか……さみしくなるな」


グリシャ「キース……私もだ、ここでお前に会えて本当によかったと思ってる」


キース「…元気でな、グリシャ」


グリシャ「ああ、お前もな……それとお前はこれからもっとさみしくなるぞ」


キース「どういうことだ?」


グリシャ「キース、この世には変えられない運命もあるんだ……頭には気をつけろよ」プッ


キース「??」


訓練兵を卒業した父さんは、壁外の医療知識も知っており、医者になって旅をしながら人々を救っていた そして、ある村で一人の女性に出会った 



グリシャ「遺伝子レベルで一目惚れです、結婚してください!」


カルラ「結構です」



二人は直ぐに(?)運命を感じ、そして結婚した



グリシャ「カルラ、そんなとこで何をしてるんだい?」


カルラ「お花を見てたのよ 私はこの花が大好きで、見てると心が安らぐのよ」


グリシャ「…私はお前を見ているだけで心が安らぐよ」ギュッ


カルラ「もう…」ギュッ


幸せな日々を送っていたが、父さんは一つだけ気がかりがあった



グリシャ(このままでは私と同じように壁外から戦士が来て、人類を滅ぼしてしまう……何とかしなくては…)



当時父さんは、ウォール・シーナも行き来できるほどの名医となっていた為、国王に会う機会がめぐってきた



グリシャ「このままでは壁内人類が滅ぼされてしまいます どうか壁外人類と和解してください」


国王「…貴重な情報ありがとう そなたのおかげで多くの民が助かるだろう」


グリシャ「あ、ありがとうございます!」


しかし、国王は腐っていた



国王「…始末しろ」


「ハッ!」



父さんが家に帰ると、そこには既に国王の指示によって父さんを殺しにきていた憲兵団がいた そして……



グリシャ「…カ…カルラ……」


カルラ「あ…あなた……」



父さんはその場にいた憲兵を殺し、血まみれの彼女を抱えて、人気の少ないウォール・マリア北区に向かった


グリシャ「カルラ!死なないでくれ!!」


カルラ「わ…私はもう助からないわ……あなた…どうか……しあわせ…に……」


グリシャ「カルラあああああぁぁぁ!!」



そして父さんは変わってしまった



グリシャ「…シテヤル……コロシテヤル!!」



父さんはそのまま雪山に研究所を作って、ある研究をし始めた

それが「巨人化生体実験」だった


巨人である父さんであっても、内地の人間を一人で殺すのは不可能と感じたらしく、「殺人兵器」を作り上げようとしたんだ

人間以外の動物に巨人化の薬を打ってみたり、死刑囚などを裏取引で買って、巨人化の薬を打ち、動物の細胞を入れてみたり……そんなような非人道的な実験をたくさんした しかし、そのほとんどが失敗に終わった



グリシャ「また失敗か……じゃあ次は…」



父さんは「巨人化生体実験」と並行して別の実験もしていた それは…



グリシャ「カルラ……必ず生き返らせてやるからな」



彼女の蘇生実験…いや、「クローン実験」をしていた


彼女が死んだ所は極寒の地である北区だった為、父さんはすぐさま彼女を冷凍保存した 
もちろんそんなことをしても彼女は死んでいる 
父さんはそこ(彼女)から細胞を取り出し、培養していた



グリシャ「こっちも駄目か……」



冷凍保存した細胞を溶かせば、その細胞は直ぐに死滅する 
ましては既に死んだ人の細胞だ…培養することなどできるはずが無かった 
例えできたとしてもただの細胞のまま…人になることなど不可能だった



グリシャ「はぁ……」



失敗続きで諦めかけていた父さんは、彼女の遺品であった日記を読み始めた


するとそこには驚くべきことが書かれていた



『今日、あの人には内緒で病院にいった そしたらなんと、赤ちゃんができていた!!早くあの人を驚かせたいな~♪女の子かな?それとも男の子かな?どっちにしてもあの人に似て優しい子になるんだろうな』


グリシャ「うぅ……カルラ……」ポロポロ



その日は彼女が襲われた日だった



グリシャ「………」



そして父さんはさらに壊れた


父さんは「巨人化生体実験」と「クローン実験」を組み合わせた 
つまり、巨人の再生能力を用いて、死んでいる彼女の細胞を再生させる実験だ

しかし、それでも成功することはなかった 
ついに彼女の細胞からクローンを作り出すことはできなかった だが………



グリシャ「せ…成功だ……成功だああああぁぁぁぁ!!」



一つの細胞が奇跡的に増殖し、培養することができた 
その細胞は彼女のものではない……彼女のお腹にいた、まだ人の姿にすらなっていない彼らの赤ちゃんの細胞だった

父さんは死ぬほど喜んだ だがそれは赤ちゃんのクローンができたからではない



グリシャ「アハハハハ!!殺人兵器の完成だ!!これであいつらを……ミナゴロシニデキル!!」



こうして俺は作られた


グリシャ「マダダ…モットダ……」



さらに父さんは俺の「元」に細胞を注入した 
動物の細胞を加えると制御できなくなることがわかっていたので、父さんは俺に死刑囚、つまり極悪な殺人鬼達の細胞を加えていった
大量殺戮兵器を作り出すために……

通常、他の人の血や細胞が体内に入ると体の免疫機能が働き、その細胞を攻撃して死滅させる 
しかし父さんはあらかじめ巨人化させた殺人鬼の細胞を用いることでその問題を解決した

だがそれは……彼らの赤ちゃんのクローンと言えるのか?

……言えないだろう



グリシャ「クックック……ついに殺人兵器が生まれた……」



こうして俺は人の形をした殺人兵器として生み出された



グリシャ「お前は…実験番号3773……これからたっぷりと教えてやるからな…人の殺し方を…」



俺は物心がつく前から父さんから暗殺術を学び、多くの生き物を殺した

虫を殺した

ネズミを殺した

ウサギを殺した

オオカミを殺した

人を殺した

クマを殺した

4歳の頃には巨人化を操って、巨人を殺した

殺す事しかしてこなかった日々を過ごしてきた…だが、俺にもそんな日々の中で楽しみがあった


グリシャ「フハハハハハ!!N.3773は最高の殺戮兵器だあああ!!」


グリシャ「クックック……ん?あいつ…どこに行きやがった?」


スタスタスタ


N.3773「………」ジー


グリシャ「…3773、何を見てるんだ?」


N.3773「……花」


グリシャ(!!…こ…この花は……カルラが好きだった花…)


グリシャ「…な、なぜこの花を見てるんだ!?」


N.3773「……心が…安らぐから…」


グリシャ「!!」



カルラ『お花を見てたのよ 私はこの花が大好きで、見てると心が安らぐのよ』



グリシャ「カ…カルラ………」ポロポロ


N.3773「マスター!?」


グリシャ「ぅぅ……」ポロポロ


N.3773(ど…どうしよう……)アタフタ



『どっちにしてもあの人に似て優しい子になるんだろうな』



グリシャ(私がこいつを…この子を兵器にしてしまった……)ポロポロ


グリシャ「……」ギュッ


N.3773「マ、マスター!?」



その日、初めて俺は父さんのぬくもりを感じた



グリシャ「すまなかった……私が間違っていた…これからもう…何も殺さなくていい…」


N.3773「え!?じゃ、じゃあ私はもう不要ってことですか!?」


グリシャ「違うんだ…これからは私の息子として…二人で生きていこう」



その時の俺には、その言葉が理解できなかった 
殺す以外に俺の存在意義が見当たらなかったから…



グリシャ「まず初めにお前に名前をやらないとな そうだな……グリラ!…違うな
…カルシャ!…これも違うな、う~ん……」


N.3773「…私はこの3773という名を気に入ってます……マスターが付けてくれた名だから…」


グリシャ「……!」ピコーン!


グリシャ「じゃあお前はエレンだ!!」


N.3773「エレ…ン?」


グリシャ「ああ!N.3773を逆さにしてELLENだ!どうだ?」


エレン「エレン……」


グリシャ「…ダメか?」


エレン「…いえ、嬉しいです とても…」


グリシャ「これからよろしくな、エレン」ニコ


エレン「は、はい!」



その日から俺は幸せだった
まず喋り方を変えさせられ、その後に教養や医学知識などを教えてもらった
父さんにたくさん、愛してもらった
5歳の誕生日にはプレゼントも貰った


グリシャ「エレン!誕生日おめでとう!」


エレン「あ、ありがとう、父さん//」


エレン(誕生日なんて初めてだ…)ドキドキ


グリシャ「じゃーん!なんとお前にプレゼントを用意してあるぞ!」


エレン「ほ、本当に!!」パアァ


グリシャ「あぁ、開けてみなさい」


エレン「何かな何かな~♪あっ!大好きな赤い色のマフラーだ!ありがと父さん!」


グリシャ「エレン、巻いてみなさい……」


エレン「どう?似合ってるかな?」


グリシャ「あぁ…とても似合ってるよ……エレン、そのマフラーは実はカルラ…つまりお前の母さんに私がプレゼントした物だ」


エレン「え!?そんな大切な物もらえないよ!」


グリシャ「いいんだ……カルラもお前にもらってほしいと思ってるさ、きっと…」


エレン「…俺、このマフラーを宝物にするよ」


グリシャ「あぁ、大事にしなさい……それかもし今後、好きな人が…お前にとって大切な人ができたら、そのマフラーをあげてやりなさい」


エレン「ヤダよ、俺の宝物だから死ぬまで俺のだ!」


グリシャ「ハハハ!お前にもいつかわかる時がくるさ」


この頃の父さんはまだ実験をしていた
でもそれは人を殺す為の「巨人化生体実験」ではなく、みんなが幸せになる為の「巨人化を解く薬」の開発だった



グリシャ「エレン…これから壁外に行って薬草を取ってくる だからここを少しだけ空ける」


エレン「壁外って…地下室があるとこ?そこなら近くだから俺も手伝うよ!」


グリシャ「残念ながらそこじゃない 北に生えている薬草では作れそうもないから、比較的暖かい南に行くんだ」


エレン「じゃあ俺も南に一緒に行く!」


グリシャ「エレン……お前はここで留守番をしていてくれ」


エレン「どうして!?俺も行きたいよ!一人じゃさみしいよ…」


グリシャ「南は巨人がいっぱいいて危険なんだ…それにお前にはこれ以上、巨人の力を使わせたくないんだ…わかってくれ」


エレン「…わかったよ でも!早く帰ってきてよね!一日ぐらいで!」


グリシャ「一日はさすがに無理だな…最低でも一週間ぐらいかかと思う」


エレン「長いよ…じゃあ絶対に帰ってきてね 俺を一人にしないでね」


グリシャ「ああ、もちろんだ 私の帰りを待つ者がいるんだから死ねないさ じゃあいってくる」


エレン「いってらっしゃい、父さん」



そして10日後、父さんは無事に帰ってきた



グリシャ「エレン!!」


エレン「父さん!おかえり!」


グリシャ「聞いてくれエレン!薬が完成しそうなんだ!!」


エレン「ええ!?本当に!!」


グリシャ「ああ!珍しい薬草があって今までの薬の成分と調合してみたらいい感じになったんだ!だから今から研究に没頭して一気に完成させる!悪いが家事を頼めるか?」


エレン「任せて!掃除、洗濯はもちろん、元気の出るように美味しい料理も作ってあげるよ!」ニコ


グリシャ「お前は私にとって最高の息子だな…」ウル



この日から父さんは、ほぼ毎日徹夜で研究に没頭した
そして俺が6歳になった頃に、その薬は完成した


グリシャ「エレン!!ついに完成したぞ!!これで巨人になった人々も人間に戻すことができる!!」


エレン「おめでとう、父さん!!」


グリシャ「薬草が少なかったから今は6本しか作れなかったが、これを量産していけば壁外人類も壁内人類も全員幸せになれる!」


エレン「父さんは英雄だね!!」


グリシャ「おっと…」フラ


エレン「大丈夫!?」


グリシャ「最近ほとんど寝てなかったからな……エレン、私は少し寝かせてもらう」


エレン「うん!じゃあ俺は父さんの為に熊でも狩ってくるよ!」


グリシャ「…ありがとな、エレン だが、絶対に力は使うなよ」


エレン「わかってるよ、父さん……じゃあ行ってくる、楽しみに待っててね」


バタンッ


グリシャ(さて…薬は試験用に1本だけここに置いておいて、残りの5本は安全な地下室に保管しておくか…寝るのはその後だな)



これが…俺が人生で一番後悔した選択だった



ガチャ


グリシャ(ん?エレンはまだ帰ってないのか…鍵は引き出しにしまってと…)


グリシャ「さて……寝るか」


「久しぶりだな……マッドサイエンティスト」


グリシャ「!?」



俺が熊を狩りに出かけている隙に、最悪の訪問者が訪ねていたんだ



グリシャ「お、お前は…!?」


「どうした?大切なモルモットの顔を忘れちまったか?」



その訪問者は俺が作られる前の「巨人化生体実験」の成功者…しかし、凶暴な獣の細胞を元々極悪な殺人鬼に埋め込んだ為、まったく言うことを聞かなかった失敗者でもあった


「力をくれたお前にお礼を言いにきたんだが……なんだこれは?」パラ


グリシャ「それは!?」


「『巨人化を解く薬の製造方法』……何をしてんだ?お前は良い子ちゃんじゃないだろ?このマッドサイエンティストが!」


グリシャ「それを返せ!!」


「…嫌だね~」ビリビリ


グリシャ「貴様!?それがあればお前も元の人間に戻ることができるかもしれないんだぞ!!」


「別に戻る必要ないし 俺はこの力を使って前よりも殺戮を楽しんでたんだよ~♪これも全部、お前のおかげだ!!」


グリシャ「あぁ、知ってるさ…私はあの時、お前を殺せずに逃がしてしまったことを悔いている そして、今からその悔いを……解消する!!」ガリッ


カッ!!


「巨人化したか……じゃあ俺も」ガリッ


カッ!!



そして俺が帰宅した時には研究所はボロボロに壊されていた



エレン「は!?なにがあったんだよ!!父さん!!どこにいるんだ!?返事をしてくれ!!」


エレン「ん?この足跡は…巨人!?」



俺は雪に付けられた足跡を追った


エレン(父さん…父さん…)ハァ ハァ


エレン「!?と、父さん!!」



そして俺は、3m級の獣の巨人に握り締められている父さんを見つけた



グリシャ「エ…エレン……ぐっ…!!」ガハッ


エレン「父さん!!」ダッ


「ん?何だあのガキは?…もしかして俺と同じモルモットか?」


エレン「父さんを放せ!!」



奴は大きく伸びたオオカミのような口、鋭い牙と爪があり、巨人化しても普通に喋ることができた


「…ま、放してやってもいいがもう助からないぞ?こいつに薬を打って巨人化を解いたから、ぐちゃぐちゃになった内臓は再生されない つまり…アウトー♪」


エレン「何!?」


「てか、マジで巨人化を解く薬を作ったんだな そんなしょうもないもん作らずに前みたいに殺人兵器でも作ってりゃよかったのに…お前もそう思うだろ?」


エレン「テメェ……」ギロッ


「うおっ!?……な、なんだこいつは!?スゲー殺気だな…やっぱりお前もこいつによって改造された殺人兵器か…子供にまで手を出すなんて頭イカレてんな、こいつも…」


エレン「違う…俺は父さんによって生み出された殺人兵器だ…」


「マジで!?試験管ベイビー!?……ちょっとお前の強さに興味が湧いたよ」ポイッ


ドサッ


グリシャ「エ…エレン…ダメだ!ち、力を使うな!!お前は兵器なんかじゃない!一人の人間なんだ!!」


エレン「…ごめん…父さん……俺はこいつを…許せない!!」ガリッ


カッ!!


黒髪の巨人「……」シュウゥゥゥ…


「へぇ~…15m級か ま、デカイだけじゃ俺には勝てないけどな!」ダンッ!


ダンッ!  ダンッ!  ダンッ!


「どうだ!!俺のスピードについてこれないだろ!!」



奴は確かに速かった
だが、俺にとって奴の動きは止まって見えていた


黒髪の巨人「……」


(動きすらしねぇ…俺を見失ってんのか?ま、俺が最強ってことがこれで証明されたな)ダンッ!


「これでチェックメイトだああ!!」グワッ



そして項目掛けて飛んできたから俺は……



黒髪の巨人「……」ギロッ


「あ?」


黒髪の巨人「アアアアアッ!!」ブンッ


ベチャ



一発で殴り潰してやった


黒髪の巨人「アアアアアアアアアア!!」ブンッ! ブンッ! ブンッ!



既に死んでいた奴を何度も殴り、原型を無くしてやった



「」シュウゥゥゥ……



俺はすぐさま巨人体から抜け出し、父さんの元へ駆け出した



エレン「父さん!!」


グリシャ「はぁ…はぁ…す…すまない お前に力を使わせてしまって…」


エレン「俺のことはいいから喋らないで!今、治療するから!」


グリシャ「無駄だ……握り潰されかけたんだぞ…私の内臓はもう、ボロボロだよ…」


エレン「ひどすぎるよ!自分一人で逃げるつもりなの!?」ポロポロ


グリシャ「……すまない」


エレン「父さんなんか嫌いだ!父さんなんか大ッ嫌いだぁ!!父さんなんか…父さんなんか……」


グリシャ「……エレン…私はお前のことを……愛してるよ」


エレン「!!」ブワッ


エレン「父さん!死なないでよ!!お願いだから、俺を一人にしないでよ!!」ボロボロ


グリシャ「エレン…お前は精一杯生きるんだぞ……人間…として……な………」


エレン「わかったから父さん!だからこれからも俺の成長を見ててくれよ!!その目で見ててくれよ!!」ボロボロ



そして父さんは息を引き取った


エレン「返事をしてくれよ!!お願いだから……」ボロボロ



俺は生きる意味を失った
俺にとって父さんは全てだったから……



エレン「ぅう……うわああああああああああああ!!」



ただ…泣くことしかできなかった………



エレン「父さん……カルラさんと同じとこで眠らしてあげるよ」



俺は父さんを彼女の墓に埋めてあげた


エレン(………)ザッ ザッ ザッ


エレン「……ただいま」



その後俺は一旦研究所に戻った



ガサガサ ゴソゴソ


エレン「おっ、あったあった」チャリン


エレン(…この鍵は俺が肌身離さず持っていないと……)ス…


俺は薬が保管されていた地下室の鍵を持って…



エレン「父さん……俺、精一杯生きるよ」


ザッ  ザッ  ザッ


生まれ育った研究所を後にした

俺は父さんの最後の言葉を胸に刻み、人間として生きる為に…自分の存在価値を証明する為に、父さんと同じように医者になって旅をしていたんだ

父さんが死んでから2年後、俺はある人達と出会った そして…



ミカサ母「エレン!あなたは今日から私達と一緒にここに住みなさい!」


エレン「ええ!?」


ミカサ「本当に!?やったあー!」



半ば強引に俺はミカサ達の家族となった


俺はそこで父さん以外の人から初めて愛情を…幸せを感じた

しかし…それも長くは続かなかった



ドスッ


ミカサ父「…う……!?…ぅ……」ガクッ


エレン「なっ!?」


「どうも失礼します」



俺は幸せになりすぎて忘れてしまっていた…世界は残酷だということを……


ミカサのお父さんを失った俺は、ある決心をした



ミカサ母「エレン……こんな運命…辛すぎるわ……あなたがかわいそう…」ポロポロ


エレン「…俺は辛くなんかないよ……今まではこの『力』を使わないようにしてきた…人助けをしたいと思っても、やっぱり自分が一番大事だったからね 
でも……もう俺には……自分より大事な人達ができたから…この『力』を……使う」


ミカサ母「エ、エレン!やっぱり、ずっと一緒にいましょう!私があなたを守るから!」


エレン「…もう決めたんだ 俺は行くって…少しでも家族が平和に暮らせるのなら…俺は……」グッ



家族の幸せのために、ミカサ達が生きるこの世界を少しでも平和にするために、父さんが残してくれた巨人化を解く薬を完成させると…


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一旦ここまで


また続きは夜に投下します


エレン「そして俺はミカサ達と別れてお前らが来る前まで約一年間、壁外で薬に必要な薬草を探していたんだ……ま、だいたいこんな感じだ」



彼が話し終えても、誰も言葉を発そうとしなかった



ライナー(想像以上だ……エレンはこんなにも苦しんできたのか…)


ベルトルト(僕には…耐えられない……)


アニ(エレン……あんたは強いんだね)


ユミル(命の大切さを教えたい……クリスタに対して言ったのはこのためか
……やべっ、がらにもなくウルっときちまったじゃねぇか)ゴシゴシ


エレン「……何か話せよ ちなみにこれを知ってるのは調査兵団のエルヴィン団長とリヴァイ兵士長、ハンジ分隊長、そして元団長のキース教官だけだ」


ライナー「な…なぁエレン……お前は辛くないのか?」


エレン「父さんやおじさん、母さんを失ったことは正直辛い……だからお前達を憎んでないといえば嘘になる…でもわかったろ?憎しみは人を悲しくさせるだけだ…こんな殺人兵器まで作っちまうんだからな」


アニ「……あんたは兵器じゃない……立派な人間だよ」


エレン「…やっぱりアニは優しいんだな」


アニ「あんたほどじゃないよ…」


エレン「それでこの薬の開発を今、調査兵団に頼んでいる おそらくあと5、6年はかかると思う…」


ライナー「そうか……じゃあ俺はこれを使わない」


エレン「はあ!?今更なに言ってんだ!!」


ライナー「落ち着けエレン、そういう意味で言ったんじゃない これは貴重なサンプルなんだろ?一つでも多いほうがいいだろ」


ベルトルト「そうだね……それに今、巨人の力がなくなったら壁外からまた戦士が来たときに対応できなくなるしね だから僕もいらないよ」


アニ「じゃあ…私もいr―ライナー「駄目だ」


アニ「はあ?あんたなに言ってんの?」


ライナー「アニは薬を打て…お前はもう、戦士でいる必要はない」


ベルトルト「僕達二人いれば十分だから…」


ユミル「…だがもし巨人であることがバレた時を考えると、アニを残しておいたほうがいいんじゃねぇのか?鎧と超大型は言うなれば絶対悪みたいなもんだからな」


ライナー「…だからだ アニの正体はまだ世間には広がってない」


エレン「確かに、女型の巨人は調査兵団の一部の人間しか知らないはずだ」


ベルトルト「このまま人間になれば巨人だった証拠もなくなる」


アニ「で、でも……」


ライナー「それに俺達は罪を償わなくちゃいけないからな……」


エレン「……あぁ、それは俺もそう思う だからこそお前達は死なずに生きて、殺された人々の為にも苦しまないといけないんだ…もちろん俺もな」


ベルトルト「うん……」


エレン「…だからといって幸せになっちゃ駄目だとは、俺は思わない だからお前らも幸せになっていいんだぞ?」


ライナー「あぁ…ありがとな、エレン 全てが片付いたら、苦しみながらも幸せになることにするよ…」


ユミル「…じゃあ私は遠慮なく薬を打たせてもらうぞ?」


アニ「…本当に私もいいの?」


ベルトルト「もちろんだよ…アニはもう普通の女の子になっていいんだよ」ニコ


アニ「なによそれ」フフ


ライナー「これで少しは腕力も女になれば、お前も可愛くなるんだがな!」ハハハ


アニ「」イラッ


バキッ
   グルン
       ドサッ


ライナー「」チーン


エレン「お前はバカか?」


アニ「ったく…私だけ仲間外れにして…」


ベルトルト「僕達は巨人だから仲間じゃないでしょ?アニはいつまでも僕達の仲間だよ」


アニ「…ありがと、ベルトルト…一応、ライナーもね」

ユミル「じゃあ……打つか」


アニ「…」コクリ


ブスッ



そして彼女達は薬を打った



ユミル「……おおっ!注射痕が治らねぇで、血がドバドバ出てる!」


アニ「ほんとにこれで私はもう……戦士じゃないの?」


エレン「あぁ…もうみんなと仲良くしていいんだぞ」ユミル、コノガーゼヲツカエ


アニ「…別に戦士だからあんた達と仲良くしてなかったわけじゃないんだからね」プイッ


エレン(おぉ…これがツンデレってヤツか)


ベルトルト(最高に可愛い…)


ユミル「…じゃあこのお礼は体で払えばいいのか?」


エレン「結構です!お前は何回そのくだりをやるんだよ!!」


アニ「へぇ~…あんた達ってそういう関係だったんだ」


エレン「どこをどう見ればそういう関係になるんだ!?」


ベルトルト「ミカサがいるのに…かわいそうだよ、エレン」


エレン「何でそこでミカサが出てくんだよ!」


アニ・ベル・ユミ「え!?」


エレン「え?」


ベルトルト(どういうこと?僕はてっきり二人ともできてるもんだと思ってたんだけど…)コソコソ


ユミル(これは二人とも自覚してないパターンだな…そうだ!お礼にあいつらに自分の気持ちを気づかせてやるってのはどうだ?)コソコソ


アニ(面白そうだね……乗ったよ)コソコソ


ユミル(お前もこういうの好きだったんだな……)コソコソ


アニ(う、うるさい!)コソコソ


エレン「ライナ~俺だけ除け者にされてるんだけど…」ユサユサ


ライナー「ぅ…ぅ~ん…イテテテ、まったくアニは手加減ってものを知らないな」


エレン「…それよりほんとにいいのか?お前らは薬を打たなくて?」


ライナー「あぁ…壁外は友好的な奴らばっかじゃないからな」


エレン「…そういえばこの間、壁外に人語を喋る獣の巨人がいたみたいなんだが…」


ライナー「それは本当か!?」


ベルトルト「どうしたの?」


ライナー「大変だ!猿の巨人が近くまで来たらしいぞ!!」


アニ「あいつが!?」


エレン「さる?」


ユミル「その猿の巨人ってのは一体何なんだ?」


ライナー「猿の巨人は…俺達に壁内人類を殺せと命じた張本人だ」


エレン「何だって!?それとさるって何だよ?」


ユミル「その猿が来てるとマズイのか?」


ライナー「あぁ…あいつは壁内人類を根絶やしにしないと気がすまないはずだ」


エレン(もうさるが何なのか…聞くのはやめよう)


ベルトルト「あいつは『座標』だからね…敵にしたら一番厄介だよ」


ユミル「座標?」


ライナー「巨人を操ることができる人物のことを『座標』って呼んでんだ…壁内にも『座標』はいるって聞いていたが…エレンじゃないよな?」


エレン「あぁ、俺じゃない…もしかすると父さんかも知れない 父さんは巨人が少ない北区域とはいえ、壁外に地下室を作ったからな 巨人を操って動きを止めてる間に作ったんじゃないか」


ライナー「だとするともう『座標』はいないというわけか…あいつの対抗手段がないな いつ来るかもわからないし、やっぱり訓練兵をやめたほうがいいか……」


エレン「それは大丈夫だ 二年はこっちに来ないらしいぞ…ただし二年後に一気に滅ぼしに来るって言っていたそうだ…」


ライナー「やはりか……」


ユミル「私達も薬打たなきゃよかったな…戦力ダウンじゃねぇか」


エレン「必要ない……俺が壁を…平和を壊させやしないさ」


ライナー「エレン…」


ユミル「…なあ、この薬を持ってくる時に調査兵団の誰かにあったのか?」


エレン「あぁ…リヴァイ兵長にあった そして…黙っててくれたよ」


ユミル「だが、訓練兵に巨人がいるってことはバレちまってんだろ?」


エレン「あぁ、そうだ 俺は全員薬を打つから問題ないと思ってたんだが…」


ライナー「いいんだよ、これで……まぁ、その代わりに俺達の知っている情報を全て話す それで口止めしてくれるよう頼んでくれないか?」


エレン「もちろんいいぞ」


ライナー「じゃあ話すぞ」



彼はライナーから壁内人類の犯した罪、壁の中にいる巨人、今の壁外の状況について話した



エレン「そうか……話してくれてありがとな」


ライナー「いいって…それよりこれからどうする?」


エレン「とりあえず俺はこの情報をエルヴィン団長に伝える その後は二年後に備えて調査兵団と駐屯兵団で壁の護衛を固めるだろう…俺達はいままで通り、ここを無事に卒業するだけだ」


ライナー「そうか……じゃあ最後にもう一つお願いがある」


エレン「なんだ?」


ライナー「俺を殴ってくれ」


エレン「はあ?…俺、Sじゃないぞ?」


ライナー「違う!俺だってドMじゃない!!」


ベルトルト(それはどうだろうか…)


ライナー「俺達がお前の母親を殺したのは紛れもない事実だ…」


エレン「だからそれは…」


ライナー「わかってる!お前は優しいから許してるが、俺の気がすまないんだ!!だからせめて思いっきり殴ってくれ!!」


エレン「…わかった だが、いつか本当のことを言える時が来たら、ミカサにもちゃんと謝ってくれよ?」


ライナー「あぁ、最初からそのつもりだ あいつになら殺されてもいいと思ってる」


エレン「大丈夫…あいつはそんなことしねぇよ………半殺しぐらいにはするかもな」


ライナー「ははは…そうだな」


ベルトルト「エレン…ライナーが終わったら僕もお願い…そもそも僕が殺したんだから……」


エレン「…わかった じゃあ、ライナー…いくぞ!」グッ


___________________


スタスタ


ユミル「こんな時間に戻ったらハゲ教官に怒られちまうじゃねぇか……」


エレン「それは大丈夫、今日は夜の徘徊は無しにしてくれたんだ」


ユミル「そりゃあよかったぜ それにしても…お前ら、傷を治さなくていいのか?」


ライナー「あぁ…寝てる間に治るから、せめてその前まではこの痛みで罪悪感が薄れるんだ…」ヒリヒリ


ユミル「…歯、何本いった?」


ライナー「…3本」


ベルトルト「おくはあごがはずえちゃったよ」プラーン


エレン「ごめんな、ベルトルト 少し強すぎたよ」


アニ「私もしてもらいたいんだけど……」


エレン「俺が営倉行きになっちまうよ…ならアニには対人格闘で俺と組んでもらうかな お前の格闘術は凄いから、技術を盗みたいんだよ」


アニ「…わかった、たっぷりしごいてやるよ」フフ


ユミル(こいつらの会話が卑猥に聞こえるのは私だけか?)


___________________

翌朝


エレン「ミカサ、おはよう!」


ミカサ「おはよう、エレン……昨日は病院に行っていたと聞いてたけど…体は大丈夫だったの?」


エレン「あぁ、おかげさまで体調はバッチリだぜ!」


ミカサ「そう…ならよかった」


エレン「心配してくれてありがとな、ミカサ」


ミカサ「……私達は家族、心配するのは当たり前 早く朝の訓練を始めましょう」


エレン「おう!」


エレン(ライナー達のことも解決したし、後はこいつを笑わせるだけだな……)フラ


エレン「!?」ガクッ


ミカサ「エレン!?」


エレン「大丈夫だ、心配いらねぇよ 少しこけただけだ……」


ミカサ「そう……でも本当に体には気をつけて」


エレン「あぁ…わかってる」


エレン(……あと2年だけでいいから…頼むからもってくれよ、俺の体…)



彼はライナー達に伝えてないことがあった


作られし命は…短命であるということを……

今日はここまで


今回は少し重くなりましたが、次回からは軽めになる予定です
あと一応頭の中では考えてありますが、いくつかの進撃の謎は明かさないままいきます


ではまた今度


この過去編を読んでから序盤の方を見ると、エレンがまた違った感じに見えると思います

ちなみに自分は冒頭のエレンの台詞を結構気に入ってます 
グリシャを失って心が寒いのに、雪山だから寒いのは当たり前だと自分を皮肉ってます

レスありがとうございます!長らく空けてしまい、すいませんでした!うちの安西先生は白髪鬼ですからスパルタなんですよ……
でもちょくちょく書いてたので今日で一気に投下して終わらせます!


では投下していきます


――食堂――


ワイワイ  ガヤガヤ


ライナー「……何か胸がスー…っとするな」


ベルトルト「うん…僕達はもう、戦士じゃないからね」


ライナー「これからはお前も皆と仲良くしろよ?」


ベルトルト「わかってるよ、ライナーは心配性だな……あっ!アニが来たよ オーイ、こっちこっち!」フリフリ


スタスタ


ミーナ「珍しいね、ベルトルトが大声をあげるなんて」


ベルトルト「そう?それより二人とも一緒に食べようよ」


アニ「まったく…露骨に変わるんだから」ハァ


ミーナ「どうしたの?アニ」


アニ「何でもないよ、早く食べちゃおう」


カチャカチャ


ミーナ「でも本当に珍しいね 二人が私達と食べたいなんて…」モグモグ


ライナー「そうか?まぁ、これからはよく誘うかもな」ゴクゴク


ミーナ「もしかして……私の魅力に惹かれちゃった?」


ライナー「ハハハハ!そういうことにしといてやるよ」


ミカサ「…アニ、何かあったの?」


アニ「?…どうしてそんなこと聞くんだい?」


ミカサ「いえ、いつもより表情が柔らかいから、いいことでもあったのかと…」


アニ「まるでいつもは表情が硬いみたいな言い方だね」


ミカサ「ええ、その通り」


アニ「」イラッ


アニ(少しはオブラートに包むぐらいしなよ……なら…)


アニ「もしそう感じるのなら…エレンのおかげだね」


ミカサ「エレンのおかげ?」


アニ「でしょ?」


エレン「まぁ、そうだな」


ミカサ「………」


アニ「今日の対人格闘も私と組みたいんだよね?昨日、あんたから誘ってきたし…」


エレン「おう、頼むな!」


アニ「ああ、任せな あんたに色々と教えてあげるよ…寝技とか」


ミカサ「…エレン、先に席に着いてる」スタスタ


エレン「お、おう………何であいつは少し怒ってんだ?」


ミーナ「エレン…それ本気で言ってるの?」ハァ


エレン「??」


ライナー「アニもあまりミカサをからかうんじゃないぞ それに……」チラ


ベルトルト「………」ムスー


ライナー(ベルトルトが妬いちまうしな)クスッ


――男子浴場――


コニー「今日も訓練が終わったぜー」ピョン


ザバァン!


コニー「はぁ~…癒されるなぁ」ゴクラク ゴクラク


ベルトルト「こら、コニー 体を洗ってから湯船に入らないと駄目でしょ」


コニー「あぁ、悪い悪い」ザバッ


エレン「はぁ…」ドヨーン


ライナー「ん?どうしたんだ、エレン?そんなに落ち込んで…」


エレン「ミカサの奴、今朝から怒ってたろ?結局、今日一日ずっと何かに怒っててあんまり話せなかったんだ」


ジャン「どうせまた、お前が何かしたんだろ?……怒ってもらえて羨ましいぜ」ドヨーン


マルコ「ジャンまで落ち込むことないでしょ、いつも通りなんだから」


ライナー「意外と毒舌だな、お前」

エレン「俺…何かしたのかなぁ……?」ドヨーン


ベルトルト「……ねぇ、エレンってどんな女性がタイプなの?」


エレン「な、なんだいきなり!?」


ベルトルト「あまりエレンってこういう話に入ってこないでしょ?それで気になってね」


ジャン「お前も入ってこないだろ」


マルコ「……何かベルトルト、雰囲気変わったよね」


ベルトルト「…そう?」


マルコ「うん、僕達に心を開いてくれたみたいで嬉しいよ」ニコ


ベルトルト「…ありがと、マルコ」


エレン(今のうちに…)ソー


ライナー「なに逃げようとしてんだ」ガシッ


エレン「ぐっ、ライナー!!」


ライナー「どんな女性が好きか教えあうだけだろ?何が恥ずかしいんだ?」ニヤニヤ


エレン「だから女性の好みなんて無いって!」


ガラガラガラ


アルミン「……」


ライナー「……」←裸エレンを拘束中


エレン「……」←裸ライナーに拘束されながら、女性に無関心発言


アルミン「つまり二人は…ホm―「「違う!!」」


エレン「――というわけだ」


アルミン「なるほど……で、エレンの好きな女性のタイプはどんなの?」


エレン「な、無いって言ってるだろ!」


アルミン「…じゃあエレンは男が好きってことになるよ」


エレン「なっ!?」


アルミン「だってしょうがないじゃないか エレンは女の子が好きじゃないんだからさ」ニヤニヤ


エレン「誰もそんなこと言ってないだろ!俺だって好きな女性のタイプぐらいあるさ…」


アルミン「ほぅ…」ニヤリ


エレン「はっ!」


アルミン「さぁ、エレン!男好きのレッテルを貼られたくなかったら、君の好きな女性のタイプを言うんだ!」ニヤニヤ


ライナー(さすがは知将アルミン…顔がゲスイのは触れないでおこう)


エレン「くっ……黒髪長髪の子だよ//」


マルコ(そういえばミカサは髪切ったって言ってたな……やっぱりミカサか)


ベルトルト(ミカサだね)


ライナー(ミカサだな)


コニー(黒髪長髪……はっ!ミーナか!)


アルミン「やっぱりか……」


ジャン「ぐっ…一人だけ昔のミカサを知ってて羨ましいんだよ!!俺も髪が長いミカサを見たい!!」


エレン「な、何でミカサが出てくるんだよ!!///」


アルミン「ジャン、ごめん…僕も髪が長いミカサを知ってるよ」ドヤッ


ジャン「くそぉぉ!!」


エレン「うるさい奴だな……そうだ!ジャン、少し手伝って欲しいことがあるんだが…」


ジャン「へっ、誰がお前なんかを…」


エレン「ミカサを笑わすことを」


ジャン「手伝うに決まってるだろ」キリッ


マルコ「相変わらずだね、君も」


エレン「じゃあ三人で作戦を立てようぜ」


アルミン「三人?」


エレン「お前も入ってるに決まってんだろ?」


アルミン「……まぁいいけど」


アルミン(簡単な方法があるんだけど…面白そうだからしばらく見てよ)クスッ


エレン「じゃあまずは俺の案だが――」


――女子宿舎――


ガチャ


ユミル「いい湯だったなクリスタ」


クリスタ「うん!」


アニ「……」クイクイ


ユミル(ん?アニが呼んでる…何かあったのか?)


ユミル(どうした?)ヒソヒソ


アニ(あれを見てよ…)ヒソヒソ


ユミル(あれ?)チラ


ミカサ「………」ジー


ユミル(…めっちゃガン見してんな)


アニ(ミカサを嫉妬させる為に、訓練中にエレンにベタベタ触ってたらこうなったんだけど……視線がベットリまとわりついて眠れやしない)ヒソヒソ


ユミル(自業自得じゃねぇか)


アニ(何とかして)ヒソヒソ


ユミル(私は何でも屋じゃないぞ?)ヒソヒソ


ミカサ(そういえば、ユミルもエレンと夜中にこっそり喋ってた…それに3年前には命を救われたって……)ジー


ユミル「」ゾクッ


ユミル(…あれ?私が睨まれてないか、これ?)


アニ「ありがとユミル…じゃ、おやすみ」ゴロン


ユミル「おい」


ミカサ「………」ジー


ユミル(……ま、気にしなけりゃ大丈夫だろ)


ユミル「クリスタ~一緒に寝ようぜ」


クリスタ「えーやだよ、自分のベッドで寝てよ」


ユミル「そんな冷たいこと言うな……よ」ゾクッ


ミカサ「………」ジー


ユミル(視線のほうが冷たい…)ダラダラ


ユミル「…ったく、しょうがねぇな おい、ミカサ!話がある、お前のベッドに上がらせてもらうぞ?」


ミカサ「…ええ、どうぞ」


ユミル「よっと…で、何で私を睨み付けてんだ?」


ミカサ「別に睨んではいない ただ…ユミルは私よりも面倒見がよく、魅力的な女性だと思って見ていただけ…」


ユミル「あーもう!ほんとにめんどくせぇな!大丈夫だ、誰もお前からエレンを取らねぇよ」


ミカサ「…別に今、エレンは関係ない」


ユミル「お前はエレンと接触が多い私やアニに嫉妬してんだよ」


ミカサ「嫉妬…してない」


ユミル「」イラッ


ユミル「…じゃあ私がエレンを奪っていいんだな?」


ミカサ「そ…それは……」アセアセ


ユミル「私がもし奪ったら、あいつをお前に見向きもしないようにしてやるよ」


ミカサ「ダメ!それは絶対にダメ!」


ユミル「ならもっと自分の気持ちに素直になれ!」ワシャワシャ


ミカサ「自分の気持ち?」


ユミル「ああそうだ、お前らはまだ元の家族の関係にすら戻れてないだろ?ちょっとずつでいいから、昔みたいにあいつに甘えてみろよ 例えば…『もう少し私にかまって』とか『私だけを見て』とかでいいからさ」ワシャワシャ


ミカサ「ユミル……そんな可愛らしい声も出せるとは…ビックリ」


ユミル「う、うるせぇ!!//今はマジメな話をしてんだよ!!」ゴツンッ


ミカサ「…何も殴ることないのに」ヒリヒリ


ユミル「とにかくお前から濡れ衣で嫉妬される私達の身にもなれ!!」


ガチャ


サシャ「ミカサ、起きてますかー?」


ミカサ「ええ」


サシャ「エレンがミカサのこと呼んでましたよ?」


ミカサ「エ、エレンが!?」


サシャ「はい、座学室で待ってるそうです」


ユミル(こんな時間に使われていない部屋か……あいつもやるな)


ミカサ(エ、エレンが待ってる…急がなくては)ダッ


ユミル「あっ、ちょっと待てミカサ!」


ミカサ「でも、エレンが待ってるのでなるべく急ぎたい」


ユミル「いいからこっち来い」


ミカサ「……」スタスタ


ユミル「ほら、さっき髪をぐしゃぐしゃにしちまったろ?お前も女なんだから身だしなみは整えていかないとな」サッ サッ


ミカサ「あ、ありがとう…」


ユミル「じゃあ頑張ってこいよ」ポンポン


ミカサ「…うん」タタタタタッ


ユミル「襲われないようにしろよ~……まったく、これだからガキのおもりはイヤなんだよ……ん?」


ミーナ「見た今の?あれが母性ってヤツですよ」ニヤニヤ


アニ「ユミルも意外と女なんだね」ニヤニヤ


サシャ「ユミルはいいお母さんになりますよ、きっと」ニヤニヤ


ユミル「う、うるせぇ!!お前らくっちゃべってねぇで寝ろ!!」


クリスタ「私はユミルが優しい人だってわかってたよ」ニコ


ユミル「クリスタ~私を慰めてくれよ~」ダキッ


クリスタ「ちょっとユミル!慰めてあげるから、さりげなく服の中に手を入れないでよ!」クスグッタイ!アハハハ!


ユミル「いいではないか~いいではないか~」ウヘヘ…


アニ「台無しだよ、あんた」


___________________


タタタタタタッ


ミカサ(こんな時間に呼んで何だろう……もしかして…)


ミカサ「……///」カァァ


ミカサ(も、もう着いてしまった…一回深呼吸をしよう)スー ハー


ミカサ「…よし」コンコン


ミカサ「エ、エレン、入っていい?」ドキドキ


オウ!イイゾ!


ガチャ


ミカサ「エレン、こんな時間になん…の…よ………う?」


エレン「さぁ、行け!キルシュタイン号!」


馬頭「ヒヒーン!」



そこには毛布で馬に扮したジャンに跨るエレンの姿があった ちなみに胴体はアルミンである


エレン(どうだ!)


馬頭(笑うか!?)


馬胴体(笑うはずないでしょ…)


ミカサ「………」バタンッ


ジャン「やっぱり無理じゃねぇか!!」バサッ


エレン「いけると思ったんだが…」シュン


アルミン「どの辺がいけると思ったの?」バサッ


ジャン「じゃあ明日は俺の案でいくからな」


エレン「おう、部屋に戻って作戦会議だ!」


___________________


ガチャ


ユミル「ん?随分と早い帰りだな……で、どうだった?どこまでいった?」ニヤニヤ


ミカサ「……エレンがジャンに跨ってた」


ユミル「」

ミーナ「」

アニ「」

クリスタ「」

サシャ「??ジャンは本当の馬だったんですか?」


ミカサ「ええ、そうみたい……みんな、おやすみなさい」ゴロン


ミカサ(期待した私がバカだった………そういえば昔、泣いている私をエレンが馬になって乗せてくれたっけ……イェーガー号…)クス


彼女は懐かしい思い出を思い出しながら眠りについた

彼女の顔を見ればいい夢を見てると直ぐにわかる 何故なら彼女は、微笑みながら寝ているのだから…


___________________


ミカサ「ひっぐ……」ポロポロ


エレン「ご、ごめんって…お前が大事にしてた人形壊しちゃったのは謝るから、泣くなって…」


ミカサ「だってあれは…ひっぐ…お母さんが作ってくれた…ひっぐ…ヤツなのに…」ポロポロ


エレン「しょうがないだろ…ボロボロで縫ってやろうとしたら生地が足んなかったんだから……今度街で生地を買ってきて直してやるから泣き止んでくれよな?」


ミカサ「ぅぅ……」ポロポロ


エレン(マジでどうしよう……)オロオロ


ミカサ「……」ピタッ


エレン(な、泣き止んだ!?)


ミカサ「…乗っていいの?」ゴシゴシ


エレン「あぁ、もちろんだ!」


ミカサ「お馬さんは喋らない…」プクー


エレン(お前が話しかけてきたんだろ)ヒヒーン…


ミカサ「じゃあ乗るね」ヨイショ


ミカサ「……」ワクワク


エレン(どうやら機嫌が治ったみたいだな)クスッ


ミカサ「さぁ、イェーガー号!しゅっぱーーつ!!」


エレン「ヒヒーン!」


パカラッ パカラッ


エレン(意外に肉体労働だな だが……)パカラッ  パカラッ


ミカサ「~~~♪」ニコニコ


エレン(こいつが笑顔になってくれるならいいか)フフ


エレン「ヒヒーン!」パカラッ  パカラッ


ミカサ「いけいけー!あっ!お母さん、お父さん!」フリフリ


父「楽しそうで何よりだな」フリフリ


母「ほらミカサ、落ちたら危ないわよ もっとお馬さんにギュッとしがみつかないと」


ミカサ「うん!」ギュウゥゥゥ


エレン「ちょっ!?ミカサ///」


ミカサ「また喋ってるー!今はイェーガー号でしょ?」


エレン(ったく…しょうがないな)ヒヒーン!


ミカサ(ふふふ、幸せ…いつまでもこうして幸せに暮らしていたいなぁ)


___________________
______________
_________
____
_


ミカサ「………」


ミカサ(懐かしい…とてもいい夢だった でも…出来れば見たくなかった…)ムク


彼女はいつも通り、朝の自主訓練をする為に訓練場に向かった



ミカサ(…ん?こんなところに置手紙がある)ヒョイ


『ミカサ、今すぐ食堂に来い』


ミカサ(…嫌な予感がする)スタスタ



彼女は嫌がりながらも食堂へと足を運んだ



ミカサ(おそらく昨日の三人だろう……)スタスタ


キタゾ!ジュンビシロ!
ホントニヤルノ?
アタリマエダロ!


ミカサ「……」ガチャ


アルミン「ミ、ミカサ!お、おはようだ…ピョン☆」ピョン



バニー姿のアルミンが可愛らしいポーズを取りながら挨拶をしてきた



ジャン(どうだ!!)


エレン(いけるか!?)


アルミン(無理だって…)ハズカシイ//


ミカサ「……アルミン、皆が来る前に着替えておくように」バタンッ


アルミン「気をつかわれたじゃないか!!」ブンッ


ジャン「意外といい案だと思ったんだけどな…」ミミヲナゲルナ


アルミン「ていうかコレ、どっから持ってきたの!?」


ジャン「倉庫にあったぞ、おそらく余興用のグッズだろう」


エレン「これでも駄目か……」シュン


アルミン「まったく…しょうがないな 僕がとっておきの方法を教えてあげるよ」


エレン「本当か!?」


アルミン「それは……」


___________________


タタタタタタッ


エレン「ミカサ!」


ミカサ「……何?」


エレン「少し昔話でもしないか?」


ミカサ「!!」


エレン(楽しい思い出を話せばミカサも笑ってくれるはずってアルミンが言ってたからな)


ミカサ「……嫌 今はエレンと話をしたくない」スタスタ


エレン「え?お、おい!朝練は?」


ミカサ「……少し体調がすぐれないから早めにあがる」


エレン「体調が悪いって…大丈夫なのか?」


ミカサ「ええ……時間が経てば治ると思う…」スタスタ


エレン「あいつ……本当に大丈夫なのか?」


――男子宿舎――


ガチャ


アルミン「あれ?随分はやいね、駄目だったの?」


エレン「いや、ミカサが体調が悪いって言って女子宿舎に戻った…」


ジャン「体調が悪い?あのミカサがか?」


アルミン「ミカサは肉体が強い分、精神面で体調の良し悪しが左右されるからね もしかしたら何か悩みでもあるかもしれない…」


エレン「……ミカサ」


――食堂――


ワイワイ  ガヤガヤ


エレン「…ミカサが見当たらないな」キョロキョロ


サシャ「あっ、エレン!ミカサなら朝食を持って女子宿舎に戻ってしまいましたよ?」モグモグ


エレン「はあ?…そんなに体調が悪いのか、あいつ……?」


ユミル「体調が悪いってよりもお前に会いたくないって顔してたぞ?また何かしたのか、お前は?」


エレン「何かって……何もしてないはずだが」


クリスタ「で、でも、昨日の夜にジャンに跨っていたって…///」


エレン「ああ、あれはあいつを笑わそうとしてだな」


ユミル「だからって家族にホモセクロスを見せつけんなよ…気持ち悪りぃな」


エレン「はあぁ!?何を言ってんだ、お前?ジャンとアルミンが馬の格好をして俺がその上に乗っていただけだぞ?」


クリスタ「え!?じゃ、じゃあエレン達はノーマルってこと?」


エレン「当たり前だろ!!」


ユミル「それはそれでつまらないな…だが、どうしてそんな幼稚な遊びをミカサに見せたんだ?」


エレン「昔、あいつが好きだったんだよ お馬さんごっこが…」


ユミル「意外だな…今のミカサからは想像できねぇな」


エレン(……まさか、あいつ…)


___________________


スタスタ


ミカサ(結局、今日はずっとエレンを避けてきた……それはそれでとても辛い)トボトボ


サシャ「ミカサ、早く宿舎に戻りましょうよ 湯上りで外を歩くのは寒すぎますし」


ミカサ「ええ…」


ザッ


エレン「…待て、ミカサ」


ミカサ「エレン!?」


エレン「少し話がある…来い」


ミカサ「…今日はもう遅いし、この格好のままでは風邪を引く ので、明日にしよう」


エレン「……」バサッ


ミカサ「!?」


エレン「これなら寒くないだろ?いいからこっちに来い」スタスタ


ミカサ(上着を羽織らされてしまった…)スタスタ


サシャ(…あれ?私は完全に蚊帳の外ですか?)



二人は暗闇の中、森の奥へと進んだ



ミカサ「エレン、どこまでいくの?」


エレン「もう少しだ……」


しばらくすると、目の前に大きな湖が現れた



ミカサ(…綺麗)


エレン「この辺に座れ」ドサッ


ミカサ「………」スッ


エレン「今日は星も出てて綺麗だよな」


ミカサ「ええ…」


エレン「覚えてるか?昔、夜中にこっそりと外に出て星を眺めてたのを…」


ミカサ「ええ、覚えてる……でも…」


エレン「…思い出したくないのか?」


ミカサ「……そう、お母さんとお父さんを思い出して、辛くなるから…」


エレン「やっぱり昨日の馬であの頃の思い出を思い出したから、今日はなるべく思い出さないように俺と会わないようにしてたのか」


ミカサ「ええ……ごめんなさい」


エレン「…なぁ、ミカサ 確かにもう、二人は戻ってこない…お前は二人の死ぬ姿を直接見ていたから、より辛いのもわかる だが…二人のことをできるだけ思い出してやってあげろよ あの…幸せだった日々をさ」


ミカサ「…辛いとわかってるのに?」


エレン「あぁ…前に話したろ?俺は昔、父さんを目の前で失ったって…」


ミカサ「…ええ」


エレン「それでも俺は父さんと暮らした日々をよく思い出している…何故だがわかるか?そうしないと父さんがかわいそうだからだ…父さんと暮らした6年間を覚えているのは俺しかいないからだ」


ミカサ「……」


エレン「もちろん俺もおじさん達と過ごした日々を思い出す…だが、俺は一年間しか思い出がない
それに比べてお前はどうなんだ?…生まれたときからずっと一緒だった家族であるお前が思い出してやらないでどうする…一番愛されていたお前が二人との思い出を忘れてどうすんだよ」


エレン(それに………俺が死んだら…お前にだけは覚えていてほしい 笑いあった日々を、ケンカした日々を…俺が生きた証をお前には覚えていてほしいんだ)


ミカサ「……わかった、私もお母さん達と過ごしてきた日々を忘れないようにする でも…今日みたいに辛くなる時もある……」


エレン「わかってるよ……そんな時は俺が傍にいてやるよ、家族だからな いつまでも……死んでもな」


ミカサ「…縁起の悪いことを言わないで」


エレン「あぁ、ごめん……それより今日はここで昔のことを話さないか?」


ミカサ「…ええ、そうしましょう」ニコ


エレン「」ドキッ


エレン(ミカサが笑ってくれた それに月夜に照らされているミカサは、いつもより綺麗だ……やっぱり俺ってミカサのことが……)ドキドキ


ミカサ(エレンは私のことを心配してここに連れてきてくれた…でも、こんな夜中にこんな綺麗な場所に連れてこられたら………期待するのが普通)ドキドキ


ミカサ(でも…エレンは……)チラ


エレン(平常心、平常心)スー ハー


ミカサ「……はぁ、エレンは昔から鈍感」


エレン「ど、鈍感?いつ俺が鈍感なことをしたんだよ」


ミカサ「…前に私に花をくれた時があった」


エレン「あぁ、俺が好きな花があの山にも咲いてたからな……で、それのどこが鈍感なんだ?」


ミカサ「エレンはあの花が何の花なのか知らないの?」


エレン「そういや知らないな…お前は知ってるのか?」


ミカサ「…品種もその花の名前も知っている けど、教えない」


エレン「はあ?教えろよ」


ミカサ「内緒」フフフ


エレン「なっ!?気になるじゃねぇか!教えてくれよ!」


ドンカンナエレンニハオシエナイ
ダカラドンカンジャネェ!!



その日、真夜中の静かな森に、二人の笑い声が響いていた


___________________



月日が流れ、訓練生活も残りわずかとなった


850年


アルミン「もう直ぐ卒業だね」


エレン「そうだな、皆ともお別れか……ミカサは調査兵団に入団したいって言ってたよな?」


ミカサ「ええ、その通り…でも、エレンが憲兵団に行くのなら私も憲兵団にしよう」


エレン「…何でだよ」


エレン(俺は卒業したらそのままライナー達の故郷を目指すつもりだ……時間がないからな
そして…出来るならミカサには兵士をやめて幸せになってほしい…どうすればいいだろうか…)


アルミン(…この二人は前よりも仲良くなった…いや、昔に戻ったって感じか でも、それ以上は進展してない……まだ家族のままだ)


ユミル「………」


クリスタ「明日はウォール・マリア内の巨大樹の森で卒業試験の模擬練習だね……ってユミル?どうかしたの?」


ユミル「いや、何でもねぇよ…」


カンカンカンカンカン!


エレン「アルミン、部屋に戻ろうぜ」ガタッ


アルミン「…ごめん、エレン 一人で少し散歩してから戻るよ」


エレン「そうか?今夜は冷えるらしいから、風邪を引く前に戻れよ じゃあ行くぞ、ミカサ」スタスタ


ミカサ「ええ おやすみ、アルミン」スタスタ


アルミン「うん…おやすみ、ミカサ」


___________________


アルミン(はぁ…僕はどうしたらいいんだろうか………僕はまだミカサが好きだ でも、ミカサはエレンのことが好きだ…そしてエレンもミカサのことが好きだ
………やっぱり僕が間に入って二人をくっつけたほうが…)


ユミル「おい、座学トップさんよ」


アルミン「…ユミル、こんな時間に僕に何の用かな?」


ユミル「いや、あまりにもお前が苦しそうな顔してたもんでな 笑いにきたんだよ」ケラケラ


アルミン「失礼だな…」


ユミル「……いいのか?お前はこのままで」


アルミン「…君はそうやって直ぐに人の心を読むから嫌いだよ」


ユミル「いいから答えろ」


アルミン「…だって、二人がこのままくっついたほうが幸せに決まってるからね だから僕は身を引いて二人の仲を取り持つつもりだよ」


ユミル「確かにあいつらは自覚してないが、外から見ててもわかるぐらいに相思相愛だ…だが、それとお前の気持ちを伝えることはまったく関係ないだろ?ちゃんとお前の言葉で、お前の本当の気持ちをミカサに伝えろ じゃないと一生後悔するぞ」


アルミン「…君は僕に振られてこいって言ってるんだよ?」


ユミル「あぁ、その通りだ ミカサに振られてこい」


アルミン「…やっぱり僕は君が嫌いだよ」


ユミル「おう、嫌いで結構だ」


アルミン「でも……ありがとう、ユミル 僕、振られてくるよ」


ユミル「あぁ…頑張って振られてこいよ」


タタタタタタッ


ユミル「…はぁ、私は何をしてんだろうな」


クリスタ「……ユミルはやっぱり優しいんだね」フフ


ユミル「クリスタ!?…今の見てたのか?」


クリスタ「もちろん!…アルミン、大丈夫かなぁ」


ユミル「大丈夫さ…ミカサはあいつが告白したからといって、拒絶するような奴じゃないそれに、あいつは意外と強いからな」


クリスタ「ふふふ、ユミルは皆のお母さんみたいだね」ニコ


ユミル「う、うるせぇ//早く宿舎に戻るぞ!」スタスタ



ユミル、イマテレテルデショ?
テレテナイ!!


――男子宿舎――


ガチャ


ライナー「遅かったな、アルミン……ん?何かいいことあったのか?表情が明るいぞ」


アルミン「…うん、ミカサに告白して振られてきちゃった」


ジャン「!?」ガタッ


ライナー「アルミンはミカサが好きだったのか!?」


アルミン「うん…シガンシナにいた時からずっとね……でも、告白してよかったよ これでもう、何の迷いもなくエレン達を応援することができるからね」


ベルトルト「アルミン……」


ジャン「お、応援なんかする必要ないだろ!?」


アルミン「そうだね、しなくても自然とくっつくはずだし…ミカサもやっぱりエレンが好きだって言ってたからね」


ジャン「」


コニー「マルコ、ジャンが息をしてないぞ?」


マルコ「今はそのまましてあげなよ……」


ジャン「わかってたさ…どうせ俺の恋は叶わぬ恋だったんだ…」イジイジ


アルミン「それより……エレンは?」キョロキョロ


ベルトルト「教官に何か伝えてくるって言ってたよ」


アルミン「そうか……は…は…ハックション!」


ライナー「大丈夫か!?風邪でも引いたんじゃないのか?」


アルミン「少し外の風にあたり過ぎたかな?この時間じゃ医師はいないと思うけど、一応医務室に行ってみるよ」


___________________


スタスタ


ドサッ


アルミン(ん?誰か医務室にいるのかな?)


ガチャ


アルミン「え?エレン!?だ、大丈夫!?口から血が出てるよ!」


エレン「ア…アルミン……か」ハァ ハァ


アルミン「今、医師を呼んでくるよ!」


エレン「待て!!」


アルミン「でも…」


エレン「大丈夫だ…少し横になれば直ぐに治る…」ハァ ハァ


アルミン「…エレン、正直に答えて 君は…何かの病に侵されているんじゃないのかい?」


エレン「……違う」


アルミン「じゃあどうして!?」


エレン「…アルミン、話すから医務室の鍵を掛けてくれ…」


カチャカチャ


アルミン「…掛けたよ」


エレン「…あと一ヶ月で卒業だな」


アルミン「エレン…今は関係ないでしょ」


エレン「関係なくもないんだ……俺はもう直ぐ…死ぬんだ」


アルミン「!?」


エレン「病じゃない……寿命で俺は死ぬんだ」


アルミン「寿命って…そんなに早く寿命がくるはずないだろ!!」


エレン「アルミン……お前にこれから俺の全てを話す…俺にとってお前は…親友だからな」



彼はアルミンに自分が巨人であること、殺人兵器として作られたこと、そして巨人化を解く薬を調査兵団と協力して作っていることを、包み隠さないで全て話した



エレン「これが……俺の全てだ」


アルミン「こんなことって……」ポロポロ


エレン「ごめんな…お前のおじいちゃんを助けてやることが出来なくて……」


アルミン「それはエレンのせいじゃないよ!君は…君は……ッ!!どうしてこんなにも皆の為に頑張ってるエレンが死なないといけないんだ!!」


エレン「…アルミン……それは覆せない運命なんだ、作られし命は元々短命なんだよ
それに…生まれたときの年齢は父さん曰く、20前後…でも俺は、かなり無茶をして巨人化をしていた…だから、より自身の体を傷つけていたんだ リミットは…もって一年ってとこだ」


アルミン「な、なら巨人化を解く薬を打てば…」


エレン「…打つと直ぐに死ぬ可能があるんだ 俺の体は巨人化した他人の細胞が多数含まれている その為薬を打つと、巨人の再生能力によって馴染んでいた細胞が、一気に俺の体を蝕む可能性があるんだよ 俺の体は巨人の力で生かされていて、巨人の力で死に追いやられているんだ」


アルミン「…もう、どうしようもないの?」ポロポロ


エレン「あぁ……俺はもう…死ぬ だからお前にお願いがあるんだ…親友のお前にだからこそ頼めるお願いなんだ」


アルミン「…それはなんだい?」


エレン「…ミカサを頼む 俺が死ねばあいつは…俺の後を追って死ぬかもしれない…だからお前があいつをそうさせないように……あいつの傍にいて、幸せにしてやってくれないか?」


アルミン「…君は本当にわかってないね それについさっき僕はミカサに振られたとこだよ」


エレン「……はあ!?」


アルミン「まったく…そんな僕を振った彼女を、僕が幸せにすることなんてできないだろ?」


エレン「じゃあ…どうすれば……」


アルミン「…君が傍にいてあげることが、彼女にとって唯一の幸せなんだよ だから…君の本当の気持ちを彼女に伝えなよ 君は……ミカサが好きなんだろう?」


エレン「……あぁ、そうだ 俺はミカサが好きだ…だが、この気持ちをあいつに伝えることはしない……あいつをもっと悲しませてしまうから…」


アルミン「君はそうやっていつも逃げているんだよ!彼女を悲しませたくない!?笑わせるな!何も言わずに死んだ方が彼女は傷つき、悲しむに決まってるだろ!!」


エレン「………」


アルミン「……わかった、もういいよ 今日はとりあえずここで寝てなよ 部屋のみんなには適当に言っておくから…」


エレン「…すまない、アルミン」


アルミン「…でも、必ず死ぬ前にミカサに好きだって気持ちを伝えてね それが僕からのお願いごとだから…」


エレン「……よく覚えていたな すっかり忘れてたよ」


アルミン「僕が忘れると思う?それに…エレン、僕は夢をまだ諦めてないからね」


エレン「お前の夢?」


アルミン「僕の夢、それは……君と一緒に外の世界を探検して、海を見ることだよ…絶対に諦めないから…」ガチャ


バタンッ


エレン「……ありがとな、アルミン」


___________________


エレン(アルミンの言うとおり、全部ミカサにバラして俺の寿命が尽きるまであいつの傍に………いや、駄目だ!俺はライナー達の故郷に行って、壁外人類との和解をしなくちゃ駄目なんだ…やっぱり俺は……)


タタタタタタッ
        ガチャ


ミカサ「エレン!!大丈夫!?」ハァ ハァ


エレン「ミ、ミカサ!?どうしてここに…?」


ミカサ「アルミンからエレンが倒れたって聞いたから…」ハァ ハァ


エレン「あいつ……」


ミカサ「それで…体のほうは大丈夫なの?」


エレン「……あぁ、心配いらない」


ミカサ「よかった…」ホッ


エレン「心配かけてごめんな、ミカサ」


ミカサ「ううん、家族なら心配するのは当然」


ミカサ(家族……)


ミカサ「………エレン、あなたには好きな人がいるの?」


エレン「はあ?…いやいや、唐突すぎるだろ」


ミカサ「さっきアルミンから聞いた…」


エレン(アルミンの奴…ッ!!)


ミカサ「それは私の知ってる人?」


エレン「そ、そんなのお前には関係ないだろ!」


ミカサ「…関係ある だって、私は…エレンのことが……」


エレン(おいおい…やめてくれ それ以上言ったら俺は……俺は……ッ!!)


ミカサ「……私はエレンのことが好き 家族として…一人の男性として…エレンを愛してる」



彼女が告白し終わると、その場は静まり返った

ドクン、ドクンと二人の心臓の音だけが鳴っている



エレン「……ぉれだって…」ボソッ


ミカサ「え?」


そして、彼は自分の本音を…願望をさらけ出し始めた



エレン「俺だってお前のことが好きだぁ!!大好きなんだぁッ!!」


ミカサ「…嬉しい」ポロ


ミカサ「!!…ふふふ、お母さんの言っていた通りだ 涙は嬉しい時にも流れるって……」


エレン「ミカサ……まだ話は終わってない」


ミカサ「え?」


エレン「俺はお前が好きだ でも…でも!俺はッ!!お前と一緒にはいられないんだよッ!!」


ミカサ「…ど、どういうこと?」


エレン「……俺はもう直ぐ…お前の前からいなくなる」


ミカサ「!!…また私をおいて消えるの?また私を捨てるの!?」


エレン「あぁ……」


ミカサ「どうして?…どうしてなの!?」


エレン「俺はもう直ぐ………死ぬからだ」ポロポロ


ミカサ「え?うそ……でしょ…?」


エレン「本当だ…もう、どうすることもできないんだ……俺が生まれた時から決まってたことなんだ…」


ミカサ「…何で?やっと気持ちを伝えれたのに…こんなにもあなたのことが好きなのに!!」ポロポロ


エレン「……」グイッ


ギュッ



彼は彼女を抱きしめて、泣きながら、自分のしたいことを…叶えることが出来ないことを叫び始めた



エレン「死にたくない…死にたくないんだよ!俺だって皆と一緒に歳を取りたい!お酒も飲みたい!アルミンと一緒に海を見たい!お前と…ミカサといつまでも幸せに暮らしたいんだよ!!」ポロポロ


ミカサ「エレン……」ポロポロ


エレン「うわあああああああああああん!!」



彼は泣き叫んだ まるで、子供の時のように……

ミカサ「…エレン、落ち着いた?」


エレン「……あぁ、ごめんな」グスン


ミカサ「…ふふふ、やっぱりエレンは泣き虫」


エレン「う、うるさい!お前だって泣いてたろ!」


ミカサ「当たり前…唯一の家族であるあなたが死ぬってわかれば誰だって泣く…」


エレン「ミカサ…」



タタタタタッ



エレン「!!やべっ、さっきので誰かが来ちまった」


オイ、ココハダイジョウブダ


エレン(この声は…キース教官!?)


「ですが、尋常じゃない叫び声が聞こえたので…」


キース「医務室で寝ている負傷者の傷が開いてしまったそうだ」


「なら医師である私が…」


キース「同じく医務室で寝ていたイェーガー訓練兵が、素早く的確な応急処置をしてくれたおかげで大事には至らなかった 今は二人とも安静にして寝ている」


「イェーガーですか…確かに彼の医療技術は素晴らしいですからね 兵士よりも医師が向いてますよ」ハハハ


キース「そうだな…」


「では私は戻ります おやすみなさい、キース教官」


キース「あぁ、ごくろう」


キース(さて…見回りをしてから私も寝るとするか)


スタスタ


エレン「…行ったみたいだな(ありがとうございます、キース教官)」


ミカサ「エレンが大声で泣きすぎるから…」


エレン「悪かったよ……」


ミカサ「…エレン、どうして死ぬってわかるの?」


エレン「……理由は言いたくない お前にはこのままの俺でいさせてくれ…お前の家族である俺として……」


ミカサ「わかった……でも、それは確定事項なの?」


エレン「あぁ…もって一年だろう」


ミカサ「…じゃあ残りの一年間はどうやって過ごすつもりなの?」


エレン「……お前らと別れて…また戦いを始めるつもりだ 俺の命が尽きるまで…」


ミカサ「私も一緒に……」


エレン「駄目だ!それだけは絶対に駄目だ!!…なぁミカサ、俺の為にも幸せに生きててくれないか?」


ミカサ「…私にとっての幸せはエレンといること ただそれだけでいい…」


エレン(やっぱりこうなるか………一つ方法があるんだが…それは使いたくない、命をまるで道具のように使ってしまうから…)


ミカサ「……とりあえず今日のところは寝ましょう」


エレン「そうだな……ん?…お前は宿舎に帰るだろ?」


ミカサ「……」フルフル


エレン「……帰れよ」


ミカサ「イヤだ」


エレン「却下」


ミカサ「不毛」


エレン「……いや、駄目だ ゆずらない」


ミカサ「…わかった、しょうがない」


エレン(よし!)


ミカサ「取っておいたお願いをここで使うとしよう」


エレン「…はぁ、アルミンといいお前といいほんとよく覚えてんな」


ミカサ「もちろん」ドヤッ


エレン(うぜぇ…)イラッ


ミカサ「それじゃあ私のお願い……」スタスタ


ポフ



彼女は医務室のベッドに横になり、布団で顔を隠しながらこう言った



ミカサ「……一緒に寝て//」カアァ


エレン「なっ!?//」


ミカサ「こ、これはお願いだからエレンに拒否権はない」


エレン(こいつ…自分だって恥ずかしいくせに…)


エレン「…わかったよ、今日だけだからな」スタスタ


ゴロンッ


エレン「じゃあおやすみ」


ミカサ「…どうしてそっちのベッドで寝るの?」


エレン「こ、これでも一緒に寝てることになるだろ?」


ミカサ(私だって勇気を出して言ったのに……)


ミカサ「……」ソー



彼女は彼に気づかれないように彼の布団の中に忍び込んだ


ギュッ



そして後ろから抱きしめた



エレン「ちょっ///ミカサ!?」


ミカサ「……エレンがまたいなくなる……私の心は今、寒い…とても寒い……」ギュゥゥ


エレン「…ミカサ……」


ミカサ「だから…エレンに傍にいてほしい…あたためてほしい……」



ギュッ



彼はミカサと向き合い、正面から抱きしめ返した


エレン「あぁ…あたためてやるさ……死んでもお前の心をずっとあたため続けてやるよ」


ミカサ「エレン……」


エレン「ミカサ……」



二人は限られた時間を無駄にしないように、悔いを残さないように愛し合った


___________________



チュン チュン


エレン「………」


ミカサ「zzZ」ギュゥゥ


エレン(昔と変わらず抱きつくクセは治ってないみたいだな)クスッ


エレン(だが……力は変わったみたいだ)ミシミシ


エレン「ミ…ミカサ…そろそろ離してくれないと…また寝ちまう……」クルシイ…


ミカサ「ぅ…ぅ~ん……」パチ


エレン「よ、よう…おはよう」


ミカサ「!?」バッ


エレン「やっと離してくれたか……それより早く服を着ろ、風邪引くぞ」スルスル


ミカサ「!!///……えっち」スルスル


エレン「なっ//お前からしてきたんだろ!!」


ミカサ「そんなことない、エレンが私を襲った」


エレン「……」


ミカサ「………///」カァァ


エレン「自分で言って恥ずかしがるなよ」


エレン「ほら早くしろよ 食堂でアルミンが待ってるはずだからな」


ミカサ「もうそんな時間なの!?」


エレン「そりゃあんな時間までやれば起きるのも遅くなるだろ…」


ミカサ「……」


エレン「………///」ポリポリ


ミカサ「自分だって同じことをしてる」クスッ


エレン「い、いいから行くぞ!!」スタスタ


ミカサ「…エレン」


エレン「ん?」


ミカサ「約束、守ってくれてありがとう」ニコ


エレン「約束?何のことだ?」


ミカサ「教えない」フフフ


エレン「お前!?またそうやって俺に教えないのかよ!気になって眠れないじゃねぇか!」


ミカサ「ほら、早く食堂に行きましょう」スタスタ


アトデチャントオシエロヨ?
……
ムシスンナヨ!!


――食堂――


アルミン「あっ!二人ともおはよう!」ニコ


ミカサ「おはよう、アルミン」ニコ


アルミン(あっ…久々に見たな ミカサの笑顔…)フフ


エレン「ア~ル~ミ~ン~?」ギロッ


アルミン「…あれ?」オコッテル?


エレン「お前、余計なことしすぎだ!」ゴンッ


アルミン「痛ッ!…もう、二人の為を思ってやったことなのに……」ヒリヒリ


エレン「それでも、心の準備と言うものがあるんだよ!」


アルミン「…でも、ちゃんと気持ちを伝えられたんでしょ?」


エレン「そ、そりゃあ…そうだけど……」


ミカサ「二人ともケンカしてないで早く食べましょう」


エレン「わかったよ…」


アルミン(…で、どこまで言ったの?)ヒソヒソ


エレン(俺がもう直ぐ死ぬってことだけだ 過去のことや巨人であることは言ってない…今の俺だけを見ててほしいからな)ヒソヒソ


アルミン(…わかった、じゃあいつか僕が伝えておくよ)ヒソヒソ


エレン(悪いな…)ヒソヒソ


ミカサ「…二人とも、こそこそと何を話してるの?」


エレン「な、何でもねぇよ!」アセアセ


ジャン「あれ~?泣き虫エレン君じゃないか」ニヤニヤ


エレン「いきなり何ケンカ売ってんだよ…」


ジャン「だって昨日は大泣きしてたろ?男子宿舎まで聞こえていたぞ?」ニヤニヤ


エレン「なっ!?」


ジャン「どうして泣いてたんですか~?」ケラケラ


エレン「うぜぇ…」


サシャ「あっ!ミカサ、おはようございます!」


ミカサ「おはよう、サシャ」


サシャ「昨日はどこで寝てたんですか?夜中に起きて、部屋にいないから心配しましたよ」


ミカサ「ごめんなさい、昨日は医務室で寝てたの」


ジャン「……は?」


エレン「ちょっ、バカ!」


サシャ「そうでしたか…それにしてもミカサ、今日は肌がツヤツヤしてますね」


ミカサ「そ、そう?//」


ジャン「はああ!?」


アルミン(そこまで進んだんだ//)


エレン「~~~っ///サシャ!今日は俺、パンだけでいいから残りはやるよ!」ガタッ


サシャ「本当ですか!!ありがとうございます!」パアァ


タタタタタッ


ジャン「」


アルミン「マルコー、ジャンを連れてってくれないかい?」


コレタベテカラネ


アルミン「うん、ありがとね それより……ミカサ、よかったね」ニコ


ミカサ「うん///」


___________________



この日はいつも使われている森で卒業試験の準備をしているため、ウォール・マリア内にある巨大樹の森で立体機動の訓練が行われる その為、現在馬で移動中である


ダダダダダダッ


エレン「ウォール・マリアもだいぶ復興されてきたな」


アルミン「それもこれも君のおかげだったなんて知らなかったよ」


エレン「俺のおかげじゃねぇよ 皆が頑張ったから今があるんだ」


アルミン「あっ!巨大樹の森が見えてきたね」


エレン「あぁ、そうだな」


ドオオォォン!!



平和になったはずのシガンシナ区の方向から爆音が鳴り響いた



エレン「この音は!?」


キース「止まれぇぇ!!」



教官の号令と共に訓練兵は全員馬を走らせるのをやめた



キース「貴様らも聞いたと思うが、さっきの音は明らかに異常を示す音だ!!もしかすると…また扉が壊されたかもしれない」



一同「!?」



5年前の悪夢がよみがえる しかし、今回は前回の犯人達はこの場にいる


ライナー(ま、まさか…戦士達が攻撃してきたのか!?まだ予定よりも期間があったろ!!)


エレン(ここまで……か)


ジャン「くそっ!……あと一ヶ月で卒業だっていうのに…最悪だ…」


エレン「……ジャン、立派な兵士になれよ」


ジャン「はあ?何言ってんだ、お前?この状況で頭がおかしくなっちまったのか!?」


アルミン「エレン!?まさか、君は…ッ!!」


エレン「アルミン、ミカサを頼む……夢、叶えられなくて…ごめんな」


アルミン「行っちゃ駄目だよ!エレン!!」


エレン「みんな!!今までありがとう!!お前らは最高の仲間だったよ!!」ニカッ


彼は皆に最後の別れを言った後、最愛の彼女の前で向かい合った



エレン「ミカサ…お前に会えて本当によかった 幸せだった……」


ミカサ「な、何を言ってるの、エレン!!」


エレン「ミカサ……」



彼は彼女をそっと抱き寄せて口付けをした



エレン「いつまでも愛してる」


ミカサ「エレン…」


ダッ



彼はシガンシナ区の方角へ走り出し、そして……


エレン「…俺は幸せ者だ もう…悔いはない」ニコ


ガリッ


カッ!!



ジャン「ぐっ!?何だこの閃光は……」


コニー「!?あれを見ろ!!巨人だ!!」


黒髪の巨人「………」シュウゥゥゥゥ


ユミル「あのバカ!一人で行く気か!?」


ミカサ「あの巨人はあの時の!……エレン…あなたはあの時も私を守ってくれていたのね…」ポロポロ


サシャ「ええ!?あれがエレンなんですか!?」

黒髪の巨人「……」クルッ


ジャン「こっちに振り向いたぞ!」


黒髪の巨人「……」バッ



彼は皆に向かって心臓を捧げた



黒髪の巨人「……」クルッ



そして彼はシガンシナ区へ走り向かった



ミカサ「…エレン!!」バッ


アルミン「僕も!」バッ



彼女らも馬に乗ってシガンシナ区へと向かった


――シガンシナ区――


ギュイイィィィィン
       ザシュ


巨人「」シュウゥウゥゥ…


スタ


リヴァイ「チッ…キリがねぇな」



シガンシナ区の扉は壊されて、再び巨人が侵入していた



エルヴィン「あの手足が長い獣の巨人を殺せれば、統率されなくなるんだが…」


ハンジ「だけどあの巨人は壁を壊した後、壁から少し離れた場所から他の巨人を操ってるからね…」


事前に情報を得ていた調査兵団と駐屯兵団は、多くの固定砲をここに集めていた
そして現在、壁は壊されてしまったが固定砲は絶えず火を噴いており、侵入を最小限に抑えられている



エルヴィン「おそらく向こうは我々が事前に準備していた砲撃の弾が切れるのを待っているんだろう…それに戦士であろう他の巨人達も待機しているしな…」



猿の巨人を含めた獣の巨人達は、壁の近くの木々からこちらの様子を伺っている



リヴァイ「これからどうする?近づこうとしても袋叩きにあうだけだぞ」



アアアアアアアアアア!!



エルヴィン「この声は!?」


ギュイィィィン
      スタ


モブリット「エルヴィン団長!エレン君が来ました!」


ブシュウゥゥゥ



シガンシナ区まで来た彼は一旦巨人化を解き、エルヴィンの元へ向かった



ギュイイィィィィン
       スタ


エレン「エルヴィン団長!!」ハァ ハァ


エルヴィン「エレン!よく来てくれた 正直に言うと…君には戦ってほしくなかったんだが…」


エレン「いえ…そういうわけにはいきませんよ それに…ちゃんと皆にお別れをして来れましたから……」


リヴァイ「……俺達は何もしてやれないで…すまないな」


エレン「…いえ、皆さんには感謝してます 絶対に薬を完成させてくださいね」


ハンジ「あぁ、約束するよ…」


エレン「じゃあ…いってきます」タンッ



彼はそのまま壁の上から飛び降りた



エレン「…」スゥゥゥ…


エレン「猿の巨人!!座標であるお前に話がある!!巨人を退かせ!!」


猿の巨人「!!……お前ら、一旦下がれ そいつをこっちに連れて来い」



彼は地面に降り立つと、歩いて猿の巨人のところへ向かった


猿の巨人「…座標を知ってるってことは王族の者なのか?」


エレン「違う…ライナー達から聞いた」


猿の巨人「ライナー?……ああ、あの鎧の巨人か やっぱり裏切ってたんだな」


エレン「裏切ってなんかいない!俺達は和解したんだ!」


猿の巨人「和解?」


エレン「俺達は今、巨人化を解く薬を開発している 既に完成もさせている」


猿の巨人「!!」


エレン(本当はまだだがここは嘘をついてでも和解に持っていく!)


エレン「だが、壁外にある薬草が必要なため、量産が難しい だからお互いに協力してこの薬を作り、壁外人類も壁内人類もみんな平和に暮らさないか?」


猿の巨人「フフフ……アハッハッハッハッハ!!何を言ってるの、お前?俺達が和解なんてすると思ってるの?」


エレン「どうしてだ!?もう争う必要がなくなるんだぞ!!」


猿の巨人「いや、争ってないじゃん…一方的な殺戮だろ?」


エレン「くっ……確かに壁内人類も過去に酷いことをしたかもしれない…でも今はお互いに手を取り合うことができるだろ!!なのにどうしてそこまで壁内人類を殺そうとするんだ!!」


猿の巨人「…何を言ってるの?蟻を踏む潰すのに理由がいるのかい?」


エレン「!!……お前は腐ってんだな」


猿の巨人「酷いなぁ…お前達、もう殺してもいいよ」


エレン「黙れ!!」ギロッ


猿の巨人「!!」ゾクッ


エレン「和解が無理ならお前らは俺が…一匹残らず殺してやるよ」


猿の巨人「殺気で巨人達の動きが止まった……お前、何者だ?」


エレン「俺か?俺は…」





エレン「エレン・イェーガー…人間だ」ガリッ





カッ!!


___________________



ダダダダダダダッ


アルミン「――ってことなんだ」



アルミンは彼の全てを皆に話した



クリスタ「そ、そんなことって……」ポロポロ


ユミル(あの野郎…寿命のことを隠してやがって……)


ミカサ「………」


アルミン「ミカサ…大丈夫?」


ミカサ「ええ、大丈夫…」


ジャン「あいつは本当に死に急いでやがったのか…」


アルミン「ジャン!今の言い方はエレンを侮辱してるよ!!」


ジャン「だってそうだろ!!俺達は仲間じゃねぇのか!?どうしてあいつはいつも一人でやろうとすんだよ!!俺達に助けさせろよ!!それが仲間ってもんだろ!!」


マルコ「ジャン……」


ミカサ(エレン…どうか無事でいて……)



そして彼女らは扉を抜けてシガンシナ区へと入っていった



ライナー「おかしい…巨人が一匹もいないなんて…」


アニ「壁は壊されてなかったってこと?」


ベルトルト「あっ!外に繋がる壁が塞がれているよ」


ユミル「!!…おい、あれってまさか……」



ダダダダダダダッ



キース「エルヴィン!」


エルヴィン「キースさん……」


コニー「…なぁ、あれが何なのかわからねぇのは俺がバカだからじゃねぇよな」


サシャ「……私にもわかりません だから…まだどこかにいるはずですよ」ポロポロ



彼らの目の先には塞がれた穴があった

そして、それは…硬質化した彼によって塞がれていたのだ


エルヴィン「全ての巨人を殺した後…エレンは…最後の力を振り絞って、自分から壁となることを選んだんだ」



ミカサ「エレン…エレンッ!!」ダッ



彼女は硬質化した巨人の項から上半身をだしている彼の顔を覗き込んだ



ミカサ「エレン…」ポロポロ



彼は石となっていた……だが彼は…優しく微笑んでいた



ミカサ「ぅぅ…うわああああああああああん」ポロポロ



彼はこの日、15年というあまりにも短い人生に終わりを告げた


___________________


十数年後



コンコン


アルミン「おはよう、ミカサ」


ミカサ「おはよう、アルミン」



彼女は現在、昔住んでいた旧アッカーマン家で生活している



ミカサ「ちょうどよかった、今朝ごはんができたとこなの 食べていくでしょ?」


アルミン「うん、もちろんだよ その為に早めに来たんだから」


ミカサ「今出すから座ってて」


アルミン「うん……このテーブルに飾ってある花、とっても綺麗だね」ガタッ


ミカサ「ええ、エレンが子供の頃に好きだって言っていた花なの」


アルミン「へぇ~でもこれ、バラの花だよね?バラは愛の象徴ってイメージなんだけど…エレンがこれを好きだなんて意外だなぁ」


ミカサ「でもこの花の名を聞けば納得するはず」


アルミン「このバラは何て名前なの?」


ミカサ「エレンは知らなかったみたいだけど、このバラの名は…『ELLEN』」


アルミン「え?じゃあエレンは自分の名前と同じ花って知らないのに、その花が好きだったの!?」


ミカサ「ええ、まだお父さんから『ELLEN』という名をもらう前から好きだったみたいよ しかもエレンもお父さんもその花の名が『ELLEN』って知らずにつけたらしいわ」フフフ


アルミン「凄い偶然だね……エレンには驚かされてばかりだよ」


ミカサ「ええ…」


アルミン「そういえば今度ライナー達がお肉を送るって言ってたよ」


ミカサ「このあいだ送られてきたばかりなのに…」


アルミン「ライナーもベルトルトも君に気をつかってるんだよ」


ミカサ「もう許したのに……」


アルミン「…よく許したよね だっておばさんの仇だよ?」


ミカサ「憎しみは…何も生まないから……」


アルミン「…エレンの言葉だったね」


ミカサ「ええ…それにライナー、ベルトルト、アニの三人はエレンの意志を継いで、壁外人類の説得に貢献してくれたし……思いっきり殴っておいたから」


アルミン「そうだったんだ…それで調査兵団の本部で見かけた時に顎が外れてたんだ」フフ


ミカサ「他のみんなもエレンの意志を継いでくれて嬉しかった…」


アルミン「そうだね…マルコは腐敗しきった憲兵団を正す為、今もサシャとコニーと共に奮闘中だし、クリスタとユミルは命を狙われる危険性もあったのに壁の秘密を世間に公にしたからね」


ミカサ「でもそれも…アルミンがハンジさんと共に巨人化を解く薬をたった2年で完成させてくれたからじゃない…エレンもきっと喜んでいるはず」


アルミン「違うよ……全部エレンのおかげさ 壁外人類と和解できたのもエレンが過激派の猿の巨人達を倒してくれたからだし…僕達はただ、エレンの意志を継いだだけさ」


ミカサ「でもアルミンが頑張ったのも事実 それに今は調査兵団団長補佐だもの…
そういえば……一つだけ疑問に思ってたことがあるの 何で自由に外の世界に行けるようになったのに、アルミンは行かないの?外の世界を探検するのがアルミンの夢だったでしょ?」


アルミン「ちょっとだけ違うんだ…僕の夢はエレンと一緒に外の世界を探検すること…海を見ることだったんだよ そして今の僕の夢は……」


ドタドタドタ


「母さん!!どうして起こしてくれないんだよ!?」


ミカサ「まずは朝の挨拶でしょ?」


「おはよう、母さん!アルミン!」


アルミン「おはよう、ちゃんと準備はして寝た?」


「いや…実はあまりしてない 今日のことを考えたらワクワクして眠れなかったんだ…」


ミカサ「まったく…あなたのそういうところはお父さんにそっくりなんだから…」


「う、うるさいよ!」


ミカサ「ほら、ちゃんと私が用意しておいたから朝食を食べちゃいなさい」


「はーい」


カチャカチャ   モグモグ


「やっとだな、アルミン!今日、俺達は海を見るんだな!」キラキラ


アルミン「こっからだと二日は馬で移動しないと海は見えないらしいから、今日見ることは出来ないよ」クス


「マジかよ…」シュン


ミカサ「ほら、落ち込んでないで早く食べなさい」


アルミン「そうだよ そろそろ行かないと団長に怒られちゃうよ?」


「ジャンは待たせておけばいいんだよ」


ミカサ「こら!ジャン団長でしょ」


「はいはい」


ミカサ「『はい』は一回」


「もう!うるさいな!今日からしばらく会えなくなるんだから、怒らせないでよ……
でも、母さんはどうして一緒に行かないの?めちゃくちゃ優秀な兵士だったんでしょ?」


ミカサ「私は…いえ、私達はあなたの帰りを待ってるわ あなたもいつかわかる時が来るわ…帰る場所があるという幸せを……」


アルミン「ミカサ………おっと、そろそろ本当にマズイな 街の中心にあるエレンの銅像にも挨拶してかなくちゃいけないし」


「ええー父さんと俺って顔も全部似てるから、自分を見てるみたいで嫌なんだよなぁ」


ミカサ「そんなこと言わないでちゃんと挨拶してから行きなさい」


「はーい」


アルミン「じゃあミカサ、お土産をたっぷり持ってくるからね」フリフリ


ミカサ「ええ、期待してるわ」フリフリ


「じゃあ母さん、いってきます!」


ミカサ「待ちなさい…」シュルリ


ミカサ「これをあなたにあげるわ」


「でも…これって父さんから貰った大切なマフラーじゃないの?」


ミカサ「ええ…でも父さんもきっとあなたに貰ってほしいはず それにそのマフラーは大切な人にあげるものなの だから私にとって大切なあなたにあげるのよ」


「…ありがと、母さん 俺、一生大切にするよ」


ミカサ「あなたも大切な人が出来たらそのマフラーをあげなさい」


「やだよ!俺の宝物にするんだ!」


ミカサ「ふふふ…本当にお父さんそっくりなんだから……」


「じゃあいってくるよ、母さん」


ミカサ「ええ……」





ミカサ「いってらっしゃい、エレン」ニコ




Fin

これで完結です!


見てくださった方々、ありがとうございます!
最後のほうは少し描写が少なかったんですが、勢いで完結させちゃいました


ではまたどこかで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年11月30日 (土) 00:51:44   ID: 1sg2RQPa

面白いもっと書いて‼

2 :  SS好きの774さん   2013年11月30日 (土) 15:12:23   ID: svAKMckI

続き続き(▼∀▼)

3 :  SS好きの774さん   2013年12月03日 (火) 01:47:47   ID: bmg2y_Iy

次の更新楽しみにしてます!

4 :  SS好きの774さん   2013年12月04日 (水) 00:06:12   ID: sw8K9K1U

超オモロ〜

5 :  SS好きの774さん   2013年12月07日 (土) 01:02:12   ID: Lzz8cUvW

毎日の楽しみです‼

6 :  SS好きの774さん   2013年12月09日 (月) 15:36:36   ID: ZdLE1UjP

ミカエレ嫌い死ね

7 :  SS好きの774さん   2013年12月09日 (月) 16:45:27   ID: q6mDf0sr

批判は別にしてもいいと思うが、作者がここの米欄見てると思うのか?現行なんだから元スレに書き込めよ。

8 :  SS好きの774さん   2013年12月10日 (火) 01:52:25   ID: d5bXXBUL

このSS大好きです‼
頑張って下さい、楽しみに待ってます‼

9 :  SS好きの774さん   2013年12月14日 (土) 23:41:46   ID: xY7sMhQh

面白い!!‼続きが気になる‼‼

10 :  SS好きの774さん   2013年12月16日 (月) 00:48:21   ID: 3u7vOurS

盛り上がってきた〜‼‼‼

11 :  SS好きの774さん   2013年12月16日 (月) 00:50:47   ID: 3u7vOurS

話の構成が凄く上手い、貴方は天才ですか?

12 :  SS好きの774さん   2013年12月16日 (月) 07:45:55   ID: G-IfJ6hQ

ほんっっっとに面白いです!!頑張ってください!!

13 :  SS好きの774さん   2013年12月19日 (木) 23:13:11   ID: UIRoAOuB

続きお願いします。

14 :  SS好きの774さん   2013年12月20日 (金) 23:09:27   ID: QslrElKK

続き早く〜

15 :  SS好きの774さん   2013年12月21日 (土) 15:43:14   ID: qiYtqcvU

お疲れ様‼
超面白かったです‼

16 :  SS好きの774さん   2013年12月23日 (月) 22:01:13   ID: bqVCI0xp

泣いてしまった
素晴らしいSSでした

17 :  SS好きの774さん   2014年03月23日 (日) 09:20:23   ID: 3rCvI5dU

感動です!本家の此方の方も見たいと思い、こっちも見ました(進撃の巨人ちゃんねるに有ったのを見て)!

18 :  SS好きの774さん   2014年04月24日 (木) 11:08:32   ID: g4mgYKJW

作るのうまい

19 :  SS好きの774さん   2014年07月02日 (水) 23:19:08   ID: coii1zDy

感動!でも環境が環境とはいえ15歳でうわああんはないかなあ。それにジャンのやつ巨人が来てあんなにびびっといていまさら助けさせろもクソもないやろ。

20 :  SS好きの774さん   2014年07月04日 (金) 01:59:42   ID: ingNuEwz

気配やら殺気に鋭敏なエレンが扉の外のミカサ達に気づかないわけないと思うんだけど

21 :  SS好きの774さん   2014年07月04日 (金) 02:42:38   ID: C2-FE0oR

くそ泣いた

22 :  SS好きの774さん   2014年07月06日 (日) 23:25:08   ID: CAA-TLg4

どうしてこの手のものは100か0という選択肢しかないのだろう。間接的にであれミカサ達を守るため家を出て壁外へ行くというのは間違ってはいないと思うが、かといって交流を無くすほどでもない気がする。普通に週一でも月一でもいいから会いに行けばいいのに。

23 :  SS好きの774さん   2014年09月13日 (土) 01:19:11   ID: 3y16IWUR

これで泣かない奴は人じゃない!!!

24 :  SS好きの774さん   2015年05月21日 (木) 21:22:51   ID: SH-ekBK5

↑良かった俺は人だった

25 :  SS好きの774さん   2016年12月31日 (土) 20:35:08   ID: 0g9OxMbT

↑俺も人でよかった

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