女「百合作品のSS書く」 (107)

山田「今日は加瀬さんと、デー……ト」

山田「女子同士だけど、デート」

山田「女子同士だけど、両思いで、付き合ってて」

山田「えへへ」

山田「ん、髪大丈夫かな?」

山田「んんー」サッサッ

加瀬さん「おまたせ山田、何してるの?」

山田「かっ、加瀬さん!?」

加瀬さん「変じゃないと思うけど?」

山田「う? え? えぇ?」

加瀬さん「髪、整えてたんでしょ?」

山田「あ、う、うんそうなんだ」

山田(そうなんだって、私なにか変なこと言ってるよお///)

加瀬さん「あ……その、ちゃんとかわ、いいよ///」

山田「~~/// ありがと……加瀬さん///」

加瀬さん「じゃ、じゃあ行こうかっ」タタタッ

山田「ま、待って速いよ加瀬さん」

加瀬さん「ご、ごめん」

山田「ふう……」

加瀬さん「髪乱れちゃったね、折角直したのに」

山田「ううん、それはいいんだけど」

加瀬さん「よくないよ、折角可愛くしたのに!」

山田「か、かわ///」

加瀬さん「頭下げて」

山田「こう?」

加瀬さん「うん」ササッ

山田「ひゃっ!」

加瀬さん「可愛くなった」

山田「あり……がと……///」

山田「えっと、それで今日はどこ行くの?」

加瀬さん「山田はどこか行きたいところある?」

山田「うーん……加瀬さんとならなんでも」

加瀬さん「え?」

山田「たのし……ってダダダメだよねっそれじゃ!」

山田(わ、私なに言ってるの///)

加瀬さん「あはは/// じゃあ私がいつも遊んでるところにしようか?」

山田「加瀬さんがいつも? うん! それがいい!」

加瀬さん「じゃあ行こうか」

山田「うん」

加瀬さん(山田、今日は一段と可愛い)

加瀬さん(今思えばマラソンシューズを買いに行った時もそうだったけど)

加瀬さん(おめかし、してくれてるんだよね)

山田「加瀬さんはいつも休日は何してるの?」

加瀬さん「え?」

山田「あ、聞いちゃダメだった?」

加瀬さん(しまった、山田の事考えてて話聞いてなかった)

山田「加瀬さん?」

加瀬さん「あ、いや……ショッピングセンター行こう」

山田「う、うん」

山田(そういう話だった……かな?)

山田「加瀬さんはいつもここでお買い物してるんだね」

加瀬さん「え?」

山田「違うの?」

加瀬さん「ああ、私はいつもここの四階にあるフィットネスクラブで遊んでるんだ」

山田(遊び感覚!?)

加瀬さん「どうかした?」

山田「ううん、なんでもないっ」

加瀬さん「ここは男女でちゃんとわかれてるから安心して」

山田「へえ、そうなんだあ」

加瀬さん「じゃあ入ろうか」

山田(こういうのもデートでいいんだよね?)

山田「って……フィットネスクラブって、こんなに体動かすの……?」

加瀬さん「わあ、山田バテバテ」

山田「はぁ……はぁ……シャツもビチャビチャ……」

加瀬さん「……ごくっ」

山田「マラソンの時に体力作りしたけど……全然ダメみたい……」

加瀬さん(山田、色っぽいな……)

山田「やっぱり加瀬さんには付いてけないよお……」

加瀬さん「ごめん、無茶させちゃった?」

山田「あ、ううん大丈夫……でも無いけど、それよりも普段の加瀬さんの事が知れて……嬉しいから」

加瀬さん「山田……可愛い」

山田「か、加瀬さん、急になに///」

加瀬さん「ごめんっ、つい……本音が///」

加瀬さん(ああ、こんな姿の山田が見られるなんて、ここに連れてきて本当良かった!)

肌に張り付いたシャツの感触に
加瀬さんの汗の匂いと本音は
忘れられそうにありません

乙女「先生、お話があります」

湊「どうしたのよ乙女?」

乙女「これはなんですか」

湊「これはお風呂です」

乙女「英語の授業してるんじゃないよ!」

湊「んー、あっ」

乙女「わかった?」

湊「ご、ごめん乙女……」

乙女「お風呂掃除しといてって、あたし言ったよね?」

湊「はい……おっしゃる通りで」

乙女「前においしーいお料理を作ってくれてる間にお風呂掃除するって言い出したのも先生だよね」

湊「ごもっともです……」

乙女「折角ご飯のあとに二人で入りたかったのに!」

湊「乙女が積極的で嬉しいよ」

乙女「その腰を折ってるのは先生でしょ!」

湊「ほらほら怒らないで、はいあーん」

乙女「おいしい」

湊「乙女もあーんしてよ」

乙女「はい先生……って今はそういう話じゃなくて」

湊「誤魔化しきれなかったか」

乙女「当たり前っ!」

湊「ああーん、ごめん乙女ー」

乙女「謝ってもきれいなお風呂は帰ってこないよ」

湊「そう怒らずに、食べて食べてほらあーん」

乙女「おいひい」

湊「私にも頂戴」

乙女「ふぁに!?」

湊「んちゅー」

乙女「んんっ」

湊「はむっ……ちゅぷっ、ん……ちゅ」

乙女「ふあ……」

湊「美味しい、乙女の作ったごはん」

乙女「……ばか///」

湊「お風呂のことは置いといて今はご飯にしよ」

乙女「しかたないなあ先生は」

湊「ふふふ、誤魔化されてる」

乙女「誤魔化してあげたの」

湊「ありがとう乙女」

乙女「もう」

湊「うーん、乙女のご飯は美味しい」

乙女「先生、もう一回して」

湊「ん?」

乙女「さっきのもう一回して欲しいの」

湊「ん……ちゅ、欲しがり屋さんねえ乙女は」

乙女「さあ掃除の時間です」

湊「乙女が冷たいっ」

乙女「冷たいのは洗い物の水」

湊「あ、洗い物いつもありがとね乙女」

乙女「そのいつものをサボったのはどこの誰?」

湊「わたしです」

乙女「わかってるならさっさと行く」

湊「はーい」

乙女「まったく、先生ったら」

湊「と見せかけて」

乙女「なにしてるの」

湊「ひいっ! じゃなくて、一緒に掃除してそのまま一緒に入ればいいと思って」

乙女「んん?」

湊「洗い物も一緒にしましょ」

乙女「……それ、いいかも」

乙女「もう先生に洗い物させない」

湊「乙女ーはやくはやくー」

乙女「お皿代だってばかにならないんだか……先生! 洗濯物その辺に散らかさないの!」

湊「いいじゃない、私ははやく乙女の体を見たいの」

乙女「……しょうがないなあ」

湊「洗剤忘れた」

乙女「ちょ、ちょっと先生!」

湊「どうしたの?」

乙女「あたし脱いでるんだけど!」

湊「何を今更」

乙女「そうだけど……そうだけど!」

湊「洗剤あった、あとはスポンジも二つっと」

乙女「情緒ってもんをさあ……」

湊「このスポンジ泡がすごく立つのよ」

乙女「貰い物はやっぱ違うね」

湊「そうそう、そのへんの100均じゃあでないわ」

乙女「言ってて虚しくなってきた」

湊「掃除しましょうか……」

乙女「あっ、本当に泡立ちいい、よく落ちそうだね先生」

湊「でしょ、隅々まで綺麗にしましょう」

乙女「はーい」

湊「……乙女の体もね!」

乙女「きゃあっ!」

湊「これじゃ泡おと――」

乙女「それ以上言うと怒るよ」

乙女「洗剤なんだからやめて先生」

湊「ちょっとくらい大丈夫よ、体に優しい洗剤だから」

乙女「それでもダメ、肌荒れちゃう」

湊「私以外に見せるつもりなんて無いのにいいじゃない」

乙女「そ、そうだけど……それでも綺麗な体でいたいの!」

乙女「先生に見せる体だから、余計に」

湊「乙女……私感動しちゃった」

乙女「余計な事してないで掃除してお風呂入るよ」

湊「うん」

乙女「その……こういうことはお風呂の時に……」

湊「何か言った?」

乙女「なんでもない」

湊「なーんて、ちゃんと聞こえてたわ、乙女はえっちなんだから」

乙女「も、もう! 先生のバカ!」

ひまわりさん「まつり、何を読んでるんだい?」

まつり「気になりますか?」

ひまわりさん「まつりが珍しく本を読んでるからね、気にもなるよ」

まつり「酷いですひまわりさん! わたしだって最近は読めるようになってきてるんですから」

ひまわりさん「それはすまない」

まつり「この前だって感想を聞いてもらったじゃないですか」

ひまわりさん「そういえばそうだったね、何を言っているかわからなかったけど」

まつり「え」

ひまわりさん「それで、まつりは何を読んでいるんだい?」

まつり「わたしが読んでいるのはですね」

ひまわりさん「ヤケに勿体ぶるな」

まつり「あっ、まずはヒントですよ」

ひまわりさん「そういうゲームをしたかったわけじゃないんだが」

まつり「えーとですね、ただの本じゃないです」

ひまわりさん「全然わからないんだが」

まつり「それから、絵が付いてますよ、とっても可愛い絵です!」

ひまわりさん「ライトノベルか何かか?」

まつり「ハズレですよ」

ひまわりさん「単純に漫画かい? ひまわり書房にはあまり置いてないはずなんだが」

まつり「それも違います」

ひまわりさん「もしかしてまつりの持ってきた本かい? 珍しい」

まつり「あ、確かにここの本じゃないですね」

ひまわりさん「ヒントが大雑把過ぎてわからないな」

まつり「でもひまわりさんの本ですよ」

ひまわりさん「?」

まつり「可愛らしかったです」

ひまわりさん「やっぱりライトノベルじゃないのか?」

まつり「んー、近からず遠からずですね」

ひまわりさん「ちんぷんかんぷんだな」

まつり「好きだああああああああ! ッて感じです」

ひまわりさん「……降参だ、教えてくれないかまつり」

まつり「えへへ、これですよ」

ひまわりさん「……」

まつり「あ、あれ? どこに電話してるんですかひまわりさん?」

ひまわりさん「今すぐ店まで来てください、今すぐです」

まつり「あっ、お兄さん」

薫「やあ、まつりちゃん今日も元気だね」

ひまわりさん「黒井里先生」

薫「先生と呼ぶのはやめてくれないか、妹よ」

まつり「ひまわりさん、お兄さんに電話だったんですね」

ひまわりさん「……」

薫「妹よ、ラブコールとは情熱的だね」

ひまわりさん「巫山戯ないでください」

薫「ず、ずいぶんと機嫌が悪いようだけれど?」

ひまわりさん「まつりにあれを渡したのは兄さんですね」

薫「あれ? ああ、あれかい?」

まつり「そうなんですよ! 偶然会った時にお兄さんが貸してくれたんです」

ひまわりさん「人の物を勝手に渡すのはやめてください」

薫「いやあ、まつりちゃんが本を読みたいけど文字を読むのが辛いって言ってたからね」

ひまわりさん「そもそもあれは本じゃないでしょう?」

薫「そんなことは無いと思うけどね」

ひまわりさん「とっくに処分したと思ってました」

まつり「そんなっ! 勿体無いですよ」

薫「そうそう、そう思って保存しておいたんだよ」

ひまわりさん「余計なことを」

まつり「余計なことじゃないです、わたしこれを読めてよかったって思ってますよ」

ひまわりさん「まつり……」

まつり「この本を呼んでるとなんだかポカポカしてきます」

ひまわりさん「絵日記は本とは呼べないと思うんだが、なにより私の書いたものだし」

まつり「そんなことないです!」

ひまわりさん「っ」

まつり「ここに書かれているのは大体が猫のことだったり」

まつり「真っ黒に塗り潰されている所は虫の話だったりしますけど」

ひまわりさん「恥ずかしいから内容言わないで」

まつり「大切な思いのこもったひまわりさんとわたしの本なんです」

ひまわりさん「まつりの本ではないと思うんだが」

まつり「だから、いつか今書いてる日記も見せて下さいね」

ひまわりさん「ッ/// そ、それはダメだ///」

まつり「ええ!? なんでですか?」

ひまわりさん「それは言えないっ」

まつり「えー、いいじゃないですか」

薫(日記の内容はまつりちゃんのことばかりだから、かな?)

薫「さて、一件落着したし帰って原稿の続きをしてもいいかな?」

ひまわりさん「さっさと帰ってください」

薫「呼びつけておいてあんまりだね……」

まつり「あっ、絵日記返しますね」

薫「それは妹の本だよ」

まつり「そうでした! じゃあひまわりさん、はい!」

ひまわりさん「いや、それはまつりが持っていてくれないか」

まつり「いいんですか!?」

ひまわりさん「うん」

まつり「わあ! 嬉しいです! 毎日枕の下に敷いて寝ます!」

ひまわりさん「それはやめてくれ」

ユキの世界はカメラで出来ている
ユキに写る私の姿はいつだってカメラ越し
ファインダーの向こうに私はいるのだろうか

ユキ「こっち見ないで」

あかり「わかった」

ユキにとって私はただの被写体でしかなくて
悠然と構えたカメラに写る景色の一つに過ぎなくて
それがとても悔しい

あかり「これはいつ現像するの?」

ユキ「フィルムがまだ結構残ってるからね」

あかり「そっか、じゃあまだ先か」

ユキ「見たい写真でもあった?」

現像してるユキが見たい出来ればそれを撮りたい
なんて、明かりのない暗室でそんなこと出来るはずないけど

あかり「ちょっと気になっただけ」

ユキ「そう?」

薄暗い暗室で見せる真剣だけどどこか子供っぽい表情が私を魅了する
そんなユキをカメラに収めたい私のワガママ

あかり「じゃあ私の方がもうすぐ一杯になるから、現像お願いしてもいい?」

ユキ「いいよ、わかった」

フィルムの残量はあと二つ
ユキにそう言うと撮りたいものを探すように言われる
私の撮りたいものはユキだけだ

あかり「特にないかな……ピンと来ない」

ユキ「そういうとき、あるよね」

あかり「ユキも?」

ユキ「うん」


ユキには撮りたいものがないんじゃない
撮りたいものがそこにいないだけ

あかり「私じゃダメかな……」

ユキの見る景色の一つでただの被写体それが私

ユキ「撮って欲しいの? いいよ」

カメラの向こうに私はいない

カシャ

ユキ「あかり、笑って」

あかり「笑ってるよ」

ユキ「ちょっと表情が硬い」

あかり「そうかな……?」

ユキ「あっ、そうだ」

思い立ったようにユキが私の体を引き寄せる
唇が触れ合うほどの近さにユキがいる体が硬直してもっと表情が硬くなる

あかり「ユキ、何をっ」

カメラを構えたままのユキに唇を塞がれるムードも何もあったものじゃない
それでもユキの唇は私を綻ばせるには十分すぎた

カシャ

ユキ「いい表情……きっと」

カメラを降ろすユキを呆然と見つめたまま立ち尽くしていると
ユキは私から目を背けた
遠のいて行くユキの背中と乾いていく唇に喪失感を覚え袖を掴んでしまう

ユキ「どうしたの、あかり?」

あかり「ど、どこ行くの?」

ユキ「どこって部室だけど」

あかり「あ……そっか、そうだよね」

ユキ「ふふっ、変なあかり」

私の挙動にユキが微笑む
その小さな笑顔だけで悩んでいたことがどうでも良くなった
代わりに欲望が顔を出す

あかり「早く部室行こうユキ」

あかり「相変わらず暗いね」

ユキ「現像室だからね」

そりゃそうだと相槌を打ちながら電気をつけて現像の準備をするユキを眺める
ユキの長いまつげが機材を見つめる
現像液のようなものを幾つか用意する姿が私の劣情を掻き立てた

ユキ「鍵閉めて」

気取られたのかと肝を冷やした
ユキはただ誰かが入ってきて感光してはイケないからと頼んだだけ
黙って鍵を閉め明かりが漏れないようガラス窓に真っ黒いカーテンを引いた
暗闇が部室を支配する

ユキ「じゃあ現像しようか」

あかり「その姿を撮ってもいい?」

暗闇に目が慣れて来る

ユキ「ダメ、感光するから」

あかり「お願い」

ユキ「どうして撮りたいの?」

あかり「現像してる時のユキが好きだから」

ユキ「……」

ユキ「…………」

ユキ「わかった」

あかり「ありがとう」

ユキ「……こんな感じ?」

あかり「こっち見ないで」

ユキ「わかった」

森下「先輩、お願いがあるんですけど」

川口「なんでも言ってみ」

森下「……ちゅーしてください」

川口「ふーん」

森下「えー」

川口「急にどうしたの」

森下「次の漫画の展開なんですけど……」

川口「ああ、あの続き?」

森下「はい……ちゅーしないとどうしても描けないんです」

川口「なんとまあ」

森下「私を助けると思って」

川口「キスシーンくらいしなくても描けるでしょ」

森下「それはそうなんですけど」

川口「ならば良し!」

森下「そんな、ほら、あれですよ」

川口「あれでしたか」

森下「わたがし食べたくなっちゃいます」

川口「それは大変だ」

森下「ちゅーってレモン味だとか、甘いだとか言われてるじゃないですか」

川口「そうだねー」

森下「どっち? ってもう頭こんがらがっちゃって」

川口「森下はちゅーしたことないんだね」

森下「はいっ!」

政人「俺もしたことないよ!」

森下「政人くんはちょっと黙ってて」

政人「……」

森下「わたしの初めては全部先輩にあげたいんです」

政人「……」

川口「べ、別にそういうこと言われても嬉しくなんかないんだからね!」

森下「ツンデレですか」

森下「わたしは漫画を描ける先輩とちゅーできる」

政人「……」ワキワキ

川口「これが一石二鳥って奴かあ」

森下「悪いことなんてないじゃないですか」

政人「……」ワキワキ

川口「私完全に鳥の方だよね」

森下「……ダメ、ですか?」

政人「……」ワキワキ

川口「政人ウザい」

森下「政人くん気持ち悪いね」

政人「え……」

川口「ほら、十円あげるからなんでも好きなもの買ってきな」

政人「……」

川口「……ちゅーしてやらんこともない」

森下「本当ですか!?」

川口「漫画のためなんでしょ?」

森下「あ……」

川口「ほら、ちゅーしよう」

森下「ま、待ってくださいっ!」

川口「ほーら、ちゅーしちゃうよー」

森下「ご、ごめんなさいっ! 漫画にするなんて嘘なんです」

川口「うん、知ってた」

森下「ええ!?」

川口「流石の森下でもあそこからキスシーンには出来ないわ」

森下「……そうですか?」

川口「あれ?」

川口「ちゃんと言ってみて」

森下「先輩……ちゅーしたいです」

川口「それは聞いた」

森下「先輩が大好き過ぎて……ちゅーしたくて仕方が無いんです!」

川口「最初から素直に言いなよ」

森下「ごめんなさい」

川口「私もイジワルしてごめん」

森下「先輩……」

川口「目、閉じて」

森下「……ん」


政人「うまい棒はうまいなー……」

瞳「意図せず同棲生活が始まっちゃったね……」

奈々「うん、なんかあっさりし過ぎてどうしていいかわからない」

瞳「とりあえずベッドルームから確認しようか」

奈々「とりあえずなの!?」

瞳「じゃあ一番重要だからベッドルームから確認しよう」

奈々「じゅ、重要って///」

瞳「誰もいない二人っきりの家だもん」

奈々「~~///」

奈々「あっ、結構広いかも」

瞳「ホントだ、うーんでも」

奈々「どうしたの?」

瞳「ベッド自体はちょっと狭いかな」

奈々「そう? 十分だと思うけど」

瞳「ええー、二人で寝るにはちょっと狭いよ」

奈々「ちょ、ちょっと瞳///」

瞳「そうだ、目一杯くっついて寝れば大丈夫かな」

奈々「く、くっついて?」

瞳「そう、こんなふうにね」ギュ

奈々「わっ」トスッ

瞳「ふかふかだね」

奈々「おひさまの匂いがする」

瞳「そっちじゃなくて、奈々が」

奈々「私?」

瞳「そっ、奈々は可愛くて柔らかくて、最高の私の恋人だよ」

奈々「そんなっ、瞳の方が私よりずっと可愛いし、女の子だし……」

瞳「私にとっては奈々が一番かわいい」

奈々「私は瞳が一番かわいいと思う」

瞳「あはは、相思相愛だ」

奈々「本当だ」

瞳「奈々……」チュ

奈々「ん……ちゅ……」

瞳「新婚初夜ならぬ新居初夜……しちゃおうか」

奈々「瞳……まだ昼」

瞳「だったら夜までずっとする」

奈々「私、瞳ほど体力ないよお」

瞳「冗談、私だって夜までは体力保たないかな」

奈々「……でも、したい……かな」

瞳「奈々……もう、可愛いな」チュ

奈々「んちゅ……瞳だって……ちゅっちゅ……」

瞳「服、脱がせていい?」

奈々「私も……」

瞳「じゃあ脱がせっこ?」

奈々「うん」

瞳「んー、んしょ……ふう」

奈々「……」ポォ

瞳「どうしたの?」

奈々「ううん、綺麗な体だなって思って」

瞳「何度も見てるのに、奈々ったら」

奈々「何度見ても綺麗なものは綺麗なの!」

瞳「そこまで言われたら、恥ずかしいじゃん///」

奈々「本当のこと言っただけだよ」

瞳「ありがと///」

奈々「……///」

瞳「な、奈々の服だってもう脱がせちゃう!」

奈々「わっ」

瞳「……綺麗だよ奈々」

奈々「……」チュ

瞳「……奈々」チュ

奈々「好き……瞳」

瞳「奈々、私……もっと奈々のこと私のものにしたい」

奈々「……瞳のものにして」

瞳「だから私も、奈々のものに……」

奈々「……うん」

瞳「奈々……」

奈々「瞳……」

「大好き」

神奈「ちょっとバベル!」

バベル「どしたの」

神奈「私の机まで塔を伸ばしてるんじゃないわよ!」

バベル「カンナちゃん、固いこと言わない言わない」

リカ「怖い怖い怖い……」

神奈「どんだけ傾けて積んでんのよ!」

バベル「自然とこうなっちゃって、いやあ参った参った」

都「困ったねー」

神奈「あんた達ねえ……ちょっとは反省しなさいよ!」

暁「わあ……どっかの国にこんな感じの塔あったよね」

悠「ピサ?」

リカ「暁……たす、助け……」

バベル「何とかの塔」

神奈「もしかしてバベルじゃなくてピサって呼んで欲しいの!?」

バベル「バベルの方がいいかなあ」

都「ちーちゃん意外と気に入ってたんだね」

バベル「あだ名つけるのって楽しいからねー、みゃあ」

リカ「たす……助けろよ、暁! 崩れるかもしれないだろ!」ガタッ

バベル「あー」

神奈「へ?」

神奈「ぎゃあー!」

悠「神奈危ない」ドシャ

バベル「あわわわ……人を殺してしまった」

リカ「ひいっ!」

神奈「生きてるわ!」

暁「リカちゃん大丈夫?」

リカ「う、うんリカの方には倒れてこなかったから」

暁「テンパってるね、リカちゃん」

リカ「あ……///」

神奈「いったたた、誰も心配しないあたりあいつららしい、悠大丈夫?」

悠「神奈は?」

神奈「私は……悠のお陰で」

都「二人が埋もれちゃったね」

バベル「カンナちゃんとゆーゆーを救出するために、発掘隊の出動だ!」

「おー!」

神奈「悠、ありがとね」

悠「?」

神奈「守ろうとしてくれて、悠らしからぬ機敏な動きでちょっとびっくり」

悠「当たり前のことしただけ」

神奈「……そういうことサラッと言うんだから///」

悠「?」

神奈「悠……」

悠「神奈の髪って結構モフモフだよね」

神奈「ちょ、ちょっと」

悠「モフモフしていい?」

神奈「もうしてるでしょ!」

悠「もふもふ」

神奈「~~///」

悠「神奈の匂い……」ムラッ

神奈「悠……?」

悠「キスしていい?」

神奈「は、はあ!?」

悠「キスしたい」

神奈「ちょ、ちょっと!?」

悠「神奈……」

神奈「こ、こんなところで……ゆ、悠!」

悠「……」チュ

都「誰かいますかー!」

暁「救助犬の出動だ」

バベル「わんわん!」

リカ「というか、どのへんにいたか大体わかってるだろ!」

バベル「この辺かなー?」

神奈「ん……」

悠「神奈……」

都「あっ」

暁「おお、大丈夫かー?」

リカ「? 何してたの?」

神奈「な、なんでも無いわよ! ちゃらんぽらんズ!」

悠「いい事してた」

神奈「!?」

叶「千鶴ちゃんの部屋ってやっぱり私とオソロの多いね」

千鶴「叶ちゃんと同じの欲しかったから」

叶「こんなに?」

千鶴「うん///」

叶「じゃあ私も千鶴ちゃんとオソロの集めようかな」

千鶴「だめ」

叶「どうして?」

千鶴「私は、叶ちゃんが好きだから」

叶「そっかー」

叶「ペアルックとかもダメ?」

千鶴「ペアルック!?」

叶「恋人同士っぽいよ?」

千鶴「……魅力的だけど、バレちゃうかもしれないし……」

叶「それもそうだね」

千鶴「今あるのだけで十分だと思うよ」

叶「じゃあ大切にしないとね」

千鶴「うん」

叶「……これも?」

千鶴「あっ!」

叶「ウィッグ、すごいね」

千鶴「ええっと……それは……」

叶「この色って私と同じ?」

千鶴「……うん、そう……わっ」

叶「本当だ、私みたい」

千鶴「……///」

叶「髪型が同じで、リップも同じで」

千鶴「叶ちゃん……」

叶「鏡見てるみたい」

千鶴「私は叶ちゃんみたいに綺麗じゃないよ」

叶「可愛いよ、千鶴ちゃん……」チュ

千鶴「……ん」

叶「自分とキスしてるみたい、変なの」

千鶴「ウィッグはいい……」

叶「脱いじゃうの?」

千鶴「うん」

叶「結構似合ってたよ? 髪伸ばしてみないの?」

千鶴「ううん、伸ばさない」

叶「そうなんだ」

千鶴「うん、叶ちゃんには私を見て欲しいから」

叶「私は千鶴のこと見てるよ、心配しないで」

千鶴「うん……///」

春香「あっ、新作のチョコだ!」

春香「しかも抹茶味だし、優ちゃんに買ってあげよう」

春香「……お財布が寒い」

春香「結構高いし、厳しいなあ」

優「どうしたの春香?」

春香「優ちゃん!」

優「百面相だね」

春香「見て優ちゃん、抹茶!」

優「……ごくり」

優「おもむろにレジに持って……って高い!」

春香「高いよねえ」

優「あ、諦め……切れない!」

春香「颯爽とレジに並ぶ優ちゃんが凛々しい!」

春香「待って優ちゃん」

優「やめて春香、私の決意を鈍らせないで」

春香「お小遣い無くなっちゃうんでしょ?」

優「言わないでえ!」

春香「私も買おうと思ったんだけど優ちゃんと同じで」

優「うん」

春香「だからね、お金出しあって一緒に買ったらどうかな?」

優「春香……頭いい!」

春香「わあ、そこまでのこと言ってない気がするけど嬉しい」

優「抹茶楽しみだなあ」

春香「こんなに小さいのにこの値段かあ」

優「もぐもぐ」

春香「とっても美味しいんだろうね、優ちゃん!」

優「もぐもぐ」

春香「お話しようよ!」

優「私は今抹茶に夢中なの!」

春香「私にも夢中になってよー」

優「これ以上夢中になんてなれない」

春香「ゆ、優ちゃん」キュン

優「抹茶抹茶チョコあまーい」

春香「私だってチョコ食べちゃうもん」

優「あー!」

春香「私だってお金出したもん」

優「そうだった」

春香「忘れてたの!?」

優「抹茶に夢中で、てへっ」

春香「ひどーい」

優「だって美味しいんだもん」

春香「確かに美味しいね、あの値段なだけあるね」

優「ねー」

春香「……あっ、そうだ!」

優「どしたの、春香?」

春香「パクっ」

優「?」

春香「優ちゃん優ちゃん」

優「どうしたの? 舌の上にチョコ乗せて」

春香「優ちゃん、食べていいよ」

優「ッ、どうしよう! 春香がおかしな事言い出した!」

春香「ええ!?」

優「だけど……すごく魅力的に見える」

春香「だったら、早く早く」

優「……ごくり」

春香「んー」

優「……春香」チュ

春香「はむっ……」

優「ちゅぷ……ちゅっちゅっ」

春香(すごい……優ちゃん、抹茶が欲しくて舌を転がしてる)

優「ん、ん……」

春香「優ちゃ……んふっ……」

優「春香ぁ……」ギュ

春香「優ちゃん?」

優「甘い……」

春香「うん、甘くて美味しいね、抹茶!」

優「そっちじゃないよ! 春香のバカ!」

春香「えええ!?」

女「とまあこんな感じなんですけどどうでした?」

先輩「どうって言われても」

女「百合に目覚めました?」

先輩「まあよかったんじゃない?」

女「そうですか……じゃあ、あの……私と付き合ってください!」

先輩「はじめからそういいなよ、遠回りが好きなんだから」

女「えへへ」

おしまい

先輩「それで解説はしてくれないの」

女「はい、しませんよ」

先輩「気になるんだけど」

女「ダメです、だってあなたには私だけを見て欲しいから」

おわる

ケダモノの唄と青い花を書きたかったけど書けなかったよ……

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom