ほむら「佐倉杏子に取り憑かれた」(333)

杏子「ここはあたし一人でやる」

ほむら「な、何を言って……!?」

杏子「マミもやられちまったし、あたしも……」

ほむら(杏子のソウルジェムの穢れが……!)

杏子「迷惑かけたくないからな……早く行きな」

ほむら「くっ……!」タッタッタ

杏子「心配すんなよ、さやか……さやかだけを置き去りにしない……」

杏子「一人ぼっちは……寂しいもんな」

杏子「……いいよ、一緒にいてやるよ……さやか」




杏子(そういや……あいつ一人でワルプルギス倒せんのかな……)

杏子(別にあいつとは仲間とかそんなんじゃないけど……一応、手を組んだ仲だからな……)

杏子(……あたしにもっと……力があれば……さやかも……あいつも……)

<ほむらの家>

QB「……時間遡行者、暁美ほむら」

QB「数多の平行世界を横断し」

QB「君が望む結末を求めてこの一ヶ月間を繰り返してきたんだね」

ほむら「ええ、そう……」

「あ~そうだったのか」

ほむら「!?」ビクッ

杏子「よっ」

ほむら「な、なんであなたが……」ガタガタブルブル

QB「どうしたんだい、ほむら?」

ほむら「どうした、って……あなたには見えないの!?」ガタガタブルブル

QB「君が何を言いたいか、さっぱりだよ」

ほむら(私にしか見えない!?)

QB「……話を続けていいかい?」

ほむら「……消えなさい、あなたとの話はこれで終わりよ」

QB「君に重要な話が」

ほむら「消えなさい」

QB「……わけがわからないよ」テクテク

杏子「おい、ほむ……」

ほむら(……幻覚を見るなんて疲れているのね、今日は早く寝たほうがいいわね)

杏子「おい、聞いてんのか?」

ほむら(幻聴よ……これは幻聴……)

杏子「……無視すんな!」ガシッ

ほむら「」

バタッ

杏子「お、おい……」ユサユサ

ほむら「」

杏子「……」

杏子「どうすりゃいいんだよ……」

<翌朝>

ほむら「う、う~ん……」

杏子「よっ、やっと起きたか」

ほむら「きゃあああ!!!」

杏子「……驚くのもわかるけど落ち着けよ……」

ほむら「だ、だって、し、死んだはずじゃない……」ガタガタブルブル

ほむら「わ、私を……恨んで……出てきたんじゃないでしょうね……」ガタガタブルブル

杏子「……別に恨んでねぇよ」

ほむら「ほ、本当?」ガタガタブルブル

杏子「……本当だよ、大体何を恨むって言うのさ」

杏子「いいから早くこっち来いよ」

ほむら「え、ええ……」

ほむら「……と、ところでどうやって私をベッドまで運んだの」

杏子「いや、普通に。物とかは触れないのに、あんたにだけ触れるんだよな」

ほむら「……何よそれ」

杏子「あたしだってよくわかんないんだから聞くなよ」

ほむら「……どうして私のところに?」

杏子「さぁね。ただ、自爆するとき一瞬あんたのこと考えたからかな」

ほむら「……」

杏子「で、これからどうすんだ?」

ほむら「朝食をとったら、ワルプルギスへの対策を立てるわ。あなたも手伝ってちょうだい」

杏子「あたしに出来ることがあればな」

ほむら「これでワルプルギスへの対策は完了ね」

杏子「そうだな。じゃあ、これからどうすんだ?」

ほむら「特に予定はないわ」

杏子「そうか……そういえばさぁ」

ほむら「何かしら?」

杏子「あたしはいつまであんたのそばにいるんだろうな」

ほむら「さぁ……」

杏子「あたしがそばにいるの、嫌か?」

ほむら「別に……」

杏子「……そうか」

ほむら「……そういえば、あなたとこんな風に話をするのは初めてね」

杏子「ん?そうなのか?」

ほむら「ええ。別の時間軸でも」

杏子「まぁ、普通だったら敵同士だからな……」

杏子「それに、あたしにワルプルギスを倒す話持ちかけたのは、利用出来るからって考えたからだろ?」

ほむら「ええ」

ほむら「ただ……あなたが死のうとした時、出来れば救いたかった」

杏子「戦力が減るからだろ」

ほむら「それは別に関係ないわ」

杏子「へぇ……さやかを殺そうとしたくせにそんなことが言えるんだな」

ほむら「殺したくて殺そうとしたわけじゃないわ。まどかを悲しませたくないだけよ」

杏子「……」

<夜>

ほむら「……本当にベッドで寝なくていいの?」

杏子「別にいいよ。幽霊なんかに気を使うなよ」

ほむら「……」

<数日後>

杏子「……とうとうこの日が来たな」

ほむら「……ええ」

ワルプル「アハハハハハ」

ほむら(今度こそ……倒してみせる!)

ほむら「くっ……!」

杏子「おい、大丈夫か!?」

ほむら「もう……武器も時間停止も……」

杏子「じゃあ……」

ほむら「ええ……また……やり直すわ……」

杏子「……そうか。……なぁ……」

ほむら「……何かしら」

杏子「出来たら……さやかも救ってやってくれないか……」

ほむら「……」

杏子「別にあんたとあたしは仲間でもなんでもないし無理ってのはわかってるけどさ……」

ほむら「そうね……まどかだけ救えればいい」

杏子「……」

ほむら「でも……出来れば、美樹さやかも救いたい」

杏子「……!」

ほむら「もちろん……あなたもね、杏子」

杏子「ほむら……!」

ほむら「……初めて名前で呼んでくれたわね……ふふ」

ほむら「……そろそろお別れね」

杏子「ああ……頑張れよ」

ほむら「ええ……」

カチン

<病室>

ほむら「……」

ほむら(前の時間軸は変わった時間軸だったわね……)

ほむら(……でも、また一から……)

杏子「……よっ」

ほむら「」

<ほむらの家>

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「……何でいるのよ」

杏子「あたしに聞くなよ……」

ほむら「……もしかして、ずっとこのままなのかしら……」

杏子「さぁな……」

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「とりあえず、まどかを契約させないために行動しないと」

杏子「さやかのことも忘れんなよ」

ほむら「……わかったわよ」

ほむら(杏子がいると、さやかを殺せなくなるわね……)

ほむら(前より面倒になってるじゃない……)

杏子「なぁ、さっきの黒猫助けてなんか意味あんのか?」

ほむら「助けておかないと、まどかが助けようと契約するのよ」

杏子「あいつ、そんなことで契約するとか、どんだけお人好しなんだ……」

ほむら「そのお人好しのおかげで、私は今生きているようなものだけどね」

杏子「ふぅん……」

<夜>

杏子「だから、いいって言ってるだろ」

ほむら「遠慮しなくていいわよ。一生このままの気がするから別に気にしないわ」

杏子「……わかったよ、ベッドで寝ればいいんだろ?」

ほむら「ええ」

杏子「こういう風に誰かと寝るの久しぶりだな……」

ほむら「私もよ」

杏子「……やっぱり、誰かといる方がいいよな」ボソ

ほむら「杏子?」

杏子「いや、何でもない。早く寝ようぜ」

ほむら「そうね。おやすみなさい、杏子」

<翌日>

杏子(生存)「~♪」

ほむら「……」

杏子「……」

ほむら「……自分に会った感想は」

杏子「……妙な気分だな」

ほむら「……どうするべきかしら」

杏子「どうにかしてほむらの話を伝えたいな……」

ほむら「けど、簡単には信じないでしょうね」

ほむら「あなたのことも信じてくれるわけないでしょうし」

杏子「また出直すか……」

<数日後>

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

パチパチ

杏子「おーい、さやかー。……って見えるわけないし、見えても……」

杏子「つうか、中学ってこんな感じなんだな」

ほむら「……」

生徒A「前はどこの学校だったの?」

生徒B「髪すごく綺麗だね~」

杏子「何だよ、あたしらは見せ物かっつーの」

ほむら(杏子は見えてないけれど)

ほむら「……ごめんなさい、ちょっと緊張しちゃったみたいで気分が……」

ほむら「保健室に行かせてもらえるかしら?」

生徒C「大丈夫?連れてってあげるよ」

ほむら「いえ、おかまいなく。係の人にお願いするわ」

ほむら「……鹿目さん」

まどか「へっ!?」

ほむら「あなた保健委員よね。保健室、連れてってもらえる?」

<廊下>

ほむら「鹿目まどか」

まどか「な、何?」

ほむら「あなた、家族や友達のこと大切だと思ってる?」

まどか「え……?」

ほむら「どうなの」

まどか「……もちろん大切だと思ってるよ。家族も友達もみんな大好きだもん!」

ほむら「……そう。なら、忠告しておくわ。その気持ちが本当ならこれだけは守って」

ほむら「この先、何が起ころうとも自分を変えようだなんて決して思っては駄目」

ほむら「……でなければ、あなたの大切なもの、すべて失うことになるわ」テクテク

まどか「……?」

杏子「……」

杏子「お前は何がしたいんだ」

ほむら「忠告だけど」

杏子「普通に魔法少女のこと、伝えるんじゃダメなのかよ?」

ほむら「信じさせようと思えば、魔法少女のことを信じさせられるでしょうけど」

ほむら「……出来ればあの子には……知らないでいてほしい……」

ほむら「普通の生活を送ってほしいの……」

杏子「……まあ、ほむらがいいなら好きなようにすればいいけどな」

ほむら「そうさせてもらうわ」

杏子「さやかのことも忘れずにな」

ほむら「……わかってるわよ」

杏子「お前今、もの凄く嫌そうな顔しただろ」

<一時間目>

杏子「何言ってんのかさっぱりだな」

<二時間目>

杏子「あ~暇だなぁ……」

<三時間目>

杏子「こいつらよくこんなの受けられるな……さやかは寝てるけど」

<四時間目>

杏子「Zzz……」




ほむら「……」

<昼休み>

ほむら「うるさい」

杏子「そんなこと言われてもしょうがないだろ」

杏子「大体、何回も同じ授業受けてんだろ?だったら、いいじゃん」

ほむら「そういう問題じゃないわよ……寝てくれたほうがまだましよ」

杏子「そんなこと言ったって、いつもいつも寝れるわけじゃねぇし」

ほむら「寝るか黙るか、どっちかよ」

杏子「わかったよ」

<放課後>

ほむら「さぁ、キュゥべえをまどか達に近づけさせないようにしないと」

杏子「楽しそうだな」

ほむら「そんなことないわよ」

杏子「あーあ、お前ばっかり楽しそうでいいなぁ」

ほむら「本当に楽しくないのだけれど……」

ほむら「鹿目まどか、そいつから離れなさい」

まどか「ほ……ほむらちゃん?」

ほむら「そいつを渡して」

まどか「ほむらちゃんがこの子を傷つけたの!?ダメだよ、こんなこと!」

ほむら「鹿目まどか、あなたには関係ないわ。どいてちょうだい」

ほむら「あなたを傷つけたくないけど、どかないというのなら……」

まどか「ひっ……」ブルブル

杏子「……!」

杏子「ほむら!」

ほむら「!」

ブシュゥゥゥゥ

さやか「まどか、大じょ……なっ!」

ほむら「動かないで、動くと撃つわよ」カチャ

まどか「さ、さやかちゃん……」ブルブル

さやか「な、何でそんなもの……」

ほむら「鹿目まどか、そいつを私に渡しなさい」

まどか「……ううん、出来ない!ほむらちゃん、この子に何する気なの!?」

ほむら「いいから、渡しな……」

シュゥゥゥン

ほむら「!……これは……」

杏子「魔女か……!」

さやか「まどかっ!今のうち!」

まどか「うん!」タッ

ほむら「!……止まりなさい!止まらないと……」

タッタッタ……

杏子「おい、行っちまったぞ!なんで撃たねぇんだよ!」

ほむら「……出来るわけないじゃない……!まどかを傷つけるなんて……」

杏子「お前のその行為があいつをもっと傷つけるんじゃないのかよ!」

ほむら「……」

杏子「……いいから、追うぞ!」

ほむら「……ええ」タッタッタ

スタッ

ほむら「……」

まどか「あっ……」

さやか「お前……!」

マミ「魔女は逃げたわ。仕留めたいならすぐに追いかけなさい」

マミ「今回はあなたに譲ってあげる」

ほむら「私は……」

マミ「飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの」

マミ「お互い、余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」

ほむら「……」シュッ

杏子「え、帰んかよ!?」

<ほむらの家>

杏子「なんで帰ったんだよ。本気出せば、マミなんて楽勝だろ」

ほむら「この段階で私の力がバレるのはまずいのよ」

杏子「……お前、本当は戦いたくないだけだろ」

ほむら「……」

杏子「初めはマミと仲良かったんだろ?だから……」

ほむら「無駄な戦いをしたくないだけよ」

杏子「……まあ、そうやって言い訳するのは勝手だけどさ」

杏子「本当に手にしたいものがあるなら、何かをぶっ潰す必要もあると思うけどな」

ほむら「それならやろうとしたじゃない」

杏子「……?」

杏子「……お前、やっぱりさやかのこと嫌いだろ!」

ほむら「まあ、どちらかというと」

杏子「ほむらー!」

ほむら「冗談はこのぐらいにしておいて」

杏子「お前でも冗談言うんだな……」

ほむら「まどかを撃ってでも止めなかったのは失敗したと思ってるわ」

ほむら「私の甘さが原因」

ほむら「だけど、巴マミと戦わなかったのは、無駄な戦いをしたくないだけ」

ほむら「それ以外に理由はないわ」

杏子「……」

ほむら「それより……」

杏子「何だよ」

ほむら「私の好きなようにしろ、って言った割には」

ほむら「いろいろ言ってくるわね」

杏子「だって、暇だし」

ほむら「でも、美樹さやかの妨害が入った時は助かったわ」

杏子「まあ、それくらいしか出来ないけどな」

ほむら「それでも十分よ。ありがとう、杏子」

杏子「なっ……」

ほむら「……何よ」

杏子「ありがとう、なんて言われたの久しぶりだから……///」

ほむら「あなたにも意外と可愛いところがあるのね」

杏子「う、うるせー!可愛いとか言うな!///」

ほむら「はいはい、わかったわよ」

杏子「……ったく」

杏子「……///」

<数日後 魔女の結界>

マミ「これなら魔女を取り逃がす心配も……あ」

ほむら「……」テクテク

マミ「言ったはずよね。二度と会いたくないって」

ほむら「今回の獲物は私が狩る。あなた達は手を引いて」

マミ「そうもいかないわ。美樹さんとキュゥべえを迎えに行かないと」

ほむら「その二人の安全は保証するわ」

マミ「信用すると思って?はっ!」

ほむら「なっ……!?」

杏子「ほむら!」

ほむら「ば、馬鹿、こんなことやってる場合じゃ……」

マミ「もちろん怪我させるつもりはないけど、あんまり暴れたら保証しかねるわ」

ほむら「今度の魔女は……これまでの奴らとはわけが違う……!」

マミ「おとなしくしていれば帰りにちゃんと解放してあげる」

マミ「行きましょう、鹿目さん」

まどか「え……はい……」

ほむら「待っ……くっ……!」

杏子「おい、大丈夫か!?」

杏子「おりゃあああ!」

ほむら「くっ……!引っ張るならもっと優しくやってほしいのだけど……」

杏子「少しくらい我慢しろよ」

ほむら「出来ないわよ、どんどんキツくなっていってるんだから」

杏子「大丈夫だって」

ほむら「大丈夫じゃ……」

シュゥゥゥン

杏子「おい……魔法が解けたってことは……」

ほむら「まさか……」

<ほむらの家>

ほむら「……」

杏子「落ち込んでたってしょうがないだろ」

ほむら「そうじゃなくて……」

杏子「?」

ほむら「……何であなたは私に取り憑いて、巴マミは私に取り憑いてないのかしら」

杏子「さぁな。あたしは死ぬ直前でほむらのこと思ったからじゃないの?」

ほむら「……まあ、それが理由なら私に取り憑かないのは納得ね」

杏子「これでさやかは契約しないんだよな」

ほむら「おそらくね」

杏子「じゃあ、あとはワルプルギスをどうするかだけか」

ほむら「そうね」

杏子「多分、あたしがこの街に来るだろうから」

杏子「前回よりは戦力的には少しマシになるだろ」

ほむら「よくわかるわね」

杏子「自分のことだしな」

<翌日>

杏子「おい……もう契約しないでしょうね、なんて言ったの誰だ」

ほむら「……ごめんなさい、完全に私のミスよ」

杏子「ちっ……なっちまったもんはしょうがねぇか……」

ほむら「とりあえず、美樹さやかを魔女にしないように動かないといけなくなったわね」

杏子「そうだな……」

<翌日>

杏子(生存)「終わりだよっ!」

さやか「!」

まどか「キュゥべえ……私……!」

ほむら「それには及ばないわ」

カチッ

カチッ

杏子(生存)「なっ……!」

さやか「お前……!」

まどか「ほむらちゃん……」

杏子(生)「何しやがったテメェ……なっ!?」

ほむら「……」

杏子「さやかを殺そうとしやがって……!」

ほむら(あなたも前の時間軸で殺そうとしてたのだけど)

杏子(生)「そうか、アンタが噂のイレギュラーってやつか。妙な技を使いやがる」

さやか「邪魔するな!」

ほむら「……」バシッ

さやか「うっ……!」バタッ

まどか「さやかちゃん!?」

QB「大丈夫、気絶しているだけだ」

杏子「何なんだあんた?一体誰の味方だ?」

ほむら「私は冷静な人の味方で、無駄な争いをする馬鹿の敵」

ほむら「あなたはどっちなの?佐倉杏子」

杏子(生)「!……どこかで会ったか?」

ほむら「さぁ、どうかしら」

杏子「手札がまるで見えないとあっちゃね」

杏子「……今日のところは降りさせてもらうよ」

ほむら「賢明ね」

杏子「おい、あたしはそんな負け犬みたいなこと言わねぇぞ!」

ほむら(思いっきり言ってたわよ……前の時間軸で)

さやか「邪魔するな!」

ほむら「……」バシッ

さやか「うっ……!」バタッ

まどか「さやかちゃん!?」

QB「大丈夫、気絶しているだけだ」

杏子(生)「何なんだあんた?一体誰の味方だ?」

ほむら「私は冷静な人の味方で、無駄な争いをする馬鹿の敵」

ほむら「あなたはどっちなの?佐倉杏子」

杏子(生)「!……どこかで会ったか?」

ほむら「さぁ、どうかしら」

杏子(生)「手札がまるで見えないとあっちゃね」

杏子(生)「……今日のところは降りさせてもらうよ」

ほむら「賢明ね」

杏子「おい、あたしはそんな負け犬みたいなこと言わねぇぞ!」

ほむら(思いっきり言ってたわよ……前の時間軸で)

<ほむらの家>

ほむら「とりあえず、美樹さやかに手を出させないようにしないと」

杏子「そうだな、またさやかを殺そうとするなら……」

杏子「そんなのあたしが許さない」

ほむら「……前から疑問だったのだけど」

ほむら「美樹さやかの何がそんなに気に入ったの」

杏子「……う~ん、なんかよくわかんねぇけど」

杏子「ほっとけないんだよなぁ……」

ほむら「……なんとなく分かるわ、それ」

杏子「ほむらもか」

ほむら「一応、友達だった時間軸もあるのだから」

杏子「へぇ……どんなんだったんだ?」

杏子「……そっか、楽しそうだな……」

ほむら「ええ、楽しかったわ」

ほむら「……もう、そんな日常は味わえないけど、美樹さやかを救うことは出来るわ」

杏子「さやかのこと、助けてくれよな」

ほむら「……ええ」

<数日後>

杏子(生)「ふん、うざい奴にはうざい仲間がいるもんだねぇ」

ほむら「じゃあ、あなたの仲間はどうなのかしら」

杏子(生)「なっ……チッ……」

杏子「またさやかのことを……!」

ほむら「話が違うわ。美樹さやかには手を出すなと言ったはずよ」

杏子(生)「あんたのやり方じゃ手ぬる過ぎんだよ。どの道向こうはやる気だぜ」

ほむら「なら、私が相手をする。手出ししないで」

杏子(生)「はっ、じゃあ、こいつを食い終わるまで待ってやる」

ほむら「充分よ」

さやか「なめるんじゃないわよ!」

まどか「さやかちゃん、ごめん!」ヒュッ

ほむら「!」

カチッ

ほむら「杏子!」

杏子「ああ!」シュッ

<数十分後 帰り道>

ほむら「何とかソウルジェムは回収出来たけど……このままじゃ……」

杏子「ああ、まずいかも……な……」

バタッ

ほむら「!?……杏子!?杏子、どうしたの!?」

杏子「」

ほむら「杏子!杏子!」ユサユサ

杏子「……ん……ここは……」

ほむら「私の家よ」

杏子「……なんでここに……確か帰る途中で……」

ほむら「なんで、はこっちのセリフよ」バシッ

杏子「いっっっっってえええええええええええ!!!!!」

ほむら「こんなに痛がっているのにどうして黙ってたの、足のこと」

杏子「……迷惑かけたくなかったんだよ」

ほむら「道で倒れられるほうが迷惑なんだけど」

杏子「……」

ほむら「……どうせプライバシーもないような生活しているのだから」

ほむら「お互い隠し事はないようにしましょう」

杏子「……悪い」

ほむら「本当よ、心配したのだから」

杏子「その……ありがとな」

ほむら「気にしないでいいわよ」

<数日後>

ほむら「ワルプルギスの夜の出現予測はこの範囲」

杏子(生)「根拠は?」

ほむら「統計よ」

杏子(生)「統計?以前にもこの街にワルプルギスが来たなんて話聞いてないよ」

杏子(生)「一体何をどう統計したってのさ」

ほむら「……」

杏子(生)「……お互い信用しろだなんて言える柄でもないけどさ」

杏子(生)「もうちょっと手の内を見せてくれたっていいんじゃない?」

杏子「面倒くさいなぁ……ほむら、力の差を見せてやれよ」

ほむら(……なんで自分相手にそこまで敵対しようと出来るのかしら……)

QB「……それはぜひ僕からもお願いしたいね、暁美ほむら」

W杏子「どの面下げて出てきやがったテメェ……」

ほむら(その割に息ぴったりね……)

QB「やれやれ、今夜は君達にとって重要なはずの情報を知らせに来たんだけどね」

杏子(生)「はぁ?」

QB「美樹さやかの消耗が予想以上に早い」

QB「魔力を使うだけでなく、彼女自身が呪いを生み始めた」

杏子「!……ほむら!」

ほむら「……」

杏子(生)「誰のせいだと思ってんのさ」

QB「このままだとワルプルギスの夜が来るより先に厄介なことになるかもしれない」

QB「注意しておいたほうがいいよ」

杏子(生)「何だそりゃ、どういう意味だ?」

QB「僕じゃなくて彼女に聞いてみたらどうだい?」

QB「君なら既に知っているんじゃないかな?暁美ほむら」

ほむら「聞くだけのことは聞いたわ、消えなさい」

杏子「おい、どうすんだよ」

ほむら「……」

ほむら「美樹さやかを殺させて」

杏子「いいよ」

ほむら「……意外ね、反対すると思ったわ」

杏子「今のほむらの行動はあたしの行動でもあるからな」

杏子「あたしの行動が失敗しただけだ」

杏子「ただ、出来るだけ楽にな……」

ほむら「……ええ、わかったわ」

ほむら「これ以上、まどかを悲しませるくらいなら……」

ほむら「いっそ私がこの手で今すぐ殺してあげるわ……」

ほむら「美樹さやか!」

タッタッタ

杏子「おい、ほむら!」

ほむら「!」

シュッ

ほむら(何とか避けれたけど……)

杏子(生)「おい!さっさと逃げろ!」

さやか「……」ヨロヨロ

杏子「何でこの時間軸のあたしは邪魔してばっかなんだよ!」

ほむら(いつも通りなんだけれど)

杏子(生)「正気かテメェは。あいつを助けるんじゃなかったのかよ」

ほむら「……」ジリ

杏子(生)「おっと、逃がさねぇぞ」

ほむら「それは無理よ」

杏子(生)「なっ……」

ドォォン

ほむら「……ここまで来れば、大丈夫ね」

杏子「それより早くさやかを探さねぇと……」

ほむら「そうね……」

ほむら「……あれは」

バキュン

まどか「えっ……」

QB「」ドサッ

ほむら「……はぁ……はぁ……」

まどか「ひ、ひどいよ……!何も殺さなくても」

ほむら「あなたは……なんであなたはいつだってそうやって自分を犠牲にして……」

まどか「え……?」

ほむら「役に立たないとか、意味がないとか、勝手に自分を粗末にしないで……!」

ほむら「あなたを大切に思う人のことも考えて」

ほむら「あなたを失えば、それを悲しむ人がいるってどうして気付かないの!」

ほむら「あなたを守ろうとしてた人はどうなるの!」ポタポタ

杏子「ほむら……」

まどか「ほむらちゃん……私達はどこかで……」

まどか「どこかで会ったことがあるの?私と」

ほむら「そ、それは……」

まどか「ごめん。私、さやかちゃんを探さないと……」

ほむら「待って……美樹さやかは……もう……」

まどか「……ごめんね」タッタッタ

ほむら「待って……まどか!」

杏子「……ほむら、あたし達も……」

「無駄な事だって知ってるくせに、懲りないんだなぁ、君も」

杏子「キュゥべえ……!」

QB「代わりはいくらでもあるけど、無意味に殺されるのは困るんだよね」

QB「勿体ないじゃないか」モグモグ

杏子「げ……自分の死体を……」

QB「きゅっぷい」

QB「君に殺されたのはこれで二度目だけど」

QB「おかげで攻撃の特性も見えてきた……時間操作の魔術だろう?さっきのは」

ほむら「……!」

杏子「おい、バレちまってるじゃねぇか!」

QB「やっぱりね。何となく察しはついてたけれど、君はこの時間軸の人間じゃないね」

ほむら「お前の正体も企みも、私は全て知ってるわ」

QB「なるほどね。だから、こんなにしつこく僕の邪魔をするわけだ」

QB「そうまでして、鹿目まどかの運命を変えたいのかい?」

ほむら「ええ、絶対にお前の思い通りにはさせない……キュゥべえ……いいえ」

ほむら「インキュベーター」

杏子「おい、バレたけどいいのかよ!?」

ほむら「今更何言ってもしょうがないわよ」

ほむら「……それより、早く美樹さやかを……!」

杏子「あ、ああ!」

<魔女の結界>

杏子(生)「くそ……何なんだよ……テメェ!」

杏子(生)「さやかに何をしやがった!」

「下がって!」

杏子(生)「!……お前」

ほむら「掴まって」

杏子(生)「何を……」

ほむら「いいから!」

カチッ

杏子(生)「こいつは……」

ほむら「気をつけて、手を離せばあなたの時間も止まってしまう」

杏子(生)「どうなってんだよ……あの魔女は何なんだ!?」

ほむら「かつて美樹さやかだったモノよ。あなた、見届けたんでしょう?」

杏子(生)「……!」

杏子「やっぱり……さやかなんだよな……」

ほむら「……」

タッタッタ

まどか「さやかちゃん……?」

杏子(生)「あ……」

まどか「さやかちゃん!どうしたの!?」

まどか「ソウルジェムは!?ねぇ、さやかちゃん……!」

杏子(生)「……」

杏子「……」

<ほむらの家>

杏子「今のあたしを放っておいていいのかよ?」

杏子「絶対魔女になったさやかを……」

ほむら「わかってるわ……けれど、そんなすぐには動かないわよ」

杏子「そりゃそうだろうけど……」

杏子「今までこれに似たような事はなかったのか?」

ほむら「……すべて魔女になった時点で倒していたわ」

ほむら「魔女になってから逃げたのは今回が初めてね」

杏子「そうか……」

ほむら「とにかく明日ね、倒すとしたら」

<翌日 学校>

ほむら「……」

ほむら(まどか、遅いわね……いつもならこの時間帯には……)

杏子「……なぁ、もしかしたら」

ほむら「?」

杏子「今のあたしがあいつと一緒にさやかの魔女のところに行ったんじゃ……」

ほむら「!」

ほむら「杏子!」

杏子(生)「よぉ……悪い、その子頼む……」

杏子(生)「あたしのバカに付き合わせちまった」

ほむら「あなた……」

杏子「……」

杏子(生)「足手まといとは戦わない主義だろ?いいんだよ、それが正解さ」

杏子(生)「ただ一つ守りたいものを最後まで守り通せばいい」

杏子(生)「ははは、何だかなぁ……あたしだって今まですっとそうしてきたはずだったのに」

杏子(生)「行きな……こいつはあたしが引き受ける」

ほむら「くっ……!」

ほむら「……」

杏子「……あたしの分まで生きてほしかったな」

ほむら「ごめんなさい」

杏子「ほむらのせいじゃないよ……今のあたし自身のせいだ」

ほむら「……」

<ほむらの家>

ほむら「佐倉杏子には本当に美樹さやかを救える望みがあったの」

QB「まさか、そんなの不可能に決まってるじゃないか」

杏子「なっ……!」

ほむら「なら、どうしてあの子を止めなかったの」

QB「もちろん、無駄な犠牲なら止めただろうさ」

QB「でも今回、彼女の脱落には大きな意味があったからね」

QB「これでもうワルプルギスの夜に立ち向かえる魔法少女は、君だけしかいなくなった」

QB「もちろん、一人では勝ち目なんてない」

QB「この街を守るためには、まどかが魔法少女になるしかないわけだ」

杏子「この野郎……!」

ほむら「やらせないわ、絶対に」

QB「それにしてもいい加減君の正体を教えてくれないかな、暁美ほむら」

ほむら「……いいわ、教えてあげ」

「な、何であたしがもう一人いるんだ!?」

杏子「え」

ほむら「……はぁ」

QB「どうしたんだい?暁美ほむら」

ほむら「……やっぱり、また別の機会にして」

QB「どうしてだい?」

ほむら「いいから、消えなさい」

QB「わけがわからないよ」

ほむら「はぁ……とりあえず、一番目の杏子をA」

ほむら「後から出てきたのを杏子Bとするわ」

W杏子「なんでそんな冷静なんだよ!?」

ほむら「……なんとなく予感してたから」

W杏子「……」

杏子B「で、このあたしは一体なんなんだ?」

ほむら「今から説明するから黙って聞きなさい」

杏子B「……で、今に至ると」

ほむら「そうね」

杏子A「普通驚くべきはほむらの過去だよな……」

ほむら「まあ、この場合しょうがないと思うけど」

杏子B「はぁ……なんか頭痛くなってきた」

杏子A「それはあたしのセリフだ」

ほむら「一番頭痛いのは私よ……」

杏子A「すごく狭いんだけど」

ほむら「しょうがないでしょ、三人で寝てるんだから」

杏子B「だから、あたしは別にベッドじゃなくても……」

ほむら「いいからここで寝なさい」

杏子B「わかったよ……」

ほむら(明日からは布団を用意しましょう……)

<病室>

ほむら「やっぱりね……」

W杏子「そんな嫌そうな顔すんなよ」

W杏子「大体嫌なら、霊媒師でも呼んで祓ってもらえよ」

ほむら「別に嫌じゃないのだけど」

ほむら「とりあえず同時に喋るのやめて、気持ち悪いから」

ほむら(その後……)



杏子「おい、ほむら、どういうこt」

パリン

ドサッ

ほむら「杏子!」

マミ「ソウルジェムが魔女を生むなら……みんな死ぬしかないじゃない!」

ほむら(……仕方ない)

パリン

<翌日>

杏子C「おい、どうなってんだよ、これ!?」

ほむ杏s「……」

杏子「行きな……こいつはあたしが引き受ける」

ほむら「くっ……!」

<翌日>

杏子D「どういうことだ、おい!?」

ほむ杏s「……」

杏子「!」

ドゴォン

ワルプル「アハハハハハ」

ほむら「杏子!」

ほむら(……もう……時間停止も武器も……)

ほむら(……この時間軸も……)

カチッ



<病室>

ほむら(偶然とはいえ、今回は杏子が死んですぐに時間を巻き戻したから今度は……)

杏子E「おい、どうなってんだよ!?」

ほむ杏s「……」

<ほむらの家>

杏子s「……」

ほむら「……」

杏子A「その……なんていうか……すまねぇ」

ほむら「……」

杏子B「な、なんとか元気出せよ」

ほむら「……」

杏子C「……もうあれしかないな」ボソ

杏子D「本当にやんのかよ……」ボソ

杏子E「しょうがねぇなぁ……」ボソ

杏子s「ロッソ・ファンタズマ!」バーン

ほむら「……」

杏子s「……」

杏子A「誰だよ、こんなの提案した奴!」

杏子B「お前だろ!」

杏子A「はぁ?あたしがこんなの考えるわけないだろ!」

杏子C「ていうか、結局どれもあたしなんだから考える事は一緒だろ!」

ほむら「うるさい」

杏子s「……はい」

ほむら「一斉に喋らないでって言ったのだけど」

杏子A「……はい」

ほむら「あと、さっきのは何」

杏子B「ほむらを元気づけようと……」

ほむら「……」

杏子C「……悪い」

ほむら「……別にいいわよ、うろたえる杏子達を見て楽しんでただけだから」

杏子D「お前趣味悪いな……」

ほむら「ふふ……本当は面白かったからもう一回やって、あれ」

杏子E「つーか、余裕あるな……」

杏子A「これ以上増えたら、ほむらだけでなくあたしらも困るんだぞ」

ほむら「わかってるわよ。……今度こそ……」

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
5. ファーランド サーガ1、2
6. MinDeaD BlooD
7. WAR OF GENESIS シヴァンシミター、クリムゾンクルセイド
SS誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

QBの魔法少女全員陵辱姙娠出産誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって
QB「魔法少女は産む機械」

幾多のキュゥマミSSを見たがいまだにこのネタを使ったキュゥマミSSはない
パターン1
マミ「あなた誰なの?」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」
パターン2
QB「うううっ……マミ、どうして、死んじゃったんだよ、マミを蘇らせて欲しい」
まどか「私の願い事はマミさんの蘇生。叶えてよインキュベーター!」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

ドゴォォォン

マミ「はぁ……はぁ……」

ほむら「やっと……倒せた……!」

杏子s「よっしゃああああああああ!!!」

ほむら「ちょっと……うるさいわよ」

杏子A「嬉しいに決まってんだろ!」

杏子B「まどかはもちろん、さやかも契約させずにワルプルギスを倒せたんだからな」

杏子C「ほむらももっと喜べよ」

ほむら「ええ……確かに嬉しいわ」

ほむら「嬉しいのだけど……」チラッ

杏子F「?」

ほむら(また一人増えた事以外ね……)

杏子C「そんなに嫌ならお祓いでもしてもらえばいいじゃん」

ほむら「だから、そこまでするほどじゃないわよ」

ほむら「……そもそも今回美樹さやかは生きてるでしょう!」

ほむら「何で私に取り憑くのよ!」

杏子F「……あたし、そのさやかって奴知らないんだけど……」

ほむ杏s(……ああ、そういえば……)

ほむら「とにかくお祓いはしないわよ。なんだかんだで助けてもらったのだから」

杏子D「その……悪いな」

ほむら「別にいいわよ」

杏子E「じゃあ……もう一つお願いしていいか?」

ほむら「何よ」

杏子s(F除く)「さやかとデー「却下」

杏子A「なんでだよ!?」

ほむら「なんで美樹さやかと二人きりでデートしなきゃいけないのよ!」

杏子B「二人きりじゃないだろ!あたし達の事忘れんな!」

ほむら「そういう問題じゃないわよ!」

杏子C「じゃあ、まどかも一緒でいいから!」

ほむら「それならいいけど……」

<数日後>

杏子A「ついに明日だな……!」

ほむら「……なんでワルプルギス前夜並みに緊張してるのよ」

杏子D「ほむらだってわかるだろ」

ほむら「そんな事言われてもわからないわよ」

ほむら「美樹さやかのことが大好きってわけじゃないから」

ほむら「というか、大体同性に対して、よくそこまで……」

杏子s「……」ジーッ

ほむら「何で私を見るのよ」

杏子E「いや、別に」

ほむら「……」

<翌日 遊園地>

ほむら「遅いわね……」

杏子A「お前の来るのが早すぎるんだろ」

ほむら「それにしたって、さやかはともかくまどかが……」

さやか「ほむらー!遅れてごめーん!」

杏子B「ほら、来たじゃん」

ほむら「遅い……ってまどかは?」

さやか「それが……風邪ひいちゃったみたいで……」

ほむら「」

ほむら「まどかが心配だから帰……」

杏子A「そうは」ガシッ

杏子C「いか」ガシッ

杏子D「ない!」ガシッ

ほむら「離してー!」ジタバタ

さやか「?」

杏子F「結局お前も人のこと言えねぇじゃねーか」

ほむら「ジェットコースター……」

さやか「もしかして……苦手?」

ほむら「いえ、苦手じゃないけれど……」チラッ

杏子s「?」

ほむら(杏子達はどうするのかしら……)

杏子E「うっ……ほむらから離れられないし……」

杏子B「無理矢理引きずられたから……」

杏子C「身体が……!」

ほむら(杏子達は動けない……今よ、暁美ほむら!)タッ

ガシッ

ほむら「!?」

杏子A「残念だったな……あたしが残ってるぞ!」

ほむら(しまった……!)

ほむら(ジェットコースターで美樹さやかと重なって座ってた変態の杏子Aが残ってた……!)

杏子A「お前今、絶対あたしに対して失礼なこと考えただろ」

さやか「次、どこ行こっか」

ほむら「そうね……」

杏子B「はぁ?さやかの右はあたしって決まっただろ!」

杏子C「それはあたしだろ!」

杏子D「もういいからもう一度ジャンケンしようぜ」

杏子B「自分は負けたからって、そうやってもう一度チャンス掴もうなんてせこいぞ!」

杏子D「ちげーよ!」

杏子A「うるさいなぁ、少しは黙れよ」

杏子E「うるせー!一番古参だからって偉そうにしやがって!」

ほむら「……」

さやか「どうしたの、ほむら?」

ほむら「あとで塩買うの覚えておかないと、って思って……」

さやか「?」

<お化け屋敷>

ほむら「……」ブルブル

さやか「ほむらって意外と怖がりなんだ、可愛い!」

ほむら「う、うるさいわね……」ブルブル

バーン

ほむら「きゃあああ!!!」ガシッ

さやか「……ほむら、な、何つかんでんの?」

ほむら「……え?」

杏子F「……な、何だよ……///」

ほむら「……」

さやか「今、ほむらが力一杯空気を抱きしめてたような……」

ほむら「き、気のせいよ!気のせい!」

さやか「そ、そうだよね!暗いからそう見えたのかな!」

ほむ杏F(バカで助かった……)

<夕方>

さやか「今日は楽しかったね!」

ほむら「そうね。まどかが可哀想だけれど……」

さやか「まあ、遊園地なんてまたいつでも来れる……へっ、へっくしょん!」

さやか「う~ん……あたしも風邪ひいたかなぁ……?」

さやか「今日一日中、暖かいって聞いたのに少し寒かったし……」

ほむら(それは周りで杏子達がうろついてたせいじゃないかしら……)

<ほむらの家>

杏子A「無理矢理いろいろして悪かったな……」

ほむら「いいえ、楽しかったわ」

ほむら「それに……お礼も言わして」

杏子B「お礼?」

ほむら「ええ……最初に取り憑いた杏子しか知らないでしょうけど……」

杏子A「あたし?」

ほむら「もうまどかや美樹さやかとは普通の日常を送ることは出来ない」

ほむら「そんなことを言ったのを……覚えてる?」

杏子A「ああ」

ほむら「私は二度とそんなことは出来ないと思ってた」

ほむら「だけど、何度も何度も繰り返してやっと……」

杏子A「……あたしは何にもしてないだろ」

ほむら「そんなことないわよ、あなた達のおかげでいろいろと助かったわ」

杏子s「……」

ほむら「うるさいけれど、それなりに楽しかったわ」

ほむら「ありがとう」

杏子B「な、なんか改まってそんなこと言われると恥ずかしいな///」

杏子C「た、確かにな///」

ほむら「というわけで」

ほむら「この杏子はいただきます」ガシッ

杏子F「は?」

杏子s「は?」

ほむら「さっき抱きしめたとき、意外と抱き心地がよかったのよ」

杏子F「で?」

ほむら「というわけでこの杏子は今日から私が抱きまくら代わりにして寝るわ」ダキツキッ

杏子F「はぁ!?ていうか、何が『というわけ』なんだよ!?」

杏子A「よかったなー相手が見つかって」

杏子B「じゃあ、次どこに遊びにいくかの話し合いでも」

杏子C「あ~、水族館とかでよくね」

杏子D「また、遊園地ってのも……まどかをダシにして……」

杏子F「お前ら助けろ!」

杏子E「新入りなんだからいいだろ、別に」

ほむら「そうよ、寝てる時だけでいいんだから」スリスリ

杏子F「今やってんじゃねぇか!あと、スリスリすんな!」

杏子s「Zzz……」

ほむら「Zzz……」ギュゥ

杏子F「なんでこんなことに……」チラッ

ほむら「Zzz……」

杏子F「ま、こういうのも悪くないか……」

杏子F「おやすみ、ほむら」

ほむら「Zzz……」









<数日後>

さやか「こ、この前の遊園地の写真……あ、あたしの周りにいっぱい変な影が……」ガタガタブルブル

ほむ杏s「……」


長くするつもりなかったのに今までで一番長くなってしまった
全員取り憑くルートはどうなることやら

とにかく読んでくれてありがとう

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