看守「今日は新しい死刑囚が来る、しゃきっとしろ」 同僚「そういやそうだった」 (41)

同僚「2ドルだ、乗るか?」

看守「まじか、いきなりだな」

同僚「どうするんだ、乗るのか?」

看守「ハッタリだな、乗るぞ」

同僚「へっ、ハッタリじゃねぇんだよこれが」

同僚「残念だったな、フルハウスだ」

看守「読み違えたか」

同僚「金はもらっていくぜ、へへ」

看守「お前のハッタリを読み違えただけだぞ」

同僚「は?」

看守「悪いな、4カードだ」

同僚「oh....」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1365310545

看守「続けるか?」

同僚「ちっ、もっかいだ」

看守「懲りないな」

ジリリリリリリリリ

看守「おっと」

ガチャン

看守「こちらD棟」

看守「はい」

ガチャン

同僚「なんだった?」

看守「例の死刑囚が着いたってさ」

同僚「これでD棟も二人目か、賑やかになってきたぜ」

看守「嫌な世の中だ」

同僚「・・・・」

看守「・・・・・」

同僚「・・・お、来た来た」

看守「・・・・」

同僚「ってなんだありゃ、子供・・・それに女か?」

看守「うるさいぞ、静かにしろ」

同僚「向こうには聞こえやしないって」

ガチャ

同僚「何?分かった分かった、埋め合わせはしろよ」

囚人「・・・」

同僚(やけに小せぇな)

同僚「床は掃除したてだから気をつけろよ、転んで死ぬより死刑の方がいいだろ?」

囚人「・・・・」

同僚(無視かよ)





看守「何をやっているんだ、早く連れてこい」

同僚「へ〜い、ほら歩け」

囚人「・・・・」

看守「やっと来たか、ってお前だけか?」

同僚「なんか急いでたんだよ」

看守「それでお前に押しつけて、行ったと?」

同僚「そういう事だ、俺は悪くないぜ?」

看守「お前に任せた俺が悪かった」





看守「入るんだ」

囚人「・・・・」

看守「シティ・クーデターで間違いないな?」

囚人「・・・」

同僚「どえらい名前だな、何をしでかしたのか分かるぜ」

看守「お前は黙っとけ」

看守「で、お前の名はシティだな?」

囚人「・・・・・」

シティ「・・・」コクッ

同僚「なぁ、どうだ?」

看守「何が?」

同僚「あいつだよ、あいつ」

看守「クーデターか、あいつがどうした?」

同僚「正直、俺はやりたいぜ」

看守「・・・下らん」

同僚「確かにおっぱいは小さいけどよ、顔は可愛いし一発ぐらいならやりたいだろ?」

看守「あいつの資料だ、読んでみな」

同僚「はぁ?犯罪歴なんざ、興奮すんのと関係な・・・・」

同僚「男なのかよ」





囚人「おい、おいって」

シティ「・・・・」

囚人「起きてんだろ、シティちゃんよ」

シティ「・・・」クルッ

囚人「お、やっと反応しやがったか」

囚人「にしても可愛い顔してんな、俺と一発どう?」カクッカクッ

シティ「僕は男だ、馬鹿」

囚人「そんな可愛い声出して説得力ねぇな、それとも尻でやりたいのか?」

シティ「ふん」クルッ

囚人「へへっ、死ぬ前にもう一度お前みたいな女を抱きたかったぜ」カクッカクッ

同僚「へい、シティ」

シティ「・・・・・」

同僚「無視、か」

囚人「ちゃん付けじゃないと反応しねぇって、女の子だからよ」

同僚「言っとっけどこいつは男だぜ」

同僚「へい、シティちゃん」

シティ「・・・」ギロ

同僚「そんな睨むなよ、可愛い顔してんだからさ」

シティ「僕は男だ、馬鹿」

同僚「知ってるって、でも見た目は女の子だぜ?」

シティ「きっ」

ジャー

看守「っ・・・はぁ、結石はキツイな」



「うわあああああああああああああああ」



看守「!?」







同僚「ふぅ!?ぅぐっ・・・・ぐっ・・・・」

看守「同僚!?くっ、離せ!」

シティ「ふん!ふんっ!」グッ グッ

同僚「ぐっ・・・か・・・・・・」

看守「くそっ!」

ドカッ

シティ「ぐっ!?」

ドサッ

同僚「かはっ・・・ふぅぅ・・・・はぁぁ」

看守「大丈夫か同僚、意識ははっきりしてるか?」

同僚「あ・・・ああ、殺されるかと思ったぜ」

看守「何があったんだ」

囚人「ほっほぅー♪俺なら殺せてたのにー♪」ガチャガチャガチャ

看守「とりあえず医務室に行くぞ、肩に掴まれ」

ガチャ

看守「何があったんだ」

囚人「へっへっ、相棒はどうだって?」

看守「お前には関係ない事だ、それよりも何があったか分かるか?」

囚人「ハッハー!殺そうとしてました!あひゃひゃひゃひゃ!」

看守「・・・もういい」

囚人「ひひひ、うひひひ」





シティ「うぅ・・・」

看守「大丈夫か?」

シティ「うん、大丈夫」

看守「咄嗟だったからさ、痛みや違和感はあるか?」

シティ「あ・・・・」

看守「・・・どうした?」

シティ「・・・・」クルッ

看守「あ、おい」

看守「なんだよ、これが原因で死なれたら困るんだぞ」

同僚「うぃっす」

看守「同僚、大丈夫だったのか?」

同僚「痛みは残ってるけど、別になんともないってよ」

看守「そうか、それは良かった」

同僚「あんな体のどこから馬鹿力を出してんだか」

看守「近づいたお前にも非はあるんだぞ」

同僚「普通は分かんねぇって、細い体であれだけの」

看守「分からないからこそ、近づくなって規則があるんだろ」

同僚「ちっ、なんだよ」

看守「もしお前が殺されてみろ、俺にもとばっちりが来るんだぞ」

同僚「へいへ〜い」

「看守さん!」

看守「え?」

看守「なんだ、クーデターか」

シティ「あれ!」

看守「どうした?」

囚人「ふへへ・・・な、なんだよ?」

看守「囚人が何かしてたのか?」

シティ「ネズミを殺そうとしてた!」

看守「はぁ」

囚人「俺は明後日死ぬんだぞ!最後くらい楽しみを得たって!」

シティ「ネズミに何の罪があるのさ!可愛そうだよ!」

囚人「てめぇだって殺したからここにいるんだろうが!こっちはネズミで我慢してんだよ!」

シティ「あ・・・・」

シティ「僕、人殺しなんだ・・・・・・」







同僚「ちょっとトイレ行ってくるわ」

看守「あいよ」ペラッ

看守「・・・・」ペラッ

囚人「・・・zzz」

看守(同僚はトイレだし静かだな、読書が進む進む)

看守「・・・」ペラッ

「・・・・・姉・・ん」

看守「何?」

「・・・・」

看守「クーデター、何か言ったかー?」

「・・・・・」

看守「ま、別になんでもいいけどさ」

看守「ふわぁ〜あ」

同僚「おいおい、寝不足かよ」

看守「かもな、目も疲れてるし」

同僚「本ばっか読んでるからだろ、疲れてる時くらい休め」

同僚「自慢じゃないが、俺は人生で一度も本を読んだ事がないんだぜ」

看守「読めよ、もしかして文字が読めないのか?」

同僚「文字が読めないわけじゃない、本読む暇があるならもっと有意義に使いたいんだよ」

看守「本を読む事が有意義でない、みたいな言い方だな」

同僚「子供の頃に、親から言われてんだ」

同僚「外で遊びなさい、ってな」

看守「意味がわからん」

同僚「俺もちょっと思った」

看守「まぁ読めよ」

同僚「読むか」

看守(なんなんだ)



「どんな本ですか」



同僚「俺の首をしめる話」

看守「おい」

看守「クーデター、なんならお前も読むか?」

シティ「僕なんかに、いいんですか?」

看守「この前のは、同僚にも少なからず非があった」

看守「ここだけの話、同僚には良い薬になったと思う」

看守「それに同僚も囚人も本を読まんからな、大歓迎だぞ」

シティ「あ・・・・ありがとう」

短いけど、今日はここまでです

乙です。
結石痛そうだな

看守「今日は新しい死刑囚が来る、しゃきっとしろ」 同僚「そういやそうだった」
99年米。トム・ハンクス。フランク・ダラボン監督。
アメリカ南部の死刑囚舎房を舞台に、不思議な力を持つ死刑囚と看守たちとの心の交流を描く。
1935年、死刑囚舎房で看守を務めていたポールのもとに、ある死刑囚が送られてくる。
彼との交流を深めていった看守たちは、やがて彼の罪を疑問視するようになるが・・・。



看守と結石のくだりでもうこれしか思い浮かばない

グリーンマイルの舞台を参考にしたけど、ポールは尿路感染症だからパパパクリじゃねいし


いてててて!、じゃなくて、何これ!?何これ!?何これ!?、ってなるのが尿路結石

看守「どういうのが読みたいんだ?今までどんなの読んできた?」

シティ「あ、あの・・・・」

「俺にも読ませてくれよ」

看守「お前には聖書がお似合いだ」

囚人「神が神をファックするんだろ、知ってるぜ」

看守「知ってるんなら読まなくてもいいな」

囚人「シティちゃんをファックする話はないのかよ〜」

シティ「僕は女じゃない」

囚人「うへへっ、そんなに俺のを尻に入れたいか?入るかな〜?」

シティ「おまえっ!」ガタン

看守「お、おい落ち着けって」

囚人「ひへへへ、お前みたいなのをめちゃくちゃにしてやりたかったぜ」カチャカチャ

看守「おい!何やってる!」

囚人「どうせ捕まるんならもっとやっとけばよかったぜ」ズルズルズル

シティ「ちょっちょっと!?」

囚人「俺のが欲しいんだろ〜?」カチャカチャカチャ

看守「囚人!直ちにしまわないと警棒でへし折るぞ」スチャ

囚人「できるもんならやってみろよ、こっちは溜まってんだ」カチャカチャ

囚人「こっちまで入ってこれるんならな、諦めて俺のショーでも見とけよ」カチャチャカチャ

看守「お前なぁ」





同僚「ショー?手伝ってやるぜ、こいつでな」カチャ

囚人「あん?」



パァン

囚人「・・・zzz」

看守「外すように撃ったとはいえ、今ごろ上にこっぴどく怒られてるだろうよ」

シティ「・・・・・」

看守「ま、囚人の言う事には耳を貸さない事だ」

シティ「うん・・・」

看守「よし、とりあえず俺のオススメの本でも読んでみてくれ」

シティ「あの」

看守「ん?なんだ?」

シティ「一冊だけ、読んだ事のある本があります」

看守「おお、どんな内容だった?」

シティ「長くなりますけど、いいですか」

看守「囚人に聞きたい事があるんだが、起きそうにないからな」

看守「同僚もしばらく戻ってこれないだろうし、聞かせてくれ」

シティ「・・・・・」





シティ「・・・・あれは、三年前に読みました」

「おい男女、ちょっと付き合えよ」

男の子「・・・・」

「へへ、そんな死んだような顔すんなって」

「そーそー、俺らが可愛がってやるからよ」

男の子「・・・もう、嫌・・・・・や、やめて・・・・」

「泣いてどうこうなるもんじゃねぇんだしさー」

「ほら、お前ら足持てって」

「右持つわ、お前ひだあぎゃ!?」

バタッ

男の子「ひっ・・・・」

「あん?」

「あべし!?」

バタッ

「な!?おん・・・かはっ!?」

バタッ







男の子「あ・・・ああ!」

「大丈夫っかい?」

男の子「お姉ちゃん!」

シティ「毎日いじめられて、自殺さえ考えていた暗い男の子でした」

シティ「その子には姉が一人いました、唯一の家族だったんです」

シティ「ある日、いつものようにいじめられていたけど」

シティ「お姉ちゃんが助けに来てくれたんです、話の出だしはこんな感じでした」

看守「その本は自分語りで進んでくのか」

シティ「あ、印象的だったんで・・・・」

看守「いや、構わんぞ」

看守「それで?」

シティ「は、はい」





「あはは、涙で顔がくしゃくしゃだよ」

男の子「こ、これは別に泣いてたわけじゃ」

ギュッ

男の子「お、お姉ちゃん・・・?」

「こんなに可愛い弟をいじめるような奴は、お姉ちゃん許さないけど」

「いじめられてる事を話さないで一人で抱え込む奴も、許さないよ」

シティ「大好きなお姉ちゃんに抱きしめられた時の、温もりも感触も」

シティ「声も匂いも、忘れられない宝物でした」

シティ「それからも、いじめは続いたけど」

シティ「お姉ちゃんが助けに来てくれて・・・・」

看守「・・・おい、大丈夫か?」

シティ「へ?」

シティ「だだだ大丈夫です!」

看守「そうか、ならいいんだ」

シティ「続き・・・・続きを話しますね」

看守「ああ、頼む」







男の子「行ってきまーす」

「あ、待って」

男の子「どうしたの?」

「最近は通り魔や強姦殺人があるから、気をつけるんだぞ」

男の子「お姉ちゃん、僕は男だから心配しないで」

「こんなに可愛い奴は、お姉ちゃんよりも狙われやすいんだぞ〜?」

男の子「わっ、ちょっと髪の毛くしゃくしゃにしないでよ〜」

「ふふ、気をつけてな」

男の子「あ・・・・・」

「おい、あいつだぜ」

「一人か?」

「やめとこうぜ、あいつの姉貴めちゃくちゃ喧嘩強いしよ」

「女に守られねぇと何もできねぇ男女なんてほっとこうぜ」

男の子「・・・!」







シティ「いじめられなくなった事に、男の子はとても嬉しかったんです」

シティ「男として情けないかもしれないけど、涙が出るくらい喜びました」

看守「いじめが当たり前だったんだ、泣きたくなる気持ちは分かるさ」

シティ「ありが・・・・そ、そうですね」

看守「ん?」

シティ「い、いえ何も・・・それでですね」

男の子「ふふん、ふんふふんふーん♪」

ガチャ

男の子「ただいまー、お姉ちゃーん」

男の子「グレースさんのとこのパン買ってきちゃっ・・・た・・・」

男の子「お姉ちゃん!?」

男の子「はっ!?これって、血!?」

男の子「お姉ちゃん!」

男の子「お姉・・・・お姉ぢゃん・・・・・」

ゴロン コトッ









シティ「いじめられなくなった喜びで、おいしいパンを奮発して買って」

シティ「お姉ちゃんと一緒に食べるつもりで、お礼がしたくて」

シティ「・・・・・・」

看守「・・・・」



シティ「男の子が帰る、ほんの十分前に死んだって」

シティ「パンなんか買わずにそのまま帰ってれば、もっともっと男らしくて強かったら!」

見てるよ
頑張ってくれ

シティ「それで・・・・」

看守「それでここに来たのか」

シティ「えっ?」

看守「大方、いじめていた三人組を殺したんだろ?」

シティ「どうして僕だって・・・」

看守「分かるさ、バレバレだぞ」

シティ「・・・・・」

看守「でも、お前の事を知れて良かった」

シティ「え?」

看守「お前が三人も殺すような奴には見えなかったからな」

シティ「・・・弱く見えるんですか」

看守「別に見た目の話をしてるんじゃない、心の話さ」

シティ「心?」

看守「心が強すぎたんだよ、理性を超えるほどな」

看守「罪が正当化されるわけじゃないが、ちゃんとした理由を聞けた」

看守「話してくれて、ありがとう」

シティ「あ・・・・い、いえ」

囚人「・・・zzz」

囚人「ふがっ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

ピョィン

囚人「うへへ、何やってんだ〜?」

看守「本について語ってただけだ、今そっちへ行く」

看守「クーデター、いやシティ」

シティ「は、はいっ」

看守「お前に反省の気持ちがあるなら、死刑執行日まで」

看守「自分が犯した罪について考えとけよ」

シティ「は・・・はい!」

看守「よし」







看守「囚人、質問をいいか」

囚人「ほへ、なんだよ」

看守「お前の死刑執行日まであと二日となった」

囚人「・・・・・」

看守「最後に何が食べたい?」

囚人「・・・明後日か、死ぬのか」

看守「そうだ、お前はそれほどの事をしたんだ」

囚人「じゃあ、肉が」

看守「豚肉か?それとも牛肉?」

囚人「人」

囚人「ヴア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

看守「うるさいぞ」

囚人「今まで我慢してきた!死ぬ前ぐらいいいだろぉぉぉぉぉぉぉ!」

看守「豚肉な」

囚人「あああああああああああああああああああああああああ」

囚人「あああああああああああああああああはぅぐっ!」ガブッ

看守「あ、おい!?」

囚人「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

ギリギリ

囚人「ぬぅん!」

ビリリッ

看守「くそっ」



看守「こちらD棟、囚人が左親指を噛み千切・・・・・」









囚人「ふぅん」モグモグ

シティ「うわぁ・・・・」

囚人「俺は明後日死ぬんだ、ふへへへ」

囚人「死にたくない、死にたくないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

シティ「!?」

囚人「お前みたいなのを、もう一回だけ食いたかった」

シティ「明後日死ぬお前に何言われても気にならないよ!」

囚人「ふひひひ、強気な態度は大好物だぜ」

囚人「最後に食った奴の事を思い出すぜ、初めはお前みたいに吠えてた・・・・」

囚人「でも三回ぐらいやったら黙ってよ、そっからは泣きじゃくるんだ」

シティ「聞きたくない」

囚人「女にしちゃ、やけに力が強かったがこっちはナイフを持ってたからな」

囚人「女は逃げてばかりだった、あれは二階の男部屋かな〜」

囚人「壁際に追い詰め、首にナイフを突き立てじっくり刃を入れてって・・・ふへへ」

シティ「・・・・・」

囚人「苦しみにもがきながら死んでく様を堪能したら、まずは肉をひとつまみだ」

シティ「待って」

囚人「胸肉が良い、女は胸肉・・・・あん?」

シティ「首にナイフを突き立てたって、切り落としたのか」

囚人「当たり前だろ、ひょっとしてシティちゃんは残す派か〜?」

シティ「・・・・二階の男部屋、場所は一番奥」

囚人「あひゃひゃ、なぜ分かる!?」

シティ「僕の部屋だからだ」

看守「はぁ・・・・」

シティ「・・・・」

看守「医務室で大人しくしてくれりゃいいんだけどな」

シティ「あいつだった」

看守「はい?」

シティ「あいつだったあいつだったあいつだったあいつだった」

看守「シティ?」

シティ「あ・・・な、なに?」

看守「あいつって、囚人の事か?」

シティ「・・・・・別になんでもない」

看守「おいおい、今更隠し事なんてすんなよな」

シティ「・・・ごめんなさい」

看守「謝るな、それよりも囚人がどうかしたのか」

シティ「お姉ちゃんを殺したんだ、あいつがお姉ちゃんを殺したんだ!」

今回はここまでです、見てくれてありがとうございます

乙です

看守「囚人が?」

シティ「そうだよ、あいつだったんだ」

シティ「ここから出して、あいつを殺さなきゃ」

看守「シティ・・・・」







看守「それはできない」

シティ「・・・どうして」

シティ「どうしてだよ!あいつはお姉ちゃんを!」

看守「もう死刑が確定している、それも二日後にな」

シティ「僕の手で殺すんだ、殺すんだよ!」

看守「・・・・・」

シティ「頼むよお願いだよ・・・・」

シティ「そのカギで、ここを開けて」

看守「・・・シティ!」ブンッ

ガッン

シティ「あぅぐっ!?」

看守「お前の姉貴がこんな事を望んでいると思うか」

看守「姉を殺した奴じゃなかったんだぞ、お前が殺した三人は!」

シティ「それは・・・だってあいつらが」

看守「いじめられたからか?自分をいじめた連中だからか?」

看守「殺していい理由なんて存在しない、理由もなく殺す奴はいるがな」

看守「でもお前は違う、自分が信じた正義があるだろう!」

シティ「でも、お姉ちゃんを殺した奴がいたんだ」

シティ「そいつを殺してから、償いも死刑も受けるからさ・・・・・・」

看守「頭を冷やせ、クーデター」

シティ「か、看守さん!」

シティ「看守さん・・・・・」

囚人「うへへへ」

ガチャ

看守「もうこんな事すんなよ、お前だって苦しみながら死にたくはないだろ?」

囚人「へへへ、俺が一番分かってるぜ」

看守「だろうな」





シティ「・・・zzz」

囚人「シティちゃ〜ん、寝てるのか〜い」

囚人「へっ、良いケツしてるぜ」

囚人「こんなの目の前に置きやがって・・・・・」

同僚「確かにスタイルまで、女よりも女っぽいな」

囚人「あいつとやるんなら俺も混ぜてくれよ」

同僚「なんでだよ」

看守「囚人、明日は死刑執行日だ」

看守「最後の晩餐、焼豚を持ってきたぞ」

囚人「・・・・・」

看守「囚人?」

囚人「死にたくない、しにたくない」

看守「お前が殺した人たちも同じ事を思ってるさ」

囚人「食べないでおくべきだった、犯すべきじゃなかった」

看守「殺すべきじゃなかった、お前は自分しか見えていなかったんだよ」

囚人「やっと分かった、分かったから殺さないで」

看守「でも、取り返しのつかない事をしたんだ」

看守「罪を償うつもりがあるのなら、するべきは後悔じゃなくて反省だ」





シティ「反省・・・・・」

看守「いよいよ、明日は囚人の死刑執行日だな」

同僚「また一人になんのか、寂しいな」

看守「おい」

同僚「冗談だって、睨むなよ」

同僚「それよりも、お前の方はどうなんだ?」

看守「どう?って、何が?」

同僚「シティちゃんだよ、死刑執行日にきちんと職務を果たせんのか?」

看守「果たすさ」

同僚「心配だぜ、最近はあんまり親しくないみたいだし」

看守「だからなんだよ、ほっとけ」

同僚「俺にとばっちりがあったらどうすんだ」

看守「・・・・ははっ、それもそうだな」

同僚「よし、聞こうか」





看守「シティは毎日いじめられて、自殺さえ考えるようになっていたんだ」

同僚「重いな、それでそれで」

看守「でも、ある日大好きなお姉さんが助けてくれて」

看守「いじめられる事が当たり前となっていたシティは、とても喜んだそうだ」

同僚「ほうほう」

看守「それで嬉しくなって、助けてくれたお礼をしようと奮発したんだ」

看守「そして家に着いたんだが、姉が」

同僚「お?」

看守「殺されていたらしい、酷い有様だったんだろう」

看守「それで、いじめていた連中を・・・・で、ここにきたってわけだ」

看守「でもシティが言うには、囚人が真犯人だってさ」

同僚「・・・へっ」

同僚「ミラクルだな」

シティ「・・・・zzz」

看守「・・・・」

シティ「・・・zzz」

看守「・・・・・・」



ジャー

同僚「あぁ・・・痔だ・・・・」

同僚「あれ、おい何やってんだよー」

看守「んー、なんでもない」

同僚「そうか、またポーカーやろうぜ」

看守「今日は死刑執行日だ、やらん」

同僚「ちぇっ」





囚人「・・・zzz」

囚人「あへっ、ががっがっ」

囚人「ふぉぉぉぉっ!」

シティ「・・・・・・うぅ、うるさいよ」

囚人「今日は俺の死ぬ日か〜?」

看守「はぁぁ・・・・」

同僚「お前の死ぬ日だ〜」

看守「おい同僚やめろ」

囚人「もう吹っ切れたぜ、あの世で神をファックするんだ」

看守「お前にあの世の概念が理解できるのか」

囚人「シティちゃんから教えてもらったからな」

看守「・・・シティから?」

シティ「反省、してほしくて・・・・」

シティ「看守さんの受け売りですけどね」

シティ「僕も吹っ切れました、この言葉で」

看守「シティ・・・・」

同僚「あんたら、傍から見れば親密だぜ」

看守「そ、そんな事はないぞ」

看守「ささ、仕事仕事」

同僚「らしくねぇぜ・・・・・」







キイィ

看守「囚人、時間だ」

囚人「ああ」

同僚「どうなる事かと思ったが、大人しいのは助かるぜ」

囚人「実はな、夢を見たんだ」

看守「夢?」

囚人「最後に殺した女の夢さ」

同僚「おお怖ぇ、殺しに来たのか?」

囚人「いいや違う、むしろ喜んでた」

看守「喜んで・・・?」

囚人「俺が死ぬのを楽しみにしてるんだろうよ」

囚人「去年と変わらぬ服装で、幸せそうに笑ってた」

看守「あの世では、きちんと謝ってこいよ」

囚人「神をファックすんのは、その後でも遅くねぇよな」

看守「ああ、かもな」

シティ「・・・お姉ちゃん」

シティ「僕も、もうすぐそっちに行くから」





同僚「さっき囚人が言ってた、最後に殺した奴の事なんだが」

看守「ああ、シティの姉らしい」

同僚「はいはいはい、そういう事なのかよ!」

看守「どういう事だよ」







看守「シティ」

シティ「はい、分かっています」

看守「そうか・・・・・明日は、何が食べたい?」

シティ「パンを、美味しいパンを・・・・」

シティ「できれば一緒に、食べたいです」

看守「一緒に?」

シティ「だめ、ですか?」

看守「・・・分かった、いや」

看守「是非、一緒に食事をしよう」

シティ「あ・・・ありがとう」

シティ「いいいいただきます」

看守「いただきます」

同僚「おいおい、俺だけ仲間はずれか?」

看守「はは、どうするシティ」

シティ「僕は・・・・・」







看守「あんまりパンを食べなかったが、こうして食べると美味い!」

シティ「そうなんですか、僕はパン大好きです」

看守「いつもは肉か魚、それと一緒にサラダばっかり食べてたからな」

シティ「えー、パンも食べようよー」

看守「パンを美味しいと思った事がなかったんだ、今日までは」

看守「シティと食べてるから、こんなに美味く感じるのかもしれんが」

シティ「ぼ、僕と・・・・?」

看守「ああ、シティといると楽しいんだよ」

シティ「ぼぼぼ僕も楽しいです!すっごく!」







同僚「一人だとあんまり美味くないぞー!」

看守「シティ・クーデター、前へ」

シティ「はい」

同僚「ここも寂しくなるねぇ、ってなんだそのパン」

看守「それって昨日の?」

シティ「お姉ちゃんの分です、あの日から僕の帰りを待ってるので」

看守「そうか、届くといいな」

シティ「はい」

同僚「俺って、本当に仲間はずれなんだな」

同僚「それよりもシティちゃん、怖くないかい?」

シティ「死刑ですか、大丈夫です」

看守「今なら・・・・逃げ出せるんだぞ」

シティ「僕が犯した罪について、ちゃんと反省していますし」

シティ「それになにより、看守さんと一緒だから平気です」

看守「シティ」





同僚「おいおい、二人とも何があったんだよ」

「息子の命を奪った魔女め!」

「返せー!息子をを返せー!」



看守「シティ・クーデター」

看守「裁判所の判決通り、死刑を執行する」

看守「最後に何か言い残したい事はあるか」

シティ(看守さん)

看守(なんだ・・・?)

シティ(ああああああの・・・・す)

看守(何?)

シティ(す・・・す、す・・・・)

シティ(んん・・・・・)

シティ(な、なんでもないです・・・・)

シティ「ありません」

看守(シティ・・・・お前)

看守(好きって言いたかったのか?)

看守「第1スイッチ!」

シティ(うぅ・・・鋭いぃ・・・・)

キュイィーン





看守(俺も好きだ)

シティ(え?)

シティ「看・・・・〜〜〜〜〜〜〜」

看守「シティ・・・シティ・・・・」

同僚「落ち着け、いつも冷静だったろ」

看守「ああ・・・・・そうだったな」

同僚「代わりに俺が言ってもいいんだぞ」

看守「いや、大丈夫だ」

同僚「声を震わせたりするなよ、今のお前の顔ぐしゃぐしゃなんだからな」

看守「・・・・そうか、気をつける」







看守(シティ!)







「第2スイッチ!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年02月23日 (日) 22:46:50   ID: cNeocQEe

元ネタ知らんが、この様な事を人は一度考えるべきかもしれない

2 :  SS好きの774さん   2014年08月11日 (月) 02:13:31   ID: X3YvR-zx

いいね

3 :  SS好きの774さん   2016年09月06日 (火) 22:38:54   ID: beMDtP3v

なんか滑稽に見えてきた。その子がいじめられてたのをないがしろにされてるみたいでなんか切なくなった。と同時に、殺人というのは、正当防衛でもしてはいけないと考えらせられました。

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