アニ「ゲラ・レオンハート」(152)

アニ (昔から笑い上戸で、故郷では不名誉なあだ名を付けられたりしてた)

アニ (でも、故郷を離れて訓練兵団に入る。今日から私は変わるんだ!)

キース「貴様、何を食ってる」

サシャ「蒸かした芋です」

アニ (……ブッ!?)

アニ (ダメだ、笑ったらダメだ)フーフー

アニ (ここで大声を出したりしたら、あの芋の子より目立ってしまう)

アニ (耐えろ、頑張るんだ。アニ)

サシャ「半分、どうぞ」

キース「はん……ぶん?」

アニ (ぶっふぉっ)

アニ  (見えないように、指に爪を食い込ませて、その痛みで耐えるんだ……!)

ミーナ (あの子、凄い怖い顔してる……)

眼鏡教官「おそらく2年前の地獄を見てきた者達だ。面構えが違う」

アニ  (……痛い)

キース 「死ぬまで走ってこい!」

サシャ 「は、はい!」ビシッ

キース 「それと、晩飯は抜きだ」

サシャ 「そんなぁ!?」ガビーン

アニ  (もうやめて!)

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立体機動 適性判断

キース 「まずは貴様らの適正を見る!」

アニ  (ああ……また面白そうなモノが……)ソワソワ

キース 「これが出来ない奴は囮にも使えん! 開拓地に移ってもらう!」

アニ  (笑ったらダメだ。笑ったら開拓地だ)

眼鏡教官「これは初歩の初歩だが、この段階から立体機動の素質はみてとれる」

アニ  (ん……ぶら下がるだけだ、そんなに難しくないや)ブラーン

若い教官「あの……彼は……」

アニ  (……?)

眼鏡教官「……素質というものだろう。人並み異常にできることがあれば……」

アニ  (絶対面白いことがある……見たらダメだ、見たらダメだ)チラッ

眼鏡教官「人並み異常にできないこともある」

エレン (え……? 何だこれ……)ブラーン

アニ  (うっぐッ……! ぐぐッ!)

キース 「何をやってるエレン・イェーガー!!」

アニ  (本当に何をやってくれてるんだよ!!)

エレン (ウソ………だろ? こんなハズじゃ……)

アニ  (どうやったら、あんな風に逆さまに……ぅぐッ)フーフー

ミーナ 「ねえ、あなた大丈夫? ちょっと酔った?」

アニ  「いいや、問題ないよ」フー

アニ  (助かった、気がまぎれた……)

ミーナ 「今、次の人と交代するからね」

アニ  (良い子だ……)

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アニ  (あれからも何とかボロを出さずに、なんとかやってこれた)

アニ  (口数が少なくなるから、皆とあんまり話せないけど。
     でも、ここでもゲラなんて呼ばれるのだけは避けたい)

アニ  (ミーナは仲良くしてくれるし、それで十分だよね)

アニ  (今日はミーナは、あの芋の子と一緒に水汲み当番だけど、
     戻ってきたら少し話しかけてくれないかな)

アニ  (それまで布団でゴロゴロしてよう……)

アニ  (何かが目に入ったら笑っちゃうかもしれないから、布団も被ってよう)バサッ

ミーナ 「あははははは」

サシャ 「もー、そんなに笑わないでくださいよー」

アニ  (あ、帰って来たかな)

ミーナ 「だってーあははははは」

ハンナ 「どうしたの? 夜中に大声出して」

ミーナ 「あー、ハンナ聞いてよー。サシャがねー」

サシャ 「違うんですよー」

ミーナ 「さっき、晩御飯食べたばっかりなのに、もうお腹がなってるのー」

アニ  (やめて、面白そうな話はやめて。あーでも耳が聞いちゃう)

ミーナ 「それでねー、その音がねー」

サシャ 「それは言わないでくださいよぉ」

アニ  (やめて……やめて………)

ミーナ 「"ギューグルグル"って、獣の鳴き声みたいな凶悪な音なの!」

アニ  (はああああ! はああああ! 耐えろ、私!)

ハンナ 「あははは、凄いね!」

サシャ 「違います! もっとキュークルクルって可愛らしい音でした!」

ミーナ 「えー、じゃあもう一回聞いてみようよ」

サシャ 「え、それは、流石に」

ハンナ 「いいじゃない、私も聞いてみたいし」

アニ  (やめて! 勘弁して!)

ミーナ 「じゃあ、静かにね……」シー

ハンナ 「……」

アニ  (……)

サシャ 「……」ゴクリ









サシャの腹「クグロフ」


ミーナ 「あっはははははははははははははははははは」

ハンナ 「うふふふふふふふふふふふふふ」

サシャ 「そんなに笑わないでくださいよぉ! うひひひひっ」

アニ  (ッ!! ……ッ!! ……ッ!!!)

ミーナ 「クグロフって! クグロフって!」

ハンナ 「何でお腹の音まで、食べ物を要求してるの!?」

サシャ 「クグロフ食べたいですねぇ」グー

アニ  (ふぅー! ふぅー! 拳を強く、顔に押し付けて、耐えなきゃ!)ツルッ


ゴンッ!

サシャ 「ひっ」

ミーナ 「あっ……」

ハンナ 「ちょっと、五月蝿くしすぎちゃったね」

ミーナ 「アニ、ごめんね」

アニ  (ち、違うの! 怒ってないよ! そういう壁ドンじゃないから!)

ハンナ 「もう寝ようか」

サシャ 「そうですね、明日も訓練ですし」

ミーナ 「二人ともおやすみー、アニもおやすみ」

アニ  (言いたいのに、くっ、クグロフっ!)ビクンビクン

おやすみなさい

アニ  (笑いが、止まらない! く、クグロフ……!)ビクン

ハンナ 「……」

アニ  (深呼吸だアニ。皆、もう寝ようとしてるから、少しでも声を出したら目立つ)スゥー

ミーナ 「……」

アニ  (そうだ、ゆっくりと、回りに気づかれないように)ハァー

サシャ 「……」

アニ  (はぁ、やっと落ち着いてきた……)スゥ

アニ  (そう、呼吸を繰り返して)ハァ


「クグロフ」

ミーナ「ぶふっ」

ハンナ「ふふふっ」

サシャ「うひひっ」

アニ (……! ……!!!!)ビクンビクン

ミーナ「あはははは。もー、サシャいい加減にしてよー。あはははは」

サシャ「ち、違いますよぉ。うひゃひゃひゃ」

ハンナ「サシャのお腹の音だったでしょ、うふふふふふ」

アニ (ふぅー! ふぅー! 呼吸を! 呼吸をしないと!)

サシャ「もう! だ、ダレですか! 私のお腹の音の真似なんか……うひゃひゃ」

ミーナ「く、クグロフ! もうダメ! もう私、クグロフ食べられない!」

ハンナ「うふふふ、ほらもう寝ましょう。アニを起こしちゃうわ」

アニ (起きてる! すっごい起きてる! でも気づかないで!)フゥーフゥー

サシャ「はぁ、笑いすぎてお腹空きましたね」グー

ハンナ「もうクグロフは勘弁してね」

サシャ「それは保障できませんね」キリッ

ミーナ「何でドヤってるのよ、あははは」

アニ (ふひゅー! ふぅー! はぁー! 落ち着けー!)

ハンナ「ほらほら、おやすみなさい」

ミーナ「おやすみー」

サシャ「おやすみなさい」

アニ (さっきと同じだ、ゆっくり呼吸するんだ。吸って、吐いて)スーハー

サシャ(はぁ、お腹空きましたね。またお腹なっちゃいそうです)

アニ (ふぅ、落ち着いてきた……でも、次やられたら、声が出ちゃうかもしれない。手を打たないと)ゴソゴソ

スコンッ

サシャ(いたっ……上から、何か……?)

サシャ(おや、これは携帯食じゃないですか! 強行訓練の余りですかね?)

サシャ(誰が投げてくれたんでしょうか……)ムシャムシャ

サシャ(味はいまいちですけど、四の五の言ってられませんね!)ムシャムシャ

サシャ(飛んできた方向を考えると、まさかアニですかね?)ゲフー

アニ (食べるの、速い……!)ビクンビクン

眠れないんで、訂正に来たついででした。

>>6
× 眼鏡教官「人並み異常にできないこともある」
○ 眼鏡教官「人並み以上にできないこともある」

おやすみなさい。

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対人格闘術

アニ(立体機動や馬術は、誰とも会話しなくて良いから、気が楽なんだけどな)

アニ(対人格闘術は、どうしても向かい合わないといけないし、会話もするし……)

アニ(目と目が合ったら、絶対に笑っちゃうよ)

アニ(他の人も手を抜いてるみたいだし、私も適当にぶらぶらして流そう)

ライナー「よーしエレン、アニにも短刀の対処を教えてやるぞ」

エレン 「は?」

アニ  (ライナー、今私の名前呼ばなかった……?)

ライナー「教官の頭突きは嫌か?
     それ以上、身長を縮めたくなかったら、ここに来た時を思い出して真面目にやるんだな」

アニ  (くふっ……頭突きで、身長がッ縮むわけ……っ! くふふふふ)

エレン 「は? 何だ。その言い草……」チラッ

アニ  (うぐっ、ダメだ。笑ったらバレちゃう。我慢しなきゃ。顔の筋肉を動かしちゃダメだ、耐えろアニ……!)

エレン (あ……! すげぇ怒ってる……いつも怖い顔してると思ってたけど……本当に怒った顔は比じゃねぇな……)

ライナー「そら! 始めるぞエレン!」

アニ  (ぶふっ……顔の筋肉が、歪む……!
      顔を出来るだけしかめて、表情が変わらないように両拳で押さえつけないと……)スッ

エレン 「アニ? これは刃物の対処を形式的に覚える訓練だぞ? やり方は知ってるだろ?」

アニ  (え? 何でエレンが刃物もって私の前にいるの!?)

エレン 「行くぞ!」

アニ  (あ、ダメ! 近寄らないで! 顔見られたら、笑ってるのバレちゃう!
     体をねじって顔を隠さないと。あと、エレンの足を止めなきゃ!)

バキッ

エレン 「!! いッ!? んな……何だ……足……蹴られたのか?」

アニ  (生まれたての小鹿みたいな格好……っ! ぐっ……笑っちゃいそうだ、早く逃げなきゃ……)

アニ  「もう行っていいかい?」

ライナー「まだだ。刃物を取り上げるまでが訓練だぞ」

エレン 「……オイ!! ちょっと待てよ」

アニ  「……」フゥ

アニ  (刃物を取り上げればお終いだ。それまで笑ったらダメだ。ゆっくり呼吸をするんだ)

エレン 「待てよアニ! これにはやり方があるんだって!」ヒョコヒョコ

アニ  (うぐっ……変な動き……ッ 早くやらなくちゃ……)


グイッ

エレン 「もがッ!!」

ヒュ

エレン 「うッ!!」

グル バキ

ドサッ

ライナー「……」

アニ  (危なかった、エレンが変な声出すから、笑っちゃうところだった)

エレン 「」

アニ  (何で、そんな格好で地面に落ちるの!?)

ライナー「……」

アニ  (ダメ……面白い……っ! 笑っちゃう! 見たらダメだ。エレンを見たらダメだ。そうだ、ライナーだ!)

アニ  「はい」パス

ライナー「!」

アニ  (訓練にかこつけてライナーを見てれば、エレンの変な格好を見なくて済む……!)

アニ  「次はあんたが私を襲う番だね」

ライナー「イ……イヤ……俺は……」

エレン 「やれよライナー」

ライナー「!!」

エレン 「兵士としての……責任を……教えてやるんだろ?」

アニ  (変なポーズのまま喋ってる!? 何で!? あ、また見ちゃった! 笑っちゃう!)

ライナー「……あぁ……兵士には引けない状況がある。今がそうだ」

アニ  (くぅ………ッ! 目を逸らさなきゃ! ライナーを投げ飛ばすことだけ考えて!)


ドォオオオオオン

エレン「……」

アニ (なんとか……耐え切った…………)フゥ

エレン「お前の倍近くあるライナーが、宙を舞ったぞ……」

ライナー「」

アニ (何でエレンと同じポーズ………ッ!! うぐぅ……ッ! ぐぐッ……!!)

エレン「すげぇ技術だな」

アニ (二人の落ち方の方がよっぽど芸術的だよ! ぶふっ……くっ……耐えなきゃ)

エレン「誰からか教わったんだろ?」

アニ (これは、お父さんが……)

アニ 「……お父さんが」

エレン「親父さんがこの技術の体現者なのか?」

アニ (お父さん……いつも変なことして、私を笑わせようとしてた……くっ……思い出したら面白くなってきた……!)

アニ 「どうでもいい……」

エレン「え?」

アニ 「こんなことやったって意味なんか無いよ」

アニ (過酷な訓練に耐えても、この笑い癖は抜けないから……くふっ……っ!」

アニ  「私はもうこれ以上、この下らない世界で兵士ごっこに興じれるほどバカになれない」ザッ

アニ  (バカ笑いしてバカにされるのは、もうこりごりだから! 絶対に、笑わない!)

エレン 「……」

ライナー「お前は兵士にとことん向かんようだな……」

アニ  (そう……私は兵士に向いて無い。きっと大事なところで笑ってしまう)

アニ  (だから、憲兵団に入る……! 憲兵団は、成績優秀で真面目な人しかいないはず。
     変なことで笑ってしまうことも、きっと無いから……!)

以下訂正
>>5
× 眼鏡教官「……素質というものだろう。人並み異常にできることがあれば……」
○ 眼鏡教官「……素質というものだろう。人並み以上にできることがあれば……」

>>41
× アニ (過酷な訓練に耐えても、この笑い癖は抜けないから……くふっ……っ!」
○ アニ (過酷な訓練に耐えても、この笑い癖は抜けないから……くふっ……っ!)

誤字が多くてスミマセン。おやすみなさい。

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食堂

ミーナ「今日もSoupの味が薄いねぇ」ズズズ

アニ 「そうだね」

アニ (ぐ…ふっ……何でスープだけ発音が良かったんだろう)

ミーナ「あ、また始まったみたいだよ」

ジャン「この死に急ぎ野郎!」

エレン「服が破れちゃうだろ!」

アニ (くふっ……! 心配するのは服なんだ……)エホッエホッ

ミーナ「大丈夫?」

アニ 「……ええ」

サシャ「ジャンも飽きませんねぇ」

ジャン「服なんかどうでもいいだろうが! うらやましい!」

アニ (ぶはッ! 本音が漏れてる!)ピクピク

アニ (くふ、ダ、ダメだ。見たらダメだ。でも、つい見ちゃう……っ)

アニ (せめて、顎に手を添えて、顔を動かないようにして、無表情を取り繕わないと……)
 

ダンッ


おおおおおおお


ジャン「いってぇな……!」

アニ (投げ方が不完全だ……あれじゃあ、変なポーズにならない……)

アニ (いや、なったらダメでしょ! 何で期待したの!? あ、思い出しちゃった……く、くふ……ッ)

エレン「お前、それでも兵士かよ」

ジャン「兵士が何だって?」

ギィイイイイ

キース「今しがた大きな音が聞こえたが……誰か説明してもらおうか」

ミカサ「サシャが放屁した音です」スッ

サシャ「えっ!?」

アニ (ぶひゅっ……! ほ、放屁ッ! サシャの、あの顔……っ!)

キース「また貴様か……」

サシャ「!!」

アニ (し、信じてる! も、もうダメ! く、くひひ……)

キース「少しは慎みを覚えろ」ギィイイ

アニ (よ、良かった……戻ってくれた……し、死ぬかと思った……!)

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対人格闘術訓練

エレン「なぁ? アニ。ジャンの奴……流してるように見えるか?」

アニ 「……見えないけど……」

アニ (今日は、みんな真面目にやってる……逃げられない……真面目に答えなきゃ、真面目に)

アニ 「何も立派な兵士になりたいわけじゃない。あんたに一泡吹かすためだ」

エレン「だろうな……でも……本気で技術を覚えようとしてる

アニ 「……」

~~


アニ父「いいぞアニ! そのツッコミだ!」


バスッ


アニ 「何でやねん! 何でやねん!」


バスッ


アニ父「流石は俺の娘だ!!」


~~

エレン「しかし、どうだ俺の蹴り技は? 見よう見まねだが、上手く決まったよな」

アニ 「は……全然駄目。まったくなってない」

エレン「何だよ……どこが悪いって言うんだ?」

アニ (面白いポーズにさせたいの……もしかして、エレンは人を笑わせるのが好きな人なの?)

アニ 「……そんなにこの技が気に入ったんなら、教えてやってもいいけど?」

エレン「え? やだよ。足蹴られんの痛いし」

アニ (即答……ッ! くっ……面白い……! でも笑ったら駄目だ…! でも無理…! こうなったら……ッ!)

アニ 「遠慮なんかしなくていいって」

バシッ

エレン「」

アニ (ふぅ……笑った顔を見られずに済んだ……)

おやすみなさい

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ミーナ「顔が良いのはベルトルトだよね、背も高いし」

ハンナ「一番はフランツだけどね」

サシャ「何の話ですか?」

ミーナ「恋バナだよ、恋バナ」

サシャ「食べ物の話では無いんですね」グー

アニ (あんまり関わるなって言われてるし、会話には加われないけど、
    今度、ベルトルトに教えてあげようかな)

アニ (どこで笑っちゃうか分からないし、寝たふりしてよ……)

ミーナ「ライナーは頼りがいがありそうだけどね」

アニ (……ライナーにも教えてあげよう)

サシャ「コニーが良いんじゃないですか?」

ミーナ「あはははは。悪いけど、コニーはないよー」

サシャ「でも、成績いいですし、憲兵団志望ですよ?」

ハンナ「そうね。将来有望じゃない?」

ミーナ「うーん、でもコニーかー。背が低いしなぁ」

サシャ「まだ成長期ですから、これからぐーんと伸びるかもしれませんし」

ハンナ「そうよ、何年か後に会ったら、全然違ってるかもしれないじゃない」

アニ (成長期! 私も、まだ背が伸びる可能性が……!)

ミーナ「そんなに変わるかなぁ」

ハンナ「全然違って、分からなくなってるかもね」

ミーナ「えー、じゃあ格好良いコニーを、ちょっとハンナがやってみてよ」

ハンア「ええ!?」

アニ (くくっ……む、無茶振り……っ!)

ミーナ「何年か後に、偶然再会したって設定でね。あはははは」

ハンナ「うふふふ、無理よ。そんなの、ふふふふ」

ミーナ「じゃあ、やるからね」オホン

ミーナ「『えー、コニーなの!? 全然分からなかった!』」

ハンン「『オ、おう。テ、テテ、天才だからな!』」

ミーナ「あはははは! 壊れた機械っぽい!」

ハンナ「うふふふふふ、もう! いきなり無理よ!」

サシャ「コニーが機械? バネ仕掛けなんですか?」

ミーナ「スプリンガー!!!! あははははははは!」

ハンナ「うふふふふふ、スプリンガーだから!」

アニ (スプリ……っ! …………ンガッ!!!)ビクンビクン

サシャ「え? どういうことです?」

ミーナ「コニーは、憲兵団に行って機械の体を手に入れたんだよ! あははっははは!」

ハンナ「バネ仕掛けだけどね、うふふふふ」

サシャ「あー、コニーってブリキ人形っぽいですよね」

ミーナ「あははははは! ブリキ人形はひどいよー、あはははは!!!」バンバン

ハンナ「ブ、ブリキ……うふ、ふふふ」

ミーナ「あははは、ハンナが、ツボに入ってる……あはははは」

アニ (くっ……ぶふ……っ! コニーがブリキ……! もうサシャ、黙ってて……)ビクンビクン

ミーナ「『機械の体を手に入れたんだ。母ちゃん喜ぶぞ!』」

ハンナ「うふふふふっ」

アニ (くふふっ……親不孝者。ただのバカ息子……ッ!)

サシャ「『ダメです! コニーの動きが止まりました!』」

ハンナ「うふふふふふっ、サシャのは何なの?」

サシャ「オペレーターです。『動力が切れました! 早くゴムを巻いてください!』」

ミーナ「あはははは! コニーはゴムで動いてるんだ!!」

ハンナ「うふふふふ、ゴムで、どうやって……うふふふふっ」

サシャ「『感じろとしか言えん』」

アニ (ぐひゅ……もうダメ……! もう、やめて!)

サシャ「『覚えが悪いから、貴様の心臓は右に移植した』」

ミーナ「キース教官っ! あははははは! 教官が改造してるっ!!」

ハンナ「うふふふふっ」

アニ (う、ぐッ……変な格好で笑うの我慢しすぎて、足つった……! 指先伸ばさなきゃ……!)

ミーナ「『機械の体なんて要らないんだ! 俺が馬鹿だった……!』」

ハンナ「うふふふっ、気づいたんだ」

アニ (くふっ……足、足が……ああああ……)

ドンッ!

サシャ「ひっ……」

ミーナ「あ、また騒いじゃったね……ごめんねアニ」

アニ (違うの! 今の床ドンは、そういう意味じゃないから!)

ハンナ「もう寝ましょうか」

サシャ「そうですね」

ミーナ「うん、二人ともおやすみ」

サシャ「おやすみなさい」

ハンナ「おやすみ」

アニ (私も、おやすみって言いたいけど……足、痛い………!)ビクンビクン

おやすみなさい

アニ (足……痛い……けど、やっと治った……)グスッ

ミーナ「……」

アニ (ふぅ……じんわり来る痛みだから、暫く痛いんだよね……)

ハンナ「……」

アニ (早く寝なきゃ、みんなもう寝るみたいだし)

サシャ「……」





「スプリンガー」

ミーナ「……ぶっ」

ハンナ「ふふっ」

サシャ「ひゅ……っ」

アニ (……ッ!)

ミーナ「……も、もう! 誰よ!」

ハンナ「うふふっ、またサシャのお腹じゃないの? うふふっ」

サシャ「わ、私じゃないですからね! スプリンびゅひゅ」

アニ (ぅぐ……ッ! サシャのお腹、喋りすぎ……!)

サシャ「ち、違いますよぉ! そんな、スプリンgっひゃっひゃっひゃ!」

ミーナ「ス、スプリ……ンッ!」

ハンナ「うふふっ……スプリンガー……ふふふっ」

アニ (ふくっ……ん゛ん゛ん゛……あ、足がまた……ッ!)

サシャ「そんな、何でもかんでも私のお腹のせいに……ぶくく……ッ」

ミーナ「あははは! サシャのお腹が万能すぎる!」

ハンナ「うふふっ……」

アニ (足が……! でも声が出ると、笑っちゃう……! じ、地獄ッ!)

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兵舎裏

ライナー「揃ったな」

アニ  「遅くなってゴメンね、みんなが中々眠らなくて」

ベルトル「いや、大丈夫さ。始めようか」

ライアー「あぁ。予定通り明日、解散式を待たずにトロスト区の壁を破壊する」

ベルトル「5年前と同じだ。僕が門を破壊して、ライナーが内側の扉まで突入する」

アニ  「私が、その間に巨人を呼び寄せるんだね」

ライナー「アニ、お前は笑い上戸で空気の読めないバカだが、成績は優秀だ」

ベルトル「……」

アニ  「……笑い上戸なのは、昔の話だよ」
    (少なくとも、訓練兵になってからは、人前で一回も笑ってないし)

ライナー「だと良いがな。とにかく、肝心のところで笑って台無しにしてくれるなよ」

ベルトル「大丈夫だよ、アニはちゃんとやれるから」

アニ  「……ありがと。ちゃんとやるから心配しないで」

細切れで済みません。今日はここでおやすみなさい。

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トロスト区

「超大型巨人だー!!」
「逃げろー!」
「壁が壊されるぞー!!」

アニ (始まったみたいだね)

アニ (壁外の巨人……無差別に人間を襲い、笑わせる存在)

アニ (研究者によれば、人間が笑ったとき脳内の副交感神経が優位になる? のを感じ取るらしい。けど、詳細は不明)

アニ (ただ、どこまでも執拗に笑わせ続ける。それこそ、笑いすぎて呼吸困難に陥り廃人になるまで)

アニ (あれ……)

アニ (あんまり集まらない……ライナーに怒られるかも……)

アニ (通常種ばっかりだし……あ、奇行種だっ! 変な動きしながら走ってくる!)

アニ (うふふ、オネエ走りだ……あはっあはははは!!)

アニ (あははははははは……ッ!!)

アニ 「キャアアアアッ!!」

アニ (ビックリした……そういえば巨人化した時は笑っても奇声だったね……)

アニ (うわー、巨人が凄い集まってきた。声一緒なのに、笑い声だと分かるのかな)

アニ (もう逃げないと危ないね……)

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ベルトル「アニは大丈夫かな」

ライナー「アイツは放っておいても、勝手に爆笑してるからな。
     巨人は笑い声に反応して寄ってくる、天然の巨人ホイホイだ」

ベルトル「でも、もし巨人に捕まったりしたら」

ライナー「その場合でも半日くらいなら大丈夫だろう。故郷では寝てる間以外はずっと笑ってたからな」

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アニ(それからトロスト区内の巨人討伐に加わって、何食わぬ顔で撤退)

アニ(ぶふっ……巨人だけに、何食わぬ……くふふふふ)

アニ(エレンが巨人化したりしたけど、私には何も教えて貰えなかった)

アニ(あと、ミーナが巨人に襲われた……)

ミーナ 「ぜ……ゼヒ……」ハァハァ

アニ  (私がそばを離れて、こっそり物陰で笑うのを我慢したりしてなければ……)

アニ  「ごめんなさい……」

ライナー「謝っても仕方ないぞ。早く入院させてやるんだ」

アニ (……)

ライナー「あんなに訓練したのにな……」

アニ (にらめっこ、くすぐり、ジョーク、一発ギャグ、駄洒落、落語……あんなに訓練したのに、全部無駄だった……)



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原作みたいなシリアスな世界でこそ、アニが笑い上戸、って設定が面白かったのに・・・

>>86
やっぱりそうだよね。ありがとう。
>>78からやり直させて。
後でまた来る。

上にも書いたとおり、>>75の続きからってことでお願いします。

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トロスト区奪還戦

サシャ 「みんなが力をあわせればきっと成功しますよ!
     私が先人を引き受けますから。み、みなさん……」

アニ  (私達が巨人を引き入れたんだから、成功して貰ったら困る……)

サシャ 「アルミン、一緒にみんなを……」

アルミン「……」

アニ  (ぐふっ……。何故か面白い顔になってる……。見てたら笑っちゃいそう……。
     気を紛らわせないと……)

アニ  「ライナー……どうする?」

ライナー「まだだ……やるなら集まってからだ」

アニ  (……何の話だろう?)

マルコ 「だめだよ。どう考えても。僕らは、この街から出られずに全滅だ。
     死を覚悟してなかったわけじゃない……でも……一体何の為に死ぬんだ……」

ヒョオオオ  ザフッ

「ミカサ!?」

「お前、後衛のハズじゃ……!?」

ミカサ 「アニ!」

アニ  「!」

アニ  (ミカサ!? なんで選り好んで私を!?)

ミカサ 「何となく状況はわかってる……。
     その上で……私情を挟んで申し訳ないけど、エレンの班を見かけなかった……?」

アニ  「私は見て無いけど、壁を上れた班も……」

ライナー「そういや、あっちに同じ班のアルミンがいたぞ」

ミカサ 「アルミン!」

アルミン「!!」

ミカサ 「アルミン……ケガは無い? 大丈夫なの?」

アルミン「」コクン

ミカサ 「エレンはどこ?」

アルミン「……」ポロポロ

ミカサ 「」

アニ (アルミン。は、鼻水出てる……! ぶふぉ……駄目だ。今はきっと笑ったら駄目な雰囲気だ。
    私が笑い上戸なの以前の問題で、笑ったら駄目だ……!! でも、へ、変な顔ッ……!)

アルミン「僕達……訓練兵……34班――――」

アルミン「以上5名は自分の使命を全うし……壮絶な戦士を遂げました……」

ライナー「……」

ベルトル「……」

マルコ 「……」

アニ  「……」

アニ  (笑わなくて……良かった……)

「34班は、ほぼ全滅か……」

「俺たちもまともに巨人とぶつかればそうなる……」

アルミン「ごめんミカサ……エレンは僕の身代わりに……。
     僕は……何も……出来なかった。すまない……」

ミカサ 「アルミン。落ち着いて。今は感傷的になってる場合じゃない。さぁ立って!」

アルミン「……」

ミカサ 「マルコ。本部に群がる巨人を排除すればガスの補給が出来て、みんなは壁を登れる。違わない?」

マルコ 「あ……あぁ、そうだ……。し、しかし……いくら君がいても……あれだけの数は……」

ミカサ 「できる」

マルコ 「え……!?」

ミカサ 「私は……強い……あなた達より強い……凄く強い!」

アニ  (こ、言葉が不自由すぎる……! ふひゅ……ッ! ふひ……わ、笑ったら駄目……。
     面白いけど、今も笑ったら駄目な場面の気がする……っ!!)

ミカサ 「……ので私は……あそこの巨人共を蹴散らせることが出来る……」

アニ  (ので……ッ!!! ので! ので………ッ! う、ぐッ……!!)

ミカサ 「例えば……一人でも」

アニ  (ん……ぐっ……む、無茶なこと言い出した……)

ミカサ 「……あなた達は……腕が立たないばかりか……臆病で腰抜けだ……とても……残念だ。
     ここで……指をくわえたりしてればいい……」

アニ  (ぶふ……曖昧だ……くわえたり、なめまわしたりしてればいいのかな……)

ミカサ 「くわえて見てろ」

アニ  (……言い直した! ふひ……っ!!! や、やっぱり、曖昧だと思ったんだ、自分でも。言った後で……ぶふっ!)

「ちょっとミカサ?」

「あの数の巨人を一人で相手にする気か? そんなことできるわけが……」

ミカサ「……できなければ……死ぬだけ。でも……勝てば生きる……戦わなければ勝てない」ダンダン

「オ、オイ!?」

ジャン 「残念なのはお前の言語力だ」

アニ  (ぐひゅ……も、もっともだっ! ……残念っ! っふふ!)

ジャン 「あれば発破かけたつもりでいやがる……てめぇのせいだぞ……エレン……」

アニ  (……死者に……ムチ打ち過ぎ……!
     ぐっ、これは駄目だ……不謹慎すぎる……死んだ人のことで笑ったら最悪だ……耐えろ!)

ジャン 「オイ! 俺たちは仲間に一人で戦わせろと学んだか!?
     お前ら!! 本当に腰抜けになっちまうぞ!!」

ライナー「そいつは心外だな……」

アニ  「……」
アニ  (ミカサとジャンの組み合わせは危険だ……面白いことが起きる気がする……。
     あぁ、そんな場合じゃないのに……! こんなんだから、空気が読めないってライナーに馬鹿にされるんだ!)

ベルトル「……」

アニ  (ベルトルトは、無言でこっち見すぎ……! くふっ……意味が分からない……っ!)

マルコ 「……はぁ――」

サシャ 「や、やい腰抜けー。弱虫ー。ア……アホー」

アニ  (ぶふっ……そ、そういえば、サシャもいた……! ベストメンバーに近い……!
     …………私だけは、他の人とは違う理由で死ぬかもしれない)

今日はここまで。
話を巻き戻してスミマセン、もうやらないようにします。

--------------------------------------------
補給所

アニ  (無事にたどりついた……犠牲も、沢山出たけれど……)

アニ  (あの巨人と戦う奇行種は何なんだろう……巨人に襲われてるってことは、
     もしかして、私達と同じ中身は人間……?)

ライナー「お前ら、あの巨人についてどこまで知っているんだ?」

アニ  (ライナーも知らないんだ……)

コニー 「?……助かってからでいいだろ、そんなこと」

ライナー「……そうだな……まずは助かってからだ……」

アニ  (ぐっ……素直だ……!)

バタン

ジャン 「あったぞ! 憲兵団管轄の品だ。埃をかぶっていやがるが……」



アルミン「7人が7体の巨人を一撃で同時に仕留めるための作戦なんだ」

アニ  (ライナーが何も言わない……兵士として行動しろってことなのかな……)

アルミン「運動能力的にもっとも成功率が高そうな7人にやってもらうけど……。
     全員の命を背負わせてしまって……その……ごめん」

ライナー「問題ないね」

アニ  (私も、兵士として振舞わないと……)

アニ  「誰がやっても、失敗すれば全員死ぬ。リスクは同じだ……」

アニ  (よし……っ! この緊迫した空気の中、笑わずに言えた……!)

コニー 「けどよ、立体機動装置も無しで、巨人を仕留めきれるか?」

ライナー「いけるさ! 相手は3~4m級だ。的となる急所は狙いやすい」

ジャン 「あぁ……大きさに拘わらず頭より下、うなじにかけての」

サシャ 「縦1m、幅10cm!!」

アニ  (急に息がぴったりだ……。くっ……笑っちゃいそう……)

ライナー「もしくは、こいつを奴らのケツにブチこむ!! 弱点はこの2つのみ!!」

アニ  (くひっ……何て冗談いうのっ!?)

コニー 「知らなかった!! そんな手があったのか!!」

サシャ 「私も今、初めて知りました」

アニ  (あんな冗談を信じてる……くひゅっ)

ジャン 「ライナー……それがお前の最後の言葉になるかもしれねぇぞ」

アニ  (そうなったら……私は故郷の人たちに最期を正しく伝える自信……無い……ぐくっ……)



マルコ 「落ち着け……まだ十分に引き付けるんだ!!」

マルコ 「待て」

マルコ 「待て」

マルコ 「待て」

マルコ 「――用意……撃て!!」

ドドドド

アニ (……よし、笑わないように……命が懸かってるんだ。
    くっ……一撃で、仕留めるんだ……!)

カンカンカン ヒュ

ダン ダン ドン

コニー「ウッ!!」

サシャ「あ……」

マルコ「サシャとコニーだ!!」

ジャン「急げ!!」

ミカサ「援護を!!」

アニ (助けに行かなきゃ!)

サシャ「あ……あの……う……後ろから……突然……た……大変……失礼……しました……」

アニ (巨人の目を見て話しかけてる……! 会話の基本だ……ぶふっ! こんな時に……て、丁寧だ……っ!」

サシャ「ひッ……すいませんでしたぁ!! ひッ……」

ズシン

ズウンン

サシャ 「ミカサぁぁぁ助かりました!!」

ミカサ 「ケガは無い?」

サシャ 「おかげさまで!!」

ミカサ 「なら、すぐに立つ!」

コニー 「すまねぇな……」

アニ  「どうも……」

アニ  (ミカサがいて良かった……今、サシャに目を見ながら話しかけられたら、間違いなく笑っちゃう……!)

ライナー「オイオイ、危なかったなアニ……。怪我をしなくてよかったぜ本当に……」

アニ  (うん、危なく声に出して笑うところだった……)

サシャ 「うう……巨人に……屈服してしまった」カチャカチャ

アニ  (やっぱりサシャは危険だ……)

サシャ 「みんなに……合わせる顔が……」

アニ  (巨人の顔は見てたのに………ふふっ)

コニー 「後でたっぷり軽蔑してやる!! とにかく脱出だ!!」

アニ  (わざわざしなくてもいいのに……ッ!)

ミカサ 「!」

アルミン「ミカサ!?」

ライナー「!?」

ベルトル「僕達も後を追おう」

ライナー「あぁ」

アルミン「ミカサ……早く逃げないと……」

ミカサ 「あの巨人……」

アルミン「うッ!!? ……共食い?」

ミカサ 「どうにかして、あの巨人の謎を解明できれば……
     この絶望的な現状を打開できるきっかけになるかもしれないと思ったのに……」

ライナー「同感だ。あのまま食い尽くされちゃ、何も分からず終いだ!
     あの巨人にこびりついてる奴等を俺たちで排除して……とりあえずは延命させよう!」

ジャン 「正気かライナー!! やっと……この窮地から脱出できるだぞ!?」

アニ  (ああ……どうしよう、ライナーに賛成するようなこと言わなきゃ……)
アニ  「たとえばあの巨人が味方になる可能性があるとしたら、どう……?
     どんな大砲よりも強力な武器になると思わない?」

ジャン 「!? ……味方だと……!? 本気で言ってるのか!?」

アニ  (どうしよう……! 冗談だと思われたかも!?)

アルミン「あ……あいつは……トーマスを食った奇行種……!?」

アニ  (ぐふっ……アルミンが人の話を聞いてない……ッ)

アアアアアアアアアアアアア
アアアアア

バキバキ

ジャン 「オイ、何を助けるって?」

アニ  (私を助けて欲しい……)

ズシィィイイイイン

ジャン 「さすがに……力尽きたみてぇだな。もういいだろ……? ずらかるぞ!
     あんな化け物が味方なわけねぇ。巨人は巨人なんだ」

ジャン 「……? ……オイ」

ジャン 「……?」

アニ  (巨人の中から……エレンが……! くふっ……セ、セミの羽化みたいな出方だ……ッ!)

タン タタタ

ミカサ 「うわあああああああああん」

アルミン「一体……何が……」ギュウウ

アニ  (何で指を絡める必要が……! こ、恋人か……っ!)

おやすみなさい。

--------------------------------------------

アニ(トロスト区から無事に退避することが出来た)

アニ(あの後、エレンが駐屯兵団に大砲で狙われたりしてたけど、
   なんやかんやあって、ハゲ頭の偉い人に連れて行かれた)

アニ(ライナーは静観しろって言ってた。エレンの巨人化のほうが大事だから)

アニ(それと、奪還作戦の混乱にまぎれて誰かの立体機動装置を……)



アニ(混乱の末に作戦は終了。人類は、初めて巨人から土地を奪還した、らしい)

アニ(そんな規模の大きな話は、ハゲ頭の偉い人たちが進める話であって、
   ただの訓練兵には、”後始末”が言い渡されただけだった)

アニ  「ごめんなさい……」

アニ  (ミーナ……こんな再開なんて……。私、まだ壁ドンと床ドンのこと謝って無いのに……)

アニ  「ごめんなさい……」

アニ  (変なポーズで倒れてる……でも、それは笑えないよ……)

ライナー「謝っても仕方ないぞ。早く弔ってやるんだ」

アニ  (ハンナも、まだ見つかって無いらしい……)

ライナー「……あんなに訓練したのにな……」

アニ  (私、笑うの我慢するから……また皆で面白い話してよ……)

コニー 「あんなに頑張ったのに……あんなに……やったのに……全部……無駄だったのか……?」

ジャン 「おい……お前ら……所属兵科は何にするか、決めたか?」

サシャ 「……」

ライナー「……」

ベルトル「……」

アニ  「……」

ジャン 「オレは決めたぞ。オレは……オレは……調査兵団になる」

アニ  (全然、笑えないよ。……ジャン)

--------------------------------------------

アニ(何日かして、奪った立体軌道装置で調査兵団保有の巨人2体を殺害)

アニ(今は、訓練兵が集められて、装備の点検をチェックされている)

アニ(もう、ずっと笑ってない気がする……望んでいた結果になったはずなのに……)

コニー 「チキショー……あのジャンが調査兵団になるって言ってんのにな……」

アルミン「え!? ジャンが!?」

コニー 「なぁ……アニ。お前、どう思った? あいつがやるって言ってんだぜ?」

アニ  「……別にどうも思わないけど? 私の意志は変わらないから」

コニー 「……そうか。お前、憲兵団にするんだよな……」

コニー 「……なぁ……アニ。オレも憲兵団にしたほうがいいかな?」

アニ  「……あんたさぁ人に死ねって言われたら、死ぬの?」

コニー 「……何だそりゃ、死なねぇよ」

アニ  「なら自分に従ったらいいんじゃないの」

アニ  (私は、以前は笑うなって言われても笑っちゃってたし、今は笑えって言われても笑えない気がする)

アニ  「アルミン、あんたはどうなの?」

アルミン「え……。僕は……そうしなきゃいけない理由が理解できたら、死ななきゃいけないときもあると思うよ。
     ……嫌だけどさ」

アニ  「そう……決めたんだ……」

アルミン「うん」

アニ  「あんた弱いくせに、根性あるからね」

アニ  (……少し、羨ましいかな)

アルミン「あ……ありがと」

コニー 「マジかよ……アルミン、お前まで」

アルミン「アニってさ……実は、けっこう優しいよね」

アニ  「……」


アニ  (………………………………ぶふぉっ)

アニ  「は?」

アルミン「だって僕らに調査兵団に入って欲しくないみたいだし、憲兵団に入るのも何か理由があるんじゃないの?」

アニ  (今のは、久しぶりにキた……)

アニ  「……いいや、私はただ自分が助かりたいだけだよ」

アニ  (アルミンみたいに、不意を突いて面白いことを言う人から、離れるためにもね)

おやすみなさい。

--------------------------------------------

アニ (朝か……)

アニ (壁外調査に乗じて、エレンを攫う計画だったけど、調査兵団に阻まれて失敗)

アニ (結局、私が兵団の人を何人か殺しただけで終わった)

アニ (私が……殺したんだ)

アニ (……心が乾く)

ストヘス区 憲兵団支部

ヒッチ「やっと起きた……あんたのさぁ……寝顔が怖くて起こせなかったんだ。ごめんねー、アニ」

マルロ「お前は最近、弛みすぎだぞ」

アニ (マルロは、私の想像してた真面目な憲兵団を絵に描いたような人だ。
    ヒッチは……よく笑ってる。今も楽しそうだ。私とは笑うツボが違うみたい)

ヒッチ「なにー? もー、怒ってんの? ねー」

マルロ「愛想の無いやつだな」

アニ (……そんなに器用だったらよかったんだけどね)

アニ (憲兵団の先輩には、エレンの護送の警護を言いつけられた。
    絵に描いたような真面目な憲兵団というのは、中々いないらしい)

マルロ「税をちょろまかしたり、不当に土地を奪ったヤツらには相応の報いを受けさせる」

アニ 「あんたはそれで、自分か身内がヒドイ目に遭ったりしたの?」

マルロ「……いいや? だがそれらの悪行は誰でも知ってる事実だろ?」

アニ (真面目な良い人だ……)

マルロ「とにかくな、死ねとは言わん。だが恥を知ってもらう。
    理性が無いってことは、所構わず排便する動物と同じってことを……」

アニ (……理性がなくなるくらい、彼は笑ったことは無いんだろうか)

マルロ「ただ普通の人間に戻す……それだけだ。人本来の正しい姿に……」

アニ (きっと人本来の姿に近いのは、ミーナやハンナのような、自由に笑いあう姿だよ)

ヒッチ「やべぇ! あんた本物じゃーん! つまんないヤツだと思ってたわ、ごめんねー!!」ダハハハ

アニ (大笑いしてる……今のが面白かったのかな……分からないや)

アニ 「どうだろ」

マルロ「ん?」

アニ 「あんたみたいな良い人が体制を締めちまったら、それこそおしまいだと思うけどね……」

アニ (誰も、笑えない世界になってしまう)

マルロ「……。何だ……お前、まともにしゃべれるのか。言いたいことがあるんなら、もっと喋ってみろよ」

アニ 「あんたは、正しい人だと思う。正しいことを言うから。私はそういう人がいることを知ってる」

アニ (エレンも……多分、正しい人だと思う。自分が正しいことを信じてる人だ)

アニ 「大きな流れに逆らうって……とても勇気がいることだから、尊敬するよ」

アニ (あれだけの大ボケを笑わずにやってのけるのは、正しいと核心していないと無理だよね)

アニ 「ただ単にバカなだけかもしれないけど……まぁ……明らかなのは、そういう人は珍しいってことだよ」

アニ (エレンたちは、同期の中でも、飛びぬけた逸材だった……。思い出すだけでも笑える。
    目の前の彼は、私の琴線に触れない人だけれど、きっと同じタイプなんだろう)

マルロ「……」

アニ 「つまり一般的とは言わない。普通とも言わない。あんたのような人は、特殊な人と呼ばれる」

アニ「それに大して私阿智は何と呼ばれるべきかな。他人より自分の利益を優先させ、周りがズルをすれば一緒に流される」

アニ(……あと、大きく口を開けて笑う)

アニ「こんな人たちをあんたは……クズ……とか悪と呼んだ」

アニ(……私はゲラって呼ばれた)

アニ「私の見てきた限りでは、訓練兵では憲兵団を目指すクズと悪人が大半を占めていた」

アニ(そういう人たちは……みんな、楽しそうに笑っていたよ)

マルロ「回りくどいなぁ……つまり自分達はそんなに悪くないっていいだいんだろ?」

アニ 「いいや……実際クズだと思うし、悪いやつに違いないよ」

アニ (私は、沢山の人を……殺しているし)

アニ 「到底、正しい人間とはいえないだろうけど……それも」

アニ (それでも……)

アニ 「普通の人間なんじゃないの?」

アニ (……きっと、私も含めて)

アニ 「あんたの言うように本来、人間が皆、良い人であればこの組織はこんなに腐って無いでしょ?
    この組織の仕組みが、人間の本質がよく現れるような構造になっているだけで、
    だから……私は……ただ、そうやって流されるような弱いヤツでも」

アニ (これは、私のことだ……)

アニ 「人間だと思われたいだけ……それだけ」

ヒッチ「それだけって、あんた話し長すぎ……つまんないし」

おやすみなさい

マルロ「長話しすぎたな、行くぞ!」

アニ (私も、行こう……)

アルミン「アニ」

アニ  (まさか……そんな……)

アニ  「アルミン……」

アルミン「やぁ……もう……すっかり憲兵団だね」

アニ  (アルミンは……なんで、そんな変質者みたいな……ぶふぉっ」

アニ  「どうしたの……?」

アニ  (さっきまで、すっごいしんみりした空気だったのに……!
     アルミンが登場しただけで……くっ……また笑うのを我慢しないと……!)

アニ  「その格好は?」

アルミン「荷運び人さ」キリッ

アニ  (ドヤってる……っ)プルプル

アルミン「立体機動装置を雨具で見えないようにしてるんだ」

アニ  (だからって……)

アルミン「ほら」

アニ  「……!?」

アニ  (雨具を捲り上げないで! くふっ……ま、ますます変質者に見えるっ)

アニ  「アルミン? どうしたの?」

アルミン「アニ……エレンを逃がすことに協力してくれないかな……」

アニ  (逃がす……あぁ、今日護送されるんだっけ)

アニ  「……逃がすって? どこに?」

アニ  (恋人かと思ってたけど……まさか、本当に二人で逃避行……ぶふっ)

アニ  「王制の命令に逆らって……この壁の中のどこに逃げるの?」

アルミン「一時的に身を隠すだけさ。審議会勢力をひっくり返すだけの材料をそろえる。必ず!」

アニ  「ひっくり返す材料……? そんなに都合の良い何かがあるの……? 根拠は?」

アニ  (駄目だ……ひっくり返すで、変なポーズのエレンとライナーを思い出しちゃう……っ)

アルミン「……ごめん。言えない……」

アニ  (……うくっ、これ以上は無理だ……笑いを我慢できない……逃げようっ)

アニ  「悪いけど、話にならないよ……黙っといてやるから勝手に頑張んな」

アルミン「アニ! お願いだ! このままじゃ、エレンは殺される!」

アルミン「説得力が無いことはわかってる……でも……それでも……もう大きな賭けをするしか……無いんだ」

アニ  (私も……賭けなきゃ駄目かもしれない……ここで無理に立ち去れば、不自然に思われて笑い上戸がばれるかも)

アニ  「あんたさ……私がそんな良い人に見えるの?」

アルミン「良い人か……それは……その言い方は僕はあまり好きじゃないんだ。
     だってそれって……自分にとって、都合の良い人のことをそう呼んでいるだけのような気がするから」

アニ  (憲兵団に入ったんだ……今更アルミンにばれるわけには行かない)

アルミン「だから……アニがこの話に乗ってくれなかったら……アニは僕にとって、悪い人になるね……」

アニ  (……脅迫っ)ゾゾゾ

アニ  「いいよ……乗った」

アニ  (……いざとなったら……)



エレン 「案外……楽に抜けられたな」

ミカサ 「シッ……」

アニ  (2人の逃避行じゃなかった……ミカサもいた)

エレン 「ずっと馬車の中だったけど、全然確認とかされなかった」

ミカサ 「キョロキョロしない」

アニ  (くっ……子供扱いだ……相変わらず面白い……)

エレン 「あとは影武者のジャンがバレなきゃいいが……。
     ありゃあ、そう長くはもたねぇよ……アイツとオレ、全然似てねぇから」

アルミン「大丈夫だって……! 2人は体型が近いし、目つきが凶悪で、似たような悪人面だから」

アニ  (ぶっふぉ……ッ!! ぜ、全然フォローになってないっ!!!!)

エレン 「オレはあんな馬面じゃねぇよ……」

アニ  (悪人面の否定はしないんだっ……くっ……! 何でこんな自然に面白い会話を……!)

アニ  「ねぇ……私が協力しなかったら、どうやって壁を越えるつもりだったの?」

アルミン「立体機動で突破するつもりだったんだ」

アニ  「……無茶じゃない? そもそもストヘス区に入る前に逃げたほうが、
     こんな面倒もかからなくて済んだはずでしょ?」

アニ  (ふぅ……話がそれて助かった……)

アニ  「何で今、ここでなの?」

アルミン「ここの入り組んだ町の地形を理想しなければ替え玉作戦が成功しないと思ったからさ。
      真っ向から逆らって逃げるより、ある程度従順に振舞って警戒心を解いてからのほうが
      逃走の時間を稼げるからね」

アニ  (急に、饒舌になった……? 怪しい……)

アニ  「そう……納得したよ」

アルミン「あ! あった……ここだ!」

アニ  「……! ここ?」

アルミン「うん……ここを通る」

アニ  (やっぱり怪しい……こんな暗闇で、何をするつもりなんだろう……)

アルミン「昔計画されてた、地下都市の廃墟が残ってるんだ。これがちゃんと外扉の近くまで続いている」

エレン 「本当か? すげぇな……」

アルミン「うん、地上を歩くよりはるかに安全だ」

アニ  (これは……罠だ。きっと入った瞬間……)

アルミン「ん?」

アニ  (故郷で、ライナーとベルトルトに同じことをされたことがある。
     暗い森の中だったけど、遊んでる途中で後を追っていったら……くすぐられた)

アルミン「アニ?」

アニ  (あの時は、笑いすぎて、冗談抜きで死ぬかと思った)

エレン 「何だお前……まさか暗くて狭いところが怖いとかいうなよ?」

アニ  (……読まれてる!)

アニ  「……そうさ、怖いんだ。あんたみたいな勇敢な死に急ぎ野郎には……」

アニ  (私みたいな笑い上戸の気持ちなんて……)

アニ  「きっと、か弱い乙女の気持ちなんて、わからないだろうさ」

エレン 「……大男を空中で一回転させるような乙女はか弱くねぇよ。バカ言ってねぇで急ぐぞ!」

アニ  「いいや、私は行かない。そっちは怖い……地上を行かないんなら、協力しない」

アニ  (二度と……騙されない! 人前では、笑わないって決めたんだ!)

エレン 「な……何言ってんだてめぇは!? さっさとこっちに来いよ!! ふさざけてんじゃねぇ!!」

ミカサ 「エレン! 叫ばないで」

アニ  「大丈夫でしょ? ミカサ。さっきからこの辺には、なぜか全くひとがいないから」

アニ  (アルミンが、こっちを見てる……疑いの目だ)

アニ  「まったく……傷つくよ。一体……いつから。アルミン……あんたは私を、そんな目で見るようになったの?」

アルミン「アニ……何で、マルコの立体機動装置を持ってたの?」

アニ  (……? 関係ない話? 私を油断させようとしてる?)

アニ  「そう……あれは……拾ったの」

アルミン「じゃあ、生け捕りにした2体の巨人は、アニが殺したの?」

アニ  (……やっぱり、わざと違う話をしようとしてる……! アルミン、恐ろしい子!)

アニ  「さぁね……でも、一ヶ月前にそう思っていたんなら……何で、そのときに行動しなかったの?」

アルミン「……今だって、信じられないよ……きっと……何か……見間違いだって……思いたくて……」

アニ  (……様子が、あれ? 何か、違うかも……?)

アルミン「そのせいで……でも、アニだって、あの時……僕を殺さなかったから、
     今……こんなことになってるじゃないか……」

アニ  (どうしよう……アルミンが何言ってるのか分からない……。
     あぁ……憲兵団に入っても、ライナーにバカにされてた空気の読めない馬鹿のままだ……。
     適当に話をあわせてごまかすしかない……)

アニ  「あぁ……心底そう思うよ。まさか、あんたにここまで追い詰められるなんてね。あの時……何で……だろうね」

エレン 「オイ……! アニ……お前が、間の悪いバカで、クソつまんない冗談で適当に話をあわせてる可能性が
     ……まだ……あるから……とにかく!! こっちに来い!!」

アニ  (そこまで見抜かれているなんて……っ!!)

エレン 「この地下に入るだけで、証明できることがあるんだ!! こっちにきて証明しろ!!」

アニ  (この先は、罠ッ!! ライナーの言う戦士なら、自ら突っ込むんだろうけどね)

アニ  「……そっちには行けない。私は……戦士に成り損ねた」

エレン 「だから……!! つまんねぇって言ってるだろうが!!」

アルミン「話してよアニ!! 僕達はまだ話し合うことが出来る!!」

アニ  (話して……まだ笑わせる気なの!?)

ミカサ 「もういい」

エレン 「!?」

ミカサ 「これ以上、聞いてられない。不毛……」

アニ  (実力行使……ッ!! 逃げなきゃ……くすぐられる!!)

ミカサ 「もう一度、ズタズタに削いでやる。女型の巨人」

アニ  (…………………………………………)

アニ  (…………………………………………)

アニ  (…………………………………………)

アニ  (…………………………………………)

アニ  (…………………………………………そっちか)ニチッ

アニ  (とんだ、勘違い……………………くふっ)

アニ  「……………………くっはは…………」

アルミン「……………………っ」

アニ  「うふふ…………あはははっはははははは!!!」

エレン 「……………………ッ」

アニ  「あははははははははははははっうふふふふふふ!!!」

ミカサ 「…………」

アニ  「うひっ、あははははははあはははは!!
     はははははははははっははっははははははっ!!!
     うひゃ、ひゃひゃひゃ、はははは!!
     ぐっ、うぐっ………………ッぐはっあはははは!!」

アニ  (まさか、そんな……巨人のほうがバレてたなんて……っ!
     それを……何て……思い込んで……っ!! ぷふっ!!
     もう……止まらない……っ!!)

アニ  「はぁっ、うひっ、ひひひっ、うひゃっひゃはっ、はっ、はははは!
     あははははははははははははは!!!
     うひっははははははははは! あはははっははははは!
     うげほっげほっほほほほほっ!! ほほほひひひっははははっ」

アニ  (……駄目っ! 止まらない! おかしくてたまらない!
     自分の間抜けさ加減と、さっきまでの変な空気と、ちぐはぐな会話がっ!!
     うふふっ、面白すぎる…………!)

アニ  「うへへへへっ、うふふふふふふふ、うへあ、へへへへっ!!
     あひっいひひひひひひひっあはははははははははは!!
     えふんっ、えふんっ…………ぶっふぉ……っ!!」

アニ (もう、面白いことが面白い……っ!! うひひっ……!)

アニ  (あひっ…………うひひ…………涙出てきた…………っ)

アニ  「えぐっ……げはっ…………くふふふふふふっふふふふふふっ!
     うふふふふふふ、うひいいいいひひひひひひひひひひっ!!!
     えふ、えふふふふふっ! ひぃひひひひひひっ!」

アニ  (あー……あっ…………まさか、そんな……ぷひゅ……股間が…………うぷひゅ……)

アニ  「も、漏らし…………うふふふふふ…………いい年して…………あははははは!!
     そんな、ありえない…………っ! うふふふふっふふふふふ!!
     あはははははははは! バカみたいだ!! あはははははは!!!!)

アニ  (何も考えられないっ!! 知らない! もうどうでもいいっ!!)

アニ  「うくふふふっふふふふふふふっ……あははははははは!!
     あーははははははっ!! バカだ! あーバカだ! あはははは!!
     うひひひひひっ! はひっひっひっひっはひっ!!!」

アニ  (……!! ……!! ……!! ……!!)

アニ  「げふんっえふんっ……………………ぷっ……くすすすすすっ」

アニ  「うふっ、うふふふふふふふふふっ! あはっ」



アニ  (……………………はぁ)

エレン 「…………」

アルミン「…………」

ミカサ 「…………」

アニ  (えーと…………)

アニ  「アルミン」

アルミン「!?」ビクン

アニ  「私が、あんたの良いい人でよかったね」

アルミン「」ブルブル

アルミン「」バッ

パン

アニ  (潜んでいた……! でも、無駄………っ!)

ミカサ 「一歩、遅かった…………」





────────────!!


アニ (もう逃げられない。引きずり出される。合わせる顔が無い。
    恥ずかしい。穴があったら入りたい。恥ずかしい。漏らした。見られた。
    あぁ、我慢してたのに笑っちゃった。………恥ずかしい。
    100年くらい地中深くに潜りたい……。やっぱり笑わなければ良かった)


シュウウウウウウウウッ


ケイジ「傷一つ…つかねぇ…どうなってんだ。こりゃあ……何だよ……オイ……」

アニ (……恥ずかしい。二度と笑うものか。金輪際、絶対にだ)



アニ父「アニ……俺が間違っていた。今さら俺を許してくれとは言わない。けど……一つだけ。
    一つだけでいい。頼みがある。この世の全てを敵に回したっていい。
    この世の全てからお前が恨まれることになっても……父さんだけはお前の味方だ。
    ……だから、約束してくれ。
    
    帰ってくるって……」



アニ (……何でやねん)



(おわり)

どうしてこうなった。おやすみなさい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年03月09日 (日) 23:38:20   ID: 44sJ_VSk

地味に笑えるw くひひ…く…ぷぷ…

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