橘「絢辻さんは虫が駄目なのか……」(221)


【虫】

絢辻「絶対に無理よ」

橘「それほど?」

絢辻「無理なものは無理ね」

橘「……」

絢辻「……ちょっと橘君、なんなのその沈黙は」

橘「え、いやなんでもないよ (絢辻さんの弱点を知ってしまった なんて言ったらどんな目にあうか……)」

絢辻「ふふ、やってみなさいな?」

橘「え? あ、絢辻さん僕もしかして口にしてた?」

絢辻「いいえ、でもあなたの考えそうなことは分かるわよ」

橘「……」

絢辻「そこで黙っちゃうってことは本当になにかやろうと考えてたんじゃ……」

橘「……あはは、なんでもないよ?」

絢辻「……」ジィ

橘「……ちょ、ちょっとだけ……」


【虐めたくなる】

橘「で、でも好きな子にはいじわるしてしまうなんてことなかった?」

絢辻「橘君はそういうことやっちゃうんだー?」

橘「だからやらないってば」

絢辻「ふふっ、よろしい」

橘「!!……あ、そうか。なるほど……」

絢辻「? なにがなるほどなの」

橘「いや、絢辻さんにいつも意地悪されるのはそういうことかー、と思って」

絢辻「なっ……!」

橘「あはは、愛情表現だ……むぐっ」

絢辻「ちょ、ちょっと黙ってなさい」

【蜻蛉】

橘「女の子は虫が駄目な子が多いね」

絢辻「そうかもね。ああいう形状のは……ね」

橘「あぁ、そうか」

絢辻「それにね私の場合は」

橘「え?」

絢辻「なんだか儚い感じがして、ね」

橘「そっか……」

【番蝶】

絢辻「冬場にね、蝶を見かけたことがあるの」

橘「うん」

絢辻「多分、羽化するタイミングがずれちゃったんでしょうね」

絢辻「で、ヒラヒラと一匹でとんでいるわけ。長く続かないのは蝶にも分かっていたでしょうに」

絢辻「それでも飛んで、いずれどこかにいってしまって見えなくなったわ」

橘「……」

絢辻「あの蝶はきっと……」

橘「絢辻さん」

絢辻「え?」

橘「きっとその蝶も隣を飛んでくれる蝶を見つけてると思うよ」

絢辻「……」

絢辻「えぇ、そうね。そうよね」

【胡蝶の夢】

絢辻「胡蝶の夢って知ってる?」

橘「?」

絢辻「昔の中国の思想家の話でね、
    夢で見た蝶が自分の姿なのか、それともそれを見ていた自分こそが夢なのかって話なんだけど」

橘「うん」

絢辻「たまにこの幸せが夢でないのかって思うときがあるわ」

絢辻「醒めてしまう日が怖いのよ」

橘「絢辻さん」

絢辻「え?」

橘「……」ギュウ

絢辻「あ……」

橘「どう暖かい?」

絢辻「……うん」

橘「じゃあ、夢じゃないよね」

絢辻「……バカ」


【夢中】

絢辻「よく考えてみたら、あの思想家は結局どちらでもいいって結論だったけど」

橘「そうなの?」

絢辻「うん。でも、やっぱり私はこの幸せを選びたいわ」

橘「……な、なんだか照れるね」

絢辻「う……ちょ、ちょっとそういわれると言ってるこっちも……」

橘「それにしても、夢の中の自分かあ」

絢辻「ふふ、夢の中の私も夢の中のあなたは見つけてくれるかしら?」

橘「あはは、絢辻さんの中の僕しだいかな?」

絢辻「そう……なら大丈夫ね」ゴニョゴニョ

橘「え?」

絢辻「ふふ、なんでもないわよ」

【知識の仕入先】

梨穂子「もう春だねー」

橘「そうなのか? まだ寒いけど」

梨穂子「だって節分だよー」

橘「?」

梨穂子「あー、純一。節分が豆をまく日くらいにしか思ってないでしょ」

橘「ん、違うのか」

梨穂子「えっへん、節分ていうのはねー、季節の移り変わるときをさすんだよ」

橘「へぇ~」

梨穂子「だから本当は1年に4回……」

橘「なぁ、梨穂子。その話絶対茶道部の先輩達に聞いただろ?」

梨穂子「え?どうしてわかったの?」

橘「梨穂子があまりにも自信満々だったから、かな」

梨穂子「む、どういう意味なんだよ~」


【騙されやすい人】

橘「にしても、先輩達の話だからまた嘘なんじゃ……」

梨穂子「ううん、これは本当だよ」

橘「なんでわか……あぁ、そういうことか」

梨穂子「え?」

橘「すでに一回騙された後か……」

橘「この話を聞かされる前に、なんかそれっぽい嘘の話があったわけだ」

梨穂子「……凄いね純一。大当たりだよ。ちょっとびっくりしちゃった」

橘「あぁ、なんか梨穂子が先輩達の話を鵜呑みにして感嘆してるのがたやすく想像できたからなぁ……」

【悪い紳士はいないかー】

橘「で、梨穂子は豆まきとかするのか?」

梨穂子「うん、するよ~。こう、悪い子はいないか~、ってね」

橘「……梨穂子」

梨穂子「うん?」

橘「それ……なまはげじゃないか?」

梨穂子「あれ?」


【太巻きを頬張る梨穂子はかわいいなあ!!!】

橘「関西のほうじゃ、太巻きを食べるんだって」

梨穂子「お寿司か~、えへへ……」ジュルリ

橘「梨穂子、よだれよだれ」

梨穂子「え?」

橘「まったく、梨穂子はかわらないなぁ」

梨穂子「あはは……でも純一なんでそんなこと知っているの?」

橘「いや、梅原が言ってた」

梨穂子「そっか、梅原君お寿司屋さんの息子だもんね」

橘「……」

梨穂子「どしたの?」

橘「いや、せっかくだから梨穂子と梅原のところにいってみるのもいいかなって」

梨穂子「……うん♪」


【一人身の気持ち】

橘「いやでもなぁ……」

梨穂子「?」

橘「間違いなく、梅原に見せつけにきたのか って言われそう」

梨穂子「そうなの?」

橘「多分……いや、ていうかそうなる」


【照れ咲さん】

七咲「先輩はそんなに朝が苦手なんですか?」

橘「いやぁ、遅くまで起きてるとどうもね……」

七咲「ふふっ、勉強お疲れさまです」

橘「それに寒いとどうも、ね」

七咲「困った先輩ですね。たまには起こしに行った時にもう起きちゃってる先輩も見てみたいものです」

橘「(七咲が起こしにきてくれるからっていうのもあるんだけどね……)」

七咲「先輩?」

橘「(言ったらどんな顔をするだろうか)」

七咲「どうしたんですか、先輩?」

橘「ううん、ちょっと照れて赤くなってる七咲を想像してた」

七咲「?」


【至高の目覚まし】

橘「いや、七咲が起こしに来てくれるからっていうのもあると思うんだ」

七咲「どういうことですか?」

橘「いや、目覚めたらそこに七咲の顔があるって……うん、最高の一日の始まりじゃないか」

七咲「な、なにを言ってるですか先輩は!?」

橘「あー、そうそう。そんな顔。ちょうどそういう顔になるのをさっき想像してたんだ」

七咲「も、もう知りません」


【絶望】

橘「あー、七咲……」

橘「照れて先にいってしまった……」

橘「……ちょっとからかいすぎたかな」

橘「………」

橘「……もし明日から来てくれないようになったらどうしよう」

橘「いや、七咲なら……でも……」

……

梅原「よー、大将……って、この世の終わりみたいな顔してどうした?」


【駄目男製造】

美也「逢ちゃん、顔が赤いけどどうしたの?」

七咲「え? う、ううん、なんでもないよ」

美也「ははん、またお兄ちゃんになにかされたんでしょ~?」

七咲「え?」

美也「まったくもう……逢ちゃんもあんまり甘やかさなくていいからね」

七咲「う、うん……でも」

美也「でも?」

七咲「やっぱり私が起こしに行ってあげないと……」ゴニョゴニョ

美也「?」

美也「(逢ちゃんの顔がさらに赤くなった……)」


【物足りなさ】

七咲「もし先輩が一人で起きるようになったら……」

七咲「………」

七咲「うん……」

七咲「……それはそれでやっぱり少し寂しいような」

【足、綺麗】

薫「あれ?純一?」

橘「なんだ、薫か。保健室でなにやってるんだ?」

薫「ほら、さっき体育だったでしょ。ちょっとその時ね」

橘「珍しいな。薫が怪我なんて……」

薫「ちょっと考え事してたらね……いたっ」

橘「あー、足捻ったのか……仕方ないなぁ」

薫「ちょ、ちょっと純一なにを」

橘「ほら、足。自分じゃ包帯巻きにくいだろ」

薫「う、うん……」

薫「……ちょ、ちょっとなにか言いなさいよ」

橘「薫、足きれ……ふがっ」ドカッ

薫「な、アンタなにいってんのよ!!」

橘「いつつ、……蹴ることはないだろ」

薫「あんたが悪い」

【もらう人】

橘「で、なんの考え事だよ」

薫「え?」

橘「だから薫が運動で足を挫いちゃうような考え事」

薫「……」

橘「?」

薫「その、もうすぐあれじゃない……」

橘「あれ?」

薫「ほらあれよあれ……」ゴニョゴニョ

橘「だからあれって……」

薫「ああ、もうっ。もうすぐバレンタインでしょ!」

薫「あんたになにをあげるか悩んでたのっ!!」

橘「……」

薫「ど、どうしたのよ?」

橘「うん、ちょっとジーンときた」

【いつもどおり】

橘「去年は20円チョコだっけ」

薫「……うん」

橘「うん、まぁ僕が言うのもなんだけどなんでもいいんじゃないかな」

薫「なんであんた他人事なのよ」

橘「いや、楽しみにしてるって」

薫「む、見てなさいよ。驚かしてやるんだから」

橘「そんな無理しなくても……」

薫「いいえ、絶対にあんたを驚かしてやるんだから」

橘「(僕はいつもどおりでも全然かまわないんだけどなぁ……)」


【期待してる】

橘「楽しみにしてるよ」

薫「……やけにあっさりしてるわね」

橘「いや……本当は嬉しくて顔が綻びそう」

薫「……ぷっ、あはは」

橘「なんだよ、笑うことないだろ」

薫「いや、だってあんた」

橘「その、あれだ。実は僕だってほんの少し期待してたというかなんというか……」

薫「純一……ふふ、なら期待にこたえないとね」

薫「……にしてもあんたも可愛いところあるのね」

橘「なっ!」

薫「照れてるー?」

橘「照れてない」

薫「あはは、隠さなくてもいいわよ。あたしはあんたのそういうところも好きだから」


【ありがとうございました!!】

紗江「きゃっ」

橘「あれ、地震かな」

紗江「せ、せんぱい~」ギュウ

橘「さ、紗江ちゃん!?」

橘「(胸が腕にもろに……)」

紗江「ご、ごめんなさい。……その……どうしても地震が苦手で……」ショボン

橘「う、ううん。全然かまわないよ?」

紗江「先輩?」

橘「むしろお礼をいいたいぐらいだね」

紗江「?」


【子供っぽいところと子供っぽくないところ】

橘「地震苦手なんだね」

紗江「……はい」シュン

橘「あはは、そんな落ち込むことないよ。誰だって苦手なものくらい……」

紗江「でも、その……子供みたいじゃ……」

橘「あはは、そのほうがかわいいと思うよ?」

紗江「そ、そんな…///」


【美也にはないもの】

橘「美也とかはこれくらいなら平気でテレビみてたりするんだけどね」

紗江「そうなんですか」

橘「うんうん、あいつももうちょっと可愛げがあっても……」

紗江「そんなことないです」

橘「そうかな?」

紗江「は、はい」

橘「にしても、やっぱりあれかな」

紗江「?」

橘「揺れに弱いのはやっぱり揺れるものがあるからかな?」

紗江「はい?」


【笑えない】

森島「もう創設祭に出ることもないのよね……」

橘「?」

橘「卒業してからも来ればいいんじゃないんですか?」

森島「あ、そうじゃないの。在校生として、ね」

橘「あぁ、そういうことですか」

森島「うーん、このまま留年しちゃおうかしら」

橘「……」

森島「冗談よ?」

橘「で、ですよね」


【そういう問題】

森島「ふふ、ちょっと想像しちゃったかな?」

橘「……ちょっとだけ」

森島「あー、橘君と同級性かぁ。とても魅力的なんだけどね」

橘「はい、僕にとってもすごく魅力的です!」

森島「わおっ、凄い熱意ね。……でもそういうわけにもいかないのよね~」

橘「ま、そうですよね」

森島「……ひびきちゃんになにを言われるか」

橘「……そこですか?」


【構わない】

森島「純一、なんて呼んじゃったりしてね♪」

橘「(おお、先輩に下の名前で呼ばれるなんて)」

橘「あれ?」

森島「?」

橘「別に同級生にならなくても、名前で呼べばいいんじゃ……」


【は・る・か】

橘「でも、そうなったら僕は先輩のことをなんて呼べば」

森島「は・る・か」

橘「え?」

森島「ふふ、もぅはるかって呼んでくれないと返事してあげないんだから♪」

橘「えっ、えっ……は、はるか」

森島「(顔真っ赤にしちゃって相変わらずかわいいんだから♪)」


【最上級】

森島「あと2回留年したら、美也ちゃんと同じになるのね」

森島「むむむ、そう考えるとますます惜しいわね~」

橘「……冗談ですよね?」

森島「あ、そうなると橘君が先輩になっちゃうわね」

橘「先輩」

森島「?」

橘「三年で留年した場合は先輩はできません」

森島「あっ」

【泥棒猫?】

森島「ふふ、でもこんな冗談言っていられるのも余裕があるからよね」

橘「……そうですね」

森島「本当に危うかったらこんな話できないしね」

橘「まぁ、危ういって状況にはならないでしょうけど」

森島「ん?」

橘「まちがいなく塚原先輩がそういう事態になる前になんとかしてると思いますよ?」

森島「あー、うんうんなるほど」

橘「塚原先輩面倒見いいですし……」

森島「むむむ、いつのまにか橘君がひびきちゃんに詳しく
    ……ゆくゆくはひびきちゃんマニアになってしまうのね」

橘「え?」

森島「むむむ……あれ?」

橘「どうしたんですか?」

森島「この場合、どっちに「この泥棒猫」って言えばいいのかな?」

橘「……さぁ」


【名残】

森島「あはは、でもこんな話していたらより名残惜しくなっちゃうわね、なんて」

橘「……先輩」

森島「は・る・か」

森島「ふふ、そう呼ばないともう返事しないわよ?」

橘「はるか」

森島「そうそう♪ もう先輩も終わっちゃうしね」

森島「そう考えると、橘君の先輩っていうのも名残惜しいわね」

橘「……」

森島「ごめんなさい、今少し嘘をついちゃった」

橘「え?」

森島「一番名残惜しいのは呼び方でもこの学校でもなくて、キミかな」

森島「この学校でもうキミに会えなくなる、この学校でおしゃべりできなくなる、この学校で……」

橘「大丈夫ですよ」

森島「え?」

橘「また遊びにきてください。なんなら授業中でも先輩のために抜け出しますよ?」

森島「橘君……ふふ、ばれたら怒られちゃうね」

橘「ええ、でもかまいません」

森島「もう、本当に……橘君こんなときはかっこよくなっちゃうんだから」

橘「じゅんいち」

森島「?」

橘「先輩も僕のこと、純一って呼んでください」

森島「……純一」

橘「はい」


【背中にあたるクッションは控えめ】

???「だーれだ」ガバッ

橘「?」

???「ふふ、誰でしょうか?」

橘「り、裡沙ちゃん?」

裡沙「ふふ、嬉しいな。ちゃんと正解してくれて」

橘「……あの裡沙ちゃん?」

裡沙「はい?」

橘「普通こういうときは目隠しするんじゃないの? これじゃあ普通に後ろから抱きついただけで……」

裡沙「いいんです」

橘「?」

裡沙「あ、あなたにはわたしの全身の感触を知ってほしいから///」

橘「!!」アタフタ


【理性】

裡沙「嫌でしたか?」

橘「う、ううん! 全然そんなことないよ!?」

裡沙「えへへ……でも橘君はもうちょっと大きいほうが嬉しいですよね」

橘「え、いや……」

裡沙「ふふ、わかってます。でももう少し待っててくださいね」

裡沙「あ、でも毎回こうやって背中で大きくなってるかたしかめてもらうのも……」

裡沙「いや、でも……」

橘「(……はたしてその時まで僕の理性はもつのだろうか……)」


【若き裡沙ちゃんの悩み】

裡沙「……あの橘君?」

橘「なにかな、裡沙ちゃん」

裡沙「……ううん、やっぱりなんでもないの」

橘「?」

裡沙「……」シュン

橘「……なにか悩み事かな?」

裡沙「え? いえ、なんでも……」


橘「あはは、裡沙ちゃんはわかりやすいね。でも、できればきかせてほしいな」

裡沙「……」

橘「僕が関係してるんだよね」

裡沙「……」コクリ

橘「じゃあやっぱり僕が聞かないとね」

橘「ほら、前に一緒に解決しようって約束したよね」

裡沙「はい……」

橘「だから、ね?」

裡沙「……ありがとう橘君」


【罪と咎】

裡沙「……えっと、その橘君は……」

橘「?」

裡沙「後悔していませんか?」

橘「え?」

裡沙「……私、邪魔をしたから……謝りにいったら許してくれたけど……
    でも……もしかしたら橘君はあの子と一緒にいたほうが……」

橘「裡沙ちゃん……」


裡沙「あはは……こんなこと言われても橘君、優しいから困っちゃうよね」

裡沙「……でもそれがずっと聞けなかったこと……」

橘「……裡沙ちゃん僕は」

裡沙「ごめんなさい。つい言葉と一緒に……」ポロポロ

橘「僕は……後悔がないとかあるとかはわからないけど……少なくとも僕は今が幸せだよ?」

裡沙「……」

橘「それは裡沙ちゃんが一緒にいるからだし、裡沙ちゃん以外ではこの幸せはないよ?」

橘「だから、気にしないで、なんて言えるわけないけど」

橘「僕は今が幸せだってことは知って欲しいと思う」

裡沙「……うん」


【年上女性の初々しさ】

???「だーれだ……?」

橘「(え?……この声は森島先輩……いや、違うこの手はっ!!)」

橘「塚原先輩ですか?」

森島「わおっ、凄い。掛け声は私が出したのに、よく手がひびきちゃんだってわかったわね」

塚原「……///」アタフタ

橘「あ、やっぱりですか」

森島「ほら、ひびきちゃんもいつまでも真っ赤になってないで、なにか言ったら?」

塚原「あ、橘君……」

橘「え……」

塚原「えっと、これはその、はるかがね……その……」

橘「は、はい」


【愛のあたりからフリーズ】

森島「でも、どうしてわかったの?」

塚原「そうね、どうしてかしら?」

橘「えっとそれは……愛ですかね」キリッ

森島「わおっ、大胆発言ね、このっこのっ」

橘「あはは、まぁ冗談は置いておきまして、なんというかこう目を手で覆う感じが遠慮がちだったので」

森島「それだけ?」

橘「はい」

森島「(それはそれで凄いと思うけど……)」

橘「あれ? 塚原先輩?」

塚原「…………」

橘「塚原先輩?」

森島「あー、ひびきが真っ赤になって固まっちゃった」


【不戦敗】

美也「裡沙ちゃんは今年もチョコレートを作るの?」

裡沙「うん♪ あの人に食べさせてあげたいな」

美也「へぇそうなんだ」

裡沙「?」

美也「……で、渡せそうなの?」

裡沙「……ぐぬぬ」

裡沙ちゃんのぐぬぬグセが抜けなくなってしまった……
つい言わせたくなってしまう……ぐぬぬ


【戦準備】

裡沙「とりあえずあの人の好みとかあるのかな? フォンダンショコラとか生チョコとか」

美也「にぃにの? うーん、女の子からだったらなんでも喜ぶと思うけど……」

裡沙「それじゃ駄目なのー」

美也「……うん、でもさ裡沙ちゃん」

裡沙「?」

美也「まず好みを調べるより、にぃにに認識してもらうのが先のような……」

裡沙「……ぐぬぬ」

【工作】

美也「意外ににぃにはチョコレートもらってきたりするからね」

裡沙「え?」

美也「去年もいくつかもらってたし……」

裡沙「……む」

美也「(……あれが義理だろうっていうのは裡沙ちゃんを焚きつけるためにも言わないでおこう)」

裡沙「そ、それぐらい把握してたもん」

美也「え?」

裡沙「だから、知ってるもん」

美也「……まさか、裡沙ちゃん」

美也「そのチョコレートにこっそり細工してたりしなかったよね」

裡沙「さ、さすがに私もそこまではしないよ?美也ちゃん」


【被害は橘さんに出ちゃう】

裡沙「橘君が幸せそうだったのに……そんなことさすがにできないよ……」

美也「裡沙ちゃん……」

裡沙「それに食べるのは橘君なのに細工なんて、できるはずがないよね」

美也「………」

裡沙ちゃんのネタを考えながら、つまり裡沙ちゃんのことを考えながら気付いたら眠りに落ちている
これほど至高の時間はあるだろうか?いやない

…ごめんなさい


【戦力外……】

美也「にしし、でもちょっとだけみゃーは感動したのだ」

裡沙「え?」

美也「だから、今年はみゃーがちょっとだけ裡沙ちゃんを応援してあげる」

裡沙「ほんと、美也ちゃん!」

美也「にしし、まずはチョコレートのプロデュースからだね」

裡沙「うん……え?」

美也「裡沙ちゃんのチョコレートの調理を手伝ってあげるのだ」

裡沙「………」


【孤高】

橘「絢辻さんってさ、たまに理不尽な怒りかたするよね」

絢辻「な、そんなことないでしょ」

橘「そうかな?」

絢辻「そうよ……っていいたいところだけど、あるのかもね」

橘「?」

絢辻「私は強くありたかったんだもの……一人で大丈夫なほどにね」

橘「……そっか」


【隠せてないけどね】

橘「……照れ隠し?」

絢辻「う、うるさいわね」アタフタ


【紳士の嗜みかた】

橘「ねぇ、紗江ちゃん」

紗江「はい、なんですか先輩?」

橘「僕が一つだけお願いしたら、聞いてくれる?」

紗江「お願いですか?」

橘「うん」

紗江「は、はい。大丈夫です。 いつも先輩が私のお願いを聞いてくれますし、私もなんでも大丈夫です……」

橘「そっか、なんでも聞いてくれるんだ」

紗江「はい」

橘「そっか~」

紗江「え、あの……」

橘「なんでもかあ」

紗江「そ、その先輩が望むなら……その……私はその……あの何がお望みで……うぅ……///」

橘「あはは、紗江ちゃんはかわいいな」


【据え膳食わねば】

紗江「もう先輩、意地悪です~」

橘「ごめんごめん、つい紗江ちゃんがかわいいところを見たくなってね」

紗江「で、でも先輩がお望みなら私はかまいませんよ……」ゴニョゴニョ

橘「え……あはは///」


【錬金術】

薫「ねぇ、純一」

橘「ん?」

薫「バレンタインって良い日よね」

橘「?……もてる男がそれを言うのはわかるけど、女の子がそれを言うのか?」

薫「だって、バレンタインデーにあげたチョコレートが3倍になってかえてくるのよ?」

橘「……」

薫「期待してるわ、純一」


【愛情3倍返し】

薫「ファミレスで食べたあれの値段に、毎年あげてる20円チョコの値段の総計おしえてあげようか?」

橘「くっ……」

薫「あはは、嘘よ嘘。冗談よ」

橘「かおる~」

薫「……でも、愛情だけはちゃんと3倍にして返しなさいよね?」


【何を貰ったかは秘密】

薫「え、バレンタインデーのお返し?」

薫「……あ、そっか今日はホワイトデーかー」

薫「うんうん……なになに……」

薫「あけていい?」

薫「……わぁ、ってあんたね、これあきらかに3倍以上の……」

薫「え、でもっ!」

薫「……いいの?」

薫「……えへへ、テンキュね純一」


【気になるお年頃】

梨穂子「うぅ~、おなかすいたよー香苗ちゃん~」

香苗「そりゃそうでしょうね。お昼抜いてるんだもん」

梨穂子「ううん」

香苗「ダイエットももうやめたら? 旦那は気にしてないんでしょ?」

梨穂子「でもでも、純一の持ってた本の女の人はもうちょっとスマートで……」

香苗「あんたなんでそんなの見たのよ?」

梨穂子「見たくて見たんじゃないもん。純一の部屋に行ったときに、その……」

香苗「ふ~ん」

梨穂子「梅原君に借りたって言ってたけど、でもやっぱり純一の好みは……」

香苗「へ、へぇそう。梅原君に……」

梨穂子「香苗ちゃん?」

【意中の人】

香苗「ねぇ、桜井。その……」

梨穂子「?」

香苗「その写真集に載ってた女の人って私より細かったかな?」

梨穂子「香苗ちゃん?」


【ついつい】

梨穂子「うぅー、なんか気を紛らわせることないかな~」

香苗「そこまでする必要はあるのかしらね」

梨穂子「でもでも」

香苗「はいはい、わかったってば。んー、それじゃしりとりでもする?」

梨穂子「うん」

香苗「じゃ、「り」からね」

梨穂子「りんごあめ」

香苗「めだか」

梨穂子「えーっと、か……カレーライス」

香苗「す……ね。鈴」

梨穂子「ズワイガニ!」

香苗「…………日誌」

梨穂子「シュークリーム」

香苗「……桜井、あんたダイエットする気ないでしょ」


【空腹の忘れ方】

梨穂子「ほら、香苗ちゃんの番だよ」

香苗「む……昔話」

梨穂子「あ………」ぼぉー

香苗「桜井?……あんたどこ見て……」

香苗「(あぁ、なるほどね……窓の外に橘君を見つけたわけか……)」

梨穂子「……」

香苗「(恋する乙女の瞳、ってやつかな。さっきまで言ってことも忘れて……)」

香苗「ま、桜井にとっての一番のダイエット方法は橘君のこと見てることかもね」


【飽きた】

薫「ねぇ純一……」

橘「……なんだよ?」

薫「青春ってなんだと思う?」

橘「……さぁな」

薫「なによ、ノリ悪いわね」

橘「……あのな薫」

薫「?」

橘「テスト勉強しようって言ったの薫だろ。
  なのになんで数学のテスト勉強なのに辞書開いてるんだよ!!」


【恥ずかしい】

薫「まぁまぁ、いいじゃない。で、青春ってなんだと思う」

橘「(……え、数学の勉強は?)」

薫「ね、なんだとお・も・う」

橘「う、うん……あーそうだなうん。こういうのを言うんじゃないかな?」

薫「え?」

橘「こうやって一緒に男女で勉強したりだな……その」

薫「……ぷっ……純一恥ずかしくない?」

橘「お前が聞いたんだろ!」

薫「あはは、純一顔真っ赤ー!」


【罠】

薫「あはは、ごめんってば」

橘「……もう薫には勉強教えない」

薫「そんないじけなくたっていいじゃないよもう」

橘「……」

薫「!!」ピコーン

薫「ねぇ、純一?」

橘「なんだよ、もうなに言ったって無駄……」

薫「もっと私と青春してみない?」

橘「!?」

薫「ほら……ここには男と女しかいないわけじゃない?」

橘「!!」

薫「ね、アタシなんだか体が……」

橘「(……これはなんていうかエッチな……いや、これは薫の罠だ……いやでも僕は……)」

薫「ね、じゅ・ん・い・ち?」


【敗北】

後日

薫「……ねぇ、純一」

橘「ん?」

薫「青春って少なくとも補習を受けることじゃないわよね」

橘「(……案の定か)」


【変換力】

橘「(あ、あそこにいるのは中多さんと七咲)」

橘「ちょっと話しかけてみるかな」

橘「ん?」


七咲「…………そうなんだ」

紗江「うん、だから…………揉むと……」

七咲「柔らかくなるなるんだ…………大きさは……」

紗江「……とか……あとは好みに合わせて……汁……絞るとか……」


橘「ふ、二人ともこんなお昼から廊下でなんの話しをしてるの?」

中多「あ、先輩」

七咲「何って、から揚げのおいしい作り方の話しですが?」


【トウソウ】

七咲「先輩こそ、なんだか顔が赤いみたいですけどどうしたんですか?」

橘「え、いや……あはは、そうかな?」

紗江「先輩?」

七咲「……なんだか怪しいですね」

紗江「なにかあったんですか?」

七咲「そういえば、さっきこんなお昼から、とかなんだか妙なことを口走ってたみたいですが……」

橘「え、ううん、なんでもないよー? あ、そうだ、僕梅原と約束があったんだった。それじゃあ」

七咲「あ、逃げた」


【夜道】

橘「わぁ、なんだか夜だけど明るいね」

絢辻「まぁ、そりゃ街灯もあるし」

橘「あるし?」

絢辻「寒いから、月がよく見えるのよ」

橘「あー、ほんとだ」

絢辻「ふふ、こうやってこんな時間に誰かと帰るなんて去年の今頃は想像もしなかったわね」

橘「……もう一人で帰ろうとするのはやめてね?」

絢辻「?」

橘「いくら月明かりがあるからって、ほら女の子の夜道の一人歩きは、ね?」

絢辻「ふふ、心配してくれるんだ?」

橘「それはそうだよ」

絢辻「ありがとうね、橘君」


【一緒】

絢辻「っていっても、今日遅くなったのはあなたのせいだけどね」

橘「うぅ……」

絢辻「まったく勉強を教えてほしいっていうから付き合ったけど、誰かさんは途中で寝ちゃうし」

橘「面目ない……でも、10分くらいだよ?」

絢辻「言い訳しない」

橘「はい」

絢辻「よろしい」

橘「……ねぇ絢辻さん。僕は絢辻さんと同じ大学にいけるかな?」

絢辻「いけるかな、じゃなくて行くのよ。この私が勉強を教えてるんだから、当然でしょ?」

橘「あはは、そうだね。」

絢辻「それにもう一人で夜道は歩かせないんでしょ? じゃあやっぱり一緒の大学にいかないとね」

橘「うん、よしっ、頑張りますか」


【月が綺麗ですね】

絢辻「あ、ねぇ橘君」

橘「なにかな?」

絢辻「昔の教師をしてたとある文学者はね、
    ある英語を訳すのに「月が綺麗ですね」って訳しなさいって教えたのよ」

橘「ふーん、ある英語って?」

絢辻「さぁ、なんでしょう?」

橘「え、うーん……」

絢辻「ふふ、口に出してみたら分かるかもね♪?」


【照れるからやめなさい】

橘「月が綺麗ですね」

絢辻「……」

橘「うーん、月が綺麗ですね」

絢辻……」ピクッ

橘「月が綺麗ですね、か。うーんわかんないなぁ」

絢辻「……」

橘「月がきれ……」

絢辻「た、橘君あんまり連呼するのはやめなさい」

橘「?」

橘「(絢辻さんの顔がこころなしか赤いような……)」


【絢辻さんも綺麗ですね】

橘「あぁ、なるほど。そうなんだ」

絢辻「だから、あんまり連呼するとなんだか軽く思っちゃうでしょ?」

橘「そうだね。そっかー、そんな意味が」

絢辻「……」

橘「あ、絢辻さん」

絢辻「?」

橘「今日は月が綺麗だね」

絢辻「も、もう、だから…………いえ」

絢辻「――そうね、今日はとても綺麗だわ」

>>177
返答としては「しんでもいいわ」じゃないのか


【不憫な】

裡沙「ふふ、今週の占いは、っと……」

美也「裡沙ちゃん占い好きだよねー……あれ?裡沙ちゃんその占い雑誌……」

裡沙「え?」

美也「表紙の日付が、3ヶ月前のだよ?」

裡沙「あ、間違えちゃった。こっちが今週の、っと」

美也「……」

裡沙「どうしたの美也ちゃん?」

美也「どうして裡沙ちゃんは3ヶ月の前の雑誌を持ってるの?」

裡沙「えへへ、実はこの雑誌の占いではね……」

美也「?」

裡沙「なんと射手座と蟹座の運勢が考えられないほど相性バッチリだったの!」

裡沙「もうこれは永久保管でも仕方ないよね?」

美也「……」

美也「………さすがにみゃーでもちょっと不憫に思っちゃったよ裡沙ちゃん……」

>>179
なるほど、四迷という手があったか


【現実】

美也「そういえば」

裡沙「え?」

美也「実際にこのときはどうだったの?」

裡沙「ん?」

美也「にぃにとなにかあったの?」

裡沙「…………」

美也「(……聞いちゃ駄目な質問だった……)」

裡沙「うぅ……」


【蟹座の人たち】

美也「(……そういえばこの週にぃには梅ちゃんと頻繁に遊びに言ってたような)」

美也「(……あ、たしかみゃーもこの時遊びに連れて行ってもらった気が……)」

美也「(……言わないでおこう)」


【料……理…?】

梨穂子「えへへ、ニュースでね今はお魚がおいしいってやってたよ」

橘「へぇー、そういえば梅原が今年の冬の魚は脂がどうのこうのいってたなあ」

梨穂子「ふーん、そうなんだ~」

橘「ははーん、また梨穂子は……」

梨穂子「ち、違うよ~、その……純一においしいお魚の料理を作ってあげようかなって……」

橘「え、あ、そっか~、あはは……」

梨穂子「なのに純一ったら酷いよ~」

橘「いや、ごめんごめん」

梨穂子「ん、もう……で、純一はどんなものが食べたいかな?」

橘「え?……うーん、急に言われても思いつか……あっ」

梨穂子「なになに?なにかおもいついた?」

橘「女体盛り」


【凸が多いと飾りにくい】

橘「(し、しまった……僕はなんてことを……つい思ったことが口に……)」チラッ

梨穂子「にょたいもり?」

橘「!! (梨穂子は……意味がわかってない! これはまだごまかせるんじゃ……)」

梨穂子「鯛かなにかを盛るの?」

橘「いや、まぁそりゃ鯛も盛ることはあるだろうけど……って違う違う」

梨穂子「?」

橘「それよりだな梨穂子。うん、やっぱり今の時期だと鰤とか良いんじゃないかな、うん」

梨穂子「あー、寒鰤っておいしいよね~」

橘「だろ?」

橘「(なんとかごまかせた……みたいだな……)」

梨穂子「?」


【ねぇ、香苗ちゃんにょたいもりって知ってる?】

梨穂子「じゅんいち~!」

橘「なんだ梨穂子か……ん、どうしたんだ顔真っ赤にして」

梨穂子「純一のせいで恥かいちゃったよ~」

橘「え、なんで?」

梨穂子「純一がほらこの前……」

橘「この前……?」

梨穂子「……そ、その……にょ、にょたいもりって言うから……」

橘「あっ」

梨穂子「人目も気にせずに教室で香苗ちゃんに聞いちゃったよ~!!」

橘「いや、その……うん……すまん梨穂子!」

梨穂子「うぅ///」


【お願いしますっ!】

梨穂子「純一は、そ、その……」

橘「え?」

梨穂子「わ、わたしに、その……にょ、にょたいもりってやつしてほしかったの?」ゴニョゴニョ

橘「!」

橘「いや、うんまぁ……そのだな……えっと……はい」

梨穂子「……そ、そっか」

梨穂子「……あ、でも……さ、さすがに駄目だからね///」

橘「あはは……」


【亀と紳士】

絢辻「前に亀さんの話したじゃない?」

橘「うん」

絢辻「あの亀さんはようやく自分を見つけてくれる人に出会ったんだけどね」

橘「?」

絢辻「そのようやく見つけてくれた人にもね、なかなか素直になれなかったりするの」

橘「……」

絢辻「でも、本当は亀さんも……きゃっ」

橘「こうしてほしかったり?」ギュ

絢辻「……ばか」


【一人の夜】

絢辻「………」カリカリ

絢辻「駄目よ……集中しなさいつかさ」

絢辻「……棚町さんか……それはそうよね……中学からの付き合いっていっていたしね」

絢辻「……なによわたし……」ポロ

絢辻「泣くことないじゃない……」

絢辻「私は遅かったの……ただそれだけ……」

絢辻「大丈夫、今まで一人だったじゃない」

絢辻「今までに戻るだけ」

絢辻「そう、なにも変わったことなんて……なんて」

絢辻「………」ポロポロ


【ぎゅってしなさい】

橘「え、どうしたの?絢辻さん」

絢辻「いいからもう少しこのままでいなさい」

橘「?」

絢辻「……夢をみたの」

橘「夢?」

絢辻「あなたと棚町さんがくっついて、私が一人になっちゃう夢」

橘「僕と薫が? あはは、ないない」

絢辻「でもすごくリアルな夢で、正直私怖かったわ」

絢辻「だから、もう少しこうやって抱きしめてなさい」

橘「うん、わかったよ」ギュ


【一人の夜】

梨穂子「あはは……シュナイダーさん。とうとう純一にも彼女ができたですよー」

梨穂子「えへへ、お祝いしてあげなくちゃ……」

梨穂子「相手は絢辻さんだって……綺麗だし勉強もできるしで純一が好きになっちゃうのもわかるね……」

梨穂子「……」ポロポロ

梨穂子「駄目だよ……お祝いしてあげなくちゃなのに……」

梨穂子「そ、そうだ。お菓子でも作ってあげようかな……」

梨穂子「おいしいって言ってくれるかな……あ、でも彼女でもないのにそんなことするのは変かな……」

梨穂子「……じゅんいち……苦しいよ……」


【はなれちゃだめだよ】

橘「な、なぁ梨穂子」

梨穂子「うん?」

橘「そんなにくっつかれると歩きにくいんだけど……」

梨穂子「駄目」

橘「え、いや……」

梨穂子「純一は今日だけは離れちゃだめ」

橘「(……朝、起きた時からこの様子だけどどうしたんだろう梨穂子)」

梨穂子「えへへ」ギュッ

ごめん、やっぱこれなしで
全員夢オチにするにしても書いてて、悲しくなってくるわ

というわけでネタぎれ終しまい
裡沙ちゃんは究極的にかわいいです!

梨穂子編終わったから梨穂子多めに と思ったけど、そんなことなかった……
絢辻さんと裡沙ちゃん書きやすいから仕方ないよね

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