このSSは紅魔館の安価SSです。
が、息抜きのSSなので更新速度は遅いです。
ご了承ください。
このSSにはオリジナル設定が多々含まれておりますので
こんなん東方じゃねぇよ!
オリジナル設定? そんなもん見てられるか! 私は他のSSを見させてもらう!
という方はご注意ください。
前作
レミリア「もしもこんな紅魔館」
レミリア「もしもこんな紅魔館」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1350822486/)
前作のあらすじ。
レミリアとパチュリーがいろんな運命を旅して遊んでいた。以上。
登場人物
男 紅魔館で働いている執事。狼男で頭から銀色の犬耳が生えている。前々作でなんだかんだあって美鈴と結婚した。匂いフェチ。
美鈴 紅魔館の門番。門番はしていたりしていなかったりするが、花を育てたり、料理をしたりと中々多才。男との間に子供という名前の子供がいる。紅魔館の敷地内に家あり。
咲夜 紅魔館のメイド長。男の先輩としていろいろ教えたりする。レミリアの命令に少し頭を悩ませたりする。パッド疑惑あり。
レミリア 紅魔館の主。パチェと一緒にいろいろな運命を見たりする。ツッコミだったりボケだったり親ボケだったり。得意料理はプリン。趣味は漫画を読むこと。子持ち。
フラン レミリアの娘。無邪気で可愛らしい。たまにトラブルを起こしたりするが基本天使。最近は外出許可が出るのでチルノたちと遊んだりする。子持ち。
ウィル パチェがレミリアとフランの細胞を使って作ったレミリア達の子供。生後一年立たないがパチェが怪しい薬を使っていたのですでにレミリアと同じ大きさ。フランの遺伝子を継いで天使。
パチュリー 紅魔館の動かない便利屋。面倒くさがりだが変なところで行動力を発揮する。魔理沙による窃盗被害に頭を悩ませている。
小悪魔 髪が長い方の図書館の司書。悪態をついたり、愚痴をこぼすが一応まだ司書。その座を妹に奪われかけているがまだ司書。サボったりするので妹のほうが優秀、でも巨乳。
こあ 髪が短い方の図書館の司書。小悪魔の妹で小悪魔がサボった場合にパチュリーに召喚される。姉と違い元気にはきはきと仕事をする。貧乳。
吸血鬼 元男の飼い主だったがレミリアにボッコボコにされたりなんだかんだあって紅魔館のメイドになる。立場的に妖精より低い。
ホフさん めったに出てこないが紅魔館の雑用をメイド妖精以上に引き受ける。顔は怖いが優しくメイド妖精になつかれたりはしている。
メイド妖精 メイドで妖精。メイドよーせーの上位進化。漢字が喋れる。
メイドよーせー 単純作業は出来る妖精メイド。基本ひらがな。
レミ「パチェー。運命見ようぜー」
パチェ「………本読んでるんだけど」
レミ「たまには動かないと根っこ生えるわよ。マラソンしたら?」
パチェ「喘息持ちに無茶いうわね。はぁ、仕方ないわね。運命見ましょ」
レミ「やったぁ! パチェ大好き!!」
パチェ「あ、そ」
レミ「う、温度差が激しい」
パチェ「私はレズビアンじゃないもの」
レミ「せめて百合って言おうよ。生々しいよ。っていうか私も百合じゃないわよ。ライクよライク」
パチェ「でもフランの間に子供いるでしょ」
レミ「う、否定できない。でもその原因パチェじゃないの」
パチェ「私の記憶には何もないわね」
レミ「あぁもう。››4の運命見るわよ!!」
レミ「………知らない天井」
パチェ「ここは、幻想郷、なのかしら」
レミ「見たところ紅魔館ではないわね」
咲夜「失礼します。レミリア・ウェイン様」
レミ「ウェイン?」
咲夜「?どうかされましたか?」
レミ「いや、なんでもないわ。どうかしたの?」
咲夜「妹様。レディジョーカーがまた事件を………」
レミ「は?」
咲夜「早くレミィモービルに乗ってくださいな。ほらほら」
レミ「ちょ、押さないで、やめっ」
パチェ「行ってらっしゃい。私は本でも読んで待ってるわ」
咲夜「パチュリー・ストレンジ様も行ってください」
パチェ「」
レミ「あー、これバッドマンの世界かしら。すごいビルの数」
パチェ「違うみたいよ。ゲンソウシティーって書いてあったし」
レミ「あら、パチェも来たのね」
パチェ「無理やり行かされたのよ」
レミ「咲夜………おそらく苗字はペニーワースかしら」
パチェ「でもフランを倒せって言われても中々骨が折れるわよ」
レミ「せめて霊夢とか魔理沙がいれば」
霊夢「やっぱりいるのね。バットレディ」ジロッ
魔理沙「残念だけど、お前の出番はないぜ」キラッ
レミ(胸にSのマークあれほどわかり易いヒーローもあんまりいないわよね。魔理沙は胸に雷のマーク? 誰だったかしら」
霊夢「邪魔しないでよね」ビュン
魔理沙「そこでじっとしてな」ビュンッ
レミ「………うん、そうしたいんだけど」
咲夜『ダメですわよ。お嬢様』
レミ「うん………わかってる」
レミ「あーやだやだ。働きたくないでござるよー」
パチェ「私もよ」
フラン「やっと来たわね! お姉様!!」
霊夢「くっ。癪だけど手伝ってちょうだい!」ボロッ
魔理沙「仕方ないから手伝わせてやるぜ」ボロッ
レミ「で、なんでフランはこんなことしてるのよ」
フラン「むー。フランじゃないよ。レディジョーカーだもん」
フラン「えっと理由はね。楽しいから♪ それに悪いことすればお姉様私にかまってくれるでしょ?」
レミ(構えよ。こっちの私)
レミ「まぁ、姉としてお仕置きしないといけないわね。手伝ってパチェ………じゃない。ドクターストレンジ」
パチェ「別にいいわよ」
フラン「あはっ♪ じゃあいくよー」
フラン「ズバッとしてバシュッ!」
レミ「いたっ。ナイフとか殺す気あるの?」
フラン「え?」
レミ「パチェ」
パチェ「魔法で拘束~」
フラン「え? え?」
レミ「スピア・ザ」
フラン「え、なにそれ。バッドラングは!? グラップルガンは!?」
レミ「グングニルッ!!」
フラン「ちょ、ま、ぐえっ」
レミ「悪は滅びた」
霊夢「………あんた、本当にバットレディ?」
レミ「………あ、いっけね」
魔理沙「レディジョーカー。死んでるぜ」
レミ「パチェ」
パチェ「あいよ」
フラン「う、いたた。あれ?」
霊夢「!?」
魔理沙「!?」
レミ「うん。まぁ実は私はバットレディじゃないのよ。そっくりさんなのよというわけでそれじゃ」パタパタ
パチェ「私も実は違うのよ」ビュンッ
魔理沙「………追うか?」
霊夢「えぇ。背中から生えてるあれ、また変な発明品とかじゃないわよね?」
魔理沙「バッドレディはどこいったんだ?」
フラン「背中ーまるあきっ!」
霊夢「あ」
レミ「はやく帰りましょう」
パチェ「そうね。このままだといろいろ面倒だわ」
レミ「それじゃ、びゅおんっ!」
レミ「あー疲れた」
パチェ「そうね。もうあの世界はいやだわ」
レミ「さぁて咲夜に紅茶でも入れてもらおうかしら」
デップ「あ、俺ちゃん。コーラ」
レミ「コーラなんてないわよ、ってえ?」
デップ「おっすおっす。俺ちゃんの名前はデッドプール。あんたはレミリアとパチュリーだな」
パチェ「誰、ってなんで私の名前知ってるのよ」
デップ「書いてあるから」
パチェ「え?」
デップ「書いてあるから。じゃ、俺ちゃん愛しの幽々子たんに会いに行ってくるから」
レミ「ちょっと待ちなさい!」
デップ「ワープ!!」
レミ「き、消えた」
パチェ「紫に言っておいたほうがいいかしら」
レミ「あー疲れた疲れた、他の運命にいくわよー」
パチェ「懲りないわねぇ」
レミ「それじゃあ、どこ行こうかしら」
デップ「俺ちゃんと幽々子たんが結婚した世界」
レミ「!?」
デップ「あ、紅茶もらってます」
レミ「それ私が飲んでたやつ!!」
デップ「うぇ、マジで!? ぽいっ」ガシャンッ
レミ「ちくしょう!殺す!!」
デップ「やべぇ、ワープ!!」
レミ「あーもう!! 〉〉⒗の世界に行くわよ!!」
デップ「安価したぁあああ っていうか安価ミスりすぎ」
妹紅「びくっ」
デップ「おっす、妹紅たん。俺ちゃんのビックマグナムでインフェルノしない?」
妹紅「?」
デップ「あー、つまり、ごにょごにょ」
妹紅「! し、しねぇ///!!」
デップ「やべぇ熱いわ」
妹紅「!?」
レミ「ふわぁ、今日も良いてん
クッキー ボトッ ボトッ
レミ「なんぞこれ!?」
レミ「パチェえもーん! なんか天気が変!!」
パチェ「落ち着きなさいレミィ。ただクッキーが降ってるだけよ」
レミ「逆になんでパチェは落ち着けるの!?」
パチェ「たぶんただの異変よ。すぐに霊夢が解決してくれるわ」
レミ「霊夢なら今頃大喜びだと思うよ」
パチェ「はぁ、こんな天気の日はゆっくりしてたいのだけど原因を探るしかないのかしらね」
レミ「こんな天気嫌だから早く元に戻したいわよ」
レミ「うわぁ、地面がクッキーだらけ」
ひょい
レミ「しかも温かいし。クッキー嫌いじゃないけど空から降ってくるクッキーなんて」
パチェ「レミィレミィ」トントン
レミ「何よ、パチェ」
パチェ「カントリーマアムもあったわよ!」
レミ「それがどうしたっていうかなんでそんな嬉しそうなのよ」
パチェ「ちょっと袋取ってくるわ」タッタッタ
レミ「………えぇー」
パチェ「じゃあ行きましょ」もぐもぐ
レミ「いて、いて。これ地味に痛いわ」
パチェ「シルフィホルンバリアでクッキーは砕き、カントリーマアムは優しく受け止めているから私はどうってことないわ」
レミ「そのカントリーマアムに対するやさしさを少しでいいから私に頂戴!?」
パチェ「いやよ」
レミ「というかそんなにカントリーマアム好きだったのね」
パチェ「しっとり」
レミ「あ、そう」
パチェ「あ! これは!!」
レミ「なにっ。何かあった!?」
パチェ「北海道きなこ味のカントリーマアム………宇治金時味もあるわ!!」
レミ「どうでもいいよ!!」
レミ「で、人間の里に来たわけだけど」
阿求「うーん。やっぱり日本茶よりは紅茶かなぁ」
華扇「しかし、いろいろな種類があるから飽きませんね」
赤蛮奇「ナインズヘッド」ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく
レミ「平和、だなぁ」
パチェ「そうねぇ」
レミ「とりあえず困ったら慧音に聞けって誰かが言ってた」
パチェ「そうね。あ、ゆず味」
レミ「………パチェ、解決する気ある?」
パチェ「そこそこ」
レミ「………」
慧音「ん? どうした珍しいなこんなところにくるなんて」
レミ「この異変について慧音に聞こうかと」
慧音「そうか。残念だが私はわからない。こんなこと歴史に乗ってなかったからな」
レミ「前例あったら恐ろしいわよ」
慧音「あ、そうだ」
レミ「何?」
慧音「霊夢に聞いてみればいいんじゃないか?」
レミ「そうねぇ」
レミ「ということで紅魔館」
霊夢「うっひょー!」
パチェ「巫女が壊れてる。以上」
レミ「いやいやいや。一応話を聞こうよ」
レミ「霊夢ー」
霊夢「ん?どうしたのよレミリア。私は今忙しいのよ」
レミ「いや、この異変について聞きに来たんだけど」
霊夢「!? この異変を解決するつもりなの!?」
レミ「まぁ、うん」
霊夢「そんな! もったいない!!」
レミ「クッキーばかりでも飽きるでしょうに」
霊夢「おかず?」
レミ「無理でしょ。っていうかこのままだと幻想郷がクッキーで埋まると思うわよ。すでに地面見えないし」
霊夢「………ちっ。仕方ないわね」
レミ「で、何か知ってるの?」
霊夢「たぶんというかこんなことできるの紫ぐらいしかいないでしょ」
レミ「………あいつか」
パチェ「でもどうやって行くのよ」
レミ「あんな場所に行けるやつなんて」
デップ「あー、クッキーうめぇ。ん、どうしたのよ」
レミ「いたし」
レミ「あんたなんでまだいるのよ」
デップ「俺ちゃんはどこにでもいるしどこにもいない」キリッ
霊夢「なに、妖怪? 退治していいの?」
デップ「俺ちゃん妖怪じゃねーぜ」
霊夢「普通の人間はそんな恰好しないわよ。なんでそんな覆面つけてるのよ」
デップ「イケメンフェイスを隠すため」
霊夢「むーそーうー」
レミ「ちょっと霊夢。こいつに連れて行ってもらうんだから」
デップ「お、助けてくれるの? 死なないけど嬉しいぜ」
レミ「そのあと殺して」
霊夢「わかったわ」
デップ「うぇー」
デップ「仕方ないから目をつぶっててくれい」
レミ「変なところ触らないでよ」
デップ「wwwwwwwww」
レミ「くっそ………むかつく」
パチェ「目をつぶればいいの?」
デップ「んじゃ。ワープ(という名の第四の壁破壊)」
デップ「とうちゃーく」
レミ「うお。本当に紫のところだ」
デップ「じゃ、俺ちゃん、消えっから!」
レミ「あ、本当消えたし。元の世界に戻ってるといいけど」
パチェ「そういえばここ降ってこないのね」
レミ「なに不満そうな顔してるのよ」
パチェ「別に」
レミ「そんなことより」
藍「らんらんらん♪ いい天気ー」
橙「ですね!」
レミ「おーいそこののんきに洗濯物干してる式よ」
藍「? なぜここに」
レミ「でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。重要な事じゃない」
パチェ「紫は今なにしてるの?」
藍「あー。紫様は今ゲームにはまってしまって。ここ数日間不眠不休でゲームをしてらっしゃるんだ」
レミ「ってことは違うのかしら」
藍「あんなクッキーを焼くだけのゲームのどこがおもしろいのやら」
レミ「紫だ」
パチェ「紫ね」
紫「うぅ、ノークリック縛りはなかなかつらいわね」
紫「クッキー、クッキーがもっと欲しいわ」
レミ「おらぁ!!」スパーンッ
紫「いたぁ!?」
レミ「お前の仕業か!!」
紫「え、ななにが!?」
レミ「外! 幻想郷にちょっとでろ!!」
紫「なによいきなり。えっと」スキマ
紫「………なにこれ」
レミ「お前のせいだろ!!」
紫「いやいや、いくらなんでも」
紫(私のせいだ………)ズーン
紫「無意識だったわ」
紫「ごめんなさい」
パチェ「罰として降らせるクッキーはカントリーマアムだけに」
レミ「パチェはちょっと黙ってて」
パチェ「むきゅん」
紫「で、でもわざとじゃないんだし」
レミ「わざとじゃないとかそんなことは他の第三者が言って初めて意味があるのよ」
紫「ら、らぁん」
藍「紫様が悪い」
紫「ちぇえん」
橙「ゆかりしゃまは反省するべきです」
紫「ちぇえええん………」
レミ「がみがみがみがみ」
紫「アイエェエエ………」
レミ「ふぅ、さて」
紫「や、やっとおわ」
レミ「罰として一か月禁止よ」
紫「そんなひどい!!」
レミ「ひどいの?」
紫 「えぇ」コクコク
レミ「はぁ。パチェ」
パチェ「了解」カタカタカタ
紫「え、なにやって」
パチェ「セーブ消去完了」
紫「」
レミ「さぁて、帰るわよ」
パチェ「帰ってお茶でもしましょうか」
藍「これに懲りたら紫様も」
紫「」
藍「紫様?」
紫「」
藍「き、気絶してる」
橙「外で遊ぶのが一番です!」
パチェ「さぁて次次」
レミ「そうね」
パチェ「次はカントリーマアムのいへ」
レミ「そんな話思いつかないわ」
レミ「>>38かしら」
炎の孕ませ外来人
あのシリーズも見なくなったな……
あ、すいません。
エロNGです
男「レミリア様。失礼します」
レミ「あら、男」ヌギッ
男「っ 失礼いたしました」
レミ「何も問題はないわ。見られて恥ずかしい体ではないもの。それより、着替えさせて頂戴」
男「わかりました///」
レミ「さて、今日は紫と話し合いがあるのよね」
咲夜「はい。昼前には訪れると」
レミ「そう」
咲夜「納豆とごはんと味噌汁でございます」
レミ「あら、今日の納豆は大粒なのね」
咲夜「塩でお食べください」
レミ「ふふ、珍しい食べ方ね」マゼマゼシュパッ
咲夜(糸がすぐに断ち切られた! さすがお嬢様です)
咲夜「お見事です」
レミ「レディはむやみに汚さないものよ」
レミ「ふふ、美味しいわ」
咲夜「光栄の極み」
フラン「………」ウズウズ
レミ「どうしたのかしら? フラン」
フラン「え、えっとなんでもないよ」
レミ「そうには私には見えないわね。大切な妹が何かを言おうとしているのならそれを聞いてあげるのが姉の役目よ」
フラン「え、えっと今日一緒に遊びたいなぁって」
レミ「いいわよ」
フラン「やったぁ!!」パァッ
咲夜「しかし今日はスキマ妖怪が」
レミ「パチェに相手をさせるわ」
パチェ「別に、いいけど」
咲夜「よろしいのでしょうか」
レミ「一応使い魔を席につかせるから大丈夫よ」
咲夜「わかりました」
フラン「お姉様、何して遊ぶ?」
レミ「なんでもいいわよ。フランは何が好きなのかしら?」
フラン「ボール遊び!………でも今日は天気良くないよ」
レミ「そうね太陽が輝いているもの」
フラン「えっとじゃあ」
レミ「太陽には隠れてもらいましょうか」
フラン「え?」
もくもく
フラン「あ! 赤い霧!!」
レミ「ふふ。ここら辺一帯を覆ったから大丈夫よ」
フラン「でも巫女が来るんじゃ」
レミ「その時は美味しい紅茶とケーキでもてなすわ」
フラン「いくよー」ブオンッ
レミ「良い球ね」パシッ
レミ「じゃ、私も」ぽいっ
フラン「あはは! 楽しいね!!」
レミ「えぇ。良い一日になりそうだわ」
フラン「よーしっ! いっくよー」ブオンッ
レミ「あら、そっちは」
美鈴「お嬢様ーってえ!?」
フラン「美鈴危ない!!」
レミ「大丈夫よ」
ビュオオオウッ
美鈴「か、風が!」
フラン「ボールを曲げた!?」
レミ「大切な従者が傷つく運命を認めるわけにはいかないわね」
美鈴「あ、ありがとうございました!」
フラン「ありがとう、お姉様」
レミ「怪我はないかしら?」
美鈴「はい!」
フラン「あ、でもボールが飛んでっちゃった」
レミ「大変ね」
チルノ「おーいフランー! 空からボールが降ってきたからこれで遊ぼうー」
リグ「いいのかなぁ」
フラン「みんな!!」
レミ「よかったわね、フラン」
フラン「うんっ!!」
チルノ「レミリアタッチッ!」
レミ「あら、つかまってしまったわ」
フラン「あ、お姉様もつかまったんだね」
レミ「えぇ」
フラン「でもお姉様ならつかまらないんじゃ?」
レミ「敗北がない遊びなんて存在しないわ。敗北がなければ遊びにならない」
フラン「?」
レミ「皆楽しくってことよ」
フラン「? うん」
チルノ「よし! 全員捕まえたな!」
みすち「次は私が鬼かぁ」
レミ「ほら、逃げるわよフラン」」
フラン「うん」
紫「というわけで幻想郷に取り入れる餌の数を増やそうと思うのだけど」
パチェ「でも神隠しが多かったら事件になるわよ」
紫「最近は自殺者が増えてるわ。問題はないと思うけど」
パチェ「そうなの。レミィはどう思う?」
使い魔『そうね、私が狩りにいくわ』
紫「そんな騒ぎになったら」
使い魔『赤い霧と共に人間が消える。人々の心に恐怖が刻み付けられる。騒ぎを起こすのは妖怪としての本懐よ』
紫「しかし騒ぎになると軍が動くわ」
使い魔『あら私を侮ってもらっては困るわね。私はネバーダイ。そう永遠なのよ』
使い魔『それに私たち《非科学的》な存在が広まれば。《科学》が《非科学》に負ければ、私たちは幻想ではなくなる。大手を振り人間を食べ、殺す。当たり前の恐怖として存在できるのよ』
使い魔『私たちや神を忘れた人間に思い出させてあげないと。遺伝子に刻まれた原始の恐怖を。覚めぬことのない悪夢を』
紫「………」
パチェ「………」
使い魔『ということであとは任せなさい。次の満月の夜までには日本ぐらいは堕としてあげるから』
フラン「あれ、お姉様どうしたの。ぼーっとして」
レミ「あ、何でもないわ。そうねフラン。来月プレゼントをあげるわ」
フラン「なになに?」
レミ「とってもいいものよ。皆にもあげないとね」
フラン「お姉様ふとっぱらだね」
レミ「そうね、霊夢は何がいいかしら。使用人を100人程度?」
フラン「?」
みすち「あ! 見つけた!!」
レミ「待ちなさいミスティアここで見逃せば幻想郷の半分を上げるわ」
みすち「タッチ!!」
レミ「………ふっ。無欲の勝利ってやつね」
フラン「お姉様………」
フラン「楽しかったー!!」
レミ「そうね。今日は何かしらね」
フラン「ステーキ!!」
レミ「ステーキなら来月いっぱい食べれるわよ」
フラン「本当!?」
レミ「えぇ、お姉ちゃんががんばるから」
フラン「なんだかよくわからないけど頑張って!!」
咲夜「今日の夕食はお嬢様は焼き魚でございます。骨が多いのでお気をつけて」
レミ「大丈夫よ」スッ スッ
咲夜(は、箸で身を崩さず骨を抜いている!)
咲夜「お見事でございます」
レミ「それほどでもないわ」
フラン「お姉様。一緒にお風呂はいろー」
咲夜「今日はバラをちりばめております」
レミ「さすがね」
咲夜「光栄でございます」
レミ「ふぅ。いいお湯ね」チャポン
フラン「お姉様。本当に胸大きいね」ペターン
レミ「フランもすぐこうなるわよ」ボンキュッボン
フラン「なれるかな」
レミ「私の妹だもの」
フラン「あの、お姉様」
レミ「なに?」
フラン「一緒に、寝てもいいかな」
レミ「………」
フラン「あ、でもこんな子供っぽいこと」
レミ「私も同じことを言おうとしてたのよ」
フラン「本当?」
レミ「えぇ、恥ずかしくて言えなかったけれどね」
フラン「やったー!!」
レミ「他の人には秘密よ?」
レミ「お休みなさいフラン」
フラン「うん」ギュッ
レミ「あらあら」
フラン「お姉様。お母様と同じ匂いがする」
レミ「………覚えてるの?」
フラン「少し。抱かれてたころの記憶が少しあるんだ」
レミ「寂しい?」
フラン「ううん。お姉様がいるから」
レミ「そう。私もフランがいるから寂しくないわ。それにみんなもいるから」
フラン「うん、そうだね。おやすみなさいお姉様」
レミ「お休みなさい」
レミ「………月がきれいな夜」
霊夢「あら、こんな夜にどうしたの? そっちは外よ」
レミ「外に行こうと思ってね」
霊夢「? あんたなら出れると思うけどどうしたのよ。観光?」
レミ「いいえ―――――」
レミ「戦うためよ」
レミ「はっ!!」
パチェ「どうしたの?」
レミ「すっごい嫌な夢見てた」
パチェ「どうしたのよ」
レミ「私が持ってないすべてを持っている私がいた」
パチェ「良い夢じゃない」
レミ「現実にならない夢なんてクソだ!!」
パチェ「おおう………」
レミ「うぅ………カリスマなんかいらないからせめて胸を」
パチェ「ロリ巨乳は不自然で変よ」
レミ「持つ者に持たざるものの気持ちなんでわからないわよー!!」
パチェ「………邪魔なだけなのに」
レミ「突然だけど犬飼いたい」
パチェ「本当いきなりね。どうして?」
レミ「犬飼って覚えさすんだ」
パチェ「何を?」
レミ「絶・天狼抜刀牙」
パチェ「そんな無茶な。白狼天狗でもさらって覚えさせなさい」
レミ「そうする。その前>>60する」
生意気な天邪鬼と弾幕ごっこ
狼男「ふう、今日も良い天気ですね」
ホフ「ですな」
狼男「こう天気がいいとウトウトしたくなりませんか?」
ホフ「しかし仕事をしなければ咲夜さんがうるさいでしょう」
狼男「ですね」
男ホフ「はっはっは」
ビュオオォオウウッ!!
狼男「洗濯物が!!」
ホフ「むっ」
正邪「なぁそこのお前たち今の立場に不満はないか? 力の強いものが正義であり弱さは罪である。下剋上したくはないか? あの生意気な吸血鬼をひれ伏させたくはないか?」
狼男「そうですね」
正邪「そうだろう!?」
狼男「あなたを地面にひれ伏させたくはありますね。ちょっと地面、舐めてくださいよ」イラッ
男「どこですかー? まだ勝負はついてませんよー?」
正邪「な、なんだあいつ。不満はないのか?」
男「そこですねっ!!」バンッ
正邪「!!」
男「………気のせいですか」
正邪「は、反則アイテムがなければ即死だった………」
正邪「うん、まぁあいつはメイド長とかそんな類だろう。ならば」
バッ
めーど「? だれですかー?」
正邪「私が誰だとかはどうでもいい。貴様自分に今の立場に不満はないか? あの吸血鬼をひれ伏させたくはないか?」
めーど「?」
正邪「あー。あの吸血鬼よりも偉くなりたくはないか?」
めーど「………おいしいものたべれますかー?」
正邪「あぁ、もちろん!」
めーど「あー。でもきょうはおじょーさまがプリンをつくってくれるのであそべませんー」
正邪「いや、遊びじゃ」
男「見つけました」
正邪「」
正邪「くそーっ、はなせー」
咲夜「なんか騒がしいわねって………えーと、誰だったかしら」
正邪「鬼人 正邪だ! これだから強者は………」
咲夜「で、なんで捕まえてるのよ」
狼男「お嬢様を侮辱したので。あと洗濯物を汚されたので」
咲夜「どうするの?」
狼男「お嬢様のところへ連れていきます」
正邪「くう、なんてこった」
狼男「失礼します。お嬢様」
レミ「なによ私は今漫画を読むのに忙しいってそれ誰よ」ペラペラ
狼男「不審者です。お嬢様を倒すと申しております」
レミ「ふーん。こいつが?」ジロジロ
正邪「な、なんだ吸血鬼。私はお前みたいな強者から弱者を救うために」
レミ「弱者=強者に虐げられている、ってわけじゃないでしょうに。まぁいいそんなに相手をしてほしいならしてあげるわよ」ポイッ
レミ「月は出てないから今日の私は優しいわよ?」
正邪「私を、舐めるなぁあああぁああ!!」
レミ「舐めるほどお前の事を知らん」
正邪「逆弓『天壌夢弓』!」シュッ
レミ「弓ねぇ。大きいこと言う割にはしょぼい武器じゃないか。せめてぬえぐらいの弓矢を」パシッ
レミ「キャッチ、アウトー。さぁて、そっちの攻撃が終わって一回裏。人を殺すにはこれぐらいしなきゃ。獣槍『スピア・オブ・ザ・ビースト』 格好いいだろう。漫画見て作ったんだ」
正邪「う、ぐぅ」
レミ「吸血鬼の闘争とまではいかないが、吸血鬼と戦うってことは、こういうことよっ!!」
ズドンッ!!
モクモク
狼男「お嬢様。やりすぎです」
レミ「あれぐらいじゃやりすぎに入らないわ。殺してないんだしってあら」
レミ「どこいったのかしら。それとこれは」ヒョイ
狼男「人形ですね」
レミ「………逃げたか?」
正邪「はは、正面切って私が戦うか。逃げるが勝ち。闘いに興味はない」
吸血鬼「そこのお前」
正邪「!」
正邪(メイド? 妖精にしては妖力が高い、いや高すぎる。反則アイテム使うか?)
正邪「隙間の折り畳みg」
吸血鬼「手伝ってくれ。給料ならだすから、ほらこれをきて」
正邪「やめろ脱がすな触るなー!!」
吸血鬼「なんだこれ、爆弾に折り畳み傘に、色々出てくるなぁ。まぁとにかく今夜はパーティーだから」
正邪「ふーくーをーきーせーるーなー!!」
正邪「くう、なんてこった」フリフリメイドフクー
吸血鬼「よし新入りまずは会場のセッティングからだ。それが終わったらホフさんを手伝うんだ」
正邪「ま、待て手伝うとは一言も」
吸血鬼「いくぞ新入り!」グイッ
正邪「うー、ひーいーぱーるーなーあー!!」
正邪「くそう、こうなったら隙を見てパーティーを台無しにしてやる。手始めに料理に適当にスパイスを!!」
メイド妖精「? なんだかいつもより美味しい気が」
正邪「机の配置を適当に!!」
レミ「? なんだか妙に機能的な配置だな。嫌いじゃないが」
正邪「庭の花を摘んでやる!!」
美鈴「あ、パーティー用のバラを作ってくれたんですね」
正邪「招待状持ってない客を通してやる!!」
霊夢「私のところに招待状が届いてなかったわよ。はいれたからいいけど」
レミ「すまないこちらのミスだな。今日は楽しんでいってくれ」
吸血鬼「よくやった新入り」
正邪「うがー!!」シタバタ
吸血鬼「!?」
レミ「今日のパーティーは大成功だ」
吸血鬼「新しく入った新人が大活躍しました」
レミ「ほう、新しく入ったメイドがいるのか。顔を見ておこうかしら」
吸血鬼「連れてきます」
正邪「あった、私の服、これでこんなところからおさら」
吸血鬼「見つけた。お嬢様がおよびだ」ガシッ
正邪「うおー。はーなーせー!!」
レミ「お前が新人か。どこかで見たような顔だが、まぁいいよくやった」グググ ナデナデ
正邪「うおーっ。撫でるなレミリア!!」
レミ「? お前、さっきの………なんでいるんだ?」
正邪「こいつに捕まって強制的にさせられたのだ!!」
吸血鬼「?」
レミ「そうか。狼男。捕まえろ」
狼男「はい」ギュッ
正邪「おぐっ」
レミ「調教しろ」
狼男「わかりました」
正邪「な、な、なにをするんだぁああああ!!」
レミ「あなたは素晴らしい人材よ。だから私はあなたが欲しい。あらこれじゃあなたがいう強者みたいじゃない私。ま、どうでもいいけど」
霊夢「針妙丸ー。なんか手紙きてるわよー」
針妙丸「え、なになに私に?」ピョコ
針妙丸「えっと、紅魔館でメイド調教………
たのしいよメイド生活は。
素晴らしいお嬢様がいるからね。
けどたまにはまた針妙丸とも遊びたいなぁ。
二月になるまでは無理だけどさ。二月になったら
君と何して遊ぼうか。
テニスがいいかな。
だって」
霊夢「写真も入ってたわ、これ」
正邪「………」ウツロメダブルピース
針妙丸「昔信じてたけど逃げ出した正邪が紅魔館のメイド調教を受けて虚ろ目ダブルピース写真を送ってきた………」
レミ「咲夜ーお茶ー。緑茶ー」
パチェ「新しいメイドはどうしたの?」
レミ「逃げたわ。だから今探させてる。賞金も懸けたしすぐ見つかるでしょ」
パチェ「気に入ったのね」
レミ「役に立つ駒は置いておきたいじゃない」
レミ「でも時間はかかるだろうから〉〉100でもしましょうか」
パチェ「はいはい。わかったわよ」
レミ「パーチェーあーそーぶぼべぁ!?」ベチョッ
パチェ「あらレミィいいところに」
レミ「ごぼぼばばばばば」
パチェ「それはスライムって言って私が呼び出したんだけど」
レミ「ごぼ、が、ぶ……………」パタン
パチェ「その性能をテストするため、ってレミィなに寝てるのよ、ちゃんと話を聞きなさいよ」
パチェ「それでそのスライムは」アアタラコウタラ
レミ「………………」ビクンビクン
レミ(助けて咲夜)
ちかしつ…
正邪「や、やめろぉ!」
レミリア「咲夜、続けなさい…」クスクス…
咲夜「はい」グリグリ…
正邪「はぁ…はぁ…何故だ!なぜ、お尻の穴ばかり…はぅっ!」びくん!
レミリア「何故?フフフ…愚問ね。それはここが肛魔館だからよ」
正邪「こ…肛魔館…ひゃん!」ジュン☆
咲夜「大分感度が良くなってきましたね」ヌコッ…ヌコッ…
正邪「な…なに言ってんだよ!そんなはずは…」ハァ…ハァ…
パチュリー「別に恥ずかしがることないのよ…もっと素直になりなさい。気持ちいいんでしょ?お尻の穴が…」ペロリ…
正邪「き…気持ち良くなんか…!」ガクガク…
レミリア「…咲夜」
咲夜「はい…」ぬぷっ!
正邪「んあぁー!お尻が…お尻の穴が……感じるのほおぉー!」プッシャー!
そして虚ろ目ダブルピースになったのであろう?そうであろう?
レミ「死ぬかと思った」
パチェ「吸血鬼があれくらいで死にかけてどうするのよ」
レミ「酸素は大事だよ。それであのドロッとしてひんやり冷たいあいつはなんなのよ」
パチェ「まったくさっき説明してたでしょうに」
レミ「死にかけてたのよ!!」
パチェ「じゃあもう一回説明するけどあれはスライムって言って下級の使い魔よ。でもいろいろなものに変身できるし人間程度の物理攻撃なら一切聞かないわ。攻撃力はあまりないけどね」
レミ「十分だよ。気道をふさぐのは十分な攻撃だよ。殺意が満ち溢れてるよ」
パチェ「それでいろいろと便利だからゴーレムや小悪魔に続いて試験運用したいんだけどかまわないわね」
レミ「嫌よ。さっき殺されかけ、うおうっ!? スライムを顔に向かって投げるんじゃない!!」
パチェ「ちっ」
レミ「親友が私を殺そうとしてくるよぅ」
パチェ「あなたが首を縦に振らないから」
レミ「………親友だよね。パチェ」
パチェ「そうよ。だから試験運用を」
レミ「親友なら優しくして!!」
レミ「結局許可を出してしまった」
スラ「」ウニュウニュ
レミ「なんだかプルプルしてるけど」
ウィル「お母様。何それ」
レミ「スライムっていってパチェが召喚したんだけど、危険だから近づいちゃだめよ?」
ウィル「危険?」
レミ「えぇ、この私を追い詰めるぐらいよ。もちろん私が勝ったけどね」
ウィル「冷たい、ひんやりする」
レミ「あら忠告を聞かなかったわこの子」
ウィル「? 危なくないぞ?」
レミ「かわいい顔(?)して実は強いのよ。ウィルみたいに。ウィルみたいに」
ウィル「そうなのか。それを連れて歩けるお母様はやっぱりすごい」
レミ「当然でしょ。えっへごぼぼぼぼぼ」
ウィル「お母様!?」
レミ「死ぬかと思った」
ウィル「大丈夫? お母様」
レミ「このスライム窒息死手前で離れてくれるのよね」
ウィル「スライム、お母様に悪いことしたらダメだよ」
スラ「」プルプル
レミ「せめて喋ればねぇ」
スラ「」うにょうにょ
ウィル「? なにか動いて」
スラ「ぷるぷる、僕悪いスライムじゃないよ!」テケリ・リ
レミ「人型になったぁあああああなんか喋ったぁああああそして鳴き声こえぇええええええ」
ウィル「人型になれば喋れるのだな」
レミ「いやいや、怖いよ、限りなく透明に近い青色の人型とか怖いよ」
ウィル「大丈夫。怯えていただけなんだよね」
レミ「手を出すと危ないわよ!!」
ウィル「大丈夫、大丈夫」
レミ「さ、さすが私の娘。私によく似て勇気をもtごぼぼぼぼぼぼ」
ウィル「!?」
スラ「スライムはレミリアが調子に乗ると攻撃するようにパチュリー様から命令されています」テケリ・リ
レミ「パチェめぇ」ゼハーゼハー
ウィル「なんでお母様なのだ?」
スラ「パチュリー様がレミリアなら死なないから思う存分攻撃しろと」
レミ「あぁ、パチェのいい笑顔が思い浮かぶわ」
ウィル「とにかくお母様を傷つけるならウィルは止める」
スラ「それは困ります。パチュリー様の命令なのですから」
レミ「試験運用が目的なのだから別に私以外でもいいんじゃない? 美鈴とか私よりタフだと思うわよ」
スラ「わかりました。いってきます」
レミ「あ、地面濡れてる。咲夜が怒るかなぁ」
美鈴「ふわぁ。さぁてもうすぐお昼ですがお仕事しますか」
べたべた
美鈴「ん、なんの音d―――窓に!窓に!」
スラ「あけて」
美鈴「おとこさぁあああああんっ」ダダダッ
スラ「にげた」
美鈴「男さぁあああんっ!!」
咲夜「なに遊んでるのよめいり」
スラ「まって」テケテケテケ
咲夜「透明な人が腕だけで這って、足がない………」キュウ バタンッ
スラ「まってー」テケテケテケ
美鈴「うわぁあああぁああ、怖いよぉおおおぉおうっ!!」
狼男「………っ!」ハッ
レミ「どうしたの?」
狼男「美鈴が助けを求めています。行ってきます!!」ダダダッ
レミ「い、いってらっしゃい」
狼男「美鈴っ!」
美鈴「狼男さんっ!」
スラ「あ、とまった」
狼男「これですか」
スラ「たたかう」
狼男「美鈴は下がっていてください」
美鈴「だ、大丈夫です私も戦えますから」
狼男「では一緒に行きましょう」
美鈴「はいっ!」
フラン「今日は何を読もうかなぁー 良い天気だから誰とも遊べないし、むぅ」
小悪魔「あ、フラン様今日は漫画を読みに来たんですか?」
フラン「うん。面白い漫画はないかしら?」
小悪魔「パチュリー様に聞いたほうが早いと思いますよ」
フラン「うん、わかったー」
小悪魔「さぁて私は本の続きでも読むかなぁ。あれなんか変な音が」
バンッ
狼男「くっ。打撃が効かない!?」
美鈴「気ならっ!!」
スラ「あうっ」テケリ・リ
美鈴「あ、これなら効く!」
フラン「んー? 何やってるの美鈴」
美鈴「これが襲い掛かってくるのです。大丈夫ですお嬢様には指一本触れさせませんから」
フラン「大丈夫だよ。キュッとしてぇええええどっかぁあああんっ!!」
美鈴「え、それは、だm」
狼男「図書館こわr」
フラン「ひぃいいいいいと!! エンドッ!!」
レミ「なにかすごい音してたけ………図書館の存在が消えた? あとパチェの霊圧も」
パチェ「失礼、ね。生きてるわよ」
レミ「何があったのよ」
パチェ「フランがスライムに全力でどっかんしたわ」
レミ「自業自得じゃない」
パチェ「しくしく」
パチェ「平行世界ということにしなければ即死だった」
レミ「何冊の本が消えたのしかしらね」
パチェ「思い出させないで頂戴」
レミ「可哀想とは思わないわよ。何回か死にかけたんだし」
パチェ「こうなったらレミィだけ狙うようにしてスライムを作るしか」
レミ「やめて。パチェその攻撃は私に効く。やめてちょうだい」キリッ
レミ「とにかく今回は忘れて>> 119の運命を」
紫「ふふふ。最近の人間は妖怪をあまり恐れていない。ならば呼び出すしかないじゃない。悪名高き化け物を!!」
紫「うふふ、ふふふふふふ」
橙「藍しゃま。紫しゃまが怖いです」
藍「あぁ、見ちゃいけないよ橙。徹夜明けでテンションがおかしくなってるだけだから。そんなことよりおやつを食べよう」
橙「わーい!!」
???「う、いったいここはどこなんだ?」
???「俺はたしか戦っていて。それで負けたかと思ったらいきなり景色が………」
???「愛用の斧はある。ならば一応戦えはするか」
???「故郷の仲間は無事だろうか。帝国に滅ぼされてなければいいが」
???「とにかく誰か他の者を探そう。情報がなければな。とりあえずここがどこかくらいは知っておきたい。場所さえわかれば戻れるだろうしな」
影狼「あぁ、もう少しで満月ね。憂鬱だわ」
???「ちょうどいいところに。そこの」
影狼「? なにか、し…きゃあああああぁあっ!!」
???「お、ちょっとまて逃げないでくれ!!」
影狼「襲われるー! 怖いわー化け物怖いわー!!」
???「見た目獣人族のようだが話を聞いてくれぇええ!!」
影狼「いやぁあああ追いかけてくるぅううう!!」
???「うおおおおいっ!!」
???「くっ、逃げられてしまった。体力には自信あったのだが速さではやはり負けるか」
???「なぜ逃げられてしまったのだ?」
???「うぅむ」ポクポクポク チーン
???「そうか! 斧のせいだな。見た限り戦いは起きていない平和なところみたいだし、そんな場所に武器をもったやつがいればおびえるのも当然。ちゃんとしまっておこう」ゴソゴソ
???「これで大丈夫だな。よしちょうどまた見つけたぞ」
鈴仙「はぁはぁ。早く帰らないと師匠に怒られちゃう」
???「すまない。そこのお嬢さん」
鈴仙「はい、なんですか?」クルリッ
???「ここがどこかを教えてもらいたいんだが」
鈴仙「」
???「ウサギのお嬢さん?」
鈴仙「いやぁああああ、食べられるぅうううう!! 肉体的か性的かはわからないけどおおお!!」
???「な、なにを言ってるんだ」
鈴仙「助けてお師匠さまぁああああ!!」
???「ま、また逃げられた………」ガックシ
???「うぅむ。なぜだ。とにかく人通りが多いところまで行けば大丈夫だろう」
???「にして周りに同じ植物ばかりで迷いそうだ。それにしてもなんだこの固い植物は」
「うおーい。誰かいないかいー?」
???「誰かの声?」
「助けておくれー」
???「助けを求める声!! 行かねば!!」
てゐ「いやぁ、ここに落とし穴掘っていたのをすっかり忘れてしまってたよ。歳をとったつもりはないんだけどねぇ」
てゐ「誰かが通りかかってくれればいいんだけど」
???「おい、どうしたんだ?」
てゐ「お、幸運だねぇ。誰かがさっそく来てくれたよ。助けてくれー。誰かが仕掛けた落とし穴にはまってしまったんだ」
???「罠とは卑怯な。ちょっと待ってろ捕まるものを」ガンッ ボキッ
てゐ「なんだか大きな音がしたみたいだけど、いったいなんの音だい?」
???「近くにあった植物を斧できったのだ」
てゐ「力持ちなんだねぇ」
???「ほら掴まれ」
てゐ「やれやれ、幸せを呼ぶ白兎が不幸にあってちゃわけないね。いやぁ、数時間ぶりの日差しだねぇっと。お礼を言っておかなきゃね。あたしゃてゐ。てゐさんでもてゐ様でも好きに呼ぶといいよ。そんであんたは………」
???「どうした」
てゐ「んー。なんというか特徴的な顔だねぇ。顔の傷は戦傷かい?」
???「戦士の誉れだ。えっと、てゐは逃げないのだな」
てゐ「恩人から逃げるほど薄情なかみs。ごほん、ウサギじゃないよ。その調子じゃあ今まで逃げられてたみたいだねぇ」
???「なぜか他の者たちは俺を見ると逃げてしまう」
てゐ「あーうん、おそらく見た目だろうね。普通の人からしたら怖いだろうねぇ」
???「見た目か! ………そんなに醜いだろうか」
てゐ「まぁ一般的には醜いの部類に入るだろうね」
???「ずばっというのだな」
てゐ「包むオブラートは師匠が持っててね」
てゐ「さてと。恩人だし、なにか困ったことがあったら力になるよ。なにかあるかい?」
???「そうだな………」
1 てゐの家に連れて行ってくれないか。
2 人が多いところまで連れて行ってくれないか。
3 元の世界まで戻してくれないか。
>>129
亀だけど・・・やっぱりショゴスぁああぁぁあ!いやぁぁぁはから!(発狂)
???「てゐの家に連れて行ってくれないか?」
てゐ「! え、えぇっとそれはどういう意味だい?」
???「ここに知り合いはおらず人には逃げられてばかりだ。不躾なお願いなのだが家に住まわせてほしい。もちろん食い扶持は自分で狩ってくる。極力迷惑もかけないようにする」
てゐ「うーん。あたしも住んでるのは人の家だからねぇ。連れていくのはかまわないんだけど住めるかどうかはわからないよ?」
???「それでもかまわない。駄目なら野宿でもするさ」
てゐ「それじゃああたしについてきてくれるかい。離れると迷ってもしらないよ」
???「あぁ。大丈夫だ」
てゐ「いくよー」ピョンピョン
???「はやっ………っ これはついていくだけで骨が折れそうだな」
???「ふぅ、ここか。ずいぶん大きいな」
てゐ「お、息が全然切れてないってお兄さん鍛えてるねぇ」
鈴仙「あ、てゐおかえ………いやぁああああぁっ!!」タタタッ
てゐ「鈴仙の逃げ出し癖は全然治ってないね。いやいや気分悪くなったかもしれないけど許しておくれ。あれは臆病なんだ」
???「さっきも逃げられたからな。そんな気がしていた」
てゐ「メンタルも強いねぇ」
てゐ「さてと、入ろうか」
???「お邪魔する」
鈴仙「助けてお師匠様ぁあああ!! なんかすごいのがぁあああ!!」
永琳「うるさい」ゴキュッリッ
鈴仙「」
永琳「まったく。病院では静かにって言ったはずよ?」
てゐ「お師匠様入ってもいいかい?」
永琳「あらてゐお帰りなさい。良いわよ鈴仙が転がってるけど気にしないで」
てゐ「あー。あと一人客人を連れてきたんだけど………」
永琳「お客様? 診察かしら?」
てゐ「そういうわけじゃないんだけど訳ありでね。失礼するよ」
???「失礼する」
永琳「え、えぇっと。整形かしら?」
???「………それはさすがに傷つく」
永琳「ごめんなさい。てゐの恩人にあんなこと言っちゃって」
???「気にはしていないと言うと嘘になるが別に大したことではない……美的感覚は種族によって……違う…のだから」
永琳「えっと、それでここに住まわせてほしいって話よね」
永琳(………兎男が抜けてから男手は足りないのよね。でも顔があれだから人前には出せないし。どうしようかしら」
永琳「>>135」
”心の美しさをそのまま外面に見せる薬”なんてものでも製薬してみようかしら
すいません言葉足らずでした。
許可か否定でお願いします。
永琳「申し訳ないのだけれど、この子がいるから」
???「そうか」
てゐ「………ごめんよ」
???「いや、いい」
永琳「その代わりといってはなんだけどあなたがいっても大丈夫そうなところを紹介するわ」
???「本当か? 助かる」
永琳「お礼を言われるようなことじゃないわ。>>141に行けばいいと思うわ」
1 地底
2 命蓮寺
3 紅魔館
4 妖怪の山
考えてみたら地底より命蓮寺の方が良いかもね
醜い者でも受け入れられなくて何が寺か、だし
壊色(えじき)の法衣とか似合いそうだし
今のインドの修行僧は肥満との闘いらしいし
一応、既に男(雲山)も居るし
なので2
前から思ってたんだけど>>1って豪族勢嫌いだよね?
>>142
嫌いじゃないですよ、ふとじこが好きです
???「命蓮寺?」
永琳「えぇ、妖怪を助けてくれるお寺よ。あそこならあなたも助けてくれるでしょう」
???「それは助かる。でどこにあるんだ?」
永琳「それはてゐが教えてくれるわ」
てゐ「あ、あたしかい?」
???「どうした?」
てゐ「いやぁ連れていくのはいいんだけどさぁ。問題は場所でね」
永琳「恩人なんでしょ」
てゐ「わかってるよ。やれやれそれじゃあ行こうか。このままここにいて起きた鈴仙が騒ぐのは面倒だよ」
???「案内をよろしく頼む」
てゐ「あいよ」
???「本当にこの場所は道が分からなくなりそうだ」
てゐ「そんな迷ったやつらをだま、助けるのがあたしの仕事さね」
???「そうなのか」
てゐ「そういえば今更だがお兄さんの名前を聞いてなかったね」
???「そういえば。申し遅れて済まない。俺の名前はオークだ」
てゐ「オークね。また今度会う時があるのなら覚えておくよ」
オーク「元の世界に戻ることができるのならその前に会いに行こう」
てゐ「おやおや、顔に似合わずキザなんだね」
オーク「………そのような意味ではない」
てゐ「うーん、避けて通ることは難しいからこうなったらもう開き直って突っ切るかな」ブツブツ
オーク「どうした?」
てゐ「これから人間が多いところに行くから、たぶん怖がられる」
オーク「別にかまわない」
てゐ「ありがとさんよぅ。でも面倒事が起きると嫌だからできるだけ早く突っ切るよ。あたしに姿を消す魔法でも使えればよかったんだけどね」
オーク「なら、こうしよう」ヒョイッ
てゐ「なにをするんだい。おろしておくれ」
オーク「とりあえず全速力で通り抜けるから道だけ教えてくれ」
てゐ「走るのはあたしのほうが速いんだけど」
オーク「ひとごみだと俺のほうが速いだろう。人が避けるからな…」
てゐ「あー………じゃあ頼むよ」ヨイショット
キャーッ ナンダアレッ タスケテクレー ワタシトチガッテナントミニクイッ グエッフコウダーーーーッ ビジョトヤジュウ………コイバナノヨカンッ
てゐ「あー、うん。なんだか阿鼻叫喚ってやつだね」
オーク「………わかってはいたが哀しいものだな」
てゐ「そこを右」
オーク「了解した」
慧音「なんだか外がうるさいかと思えば」
オーク「どいてくれっ!!」
慧音「お前が原因かぁあああああっ!!」ガッ
てゐ「オークの突進を………」
オーク「止めた………だと」
慧音「そこに正座しろぉおおお!!」グググッ
オーク「な、俺より力、つよ、い」ドシンッ
てゐ「落ちる落ちる」ギュっ
スゲー サスガケイネサンダー アヤツハキットバケモノデアロウ ケイネセンセイハカワイイオレハクワシインダ
慧音「とりあえず反省をしろっ!!」ゴスッ
オーク「ぐえっ」
決着!!
オーク「住民に迷惑をかけたのはすまない。だが命蓮寺まで俺は行きたいのだ」
てゐ「ちょっと待っておくれよ。何も悪いことはしてないじゃないかい」
慧音「しかし住民は皆お前から逃げていたが」
オーク「………見た目がな」
慧音「………!」ピーン
慧音「すまない。教師である私が見た目で人を差別するなんて。見た目が少し怖いから確実的になにかしたのだと思い込んでしまった。本当申し訳がない」
オーク「いや、人間たちが自分を避けるだろうということは理解していた。この騒ぎを起こしたのは自分の責任だ」
慧音「………見た目に似合わず人格者なのだな」
てゐ「見た目に似合わずは余計だよ」
慧音「お詫びと言っては何だが私もついていこう。私がいればそんなにうるさくならないだろう」
オーク「本当か? いやしかし、何か忙しいのではないか?」
慧音「なぁに、大丈夫だ。おーい妹紅。あとはすべて任せた」
イキナリダナトイウカナンデワタシ!? ワーイモコウセンセイダー
オーク「………なにか不満の声が聞こえたが」
慧音「ははは。妹紅はツンデレだなぁ」
オーク(本当に逃げられなくなったな。代わりに好奇の視線が痛いが)
慧音「うむ。ここをまっすぐ行くと命蓮寺だ」
オーク「ここまで案内してくれてありがとう」
慧音「いや、これでお詫びになるというのなら礼を言うのは私のほうだ」
オーク「それじゃあ気を付けて。ここは人通りが少ないようだからな」
慧音「大丈夫だ、問題ない。腕っぷしにはそこそこ自信があるからな」シュッ シュッ
オーク「違いない」カカカ
オーク「ここか」
てゐ「丁度良い、あの掃除している妖怪に聖を呼んでもらうかね。行くんだお兄さん」
オーク「そういえばもう肩から降りてもいいが」
てゐ「そうかい」ピョンッ
響子「ぎゃーてーぎゃーてーはらぎゃーてー♪」
オーク「すまない」ヌッ
響子「………」
オーク「………またk」
てゐ「あ」ミミフサギー
響子「たすけてぇえええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
オーク「」キーン
白蓮「何事ですか!?」
オーク「」
響子「ぎゃーてぇええええええ!!!!!!」
てゐ「高級な耳栓でも貫通してくるなんて」
白蓮「あの、響子、なにが」
響子「ぎゃあてえええええええ」
白蓮「あの落ち着いて」
響子「たすけてえええええええええ」
白蓮「………」スウッ
オーク「はっ、俺はいったい」
白蓮「落ち着きなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ゴオッ
オーク「」
てゐ「」
響子「」
白蓮「ふぅ。落ち着きましたか?」ニコッ
響子「」シロメ
てゐ「」シロメ
オーク「」シロメ
白蓮「?」
一輪「ねぇさんみんな気絶してます。というか何があったんですか?」ヒョコ
白蓮「なんでしょうか?」ハテナ
一輪「話聞こうにも当事者は気絶。仕方ない水蜜ー。ちょっと手伝ってー」
雲山「………」ワシハ?
オーク「はっ。なんだか爆弾でやられた気が」
てゐ「声だよ。ちくしょうまだ耳が痛い」
響子「なみだがかわいたあとにぃ………むにゃー」Zzz
オーク「………ここは?」
星「命蓮寺ですよ」ニコッ
オーク「ここが、命蓮寺」
星「はい、御用は聞いてますよ」
オーク「………あなたは俺を見て逃げないんだな」
星「私は虎ですから」クスッ
オーク「なるほど、ここなら大丈夫そうだ」
てゐ「あれはどうかと思うけどね。また起きて叫び出さなきゃいいけど」
響子「むにゃすぴー」Zzz
雲山「わ、ワシに乱暴するつもりなんでしょ!?…同人誌みたいに!」イヤンイヤン…
オーク「待て…誤解だ!」
オーク「この寺で一番偉いのは誰だ?」
星「私ということになっていますが、実際は聖ですね。呼んできましょうか?」
オーク「頼む」
星「はい。少しお待ちくださいね」トテトテトテ
てゐ「うん。あとはなんとかなりそうだね。じゃああたしはもう帰るよ」
オーク「助かった。ありがとう」
てゐ「それじゃ」ピョンッ
白蓮「お待たせしました。何か話したいことがあるそうですが」
オーク「あぁ。いきなりで済まないのだが。自分をここに置いてもらえないだろうか」
白蓮「本当いきなりですね。なにか理由があるのかしら」
オーク「理由は………信じてもらえないかも知れないが俺は別の世界から来た」
白蓮「まぁ、そうなのですか」
オーク「………信じる、のか?」
白蓮「私も一時期魔界にいましたから」
オーク「!」
白蓮「困っている妖怪を救うのが私の使命だと思っています。ですので」
オーク「いいのか?」
白蓮「あなたが善か悪か………拳で聞かせてもらいましょう」
オーク「!?」
村紗「頑張れ姐さーん!」
ナズ「私としてはあれが増えるのは御免だね」
星「ナズーリンは心配性ですねぇ」
ナズ「ご主人以外にトラブルが起きるのは迷惑なんだよ」
星「あうぅ」
一輪「姐さんがんばってくださいね」
雲山「………」ガンバレー
白蓮「それでは、やりましょうか」ニコッ
オーク(なぜこうなった)
ナズ「それでは両者準備はいいかい?………いいみたいだね。それじゃあ―――はじめっ!」
オーク「しかし女を殴るわけにごえふっ」
白蓮「向かってこないのですか?」ドゴンッ
オーク「戦士だかrげふっ!」
白蓮「ボディ、ボディ、ボディ。そしてガードが下がったときに顎」ドッドッドッドゴッ
ナズ「おーっと! 聖の容赦ないラッシュだ! さすがにガンガンいくタイプは違うね」
オーク(あれ、俺、一応強いは、ず)
聖「天符『三千大千世界の主』」シュッ
ドドドドドドドドドドンッ
オーク「どびゅっふっ」
一輪「さすが姐さん。容赦がないぜ!!」
村紗「そこにしびれる憧れる!!」
星「オークさん。飛んでいきましたね」
ナズ「ご主人。回収を頼んだよ」
オーク「………おれ、は」
白蓮「あ、目を覚ましましたか」
オーク「完敗、だったな。ということはダメ、なのか」
白蓮「いえ、合格です」
オーク「?」
白蓮「拳を伝ってあなたが悪ではないということが分かりました」
オーク「なぁ、あんたって僧侶、だよな」
白蓮「はい、そうですが?」
オーク(………僧侶、僧侶ってあれだよな。回復魔法を使ったりする。俺の知識が間違っているのだろうか)
白蓮「あなたの反撃をせず、相手を思いやる気持ち。相手のために自らの体を差し出す精神に私はたき火に飛び込んだ一羽の兎を見ました」
オーク(反撃すらできなかったなんて言えないな)
白蓮「ですので、私はあなたを歓迎します」ニコッ
オーク「あ、ありが」
星「やはり合格でしたね」
村紗「ちぇっ。賭けは寅丸の一人勝ちかぁ」
一輪「今日のメインのしょうが焼きが………」ズーン
ナズ「ご、ご主人。日頃の感謝を込めて私だけ見逃しては」
星「駄目です」ニコッ
白蓮「………」ニコニコ
村紗「あ、姐さんこっちみてる。めっちゃ見てる」
一輪「ばれ、た?」
白蓮「星、水蜜、一輪、ナズーリン」
星村一ナ「は、はい」
白蓮「表に出なさい」ニコォオオオッ
星村一ナ「は、はいぃいい!!」
オーク(………俺はこの場所で本当によかったのだろうか)
おわり
おまけ
一輪「ごめんオーク、そこの棚の上のものを取ってもらえるかしら」
オーク「これか?」
一輪「えぇ、それそれ」
オーク「よいしょ―――あ」グラッ
ドドドンッ
一輪「きゃあっ!」
オーク「大丈夫か?」
一輪「えぇ、あなたがかばってくれたから。というか自業自得でもあるけど」
オーク「申し訳ない」
雲山「………」ヒメイガキコエタ
オーク「あぁ、雲山、棚の」
雲山「オークが、一輪に、一輪に覆いかぶさっているだとぉおお!?」
雲山「い、一輪に乱暴をするつもりなのだろう!?…春画みたいに!!」
オーク「待て、誤解だ!」
雲山「問答無用!! 拳骨スマッシュ!!」ゴンッ
オーク「ぐえふっ」
雲山「成敗」
一輪「………」
雲山「………」ドウシタイチリン
一輪「雲山、ちょっくら表に出なさい」ボキボキッ
雲山「!?」
オーク(ここはキレると皆物理、なのだなぁ)ガクッ
レミ「まだよ、まだ終わらないわよ」
パチェ「なによ。まだやるの? 終わったほうがいいんじゃない?」
レミ「冗談ではない!」
パチェ「変な運命が来ても大丈夫なの?」
レミ「これで書けねば、私は無能よ」
パチェ「………そこまで言うなら止めはしないけど」
レミ「ふふふ、>>177という可能性の獣っ!!」
part3で壊された筈のデロリアンが幻想入り
時間移動?現実じゃ幻想(ゆめ)のまた幻想(ゆめ)ですよ、ハハハ……
すいませんバックトゥーザフューチャー見てないです。できれば東方内だとうれしいです
なあ、ハクレイレイムってしってるか?
あぁ、あの都市伝説だろ。皆の夢にでてきたっていう。
あれっていったいなんなんだろうな
また変な妖怪のいたずらじゃねぇのか?
でもあの子、どこかで見た気が
いや、かわいかったけどさぁ
いや本当に………気のせいなのかなぁ
気のせいだろ
魔理沙「………」
私は目を覚ました。うすぼんやりとした眠気がまだ頭の中に残っているが水で顔を洗えばすっきり消え去るだろう程度の眠気だ。
木目が人の顔に見える天井を眺め、さて今日は何をするかを考える。
………ん、おかしい私の家の天井は木目がない。
魔理沙「ここ、どこだ?」
お世辞にもふかふかとは言えない布団にくるまれて私は寝ていた。
可能性としては酔っぱらった私が誰かの家にお邪魔したのだろうか。いや私は昨日飲んでいない。そもそも前後不覚になるまで飲んだことはないはずだ。
一体なぜ。という考えはおそらく家主に聞けば解決するだろう。少し名残惜しい布団から出て、日本家屋らしい障子を開ける。目の前に広がるのは大きな庭。
阿求の名前が頭に浮かんだが阿求の家ではないことは確かだ。阿求の家はこんな高いところにない。
庭通して見える光景でここがどこか高い位置にあるということが分かった。
さてどっちに行けばいい。どこに行けば家主に会える?
そんな思考とは別に体は自然と動いていた。
無造作に脱ぎ捨ててあった靴をはいて庭をすすんでいく。庭から見る限り私がさっきまでいた場所は離れらしい。
離れの少し隣に大きな、というほど大きくはないが社があった。どうやらここは神社らしい。
前に回ってみるとここがずいぶんと高い場所にあるということが分かった。幻想郷を一望とまではいかない。しかし人間の里までは見える。しかしここは人間の里からなかなか離れているみたいだ。こんなところに住むやつはよっぽどの物好きだろう。
「あら魔理沙おはよう」
声が聞こえて振り返る。
そこには赤と白の巫女
魔理沙「気のせいか」
一瞬空目してしまったが誰もいない。しかし一瞬見えたあれは空目というにはあまりにもリアルで
魔理沙「ハクレイ、レイム?」
噂に聞いたことがあった。人の夢の中に出てくる少女。さっきの姿は噂の少女の恰好と一致する。
魔理沙「また変な妖怪の仕業か?」
なんの意味があるかはわからない。あんなのじゃ怖がりようがない。怖がらせるつもりがないのなら何を考えているのかが分からない。
頭を悩ませながら考えていると後ろから、つまり階段から誰かが登ってくる音が聞こえた。
萃香「あれぇ、魔理沙じゃないかー」
ふらふらと千鳥足で赤ら顔な少女。鬼である萃香がなぜかここにいた。
魔理沙「どうしたんだ萃香こんなところで」
萃香「ん~。魔理沙こそどうしたんだい?」
それが分からない。何があったのかが思い出せない。ボケるにはまだ早いはずだぜ。
魔理沙「まぁ、なんとなくな。ここはどこなんだい?」
萃香「神社………じゃないかねぇ」
見ればわかる。問題はこの幻想郷に守矢以外の神社があることだ。
萃香の口振りからすれば萃香すら知らなかったということだ。私よりずっと長く生きている萃香が知らないということはどういうことなのだろうか。
幻想入り………という可能性はある。だがなぜ私が寝ていたのかに関係があるとは思えない。
萃香「いやぁ、やっぱりいい景色だ」
萃香が幻想郷を見下ろしてひょうたんに入っている酒をごくごくと飲んだ。
ぷはぁとはいた息から酒のにおいがする気がした。一口飲ましてもらったことはあるがあんなもの普通の人間の飲むものじゃない。もちろん普通の魔法使いである私もだ。
萃香「宴会、ここでしようかな~ってさぁ」
魔理沙「ここでか。でも家主に許可取らないと」
萃香「家主はいないみたいだよ。何回か来てるけど誰もいやしない」
その言葉で謎がさらに深まる。
家主がいない神社で寝ていた。しかも布団まであった。
魔理沙「………少し、探検してみるかな」
萃香「ん~?」
魔理沙「さっき少し部屋の中に入ってみたんだが生活感があった」
ずっと誰かが最近まで住んでいたほどに家の中は整っていた。寝ていた部屋には箪笥なんかの生活用品があり、到底廃墟とは思えない。
萃香「そうなのかい? それじゃ~何かあるかもね~」
酔っぱらっているため間延びした口調で萃香が中に入っていく。
何かあったとしてもそれをどうするつもりなのやら。
私はため息をつきながら萃香に続き神社の中へ入った。
神社の中に入るのは初めてだ。中身を見てみたが入っていない賽銭箱の向こうにある扉を開けると少し大きな部屋があった。
萃香「あるぇ。ご神体はないんだねぇ」
部屋の奥にある扉を萃香が開ける。遠慮がないなぁと呆れつつも興味はあったので覗いてみる。
萃香の言う通り中は空っぽだった。ご神体がない神社ってあるのだろうか。いやご神体がなければ神社ではないはずだ。
それにここまでされて怒って現れない神様もいないはずだ。
少なくとも守矢の二柱は怒る。
萃香「よーし、他行こう他」
何もない部屋を見回しているといつの間にか萃香が外に出て行っていた。
魔理沙「他っていうと」
さっきまでいた離れか。そういえば寝ていた部屋以外入っていない。何個か部屋があったみたいだが。
萃香「おーい、魔理沙はこないのかいー」
魔理沙「あ、ちょっと待ってくれ」
入口からひょいと顔を出した萃香を慌てて追いかけ、ふと思った。
ここの神社にもしかしてはハクレイレイムが守っているのか。
そんな夢見がちな考えをしてしまった自分が恥ずかしくて少し深く帽子をかぶった。
魔理沙「せんべい………湿気てるなぁ」
居間らしきところに入るとちゃぶ台の上にせんべいが置いてあった。当然食べはしないが、湿気ているので少しがっかりした。
萃香「おーい魔理沙!! 酒があったさーけー」
萃香がぶんぶんと酒瓶を二本振り回しながら駆け込んできた。どこにいったのかと思っていたがどうやら台所?に行っていたらしい。
魔理沙「他にはなにかあったのか?」
萃香「んー? 野菜とかあったよ」
やっぱり誰か住んでいるのか。
魔理沙「ってそれなら酒とっちゃいけないだろ」
萃香「いや、だからいないって。埃溜まってるし」
魔理沙「うーん。でもなぁ」
近くにあった棚の上を擦ると指先がまっ黒になった。たしかに埃は積もっていたがずぼらな性格って可能性も
萃香「掃除してないだけじゃこの積もり方はしないよ」
私の頭の中を見透かしたかのように萃香がそう答える。人がいるかいないかでほこりの積もり方が変わるとは知らないから萃香が酒飲みたいがために嘘をついている…いや萃香に限ってそれはないか。嘘が大嫌いだもんな。
魔理沙「本当に誰も住んでないのか?」
萃香「だからそういってるじゃんよー」
萃香「お茶入ったよぅ」
萃香が急須にお茶を入れて持ってきた。二つの湯呑と共に。
魔理沙「ありがとよ」
数時間ここで過ごしてわかったことはやたらと居心地が良いということだ。
ここで暮らしてもいいと思うぐらいに。
萃香「なんなんだろうねぇここ」
魔理沙「さぁなー」
過ごして数時間謎は解けず、もうどうでもいいかと思い始めていた。
どうでもよくはないのだが、なぜかここで寝たことが当たり前かのように感じる。
魔理沙「宴会、するのか?」
萃香「するよー。レミリアとか紫とか、ここなら大勢呼べるからねぇ」
魔理沙「だな」
酒はこっちで用意して肴は向こうで用意してもらおう。
それにしても久しぶりの宴会だ。
………? あれ、前の宴会はどこでやったっけな。
魔理沙「んじゃ私は他の部屋も行ってみるぜ」
萃香「荒らしてきなー」
人聞きが悪い、と言いたかったが行動的に間違っていない。
勝手に上がってお茶飲んで酒飲んで
ぬらりひょんって名乗ったほうがいいかな?
いや、名乗らないけども。
縁側を伝い他の部屋を目指す。
適当な部屋を開けると箪笥やちゃぶ台などがあった。それにしてもここも生活感があるな。
古今冒険者は人の家の箪笥を漁るものだと聞いたことがあるので箪笥を上から順に開けていく。
一番上………冬物の厚手の上着。
二番目………リボンなどの小物
三番目………さらしと、下着?
四番目
魔理沙「これは、巫女服?」
そう口に出したが全然巫女服に見えない。赤と白だが形は巫女服とは思えない。それに袖と服が別になっている。
それなのに頭の中でこれは巫女服だという確信があった。
ここが神社だからではない。
たしか私はこれをどこかで
魔理沙「ハクレイレイム」
幻覚でみたさっきの少女がこれを着ていた。
違うそれだけじゃない
私は少女のことを絶対知っている。
だが
誰だ
なんで私は
知っている
わからない。
頭を掻きむしってみるが答えは都合よく転がり出てはこない。
なにか気持ち悪い。嗚咽とは違う気持ち悪さが私を襲う。
わからないことがわからない気持ち悪さが頭を強く揺さぶった。
握りしめた巫女服にしわが走る。
そこではっとなりしわになった服を延ばした。
これはここに置いておこう。なぜだかそのほうがいい気がした。
居間へと戻ると萃香が湯呑に酒を注いで飲んでいた。
萃香「おーう。何かあったかいー?」
魔理沙「別に」
座布団をもってきて座る。
座布団は綿が少なくお世辞にも座り心地が良いとは言えなかった。
魔理沙「なぁ萃香」
萃香「なんだい?」
魔理沙「ハクレイレイムって知ってるか?」
萃香「ハクレイレイム? なんだいそれ」
帰ってきた返答は予想通り。
魔理沙「だよな」
萃香「だから何なんだいハクレイレイムって」
魔理沙「私も良くわかんねぇよ」
萃香「んー?」
萃香が不思議そうな顔で見てくる。その顔に私は何も返せず、萃香の酒を一気に飲み干した。
おいおいwさっき人間が飲むもんじゃないとか言ってたろw
萃香「そんじゃねーい」
やることもないので家へ戻ると萃香に伝える。萃香はまだここにいると言っていたがまさか住み着く気だろうか。
最後は畳の上でごろごろしていたしその可能性はあるかもしれない。
私は助走をつけ空へと飛びあがり箒に跨った。
箒に魔力を込めると特製の箒が星の魔力を放ち速度を上げる。
香霖が作ったこの箒は私の魔力を介して星の力をはき出して空を飛ぶ。
時折飛び出す小さな星は香霖には内緒だけど少しお気に入りだったりする。
魔理沙「そうだ。香霖だ」
あの変な知識人ならば知っているかもしれない。
私はなぜあそこで寝ていたという謎は捨て、ハクレイレイムについて調べてみようと決めた。
>>202
神社の酒です
香霖「………今日も雨か。なんだか最近雨か曇りが多くてじめじめしてるね」
香霖堂に降り立つと入口で香霖が空を見上げながらぼやいていた。
香霖「君には良い天気かもしれないけどね」
魔理沙「じめじめしたのは好きだけど、別に晴れが嫌いってわけじゃないぜ。でもさっきまでは晴れてたんだけどな」
香霖「そうなのかい? ここはずっと雨だけど」
私が魔法の森の近くに来たらへんから雲行きが怪しくなった。
もう梅雨はあけているはずなのになぜか今年は天気があまり良くない。晴れたと思えばすぐに土砂降りになったりする。
香霖「着替えならあるよ」
魔理沙「それは助かる」
下着までは濡れていないがスカートが雨を吸い重い。今すぐ脱ぎ捨てたいがさすがに香霖がいる前ではそんなことはできない。
香霖「今日は君が好むような商品はないよ」
魔理沙「別に見に来たわけじゃない」
香霖「冷やかしかい?」
魔理沙「聞きたいことがあるんだよ」
そう言うと香霖は珍しいものを見たとでも言いたげな顔をしていた。
魔理沙「なんだ、文句でもあるのか?」
香霖「いや、なんでもないよ。着替えを持ってくるから待っていてくれ」
奥に引っ込んでいった香霖を睨みつける。私だって香霖の話を聞く時だってあるんだ。たまには。
香霖「ごめん、なかったよ。代わりにこれでも来ててくれ」
魔理沙「! おい、なんで香霖がそれ持ってるんだよ!!」
香霖が持ってきたのは先ほどの巫女服によく似た服。少し装飾は違ったりするがそれでもあの形の服がそうそうあるとは思えない。
香霖「何でって、これはうちの商品だからだけど」
魔理沙「お前が作ったのか?」
香霖「いや、もらったのを修繕したんだけど」
魔理沙「誰だ、誰からもらった!!」
香霖「誰って………そんなの覚えてないよ」
いきなり詰め寄った私に香霖が驚きながら答える。
しかしその覚えていないという答えに私は脱力してうなだれた。それでも手がかりにはなりそうだ。
魔理沙「その服って、へくちっ」
香霖「まず先にお風呂に入ったらどうだい? かわいいくしゃみが止まらなくなるよ」
魔理沙「うるさいっ。行ってくる!」
香霖「よく温まりなよ」
風呂から上がるとさっきの服が用意してあった。
いつもの服と違い肩がでているので違和感を感じる。
魔理沙「似合わねぇなぁ」
鏡を見ると白と赤の衣装を着た金髪の娘。つまり私が写っていた。
せめて髪が黒だったら似合うのかも知れない。しかし他に着るものもないのだから仕方がない。
諦めて店に戻ると香霖がお茶を用意して待っていた。
香霖「やっぱりあまり似合わないね」
魔理沙「自分でもわかってるよ」
香霖「それで何を聞きたいんだい?」
魔理沙「ハクレイレイムって知ってるか?」
香霖「ハクレイレイムというと噂の?」
魔理沙「あの噂のだ」
香霖もこの噂を知っていた。どうやら人間の里だけではなく広範囲まで広まっているようだ。もしかしたら地底まで伝わっているのかもしれない。
香霖「僕が知っているのは噂だけだよ」
魔理沙「あの服はハクレイレイムの物だろう?」
香霖「! そういえばそうだね。噂に聞いたとおりの」
魔理沙「私は見たんだ。あれは間違いなくハクレイレイムのものだ。あれは本当に噂なのか?」
香霖「ハクレイレイムを知った誰かが作っただけかも知れないよ」
魔理沙「私はあの衣装を他に知っているんだよ。噂だけでここまでそっくりなものは多分作れない」
香霖「製作者が一緒なだけじゃないのかい? 製作者もハクレイレイムを見たんだろう」
魔理沙「………かもしれない。だけど私はハクレイレイムが何かを知りたいんだ。
魔理沙「自分でも不思議なくらい私はハクレイレイムを知りたい。なぜだか知らなきゃいけない、そんな気がするんだ」
香霖「………残念だけど僕は力になれそうにない。思い出せないんだ、誰がそれを持ってきたかが」
香霖が頭を押さえて静かに言う。
香霖「魔理沙。もしかしてこれは」
魔理沙「異変じゃない」
香霖「………そうか。君が言うならそうなのかもしれないね。唯一の異変解決のスペシャリストである君が言うのなら」
魔理沙「まだ何も被害が起きてないし、目的もわからない。あとは勘だよ」
香霖「もう帰るかい?」
魔理沙「帰りはしないけどどこか回ってくる」
香霖「ならこれを着ていくといい」
香霖が合羽を手渡してくる。少々ごついが弾幕ごっこをするわけでもないので何も問題はない。
ありがたく来て外に出る。雨は少し弱くなり霧雨になっていた。
細かな水滴が箒を持つ手に纏わりつく。合羽を着ていなかったら、またすぐに濡れてしまっていただろう。
小さく手を振る香霖に手をふりかえし木よりほんの少し高く飛ぶ。
空はいまだ薄暗く重い。切れ間のない雨雲に少し憂鬱さを覚えた。
魔理沙「ん、あれは」
暗いだけの空よりは色々な形の木を見たほうがましだ。そう思って森を見ていると妙な集団を見つけた。
同じ顔の妖怪が何十人もいる。もしかすると百を超えているかもしれない。
狸の宴会だろうか………にしては雰囲気は明るくない。
じろり
何十もの瞳が一気に私を見た。
背筋を虫がつたったかのような嫌なぞくりとした寒気が走る。
なんだかよくわからないがここを離れたほうがよさそうだ。そう判断して速度を上げた。
森を抜けると不思議と雨が止んでいた。
雲があまりない青い空。不思議なほどに晴れていた。
魔理沙「局地的な、雨?」
振り返ると魔法の森だけにかかる雨雲。
確実に人為的なものだとは思うが今のところはどうでもいい。これが幻想郷を覆えばそうも言えなくなるが。
噂を聞くならば人間の里だろう。しかし行ってもおそらく収穫を得られるとは思わない。いや、阿求がいるか。
そうそう会いに行ける場所でもないが
紫「はぁい」
魔理沙「!」
知り合いの声が聞こえて急ブレーキをかける。出してた速度の分だけ衝撃がかかり態勢を崩しそうになる。
魔理沙「紫、どうしたんだ?」
紫「うふふ。困っているあなたが見えたから」
ジロジロとした視線が除く不気味なスキマから上半身だけをだして紫が女の私がどきっとするほど妖艶に微笑んでいた。私はいつかあの色気が出せるようになるのだろうか。
魔理沙「お優しいこって。で何か知ってるのか?」
紫「今のあなたを見ればね。ハクレイレイムについてでしょう?」
紫のスキマを使い人間の里の茶屋へと私たちは降り立った。
魔理沙「で、ハクレイレイムってなんだよ」
紫「それは当たり前の事よ。あ、お団子2つ」
魔理沙「もう少しわかるように話してくれ。賢者様の言葉は理解不能だ」
紫「レイムはどこにでもいる。幻想郷が続き、そこに生物がいる限り」
魔理沙「だからもう少しわかり易い」
紫「極端に言えばあなたの事よ」
魔理沙「私は魔理沙だ」
紫「そうね。んーおいし♪」
私は生まれてこの方霧雨 魔理沙以外の何者にもなったつもりはない。だから私がハクレイレイムではないことは私が一番知っている。
魔理沙「簡単に答えを教えてくれ、私にわかる言葉で」
紫「言ったでしょ。一番あなたがレイムに近いの」
聞き返そうとしたが、まばたきの瞬間に紫の姿は消えていた。
店員「あの、お連れ様のお代を」
魔理沙「………紫め」
意味ありげなことだけ言って去った紫の情報は今のところ使えそうにない。
魔理沙「阿求のところに行こうかな」
結局頼るのは知識人。それに阿求が知らなくても稗田家の蔵書があればなんとかなるかもしれない。
魔理沙「入れてくれるかは別だけどさ」
私は人間の里だとあまり肩身が広くない。半ば決別するような形で大商人である親の家を出たからだ。
今の服装だと私を私と認識する人はあまり多くないだろうが。
そのかわりやけに目立つ。当たり前だろうが好奇の目が私を貫く。
なんだか今日はやけに見られる日だな。
早苗「あ、魔理沙さーん?」
魔理沙「疑問形なら大声で呼ぶんじゃないぜ」
そんな好奇の視線のなかから一人の少女が近づいてきた。今の私の恰好に似ている、外から来た巫女。東風谷 早苗だった。
早苗「魔理沙さんも巫女デビューですか?」
魔理沙「そんな気楽に巫女って慣れるものなのかよ」
早苗「ここは常識に囚われませんからね!」
魔理沙「残念だが別に巫女になったわけじゃない。服を借りただけだ」
早苗「へ? 誰かほかに巫女がいるんですか?」
魔理沙「その巫女を探しているんだよ。ハクレイレイムって知ってるか?」
早苗「はい! 私も乙女ですから噂話は大好きですよ。って魔理沙さんまさか本当にハクレイレイムがいるって信じてるんですかー? ぷぷぷー」
魔理沙「うぜぇ。いるんだよ。紫に聞いたし、集めた情報の結果私の答えはいる、だ。でもそれがなんだかが分からない」
早苗「いるんですか!?」
魔理沙「目を輝かせるな、とにかく私はハクレイレイムに振り回されている最中なのさ。だから忙しい。じゃあな」
早苗「お供します!」
魔理沙「………はぁ?」
早苗が元気よく手を上げ、求めてもない立候補をする。
魔理沙「残念だけど私はきび団子なんて持ち合わせてない」
早苗「都市伝説調査って憧れるじゃないですか」
魔理沙「………まぁ人手は多いほうがありがたいけどさぁ。わかった力を貸してくれ早苗」
早苗「頼まれましたー! 不肖東風谷早苗、謎究明のため尽力させていただきますよ!」
魔理沙「お邪魔するぜ」
早苗「お邪魔しまーす」
稗田家の塀を飛び越え広い庭を箒に乗って駆ける。途中家政婦が止めようとしてきたが無視をして阿求の部屋を目指した。
魔理沙「たしかここか」
記憶の中に残るほとんど忘れかけの記憶を何とか読んで阿求の部屋の前で止まる。耳を澄ますとさらさらと何かを書くような音が聞こえたからおそらくここだろう。
魔理沙「阿求」
阿求「ひゃうっ!?」
突然の来訪者に阿求は驚いたらしく背筋をまっすぐに延ばして固まっていた。
阿求「あっ! 文字が!!」
数秒で我に返った阿求が何かを書いていた紙に思いっきり筆で斜めに線をいれていたのに気付いた。
阿求「ひどいですよ魔理沙さんっ」
魔理沙「勝手に驚いたのはそっちだ。私は悪くない」
早苗「せめて謝りましょうよ」
魔理沙「冗談だ。すまん、阿求」
阿求「い、いえ幸いまだ最初でしたから」
阿求「それで何か御用ですか?」
魔理沙「ハクレイレイムについて知りたい。知ってるか?」
阿求「ハクレイレイムってあの噂の。あ、だからそんな恰好をしてるんですね」
魔理沙「それは偶然だ。で結局阿求の認識は噂止まりか。今現在皆が知っているような噂以外でハクレイレイムについて知らないか?」
阿求「えーと待ってください………なんだかハクレイの名を持つ神社があったようななかったような」
阿求にしては珍しく………いや初めて見る。忘れることのないはずの阿求が覚えているかどうかが分からない姿なんて。
阿求「もしかして私の妄想だったりするかも知れないんですけど幻想郷にハクレイ神社っていう神社が」
魔理沙「あそこか」
私が寝ていた神社。ハクレイレイムの衣装があったのだからおそらくハクレイに関係があるはずだ。
魔理沙「また蔵書を見に来るかもしれん。その時はよろしくな。それじゃ」
早苗「え、ちょっと、待ってくださいよ魔理沙さぁんっ」
阿求「あ、お茶いれたんですけど………まぁいいか」
一度戻ってみたほうがいいだろう。あそこが本当にハクレイレイムに関係があるというのならば徹底的に探したほうがいいだろう。
魔理沙「ハクレイレイムは“いる”んだよ?」
あっきゅん「嘘だっ!」
…カナカナカナ…
魔理沙「これ、なのか?」
神社に戻って、鳥居に書かれてある文字を見ると、博と麗の文字。
ハクレイとは読めるが
早苗「ま、魔理沙さん速いですよぅ」
後ろから遅れて早苗がやってきた。そういえばすっかり忘れていた。
早苗「ここ、ですか?」
隣に並んだ早苗が同じように鳥居を見上げる。
早苗「案外こじんまりとした神社ですねぇ」
魔理沙「お前のところが大きいだけだろ。いや、知らないけど」
幻想郷にあるのは早苗が巫女をし、二柱の神が祀られている守矢神社だけだった。だからそれが一応幻想郷での基準ということになる。しかし外の世界にはもしかすると守矢神社よりも大きな神社がいくつもあるかもしれない。逆もまたありえる。
早苗「うーん………えぇっと?」
早苗が首をかしげる。両手で頭を押さえ、悩みを表現しているのでとりあえず何を悩んでいるのかを聞いてみる。
早苗「ここ神様はいないんですよ。でも神様がいないにしてはおかしなほどに清浄なんですよね」
巫女じゃないのでよくわからないが早苗が言うのならそうなのだろう。
やはりこの場所は何かがおかしい。
魔理沙「とりあえずこれがハクレイ神社だとするならハクレイレイムはここの巫女なんだろうな」
早苗「ですね。ってことは本当にハクレイレイムは本当にいるのでしょうか」
魔理沙「偶然って言葉で片付けるのはいくらなんでも無理だ」
現れた神社に広まった噂。両方に共通点―――ハクレイの名を冠すのなら関係がないとはいえないだろう。
このままここを中心に探していけば謎が解けるのだろうか。そんなことを考えているとやたらと間延びした声が聞こえた。
早苗「この声は、萃香さん?」
萃香「丁度良いところに来たねぇー」
声の方向に早苗が振り向くと同時に早苗の手が掴まれる。どうやらその言葉は私に向けられたものではないらしい。
萃香「明日宴会開くんだけど、料理を作ってくれないかい」
早苗「え、えぇ!?」
萃香が驚く早苗をずるずると引っ張りながら連れていく。さすが鬼の行動力と感心していると早苗が助けてほしそうな目で見てきた。
萃香「風の噂じゃああんたは外の世界の料理が作れるだろう?」
早苗「で、ですけど」
魔理沙「宴会って、また急だな」
萃香「善は急げさ。もう天狗に頼んで招待状はばら撒いてもらったからね。来るかどうかは分からないけどさ。魔理沙にももちろん手伝ってもらうよ」
魔理沙「おいおい、強引だな」
萃香「ハクレイレイムについて調べたいなら宴会はうってつけだろう?」
魔理沙「………なるほど。ってことだからあきらめてくれ早苗」
私にメリットが出来てしまったからには早苗を助けようとは思わない。そんなぁという哀しげな声を無視して私は宴会の準備に取り掛かった。
魔理沙「ふぅ、こんなものか」
大部屋の飾りつけを簡単にする。こんなことをしなくてもやつらは花より団子だから必要なかったりするのだが、それでもないと寂しいなと思う。
途中時間がかかるものの下ごしらえをしている早苗が「ふぇ~ん」と泣いていたが私は気にしなかった。
そういえばあの時に萃香を見なかったがどこにいるのだろうか。
霧になってどこかに消えたのだろうか。いや、さすがにそれはないか。おそらく何か準備でもしているか?
魔理沙「ちょっと探しに行ってみるか」
飾りつけの邪魔になるので脱いでいた帽子を深くかぶり外へ出る。朝はまぶしかった日差しに少し陰りがでていた。
魔理沙「何やってるんだ?」
萃香はすぐに見つかった。開いてなかった蔵の扉が開いていたからだ。
萃香は私よりも小さな体を物の山に突っ込んでいた。小さな尻をふりふりと揺らし何かを探している。
萃香「んぅ? あぁ、魔理沙いたんだね。たーだなんかないかなーって思ってねぇ」
そりゃあこれだけ大きな蔵だ。何かはあるだろうが。
さすがに魔術書の類はないと思うが巫術の本ならあるだろうか。
それはそれで興味があるので私も物の山を漁り始める。
蔵の中には盃なんかの日常品があったかと思うと、神具の類もありごちゃごちゃしている。
魔理沙「よっぽどここの持ち主はいい加減な性格なんだろうな」
萃香「魔理沙の部屋も似たようなもんじゃないかい?」
魔理沙「あれはあれで機能的なんだよ。っていうかなんで私の部屋を知ってるんだ」
萃香「私はどこにでもいるのさ~♪」
魔理沙「覗きはやめろよな」
私生活を覗かれたことに対する少しの不満はあるが、見られて困る事は特にしてない。ただ人を招けるような家ではないが。
魔理沙「ん、これは」
鍵のついた箱を見つけた。大きさはある程度大きい。水晶玉ぐらいなら軽く入る大きさだ。
わざわざ鍵をつけているってことはなんか良いものが入ってるのだろう。
気になる。
魔理沙「なぁ萃香。これ開けてくれないか?」
反対側にいる萃香を呼ぶと萃香は間延びした声で答えながら頭を上げた。
萃香「ちょーっとまってねぇー」
雑多なこの場所はもちろん歩きにくい。なので萃香は体を霧に変えてこっちまでやってきた。
萃香「なんだい?」
魔理沙「これ、開けてくれないか?」
鍵のついた箱を渡す。萃香は首を傾げながら鍵に手を伸ばした。
萃香「あつっ」
萃香が触った瞬間バチンと火花が散り萃香の手が弾かれた。
魔理沙「大丈夫か?」
萃香「あいたた。何か封印してるみたいだねぇ」
弾かれた指を擦りながら萃香がそう言う。
結界………私が触ったときに何も起きなかったということは妖怪だけを拒絶する結界だろうか。
ならば鍵を探さなければいけないのか。
魔理沙「めんどうだなぁ」
この山の中にあるのだろうかと考えるとあまりにも面倒くさい。大きなものならまだし小さな鍵だ。私の力でも開けることできないかなぁと思いながら箱を引っ張ってみた。
魔理沙「あれ?」
ガチャリと鍵が外れる音がして箱が開いた。もちろん鍵は刺していない。
魔理沙「これ、なんだ?」
白が半分、黒が半分。それらが混じり合った玉。簡単に言うと太極図模様の玉があった。
萃香「なんだか強い力を持ってるみたいだね」
魔理沙「マジックアイテムなのか?」
それなら蒐集家としての血が騒ぐのだが。
持ち帰ってもいいだろうか。どうせ家主はいないのだから。
萃香「個人的に好きじゃないね。妖怪でそれが好きなやつはあんまりいないんじゃないかなぁ。しまっておくのが一番だと思うんだけど」
と萃香は言っている。どうやら対妖怪用のマジックアイテムのようだ。
魔理沙「………異変解決の時に使えそうだから持ってくよ。使い方は知らないけど」
萃香「まぁいいけどさ。私に近づけないでねぇ」
魔理沙「わかってるよ」
玉を袖の中にしまう。ある程度ずっしりした重さがある玉は不思議な事にほとんど重さを感じさせず袖の中に納まった。
特にそれ以外目ぼしいものは見つからず日も傾いてきたので諦めて家の中に戻った。
早苗はまだ仕込みをしていた。明日は何十人も来るのだから量がかなり多い。少し手伝ってやれば良かったかなと思ったが、料理なんてついぞしたこともないので止めておいた。
私にできるのは薬作りと風呂焚きぐらいだ。
魔理沙「お疲れだな」
早苗「くたくたですよぅ。今日はここに泊まっていきましょうか」
魔理沙「よくこんなよくわからない場所に泊まろうと思うな」
なんて知らないうちに寝ていた私が言えることじゃあないけどな。
魔理沙「それにあの二人が心配するぞ」
早苗「そうですね………。うぅ、腕が痛い」
しくしくと口で言いながら早苗が恨めしそうにこっちを見てくる。
魔理沙「こっちみんな」
早苗「送ってってくれてもいいんですよ?」
魔理沙「はいはい。分かった分かった」
早苗「やった」
仕方ないので早苗を箒の後ろに乗せる。腰に早苗が腕を回してしがみついてきたが、早苗のほうが身長が高いのでなんだか不恰好で安定しない。
飛べないことはないだろうが、あまりスピードは出せないな。
早苗「無限の彼方へさぁいきますよ!」
魔理沙「なんだそれ」
早苗「私の好きな映画です」
映画? なんだそれ。
外の知識はほとんどもっていないからたまに早苗の話が分からなくなる。お願いだから幻想郷の知識で話してくれ。
魔理沙「行くぞ」
軽く地面を蹴ると箒は重力を失ったようにふわりと浮きあがる。一人前の魔法使いは箒なしでも飛べるのだが残念ながら私は箒がないとバランスを保つことが出来ない。アリスやパチュリーほどにはまだ魔力制御に慣れていない。それはなんとか異変を解決するため安定より威力を取ったからだ。
でも結局のところいつまで経っても私は普通なのだなと少し落ち込んだ。
早苗「遅くないですか?」
魔理沙「落下していいんなら飛ばすが」
早苗「安全運転って大事ですよね」
調子の良い早苗の話に適当に相槌を打ちながら妖怪の山に向かって飛んでいく。
そういえば早苗たちが来る前は妖怪の山に近づいただけで天狗がわんさか来たな。
今は規定のルートを外れなかったら天狗に襲われることもない。守矢の二柱が妖怪の山の天魔と交渉してそういうことになった。
将来ロープウェイという麓から神社まで移動できる乗り物ができるらしいということをにとりから聞いた事があるが利用することはおそらくないだろう。
なんだか最近、時代がどんどん進んで行ってるような気がする。
もしかしたら魔法なんてものは過去の遺物になってしまうのだろうか。
いや、さすがにそんなことはないだろう。早苗やにとりのいう科学とやらでマスタースパークに匹敵する威力を持つ武器なんてできないだろうからな。
↑270
早苗「遅くないですか?」
魔理沙「何が?」
早苗「更新速度。」
1 「内容がクズになっていいんなら飛ばすが。」
早苗「書き溜めって大事ですよね」
妖怪の山。それは大昔には別の名前で呼ばれていたらしいが興味はない。それにそれを知ったところで私にとって話のネタにすりゃならしない。
早苗「なんだか風が騒いでますね。何かあったんでしょうか」
頭一つ分上から早苗の声が聞こえる。たしかに今はふつうに比べて風は強いが。
魔理沙「なんだそれ」
早苗「ふふんっ、風祝の巫女ですからね。風のうわさぐらいわかるんですよ」
魔理沙「で、その風のうわさってなんだよ」
早苗「んー。なんか変なものが幻想郷に入ってきましたかね」
魔理沙「変なものなら現在進行形で関わってるよ」
早苗「いえ、そうではなく………まぁ紫さんがいますし大丈夫でしょう」
たしかに。外から流れてきたものの処理は紫の仕事だからな。
何かあったとしても大抵は私たちの耳にすら入りはしない。全てひっそりと終わる。
だから幻想郷は見た目上は平和なのだ。全てを統計すると0になるから。
妖怪の山を駆けのぼり、地上に比べて空気が薄いかなと思うところに守矢神社はある。
幻想郷に神社を持ってきたのなら引っ越しは出来ないのだろうか。妖怪はともかく人間が来ることは難しいだろう。
早苗「ただいま戻りました!」
早苗が箒から飛び降り着地する。その際の衝撃で態勢を崩したが何とか私も着陸した。
諏訪子「ん? あぁ、誰かと思ったら魔理沙かぁ」
早苗「魔理沙さんも巫女デビューです」
魔理沙「嘘を教えるな。今はなんだかんだでこの服着てるんだよ」
諏訪子「………………」
諏訪子が私をじっと見つめて、いや私じゃない。視線は私に向けられているが見ているのは
諏訪子「まぁいっか」
諏訪子が興味を失ったらしくクルリと神社に戻っていく。
早苗「あ、魔理沙さんまた明日ー」
魔理沙「おう、また明日」
二人並んで神社に戻っていく。それを見送りながらさっきの視線の理由を考えていた。
巫女服についてだろうか。それが一番可能性としてはある。しかし視線は少し外れていたように思える。
………あの玉?
萃香が触れないほどの強力な力を持った陰陽図の形をした玉。
神社の神様だし何かを感じたのだろうか。
神社に戻ったころにはすでに日は沈み数メートル先を見ることも難しいほどに暗かった。
魔理沙「曇りだな。明日は雨降らないといいが」
降ってもおそらく連中は来るだろうが。
魔理沙「っていい加減これ着替えないとな」
いつもの私とは遠く離れたこの姿を他の奴らに見られると何言われるかわからない。もうすでに何人かには見られているがこれ以上この姿を広めたくはない。
魔理沙「あれ………ない。どこにもない」
服がない。確か神社においてたはずなんだが。いい加減これを着替えたい。汗だってかいてるしな。
魔理沙「香霖堂に忘れたか?」
記憶の中をいくら探しても服が見つからない。
もちろん現実をいくら探してもだ。
魔理沙「嘘だろぉ………」
肩を落として落ち込む。家に帰れば着替えはあるだろうが今から帰ろうと思えるほど元気は残っていない。
結果として私が取れる行動は、他のこの巫女服を着ることだった。
魔理沙「ふへぇ~ 一日の疲れが取れるな、こりゃ」」
着替えを見つけた後、私は温泉に浸かっていた。
神社から少し離れた場所に立派な温泉があったからだ。
露天風呂だが仕切りも脱衣場もある。
本当いったい誰が作ったんだろうか。
魔理沙「まぁ、いっか」
その誰かのおかげで今私は温泉に浸かれている。感謝することはあれど恨むことはない。
魔理沙「出たら、もう寝よう」
温泉により心地よい疲れが私を襲う。
今日はこのまま布団に入ってねm
紫「はぁい♪」
いきなり紫が現れた。しかもご丁寧なことに髪を上げて温泉に浸かっている。
魔理沙「な、いきなりなんだよ」
紫「良いお湯があるから来たのよ」
魔理沙「嘘だろ」
私がそういうと紫はわざとらしくよよよと言いながら悲しんでいた。もちろん涙は出ていない。
紫「仕方ないわねぇ、本当の話をしましょうか」
魔理沙「あぁ、ぜひともそうしてくれ」
紫「外の世界から変なものが入り込んできたわよ」
そういえば早苗もそんなことを言っていたな。あれは本当だったのか。
魔理沙「それをどうにかするのが紫の仕事だろ」
紫「私は今忙しくてね、ちょっとやらなきゃいけないことと確かめたいことがあって忙しいの」
魔理沙「私にやれって言ってるのか?」
紫「うふふ」
わざとらしく紫が微笑む。こいつはどんな行動をとってもわざとらしいな。
しかし断るわけにもいかず断れるわけもない。とりあえず私は厄日だと小さくつぶやいてお湯の中に顔をつけた。
お湯から顔を上げると紫の姿は消えていた。温まらないと湯冷めするのにな。まぁあいつが風邪を引いたところで私に関係はない。そもそも風邪をひくのか?
さっきまであった心地よい疲れが紫が来たことにより泥のように重くなる。
私は首までお湯につけ、星空を見上げた。
空は満月も星の光もなく曇天。
今にもぽつりぽつりと降り出しそうだ。
そうなる前に上がらなければ風呂に入ったというのに濡れてしまう。
私はお湯から出ると急いで脱衣場へ駆け込んだ。
着替え離れの中の部屋に戻る。
明日早く起きて着替えを取りに行こう。
魔理沙「ふわぁ………」
それにしても酷く眠い。
魔理沙「さっさと寝るか。なぁ□□□布団引いてくれ」
………あれ、今なんか変なこと言った気が。
まぁいいや、さっさと寝よう。
押入れから布団を出し、適当に敷くと私はそこに飛び込むようにして横になった。
そのまま意識がずっと下へ落ちていく。深く深くどこまでも下に向かって意識が落ちていく。
疲れが私の意識の足を引っ張り、目をつぶってすぐ私は眠ってしまっていた。
竹、光、人形、夜、偽物の月、金色の髪、青い服。
私は今夢を見ている。
だけど見えない。
視覚情報が認識へと変化しない。一部分だけ景色が認識できない。
「さぁ!おわら―ザザッ――おしまい――ザザザッ」
聴覚もおかしい。言葉にノイズがかぶさって聞こえる。
アリス「追うわよ、魔理沙」
横にいるアリスが逃げたあれを追う。
私の意識と体はどうやら別に動いているらしく、私の体は飛ぶ速度をあげあれを追った。
夜を切り裂き飛ぶ光線、金平糖に魔力を込めた弾幕。いくらばら撒いても当たらない。
これは、永夜異変のあの時か。でもこんな戦い私はしていない。
夢だから現実の記憶が流れるわけではないということは理解している。
しかしそれでもこれは本当に頭の中で作った出来事なのだろうか。
アリス「危ない魔理沙!」
アリスの声で気が付く。目の前に飛んできた札が私の顔に―――
ドンッ
魔理沙「いったぁあああっ!!」
顔に衝撃。すごい鼻が痛い。
その衝撃で一気に目が覚める。しかし最悪の目覚めだ。
私の顔の上ではしゃぐ私より年上の少女をひっぺがし布団の上に座らせる。
フラン「おはよう魔理沙!」
魔理沙「おはよう」
私のひざの上でにっこにっこ笑っているフラン。どうやら今日もご機嫌なようでいいこった。
魔理沙「まったく、お前の子供はちゃんと礼儀正しいというのになんでお前は―――なんでお前いるんだ?」
フラン「宴会だよ!」
私はその言葉に飛び起きる。結果膝の上に座っていたフランが投げ出されたが楽しそうに笑っているから問題はなさそうだ。
それより宴会がもう始まっているのか!?
私は慌てて外に出て―――
アリス「あら、魔理沙ってその服」
寝間着が私には似合わない、襦袢だということに気付いた。
着替えるも、服は紅白の巫女服だけ。
結果他の奴らからはからかわれ、珍しいものを見る視線を頂戴した。
アリス「そういえば皆ここに集まったけどここは一体どこなの?」
そんなアリスの言葉に周囲の奴らがそういえばそうだと不思議そうな顔をする。
私に言われても困る。私が言えるのはここが博麗神社と言う名前の場所で、どうやらハクレイレイムに関係がありそうだということだけだ。
魔理沙「知らん」
だから私はこの答えしか返せなかった。しかしこの答えで納得がいかないらしく、パチュリーにはしつこく質問され、アリスには呆れたような口調で質問してきた。
しかし私が持っている答えはない。
魔理沙「なぁ、ハクレイレイムって知ってるか?」
何とか質問を流しながら、全員が口を閉じた一瞬の隙をついてそう切り出す。
元々この宴会に参加した理由はこれなんだ。聞かずに酔いつぶれるだけじゃなんの意味もない。
アリス「ハクレイレイム、ねぇ」
一番最初に話し出したアリスから手に入った話は私が知ってること
アリス「あと物凄い強いって聞いたことがあるわ」
という新しい情報だった。
物凄い強いってのは誰か戦ったことがあるんだろうか。その誰かは分からないがもしこれが本当ならやはりハクレイレイムは存在する。
パチュリー「ってハクレイレイムについて知りたいだなんて変なことを言うわね」
パチュリーがあんなの噂でしょと肩をすくめた。
レミリア「そうでもないかもしれないわよ。ハクレイレイムはもしかしたらいないかもしれない。でもハクレイレイムが生まれる過程は存在しているはずだ。噂ってのは口があり、言葉があり、耳に伝わってまた口から出る。その繰り返しは決して自然に発生するものじゃあないわ。ならなぜこの噂が生まれたのか。その理由は調べる価値があるんじゃないかしら?」
レミリアがワインを飲みながら珍しく優雅にそう言う。
パチュリーはその言葉に納得したらしく、「私も興味が出てきたわ」と頷いた。とにかくハクレイレイムについて調べてくれる仲間が増えるのは素直にうれしい。
魔理沙「他にはなにか………あ」
ぽつりと手の甲が一滴の液体によって濡れた。透明なそれはぽつりぽつりとどんどん空から降り注ぐ。
曇天の空は今にも降り出しそうから、実際に降り出したに変わった。
会話を中止して急いで宴会の場を外から中へと変更する。
全てのものを中に入れるころには雨は強く屋根を叩いていた。
レミ「どうしようかしら。これじゃ帰れないわ」
咲夜「申し訳ありませんお嬢様。今傘を取って参ります」
レミ「別にいいわ。いざとなれば泊まれるでしょ。この広さだし」
レミリアがざぁざぁと風情のない音を立てて降る雨を見ながらワインを少し飲んだ。
レミリアは吸血鬼だから流水は弱点だ。それは雨も例外ではない。
だがレミリアの言う通りいざとなれば泊まればいい。全員が入れるほど広いのだから帰れないことを心配する必要はない。
レミリアの妹のフランはありがたいことに私に懐いてくれている。飽きて暴れ出すことはないだろう。
問題は布団の数が足りないことだが、それに関してはアリスやレミリア達を除いて気にしない奴が大多数だ。いつも宴会で酔いつぶれてそのまま寝てしまう私もその大多数に含まれる。
魔理沙「ってことは今のところはなにも問題なしか」
フラン「なにがー?」
魔理沙「フランが私といて嫌じゃないなら何も問題はないってことだ」
フラン「嫌じゃないよ?」
魔理沙「そうか。ありがとうな」
勇儀「もう一本開けるぞー!」
ヤマメ「おー!」
と言いながら勇儀が酒樽のふたを叩き割る。そして酒樽の中の清酒を周りの奴らがこぞって升に注ぎ始めた。
魔理沙「元気なこった」
咲夜「あら、あなたはもう飲まないの?」
魔理沙「勘弁してくれ。私は普通の肝臓しか持ち合わせてないんだ」
咲夜「飲まないなら芸がルールじゃなかったかしら?」
魔理沙「それは誰かが決めたルールだろ。私は従わないぜ。あとは勝手にしてくれ」
それに今現在時刻はとっくに深夜だ。人間の時間ではない。そりゃあ夜更かしをしたりもするが、アルコールが相まって心地よい眠気が私を包む。
咲夜はおやすみと言ってレミリアの世話に戻った。
では思う存分眠らせて貰おう。
横になって目をつぶる。いつもの癖で帽子を顔に乗せ寝ようかと思ったが頭に触れてから帽子がないということに気付いた。
仕方ないので明かりを気にしないように眠ることに集中した。
周りの喧騒は止まない。
だけどそれは不思議と子守唄のように私の意識を眠りに導いた。
夢を見ている。
それは瞬時に理解した。
それはなぜかというと
「あいつらの酒好きには本当呆れるわ」
今私に向かって話している少女には顔がない。正確にいうと顔に白い靄がかかってのっぺらぼうのように見える。
魔理沙「っていっても人の身鬼と張り合えるほど飲んだ○○○もよっぽどのもんだと思うぜ」
私の口が勝手に動く。誰かの名前を呼んだように思えたが私の口からでたその言葉が何だったのかが分からない。
「巫女は酒と縁が深いのよ」
巫女………たしかに目の前にいる彼女の服は巫女服だ。赤と白を基調としているが、普通に巫女服ではなくアレンジされている。
魔理沙「だからって酒樽で一気飲み対決って、どこに入っていったんだ?」
「さぁ、今頃誰かさんの胃の中かしらね」
魔理沙「イカサマかよ」
「策と言ってほしいわね」
そんな事を言うと巫女服の少女はふふんと笑った。おそらく今得意げな顔をしているのだろう。
「で、魔理沙」
魔理沙「ん、なんだ?」
「問題よ」
巫女服の少女がぴんと指を立てる。私よりもずっと白く、綺麗なその指。
まさか夢の中で自分が少女らしくないことを自覚させられるとはな。
「私は誰だ」
魔理沙「え?」
その突然の言葉に私は思わず口を酸欠のようにぱくぱくと動かした。
―――口が動く。
さっきまで勝手にしゃべっていた口が私の意志で動くようになっていた。
この少女は誰か。
巫女服………巫女
魔理沙「ハクレイ………レイム」
「大正解。それじゃあ後はお願いね」
魔理沙「は? なにを――ごぼっ」
何をお願いされるのかを聞こうとするが、それは中断させられた。
ハクレイレイムの体がどろりと溶け、私の口の中に飛び込んでくる。
侵入する異物をはき出そうとするが、次から次へと流れ込んでくるそれを吐き出すことはできなかった。
浸食。
口から入ったそれは胃の中だけではなく。喉を逆流して鼻、鼻から目、そして脳。胃から血管、血管から全身。そして心臓。
私を余すことなく浸食する。
そして混じる。
私とハクレイレイムが。
中に侵入したそれは私との境界を越え、私になる。私がハクレイレイムになる。
そして私がダレかを捉えきれなくなり、自己を失ったワタシはどろりと融解し
魔理沙「っ!!!!!!」
悲鳴は大量に押し寄せその結果、悲鳴になりそこなった。
見開いた眼球がぐりぐりと部屋の中を見渡す。
どくどくと心臓が異常に活動する音が聞こえる。
荒い呼吸を深呼吸で抑えようとしたが、上手くいかない。
なんだ今のは。
悪夢ですべてを説明することはできる。
しかしあれは本当にただの夢か?
本当に私の頭が作り出しただけの映像なのか?
しかし皮膚の下を私じゃない何かが這いずり回るあの感触は今でも冷や汗混じりに思い出すことが出来る。
魔理沙「な、なんなんだよ」
思わずつぶやいたその言葉に返してくれる答えはなかった。
ただざぁざぁと雨の音と酔いつぶれた皆の寝息が聞こえるだけだった。
魔理沙「まだ雨が止まないのか」
レミ「みたいね」
龍神が機嫌を損ねているのだろうか。雨はざぁざぁと降り続け弱まる気配を見せない。
もしこのまま雨が降り続けたら河が氾濫し、人間の里に被害が出るだろう。住居にも水が浸水するかも知れない。
慧音「私は里に戻る」
魔理沙「たしか玄関に傘があるはずだから持っていくといい」
慧音「大丈夫なのか?」
魔理沙「あぁ、何も問題はない」
慧音「ではお言葉に甘えよう。ありがとう魔理沙」
魔理沙「どういたしまして」
慧音は帰って行った。人間の里が無事なのかは気になるが私にはどうしようもない。
そういえばにとりなら何とかなるなと思って聞いてみたのだが帰ってきた答えは出来るけど無理だそうだ。
にとり「だって川の流れが変わったところで川の水の量が変わるわけじゃないんだから結局どこかに被害が出るよ。それにこのまま振り続けたなら結局人間の里に被害が出るよ。出来ることは雨が止むのを願うくらいだね」
魔理沙「そうか」
結局できる事はなしか。
妖怪退治ならお手の物だが流石に天災はお手上げだ。
せめてこれが妖怪の仕業ならな。
レミ「昨日の宴会の続きでもする?」
魔理沙「勘弁してくれ」
早苗が作った昼食を食べて一息つく。
まだ雨は止んでいない。
が食糧が尽きたため買い出しに行かなければいけない。
魔理沙「そうだ、紫がいけばいいんじゃないのか?」
レミ「紫ならいつの間にか消えたわよ。式もね」
魔理沙「嘘だろ?」
部屋の中を見渡してみてもあの目立つ格好をした紫はどこにもいない。
スキマを使ってさっさと帰ったのだろうか。
これで雨に濡れず食糧を調達してくる奴はいなくなった。
魔理沙「………仕方ないか」
着替えはまだある。巫女服だが文句は言っていられない。
魔理沙「食べ物買ってくる」
私がそう言うと、連中から酒飲んで待ってるという返事が返ってきた。
薄情な奴らだなと、ため息をついた。
雨が服を濡らし気分を不快にさせる。
雨はやはり弱る気配を見せない。
それどころか強くなっているような気さえする。
魔理沙「さて、どこに買いに行くべきか」
人間の里に行けば食糧は手に入るが流石に全員分となると迷惑がかかる。
その前に私が持ち帰れない。
紫がいれば全部解決したんだけどな。
そういえばこうやって飛んでたら紫に出会ったんだったな。
魔理沙「私が一番近い、ねぇ」
一番私がレイムに近い………その意味は私がレイムの正体を知るのに一番近いかと思っていたが。
魔理沙「どうもあの夢を見た後じゃ違う意味にとれるんだよな」
ハクレイレイムと私が溶け合う夢。
私がレイムに一番近いっていうのは考えたくないが、私がレイムになりかけているという事だろうか。
魔理沙「いったい何だっていうんだよ」
その考えは驚くほど腑に落ちた。私の意志とは関係なく。
それにまだ問題は残っている。
幻想郷に何者かが紛れ込んだ。
誰かはまだわかっていない。
それを探さなければいけないんだが、誰か分からないうえにまだ害になると決まったわけじゃない。
まったく紫も無理難題を押し付けてきたものだ。
紫の能力だったら一発だろうに。
魔理沙「あー。最近運が本当無い。ツイてないぜ」
ため息をつく。幸せが逃げて行っているかもしれないが、元々無いに等しい幸せだ。惜しむ必要もない。
魔理沙「あー。もうすぐ人間の里か、どうするかは向こうで決めるかな」
人間の里に向かって急降下する。
適当に腹が膨れそうなものを買って帰ろう。乾物でもいいだろうか。文句を言いそうなのはレミリアだけだから別にいいか。
人間の里で食事というよりは肴と言った方が正しいようなものをずぶぬれになりながら買う。
これなら人間の里の住民の迷惑にならないだろう。
あとはフランのご機嫌取りに甘いものでも買って帰るか。
魔理沙「………ん?」
いつもの人間の里。雨だから少し人は少ないが、傘を指す人が忙しなく通りを歩いている。
雨が降ったら傘を指す。それは当たり前だ。そんな人が溢れる人間の里で傘を指さずに濡れる物好きは私ぐらいだと思ってたが他にいるとは。
じろりっ
魔理沙「あ」
見ていると視線が合ってしまった。そのやけに目力を感じる視線から思わず目をそらす。
私も悪いが絡まれないうちにさっさと帰ろう。
フラン「わーい! ありがとう魔理沙!!」
人間の里で買ってきた和菓子の袋をフランに見せると思いっきり私の胸に飛び込んできた。
倒れはしなかったが数歩後ろに下がりよろめいてしまった。
魔理沙「ウィルの分も買ってきたぞ」
ウィル「ありがとう。魔理沙」
レミ「私のは?」
魔理沙「ねぇよ」
不満を言うレミリアを軽くあしらい、買ってきたものを広げる。案の定不満が出たのはレミリアとアリスぐらいで後は酒のつまみだと言いながら食べた。
流石酒飲みが集う場所だなこりゃ。
軽く呆れながら干物を千切りながら食べる。
うん。肉も良いが魚もいい。
なんでふつうに焼いたのと干物だとこんなに味が違うんだろうな。
黙々と食べていると早苗が私の顔をのぞき込んでいた。
魔理沙「なんだ?」
早苗「いや、なんかちょっと魔理沙さんの様子が違って見えるなぁって」
魔理沙「? 別にどこも悪くないぜ?」
早苗「うーん。なんか違和感があるんですよねぇ? 髪でも切りました?」
魔理沙「切ってないことぐらい見ればわかるだろ。気のせいだ気のせい、私は―――」
私は私と言おうとして、夢の事を思いだしてしまった。
言葉をいきなり切った私を早苗は不思議そうな顔で見てきたので私は慌ててなんでもないと取り繕う。
もちろんそんな言葉で取り繕えるわけもなく早苗は一層不思議そうな顔で私を見てきた。がそれ以上は追及してこなかったのでありがたい。
もしかしたら巫女である早苗には何かわかるのだろうか。
諏訪子も何か気づいてたみたいだし不思議ではない。
私は思い切って早苗に聞いてみることにした。
魔理沙「なぁ早苗。私の中に違う誰かがいる―――かもしれないんだ」
早苗「?」
予想道理の表情。
魔理沙「いや、わすれて「あぁ。だから魔理沙さんからそんな雰囲気を感じたんですね」
早苗がぽんと手を叩いて納得する。
話が分からない私はうんうんと何度も頷く早苗に放置されながら軽く頬を掻いた。
魔理沙「雰囲気、ってなんだ?」
早苗「聖なるーとかそんな感じの雰囲気ですよ。私と一緒ですね!」
お前から聖なる雰囲気とか微塵も感じねぇよと言いそうになった口を押え、へぇ、と気の抜けた返事をする。
早苗「諏訪子様か加奈子様に聞けばもっと詳しくわかるかもしれませんよ」
魔理沙「そうか………どこにいるんだ?」
早苗「神社の方にいますよ。あ、守矢神社の方ですよ?」
魔理沙「来てなかったのか。気付かない私も私だけど。というかお前はここに来てて大丈夫なのか?」
早苗「許可は貰いましたから」
いいのかそれで。巫女が不在なのに。
魔理沙「………じゃあ行ってくるか」
早苗「いってらっしゃいませ!」
魔理沙「って早苗はついてこないのか」
早苗「濡れたくないです」
まさかの同行拒否を食らった私はこの服装でいいものかと迷いながらも着替えがないので紅白の巫女服で守矢神社に向かうことにした。
そういえば香霖から雨合羽借りてたなと思いだし、それを着る。やはり少々私には大きい。ただの雨合羽がローブのようになっていた。
やはりまだ雨は強い。いつになればやむのかと空を見上げても雲の切れ間一つない。
何度目か分からないため息をつく。
魔理沙「さっさと行くか」
いくら雨合羽を着ていても隙間から雨は入る。
服がまたずぶぬれになる前に守矢神社に着くとしよう。
速度をあげ、守矢神社に向かって飛ぶ。
雨が顔に当たって痛い。
何をやっても結局憂鬱になるのか。
魔理沙「やっと、着いた」
結局雨は痛いは服は少し濡れるわ悪いこと尽くしで憂鬱になりながら守矢神社に着いた。
諏訪子「魔理沙? あぁ、うん。魔理沙魔理沙」
鳥居を通って境内に着陸すると諏訪子が傘もささずに雨に濡れていた。
諏訪子は私の顔を見ると少し首を傾げ、そのあと何度も頷いた。
魔理沙「やっぱりなんか私変なのか?」
諏訪子「あ、気付いてたの?」
魔理沙「お前んとこの娘に言われた」
諏訪子「むふー。さすが早苗だね」
諏訪子は得意げな顔をし、再び強く頷いた。
諏訪子「それで、何が聞きたいの?」
魔理沙「私の中に混じってるのはハクレイレイム、なのか?」
諏訪子「それは分からないなー。でも結構力の強い巫女だね。まぁそれがハクレイレイムなんだろうけど」
諏訪子がケロケロと笑う。
私にとっては笑いごとじゃないというのに。
諏訪子「でも私にはどうしようもないね。こんなに深く結びついてるんじゃ剥がせない。それに見にくくてたまらない」
見にくい? あぁ、だから初め首を傾げたのか。
諏訪子「私みたいのにとっては魔理沙の姿がすごいぶれるんだよ。注意深く見ないと魔理沙だって分からない」
魔理沙「………結局どうしようもないのか」
諏訪子「諦めるしかないねー」
雨に濡れてここまで来たのに得たものは絶望だけ。
どうやら私は私の中に入り込んだハクレイレイムと仲良くこれから一生暮らさないといけないみたいだ。
私は私。
なんて言えなくなってきたな。
魔理沙「そうか。それじゃあ帰る。ありがとうな」
諏訪子「あ、魔理沙帰るんなら早苗に伝言をお願いできないかな」
魔理沙「なんだ?」
諏訪子「これから雨が降り続けるだろうから早めに帰っておいでってさ」
魔理沙「なんで振り続けるってわかるんだ?」
諏訪子「カエルに聞けば分かるよ」
魔理沙「流石カエルの神様だこって」
諏訪子「違うんだけど。まぁいいや。とにかく早苗によろしくね」
魔理沙「あいよ」
箒に跨り中に浮く。
鳥居を通るときに後ろを振り向いてみると諏訪子はじっと雨に打たれながら空を見つめていた。
早苗「お帰りなさい、魔理沙さん。魔理沙さん?」
濡れた合羽を早苗に渡すとそのまま宴会の部屋に入って倒れこむ。
早苗「どうしたんですか!? 魔理沙さん!?」
魔理沙「疲れた」
もしくは憑かれた。
とにかくも動きたくない。
魔理沙「あ、早苗。諏訪子がさっさと帰れだって」
早苗「諏訪子様がですか? わかりました」
魔理沙「それじゃあ私は寝る。あとは適当に騒いでいてくれ」
最近こうして疲れ、眠りに落ちることが多い。
疲れも心労も多い。
もっと普通で刺激的な日々を送りたいんだが、人生そう上手くいくもんじゃないということか。
掛け布団もかけず眠りに落ちる。
それから目が覚めても結局雨は止む気配を見せなかった。
ざぁざぁと降る雨の音に気が狂いそうだ。
いったいいつ止むのか。
二日後? 三日後?
魔理沙「二週間も降る雨があるかよ」
レミリア「そうね、止まないから困っちゃうわ」
すでに私とレミリアとフランと咲夜以外いなくなったこの場所で私はただただ雨を見続けていた。
雨を降らせるのは大抵が龍神様だ。だが二週間も降らせる理由が見当たらない。
幻想郷を洪水で滅ぼす、そんな神話の再現とも思えない。
なら妖怪の仕業か。
『えぇ、これは異変ね』
あぁ、そうだ異変だ
レミリア「あ、ちょっとどこ行くの!?」
魔理沙「異変解決」
外に出ると同時に箒で空へ駆け上がる。
雨の勢いが強くなったが気にしない。
さてこの広い幻想郷のどこに黒幕がいるのだろうか。
まぁ、適当に出会った妖怪をぶっ飛ばしていけばいつかはたどり着くだろう
今までもそうしてきた。
だからこれからもそうする。
雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨、雨
雨のせいでろくに妖怪に出会わない。
出会ったとしても土砂崩れが起きた山で救助を行っている妖怪ぐらいだ。黒幕ではない。
魔理沙『最近妙なことはあったかしら』
妙なこと………雨が降る前に何かあったか。もしくは雨が降っているときに。
ハクレイレイムは除外して、それ以外は
じろり
どこからか視線を感じて背筋がぞくりとした。
そうだ視線だ。
香霖堂の帰りにいたあの妖怪か?
証拠はないが、なぜかあれが黒幕だと直感で確信した。
どこに行けばいるのかは分からない。
しかしあの大人数で、飛び回っていればいつか出会う。
『そうそう、いつか出会うわよ』
そして出会って倒して終わり。
簡単な話だ。
ジロジロ
「巫女が来た」
「うまそうだ」
「うまそうだ」
私を見る視線。
魔理沙「妖怪から食料扱いされるのは久しぶりだな」
雨が一番強い場所、そこに奴らはいた。
同じ顔、同じ服装、同じ体型。
魔理沙「まるで金太郎飴だな、量産型雑魚か?」
「たわごとを」
「わたしの」
「餌となれ」
魔理沙「お前が私の糧になれ」
ミニ八卦炉を構えて魔力を注ぎ込む。
ぐつぐつと魔力が熱、単純にすべてを破壊するパワーへと変換される。
魔理沙「一撃必殺だ。恨むなよ」
軽い山ぐらいなら燃やし尽くすパワーに指向性を与える。
広範囲、高威力、パチュリーやアリスなんかと違って汎用性や応用性なんかはない。しかし威力だけは折り紙つきだ。
魔理沙「マスタースパークだ」
ミニ八卦炉から開放された魔力が相手を焼き尽くす。
これで雨が止めば良い。
もうもうと立ち込める煙にため息をつきながらそう思った。
魔理沙「やったか?」
「己、巫女め」
魔理沙「ちっ、面倒だな。そのまま倒れてくれればよかったのに」
「私は100人。100人は私」
「私の名前は百々目鬼」
「お前の血を貰うぞ、巫女」
魔理沙「あぁそうかい。私に勝てるなら勝って見ろよ」
100人の百々目鬼が襲い掛かってくる。
魔理沙「弾幕勝負は一対一だろ!!」
「知らぬ!」
魔理沙「ぐっ」
多勢に無勢。
いくら私が撃っても軽くかわされる。なんだこいつ、体中に目があるのか?
魔理沙「ちくしょうっ」
雨を吸い込み、重くなった服では思うように動けない。
「あはは、どうだっ」
魔理沙「接近戦は、嫌いだなっ!」
奴らの毛はまるで刃物のように鋭く。なんとか致命傷は避けてはいるが、表皮を斬られ、血が流れている。
魔理沙「コンティニューは出来そうにないな」
「大人しくあきらめろ!」
魔理沙『断るわっ!』
袖から陰陽玉が零れ落ちる。いや出てくる。
なんだこれ
魔理沙『夢境 二重結界』
陰陽玉から札があふれ出す。
実体があるのか実体がないのかは分からない。
札が私を取り囲み、周りの百々目鬼を押しのける。
「くっ」
魔理沙「………なんかよく分からんが、チャンスって奴か」
ミニ八卦炉に魔力をこめて、今度こそ一撃必殺
魔理沙『亜空穴』
ごとん
いきなり視界から百々目鬼達が消えたと思えば私の体はいつの間にか乾いた畳の上に転がっていた。
レミ「何事!? うわっ、濡れねずみな上に血だらけじゃない! 咲夜っ! 咲夜ーっ!!」
いきなり現れた私にレミリアが驚き、慌てて咲夜を呼んでいる。
畳が濡れ、シミが広がっていく。
駄目だ、頭が回らない。
何が起きたんだろうか。
咲夜「何があったのよ魔理沙」
魔理沙「………分からん」
ごろりと転がり仰向けになる。
ざぁざぁと、まだ雨は降っていた。
咲夜「出血は派手だけど傷は深くないわ」
レミ「………」
レミリアが手当てされている私をじっと見ている。
魔理沙「私の血。吸うなよ」
レミ「吸わないわよ、吸わない吸わない」
しかし視線は逸らさない。
そういえばあいつも私のことを食べようとしてたっけな。
魔理沙「レミリア、今の私はおいしそうなのか?」
レミ「へ? あぁ、うーん、おいしそうっちゃ美味しそう、あんまり食べたくないけど」
魔理沙「どういうことだ?」
レミ「なんて説明すればいいのかは分からないけど、美味しいものと美味しいものを掛け合わせ美味しいものが出来てもそれが食べたいかどうかは分からないでしょう? そんな感じよ」
魔理沙「………なぁレミリア。私って今何人だ?」
咲夜「何言ってるの、貴方は一人で」
レミ「二人ね」
咲夜「お嬢様?」
咲夜がレミリアの事を不思議そうな顔で見る。その反応は無理ないだろうな。
自分を指さして実は二人なんですなんて言えるのは狂人か妖夢だけだ。
残念ながら私はそのどちらでもない。いや、狂人とは信じたくないだけだが。
ただ、レミリアが私の事を二人と呼び、あの妖怪が私の事を巫女と呼んだのならば。
あの夢は。
ハクレイレイムが私の中に入りこんできた夢は。
魔理沙「私は私って一番私が知ってる。なんてことはないみたいだな」
レミ「500年経っても自分の事なんてよくわからないわよ」
魔理沙「それはお前が子供だからだろ」
レミ「子供じゃないんですが」
薄々感づいていたけど、目をそらし続けていた事。
もう私は私じゃない。
魔理沙「だとしても、大慌てや嘆くのは私じゃないな、うん」
私じゃないけれど。
咲夜「異変、って聞いたけど大丈夫なの?」
魔理沙『えぇ、問題ないわ。あの程度ならね』
咲夜「その割にはずたぼろで帰ってきたけど」
魔理沙「うるせ」
咲夜「………ん?」
魔理沙「どうした?」
咲夜「何か違和感を感じただけよ、気のせいかしら」
魔理沙『気のせいよ』
咲夜「そうね」
レミ「あー、先に帰ったパチェがうらやましいわぁ。私ったらお嬢様なのにこんな埃くさい神社で」
と言う割には畳で気持ちよさそうにゴロゴロしている。説得力が皆無だ。
魔理沙「ほう、ならば帰るが良い」
魔理沙『こんな汚い神社嫌でしょうから』
レミリアの首根っこを掴んで縁側まで持っていく。
レミ「ちょ、やめ、やめっ! 痛いから!! 私吸血鬼だから流水はだめっ!!」
魔理沙「大丈夫、私はレミリアの事を良く知ってるからな」
レミ「んなわけないでしょ! 出会ってまだそんな経ってないでしょ!!」
咲夜「私の方が良く知ってるわ。だから魔理沙、お嬢様を渡しなさい」
魔理沙「仕方ねぇな」
レミリアを咲夜に渡すと咲夜も首根っこを掴んで畳の部屋まで戻していった。
魔理沙「………美しい主従関係だなぁ」
と一人、白々しく呟いた。
魔理沙「よし、もう一回行ってくるか」
咲夜「ちょっと待ちなさい。まだ体治ってないでしょ?」
魔理沙「いけるいける」
肩をぐるぐる回しても、飛び跳ねても特に体が痛むことはない。
少しボロボロになった箒を持ち出し空に駆け上がる。
咲夜「ちょっと! 危ないわよ!?」
魔理沙「いけるいける。なんだかそんな気がする」
咲夜「そんな勘で!」
魔理沙『勘って大事よ』
魔力を込めスピードを上げるとすぐに咲夜の声は聞こえなくなった。
百々目鬼。
それが何なのかは知らない。
なんだか増えたり雨を降らせたりするって話は聞いたけれどなんなのかは分からない。
情報が欲しい。
ならばまずは阿求のところに行こう。
速度を上げると比例して顔を叩く雨の痛みが大きくなる。
その痛みは針で皮膚を刺すようであまり気持ちいいものではない。
しかし時間は有限で進行方向は不可逆。
ならば急ぐ以外私に選択肢はない。
魔理沙「あぁ、雨が当たるのが鬱陶しいぜ」
魔理沙『そうね』
誰に向けてつぶやいたわけでもない愚痴が、返事もなく消えてゆく。
あー、アリスでも連れて来るべきか?
なんて暇つぶしで誘ったとばれたらアリスからひどい目に合わされそうだからしないけれど。
阿求の家は空から見てもわかり易い。あれほど広い家は幻想郷にもあまりない。人間の里なら猶更だ。
阿求の家に向かって降下を始めるとどんどんと阿求の家が大きくなっていく。
さて阿求の部屋はどこだっただろうかと考える。
どれも似たような部屋だ。外からでも一目でわかるようにしてくれればいいのに。
悩んでも思い出せないので適当な庭に着地した。
魔理沙「こんだけ広けりゃ大きい実験とかできそうだな」
周りへの配慮もしなくていい。
魔理沙「ま、こんな広い家いらねぇけどな」
部屋の障子は全て閉ざされており阿求の姿は見えない。
小鈴「何の音、って魔理沙さん!?」
魔理沙「おう、小鈴」
私が着地した音が聞こえたのか小鈴が部屋から顔をだす。
魔理沙「阿求に会いに来た」
小鈴「阿求ならこの部屋にいますけど」
魔理沙「さすが私」
濡れるのも嫌なので屋根の下まで小走りで向かう。
阿求「あれ、どうしたんですか魔理沙さん」
こちらを除く阿求の上からまるでブレーメンの音楽隊のように阿求が顔をだす。
魔理沙「聞きたいことがあってな」
阿求「あ、今拭くものを持ってこさせますね」
阿求が中にいるらしい女中に声をかけていた。
確かに濡れた服で入るわけにはいかないな。
阿求「あ、そうだ。温かいものも飲んでいかれますか?」
魔理沙「残念だけどそれはまた今度だ」
阿求「そうですか、何かあったんですか?」
魔理沙「まぁ、異変解決ってところかな」
小鈴「異変って何かあったんですか?」
阿求「何があったかって、たぶんこの雨でしょ。梅雨とは時期が違うし、そもそも梅雨でも連日雨が降りっぱなしってことはないわよ、あ、タオルです」
魔理沙「サンキュ」
阿求が投げて渡してくれたタオルで体を拭く。
魔理沙「………ん?」
体があんまり濡れていない。
あれだけ雨に打たれたのならずぶぬれでも良さそうだけれども。
まぁいい。妖怪が降らせた雨なんだ。少しぐらい不思議もあるだろう。
魔理沙「小鈴もいるなら丁度いい。百々目鬼って妖怪について知りたい」
阿求「百々目鬼、百々目鬼、えっと、あー。知ってますよ」
魔理沙「流石、稗田家の当主」
阿求「まぁ、みなさんとは過ごしてる時間が違いますからね!」
小鈴「あー、はいはい」
阿求「百々目鬼、どうめきとも言いますが、名前の通り百の目を持つ鬼です」
魔理沙「鬼? 萃香みたいなのか」
阿求「んーと、どちらかというと水橋さんの方がそれっぽいです。人間から鬼になった、という伝承が残されていますから」
魔理沙「ってことは元人間か」
妖怪になることはここでは禁忌、といっても積極的に取り締まる奴なんか紫ぐらいしかいないし取りこぼすこともあるのだろう。
阿求「百々目鬼は窃盗をはたらく人が鬼になった姿です。その本質は強欲。鬼となってまで全てを手に入れようとする醜い妖怪です」
強欲な鬼。パルスィが嫉妬だったか。
人間は強い感情を持てば人ならざるものになってしまう。欲であれ怒りであれ負の感情ってのは碌なもんじゃないな。
なんて、私が言えたことじゃないか。
阿求「百々目鬼は火を噴いたり、毛を刃のようにしたりしますが、その特徴はなんといっても体中を覆う目。そして雨を降らせる力」
ビンゴ。やっぱりこの異変の黒幕はあいつだ。
魔理沙「龍神の眷属ではない、んだよな?」
阿求「あ、はい。雨を降らせるといっても自分の周囲だけですし」
魔理沙「待て、自分の周囲、だけ?」
阿求「はい」
自分の周囲だけにしか雨を降らせることが出来ない。
普通に考えれば当たり前の事だった。長期間に渡って雨を降らせ続けることが出来る妖怪がいるわけがない。
龍神の意志に逆らってまで雨を降らせ続ける事の出来る妖怪がいるのなら、それを紫が静観しないわけがない。
当たり前の事だったのだ。
ならば、百々目鬼はずっと
魔理沙「私を、見ていた」
そして
魔理沙『今も、ここにいるってことね』
その言葉に応えるように雨音が一層強くなった。
いや、違う。
奴らが屋根を叩く音が強くなった。
魔理沙『下がってて』
阿求を手で制して、逃げるように告げる。
阿求が屋敷の奥に走って行ったのを見送り私は外に出た。
雨が私の髪を濡らす。
屋根の上を見ると、何対もの瞳が私を見ていた。
魔理沙「よぉ」
「逃がさない」
「今度は」
「逃がさない」
屋根の上にいる百々目鬼が口々に私に向かってそう言う。
私はため息をついて袖から陰陽玉を取り出した。
魔理沙『私があんたたちを逃がさないのよ』
陰陽玉に力を込める。私の中に流れる力を陰陽玉に送り込み、増幅する。
いつものように陰陽玉は輝く。
網膜を焼きそうなほど眩いのに、一切私の目を眩ませることない不思議な光。
濁りなき清浄な光。全ての邪を塗りつぶす光。全ての妖を調伏する輝き。
陰陽玉から放たれる光の玉は一片の慈悲も無く、魑魅魍魎を許しはしない。
魔理沙『神霊『夢想封印』』
陰陽玉を構え、陰陽玉の中に巡る力を解き放つ。
8つの光が屋根の上にいる奴らに向かって飛んでいき
全てを消し去った。
魔理沙「やっぱりパワーが一番だぜ」
額の汗を拭う。久しぶりに力を使い過ぎたせいか、どっと疲れが襲ってきた。
一息ついて、今だ止まない雨に打たれながら私は阿求の部屋に戻った。
阿求「あ、魔理沙さん、凄かったです。まさか魔理沙さんにそんな力があったなんて?」
魔理沙「ん、なにがだ? それより拭くものくれ」
阿求「あ、ちょっとまってください。すぐ持って来させますので」
阿求が近くにいた女中を呼び止め、濡れた私の体を拭くものを持ってくるよう言った。
阿求「いつもは力任せでしたけど、今のは――――あれ、魔理沙さん、これ」
阿求が私の髪を一房掴み、何度か撫でた。
魔理沙「おい、なんだよ、くすぐったい」
阿求「うん、やっぱり違うわ。汚れてるわけじゃない」
魔理沙「おい、だからなんなんだよ」
いきなりぶつぶつ呟き始めた阿求にそう聞くと、掴んでいる私の髪を一本抜いて私の目の前に持ってきた。
それは黒い、まるで濡れた鴉の羽のようなまっ黒な髪だった。
魔理沙「なんだ、これ」
魔理沙『別に普通じゃない』
阿求「え?」
魔理沙『さっきの魔法の代償。別に害はないわ』
阿求「で、でも代償に髪の色なんて」
魔理沙『あるわよ。呪術に髪を使うことなんて珍しくない。それ女の命を代償にしてるんだもの、おかしくはないわ』
阿求「え、えっと」
魔理沙『だからおかしくはない』
阿求「は、はい」
魔理沙「にしてもまだ雨が止まない、まだいるのか?」
阿求「え、あ、そうみたいですね」
阿求がキョロキョロと外を見回す。まだどこかにいるかもしれないので阿求の襟首を掴んで部屋の中に戻した。
魔理沙「本体倒さなきゃ終わらないみたいだな」
阿求「なら早苗さんとかに協力してもらえば」
魔理沙「奴らの狙いは私だ。だから私が終わらせる」
何の因果かは分からないが、どうやら私は美味しそうに見えるらしい。
十中八九私の中のハクレイレイムが原因みたいだけど。
まぁいい。初めみたいに多勢に無勢じゃなければ何とかなる。単純に力が強いわけじゃないから。
ただ、集まったときが凄い厄介なだけだ。攻撃の数がただ100倍になるだけじゃない。
あいつらには死角がない。私が何をしようとしているのかまで全て見抜かれる。
だからさっきみたいに数を減らさなければ、おそらく私に勝ち目はない。
流石に数が無尽蔵ではないはずだ。戦って戦って戦ったその先に終わりはあるはずだ。
魔理沙「じゃあ、私はもうそろそろいくぜ。長居してすまなかったな」
阿求「あ、いえ。おもてなしもできず」
魔理沙「いや、阿求のおかげであいつらがどこにいるのかが分かるようになった」
一部分しか雨が降ってない場所があればそこにいる。もっとも奴らは私から離れる気はないみたいだが。
私は今だに振り続ける雨の中に身を投じ、空へ飛び上がった。
空は曇天。しかし遠くは晴天。
魔理沙「………しかしまぁ、鬱陶しいことこのうえないな」
私は速度を上げ、空を駆けた。
しかし雨は晴れることはない。
奴らもずいぶんとまぁ、足の速いことで
魔理沙「あぁ、もうっ、ちくしょうがっ!」
玉のような弾幕を避けながら私はそう毒づく。
この妖怪によって降らせられた雨はそこらへんの下級妖怪や妖精を活発化させていたのだ。
本格的に異変が始まったということだろう。
私は服の中から金平糖を投げて応戦する。金平糖は魔力を込めた特別なもので投げれば大きな星となって相手を攻撃する。
魔理沙「マスタースパーク、はもったいないな」
マスタースパークで薙ぎ払えれば気持ちが良いだろうが流石に魔力を消費し過ぎる。
魔理沙「っ!」
嫌な予感がして急上昇する。その勘は当たっており、黒い髪の毛が私の袴を切り裂いていた。
魔理沙「どういうことだ、これ。瞬間移動でもしたのか?」
見下ろせば何人もの百々目鬼がこっちを睨んでいる。
魔理沙『でもそっちから来てくれるのなら都合がいいわ』
魔理沙『第二ステージの始まりよ』
出てきた百々目鬼は20体以上。
全方向から私の隙をついてくる攻撃が煩わしい。
高速移動でなんとか避けているがもうそろそろ攻めに転じなければそのままやられてしまうだろう。
懐からミニ八卦路を取り出し、強く握りしめる。
魔理沙「一撃だ、一撃で終わらせる」
百々目鬼「たわけたことを」
魔理沙『神威「後ろの正面」』
力を込め、解き放つ。
百々目鬼「っ!」
百々目鬼の後ろから現れた光が百々目鬼を貫く。
魔理沙『あんた達、死角多すぎよ。後ろからの攻撃よけられないんじゃ、まだまだよね』
避ける撃つ倒す。
それを繰り返す。
そのくりかえりをするだけ。
そうすると百々目鬼が現れて、それを倒す。
まるで何かの遊戯のように
魔理沙『誰かが糸、引いてるのね』
あまりにも都合が良すぎる。
となると
魔理沙『早いとこ百々目鬼ぶっ飛ばして、異変を終わらせなきゃね』
百々目鬼「おのれ!」
撃破。
いくら増えてももう慣れてきた。
もうこの体に私は慣れていた。
魔理沙『さっさと終わらせましょう』
最後の一人を陰陽玉で浄化する。
これで終わり
「だと思った?」
魔理沙『いいえ。まったく』
魔理沙『やっと本体』
振り返るとまだら模様の服を着た女が立っていた。
ちゃんとした人間の形をしているという事は本当に本体なのだろう。
百々目鬼「まさか、私の分身、全部やられると思ってなかったけど」
百々目鬼「なんで分身って分かったの。結構ちゃんと作ってたと思うのだけど」
魔理沙『勘』
百々目鬼「そんな馬鹿な」
百々目鬼が頭を抑えてよろめく。
魔理沙『さて、あんたを倒してすっきりさせてもらうわよ。私にはまだやる事あるの』
百々目鬼「うるさい黒金混じりの変な頭! お前を食べてやる!」
百々目鬼「人間ぐらい、すぐに倒しちゃうんだけどっ」
百々目鬼の体から炎が噴き出す。
それが私の目を眩ませた。
魔理沙「あつっ」
百々目鬼「人間が、鬼に、勝てるわけないでしょっ」
怯んだところを百々目鬼の髪が襲い掛かってきた。
当たったのは服だけだけれど、大切な服をずたずたにされて頭にこない乙女はいない。
懐から陰陽玉を取り出し力を込める。
出来るだけ多く、出来るだけ強く。
百々目鬼「ちょっと、それは、流石に」
魔理沙『今すぐ』
霊夢「消えなさいっ!」
亜空穴で接近して、近距離で陰陽玉を叩き込む。
百々目鬼「こんなの聞いてないんだけどっ、どういうことゆ」
百々目鬼が光で包まれ、そして光ごと姿を消した。
雨が次第に止み始める。
これで異変が終わった。
ならあとは
霊夢「この異変を引き起こしたバカをとっちめるだけね」
しかし今日は疲れたから神社で休もうと思う。
私の勘が確かならこれで異変は終了。思った以上に力を使い過ぎて重くなった体をふわふわと浮かせながら私は神社へと向かった。
紫「お帰りなさい、霊夢」
神社に帰ると紫がにこにこ、いやにやにやしながら私を出迎えた。
霊夢「………なんであんたがいるのよ」
紫「だってー、霊夢の事が心配だったから」
そんな白々しい台詞を紫が吐く。
霊夢「嘘でしょ」
紫「本心よ。博麗の巫女がいなくなったらどうしようかと」
霊夢「………なにか違和感が」
私が思ってることと紫が思ってる事がまったく別物の気が。
紫「うふふ」
霊夢「っ」
紫の目が一瞬鋭くなった。それいじょう考えるな、、そう私に忠告した気がした。
反射で懐から陰陽玉を―――
霊夢「っと、間違えた」
陰陽玉は懐でなく、袖だ。
じゃあ私が今掴んだのは
霊夢「何これ」
八角形の形をしたそれは
紫「だぁめ」
スキマから伸びてきた手がそれを掻っ攫う。
紫「私と戦う、つもり?」
紫の逆の手が私の首を掴む。
私は反応ができなかった。
紫「完全な博麗霊夢ではないあなたが?」
霊夢「それ、なんなのよ。知らないわよ私、そんなもの」
紫「貴方には必要ないもの」
そういって紫が八角形のそれをスキマの中に放り投げた。
霊夢「どういうことよ。完全な博麗霊夢とか」
紫「霊夢、今代の博麗の巫女よ。先代の名前を知ってるかしら?」
霊夢「そんなの当たり前に―――」
思い出せない。博麗の巫女がいたという事は覚えている。
だけどそれがどんな顔をして、どんな声をして、どんな姿をしていたのか。
紫「正解は博麗霊夢」
霊夢「? それは私―――まさか」
紫「そう、貴方も先代もその前のずっとずっと初めから博麗の巫女は霊夢」
紫「先代が命を落とすたび、幻想郷を巻き込んで貴方は蘇り続ける」
紫「人の形を奪って」
紫「そう」
紫「博麗霊夢は感染する」
紫「博麗霊夢の死後、その博麗霊夢にもっとも親しかったものの中に宿り、菌のようにその身の中で自我を増やし、そして宿主を乗っ取る」
紫「貴方は元霧雨魔理沙。金髪で元気な人間の魔法使い」
紫「今は黒髪で聡明な幻想郷の巫女」
紫「その変化に気付くものはいない」
紫「だって私がそうしてるから」
紫「境界を操る私の本気で、全てを欺いたから」
紫「そして貴方はもうすぐ完全な博麗霊夢となる」
紫「幻想郷が見る胡蝶の夢は終わり、この世界は今再確定される」
紫「霧雨魔理沙を犠牲にして」
紫「お休み博麗霊夢」
紫「さよなら霧雨魔理沙」
なぁ、博麗霊夢って知ってるか?
あぁ、あの妖怪が集まる神社の巫女だろ。そんなの皆知ってるさ。
そうだよ、なぁ。
どうしたっていうんだ?
なんか博麗の巫女の隣っていつも誰かがいた気がするんだ。金髪の可愛い女の子が。
ははっ、あの巫女の隣に人間が立てるかよ。
それはきっと八雲 紫よ。
そうか八雲 紫か
八雲 紫だよ
ん?
どうした?
いや、気のせいかも。
気のせいだろ。
はい、長くなりましたがここでこの安価は終了します。
最後駆け足でしたのですいません。
レミ「何か、夢を見ていた気がする。とても長い夢を」
パチェ「何格好つけてるのよ」
レミ「いや、なんか長かった気がするのよ。別世界の何かが」
パチェ「はいはい中二病中二病」
レミ「傷つくわぁ」
パチェ「それで続けるの?」
レミ「やらいでかっ」
>>436
うわーん、魔理沙ー、霊夢ぅー!
安価なら
もしもレミリアがニコ厨だったら
咲夜「お嬢様、最近ずっと引きこもってばかりで」
パチェ「PC、与えない方が良かったかしら」
咲夜「あんな日も当たらない部屋にずっと引きこもっていると健康に悪いですわ 白いひょろひょろなもやしになってしまいます」
パチェ「ん? いま喧嘩売った? ねぇ、私に今喧嘩売ったの?」
咲夜「どうにかできませんかパチュリー様」
パチェ「というか日の当たらない部屋に引きこもるって吸血鬼としてはわりと当たり前」
咲夜「お嬢様としては当たり前ではありません。早寝早起きだけが取り柄のお嬢様がその取り柄まで失われるなんて、まだこちら側から切れますと書かれたマジックカットの方が価値がありますわ」
パチェ「どうしたのよ? 最近の咲夜変よ」
こあ「説明しましょう」
パチェ「小悪魔、何か知ってるの?」
こあ「現在咲夜さんは深刻なお嬢様不足となってるんです。せめて咲夜さんに彼氏がぐぼぁ」
パチェ「小悪魔ー!?」
咲夜「パチュリー様なんとかしてくれませんか?」スチャ
パチェ「あ、はい」
パチェ「さて、どうしたものかしら。とりあえず入るわよー レミィー」
ガチャ
パチェ「うわっ、くらっ」
レミ「どうもーこんばんわー」ボソボソ
パチェ「レミィ?」
レミ「今日はー」ボソボソ
パチェ「何やってるのレミィ」ポン
レミ「ひゃぁあぉっ」ビクッ
パチェ「!?」ビクッ
レミ「パパパパチェ!? なな、なにっ!?」
パチェ「いや、引きこもってたから連れ出しに、ってこれ何? あぁ、生放送」
レミ「そうっ、だから今いそがし」
パチェ「確かこれ長押しで電源切れるのよね」プツッ
レミ「ノォオオオォオオォオォ!!!!!!!!!!!!!11」
レミ「そんな、まだ歌ってみたの編集中だった、のに」ガクッ
パチェ「ずっと引きこもって御飯も食べに来なかったから咲夜心配してたわよ」
レミ「くっそwwww こうなりゃやけだwwwww」
パチェ「?」
レミ「親フラ、いやパチェフラとか誰が想像するんだよwwww」
パチェ「レミィ?」
パチェ「とりあえず外に出るわよ」
レミ「うはっ、みwなwぎwらwねぇwww うwごwきwたwくwなwいwでwごwざwるwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
パチェ「ちっ」イラッ
パチェ「良い天気、ね。ほら太陽が燦燦と」
レミ「死ぬんだけど、バカなの?」
パチェ「いっぺん、死んでみる?」
レミ「うはっ、地獄少女wwwwwwwwwwwwwwww」
パチェ「ねぇレミィ、その喋り方どうにかならないの? イラッとくるんだけど」
レミ「イラッ☆」
パチェ「」プツンッ
レミ「いたっ、本の角、いたっ、助け、誰か助け、許しっ、本当許しっ」
パチェ「そうね、レミィ風にいうと」
パチェ「君が泣くまで殴るのをやめない」
レミ「」
パチェ「前々から漫画が好きだったことは知ってたけど、酷いわよレミリア。カリスマの欠片もない」
レミ「で、でも私のファンは全国に数千人いるしっ」
パチェ「あ?」
レミ「歌ってみたとか踊ってみたで神とか言われてるし、カリスマがないわけ」
パチェ「そんな短い手足で踊られても無様なだけよ」
レミ「そ、そんなことないしwwwwwwwwww パチェがもやしっこでダンスがわかんないだけだしwwwwwwwwwwwww」
パチェ「」プッツン
レミ「ま、またっ!? だから分厚いっ、それ分厚いっ! 人叩くものじゃないから、それ違うから」
パチェ「ほら、助けを呼びなさいよ、全国数千人のファンが助けてくれるかもしれないわよ? ほら叫びなさいよ、ほら呼んでみなさいよ。呼べるもんなら呼んでみなさいよクソ神様」ゴスッ ゴスッ
レミ「ぎゃおーっ!」
レミ「前が見えない………」
パチェ「ニコニコ動画禁止」
レミ「えっ、ひどっ 私の事を楽しみにしてる人がいっぱい」
パチェ「誰もあんたの事なんか待ってないわよ。待ってるのは動画の中のレミリアであってあんたじゃないわ」
レミ「ちくしょうwwwwwwwwww クソもやしが言いやがるwwwwwwwwwwww」
パチェ「」プツンッ
レミ「すぐに切れる最近の若者っ」グフッ
男「パチュリー様っ レミリア様に暴力はおやめくださいっ」
パチェ「ちっ。あら男、いたのね」
男「先ほどからレミリア様の悲鳴が聞こえていたので、洗濯物を干すのが終わり次第飛んできました」
レミ「うほっいい男wwwwwwwwww やっぱり男は私の嫁wwwwwwwww」
美鈴「あ?」プツンッ
レミ「え、なんで、美鈴も、痛いっ パチュリーよりずっと痛いっ! 助けて男っ」
男「はい、ただい「はい?」すいません無理です」
レミ「わ、私はぁあああぁああぁあっ この館の、主だぞぞぉぉぉぉお11!!!!!!!!!!!!!!」
レミ「こんなの、ないや………」
パチェ「レミィねぇ。さっきこの館の主って言ってたけど、ならちゃんとしなさいよ。一番偉いってことは何をしてもいいわけじゃないからね。やる事やるから偉いんだから」
レミ「ぐっ。でも」
パチェ「部下の事をほったらかしにして好き勝手するんならレミィ、館の主の資格ないわよ」
レミ「………」
パチェ「それに」
パチェ「くそ新参が分かったようにクソみたいなノリでクソみたいなことをしてるのと頭に来るのよ。クソにクソをかけてクソを添えたクソ共が」
レミ「パチェ!? 口が汚いわよ!?」
パチェ「おっと。とにかくレミィあなたはモニターの向こうの誰かじゃなくて身近の人のために働きなさい。それが主ってもんでしょ?」
レミ「パチェ……… うん分かったわ。私は皆のためになることをするわ!」
次の日
レミ「という事でユーチューバ―になったわ!」
パチェ「咲夜」
咲夜「はい」
レミ「これでお金をがっぽがっぽ稼いで」
パチェ「壊せ」
咲夜「Yes,ma'am」
レミ「皆に楽をってパソコンがぁあああぁああっ!!!!!!」
おしまい
レミ「スカーレットカリスマは砕けない」
パチェ「そうね、無いものは砕けないわ」
レミ「ぐふっ」
レミ「く、くっそう、ならば今度は>>447だぁっ」
相棒のドラゴンを育てて戦わせる幻想郷
博麗霊夢は思った。
次から次へと異変を起こす奴らがいるのなら
もういっそのことこっちから異変を起こせば異変を防ぐ事ができるんじゃないかと。
こたつにミカンを誰にも邪魔されずに楽しめるのではないかと。
博麗霊夢はそう思った。
それからの行動は迅速だった。
中に星がちりばめられた宝玉7つを使い、なんでも願いを叶える伝説の龍を呼び出したのだ。
霊夢「私の願いは一つ。なんか適当にそんな大事にならない異変を起こして!」
こうして幻想郷を巻き込んだ異変
のちに龍神異変と呼ばれた異変が始まった。
使用人「阿求様~」
阿求「どうしたのよ、こんな朝早くに。病弱の身の私としてはもうちょっと寝ておきたいのだけど」
使用人「こんなものが届きました」
阿求「これは、博麗神社からの手紙? いったい何が起きたのかしら」
使用人「里中がなんだか騒がしいですけど、多分それのせいでしょうか」
阿求「まぁ、中身見ればいいでしょ」
阿求「えっと、何々。博麗霊夢の名において、異変を始める? 参加者は龍を召喚し、それを戦い合わせ、最後に残ったものの願いを一つ叶える、って? なお、戦闘中の死傷について、当方は責任を負わないものとする」
使用人「? どういう、ことでしょうか」
阿求「さぁ、まぁいいわ、ご丁寧に龍の召喚手順も書かれてることだし、やってみるわよ」ニヤリ
使用人「えぇっ? 危ないですよ!?」
阿求「何言ってるの、あんたも来るのよ」
使用人「わ、私もですかぁ!?」
阿求「それじゃあ、さっそく」
阿求「召喚と行きましょう!」
阿求「これで良し、と」
阿求「んで、ここに私の血を一滴」ブチッ
使用人「い、痛くないんですか?」
阿求「痛いわよ、はやく止血して」
使用人「はいっ、って阿求様、光ってます、光ってます!」
阿求「さぁて、どんなのが来るのかしら」
ズズズズズ
使用人「!」
???「ここ、は、我は………一体」
使用人「おおおお、おっきいっ!」
阿求「それに、赤いっ あ、あんたは一体」
???「………分からぬ、我は何だ、我は誰だ、我は、この世界は、分からぬ。分からぬことばかりだ!」ドンッ
使用人「うひゃあっ」
阿求「………いいわ、ついてきなさい赤い龍、私があんたの全てを取り戻させてあげるわっ!」
???「………くくく、小さきもの………感謝しよう。だが、誰も我を縛る事は許さぬぞ?」
魔理沙「おい、おいおいおい。なんだよこの竜は」
スターダストドラゴン「ギャオオオオンッ」
魔理沙「凄い、綺麗で、凄い、強そうじゃないかっ!」
魔理沙「気に入った、よろしく頼むぜ!」
スタダ「………」コクリ
シュゥゥゥ
魔理沙「消えた………っ いや、違う、これは」
魔理沙「カード、か? スターダストドラゴン、それがお前の名前か」
魔理沙「よろしくな、スターダストドラゴン」
レミィ「貴方が、私のドラゴン、かしら?」
りゅうおう「わぁっはっはっは、小娘がわしを所有物扱いか」
レミィ「ねぇ、あなたドラゴンなの? 姿人間みたい」
りゅうおう「ふんっ」ズバッ
レミィ「あらっ、びっくりした」
りゅうおう「! 面白い、面白い!」
レミィ「貴方と戦うのもいいけど、私には別の用があるの、やめてくれないかしら?」ガシッ
りゅうおう「くくく、われを止めようとは、片腹痛い!」
レミィ「待ちなさい、協力してくれるなら、貴方にも良い事があるわよ?」
りゅうおう「われに取り引きを持ちかけるか。面白い。いったいそれは」
レミィ「幻想郷の半分を貴方にあげるわ」
りゅうおう「! わぁっはっはっはっはっ 面白い、実に面白い。小娘。名はなんという」
レミィ「レミリア・スカーレット、ツェペシュの幼き末裔にして、紅魔館の主。貴方は?」
りゅうおう「わしは竜王 王の中の王、竜王である」
妖夢「や、やめましょうよ幽々子さまぁっ!」
幽々子「だって退屈なんだもん、さて、何がくるかしら」
ズズズ
イビルジョー「ぐぎゃぁあああああっ」
妖夢「ひぃぃぃいいいぃぃぃっ」
幽々子「あら可愛い」
イビルジョー「………」ジーッ
幽々子「………」ジーッ
【友情が芽生えました】
妖夢「うぇえぇえぇ!?」
遊星「俺のスターダストが無くなった」
「クルシイ… タスケテ… ヤメロー… コロセ… ヨクヨンダ」
輝夜「あらあら」
鈴仙「ななな、なんかすごいのきた!?」
「良く呼んだ、創造する喜びと苦悩を知る者は破壊する快楽と痛みを知る者である」
「ゆえに、我を呼ぶものは我が重荷を分かち合う覚悟をするがいい」
「我は勝者の陰に埋もれた無数の敗者」
「あまたの無かったことにされた弱き者たちの悲しみ」
「我を全て背負う覚悟が、貴様にはあるのか」
輝夜「………貴方を背負う覚悟は私にはない」
鈴仙「姫様!?」
輝夜「私は滅びないから、ただ敗者でも勝者でもない」
輝夜「そんな私が貴方のよりどころになれるのなら」
輝夜「私は貴方をなかった事にはさせない」
時を喰らうもの「………我は時を喰らうもの。世界全ての敗者」
輝夜「私は蓬莱山 輝夜。永遠の傍観者」
.>>459
良くある良くある
諏訪子「本当に参加するのかい?」
早苗「はい! 守矢神社の名前を轟かせてきます!」
諏訪子「いや、そっちじゃなくて」
早苗「大丈夫です。危険なことだってやって見せます。なぜなら私は巫女だから!」
諏訪子「いやそうじゃなくてね」
諏訪子(ドラゴンって聞いてテンションあがってるようにしか見えないんだよねぇ)
早苗「サモン! 私のドラゴン!」
「ギャアァアアアアオオンッ」
諏訪子「こ、これがドラゴン? ずいぶん機械じみてるけど」
早苗「こ、これは!?」
諏訪子「知ってるの?」
早苗「ジェノブレイカー、ジェノブレイカーじゃないですか!」
早苗「やったー、やりましたよ諏訪子さま。私の長年の夢が、今! ここに!」
諏訪子(あれ、守矢神社を広めるのは?)
お燐「お、お空?」
お空「なに?」
お燐「う、後ろ」
お空「うにゅ?」
バハムート「………」デンッ
お燐「逃げるんだ 逃げるんだ! 逃げるんだ!!」
バハ「矮小な人間よ………」
お空「うにゅ? お空もお燐も人間じゃないよ? 妖怪だよ?」
バハ「我を従えたくば、力を見せよ」
【メガフレア】
お燐「!?」
お空「えーっと、爆符『ギガフレア』」
バハ「ぬ、ぬぉぉおおおぉおっ」
お空「うにゅうぅうぅうううっ!」
お燐「にゃぁあああぁああっ」
一輪「姐さんやめましょうって」
村紗「私達は大人しくしておきましょうよっ」
白蓮「いいえ、これは妖怪達と(拳で)語り合ういい機会です」
一輪「でも危ないですよ」
白蓮「心配いりません、見ててください村紗、一輪。それに私」
白蓮「何かに乗るのって大好きなんです」ニコッ
村一(あ、これもう止められない奴だ)
白蓮「現れなさい! できれば凄い速い竜で!」
「わぁっ!」
白蓮「………あなたは?」
一輪(あ、姐さん、がっかりしてる)
「き、きみこそ誰なのさっ」
白蓮「申し遅れました、私は聖 白蓮。貴方を召喚した者です」
ドラコ「うぅー、一体何が何だか。えっとあたしはドラコケンタウロス。半竜半人の可愛い女の子だよ」
村一(あ、女の子だったんだ)
白蓮「貴方の力を貸してほしいのです、貴方のその力を」
ドラコ「別にいいけどー」
白蓮「では共に参りましょう!」
白蓮「(物理的)勧誘に!」
ドラコ「美少女コンテストに!」
屠自古「なんで私がしなくちゃいけないんだよっ!」
神子「まぁまぁ、そんなこといわず」
布都「そうじゃぞ、せっかく屠自古が活躍できる場なんじゃから」
屠自古「「わーたーしーはーそんなのしたくねぇんだよっ というか血がないのにどうやって呼べばいいんだよ」
青娥「そこらへんは私が改造して魂魄でも可に」
屠自古「いらないことをしやがるっ」
神子「ほら、屠自古、力を抜いて」
屠自古「や、やめっ、おい、離せ、離せ芳香!」
芳香「いーやーだーぞー」
屠自古「あっ、そこっ、やめっ」
神子「魂魄回収完了。これで呼び出す」
布都「何が出るか、ワクワクが止まらんの!」
「んぁ? おい、どこだよここは」
屠自古「な、でっかい竜が」
神子「しかも喋っている。ふむ」
布都「ふぉーっ! 立派なのが生まれたな! 屠自古!」
屠自古「生まれたとか言うな!」
「おい、そこのお前ら、なんなんだこれ、リボーンされた訳じゃねぇ、だと。おい、どういう事だ説明しろっ」
神子「えっと、かくがくしかじか」
「………なんだそりゃあ、俺は夢でも見てるのか?」
屠自古「巻き込んでしまって申し訳ない、元の世界に戻るのは戦わないといけないらしくて」
「仕方ねぇ。だがお前ももちろん力を貸せよ」
屠自古「分かってる。不本意だけど召喚してしまったから最後まで責任は持つよ」
シロン「俺はシロン。ウインドラゴンだ」
屠自古「屠自古、悪霊やってる」
正邪「この祭り………巫女に踊らされるのは癪だが、反逆の出番だな」
正邪「竜を召喚して戦うなら、実力なんか関係ない! 必要なのは運だ!」
正邪「だから、私も、この戦いに参加する!」
正邪「現れよドラゴンッ、全ての弱きもの達のために、その牙を!」
正邪「逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ! 召喚!」
「メラ~」
正邪「………お前は」
ヌメラ「ヌメー」
正邪「ドラゴン、なのか?」
ヌメラ「パムパム」
正邪「く、くくく、ふはははははっ」
正邪「良い、良い、これでいいっ いや」
正邪「これが良い!」
正邪「私の反逆劇の相棒にふさわしい!」
ヌメラ「ヌメヌメ―」
大妖精「えっ、チルノちゃんも参加するの?」
チルノ「あたいは最強だからね」
大妖精「で、でも危ないよぅ」
チルノ「大丈夫、あたいは最強だから」
大妖精「呼び出した竜に食べられちゃったら」
チルノ「大丈夫、最強なあたいは食べられない」
チルノ「安心して、最強だよ」
大妖精(どうしよう、チルノちゃんがいつもより馬鹿っぽい)
チルノ「だから、あたいは参加、するっ」ポタッ
「俺は………確か、死んだはず、じゃあ」
大妖精「竜、じゃない?」
「女の子………天国、じゃない、よなぁ」
大妖精「失敗なのかなぁ、あの大丈夫ですか?」
「夢、だったのか。いやでもここどこだよ、これが夢?」
チルノ「おいっ」
「わぁっ」
チルノ「あたいはチルノ。お前は?」
真司「えっと、俺は城戸 真司、ここは?」
チルノ「あたいの家」
大妖精「そうじゃなくて、ここは幻想郷っていうところで、そこにいるチルノちゃんが貴方を呼び出しました」
真司「幻想郷………ミラーワールドじゃあないんだ」
大妖精「ミラーワールド?」
真司「いや、こっちの話。呼び出したって、どういうこと?」
大妖精「えっとですね、龍を呼び出して戦い合わせると、最後に残った一人が願いを叶えることができるっていう事になりまして」
真司(そんなの、まるでライダーバトルじゃないか)
大妖精「でも失敗したみたいであなたが呼ばれたんです」
チルノ「駄目なのかな」
大妖精「駄目だよ、竜しか戦っちゃいけないらしいし」
真司「龍しか、あぁ、なるほど」
大妖精「?」
真司「何か姿を映すものあるかな?」
大妖精「それなら、チルノちゃん、氷作って」
チルノ「うん」パキィンッ
真司「! 驚いた」
チルノ「あたいは最強だからね」
真司「変身できるか不安だけど、そういう事情ならきっと」
真司「変身っ!」
真司「っしゃあっ 変身できた!」
大妖精「!」
真司「最後の一人になったら、願いが叶うんだよな」
大妖精「そうですけど」
真司(戦いなんか止めてやる、絶対に)
このSSまとめへのコメント
続きが気になるー!!!!
あとどれぐらいで
こうしんされますか
続きが気になります
オイコラア!さっさと続きだすんだよあくしろよ