由比ヶ浜「……キスマーク」比企谷「は?」 (166)

比企谷「急に何言ってんだお前。ビッチかよ」

由比ヶ浜「び、ビッチ言うな!っていうかそうじゃなくて!ヒッキーの首筋にキスマークが!ほら!」

比企谷「いやだから何言ってんだお前。なんで俺にキスマークがつくんだよ、ベルマークならまだしも」

由比ヶ浜「ベルマークは人間に付かないよ!?えと、要するにありえないって事?……じゃなくて!もしかしてヒッキー自分でも気付いてない?」

比企谷「いや、気付くも何も意味が分からん。そもそも俺の首筋にキスマークなんかつける相手が居ない」

由比ヶ浜「い、いや!けど付いてるし……ほら鏡見てよ」パカッ

比企谷「……」

比企谷「……何、これ……シール?剥がれないんだけど」ポリポリ

由比ヶ浜「ね?」

比企谷「いや、ね?じゃなくね?何これ呪いの証?俺死ぬの?」

由比ヶ浜「本当に身に覚えが無いんだ……よ、良かった」ボソッ

比企谷「いや何も良くないだろ、むしろ悪い。気持ち悪い!身に覚えの無いキスマークが付いてる事が分かっただけじゃねぇか」

由比ヶ浜「あ、そっか。けど、首筋にキスマークなんてそうそう付くものじゃないよね?」

比企谷「いや知らん……キスマークつけた経験あんのかよ」

由比ヶ浜「い、いや、」

由比ヶ浜「い、いや、いやいやいやいや無いけど!あくまで知識として知ってただけだし!」ガタッ

比企谷「そ、そうか……分かったけど、ち、近い……」

由比ヶ浜「……あ、ご、ごめん!離れ」

ガラッ

雪ノ下「ごめんなさい。少し呼び出されて遅く……」

由比ヶ浜「あ」

比企谷「あ」

雪ノ下「…………邪魔、したようね。ごめんなさい」

由比ヶ浜「わー待ってゆきのん!ちがうから!」


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雪ノ下「で、一体何をしていたの?キス谷君」

比企谷「だから違うっつってんだろ……まぁ、丁度良いっちゃ丁度良いけどな。とりあえずこれを見てくれ」グイッ

雪ノ下「……首筋の虫刺されがどうかしたの?貴方の肌事情ほどどうでもいいものは無いのだけれど」

比企谷「うわー女子力(笑)低い回答」

由比ヶ浜「ゆきのん、キスマークだよこれ。口の形してるでしょ?」

雪ノ下「……キスマーク?」

比企谷「……ん?」

由比ヶ浜「ゆきのん……ひょっとして、キスマーク自体知らない感じ?」

雪ノ下「残念ながら聞いたことのない単語ね」

比企谷「ユキペディアさんにもそういう単語は未掲載なのか……意外と純情だな」

由比ヶ浜「えーと……その……ひ、ヒッキーお願い!」

比企谷「は?同級生の女子にキスマークの意味教えるとかなんてセクハラだよ。お前が教えれば良いだろ、女子って意外とそういう会話してんじゃねぇか」

由比ヶ浜「いや、けどゆきのんは特別だしなんか恥ずかし……ヒッキーなんでそんなこと知ってるの?超キモい」

比企谷「ごめんそればかりは反論できないから超やめて」

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平塚「ふむ。それで私か」

比企谷「こういう時は経験豊富な大人に頼れって人生に習いました」

平塚「け、経験豊富……ふふふ……良いだろう!私に任せなさい!」

比企谷「うわぁ超嬉しそう……背伸びしてる少女かよ」

平塚「良いか雪ノ下、キスマークというのはだな……」ゴニョゴニョ

数分後

雪ノ下「要するに内出血の一種ね」

平塚「そういうことだ」

由比ヶ浜「そうなんだ、知らなかったー」

比企谷「妙に現実的な答えだった」

雪ノ下「……しかし、そうなると比企谷君のキスマークが謎ね」

平塚「ん……?キスマークだと?」ピクッ

比企谷「え、あぁ、なんか身に覚えは無いから気持ち悪いんですけど……」グイッ

平塚「……キッ、キスマークだ……本物だ……」

比企谷「おい経験豊富な大人」

雪ノ下「一番可能性が高いのは、何らかの方法で自分で付けたというものだと思うけれど」

由比ヶ浜「えー、ヒッキーキモい……」

比企谷「そこまでして経験豊富アピールしねぇよ!アピールする相手が居ねぇよ!つーか相手がいない前提で話を進めるのがムカつく。事実だけど」

平塚「ふふ、懐かしいな……私も昔よくやったよ、主に胸とかに。見せる相手が居なかったけど……」

比企谷「すげぇ悲しいエピソードを聞いてしまった。軽く引くレベルの」

雪ノ下「違うなら虫刺されという事で問題ないんじゃないかしら」

比企谷「俺も問題ない気がしてきたよ……どうせ小町か小町辺りのいたずらだろ」

由比ヶ浜「どっちも妹!?しかも小町ちゃんならありえない話じゃないのが怖い!」

雪ノ下「そういう事なら小町さんに話を聞いてみましょう」スッ

比企谷「おい、電話する程のことかよ……」

雪ノ下「内容は伏せてここまで来てもらいましょう。貴方のキスマークを見た反応で私が白か黒か判断するわ」

比企谷「分かったよ……けど、平日にわざわざ学校まで来るなんて、俺が呼んでも無理だぞ?ましてやお前が呼んだって」


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小町「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃん!」

比企谷「五分で来ちゃった!お兄ちゃんショック!」

由比ヶ浜「小町ちゃんやっはろー!」

小町「結衣さんやっはろー!平塚先生もこんにちは!」

平塚「あぁ、こんにちは」

雪ノ下「わざわざ申し訳ないわね、小町さん」

小町「いえいえ構いませんよー、丁度一人で近くに来てましたし!それで大事な話って一体?なんなら兄には離席させますけど?」

比企谷「お前はちょっと落ち着け。いいか?大事な話ってのはな、人々の心の中にある財宝、いわばトレジャーだ。それを堂々と」

小町「お兄ちゃんうるさいちょっと黙ってて……ん?」

雪ノ下「どうかしたの?小町さん」

小町「ん?……んんん……?……お兄ちゃんちょっとこっち来て」ガシッ

比企谷「んぁ?お、おう」スタスタ

小町「……お兄ちゃん、なに?そのキスマーク……まさか、ひょっとして、この中の誰かが!?っていうか学校で!?」ゴニョゴニョ

比企谷「は?キスマーク?いや俺にはなんのことだかさっぱり……」チラッ

雪ノ下「……ふぅ……」コク

小町「ほら鏡!首筋にくっきり!」ゴニョゴニョ

比企谷「……はぁ。安心しろ小町、お前はシロだ」

小町「へ?」

比企谷「つまりこのキスマークはお前のものじゃないって事だ」

小町「?????」

雪ノ下「ごめんなさい小町さん。実は――」

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小町「もー、なんですかそれ!流石にお兄ちゃんの事が大好きな小町でもキスマークは気持ち悪いですよ!あっ今の小町的にポイント高い!」

比企谷「八幡的にはちょっとショックかな……気持ち悪いってお前」

由比ヶ浜「いやヒッキー、それが普通だから」

平塚「ふむ。てっきり君が眠っている比企谷に付けたのかと思ってな。勿論いたずらで」

小町「っていうか、そんな事したらいくらお兄ちゃんでも朝鏡見た時に気付くと思いますよ?いくらお兄ちゃんでも」

比企谷「……あ、それもそうか。っていうか二回言うな」

小町「しっかりしてよお兄ちゃん……しっかりして」

雪ノ下「となると……比企谷君が家を出てから放課後までの出来事と言う訳ね」

由比ヶ浜「それってつまり学校で?」

平塚「その可能性が高いな。ふむ、これは不純異性交遊の可能性があるわけで無論教師として看過するわけにはいかんな。しかも一方的な行為という可能性もある」

比企谷「先生、なんか怖いんですけど……」

小町「けどけど!お兄ちゃんにキスマークなんか付ける人はそういないと思いますよ?っていうか居ないと思います。お兄ちゃんの事が好きならまだしも……」ニヤニヤ

由比ヶ浜「な、なんでこっち見るの!?別にあたしはヒッキーにキスマーク付けたいとか、そんな……」ゴニョゴニョ

比企谷「何を二人で話してんだよ」

由比ヶ浜「別にヒッキーには関係無い!!」

雪ノ下「となると……事実上、この話は手詰まりという事なのでは無いかしら。というか正直な所どうでも良いわ」

比企谷「どうでも良いってお前……いや、まぁどうでもいいなら仕方ないが」

小町「まぁまぁ。とりあえず落ち着いて話を整理していきましょう?まずお兄ちゃんの今日の行動を書き出して貰いましょう!」

雪ノ下「……はぁ……付き合わせてもらうわ。比企谷君、紙とペンを」

比企谷「ん」


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平塚「で、書き上がった訳だが……なんというか、比企谷お前……」

由比ヶ浜「……寝すぎ」

比企谷「いや、だって仕方ないだろ。昨日は珍しく読書に集中して、気が付いたら四時だった」

小町「だからって四時はないよ。一応ニートみたいだけど学生だし」

雪ノ下「自己管理も出来ない辺り、流石は比企谷君ね」

比企谷「ほっといてください……マジで」

小町「一時間目の授業は考える人のポーズで起きてるフリをしつつ睡眠
   二時間目の授業は自習だから堂々と睡眠
   三時間目の体育は休んで保健室で睡眠
   飛んで昼休みは屋上の物陰でお弁当を食べてひっそりと睡眠……これ以降は起きてたみたいですね」

由比ヶ浜「そういえば朝のヒッキー、いつもより目が死んでた気がする……」

小町「っていうか案外隙だらけですよね、これ」

雪ノ下「そうね。けど、教室と保健室は人目があるから無理だとして……そうなると屋上かしら」

由比ヶ浜「んー……けど、昼休みに屋上に行く人ってあんまり居ないよね。大体の人は教室で友達と食べるし」

比企谷「遠回しにぼっち以外はあんなとこで食わねえって言うのやめろよ。なんか辛い」

比企谷「けど実際その通りだろうな。俺が屋上に行った時点では誰も居なかったし」

雪ノ下「となると……普段から屋上を利用している人物が怪しいわね。誰か心当たりは無い?」

由比ヶ浜「うーん……」

平塚「残念ながら、休み時間の生徒の行動までは把握していないよ」

雪ノ下「……となると、今度こそ手詰まりかしら」

比企谷「いや……一応一人だけいるっちゃいる」

雪ノ下「え?」

由比ヶ浜「誰?知り合い?」

比企谷「……いや、居るには居るはずなんだが……誰だっけ」

小町「お兄ちゃん大丈夫……?ボケ始めるにはまだちょっと早いよ……」

比企谷「大分早いわ。いや、ほら……顔は分かるんだけど、名前が……高崎……川内……高内……」ブツブツ

由比ヶ浜「なんか特徴は?クラスメートとか同学年とか」

比企谷「クラスメートだ。ほら、ポニーテールで背が高くて、ぼっちで……」

由比ヶ浜「あ、分かった!川、川、川……川なんとかさん!」

比企谷「それだ!」

小町「いや違うでしょ、結衣さんも……」

平塚「ふむ、ひょっとして川崎か?」

比企谷「……そうだったかな?」

由比ヶ浜「た、多分……」

小町「うわー川なんとかさん可愛そうだなー。っていうか、川崎さんって多分大志くんのお姉ちゃんだ……」

平塚「ふむ。そういう事なら、私の携帯で連絡を取るといい。ほら」ポイッ

比企谷「うわっと!急に投げ……ってかもう呼び出し始めてるじゃないすか!」プルルルル……

ピッ

川崎『……なんですか?』

比企谷「あっ……も、もしもし、川崎か?」

川崎『……は?誰あんた』

比企谷「比企」ブツッ

プ-ッ プ-ッ ……

比企谷「……なんか、切られた」

由比ヶ浜「これは怪しいね……」

小町「お兄ちゃんファイトー!もう一発!」

比企谷「つーかなんで俺が直接聞いてるんだよ……この時点でおかしいだろ」

小町「いやー、逆に本人以外が聞いたら気まずいっしょ!」

比企谷「……はぁ……分かったよ……」

比企谷「……」ピッ

プルルルル……プルルルル……プルルルル……

比企谷「……出ねぇ」

プルルルル……ピッ

比企谷「ん……」

川崎『もっ……もしもし……?』

比企谷「お、おう……川崎か。比企谷だ」

川崎『……』

比企谷「……もしもし、聞こえてるか?」

川崎『……あ、聞こえてるけど……な、何の用?』

比企谷「いや、その。昼休みの事で聞きたい事があるんだけど……」

川崎『……』

比企谷「……も、もしもし、聞こえてますか?」

川崎『き、聞こえてるって!』

比企谷「……お、おう。その……率直に聞くぞ。まずお前、屋上で昼寝してる俺を見かけたか?」

川崎『……』

比企谷「もしもし……」

川崎『聞こえてる!その……み、見た、けど……』

比企谷「……それで、他に何か言う事は無いか?」

川崎『……い、いや……』

比企谷「……無いのか?」

川崎『……その……』

比企谷「その?」

川崎『その、誰にも言いふらしたりは、しないから……』

比企谷「いや、そりゃあ、言いふらされても困るだろ……」

川崎『……別に、ちょっと誰が寝てるのか気になって、それで覗いたらあんたで……』

比企谷「……」

川崎『それで、その……なんとなく見てたら……』

比企谷「……お、おう……」ドキドキ

川崎『……』

比企谷「……なんとなく、見てたら……?」ドキドキ

川崎『……キスマーク』

比企谷「……」ドクン

川崎『……キスマークが、首筋についてて、驚いた……』

比企谷「……」

比企谷「……ん?」

川崎『……ちょ、ちょっと意外だったけど……別にその事を言いふらしたりはするつもりも無いし……っていうか、ひょっとしてその相手って平塚先生?だから先生の携帯で……』

比企谷「えーと……ちょ、ちょっと待て。は?」

川崎『え?』

比企谷「キスマークが付いてた……付いてたって事?」

川崎『……えと、そうだけど……?』

比企谷「……お前が付けたんじゃなくて?」

川崎『は、はぁ!?何言ってんの!?バッカじゃないの!?そ、そんな事する訳無いじゃん!!大体あんたの事とか、べ、別に……』

比企谷「……お、おう……すまん。分かった。悪かった。じゃあな」

川崎『えっ?あっ、ちょ――』ピッ

比企谷「違った。川崎じゃない」

小町「はぁ、なんだ……ちぇっ、川なんとかさんならありだったんだけどな……スタイル良いし美人だし、実は優しそうだし……」ブツブツ


     X      X       X


由比ヶ浜「要するに、昼休みより前にはもう付いてたって事だよね……よ、良かったかも」

比企谷「何が?」

由比ヶ浜「……えっ?あ、いや……その、なんかヒッキー、満更でも」

雪ノ下「となると午前中に絞られる訳だけれど……正直な所分からないわ」

小町「うーん……じゃあお兄ちゃんのクラスの人に話でも聞いてみますか?戸塚さんとか」

由比ヶ浜「……むー」

比企谷「戸塚か!よーし、お兄ちゃんメールしちゃうぞー!……よし送信」

小町「兄の世界が心配です!いろんな意味で!」

由比ヶ浜「……けど、彩ちゃんかー。まだ部活中じゃないかな?」

比企谷「その時は終わるまで待てばいいだろ?……お、返信来た」

FROM 戸塚
TITLE 忙しい所すまん、ちょっと良いか? Re

丁度休憩してたし大丈夫だよ!
とりあえず、良く分かんないから部室に行くね?

すぐ行くから待っててね!

比企谷「……ドゥフ……」ニヤニヤ

小町「わー、お兄ちゃんが気持ち悪い」

     X      X       X

戸塚「お待たせ八幡……わっ、なんかいっぱい人がいるね」

比企谷「わざわざすまんな戸塚」

戸塚「ううん気にしないで。僕も丁度疲れてたし」

雪ノ下「……早速だけれど本題に移るわ。手短に済ませたいもの」

戸塚「あ、うん。えと……八幡のメールにはキス?がどうとかって……」

雪ノ下「いえ、気にしなくても結構よ。由比ヶ浜さんにも質問するわね」

由比ヶ浜「あ、うん分かった」

雪ノ下「まず一時間目と二時間目の授業中の状況について、覚えている限り教えてくれるかしら?」

戸塚「うん……えと、一時間目は英語で、別に普通の授業だったよ」

由比ヶ浜「うん。授業中だし、ヒッキーの近くに寄るような人も居なかったし……っていうか、ヒッキーは起きてると思ってた」

戸塚「二時間目は先生が来れなくなったから自習だったよね。あ、八幡は思い切り寝てた」

由比ヶ浜「あたしは優美子達と話しながら、一応自習もしてた。ヒッキーは寝てた。ヒッキーの近くには……あ、確か彩ちゃんが居たような……」

比企谷「うっそマジで……!?」

戸塚「あ、うん。国語で難しいところがあったから聞こうと思ったんだけど……気持ちよさそうに寝てたから、葉山君に聞いたよ」

比企谷「なん……だと……葉山……!」ギリギリ

由比ヶ浜「それ以外には特に何もなかったかな」

平塚「……ふむ。つまり自習の時も戸塚以外は比企谷に近寄ってもいないんだな」

由比ヶ浜「はい。基本的にみんな真面目だし」

小町「と言う事は……犯人は戸塚さん!?」

戸塚「えっ、犯人!?」

比企谷「いやいや待て待て、それはおかしいぞ小町。戸塚はお友達だ。男の子だ。大前提からおかしい」ニヤニヤ

小町「お、お兄ちゃん……その割に満更でも無さそうだよ……?」

雪ノ下「そもそも教室内でそのような行為があれば周囲から何かしらの注目が集まるはず。由比ヶ浜さんがそれに気付かないのはおかしいわ」

由比ヶ浜「だよね。ていうか姫菜が気付かない訳ないし……」

戸塚「えと、海老名さんがどうかしたの?」

比企谷「戸塚は知らなくていい。むしろ知ってはいけない俺の為に」

平塚「では、質問を変えよう。比企谷、例のものを」パチン

比企谷「なんすかその言い方……ほら」グイッ

戸塚「……?……!?は、八幡、唇の形の痕が……!?」

比企谷「違う、誤解だ戸塚!これは全く身に覚えが……!」

小町「今日一番の弁解だー。ちょっと本格的に兄の将来が心配です」

平塚「ふむ。その反応からして答えが出たも同然だが……自習中の比企谷にその痕はあったか?」

戸塚「い、いえ……」

食い終わったスマソ

由比ヶ浜「……ってことは保健室で寝てた時?」

平塚「だろうな。一応聞いておくが、比企谷。保健室のベッドを使用していたんだよな?」

比企谷「えぇまぁそりゃあ。養護教諭の先生も、体調が悪いですって言ったら俺の顔見て一発で寝かしてくれたんで」

小町「疑う余地のない顔つきって事だよそれ」

平塚「ふむ。となると……その先生か、あるいは保健室を利用した生徒の誰かが犯人という事になるな」

雪ノ下「……待ってください、先生。それはおかしいのでは?」

平塚「ふむ?」

雪ノ下「まず、保健室の先生が比企谷君にそのような行為をするでしょうか。
    仮にも養護教諭ともあろう者が病人、あるいはその疑いのある生徒に対してみだりに接触するとは思えません。
    第一に、対象である生徒が比企谷君です」

比企谷「おい最後」

平塚「なるほど、一理ある。特に最後」

比企谷「おい」

雪ノ下「次に保健室を利用した生徒の誰か、という指摘ですが……それも有り得ません。
    何故なら対象が以下略」

比企谷「せめて最後まで言い切れ略すな」

平塚「くっ……完璧な論破だ」

比企谷「論破されちゃった!」

雪ノ下「残念ながら、真相は闇の中と言う訳かしら?残念ね」

比企谷「全く残念そうじゃないなお前!いや冗談はさておきだな。
    とりあえず今ならまだ居るだろうから保健室に行って先生に話を聞きに行こうぜ?
    それに利用者名簿で時間を照らし合わせれば、一応の容疑者は絞り込めるだろう」

雪ノ下「無駄よ。諦めなさい。というか容疑者が可哀想だわ」

比企谷「言い過ぎだろお前……一応俺被害者なんだけど」

由比ヶ浜「うーん……けど、確かに、犯人は可哀想、かも……」

比企谷「由比ヶ浜まで!?」

由比ヶ浜「いや、そういう意味じゃなくて……その、寝てる相手にそういう事するのって良くない事だけど、それってやっぱりヒッキーの事が好きだからやったんじゃないかなって」

比企谷「……えっ」

由比ヶ浜「だから無理に犯人探しとかしちゃうと恥ずかしいんじゃないかなって。
     バレないようにこっそりやった事なんだし……誰がやったのかは気になるけど、すごく気になるけど!
     ……けどそっとしといてあげた方が良いんじゃないかな……すごく、モヤモヤするけど……」

比企谷「……」

小町「んー、まぁ……それも一理あるかもですね。ひょっとしたら人違いで、今頃凄く後悔してるかもですし?」

比企谷「……それは酷くないか。いやマジで」

戸塚「え、えと……八幡は嫌かもしれないけど、そういう判断もあり、なのかな?」

平塚「……確かに最も平和的な解決、ではあるな。無論今後の対策は必要になるが」

比企谷「……ふー……」

比企谷「そこまで言われたら、反対出来ないよな。つーか、ひょっとしたら犯人が材木座って事も有り得るんだし」

雪ノ下「……」

由比ヶ浜「そ、それはちょっとキツいかな……っていうかキモいかも」

比企谷「……いや、本気で怖くなってきた。有り得ないだろうが名簿確認して男の名前しかなかったら俺は学校に来れなくなる……」

小町「た、確かに一番怖いパターンだねそれ……」

比企谷「……ま、まぁ……そんなわけで不本意だが、なぁなぁにしとくってのもアリ、かな」

平塚「そうか。なら、これでこの一件は一応解決か」

雪ノ下「……では今日はこの辺で解散という事にしましょうか」

由比ヶ浜「ん、そうだね」

戸塚「じゃあ僕は部活に戻ろうかな」

比企谷「わざわざ悪かったな」

戸塚「ううん気にしないでよ。じゃあみんなまた!」

比企谷「あぁ。また明日」

     X      X       X

ガチャガチャ

平塚「さて鍵は私が預かる。気を付けて帰りたまえ」スタスタ

由比ヶ浜「じゃ、帰ろっか」

雪ノ下「えぇ」

小町「あ、もし良ければどこか寄り道して帰りましょうよ!」

由比ヶ浜「あっ、それならペットショップ寄っても良い?サブレのごはん買って帰らなきゃ」

雪ノ下「……猫」

比企谷「嫌だ……真っ直ぐ帰りたい」

小町「まぁまぁ、そう言わない!」

?「あっ、雪ノ下さん!」

雪ノ下「!」

比企谷「……ん?保健室の先生だな」

雪ノ下「す、少し待っていてくれるかしら」スタスタスタ

比企谷「ん、あぁ」

由比ヶ浜「なんだろ?」

比企谷「さぁ?」


雪ノ下「~~」
先生「~~」

由比ヶ浜「あ、終わったみたいだよ」

小町「大丈夫ですか?」

雪ノ下「……ごめんなさい、大したことじゃないわ。なんでもないわ。気にしないで」

比企谷「なんか顔真っ赤だぞ?お前」

雪ノ下「別に、そんな事は無いわ……早く行きましょう」スタスタ

小町「おっ、ノリノリですねー!そうと決まれば早く猫を見に行きましょうか」

由比ヶ浜「あ、待ってよ二人とも!ほらヒッキーも早く!」

比企谷「ん、あぁそうだな」


ネタバレ:犯人は雪ノ下。最後の最後まですっとぼけてた

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月08日 (土) 12:25:48   ID: zQHwxbtx

犯人発覚までの文章がはっきりとしていません。最後の「ネタバレ」というのを書かず、その後の八幡とゆきのんの掛け合いを描写すれば、分かりやすかったと思います。また、川崎さんの性格はあなたがこの作品で書いたような性格じゃないです。       感想→まだまだです(´д`)あなたは作家には向いてません。

2 :  SS好きの774さん   2016年06月22日 (水) 00:27:42   ID: FIQ9uceU

1<<感想はいいが最後のはひどい、何様のつもりだ?待ってるだけの奴が

3 :  SS好きの774さん   2016年09月13日 (火) 17:27:05   ID: dk9MKecd

1<<なーに言ってだこいつ

4 :  SS好きの774さん   2020年02月22日 (土) 21:10:05   ID: SvOk_oi6

キスマークをつけて、唇の形が出来るとか童貞まるだし。

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