雷電「ここが…アインクラッド…」 (194)

prrrr…

ボリス「こちらボリス、周囲の状況はどうだ?」

雷電「開けた草原に出た。人影はないな…」

ボリス「うむ。ボディの調子は?」

雷電「問題ない。視角、聴覚、触覚を始め体感に違和感はない…。
   とても、オンラインゲーム内とは思えないな」

ドクトル「当然だ。オンラインゲームと言えど、根本的なシステムはVR訓練
     のソレと変わらん。義体化している君ならばボディの性能や君自身
     の身体能力はゲーム内に完全に反映される。」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364729122

雷電「ドクトル!?」

ボリス「ドクターには今回も技術顧問として作戦に参加してもらう」

雷電「ゲームなんかのコンピュータプログラミングは専門外じゃないのか?」

ドクトル「何をいっているんだ?今回、君の電脳をゲーム内にシンクロさせたのは私だぞ。
近年の体感型ゲームにおける脳信号を介在した制御システムはサイボーグの電脳化と遜色ない
ものだ。むしろ、この作戦では私より適した技術顧問はいないと思うがね?」

見てくれてる方ありがとう
書き溜めがありませんのであしからず

飲みながらなので誤字があればすんません

雷電「…期待している。それよりも、事前のブリーフィングには参加していなかったようだが
、作戦の概要は理解しているのか?」

ドクトル「あぁ、もちろんだ。要は、そのゲーム、ソード・アート・オンラインをクリアすれば
いいわけだろ?君はSAOをクリアし、プレーヤーたちをゲーム内から解放する。」

雷電「簡単に言ってくれるな…」

ドクトル「なに、今、君のボディに収められた戦闘データを、SAO内のステータスに数値化してみたが、
驚異的だよ。各ステータス値はほぼ最大値だ。SAO内での君の能力はズバ抜けている。こういうのを日本
のゲーマーは何というのだったかな?」

ケヴィン「【チート】だな」

雷電「ケヴィン…」

ケヴィン「確かに、これだけの能力ならゲームクリアは容易だろう…だが雷電、チートじみた、
他プレーヤーを圧倒したプレイは避けるべきだ」

雷電「何故?」

ボリス「雷電、お前は正規のゲームプレーヤーではなく、我々マヴェリック社が、本件解決のため
にゲーム内に送り込んだイレギュラーな存在だ。基本的に君自身の存在は、ゲームシステムには感知
されないが、ケヴィンが言ったようなチート的な行動が目立てばゲームシステムに感知される可能性がある。」

雷電「何か問題が?」

ケヴィン「ゲームシステムから干渉を受ける恐れがある。作戦進行の障害、最悪
ならゲーム内から消されるかもな。」

ドクトル「ふむ、その場合、電脳が無事でいる保証はできないな。」

雷電「…」

ケヴィン「なに、心配するな。要は目立ちすぎず、周囲のプレーヤーにレベルを合わせて紛れ
ながらゲームクリアしていけばいいって事だ。俺たちも全力でサポートする。」

雷電「あぁ…助かる。ケヴィン、今回もお前が作戦に参加してくれて心強い。」

ケヴィン「おいおい、何度おだてても何もでないぜ、men!!」

ボリス「では、雷電。準備はいいか?」

雷電「ああ…これより、SAO攻略に入る」

BGM: http://www.youtube.com/watch?v=00Z-Gbyb7l8

ボリス「よし、ではまず、情報収集を行ってくれ。ゲームの進行状況、プレーヤー数諸々についての
情報が不足している。」

雷電「了解。前方、20�ほど先に町が確認できる。まずは町まで行って聞き込みによる情報収集を行う。」

————第?層・ある街

雷電「町並みは、中世のヨーロッパがモデルか…。しかし、人が少ないな。
既にプレーヤーの減少が深刻なのか?」

???「ちょう、待ってんか?」

雷電「…なんだ?」

???「おまえ、この界隈では見ん顔やの〜。名前と所属を言わんかい!!」

雷電「所属?このゲームは一人プレイ用ではないのか?」

???「一人プレイ?何ワケわからんこというとるんや!?」

prrrr…

ケヴィン「おい、雷電。SAOはオンラインゲームだぜ?一人プレイ用なんて概念はない。
恐らくその男の言う所属とはギルドやパーティのことだろう。」

雷電「ギルド?パーティ?」

ケヴィン「jesus!!雷電、おまえMMOは初めてか?」

雷電「日本のテクノポップスと何か関係が?」

ケヴィン「bull shit!!YMOじゃない!!MMO!!Massively Multiplayer
Online。多人数同時参加型オンラインのことだ。ギルドやパーティってのは、その中で複数
のプレーヤー同士で作るゲーム攻略グループのことだ。2人といった小規模パーティから数千
人単位で構成されるギルドまでその形は多様だ。」

雷電「ほう…。スマブラからずいぶんと進化したものだな。4人以上でも遊べるとは」

ケヴィン「oh mam…」

???「コラっ!!なに一人でゴチャゴチャ言うとんねん!!はよ所属と名前を言わんかい!!」

雷電「あぁ。すまない、雷電だ。特にパーティには所属していない」

???「フンっ!!ソロプレーヤーかいっ!!気に食わんのぅ。それに前進真っ黒の装備に背
中射しの片手剣…。イラつくやないか!!」

雷電「何を言っている?それよりも聞きたいことが…」

???「じゃかあしいわいっ!!ソロなら都合が良いわっ!!その武器と装備いただくでぇ〜。
見たところ、えらいレアアイテムみたいやのぉ〜」

雷電「おい、お前はプレーヤーだろう。何故、他のプレーヤーから略奪行為を行うんだ?」

???「ゴチャゴチャやかましいやっちゃ!!ココは第1層始まりの町やっ!!
お前みたいな平プレーヤーは第1層を治める我らアインクラッド解放軍に奉仕する義務があるんや!!」

雷電「たかがゲームで軍、町の統治、奉仕とは笑わせるな」

???「なんやと!?」

雷電「しかも今は有事だ。そんなことをやっている場合か?」

???「やかましいっ!!黙って、身ぐるみ置いくんや!!」ガバッ

雷電「フンッ」ザシュ

???「なっ…」ポロ

雷電「プレーヤーに襲われるとはな…思ったより攻略は困難になりそうだ」

???「ワ、ワイの腕がぁぁぁぁ〜」

雷電「黙って質問に答えてもらう。芋虫にされたいか?」ギラッ

???「ひ、ひぃぃぃ〜」

雷電「お前の名前と所属する…ギルドは?」

???「ワ、ワイはキバオウってもんや…アインクラッド解放軍の大将や…」ブルブル

雷電「キバオウ…お前はさっきここを第1層といったが、何故お前はこんな場所にいる?
攻略はもっと上の層まで進んでいるはずだ」

キバオウ「あぁ?お前モグリか?そんなことも知らんのk」

雷電「」ザシュ

キバオウ「ぎゃあぁぁぁぁぁーーー」ポロ

雷電「質問に答えるんだ」

キバオウ「はっはっ…、さ、最前線で攻略に参加しとるんは全プレーヤーのほんの一部や
…や、約500人…今は50層近くまで攻略しとる。そ、それ以外のプレーヤーは中間層でレベ
ル上げしたり、前線の支援、あとは奴は下層でクリアを待っとる・・・」

雷電「お前は下層の弱プレーヤーからさっきような略奪行為を繰り返しているのか?」

キバオウ「りゃ、略奪やない。町を治めるものとして奉仕を受け取るだけや…」

雷電「イイ大人がゲームごときで情けないな」

キバオウ「くっ…」

prrrr…
雷電「ボリス…」

ボリス「ああ、どうやらSAO内の治安はなかなか悪いようだな。」

雷電「プレーヤー間の格差のせいだろうな。それに、てっきり全プレーヤーが攻略
に参加していると思っていたが…」

ボリス「うむ、滞在する層によってプレーヤーの力量は依存していると考えて良いだろう
。強いプレーヤーほど上層に居るというわけだ。」

雷電「だが、中にはキバオウのようにあえて低層に滞在し、弱プレーヤーから搾取する者もいる…」

ボリス「よし、作戦にはプレーヤーの保護も含まれている。SAO攻略に併せて、
治安を保持も同時に行っていけ」

雷電「具体的には?」

ボリス「なに、簡単だ。キバオウのような輩を見かけたら制裁を加えればいい」

雷電「了解した。で、そのキバオウはどうする?このまま放置してもいいか?」

ボリス「いや、彼には我々マヴェリック社に協力してもらう。最前線までの道案内、
道中での情報提供を頼もう」

雷電「こんな男で大丈夫なのか?」

ボリス「なに、扱い易そうな男じゃないか?ある程度こちらの事情を話して、協力を仰げ」

キバオウ「」ブルブル

雷電「おい…」

キバオウ「ひぃっ…」

雷電「少し、頼みがある」

prrrr…

コートニー「雷電、今回も記録担当は私よ」

雷電「ああ、よろしく頼む」

コートニー「セーブする?」

雷電「ああ、今日はもう飲みすぎたからな」


prrrr…

コートニー「あら、雷電。作戦再開かしら?」

雷電「ああ、したたかに酔ってきたしな…」

コートニー「くれぐれも飲みすぎには注意してね?」

雷電「そのつもりだ。キーボードを汚すのはもう、こりごりだからな…」

コートニー「…」


  ・
  ・
  ・
  ・
キバオウ「…ちゅうことは、SAO攻略してこのデスゲームからプレーヤーを解放するために、
アメリカの民間軍事警備会社がアンタっていうコンダクターを送り込んできたっちゅうワケかい?」

雷電「ああ。本作戦の依頼主は、既プレーヤーによるSAOクリアはもはや不可能と判断し、マヴェ
リック社に事件の解決を依頼した。」

キバオウ「し、しかし、よー外部からゲーム内にアクセスできましたな。リアルから下手に手出しは
できんと聞いとったんやが…」
雷電「俺は電脳を直接SAOサーバーにシンクロさせているからな。システム管理者、茅場晶彦に感知
されずに侵入することができた。」

キバオウ「脳に直接!?そんなことができるんかいな」

雷電「サイボーグに限ってだがな。それにこの技術を持つのはマヴェリック社だけだ。
本件が我が社に依頼されたのもそのためだ。」

キバオウ「サイボーグ?アンタ、サイボーグなんか?じゃあ、なんや…そのナリやさっきの戦闘は…」

雷電「これは現実での俺の姿だ。戦闘もゲームシステムに依存したものではなく、ボディ性能、身体能力、
経験に裏打ちされている。恐らくSAOで俺に叶うプレーヤーはいないだろう…」

キバオウ「な、なんやて…。ちょ、ちょっとアンタのステータス見せてくれんか?」
雷電「かまわないが…。ドクトル」

ドクトル「了解だ。君の手元にペーパー形式のオブジェクトとしてステータス画面を出現させよう」ピピッ

雷電「ほら…」つ

キバオウ「あ、ああ…すんません」

雷電「…」

キバオウ「な、なんでや…」プルプル

雷電「?」

キバオウ「なんでやっ!!!!」

雷電「!!おいっ」

キバオウ「こんなんチートや…チーターやないかいっ!!」プルプル

雷電「何故動揺している?もう俺はお前に危害を加えないし、このステータス
を活かしてゲームクリアに尽力するつもりだ。」

キバオウ「こ、こんなん平等やない…。ゲームは皆すべて平等やないといかんのや…
ゲームは…ゲームは…ゲームだけは…」プルプル


雷電「おいっ!!」

キバオウ「はっ…」

雷電「いったいどうしたんだ?」

キバオウ「す、すんません…あんまりに凄いステータスやったさかいに…」

雷電「…」

キバオウ「…」

雷電「……お前にここまでの事情を話したのは、俺に協力してもらうためだ」

キバオウ「きょ、協力やて!な、なんで殺されかけた相手に協力してやらなアカンのや!」

雷電「」ギラッ

キバオウ「ひぃ!」

雷電「上司から、略奪行為を行う暴徒へはそれなりの処理を下してもいいという許可がでている。
また、芋虫になりたいのか?」


キバオウ「か、堪忍してくださいぃ。ワイは低層でしか威張り散らせんような雑魚プレー
ヤーやぁ〜、もう心入れ替えておとなしく暮らしますんで助けてください…協力者ならワ
イよりも適任なプレーヤーはおるやろ〜」

雷電「お前は俺について知りすぎた。さっきも話したが、俺はゲームシステムに感知され
るわけにはいかない…。お前がおれのステータスや素性について口外すれば、いずれはシ
ステム管理者まで伝わり、チートなイレギュラーとして俺がゲームから消される可能性が
ある。口封じにここで俺に斬られるか、それとも俺に協力するかの…。」

キバオウ「わ、わかったぁ〜。協力、協力するさかい…」

>>25
そんなん、どっからどう見てもメキシコ人の格好しとるに決まっとるやないかい


雷電「すまないな」

キバオウ「なんでや…こんなん脅迫や…」

雷電「…協力といっても、お前には道案内と情報提供を頼むだけだ。
戦闘はすべて俺が請け負う。目立たないよう力を抑えての戦闘になるだろうが、
俺がこのゲーム内で敵に殺されることはまずないだろう。それに、行動を共にする
以上お前の身の安全も保障する。…これでいいか?」

キバオウ「…わ、わかったわい。協力しちゃる。」

雷電「感謝する」

>>33
なんでや!!

—————第1層・郊外

prrrr…

ボリス「こちらボリス。どうやら彼の説得に成功したようだな」

雷電「ああ、これからキバオウの案内で攻略組が居るであろう最前線の層へ向かう。」

ボリス「よし、まずは攻略組との合流が最優先だ。トッププレーヤー達の中ならば、君の
ずば抜けた戦闘能力に対する違和感も若干薄まるだろう。攻略組に紛れこみ、迅速なゲーム
クリアを目指してくれ」

ケヴィン「しかし、【キバオウ】とは…、いくらゲームとはいイイの大人が恥ずかしい名前だな」

雷電「…」

ケヴィン「おぉーっとぉ、恥ずかしい名前は禁句だったか、ミスター・ライトニングボルト?」

雷電「…」

キバオウ「どないしたんや?雷電はん?」

雷電「いや、なんでもない。それよりも早く上層に向かうぞ」

キバオウ「そのことなんやが雷電はん・・コレをみてくれ」つ

雷電「これは…」

キバオウ「転移結晶いうもんや」

雷電「転移結晶?」


キバオウ「そや、これを使えば既に攻略されとる階層のゲートまでひとっ飛びっちゅうワケや」

雷電「ポケモンでいう【そらをとぶ】か…。さすがはゲームといったところだな」

キバオウ「ほな、いくでぇ〜、転移っ!!」

シーン

キバオウ「あれ?おかしいな…転移っ!!」

シーン

キバオウ「転移っ!!」

シーン

雷電「おい、どうなっているんだ」

キバオウ「ちょう、待ってんか…おかしい、転移できないはずないんや。こんな第1層の通常エリアで…」


prrrr…

ドクトル「ふむ…。どうやら、君という存在はSAOでの【転移】というシステムに完全に認識
されていないようだな」

雷電「完全に?どういうことだ?」

ドクトル「君がSAOにおいてゲームシステムから感知されないのは、SAOが君をプレーヤーとして
認識していないからだ。しかし、認識していないだけで、実際には君はプレーヤーに近い状態でSAO内
に存在している。その【転移】システムは、君という存在は認識しているがプレーヤーとしては認識する
ことができていない。そのため、プレーヤーに対して働く【転移】というシステムが作動しないのだろう」

雷電「ポケモンスタジアム64で例えれば、GBカートリッジを使ってミュウツーを移植しても、トーナメ
ントに出場させられない、ということか」

ドクトル「まぁ…そんなところだ。しかし、君の場合はミュウツーと違ってトーナメント出場可能だ。
これもひとえに私の技術の賜物というわけだ。」

雷電「…感謝する」


キバオウ「雷電はん、なんやわからんけど転移結晶が使えんみたいや」

雷電「…どうやら、俺の存在がシステムに完全に認識されていないことが問題らしい。転移結晶による移動は不可能だ」

キバオウ「な、なんやて!?それじゃあ、移動は…」

雷電「徒歩だな」

キバオウ「なんでやっ!!」


prrrr…

コートニー「今日はもう終わりかしら?」

雷電「そうだな、明日も早い」

コートニー「…ところで、SAOはアニメと原作、どちらも見たの?」

雷電「いや、アニメだけだ。いつも夜中に酒を飲む時間にちょうど放送していたからな。内容はうろ覚えだ。」

コートニー「…この先が心配になってきたわ。とりあえずセーブするわね…」

雷電「頼む」


prrrr…

コートニー「雷電?準備はいいかしら?」

雷電「心配ない…。既にロング缶を三本空けている。」

コートニー「なら良かったわ。…SAOの内容はうろ覚えってことだったけど大丈夫なの?」

雷電「SAOは楽しい作品だった、これさえ覚えていれば問題は無い」

コートニー「そう…わかったわ、期待してる。…でも、アナタにしては意外に好評価なのね」

雷電「意外?どういうことだ」

コートニー「いえ、深い意味はないわ。作戦を再開して…」


———第1層・ボス部屋前

雷電「この部屋の先に第2層へ続く階段があるというわけか」

キバオウ「せや。そして階段の前には各層にボスが待ち受けとる。ボスを倒さんと上の層には行かれへんのや」

雷電「どういうことだ?第1層は攻略済みのはずだ」

キバオウ「せや、いわずもなが第1層は既に攻略されとるが、SAOはボスキャラクターが復活するタイプのゲームや。
転移結晶を使わずに上層を目指すんなら、面倒やが各層のボスをいちいち倒す必要があるんや」

雷電「なるほどな、ポケモンでいうところの四天王システムと同じか…。まずはカンナからということだな」

キバオウ「…まあ、そんなところや」

雷電「よし、ではボス部屋へ潜入する」

ギギィ・・・バタン


———第1層・ボス部屋

イルファング・ザ・コボルド・ロード「Guwwaaaaaaaaaaahhhhh!!!!」

キバオウ「あ、アイツが第1層のボスや…」ブルブル

雷電「なんだキバオウ、ビビっているのか?」

キバオウ「ちゃ、ちゃうわい!!今のワイにかかれば、1層の雑魚ボスなんぞ片手で捻りつぶせるわい!!ただ…」

雷電「ん?」


キバオウ「アイツを見ると、嫌なこと思い出してしまうだけや…」

雷電「…そうか、ちゃかしてすまなかった」

キバオウ「…かまへん、それよりはよ次の層へ向かおうや。アイツの攻略にはワイも参加しとった、ココからアドバイスするさかい、雷電はんは
あんな奴ちゃちゃっと倒してもうてくれ」

雷電「…そうか、感謝する。では…行くぞっ!!」

イルファング「Gyaaaaaaahhhhhh!!!!」

BGM: http://www.youtube.com/watch?v=Hm7vnOC4hoY


雷電「はぁっ!!」ダダダッ

イルファング「Guwwaaaaaaaaaaahhhhh!!」ブンッ

キバオウ「きたっ…、雷電はん!そのデカイ刀を弾くんや!!
そしてできたスキに一撃を…なっ!?」

雷電「でやぁぁっ!」ビュンッ

キバオウ「と、跳んだやと…なんて跳躍力や、イルファングの巨体を完全に飛び越しとる…!!」


イルファング「Guwwawwawwa??」

キバオウ「イルファングのヤツ、雷電はんの跳躍スピードについてけずに雷電はんの姿をを完全に見失のうとる!!はっ…

雷電はんがヤツの死角にっ…!!」

雷電「ハッ!!」ザシュザシュザクザクザクザシュ



雷電「でやっ!!」ブシュッ



イルファング「Guuuuuuu…」バターン…

キバオウ「た、倒してしもうた…」

ピピッ
Congratulations‼It is the fastest record‼


キバオウ「さ、最速記録…、は、速すぎる…ボスが弱いとかそんなレベルやない。前線のプレーヤーでも数十分は要するボスや。
それを開戦から数秒…下手したら1秒もかかってないかもしれへん…。」

雷電「キバオウ、次の層へ向かおう。…キバオウ?」

キバオウ「雷電はん…アンタはホンマもんのチーターやで…」

雷電「最初にそう言ったはずだ」

キバオウ「へへっ、そうやったな。雷電はん…今、確信したで!アンタはワイらプレーヤーをこのデスゲームから解放してくれるってな!!」

雷電「もとよりそのつもりだ。俺の剣は活人剣…弱気を守り、命を救う剣だ。もたもたするな、はやく次の層へ向かうぞ」


prrrr…

ボリス「ハーラショーーッ!!見事な戦闘だったな、雷電」

雷電「通常通りだ。他のプレーヤーの目が無かったからな…全力で戦うことができた。」

ボリス「うむ、しかしこれから上層へ向かうほどに、他プレーヤーと出くわし、共闘せざるを得ない状況が増すだろう。
最速プレイもいいが、派手な行動をとってゲーム内から消されないように注意しろ」

雷電「わかっている。タイムトライアルをしているわけではないんだ。じっくりと着実にかつ大胆であれ、ポケモン対戦の基本だ…」

ボリス「よし、その調子で上層へ向かってくれ」

————第25層・迷宮区


雷電「ここの、迷宮は少しいりくんでいるようだな。キバオウ、道順はあっているのか?」

キバオウ「攻略後に公開されとるマップに準じて進んどるんや、問題あらへん。しかし、もう
こんな層まで来るとはな、恐ろしい人やで雷電はん。それにしても…25層か……」

雷電「どうしたんだ?」

キバオウ「いや…なんでもあらへん…」

雷電「何を不安がっているが知らないが、安心しろ。SAOは必ず、クリアしてみせる」

キバオウ「…頼もしい限りやで、雷電はん」

雷電「!!…どうやら、ここが25層のボス部屋のようだな」

キバオウ「……せやな」

雷電「キバオウ?いったいどうしたんだ?」

キバオウ「な、なんでもあらへん!!そ、そんなことよりはよ部屋に入ろうや」

雷電「…ああ」


————第25層・ボス部屋


ボス25「Kishaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaahhhhhhhhhhh!!!」

雷電「こいつがボスか。キバオウ、すぐに片づける。部屋の隅で隠れていてくれ…キバオウ?」

キバオウ「ふぅー、ふぅー、ふぅー」プルプル

雷電「おい、キバオウ隠れ…!?」

キバオウ「あ、あ、あぁぁぁぁぁ」ガタガタ


雷電「キバオウっ!!どうしたんだ!!」

ボス25「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」

キバオウ「わ、ワイが悪いんやない…ワイが悪いんやない…ワイが悪いんやない…」カカタカタ

雷電「キバオウっ!!」

キバオウ「仕方なかった…仕方なかったんや…」

ボス25「Shuuuraaaaaaaaaaaahhhhhhhhhhh!!!!!!」

キバオウ「あ、あ…うわあああぁぁああぁぁぁぁあああああ」ダダダダ

雷電「キバオウっ、何処へ…、くっ一時撤退する。」

————第25層・ボス部屋外


雷電「キバオウ!!どこだ!!」

シーン

雷電「くそっ!!ボリス、キバオウの現在位置はわかるか?」

ボリス「今、彼のプレーヤーデータから検索中だ。いったい何があったんだ?」

雷電「わからない…ボスを見た途端にキバオウが発狂しだした」

ケヴィン「キバオウの居場所がわかったぜ。転移結晶を使ったみたいだな。どうやら第22層にいるみたいだな。」

雷電「22層?何故そんなところに…」

ボリス「とにかく、彼のもとへ向かってくれ。現状では彼からの情報提供がなければ作戦の進行は困難といえる。」

雷電「ああ、その通りだ」

ボリス「お前は既に22層は攻略済みだ。彼の正確な位置をARとして視界に表示できる、急いでキバオウを捜索するんだ。」

雷電「了解」


prrrr…

雷電「コートニー…今日はもう無理だ…」

コートニー「…飲みすぎよ」

雷電「ああ…」

コートニー「セーブするわね?」

雷電「頼む…」


prrrr…

コートニー「あら、雷電久しぶりね、てっきりもうやめちゃったのかと思ってたわ」

雷電「少し、忙しかっただけだ。やめるつもりは毛頭ない」

コートニー「そう、安心したわ。じゃ、準備はいい?」

雷電「ああ、既にグラス3杯飲んでいる」

コートニー「わかったわ、作戦再開よ」

雷電「了解した」

————22層・森林エリア


prrrr…

雷電「ボリス、22層に到着した」

ボリス「よし、彼の反応は近いようだ。周囲の状況から彼の痕跡をたどってくれ。」

雷電「まさかSAOでもスカウトが役立つとはな」

ボリス「加えて、その森林エリアはモンスターのエンカウント率が非常に高い。草むら等から、襲い掛かるモンスターにも注意してくれ」

雷電「ああ、草むらからモンスターが襲い掛かってくるのはゲームの常識だ」

ガサッガサッ

雷電「!?さっそくおでましか…」ジャキン

???「お…おじさん、だれ…?」ブルブル

雷電「子供…?SAOにこんな子供が…」


???「」ブルブル

雷電「おい、君…」ジリ…

???「や、いやっ!!来ないで!!」タタタタッ

雷電「ま、待つんだ」


prrrr…

ケヴィン「jesus!!雷電!!幼女を襲おうとするなんて見損なったぜ!!」

雷電「俺にそんな趣味はないっ!キバオウを見かけなかったかを聞きたかっただけだ」

ケヴィン「本当か?それなら何故逃げたんだ?幼女を見つめるお前の野獣(ビースト)のような
目つきを怖がったんじゃないのか?」

雷電「確かに子供に接するような目つきではなかったかもしれない、あまり子供うけする性分ではない
からな…だが、俺はロリコンではない…」

ケヴィン「…とりあえず、その言葉信じておくが、いいか?絶対に幼女には手は出すなよ?」

雷電「ああ、あたりまえだ」

ボリス「雷電、キバオウの捜索は最優先事項だが、あのような子供のプレーヤーが一人でこのエリアを
うろついているのを見過ごすわけにはいかない。至急、先ほどの子供に接触し保護してくれ」

雷電「了解した」


ガサガサッ

雷電「くそっ、どこへ行ったんだ」

???「きゃーーーー!!」

雷電「!? 向こう側か」ダダダダッ

モンスター「Gyuwwawwa」ジリジリ

???「や、いや…」

雷電「くっ、間に合わないっ…!?」ダダダダッ

キバオウ「でやっ!!」ザクッ

モンスター「Guu……」バタン


キバオウ「よっしゃー!!お嬢ちゃん、大丈夫かいな?」

???「あ…ありが…と…」フラッ

キバオウ「!? お嬢ちゃん!!しっかりするんや!!」

雷電「キバオウっ」タタッ

キバオウ「ら、雷電はん…」

雷電「探したぞ、いったいどうしたんだ?」

キバオウ「すんまへん…心配かけてしもうて、でも、それより今はこの子を…」

???「」

雷電「ああ、すぐに安全な場所を確保する…ボリス」

ボリス「よし、すぐ近くにプレーヤーが購入可能なログハウスがある。幸い、まだ所有はいないようだ。そこへ向かってくれ」


————22層・ログハウス

???「う、うぅん…」

キバオウ「!? お嬢ちゃん、気が付いたんか?」

???「こ、ここは…?」

キバオウ「心配あらへん、安全な場所や。それよりもまだ、横になっとったほうがええで」

???「う、うん…さ…さっきはありがとう…」

キバオウ「かまへん、かまへん。それよりもお嬢ちゃんのお名前はなんていうんや?」

ユイ「ユ、ユイ…」

キバオウ「ユイちゃんか、ええ名前や。ワイはキバオウってもんや。それから、そっちにいるのが…」


雷電「…」

ユイ「!?」ブルブル

キバオウ「こ、怖がらんでええでユイちゃん、見た目は恐ろしいけど、ホントは優しいおっちゃんや。な?雷電はん?」

雷電「…ああ」

キバオウ「ユイちゃん、ココは安全な場所やから、今はゆっくり休むんや」ナデナデ

ユイ「う、うん…ありが…と…キバオウ…」

キバオウ「ユイちゃんはお礼が言えてエラい子や。」ナデナデ

雷電「…キバオウ、少し外に出てくる」ガチャ

キバオウ「あ、ああ気ぃつけて」


prrrr…

雷電「ボリス、今、子供を保護下においた。ひどく衰弱しているが…」

ボリス「あの幼さでこの極限状態にいるんだ無理もない」

雷電「攻略組との合流を一時中断して、あの子の保護者を探すべきか?」

ボリス「それがな、雷電。その子供の容姿から先ほど調べたんだが、その子と同一サーバーからSAOに
参加しているプレーヤーは居ないことが
わかった」

雷電「馬鹿な、あの年齢でこんな複雑なゲームに一人で参加しているはずが…」

ボリス「…保護者どころか、その子供のプレーヤーデータも見つからんのだ」

雷電「どういうことだ?」

ボリス「わからん…。その子供がプレーヤーではなく、NPCだという可能性はどうだ?」

雷電「それはない、先にはキバオウと問題なく会話していた」

ボリス「…そうか。よし、それでは目下、その子供の保護についての対応策を考える。今後の方針が決まるまで
しばらくその場所で待機していてくれ」

雷電「了解した。だが、そんなにのんびりしていて大丈夫か?聞いたところによると攻略組は60層近くまで進んでいるようだが…」

ボリス「既プレーヤーの攻略が順調なら問題あるまい。以前にも言ったが、君の任務はプレーヤーを生きたまま、
SAOから解放することだ。危機状態にあるプレーヤーがいれば、優先的に保護しなければならない存在だ。それが子供ならなおさらだ。」

雷電「ああ、その通りだ。ボリス…アンタが俺の上司でよかったよ」

ボリス「俺もお前のような優秀な部下が持ててうれしいよ」




ガチャ

キバオウ「早かったな、雷電はん」

雷電「ああ…眠ったのか?」

ユイ「すー…すー…」

キバオウ「せや、よっぽど疲れとったみたいや。…かわいそうにな」

雷電「その子の保護が俺の任務に追加された。しばらくはここで待機だ。お前もしっかり休んでおけ」

キバオウ「さ、さよか…よかったなユイちゃん」ナデナデ

雷電「ずいぶんと、子供の扱いに慣れているようだな」

キバオウ「……せやな」

雷電「…」


キバオウ「…雷電はん、アンタ子供は?」

雷電「息子が一人、今年で10歳になる」

キバオウ「ほうか、嫁さんと仲ようして子供は大事にせんとあかんで…」

雷電「…肝に銘じておく、お前はどうなんだ?」

キバオウ「はは…情けない話、仕事なくしてから女房には逃げられて、親権も持ってかれてしもうた。もうずっと会ってないんやが、あの娘がもう中学生や…」

雷電「すまない、聞くべきではなかったな…」

キバオウ「いや、いいんや。…久しぶりに身の上を聞いてもらえてむしろ嬉しいくらいや」


キバオウ「ワイは、中南米に拠点を置く外資系のメーカーで営業マンやってたんや。ちっさい会社で、ワイも優秀
な社員ではなかったけど、努力なら誰にも負けとらんかった。地道な努力で取引先を開拓して、ワイの昇進が決まったその直後やった…
忌まわしいあの制度の導入は…」

雷電「SOP…」

キバオウ「せや、Sons Of the Patriotsシステム…名目上は軍事力を制御・管理することによる紛争地域での
民間人への被害の防止。せやけども、その実態は、武器・兵器・兵士・戦場、戦争そのものを制御・管理するシステムや。」

キバオウ「コントロール可能な戦争はたちまちPMCの喰いものや…SOP導入に伴い台頭してきた大手4社のPMC
が戦場…いや市場に選んだのは中南米諸国やった。」

キバオウ「そっからは、あっという間や…。各国の治安悪化によりワイの親会社は倒産、ワイは職なし。今までの地道な
努力がすべて水の泡や、ワイは毎日酒に逃げとったら、女房にも愛想つかされて、逃げられてしもうた…」

雷電「…お前も、戦争の犠牲者か」

キバオウ「犠牲者…そんな、たいそうなもんやあらへん。努力が裏切られたときに、ネットゲームに逃げてきたただの負け犬や…」


キバオウ「ネットゲームは平等や、みんな同じスタートラインにたって、そこから努力したもんが努力しただけのし上がれる。
現実で、努力が報われんかったワイには最適の逃げ場やったっていうわけや。」

キバオウ「やけども、SAOでも努力は報われんかった…地道に攻略し、仲間を集め、レベルを上げても美味しいところは全部
ビーター連中に持ってかれてしまう」

雷電「ビーターというのは?」

キバオウ「SAOは正式配信前に、約1000人を対象にβテストが行われとる。ビーターゆうんは、βテストで得た情報を有利に
使ってチート的にSAOを攻略していくプレーヤーに対しての皮肉を込めた愛称や…」

キバオウ「ビーター共は、一般プレーヤーに比べたらはるかに低リスクが攻略を進められる。危険なエリア、難度が高い攻略ポ
イントは一般プレーヤーに攻略させ、最後の最後、美味しいとこだけ自分らも攻略に参加するっちゅうわけや…汚い連中やで」

雷電「お前が俺のステータス値に過剰に反応していたのは…」

キバオウ「せや、雷電はんは正規プレーヤーとはちがうさかい当たり前やが…それでもやっぱり、不公平やっちゅう気持ちになってしもうてな」


キバオウ「平等であるはずのゲーム、ましてやこんなデスゲームや。ビーターのような連中にワイの努力がかすめ取られるんは
我慢ならんかった。なにくそと食らいついて24層までは攻略したんや。でも、大勢の仲間を失って25層のボスを追い詰めたとき
にビーター共に、ボスを倒すトドメの一撃を奪われてしもうた…ワイはその時から攻略をやめた。」

キバオウ「あとは雷電はんの知ってのとおりや。第1層に逃げ帰ったワイはレベルの低いプレーヤーから略奪行為を行うような
屑になってもうた。…そんで、25層のボスを見ただけでもビビって逃げだしてしまうような負け犬や…」

雷電「…」

キバオウ「情けないおっさんやろ?」

雷電「キバオウ…お前は…」

キバオウ「いや、雷電はん。なんも言わんといてくれ。それよりワイらも休もうや。ユイちゃんもぐっすりみたいやしの…」

ユイ「くー…くー…くー…」

雷電「…そうだな」


————翌朝・22層・ログハウス

チュンチュン チチッ チュンチュン

雷電「朝…か…、油断したな。熟睡してしまった。キバオウとユイがいない…。どこかへ出かけたのか?」

雷電「…」

雷電「ジョンがあの年齢の頃、側に居たかったものだな…」

雷電「いまさらか…」

バタンッ‼!

キバオウ「ら、雷電はんっ!!」

雷電「朝から騒々しいな、どうしたんだ?」

キバオウ「ユ、ユイちゃんが…朝起きたらユイちゃんが居なくなっとったんやっ」

雷電「なんだと!?」

キバオウ「今、辺りを探してきたんやけど、何処にも見当たらんのやっ」


prprprprpr・・・・

ケヴィン「Bull shit!!雷電!!何やってんだ!!幼女から目を離すなんてよ!!」

雷電「すまない、キバオウが一緒だと思い油断した」

ケヴィン「言い訳なんて聞きたかないぜ!!早く幼女をさがすんだ!!早くしろ!!貴重な幼女が!!」

ボリス「ケヴィン、落ち着け。雷電、今子供の位置を検索中だ。プレーヤーデータがないため検索は困難だが、わかり次
第、無線する。」

雷電「了解だ」

キバオウ「なんでや…なんでや…ユイちゃん何処にいってもうたんや…」

雷電「キバオウ、落ち着け…今、俺の仲間がユイの居場所を捜索中だ」

キバオウ「あ、ああ…せやけど…」

雷電「幼い子供が心配なのはわかる。俺も親だからな。ユイの居場所がわかり次第、すぐに出られるよう準備しておけ」

キバオウ「…わかった」


prprprprpr…

ケヴィン「雷電!!幼女の居場所がわかったぜ!!」

雷電「何処だ?」

ケヴィン「雷電!!早く幼女のもとへ行くんだ!!雷電早く!!幼女!!早く!!」

雷電「ケヴィン!!落ち着け、ユイは何処だ?」

ボリス「…25層、ボス部屋にあの子の反応が確認できる」

雷電「な、何故そんなところに。」

ボリス「わからん、とにかく急いでくれ。あの子の身が危険にさらされていることは間違いない」

雷電「了解」


雷電「キバオウ…ユイの居場所がわかった」

キバオウ「ほんまか?いったい何処や?」

雷電「…25層のボス部屋だ」

キバオウ「なっ」

雷電「俺が一人で行く、お前はここで待っていろ…キバオウ!?」

キバオウ「雷電はん…ワイだけなら転移結晶でひとっ飛びや、先に行っとくで」キューン…

雷電「だがキバオウっ、お前は…」

キバオウ「見くびらんといてくれや雷電はん…あんな子供を危険にさらすわけにはいかんのや!!」キュイイィイン…ビュン

雷電「くっ、キバオウ…待っていろ直ぐに向かう」



————第25層・ボス部屋

ボス25「Shuuuraaaaaaaaaaaahhhhhhhhhhh!!!!!!」

キバオウ「はぁはぁ…」

ユイ「キバオウさん、いいんです。私のことは放っておいてください…」

キバオウ「なんでや…ユイちゃん…なんで自分から死にに行くような真似するんや…」ボロ

ユイ「私は…SAOには必要ない存在なんです…このまま、プレーヤーたちの負の感情を受けながら何もできずにいるなんて耐えられません…」

ボス25「ShrurururuaaaaaahHhhhhhhhhhhh!!」ブンッ

キバオウ「何言ってるかわからんが…」ガキンッ

キバオウ「ユイちゃんはちっさい女の子、おっさんは腐っても人の親や。こんなところで死なせるわけにはいかんのやっ!!」ジャキン

ボス25「Shuuuuuuuuuuuuu」

キバオウ「はぁ…はぁ…はぁ…」ピコン ピコン

ユイ「キバオウさん!!このままじゃ、あなたが…だめです。私のことは放っておいて、死なせてください」


キバオウ「はぁ…はぁ…だめやユイちゃん…ユイちゃんはワイが…」ピコンピコン

ボス25「Shrurururuaaaaaahhhhhhhhhhhh!!」ブンッ

ユイ「……ダメっ、わたしが」

雷電「ふんっ!!」ガキン

ユイ「あ…」

キバオウ「さ、さすがやで雷電はん…」

雷電「すまない、遅くなった」ギラッ

ボス25「Shaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

雷電「お前とは、仕切り直しだったな…覚悟しろ!!」

ボス25「Sharururuurururuururururuuru!!」ブンッ

雷電「ふん…ハッ!!」ドンッ

キバオウ「なっ、掌底で…」

雷電「でやっ!!」ザシュザシュザシュザシュ

      斬

雷電「もらったっ…」ブシュッ

      奪

ボス25「Shuuuuu……」バターン

ピピッ

Congratulations‼It is the fastest record‼


雷電「二人とも大丈夫か?」

ユイ「わ、私は大丈夫です。キバオウさんを…」

雷電「!? ああ、キバオウ大丈夫か?」

キバオウ「心配あらへん。すぐに回復アイテムを使う…それよりもユイちゃん、君は一体…」

ユイ「…」

雷電「どういうことだ?」









prrrr…

雷電「コートニー、不測の事態が起こった」

コートニー「!? いったいどうしたの?」

雷電「キーボードがハイボールまみれだ」

コートニー「なんですって!?はやく拭かないと」

雷電「ああ、当初の予定より早いが、今日は作戦を終了する」

コートニー「わかったわ、セーブするわね」

雷電「頼む」


prrrr…

コートニー「雷電!!大丈夫!?」

雷電「心配かけたな…これを見てくれ」

http://uproda.2ch-library.com/662081lLH/lib662081.jpg

コートニー「これは…」

雷電「この黒いキーボードで復讐<レヴェンジ>させてもらう…」






雷電「すると、君はプレーヤーでもNPCでもない…」

ユイ「はい…プレーヤーカウンセリング用人工知能・MHCP001Yui。私の正式名称です。」

ユイ「このデスゲームが始まって、システムからプレーヤーとの接触を禁止されてなす術なくプレーヤーの負の感情をモニタリングしていた私は、自我を失いプログラムの崩壊を起こしました。」

ユイ「プログラム崩壊状態でさまよっていたところを助けてくれたのがあなた方です…」

キバオウ「…」

雷電「…何故、22層に?」


ユイ「私を…破壊してくれるプログラムを探していました。システムから制御を受けている私は自身の選択でSAOから消えることはできません…25層ボスのようなフラグとなるようなプログラムから干渉を受けることで私は死ぬことができる…」

キバオウ「なんでや…なんでやユイちゃん…どうして死のうとするんやっ!!」

ユイ「キバオウさん…あなたが私にくれたやさしさは負の感情に押しつぶされ崩壊した自我を修復してくれるほどのもので
した。ありがとう…頭を撫でてもらえてとっても嬉しかったです…」

キバオウ「ユイちゃん…」

ユイ「でも、もう限界なんです。SAOで何の存在価値も見いだせず、ただプレーヤーの悲しみを傍観するだけの自分に耐えられない…どのみちこのままじゃ私はシステムから消されるのを待つだけ…」

キバオウ「そ、そんなことは…」

ユイ「もう、ここじゃ生きられないっ!!…あなたなら…私を殺せますよね…」


雷電「…」

キバオウ「なっ!?」

ユイ「あなたはシステム管轄外の存在、あなたが私を殺してくれる…」

雷電「…」ジャキン

キバオウ「やめるんや…雷電はん」

雷電「…俺には君ぐらいの年の子供が居るんだ」

ユイ「ごめんなさい、こんな事頼んでしまって…この容姿にプログラムされたことを恨みます…
キバオウさんも…ごめんなさい…」

キバオウ「だ、だめや…ユイちゃん、雷電はんっ!!」

雷電「…」グサッ…

キバオウ「あ、あぁ…」

ユイ「あ…ありが…と…」

雷電「俺が…守る…」

キバオウ「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…」

雷電「…」

prrrr…

雷電「ボリス…」

ボリス「わかっている。既にドクトルが作業に取り掛かっている」

雷電「感謝する…それから【SOLIS】への連絡を頼む。彼女にも協力を仰ぎたい」


————第74層・迷宮区

ザシュザシュザシュ

     斬

雷電「はっ!!」

     奪

リザードマンロード「Shrruuu」バタン

雷電「雑魚モンスターのレベルも上がってきたようだな。ポケモンでいえばチャンピオンロードくらいか…」

キバオウ「雷電はん、この迷宮区、マップが公開されとるんはここまでや」

雷電「!! つまり…」

キバオウ「せやっ、ここが最前線、攻略組に追いついたってことや」

雷電「よし、このまま一気にボス部屋まで行くぞ」

キバオウ「決まっとるやないか…ん、あれは…」

雷電「ボス部屋前に、プレーヤーが二人か…厄介だな」

>>118
Oh…訂正、飛ばしてしまった。書き溜めするもんじゃないね


キバオウ「…」

雷電「キバオウ…」

キバオウ「なんでや…なんでや雷電はん…プログラムやったかもしれんけど、あの子はちっさい女の子で…一日だけやけど娘みたいに思っとった、あの子がいるなら、あの子のためならこのデスゲームを生き残るって思っとったのに…」

雷電「酷かもしれないが、あの子はお前の娘の代わりにはなれないし、プログラムだ。そして、おまえが生き残る理由はお前自身のためだ。あの子を都合の良いだしに使うな」

キバオウ「このっ!!」グイッ

雷電「殴って気が済むなら殴れ、早く次の層へ向かうぞ」

キバオウ「くっ…」バッ

雷電「…」

キバオウ「雷電はん…ワイは何を信じて…この先SAOで戦っていけばいいんや…」

雷電「信じるものは自分で探せ…そして次の世代へ伝えるんだ…」





————第74層・迷宮区

ザシュザシュザシュ

     斬

雷電「はっ!!」

     奪

リザードマンロード「Shrruuu」バタン

雷電「雑魚モンスターのレベルも上がってきたようだな。ポケモンでいえばチャンピオンロードくらいか…」

キバオウ「雷電はん、この迷宮区、マップが公開されとるんはここまでや」

雷電「!! つまり…」

キバオウ「せやっ、ここが最前線、攻略組に追いついたってことや」

雷電「よし、このまま一気にボス部屋まで行くぞ」

キバオウ「決まっとるやないか…ん、あれは…」

雷電「ボス部屋前に、プレーヤーが二人か…厄介だな」


???「ドアを開けるだけなら大丈夫だ」

???「そ、そうだね…」

???「いいな?開けるぞ」

キバオウ「ちょう、待ってんか?ボス部屋攻略なら先にワイらに…!?」

???「お前は…」

雷電「キバオウどうした?」

キバオウ「雷電はん…コイツが例のビーターや」

キリト「キバオウ…だったか?あの時はすまなかった…」

キバオウ「はっ、白々しい!!貴様のせいで何人死んだと思っとるんや!?」

???「ちょ、ちょっと待って!!あの時、キリト君には事情が…」

キバオウ「!?お嬢ちゃんはあの時の…なんや、アンタもグルやったってわけかい」

雷電「落ち着け、キバオウ。気持ちはわかるが相手は子供だ…ん?」


prrrr…

ボリス「まさか、最前線で遭遇することになるとはな」

雷電「ボリス?どういうことだ?」

ボリス「雷電…そのビーターと呼ばれる少年と連れ添っている少女を君の管理下で保護するんだ。目下最優先事項だ」

雷電「ここにきて個人の保護だと?彼女は最前線の攻略組プレーヤーのようだが何故?」

ボリス「雷電、これはブリーフィングでも説明がなかった、クライアントからのプライベートかつ最優先ともいえる依頼だ」

雷電「…なるほどな」

ボリス「察しが良くて助かる。彼女は本件の依頼主【レクト】グループCEO結城彰三氏の令嬢、結城明日奈だ」



雷電「キバオウ…」

キバオウ「雷電はん?どないしたんや?」

雷電「彼女を俺たちの保護下に置く」

キバオウ「どういうことや?」

雷電「…俺もサラリーマンだからな」

キバオウ「?」

雷電「結城明日奈、だな」

アスナ「!?どうして…リアルの名前を…」

雷電「君のお父さんから君のことを頼まれている。俺たちといっしょに来るんだ」

アスナ「父から??いったいどういうこと…??」

雷電「こちらの事情を話す必要があるな、俺は…」

キバオウ「ちょう、待ってんか。雷電はん」


雷電「なんだ?」

キバオウ「このお嬢ちゃんはともかく、コイツの前で雷電はんの素性を明かすのはやめたほうがええで。コイツは信用なら
ん奴や」

キリト「!?」

雷電「…ビーターと呼ばれるプレーヤーについては多少知っている。すまないが席をはずしてもらえないか?」

キリト「アンタはいったい何者だ?何故だかリアルの情報を知っているみたいだけど、得体のしれないプレーヤーにアスナ
を任せるわけにはいかない…」

アスナ「キリト君…」

キバオウ「ガキが偉そうなこといってくれるのぉー、おまえならその嬢ちゃんを守り切れる言うんかい?」

キリト「ああ」

雷電「…おれがその子を守り切れると証明できれば君は引くか?」

キリト「どういうことだ!?」

雷電「すぐ目の前が74層のボス部屋だ。俺がボスを一人で倒したら、君は彼女から引いてくれ。彼女は俺が守る」

キリト「なっ!?無茶だ、最前線のボスをソロで攻略だなんて」

雷電「君たち二人はここで待っていろ。行くぞキバオウ」

キバオウ「決まってるやないか!!」ギギィ…バタン

キリト「死ぬ気か…アイツら…」

アスナ「キリト君…このままじゃあの人たち…」

キリト「あ、ああ、そうだ。援護に、助けに行かないと…アスナ俺たちもっ」

アスナ「うんっ」

ギギィ・・・バタン



———第74層・ボス部屋

デモニッシュ・サーバント「Ohhhhhhhhhhhhhh!!!!!!」ブンッ

雷電「少しは敵もやるようになってきたようだな」バッ

キバオウ「雷電はんっ、大丈夫でっか?」

雷電「問題ない、いつも通りだ…!?」

キリト「待ってろっ!俺たちも援護するっ、アスナ、スイッチっ!!」ダダダダッ

アスナ「うんっ!!」ダダダダッ

雷電「よせっ!!」ガキンッ

デモニッシュ「Orohhhhhhhhhhhhhh!!!!!!!」ドドドドッ ブォン

アスナ「くっ…」キンッ

キリト「アスナッ!!」

アスナ「重い…受け止めきれない…」ピコーンピコーン

キリト「そんな…一撃で…」


キバオウ「でええええぇぇぇやあぁぁっ!!」ブンッ

デモニッシュ「Guwwahhhhhhhh!!」

キバオウ「お嬢ちゃん今のうちに逃げるんや!!」

アスナ「は、はいっ…」ダダダダッ

キリト「くそおおぉっ!!」ダダダダダッ

キバオウ「よすんやっ!!」

デモニッシュ「Ohhhhhhhhhhhhhh!!!!!!」

キリト「出し惜しみしてる場合じゃないっ…」

デモニッシュ「Oruohhhhhhh!!」

キリト「スターバーストすt」

雷電「…」ザッ

キリト「なっ、邪魔をするなっ!!そこをどけ!!」


雷電「…下がっていろ」ジャキン

キリト「足で剣を!?」

デモニッシュ「Ohhhhhhhhhhhhhh!!!!!!」ブォンッ

雷電「はあああああぁぁぁッ」ブンブンブンブンブンッ

ザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュザシュ

            雷

            神

            降

            臨

雷電「ふんっ!!」

            奪

デモニッシュ「Ohhhhh…」バターーン

ピピッ
74 layers were cleared.

雷電「怪我はないか?」

キリト「…な、なんなんだいったい、はっ…アスナ!?」


アスナ「キリト君、良かった…」ギュッ

キリト「アスナ…」

雷電「彼女を守ることは君には少し荷が重いようだな」

キリト「くっ…アンタが強いってことはわかった。でも、素性のわからない奴にアスナを任せるわけにはいかない!!」ギュッ

アスナ「キリト君…」

雷電「…【カップルのマンネリ打破には男を戦場に送るべき】というのは俺の持論だが君たちには当てはまらないようだ
な、キバオウ、結城明日奈と一緒にこの少年も22層に連れて行け」

キバオウ「な、なんでや雷電はん!?こいつはビーターで…」

雷電「構わない…俺もあとから行く」

キバオウ「ちっ…ほなさっさと行くで」キュイーーン

雷電「…」


————22層・ログハウス

キリト「じゃあ、あなたは…」

雷電「そう、SAOクリアの依頼を受けたマヴェリック社のコンダクターだ。そして依頼主は君のお父さん、結城彰三氏だ」

アスナ「だから、私が最優先保護対象なのね。でも、雷電さん私は…」

雷電「君が最前線で活躍する実力をもつプレーヤーであるということは十分承知している。SAO攻略に君の力が必要とさ
れていることもな。だが、さっきの戦闘でわかってくれたと思うが、俺一人でSAOの攻略は十分だ。攻略は俺に任せて君
は戦線から離脱してほしい」

キリト「でも、アンタはSAOに不正アクセスしていることを周囲に悟られてはいけないんだろ?そんなので実力を発揮で
くるのか?」

雷電「確かに不正アクセスを知られるわけにはいかない。本来なら君にもばらすことはなかった」

キリト「…」


雷電「しかし、現に俺は74層まで問題なく攻略している。先のボスも圧倒することができた。君のような子供に心配される所以はない」

アスナ「…わかりました。前線を離れます」

キリト「アスナっ!?いいのか、君はこれで!?」

アスナ「お父さんが手配してくれた人だもの。信用します、でも一つ条件が…」

雷電「条件?」

アスナ「はい、わたしの代わりに血盟騎士団に入って攻略してもらいます」

キバオウ「な、なんやて…血盟騎士団!?」

雷電「キバオウ、なんだそれは?」

キバオウ「血盟騎士団は現時点でSAO最強のギルドや…ん?お嬢ちゃんアンタまさか…」



アスナ「私は血盟騎士団の副団長です」

雷電「自身が抜けたことで生じる戦力の穴を俺に埋めろということか?」

アスナ「それもあります。でも、一番の理由はあなた一人での攻略は難しいと思うからです」

キバオウ「なに言うとるんや?さっきの戦闘みたやろ?」

アスナ「はい、戦闘は申し分ないと思いました。でも、迷宮区の攻略はあなた達二人での攻略は困難だと思います。迅速なクリアを目指すなら、

ギルドに所属して周囲と情報を共有しながら攻略していくべきです。」

アスナ「血盟騎士団に所属してSAOクリアにベストを尽くす、これが私が戦線を離れる条件です」

prrrr…

雷電「ボリス…」

ボリス「ああ、仕方あるまい。彼女の意見を呑むしかないだろう。それに、彼女の言うことにも一理ある。マップがない今後の迷宮を攻略していくには大規模な組織に所属することは良い手だ。血盟騎士団に所属し迅速なクリアを目指してくれ」

雷電「…了解した」

アスナ「雷電さん?」

雷電「君の条件を呑もう。ただし、君は今後一切の戦闘には関わるな、いいな?」

アスナ「ありがとうございます…じゃあ、明日にでも血盟騎士団本部に案内しますね」

雷電「…ああ」


prrrr…

雷電「コートニー…」

コートニー「…なに?」

雷電「ちょっと、気持ち悪いから休憩する、もしかしたら今日は終わりかも」

コートーニー「…」


———第55層・血盟騎士団本部

ヒースクリフ「なるほどね、君が噂のルーキーか…」

雷電「…」

ヒースクリフ「74層をソロでクリアするほどの実力者であり、我が団の副団長をたぶらかした張本人…」

アスナ「団長、彼はそんな…」

ヒースクリフ「うん、わかっているよアスナ君。君の退団を認めよう…そして、雷電君…だったね、期待しているよ?」

雷電「…ああ」

ヒースクリフ「君が開いてくれた、第75層…ボス部屋攻略の目途がさっそくつきそうだ。今回は大軍での攻略を行おうとおもっている。もちろん君も参加してくれるね?」

雷電「過剰な戦力は必要ない…俺とキバオウで十分だ」

ヒースクリフ「雷電君…君には期待しているとは言ったが、まだ君の実力を信用したわけではない。その自信のほどをぜひ今度のボス戦で見せてもらいたいね」

雷電「…」


prrrr…

コートニー「あら、起きてたのね」

雷電「ああ、だがやはり今日はもう無理みたいだ」

コートニー「セーブね?」

雷電「ああ」

コートニー「もう少しお酒に強くなってってレスがあるけど?」

雷電「弱いわけじゃない…今日はロング缶2本、ハイボール3杯、焼酎7杯…仕方ないだろ…」

コートニー「…」

雷電「次で恐らく完結だ…最後まで記録を頼む」

prrrr…

雷電「コートニー…」

コートニー「雷電、今日で終わりかしら?」

雷電「恐らくな」

コート—ニー「了解よ、途中でつぶれないでね?」

雷電「善処する」

コートニー「…」


———第75層・ボス部屋前

ザワザワ… ガヤガヤ…

雷電「これは…」

キバオウ「雷電はんっ!!このプレーヤーの数っ…」

雷電「ああ。少し厄介なことになったな、これだけの数のプレーヤーを守り、欺きながらの戦闘は少し骨が折れそうだ」

キバオウ「大丈夫なんか?」

雷電「心配するな、いざとなれば本気を出すだけだ」

キバオウ「…」


ザワザワ… ガヤガヤ…

ヒースクリフ「我が血盟騎士団指揮のもとにこれだけ多くのプレーヤーが集まってくれたことに感謝の意を示す」

ヒースクリフ「第75層の攻略にはこれまで以上の困難が予測される…しかし、我々は負けるわけにはいかない!!
皆の力を集結し、必ずボスを倒す!!…そしてSAOをクリアする!!」

オオー!! ウォー!! ヤルゾー!!

雷電「…士気を高めるのがお上手なようだ」

ヒースクリフ「それでは、ボス部屋の扉を開く!!皆の健闘と功績を祈る!!」

ウォー!! ヤー!!

ギギィー…

雷電「…キバオウ」

キバオウ「なんや?」

雷電「死ぬなよ」

キバオウ「へっ、決まってるやないかい!!」


———第75層・ボス部屋

ダダダダダッ

ウォー!! ヤー!!

キバオウ「…ここが75層のボス部屋」

シーン・・・

キバオウ「なんや…ボスがおらん…?」

ザワザワ
ドウイウコトダ? ボスガイナイゾ

雷電「!? 上だ!!」

ザ・スカル・リーパー「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

キバオウ「な、なんやあれ…」

雷電「キバオウっ!!そこから離れろ!!」

キバオウ「!?」バッ

ズシャアアアアーーン

スカル「Sharuuuuuuuuuuuuuuu」

キバオウ「落ちてきおった…」

ヒースクリフ「皆、準備はいいか!!かかれぇ!!」

オー!! ダダダダダッ!!


スカル「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」ブンッ

ギャアア!! ウアアァ… シュゥーン…

スカル「Shuuuuuuuuuu…」

キバオウ「な、なんやあのボス…鎌をたった一振りしただけで…」

ギャー コロサレルー ウワー

ヒースクリフ「落ち着け、態勢を立て直す!!正面は私が引き受ける。皆は側面からの攻撃を!!」

スカル「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」ブンッ

ヒースクリフ「ハっ!!」ガキン

スカル「Sharuuuuuuuuuuuuuuu」

キバオウ「さすが、団長さんや!!あの重い攻撃を受け止めとる!!せやけど他の連中は…」

ギャー ピコーンピコーン… モウダメダー


キバオウ「まずいで雷電はん…このままじゃ何人死ぬか…」

雷電「…」

キバオウ「雷電はん?」

雷電「ヒースクリフ!!」

ヒースクリフ「なんだ雷電君!君も側面からの攻撃を…」ガキン

雷電「全員退かせろ…奴は俺が引き受ける」

ヒースクリフ「!?」

キバオウ「雷電はん!?」

ヒースクリフ「いいだろう…皆!!さがるんだ!!」

ナンダ ドウシタ? タスカッタ

ザ・スカル・リーパー「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

雷電「…ゲーム開始だ」ジャキン

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=4Fak66qca-k


スカル「Shaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」ブンッ

キバオウ「きたっ、あの鎌や!!いくら雷電はんでもあの鎌をまともにくらったらヤバい…」

雷電「ハァッ!!」ガッ

キバオウ「す、素手で受け止めたやと!?雷電はん、どうする気や!?」

雷電「ハァーーーー!!」ヴァチヴァチ…

スカル「Sharuuuuuuuuuuuuuuu」

キバオウ「あほな、スカルのあの巨体を持ち上げるやと!?」

雷電「ふんっ!!」ブォン

キバオウ「投げ飛ばしおった!?」

prrrr…

ボリス「いいぞ、そのまま斬りまくれ!!」

雷電「ハァーーーー!!!!」ザシュザシュザクザクザクザシュ

キバオウ「スカルに飛び乗って切り刻む…やと…」

雷電「ふんっ!!」ザシュッ

すかる「Shuuuuuuuuuu………」バターン

ピピッ
75layers were cleared.

キバオウ「た、倒してしもうた…」



ボリス「ハーーラショーー!!さすがだな雷電、しかし今の戦闘…」

雷電「わかっている、目立ち過ぎた。しかしあのままでは死人が出るところだった…!?」

ヒースクリフ「いやー、お見事だったよ雷電」

雷電「…問題ない」

ヒースクリフ「謙遜はよしたまえ、君はヒーローだ。ほら?」

ウオー スゲーー  ライデン!!  ライデン!!

ヒースクリフ「君はSAOのカリスマ的存在だ。皆のSAOクリアの士気を上げるために不可欠な力を持っている」

雷電「…」

ヒースクリフ「…そう思って見逃していたが、今回はプレイがチート過ぎたね」ピピッ

雷電「!?」

ヒースクリフ「今までは見逃していたが、君の力はゲームバランスを崩すほどのものだった…ここで排除させてもらうよ」ピピッ

ピキーン
ナンナンダ マヒシテルゾ カラダガウゴカナイ

キバオウ「な、なんやこれ…強制麻痺状態…!?団長…アイツは…」

ヒースクリフ「少し早いがネタ晴らしするとしよう…私が…茅場晶彦だ」

キバオウ「なんやてえぇ!?」

ウソダロ ダンチョウガ バカナ オレタチノチュウセイガ

ヒースクリフ「残念だよ…ここまで育てた血盟騎士団を手放すのは…最上層もボスとして君たちとあいまみえることを楽しみにしているよ」

ソンナ バカナ クソー


prrrr…

雷電「ボリスこれは…」

ボリス「ああ、予想外だ。茅場がプレーヤーとしてSAOに干渉していたこと、こちらの存在がヤツに露見していたこと、何もかもがな」

雷電「俺はシステム干渉を受けてSAOから消されるにか?」

ボリス「今はドクトルがシステムから君を保護するよう努めてくれている…しかし長くはもたん…

雷電「この場でヒースクリフ、茅場を倒すしかないということだな」

ボリス「ああ…」

雷電「茅場を倒せばプレーヤたちをSAOから解放できると考えていいな?」

ボリス「恐らくな…だが、相手はシステム管理者だ。今までのような楽な戦闘にはならないぞ」

雷電「わかっている」



ヒースクリフ「お友達との電話は済んだかい?」

雷電「…貴様」

ヒースクリフ「おや、やはり君にはステータス異常は無効のようだね」

雷電「いったいどういうつもりだ!?貴様の作ったこのゲームでいった何人死んだと思っている!?」

ヒースクリフ「TIA!!(This is Ainclad)」

雷電「!?」

ヒースクリフ「【真の異世界の具現化】に必要なことだ…」

雷電「…貴様の虚言に付き合うつもりはない。何も話す気がないのならここでお前を倒し、SAOからプレーヤーを解放させてもらう!!」

ヒースクリフ「そうか…わたしも君を排除させてもらう、しかし、システム的に君を消すことは難しいようだ、優秀な技術スタッフをもっているようだね?」

雷電「おかげさまでな」

ヒースクリフ「お互い決着はSAOでということだ」


雷電「能書きはいい…来い!!」

ヒースクリフ「待ちたまえ…せっかくギャラリーが大勢いるんだ。タッグデュエルで決着をつけようじゃないか?」

雷電「タッグ?」

ヒースクリフ「そうだ…君には相棒がいるようだしね。2対2の戦いだ」ピピッ

雷電「キバオウのことか?どちらにしろ俺が二人とも倒す!!関係ない」

ヒースクリフ「ずいぶんと余裕だね。確かに君の力なら並のプレーヤーならそうだろう。だがね…私も君のような輩の存在に備えていなかったわけじゃないんだよ」ピピッ

雷電「どういうこ…!?」ガキン

???「ほう…我流か、だが筋はいい」ギリギリ

雷電「!?この声は…サム!!サムエル・ホドリゲスか!?」ギリギリギリ

???「オリジナルを知っているということは何処かで一戦交えたのか?だが俺はサムじゃない…」ブンッ

雷電「ハァッ!!」ブンッ

クライン「俺は…デスペラード社製SAOサーバー防衛プログラム、クラインだ」



prrrr…

雷電「ボリス!!どういうことだ!?何故サムが…」

ボリス「恐らくデスペラード社の対ハッカー部門が作り出したプログラムにサムの戦闘データを組み込んだものだろう」

雷電「サム本人ではないということか…それでは…」

ボリス「ああ、奴の戦闘もゲームシステムに依存するものでなく、オリジナルのサムに近い現実での戦闘能力を有しているだろう」

雷電「ここで奴と再戦とはな…」

ボリス「サムのコピー、そして茅場を倒すんだ。SAOは最終局面をむかえた!!」


雷電「ふんっ!!」ガキン

クライン「でやっ!!」ガキン

キバオウ「な、なんやあいつ…雷電はんと互角に戦っとるやと!?」

ヒースクリフ「君の相手は私だよ、麻痺状態は解けていると思うがね」

キバオウ「はっ!?茅場ぁ!!」ブンッ

ヒースクリフ「ほう…いい闘志だ。雷電君の腰ぎんちゃくかと思っていたがなかなかやるようだね」ガキン

キバオウ「くっ…うっさいわお前はワイが倒しちゃる…」キンッ

ヒースクリフ「楽しましてくれ」キンッ

キバオウ「くそっ…」ギリギリ

ヒースクリフ「なんだ?この程度かい?」ギリギリ

キバオウ「くぅ…でやあぁ!!」ブォン

ヒースクリフ「遅い!!」ザシュザシュ

キバオウ「ぎゃあああああぁぁ!!」ポロ…

ヒースクリフ「両腕を切り落とされてもまだ意識はあるか…痛覚抑制は切ってあるんだがね…」

キバオウ「くそっ…」



雷電「キバオウっ!!」

クライン「はっ!!」ブォン

雷電「くっ…」キンッ

クライン「おいおい、無視は困るな」ギリギリ

雷電「貴様っ!!」ギリギリ

クライン「もっと楽しませてくれ?」ガキン

雷電「…」ジャキン…

クライン「なんだ?刀を納めて…戦意喪失か?」

雷電「…」シュンシュンシュン

クライン「ほう…その技…なるほど…これは楽しめそうだ」

雷電「…」シュンシュンシュンシュンシュン

クライン「いざ………参る!!」ダダダダダッ

雷電「………これで終わりだ!!」ヴァチヴァチヴァチヴァチヴァチ

           電

           磁

           抜

           刀

ザシュ………………

雷電「…サム」

クライン「…悪くなかった…な」バタン



ヒースクリフ「ほう…クラインを倒したか、君の力は本物のようだ」

雷電「茅場!!サムは倒した、貴様の相手は俺がする!!キバオウから離れろ!!」

キバオウ「ら、雷電はん…」ダラダラ

ヒースクリフ「雷電君…それは都合が良すぎるな、ここまで追い詰めたんだ…TIA!!」スッ

雷電「キバオウ!!」ダッ!!

キバオウ「なっ…」

ヒースクリフ「これは予想外だな…」


雷電「がはぁっ…」ダラダラ

ヒースクリフ「身を挺して人命を救うとは…見上げたものだよ」

キバオウ「ら、雷電はんっ!!」

雷電「き、キバオウ…がはっ…」ダラダラ

キバオウ「なんでや雷電はん…なんでワイなんかを助けたんや…」

雷電「おれ…が…戦う意味…信じるものは…守る…ことだ」

キバオウ「ワイなんか守っても…仕方ないやないか…こんなオッサン…こんな負け犬を…」

雷電「お…お前は…負け犬じゃない…思い出せ…はぁ…はぁ…」ダラダラ

キバオウ「雷電はん!!」

雷電「お前は…狼だ…弱者を守る…牙を持っている…」

キバオウ「!?」

雷電「これ…を…」グッ

キバオウ「雷電はんの高周波ブレード…」

雷電「あとは…まか…せた…」

キバオウ「雷電はん!!雷電はん!!」

雷電「…」


ヒースクリフ「お別れは済んだかい?彼が君を庇うのは予想外だったが消える順番がかわっただけだ。
それで君は両腕を失ってどうするつもりだい?」

キバオウ「…」ガチンッ

ヒースクリフ「ははっ、無様だな。口で刀を咥えるなんて…残念ながらそんなユニークスキルはSAOには存在しないよ」

キバオウ「…ワイは狼」スッ

ヒースクリフ「!?」

キバオウ「牙の化身!!」ザシュッ

ヒースクリフ「…がはっ」

キバオウ「…」

ヒースクリフ「ば…か…な…」ダラダラ

キバオウ「…これで…ええんかい…?」バターン…

       ・

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20XX年11月7日14時55分ソード・アート・オンラインはクリアされました

20XX年11月7日14時55分ソード・アート・オンラインはクリアされました

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————某日・どこかの公園

女の子「おじさん!たこ焼き一つください!!」

キバオウ「お!?元気なお嬢ちゃんやな!!サービスしたるでぇ〜」

女の子「わーい!!ありがとう!!」

キバオウ「ほいっ、おまっとさん、焼きたてたで」

女の子「おいしそー!!」

キバオウ「また来てや」ノシ

女の子「うん!!バイバーイ」ノシ

キバオウ「ふぅー、やっぱりいいモンやな…子供の笑顔を見られる仕事ってもんは。SAO事件でいただいた賠償金でたこ焼き屋開いて正解やっ
たで」

キバオウ「SAO…雷電はん…やっぱ死んでしもうたんか…」


「こんにちわー!!一つください?」

キバオウ「へい、いらっしゃい!!お!?お嬢さん外国さんかいな?たこ焼き食べるのが初めてならサービスするで!!」

「ほんと!?うれしい!!」

キバオウ「へい、おまっとさん」

「おいしそう!!」

キバオウ「へへっ、ありがとうな」

「あとキバオウさんにお届け物です」ゴト

キバオウ「へ、なんやこの箱…それにお嬢ちゃんなんでワイのハンドルネームを…」

「あーっ、もうこんな時間!?」

キバオウ「あの、お嬢ちゃん?」

「すいません、帰りの便までの時間に兄に頼まれた日本のアニメグッズを買いに行かないと、それじゃっ!!」タタッ

キバオウ「あっ、なんやったんやいったい。この箱…メタルギアMk.4?」ガサゴソ



キバオウ「ん?なんやこれ…おもちゃ?ラジコンか?でも、液晶画面が付いとるな」

Mk.4「」キュキュイ

キバオウ「なんや、勝手に動いて液晶が…!?」

Mk.4「キバオウさん!!」

キバオウ「ゆ、ユイちゃん!!」

ユイ「よかった…また…会えましたね」キュキュイ

キバオウ「ユイちゃん…でも、ユイちゃんはあの時…」

ユイ「あの時に…雷電さんの仲間の方が私のデータをサルーベージしてくれていたみたいなんです。そしてサルベージしたデータを再構築して、
このロボットに組み込んでくれたんです」

キバオウ「さっきの嬢ちゃんか…」

ユイ「雷電さん、あの時に言ってくれました…守るって…」

キバオウ「雷電はん…」



ユイ「これで…また一緒にいられますね」

キバオウ「ユイちゃん…そうやな。でも雷電はんは…」

ユイ「??」


キバオウ「雷電はん…アンタは今…」

ED: http://www.youtube.com/watch?v=N3cGOYQlLfA











































須郷「くくく…茅場先輩、あなたのおかげで最高の被検体が手に入りましたよ」
    ヴァチ…
須郷「あなたは馬鹿だ、これだけの技術を有しながらやることは異世界の創造だって?笑わせる!!」
                     ヴァチ…バチ…
須郷「僕はこの技術で【レクト】を、そして明日菜を手に入れる。ふふふ…」
    ヴァチ…ヴァチ
                   バチバチ
須郷「はははは…待っててくれよ明日菜ぁ」
     バチバチ…        ヴァチ…ヴァチ
ヴァチ…           バチ…
須郷「はははは…」
ザシュ
須郷「は…は…なん…だと…」バタン
雷電「キバオウ…俺は…俺の戦いを続けさせてもらう」
                           Fin

乙。次回作も期待してるよ
今度はスネークでガンゲイル編もいいんじゃないんですかね……?


キバオウさんマジヒロイン


>>1ってダクソとSAOのss書いた人??

乙。今日はどれくらい飲んだのか、聞きたいわwww


酔っぱらいの駄文につきあってくれてありがとう

>>182
SAOはアニメしか知らないから難しいっす。次回作は酔っぱらったときに考えます

>>183
そうですね。書き始めは雷電がSAOを無双する構想でしたけど、結果的にキバオウさんがヒロインもしくは主役になりましたね

>>184
ちがうよ。SS書くのは2回目です。宣伝しとくと前はこんなん書きました

>>185
まだそんなに飲んでないです。ここまでで350缶2本とハイボール4杯です。

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