ジャン「マルコ…お前柔らかいな…柔軟剤使ったろ?」(23)


ジャン「ああマルコぉぉ……」

すりすりすりすり

ジャン「マルコぉぉぉ……」

サシャ「ジャンーいい加減にしましょうよ」

コニー「そりゃ柔らかいだろ、死んでるんだから」


ジャン「はあ…マジ柔らかい…柔らか過ぎて声も出ねえ」

サシャ「さっきからガンガン出しているというのに」

コニー「死んで二日くらい経ってるから柔らかいっつーかもはや低反発だろ」

サシャ「コニーが小難しいことを言っています」

コニー「うるせえ」


ジャン「はぁ~マルコぉぉ…このまま抱き枕にしたらマイナスイオンに囲まれて安眠できそうだ」

コニー「もう言ってることがメチャクチャ」

サシャ「確かにマルコって何かしらの癒し物質は出てはいそうでしたよね」

コニー「優しかったもんな……」

サシャ「ええ……」


ジャン「マルコ…何かお前こないだより重くなってねえか?」

コニー「自分の意思を持たない肉体は体重よりも重く感じるそうだぞ」

サシャ「じゃあベルトルトは死体という事になりますね」

コニー「それは流石にベルトルトに失礼だろ」

サシャ「ごめんなさいベルトルト」


ジャン「つーかぶよぶよじゃん…ちょっとだらしない体になってんぞ…さては教官に隠れて良いもん食ってたろ?」

サシャ「常時食糧難だったと言うのにそんな事は可能でしょうか」

コニー「お前…暇さえあれば食料庫に忍び込んでたクセに…」

サシャ「だからですよ。何時も見てきたから食料の貴重さは身に付いています」

コニー「じゃあ盗るなよ…」

サシャ「そこらへんは感じろとしか言えません」


ジャン「マルコ~~……ってうわぁ!悪いっマルコ!!頭撫でてたら髪の毛とっちまった!ごめんなっ!」

コニー「取れたの髪だけじゃねえだろ」

サシャ「頭蓋骨がボロッて崩れましたよ、嫁入り前の娘になんてものを見せてくれるのか」

コニー「それどころじゃない物今まで見てきたけどな」

サシャ「…マルコの頭蓋骨も、すべすべなんですね」

コニー「俺のも、お前の頭蓋骨もな」


サシャ「…さっきから随分と冷静なんですね、コニー」

コニー「冷静に見えるか?」

サシャ「はい」

コニー「慣れただけだ」


コニー「仲が良かった奴や、あんまり好きじゃなくて絡まなかった奴、ちょっと憧れてた女子…」

コニー「そいつらの死体を黙って積み上げて、火を点けて燃やしてるんだ」

コニー「臭い空気を吸い込まないようにマスクをしながら」

コニー「それを何度も何度も繰り返してんだ。嫌でも慣れるだろ」

サシャ「……」


ジャン「マルコ…お前さっきから黙ったまんまだな~」

コニー「ジャン、お前わかってるんだろ、そのマルコが唯の死体だって。往生際が悪いぞ」

サシャ「……」

コニー「なあ」


ジャン「マルコ………マルコ………」

コニー「…なあジャン、もう良いだろ?」

ジャン「マルコ……マルコ………」

コニー「マルコを早く焼いてやらないと…お前感染病にかかるぞ」

ジャン「マルコ…マルコ……」

コニー「お前がマルコと仲が良かったのは皆知ってる」


コニー「だから無くなんねえよ」

ジャン「……」

コニー「お前とマルコが一緒に居た時間は、絶対に無くならない」

ジャン「……」

コニー「馬鹿な俺だってちゃんと分かるんだから、サシャだってな」

サシャ「はい」


コニー「だから、な。マルコを楽にしてやろうぜ」

ジャン「……」

すっ……

コニー「ありがとう、優しいなお前は」

サシャ「コニー……」


ゴーーーーーッ……

コニー「燃えてるな」

サシャ「はい…」

ジャン「……マルコ……」


ゴーーーーーッ……

ジャン「……」

コニー「俺らは離れててやるか」

サシャ「そうしますか」

ジャン「……」


コニー「焼却作業はもう終わりか…疲れたな…今日はどこで休めば良いんだろう」

サシャ「……」

コニー「サシャ?」

サシャ「コニーは優しいです」

コニー「はあ?」

サシャ「ふふふ……」


ゴーーーーーッ……

ジャン(マルコ……)

ジャン(俺は……)

ジャン(俺は調査兵団に……)


おわり

原作散々無視してごめん
つーかスレタイがやりたかったごめん

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