あまえ

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海末「真姫！ なんですかこれは！」

真姫「えっ……？」

海末「こんな甘い仕込みじゃ見つかってしまいます！ ほら早くやり直して！！」

真姫「え、ええ……分かったわ」

真姫「ふぅ……これでどうかしら？ この位置なら絶対に見つからないわ」

海末「バカ！！」

真姫「うぇ！？」

海末「こんな位置にカメラ付けて何を撮るって言うんですか！！ 全然にこが映らないじゃないですか！ やり直しです！！」

真姫「うぅ……」

真姫「よ、よし。ここなら……」

海末「……真姫。なにをしようとしているんですか」

真姫「え？ なにって、よく映って見つかりにくい場所にカメラを……」

海末「だからってどうしてぬいぐるみの中に仕込もうとしているのですか！？」

真姫「だ、だってこのぬいぐるみの目のところが一番よく映るし、それに見つかりにく……」

海末「はぁ……呆れて怒る気力も無くなって来ました……これだから素人は……」

真姫「え、えっと……」

海末「ぬいぐるみの位置を替えられたらどうするんですか！」

真姫「あっ」

海末「まったく、真姫はダメですね。ダメダメです。センスが無いです。盗撮に向いてません」

真姫（私なんでこんなことでボロクソ言われてるんだろ……）

海末「いいですか？ 盗撮っていうのはまず、自分が撮りたい被写体の至高の姿をイメージして、それを撮るためのアングルを……」

真姫「あーもうめんどくさいわね！！」

真姫「そんなに偉そうなこと言うなら海末が仕掛けなさいよ！」

海末「仕掛けてる時が一番興奮するのにどうしてそんなことが言えるんですか！？ 信じられません！」

真姫（あぁ……海末に協力を頼んだのは間違いだったわ……）

海末「まったく、真姫は本当にダメダメですね。そんなことも分からないなんて何のために盗撮をするのかも理解……」

真姫「ダメダメだしセンスが無いのも分かったわ……」

真姫「とにかく、お願いだから用件だけ済ませてもらえないかしら……？ にこちゃんもう帰って来ちゃうから……」

海末「はぁ……しょうがないですね。ダメダメな真姫は私のお手本を見て学んでくださいね」

真姫「（上手な盗撮が出来るようになりたいんじゃないんだけど……）

――――――――――――――――――――――――――――

海末「まあ、こんなものでしょうか」

真姫（す、すごい……５分も経ってないのに全部仕掛け終わるなんて……）

海末「それでは仕掛けたポイントと細工について解説しますね。まず１号機ですが……」

真姫「えっと、それは後でゆっくり聞くから、今はここから出ない？」

真姫「不法侵入が見つかったら流石に……」

海末「……それもそうですね」

海末「本人が家に帰って来て、なおかつそこから見つからずに脱出するのも乙なものなんですが……」

真姫「わ、分かったから。ほら、早く出るわよ」

海末「真姫はせっかちですね……どうせならもっとこの部屋を堪能すればいいのに」

真姫「ば、バカじゃないの！？ そんな変態みたいなことするわけないでしょ！？」

海末「真姫はまだまだ初心ですね」

真姫「う、うるさいわね。とにかく、早く出るわよ」

海末「あーーー！！」

真姫「な、なに！？」

海末「何も持って帰らなくていいんですか？ オススメは枕ですが……」

真姫「なにバカなこと言ってるの！？ は、犯罪じゃない！」

海末「しかし、戦利品があると無いとでは家に帰ったあとの達成感が……」

真姫「いいから！ とにかく早く出るわよ！」

海末「待って！」

海末「……本当にいいんですか？」

真姫「い、いいに決まってるでしょ。そもそも人のものを盗むなんてそんなこと……」

海末「違います。盗むんじゃないです、借りるだけです」

真姫「いつ返すって言うのよ！？」

海末「匂いが無くなって来た頃に決まってるじゃないですか！！」

真姫「そ、そういうことを言ってるんじゃ……！」


ｶﾞﾁｬ


「「！？」」