千枝「り、リーダーを決めます!」晴「おう」キリッ ありす「……」ファサッ (44)


千枝「えっと、モバPさんに…その、リーダーを決めるようにって言われたので…あの…」

晴「おう、そうだな」キリリッ

ありす「……、……」ファサッファサッ


※モバマスSSです

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千枝「こ、この三人でユニットを組むようになって…しばらく経ちましたけど…」

晴「そういやリーダーが誰かってのは決めてなかったな?」

ありす「……まあ、分かり切っているいることを、敢えて決めるまでもありませんからね」

晴「はっはっは、よくわかってんじゃねえか! さっすがあ・り・すちゃんはおりこうさんだな?」

ありす「ふ、ふふふっ……、相変わらず結城さんの頭はサッカーボールのように空っぽですね?」

晴「ああん? 空っぽじゃねえぞ、空気って物質が詰まってんだろうが……ご自慢のタブレットで調べてみろよ、優等生?」

ありす「……なるほど、なら調べてみましょうか? 私のタブレットは物理的にも優れていますので、ふふふっ…」

千枝「あ、あの…えっと…、うぅ…」


千枝「け、ケンカはダメです…! そ、そういう子はリーダーに相応しくないって千枝は思います!」

晴「ぐっ、確かにそうかも…」

ありす「……すみませんでした、ちょっと大人げなかったですね」

千枝「わ、わかってくれれば良いんです…。あ、あの…それで、ですね? 私たちのリーダーなんですけど…」

晴「ああ、わかってるよ…しょーがねえな! すっげーめんどくせえけど…オレに任せとけって!」

ありす「はあ? 何を言っているんですか結城さん? どう考えてもリーダーに相応しいのはこの私です!」

晴「ほーん? 今日は随分とおもしれえこと言うのなお前?」

ありす「……なんですか? お望みならいくらでも論破してあげますよ?」

千枝「ああ、また始まっちゃった…」


ありす「大体ですね、結城さんはアイドル活動にそもそもノリ気じゃないように思っていたんですが?」

晴「そ、そりゃまあ…そうかもしんないけどよ……オレがリーダーだったら、もうちょっとカッコいい路線で活動できるかもしれないし」

ありす「結局自分のことしか考えてないじゃないですか! そんなことでリーダーの器が務まりますか!」

晴「じゃ、じゃあお前はリーダーとして相応しいってのかよ!?」

ありす「当然ですよ、……佐々木さん、リーダーの条件は何だと思いますか?」

千枝「え? …えっと、やっぱりみんなを引っ張って行ってくれるようなオトナの人…かな?」


ありす「素晴らしい解答ですね! ほら、結城さん…わかりましたか?」

晴「……いや、すまん。何が?」

ありす「オトナ、ですよ! リーダーはオトナな女性が努めるべきなんです!」

晴「……なあ千枝? こいつが何言ってるかわかるか?」

千枝「え、えっと…つまり、ありすちゃんはオトナってこと、かな?」

ありす「その通りです! ……あと橘です、ありすではなく」

晴「えぇ~、オトナぁ? こいつがかぁ?」


ありす「何ですか、当たり前でしょう。少なくともこの三人の中なら、私が一番オトナです!」

晴「ほー、そうか? 例えばどんなとこが?」

ありす「そうですね…、まず私が一番背が高いです」

晴「オレと1cmしか変わらねーだろ! ほとんど一緒だろうが!!」

ありす「……ふっ、みっともないですね。負けを素直に認められないのは子供の証拠ですよ?」

晴「うるせえっ! 成長期なんだしすぐ追い抜くっつーの、ばーかばーか!」



千枝「あ、でも千枝の方がここはおっきいかも…」ペタペタ


ありす「――っ!?」

晴「……おお、胸か…それは盲点だったわ。つかそれならオレが一番でけえぞ! ほっらオっトナ~!」

ありす「――せ、成長期なんだからまだわかりませんよ!!」

愛海「それはどうかな?」

晴「大体外見でオトナかどうか決めるって発想がオトナじゃねえよ、オトナなら中身だろ、なーかーみ!」

ありす「ぐぬぬ…、結城さんの割には随分と的を射たことを…」

千枝「い、いま一瞬わるい子の姿が見えたような…あれ?」


http://i.imgur.com/2fHbFvH.jpg
わるい子(14)


ありす「でも、中身でだって私はオトナですよ。もう料理だってちゃんと出来ますからね」

千枝「わ、わぁ…ホントに? 千枝も、ありすちゃんのお料理食べてみたいかもです!」

ありす「ふふっ、良いですよ。今度、オリジナルのイタリア料理をごちそうしてあげます」

千枝「お、オリジナル? す、すごいね…自分で考えて作ってるんだ…」

晴「……なあ橘。お前、こないだ出演した料理番組で結構やらかしてたって話じゃなかったか?」

ありす「ええ、それは認めますよ。だからあれ以来、頑張って料理の特訓をしてるんです。最近作ったものは、母にも褒めてもらったんですよ?」

晴「えー、マジかよ……信じられねえな」

ありす「証拠だってありますよ! 母に作った料理の写真がタブレットにありますから…ちょっと待ってください」

千枝「お料理かぁ…千枝もお母さんのお手伝いとかはしますけど…、まだ一人では何も作れないです…」

晴「そんなもんだろ、……オレなんて皿洗いくらいしかできねえし」

千枝「そ、それはお料理なのかな晴ちゃん…?」

悪い子の胸を一番モミモミしたい。あと千枝ちゃんの膝の裏ぺろぺろ


ありす「ほら、この写真です! どうですか、とってもおいしそうでしょう?」

晴「どれどれ? ……えーと、これスパゲッティか?」

千枝「ミートソース…? それにしては色が何だか、ピンク…ですね?」

ありす「ストロベリィペーストにホイップクリームをミックスした特製ソースです!」

千枝「えっ?」

晴「なん、だと…?」

ありす「どうですか、とってもおいしそうでしょう!」ニコニコ

千枝「う、うん…そうだね…」ニッコリ


千枝「め、珍しいよね? ケーキみたいだけど、苺とスパゲティって…ちょっと味の想像がつかないような…」

ありす「苺は苺の味がしますけどね…? あっ、お肉は苺と一緒に焼いているのでとっても柔らかくなっているんですよ!」

千枝「そ、そうなんだ! …よ、よくわかんないけどおいしそうです!」

晴「……おかしい、何かがおかしい」

千枝「しぃ~! 晴ちゃん、ダメ…それ以上は言っちゃダメです…!」ヒソヒソ

晴「…お、おう。わかってるよ、すまんな」ヒソヒソ

ありす「……?」キョトン

橘はもうすっかりこんなキャラですね


ありす「ほら、これが食べている時の母親の顔です。とっても良い笑顔でしょう?」

晴「……あ、ああ…そうだな」

千枝「わ、わぁ…! き、きっと…その…お母さんも、ありすちゃんにご飯作ってもらって嬉しかったんだね!」

晴「(……いやいや、ありすの母ちゃんすげえ無理して笑ってるよこれ…引きつってるもん、顔)」

ありす「そう…ですかね。私の母は仕事で忙しいですし、家族で食事も中々取れないですから…そう思っていてくれたら、私も嬉しいです」

晴「(何かちょっと重めの話きちゃったあああ!?)」

千枝「ぜ、絶対そう思ってくれてるよ! その…料理は愛情だって、! ありすちゃんのお料理からは、とっても愛情を感じます!」

ありす「ふふっ、愛情ですか…あまり私に似合わないかもですけど、…えへへっ」

晴「い、いやあすごいなあ橘は、オレも見習わないとなー(棒」

ありす「なんですかその棒読みは…?」

晴「何でもねっての、あはは…」

千枝「(……よ、良かった、これで何とかなった…かな?)」




晴「……なあ千枝? オレは今日ちょっとだけオトナになれたような気分だよ…」ヒソヒソ

千枝「オトナって大変なんですね。……ありすちゃんのお母さん…どうか負けないで…」ヒソヒソ

ありす「んん? どうかしましたか?」

千枝「――い、いいえ! なんでもありまへん!」ニッコリ


ありす「と、いう訳で! ……私がオトナであるということがお分かり頂けましたか?」

晴「あー、いやまあ百歩譲ってお前が料理できるとしよう。でも料理が出来ないオトナも沢山いるんじゃないか?」

ありす「む、確かにそうかもしれません」

晴「あとお前が言いそうなことを先に言っとくと、学校の成績が良くなかったオトナもいるからな?」

千枝「千枝はお料理じゃなくて、お裁縫が得意ですけど…だからといってオトナな訳ではないですね…」

ありす「それもそうでしょうね。……なるほど、これではいくら自分でオトナであると主張してもキリがなさそうです」


千枝「オトナになるって、どういうことなんでしょうか……やっぱり難しいなぁ…」

晴「うーん、なんだろうな?」

ありす「文句を言わず、与えられた仕事をきちんとこなすこと…じゃないですか?」チラッ

晴「おう、オレに言ってるつもりならそれブーメランだぞ橘。いい加減ありすであることを受け入れろ」

ありす「ぐぬぬ…」

千枝「だ、だからケンカはダメですってば…もぅ…!」


ありす「では、客観的な評価を入れましょう! 誰が一番オトナか、事務所の方に訊いてみるのはどうですか?」

晴「おお、めずらしくまともなこと言うじゃねーか! 良いぜ、少なくともお前には負けねーぞ?」

千枝「あの…、今さらですけど、リーダーが決めるってお話も忘れないでください…」

ありす「それも忘れてはいませんよ、一緒に訊けば良いじゃないですか!」

晴「うっし、決まりだな! 誰が選ばれても文句言うなよ!」

千枝「じゃ、じゃあ最初は…あの人たちに訊いてみましょう…」


【ニュージェネ&トラプリに訊いてみた】


凛「……え、誰がオトナかって?」

卯月「千枝ちゃんたち三人の中で、ですか?」

未央「うーん、……中々難しいね、その質問は」

加蓮「そりゃ…オトナと言ったら千枝ちゃんじゃないの?」

奈緒「……おいおい加蓮? いやまあ、でも千枝ちゃんだな…うん」

未央「あ、そういう意味ならちえっちかな!」

卯月「えへへ、じゃあ私も千枝ちゃんにしよっと!」

凛「……私も、千枝に一票」


晴「な、なんだこの圧倒的な千枝率は…」

ありす「あ、ありえません…、何が、何が違うんですか…」ブツブツ

千枝「な、何ででしょうね…? 嬉しいですけど、千枝にも全然わからないです…」

ありす「ぼ、母数が足りないんですよ! 統計上の揺らぎというやつです! もっと多くのサンプルがあれば…」

晴「とにかくもっと多くの人に訊いてみればいいってこったろ? じゃあほら、次行くぞ次!」


【カワイイボクと142'sに訊いてみた】


幸子「オトナですか? ――ボクです! ボクが一番カワイイので!」

輝子「お、オトナなら誰とでも…そう、キノコとも親友になれ…ならないの? あ、そう…フヒヒ」

小梅「あ、あの子が…オトナになんてならなくて良いって…碌なことがないから…」


【にゃんにゃんにゃんに訊いてみた】


アーニャ「オトナ、ブゾロスウィ…ですか?」

のあ「……その質問は、あまり意味を持たないわ。……オトナであることは他の誰でもなく、自分自身の在り方が決めること」

みく「その通りだにゃ! オトナは人のハンバーグ弁当を勝手に食べたりしない人のことを言うのにゃ! ね、のあにゃん?」

のあ「……みく、今日のハンバーグ弁当もおいしかったわね?」

みく「え、今日って日の丸弁当じゃなかったの?」

アーニャ「みくがプロデューサーに…ント、ハンバーグ弁当が良いって言ってましたから…今日はハンバーグでした…にゃ?」

みく「……のあにゃん?」

のあ「………………………………にゃん」

みく「――にゃんじゃないにゃあああああっ!?」


千枝「あの…、まともな回答、返ってきませんでしたね……」

晴「……なんかこう、むなしさを感じてきた、人生に対する」

ありす「ま、まだですよ…まだ本命が残ってますからね…」


【オトナのおねえさんたちに訊いてみた】


美優「お、オトナ…ですか? えっと…私自身まだ…その、オトナになれてはいないと思うので…」

留美「オトナは大抵汚いモノよ、それがまた良い事もあるのだけど…貴方たちは、まだ知らなくても良いわ…」

レナ「自分で勝負事のベットが決められるようになったらオトナ…だよっ! そう言う意味じゃ、みんなまだまだかもね?」

瑞樹「オトナになんてならなくて良いのよ、その内わかるわ……」

志乃「うふふ、そういうお話は、お酒の味がわかるようになってからよ?」

早苗「あ、はいはーい! そしたらおねーさんは超オトナだねっ!」

楓「オトナはみんな大人しい、なーんて…ふふっ」

ヘレン「世界レベルになりなさい…全てはそれから、つまりはそういうこと」

礼子「オトナといえばエロス…まずは貴方達、このソフトクリームを舐めてみ…」

あい「――こらこらこらこらっ、子供相手だぞ礼子さんっ!?」



あい「……ああ、すまないね君たち。見ての通り、この事務所にはオトナはいないんだ…」


千枝「オトナ、オトナってなんでしょう…」

晴「……躊躇わないことだろうな、色々と」

ありす「……調べても、わからないものがあるとは思いませんでした」

千枝「っていうかリーダー、リーダーを決めないといけないんですよ千枝たちは…! オトナについては、また今度にしましょう…」


ガチャ


モバP「ただいま戻りました~!」

千枝「あっ、モバPさん…おかえりなさい!」タタタッ

晴「おう、プロデューサー、やっと帰ってきたか」スタスタ

ありす「遅かったですね、……待ちかねましたよ?」トテトテ

モバP「ああ、ごめんごめん、ちょっと仕事の話が長引いてな? ……あ、そうだ千枝、ちょっと話があるんだけど、良いか?」

千枝「は、はい…なんでしょうか?」


モバP「……こないだのリーダーの件だけどな、考えたんだけど…千枝にお願いできるか?」

ありす「――っ!?」

晴「な、なにぃっ!?」

千枝「え、…千枝、ですか?」

モバP「ああ、千枝なら任せられるって思うんだけど…どうかな? やってくれるか?」

千枝「え、えっと…あの、モバPさんが、そういうなら…千枝は、その…」チラッ


ありす「――ちょ、ちょっと待ってください! どういうことですか! 理由を教えてください!!」

晴「そ、そうだぞ! ユニットのリーダーつったらほら…、一番カッコいいやつだろ!!」

ありす「何でですか、それよりも一番頭が良くて料理も上手でタブレットを華麗に使いこなす苺好きな人がリーダーをすべきです!!」

晴「おいこらっ、なんだその微妙に納得いかねえ上に一個人を表してるようなリーダー像はよ!?」

千枝「わ、わわっちょっと二人とも、落ち着いてくだ…」

ありす・晴「――佐々木さん(千枝)はちょっと黙ってて!」

千枝「は、はい…、うぅ…」


モバP「――ちょ、ちょっと待てって? な、何の話をしてるんだお前たち?」

ありす「な、ここまで来てとぼける気ですか!?」

晴「いや何って…、このユニットのリーダーを決めろって、アンタが言ったんじゃないのかよ?」

モバP「このユニット…? ああ、確かにリーダーは決めてなかったけど、俺が千枝に言ってるのはU12組でやる今度のマーチングバンドの件だぞ?」

千枝「えっ」

ありす「えっ」

晴「えっ」

モバP「……えっ?」


モバP「あ、あれ…? 俺ちゃんと千枝に言ったよな? 今度の仕事の件で、リーダーを決めといて欲しいって…」

千枝「は、はい…でもあの、マーチングバンドのお仕事のことって、思ってなくて…その…」

モバP「い、いや…俺の伝え方が悪かったんだろ、きっと。ごめんな?」

千枝「いや、それは違くて、その…い、今思い出したら、ちゃんとモバPさんはマーチングバンドのお話をしてましたし……」

晴「……おい、千枝?」ジロッ

ありす「……佐々木さん?」ジトー

千枝「あ、あれぇ…? お、おかしいな…ち、千枝は…えっと、その…」

晴「……」

ありす「……」

千枝「……ち、千枝は知ってますよ。こういう時、どうすればいいのか…、千枝はその…オトナですから…!」キリッ

晴「……」

ありす「……」















千枝「――オトナは、わるい子なので…逃げるが勝ちです!」ダッシュ


晴「なにぃ!? まさかの逃亡だとぉ!?」

ありす「追ってください、結城さん!! そのための軽量化、そのためのボール頭でしょう!!」

晴「どういうことだよこらっ!! タブレットをゴールにシュウッするぞばーかばーか!!」

モバP「おぅ…今日も事務所は超エキサイティン…」


千枝「――は、はやく、千枝はちゃんとしたオトナになりたーい!!」







おわり

なんでいつの間にかオトナがうんちゃらの話になってるんだろう…

これも全て千川ちひろって奴の仕業なんだ……

千枝ちゃんはかわいいなぁ
かわいいなぁ

おっつおっつ

なんだって!それは本当かい!?


この事務所に大人はいない(断言)
おつー

やっぱり、わた橘というアイドルがリーダーに相応しかったようですね

乙です

乙乙
はるちえありす良いよね

面白かったよ!

おっつおっつ
はるちえありすも素晴らしいけどCoロリならゆきみんもお忘れなく(小声
そしてのあさん…

のあさんがポンコツだと言う風潮
ありだと思います!

きっと木場さんなら、木場さんならきっと何とかしてくれる…

>>38
はよ寝ろありす

いいSSだった、かけ値なしに

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