金田一「進撃の巨人連続殺人事件~紅蓮の弓矢編~」(107)

テスト

これであってますか?

間違えてる

これでOK?



訓練所宿舎近くの通り



金田一「フゥワアアア~。せっかく朝点呼ないんだから昼まで寝させろよ、美雪」


美雪「もーう、はじめちゃんたら。せっかくトロスト区処理の代休として与えられた一斉休暇なんだから、有意義に使わなくちゃ」

美雪「前の休暇のときにね、気に入ったお店みつけたの。そこに行きましょ♪」

.

ジャン「おっ。金田一」

ミカサ「美雪も」

金田一「よお」

美雪「みんなも外出?」

アルミン「うん。6日後には所属兵団を決めるし、いったん街の空気で頭を冷やして考えようってね」



ザワザワ ザワザワ

金田一「何だろう?美雪、行ってみるぞ!」パタパタ

.



ジャン「あのキンダニのやろう。格闘も座学もさっぱりだし。ホント、巨人の餌になるしか能がねえわ」

アルミン「・・・違うよ、ジャン。実は金田一は訓練所開校以来の天才なんだ」

ジャン「・・・オイオイ冗談だろ。確かに悪知恵のきくやつだけど」

アルミン「入校時の適性検査は僕や美雪を抜いてぶっちぎりのIQトップだったんだ」

ジャン「マジ?」

ミカサ「何かしら?騒ぎが大きい。私たちも行こう」パタパタ


.


調査兵団実験場の前


美雪「あら?ピクシスのおじさま!」

金田一「ピクシスのじっちゃん!」

ピクシス「おお。はじめに美雪か。ん?それに、トロスト区奪還の若き英雄二人ではないか」

アルミン・ミカサ「」バッ 敬礼

ジャン「・・・・」敬礼

美雪「おじさま、何かあったの?」

ピクシス「生態実験用の被検体の巨人2体が殺害されたと緊急の報告があってな」

金田一「え?死んだ、じゃなくて殺された?」

.


門番「」バッ 敬礼

ピクシス「うむ。ご苦労」

門番「あの、司令・・。そちらの訓練兵たちは・・・」

ピクシス「この子ら4人はワシの連れじゃ。構わん」

門番「ハッ!(・・・5人・・・だよ・・な?)」(汗)

ジャン「・・・・」

.


金田一「これは・・いったい・・・」

美雪「・・ひどい(特にあの分隊長の取り乱し方が)・・・」

ハンジ「ウォォオオおおお!!!」

モブ「分隊長!落ち着いてください!」
.


エルヴィン「司令。おいでですか」

ピクシス「うむ。どうなっとる?」

エルヴィン「」チラッ 「ええ、後ほどじっくりご報告を」

ピクシス「そうか・・・」

金田一「・・・・・」
.


エルヴィン「ところで、そちらの訓練兵たちは・・・?」

ピクシス「お前も報告を受けとるじゃろ、例のエレン・イェーガーと共にトロスト区奪還に貢献したアルミンとミカサじゃ」

アルミン・ミカサ「」バッ 敬礼 

ピクシス「こっちの二人は赤ん坊のころからワシがよく知っとる子じゃ。心配ない。はじめと美雪じゃ」

金田一・美雪「」バッ 敬礼

ジャン「・・・・・・・」バッ 敬礼
.



エルヴィン「・・・・・・・・」

エルヴィン「君には何が見える?」

美雪「え!?・・えっと。まず・・巨人の死体から上がる蒸気ですけど・・・やっぱりいつ見ても不気味かなって、あと・・」

金田一「バーカ美雪。団長が聞いてんのはそんな事じゃねえよ。兵団の中に諜報員が紛れ込んでるはずだが、誰かって話だよ」

エルヴィン「!!!!」

アルミン・ミカサ「!!」

ジャン「?」

金田一「・・・ブツブツ・・まずは5年前からの兵士は除くとして・・・・それから超大型と鎧んのがまた出たとき現場には・・・」

金田一「・・・でもエレンがああなって・・あークソッ。そこまでは絞れんだが・・・アーデモナイコーデモナイ・・」ブツブツ
.


エルヴィン「君は一体・・・」

ピクシス司令「コヤツか?ワシとこいつの祖父とは古い馴染みでな。わしも昔困ったときは、密かにコイツのじいさんに助言を聞いたり、兵団に来てもらったりしてたんじゃよ」

ピクシス司令「金田一耕助という名前を聞いたことはないかね?」

エルヴィン「!あの有名な探偵の・・・・・・では、君たちの出身は?」

美雪「セタガヤ区です」

エルヴィン「ああ、あそこか。なら身元は確かだな」

ピクシス司令(ククク。エルの奴)

エルヴィン「是非君たちに、諜報員のあぶり出しに協力してもらいたい!」

エルヴィン「憲兵団とは別にこの件を調査してほしい」
.


エルヴィン「君は一体・・・」

ピクシス司令「コヤツか?実はワシとこいつの祖父とは古い馴染みでな。わしも昔困ったときは、密かにコイツのじいさんに助言を聞いたり、兵団に来てもらったりしてたんじゃよ」

ピクシス司令「金田一耕助という名前を聞いたことはないかね?」

エルヴィン「!あの有名な探偵の・・・・・・では、君たちの出身は?」

美雪「セタガヤ区です」

エルヴィン「ああ、あそこか。あそこなら身元は確かだな」

ピクシス司令(ククク。エルの奴)

エルヴィン「是非君たちに、諜報員のあぶり出しに協力してもらいたい!」

エルヴィン「憲兵団とは別にこの件を調査してほしい」
.

間違えた


ジャン「(んなこと言ったって、なんの見返りや保障もなしに、ただの訓練兵にそんな事できっかよ)」ボソッ

エルヴィン「」ギロッ

ジャン「」ヒッ
.


エルヴィン「・・・・」スラスラスラ


『任命状』

金田一一
七瀬美雪
アルミン・アルレルト
ミカサ・アッカーマン

以上の者は調査兵団特別任務にたずさわるため、○月○日より○月○日の5日間、訓練活動を免除し外出を許可する。
      
調査兵団団長 エルヴィン・スミス                                

.


エルヴィン「もちろん君たちの管轄責任者はキース教官であるが、私から話しておこう」

エルヴィン「6日後の所属兵団決定式までに、どんな小さな事でもいい・・・何か手がかりを掴んでくれ。君たち4人で」

ジャン「」プルプル

エルヴィン「おっとすまない。4人じゃなかったな」

ジャン「!」パアアア

エルヴィン「敵がエレンに接触を図るかもしれない。エレンにも事情を説明し、5人で密かに探ってくれ」

金美アルミカ「はっ」敬礼

ジャン「・・・・・・・」
.



金田一、美雪、アルミン、ミカサ、ジャン
エルヴィンとピクシスと別れ、実験場内を見て回る

.


ミカサ「あ!エレンだ!」ダッ

アルミン「エレン!・・・今一人か?」

エレン「お!?みんな!数日ぶりだな」

皆 ワイワイ

金田一「エレン、お前も大変だなー。ずっと地下室に閉じ込められてんだろ?」

エレン「そんな事ないよ。リヴァイ兵長監視下っていう条件でこうやって外出できるし」

金田一「でも、昨晩なんて古城の地下室だろ?一人で怖くなかったか?」

エレン「昨日は地下室じゃなかったよ。ハンジさんと徹夜でおしゃべりしてたからね」

金田一「えー!じゃあ、あのおっかない兵長が一晩中つきっきりだったのかよ」

エレン「うーん?そういえば昨日、兵長すぐ自室行っちゃったな。同席してなくてよかったのかな?」

金田一「・・・・・」
.


ペトラ「エレン!ここにいたの!」

オルオ「おい、がきんちょ。なにほっつき歩いてんだよ」

ペトラ「ダメじゃない、一人で行動しちゃ。私たちは組織で行動するのよ」

エルド「・・・おい、ペトラ。お前だってココ来んのに一人だけ随分遅れて到着したじゃねえか」

ペトラ「そういうこと言わないでよ。先輩の威厳とかなくなるでしょ。朝の女の子にはいろいろ準備ってモンがあるの!」

グンタ「それにしたって、いつもより余計に遅くなかったか?」

金田一「・・・・・」
.


ペトラ「それは・・・さっき・・・ううん、何でもない」

オルオ「俺の前でめかしこむなんざ、まだ早いぜ。ペトラよ」

エルド「エレン、兵長は一緒じゃないのか?」

エレン「ええ、さっきまで一緒だったんですけど」

リヴァイ「・・・俺ならもともと結構ここにいる・・・」

皆「!!」ビクッ

金田一(ち、小っさくて気づかんかった・・さっきの聞かれてたのかな)ドキドキ

リヴァイ「あとは憲兵団の仕事だ。行くぞ」

エレン「(またな!)」

.



ハンジ「うう・・・・」ヒックヒック

金田一「あのう、すみません。ハンジ分隊長でいらっしゃいますよね?」

ハンジ「?」

アルミン 敬礼「自分たちは104期訓練兵団所属・・・・」

ハンジ「!!君たちが・・・さっきエルヴィン言ってた・・・」

ハンジ「クックック」
.


ハンジ「クックッソ面白そー!訓練兵なのに極秘捜査とか・・最高に滾(たぎ)るね!」ハハハ

アルミン「ハハ・・・そう、ですか」(汗)

金田一「ところで、犯人が残した手がかりや情報は、何かありませんか?」

ハンジ「うーん。蒸発具合からみて、犯行時刻は明け方の朝4時半から5時半にかけてなのは確かだと思うけど・・・」

ハンジ「あぁ。このペースで行くとソニーは4時間後、ビーンは7時間後には跡形もなくなっちゃうね」ガクッ

モブリッド「そうだなぁ。あとは2人以上の計画的作戦で立体機動を使って逃げたって、ことしかわからないな」

金田一「・・・・・」
.


ガヤガヤ

皆「!?」



兵士「ちょっ司祭!いい加減にしてください!」

ニック司祭「これは天罰なのだ!聖なる壁より邪気を払う紅蓮の弓矢が放たれたのだ!!」

ニック司祭「伝説の奇跡が甦ったのだ!」

伝説!?

兵士「司祭、何度言ったらわかるんです!?部外者は立入禁止だって」

金田一「・・・・」

.


ソニービーン殺害現場からの帰り道


アルミン「・・・どうだ金田一、何かわかったか?」

金田一「ハハハハ、さっぱりわからない!」

美雪「(はじめちゃん、それ、べつのSS!)」

ジャン「ったくあのハゲ司令もヅラ団長も何なんだよ・・・薔薇も翼もこっちから願い下げだっつの!」←結局最後に名前書いてもらえた

ジャン「おい金田一。団長の質問に答えられたからっていい気になんなよ?それくらいアルミンだってわかってたんだかんな!!」

アルミン「・・・・・・・」

金田一「ああ、そうだな。今朝の答えはアルミンが正解だったよ」

アルミン「!!」


ミカサ「アルミンは何も喋ってなかった・・」

金田一「そうさ。あの場は「何もしゃべらない」のが正解だったのさ」

ジャン「???」

金田一「・・・団長はわざと抽象的で曖昧に質問したんだ」

金田一「考えてもみろ。あんな質問されて、激しく動揺したり、「内部に諜報員がいます!」なんてペラペラと答える新兵がいたりしたら、自分が犯人ですって言ってるようなもんだろ?」

金田一「あの質問の答えは「質問に答えられないこと」さ」

美雪「だって、はじめちゃんペラペラ答えちゃったじゃない!どうするの?」

金田一「ああ。今朝はピクシス司令の知り合いってことで見逃してもらえたけどな・・・・団長が最後に俺たちの出身地聞いてただろ?」

金田一「今頃、セタガヤ区に身元照会の伝令が走ってるはずさ・・・・」
.


街の子供1「地に堕ちた鳥が風を待ちわびるとき♪イェーガー♪」

街の子供2「城壁の彼方から紅蓮の弓矢♪イェーガー♪」

!?


街の子供1「やっぱり伝説は本当だったんだ」

街の子供2「悪い奴は必ず紅蓮の弓矢に射られるんだ」

!?


ジャン「俺たちが訓練所にぶち込まれている間に、ずいぶんと珍妙な歌が流行ったもんだな」

美雪「ええ。なんだか妙な歌詞ね・・」

金田一「各地の伝説や口伝をよせあつめてテキトーに作ったんだろ・・・子供の歌だし」

ミカサ「私の故郷にも似たような伝説があった・・・」

アルミン「あのイェーガーっていうのは何だろう?」

金田一「意味なんか無いだろ。エンヤーコラサーとかダンチョネーみたいな合いの手さ、きっと」
.


翌日朝、訓練所のとある一室


ハト「ポッポー」

美雪「はじめちゃーん。剣持隊長からの早便届いたよー」

金田一「おう」ドレドレ

金田一「104期の奴らのことなら大体わかるが、先輩達のことはまだよくわかんねーからなー」

アルミン「あの憲兵団で隊長やってるていう知り合いからか?悪いな金田一。お前にばっかり頼ってしまって」

金田一「なーに、気にすんなって。講談社内では俺の方が先輩なんだからよ」ハハッ

ジャン「???」
.



剣持隊長からの手紙


金田一へ

お前が名前をあげた者の情報をまとめてやったぞ。

一晩でここまで調べてやったんだからな。感謝しろよ。

.


一、リヴァイ兵長

ジャン「おいおい。いくらなんでもリヴァイ兵長はないだろ。そもそも5年前から居るじゃねえか」


入団前は地下街の有名なゴロツキだった。しかし、なぜか当時のウワサを知る者はいない。

なお当時の地下街では、東洋人風の子供をさらってきては金持ちの変態に売り飛ばしたりと、かなり陰惨な犯罪が多かった。

ミカサ「!」

ミカサ「やはりあのチビ!・・・すぐにでも私がしかるべき制裁を!・・・」

アルミン「そんな人が調査兵団No.2をやっているなんて」

金田一(危険なやつほどより近く・・ってワケか。やっぱり食えない男だぜ、エルヴィン・スミス!)


入団後すぐに頭角を表すも、超大型・鎧の巨人の来襲時は運悪く不在

なお分隊長のハンジ・ゾエとは恋人関係である。


美雪「えーっ。全然気付かなかった」

金田一(生態調査班以外で一番実験場に出入り出来る人物・・・もしかしたら恋人になったのも・・)
.


二、モブリッド

ハンジ分隊長の助手。5年前に配属。多忙の分隊長に変わりあらゆる雑務を切盛りする。

過去に実験器具を無断で持ち出し懲戒を受けたことがあるが、ハンジの取りなしによって審議所送りはなくなった。


アルミン「やっぱり金田一も、アレが気になるか?」

金田一「ああ」


実験のひとつ「痛覚の確認」にはひどい嫌悪感を示し、一貫して反対の立場である。

金田一「・・・・・・・」
.


三、ニック司祭

ウォール教司祭。だが比較的教団在籍は短く、教団幹部というわけではない。

妻子がいたが酒と借金により身を持ち崩しその後洗礼を受けた。主に街頭布教を担当している。


ミカサ「私たちは、内部に兵士として紛れ込んでいる者を探すんじゃなかったの?」

金田一「んま、念のためにな」

金田一(巨人を生け捕りにしたのは今回で6回目のはずだ)

金田一(本当に伝説の天罰だとしたら、なんで過去5回はまぬがれたんだ?)
.


四、ペトラ・ラル

特別作戦班(通称リヴァイ班)所属。討伐数10体。討伐補佐数48体。

言うまでもなく女性兵士の中では、十指に入る実力の持ち主だ。


美雪「ペトラさんって、エレンを探しにきたあのカワイイ人?」


通常、壁外遠征前は情報漏えい防止のため、手紙の類はすべて上官の検閲を受ける。

しかし、ペトラは上官の検閲を受けずに通信を行った疑いが持たれている。

なお宛先および内容については現在調査中。
.


五、104期について

104期訓練兵の中に、偽名で入団したものがいるとのウラ情報がある。だがまだ氏名・性別不明だ。

入団には一応身元調査と戸籍の確認があるはずなんだが・・・・どこかの有力者が手を回したらしい。

引き続きこちらでも調査するが、とりあえず104期全員うたがっとけ!


ジャン「おいおい、随分とざっくりしたアドバイスだな。この剣持って人、本当に憲兵団のエリートかよ?」

金田一「・・まあ、オッサンは駐屯兵団から転属した叩き上げだかんな」(苦笑)

美雪「でも憲兵団なのに、驕らなくて実直なひとよ。フフ」
.



あと何か困ったことがあったら、俺の飲み友達であるハンネスを頼れ

剣持勇




ミカサ「・・・点呼の時間だわ。行きましょう」



.


古城(旧調査兵団本部)に向かう道すがら 



馬「パカパカ」

金田一「え?さっきの点呼で、立体機動に異常のある者はいなかった?」

ジャン「そ、そうなのか?・・・」

美雪「ええ。あとで正式に全体伝達されると思うけど、同期の疑いが晴れて本当によかったわ。でも104期以外の犯人だと尚更見つけるの難しくなるわね」

金田一「・・・・・・・」

金田一(おかしい・・・エルヴィン団長とピクシス司令はすでに何か掴んでいる様子だった)

金田一(俺たちのようなガキをおだててまで内偵を命じたのは、104期に容疑者がいると踏んで仲間同士で見張らせるためじゃなかったのか・・・?)

ミカサ「急ごう。エレンに早く内部諜報者の存在を知らせなくては」

ジャン「何もご丁寧にエレンに忠告しに行かなくてもいいんじゃないか?あいつイザってときは自分が巨人になって戦えばいいわけだし」

ジャン「まあ、おかげで今日の対人格闘訓練をこうやって堂々とサボれるわけだが・・・」

アルミン「でも僕たちが行っても、エレンにはリヴァイ班の同席が義務付けられている。兵長や班員も怪しいなんてどうやって伝えればいいんだろ?」

皆「・・・・・・・・」
.


街はずれまで来る


街の子供1「地に堕ちた鳥が風を待ちわびるとき♪イェーガー♪」

街の子供2「城壁の彼方から紅蓮の弓矢♪イェーガー♪」

!?

街の子供1「壁内に入った悪い奴はね、イェーガーによって射られるんだよ!」

街の子供2「壁内に招き入れた奴もね、同じく紅蓮の弓矢によって天罰が下されるんだ!」

!?


ジャン「またかよ?よくまあ、こんな街外れまで流行ってるもんだな」

金田一「・・・(壁内に招き入れた奴?)・・・・!」

金田一「ハンジ分隊長があぶない!!」

皆「!!」

金田一「ミカサとアルミンはエレンとリヴァイ兵長を呼んできてくれ!美雪とジャンは俺と実験場へ急ごう!!」
.


生態調査班実験場(ソニービーン殺害現場)


ハンジ「何だかエルヴィンが特別捜査班を用意したとか言ってたけど・・・」ゴソゴソ

ハンジ「私の被検体なんだもの。あの子たちに任せきりにしとけないよね。ちゃんと責任とって仇を討たなきゃ!」

ハンジ「・・ああ~すっかり蒸発しちゃって・・・ん?・・何でコレがこんなとこに・・」

忍び寄る黒い影 「」グガッ!バキ!!

ハンジ「」バタン

黒い影「」サッ ペタッ

.


モブリッド「分隊長ー!いますかー?・・・・えっ!分隊長!!」

金田一「ハンジさん!?・・・しっかりしてください!!」ガバッ

美雪「すぐに救護班を呼んでくる!・・・・」

金田一「・・・イヤもう遅い・・・・・ハンジさんは、亡くなっている・・」

皆「!!」

ジャン「おっ・・・これは何だ!?」

張り紙『地に堕ちた鳥が風を待ちわびるとき、城壁の彼方より紅蓮の弓矢によって、狩人が囚われた屈辱をはらうだろう』

!?

金田一(・・・・・・まさか本当に天罰が?)
.


一時間後・・
エレン・リヴァイ・ミカサ・アルミン到着


リヴァイ「ハンジ!ハンジはどこだ!!」

金田一「こちらの部屋です・・・」

エレン「ぼ、僕も・・・」

金田一「待て。今は二人きりに・・・。あと、エレンには少し話がある」

エレン「・・・・・・・」



隣の部屋から

リヴァイ「うぉー!!!このクソメガネェ~(号泣)目ェ開けやがれ!!」

リヴァイ「ううぉー!!ハンヅィーーー!!!(号泣)」

.



皆「・・・・・・」

ジャン「ナンだよ・・あの歌の通りかよ・・本当に天罰が下ったのかよ」ブルブル

アルミン「・・・・」張り紙ジッ



金田一「・・・・いいや天罰なんかじゃない。真犯人「紅蓮の弓矢」は生身の人間だ。

必ず俺が見つけ出してやる。ジッチャンの名にかけて!!」

.

.


その日の夜


リヴァイの部屋

リヴァイ「・・・クソメガネが死んだ・・・か」

リヴァイ「・・・それも、悪くない」

!?


ペトラの部屋

ペトラ「・・・これで兵長はひとりきり・・・・・」

!?
.


モブリッドの部屋

モブ「・・・ふう。やっと田舎に帰れる・・・故郷へ・・・」

!?


教会

ニック司祭「民よ!伝説はよみがえった。紅蓮の弓矢が災いをふり払ったのだ。イェーガー!」

信者たち「イェーガー!」

ニック司祭「地に堕ちた鳥が風を待ちわびるとき、囚われた屈辱が反撃の嚆矢(こうし)に出るだろう」

ニック司祭「城壁の彼方から黄昏(たそがれ)に緋(ひ)を穿(うが)つ紅蓮(ぐれん)の弓矢が」クワッ

信者たち「イェーガー!」

!?
.


ハンジ殺害翌日(ソニービーン事件から3日目)


壁付近にて


金田一「んー。なんかやっぱあの歌詞、ひっかかるんだよなー」

アルミン「僕もそう思う。せっかく壁近くまで来たんだし、何か手がかりを見つけないと」

美雪「エレン達の方はうまくいってるかな?」


金田一「ああ。エレンはどちらにしろリヴァイ班から離れられねーけど、むしろ自然に先輩達の様子を観察できる」

アルミン「ミカサはハンジさんの遺品整理の手伝いという名目でモブリッドさんを見張ってる」

ジャン「俺はミカサと一緒で良かったのに・・・ブツブツ・・・何だってこんな辺鄙なとこ・・・」

アルミン「ジャンはミカサの邪魔にならないよう連れてきた」

ジャン「!?」

ジャン「お、お前たち、ニック司祭も怪しいって言ってたじゃないか!?いいのか俺を街に行かせないで!?」

金田一「ニック司祭は民間人だ。俺らよりハンネスさんに任せた方がいいだろう」
.


同時刻 ハンジの研究室


モブリッド「わざわざ女手なんて必要なかったのに・・悪いね。ミカサ」

モブリッド「男に見られて困るようなものなんてないだろう?もともとこの部屋の物品は僕の方が詳しかったからね」

ミカサ「・・・・いえ。私は力仕事で呼ばれただけですから」

モブリッド「この部屋の主はもういない。僕も田舎に帰ることにしたよ・・もっと早く帰るべきだったのかな。里心が強くなったのか、捕らえた巨人が祖母にみえた事もあったくらいだ」

モブリッド「でも分隊長がああいう人だったから心配で。分隊長か僕か・・どちらかが死ぬまで離れられないと思っていた」

ミカサ「・・・・・・・」


モブリッド「誤解しないでくれよ。あくまで上司の部下としての関係だ・・ハハ・・」

モブリッド「でも僕はある意味、団長や兵長よりもあの人を理解していたよ・・・・それが新兵には伝わらなくて奇行種扱いされるのがイヤでね」

モブリッド「あの人の志を説明するため、勤務外で実験器具を持ち出したのがバレて、懲戒をくらったこともある・・ハハ・・」

ミカサ「・・・・・・・・」

ミカサ「じゃあ、どうしてソニーとビーンが殺されたとき、『犯人は2人以上で立体機動で逃げた』と言ったんですか?」

モブリッド「ああ・・あれは軽率だった。捜査を混乱させてしまって・・・前に分隊長がね。『もし私がいないときに不測の事態が起きたら、

必ず2人以上で行動すること。立体機動は常に身に付けすぐ退避できるように』って言ってたもんだから・・つい」


モブリッド「つい、そう思い込んでたんだなぁ。分隊長の言った言葉は一言一句逃さず覚えているよ・・・」

ミカサ「・・・・・・・・」
.


同時刻 古城(旧調査兵団本部)談話室

ペトラ「兵長今日は一日中外出?」

グンタ「みたいだな。ここんとこよく外出するよな。エレンを俺たちに任せっきりでいいのかな」

エルド「実はさっき四班のやつから聞いたんだが・・・その・・兵長は街で新しい女を囲ってるらしい」

グンタ「!」

グンタ「じゃあ、ハンジさんが亡くなるずっと前から?」

オルオ「お前たちまだ兵長の意図がわからんのか・・・遠征を前に心を整えるため・・・ま俺の領域に・・(略)」

エルド「古城で一緒に暮らしていながら・・・俺たちにそんな素振りはちっとも・・・」

ペトラ「ちょっとあなたたち正気?兵長はそんな人じゃないわ!ハンジ分隊長を深く愛してたわ!」ガタ バタン

エレン「あ。ちょっと待ってください・・・(だから・・・ハンジさんには敵わないから殺したと?)・・・」(汗)
.


古城 庭


エレン「ペトラさん・・・隣・・いいですか?」

ペトラ コク「・・・兵長がね、前に言ったの。『結果は誰にもわからない。悔いが残らない方を自分で選ぶ生き方をしろ』って」

ペトラ「フッ。私はダメ。兵長の指示に盲目的に従うだけ・・それがどんなに不条理な指示であっても・・」

ペトラ「でもハンジ分隊長は私とは違った。団長や兵長とぶつかっても・・・兵団外からの圧力がかかっても・・常に自分で選んだ生き方をしてた」

エレン「・・・・・」

ペトラ「だから・・・私にはわかるの・・・兵長がどんなにハンジ分隊長に惹かれていたかが・・・」

エレン「・・・・じゃあ・・・ひとつ聞いてもいいですか?」


エレン「ペトラさん、リヴァイ兵長の検閲を受けずに外部に手紙を出していましたね?」

ペトラ「//////////////」

ペトラ「どうしてそれを!」ワナワナ「みんなや兵長には内緒よ!」

ペトラ「これがその時お父さんに出した手紙の写しよ」

エレン「!?」

ペトラ「そんな恥ずかしい内容、兵長に見せれるわけないじゃない//////」

ペトラ「ごっ誤解しないでよっ。身も心も捧げるってのは、さっきも言ったように、班員として全力を尽くすってことなんだからッ」

ペトラ「私がいつ死んでもいいように・・・悔いなく任務に当たってるってお父さんに知らせたかったの」

エレン「・・・・・・・」

.


壁前にて 


金田一「伝説だと『黄昏に』っつてるから、西側に来てみたけど何もないな・・・・・・」

アルミン「・・・『黄昏を穿つ』ならむしろ東側から発射するって話なのかな?」

銃声 パンパパーン!

美雪「きゃっ!」

ジャン「!!・・・ひっ!」


ジャンの頭 ドサーッ

皆「・・・・・!?」

アルミン「ジャンの頭にに野鳥が降ってきた!」ハハッ

ジャン「笑い事じゃねーよ!!!俺は壁の破片でも落ちてきたのかと肝が冷えたぜ」

金田一「!?」

ジャン「野鳥でも十分気持ち悪いけどな!」

.


猟師「おおーすまんすまん。怪我は無かったかー?ガキども!」

ジャン「何やってんだよオッサン!危ねーじゃねえか!弾があたったらどうすんだよ」イラッ

猟師「すまんすまん。どうも俺らイェーガーってのは獲物に集中すると周りが見えなくてな」

金田一・アルミン「!!」

アルミン「すみません、そのイェーガーって言葉の意味は・・・」

猟師「ああ、“狩人”って意味さ」

金田一「一体どこでその言葉を!?」

猟師「・・イヤ・・ちょっと、その・・他人に言ったらまずかったかな・・実は俺の弟が洗礼を受けててな・・」



風の音 ヒュゥゥーー


アルミン「・・・なぁ金田一・・・ってことは・・・」

金田一「ああ。あの人だな・・」

美雪「はじめちゃんどういう事?」

金田一「ハンジさんの遺体のそばにあった張り紙を思い出してみろよ」

美雪「・・・そういう事ね!」

ジャン(なになに?俺だけ置いてけぼり??)
.


街の教会


ドア バァーン

ハンネス「ニック司祭はいるか?」

ニック司祭「!?」

アルミン「あなただったんですね?ソニーとビーンを殺し、ハンジさんまで手にかけたのは!?」

ニック司祭「!!・・・待て・・なぜ私がっ?」


ハンネス「寄付金集めがうまくいかず教団の資金繰りが苦しい事は調べが付いている!」

金田一「そこで布教を進めようと子供たちに壁の伝説「紅蓮の弓矢」の歌を教えて回ったんだろう」

美雪「その歌の出来事が実際に起これば、街の人たちは教会に殺到するってわけね・・・」

アルミン「しかし、しくじったのはハンジさんのところに置いた張り紙にうっかりイェーガーではなく狩人と書いてしまったことさ」

アルミン「これはウォール教の司祭以上が使う言葉であって一般人はその意味を知らない!」

ジャン「そうさ、ただの掛け声だと思ってみんなカラオケで歌ってんだ!つまり犯人はお前って事だよ、すぐにわかったぜ!」(汗)



ニック司祭「・・・・イヤ・・私は・・・」

アルミン「まだシラを切るんですか?張り紙に使われた紙は、教会が儀式を行うときに使う特別なものだ!」

アルミン「それに、更に寄付を集めるために第三の奇跡の準備がしてあるんでしょう?」

ニック司祭「???」

金田一「伝説にある「地に落ちた鳥が風を待ちわびるとき」ってやつだ」

ニック司祭「???」


金田一「鳥っていうのは、老朽化して剥がれ落ちてくる壁の破片の例えだろう」

金田一「遠くから見ていると、落ちてきたのが鳥か破片かとっさには見分けがつかない」

金田一「おそらく、どこか壁に亀裂が入っているところにあらかじめ弓矢を仕込み、さも伝説の出来事のように演出するつもりだったんだろう・・・」


アルミン「壁をスミズミまで調べればわかることです!!違うなら違うという証拠を見せてください!!」

アルミン「真犯人「紅蓮の弓矢」の正体はニック司祭、あなただ!!」

ニック司祭「・・・・・・・」



金田一「?・・・イヤ、ちょっと待てアルミン・・・」


ハンネス「なら、とりあえず壁の調査を手配してだな・・・」

ニック司祭(それはマズイ!・・今、壁を調べられたら・・・!)

ニック司祭(私の命をかけて、秘密を死守できるなら・・・)

ニック司祭「」ダッ 駆け足

皆「!!」

ニック司祭 「」階段を駆け上がり教会のてっぺんへ



ニック司祭「街の者たちよ!よく聞くのだ!今、私は壁の守護となるべく身を捧げるっ!!」

群衆「何だあれ!?」ガヤガヤ


ニック司祭「」飛び降り ヒュー ドサッ グチャ

群衆「キャー!」ガヤガヤ ザワザワ


.




真犯人はニック司祭ということで事件は幕を閉じた。

その日の夜、ニック司祭の殉教を盾に教会勢力から圧力がかかり、

壁の調査の件は見送りとなった・・・


.


4日目

街の通り


美雪「ねぇはじめちゃん。私たち、こんな風に街をぶらぶらしてていいの?」

美雪「アルミンやミカサは、ニック司祭に立体機動やブレードを使える共犯が居なかったか、裏付け捜査に行っているのに・・・」

金田一「んー・・・ニック司祭だとあの件の説明がつかないんだよな~」

金田一(俺は何かとんでもない見落としをしてるんじゃないか・・・ニック司祭には確かに秘密があったはず・・だが真犯人「紅蓮の弓矢」は・・・)


美雪「はじめちゃん見て!ここがこの前話してたお店よ」

金田一「あ?そんなこと話してたっけ?」

露天のおばちゃん「おや、前にも来てくれた訓練兵のお嬢ちゃん。いらっしゃい。髪飾りでもペンダントでも一つどうだい?」

美雪「はじめちゃん。一つプレゼントしてよ。あ、あたしこの指輪がいいなー」

金田一「お前、こんな時にだな~」

露天のおばちゃん「お嬢ちゃん目が高いね。それは仕掛け指輪でね。一見ただの指輪だけど、ココを押すと・・・・」シュバッ

露天のおばちゃん「隠されてる造花が出てくる仕組みなのさ・・・」

美雪「ねぇはじめちゃん~」

金田一「ちっわかったよ」チャリーン

露天のおばちゃん「毎度~」


美雪「フフ。シンプルな指輪と花の指輪と二通り楽しめるわね。ありがと♪」

金田一「ちっ。子供騙しじゃねえか。俺は今それどころじゃ・・ブツブツ・・・・」

美雪「うーん確か・・どこかで似たようなのを見たことがある気が・・・」

美雪「あ、そういえば。・・でも変ね。あの人のはバネが内向き仕掛けられてたわ」

金田一「・・え?美雪。今お前なんっつ・・」

美雪「あれじゃ、せっかくの仕掛けが見えないのに。でもお父さんからもらったお守りなんて素敵ね。私ももう少し大人っぽくなればゴールドの指輪似合うかしら・・」

金田一「美雪!!」

金田一「謎はすべてとけた」


.

解決編の前に休憩します。


5日目


憲兵団付属病院



黒い影「」コツコツコツ

黒い影「エレン・・さあ・・一緒に行こう」スッ

黒い影「!!」

ミカサ「エレンはココにはいない!!」ガバッ

黒い影「ググ・・」ジタバタ

ミカサ「」ギュウー



104期「・・・(せっ狭い)」

エレン「・・・まさか・・」

ジャン「こいつが真犯人?」


モブリッド「ハンジ分隊長の仇!」

ハンジ「ハハハ。まだ仇は取らなくていいよ。モブリッド」

皆「ハンジ分隊長!?」

すみません>73の前に一文抜けてました



明るくなり全員集合 

104期「・・・(せっ狭い)」

エレン「・・・まさか・・」

ジャン「こいつが真犯人?」


モブリッド「ハンジ分隊長の仇!」

ハンジ「ハハハ。まだ仇は取らなくていいよ。モブリッド」

皆「ハンジ分隊長!?」


ペトラ「ハンジ分隊長!生きてたんですか!?」

モブリッド「ぶ、、ぶんたいちょ~~(号泣)」ダキシメ

ハンジ「アハハハ・・・」ヨシヨシ

モブリッド「生きてたんですね~もう離れませ~ん(号泣)」ヒシッ

リヴァイ「・・・・。モブよ、落ち着け。離れるのはお前の方だ・・」

金田一「犯人の格闘術は相当なものだが、打撃系は、投げ技や絞め技ほど得意でなかったのが幸いした」

ミカサ「・・・」


~回想①~


モブリッド「分隊長ー!いますかー?・・・・えっ!分隊長!!」

金田一「ハンジさん!?・・・しっかりしてください!!」ガバッ

金田一「!?」

ハンジ「・・(しっ!・・このまま死んだことに・・)」

ハンジ「(リヴァイを呼んできて)」


~回想②~


リヴァイ「ハンジ!ハンジはどこだ!!」

金田一「こちらの部屋です・・・」



リヴァイ「このクソメガネェ~目ェ開けやがれ!!」

ハンジ「」パチッ

リヴァイ「!?」

ハンジ「(しっ!)」


ハンジ「・・・・(略)・・・というわけで私の遺体検分は行わないようエルヴィンに伝えて」

リヴァイ「・・何も死んだフリしなくても、お前がオトリになって俺が捕まえるってのはどうだ?」

ハンジ「私だけならそれでもいいけどね。私から指輪の話を聞いた可能性のある全部の人間が狙われることになる」

ハンジ「巨人の蒸発跡にあったんだけど、わざわざ取りに来るなんてよほど大事なものらしい。別に普通の指輪に見えたんだけどな・・・」

ハンジ「犯人の顔を見れなかったのが本当に残念だよ。不意打ちとはいえ相当な手練れだ。急所を避けるのが手一杯だった。ぜひ調査兵団(ウチ)にスカウトしたいね」ニヤリ→

リヴァイ「ちっエルヴィンのマネかよ・・・・わかった。お前の判断を信じよう」


ハンジ「(さあ、悲しんでるフリして!)」

リヴァイ「///////////////」

リヴァイ「ううぉー!!ハンヅィーーー!!!(号泣)/////////////」

ハンジ「(ププッ)」

.



~回想終了~


金田一「ちなみにハンジさんが襲われたとき、リヴァイ兵長はエレンと一緒だったので、この時点で容疑者から外した」

リヴァイ「俺のことも疑っていたのか・・・この豚野郎」

金田一「・・(ヤバッ)・・丁度いいことに、リヴァイ兵長は次の第57回壁外調査のあとハンジ分隊長と街で暮らす予定で家を借りていた」

リヴァイ班「!!」

金田一「ハンジさんは密かにそこに身を隠し、怪我の養生に専念していたんだ」



エルド「・・引越しの準備してたなんて全然気がつかなかった・・」

リヴァイ「・・・俺の荷物は常に片付いている・・・」

ペトラ「じゃあここ数日不在がちだったのは、ずっと看病のために・・?」

ハンジ「んー。まあ私の怪我はすぐ良くなったんだよ。私は一人で読書に集中したかったんだけど、リヴァイが「二人きりで部屋にこもるのも悪くない」って言うもんだから・・・
(地下出身だから基本インドア派なんだよねこの子)」

グンタ(俺たちにエレンの世話おしつけて・・・)

エルド(一人だけいい思いを・・・)

オルオ「俺には全部わかっていたがな・・・フッ」

リヴァイ「」




金田一「つまり、真犯人はこの中で金の指輪をはめている者・・・・」



金田一「真犯人『紅蓮の弓矢』はお前だ!アニ・レオンハート!!」


皆「!!!」



アニ「!!」

アニ「ぐっ!仕方ない!」カチッ

アニ「えっ!?」

金田一「・・・無駄だよアニ」

金田一「その指輪は、露店で俺が美雪に買ったメッキの安物さ」

金田一「本物はこっちだ」スッ

アニ「!」


アニ「金田一、あたしをはめたね!」

金田一「ああ悪いな。今日の事も、とある知り合いに頼んで『エレンが調査兵団の管理下を離れ、憲兵団に移送される』と嘘の情報を流してもらったんだ」

金田一「『今日だけは、身体検査のために地下じゃない部屋で過ごす』ってね」

エレン「でも、どうしてアニが俺を・・」

金田一「・・・・・」

金田一「それはアニが・・・」

金田一「エレンと同じ巨人化できる人間、知性巨人だからさ!」

皆「!!!」


金田一「巨人化するためには自傷行為が必要なわけだが、この指輪は実に便利なモンで」

金田一「猿ぐつわをされていても、手足を拘束されていても、どこかに強く打ち付ければピンが飛び出て指を傷つけるしくみになっている」

カチッ ピーン

金田一「また、今みたいに猿ぐつわをされてない時であっても、舌を噛み切るってのは意外と難しい。本能的にね」

金田一「普通に日常生活を送っていて、舌を噛み切るやつなんてそう滅多にいない」

ペトラ・オルオ「・・・・・・・・・・・」

金田一「もし、何らか事情で巨人化を中止したとき、大怪我になりかねないし、口から血があふれてたら不自然すぎるだろ」

金田一「でも指先からちょこっと血が出ているだけなら、兵士にとっては普通のことさ」



明智指揮官「やれやれ、金田一君。どうせたいした推理でもあるまいに、相変わらず派手な一人芝居を繰り広げているね。君は」フッ キラキラ


アルミン「あなたは憲兵団の明智指揮官!・・どうしてあなたのような方が金田一と知り合い・・?」

金田一「あんたまでわざわざ出張らなくてもよかったのによぉ、明智さん」

明智「そうはいきません。この茶番のために憲兵団附属病院を使用許可するのだって、結構苦労したんですよ?憲兵(ウチ)のトップは頭が固くてね」

明智「それなりの情報を見返りとしていただかないと」フッ


金田一(いつの時代どこの場所でもイヤミくさいな!)

ジャン「(おい、アルミン。あの明智って人偉いのか?)」コソッ

アルミン「(そうだよ。生き残ってさえいれば自動的に出世する調査兵団と違って、エリート中のエリートさ)」



明智指揮官「・・・・しかし金田一君。君は指輪だけで知性巨人の存在を疑ったんですか?」

明智「知性巨人の存在は、3兵団の中でもごく限られた幹部しか知らないトップシークレットです」

明智「あなたという人は、フゥ、また上官の機密文書を盗み読みしたんですか?」ヤレヤレ


.


金田一「この指輪のトリックに気がついたとき、一連の事件の最大の謎が解けたんだ」

美雪「最大の謎?」

金田一「俺がずっと引っかかっていたのは、最初の2体の巨人殺しの犯行時刻だよ」

金田一「「犯人は2人、立体機動を使っていた」なんていう出所不明の憶測と違って、「夜明け前の犯行」というのは確実な事実だ」

金田一「俺たちが到着したとき、まだ巨人はジュウジュウと蒸発中だったからね」


金田一「なあジャン、犯人はなんで夜明け直前に巨人を殺したんだと思う?」

ジャン「え?そりゃお前、巨人相手に夜中は物騒じゃねえか。壁外調査も夜は移動しねえもんだろ」

金田一「違うよジャン」

金田一「壁外で夜に移動しないのは、巨人が怖いからじゃない。松明の明かりだけでは馬を走らせられないからだ」


金田一「ソニーとビーンは実験時以外、指一つ動かせない状態で拘束されていた」

金田一「もしニック司祭が犯人なら、巨人の動きが鈍っている夜の方が無難だ」

金田一「それに兵団外部のものが犯人なら、暗闇に紛れた方が姿を隠しやすい」

金田一「だから俺は、なぜ「夜明け前」なのかずっと不思議だった。だが、犯人自身も巨人なら説明がつく」

金田一「この指輪を見て確信したよ。知性巨人はエレンの他にもいる。そいつが真犯人『紅蓮の弓矢』だってね」

金田一「万一の場合、自分も巨人化して戦う。そのためには太陽が出てないとダメだったんだ」

アニ「くっ!」



アルミン「じゃあ金田一、あの張り紙は何なんだ?あれは教会でしか使われない儀式用の羊皮紙に書かれていた」

金田一「ああ。それに関してはアルミン、お前の考えで間違いないと思うよ」

アルミン「!?」

金田一「あれはおそらくニック司祭が書いたものだろう」

金田一「ニック司祭は過去数回、兵団に忍び込んだ前科がある。伝説を使って兵団が壁や壁外の調査をするのを止めさせたかったらしい」

金田一「何故かはわからないが」

金田一「いつか兵士たちが見つけるよう実験場の隅かどこかにかくしてあったのを、アニはたまたま発見して利用したんだろう」



金田一「アニ。お前はもう逃げられない。2つの事件の日とも、お前にアリバイはない」

金田一「巨人殺しの日は一斉休暇の日だった。朝の点呼がないから、巨人を殺した後こっそり戻って昼まで寝てたフリをすればいい」

金田一「ハンジさんが襲われた日は、ちょうど対人格闘訓練の日だったな。お前、そのとき教官の目をぬすんでサボってたろ」

金田一「同期でお前がいないことに気付いたヤツもいただろうが、お前がいない方が投げ飛ばされずに済むからだまってたはずだ」


アニ「・・・・」ギリギリ



エレン「頼むよアニ。本当のことを言ってくれ。どうして俺を狙ったんだ?」

エレン「俺も必死なんだ!俺やお前の体はどうなってんだよ!?」

アニ「・・・・・・」

ミカサ「・・これ以上は・・・不毛!」シャキーン




アルミン「アニ!・・僕の好きだったアニは・・そんな卑怯者の死に急ぎ野郎じゃない!!」

アニ「!!」






アニ「・・・・・わかったよ・・・アルミン」

アニ「私の生まれた村は・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・・・」




黒い影(マズイぞ!このままでは秘密が・・・)アセッ

突然暗転

皆「!!」「何だ!?」

ヒュー ドサッ!


.


明かりが点く


皆「!!」

ミカサ「イテテテ」

エレン「大丈夫か!何があった!?」

ミカサ「ワカラナイ。人が降ってきた・・・」

エレン「どうして人間が降ってくるんだよ!」

アルミン「アニは!?」

アニ「」

金田一「し、死んでる・・・」

アルミン「アニー!!!」

.



こうして「紅蓮の弓矢」ことアニ・レオンハートの死によって、知性巨人に関する謎は再び闇に包まれた。

アニの遺体は埋葬せず、3兵団が合同で管理する地下施設で保管することと決まった。




調査兵団本部 団長室


エルヴィン「・・・・(略)・・・依然、偽名で入団した104期生については調査中です。しかし、入団時12、3歳の子供が自分の意思だけで潜入したとは・・」

エルヴィン「超大型と鎧、少なくとも2人以上のものがこの件に関わっているはずですが・・・」

ピクシス「うむ。巨人殺害より、アニ・レオンハート殺害の犯人探しの方が難しくなるかもしれんのぉ」


エルヴィン「ええ・・・そこで、あの子を調査兵団に頂いてもよろしいでしょうか?」ニコリ

ピクシス「ハッハッハ。それは困ったのう。ワシももう年だし、駐屯兵団(ウチ)に譲ってくれんかの」


.


ピクシス「ジャン・キルシュタインを」

エルヴィン「やはり司令も目をつけておられましたか」

ピクシス「あやつめ、ワシとお前がどんなに無視しても、ゴキブリのようにしぶとくくっついてきおって・・・」

エルヴィン「上に立つものは、それくらいの図太さがなくては務まりません」

ピクシス「小憎たらしいことに、一目みて人の上に立つ面構えだとわかったよ。まだまだ修羅場をくぐらんと使い物にならんが」

エルヴィン「司令には、あの金田一という子がいるではありませんか」

ピクシス「はじめはダメじゃ。金田一のじいさんもそうだったが、どうも組織とか規律の中で能力を発揮できるタチではなくての」

エルヴィン「残念ながら兵団選択は立候補制です。明日の本人の意思を尊重しましょう」



訓練所宿舎屋上 黄昏時


金田一(結局わからねーことだらけのまま訓練兵団104期解散か・・・)

金田一「あ、そういえば美雪ゴメンな。あの指輪、細工して使えなくなっちまったな。オマエ気に入ってたのに」

美雪「ううん、いいの。はじめちゃんには、もーっといいのを買ってもらう予定だから!」

金田一「それって/////////逆プロポーズ!?」

美雪「バカバカ違うわよ!///////////倍返ししなさいってことよ!」ポカッ

金田一「イテテ・・・マタマタテレチャッテ~」



ちょっと離れた場所


ジャン(くっそ!キンダニの野郎イチャつきやがって!)

エレン「ハハハ・・・金田一は相変わらずだな」

ジャン「ああ・・・相変わらず、事件を未然に防げてねぇ」

ジャン「・・・・・・・」

ジャン「・・・なあアルミン。お前、立体機動の検査の後・・・」

ジャン「「アニがマルコの立体機動を持ってる」って言ってたよな・・・」

アルミン「・・・・・・」

ジャン「お前・・・ホントは金田一が気づく前からアニが怪しいって、分かってたんじゃ・・」


ジャン「分かってて、ニック司祭を・・・」

エレン「お前、まさか本当にアニのことが・・・」

アルミン「アニはあの時動揺してた・・・こちら側につこうか迷っている様子だった」フルフル

アルミン「だから、こちらが心を開いて見せなければと・・・」フルフル

ジャン・エレン「・・・・・・・」


ミカサ「アルミン。一緒にアニの仇を取ろう」

アルミン「!!」

ミカサ「だって、アニも3年間共に過ごした104期の家族じゃない!」

アルミン「・・・ミカサ・・・」

エレン(お前削ぐ気満々だったじゃねえか)


美雪「明日はいよいよ所属兵団の決定式ね。私たちの本当の戦いが始まるのね」

金田一「ああ、そうだな。まだ事件は終わっちゃいない。みんなでアニの仇を取ろう」

金田一「待ってろよ!地獄の傀儡師!!!」

ジャン(だから誰なんだよ!)





終わり(Ende)

終わりです
進撃というよりオンリー金田一で申し訳ないです
返事してくれた>2さんありがとうございました

おつ
ただのジャンsageでなくて安心した

乙 面白かった
でも地獄の傀儡師関係ねえww

進撃も金田一も好きだから嬉しい、乙
どちらも上手くバランスとれてて楽しめた

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年08月02日 (火) 06:41:39   ID: fcpv1QHY

黒幕誰?

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