ラミア「第21回愚痴パーティー」(73)

スライム「いえーい」

デュラハン「またか」

ラミア「というわけで愚痴りあいましょう」

ケンタウロス「愚痴るとは言っても……」

スライム「いつもの繰り返しでしょー?」

デュラハン「このようなことをしていてもつがいができるとは思えんのだが」

ラミア「うるさいわね!頑張ってもうまくいかないから愚痴りたいの!」

ケンタウロス「わからんでもないが……」

スライム「お婿さんほしーよねー」

ケンタウロス「……そうだな」

ラミア「そこっ!じめじめした雰囲気ださないでよ!」

スライム「スライムなんだからじめじめしてるのはしょうがないじゃーん」

ラミア「うっさい!」

デュラハン「いちいち癇癪をおこしなさんな。眉間にしわがよるよ」

ラミア「むぐぐう……」

ケンタウロス「ところで今回の結果は……まあ失敗したんだろうがどうだったんだ?反省すれば自ずと直す点は見つかってくるだろう」

スライム「だいたい今回も同じだろうけどねー」

ラミア「……私は途中までうまくいってたわよ」

デュラハン「あんたいっつもそうだよね」

ラミア「……下半身を見せた途端モンスターだって悲鳴をあげて逃げられた」

ケンタウロス「……ご愁傷様」

ラミア「こんなかわいい女の子を捕まえてモンスターはないでしょ普通!?それに人間の雄を傷つけたことなんてないのに!」

スライム「雌は傷つけるんだー?」

ラミア「当たり前じゃない。人間の雌が減れば減るほど私が恋人をゲットできる確率があがるでしょ」

ケンタウロス「そんなだからモンスターと恐れられるだろう……」

ラミア「そんなの知らなーい」

スライム「それじゃ次は私ねー。姿形は変えられるんだけどー」

デュラハン「……スライムのままだものな」

スライム「そうだよねー!見ればスライムだってすぐわかっちゃうからなかなかうまくはねー。すぐに逃げられちゃうー。こんなにおっぱい大きくできるのにー」ボイーン

ラミア「それは胸と言っていいのかしら?」

スライム「スライムだから有りってことで」

ケンタウロス「次は私か。私の種族は比較的人間と友好的なのだが……」

スライム「下半身そのまんまお馬さんだもんねー」

ケンタウロス「……そうだ。その点で躊躇してしまうらしい」

ラミア「くっ!やはりそこがネックね」

スライム「やっぱり人間の男は人間の女がいいんだろうねー」

ラミア「……そういう点で考えるとあんたはいいわよね」

デュラハン「んー、そうかもな。首と胴が別れているという点を除けば限りなく人間に近いからな」

スライム「いーなーいーなー」

デュラハン「……だがそれも良し悪しだぞ?なかなか種族のことを打ち明けれずに雰囲気に飲まれ口づけしようとしたときに首がとれてしまってな」

ケンタウロス「……そのまま別れたのだろう?その話は何回聞いても同情する」

デュラハン「彼が優しくしてくれた分だけ心が痛むんだ……!」

ラミア「……それはそれできつそうね」

寝る

スライム「んー、まだふっきれてないの?」

デュラハン「それは……」

ラミア「そんなもん見れば一発でわかるでしょ。普段は騎士だとかなんとか言ってる割にはうじうじ悩むんだから」

ケンタウロス「たぶん根が真面目だから深く考えてしまうのだろう」

スライム「あれから会いに行ったの?」

デュラハン「……いや」

ラミア「そこまで気になるならもう一度会ってみればいいじゃないの」

デュラハン「そ、それは……」

ラミア「もしかしたらあんたと別れて後悔してるかもしれないじゃない」

デュラハン「……そうだろうか?」

ラミア「かもよ、かも」

デュラハン「……うむむ」

ラミア「悩むってことは会いたいんでしょ?」

デュラハン「…………」

ケンタウロス「会うのが怖いのなら良ければ私からお前のことをどう思っているか聞いてやってもいいぞ?比較的人間と仲がいいからな」

スライム「けいろーん、だっけ?」

ケンタウロス「ああ、人間に様々な知恵を授けたといわれる賢者だ。そのおかげでケンタウロスは人間と仲がいい」

ラミア「それで、どうするの?」

デュラハン「……私を、待っていてくれてるだろうか?」

ラミア「そんなのわかんないわよ」

デュラハン「うう……」

スライム「でもでも、もし待っててくれたのならロマンチックだよねー」

ケンタウロス「……そうだな。種族の壁を超えた真実の愛。二人に降りかかる苦難が二人の愛をより固く、強く、そして熱くしていく……いいな」

ラミア「また始まったわね」

スライム「本当にロマンチストだよねー」

ケンタウロス「う、うるさい!それでどうするんだ?」

デュラハン「……行く。会いたいんだ」

ラミア「よく言ったわ!」

スライム「それでどうするの?直接会うのー?」

デュラハン「そ、それは怖い」

ラミア「へたれねー」

ケンタウロス「そういってやるな。なら、私が話すから近くの茂みにでも隠れていてくれ」

デュラハン「わかったよ」

スライム「りょーかいっ」

ラミア「いやー、それにしても自分のことじゃないのにわくわくするわね」

ケンタウロス「あまりからかってやるな」

ラミア「はーい」

デュラハン「……うう、やっぱりその……」

ラミア「今さらやめた。なんてなしよ?」

デュラハン「…………」

ラミア「ほら!決心が鈍らないうちにとっとといくわよ!」

スライム「出発しんこー!」

《近くの村         の茂み》

ラミア「ここね」ガサッ

デュラハン「……ああ」ガササッ

スライム「どこどこー?」ガサササッ

ケンタウロス「こら、あまり音をたてるな」ガササササッ

スライム「そんなこと言って体が一番大きいから隠せてないじゃん」

ケンタウロス「し、仕方ないだろう!」

ラミア「はいはいそこまで。それであんたの思い人って誰?」

デュラハン「えーと……あ、居た。あの手ぬぐいで汗を拭いている……」

スライム「どこどこどこー!?」

ラミア「へー、あれがねぇ」

ケンタウロス「純朴そうで優しそうだな。よし、それじゃあ行ってくる」

デュラハン「頼んだぞ……!」

スライム「いってらっしゃーい」

ラミア「頑張るのよ!」

ケンタウロス「ああ、任された」

かっぽかっぽかっぽ

ケンタウロス「すまない」

村人「あ、これはケンタウロス族の方ですか」

ケンタウロス「少しいいだろうか?」

村人「私に何か用ですか?」

ケンタウロス「ああ。用と言えば用なのだが……」

村人「村の案内などなら私にも出来ますがそれ以外はちょっと保証しかねますが……」

ケンタウロス「いや、そんな難しいものではない。……実は」

村娘「おーい!お弁当持ってきたよー!」

村人「あ、ありがとう」

村娘「あれ、その人は?」

村人「何か僕に尋ねたいことがあるんだって」

村娘「へー」

村人「あ、すみません。それでなんでしょうか?」

ケンタウロス「……その娘と仲がいいな」

村人「え、あ、はい。まあ……」

村娘「だって恋人だもんねー」

村人「お、おいよせよ!失礼だろ!」

ケンタウロス「……いや、もういい。邪魔したな」

村人「は、はあ……」

ケンタウロス「失礼する」

かっぽかっぽかっぽ……

ケンタウロス「ただいま戻った。実は……」

デュラハン「」

ラミア「あー、なんとなく想像がつくわ」

スライム「あの女の子って……」

ケンタウロス「ああ。恋人だそうだ」

デュラハン「……~っ!」プルプル

ラミア「まー、その、あれよあれ、ね!?」

ケンタウロス「あ、あれとはなんだあれとは!」

スライム「……残念だったねー」

デュラハン「う、うわあぁぁぁぁん!」ガシャガシャ、ポロッ

ラミア「ちょっと!頭落としたわよ!」

ケンタウロス「……不憫な」

スライム「……かわいそう」

~ ~ ~

ケンタウロス「……えー、第22回」

ラミア「……愚痴パーティー」

スライム「……いえーい」

デュラハン「うわぁんわんわん!ぐすっ、ひっく……!」

ラミア「……まあ、あれよね」

ケンタウロス「焚き付けてしまってすまなかった」

スライム「反省ー」

デュラハン「いや、ぐすっ、気にして……ない、ずびっ」

ラミア「……まあ言っちゃなんだけど振られてたわけだしね。新しい恋を探しましょう!」

デュラハン「ぐすっ……ひっく……うん」

ケンタウロス「……きっといい人が見つかるさ」

スライム「うんうん!私もそう思う!」

ラミア「きっとあんたを愛してくれる人が見つかるって」

デュラハン「……」

ケンタウロス「いやなことは呑んで忘れた方がいいだろう。よし、ここは酒でも……」

デュラハン「いつ?」

スライム「なにがー?」

デュラハン「いつ素敵な人が見つかるの?」

ラミア「それは……」

ケンタウロス「……いつだろうな」

スライム「でもでも!いつかきっと見つかるよ!ちゃんと恋人ゲットした人もいるわけだし!」

ラミア「そ、そうよ」

デュラハン「…………」

スライム「んーとさー、コツを聞きに行かない?」

ケンタウロス「コツ?」

スライム「うん。旦那さんを捕まえた人にコツを聞きに行くのー」

デュラハン「……そうすれば少しは確率上がるかな?」

ラミア「少なくともここで辛気くさい顔をしてるのよりはマシね」

ケンタウロス「それじゃあ誰に会いに行くのだ?」

スライム「どうしようねー」

ラミア「ま、片っ端から当たっていけばいいんじゃない?夫の捕まえ方だっていろいろあるだろうし」

スライム「そうだねー」

寝る。どれを出すか。ドラゴン、雪女、ハーピィ、ワーウルフ……いやあ、モンスター娘って最高ですね

《ドラゴンの巣》

ラミア「……というわけなのよ!」

ドラゴン「ふむ」

ケンタウロス「すまない。迷惑だったら言ってくれ」

ドラゴン「いや、別にそれくらいなら良いぞ?我もつがいがいない時は寂しい思いをしたのでな」

スライム「やっぱり旦那さんがいないって寂しいよねー」

ドラゴン「うむ。寂しくてついつい暴れてごまかしたりな。今はそんなこともないが……」

デュラハン「……そんな簡単に暴れられたらたまったものではないな」

ドラゴン「はっはっはっ。大丈夫だ、今は心が満たされているからな」

ラミア「まあまあお熱いことで」

ケンタウロス「……羨ましいな」

ドラゴン「羨ましかろう!……だがいくら羨ましいからと言っても夫は渡さんからな」

デュラハン「そんなこと当然だろう」

ケンタウロス「そんなつもりはまったくないから安心してくれ」

ドラゴン「ああ、悪いな。人のものに手を出す輩もいるのでな。さて……つがいの見つけ方か」

ラミア「そうよ!アピールはしたりしてるんだけどねー」

スライム「逃げられちゃうんだもんねー」

ドラゴン「そうだろうな。だが簡単な方法があるぞ」

デュラハン「……だいたい予想がつくんだが」

ドラゴン「さらえばいい」

デュラハン「やっぱりか……」

ドラゴン「やっぱりとはなんだ。欲しいものがあるのなら自ら手に入れるしかないだろうに。手段はそれぞれだがな」

ケンタウロス「つがいを手に入れるならさらってしまえばいい。そんなモンスターが多いから男が逃げるんだろうな」

スライム「今までの生活からさよならだもん。逃げるよねー」

ドラゴン「甘い。我らはどこまでいっても人外の存在だ。わざわざ人間の道理にあわせる必要もないだろう」

ラミア「……それしかないのかしら」

デュラハン「そ、それだと愛がないだろう!」

ドラゴン「愛など後から育めばいいではないか」

デュラハン「でもそれだと性格の不一致だとかいろいろ……」

ドラゴン「その時は自分に見る目がなかったということだろう」

ケンタウロス「……後から育む、か」

ラミア「それなら実際どうなの?ラブラブなわけ?」

ドラゴン「勿論だ。我らは毎夜お互いを熱く求めあっている。昨夜もとろけるような契りを……」

スライム「きゃー」

デュラハン「……」モジモジ

ラミア「はいはいごちそうさま。ふーん、その感じだとさらうってのも有りかしらね。惚れさせるかどうかは腕の見せどころってやつね」

ケンタウロス「……そうだとしてもやはり私はそのやり方は賛成できないな」

ドラゴン「別に我も強要はせぬ。このやり方が手っ取り早いとは思うがな」

スライム「ところで旦那さんのどこが好きなのー?」

ドラゴン「ふむ、聞きたいか?」

スライム「うんー!」

ドラゴン「好きなところ……もう全てが愛しいがやはり我が惹かれたのは眼だな」

デュラハン「眼?」

ドラゴン「強くなることだけを目指した鋭い眼だ。だが強さを求めるその先がなく歪でな、その歪さに……」

「でぇえやああああああ!」

ドラゴン「おっと、甘いな」カキン

「ちっ!」

デュラハン「!」スッ

ケンタウロス「っ!」スッ

ラミア「あら」

スライム「わわわ!」

ドラゴン「大丈夫だ。そこの者は我のつがいなのでな」

剣士「…………」

デュラハン「……それならなぜあの者は剣を構えているのだ?」

ドラゴン「私を倒すためだ」

スライム「えええー!?」

ドラゴン「なに、心配はいらん。じゃれあってるだけだからな」

剣士「じゃれあってなどいない!」

ラミア「えーっと……ラブラブじゃなかったの?」

ドラゴン「今まさに愛し合っているだろう?」

ラミア「ええー……」

ドラゴン「それにな、これをした後の情事は盛り上がるのだ。向こうからの情事のお誘いみたいなものだ」

剣士「ち、ちちちち違う!」

スライム「あー、顔真っ赤ー!」

剣士「断じてそのようなものではない!今日こそ貴様を倒し、私は自由の身になってみせる!」

ドラゴン「そういって我を誘っているのだろう?わかっておるわかっておる」

剣士「だから違うと……!」

ドラゴン「そこまで求められると我も雌なのでな。体が火照って仕方ない」

剣士「っ!」

ドラゴン「どれ、今日も遊んだあと搾り取ってやろう」

ラミア「さー、帰りましょうか」

スライム「これ以上はお邪魔みたいだしねー」

ケンタウロス「そうだな」

デュラハン「失礼した」

ドラゴン「さあ……行くぞ」

剣士「こ、こい!」

ドラゴン「さて、楽しもうではないか」

剣士「はあぁぁぁぁっ!」

カキン!キンカキン!

ガガガッ!





「う、うわああああああああああああ!」

寝ます。おやすみなさい

~ ~ ~

スライム「なんだかんだで仲良さそうだったよねー」

ラミア「そうよね。それにしてもあの男。ああいうのをツンデレっていうのかしらね?」

デュラハン「かもな。素直になれないだけかも知れん」

ケンタウロス「だが攫った場合激しく抵抗されることも考えねばならないのだろうな」

ラミア「そうよねー」

スライム「私あんまり強くないからああいうの無理ー」

デュラハン「私は出来ないこともないが……その、二人っきりの時には優しくしてくれる男性がいいな」

スライム「元彼みたいなー?」

デュラハン「……っ!」

ケンタウロス「こら、やめないか」

スライム「てへっ」

ラミア「人の傷口抉るのはやめなさいよ……。私も二人っきりの時には優しくしてくれる彼がいいなー。というか彼をができたら自分以外の女には合わせないわね」

スライム「愛が重ーい」

ラミア「はんっ。愛なんて重くてなんぼよ」

デュラハン「相変わらず嫉妬深く執着心が強い種族だな」

ラミア「まあそんな種族だってよく言われるけどねー。でもいいじゃない、いいじゃない嫉妬深くたって。その分尽くすもん。一途に私だけを愛してくれる以外は何も求めないのになぁ」

ケンタウロス「重いのを嫌がる男もいるようだがな」

ラミア「それよそれ」

ケンタウロス「なんだ?」

ラミア「重い女が引かれるのっておかしくない?ただ貞淑であろう、恋人を大切にしようとしているだけなのに」

ケンタウロス「まあ、確かにな」

デュラハン「そういうことをほざく輩はただ都合のいい相手が欲しいだけなのだろうな」

スライム「モンスター相手だとそういうことする人も少ないけどねー」

ラミア「……まあね。遊びで近づいたらさらわれかねないもの。たぶん私もそうしちゃうだろうし」

ケンタウロス「一途に想ってくれないと嫌なんじゃなかったのか?」

ラミア「一途に想ってくれるようにしてあげればいいのよ」

ケンタウロス「……何をするのかは聞かないでおこう」

ラミア「そう?」

デュラハン「だが自分のことを一途に想ってくれるのはやはり嬉しいだろうな」

スライム「だよねー。私も浮気なんてされたくないもん」

ケンタウロス「ああ。浮気は論外だな」

デュラハン「一途に想ってくれて、浮気をしないのは前提として私は優しい人がいいなあ」

ラミア「どんな風にされたいわけ?」

デュラハン「こう……頭を抱きしめられて恋人に包まれてみたい」

ラミア「あー、わからないでもないわね。それで深呼吸とかするんでしょ?」

デュラハン「……うん」

スライム「抱きしめられて、みたいよねー」

デュラハン「お前はどうだ?」

ケンタウロス「私は乗られたいな」

スライム「あー……」

ケンタウロス「恋人を乗せて思いっきり走りたいな。私と同じ速度を、世界を感じてほしい」

ラミア「種族特有な願望ねー」

ケンタウロス「種族が違うのだから願望も変わるだろう。そういうお前は恋人に巻きつきたいとかそういうのだろう?」

ラミア「うぐっ。ま、まあそうなんだけどね。夜の営みを終えてー、そしたら巻きつきながら寝るの。そして朝は彼の体温を体全体で感じながら起きたいわね」

デュラハン「夜の営み……」

ラミア「何よー、いまさらそんなの恥ずかしがらなくてもいいじゃない」

スライム「そんなウブなのにもう少しで恋人できそうだったんだもんねー。やっぱり恥じらいをもった方がいいのかな?」

ラミア「持ちすぎてもどうかと思うけど」

スライム「そうかもねー。それじゃあ今度は誰のところに行くー?」

ケンタウロス「今度はつがいを攫ってきていない者がいいな。アドバイスをもらうために行くのだし」

スライム「そっかぁ。違うパターンも聞かないとね」

短いけど寝る。おやすみなさい

《ハーピィの巣》

ケンタウロス「……というわけで来たのだが、よかっただろうか?」

ハーピィ「問題ないよー♪ね、ダーリン♪」

青年「ええ、僕達の話でよければですけど」

ケンタウロス「ありがとう、助かる」

スライム「はいはいはーい!それじゃあさっそくお話聞いていい?」

ハーピィ「どうぞー♪」

スライム「ズバリ、馴れ初めは!?」

ハーピィ「馴れ初めかー。それは……ねぇ?」チラッ

青年「うん、そうだよね」

ラミア(目配せだけでわかりあっちゃってる……)

ハーピィ「えっとーあれは……もう結構前だよねー♪」

青年「ある日僕は森の深くに入りすぎて迷子になってしまましてね。途方に暮れていた時、歌が聞こえたんですよ」

デュラハン「ということはそれが……」

ハーピィ「私達の出会いだよー♪」

青年「ええ。その歌声はとても綺麗で……不安も何もかも忘れて聞き入ってしまったんです」

ハーピィ「その時は私もびっくりしたよ!だって歌い終わったら目の前で男の人が情熱的に私を見つめていたんだもん」

青年「こんな感じでね」ジッ

ハーピィ「いやん、恥ずかしい♪」

青年「それから事情を話して村まで送ってもらって……、その別れ際にプロポーズしたんです」

ラミア「はやっ!?」

ケンタウロス「会ったばかりだったのだろう?」

青年「はい。ですけれど運命だと思ったので」

スライム「ほえー……」

ハーピィ「け、結婚を前提にお付き合いしてくれって言われちゃってー……私もはいって返事をしたの♪」

青年「まさに運命だった!」

ハーピィ「うん♪」

デュラハン「……羨ましい」

ラミア「そ、そんな簡単に旦那さんをゲットするだなんて……」

デュラハン「障害は無かったのか?そのいきなり魔物となど……」

青年「ありましたけど。全て乗り越えました。……愛していますからね」

ハーピィ「ダーリン……!」

スライム「……すっごいラブラブさんだね」

青年「当然ですよ。好きだから結婚したんです」

ハーピィ「……ダーリン♪」

青年「……ハニー」

ラミア「……どうやらまたお邪魔になりそうね。撤収ー」

ハーピィ「あ、気を遣わせちゃったみたいでごめんね!」チラッチラッチラッ

デュラハン「……そんな風に夫をチラ見しながらだと説得力がないな」

ハーピィ「あ、あははははは♪」

ケンタウロス「まあ馴れ初めの話は聞いたことだしな」

スライム「じゃーねー」

ハーピィ「はい♪皆さん旦那さん探し頑張って下さい!きっといい人が見つかりますよ♪」

デュラハン「はは、そうだったらいいがな」

~ ~ ~

ラミア「……はぁ」

スライム「どうしたのー?」

ラミア「……少しあの二人のラブラブっぷりにあてられて……」

デュラハン「確かにとても仲がいい夫婦だった」

ラミア「……旦那探しとは違う意味でしんどいわよね」

ケンタウロス「……まあな。夫婦の仲を見せつけられるわけだからな」

ラミア「でしょ!?もう羨ましいやら妬ましいやらで……」

スライム「独り身ってやっぱり寂しいよねー」

ケンタウロス「だが独り身である現状から脱却するためにしているのではないか」

今日は終わり。亀更新でやってく

ラミア「それはそうなんだけど……なんだか自分が惨めに感じられて、ね」

デュラハン「わかる……!その気持ちはよーっくわかる……!」

ラミア「わかってくれるのね!」

スライム「なんだか二人共他人のラブいちゃっぷりにあてられてネガティブ入っちゃったねー」

ケンタウロス「そうだな」

ラミア「……なんかもうやる気どころか生きる気力も失っちゃいそうだわ。悪いけどここでお開きでいい……?」

ケンタウロス「別に構わないが……」

スライム「この後どうするのー?」

デュラハン「一緒に酒でも飲もうか?」

ラミア「悪いけどそんな気分じゃないわ。……一人寂しく眠るわよ」

デュラハン「そ、そう?」

ラミア「うん、それじゃあね」

しゅるしゅるしゅる……

スライム「バイバーイ」

ケンタウロス「……つがいをつくるいい手だと思ったが」

スライム「独り身にとって他人のいちゃいちゃはつらいよねー」

デュラハン「多分、問題ないだろう。失恋したわけでもないし、少しすればまたいつも通りの口うるさいあいつに戻るよ」

スライム「だといいけどねー」

ケンタウロス「こら、不安を煽るようなことを言うな」

スライム「ごめーん」

ケンタウロス「まったく。それでは私も帰るとしよう。ではまた」

デュラハン「また今度ね」

スライム「まったねー」

~ ~ ~

しゅるしゅるしゅる……

ラミア「あーあ、家に帰っても一人かぁ……」

ラミア「……さみしいなぁ」

ラミア「お母さん、あたしぐらいの歳にはもうお父さんと結婚してたんだよなぁ……」

ラミア「……旦那さん見つかるのかな」

ラミア「お母さんとお父さんみたいな夫婦になりたかったけど……」

ラミア「………………」


ラミア「……はぁ」

「あの……」

ラミア「えっ?(……こんなところに、人?)」

旅人「何かあったんですか?」

ラミア「(男の人……!?)」

旅人「具合が悪いのですか?ひどく暗い顔をしていますが」

ラミア「えっ、あっ、いやその!そういうのじゃなくて!そのっ、そのっ……」

【数日後】

ケンタウロス「……心配だな」

スライム「ラミアちゃんのこと?」

ケンタウロス「ああ、そうだ」

デュラハン「確かに最近顔を出さないね」

ケンタウロス「まだ落ち込んでいるのだろうか……」

スライム「そうかもー」

デュラハン「……その、見舞いに行ってあげないか?自分も落ち込んでいた時に励まされたのは嬉しかった」

ケンタウロス「そうしようか。落ち込んでいるのなら励ましてやらないとな」

スライム「行こー行こー!」

デュラハン「お前はちゃんと考えてものを言うんだぞ。落ち込んでいる時にお前の言葉はつらいからな」

スライム「はーい」

【ラミアの家】

コンコン……

デュラハン「……出ない」

スライム「留守なのかなー?」

ケンタウロス「そうなのかもしれんな。勝手知ったるなんとやらだ。探してもすれ違いになるかもしれないし中で待っていようか。私達のならあいつも怒らんだろう」

スライム「そういうことなら、お邪魔しまー……」

ガチャ…

ラミア「あ、みんな……」

スライム「あ、ラミアちゃんだー」

ラミア「えっと、みんなどうしたのかしら?わざわざうちまで来て……」

デュラハン「最近、顔を見せなかったから見舞いに来た」

ケンタウロス「前回のことで落ち込んでいると思ってな」

ラミア「み、みんなぁ……」ホロリ

ケンタウロス「そういうわけだ、上がってもいいか?」

ラミア「えっ」

スライム「どうしたのー?」

ラミア「……その、今は……」

デュラハン「何か理由でもあるのか?」

ラミア「それは……」

スライム「もしかしてそれが最近顔を見せなかった理由?もしそうなら相談してよー」

ラミア「いや、実は……」

「あの、お客さんですか?もしそうなら自分も挨拶をした方が……」

ラミア「しーっ!しーっ!」

スライム「今のだれー?」

デュラハン「男の声……?」

ケンタウロス「ああ、今のは確かに男の声だった」

スライム「……どういうこと?」

ラミア「えっと、これは違うの!みんなが思っているようなことじゃないの!」

デュラハン「顔も見せなかったのは男がいたからか?」

ケンタウロス「私達に会うことも億劫だったということか」

ラミア「あ、あはははは……」

デュラハン「……心配させておいて」

スライム「自分は男の人といちゃいちゃしてたんだー?」

ケンタウロス「……言い訳を聞こうか?」

ラミア「……えっと、その……だって仕方ないでしょ!う、嬉しかったんだもん!」

ケンタウロス「開き直るなぁ!」

スライム「ずーるーいー!」

デュラハン「この裏切りものぉ!」

おわり

おわりです。モン娘流行れ!ノシ

なんとか完結させたかった。ぶん投げてしまってすみませんでした

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