サシャ「こんなにも月が綺麗だから」(81)

※タイトル詐欺注意
※タイトルに反してサシャが出てこないかもしれません
※推定エレアニ

エレン「よう、アニ、って」

アニ「…うふふ、飲んでるかい?」

エレン「飲みすぎだバカ。顔白いくせにすげぇ酒臭い」

アニ「酔ってないし」

エレン「酔ってるだろ」

アニ「なんなら特別、寝技の練習でもしてあげようか?うん?」

エレン「どういう意味で言ってんのか知らねぇけど、素面で言え」

アニ「酔ってないし」

エレン「酔ってるっつの。顔に出ないタイプなんだなお前」

アニ「まともに飲んだ事ないからわかんないけど。そうなの?」

エレン「そうなんだろうな。むしろいつもより白いんじゃねぇか?」

アニ「ふうん。で、何、弱ったところを襲いにでも?」

エレン「だったらどうする?」

アニ「え」

エレン「え」

アニ「えっ、ホントに…?」

エレン「いや、違うから。やめろよそういう反応」

アニ「あんたがそういう目で私を見てたなんて…」

エレン「だからやめろって」

アニ「火照ってるし、まともに動けないのに…どうする気なのさ…?」

エレン「すっげぇらしくねぇ事言ってるからなお前?」

アニ「あはっ、冗談さ」

エレン「普段冗談言わない奴が言うとやっべぇな」

アニ「酔ってるのかもしれない」

エレン「酔ってるっつの。そんなに飲んでたのかよ」

アニ「飲んでたんだね」

エレン「だろうけどよ」

アニ「あんたも結構駄目なんじゃない?」

エレン「飲まされたからな」

アニ「それで、やっぱり襲いに?」

エレン「バカ。酔い醒ましに風に当たりにだ」

アニ「ふうん」

エレン「酔ったサシャを筆頭にお祭り騒ぎだぜ向こう」

アニ「心配して来たとか、気の利いたこと言えないの?」

エレン「らしくねぇこと言ってんぞ」

アニ「むっ…」

エレン「お、睨んでも怖くねぇな」

アニ「ふっ…ん」ムクッ

エレン「オイ、足取り覚束ないってもんじゃ、っと!?」

アニ「あれ…?」フラッ

エレン「っの!」ガバッ

ドサッ

エレン「…オイ」

アニ「…ふふふ、一本だね」

エレン「お前が勝手にぶっ倒れただけだろ」

アニ「あんたも倒れてるじゃないのさ」

エレン「助けてやったんだろうが」

アニ「助けてなんて言ってない」

エレン「いいから退けよ」

アニ「じゃあここから寝技に」

エレン「何がじゃあなん、待て、待て!薄着でそれはマズいから!」

アニ「訓練中もそのくらい反応してくれたら面白いのに」

エレン「色々必死なんだっつの!おいやめ!」

アニ「ん…あったかいねあんた。ごつごつしてるけど」ムギュッ

エレン「明日起きたら死にたくなるような台詞吐いてんぞお前!忘れてやるからそこまでにしとけっての!」

アニ「やだ」モゾモゾ

エレン「だっ!?ちょ、ホント!やめ!」















ミカサ「何を、しているの?」

エレン「っ!」ビクッ

アニ「ふぁ…?」

ミカサ「ねぇ、何をしているのって訊いてるのだけれど」

エレン「よぉミカサ…こいつ酔ってんだよ。助けてくれ」

アニ「あれ、ミカサ?いい夜だよね、飲んでるかい?」

エレン「ほら、顔に出てないけどおかしいだろ?」

ミカサ「そんなことはどうでもいい。何をしているかを尋ねているの」

アニ「何って、見て分かるでしょ」

ミカサ「アニがエレンを押し倒して襲っているように見える。遠目から見たらヤってるしているようにしか見えない」

アニ「殺ってる?極めてたから?」

ミカサ「何を言っているの?いいからそこどいて」

エレン「ほら、なんか面倒なことになりそうだし降りろよ」

アニ「え?やだよ。離れると寒いし」ギュッ

エレン「アニっ!?」

ミカサ「…アニ…あなたはエレンに、特別な感情でも抱いているの?」

エレン「は!?」

アニ「特別な感情…?」

ミカサ「エレンに対して何か…邪な感情を」

アニ「邪な…?純情な感情なら、ちょっとくらいは」

エレン「はぁ!?」

ミカサ「…そう。だけどエレンは鈍感だから…1/3も伝わらないと思う」

アニ「壊れるほど愛しても?」

ミカサ「そう」

エレン「どういう意味だ…?」

アニ「わかんない」

ミカサ「そういう、ノリだから」

エレン「わけわかんねぇ」

ミカサ「とにかくアニ、そこ代わって」

アニ「どうして?」

ミカサ「エレンの隣は私の居場所だから」

アニ「じゃあこいつの正面はいいんじゃないの?」

ミカサ「ダメ」

エレン(こいつら本人を置いて…)

アニ「ふわぁ。…そう。ねむ」

ミカサ「…率直に訊くけれど」

アニ「うん…」

ミカサ「アニは、エレンのことが好きなの?」

エレン「はぁっ!?」

アニ「……」

ミカサ「恋愛的な意味で」

エレン「お前何言って…」

アニ「……」

ミカサ「アニ」

アニ「……」

ミカサ「アニ」

アニ「……すー」

エレン「……」

ミカサ「……」

アニ「……すー」

エレン「……」

ミカサ「……」

エレン「…寝てるな」

ミカサ「アニ、起きて、答えて」

エレン「いいだろミカサ、このまま寝かせてやれよ」

ミカサ「このまま?このままというのはエレンに抱きついたままのこの状態を指しているの?エレンはそれを望んでいるの?」

エレン「違ぇよバカ」

ミカサ「うらやましい!」

エレン「はぁっ!?」

ミカサ「私だってエレンに抱きつきたいのに!」

エレン「何言ってんだ…お前も酔ってんのか」

ミカサ「酔ってない!」

エレン「なんで一々叫ぶんだよ」

アニ「むにゃ…?」

エレン「ほら、起きちまったじゃねぇか」

ミカサ「好都合。問い詰めたいことが沢山ある。ので、アニを引き渡して」

エレン「今のお前に預けるのは気が引けるんだが」

アニ「…ん、なんだっけ」

エレン「とりあえず退いてくれ」

アニ「だから、力入らないんだって」

エレン「あぁ、だからさっきから」

ミカサ「さっきから?」

エレン「なんでもなかったわ」

アニ「うん、なかった」

エレン「今適当に乗っただけだろ」

アニ「うん、乗っただけ」

ミカサ「それも込みで訊かなければならないらしい」

エレン「別に危害加えられたとかじゃねぇんだから、何もするなよ?」

ミカサ「私の特技は、肉を…削ぎ落とすこと」キリッ

エレン「冗談言ったんだろうけどなミカサ、お前が言うと冗談に聞こえないんだよな」

アニ「ふぁ?お肉食べたい」ギュッ

エレン「ちょっと黙っとけ。あと離れてくれ」

ミカサ「エレン、早急にアニを預かる。早くこっちに渡して」

エレン「ミカサ、目が怖ぇよ。同期に向けていいそれじゃねぇ」

アニ「なに怒ってるのさ」グリグリ

エレン「お前はなにしてんだ」

ミカサ「アニ…わざとやってるの?」

アニ「何を?」

ミカサ「……そこを退かないのなら、武力行使も厭わない」

アニ「素面の時に言ってよ」

エレン「ミカサ、何をそんなピリピリしてるのか知らねぇけど、落ち着けよ」

ミカサ「私はとても冷静。そもそもエレン、あなたが言葉以外の抵抗をしないのは何故?」

エレン「え?なんとなく?」

ミカサ「何か…特別な感情が妨げになってるの?」

エレン「特別な…?純情な感情ってやつか?」

ミカサ「ふざけないで」

エレン「スマン。そういうノリじゃなかったのか」

ミカサ「エレンは大事な家族。だから目の前の危機は見逃せない」

エレン「こんなんで危機なら確かにオレは死に急ぎ過ぎてるかもな」

ミカサ「エレンの貞操が危ない」

エレン「低層?下半身ってことか?」

ミカサ「そう。それと純潔とか」

エレン「純血?出血沙汰なのか」

ミカサ「それはたぶんアニが」

エレン「アニが?足狙われんのは仕方ないけど出血させるくらいの怪我はさせたくないな」

ミカサ「話が噛み合っていないような気がする」

エレン「お前が酔ってるからじゃないのか」

ミカサ「酔ってない。とにかく、私が責任を持ってアニを部屋まで運ぶので、エレンも休むか宴会に戻るといい」

エレン「あー…」

ミカサ「聞いてるの?」

エレン「…そうだな、うん」

ミカサ「エレン?」

エレン「おい、アニ」

アニ「ふぇ?」

エレン「抜けた声出してないで、そのまましがみついとけ」

アニ「足に力が」

エレン「しかたねぇな!」ガバッ

ミカサ「!?それズルい!私も!」

アニ「お姫様抱っこ…ってやつ?」

エレン「恥ずかしいから…言ってんじゃねぇよ!後でやってやるから、見逃せ!」ダッ

ミカサ「あっ、待って!見逃さないから、今やってもらう!」タッ

でもたぶんそんなシリアスじゃないんで

続けます

エレン「つって逃げられんのかよこれ!」

アニ「重くない?」

エレン「クソ軽いから問題ねぇよ!」

アニ「追って来ないけど」

エレン「え?」スタッ



シーン

エレン「…ホントだな」

アニ「酔ってて走れなかったんじゃない?」

エレン「…かもな」

アニ「なんで追われたの?」

エレン「さぁな」

アニ「なんで逃げたの?」

エレン「酔ってたから。あとは多分反抗期ってやつ」

アニ「酔ってたって言い訳で全部済ませるほど甘くないと思うけど?」

エレン「明日お前にも同じこと言ってやるから覚悟しとけよ?」

――――――――――



アニ「降ろして」

エレン「あ?どうした?」

アニ「恥ずかしい」

エレン「今更かよ」

アニ「早く」

エレン「立てんのか?」

アニ「いいから」

エレン「…ほら」

アニ「ん……あ」ペタン

エレン「ダメじゃねぇか」

アニ「……」

エレン「ん?」

アニ「……ぅ」

エレン「……ん?」

アニ「……く……その…」

エレン「あぁ?」

アニ「……花を摘みに…行きたいんたけど…」

エレン「は?外出たいってことか?」

アニ「トイレ!早く連れてけ!」

エレン「さっさとそう言えよバカ」ダキッ

アニ「あっ…優しく…」

エレン「変な事言ってんじゃねぇ!」ダッ

――――――――――



エレン「まさか、中に入るくらい出来るよな?」

アニ「……」

エレン「お前…」

アニ「降ろして」

エレン「……」

アニ「うん、大丈……」ペタン

エレン「……」

アニ「…くっ……不覚だけれど…中までお願い」

エレン「うわぁ」

アニ「私だって……!乙女の危機!」

エレン「……クソがっ」ダッ

KENZENが売りなんで

続けます

アニ「早く出てけバカ!」

エレン「わかってるってのバカ!」バタン!

エレン「っはぁ…」

エレン(冷静に考えたらとんでもないことしてんじゃ…)

エレン(…明日とか殺されるかもしれないな)

エレン(いやオレ助けただけだし大丈夫か)

エレン(…つーかこれ今……)

エレン(……いや何考えてんだバカか!)



エレン「っ!」

エレン「あー、あー!」

エレン(…ホントなんなんだよこの状況)

エレン(…待ってた方がいいんだよなこれ)

エレン「あー」

時間の経過というか場面の移り変わり的に
話の区切りの間に数レスの合間が欲しかったりします

何を言っているかわからねーと思いますが
続けます

アニ「……て」

エレン「ん。オイ、呼んだか?」

アニ「もう来ていいよ」

エレン(いいよって言われてもだな…)

エレン「…失礼します」

アニ「おぶって」

エレン「…わーったよ、ほら」

アニ「ん…」ムニュ

エレン「ぐ……!」

アニ「どしたの?」

エレン「なんでも…ねぇ」

アニ「?」

――――――――――



エレン「…部屋まででいいんだよな?」

アニ「うん」

エレン「つーか何やってんだよオレら」

アニ「あんたが悪い」

エレン「何一つ悪くねーよ」

アニ「背中、大きい」

エレン「そうかよ」

アニ「あったかいね…」

エレン「…そうかよ」

アニ「……」

エレン「……」

アニ「……」

エレン「……?」

アニ「……すー」

エレン「……ははっ」

エレン「……」

エレン(…いつも無表情でつまんなそうに見えるけど)

エレン(…さっきまでのが素だったら、色々堪えてんのか?)

エレン(…妙な事ばっか言ってたし…こいつだって仲間だとか家族だとかが必要だろ)

エレン(…いつもそんな感じなら取っ付きやすいんだけどよ)

エレン(…余計な事ばっか考えちまうなぁ…やっぱオレも酔ってるよなぁこれ…)

アニ「……んぅ…」

エレン「……妙な声出してんなよ」

エレン(つーか……真面目な事考えてないとやべぇ…)

エレン(…オレも男だって事わかっとけよこいつ…)

アニ「……すー」

エレン「……はっ」

――――――――――



サシャ「あれぇ、エレンじゃないですか、って、わーおぅ。これはお邪魔でしたね。それでどこにお持ち帰りする気ですか?」

エレン「突っ込む気にもなんねぇよ」

サシャ「突っ込むだなんてやだ卑猥です!」

エレン「そういう話もアリなのか、サシャ」

サシャ「酔ってる今夜だけですよ。清純派な私のイメージ壊したならすいません」

エレン「お前に対してそんなイメージ抱いてないから心配すんな」

サシャ「酷い!この鈍感!スケコマシ!送り狼!」

エレン「勝手に言っとけ」

サシャ「変態!むっつり!助平!」

サシャ「やっぱ黙れ」

サシャ「そんな勝手な」

エレン「うるせぇ。お前あれだけ飲んでてよく平気だな」

サシャ「村にいた頃こっそり飲んでたりしましてね。こう見えて私、好奇心と食欲が旺盛なんです」

エレン「知ってた」

サシャ「なもんで、経験と元から耐性があったみたいです」

エレン「そうかそうか」

サシャ「気分はすごい高揚してますけどね」

エレン「あぁ、顔赤いからわかるわ」

サシャ「うふふふふ、いい気分ですよぉ」

エレン「正直めんどくさい」

サシャ「それでアニをどこに連れてくんです?仮眠室ならベッドありますけど、教官室近いですし。食糧庫横の予備室なら人来ないですよ」

エレン「だからなんだってんだ」

サシャ「私が持ち込んだシーツと毛布くらいあるんで貸しますよ?汚さなければ。まぁなんにしろ相手の同意がないとダメですからね?」

エレン「ねーよ」

サシャ「えー、つまらないです」

エレン「ねぇよ。そんな事より背負ってるそれ」

サシャ「廊下で拾ったんです。倒れてたんで」

エレン「そうか、悪いな」

サシャ「寝言でアニ許すまじとか呻いてたんですけど、何か知ってます?」

エレン「…………さぁな」

サシャ「ふぅん。まぁ、いいですけど」

エレン「……」

サシャ「そっちの背中のは、廊下あたりで拾ったって解釈でいいですよね」

エレン「…あぁ」

サシャ「それとこの事は秘密にしておいた方がいいですか?」

エレン「…好きにしろよ」

サシャ「いいんですか?」

エレン「それか、察しろ」

サシャ「ふふふ、やれやれですね」

そう言ってもらえるとありがたいです

続けます

――――――――――



エレン「じゃあ、任せていいか?」

サシャ「え?ベッドまで運んでくださいよ」

エレン「…男だぞオレ」

サシャ「見られてマズいものなんてないですよ」

エレン「そういう問題じゃないだろ」

サシャ「どういう問題なんですか」

エレン「……誰もいないよな」

サシャ「んー、大丈夫です多分」

エレン「…はぁ。失礼します…」

――――――――――翌朝



ライナー「ヘタレ」

ジャン「ヘタレ」

アルミン「正直それはヘタレって言われてもしょうがないと思うよエレン」

エレン「うるせぇよ。つーかお前まで言うのか」

ジャン「仮にも女子と二人で一晩寝てたとか」

アルミン「うらやましい!」

エレン「お前もかアルミン」

アルミン「何が?」

エレン「なんでもない。大体なんで知ってんだよお前ら」

アルミン「ジャンが言ってた」

ライナー「ジャンに聞いた」

ジャン「朝方お前らが騒いでんの聞こえたんだよ」

エレン「ジャン、お前かよ」

ジャン「誰か叫んでんなと思ったらまさかあのアニだぞ?何事かと思うだろ」

エレン「まさか覗いてたのか?」

ジャン「逆に訊くけどよ、覗かれてマズい状況だったのか?」

エレン「マウントポジションで一方的に殴られてた状況だ。マズいに決まってんだろ」

アルミン「うわぁ」

ライナー「うわぁ」

エレン「見てたんなら助けて欲しかったぜ」

ジャン「それは…悪かったな」

エレン「まったくだ」

ジャン「怒鳴った声が聞こえて、危ないことになってるかもわからねぇし。少し聞き耳立てて、マズいと思って戻って来たんだけどな」

エレン「気遣い痛み入るぜ」

ジャン「文字通りすぎるな」

ライナー「で、本当に何もしてないのか?」

エレン「ねぇよ。あのアニと何がどうなったらそんなことになるんだよ」

アルミン「お酒の勢いでじゃない?」

エレン「ねーよ」

ここ数日寝落ちがひどい

時間もないので少しだけ
続けます

ジャン「『昨日の事は忘れろ!』とかアニの奴が騒いでたのは?」

エレン「あぁ。さっきも少し言ったけどな、ただ醜態晒してただけだ。普段がアレだからギャップがヤバかったとだけ言っとく」

ライナー「ほう」

エレン「詳しく聞きたいなら本人に訊けよ?」

アルミン「そんな死に急ぎな」

ジャン「『あんたの記憶から昨夜をなかった事にしてやる!』ってのは?」

エレン「さっきと同じだ。振り上げた拳とセットでトラウマだ」

アルミン「本当に覚えてないの?」

エレン「ねぇっての。ホントなんであんな所で寝てたんだか」

ライナー「それも二人でな」

ジャン「やっぱりお前が連れ込んだんじゃねぇか?」

エレン「ねぇよ。あいつが乗るか?」

ジャン「だから酔った勢いだろ」

エレン「だからねぇっての」

アルミン「大丈夫、僕は信じるよ」

ジャン「あー、アルミンとは若干違う意味かもしれねぇけど、俺もある意味では信用してるぜ」

ライナー「あぁ、エレンだからな」

ジャン「ハハッ、そうそう」

エレン「バカにされてる気がするけど…ま、そういうことだ」

アルミン「誰か見てたんなら証人になるのにね」

ジャン「そうだな。アニが潰れたって後覚えてないのかよお前」

エレン「いや…あいつの部屋あたりまで運んで誰かに預けた気がするんだけどな」

アルミン「だとしたらおかしいよね」

エレン「あぁ。そうなるとオレがアニを連れ込んだってのもあながち本当なのかもな」

ライナー「ま、だとしても変な事にはなってないだろうさ」

ジャン「あのエレンとアニだしな」

エレン「どのオレだよ」

アルミン「そういう話に遠いからね、二人共」

エレン「その納得のされ方はなんとなく納得がいかないんだが」

ジャン「ふーん。ま、面白いネタだけど黙っててやるよ。こいつらにしか話してないぜ?」

エレン「それは助かるぜ。ジャンお前、案外いい奴なのか?」

ジャン「バカにしてねぇよな?やるか?」

エレン「褒めてんだろうが。なんで喧嘩腰なんだよお前は」

アルミン「もう。やめなって二人共」

ジャン「ハッ、このくらい冗談だっての。なあ?」

エレン「あぁ。お前らも余計なこと言うなよ?面倒なのはご免だ」

ライナー「仕方ないな」

アルミン「言うまでもないよ」

エレン「は。ありがとな」

ライナー(言いふらしでもしたらアニに何されるかわからんしな…)

アルミン(万が一ミカサの耳に入ったらどうなるか…ジャンにはチャンスな気がするけど…案外仲間思いなのかな)





アルミン(…ミカサ、昨日の事は覚えてないけど良くないことがあった気がするなんて不吉な事言ってたけど…関係ないよね)

酔ってたからって普段と変わるとは限らないですし
都合よく記憶がないなんてこともないかもしれないですが

なんてご都合主義なのだろう
もうすぐ終わりです

――――――――――



サシャ「いや、だからそれは私知りませんって」

エレン「つっても他にいないだろ。あの場所、お前から聞いたんだぜ?」

サシャ「確かにそうですけど」

エレン「だろ?」

サシャ「でも、エレンならそういう事にはならないだろうなぁって思ってたからからかってたわけで」

サシャ「多分に気分も良かったですけど」

エレン「あぁ」

サシャ「お酒入った二人を一緒にするには、流石にマズいかなって思ってましたから」

エレン「そうだな。そんな風に絡んできてたし、そこは信用する」

サシャ「それはどうも」

エレン「おう」

サシャ「昨日から私に対する好感度上がりまくりじゃないですか」

エレン「まぁ、否定はしねぇが」

サシャ「おおっ、認めちゃうほどに」

エレン「いちいち突っ込むなよ」

サシャ「遅すぎますよ。あと2年くらい早ければ、もしかしたら恋仲ですよ私たち」

エレン「ははっ、かもな」

サシャ「でも残念、私好きな人がいるんです!」

エレン「それはすげぇ残念だ。オレもだわ」

サシャ「知ってます」

エレン「マジか」

サシャ「ふふふ」

エレン「はははっ」

サシャ「ふふ。で、話を戻しますけど、やっぱり本人に聞かれてたんじゃないんですかね」

エレン「それでほぼ確定でいいよ。あいつ自身覚えてないって言ってるけど、誰かに場所聞いたにしろ」

サシャ「行ったのはアニ本人ですしね。まさか誰かが運んでいったとかでなければ」

エレン「何がしたいんだそれ」

サシャ「ですよね」

エレン「とにかくそういうわけだ」

サシャ「酔ってたからなんて言い訳で、全部済ませるほど甘くないですからね」

エレン「ん。いや、それで許すよ」

サシャ「え」

エレン「なんだよ」

サシャ「いいんですか?」

エレン「何がだよ。実際、あいつが勝手に騒いでるだけで、みんなが期待してるような事なんかなかったからな」

サシャ「まぁ廊下で会う前とか、あの後話してて、エレンが寝ちゃった後の事は知らないですからね」

エレン「そういうことだ」

サシャ「そういうものですか」

エレン「そういうもんだよ。んで、今更言う事もないだろうけどよ」

サシャ「なんです?」

エレン「昨日話したこと、誰にも言うなよ?」

サシャ「それは、わかってますよ」

エレン「ならいいけど」

サシャ「ふむ……口止め料取れる流れですかねこれ?」

エレン「…お前って奴は」

サシャ「やっばい。エレンの弱みを握っちゃいましたか」

エレン「は。別に?本当は言いふらされても構わないけど?」

サシャ「私、美味しいものが好きです」

エレン「なんで今それ言った?連れてけってか?なあ?」

サシャ「深い意味はないです」

エレン「はっ。まぁ、考えとくわ」

サシャ「ふふふ、期待しないでおきますね」

――――――――――



ジャン(へぇ…なるほどな)

ジャン(途中からしか聞いてなかったが、なんとなく状況は掴めたな)

ジャン(先手打たれちまったし、サシャに聞いても無駄足か)

ジャン(そんな興味あるわけじゃねぇし。ま、どうでもいいんだがよ)



ジャン(ハッ、せいぜい上手くやっとけよな)

期待されてたら申し訳ないですが

まもなく終着します

【私だけが知っている】



――――――――――昨晩



クリスタ「…ん」

クリスタ(…あれ、私…ここは?)

クリスタ(みんなでお酒飲んで…………)

クリスタ(…どうしたんだっけ?)

クリスタ(でも、私のベッドだこれ)

クリスタ「ふぁぁ……お酒くさい」

『お前、この後戻るのか?』


クリスタ「ぅに…?」


『どうしましょうね。散々飲みましたし、このまま休んでも』


クリスタ「ふぁ…」

クリスタ(…誰だろ)


『なら、もう少し…話付き合ってくれないか?」

『もしかして…口説いてます?』

『違ぇよバカ。…サシャ相手に何言ってんだって感じだがよ、酔った勢いで済ましてくれ』


クリスタ(あ、サシャか)

クリスタ(これ聞いてて大丈夫な話かな…)

『まぁ、一つ貸しですよ?』

『はっ、ありがとな』

『いえいえ』


クリスタ(あ、まとまったみたい)


『じゃ、さっき言った食糧庫横の部屋行きます?』

『あぁ、さっきの』

『襲わないでくださいよ?』

『バカ』

『ふふふ』


クリスタ(あ、エレンだもう一人)

『ま、保証はできないけどな』

『え』

『あ?』

『えっ?まさかエレンがそんな風に、』

『ねぇよ。同じような事さっきもあったしもういいっての』


クリスタ(何言ってるんだろ二人共…)

クリスタ「…ふぁ……ねむ」

――――――――――



ガサ

バフ

クリスタ「…むぅ?」

アニ「……んぅ」

クリスタ「…ん、だれ?」

アニ「…あれ、ここ……あいつどこ」

クリスタ「だれが…?」

アニ「…エレン」

クリスタ「しらな……ん?食糧庫の…横のへや…?」

アニ「ありがと」

クリスタ「ん」

ガサ

ガチャ バタン

クリスタ「今のアニかぁ…」

バサ

サシャ「んん……もう食べれないですよぅ……むにゃぁ」

クリスタ「さすがサシャだ…うん」

クリスタ(…いつの間に戻ってたんだろ。いいけど)

ボフッ

クリスタ(……あれ)

クリスタ(アニってば、何しに…)

クリスタ(うー…ん)

クリスタ(なにか、いけないことがおこる気がする)

ガバッ

クリスタ「いかなきゃ」

――――――――――



クリスタ(あれから、ほんのちょっとだけ覗いちゃったんだけど…)

クリスタ(……)

クリスタ(……っ)カァッ

クリスタ(…うん、だめ。だめだ)

クリスタ(あれは見ちゃダメなものだった)

クリスタ(しばらく二人をまともに見れないかもしれない)

クリスタ(……)

クリスタ(たぶん、知ってるの私だけだ…)

クリスタ(……)

クリスタ(これは私の胸にしまっておこう)

クリスタ(私はなにも見てないなにも見てないなにも見てない…)スタスタ





エレン「よ、何ぶつぶつ言ってんだクリスタ?」

クリスタ「ひゃ、ひゃいっ!?エレン!?わっ、私なにも見てないから!」

エレン「は?」

クリスタ「あっ、違うなんでもない」

エレン「…あぁ。そうか…残念だぜ」

クリスタ「な、何が残念なのか、私わかんないなぁ」

エレン「少し話があるから付き合ってくれよ」

クリスタ「ちょ、ちょっとだけ、仲良く寝てたの見ただけだよ!?誰にも言わないって!」

エレン「おま、そっちかよ…」

クリスタ「え、そっちって?目が怖いよ?私いい子だよ?」

エレン「そうかそうか、ははは」

クリスタ「あ、やだ…いたいいたい!らめぇ!頭取れちゃうぅ!」

エレン「ははは」



(終わり)

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