恵美「真奥、映画を観に来たわよ!」 (39)

こんにちは。

1、はたらく魔王さま!のSSです。ただ、アニメしか内容を知らないです。

2、以前に書いた、恵美「あいつらと一緒に映画を観に行くですって!」の続編です。
  ただ、以前のSSを見ていなくても大丈夫です。問題ないです。

3、短いです。すいません。

以上の点を踏まえて、それでもOKという方、是非ご覧ください。

また、何か変な箇所や意見などがありましたら、教えて頂けると幸いです。

では、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376808521

魔王城という名のアパートにて・・・

恵美「真奥、映画を観に来たわよ!」

真奥「うわっ、びっくりした! いきなりだなおい。」

漆原「エミリア、ここは映画館じゃないよ。ついにこの暑さで頭がイカレたの?」

恵美「うっさいわね。ニートは少し黙りなさい。
   私は、映画のDVDを持ってきたのよ!この部屋で観るためにね。」

真奥「映画のDVD? でも、この部屋にはDVDプレーヤーなんて無いぞ。」

恵美「あるじゃないそこに。そこのニートが使っているパソコンが。」

漆原「えっ。何、このパソコンで観るの? やだよ、僕。今からインターネットで調べたいことがあるから却下。」

恵美「まあ、そう言うと思ったわ。ということで鈴乃、あとはお願いね。」

鈴乃「承知した。」

漆原「ベル!?」

真奥「いつの間に・・・」

鈴乃「という訳だ、ルシフェル。行くぞ。」

漆原「行くってどこに?」

鈴乃「体を動かしにだ。いくら暑いからって、ずっと部屋にこもっていたら体に悪いぞ。」

漆原「嫌だ。行きたくない。」

鈴乃「・・・私と一緒にでかけるのは嫌なのか?」

漆原「うん。だって動くの面倒くさいもん、汗もかくし。」

鈴乃「よし、じゃあ行こう。」

漆原「ちょっと待ってベル! 笑顔でハンマーをこっちに向けないで!
   分かったから、行くから。だからジリジリ近づいてこないで!」

鈴乃「じゃあエミリア、出かけてくる。」

恵美「うん、ありがとう。いってらっしゃい。」

漆原「ねえ僕、体を動かしに行く前からもう、背中から汗が止まらないんだけど、どうしたらいいのかな?」

真奥「・・・グッドラック。」

漆原「グッドラックじゃないよ! 僕を見捨てないでよ! 
   いや、待ってベル! 引っ張らないで、歩く、自分で歩くからあああああ!」

恵美「さて、じゃあパソコンの電源をつけてっと。」

真奥「漆原・・・頑張れよ・・・」


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道端にて・・・

漆原「ひどいよベル、というか何でいきなり僕を誘ったのさ?」

鈴乃「そ、それはだな・・・」

漆原「まあ、言わなくても何となくわかるけどね。
エミリアに、真奥と二人きりで映画を観たいから僕を追い出すのに力を貸してくれって頼まれた感じ?」

鈴乃「だいたい当たりだが・・・(それだけではないんだが、たぶんこの男は気づいてくれないんだろうな・・・)」

漆原「ベル、当たっているなら、そんな駄目人間を見るような目で僕を見ないでくれる?」

漆原「まあ、それはそれとして、エミリアも大分積極的になったというか、素直になったね。
真奥に対して、いきなり暴言は吐かなくなったし。 ・・・僕には厳しいままだけど。
あと、以前にもましてよく来るようになった。」

鈴乃「そう言われてみれば、そうだな。あの二人は大分仲が良くなったように思える。」

漆原「真奥も、エミリアが突然来てもめんどくさそうな顔をしなくなったというか、むしろ楽しみにしてるような感じがするし。
その証拠って訳じゃないけど、さっきエミリアが来た時も、追い払うんじゃなくて、受け入れること前提で話をしてたしね。」

鈴乃「よく見ているな。」

漆原「まあね、あの二人の機嫌によってあの部屋での過ごしやすさが変動するから。二人の機嫌が悪いと僕への態度が酷くなる。」

鈴乃「(それは、お前が働かないのも原因の1つだと思う。)」

鈴乃「にしても、何かきっかけでもあったのか? 正直、あの二人があんなに仲が良くなるとは思わなかった。」

漆原「うーん。多分だけど、去年の秋くらいに真奥と芦屋、エミリアとその友人の4人で映画を観てきてから変わってきたと思う。
その頃からエミリアの態度が軟化してきた感じがするし。」

鈴乃「去年の秋? どんな映画を観たんだろうな?」

漆原「確かタイトルを聞いた気がするけど忘れちゃった。真奥達が映画を観ている間、ごみ袋の中に閉じ込められていたから、この辺の話はあんまり思い出したくないんだ。」

鈴乃「ごみ袋!? なぜ!?」

漆原「うん、まあ、僕が悪かったから仕方がないといえば仕方がないんだけど。正直今でもごみ袋を見るだけで気分が悪くなってくる。」

鈴乃「分かった・・・そして悪かったな。この話はもうやめよう。 ・・・よし!気分転換にここから笹塚駅まで一緒に走ろうか!」

漆原「何で!?」

鈴乃「何でって、元から体を動かすためにでかけるんだ。気分転換と体力づくりの両方をいっぺんにできて良いじゃないか。」

漆原「えー」

鈴乃「そんなことを言うな。終わったら、食事に連れてってやるから。」

漆原「えっ、本当!?」

鈴乃「ああ、あんまり高いものは無理だが・・・」

漆原「ありがとうベル! ベルって結構優しいよね。」

鈴乃「や、優しい? 私がか?」

漆原「だって、エミリアから僕を連れ出すように頼まれただけなのに、自腹を切って食事までおごってくれるって、それだけですごい優しいよ。
あと、体を動かすって言ったって、ベルまで走る必要ないのに一緒に走ってくれるんでしょ?」

漆原「うん、やっぱり優しいよ。これが芦屋だったら、重りを付けられたあげく、知らない山奥に放置されるもん。」

鈴乃「ルシフェル、お前は彼に何をしたんだ・・・?」

鈴乃「・・・でもそうか、私が優しいか。ふふっ。」

漆原「あれ、ベルどうしたの?どうして変な方向むくのさ?」

鈴乃「うっうるさい/// 行くぞ!」

鈴乃「(ああいうことをたまに真顔で言ってくるから、こわいな/// 魔族って皆こうなのか?)」

漆原「あっ、ちょっと待ってよベル!
   いきなり走らないでよ!っていうか、着物姿なのにどうしてそんなに速く走れるのさー!」

すいません。少し席を外します。

続きはまた後で投下します。

すいません、遅くなりました。

再開します。


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ところ変わって、魔王城という名のアパートにて・・・

潤也『だから、今日ここで起こったことは、誰にも知られることはないんだよ・・・誰にもね・・・』

真奥・恵美「!?」

潤也『イカレてる? なんでかな、犬養にもそんなこと言われたっけ?』

潤也『俺はぜんぜん普通だよ。』

真奥「いや、潤也さん。ぜんぜん普通じゃないですから。むしろアウトですから。」

恵美「さすが潤也ね。この映画を観るのは2回目だけど、すごい迫力だわ。」

真奥「前回観たのは、去年の冬だったな。」

恵美「ええ。芦屋と梨香を含めた4人で、映画館に観に行ったわね。」

真奥「そうだったな。ちなみに、この映画っていつDVD化されたんだ?」

恵美「先週よ。梨香によると、映画の出資者の人が、あるシーンの改善作業に力を入れるように
   制作陣に指示したらしくて、それで発売がかなり遅くなったみたい。」

真奥「へぇー。どんなシーンなんだ?」

恵美「ええと、あっそうそう。この後の、安藤が潤也に語りかけるシーンよ。」

安藤『見放すもんか。俺がお前を。たかだか死んだくらいで・・・
   大丈夫、心配いらない。どこにも行かない。約束しよう・・・賭けてもいい。』

真奥「おおっ。やっぱり安藤はかっこいいな。」

恵美「ええ。ただ思ったのだけど、このセリフって、この映画を知らないある特定の人が、
   セリフの内容だけ聞いたらかなり怖いセリフでもあるわね。」

真奥「なんでだ?」

恵美「想像してみて。ストーカーに日々追われている女の子がいたとする。
   その女の子がある日突然ストーカーにナイフで襲われる。女の子は抵抗してストーカーと揉み合いになる。
   その時に勢い余ってナイフがストーカーの腹に突き刺さる。そして、ストーカーが息絶える直前に発したセリフが・・・」

恵美「見放すもんか。俺がお前を。たかだか死んだくらいで・・・
   大丈夫、心配いらない。どこにも行かない。約束しよう・・・賭けてもいい。」

真奥「怖えよ! なんなんだよ、そのシチュエーション! 映画の感動の場面が台無しだろおおおお!」

恵美「分かってるわよ。なぜか想像しちゃったんだもの・・・悪かったわね。」

真奥「まあ、いいんだ、反省してくれれば・・・
   でもお前、この世界で出会ったばかりの頃に、今の話でいう、ナイフで襲われるまでは俺としたよな。襲われたのは俺だけど。」

恵美「な、なんのことかしら・・・」

真奥「おい、目が泳いでるぞ。ほら、お前が百均のナイフで襲い掛かろうとしてきた時だよ。あの時はすぐに警察官の人に取り押さえられたけど。」

恵美「うっ・・・今から考えればいきなり襲おうとして悪かったと思ってるわよ。もうあんなことはしないわ。」

真奥「ああ、それは俺も確信してる。だって恵美は、意味もなく人を傷つけたりしない、本当は優しい女の子だもんな。」

恵美「な、な、なに言ってるのよ/// 恥ずかしくなってくるじゃない!」

真奥「えっ、なんでだ? 本当のことを言ったまでなんだが・・・」

恵美「(こういうことをたまに真顔で言ってくるから、反応に困るというか恥ずかしくなってくるわ///
   魔族って誰に対してもこういうことを平気で言うのかしら?」

真奥「おーい。考えていることが漏れてるぞー。」

恵美「はっ!?いつの間に・・・」

真奥「ちなみに、こういうことは誰にでも言う訳じゃないからな、勘違いするなよ。」

恵美「しないわよ! って、ええ!? 今なんて言った!?」

真奥「だからこういうことは誰にでも言う訳じゃないというか・・・
   むしろお前くらいってことだよ。何度も言わせるな、こっちが恥ずかしくなってくる。」

恵美「そ、そうなんだ。ふーん。」

真奥「な、なんだよ。笑うなよ。」

恵美「別にー。ふふっ」

真奥「だから笑うなー!」


---

またまたところ変わって、とある喫茶店にて。

芦屋と梨香は一緒に食事をとっていた。

梨香は、自身が食べていたパフェの一部をスプーンですくい、そのスプーンを芦屋に向ける。

梨香「はい、芦屋さん。あーん。」

芦屋「す、鈴木さん。お気持ちは非常にありがたいのですが、恥ずかしいです///・・・」

梨香「えー。これくらい普通ですよ。ほらほら、あーん。」

芦屋「で、ではお言葉に甘えて・・・あーん。」

梨香「どうですか?」

芦屋「お、おいしいです///」

梨香「でしょー! ここの店のパフェ、とってもおいしいんですよ!」

芦屋「そうですね。先程のコーヒーもおいしかったですし、店の雰囲気も良い。非常にいい店ですね。」

梨香「私もそう思います! なので、この店をいつか芦屋さんに教えてあげたいなあ、と以前から思ってて。
   で、今日芦屋さんを誘って来ちゃいました。」

梨香「(芦屋さんは少し鈍いところがあるから、私の方から積極的にアプローチをかけないとね!)」

芦屋「ありがとうございます、とてもうれしいです。(笑顔)」

梨香「/// いえ、そんな、あはは///」

芦屋「そうだ。このケーキも食べてみてください。おいしいですよ。」

そう言って芦屋は、自身が食べていたケーキの一部をフォークでとり、梨香の方へと向けた。

梨香「え///、いや、わ、私は大丈夫ですよ、以前来た時に食べましたし!」

芦屋「まあ、まあ、そんなこと言わず、さあどうぞ。あーん。」

梨香「/// じゃ、じゃあ、いただきます・・・あーん///」

芦屋「どうですか?」

梨香「おいしいです///」

梨香はこの時、まだ気づいていなかった。

芦屋に対して積極的にアプローチをすればするほど、相手より自身の方がより赤面することになることを。


完。

以上です。 見てくださった方、ありがとうございました!

あと、ちなみに、ちーちゃんも登場させたかったのですが、入れらなくて無念でした。

アイデアが浮かんだら、ちーちゃんを登場させたSSも書きたいです。

すいません。急遽アイデアが浮かんだため、ちーちゃんが登場するおまけ話を投下します。


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おまけ

千穂「えへへ。真奥さん、喜んでくれるかな。」

千穂は、家で作ったクッキーが非常にうまく出来たため、
真奥にも食べてもらいたいと思い、魔王城という名のアパートを訪れた。

千穂「真奥さーん。クッキー焼いたみたんですけど、味見してもらえませんかー。」

といいながら、真奥の部屋のドアを開ける。だがそのすぐ後、佐々木千穂に衝撃が走る。

部屋を覗いてみると、真奥と恵美が非常に近い距離で座っていたからだ。

お互いに肩が触れ合いそうなほど近い距離にいるというか、さっきはよく見えなかったが、よく見ると顔をお互いの方に向けている。

しかもなんかお互い顔が近い、近すぎる。

千穂「(なんでそんなに近づいてるの? えっなに? あれ、ちょっと待って、
   もしかしてこれって唇と唇を重ねるっていう例の儀式の前段階?)」

千穂は思わず、持っていたクッキーの箱を落としてしまう。

そしてその音を聞いて、真奥と恵美が千穂の方へと顔を向ける。

真奥「ち、ちーちゃん!?」

恵美「千穂ちゃん!? あの、えっと、これは違うの、えっと、つまり・・・」

だがしかし、千穂にはすでに2人の言葉は聞こえていなかった。生気を失い、死んだ魚のような目で虚空を見つめている。

・・・この後、千穂の生気を復活させるために、真奥と恵美が全力で行動したことは言うまでもない。

ちなみに、佐々木千穂のために言っておくと、真奥と恵美は別にこの時キスをしようとしていたわけではなく、
恵美が目にゴミが入ったというので、それを心配して真奥が気にかけていただけである。


本当に完。

以上で本当に終わりです。見てくださった方、ありがとうございました!

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