【シャニマスSS】 Cipher for U (19)


Rに立ってしまっていたようなので立てなおし
今度はうまく立つといいな

<<注意>>

・甘奈主観SS
・独自解釈が多分に含まれます(たぶん公式とは異なります)
・ネタバレもめーっちゃ多いです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1552068631


きちんと立ったようなので始めます

・プロデュースイベント②(ジェミニ)~W.I.N.G.決勝まで断続的に進みます

<<推奨環境>>
・甘奈プロデュースイベント読了済
・満開、アルストロメリア流幸福論─つなぐ・まごころ・みっつ─読了済
・その他アルスト関連コミュに関係するネタがなんとなくわかるP

「――昨日は、事務所を出るのがいつもより遅くなってしまって……」

「帰りに、プロデューサーさんと牛丼屋さんに行ったの――」

――私に、昨夜の出来事を話すこの人――

桑山千雪は、私と同じユニットのアイドルで

事務所においては頼れる姉のような存在

千雪「――そうしたら、プロデューサーさん 『今日は特盛だぞ!』って張り切っちゃって……」

ユニット結成当初から、千雪さんは担当プロデューサーのことを話すときは楽しそうで

私は、そんな千雪さんを特に意識していなかったのだけど

千雪「――プロデューサーさん、口元にご飯粒ついているのに気づいていなくて……」

――ズキリ

どうしたんだろう、最近、千雪さんの話を聞くと、胸に痛みが走る気がする

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気絶しそう しどろもどろ
花ざかりタレイア
まともな神経が繋がらない アダージョみたい

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甘奈「今日のレッスン、結構ハードだったねー」

甜花「うん。甜花、今日も失敗ばっかりしちゃった」

――大崎甜花。私が最も多くの時間を一緒に過ごしてきた存在

甜花ちゃんは、すっごく無邪気で、めーっちゃかわいくて……

――そして、「なんでもできた」すごい存在

…………

甜花「――なーちゃん、ごめん」

甜花「甜花、クマさん、とれなかった……」

あの夏。縁日。あの屋台。

読書が趣味で、クラスでもおとなしかった私とは違って

活発で、なんでもできた姉は

初めて、私の前で失敗をおかした

今となっては、他愛もない出来事なのだけれども

その日を境に、自信家の姉はいなくなった

絶対に勝てないと思っていた姉に

今は少し、近づけたと思っているのだけれど――

甘奈「今日のお仕事終わりっ☆ 甜花ちゃん、一緒に帰ろー?」

甜花「にへへ……甜花、今日はダンスの特訓お願いした」

甜花「だから、なーちゃんは先に帰ってて」

――最近、甜花ちゃんは少しづつ変わってきている気がする

甜花ちゃんがすごいことを、みんなに知ってもらうのは嬉しいはずなのに

努力家の姉は、手の届かないところへ行ってしまい

「なんでもできる、大崎甜花」と、

「なんにもできない、大崎甘奈」に戻ってしまいそうで――

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凛々しくいよう 強くなろう
天と地がディストーション
夢をみることも忘れてしまうのかな

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私、大崎甘奈は

今しかできないことを精一杯したくて

283プロのアイドル「甘奈」となった

甜花ちゃんのすごさを認めさせたかったのは、本当

千雪さんを、頼れる姉のように思うのも、本当

なのに、二人に全然違う感情を抱いている私がいて

甘奈は、そんな私が好きになれなくて

わからない……

わからない――

わからないっ!!

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ふくらむ蕾が傷だらけでも
優しくそっと手をとってくれますか

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P「……甘奈、本当に思っていることがあるなら、言っていいんだぞ」

甘奈「えっ……何もないよ!」

――嘘。

本当は最近、頭の中がぐっちゃぐっちゃになってる

でも……。

P「俺の前では無理しなくていいんだ」

P「何かあるなら、ちゃんと聞くから」

――アルストロメリアの甘奈は、天真爛漫なギャル

今しかできないことを全力で楽しみたい今ドキの女の子――

私は、完璧な「甘奈」を演じていたはずなのに

目の前にいるこの人は……

だから、私は――

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チュ チュ チュ 幸福論誕生
アイデンティティー見つけた
アルストロメリアの花
咲いた 咲いた Silent Love

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――「ふたりの関係は変わっていく」

――でも

――「甘奈も輝き始めている」

――だから

――「甜花は甘奈から離れない」

「甘奈」を支え続けてくれていたその人は

ずっと私を見てくれていた

一人で抱え込んでいるつもりになっていた悩みも

全てお見通しといった感じだった

その人は「甘奈」にとって、ただの仕事相手

でも、私にとっては――

甘奈「そっか、甘奈は……」

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過去も未来も諸事情も
キミ色に全部染まりたい
一途な私 フィロソフィ
咲いた 咲いた Silent Love

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私、大崎甘奈は、かつて読書が趣味のおとなしい女の子だった

人間の嗜好というものは、本質的に変わらないものらしく

「甘奈」となった今も、時折哲学などに触れてみたりする

――だから

虚無主義も、悲観主義も

退屈な結果しか生まないことは理解しているはずだ

――でも

気づいてしまった私の思いは

「幸せな百合」を壊してしまいそうで

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ニヒリズムも ペシミズムも
退屈がテンプレ
まっ赤なりんごは落ちてこない 木の上のまま

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――もしも、私が思いを伝えれば

――いつか、私の思いが届いたならば

――やがて、今とは違う関係になり

――きっと、世界は変わるはずだ

でも、今はあくまでアイドル

だから、あの人とショッピングをしたとしても

あくまで恥ずかしくない格好をしてもらうだけ

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もしも いつか やがて きっと
初めからエンドロール
照れかくしなんてあまのじゃくすぎるかな

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私、大崎甘奈と、姉、大崎甜花は、

あの日を境に陰と陽が入れ替わり

私はその状態にある種の心地よさを感じていた

それは、「甘奈」として不完全な私の

少し嫌な、でも、本当の姿

――あなたは、そんな私を知っても

私のことを見続けてくれますか……?

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ねじれた茎が不完全でも
かまわずずっとそばにいてくれますか

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千雪「――昨日は、現場から帰るときに突然雨が降り出しちゃって……」

千雪「プロデューサーさんと、観覧車で雨宿りすることになったの――」

――私は、千雪さんと同じ思いを抱いている

それに気づいてからは、少しづつだけれども思いをぶつけているつもりだ

――きっと、二人のときは千雪さんも同じだろう

でも、私は、「幸せな百合」も壊したくない

だから、すぐに審判が下ることにないように…

解いてほしいと思いつつ、暗号を記してゆくだけ――

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ギュ ギュ ギュ 悲劇的 最高
ジャッジメントがくだらない
アルストロメリアの葉は
まわる まわる Cipher

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私、大崎甘奈は

今しかできないことを精一杯したくて

楽しいから、「甘奈」を始めた

だから、「W.I.N.G.」は大きな大会という印象しかなかった

でも、本心に気づいてからは

あの人のために、「W.I.N.G.」に勝ちたいと思うようになった

それからは、オーディションの度にドキドキして

緊張しながら戦って

でも、そのドキドキが

今の甘奈の力になるから――

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サチュレーションあげてよ
バイオリズム 果てまで
もっとドキドキしよう

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私が、私の思いに気づいてから

甘奈は、アイドルとして大きく成長した

これまででは考えられなかったお仕事も

確実にこなすことができるようになった

あの人に見ていてもらいたい一心から

甘奈は一生懸命努力を重ね

――ついに、「幸せな百合」アルストロメリアは……

W.I.N.G.への切符を手に入れることができた

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チュ チュ チュ 幸福論誕生
アイデンティティー見つけた
アルストロメリアの花
咲いた 咲いた Silent Love

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

甘奈は、千雪さんと同じ思いを持っている

――だから、千雪さんは甘奈のライバルにあたる

甘奈は、甜花ちゃんよりも優秀でありたいと思っている

――だから、甜花ちゃんは甘奈のライバルにあたる

でも、アルストロメリアの一員であるときは

その、幸せな環境を壊したくないと思っている

――だから、二人は甘奈の味方だ

そんな、裏表の感情を

くるくるさせながら日々を過ごしている

だから、暗号しか伝えられないけれど……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ギュ ギュ ギュ 悲劇的 最高
ジャッジメントがくだらない
アルストロメリアの葉は
まわる まわる Cipher

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私、大崎甘奈は――

担当Pに恋をしている

今、甘奈が戦い続けるのは

Pに甘奈を見ていてほしいから

同じ思いを抱き、同じようにふるまう千雪さんに

共感するところも多いけれども

甘奈は、Pにすべてを捧げる覚悟だ

――だから、決勝の舞台でも――

甘奈「プロデューサーさん、甘奈のこと、ちゃんと見ててよね!」

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Yes No 好きでも嫌いでも
キミになら全部捧げたい
重なるしぐさ シンパシー
咲いた 咲いた Silent Love
愛が咲いた Silent Love

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


~~ Fin ~~

初SSでつたない内容ですが
最後までお付き合いいただきありがとうございました

1stまでに間にあった…

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なお、甘奈視点での解釈目的で
アルストロメリア
作詞:鈴木静那 作曲・編曲:森本貴大
著作権法第32条に基づき引用
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