阿笠「…」哀「…」 (27)

アニメ準拠はほとんどありません
草は生えてませんが気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ありません

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今思えば、あれはほんの出来心じゃったのかも、しれん。

出来心とは何ぞや、と聞かれれば答えに窮するのかもしれんが。

悪気なんて、一切無かったんじゃ。

ただ、欲求に従っただけなんじゃ。

どうしようもなく、抑えきれなかったんじゃ。

一度目は、ほんの少し。

ちょこっと、ちょこっとだけ。

…いつからか、歯止めが効かんくなった。

気付いた時には、もう遅かった。

後悔…か。

後悔は、勿論しておる。しておるとも。

じゃが、どう抑えろと言うんじゃ。この欲求を。

ワシに、どうしろと言うんじゃ。

教えてくれ。

どうか、答えてくれんか。

…。

……。

阿笠「教えてくれんか。先生」

先生「高血圧、高血糖、高血中脂質…」

哀「バカ」

先生「間食は控えるべきですね。ええ」

阿笠「ああ…」

先生「睡眠前に食べてしまうのも良くありませんね」

阿笠「おほぅ」

先生「朝昼晩の献立はとてもバランス良く摂れているようですが…」

哀「当然よ」

阿笠「ほ、ほっほ…」

先生「後は適度な運動もするべきですね。まだ50代ですし。これからですよ」

阿笠「そ、そうですなぁ…」

先生「このままだと生活習慣病、糖尿病などのリスクがありますね。いえ、間違いなく」

阿笠「・・・」

哀「・・・」

先生「生活改善のプログラムを実施してみませんか?」

阿笠「そ、それは…」

哀「先生、是非お願いします」

阿笠「ふぉっ」

阿笠「先生、ありがとうございました…」

先生「ええ。お大事に」

哀「…」パタン

阿笠「…」

哀「…」

阿笠「…」

哀「何か言う事あるんじゃないの?」

阿笠「ン゛?」

哀「博士、間食はしてないって言ってたわよね?」

阿笠「ン゛ン゛」

哀「じゃあ何?この結果は」ピラ

阿笠「そ、それは…」

哀「健康診断に行ったの、結構前よね。で、結果が来るまで同じ生活を続けてた訳だから、今はこれよりもっと悪い」

阿笠「そ、そんな変わらんじゃろ…」

哀「悪い。筈」

阿笠「じゃ、じゃが…」

哀「まあ、気付かなかった私も悪かったわ。ゴミだって何処かで処分してたみたいだし」

阿笠「うぐ…」

哀「夜な夜な私が眠りについた後にコソコソコンビニ行ってたのに気付かなくって」

阿笠「・・・」

哀「まあ、少なくともここ3日分は入手したけど。ほらこれ。おでん」ピラ

阿笠「あああ…」

哀「昨日はまだ売れ残ってたななチキに春巻もあるわね」

阿笠「それは…それは…」

哀「後何野菜ジュース買ってんのよ。一応バランス取ってます的なアピールいらないのよ。誰に見せるわけでもない」

阿笠「すまん…すまん…」

哀「年齢考えなさいよ。中年なのよ」

阿笠「う、うむ…」

哀「もう消化器官だって仕事放棄し出してる年齢よ」

阿笠「…」

哀「しかし、よくもまあ気付かれずにゴミを処分出来たわね」

阿笠「う、上手くやったもんじゃ…」

哀「は?」

阿笠「すいませんでした…」

哀「…で?そのゴミはどうしてたの?まさかコンビニの前で立ち食いでもしてたの?」

阿笠「あ、ああ…」

哀「じゃ、このレシートは?」ピラ

阿笠「ぽ、ポケットに入れたものが落ちたのかのう…」

哀「ふーん…」

阿笠「そ、そうなんじゃ…よ…」

哀「正直に言わないとこれから三食生野菜よ」

阿笠「なッ」

…。

……。

コナン「…」

哀「やっぱ貴方も共犯だったのね」

コナン「あ、いや」

阿笠「すまん…新一…」

哀「アンタ博士を殺す気?」

コナン「いやー…いつも色々頼みまくってる手前、断れないっつーか…」

哀「50代でトリプルリスク抱えて運動不足のオジンに夜食許すなんて何考えてんのよ。たまごっちなら30分で死んでるわよ」

コナン「…いやー…」

哀「…しかしまさかドローンで工藤君の家まで飛ばして処分してもらうだなんて…なんて大袈裟な…」

阿笠「レシートはその時に落ちたんじゃな」

哀「そんな事はどうでも良いのよ」

阿笠「はい」

哀「それよりも工藤君」

コナン「はい」

哀「貴方、博士が今どんな状態なのか知ってる?」

コナン「…ま、まあほら、おっちゃんも色々言われてるけど結局何とかなってるし…」

哀「こっちはもう50超えてんのよ。何とかなる年齢じゃなくなってんのよ」

コナン「あ、はい」

哀「どうすんのよ。このまま悪化して、糖尿病にでもなってごらんなさいよ」

阿笠「…」

哀「毎日毎日注射に透析に病院行かなきゃいけなくなるのよ。そうなったら貴方の手伝いなんて一切出来なくなるのよ」

コナン「はい…」

哀「さらには子供達にも迷惑がかかるわよ。そしてウチの家計は悪化よ」

コナン「はい…」

哀「私だって貴方の薬にかかりっきりになれなくなるのよ」

コナン「はい…」

哀「そうなれば貴方は元に戻れなくて工藤新一はもれなく帝丹高校退学。中卒扱いよ」

コナン「はい…」

哀「そして貴方は江戸川コナンのまま暮らして蘭さんを待たせ続ける事になるのよ。いえ、もう待ってくれないかもしれないわ。高校中退の不良なんて」

コナン「ひゃい…」

哀「そうね。新出先生辺りと付き合いだすんじゃないかしらね」

コナン「それはダメだって!!!!」ガバァ

哀「じゃあ博士におやつを与えるのは禁止。手伝うのも禁止よ。分かった?」

阿笠「与えるって…」

コナン「あ、ああ…悪い。博士…」

阿笠「いや…」

哀「毎日毎日考えに考えてるってのに…」

阿笠「すまんのう…つい…」

哀「つい、で生活習慣病一歩手前まで行かれたらたまったものじゃないんだけど」

コナン「…ま、まあ博士ももう反省してるみたいだしよ…」

哀「アンタも反省すんのよッ」ペシッ
コナン「はひィッ」

阿笠「いやあ、哀君には心配をかけてしまって…」

コナン「…けどよ。灰原がこんなに人の為に頑張ってくれてるなんて。…優しいんだなお前」

哀「あのねぇ…」

コナン「それで愛想が良けりゃ良い嫁さんになるんだけどな」

哀「余計なお世話よ」

コナン「な!博士!」

阿笠「そ、そうじゃのう…」

コナン「それはほら…あ、いやそういや灰原」

哀「…何?」

コナン「お前って…もし黒づくめの奴らと決着がついたらどうすんだ?」

哀「……どうするって…」

コナン「ほら、元に戻るかどうかだよ」

哀「…」

阿笠「もしかしたら、その頃にはAPTX4869の解毒剤も作っておる事かもしれんしのう」

哀「…」

コナン「灰原哀として生きるのか、宮野志保に戻るのか…」

哀「…そうねぇ」

阿笠「…」

哀「私は貴方と違って、目標が無いから…」

コナン「…あ…」

哀「戻ったところで、どこぞの馬の骨とも分からない怪しい科学者を受け入れる所がある訳でもなし」

阿笠「ワシが何とかしてやるから安心せい」

哀「三食野菜は変わらないからね」

阿笠「あぁん」

哀「それに、この姿で生きる事も悪くないんじゃないかって思ってきてるのよね」

コナン「…」

哀「学校なんてまともに通ってなかったし、友達もいなかったし」

阿笠「…」

哀「私の事を相棒だなんて呼んでくれる存在も居なかったし、守ってくれるって言った人も居なかったし」

コナン「…うん…」

哀「本心を分かち合える人もいなかったし、裸の付き合いをした人もあんまりいなかったし」

コナン「うん……うん?」

哀「お尻見られたし」

コナン「ン゛」

阿笠「…」

哀「まあその相手は元に戻るみたいだけど」

コナン「ン゛ン゛…」

哀「まあそれは冗談だとしてよ」

コナン「長え冗談だな」

哀「少なくとも、今は私の事を友人だってはっきり言ってくれる人が居る。充実してないって言ったら嘘になるわ」

コナン「灰原…」

哀「勿論、組織にいた頃にも楽しい時はあったわ。慕ってくれる人もいたし」

コナン「…それは、でも…」

哀「そうね。みんな根っこには取引する為の毒薬を作らせてやるっていう意識があった」

阿笠「…」

哀「今では会いたいとも思わないわ」

コナン「…あ、そ、そうだ!ほら、アレだ…」

哀「何?」

コナン「光彦。光彦はどうなんだよ」

哀「円谷君?」

コナン「アイツ、あからさまにお前の事好きだろ?ほら、純粋に…さ」

哀「…まあ、慕ってくれるのは、悪くないけど…」

阿笠「そ、そうじゃ…のう…」

コナン「アイツ真面目だし、勉強も出来るしさ。多分将来は安泰だぜ?」

哀「でも子供じゃない」

コナン「…まあ、それは…なぁ」

哀「それに、彼を選んだら何だか妥協したみたいで自分が嫌になると思うわ」

コナン「…妥協?」

阿笠「!」

コナン「妥協…?」

哀「…」
阿笠「…」

コナン「…まさか…まさかお前…」

哀「…!」
阿笠「…!」

コナン「…お前…」

阿笠「…新一…」

哀「…」

コナン「…その身体で…」

阿笠「ん?」

コナン「…比護さんと付き合えると思ってんのか…」

哀「比護キック」ゴシャァ
コナン「ォ痛っで!!!」

コナン「痛ッヅ…痛ッヅ…!!」ヒーフー

哀「密かに鍛えた甲斐があったわ」

コナン「サッカーに使えよ大バカヤロウ…!」

阿笠「悪いのは君じゃぞー…」

コナン「ンでだよ…!当然の事言っただけじゃねーか…!」

哀「大きなお世話よ」

コナン「…っつーかそれなら尚更元に戻れば良いんじゃねーの?今より可能性あるだろ。それなら…」

哀「うるさい」

コナン「…?」

哀「博士にはこれから私が責任持ってヴィーガン生活を提供するからね」

阿笠「なッ…し、新一ィィィィ!!!」

哀「脱線しかけてたけど、元々博士の食生活を強制的に正すっていう話じゃない」

コナン「でもなぁ…我慢も良くないって聞くぜ?」

哀「我慢してから言いなさいよ」

阿笠「うう…何も言い返せんぞ…」

コナン「まあほら、灰原も博士の事を思って言ってんだから…」

哀「当たり前じゃない。この歳で介護なんか嫌よ」

阿笠「介護て…」

コナン「んな大袈裟な…」

哀「もしそうなったら責任取って貴方も一生博士の介護するのよ」

コナン「頑張れよ博士」

阿笠「頼みの綱が・・・!!」

コナン「…いやー…」

阿笠「頼む新一。何とか一日一食は肉をだな…」

コナン「まあ、そこまでアイツも鬼じゃねーだろ…」

阿笠「馬鹿を言うでない。あの子はやると言ったら本当にやる子なんじゃ」

コナン「…そーいうとこあるよな…アイツって…」

阿笠「以前も隠れて雪見だいふくを4つ買ってきたらその月で食べた肉がサイコロステーキ1個だけだったんじゃぞ」

コナン「ペットと扱い同じじゃねーか」

阿笠「だから頼む…!君の口から説得をしてくれんか…?」

コナン「無理だろ。博士が言ってダメなら俺なんかぜってーアウトだぜ?」

阿笠「そこを何とか…!ほれ、この間新品のシューズを作ってやったじゃろ…!」

コナン「んぐ…しゃーねーなぁ…」

阿笠「頼んだぞ…新一…!」

コナン「…あー…おーい。灰原」

哀「ヒソヒソ話は終わったの?」

コナン「おお。それでな灰原…」

哀「何よ介護探偵工藤君」

コナン「悪りぃ博士ダメだったわ」

阿笠「新一ィィィィィィイイイイイ!!!!」

コナン「結構良いとこまで行ったとは思ったんだけどなぁ」

阿笠「3秒で終わっとるじゃないか。説得のせの字も無かったぞ!!」

コナン「だってよー…博士の日常生活の世話なんざ無理だぜ?俺…」

阿笠「じゃからもう買い食いはせんよ…とにかく、100か0ではなく、50という及第点を見つけて欲しいんじゃよ!」

コナン「及第点なぁ…」

阿笠「頼むぞ新一…眼鏡の修理、急ピッチで終わらせてやったじゃろ?」

コナン「…まあ、そうだけど…」

阿笠「頼む!せめて晩には肉料理をと言っておるんじゃよ!!」

コナン「…おーい、灰原」

哀「ヒソヒソ話は終わったの?」

コナン「ああ。それでだな」

哀「彼女のとこになんか絶対行かせないわよ」

コナン「豆食え豆」

阿笠「新一ィィィィイイイイイ!!!!」

哀「貴方だけ幸せになんかさせないからね」

コナン「豆腐だ豆腐」

阿笠「新一!帰ろうとするな!!」

コナン「ふざけんな!元に戻れないどころか一生蘭に会えないなんて有り得ねーだろ!!」

阿笠「まだ病気にはかかっておらんわ!!」

哀「だから一歩手前って言われてるでしょ。日頃我慢しなかった報いよ」

阿笠「…そう言われるとのぉ…」

哀「私だってこの身体のせいでどれだけ色々我慢してると思ってるのよ。分かってるの?」

阿笠「う…確かに…」

コナン「俺だって我慢してんだぜ?だから…」

哀「一緒にしないで」

コナン「…えええ…?」

コナン「っつーか博士って灰原が来るまでずっとそんな生活してたのか?」

阿笠「男一人じゃからのう…全く気にしておらんかったわい」

哀「私が来た初日は驚いたわ。ホントに」

コナン「…想像出来るな…」

哀「干しっぱなしの洗濯物に、溜まったゴミ袋に、埃まみれの地下室に、後おまけに何か臭かったし」

阿笠「は、ははは…はぁ…」

哀「外で死ぬか中で死にかけるかどっちが良いかっていう究極の選択肢よ」

コナン「博士…」

阿笠「そんな顔で見んでくれ…男の一人生活なんじゃぞ…」

コナン「灰原が来てなかったら多分どっかでどっかがイカれてたぞ」

哀「感謝しなさいよ」

阿笠「返す言葉もございません…」

コナン「俺ですらもう少しちゃんとやってたぜ?」

哀「貴方が?」

コナン「あーそうだよ。親は海外行ってるからな」

阿笠「新一は健康には気を遣ってたからのう」

コナン「まぁ、日々の生活くらいはちゃんとしてたな。何せ身体が資本だからな」

哀「今じゃクスリに依存してるやばい人なのに」

コナン「うるせぇよ」

哀「…っていうか…」

コナン「…何だよ」

哀「彼女が毎日手作りしてたのかと思ってたわ。貴方のお昼も晩御飯も」

コナン「…まぁ、そういう日もあったけど…」

哀「比護キック」ゴシャァァァ

コナン「ォ痛っで!!?」

コナン「…オマエッテコンナボウリョクニウッタエルヤツダッタッケ…」

哀「何?聞こえない」

阿笠「哀君も随分アグレッシブになったもんじゃ。良い傾向じゃぞ」

コナン「ああ。後はアグレッシブの方向性を正すだけだな」

哀「…まあ、確かに変わったっていうのは自分でも思うわね」

阿笠「昔の君は何というか…自分のスペースを確保したら後の事は知らんというスタンスだったからのう…」

哀「あら?私そんな刺々しかった?」

コナン「今でも刺々しいじゃねーか…」

哀「もっとちっさくしてあげても良いのよ」

コナン「産まれる寸前くらいになるだろそしたら」

哀「そしたら再教育するだけよ」

阿笠「…アグレッシブになったもんじゃ…」

哀「大体ね、さっき貴方我慢の話してたけど、全くしてないじゃない。二言目にはクスリクスリって。もう立派なジャンキーよ貴方」

コナン「元に戻れる手段がそれしかねーからだろ」

哀「薬があるから大丈夫って考えが間違ってるって言いたいのよ。ロキソニンじゃないのよ」

コナン「…そりゃ、悪いとは思ってるけどよ…」

阿笠「いや。哀君は君の為を思って言ってくれとるんじゃぞ」

コナン「…」

阿笠「君が本当に元に戻れるように、彼女は日々考えに考えておる。全て君の為に」

コナン「…灰原…」

阿笠「地下室で何度も何度もAPTX4869の成分を分析し、頭を抱え…」

コナン「…」

阿笠「それらは全て、工藤新一の幸せを願っているからこそ、なのじゃぞ!」

コナン「…ああ。悪い…」

阿笠「そうじゃろ?哀君」

哀「だから食生活は厳しくするって言ってるでしょ」

阿笠「あぁん」

コナン「…でもよ。灰原」

哀「何よ」

コナン「…何で、そんなに俺の為に…?」

哀「…」

コナン「や…前にも同じ質問、したんだけどよ。さっきは元に戻らなくても良いって言ってただろ?」

哀「…」

コナン「…じゃあ、何で、そこまでしてくれるのかなって…」

哀「…貴方は被害者。私は加害者。罪の償いはする。貴方にはこの説明が一番分かりやすいかしら?」

コナン「…!」

阿笠「…哀君…」

哀「あんな物を作ってしまった責任は、取るつもりよ」

コナン「だから、オメーは悪くねぇって…」

哀「これは私の問題よ。ケジメはきちんとつけたいのよ」

コナン「…灰原!」ガシ
哀「!?」

コナン「…」
哀「…ちょ…」

阿笠「…お、おお…?」

コナン「…え…っと…」
哀「…ちょ、な、何よ…」

阿笠「し、新一…」

コナン「…だ、だから!!だからな!?」
哀「な、何ぃ…?」

コナン「そ、その…不安になるような事を一々言うなって事だよ!!」
哀「…」

コナン「消えるだとか、ケジメをつけるだとか、加害者だとか!!」
哀「…」

コナン「お前にだって幸せになる権利はあるだろ!!1人の人間として生きていく権利があるんだよ!!」
哀「…」

コナン「…だ、だから!そ、そういう自分を卑下するみてーな事を…言うなっつってんだよ!!」
哀「…」

コナン「…わ、分かったかよ…」
哀「…」

コナン「…」
哀「…」

阿笠「…」

コナン「…」
哀「…顔、真っ赤よ」ツン
コナン「うるせぇよ!!」

哀「かっこいい事言おうとして躓いちゃったのね」

コナン「うるせぇっつの…いいよ冷静に分析しなくて…」

阿笠「しかし新一の言う事はごもっともじゃぞ」

哀「はいはい。私がいなくなったら困るとか言い出すんでしょ。分かってるわよ」

阿笠「ワシらだけではないぞ。皆気持ちは一緒じゃ」

コナン「それに困る、じゃねえよ。悲しむ、だ」

哀「…貴方は?」

コナン「ッ足りめーだろ!!俺だって悲しむ!」

哀「泣く?」

コナン「…あ…いや、泣くっていうか…」

哀「泣かないの?」

コナン「いや、泣く…かも…」

哀「泣かないんだ…」

コナン「泣くよ!泣くって!!もう鼻水ダラッダラだよ!!」

哀「やだ汚ぁい」

コナン「何なんだよお前は!!!」

哀「心配しなくても、消えたりしないわよ。頼りないけどボディーガードが付いてるんだから」

コナン「俺だけじゃねーぞ。昴さんもいるからな」

哀「守ってくれるんでしょ?」

コナン「お…おお!」

哀「いつまで?」

コナン「お?」

哀「守ってくれるのって、いつまで?」

コナン「…そ、そりゃあ、オメーが安心して毎日暮らせるようになるまで…」

哀「・・・」

コナン「…かな…」

哀「・・・」

コナン「…うん…」

哀「・・・ふーーーーん・・・」

コナン「…な、何だよ…」

哀「・・・へぇぇぇぇぇ・・・」

コナン「…?」

阿笠「・・・」

哀「…博士」

阿笠「は、はいっ!?」

哀「…しょーがないから、少しだけ規制、緩めてあげるわよ」

阿笠「…ほ、本当か!?哀君!!」

哀「ええ。まあ…」

コナン「良かったじゃねーか博士!」

阿笠「お、おお…そうじゃな…」

哀「~♪」

阿笠「(知らんぞ…ワシゃ知らんぞ…!)」

…。

……。

【日曜 AM6:00】

『♪』
コナン「zzz…」

小五郎「」グガー

コナン「zzz…」
『♪』

小五郎「」グゴー

コナン「zzz…」
『♪』

小五郎「…フゴッ…あ?」

コナン「…zzz…」
『♪』

小五郎「…何だぁ…?アラームでもかけてんのか…?」

コナン「…zzz…」
『♪』

小五郎「おぉい…コナァン…携帯うるせぇぞぉ…」ユサユサ

コナン「ん…え…?」

小五郎「予定あんならとっとと起きろよ…くぁぁ…」

コナン「…携帯…?アラームなんて…」

『不在着信 灰原』

コナン「灰原…?」

小五郎「ガキ同士でどっか行くんじゃねぇのか?」

コナン「いや…特に何も…」prrr

コナン「…」prrr

コナン「…」prrr

哀『遅い』

コナン「は?」

哀『遅いんじゃない?これが万が一の非常事態だったら私どうなってたと思う?』

コナン「…え、あぁ…まあ、そりゃ…」

哀『その感じだと、今起きたみたいね』

コナン「…そりゃそうだろ…日曜だぞ…ふわぁ…」

哀『…』

コナン「…で?何だよ。何か用か?」

哀『ねえ』

コナン「どうした?」


















哀『私、何だか急に安心して毎日暮らせなくなったんだけど』

コナン「は?」

小五郎「お?」

終わります

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