一花「八等分の百合姫」【オリジナル注意】 (52)

※所詮は五等分の花嫁の二次創作です。
※一花ファンの人は不快になるかもしれません。
※原作とは違うオリジナル展開、オリジナルキャラが多少あります

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私の夢は女優になること・・・それはいつから想い続けていたのか。忘れてしまった

零奈

私の夢は女優になること・・・それはいつから想い続けていたのか。忘れてしまった

病院

零奈「ゴホッゴホッ」

一花「お母さん、大丈夫」

零奈「えぇ・・・大丈夫。ちょっと喉が詰まっただけだから」

一花「・・・・・・」

嘘だ。お母さんは長くは無い。私には分かる・・・・・

零奈「私が居なくなったら。五月・・・どうなるかしら」

一花「きっと壊れてしまうよ。お母さんの事が大好きだったし」

零奈「ゴホッゴホッ・・・そうね・・・二乃も三玖も四葉も・・・・そして」

一花「私は大丈夫だよ。なんとかやっていける自信はある」

零奈「・・・・・」

零奈「一花には沢山怒ったわね」

零奈「他の姉妹よりも・・・・」

零奈「でも一花の為を想って・・・・」

一花「うん」

零奈「一花・・・みんなをお願い。長女として・・・姉妹をまとめて」

一花「はい」

お母さんは私に長女として全てを押し付けた

でも私たちは生まれた日は同じ、大差なんて少し早く生まれただけの差

それだけで私は我慢をさせられた。妹の面倒をさせられた

今・・・・妹たちの今後の事も任せられた

一花「・・・・・」

でも決して文句は言わない。すべての感情を押し殺す・・・・

私は演じ切って見せる、良き長女として・・・

・・・・・・・

中野父「一花君、少し良いかね」

一花「お父さん、どうしたの?」

中野父「とても重要な話になる」

一花「・・・・・?」

中野父「良い話と悪い話、どちらから聞きたい?」

一花「悪い話から・・・かな」

中野父「一花君、先日健康診断を受けたはずだ。」

一花「そうだね・・・なんだかいつもとは違って隅々まで調べられたけど」

中野父「・・・・・・」

中野父「零奈と同じ・・・病気を患っていることが判明した」

一花「・・・・えっ」

一花「それって・・・」

中野父「高校を卒業するまでは・・・持たない」

一花「・・・・あはは、お父さんも冗談が上手だね」

中野父「・・・・・」

一花「・・・・事実なんだ」

一花(最近少し体調に違和感を感じるようになった)

まさかお母さんが亡くなった病気と同じ病気になるなんて

一花「このことは妹達には言ってない?」

中野父「今のところは一花君だけだ」

一花「じゃあ秘密にして欲しい」

一花「やっとみんなお母さんから立ち直ったばかりなんだ。」

一花「そして今度は転校して新しい学校生活まで始まる」

一花「そんな中で私が病気になっているなんて知られたくない」

中野父「隠していてもいずれはバレる」

一花「うん、でも・・・・今はダメ」

一花「病気の事は私がいずれ話すから」

一花「内緒にして・・・この通り」

ペコリッ

中野父「・・・・・わかった」

一花「・・・・・」

この日私の世界は一変した。高校を卒業するまでの命

そんな短い時間で私には何が残せるだろうか

孤独の戦いが幕を開けようとしていた

9月3日(日)

一花「んっ・・・・朝。」

一花「そうだ・・・今日は用事があるんだ」

ガチャッ

中野四葉「一花、朝ごはん冷めちゃうよ」

四葉「うわっ・・・また汚い部屋」

四葉「せっかく掃除したのに・・・・」

一花「えへへ、またお願いしようかな」

四葉「でも珍しいね。一花が起きているなんて」

一花「私にはだって、たまには起きるよ」

本当はあまり眠っていなかった。昨日のお父さんに言われたことが衝撃的過ぎて

私の病気について・・・・それと・・・・

一花「ねぇ、四葉。明日から新しい高校だけど・・・」

四葉「うん♪今度は大丈夫・・・・落第しないから」

一花「・・・・・」

四葉は正直言って普通ではない、ちょっとおかしな女の子
姉妹とは違う、自分は特別だという事にこだわり過ぎて壊れてしまった

一花「まっ、原因は私なんだけどね」

でもその程度の事をいつまでも気にしているようでは大人にはなれないよ

支度をして居間にやってきた

一花「いただきます」

一花「・・・・」パクッ

一花「美味しい、作ったのは二乃?」

中野二乃「そうよ。私以外に誰がこの味を作れるのよ」

一花「そうだね」

中野二乃、姉妹想いの優しい子だけど・・・未だに過去から抜け出せていない

一花「ねぇ・・・二乃」

一花「いつも美味しい料理ありがとう」ニコッ

二乃「・・・・・////」ドキッ

二乃「ど、どうしたのよいきなり」

一花「高校を卒業したら、離れ離れになるかもしれないから」

一花「今のうちに感謝を言っておこうと思って」

二乃「・・・・・バカ////」

中野五月「二乃、お代わりしてもいいですか?」

二乃「まだお代わりする気?太っても知らないわよ」

五月「もう~こうみえてちゃんと運動していますから」

五月「これから、食べ終わったらまた走りに行きます」

一花「うふふっ」

中野五月・・・母親が亡くなった時はずっと泣いていて・・・・落ち込んでいた
私はそんな五月を励まし、支えてきた。今ではまた元気で明るい性格を取り戻した

一花(でも・・・母親の事を未だに気にしている)

月命日には墓参りに行っている。

私としてはもっと前に進んで欲しいけど・・・・・

中野三玖「・・・・・」

三玖「ごちそうさま」

一花「ねぇ、今日も部屋でゲーム?」

三玖「うん・・・」

一花「・・・・最近の私は長岡外史押し」

三玖「!!!!!」

三玖「・・・渋いね。」

一花「あの髭、独特で変わっている」

三玖「私は陸奥宗光」

一花「・・・・地租改正」

三玖「版籍奉還!!!」

一花「下関条約」

三玖「天満屋事件!!!!」

一花「兵庫県知事」

三玖「・・・・・日墨修好通商条約」

一花「うーん・・・・私の負け」

三玖「修業が足りない・・・また出直して」

一花「・・・・・・」

中野三玖・・・歴史オタク(特に戦国時代)の社交性の低い子
正直に言って陰キャラと呼ばれる部類に入る。

もっともっと視野を広げて、四葉ほどとは行かなくても・・・・明るく頑張っては欲しい
将来子供部屋おばさんになりそうで不安だ

二乃「しかし、毎回毎回変な勝負するわね」

五月「一花も歴女なのですか?」

一花「そこまででは無いかな」

一花(三玖との話を出来るように勉強して、歴史検定2級持っているのは内緒)


私は勉強をすれば、人並み以上には対応できる自信はある

しかし、妹達との兼ね合いもあり・・・あえて勉強はあまりしない

一花「・・・・・」

四葉「一花、昨日。お父さんと何を話していたんですか?」

二乃「なんだか真剣な話をしていたみたいだけど」

一花「うん・・・家庭教師の事でね」

一花「わたしのところにくる家庭教師気になるでしょ?」

二乃「男だったら最低ね」

五月「そうですよ」

一花「・・・・・」

一花(男なんだけどね)

・・・・・・

家庭教師の名前は上杉風太郎。昔少しだけ遊んだ子だ

一花(懐かしい、ほんとうに・・・・)

家庭教師の事は正直どうでもいい、それよりも問題は・・・・

・・・・・・・・

一花「ねぇ、お父さん。良い話は?」

中野父「・・・・・」

中野父「家族の事についての話だ」

一花「家族の話・・・・」

一花「まさか・・・・蒸発した・・・」

中野父「いや、それでは無い。君たちの姉妹についてだ」

一花「えっ」

中野父「五つ子だと君たちは思っているかもしれない」

一花「・・・・」

中野父「実際は違うのだよ。八つ子だ」

一花「・・・・えっ」

中野父「零奈はシングルマザーになったため、育てることが困難だと考えた親類はそのうち三人を引き取った」

中野父「強引な形でね」

中野父「零奈は忘れるようにして五つ子として育てようだが・・・」

一花「でもどうして今になってそんな話を」

中野父「その引き取った親類たちが相次いで亡くなって、私が引き取ることにした」

中野父「つまり、君たちは本来の形ある姉妹で暮らすことになる」

一花「・・・・・・・」

・・・・・・

そして今日、その姉妹に会いに行くことになった

一花「えっと・・・確かこの辺りかな」

一花「待ち合わせ場所は・・・」

?「ふーんっ、やっぱり似ている」

一花「後ろ!!!!」

?「初めまして、自分の名前は高野六星。おっと・・・中野六星かな」

一花「私の名前は、中野一花」

髪型は三つ編み、そして眼鏡・・・・典型的な地味っ子

六星「・・・・・・」

六星「うーん・・・・」

六星「体もあんまり変わらない」

一花「・・・・そんなにマジマジと見ないで、恥ずかしいから」

六星「・・・・・クスッ」

六星「前に居た学校での経緯は聞いた」

六星「屑の妹のせいで随分と周りが苦労しましたね」

一花「・・・・・クズ」

六星「四葉と書いて屑と読む。」

一花「四葉の事を悪く言わないで」

六星「事実を言っただけです。屑でしょ?」

六星「赤点になって落第するところを親のコネを使って、転校で済ませる」

六星「屑以外に何ていえばいいのか?」

六星「怒っているんですよ。屑を擁護する貴方たちにも」

六星「同じ血が流れていると想像しただけで反吐が出ます」

一花「・・・・・」

六星「なに黙っているの?」

六星「何か言えよ中野一花!!!!」

ガシッ

一花「痛っ」

六星「許せない・・・・許せない許せない」

ギギギ

一花「痛いっ・・・首が・・・息が・・」

六星「・・・・あっ」

パッ

一花「ゴホッゴホッ・・・ハァハァ」

六星「私は当分は旧姓のまま、家も別々で暮らしますので」

六星「同じ苗字を使うこと自体が汚らわしいです」

六星「あと私も同じ学校に転校する予定です」

六星「私が居る前では四葉みたいな屑は許さない。ちゃんとキッチリと粛清します」

六星「悪い頭でせいぜい真面目にしてくださいね」

一花「・・・・・ぅぅ」ポロポロ



一花「・・・・まだ少し腕の跡が残っている」

一花「痛っ・・・」

一花「屑か・・・・」

一花「確かに私が悪かった。」

四葉を止めることが出来ず、落第させてしまったこと

一花「お姉ちゃん、失格・・・・」

一花「でも・・・これからは。もっと姉妹について・・・真剣に向き合う」

次の日

一花「焼肉定食、焼肉抜きで」

学食のおばさん「あいよ」

一花「・・・・・」

一花(上杉風太郎君が頼んでいたメニュー)

一花(でも、どうして焼肉を抜くのかな・・・ダイエット中?)

?「焼肉定食・・・の焼肉抜き。この学校の学食で一番安いメニュー」

?「まさか、あの上杉以外に頼む人間が居たなんて」

?「見た目貧乏ってわけでもなさそうだし・・・・・変わっているな」

一花「・・・・誰」

?「おっと・・・・名前は三好、戦国の時代のあの三好と同じ漢字」

三好「よろしく」

・・・・・

三好「珍しいね。一人で学食を食べている上杉が女子と食べている」

一花「あれ・・・・私の妹」

三好「へぇー、なかなか攻めるね。転校生だっていうのに」

一花「そういう君は誰かと食べているの?」

三好「ボッチだよ。だから上杉が女子と食べたから・・・・仲間と思っていたのに」

三好「なぁ・・・今から俺と一緒に」

一花「私、別の人と食べるから」

三好「・・・・・・」

三好「いいよ。一人で食うから」

三好「・・・・・」

一花「・・・・・変更。今日一緒に食べる」

三好「・・・////」

三好「ありがとう」

二乃と三玖と四葉は先に食事を済ませていたみたいで、私も他に食べる人が居なかった

一花「美味しい・・・」パクパク

三好「ここの学食はレベルが高いみたいだ」

三好「だから弁当を持ってくる人間は少ない」

一花「でも三好君はお弁当だ」

三好「そりゃあ・・・金が掛からないからね」

三好「今朝取れた新鮮の野草に、バッタとカマキリ・・・・そして蟻」

三好「豪華な弁当だろ?あげないけど」

一花「・・・・それ本気?」

三好「バッタは美味しいぞ、ほらっ」

ボリボリボリボリ

一花「うっ・・・・・」

一花(一緒に食べるんじゃなかった。明日は止めておこう)

三好「しかし、どうしてこの時期に転校してきたんだ?」

ボリボリボリ

三好「不祥事でも起こした?」

一花「・・・・・・」

一花「どうして説明しないといけないの?」

一花(しかも、前に居た学校まで・・・どうして知っているの?)

三好「いや・・・・」

三好「何か楽しい事が起こりそうな、雰囲気じゃん」

三好「美少女姉妹が転校生って・・・」

三好「あの上杉を巡り、ドロドロとした恋愛劇が起こったりして」

ボリボリボリ

一花「・・・・・・」

キーンコーンカーンコーン

放課後

三好「あーあ、終わった終わった」

転校生の紹介、同じクラスになったのは中野一花。五つ子でみんなの話題はその子に注目だ

ザワザワ

三好「早く帰って、風呂掃除でもしよう」

?「ねぇ、ちょっといい?」

三好「誰?」

?「あっ・・・ごめんなさい。高野六星と言います」

三好「・・・・・?」

・・・・・

三好「君も転校生なんだ。災難だね」

三好「五つ子と同じ日に転校だなんて」

六星「そんな事はどうでもいいんです。格下相手に嫉妬するのって恥ずかしいじゃない」

三好「格下って」

六星「いや、三下です。」

六星「これを・・・拾いました」

三好「生徒手帳」

六星「名前は中野三玖と書いてあります」

三好「中野三玖・・・転校生の姉妹か?」

六星「はい。そうみたいなんです」

三好「じゃあ、先生に届けないと」

六星「それはダメ。」

三好「どうして・・・落としたんなら、先生に届けないと」

六星「転校初日に生徒手帳を落とすって事は・・・先生の評価が下がります」

六星「大切な物を管理できない・・・そんな評価になるでしょう」

三好「・・・・そうなのか」

六星「そう!!!!絶対に下がる」

三好「じゃあどうすれば・・・」

六星「届けるんです。直接」

三好「届ける・・・・」

六星「昼ご飯、姉妹の中野一花さんと仲良く食べていました。」

六星「貴方が話しかければ、きっと一花さんも喜ぶはず」

三好「・・・・・・・」

三好「分かった。でも場所が分からない」

六星「この生徒手帳に住所が書いてあります」

・・・・・

正直言って、女の子の家に行くなんてかなり危険な事だ

変な噂が流れたりしないか・・・

でも、生徒手帳を届けるだけ。それだけでの事なら・・・

三好「・・・・このマンションか。随分と上流階級の住んでいる雰囲気」

六星「上流階級ですよ。彼女たちは・・・」

六星「何も不自由なく、ヘラヘラと暮らしている」

三好「そうなのか?」

六星「・・・・・・」

六星「あっ・・・中野三玖さんが居る」

三玖「・・・・生徒手帳。生徒手帳・・・・」

六星「早く、生徒手帳を・・・」

三好「わ、わかった・・・頑張る」

三好「・・・・・」

三好(落ち着け・・・落ち着いて・・・落ち着いて・・・)

三好「(*´Д`)ハァハァ・・・」

三玖「ひぃっ・・・・」

三好「中野・・・三玖だよな・・・頼む・・・そのまま聞いてくれ」

三玖「あっ・・・あっ・・・」

タッタッタッタッタ

三好「マンションの中に入った・・・ハァハァ・・・」

三好(このまま逃したら明日まで、生徒手帳は・・・・・)

三好「させるか、ドアが閉まる前に・・・」

タッタッタッタッタ

ガシッ

三好「待て!!!!」

三玖「いやっ、放して」

三好「話を・・・話を・・・(*´Д`)ハァハァ」

ボコッ

三好「くべっ」

二乃「なに、コイツ」

五月「変質者です。三玖・・・早くこっちに来てください」

三玖「うぅ・・・」

タッタッタッタッタ

三好「くそっ・・・後ろから殴りやがって」

三好(なんとしても下がるわけには・・・生徒手帳を渡すまでは・・・・)

三好「うぉぉぉぉぉぉ」

タッタッタッタッタ

・・・・・

三好「ここか・・・」

ピーンポーン

ピーンポーン

ピーンポーン

三好「頼む。話を聞いてくれ!!!!」

ドンドンッ

ドンドンッ

三好「おい!!!!」

三好「ハァハァ・・・」

三好「くそっ、どうすれば・・・」

警官「そこの君。ちょっとこっちに来てもらおうか」

三好「警察・・・・」

ザワザワ

三好「凄い騒ぎになっている」

警官「さぁ、大人しく・・・・」

三好「・・・・・・」

三好「捕まるなんてごめんだ」

ガシッ

三好「逃げきってやる」

タッタッタッタッタ

タッタッタッタッタ

警官「待て!!!!」

・・・・・・

一花「今日もオーディション。ダメだった」

一花「私には才能が無いのかな・・・」

ザワザワ

ザワザワ

一花「騒がしい。一体なんだろう」

四葉「あっ、一花・・・・遅かったね」

一花「四葉、どうしたの?」

四葉「三玖を襲った不審者が居たみたいなんだ」

一花「えっ・・・」

四葉「でも大丈夫。安心して・・・・なんともなかったみたい」

一花「・・・・・・」

一花(新しい生活が早々、不安に・・・・なる)

・・・・・・

三好「ハァハァ・・・」

三好「どうして・・・こんな事に・・・・」

三好「・・・・そうだ。六星に連絡を取れれば・・・勘違いだと分かってくれるはず」

三好「でも・・・・」

警官A「いたぞ」

三好「また見つかった」

警官B「捕らえろ。」

ガシッ

警官C「捕まえた」

三好「放せ、この・・・・」

ボコッ

警官C「うぐっ」

三好「・・・・くそっ」

警官A「覚悟しろ・・・この餓鬼」

三好「・・・・」

・・・・・・

警官A「どうして、彼女に執着を?」

三好「生徒手帳を渡そうとして、逃げられた」

三好「だから追いかけた」

三好「持っていないと・・・・困る」

警官B「君ねぇ・・・もっと考えて行動しないと」

警官A「家族がもうすぐ来るから・・・・」

三好「家族に連絡したのか!!!」

三好「なんで!!!!」

警官A「・・・・・大問題になっている」

三好「・・・・」

三好「分かりました」

三好(生徒手帳1つで・・・・ここまでになるなんて。)

三好(不幸だよ)

それから数時間待ち

午後10時となった

三好「・・・・・・・」

ガチャッ

警官A「今日はもう、帰っていいぞ」

警官B「ほらっ」

中野父「・・・・三好君。」

三好「・・・せっ、先生!!!」

中野父「私が代わりに君を引き取りに来た」

三好「・・・・・・」

・・・・・・・・

三好「・・・・」

三好「仕事で忙しいのに、先生が来てくれるなんて」

中野父「気にするな、帰るついでに寄っただけだ」

中野父「話は全て聞かせてもらった。」

三好「言っておくけど、自分はただ生徒手帳を渡したかっただけだ」

三好「本当に」

中野父「分かっている。」

三好「・・・・・」

中野父「今日はしっかり休みなさい。そして問題を起こした女の事は近づかない事」

三好「分かりました。二度と近づきません」

中野父「・・・・姉にもよろしくと伝えてくれ」

三好「はい・・・」

・・・・・・・

中野父「まったく・・・・次から次へと問題を・・・・」

次の日

食堂

一花「三玖大丈夫?」

三玖「うん・・・」

二乃「まさか三玖を狙う変態が、この学校の生徒だなんて」

四葉「一花、一緒のクラスなんだね。どうだった?」

一花「うーん、今日は生徒会指導室で1日反省文を書いているらしいから」

一花「会っていない」

二乃「二度と来ないで欲しいわね」

五月「お待たせしました。」

四葉「遅いよ~」

風太郎「と、友達と食べている!!!1」

五月「すみません、席は埋まっていますよ」ニヤニヤ

一花(風太郎君・・・五月と仲が良いね)

風太郎「くっ・・・・」

一花(ここは、ちょっと遊んでみるか)

一花「あれ?・・・行っちゃうの?」

風太郎「!!!」

風太郎「そりゃあ・・・・」

一花「席、探していたんでしょ?私たちと一緒に食べていけばいいよ」

五月「!!!!」

四葉(コイツ・・・また・・・)

風太郎「食えるか!!!」

一花「なんで?美少女に囲まれてご飯食べたくないの?」

一花「彼女いないのに?」

風太郎「き、決めつけんな!!!!」

一花(もう少し、攻めてみようかな)

一花「五月ちゃんが狙いでしょ?」

風太郎「!!!!!」

風太郎「別に狙っているわけじゃ・・・」

一花「本当に五月ちゃんなんだ!!!!」

風太郎「・・・・・」

一花「ずばり決めては真面目なところ?好きそうだもんね」

一花「あっ、そうだ。私が呼んであげるよ」

風太郎「余計なお世話だ。自分のことは自分でなんとかする!!!」

一花「・・・・・・」

一花「男らしいこと言うじゃん」

バシッ

一花「困ったら、この一花お姉さんに相談するんだぞ」

一花「面白そうだし」

一花(風太郎君の反応は楽しい♪スッキリする)

ザワザワ

ヒソヒコソヒソ

三好「・・・・・・」

三好(みんな視線が痛い。まるでゴミを見るような目だ)

三好「今日は弁当を作ってこなかったし、どうしようかな」

三好「我慢するか・・・」

・・・・・

屋上

三好「昼休みはここでひと眠り・・・・」

三好「うーん、今日も良い天気」

三好「おやすみ~」

?「あれ?三好君」

三好「同じクラスの・・・松井さん・・」

松井「ちゃんと反省している?」

三好「もう一生分くらい」

松井「・・・・・」

松井「本当に転校生の中野さんを・・・・」

三好「そう思うなら、そう解釈してくれ」

三好「事実、学校ではそういう流れがきている」

松井「・・・・ちょっとおかしな人だとは思うけど。悪い事はしない人」

松井「三好君とは2年間同じクラスだけど・・・・・」

三好「・・・・・」

三好「ありがとう」

松井「そうだ。このチケットあげる」

三好「映画のチケット」

松井「『グログロスプラッター』って映画なんだけど・・・・私、そういうの苦手で」

三好「早速帰って映画館へ行ってみるよ」

松井「その前に・・・反省文、頑張ってね」

三好「・・・・・おう」

キーンコーンカーンコーン

私は姉妹に秘密を2つ抱えている

1つは私が母と一緒の病気を患っている事
もう一つは五つ子ではなく、八つ子だという事

お父さんには自分で説明をするから黙ってて欲しいと言った

いつ説明するか・・・まだ決めてもいない

一花「・・・・・」

六星、彼女は私達姉妹に対しての敵対心が強く、下手に合わせると最悪の展開が待っているのは確実

一花「残り、二人の妹に会ってみることにしよう」

・・・・・・

一時間後

一花「同じく、この学校には通っているはずなんだけど」

一花「まったく見つからない」

♪~♪~

一花「歌声・・・・」

一花「空き教室の方から・・・・・」

ガラガラガラ

?「♪~♪~♪~」

一花「・・・・・・」

?「♪~♪」

?「ふぅ・・・・」

パチパチパチパチ

一花「凄い、上手・・・」

?「えっと・・・」

一花「私の名前は中野一花、よろしくね」

高橋七季「高橋七季と言います。」ペコリッ

一花「七季・・・もしかして中野七季」

七季「あっ・・・はい。今は旧姓の方を名乗っていまずが、いずれは・・・」

七季「どうしてそれを・・・」

一花「私、姉の一花」

七季「あっ・・・・ごめんなさい」

七季「私の為に会いに来てくれるなんて・・・」

一花(この子・・・目の焦点がおかしい。目が見えていない?)

一花「歌・・・上手だね」

七季「・・・・・いえっ、私なんてまだまだです」ヘラヘラ

七季「・・・・・」

七季「あの・・・お金なら、今は持っていないので・・・・また一週間後に」ヘラヘラ

一花「お金・・・?」

ガラガラ

「おーい。七季~こんなところにいたのか」

「さぁ、遊ぼうぜ」

七季「あっ・・はい」

七季「すみません。また今度・・・・」

タッタッタッタッタ

一花「・・・・・?」

・・・・・・・

映画館前

三好「この映画チケット。2名まで入れるんだな」

三好「・・・・・」

カップルA「イチャイチャ」

カップルB「イチャイチャ」

カップルC「イチャイチャ」

三好「カップルだらけ・・・」

三好(一人で見るのは浮いている)

三好「誰か・・・誘うべきだったか?」

三好(そもそも学校に友達なんていない自分に・・・・誘う人は居なかった)

三好「・・・・・・」

?「・・・・・」

三好「あれは・・・長久・・・八瀬。」

三好「長久八瀬!!!!」

長久八瀬「!!!!!」


三好「頼みのがあるんだよ」

八瀬「・・・・・?」

八瀬「・・・・・」

サラサラサラサラサラ

『もう少しゆっくりと話してくれませんか?』

三好「あっ・・・」

三好「えっと・・・」

八瀬「・・・・・」

サラサラ

三好「書かなくていい。手話で話す」

三好「えーっ、映画の・・・チケット・・・・あるから一緒に・・・みよう・・・と思っている・・・けど・・・」テキパキ

三好「ダメか・・・?」テキパキ

八瀬「・・・・」シュッシュッシュッ

三好「えっと・・・オーケー?」

八瀬「・・・・・」コクッ

三好「よしっ!!!!」

長久八瀬・・・・聴覚しょうがいで生まれつき・・・良く聞こえない

自分の通っている高校はしょうがい者も積極的に受け入れている。

1年生の頃は、そういった者と交流をする役目をしていたから。接点があった

三好「・・・・・ポップコーン奢るよ」

八瀬「・・・・」シュッシュッシュッ

三好「えっ・・・お金は大丈夫かって?」

三好「気にするな。カッコつけさせろ」

八瀬「・・・・・?」

三好「あっ・・・」

八瀬「・・・・・」

カキカキ

『聞き取れなかったけど・・・ありがとう』

三好「・・・・」

男子生徒「おやおや~、ガイジとヘンタイが一緒にいるぞー」

クスクス

女子生徒「お似合いなんじゃない。」

クスクス

三好「・・・・・いくぞ」

八瀬「・・・・・」

三好「気に・・・するな・・・あんな・・やつ・・・ら」テキパキ

八瀬「・・・・・」シュッシュッシュッ

三好「『早く映画を見よ』・・・・そうだな」

三好「・・・・」

・・・・・

一方その頃

タワーマンション

五月「ちがいます。私達・・・・」

五月「五つ子の姉妹なんです」

風太郎「・・・・・」

風太郎「・・・・・」

この時は誰もまだ、想像にしていなかった

五つ子ではなく、八つ子であり・・・

物語も大きく狂っていくことになる・・・・

今はまだ。はじまりのお話・・・・

次の日

三好「ハァハァ・・・・」

タッタッタッタッタ

三好「ハァハァ・・・・」

タッタッタッタッタ

六星「ハァハァ・・・・」

六星「貴方も朝からジョギング?」

三好「お金かからないし、時間も潰せて、健康にも良い。一石三鳥」

三好「この間は・・・アンタのせいで散々な目に遭った。」

六星「私のせい?あれは自業自得」ニコニコ

三好「チッ」

三好「・・・それじゃあ」

タッタッタッタッタ

六星「・・・・・また、有効活用できる時が来たら、使ってあげます」

・・・・・

一花「・・・・・眠れない」

一花「ここ最近は色々と考え込んで・・・・」

役のオーディションも落選、そして・・・病気や姉妹の事

一花「さらには・・・三玖を狙う三好くん。」

一花「・・・・・」

昨日

中野父「三好くんとその家族とは既に話は済ませてある」

中野父「むこうも近づかないと、了承した」

中野父「気にするな」

一花「でも・・・」

中野父「私が保証する」

・・・・・・

一花「お父さん、三好君の事で何か隠している・・・」

ガチャッ

風太郎「ここに人が住んでいるのか?」

一花(きた・・・家庭教師さん)

一花(ここはちょっと、演技で疲れているのを誤魔化して・・・)

一花「ふぁ~、おはよー」

四葉「もぅ~この前片づけたばかりなのに・・・」

一花「・・・・」

片付け出来ない女を演じる。ダメなお姉ちゃんを演じることで・・・四葉は私に対して優越感に浸るはず

一花「まさか風太郎君が私たちの先生だなんて」

風太郎「さっさと居間に来い」

一花「あー、だめだめ」

一花「今・・・服着ていないから照れる」

風太郎「な、なんでだよ!!!」

一花「私って寝るとき、基本裸じゃん?」

一花「あっ・・・・一応、ショーツは履いているから。安心して」

風太郎「・・・・・そういう問題じゃ」

一花「四葉、そこらへんにある服を適当に頂戴」

四葉「・・・・・」

一花(反応が楽しいから、もう少しからかってあげよう)


結論から言うと今日は二乃が睡眠薬を風太郎君に仕込んだせいで、勉強は中止になった

そして五月が風太郎君を家まで送っている

公園

一花「ハァ・・・ちょっと勉強教わりたかった」

三好「ハァ・・・」

一花「あっ・・」

三好「あっ・・・・」

三好「・・・・」

三好(なんでこんな時に・・・)

三好(別の公園に行こう)

一花「待って・・・・」

三好「待たない。先生と約束している」

一花「・・・・先生?」

三好「と、とにかく・・・さようなら・・・」

一花「どうして三玖を襲ったの!!!!」

三好「生徒手帳を渡したかっただけだ」

一花「生徒手帳・・・・?」

三好「・・・・ああ、そうだよ」

一花「・・・」

色々三好君から話を聞いた。

・・・・

三好「・・・・・」

一花「それで家族とも喧嘩して、今に至ると・・・」

三好「滅茶苦茶怒られて・・・・嫌になり、出て行った」

三好「・・・・・」

一花「どうやら・・・誤解があるの分かった」

一花「でも・・・少し、悪い」

三好「・・・・・そんなに悪いか?」

一花「強引すぎ」



三好「・・・・・そっか。俺が悪いか」ショボーン

三好「・・・・」

三好「本人に謝りたい・・・」

三好「明日、なんとか謝れるように・・・説得してくれないか?」

一花「・・・・」

一花「分かった・・・」

三好「・・・・・ありがとう」

一花「それで・・家族と喧嘩して家を出たのに。どうするのこれから?」

三好「・・・・朝までその辺をブラブラしているよ」

一花「家にはちゃんと帰らないと、心配している」

一花「これ以上は心配かけちゃダメ」

三好「しかし」

一花「だったら・・・」

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