ボッスン「超高校級のマジシャン?」 (27)

これまでのあらすじ

ミルク藤崎は本番でミルキーウェイしてしまった!!

その結果……

シルク「破門ばい!! あんたとは口は聞きとうなか!!」

シルクに破門通告されたのだ!!

ロマン「詳しくは単行本26巻を見てね!!」

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ボッスン「うわあああああああああああああん!!!」

ヒメコ「ちょ……泣きすぎやろボッスン!! どないしたんや!!」

ボッスン「シルクに破門って言われたああああああああああああ!!! もうシルクとマジック談義できないいいいいいいいい!!!」

ヒメコ「自分の所為やろ……」

ボッスン「俺は……マジック界の汚点だ」

ヒメコ「大袈裟やろ!!」

スイッチ『ボッスン、まだチャンスはある。 シルクに物凄いマジックを見せて見返してやればいいんだ』

ボッスン「スイッチ……?」

スイッチ『実は今日、俺の近所に超高校級のマジシャンが来るんだ』

ボッスン「超高校級のマジシャン?」

スイッチ『そう、超高校級のマジシャンの夢野秘密子だ』

ボッスン「あれ……なんか聞いた事あるような」

スイッチ『ある特定の分野に対して突出した才能を持つ生徒が集まる希望ヶ峰学園。 その生徒だ』

スイッチ『夢野秘密子は超高校級のマジシャンとしてスカウトされたんだ』

スイッチ『世界中の手品愛好家が集う『マジシャンズキャッスル』という集団から、最年少での『マジシャン・オブ・ザ・イヤー』に選出された事もある』

ボッスン「あっそうだ!! 思い出した!! テレビで見た事ある!!」

ヒメコ「めっちゃ凄い人やん!!」

スイッチ『彼女に弟子入りして物凄いマジックを取得すればきっとシルクも見直すだろう』

ボッスン「そうだな……弟子にしてもらえるかは分からねえけど……行く価値はある」

ボッスン「よし!! ヒメコ、スイッチ!! 行こうぜ!!」

ヒメコ「アタシも行くん!?……なんか嫌な予感しかせえへん」

スイッチ『気の所為だといいな』
















スイッチ『着いたぞ』

ボッスン「スゲー人だかり!!」

『それでは夢野秘密子さんの登場です!!』

ヒメコ「!! 出てくるで!!」

スタスタ……

ボッスン「!!」

夢野「んあー……」

ボッスン「出た!! 生夢野!!」

ヒメコ「ちっこい!! めっちゃかわええ子やん!!」

ボッスン「早くマジックを見せてくれー!」

夢野「……」

ボッスン「……ん?」

夢野「めんどいから今日は中止じゃ……」

ボッスン「はぁ!!?」

『ちょ、夢野さん!!?』

夢野「生憎今日はMP切れで何もできんのじゃ……」

スタスタ……

スイッチ『裏に行ってしまったな』

ヒメコ「アカン!! 超高校級のマジシャンがミルキーウェイしてもうた!!」

ボッスン「……許せねえ」

ヒメコ「ボッスン……?」

ボッスン「俺を始め、色んな人がマジックを楽しみにしてるのに……」

ボッスン「それを『めんどくさい』の一言でぶち壊しにするなんて……許せねえ!!」ダッ

ヒメコ「ちょ、ボッスン!!?」

夢野「……」

夢野「んあー……」

ボッスン「夢野秘密子!!」バッ

夢野「んあ?」

ボッスン「お前のマジックを楽しみにしている人が何人いると思ってんだ!!」

ボッスン「自分がやるべき事を投げ捨てるんじゃねえ!!」

夢野「……誰じゃお主は」

ボッスン「俺は……スケット団だ!!」

ヒメコ「ボッスン、『俺』やないやろ?」

スイッチ『『俺達』だろ?』

ボッスン「お前ら……」

夢野「なんじゃ、そのスケット団というのは……」











夢野「成る程、学園の助っ人……」

夢野「……そうじゃな、もしお主らがウチを助けてくれるなら……やる気を出してもいいかのう」

ボッスン「本当か!!?」

ヒメコ「助けるって……何をすればええんや?」

夢野「ウチの悩みを解決してほしいんじゃ」

スイッチ『その悩みというのは?』

夢野「実はな……」

夢野「誰も……ウチが魔法使いだと信じてくれないんじゃ」

ボッスン「……」

ボッスン「……は?」

夢野「ウチの魔法を手品と称する事で、魔法の存在を隠そうとする連中がおるのじゃ」

夢野「その陰謀のお蔭で……ウチは手品師として有名になって……世界中の……マジックショーから出演依頼が殺到し……」

夢野「ううっ……ウチはマジシャンではないのに……魔法使いなのに……誰にも認めて貰えん……」

夢野「どうせ今日の魔法も……手品と言われるんじゃ。 そう考えるとやる気がなくなってしまってのう……」

ボッスン「……」ポカーン

ヒメコ「……」ポカーン

夢野「……なんじゃ、ウチに見惚れておるのか?」

ヒメコ「ちゃうわ!!」

ボッスン「そういうタイプの人だったのか……テレビでしか見てないから分からなかった……」

夢野「ウチを呪縛から解放してくれんかのう」

スイッチ『どうするボッスン』

ボッスン「……」

ボッスン「要は魔法使いじゃなくてマジシャンだと思われればいいんだろ?」

夢野「逆じゃ!!」

ボッスン「あるぜ……タネも仕掛けもない……とびっきりの魔法がな!!」

夢野「なんじゃと!!?」

スタッフ『ちょっと君達!! 何勝手にステージの裏に来てるの!!』

夢野「別によい」

スタッフ『夢野さん!!?』

夢野「……詳しく教えてくれんかのう」

ボッスン「実はな……」ゴニョゴニョ

夢野「んああ!!? お主……本当にそれができるのか!?」

ボッスン「ああ!!」

夢野「……やってみるかのう」

ヒメコ「ボッスン、何教えたんやろ」

スイッチ『分からん』












夢野「お主ら、待たせたのう。 MPが回復したので戻ってきてやったぞ」

夢野「今から披露するのは……正真正銘の魔法じゃ。 タネも仕掛けもないわい」

夢野「それじゃあ早速……特別ゲストに来てもらおうかのう」

夢野「……ミルク藤崎じゃ!!」

ボッスン「どーもー!!」

シーン……

ボッスン「……あれ、拍手がいっぱい贈られると思ったんだけど……」

ヒメコ「アカン、あの時だけじゃ知名度があらへん!!」

ヒメコ「ていうか何するか分からへん!!」

スイッチ『二人を信じるしかないな』










夢野「ウチの魔法を使ってこのミルク藤崎を……」

夢野「板東英二にしてやるわい!!」

「えーー!!?」

「マジかよ……そんな事できるのか?」

夢野「藤崎、準備はよいな」

ボッスン「いつでもいいぜ」

夢野「1……2……」

夢野「んああっ!!」

ボッスン「……」パッ

「うおおおお!! すげーーーー!!!」

「マジで板東英二だーーーーー!!!」

スイッチ『どうやら魔法の正体はボッスンの顔芸だったらしいな』

ヒメコ「……」














ボッスン『あるぜ……タネも仕掛けもない……とびっきりの魔法がな!!』













ヒメコ「いや、ホンマに……」

ヒメコ「タネも仕掛けもないやん!!」

「こち亀の両さんになってー!!」

夢野「んあっ!!」

ボッスン「……」パッ

「夢野さんになってー!!」

夢野「んあっ!!」

ボッスン「……」パッ

「タクシーになってー!!」

ヒメコ「人ですらないやん!!」

ボッスン「……」パッ

ヒメコ「なんでできんねん!!」

「すげーーーー!!!」

夢野「どうじゃ!! これでウチが魔法使いだと分かったか!!」

「夢野さんってマジで魔法使いなんだなー!!」

ボッスン「ミルキーウェイ☆」

シーン……

ボッスン「なんでシラケるの!!?」

「俺の顔も変化させてー!!」

夢野「すまんの……ウチにもできることとできないことがある。 顔を変化させれるのは藤崎だけじゃ」

「なんだー……」

夢野「さて……そろそろ藤崎には退場してもらおうかの」

ボッスン「えっ」

夢野「……ありがとのう。 ウチも本格的にやる気になったわい」ボソ

ボッスン「……そっか、頑張れよ」ダッ












ボッスン「ふぅ」

ヒメコ「ボッスン全然手品してへんやん!!」

ボッスン「う、うるせえな!! 魔法っぽいっつったらこれしか思い浮かばなかったんだよ!!」

スイッチ『何にせよ大成功だったな』

ボッスン「ああ」

ボッスン「……頑張れよ夢野」

夢野「ここからはウチの飛びっきりの魔法を見せてやるわい」

「えーーー!!?」

「もっと顔魔法見たーーーい!!」

「ミルク藤崎を出せーーーー!!!」

夢野「ん、んあ……?」












ヒメコ「ちょ……どないなっとんねん!! ボッスン呼ばれとるやん!!」

スイッチ『まさかボッスンが超高校級のマジシャンを超えるとはな』

ボッスン「……」

ヒメコ「……ボッスン?」

ボッスン「……」ダッ

ヒメコ「ちょ、ボッスン!!? またステージに上がるん!!?」

「ミルク藤崎だしてーー!!」

「ミルキーウェーーーーーイ!!」

夢野「んあー……んあー……」

夢野(なんでじゃ……なんでウチよりも藤崎が必要とされておるんじゃ)

「もしかして……魔法使いなのはミルク藤崎なんじゃないか?」

「そうだ!! だから自分の顔を変化できたんだ!!」

「夢野秘密子はただのマジシャンで……本当は魔法使いじゃないんだ!!」

「ミルク藤崎を出せーーーーーー!!!」

夢野「んあ~~~……」













ボッスン「うるせえぞお前ら!!!」

「!!!!」

ボッスン「夢野師匠はな……正真正銘の魔法使いだ!!!」

夢野「し、師匠……?」

ボッスン「もしこれ以上師匠の悪口を言うんだったら……俺が許さねえぞ!!」

夢野「藤崎……」

ボッスン「師匠……見せてやってくれよ……さっきのよりすげー魔法を!!」

夢野「じゃ、じゃが……お客はウチの魔法なんてもう……」

「あのミルク藤崎がそう言うんだ……よっぽど凄いんじゃないか?」

「見てみたい!! 早く見せてーー!!」

夢野「!!」

ボッスン「……あとはお前次第だ」

夢野「……」

夢野「藤崎、師匠の魔法を……この目に焼き付けておくのだぞ」

ボッスン「おう!!」

夢野「コホン、ではウチの最強の魔法を見せてやるわい」

夢野「……さて、ここに小さな箱があるじゃろ?」

夢野「この箱を開けると……」パカッ

バサバサバサバサ!!!

「うおおおおお!!! すげえええええええ!!!」

「あんな小さな箱にハトが沢山!!!」

夢野「どうじゃ!! 魔法じゃ!!!」











ヒメコ「ちょ……凄いやん夢野さん!! 流石超高校級のマジシャンやで!!」

ボッスン「……」

スイッチ『どうしたボッスン』

ボッスン「……魔法だ」

ヒメコ「は!!?」

ボッスン「間違いない……師匠は……間違いなく魔法使いだ」

ヒメコ「アカン!! ボッスンが洗脳されとる!!」

ボッスン「……ヒメコ、スイッチ。 俺は決めたぜ」

ボッスン「俺は今日……必ず師匠から魔法を教えてもらう!!」

ヒメコ「手品教わりに来たんやろ!!」

スイッチ『ヒメコ、ボッスンにはもう何を言っても無駄だと思うぞ』

こうして夢野のマジックショーは無事成功した。そして……

ボッスン「お願いします師匠!! 俺に……魔法を教えてください!!!」

夢野「んあー……めんどい」

ボッスン「そんな!!? そこをなんとか!!」

夢野「……そうじゃな、お主には色々助けられたし……」

夢野「……簡単なのから教えようかのう」

ボッスン「本当ですか!? ありがとうございます!!」









夢野「……という感じじゃ」

ボッスン「おお!! すげえ!!」

ヒメコ「……アタシらいつまでここにおればええん?」

スイッチ『気が済むまでだろう』

ボッスン「こんなに凄いのになんで誰も魔法だと……」

夢野「……藤崎」

ボッスン「ん? なんでしょう?」

夢野「ウチは……もう少しこの陰謀と付き合ってもいいと思っとるんじゃ」

ボッスン「え……」

夢野「魔法使いと言われないのは悔しいが……」

夢野「まぁマジックと称する事で……喜んでくれる人達がいるなら……」

夢野「マジシャンと言われるのも……悪くないと思うんじゃ」

ボッスン「師匠……」

夢野「すまんのう、ウチが魔法使いだと分からせる為に色々奮闘してくれたというのに……」

ボッスン「いえいえ!! とんでもございません!! 俺は師匠の意見には何の反対もございません!!」

夢野「……よし、次はもっと凄いのを教えてやるわい!!」

ボッスン「ありがとうございます!!」

数日後

『近日公開!! 夢野秘密子&ミルク藤崎、奇跡の共演!!』

シルク「これってどげなことと!!?」

スイッチ『今度のマジック特番でやるらしい。 しかも生放送だ』

ヒメコ「ボッスン完全にスター扱いやん!!!」

タクト「あの……それって今日、ボッスンさんがいないのと関係あるんですか?」

スイッチ『ああ』












茶柱「夢野さん!! 男死は危険ですよ!! 離れましょう!!」

ボッスン「違うって!! 俺はただ師匠と魔法の練習を……」

夢野「んあーーーーーー!!! お主ら、ウチを引っ張るでない!!」

因みに本番当日は牛乳を飲んでミルキーウェイした。

ヒメコ「また同じミスかい!!」

終わり

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