ゼロツー「記憶を操作されてる……!」 (29)

ヒロ「……っ」

ミツル・ココロ「……?」

ゼロツー「あの時と……同じだよ……!」


フトシ「そんなっ!? 二人共、忘れちゃったの!?」


ミツル・ココロ「アナタは……?」


フトシ「……」

フトシ「ん?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526990540

フトシ「二人共、とりあえず落ち着こう?」

ミツル・ココロ「……はぁ」

フトシ「ねえ、皆はどう思う?」

一同「……」

フトシ「ねえ、何か言ってくれないかな」

一同「……」


フトシ「……」

フトシ「なんで?」

ヒロ「あの……どうしてだと思う、ゼロツー」

ゼロツー「多分……余波、かな」

一同「……」

フトシ「ねっ、ねえ! 冗談だよね!?」

ゾロメ「落ち着け[ピザ]! 大声出したってしょうがねえだろ!」

フトシ「ご、ごめん……ちょっと取り乱しちゃって」


ミツル「あの……[ピザ]は、僕の事を知ってるんですか?」

ココロ「[ピザ]くんは、どうして私の事を知ってるの?」


フトシ「[ピザ]が俺の名前じゃないからね!?」

ヒロ「あの……どうしてだと思う、ゼロツー」

ゼロツー「多分……余波、かな」

一同「……」

フトシ「ねっ、ねえ! 冗談だよね!?」

ゾロメ「落ち着けデブ! 大声出したってしょうがねえだろ!」

フトシ「ご、ごめん……ちょっと取り乱しちゃって」


ミツル「あの……デブは、僕の事を知ってるんですか?」

ココロ「デブくんは、どうして私の事を知ってるの?」


フトシ「デブが俺の名前じゃないからね!?」

ヒロ「余波って……そんなの、有り得るの?」

ゼロツー「ボクにだって、詳しいことはわからないよ」

ゼロツー「……でも」


イチゴ「ほっ、他の皆のことは覚えてるのよね!?」

ココロ「えっ? うん、勿論覚えてるよ?」

ミツル「何を言ってるんですか、当たり前じゃないですか」

フトシ「おっ、俺は!?」


ミツル・ココロ「デブ」


フトシ「覚えてるか聞いたんだよ!」


ゼロツー「……他の皆との違いなんて、それ位しかなくない?」

ヒロ「……」

  ・  ・  ・

一同「……」


ゴロー「さすがに、あのままロビーで騒ぎ続けるのも、な」

ミク「でも、本当に記憶を消されてるだなんて……」

ゾロメ「だけどよ、なんでコイツの事も忘れてんだ?」

フトシ「……」

一同「……」


ココロ「ご、ごめんね? 私、知らない内にデブ君に悪いこと言っちゃった?」


フトシ「う、ううん! ココロちゃんは良いんだよ!」


ミツル「……デブは、優しい人なのd」


フトシ「お前はデブって呼ぶなああああっ!」


一同「……」

ヒロ「あの……なんで、名前が固定されちゃってるの、アレ」

ゼロツー「うーん、多分、刷り込みみたいなものじゃないかな」

ヒロ「刷り込みって……あの?」

ゼロツー「うん。操作されて曖昧な記憶に、強烈な印象を与えちゃったんだよ」


ゾロメ「うるっせーぞ、このデブ!」

フトシ「だ、だけどっ!?」

ゾロメ「騒いでねえで、方法を考えんだよ! つか、痩せろ!」


ゼロツー「……あのやり取りが、さ」

ヒロ「……あぁ」

イチゴ「ねえ……イクノは、どうしたら良いと思う?」

イクノ「そうね……考えてみたんだけど、うん、どうでも良いかな」

イチゴ「あ、うん」

ミク「ちょっと! アンタのせいで、ややこしくなったじゃないの!」

ゾロメ「なんだと!? 俺は本当の事を言っただけだろうが!」

ゾロメ・ミク「あぁん!?」

ゴロー「おーい、そのへんにしとけよお前ら」

ゴロー「今は……とりあえず、その……」


フトシ「二人とも! 俺の名前は、フトシ! フートーシ!」

ミツル・ココロ「太い?」

フトシ「見た目から離れてくれない!?」


ゴロー「……あれから何とかしようぜ?」

一同「……うん」

ゼロツー「ココロとミツルの記憶は難しいかも知れないけれど……」

ゼロツー「彼の記憶の方なら、きっかけさえあればすぐにでも戻ると思う」


フトシ「それ、本当!?」


ゼロツー「うん。あくまでも、余波で消えただけだと思うから」

ゼロツー「あー……何て言えばいいのかな」

ヒロ「二人の記憶を消す時に……お腹が引っかかった感じ?」

ゼロツー「そう! そんな感じ!」

ゼロツー「やっぱり、ダーリンはボクの言いたい事をわかってくれるね!」

ヒロ「そんなの、当り前じゃないか」

ゼロツー「……ダーリン」

ヒロ「……ゼロツー」


フトシ「二人共? 俺は、キレたら手が出る男だよ?」

ゴロー「だけど、きっかけって言ったってな……」

イチゴ「私達にわかる範囲での事じゃ……無理な気がするし」

イクノ「ねえ、イチゴ。後で、私達だけの秘密を作らない?」

イチゴ「ううん、作らないよ?」

ミク「元パートナーだし、男子同士だから……色々ありそう」

ゾロメ「あっ! はーいはーい!」


ゾロメ「こいつ、寝てる時にすげえオナラしたことある!」

ゾロメ「しかもさ、めっちゃリズムにのったやつ!」

ゾロメ「マジで臭かったんだけどさ、俺とミツルは爆笑だったんだぜ!?」


一同「……うわぁ」


ミツル「っ!? な、なんでしょう……なんだか、覚えがある気がします!」


フトシ「……ねえ、そんな事あったの?」

ゴロー「良いぞっ! ミツルの奴、思い出しそうだ!」

イチゴ「……男子って、ホント馬鹿」

イクノ「イチゴもそう思う!? でもね、私……イチゴのオナラは、笑わないよ?」

イチゴ「うん、ありがと。でも、怒るよ?」

ミク「ほら、もっと何か無いの!? 頑張んなさいよ!」

ゾロメ「うるっせーなー! 今思い出して……そうだ!」


ゾロメ「こいつ、隠れて色々食ってたんだよ!」

ゾロメ「それでさ、部屋にも食い物隠し持ってたんだよ!」

ゾロメ「その一つに辛いの大量に仕込んで、コイツが食った時の反応がさ!」


一同「……ひでぇ」


ミツル「っ――!」

ミツル「スパイシーだけど……中々いけるね!」


一同「思い出した!?」


フトシ「……ねえ、そんな事あったの?」

ゾロメ「おい! 本当に、思い出したのか!?」

ミツル「ええ……どうして、忘れていたんでしょうか」

ゾロメ「……忘れらんねえよな、あの一言」

ミツル「はい……デブの――フトシの、あの時の言葉は」

ゾロメ「そうさ! 次の日のトイレから出て、一言――」


ゾロメ・ミツル「――俺、お尻爆発したかも知れない」

ゾロメ・ミツル「……」

ゾロメ・ミツル「あっはっは!」


女子達「……うっわ、最悪」


ゾロメ・ミツル「……は?」

ゾロメ「ちょっ、ちょっと待てよ!? 思い出したんだから良いだろ!?」

ミツル「そっ、そうですよ! 結果的には、良かったじゃないですか!」


イチゴ「ねえ……男子って、いつもこうなの?」

ゴロー「……まあ、割と」

イチゴ「……はぁ、男子って」

イクノ「ねえ、イチゴ。今度、食べて貰いたいものがあるの」

イチゴ「ううん、食べないよ?」

ゼロツー「男子って、仲が良いんだね♪」

ヒロ「う……うん、そうだね」


ゾロメ・ミツル「ほらっ! 皆もこう言ってる!」


フトシ「うん、何が?」

  ・  ・  ・

イチゴ「とりあえず……ゾロメとミツルは、ミクに任せたけど……」


フトシ「うん、ありがとう」

フトシ「でなきゃ、俺も自分を抑える自信が無かったよ」


ココロ「あの、デブくん……爆発したお尻は大丈夫?」


フトシ「大丈夫だよ、ココロちゃん」

フトシ「そして俺は、フトシだよ」


ココロ「太ましい?」


一同「……」


フトシ「ぶっちゃけね、ミツルが俺を忘れてようがどうでも良いの!」

フトシ「ココロちゃんに思い出して貰えれば、それで!」

フトシ「なのに、何!? さっきまでの仕打ちはさ!」


一同「……」

ヒロ「でも……この分なら、すぐに思い出しそうだね」

ゼロツー「そうだね。元パートナー同士なら、簡単に思い出しそう」


フトシ「やっぱり? ねえ、やっぱりそう思う!?」


ゼロツー「ねえ、ダーリンってお尻が爆発したこと、ある?」

ヒロ「無いけど……それがどうしたの?」

ゼロツー「ううん、何でも無い」ニンマリ

ヒロ「ゼロツー? ねえ、何か変なこと考えてない?」

ゼロツー「さぁ?」ニンマリ

ヒロ「俺に変なもの食べさせる気だろ!?」

ゼロツー「えへへ! バレたか♪」ニコッ

ヒロ「……全く……本当にやめてくれよな?」ニコッ


フトシ「二人共? 無駄にそういうの挟むの、やめてくれる?」

ゴロー「とっ、とにかく! 二人の思い出を話してみろって!」

イチゴ「そっ、そうそう! それが一番よ!」

イクノ「イチゴが、私に名前をつけてくれたの」

イチゴ「イクノ? 今、その話は関係無いよね?」

ヒロ「フトシ! 付き合いが長かったんだから、色々あるよな!」

ゼロツー「そうだね。ボク達の真似だってしてたし」

フトシ「皆……! お、俺……やるよ!」

一同「ああっ!」


フトシ「――ココロちゃん!」


ココロ「はっ、はい!」


フトシ「俺たち、お互いの事が好きだったんだよ!!」

フトシ「なのに、無理矢理引き裂かれたんだ!!」


一同「おい、デブ」

ゴロー「その……嘘は良くないぞ?」


フトシ「嘘!? 俺の中では真実だよ! 何か問題!?」


イチゴ「……いや、あのね?」

イクノ「自分の中の真実を信じる……うん、大事だと私は思う」

イチゴ「イクノ? ちょっと黙ってよう?」

ヒロ「でっ、でもほら! 大事なのは、きっかけだから!」

ゼロツー「イクノ、何か思い出した?」


ココロ「何も感じない」


フトシ「ふぐううううっ!? 何で!?」

フトシ「どうしてなの、ココロちゃん!?」


一同「いや、そりゃそうだろ」

ココロ「あの……ごめんね、デブくん」


フトシ「こ……ココロちゃんが謝る必要ないよ」

フトシ「それに、その……へへっ」

フトシ「ココロちゃんにデブって言われるの、悪くないんだ」


ココロ「デブくん……」


フトシ「うんんっ!」ビクンッ!

フトシ「あの優しいココロちゃんが、俺をデブだなんて……」

フトシ「……」

フトシ「俺……ココロちゃんに無理をさせる位なら、このままでも良い!」キリッ!


一同「……」

ヒロ「……いや、思い出せるなら、絶対に思い出した方が良い」

ゼロツー「……うん、ダーリンの言う通りだ」


フトシ「……二人共?」


ヒロ「忘れたままじゃ……寂しすぎるじゃないか」

ゼロツー「でもね、ダーリンは思い出してくれた」

ヒロ「随分と、時間がかかっちゃったけどね」

ゼロツー「ううん……それでも、ボクは嬉しかったんだ」

ヒロ「ああ……俺も、またキミに会えて良かった」

ゼロツー「……ダーリン」

ヒロ「……ゼロツー」


フトシ「二人共? うーん、何て言えば良いのかな」

フトシ「うん、ぶっとばすよ?」

ゴロー「何か……二人の思い出の品とかは無いのか?」

イチゴ「そう……だね、そういうのって凄く大事だから」

イクノ「ねえ、イチゴ。私のこと、大事にしてくれる?」

イチゴ「イクノ? あのね、もう本当……ね?」

フトシ「思い出の品……」


フトシ「……ある」


フトシ「あるよ! 大事な、思い出の品が!」


一同「!」


フトシ「ちょっと待ってて! 鞄に、大事にしまってあるんだ!」

フトシ「俺と、ココロちゃんの思い出の品!」

フトシ「パートナーとして戦った、記憶に残る物が!」

ゴソゴソッ…!

フトシ「――じゃーんっ!」

…ぴらっ


一同「……白い、布の切れ端?」


ココロ「……」


フトシ「ただの白い布じゃないよ!」

フトシ「ココロちゃんの――パンツの切れ端さ!」

フトシ「ほら、服を溶かす奴と戦っただろ!?」

フトシ「その時に回収しておいたのさ!」グッ!


一同「……」

フトシ「どう!? 何か、思い出してくれた!?」

ココロ「……まだ持っ――」

フトシ「! ココロちゃん! 思い出してくれたの!?」

ココロ「――う、ううん? 何も?」

フトシ「そんなっ!?」


イチゴ「ヒロ、ゴロー。ソイツを取り押さえて」

イクノ「……クソが」

ゼロツー「ダーリンは、ボク達の味方だよね?」


フトシ「何でっ!? 俺、何か悪いことした!?」

ゴロー「……悪いな」

ヒロ「……自覚、無いのか」

ガシッ!

フトシ「ね、ねえ……何? 何なのさ!?」

  ・  ・  ・

一同「――おかえり、フトシ!」


フトシ「へへっ! 盛大に出迎えてくれるなんて、俺、嬉しいよ!」


ココロ「……はじめまして、フトシくん」

一同「……ちゃんと消えてる?」ボソッ


フトシ「……」


一同「……」


フトシ「……忘れないように、食べちゃったんだ」


一同「!?」

ココロ「そんなっ……!?」


フトシ「――ただいま、ココロちゃん!」グッ!



おわり

>>17
誤)ゼロツー「イクノ、何か思い出した?」

正)ゼロツー「ココロ、何か思い出した?」

こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう
名前ミスはちょこちょこすると思います
HTML化依頼出しときます

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom