【からかい上手の高木さん】「テレビ」 (21)

《学校》

木村「西片がテレビに出る!?」

高尾「本当かよ!」

西片「ふっ…まあね!」


そう…このオレ、西片は、昨日街を散歩していたらテレビの人にインタビューをされてしまったのさ!


正直緊張してしまって何を話したのか忘れたけど…


インタビューされた後にテレビの人もこれ、使うかもね。と言っていたんだ!間違いない!


オレはついに、テレビデビューするんだ!


西片「はははは、はははははは!」


高木さん「…」


※作者は小豆島エアプなので、んなわけねぇだろ!って流れもあるかもしれません。ご了承ください。



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今日の学校は、オレがテレビに出る話題で持ちきりだった。


「えー!?テレビー!?」

「いいなー!私もテレビに映ってみたいなー!」


西片「ふ、ふふふ…」


みんながオレを羨ましがっている。そうだろうそうだろう、オレはもう立派な有名人だ。


西片「あ、中井くん」

中井くん「おー、西片。テレビに出るんだって?すごいなー。な、真野」

真野さん「そうだね…」

西片「あ、ありがとう…」


中井くんはともかく、真野さんの目が怖かった…

どこかの教育番組であったぞ、あれは獲物を横取りされないための威嚇だな…


真野さん「ね、ねえ中井くん!」

中井くん「お? はいはい、じゃあなー、西片」

西片「うん…」


真野さんが中井くんの袖を…やるな、真野さん。


…ちょっと羨まし…くないぞ!オレにはまだ、とっておきの楽しみが残っている!


高木さんめ…見てろよ!

西片「たーかーぎーさん!」

高木さん「ん?どうしたの?」

西片「ふふ、うわさはもう聞いてると思うんだけど…」

西片「実はオレ!テレビに出るんだよね!」

高木さん「…」


どうだ高木さん!テレビ出演なんて羨ましいだろう!


高木さん『えっ!?西片がテレビに!?』

西片『すごいだろう!高木さん、負けを認めるかい?』

高木さん『ま、負けました…』

西片『はっはっはっは!やったー!勝ったぞー!』

高木さん『ぐぬぬ…』


高木さん「…みたいなことにはならないけどね」

西片「ええ!?」


また心を読まれた…

高木さん「それで?西片はいつテレビに出るの?」

西片「え?えっと、確か今日の…」


ぐっ…高木さん…ちっとも悔しそうにしないな。

西片「た、高木さん…」

高木さん「なに?」

西片「う、羨ましいだろ!テレビに出られるなんて!」

高木さん「いやー、それほどでも?」

西片「え、なんで!?」

高木さん「だって、テレビに出ても西片の顔なんていつも見てるし…」

西片「なっ!!」


ひどいよ高木さん…いっつもからかってるからって、オレの顔が見飽きたっていうのか…


西片「あ、あはは…そう…」


高木さん「…それに」

高木さん「私はテレビじゃ見られない西片のこと、いっぱい知ってるから」

西片「へ?」


高木さん「こうやって私と見つめ合ってる時の、西片の顔もね」


西片「…はっ!?」


高木さん「あ、その照れたらすぐに顔真っ赤なところも」


西片「う…や、やめてよ、高木さん…」

高木さん「んーん、やめない」

西片「ぐぬぬ…」

高木さん「あれー?耳まで真っ赤だねー」


おかしいぞ…高木さんに自慢するはずなのに、いつのまにかからかわれてるじゃないか!


西片「高木さんめ…!」

高木さん「あははは、あははははは!」

西片「と、とにかく、テレビ、絶対見てよね!じゃあね!」

高木さん「一緒に帰らないの?」

西片「今日は忙しいの!」


万が一のことがある、お母さんが録画してくれてるかチェックしないと…


西片「バイバーイ!」


オレは昼で学校が終わった小学生のように、全力で家まて走って帰った。


高木さん「帰るの早いなぁ」

高木さん「…西片、さっきの気づかなかったのかな…」

高木さん「さーて、私も帰ろっと」

西片「ただいまー!お母さん、テレビは!?」

西片母「あー…もうすぐじゃない?」

西片「ほんと!?」

西片母「こらこら。楽しみなのは分かるけど、帰ったらまず手を洗う!」

西片「はーい!」

西片母「やけに返事いいわね…」

西片母(…あまり期待して見ないほうがいい気がしてきた…あの子の性格的に、使われない可能性だって十二分にあるし)

西片「準備完了!」

西片母「早いな!」

西片「だってさー!テレビだよテレビ!?」

西片母「うん、まあ…そうね、テレビだもんね」

西片母(なんだろう、この嫌な予感は…)

西片「いよいよだ、ドキドキするなぁ…!」

西片母「…」

≪では、次のコーナー…≫

西片「この次ぐらいかな…」

西片母「…ええい、ままよ!」ピッ

≪一回裏、巨人の攻撃は…≫

西片「お母さん!?どうしてチャンネル変えたの!?」

西片母「許して、あなたのためなの!」

西片「なに言ってんの!?リモコン貸して、もう始まっちゃうだろ!!」ピッ


≪ご当地◯◯~!今日の舞台は、小豆島でーす!≫


西片「ふー、間に合った…」

西片母「ああ…」

危なかったじゃないか、お母さんめ。このままオレが見れなかったらどうするつもりなんだ。

西片母(阻止されてしまった…どうしよう、あの子の純粋な気持ちが…)

西片母「あんた、覚悟しときなさいよ」

西片「!?」

西片母「はぁ…」

西片「なにさ…ため息なんかついちゃって」

西片母「…いや、余計なお世話だった。片付けしてるからテレビ見てなさい。そうだ、番組はちゃんと録画してあるから、安心しなさい」

西片「分かったー」

西片母「…ありがとうございますでしょ?」

西片「はい、ありがとうございました!」

西片母「よしよし」

西片「ったく…」

≪次に紹介する観光地は、カップルに大人気のエンジェルロード!≫

西片「む…まだか」

≪…というわけで、住民からも愛されているスポットとのことでした~≫

西片「…あれ、まさか」

西片「このまま番組終わっちゃうんじゃ…」

西片「そ、そんなことはないよね!だって、テレビの人が使ってくれるって…」

西片「…」

≪CMの後も、まだまだ続くよ!≫

西片「まだまだって後5分しかないし…エンディング流れておしまいか…」

西片「…はぁ」

西片「ああ…そうか、あれが建前ってやつなんだ。バカだなあ、一人で舞い上がっちゃって…」

西片「テレビに出るって、みんなにも言っちゃったな…恥ずかしい」

特に何も起こらずに、気づけばダイジェストした風景と共に、エンディングが流れていた。

うまく内容がまとめられていた映像を放心状態で眺めていたオレだったが…

≪協力してくれた小豆島のみんな、ありがとう!≫


西片「えっ!?」

そこには短くカットされてはいたけど、オレがインタビューを受けている姿が映っていた。


〔西片くん、ありがとう!〕


西片「これ…オレだよな…」

≪以上ご当地◯◯でした!来週もお楽しみに~!≫


いい意味で期待を裏切られたオレは、無性に嬉しくなった。


西片「は…ははは!やった!やったー!!」

西片母「なんだ、あんた映ってたんだ。よかったね」

西片「うん!これでオレも、テレビデビュー!」

西片母「うんうん…」

西片「あいつら見たかな!?電話して聞いてみよー!」

西片母「ごはんが先!」

西片「ちぇっ…」

西片「いいや。明日も学校があるし、学校で話そうっと」

西片「高木さんをぎゃふんと言わせてやる…」

《次の日》


高尾「お前、出てなかったな」


中井くん「ありゃー…悪い、テレビ点けてたんだが全然気づかなかった」


木村「そんなことお前言ったか?」


「え?テレビ?」「いいよねー、テレビ」


西片「…」


西片「くそぉ!!誰も気づかなかったのか!!」


あの番組を見てたかどうかの話じゃない!テレビに出てたことすら忘れられてる!!みんな、あんなに羨ましがってたのに…!!


西片「くぅぅ…あれだけじゃ、自慢するにも格好がつかないし…」


西片「悔しい!!テレビに出れたのに!オレが悔しい!!」


…いや待て、まだ希望はあった!!


高木さん「おはよ、西片」


西片「高木さん!!」

西片「高木さん、昨日のオレが出てた番組…」

高木さん「ごめん、見るの忘れてた」

西片「はうっ!!」

高木さん「…ぷくく。ウソウソ、見たよ」

西片「ほんとに!?」

高木さん「西片、すっごい緊張してたね」

西片「緊張は…してなかったよぉ?」

高木さん「ふーん? 目も泳いでたし…なら、へんなこと考えてたりして」

西片「考えてない!」

高木さん「そうなの?」

西片「そうなの!」

西片「でも、オレがテレビに出たこと知らない人のほうが多くて…おかげでごまかす必要はなくなったけど」

高木さん「ごまかすって、何を?」

西片「何をって…その…」


高木さん「天狗になって、みんなに自慢したこと?」

西片「テング?テングって、あの天狗?」

高木さん「そ、天狗」


西片「天狗って…ひどくない?その例え」


高木さん「だって今の西片…」


高木さん「天狗みたいに、鼻まで真っ赤だもん!」


西片「ええっ!?」

高木さん「あ、鼻も伸びてるかも!」

西片「ウソ!?」

思わず鼻を触る。視線を戻すと、高木さんがニヤニヤしながらこっちを見ている。

高木さん「うん、ウソ」

西片「高木さんめ…」


また今日もからかわれた。

高木さんに勝てる日は、やってくるのだろうか…


高木さん「あはははは!顔真っ赤っ赤!」


西片「笑わないでぇ!」

おまけ

《高木さん家》


≪西片くんから見た、この島の魅力を教えてください!≫


西片『ふぇ!?え、えっと…』


高木さん「…ふふ、あわてて言葉につまってる。緊張しすぎだよ、西片」


「…またこれ見てたの?」


高木さん「…お母さん」

高木母「何回も同じところ見て、飽きないの?」

高木さん「むー…いいでしょ、別に」

高木母「いいよ、全然」


西片『こここ、この島は…自然が…その、すごくて!駄菓子屋もあって…それは違うか』


高木母(へぇ…この子が西片くんかぁ…)

高木母(性格良さそうだし…かわいいし。この子が好きになる気持ちも分かるなぁ)


高木さん「あはは、西片、また同じこと言ってる」


高木母「…ふふっ」

高木母(良かったね、いい子が見つかって)


西片『えー、えっとー、ですね…』


高木さん「♪♪♪」

終わり。

最終回のアニオリの高木さんの足バタバタがかわいすぎて…普段あれだけからかってるのに、反撃には弱い高木さん大好きよ!


【からかい上手の高木さん】「引っ越し」
【からかい上手の高木さん】「引っ越し」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521811746/)


アニオリによって、自分の過去に書いたハンカチの流れが黒歴史に…

でも、6話でそのままだったハンカチが、ばっちり補完されてたので良かったです。

おまけは蛇足かもしれないけど、家ではデレるのを隠せない高木さんってのを想像しただけでもう…たまらねぇぜ。


二期が待ち遠しいぜ…


高木さんss増えろ…増えろ…

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