遊馬「ファントム?」 アストラル「世界を渡り歩くデュエリストらしい」 (40)

遊馬「久しぶりに会ったとんだから物騒な話はやめてくれよ」

アストラル「物騒では無いが敵か味方もわからない連中だ」

小鳥「そういうのが物騒って言うと思うけど…」

遊馬「連中?って事は複数人か?」

アストラル「しばらく会わないうちに賢くなったな遊馬」

遊馬「失礼な奴だな!そこまで馬鹿じゃないぜ」

アストラル「私が掴んだ情報では世界…それも別世界を自在に行動できるらしいぞ」

小鳥「別世界?SF的な多次元宇宙?」

アストラル「ああ」

遊馬「ふーん」

アストラル「だから皆にこれを渡してくれ」

遊馬「これ…大丈夫なのか」

アストラル「大丈夫。それに万が一の時の保険というやつだ」

遊馬「任せてくれよ!」

小鳥「そういう万に一つって言うのが的中したりするんだよね」

アストラル「もし危険な連中だとしても遊馬なら乗り越えられる。九十九遊馬だからな」

遊馬「ああ!」

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「今度の世界は何があるんだろな」

「何があるとしても揉め事は勘弁だ。特にこのコンビと来たら…」

「仕方ねえだろ!喧嘩売られたんだぜ?なあ!?」

「そうだよ。僕に喧嘩を売るって事はボコボコにされてもOKって意味なんだから」

「…」

「とりあえず誰かにココが何処なのか聞かないとな…あの人にしよ」

「待て!嫌な予感がするぞ!」

ギラグ「またクビになったのか?」

凌牙「ああ」

アリト「ナッシュは本当にバイト長続きしねえのな」

凌牙「大体な!少し客の胸ぐら掴んだだけでクビってどうなってやがるんだ」

ギラグ「そろそろ大人になれよ。俺とお前もこの桜が散って再び満開になる頃には社会人だぞ?」

凌牙「大学進学って手もあるんだよ」

ギラグ「人間に転生して中学卒業高校進学…気がつけば来年には高校卒業だ」

アリト「何か語り出したぞ」

凌牙「こいつ俺より人間じみてやがるからな。無視しろ無視」

ギラグ「まさに順風満帆ってやつよ!俺は今の生活を手放す気はサラサラ…」

「すみません!」

凌牙「あ?」

「見ろ。どう見ても好戦的そうなタイプだぞ」

「人は見た目じゃわからないだろ?」

凌牙「見ねえ顔だな。何者だよ」

遊矢「遊矢です」

凌牙「ゆうや?それにこいつ…てめえ普通じゃねえな」

アリト「ゆうや?へえ!遊馬と1文字違いじゃねえか!まさかゆうって字は遊ぶの遊か?」

遊矢「うん!やは弓矢の矢って書くんだ」

アリト「遊馬の親戚じゃねえか?」

ギラグ「遊矢なんてザラにある名前じゃねえか」

凌牙「で?他のは何て名前だ」

遊矢「他って?」

凌牙「とぼけやがって…特に白いてめえ!さっきから誰にガン飛ばしてやがると思ってんだ!!」

ユート「どうやら彼には私達が見えるようだ。私の名はユート」

ユーゴ「俺はユーゴだ!タイマン張ろうぜ!」

ユーリ「僕はユーリです」

ギラグ「お前…大丈夫か?どう見たって1人だぞ」

凌牙「平和ボケしてんじゃねえぞ!」

アリト「最近はノンビリとボンヤリと…平和だったもんな」

凌牙「チッ」

ユーゴ「遊矢!俺にやらせてくれよ!いいだろ?」

遊矢「ダメだって!そうやって騒動を巻き起こしちゃうだろ?ただ俺は」

凌牙「こんな得体の知れない奴は敵って相場が決まってんだよ」

ユーゴ「上等!やってやるぜ!」

遊矢「わかったよ。けどデュエルするのは俺だからな」

ユーゴ「遊矢!」

ユート「そうなってしまうか…だが気をつけろ遊矢」

ユーリ「彼は強いよ。久しぶりの大物って感じだね」

遊矢「俺だって負ける気は無いよ」

凌牙「かかって来い!」

凌牙「先攻は貰った!ビッグ・ジョーズを攻撃表示で召喚!そしてカードを1枚伏せてターンエンド!」

遊矢「俺のターン!EMウィップ・バイパーを攻撃表示で召喚!ウィップ・バイパーの効果を発動!1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象に発動!その表側表示モンスターの攻撃力と守備力を入れ替える!」

凌牙「…」

遊矢「バトルだ!EMウィップ・バイパーでビッグ・ジョーズを攻撃!」

凌牙「チッ…」4000→2600

遊矢「ターンエンド!」

凌牙「俺のターン!スカル・クラーケンを攻撃表示で召喚!さらに魔法『浮上』を発動!自分墓地のレベル3以下の魚族・海竜族・水族モンスター1体を対象に発動!選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する!来い、ビッグ・ジョーズ!」

凌牙「俺はレベル3のビッグ・ジョーズとスカル・クラーケンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!潜航母艦エアロ・シャーク!!」

遊矢「ウィップ・バイパーの効果はお互いのメインフェイズでも発動が可能!ウィップ・バイパーの効果を発動!」

凌牙「罠発動!『エクシーズ・リフレクト』フィールド上のエクシーズモンスターに対するモンスター効果・魔法・罠を無効にし破壊する!そして、相手ライフに800のダメージを与える!」

遊矢「うっ…」4000→3200

凌牙「噛み砕けエアロ・シャーク!!」

ユーリ「負けちゃうと思う?」

ユーゴ「なわけねえ!交代しろ遊矢!」

ユート「デュエルは最後までわからないものさ」

遊矢「いてて…」3200→1300

凌牙「ターンエンド!」

遊矢「俺のターン!」

ユート「どうやら勝利の方程式が揃ったようだな遊矢」

ユーゴ「じゃあ交代か!?」

ユーリ「君は本当にうるさいって言うか喧しいよね」

凌牙「丸聞こえなんだよ。言っとくが簡単には俺は倒せねえぞ!」

遊矢「だから全力で倒す!」

アリト「おう遊馬か?今よ、面白え事になっててさ…早く来いよ!場所?場所は」

遊矢「俺はスケール1のオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンとスケール8のオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンでペンデュラムスケールをセッティング!」

凌牙「ルールわかってんのか?そんな所にカードだなんて」

遊矢「そっちだって見た事も無いデュエルディスクで俺達を変な空間に送り込んだじゃないか!」

凌牙「てめえは何処の田舎者だ!こいつはD・バッドとD・ゲイザーって言ってな…ARデュエルって知ってるよな」

遊矢「知らない」

凌牙「は?マジかよ…こんな田舎者に負けたら一生の恥だぜ。けど負ける要素は」

遊矢「ペンデュラム召喚!」

凌牙「どうなってやがる…あのやり方でエラーが出ねえってのか!?」

ギラグ「どうやら遊矢のやり方は」

アリト「反則でもルールを知らねえでもねえ!未知の召喚ってわけだぜ!」

遊矢「レベル7!オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!!」

凌牙「ARデュエルは知らねえ…だが俺の知らねえ召喚法を扱いやがった」

遊矢「バトルだ!オッドアイズ・ファントム・ドラゴンで潜航母艦エアロ・シャークを攻撃!夢幻のスパイラルフレイム!!」

ギラグ「ナッシュ!」

凌牙「嘘だろ…こいつ…こいつは一体…」2600→2000

遊矢「さらにオッドアイズ・ファントム・ドラゴンの効果を発動!ペンデュラム召喚したこのモンスターの攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時、自分ペンデュラムゾーンのオッドアイズモンスター×1200のダメージを与える!幻視の力アトミック・フォース!!」

凌牙「何者だ…!」2000→0

遊馬「面白い事ってなんだよアリト!」

アリト「ナッシュが負けた!」

小鳥「あ、本当だ!シャークが!」

遊馬「誰なんだ?」

アリト「遊矢って言って遊馬の親戚だろ?」

ギラグ「何で親戚だって確定してんだよ」

アリト「名前が似てるじゃねえか」

遊馬「世界を巡ってる?じゃあお前がファントムか!?」

遊矢「有名なの?て言うか俺達の異名を何でお兄さん知ってるの?」

遊馬「アストラル…俺の相棒が言ってたんだ。て言うか俺より年下か?凄えな何か」

小鳥「あ、あの子大丈夫なの?」

アリト「大丈夫だろ。な?」

ギラグ「ま、悪りい顔してねえよ。どっちかっていうと小動物的な可愛い目をしてるしな」

小鳥「ほら…そういう人畜無害なタイプほど」

ベクター「危険ってか?」

小鳥「あ、ベクター」

ベクター「面白い匂いを嗅ぎつけたら、あらまビックリ!ナッシュがぶっ倒れちまってるじゃないの」

遊馬「ベクター!たまには学校来いよな!」

小鳥「ちゃんと来ないと留年するのよ」

ベクター「俺は要領が良いからちゃーんと手は打ってあるんだよ」

遊馬「あまりシャークをからかうなよ」

ベクター「なーに言い触らすだけだぜ」

ユート「逃げるぞ遊矢」

遊矢「どうして?」

ユート「仲間の仇討ちをされたら事だ」

遊矢「そんなタイプには見えないぞ」

ユーゴ「そうだぜ!面白そうなデュエリストがゴロゴロ居るんだぜ!あの色黒もモヒカンも絶対に俺を楽しませてくれるぜ!」

ユーリ「僕はあのお姉さんが良いな」

遊矢「ほら、ユートは用心深すぎるんだよ」

ユート「能天気!好戦的!スケベ!君達トリオのお陰で私がどれだけ苦労してると思ってるんだ!!」

遊矢「ど、怒鳴るなよ。大人しく従うからさ…それでいいだろユート?」

翌日

遊矢「ここがとりあえず俺達の拠点って事にする。いいよな?」

ユーリ「異議無し」

ユーゴ「さあて…じゃあ何で俺達がここに来たのかを説明してくれよ遊矢」

遊矢「天の声」

ユーゴ「で、出た天の声…何時もの導きってやつか」

ユーリ「何者なんだい?君にしか聞こえない天の声って」

遊矢「俺にわからないんだからわかるわけないだろ」

ユーリ「確かにね。それは言えるよ」

ユート「とりあえず私が出て探りを入れる」

ユーゴ「そういうのは平等でやんなきゃダメだろ!」

ユート「騒動を起こすからダメだ」

ユーリ「そう言うけど結果的には良い報告に転ぶじゃないか」

ユーゴ「そうだ!その通りだぜ!」

遊矢「少し厳しすぎないか」

ユート「また再び奴のような怪物に目を付けられたら終わりだぞ」

ユーゴ「あ、あれは例外だろ?」

ユーリ「滅多に居ないでしょ」

ユート「少なくとも昨日デュエルを行った彼は奴と同じ匂いを感じた」

遊矢「少しオーバーなんだよ。とりあえず四人バラバラで行動しよう」

ユーゴ「待ってたぜ遊矢!」

ユーリ「君は本当に話のわかるね」

ユート「はあ…」

遊矢「便利だよな」

黒咲「ああ」

遊矢「ユート達が羨ましいよ。外に出る時は出会ったデュエリストを元に身体を作るんだから」

黒咲「同時に私達は実体が無いという事だ」

遊矢「無茶苦茶怖かった…そいつは本当に」

黒咲「散々追いかけ回されて殺されかけたからな」

遊矢「て言うか行き先一緒でいいんだよな?」

黒咲「あのタワーは間違いなくこの街の中心部…ならば把握する必要がある」

遊矢「ふーん」

黒咲「君は違うのか」

遊矢「人探しに便利かなって」

黒咲「人探し?まさか」

遊矢「昨日のゆうまって人さ」

黒咲「あの男?」

遊矢「うん」

黒咲「…」

遊矢「別にいいだろ?」

黒咲「それは君の勝手だが友達になろうとするなら止めた方がいい」

遊矢「別れが辛いから?」

黒咲「ああ」

遊矢「…ま、考えとくよ」

黒咲「そうか…飛ばせ、ライズ・ファルコン!」

遊矢「お、おい!スピード出すなよ!!」

遊矢「さてと…じゃあ早速」

黒咲「!」

カイト「馬鹿正直に見え見えの侵入を行う泥棒も居るもんだな」

遊矢「い、いや俺は泥棒じゃないよ」

黒咲「…」

カイト「ならばファントムと呼ばれる連中か」

遊矢「知ってるんだ」

カイト「お前の容姿を事細かく伝えてな。九十九遊馬と出会ったのだろ」

遊矢「ゆうま!じゃあ知り合い!?」

カイト「それ以外に何がある」

遊矢「よし!」

黒咲「私達は危害を加えるつもりはない」

カイト「それで泥棒か」

黒咲「…」

カイト「遊馬はお前達を悪人ではないと言っていたが俺は得体の知れない奴を信用しない主義でな」

遊矢「あいつと同じ事を言ってるぞ」

黒咲「そんなものだろ」

遊矢「大丈夫じゃないか?だって」

黒咲「昨日の男ほどユーモアが無いぞ」

遊矢「デュエルをしなきゃ逃げられないってわけかな?」

カイト「ああ」

黒咲「行くぞ遊矢!この男は2人がかりで無いと突破できない可能性が高い!」

遊矢「お、おいユート!」

黒咲「お互いに最初のターンは攻撃ができない!それでいいな」

カイト「俺から行く」

遊矢「どうしたんだお前」

黒咲「昨日の男も奴も…この黒咲隼と同じ匂いがする」

遊矢「よ、よっぽどトラウマなんだな」

カイト「自分フィールドにモンスターが存在しない事で手札からフォトン・スラッシャーを特殊召喚!そしてフォトン・クラッシャーを通常召喚!」

黒咲「レベル4が2体…来るぞ、遊矢」

カイト「俺はフォトン・スラッシャーとフォトン・クラッシャーをリリースし手札から銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

遊矢「来なかったね」

黒咲「…」

カイト「カードを1枚伏せてターンエンド」

黒咲「私のターン!RR-バニシング・レイニアスを攻撃表示で召喚!バニシング・レイニアスの効果を発動!召喚または特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに1度だけ手札からレベル4以下のRRモンスターを特殊召喚できる。私は手札から2体目のRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!」

黒咲「レベル4のRR-バニシング・レイニアス2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!RR-フォース・ストリンクス!!」

遊矢「あれをやるんだな」

黒咲「そしてRUM-レイド・フォースを発動!このカードは自分フィールドのエクシーズモンスター1体を対象に発動!」

カイト「RUMを扱うのか」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク5!RR-ブレイズ・ファルコン!!」

黒咲「私はブレイズ・ファルコンのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手フィールドに特殊召喚されたモンスターを全て破壊し破壊したモンスターの数×500のダメージを与える!」

カイト「…」4000→3500

黒咲「カードを1枚伏せてターンエンド!」

遊矢「俺のターン!ギャラクシーアイズ…オッドアイズと名前が似てるな」

カイト「…」

遊矢「ユートが冷静さを失うのもわかるかも…この人の無感情な感じと昨日のナッシュさんの獰猛さなんて黒咲隼そのものだ。くわばらくわばら…」

カイト「…」

遊矢「EMウィップ・バイパーを攻撃表示で召喚!そして自分がEMモンスターの召喚または特殊召喚に成功した時、手札からEMヘルプリンセスを特殊召喚!」

遊矢「レベル4のEMウィップ・バイパーとEMヘルプリンセスでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

遊矢「カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

黒咲「あいつのフィールドはガラ空き…もしモンスターの召喚に成功したとしても」

遊矢「俺とお前で一斉攻撃だ」

黒咲「私と君が組めば負けは無い」

カイト「俺のターン!魔法『死者蘇生』を発動!蘇れ、銀河眼の光子竜!!」

黒咲「墓地から…だがその考えも」

カイト「バトル!そして銀河眼の光子竜の効果を発動!銀河眼の光子竜が相手モンスターと戦闘を行うバトルステップにその相手モンスター1体を対象に発動!」

黒咲「私のブレイズ・ファルコンが」

遊矢「き、消えた!?」

カイト「…安心しろ。奴らは再び戻ってくる」

黒咲「得体の知れない男だ。私の1番嫌いなタイプ」

カイト「俺もだ。お前のその無機質さが気に入らん」

遊矢「ユート!ほら戻って来た戻って来た」

黒咲「…」

カイト「除外した銀河眼の光子竜とRR-ブレイズ・ファルコンはバトルフェイズ終了時に戻って来る」

黒咲「…オーバーレイ・ユニットを吸収して…か」

カイト「そして吸収した数×500!攻撃力をアップする!」

カイト「カードを1枚伏せてターンエンド!」

黒咲「私のターン!使わせてもらうぞ遊矢!ダーク・リベリオンを狙えば更にアップしていた。だが何故あいつは」

カイト「…」

黒咲「考えている場合ではないな。ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果を発動!」

黒咲「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果を発動!オーバーレイ・ユニットを二つ使い、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象に発動!そのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力はアップする!トリーズン・ディスチャージ!」

遊矢「合計で4250!」

黒咲「それだけでは終わらない!罠発動!『幻影翼』自分フィールドのモンスター1体を対象に発動!そのモンスターの攻撃力を500アップ!」

黒咲「そのドラゴンを再び墓地へ送る!反逆のライトニング・ディスオベイ!!」

カイト「罠発動!『反射光子流』自分フィールド上のドラゴン族・光属性モンスターが攻撃対象にされた時に発動!その攻撃対象モンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで攻撃モンスターの攻撃力分アップする!」

黒咲「!?」

カイト「…やれ」

黒咲「ッッ!!」4000→500

カイト「ターンエンド」

遊矢「俺のターン!」

黒咲「幻影翼を装備したモンスターは1ターンに1度、戦闘または効果では破壊されない」

遊矢「ああ…まだ勝機はある!」

カイト「だったら試してみろ。お前のライフは4000お前は500」

遊矢「…」

黒咲「…相当自分に自信があるようだな」

カイト「…」

遊矢「らしくないぞユート?あの人は黒咲隼ほど狂犬じゃないんだから」

黒咲「わかっている…だが」

遊矢「今はここを突破する事が優先だ!行くぞカイトさん!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで今度こそ!」

カイト「やってみろ」

黒咲「倒せ遊矢」

遊矢「反逆のライトニング・ディスオベイ!!」

カイト「…」

遊矢「やったか!?」

黒咲「いいや」

カイト「罠発動『光子化』相手モンスターの攻撃宣言時に発動!相手モンスター1体の攻撃を無効にし、その相手モンスターの攻撃力分だけ自分フィールド上のモンスターの攻撃力は次の自分エンドフェイズ時までアップする」

遊矢「ターンエンド!」

黒咲「…」

遊矢「間違いなく負ける…気がするんだけど」

黒咲「だろうな」

遊矢「だよな」

黒咲「けど負けるのは気に入らない」

遊矢「当たり前だろ?こんな強敵滅多に見られるもんじゃないだろうし」

カイト「俺のターン!魔法『破滅のフォトン・ストリーム』を発動!自分フィールドにギャラクシーアイズモンスターが存在する場合に発動!フィールド上のカードを1枚選択し除外する!」

黒咲「狙いは私か…遊矢か」

カイト「お前だ」

遊矢「俺!?」

カイト「ああ」

黒咲「…」

遊矢「あたた…」4000→0

黒咲「私はしぶといぞ」

カイト「俺の手札は0だ」

黒咲「私達の旅路を邪魔する権利は誰にもない。例え捕縛されても」

カイト「…ターンエンド」

黒咲「私のターン!」

遊矢「頑張れよユート」

黒咲「ドロー!」

カイト「…天の声」

遊矢「まあ…胡散臭いっていうかさ」

カイト「…」

黒咲「…」

遊矢「これだけは言える。悪党じゃない」

カイト「信用できんな。特にそいつは俺を睨んでいる」

遊矢「ほ、ほら!このノッポとあんたって雰囲気が似てるでしょ?威圧的っていうか眼つきがヤバいっていうか」

カイト「…」

遊矢「ユートのトラウマってやつなんだ。そもそもユートの本来の姿はこうじゃないんだよね…信じてくれる?」

カイト「ああ」

遊矢「本当に!?」

カイト「下らん非科学的なオカルトは腐るほど見てきたからな。だが…」

遊矢「…」

黒咲「…」

カイト「信用はできんな」

黒咲「だったら信用しなくていい。疑り深い奴だ」

カイト「お前もだ」

黒咲「私が?」

カイト「こいつはともかくお前はな」

遊矢「と、とりあえず帰ってもいいよね?」

カイト「勝手にしろ。用があったら呼ぶ」

遊矢「用事?用事って俺達ってここで関係終わりでしょ?それに連絡先も知らない俺を」

カイト「この街で俺の目の届かない場所は無い。街から出れば地の果てでも探し出すぞ」

黒咲「面倒な男だ。この男の高慢な鼻っ柱を折ってやりたい」

Ⅳ「負けたんだろ?マジかよお前」

凌牙「うるせえ!今日帰国して来た奴が何で」

Ⅳ「ベクターからのLINE」

凌牙「あ、あの野郎…!」

Ⅳ「ま、余裕かましてノンビリしてる奴が悪いって事だぜ」

凌牙「どういう意味よ?」

Ⅳ「お前と遊馬とカイトはこの街の顔役よ。その一角がぶっ潰れたんだ」

凌牙「…」

Ⅳ「尻に点いた火が全身に回って火達磨になるのも時間の問題よ。その前に鎮火しねえとお前も終わりってわけだぜ」

凌牙「あんな赤いの次に出会った時は…て言うか誰だこいつ」

Ⅳ「俺がブラジルで巡業中に拾ったガキでな」

デニス「デニス・マックフィールドです」

Ⅳ「こんな華奢なナリでスラム街でウロウロしてやがってよ。苦労したぜ…あいつら本気でかかって来るんだから」

デニス「いやー御世話になりました」

凌牙「お前の帰国と何かあんのか?」

Ⅳ「こんなの連れて歩き回っちゃ極東チャンピオンの品格ってのに傷が付くからよ。だから」

凌牙「兄貴らに押し付けて再び海外に行くってか?セコい野郎だなお前」

Ⅳ「ま、それもあるけどよ。感じるか?さっきから俺をつけてる奴」

凌牙「ファンなんじゃねえか」

Ⅳ「この1ヶ月の間ずっとだ。ストーカーか俺のタマを狙うバカか」

凌牙「はっ!この坊主の身の安全の為にか?随分と優しくなったじゃねえか」

Ⅳ「それだけ俺が大人になったってわけよ」

凌牙「何が大人だ。悪人面しやがって」

蓮「シャバの空気って美味いよなぁ…なあサイコ坊主」

素良「やめてくれないかな」

蓮「事実じゃねえか?そのクソガキ!俺達が出会った旅路の中じゃ最悪の外道だったろ」

素良「それは事実だよね。あの場で遊矢が殺しておかなきゃ被害者は増えてた筈さ」

蓮「じゃあ何でチョイスがそれなんだよ。もっと他に」

素良「中身は腐っても外見は美形だし子供でしょ?女性に可愛がられるんだよね」

蓮「てめえもそいつも変わりゃしねえよ」

素良「君も君じゃない」

蓮「何が」

素良「その白バイ警官…僕らを泥棒か何かと勘違いがして追いかけて来たでしょ」

蓮「背も高いしイケメンだからいいんだよ。それに強かった」

素良「それは言えるよね」

蓮「お前とユートは変わってんだよ。てめえが嫌ってる人間に化けるなんてさ!」

素良「ふーん…けど狂犬も白バイもゲスガキも僕達にかかればチョロいよ」

蓮「ん?」

素良「あれ…」

凌牙「…」

Ⅳ「知り合いかお前」

蓮「ウロウロしてみるもんだぜ。見つけたぜタコ頭!」

凌牙「この感じ…てめえ白いのか」

蓮「おう!昨日は遊矢に取られたがよぉ~今日は俺が相手だ!」

凌牙「昨日の憂さ晴らしには都合がいいぜ。来いよ白いの」

Ⅳ「何だそりゃ…よく分からねえけど俺の相手はお前か?」

素良「さあ…どうでしょうね」

凌牙「先攻は俺だ!セイバー・シャークを攻撃表示で召喚!そして自分フィールドに魚族・水族・海竜族モンスターが召喚または特殊召喚に成功した時、手札からシャーク・サッカーを特殊召喚できる。俺は手札からシャーク・サッカーを守備表示で特殊召喚!」

凌牙「カードを3枚伏せてターンエンド!」

蓮「俺のターン!ホワイト・モーレイを攻撃表示で召喚!そして魔法『白の循環礁』を発動!このカードの効果でホワイト・モーレイを破壊し同名モンスターを手札に加える!さらに魔法『白の水鏡』を発動!墓地のホワイトモンスターを特殊召喚しデッキから手札に加える!」

蓮「さらに魔法『白の繁栄』を発動!手札からレベル4以下のホワイトモンスターを2体特殊召喚!」

凌牙「同じレベルが3体?こいつは」

蓮「言っとくがエクシーズじゃねえぞ!ホワイト・モーレイが墓地からの特殊召喚に成功した時、チューナーモンスターとして扱う!」

凌牙「チューナー?てめえもあいつも何だって俺らの知らねえ…」

蓮「行くぜタコ頭!レベル2のホワイト・モーレイ2体にレベル2のホワイト・モーレイをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!白闘気海豚!!」

凌牙「イルカ…サメの餌だぜ!罠発動!『激流葬』流されちまいな!」

蓮「なっ!」

凌牙「さらに罠発動!『激流蘇生』自分フィールドの水属性モンスターが戦闘または効果で破壊された時に発動!その時に破壊されフィールドから墓地へ送られた自分モンスターを全て特殊召喚し特殊召喚したモンスターの数×500のダメージを与える!」

蓮「面白い事してくれるじゃねえか!」4000→3000

凌牙「やっぱデュエルってのは闘争本能剥き出しの奴とやり合うのが1番面白えよ。なあⅣ」

Ⅳ「一方的に叩きのめすのが1番だろ」

素良「へえ…君とは気が合いそうですね」

蓮「だがな!ここで終わらねえのがユーゴ様の良いところよ!白闘気海豚は相手によって破壊された時、墓地の水属性モンスターを除外する事でこのカードをチューナー扱いとし特殊召喚できる!サメの餌?イルカも結構獰猛なんだよ!バトルだ!」

凌牙「海の王者を舐めんなよ!罠発動!『ポセイドン・ウェーブ』相手モンスター1体の攻撃を無効にし、そして自分フィールド上の魚族・水族・海竜族モンスターの数×800のダメージを相手に与える!」

素良「結構ねちっこい人物ですね凌牙くんは」

Ⅳ「だろ?」

蓮「ここまでやりやがるなんてな」3000→1400

凌牙「水属性で俺と張り合うなんざ1000年早えんだよ!」

デニス「凄いですね。トーマスさんのお友達は」

Ⅳ「Ⅳって呼べって言ってんだろ」

素良「Ⅳ?変わった渾名だ」

蓮「ターンエンド!」

凌牙「俺のターン!キラー・ラブカを攻撃表示で召喚!さらにセイバー・シャークの効果を発動!1ターンに2度レベルを一つ上げるまたは下げる!俺はレベル3のシャーク・サッカーとキラー・ラブカ2体のレベルを共に1つ上げる!」

Ⅳ「レベル4が3体だと?No.を使うってのか」

凌牙「レベル4のシャーク・サッカーとセイバー・シャークとキラー・ラブカでオーバーレイ!エクシーズ召喚!No.32海咬龍シャーク・ドレイク!!」

Ⅳ「No.はNo.でしか破壊されない。言わばモンスターエクシーズの中でも別格よ」

素良「それは違いますよトーマスくん」

Ⅳ「Ⅳって呼べ!っつうか俺より歳下だろ?何がトーマスくんだ!」

素良「僕達にはルールは通用しませんよ」

Ⅳ「無視しやがって…最近の若い奴はどういう教育を受けてやがるんだ」

凌牙「さあ行くぜ」

蓮「これでライフは400削られちまう…だがな」

凌牙「バトル!」

蓮「俺の手はまだ尽きちゃいねえ!」1400→1000

凌牙「シャーク・ドレイクの効果を発動!オーバーレイ・ユニットを一つ使い1ターンに1度、このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時そのモンスターの攻撃力を1000ダウンさせ墓地から特殊召喚する!」

蓮「って事は」

凌牙「あいつに伝えとけ!この神代凌牙が必ず噛み砕くってな!」

素良「負けたか…これで君の連勝記録もストップだね」

蓮「滅多にデュエルしねえ奴に言われたくねえよ!」

素良「僕は君や遊矢ほどデュエル馬鹿じゃないからさ」

凌牙「ぶちかませシャーク・ドレイク!デプス・バイト!!」

蓮「おおおおおおおおおおおおおおおおお」1000→0

凌牙「へっ」

Ⅳ「まあ負けるわけねえわな」

蓮「負けちまったぞユーリ!」

素良「見ればわかるよ。じゃあ次は僕の用事だよね」

凌牙「おい!あいつは何処だ!?」

蓮「あいつ?遊矢か?」

凌牙「ああ」

蓮「何処行ったっけ」

素良「人探しでしょ…っていうか君」

デニス「はい?」

素良「その後ろで監視しているのはお仲間ですか?」

デニス「さ、さあ」

素良「君にはドス黒い匂いがプンプンしますけどね」

デニス「そんな事は無いよ」

凌牙「呼べ!」

蓮「てめえで探せよタコ」

凌牙「何だと!それが負けた奴の言い草か!」

蓮「そんな約束してねえっての!それに俺は白いのじゃなくてユーゴだ」

素良「帰ろうかユーゴ」

蓮「あの姉ちゃんはいいのか?」

素良「面倒な奴が居るもの」

デニス「…」

素良「トーマスくんも気をつけた方がいいですよ?狙いは君…そして僕達ですからね」

Ⅳ「Ⅳだっつってんだろ」

素良「ま、その前に君!僕とデュエルしませんか?」

デニス「僕?別にいいけど」

凌牙「あれは強いのか?」

Ⅳ「知らね。あいつがデッキ磨いてるの見た事あるけどデュエルまではな」

デニス「先攻は君からで」

素良「謙虚な姿勢ですね。ますます胡散臭い」

蓮「やっちまえ!このまんまじゃファントムの名折れだぞ!」

素良「負けたのは君で僕じゃない。それに彼はトーマスくんと凌牙くんの仲間じゃないよ」

凌牙「り、凌牙くん…」

素良「化けの皮を履いであげましょう!魔法『融合』を発動!手札のエッジインプ・シザーとファーニマル・ベアを融合!融合召喚!デストーイ・シザー・ベアー!!」

凌牙「融合かよ。あいつはペンデュラムだのシンクロじゃねえのか」

素良「カードを1枚伏せてターンエンド」

デニス「僕のターン!」

素良「君は色々な顔があるようですね」

デニス「か、勘繰りすぎだよ。僕の顔は一つだけで」

素良「とは思えませんけどね」

デニス「魔法『手札抹殺』を発動!手札を捨てそれぞれデッキから捨てた枚数分ドローする」

デニス「そして魔法『復活の福音』を発動!自分の墓地のレベル7またはレベル8のドラゴン族モンスター1体を対象に発動!そのモンスターを特殊召喚する。レベル7のダークブレイズドラゴンを特殊召喚!」

素良「罠発動!『闇の閃光』自分フィールド上に存在する攻撃力1500以上の闇属性モンスターをリリースし発動!このターンに特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!」

デニス「…」

素良「そして君の手札にはまだ手はありますよね」

デニス「魔法『死者蘇生』を発動!墓地の巨神竜フェルグラントを特殊召喚!」

蓮「ユーリ!負けたら笑えねえぞ!」

素良「だから君の負けと僕の負けは関係ないでしょ」

蓮「馬鹿野郎!どの面下げて帰る気なんだ!」

素良「別にいいんじゃない?命がけのデュエルじゃないんだから」

デニス「墓地から特殊召喚に成功した場合、相手フィールドまたは墓地のモンスター1体を除外し発動!その除外したモンスターのレベルまたはランク×100ポイントアップする!」

素良「それが先に出したモンスターよりも特別な存在…エースですね」

デニス「それはどうかな」

素良「やろうと思えば復活の福音を除外し代替えが可能なはず」

デニス「さっきから君は僕を疑ってるけど僕は怪しくないよ?フェルグラントでダイレクトアタック!」

蓮「ほら見ろ!」

素良「ふぅ…」4000→600

デニス「カードを1枚伏せてターンエンド」

素良「僕のターン!」

凌牙「あいつは負けるぜ。賭けてもいい」

Ⅳ「だったら俺は勝つ方に賭ける。あのちびっ子がな」

素良「どう考えても絶望的ってやつだよね。これのパターンって」

蓮「ボンヤリしやがって!ユーリ!!」

デニス「あの子は間違いなく墓地から蘇生する。僕の考えが正しければ壁として」

素良「手札は2枚だけか…それじゃあ」

蓮「俺の話を聞け!」

素良「わかってるよ。君の実力はこれではありませんね。その懐にある他のデッキでも無い」

デニス「嫌だなぁ…僕はデュエルを楽しんでるんだ」

素良「デュエルを楽しんでいるですか?成る程…だったらターンエンド」

デニス「なっ!」

蓮「馬鹿!諦めてんじゃねえ!」

素良「かもね。けど何ていうか…彼は全身全霊で僕を倒したい。でも僕は放棄している…これって中途半端に終わって気持ち悪くありません?」

デニス「君は人をバカにするのが相当好きなんだね。そのデッキ!それは君の本来のデッキじゃない」

素良「それはお互い様ですよ。僕は何処の誰かに手の内を晒すのは好きじゃありませんので」

素良「さてと」

デニス「待てよ」

素良「はい?」

デニス「デニス・マックフィールドだ」

素良「僕はユーリです。行くよユーゴ」

蓮「あ、待てよ」

Ⅳ「負けやがったか…」

凌牙「だから言ったじゃねえか!」

Ⅳ「そういやお前あれに用事があるんじゃねえの」

凌牙「チッ!まんまと逃げやがった」

Ⅳ「お前がボンヤリしてるからだろ」

デニス「ユーリ」

Ⅳ「おい行くぞデニス」

デニス「あ、はい」

凌牙「俺はあっち行くからな」

Ⅳ「勝手にしろよ」

凌牙「待ってろよ遊矢!この前の借りを」

Ⅳ「行き先もわからないってのに良くやるぜ」

デニス「…」

Ⅳ「手続きが済めば学校に通えるんだぜお前」

デニス「え?」

Ⅳ「俺は学校なんて行った事ねえからな。それに俺の兄貴と弟は俺ほど狂っちゃねえから安心しろよ」

デニス「は、はあ」

遊矢「ここが」

黒咲「…」

遊矢「まだ拘ってるのか?あの人は強いよマジで」

ピンポーン

ガチャッ

遊馬「あれ?」

遊矢「ど、どうも」

遊馬「おう!」

黒咲「…」

遊馬「こいつ友達か?」

遊矢「ユートって言って俺なんだ。因みに見た目はユートじゃないよ」

遊馬「俺だけどユートじゃないのか?」

遊矢「ああ!」

遊馬「とりあえず上がれよ」

遊矢「お邪魔しまーす」

黒咲「…」

遊矢「そういえば他人の家に上がる何て初めてだよ」

遊馬「そうなのか?」

遊矢「ほぼ野宿でブラブラしてたりヤバそうな連中に目をつけられたり」

遊馬「苦労してるんだな」

黒咲「ん?」

遊矢「ユート?」

黒咲「い、いや」

遊馬「?」

遊馬「凄えな!」

遊矢「気がついたら四人で居て声に導かれてたびから旅へ」

遊馬「そんで街を支配する不良の総大将や」

遊矢「黒咲隼…あいつとは2度と会いたくないな。なあユート」

黒咲「…」

遊馬「それに白バイ警官との激闘って」

遊矢「蓮…あれはまさに法の番人ってやつだった」

遊馬「連続殺人鬼の子供や」

遊矢「紫雲院素良…あいつはああでもしなきゃ被害者が増えるばかりだった」

遊馬「いいよなぁ…何か他の世界に行くなんてロマンがあるっていうか」

黒咲「遊馬」

遊馬「トイレか?」

黒咲「違う。庭で洗濯物を干してた女性はお姉さんか」

遊馬「姉ちゃんなら去年結婚したぜ?それ多分母ちゃんだぞ」

黒咲「そんなわけがない」

遊馬「どうしたんだこいつ」

遊矢「頭が堅いんだ」

黒咲「母親?君は私をからかっているのか」

遊矢「おいおいユート!ごめんな、こいつストレス溜まってて」

黒咲「だったら見てくればいい。いいな遊馬」

遊馬「あ、ああ」

遊矢「何なんだよあいつ」

遊馬「何か食うか?」

黒咲「いいや」

遊馬「無口なんだな」

黒咲「他の3人がお喋りな分、私は無口な性分だ」

遊馬「それって関係あるのか?」

黒咲「ああ」

遊馬「淡々としてるんだな」

黒咲「…」

遊矢「いやー驚いたな」

遊馬「?」

遊矢「若いんだね遊馬のお母さん…母親ってそんなもんなのか?」

黒咲「さあな」

遊馬「そんなに若くねえよ!ただ人より少し見た目が若いってだけじゃねえか?」

黒咲「むっ!」

遊矢「お父さんは居るんでしょ?」

遊馬「健在だぜ!」

黒咲「ユーリからの召集」

遊矢「…ドンマイ」

黒咲「どういう事だ」

遊矢「いいんじゃないか?けど…ちょいと倫理的な問題もある気も」

黒咲「何の話だ?ユーリからの召集だぞ」

遊矢「御両親の名前は?」

遊馬「父ちゃんは一馬で母ちゃんは未来…」

遊矢「だってさ」

黒咲「私の話を聞いているか?ユーリからの」

遊矢「わかったわかった。少し用事ができてさ…また遊びに来てもいいかな?」

遊馬「いつでも歓迎するぜ!また来いよ、遊矢!ユート!」

遊矢「へえ…お前達も負けたのか」

ユーゴ「はっ!2人がかりで負けるなんて情けねえと思わねえのか!?」

ユート「あれは強い。私達が出会った誰よりも」

ユーリ「とりあえずさ…僕達がこの世界でやるべき事を何なのかを突き止めないとね」

遊矢「青春をエンジョイしたい」

ユーゴ「当然、凌牙をぶっ潰す!」

ユーリ「僕も気になる奴が居るんだよね」

ユート「全て私利私欲だ。そういう事をしているから無駄に敵を増やし戦わなくてもいい争いを…」

遊矢「…こいつさ」

ユーゴ「マジで!?」

ユーリ「さすがの僕も引いちゃうね」

ユート「やめろ」

遊矢「それで緊急召集って何だ?」

ユーリ「僕達の旅路で必ず感じる視線さ」

ユーゴ「そりゃファンだろ?俺達も有名人になったもんだ!」

ユート「そんわけあるか」

ユーゴ「何でも否定から入りやがる。危ねえ性癖持ってるのに」

ユート「くっ…」

ユーリ「とにかく気をつけた方がいいよ。例の視線…それにデニス・マックフィールドも」

遊矢「誰それ?」

ユーゴ「焼きそばみたいな頭してるひょろっちい奴でよ。こいつ負けてやんの」

ユーリ「人を見かけで判断すると痛い目に合うって知らないの?」

ユーゴ「知らねえよ」

ユーリ「本当に羨ましい性格をしてるね」

遊馬「今時果たし状だなんて…誰だお前」

「僕?世界を駆けるエンターテイナーさ」

遊馬「世界って…じゃあお前も遊矢と同じ」

「一緒にしないでよ。あんな出来損ないと」

遊馬「出来損ない?お前…」

「デュエルしようよ」

遊馬「いいぜ。その前にフード取れよ」

「ほら」

遊馬「仮面…それじゃあ素顔がわからねえよ!」

「わざわざ素性を明かすほどバカじゃない」

遊馬「ったく」

「先攻は僕だ!」

遊馬「何なんだ?この嫌な感じは」

「いい手札だ。僕はスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」

遊馬「!」

「神代凌牙はペンデュラム召喚の力で敗北した。それは知ってるかな?ファントムは所詮日陰者!僕には勝てない!!ペンデュラム召喚!レベル7!オッドアイズ・ドラゴン!レベル7!竜穴の魔術師!」

「そしてレベル7のオッドアイズ・ドラゴンとレベル7の竜穴の魔術師でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク7!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!!」

遊馬「き、急に肌寒くなって来たぞ…」

「ターンエンド」

遊馬「俺のターン!」

「かっとビングだっけ?あの人は君のかっとビングを酷く毛嫌いしている」

遊馬「お前さっきから何言ってやがる!」

「ただの独り言だよ」

「さあ…出して御覧よ。噂のNo.ってやつを」

遊馬「モンスターを守備表示でセットしカードを1枚伏せてターンエンド!」

「出さないってわけね。僕のターン!ドロー!」

「どうしてNo.を出さないの?持ってるんだよね」

遊馬「ああ!けどNo.使いじゃない相手にNo.は出さねえ!これが俺の主義だ!それにホープは」

「それを自惚れと言うんだ。僕の故郷に君と同じガッツ溢れるデュエリストが居た。と言っても君と違って若くないけどね」

遊馬「それが何だって言うんだ!」

「彼にも君と同じく信念があった。けど愚かな信念の為に彼は散った…多くの軍勢にたった1人で乗り込んでね」

遊馬「…」

「それにNo.は特別なんかじゃない…近い将来必ず凡庸なカードに成り下がる」

「オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!そのモンスターを潰せ!」

遊馬「くっ…」

「ターンエンド」

遊馬「俺のターン!」

「データとは違い慎重なのか?昔のデータなんてアテにならないもんだ」

遊馬「モンスターを守備表示でセットしターンエンド!」

「またか…僕のターン!」

遊馬「さっきからお前は俺を挑発してるよな?まさか…俺が何か関わりがあるってのか」

「君はNo.を回収していたんだよね?短期間で君は50枚のNo.を集めて見せた…中には街から出て他の街または国まで飛ぶ必要があった。大変だったろうに」

遊馬「それが何だってんだ」

「当時の君は力のNo.と記憶のNo.の違いが理解できなかった。最も後々になってアストラルの秘密を知る事になった」

遊馬「No.だけじゃなくアストラルも…ナゾナゾには飽きたぜ!お前は誰だ?お前だけが知ってる事だらけで俺は何一つお前を知らねえ!」

「君の敵って事は確かだ」

遊馬「答えになってねえ!」

「そのモンスターを破壊しよう」

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

遊馬「俺のターン!来たぜ!」

「そろそろ何かが来るね。その時、僕の伏せたカードが発動する」

遊馬「相手フィールドにのみモンスターが存在する事でガガガヘッドはリリース無しでレベル4のモンスターとして召喚できる!俺はガガガヘッドを攻撃表示で召喚!」

「さあ来い!かっとビングを僕に見せてみろ」

遊馬「そしてガガガヘッドが召喚に成功した時、墓地のガガガモンスターを2体まで特殊召喚できる!俺はガガガマジシャンとガガガガールを特殊召喚!」

遊馬「魔法『ガガガボルト』を発動!自分フィールド上にガガガモンスターが存在する場合に発動!フィールド上に存在するカードを1枚選択しそのカードを破壊する!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンを破壊だ!」

「エクシーズ召喚に成功したオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンが墓地に送られた時に発動!エクストラデッキからオッドアイズモンスター1体を特殊召喚する!さあ現れよ!オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!!」

遊馬「そして俺は魔法『ガガガタッグ』を発動!自分フィールド上のガガガモンスターの攻撃力は次の自分スタンバイフェイズ時まで自分フィールド上のガガガモンスターの攻撃力はガガガモンスター×500ポイントアップ!」

ボワッ

「来た…!」

遊馬「行くぜ仮面男!これで…」

「これで終わりだ!罠発動!『衝撃の拘束剣』」

ガシッ

ガシッ

遊馬「な、何だこれは!?」

「僕の先生は言ってたよ。勝つ為なら手段を選ぶな、それが真のエンターテイナーだってね」

遊馬「おい!それでもお前はデュエリストか!恥ずかしくねえのか!?」

「君の力の秘密を知りたい。そして君をどうしても嬲り殺しにしたいって男が居てね」

遊馬「俺を?誰なんだそいつは…」

「確かにNo.は君の相棒の力と記憶…だがその恩恵を受け幸福を手に入れた者も居るって事をね」

遊馬「くっ…」

「さあ行こうか九十九遊馬」

数日後

遊矢「そうですか…失礼します」

ユート「遊馬が行方不明か」

遊矢「うん」

ユーゴ「美人だったな…女神だ女神」

ユーリ「いい女性だ。歳を感じさせない美貌を」

ユート「私を見るな」

遊矢「どうしたんだろ…」

ユーゴ「さあな?けど遊矢が特定のダチを作るなんて珍しいじゃねえか」

ユーリ「女泣かせの僕と違うと思ってたけど…まさかこっちの気でも」

ユーゴ「なーにが女泣かせだ!薄気味悪いから泣いてるだけじゃねえか!」

ユーリ「敵ばっか作る君に言われたくないな」

ユート「いい加減にしろお前達」

ユーリ「プッ…この世界に来て君の威厳は消え失せた」

ユーゴ「リーダーの座から転落だぜ!」

遊矢「な、何だ!?」

ゾロゾロ…

ユート「勘違いするな。私は景色に見惚れるのと同じで…断じて」

遊矢「3人とも!俺の話を聞いてくれよ!」

ユーリ「おやおや…これは」

ユーゴ「な…何じゃこりゃ!?」

ユート「オボットの大群…お前達また何かを」

遊矢「逃げるぞ!」

カイト「これが数日前の映像だ。遊馬は拘束され連れ去られた」

凌牙「この2人組は何者だ?カイト!」

カイト「知らん」

凌牙「知らねえのに俺達を呼び出したのか!」

アリト「おい落ち着けナッシュ!」

小鳥「そうよシャーク!」

Ⅲ「ここは冷静にならなきゃ」

アンナ「そうだぜ!」

アリト「お前達も来たのか?そりゃそうだよな」

Ⅲ「君達と違って僕達は遊馬と同じ学校だもの」

小鳥「今更だけどシャーク達も同じ高校に進学すれば良かったのに」

アンナ「無理に決まってるだろ?こいつら内申が壊滅的だしアリトなんて頭悪りいし」

アリト「うるせえ!お前にだけは絶対に言われたくねえ!」

凌牙「ハートランドシティ最悪の不良校の頭張ってんだよ俺は」

小鳥「でも自慢にならないよね」

凌牙「…」

Ⅲ「しかし、こんな映像をよく」

カイト「街に解き放ってあるオボットには監視カメラが内蔵されている。ところで誰だそいつは」

Ⅲ「居候のデニスって言うんだ」

デニス「こ、こんにちは」

小鳥「あれ?これ…」

カイト「何か心当たりでもあるのか」

小鳥「う、うん」

デニス「…」

カイト「No.24竜血鬼ドラギュラス」

小鳥「うん!幻竜族って珍しいんだよね?だから印象に残ってるのよ」

凌牙「知ってるか」

カイト「いいや」

凌牙「それでも元ナンバーズハンターかよ」

小鳥「この後から来た人がその時それを使ってたデュエリストにそっくりなのよ!」

カイト「何者だ」

小鳥「ヴァンパイア」

アンナ「小鳥!こんな大真面目な時に何を言ってんだ!?遊馬がピンチなんだぞ!」

小鳥「本当なんだってば!本当にヴァンパイアの…」

カイト「…」

ピッ

Ⅲ「それは?」

カイト「ドローン型オボットに遊馬の脳波をインプットさせ追わせていた。そのうち一機が特定したようだ」

凌牙「そのうち犯罪者になりそうな勢いだなお前」

カイト「この古城に見覚えはあるか」

小鳥「ここまで朽ち果てて無かったけど…確かにここだったかも」

カイト「この地域一帯にはヴァンパイア伝説が存在する。小鳥の言い分も強ち間違ってはいないかもな」

凌牙「居るわけねえだろヴァンパイアなんて」

アリト「そうだぜ!だって西洋妖怪ってやつだろ?アニメだよアニメ!アニメの中にしか存在しねえぞカイト!」

カイト「お前達に比べればヴァンパイアなど野良猫程度の存在だろ」

Ⅲ「ここって海外だよね?良く当時の遊馬が行けたよね」

小鳥「アストラルが強引に引っ張ってたのよ」

Ⅲ「ああ…結構強引だよねアストラルって」

遊矢「いてて…」

カイト「連れて来たか」

アリト「遊矢!遊矢じゃねえか!」

凌牙「何処に雲隠れしてやがった?この前の借りは返させてもらうぜ!」

遊矢「いや…ここカイトさんの」

カイト「俺の代わりにこいつを遊馬探索メンバーに入れておけ」

凌牙「行かねえのか?」

カイト「俺は忙しい」

凌牙「何処が忙しいんだ?暇で暇で仕方ねえって雰囲気じゃねえか!」

ユーゴ「今日はラッキーデーだぜ!この前の借りをきっちりばっちり!」

ユーリ「豊満なお姉さんだ。今日は運が良いね」

ユート「やめろ2人とも」

カイト「異論はあるか遊矢」

遊矢「いいや、無いよ!」

Ⅲ「彼が噂の?」

小鳥「あの子がファントムの遊矢くんよ」

アンナ「ファントム?だせえ渾名」

デニス「…」

凌牙「これで全員か?」

カイト「ゴーシュが来ている…筈なんだがな」

アリト「へえ…あいつが!」

凌牙「そんな大人数で殴り込むのか?面倒見きれねえよ」

カイト「…」

凌牙「面倒くせえ…けどやるしかねえか」

ゴーシュ「おう」

Ⅲ「しかしプロなのに何でまた暇そうに」

カイト「ゴロツキに絡まれていたファンを救う為に派手に暴れて謹慎中らしい」

ゴーシュ「ま、仕方ねえわな」

凌牙「お前もガキのまんまってわけか」

遊矢「遊馬って友達が多いんだな」

ユート「そういう雰囲気があるだろ」

凌牙「このメンバーだ。お前が頼りだ」

Ⅲ「えぇ…」

カイト「そいつも連れて行く気か」

凌牙「こいつは腕が立つぜ」

カイト「…」

凌牙「大体一緒に行かねえ奴がゴチャゴチャ言ってんじゃねえ!ビビってんじゃねえのかお前?」

「得策とは言えないな」

凌牙「あ?」

遊矢「!」

ユート「出て来たぞ…例の視線の主だ」

ユーリ「まるで待ってましたと言わないばかりの登場だね」

ユーゴ「何だっていいじゃねえか?喧嘩を売ってるなら買ってやるまでだぜ!」

「仮に相手が伝説上の生物ヴァンパイアなら大勢で押しかけるのは愚策と言える。そう思わないか天城カイト」

カイト「敵の数もわからぬ以上十分な数だ。こいつら1人1人がデュエリスト10人分と言える」

「そうだろうな。だがヴァンパイアとは不死者…血を吸われた者の末路を知っているか」

カイト「死者となり同じ不死者に変貌し鼠算式に増えて行く」

「そう、強かろうと弱かろうと牙を立てられ血を啜られれば全ては無力と言える。はっきり言ってこの戦の勝率は零だ」

凌牙「ベラベラ喋ってねえでさっさと行くぞ!こんな季節外れのメガネマフラーに構ってんじゃねえよ」

零児「零児だ」

凌牙「おい行くぞ!このまま遊馬の血を吸われちまったら話にならねえ」

零児「…」

凌牙「どけよ」

零児「君と君…それにファントム」

遊矢「あんた俺を知ってるのか」

零児「君は最高傑作だからな」

デニス「…」

遊矢「最高傑作?あんたが俺を見張っていたんだよな」

ユート「…」

ユーゴ「ペッ」

ユーリ「殺っちゃおうか」

零児「そうだ。君を始末するか否か…見極めている。君は希望であり絶望だからな」

デニス「…何か僕が選ばれちゃったんだけど」

Ⅲ「彼は危険だと思いますよ。彼を連れて行くなら僕を」

零児「君達には彼らにあって無いものがある。それが何か」

チャキッ

アンナ「この野郎!バズーカでぶっ飛ばしてやるぜ!」

アリト「おい!さっきから事情も知らねえ癖に何だってんだ!」

ゴーシュ「悪いな兄ちゃん!こればっかは譲れねえんだわ」

零児「異論があるなら私とデュエルして見るか」

凌牙「あのインテリ面はお前の学者仲間か何かか」

カイト「いいや」

カイト「何処の馬の骨かもわからん奴が口を挟むな」

零児「…」

遊矢「やるなら俺としろよ」

零児「君と?」

遊矢「言ってる意味がわからないんだよ!さっきからお前は…お前は俺達の何を知っている!」

凌牙「何処の誰かも知らねえ奴に言われたかねえわな」

遊矢「おっと!」

凌牙「てめえとのケリは後だ。遊馬を助けに行くぞ」

ユーゴ「フン」

ゴーシュ「カイト!自家用ジェットの用意だ!」

アンナ「さっさと行くぞ!待ってろよ遊馬!」

小鳥「じゃあ私も行かなきゃ」

カイト「お前は毎回毎回行く必要もないだろ」

凌牙「そういうわけだ。留守番してるなら跳ねっ返りを捕まえとけよカイト」

カイト「ああ」

零児「まるで鉄砲玉だな」

カイト「お前は人間力を信じるか」

零児「人間力?」

カイト「俺が選んだ人選に狂いは無い」

零児「いいや狂っている。貴重なファントムを死なせるわけにはいかぬ」

カイト「お前にとって奴は何だ」

零児「彼の運命は私の手中にある」

カイト「…そうか」

デニス「…」

遊馬「おい!仮面男は何処だ!?」

シェリダン「少しは黙るという知恵は無いのか」

遊馬「吸血鬼!俺を解放しろ!」

シェリダン「それは私の余興を見てからにしてもらおうか」

遊馬「くっ…」

シェリダン「4年前…私にとっては昨日のような出来事だ。私の栄光も繁栄も握り潰された」

遊馬「それが何か関係あるのかよ…あのNo.はお前の物じゃねえ!あれはアストラルの」

シェリダン「誰のものでも無いのだよ九十九遊馬!あのカードを握り我々は世界各国で栄えた…アラビアのグール!中国のキョンシー!南米のチュパカブラ!」

遊馬「…」

シェリダン「私が全ての長…君達下等な種族を餌にする高潔なる種族なのだよ」

遊馬「血を吸うなら蚊だってできるぜ」

シェリダン「フン…希望の名の元に相手を絶望へと落とす男が世界の救世主だとは、片腹痛い」

遊馬「ふざけるなヴァンパイア!」

シェリダン「…」

遊馬「何があってもカイトやシャークが必ず俺のとこに来るぜ!あいつらは」

「もう来てるね」

遊馬「仮面男」

「人数が増えて8人になった。これって都合がいいんじゃない?」

シェリダン「8人か」

遊馬「8人?7人しか居ねえだろ!シャーク!Ⅲ!俺はここだ!ここに居るぞ!」

シェリダン「この空間からでは君の声は届かないのだよ九十九遊馬」

遊馬「シャーク!」

シェリダン「この朽ち果てた城でお前の身も心も傷つける。私が1人1人お前の前で息の根を止め我が眷属へ変えてくれよう」

遊馬「クソ…逃げろ!みんな逃げろ!!」

凌牙「何もねえし人が住んでる気配もねえ」

ゴーシュ「人ってよりヴァンパイアだけどな」

アリト「ほら見ろよ。犬の野糞があるぜ」

Ⅲ「おーいデニス!」

アンナ「あいつ迷子か?しっかりしてくれよ」

ユーリ「…」

ユーゴ「ニヤニヤしやがってよ」

ユート「不吉な予感がする」

遊矢「…」

零児「…」

凌牙「おい!ボーッっとしてねえで探せ!」

零児「義理立てする必要もない」

ユート「私が城内を探ろう」

遊矢「頼んだ」

凌牙「ゲッ!?」

黒咲「…」

凌牙「な、何だお前!?」

黒咲「私はユートだ。君なら認識できると思うんだが」

凌牙「…」

黒咲「後は任せたぞ」

デニス「な、何か変な場所を見つけましたよ!」

Ⅲ「勝手にウロウロしたらダメじゃないか!」

デニス「い、いや頑張らなくちゃって思ってね」

凌牙「とりあえず乗り込もうぜ」

アリト「オラァ!」

アンナ「遊馬!」

遊矢「な、何ここ…」

凌牙「壁一面いや床も血だ…こいつは渇いた血だ」

零児「無様な話だ。敵の罠に見事にハマったようだ」

凌牙「おい!」

デニス「す、すみません!」

シェリダン「ようこそ薄汚いデュエリスト諸君」

ゴーシュ「あいついつの間に」

シェリダン「九十九遊馬救出すべく遠路はるばるご苦労な事だ。だが君達はここで死ぬ…それが運命だ」

凌牙「野郎…ぶっ殺す」

シェリダン「殺す?私は殺せないぞ」

凌牙「思い上がってるんじゃねえ!」

アリト「ぶっ飛べ!!」

スカッ

アリト「あ、ありゃ」

零児「あれは実体の無い霊的なものだ。落ち着いて見極めればわかる筈だが」

アリト「上から目線で来やがって!」

シェリダン「ここから脱出し九十九遊馬を助けたければ生存競争に生き残りたまえ!」

遊矢「生存競争?」

凌牙「読めたぜ。俺ら同士で戦わせ最後に残った奴をてめえが喰らうってわけか」

シェリダン「察しがいい。さあ始めたまえ」

凌牙「ユートが先に遊馬を見つけ出すのが早えか俺らが共倒れするのが早えか」

遊矢「大人しく言う事を聞かなければ遊馬が何をされるかわからない。ここを切り抜けるにはデュエルしかないぞ」

凌牙「やるぞアリト!」

アリト「おう!」

遊矢「じゃあ俺は」

ユーゴ「遊矢!ちょっと身体借りるぞ!」

遊矢「え!?」

ユーリ「ユートが居ないとやりたい放題だね」

デニス「た、大変な事になったな」

ユーリ「フッ」

凌牙「いいか?こいつは遊馬を救う為ここから出る為だ!」

アリト「恨みっ子無しってやつだぜ!」

遊矢「そういうわけだぜ凌牙!俺とデュエルしやがれ!」

凌牙「その感じ…てめえ遊矢じゃねえな」

遊矢「ユーゴだぜ」

凌牙「分身に憑依に何でもアリだな」

遊矢「始めようぜ?この前の続きを」

凌牙「どうなっても知らねえぞ」

遊矢「こいつが俺だ!自分フィールドにモンスターが存在しない事で手札からSRベイゴマックスを特殊召喚する事ができる!ベイゴマックスの効果を発動!このカードが召喚または特殊召喚に成功した時、デッキからベイゴマックス以外のスピードロイドモンスターを手札に加える!俺はSR三つ目の大ダイスを手札に加えそのまま通常召喚!」

遊矢「レベル3のSRベイゴマックスにレベル3のSR三つ目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!HSR魔剣ダーマ!!」

遊矢「ターンエンド!さあ出しやがれ!あの巨大鮫を三枚に下ろしてやるぜ!」

凌牙「3枚下ろしだと?やって見ろ!ドロー!」

シェリダン「決して死なない。だが互いに傷つけ合い君を救おうとする…あの時この私をこの世から消し去ればこのような事態も招く事も無かっただろうに」

遊馬「そう簡単には行かないぞ!彼処に居る皆は」

シェリダン「君とデュエルを行い切磋琢磨しあった者達らしいな。そして摩訶不思議な力かっとビングを秘めている…都合良く天城カイトが選んでくれたそうだな」

遊馬「カイトが?」

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