【モバマス】芳乃「アイドルとはなんでしてー?」 (30)

モバP「......はぁ」

芳乃「ため息は幸せが逃げてしまいますよー?」

モバP「そうだな、それで依田、CDは売れたか?」

芳乃「売れませぬねー」

モバP「そうだな。9時から始めてもうお昼ご飯の時間なんだよ」

芳乃「そうでしたかー。時間が経つのは早いですねー」

モバP「そうかぁ、俺にはまだ3時間しかって気分なんだよ.....」



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モバP「お客さんたくさんいるな」

芳乃「そうですねー、れこーどしょっぷというのはー、大変な賑わいでー。お祭りのようですねー」

モバP「そう、お祭りなんだよ。依田芳乃のデビューCDの直売会。まぁ、お前だけじゃなくて他のアイドルも、ほら、見てみ?」

悠貴「ありがとうございます!頑張りますね!」

涼「よろしく!あ、また来たんだ、ありがとう」

芳乃「大変な賑わいですねー」

モバP「....で、こっちは誰か来た?」

芳乃「先程、ご年配の方がー。お孫さんに頼まれて来たそうでー」

モバP「そうだな。ずっとあの爺さんとおしゃべりしてたな」

モバP「で?CD売れた?」

芳乃「売れませぬねー」

モバP「お前も!アイドルなの!!」

芳乃「おー、そうでしたー」

モバP「頼むよ本当に....」

芳乃「ところでそなたー、アイドルとはなんでしてー?」

モバP「」

モバP「もう担当変えてくださいよ!!」

かな子P「いや、お前が見つけてきたんだろ。ちゃんと最後まで面倒見てやれよ」

モバP「無理です!だってあいつアイドルが何かも分かってないんですよ!この前の直売会、俺だけですよ!売上ゼロ!!」

かな子P「逆にすげぇな。売れるぞ普通10枚くらいは」

モバP「まるでこっちが見えていないかのようでしたよ!とにかく、俺には無理です!!」

かな子P「この前まで担当アイドルできたってはしゃいでたくせに......。だいたい、初めからうまくいくことなんてない。レッスンするなりお前が売り出し方考えるなり、やれる事やれ」

かな子「プロデューサーさん!」

かな子P「うん、今いくよ。....ほら、今度やるライブのチケットやるから。勉強だと思って一緒に見に行け。な?」

モバP「先輩、ちょっと待って」

かな子P「俺は忙しい。独り立ちしたんだから頑張れ」

モバP「アイドル、アイドル、アイドル」

モバP「アイドル世代か....すげえよな。猫も杓子もアイドルだよ」

芳乃「ほー」

モバP「TVも雑誌も広告も。とあるアイドルユニットの活躍からアイドル一色。サクセスストーリーに感化された女の子達はこぞってアイドルになりたがる、はずなのにスカウトで声かけた子には逃げられるし」

芳乃「大変ですねー。わたくしがー、お手伝い致しましょー」

モバP「お前の知名度が上がればこんなに苦労してないんだよなぁ」

芳乃「そうでしたかー。ではー、ここで歌を歌いましてー、皆さまに注目されればー」

モバP「やめて、へんな注目集めるし、お前の歌聞いた通行人がバタバタ眠り始めるとかゴメンだから」

芳乃「それはー、この歌っても眠くならないマイクがありますゆえー」

モバP「あぁ、池袋の...効果は疑わしいけどな」

芳乃「そんなことはありませんよー?れっすんの際にきちんときいてもらえましたゆえー」

モバP「とにかくダメ。.....はぁ、ダメだ。どうすりゃいいのか皆目見当がつかねぇ......」

モバP「なんかこう、アイドルっ!って感じのキャラに...見た目は悪くないんだから、もっとイマドキな喋り方できないか?」

芳乃「今時ですかー。そうですねー、流行りはよく分かりませんのでー」

モバP「こうもっと、その間延びした喋り方やめてハキハキと喋るとか」

芳乃「ハキハキですかー、....はきはきー!」

モバP「お約束をありがとう」

芳乃「アイドルとは難しいですねー」

モバP「そうだね。お前には不向きかもね」

芳乃「そなたはー、アイドルとはなんだと思いましてー?」

モバP「そりゃ歌って踊って、んで、ファンを夢中にして、もう居るってだけで騒がれてさ。憧れられるような輝く存在、だと思う」

芳乃「ほー、なるほどー」

モバP「あと見た目がいいとか、人を笑顔にするのが得意とか」

芳乃「ふむー。笑顔ですかー」

モバP「そうだ、実際に見ればいいだろ。ちょうどミニライブやるって先輩言ってたしな。行くか、仕事もないし」

芳乃「あらー?今お仕事ではないのですかー?」

モバP「そうだよ、お前連れて営業中だったけど門前払いだったの。正直これ以上やっても成果があると思えん」

かな子「あ、モバPさん!」

モバP「よっ!先輩は?」

かな子「今日は別のお仕事で少し遅れるらしくて...あれ?代理ってモバPさんじゃないんですか?」

モバP「いや、俺はコイツの勉強がてら見学に来ただけ」

芳乃「よろしくお願いいたしますー」

かな子「あ、モバPさんの担当の子ですね!はじめまして!えーっと....」

芳乃「わたくし、依田は芳乃でしてー」

かな子「芳乃ちゃんだね!よろしく」

代理P「ごめん、遅れた。かな子ちゃんこれからリハだからヨロシク!」

かな子「あ、ハーイ!それじゃあ、行ってきます」

モバP「おう、頑張って」

芳乃「またでしてー」

モバP「依田、アレがアイドルだ」

芳乃「なるほどー」

モバP「さて、開演まで時間もあるし、楽屋見学でもするか」

芳乃「見学ですかー」

モバP「そ、アイドルなんだからな。ここはウチの会社のライブハウスでお前も近々ここでライブする事になるだろうし」

芳乃「らいぶですかー」

モバP「ファンの前で歌って踊る仕事。お披露目イベントでステージの上に立ったろ?あんな感じの場所で歌うんだよ」

芳乃「この部屋はー?」

モバP「衣装室だな。お、ほら、これとかいいんじゃないか?こういうの着てライブする」

芳乃「ほー、可愛いお洋服ですねー」

モバP「いや、でもお前いっつも着物だし、和風アイドルとして売り出すか。もう結構な数いるけど、喋り方もアレだし」

芳乃「和風アイドル...お料理のようですねー」

モバP「そうそう、オレがシェフでお前をどういう料理にするか考えるの。お前はその通りにする。キャラ作ったり」

芳乃「きゃらでしてー?」

モバP「そうそう、だからハキハキ喋る元気な子っぽく振舞ってくれ」

芳乃「元気いっぱいー!」ガッツポーズ

モバP「......なぁんか違うんだよなぁ」

モバP「んじゃ、そろそろ客席行くか。座って待ってれば開演だろ」

芳乃「ではー、わたくしお手洗いにー」

モバP「おう、行っとけよ。んで、アイドルが何かしっかり見とけ」

芳乃「はいー」

モバP「....はぁ、これで多少成長してくれればいいんだけどなぁ」

モバP「ふぁ、眠....」

モバP(.....アイドルか)

モバP(輝いて、楽しそうで、ちやほやされて、何よりモテるしな。羨ましい)

モバP(いや、妬ましいんだろうな。自分に出来なかった事だし。大勢の前で歌って踊って、オレは足が震えて出来なかった)

モバP(んで、モテるって聞いてプロデューサー始めたけど、下積みは長いし、初担当はあんなだし。オレ向いてないな、この仕事)

モバP「......辞めちまおうかな」

モバP「ってか、依田のヤツ遅いな....って、開演時間過ぎてるし」

モバP(周りもざわついてるし、まさか何かあったのか?)

『.....ほ、本日はご来場いただき誠にありがとうございます』

モバP「始まったし...依田探しに......」

モバP「え?」

芳乃「ふぅー、おやー?この気はー」

芳乃「あちらでしてー」

加奈「あたしプロデューサーさん呼んでくる!」

代理P「....はい、かな子が躓いてですね、そうです。足を....今からですか?でももう時間が」

芳乃「何かありましてー?」

かな子「.....っつぅ」

スタッフ「腫れちゃってる...コレ捻挫かも.....」

代理P「マジっすか?!あぁ...かな子Pさん早く来て.....」

芳乃「お困りのご様子ですねー」

スタッフ「ちょっと、あなた誰?ここは関係者以外立ち入り禁止で」

芳乃「アイドルでしてー」

スタッフ「はぁ?」

かな子「よ、芳乃ちゃん...え、えへへ、転んじゃった。っ痛っ!」

芳乃「あらあらー、これは大変ですねー」

スタッフ「知り合いの子?だったら悪いんだけど何か冷やすものを....」

芳乃「大丈夫でしてー、かな子ー、ちょっぴり痺れますよー」

かな子「よ、芳乃ちゃん?.....あれ?」

スタッフ「腫れて、ない?」

芳乃「五分は動いてはいけませんよー」

スタッフ「で、でももう開演時間過ぎて....」

代理P「5分くらいいいでしょう!」

芳乃「なるほどー。ではー、箱は一旦置きましてー」

加奈「モバPさん!いたっ!大変なんです...え?なんで始まって....」

モバP「お、おう、大変だな、だ、誰だあの....」

芳乃『えー、皆さまー、はじめましてー、わたくしー、依田は芳乃でしてー』

ファン「....え?誰?」
ファン「かな子ちゃんは?」
ファン「え?マジで誰?」

モバP「....それはナ☆ナ☆でーす」(白目)

加奈「か、加奈です。え?あの子誰ですか?!」

モバP「あのバカ何やってんだ!」

加奈「知ってるんですか?」

モバP「オレの担当だよ!はぁ?スタッフ何やってんだ?!」

加奈「そ、そうです大変なんです!」

芳乃『かな子は今準備をしておりますゆえー、お待ちの間にわたくしの歌をー』

モバP「あの衣装はどうしたんだよ!ってか、音源...あ、CDにカラオケついてたっけ?!」

ファン「準備中ってなに?」
ファン「セトリにないしこれなんかトラブったんじゃね?」
ファン「はぁ?ってか加奈ちゃんは?」

芳乃『ではー』

芳乃「そなたー?」

モバP「......」

芳乃「もしやー、怒ってましてー?」

モバP「怒ってない」

芳乃「ではー、なぜむつかしい顔で黙っておりましてー?」

モバP「........」

モバP(ライブは大成功だった。前座の芳乃含めて)

モバP(聞いた話ではトラブルを解決するためにああなったらしいのだが)

芳乃「そなたー?」

モバP「依田」

芳乃「はいー?」

モバP「.....いや、芳乃」

芳乃「何でしてー?」

モバP「明日から忙しくなるぞ」

モバP「お前、見直した。アイドルっぽくとかじゃなくていいんだ。お前らしくやろう」

芳乃「なるほどー、わたくしらしくですかー」

モバP「はいっ!担当のモバPです。お話お伺いしました!いやぁ、その日は埋まってまして!別の、この日でしたら!はい!」

ちひろ「モバPさん、この書類目を通してください」

モバP「はい!すいません、急遽アシスタントについてもらって!」

ちひろ「いえいえ、このままモバPさんのところのお手伝い、長くなりそうですし、よろしくお願いしますね」

モバP「こちらこそです!いやぁ、急にスケジュールが埋まって、ハハハ、笑いが止まりません!」

ちひろ「すごいですよね、芳乃ちゃん。なんでも怪我を触っただけで治したとか」

モバP「いや、それはさすがにないでしょう。あ、これなんですけど、経費で落とせたりしますか?」

ちひろ「え?これは...なんですかこの怪しい栄養ドリンク」

モバP「スタドリです!」

ちひろ「....すいません、これは無理だと思います」

モバP「え?そこをなんとか....」

ちひろ「駄目です」

モバP「えー?って、電話だ、はい、依田芳乃担当のモバPです!」

かな子P「この前はありがとう」

モバP「いえいえ、おかげさまで仕事が一気に増えて、CDも増刷が決まってもうウハウハですよ!」

かな子P「調子がいいみたいだな。お前もなんか吹っ切れたような顔してるし」

モバP「そりゃもう、期待の新星の担当プロデューサーですからね!」

かな子P「で、担当を変える話は」

モバP「なかった事にしてください!いやぁ、芳乃はいい子ですよ本当に!」

かな子P「お前本当に調子いいよな...あ、そうだ、モバP」

モバP「何ですか?」

かな子P「ちゃんと支えてやれよ」

モバP「?」



モバP「で、次のラジオが終わったら今度は雑誌の撮影。今日じゃないけど、TV局の取材もあるから、質問の回答を考えておいてくれ。あとで資料渡すから」

芳乃「分かりましてー」

モバP「芳乃、最近毎日仕事だけど大丈夫か?土日もだけど平日も学校終わったらすぐに仕事だし」

芳乃「平気でしてー。それよりもそなたの方が疲れているように見えますがー?」

モバP「いやいや、オレは嬉しい悲鳴あげてるだけだよ。芳乃と違っていざという時は代わりはいるし」

芳乃「そなたの代わりですかー?」

モバP「そ、でも芳乃の代わりはいないからな。本当に芳乃のおかげだよ。芳乃様様って感じだ!」

芳乃「むー、そなたの代わりはー

モバP「お、ついたぞ。ホラ、あとで迎えに来るから。ちょっと別の打ち合わせでオレは行けないけども大丈夫か?」

芳乃「はいー。そなたー、あまり無理をしてはいけませんよー」

モバP「大丈夫だって、んじゃ、気をつけてな!」

モバP「さて、次の打ち合わせはっと....うーん、予定入れすぎたかな?少し減らすか?いや、でもここが勝負所だし.....」

モバP「仕事が仕事を呼ぶなぁ。本当に芳乃はすげえや。オレが前に頼み込んで断られたとこから呼ばれる立場か」

モバP「これも芳乃の実力か。ホント、なんで気づかなかったんだか」

モバP「オレじゃなくて、芳乃の.....」

モバP「オレの代わりはいるし....」


モバP「アレ?オレいらなくね?」


芳乃「そなたー、ぼんやりとしていますがー」

モバP「いや、CD出してすぐのこと思い出しててさ」

芳乃「そうでしたかー」

モバP「あの頃は誰もいなかったのに、今日は行列ができててさ。なんか、感慨深いなぁって」

芳乃「そうですねー」

モバP「みんな芳乃に会いにきたんだ。最高にアイドルって感じだな」

芳乃「アイドルはー、歌い踊ってー、皆を笑顔にして愛されるー」

モバP「そうだな」

芳乃「アイドルとはつまりー皆から崇拝される神様のようなものでしてー....つまりわたくしの天職といったところですのねー」

モバP「そ、そうだな。か、神様か、間違っちゃないけどな....」

芳乃「そなたの望み通り愛されて見せましょうー」

モバP「すげえ自信だな。ま、頑張ってくれ。一枚毎に5秒間、握手は目を見て微笑んで、だぞ」

芳乃「お任せをー」

モバP(神様、か)

芳乃「どうもー、ありがとうございますー」

モバP(芳乃様への参拝に赴く信者の列か、そう言われるとそう見えてきたな)

モバP(だとしたら、怪我を触っただけで治したり、悩みを聴いて解決したり、失くしたものを簡単に見つけたり、うん、出来ちゃうな。神様仏様芳乃様、だ)

モバP(じゃあ、何だろうな、オレは芳乃様の神託を信者に伝える神の使いか)

モバP(オレなんかよりずっとふさわしい奴がいる気がする)

モバP「......」

芳乃「おやー?そなたはー少し良くない気がありますねー。気をつけませー」

モバP「....もっといい担当、いないか聞いてみるかな」

芳乃「またお会いしましょうー」

モバP(次で最後か。長かったな)

ファン「......」

芳乃「あらー?どうしましてー?」

モバP(なんだアイツ?手を出さずに....)

ファン「ちょっと調子乗ってんじゃない?」

モバP「?!」

ファン「っていうかさ、気持ち悪いって思いながら笑顔作るってどんな気持ち?ちょっと売れてるからって見下してんでしょ僕たちのこと」

モバP「なんだアイツ、最後の最後に」

はがし「ちょっと君、離れなさい!」

ファン「いいよな!女ってだけで、可愛いからってちやほやされちゃって。始まる前男と話してたよね楽しそうに。彼氏?デキてんだろ?」

はがし「やめないか!」

モバP「おい、アンタ!」

芳乃「ふむー、よく分かりませんがー」

ファン「あ?」

芳乃「楽しんでいただけましてー?」

ファン「はぁっ?」

芳乃「よろしければー、またおいでませー」

ファン「え?いや、意味ワカンねぇよ。もう来ねえよ!」

モバP(なんとか、なったのかコレ?)

モバP「なんか帰って行ったけど、スタッフと話してもっと警備どうにかしないとな...アイツブラックリスト乗ってる有名な奴じゃねえか」

モバP「芳乃ー、着替えたかー?入るぞ」

芳乃「....」

モバP「まだ着替えてなかったのか....って、芳乃お前....」

芳乃「人というのは難しいですねー」

モバP「目、赤い....」

芳乃「あの者はー、純粋にわたくしに悪意をー、ぶつけて愉しんでおりましたゆえー、何かーわたくし酷いことをしてしまったのでしょうかー?」

モバP「泣いてるのか.....」

芳乃「泣いてなどーおりませんがー、そなたー」

モバP「よ、芳乃?!」

芳乃「しばしこのままー、お顔を、ぐすっ、見ないでいただければー、うぅ」

モバP「.....芳乃様は悪くないよ。ただちょっとそういう日だったんだよ」

芳乃「うえぇえ、そなたー、少しー、怖かったのでしてー」

モバP「うん、もう大丈夫。大丈夫だ」

芳乃「そなたー」

モバP「どうした?」

芳乃「アイドルとはー、なんでしょうねー?」

モバP「.....落ち着いたか?」

芳乃「なんともありませんよー」

モバP「そうか、それじゃ、着替えてな、ついでに顔洗ってこい。タバコ吸って待ってるから」

芳乃「分かりましてー」

芳乃「.....そなたー」

モバP「どうした?」

芳乃「わたくしはー、泣いておりませんからねー?」

モバP「お前意外と意地っ張りだな」

芳乃「そなたー?」

モバP「分かった!芳乃は泣いてないから!背中ポカポカ殴んな!いてぇよ!」

バタン

モバP「......」

モバP「何が神様だ。普通の女の子じゃねえか.....」

ちひろ「握手会でそんな事があったんですか....」

モバP「はい、ですから、もっと警備の強化を。あと、ちょっとこの手の営業少しキャンセルしたいんですけど」

ちひろ「分かりました。告知前のものは急いで中止にしますね」

モバP「来週のも少し延期で。理由はこっちで考えますんで」

ちひろ「分かりました。芳乃ちゃんのケア、ちゃんとしてあげてくださいね」

モバP「....ちひろさん」

ちひろ「はい?」

モバP「いえ、なんでもないです。少し席外します」

モバP「.....はぁ」

幸子「あの、いきなり隣でため息つかないで貰えますか?」

モバP「輿水、居たのか」

幸子「フフーン、カワイイボクの隣に座った挙句に存在を無視していたとはいい度胸をしてますね、アナタ」

モバP「いや、本当に小さくて気づかなかったってか、いつもより小さくないか?」

幸子「ボクは!いつだって!カワイイので!決して!!ちょっと嫌な事があったからって!小さくなりません!」

モバP「そうか、ジュース奢ってやるから元気出せよ」

幸子「そんな辛気臭い顔で慰められたくありませんが、カワイイボクにジュースを奢る権利を上げるので元気を出してください」

モバP「なんだ、全然元気じゃねえか」

モバP「なぁ、輿水。アイドルってなんだろうな?」

幸子「何ですか突然...アイドルとはつまり、カワイイカワイイボクのためにある言葉です。あぁ、なんて罪深いんでしょう。ボクのカワイさで他の子たちを霞ませてしまってすみません!」

モバP「お前のそのクソ度胸本当に尊敬するわ...」

幸子「フフーン、でしたらもっと褒めてください。特別に許可します」

モバP「何だろうな、謎の自信と勇気が湧いてきた。頭撫でてやる、ほれっ、ほれっ」

幸子「ちょ、乱暴に撫でるのやめてください!...まったく」

モバP「ふぅ...なぁ、輿水。お前にとってプロデューサーって必要か?」

幸子「なぜそんな質問を...しかもこんな時に......」

幸子「まぁ、いいでしょう。必要です。当たり前じゃないですか」

モバP「そうか、そりゃそうだな。お前先輩のとこのアイドルだもんな」

幸子「そうです。プロデューサーさんは大変優秀です。もちろんプロデューサーさんが居なくとも、カワイイボクはトップアイドルになれるでしょう」

モバP「じゃあいいじゃん、プロデューサー居なくても」

幸子「話はキチンと聞いてください。仮にプロデューサーさんが居なくてもボクはアイドルとして成功します。しかし、それを誰が褒めてくれるんですか?」

モバP「は?そんなのファンやら家族やら友達がいるだろう」

幸子「分かっていませんねぇ、そういうことじゃないんですよ」

幸子「それではアイドル輿水幸子からは遠い存在なんです。一緒にアイドルを頑張っているのはプロデューサーさんなんですよ。一人で頑張っても意味がないんです」

モバP「分かったような分からんような...」

幸子「とにかく、ボクのプロデューサーさんは特別にカワイイボクと対等に上を目指して歩く存在なんです。だから、ボクは、プロデューサーさんが.....」

モバP「好きなのか」

幸子「ぴっ!え、えぇ、そうですよ!大好きです!....大好きなんです」

モバP「輿水?」

幸子「とにかく、誰でもいいのではなくて、ボクはボクの認めたプロデューサーさんにしかついていきません。あと、今のは内緒でお願いします」

モバP「お、おう。でもお前すぐ顔にでるからバレてると思うぞ」

幸子「朴念仁ですからどうせ気づいてませんよ!それより、なんなんです?さっきからへんな質問ばっかり」

モバP「あぁ、ちょっと...身の振り方を考えてた」

幸子「?」

モバP「いや、何でもない。ただオレいらない子じゃないかなって」

幸子「まったく何かと思えばそんな当たり前のことを」

モバP「流石にそう言われるとイラッとくるな」

幸子「良いですか?仮にもアイドルのプロデューサーなんですから、もっとシャキッとしてください。必要だとか必要ないとかじゃなくて、コイツの担当は誰にも譲らない!くらいの気持ちを持ったらどうですか?」

モバP「誰にも、譲らない」

幸子「嫌じゃないんですか?自分が見つけたり育てたアイドルが他の人の手で有名になっていくんですよ?だったら、自分の手でそうしてあげたらどうです?」

モバP「まったくその通りだ...その通り」

幸子「フフーン、ボクは賢くもあるので。カワイイ、そして賢い。天は二物を与えてしまいましたね」

モバP「そのドヤ顔もな!ありがとう輿水!」

芳乃「そなたー、今日の予定はどうなっていましてー?」

モバP「そうだな、事務所で雑誌の取材、そのあと移動してラジオの収録。終わったらレッスンだが、今日はもう休んじまおう。飯食いに行くぞ飯!」

芳乃「はー、よいのでしてー?」

モバP「たまには良いだろ?実はもうキャンセルしてるんだよ。ちょっといろいろあってな。オレはお前と仲良くなりたい」

芳乃「照れてしまいますねー」

モバP「照れろ照れろー。惚れても良いぞ!」

芳乃「それはー、そなた次第でしてー」

モバP「そうか!ハハハ!」

芳乃「そなたー?」

モバP「ん?」

芳乃「一つ迷いがなくなりましたねー」

モバP「あぁ、とりあえずは、な」

芳乃「そうでしたかー。わたくしは未だに考えてしまいますゆえー」

モバP「握手会の時のことか?」

芳乃「いえいえー、そうではなくー、そなたー?」

芳乃「アイドルとは、何でしてー?」

終わり

終わりです。HTML出してきます

前々から書きたかったよしのんのお話。アイドルとは?答えは人の数だけあると思います。
芳乃様はNのカード育ててて何気なく特訓させたら惚れました。みんなN+のカード見て、かわいいから
芳乃様は自分よりすごい人がたくさんいますが、堂々と芳乃Pを名乗って行きたいです。埼玉の人みたくなりたい

埼玉んとこのよしのん……あれはマネしない方がよいかと


あと、常によしのん書いてるSS屋は誰がいるかな?

渋やハメなどには居るかもな

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