【けものフレンズ】しんざき「何この猫娘は?」 (26)

サーバル「ふああ……」木の上

しんざき「……」テクテク

しんざき(あれ?ここは?………僕は何処へ?)

サンドスターの輝きキラキラ

サーバル「!?」耳ピコ尻尾ピクリ

サーバル「っ……」ヒュオッ(跳躍)

サーバル「ゃ」ザッ(着地)

しんざき「!?」

テンテケテンテンテンテンテンテン、テテン!テンテケテンテンテンテンテンテン、テテテン!

しんざき「うわあああぁぁぁぁ何かが走ってくる!!逃げなきゃ!」

サーバル「ぅぇひひひひ!ぇひひひ、あははは!ぅー!ぅうぃひひひ、ぃひひ、あーはー!うーぅ!おーーぉ!」追いかけ

しんざき「うわあああああぁぁぁ」

サーバル「わーぁぁい!」

しんざき「何処だここっ、はぁはぁ、一体な、何がっ!?」

サーバル「狩りごっこだね!!負けないんだから!」

サーバル「みゃあ!……みゃあ!……みゃーっ!」

しんざき「まずいまずい、まずいって!どこかに隠れなきゃっ……」

………

サーバル「あれ?隠れちゃった……」

しんざき「……(そろーり)……(カサッ)」

サーバル「あっ!そこだーぁ!」ヒュオッ(跳躍)

しんざき「うわぁぁぁ」

テンテンテン!テンテンテン!

サーバル「はぁはぁふぅ……捕まえた!」

しんざき「こ……ころ、殺さないでくださーい!」

サーバル「殺さないよー!コワイよー!?」




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サーバル「ごめんね、あたし狩りゴッコが大好きで。あなた、狩りゴッコあんまり好きじゃないケモノなんだね。」

サーバル「えーっと、んと、そのー」

しんざき「こ………」ジー

しんざき(大きな耳、ヒョウ柄のスカート、尻尾……コ、コスプレ……?)

サーバル「あ、ちょっと元気になった?」

しんざき「いや………は、はい。若干」

しんざき「あ、貴女は?ここの方ですか?ここはどういったトコロなのでしょうか?」

サーバル「ここはタマズーロジカルパークだよ!」両手広げ

しんざき「た、多摩動物公園!?」

しんざき(そんなバカな。ここは一般的にサバンナと言われる地域に見える。)

サーバル「私はサーバル!この辺は私の縄張りなの!」

しんざき(そのうえ……サーバルだって?)

しんざき「僕はしんざき。」

サーバル「しん……ざき?しんざき!しんざき!!」

しんざき「君のその尻尾と耳はここでは標準的な格好ですか?」

サーバル「どうして?何か珍しい?」猫の手ポーズ

サーバル「あなたこそ尻尾と耳のないフレンズ?珍しいね!」

しんざき「ふ、フレンズ?」

サーバル「何処から来たの?なわばりわ?」

しんざき「なわばり?えっと基本的には日本の東京で過ごして居たのですけど……」

サーバル「とうきょう?とうきょう……分かんないや」

しんざき「そうですか、気付いたらこのサバンナみたいな場所に……」

サーバル「あ、昨日のサンドスターの影響かな?」

しんざき「サンド、スター?」

サーバル「そう。昨日、あの山から吹き出したんだよ?まだ周りがキラキラしてるでしょ?」

サーバル「そして、なんのフレンズか調べるには~……鳥の子ならここに羽!」ばっ

しんざき「ちょっ」

サーバル「ない……フードがあれば蛇の子!でもない。あーれー?」

しんざき「あ、あの……」ドキドキ

しんざき「フレンズって基本的にどう言った存在なのでしょう?」

サーバル「動物にサンドスターが当たって、キラキラぐにょーん!ってなって生まれるんだぁ。私もそうだよ。」

しんざき「動物から生まれる……?」

サーバル「あれ?あなたのその顔のキラキラは?」

しんざき「えっ?」スッ、顔に手を当てる

しんざき「あ、ああ。一般的にはメガネかな。」

サーバル「めがね……メガネ!メガネッ!」

しんざき(変わった子だなぁ……メガネを知らない?……そんなまさか)

しんざき「……掛けてみる?」

サーバル「駆ける?うん、良いよ。次は駆けっこだね!駆けっこもだーい好き。」

しんざき「あ、いや、駆けるのではなく、いえ、走るわけではなくて、これを」スッ

サーバル「えっ、それ外れるの~!?」

しんざき「サーバルさんは変わった方ですね。メガネをどうぞ。若干ゃ度がキツイかも、あとフレームも合ってないし」

サーバル「にゃ……にゃ……」ちょんちょん(サーバル警戒中)


しんざき「ここの多少太くて微妙に曲がっているところを……こっちの耳に乗せてください。」

サーバル「………こう?…!?!?う~わ~っ目が~ぁ……」仰向けにバタリ

しんざき「!!」

しんざき「サーバルさん!大丈夫ですかっ!?」あせあせ

サーバル「みゃ~……じめん……じめんが無いよ~~」バタバタ

しんざき「スミマセン。今、外します。目を閉じてジッとしてて。」

サーバル「うん……」

しんざき「……(スッ)。……もう大丈夫。目を開いてください。」自分にメガネを掛ける

サーバル「!!……」バッ

サーバル「すっごーい!なに今の!?今のな~に?」

しんざき「え、ああ、スミマセン。今のがメガネなんです。目が不自由な人が掛けると見える様になるんですけど」

サーバル「へ~、メガネってすごいんだね!私はなんだかバターンってなっちゃったけど」

しんざき「とても目が良いんでしょうね。悪い事してしまいました。」

しんざき「サーバルさんって、好奇心が強くって、さっきも走ったり跳んだり、なんだかネコみたいですね。」

サーバル「うん私はサーバルだから!」

しんざき「ははは、……ってそうだ、僕迷子みたいなんです。この近くに交通機関はありませんか?」

サーバル「こうつうきかん?……分かんないや。でも迷子なら助けるよ!」

しんざき「ありがとうございます。なら街とか村とか知りませんか?」

サーバル「うう~、ごめんね?分からない事だらけで。でも図書館に行けば分かるかも!」

しんざき「図書館!?図書館って、基本的に本が沢山あって、あと本は借りられるので、本の好きな方が利用する場所?」

サーバル「ホン?図書館はハカセがいるところだよ?あと助手も!」

しんざき「博士!?博士なら東京への帰り道を!知識力ぅ~ですかね。」

しんざき「図書館はどう行けば良いんですか?」

サーバル「一緒に行こうよ。図書館への道は分かるから!案内するよ!行こう!行こう!」トコトコ

しんざき「助かります、よろしくお願いします。」トコトコ

サーバル「あれ?それまで何て呼べばイイのかなぁ……」振り返り

サーバル「しんざきお兄さんで!!どーお?」

しんざき「はい。よろしくお願いします。サーバルさん。」

サーバル「しんざきお兄さん……」ポツリ

しんざき「どうかしました?」

サーバル「なんだか不思議な感じがする。早起きしたからかな~?」




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サーバル「がーいどっ!がーいどっ!アッフリッカがーいど~っ!」

サーバル「広くて見晴らしいいでしょ~?このエリアはアフリカ園って言うんだよ」

しんざき(アフリカ園だって!?本当に多摩動物公園!?でも、それにしては広すぎる……)

しんざき「……ここは基本的にサーバルさん1人の縄張りなんですか?」

サーバル「まさか~他にもい~っぱい居るよ!例えばね~、あっ!あそこにアフリカゾウちゃんが居るね!」

しんざき「どこでしょうか?」キョロキョロ

サーバル「ずっと向こうの方だよ!あっちあっち!」

しんざき「えーと」ジー(しかめっ面)

しんざき「んー確かに誰かいる様な?でも若干遠すぎて分からないです」

サーバル「あとはねー。向こうにはアミメキリンちゃんとフラミンゴちゃんが居るよ。」

しんざき「あ、分かります!ん?何か喋っているような……」

サーバル「んっとね、アミメキリンちゃんがフラミンゴちゃんに、貴女はヤギねっ!だって」

しんざき「サーバルさんはとても耳が良いんですね。本当にサーバルキャットみたいだ。」

サーバル「えっへん。他にも一杯いるよ?アフリカ園は広いから、たっくさんフレンズが居るんだ。」

サーバル「図書館は昆虫園の先にあるアジア園だから!」

しんざき「昆虫園、アジア園………遠いんですか?」

サーバル「そんなに遠くないよ。さあ行こう!行こう!」




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しんざき「え、ええ~」

しんざきの足元には崖、崖下にはタージマハルのような城が見える。

サーバル「……」メトロノーム

サーバル「えい!んっしょ!よしっと」崖を数回に分けて飛び降り

しんざき「え、ええ~」2度目

サーバル「早く!早く~!」

しんざき「そろ~っと、ゆっくり、余裕を持って、あわてない……」ゆっくり崖を降下中

サーバル「ゆっくりな動き。あなたもしかしてナマケモノのフレンズとか?」

しんざき「え?ナマケモノ?いや、(ズルッ!)うわああああああ」ズルズルズル

サーバル「大丈夫?」

しんざき「は、はい。大丈夫です。迷惑かけてすみません。」

サーバル「平気平気。フレンズによって得意な事違うから。」

しんざき「ふふっ、サーバルさんはとてもいい人ですね。」

サーバル「そうかな~?ん?ヒト?」

しんざき「動物からフレンズが生まれるんだとすれば、基本的にヒトだと思いますよ。僕もあなたも。」

サーバル「ん~ん、私はヒト?じゃなくてサーバルだよ?」

しんざき「はは、ならそうなのかもしれないですね。それにこの場所の事、僕はなんとなく分かってきました。」





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しんざき「はぁ……はぁ……はぁ……」テクテク

しんざき(僕ってこんなに体力なかったっけ、はぁはぁ……サーバルさんが元気すぎるだけか。はぁはぁ)

小セルリアン「……」ジー

しんざき「ん?この物体は?」

小セルリアン「……」ジー

しんざき「近づいてくる。生き物?」

サーバル「あ!ダメ!それはセルリアンだよ!!逃げて!」

小セルリアン「……」ピョーン

しんざき「うわっ!」ドサッ(尻餅)

サーバル「みゃみゃみゃみゃみゃみゃ!えぇーい!」ザシュ!

小セルリアン「!?」パッカーン、キラキラ(消滅)

しんざき「……わぁ~、キラキラしてる。」

サーバル「ふぅ、今のはセルリアンって言うんだ、ちょっと危ないから……あっ、しんざきお兄さん怪我してる!」

しんざき「え?どこを?転んだだけですよ?」尻餅のまま、足をさする

サーバル「いや、頭だよ。きっとセルリアンにやられたんだね。」

しんざき「頭?」手で頭を触る

しんざき「うわっ本当だ、血が。……いつの間に」

サーバル「しんざきお兄さん動かないで……」しゃがみ込み、しんざきに顔を近づけて

サーバル「……ペロッ……ペロッ」

しんざき「えっ」

しんざき「さ、サーバルさん?///」

サーバル「ペロッ………もう大丈夫!これもフレンズの力だよ!」ニッコリ

しんざき(なんて純粋な子なんだ。さわさわ……本当だもう血が出ていない。)



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しんざき「はぁはぁ……また崖だ。でも今度は登り……結構高いな~」

しんざき「ここを登るのですか?」

サーバル「うん。あたし登るの得意なんだ!簡単だよ!」

サーバル「みゃーみゃみゃみゃみゃみゃみゃみゃ!」あっという間に崖上へ

サーバル「ね?簡単でしょ?」

しんざき「いや~、若干どころではなく無理が!」崖上に声が届くように

しんざき「サーバルさんは凄いです!僕には……登れないっ!」

サーバル「大丈夫だよ!……えい!んっしょ!よしっと」崖を数回に分けて飛び降り

サーバル「私だってジャンプを良く失敗して……?あれ?いや、皆んなからドジーとか、全然弱い~とか言われるも!」

サーバル「それにしんざきお兄さんは頑張り屋だからきっと登れるよ。」

サーバル「あっちの崖なら途中に立てる場所があるから!数回に分けて登ろうよ!」

しんざき「やってみます。」

………

しんざき「んしょ……うんしょ……(ズルッ)…おっと……」

サーバル「よいしょっと!」しんざきのお尻を押す

サーバル「やった!途中まで登れたね!」

しんざき「はい。なんとか。」

サーバル「あともうちょっとで上まで登れるよ!そうしたら私と変わらないよ!」

しんざき「はい。ありがとうございます」ニッコリ





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サーバル「そろそろアフリカ園を抜けて、昆虫園に入るよ!」

しんざき「ほ、本当ですか?結構長い間歩きましたもんね。……ふぅ」

サーバル「うん、でも昆虫園は横切るだけかな~?いっぱい蝶々が居て綺麗なんだけどね。」

しんざき「はははっ、やっぱりここは多摩動物公園なんだね。」

サーバル「たまどうぶつ?」

しんざき「いや、タマズーロジカルパークだねって。」

サーバル「うん!そうだよ!あれ~?言ってなかったけ?」

しんざき「いやいや、ごめんね。サーバルさんは言ってました。僕がちょっとド忘れしただけです。」

サーバル「もー、しんざきお兄さん、忘れちゃダメだよっ?………忘れ……ちゃ?」

しんざき「ごめんごめん。もう忘れません。折角だから寄り道して蝶々見ていきましょうよ?いっぱい居て綺麗な所ですよね?」

サーバル「うん!ならちょっと寄って……(ゾクリ)」

サーバル「……みゃ?」

しんざき「どうかしました?サーバルさん。今僕らはこっちから歩いてきたから、蝶々の場所はきっとあっちですね?」指差し

サーバル「すごーい!どうして分かったの?」

しんざき「はははっ、たまたまですよ。さ、行きましょう?」

サーバル「うん!行こう!………(トコトコ)……(ゾクリッ)」

サーバル「……みゃ?」

サーバル「……」

サーバル「……しんざきお兄さん、ごめんね。あたし何だかそっちに行きたくないみたい。」

しんざき「?……サーバルさんが行きたくないなら、無理にとは言いませんが」

サーバル「ごめんね?今は図書館に向かった方がいいよ!」

しんざき「ん~そうですね。案内してもらってますし、行きましょうか。」

サーバル「うん!」





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ながい、なが~~い下り坂。

サーバル「アフリカ園の皆んなが図書館に行くときには必ずここを通るんだよ。」

しんざき「うわ~、ず~っと下に続いてる……(フラッ)……おっと……」

サーバル「ちょっと長いけど頑張ろうよ!はい……(スッ)……手を貸してあげるね。」

しんざき「ありがとう。助かります。」手を繋ぎ

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しんざき「はぁ……はぁ……やっぱり下りは下りで……足にくるなぁ……はぁ……はぁ……」

サーバル「あっ!しんざきお兄さん見て見て!」

しんざき「はい、何でしょうか?……はぁ……はぁ」

しんざき(サーバルさんは元気だなぁ)

サーバル「最近誰かがここを通ったみたい!足跡がついてる!!」

サーバル「誰のかなぁ?……えいっ!(ペタン)……えへへ私のじゃ無いよね。」

しんざき「ああ、それはキリンの足跡だね。」

サーバル「ええ?しんざきお兄さん分かるの?」

しんざき「うん。キリンはですね。基本的には偶蹄類と言われるヒズメが偶数の鯨偶蹄目に属していまして、若干ゃ親指は退化して無くなっていて、大きく発達した3番目と4番目の足の指がその大きな2つの足跡で。蹄行性なので、肉食動物から逃げ切れるように。キック力ぅ……ですかねぇ……。ライオンなどの捕食者を蹴り殺せる動物でして、でも飼育員が蹄を切ったり、削らなくてはいけないので、切るのに軽々と、1、2ヶ月掛かるキリンも居ます。」

サーバル「……」ポカーン

しんざき「え?あっ、すみません。つい職業柄で説明してしまいました。」

サーバル「す、すっごーい!さっぱり分からなかったけど、しんざきお兄さんって物知りなんだね!」

しんざき「ええ。興味半分、仕事半分ですけど沢山知ってますよ。サーバルキャットのことだって。」

サーバル「え!?そうなの?教えて!教えて~!」

しんざき「サーバルはですね。基本的に……」

しんざき「……軽々と1m2m余裕でジャンプしてくれます。」

サーバル「……」

しんざき「 サーバルキャットは僕にとって非常に思い出深い動物なんです。」

しんざき「苦しい思い出も楽しい思い出も、そしてきっとこれからも。」

しんざき「……なんだか不思議です。サーバルさんと一緒に居るとルナを思い出します。」

サーバル「る……な。ルナ!ルナ!そうだ……私は!」

しんざき「?」

しんざき「ルナと言うのは僕がお世話しているサーバルキャットの名前なんです。」

しんざき「サーバルさんのように無邪気で、好奇心旺盛で」

サーバル「うん!しんざきお兄さんは私の事いーっぱい知ってたんだね!凄いや!」

しんざき「ははは、サーバルキャットの方ですけどね?」

サーバル「えへへ~……あ!ほら、また違う足跡が!しんざきお兄さん!!」

サーバル(……あれ?でも私は……どうしてここに?)

しんざき「それはグレビーシマウマの足跡だね。」

サーバル「え~そうなの~?」

しんざき「グレイビーシマウマはですね。基本的に……」

サーバル「すっごーい!」




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サーバル「ここでちょっときゅうけ~ぃ!」ゴロン

サーバル「しんざきお兄さんの話を聴いてたら長い下り坂があっという間に終わっちゃた!」

しんざき「はははっ……はぁはぁ……僕も疲れを忘れるのに丁度良かったですよ……はぁはぁ。よいしょっと」座る

しんざき「はぁはぁ……でも結構しんどかったですね……(クラッ)……おっと……はぁはぁ」

しんざき「……貧血かな……ご飯を食べないと……でもお腹は不思議と空いてない……(ジワッ)……」

サーバル「あ~あ。鳥のフレンズならヒョイっと飛んでいけるのに……!?」

サーバル「何で…血が(ボソリ)……」

しんざき「そうですね。鳥なら……あ、もう辺りが薄暗くなってきましたね。」

サーバル「?」

しんざき「この先は登り道ですよね。暗いと危ないので今日はこの辺りで野宿しますか?」

しんざき「僕も大分疲れました。」ゴロリ(寝っ転がる)

サーバル「眠っちゃダメ!……っ!!」

しんざき「?」

サーバル「しんざきお兄さん。また少しの間動かないで……」しんざきに顔を近づけて

しんざき「えっ?……(タラリ)……?」

サーバル「(スッ)……ペロっ……ペロっ」

しんざき「わっ、さ、サーバルさん///」

しんざき「///」

サーバル「……ペロっ……ペロっ……」

サーバル「しんざきお兄さん、起きて?ごめんね。やっぱり休憩は無し。」

しんざき「……そっか、なら図書館に急ごうか。」

サーバル「図書館じゃダメ!!あ……ごめんね。」スッ、立ち上がり

サーバル「こっちだよ。しんざきお兄さん。行こう!出口まで!」手を差し出し

しんざき「出口……うん。行こう!……(スッ(手を取り))……よいしょっと……(カクンッ)…え?……あ、足が……(プルプル)」

サーバル「大丈夫!ちょっと疲れただけだよ?さあ背中に乗って!もうすぐだから!」

しんざき「すみません……サーバルさん。会って間もない僕の為に……」

サーバル「ん~ん、もうずっと前からお友達だから!」

しんざき「…とも…だち……」



------

サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」背中にしんざきを背負って

しんざき「……(ポタリ)……!?」

しんざき「サーバルさん……すみません。頭から血が。汚れてしまうので……降ろしてくれませんか?」

サーバル「私は平気だよ?だから進もう?しんざきお兄さんも気にしないで?」

しんざき「で……でも」

サーバル「私を信じて?しんざきお兄さん。」

しんざき「……うん」


-------

サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

しんざき(…………っつ……体に痛みが出てきた……)

しんざき「……もしかすると僕は……このまま……」

サーバル「大丈夫!しんざきお兄さんは大丈夫だよ。スグに歩けるようになるよ!」

しんざき「……うん。」

しんざき(大きな耳、小さな背中……でも、凄く安心する。)


--------


サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

サーバル「ねえ、しんざきお兄さん、ルナってどう言う意味なの?」

しんざき「……え?……ああ。……ああ(にっこり)……それはね……月という意味なんだ……」

サーバル「ツキ!月!ルナ!月!!えへへっ、そうだったんだ~。」

サーバル「ほら見て!しんざきお兄さん!まだ明るいけど、月があんなに大きく綺麗に見えるよ。」

しんざき「……ああ……綺麗だね。……きっと……スーパームーンだね……」

サーバル「スーパームーン?」

しんざき「……一年で……一番大きく……っ……はぁ……綺麗になった……月の事だよ……はぁ……はぁ…」

サーバル「あっごめんね。無理に喋らないで?しんざきお兄さん。」

しんざき「……ルナ……という名前はね……はぁ……はぁ……今日みたいな日に……産まれた……っ……からなんだ……はぁ……はぁ……」

サーバル「うん。うん!もう少しだから!あの綺麗な月を見ていたらすぐに出られるよ。」

しんざき「……うん……はぁ……はぁ…」



----------


サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

サーバル「しんざきお兄さんと一緒にどこかに行くのは楽しいね!」

しんざき「……うん……」

………

サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

サーバル「もっと、もーっと動物のこといっぱい、いーっぱい教えてね?」

しんざき「次は……分かるように……」

………


サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

サーバル「しんざきお兄さん隠れるの上手だったな~。また一緒に狩りごっこしようよ!」

しんざき「ああ……また……やろう」

………


サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

サーバル「しんざきお兄さん!見て見て!夕焼けが綺麗だよ!もうスグ着くからね!」

しんざき「はぁ……はぁ……かなり……暗くなって……」

サーバル「!!」

サーバル「大丈夫。しんざきお兄さんなら絶対大丈夫だよ!」

サーバル「それに暗くなっても歩けるよ!私夜行性だから!」

しんざき(……)ポロッ

………

サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

サーバル「私知らなかったよ。しんざきお兄さんは頑張り屋でもっと優しくて、いろんな動物のこといーっぱい知ってたんだね」

しんざき(……)ポロポロ

サーバル「(ポタポタ)…!!」

サーバル「泣かないで!しんざきお兄さん、絶対に大丈夫だから。」


………

サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

サーバル「みんな、みーんなしんざきお兄さんの帰りを待ってるから!」

しんざき「……ありがとう……ルナ」ポロポロ

サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!………………」



------

サーバル「おーいしょ!おーいしょ!おーいしょ!」

しんざき「はぁ………はぁ………はぁ………」

サーバル「しんざきお兄さん!もうそこに!ほら出口が見えて………!!」

大型セルリアン「……」ゴゴゴゴゴ

サーバル「なんで、なんで!?……大きすぎる。あれじゃ出られないよ。」

サーバル「倒すか退かすかしないと……私が何とかしなくっちゃ!」

サーバル「よいしょっと、しんざきお兄さん。ここでちょっとだけ待ってて。」

しんざき「……無理は……しな……いで……はぁはぁ」

サーバル「うん。私頑張るよ!だからしんざきお兄さんも頑張って!」

サーバル「……」タッタッタッタッタ


……


サーバル「お~い!こっち!」

大型セルリアン「ギョロリ」

サーバル「ほらほら!こっちだよ!」

大型セルリアン「ジー」

サーバル「こっち!こっちだって!」

サーバル「うー、見てるだけで動いてくれないよ」

サーバル「な、なら石は?………石もないよ……どうしよう」

大型セルリアン「……」

大型セルリアン「ゴゥ」頭突き

サーバル「うわっ!!っとと……」

地面「ゴッシャァ」

巨大セルリアン「……ギロリ」

サーバル「動いてくれたけど、手がそのまま」

サーバル「あっ!?石が背中に!」

サーバル「なら!早く倒して助けなきゃ!」ダッ

大型セルリアン「シュッ」ワニグチ伸ばし

サーバル「うわぁっ!……(チッ)…痛っ!」

大型セルリアン「シュッ」ワニグチ伸ばし

サーバル「うわっとと……」

……

しんざき(……このままじゃ)

しんざき(……僕に……何か……出来ることは?……)

大型セルリアン「シュッ!シュッ!シュッ!」ワニグチ伸ばし

サーバル「わっっと、おぉっと、わわわぁぁぁ」

地面「ガスン!ガスン!ガスン!」

サーバル「はぁ……はぁ……避けるので精一杯、でも、こうなったら一か八か飛び込んで」

飛ばした死角のワニグチ「クルリ……シュッ!!」

サーバル「!?」

しんざき(……石を……(ヒュー)……(ポトッ)……全然届かない……)

しんざき(……僕には………何も……何もっ……)

しんざきお兄さん!ポケット!ポケットを見て!

しんざき「だ…れ!?……はぁはぁ…これ……は?」

僕を投げて!そうしたら飛べるから!しんざきお兄さん!




飛ばした死角のワニグチ「クルリ……シュッ!!」

サーバル「!?」

ミニロケット「ヒューッ!!ガツン!!」

飛ばした死角のワニグチ「スカッ!!」

サーバル「え?」

ミニロケット「ピュ~~」

ミニロケット「ピュ~~」 大型セルリアン「ジィィィィ」

ミニロケット「ピュ~~」
大型セルリアン「ジィィィィ」

大型セルリアン「ジィィィィ」 ミニロケット「ピュ~~」

大型セルリアン「シュッ!シュッ!」

ミニロケット「(ヒョイッ)…(スイッ)……今だ!ルナ!」

サーバル「!!」

サーバル「みゃああああああ、てえええい!」パキーン!

大型セルリアン「!?」グググ、パッッカーーン!!

キラキラキラキラ




-------

サーバル「うーんしょ!うーんしょ!うーんしょ!」

サーバル「しんざきお兄さん!ほら、もう外だよ!」

しんざき「……」

サーバル「うーんしょ!うーんしょ!うーんしょ!」

サーバル「しんざきお兄さん!もっともっとお話して、もっともっと沢山遊ぼうね?」

しんざき「……」

サーバル「うーんしょ!うーんしょ!うーんしょ!」

サーバル「しんざきお兄さん!これからも宜しくね!」

しんざき「……ぁり……がと……」


しんざき(視界が白む……)

しんざき(意識が遠のいて……)

しんざき(いや……この感覚は……)

………


しんざき「…」パチリ

しんざき「……痛。……ここは……病院?」

しんざき「そうか僕は……仕事の終わりに園内で頭を打って、そのまま……」

ナース「ドクター!!しんざきさんが目を覚ましました!!」


------


後日

しんざきさん聞いてくださいよ。
しんざきさんの意識が無かった数日の間、ルナも寝たまま動かなくなちゃって、意識が無かったんですよ。
しんざきさんの事でも大変なのにルナまでもかって、でも、なんとか助けたくて獣医を呼んだんですけど、
獣医がルナに近づこうとするとアポロが怒るんですよ。
もう鬼の形相で、それこそ麻酔銃を使うかどうかってところまで行ったんですよ。
結局ルナも意識を取り戻してアポロも大人しくなったんですけど。大変でしたよ。
いや~、でも良かった。しんざきさんもサーバルキャットも無事で。



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さらに後日、サーバルジャンプにて

ルナ「……」メトロノーム

ルナ「……(ピョーン)……(お肉スカッ)」

観客「ああ~」

しんざき「惜しいですね。」

しんざき「大丈夫。次はきっと上手に跳んでくれます。」にっこり


お終い

読んでくださった方、ありがとうございました。

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