少年「わあ!フライスロール君だ!」少女「わぁいわぁい!」 (53)

フロ「やあ!フライスロール君だよ!」
少年「わあ!フライスロール君だ!」
少女「わぁいわぁい!」
フロ「特技はリンボーダンスだよ!」
少年「ひゅーかっこいー!」
少女「わぁいわぁい!」
フロ「出張するよ!」
少年「わあ!フライロール君がとても素敵なタップダンスをしてるよ!」
少女「ふふ、今日もなんだか一波乱起きそうね」

フロ「銀行強盗がいるよ!」
強盗「銀行強盗だよ!」
警察「警察だよ!」
フロ「警察もいたよ!」
強盗「困ったなあ!このままだと捕まってしまう!」
フロ「悪人だからね!仕方ないね!」
強盗「たしかに」

警察「逮捕したよ!」
強盗「逮捕されたよ!」
フロ「やったぁ!」
強盗「しかし私には止むに止まれぬ事情があったのだった!寝たきりの母を治療するためにはどうしてもお金が必要なのだった!」
フロ「なんだって!それは大変だ!」

警察「連行するよ!」
フロ「待って!」
警察「待つよ!」
フロ「リンボーダンスを踊るよ!」
通行人A「わあ!なんて見事なタップダンスなんだ!」

フロ「踊ったよ!」
通行人B「とても素敵だったわ!」
警察「じゃあ連行するよ!」
強盗「連行されたよ!」
フロ「人助けっていいものだなあ!」

猫「猫だよ!」
焼き魚「焼き魚だよ!」
猫「焼き魚を食べるよ!」
焼き魚「食べられてしまうよ!」
猫「むしゃむしゃ食べるよ!」
焼き魚「痛いよ!」
猫「ごめん……」

焼き魚「実は痛くなかったよ!」
猫「むしゃむしゃ食べるよ!」
焼き魚「むしゃむしゃ食べられるよ!」
猫「美味しかった!」
骨「焼き魚だったよ!」

少年「あんなところに猫がいる!」
猫「猫だよ!」
少年「かわいいなあ!」
猫「よく見るとそんなでもないよ!」
少年「かわいくないなあ!」
猫「全宇宙は我々猫族の意識の中にある!宇宙とは猫であり、猫こそが宇宙なのだ!」
少年「ぐるぐる回るよ!」
猫「にゃーにゃー」
少年「かわいいなあ!」

ついてない男「また宝くじを外してしまった!このままだと妻に怒られてしまう!」
ついてない妻「こまったわねえ」
ついてない男「この怒り晴らさでおけぬ!このハズレくじを一体どうしてしまおうか!」
ついてない妻「食べてしまったらいいんじゃないかしら」
ついてない男「それは妙案!むしゃむしゃ!」

家事「火事です」
奥さん「あらやだ家事だわ!」
家事「家事ではありません。火事です」
奥さん「こまったわ!雨だから洗濯物をとりこまなくちゃ!」
家事「取り込んだら燃えてしまいます」
奥さん「たしかにそうだわ!どうしましょう!」

火事「火事ですどうも」
奥さん「あらまあこれはご丁寧にどうも」
家事「逃げてください燃やされてしまいます」
奥さん「困ったわ!洗濯物を取り込まないといけないのに」
火事「心配いりません。乾かしておきました」
奥さん「素敵!燃えちゃいそう!」

メロン「メロンです」
スイカ「違います。あなたはスイカです」
メロン「どうしてですか?」
スイカ「スイカは丸いです」
メロン「はい」
スイカ「あなたも丸いです」
メロン「はい」
スイカ「つまりあなたはスイカです」
メロン「なるほど。つまり私はメロンです」

スイカ「違います。私はメロンです」
メロン「メロンはスイカですか?」
スイカ「違います。メロンです」
メロン「どうしてですか?」
スイカ「メロンはメロンです」
メロン「なるほど。メロンはおいしいですね」
スイカ「塩です」
メロン「メロンに塩はかけませんよ」
スイカ「知っています。私はメロンです」

フロ「あ!あれはひったくり!」
老婦人「ひったくりされてしまったよ!」
フロ「見失ってしまったよ!」
老婦人「いかにも好青年という背格好で、いかにも好青年という顔立ちをしていたよ!」
好青年「好青年だよ!」
フロ「犯人は一体どこにいるんだ!」

がたいのいい男「ん?あれはフライスロール君?」
フロ「そうだよ!フライロール君だよ!」
がたいのいい男「どうしたんだい?」
フロ「えぇと、忘れてしまったよ!」
鞄「早くして!」

がたいのいい男「ひったくり犯はこいつか!」
鞄「そうだよ!」
老婦人「そうだよ!」
好青年「そうだよ!」
がたいのいい男「よし!俺が警察まで連れてってやるぞ!」
好青年「ありがとう!」
フロ「リンボーダンスを踊るよ!」

料理人「料理をします」
見習い「植木鉢は必要ですか?」
料理人「必要ありません。まず野菜を切ります」
見習い「まな板おいしいですね」
料理人「それを茹でます」
見習い「包丁も悪くない」
料理人「肉を」
見習い「フライパンもなかなか」
料理人「料理をしましょう」
見習い「植木鉢おいしい。植木鉢おいしい」

料理人「料理をします」
見習い「何をつくるんです?」
料理人「カレーです。カレーはおいしいです」
見習い「カレーならレトルトでいいと思うんです」
料理人「私たちは料理人です」
見習い「最近だと冷凍パスタなんかも侮れません」
料理人「私たちは料理人です。料理をしましょう」

見習い「レトルトなら安く手間もかかりません」
料理人「自分で作った方がおいしいですよ」
電子レンジ「ちーん」
見習い「できました」
料理人「勝手に電子レンジを使わないでください」
見習い「やっぱり植木鉢はあたためたほうがおいしいですね」
料理人「はっはっは」

奥さん「あらやだあなた財布を落としましたよ」
ついてない男「ああ!なんてこった!どうして僕は財布を落としたんだ!」
奥さん「そんなこともありますよ」
ついてない男「そうじゃない!いつもなら財布を家に忘れるはずなんだ!きっともっとついてないことが起きるに違いない!」
奥さん「そんなことありませんよ」
ついてない男「そうだろうか!」
奥さん「ところで、どうして服を着ていないんです?」
ついてない男「ああ!なんてこった!」

女学生「私はロケットです」
女学生「ロケットは飛びます。ものすごい速さで飛びます」
女学生「誰も私を目で捉えることはできない」
女学生「すごい!すてき!」
女学生「私は喝采につつまれる」
女学生「ふふふ」
男子生徒「大丈夫?」
女学生「あわわ」

恋「落ちるよ!」
恋「どんどん落ちるよ!」
恋「すべからく落ちるべし!すべからく落ちるべし!」
隕石「落ちるよ!」
恋「ラヴイズブラインド!ラヴイズブラインド!」

天井「ああ、床。あなたはどうして床なの?」
床「ただ一言、私を恋人と呼んでください」
恋「落ちるよ!どんどん落ちるよ!」
天井「ああ!なんて素敵な人!」
床「ああ!この忌々しい壁さえなければ!」
壁「毎日毎日飽きもせず、こっちの身にもなってくれ」

仔犬「ここ掘れワンワン!」
爺「どうした犬よ」
仔犬「ここ掘れワンワン!」
爺「腹でも空いたか?」
仔犬「ここ掘れって!」
爺「ほれカレー食え!カレー食え!」
仔犬「カレー食えねえよ掘れよ!」
爺「よーしよしよし!かわいいなぁかわいいなぁ!」
仔犬「やめろやめろって……あ、その撫でかたやばい最高」

老婦人「あら、こんなところにかわいい猫がいるわ!」
猫「他を当たりな!」
老婦人「この図々しいところがまたキュート!」
猫「こいつ耄碌してやがる!」
老婦人「うふふ。照れ屋さんなんだから!」
猫「全宇宙は我々猫族の意識の中にあり……」
老婦人「ねこじゃらしをあげましょう!」
猫「にゃーにゃー」

女学生「羊ドラゴンは火を吹きます」
女学生「しかし毛深いので自分の毛も燃えてしまいます」
女学生「燃え盛る姿はさながら般若!この世の有象無象を消し炭にしながら空を舞う!」
女学生「きっとマトンなのでおいしいですね」
女学生「じゅるり」
数学教師「まだ昼には早いぞ」
女学生「ごめんなさい……」

メロン「スイカといえば夏ですね」
スイカ「狂気です」
メロン「痛いですか?」
スイカ「コロッセウム」
メロン「コロッセウムですね」
スイカ「ええ。殺戮です」
メロン「メロンは割りませんね」
スイカ「潰れるし高いです」
メロン「潰れたら良いです」
スイカ「潰れます。メロンです」
メロン「あなたはスイカです」
スイカ「畜生」

メロン「シマウマの真似ですか?」
スイカ「シマウマが真似をしています」
メロン「シマウマは走ります」
スイカ「走りますね」
メロン「つまり地に足がついています。あなたに足はありません」
スイカ「地に根を張っている。つまり私が地面です」
メロン「地球ですか?」
スイカ「そうです。地球も丸いです」
メロン「なるほど」

会社員「今日も飲み会さ」
フロ「疲れてそうだね!」
会社員「フライスロール君!そうなんだ疲れたんだよ!」
フロ「君はどうしたいんだい?」
会社員「僕は……そんなのわからないよ」
フロ「やっぱりビールには枝豆だね!」
会社員「ああ、よく考えたら面倒臭がらずに楽しめば良いのかな?」
フロ「ふっふー!」
会社員「ありがとう!なんだか元気が出てきたよ!」

部長「新入社員の付き合いがわるいなぁ。嫌われているんだろうか」
フロ「たいへんそうだね!」
部長「君はフライスロール君!」
フロ「君はどうしたいんだい?」
部長「そりゃもちろん後輩と仲良くしたいのだけど」
フロ「ビールうめえ!ビールうめえ!」
部長「最近の若い子にどう接したらいいかわからないんだ」
フロ「リンボーダンスを踊るよ!」
部長「そうだな。こちらが相手に向き合わなければ心を開いてくれるはずないな。素敵なタップダンスをありがとう」

仔犬「ここは俺のテリトリーだ!失せな!」
猫「猫は気ままだよ!自由だよ!」
仔犬「てめーに付き合ってやる義理はないね!」
猫「毛繕い!毛繕い!」
仔犬「この野郎!」

仔犬「まあいい!俺が一声かければ俺の主人がやってくる!」
猫「それがどうかしたのかい?」
仔犬「俺の主人は常人を遥かに超えた手つきでてめーを喜ばせるだろう!その生意気な口から甘ったるい猫撫で声を聞くのが楽しみだぜ!」
爺「おやおやこれはかわいい猫ちゃんだ!」

爺「おーよしよし!」
猫「にゃうん」
爺「かわいいのぉかわいいのぉ!」
猫「ごろごろにゃーご」
仔犬「どうだまいったか!」
猫「ちょっと喜んで見せてやっただけだよ!まあ毎日来てやってもいいがな!」
爺「あれ、行ってしまった!」
仔犬「ちっ!やっぱり生意気なやつだ!」

爺「あいつはまた来るだろうか?」
仔犬「知ったこっちゃないね!」
爺「まだ撫で足りんのぉ」
仔犬「ここに撫でられ足りない犬がいるよ!」
爺「代わりに撫でられるものはないかな?」
仔犬「俺を撫でろって!な!撫でよう!」
爺「どうした?カレー食うか?」
仔犬「だから食えねえよ!撫でろ!」

音っ屁「ぶー」
透かしっ屁「うるせえよ」
音っ屁「あ?スカしてんじゃねぇぞこら!」
透かしっ屁「ぶーぶーぶーぶーうるさいんだよ!」
大便「相変わらず発火点が低いね。これだからガスどもは」
音っ屁・透かしっ屁「失せろクソ野郎」

料理人「料理をします」
見習い「ちりとりは必要ですか?」
料理人「必要ありません。まず野菜を切ります」
見習い「切っておきました」
料理人「それを茹で」
見習い「茹でておきました」
料理人「肉を」
見習い「焼きました。それらを全て捨てます」
料理人「なんてことを」
見習い「ちりとりはおいしいです」
料理人「まったくもう」

男子生徒「ねえ」
女学生「なんですか?」
男子生徒「君はいつも何を考えているの?」
女学生「んー……世界平和?」
男子生徒「へ、へぇ」
女学生「世界中の人がみな幸せになれば平和です。そのためにはまず自分が幸せになる必要があります。ハッピーハッピー」
男子生徒「なるほど」
女学生「あなたは幸せですか?」
男子生徒「え?まあ」
女学生「ハッピーハッピー」
男子生徒「……ハッピーハッピー」

カラス「鳴きます。可愛い子のために鳴きます」
ゴミ袋「つつかないでください」
カラス「突きます。習性です」
ゴミ袋「中身が出てしまいます」
カラス「わかりません。鳥頭です」
ゴミ袋「都合のいい頭しやがって」
カラス「鳴きます。仲間を呼びます」
ゴミ袋「勘弁してください」

ドア「開きます」
鍵「そうはさせめえ」
ドア「なんてこったい」
針金「ぐへへ俺の手にかかればこんなもの」
鍵「あ、やめ、畜生め」
針金「テクニック!テクニック!」
ドア「開きます」
空き巣「やったぁ」

ついてない女「空き巣に入られてしまったみたい」
ついてない男「なんてこった!」
ついてない女「でも何も盗られなかったみたい」
ついてない男「なんだって!」
ついてない女「だって空き巣が入ったときにはもう家が全焼してしまっていたのだもの」
ついてない男「畜生め!」

少年「卓球でよくホームランを打つんだ!」
少年B「ぼくもよくバレーでヘディングするなぁ」
少年「競技が違ったらよかったのにね!」
少年B「野球は得意なの?」
少年「いや、キャッチボールしかしたことない!」
少年B「そっかぁ」
少年「でもボブスレーならしたことあるよ!」
少年B「ボブスレーでもホームランは難しいんじゃないかなぁ」

女学生「うむ」
男子生徒「……なにしてるの?」
女学生「あなたの似顔絵を描いています」
男子生徒「え、恥ずかしいな」
女学生「でも似てないのです」
男子生徒「確かに似てないね」
女学生「人間かどうかも怪しい」
男子生徒「まあ下手の横好き、いや、好きこそものの上手なれと言うから」
女学生「でも私、絵描くの好きじゃないんですよ」
男子生徒「じゃあどうして描いたの……」
女学生「どうしてだろう……」

爺「婆さんや!ちょっと縁側に来んかい?」
老婦人「はいはいなんですか?」
爺「なにか話でもしようかと!」
老婦人「うふふ!じゃあ私達の出逢った頃の話を!」
仔犬「おい!蚊帳の外か!蚊帳の外か!」
猫「たまたま通りがかったから撫でてもいいよ!」
恋「ラヴイズブラインド!ラヴイズブラインド!」

部長「飲みに付き合ってくれてありがとう」
会社員「いえ、こちらこそご一緒できて嬉しいです」
部長「この会社飲み会多いだろう?いつも無理に付き合わせてしまっているようで申し訳ない」
会社員「ああ、はは。僕も付き合いが悪くてすみません」

部長「いや、こちらも気が回らなかった。うちは飲み会が多いが、無理に出ることはない。みんな来たいときに来るようにしているだけだからね」
会社員「そうなんですか」
部長「私は口下手だから、酒の席でないとなかなか腹を割って話すことができなくて、だからこうしてたまにでも飲みに付き合ってくれると嬉しい」
会社員「こちらこそ嬉しいです。自分のことばかりで周りが見えてなかった気がします」
部長「あはは。最初はそんなもんだ」

部長「君は今の環境に満足しているかい?」
会社員「満足……ですか?」
部長「ああ、まあ、満足というかなんというか、悩みとかないかい?」
会社員「そうですね、最近まで、その飲み会の雰囲気とかについて行けなくて辛く感じるときもありましたけど、ええ、たぶん大丈夫です」
部長「そうか。そうか」
会社員「わざわざ気遣ってくださってありがとうございます」

好青年「やあ!」
強盗「どうも!」
好青年「あなたはどうしてこんなところに?」
強盗「強盗をしたんだ。寝たきりの母がいて、金が必要だった」
好青年「それは大変ですね!私は私利私欲のために引ったくりですよ!」
強盗「それは良くない」
好青年「たしかに」
強盗「私のしたことも変わらないか」

強盗「どうにかして母を……いや、考えても仕方ないな」
好青年「そうですね。今出来ることは反省することと祈ることくらいですからね」
強盗「ああ、そうだな」
好青年「あ、すみません!他人にどうこう言われる筋合いはないですよね!つい差し出がましいことを言ってしまった!」
強盗「いや、君の言うことは正しい。せいぜい最期まで反省するよ」

誰かの母「……ん」
看護師「あ!だめですよ無理しては!」
誰かの母「いや、今日は動ける気がするの!」
看護師「昨日も同じこと言ってたじゃないですか!」
誰かの母「今日は大丈夫だから!今日は大丈夫だから!」
看護師「駄目ですってば!」
誰かの母「早くあの馬鹿息子に説教してげんこつ食らわせてやんなきゃだから!」

看護師「だから落ち着いて……」
誰かの母「私はね!腹痛めてあの子産んだの!間違ったら引っぱたいてやんなきゃなの!」
看護師「……あなたの言うことはわかります。でも自分の身体も大事にしてくれなきゃ」
誰かの母「あ!」
看護師「あ」
誰かの母「立てた」
看護師「立てましたね」
誰かの母「歩ける!」
看護師「ああ!ちょっと待って!先生ー!先生ー!」
フロ「ふっふー」

フロ「今日も一日楽しかったよ!」
少年「あ!フライスロール君が帰ってきた!」
少女「わーいわーい」
フロ「みんな楽しいのが一番だね!」
少年「フライスロール君は頭がいいなぁ!」
少女「わーいわーい」
フロ「リンボーダンスを踊るよ!」
少年「やっぱりフライスロール君のタップダンスは世界一!」
少女「ふふ。やっぱりこの世界は面白いわ」

おわりです。
もし読んでくださった方がいたらここにお礼申し上げます。
読んでくださってありがとうございました。

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