サーバル「かばんちゃんはわたしから離れちゃダメだよ」 (31)

けもフレSS
地の文なし

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495888394

かばん「う、うわあっセルリアン!?」

セルリアン「(^o^)」

かばん「こ、来ないでっ」タタタッ

かばん(どうしよう、ぼくひとりじゃ……)

セルリアン「(о´∀`о)」

かばん(お、追いつかれ……)

サーバル「かばんちゃん!」ガサッ

かばん「サーバルちゃん!」

サーバル「うみゃ!」ドゴッ

セルリアン「\(^o^)/」パッカーン

サーバル「かばんちゃん大丈夫?」

かばん「あ、ありがとうサーバルちゃん。助かったよ」

サーバル「よかった、間に合ったみたいだね」

かばん「急にセルリアンが現れたから、びっくりしたよ」

サーバル「……」

かばん「サーバルちゃん?」

サーバル「あ、ごめんなんでもないよ。帰ろっか」

かばん「うん」

サーバル(あんなに小さなセルリアンだったのに、かばんちゃん、食べられそうになってた)

サーバル(わたしだって、フレンズの中では弱い方なのに……)

サーバル(たぶんフレンズの中で、あの大きさのセルリアンを倒せないのはかばんちゃんだけだ)

サーバル(もし、間に合ってなかったら……)

サーバル「」ゾクッ

かばん「じゃあ、おやすみ」

サーバル「おやすみ~」

かばん「あれ、サーバルちゃんも寝るの?」

サーバル「今日は疲れたから」

サーバル「夜行性だけどね!」

かばん「あはは」

~夜中~

サーバル「むにゃ……」

サーバル「ん、かばんちゃん……」ムクッ

サーバル「……あれ? かばんちゃんは?」



サーバル「かばんちゃん!」

かばん「わぁ! びっくりした」

サーバル「……何してるの」

かばん「ごめんね、起こしちゃったかな。星がきれいだから、眺めてたんだ」

サーバル「……」

かばん「ほら、いっしょに見てみない?」

サーバル「……うん」

かばん「きれいだね」

サーバル「そうだね……」

かばん「ねぇ、サーバルちゃん」

かばん「何か悩んでる?」

サーバル「えっ」

かばん「なんか、サーバルちゃんの様子がおかしかったから」

かばん「ぼくでよかったら、話を聞くよ」

サーバル「……」

サーバル「かばんちゃん」

サーバル「もう、わたしから離れないで」

かばん「え?」

サーバル「お願い。これからはずっと、わたしから見えるところにいてよ」

かばん「ど、どういうこと?」

サーバル「そのまんまだよ。かばんちゃんがひとりでいるのは危ないから」

かばん「確かに、今日はちょっと危なかったかもしれないけど……」

サーバル「ちょっとじゃないよ! たまたまわたしが近くにいなかったら、かばんちゃん食べられてたかもしれないんだよ!?」

かばん「お、大袈裟だよ」

サーバル「怖いよ、不安だよ。だってかばんちゃん、あんな小さなセルリアンにも勝てないなんて……」

かばん「突然現れたから、あわてちゃって……」

サーバル「それで食べられちゃったらどうするの!」

かばん「ご、ごめん」

サーバル「やっぱりかばんちゃんひとりだと危ないよ。わたしがずっとそばにいて、いつでも助けてあげるから」

かばん「……ごめんね、心配かけて。ぼくが弱いから」

サーバル「ううん、違うよ! かばんちゃんはすごいよ。わたしが考えもしないようなことを思いついて、いろんなフレンズを助けてあげて……」

サーバル「わたしがセルリアンに食べられたときだって、かばんちゃんが助けてくれたし」

サーバル「そんな優しくてかっこいいかばんちゃんのこと、わたしは大好きだよ」

かばん「あ、ありがとう。ぼくも……」

サーバル「でもね」



サーバル「かばんちゃんが頑張るのは、いつも誰かのためなんだよね」

かばん「……」

かばん「……そう、かな」

サーバル「もちろんそこがかばんちゃんのいいところでもあるんだけどね。でも、わたしは心配だよ」

サーバル「わたしを助けてくれたときもそうだったよね。かばんちゃん、わかってたんじゃない? わたしを助けたら、今度は自分が食べられちゃうって」

かばん「そんなこと……」

サーバル「ほんとに?」

かばん「う~ん……」

かばん「ぼくだって、食べられたかったわけじゃないよ。でも、あのときは必死だったから」

サーバル「じゃあ、なんでさっきは必死になれなかったの?」

かばん「必死といえば必死だったけど……」

サーバル「いつもみたいに何か思いつかなかったんでしょ?」

かばん「……」

サーバル「たぶん、他のフレンズといっしょにいたら、そうはならなかったよ」

サーバル「その子を助けるために、きっといい方法を思いついてたよ」

かばん「そう、なのかな」

サーバル(まぁあのサイズのセルリアンなら、その子が倒しちゃってただろうけど)

かばん「でも、サーバルちゃんもあのとき、ぼくとラッキーさんを助けてくれたよね」

サーバル「ふたりを抱えてとぶのは間に合わないと思ったから、とっさにね」

かばん「ほら、サーバルちゃんだって、誰かのために体を張れるいい子じゃない?」

サーバル「そりゃ、かばんちゃんやボスのためならそのくらいのことはするよ」

かばん「あ、ごめんね、もちろん責めてるわけじゃないよ。あのときはありがとう」

サーバル「ううん、こちらこそ」

かばん「ね? 別にぼくだけが特別なわけじゃないんだよ。結局そのあとは、皆がぼくのためにがんばってくれたわけだし」

サーバル「……うーん」

サーバル「でも、やっぱりかばんちゃんは違う気がするの」

かばん「違う……?」

サーバル「かばんちゃん、初めてセルリアンを見たとき、どう思った?」

かばん「サーバルちゃんと出会ってすぐのことだったよね。最初は、フレンズかと思って話しかけちゃったよ」

サーバル「ほら、やっぱりね」

かばん「だって、あのときはセルリアンがぼくたちを食べるなんて知らなかったから」

サーバル「そうじゃないよ。もし記憶がなくなってたとしても、わたしや、たぶん他のフレンズならそうはならなかったよ」

かばん「え?」

サーバル「たとえ知らなかったとしても、セルリアンを一目見たとき、こう……ぞわっとこなかった?」

かばん「ぞわっと……?」

サーバル「う~ん、説明しにくいけど、なんとなく『こいつは危険だ!』って感じしなかった?」

かばん「……ごめん、よくわからないや」

サーバル「それに今日は、セルリアンが急に現れたからびっくりしたって言ってたけど、その前に、イヤな感じはしなかったの?」

かばん「その前にって……」

サーバル「フレンズなら……いや、動物だったころだって、たぶん皆わかってたと思う」

サーバル「かばんちゃんだけだよ。ヒトって生き物は、本当に特別なんだよ」

かばん「……」

サーバル「それが悪いわけじゃないよ。でも、かばんちゃんがわたしたちに比べてどれだけ危ないかっていうのは、わかっておいてほしいの」

かばん「サーバルちゃん……」

かばん「でも……」

かばん「ぼくはヒトだから、もしセルリアンに食べられても大丈夫だよ」

かばん「サーバルちゃんや皆のこと、忘れたりしないよ」

サーバル「……そうなのかな」

かばん「そうだよ、こないだだって……」

サーバル「もし、助けるのがもう少し遅れてたら? あのセルリアンじゃなかったら? もう一度食べられたら?」

サーバル「それでも、絶対に大丈夫だって言える?」

かばん「それは、わからないけど……」

サーバル「かばんちゃん、勘違いしないで。かばんちゃんがヒトだったから記憶を失わなかったっていうのは、本当に正しいかどうかわからないんだよ」

サーバル「次はないかもしれない。でも、そもそも試そうだなんて考えないで。自分なら食べられても平気だなんて思わないで」

サーバル「どちらにしろ、かばんちゃんが食べられてるところなんて、わたしはもう見たくないよ」

かばん「サーバルちゃん……わかったよ、もうそんなこと言わない」

サーバル「だから、もう絶対わたしから離れちゃダメだからね」

かばん「……そうなっちゃうんだね」

かばん「わかったよ。それなら、いつもできるだけ誰かといっしょにいるようにするから」

サーバル「え?」

かばん「ぼくひとりだと危ないけど、誰かフレンズといっしょにいれば大丈夫でしょ?」

かばん「もしセルリアンに襲われたら、その子に守ってもらうから……」

サーバル「ダメ! かばんちゃんはわたしが守るの!」

かばん「……サーバルちゃん?」

サーバル「うみゃ、えっと……」

かばん「やっぱりね」

かばん「うん、ぼくのことを心配してくれる気持ちが嘘じゃないのはわかってるよ」

かばん「でも」

かばん「それだけじゃないよね?」

サーバル「う、うぅ~っ」

サーバル「なんで!? ずっとわたしといっしょにいればいいじゃない!」

かばん「まぁ当分はそのつもりだけど……」

サーバル「ずっとだよ!」

かばん「それは……わからないよ」

サーバル「どうして? わたしはどこだってかばんちゃんについていくよ?」

かばん「気持ちはうれしいけど、さすがに悪いよ。ヒトがどこに住んでいるかわからないし」

サーバル「関係ないよ!」

かばん「もし、ジャパリパークの外だったら?」

サーバル「えっ」

かばん「聞いた話だと、ジャパリパークの外に出るとフレンズは元の動物に戻るとか……でも、ヒトだったら関係ないよね」

サーバル「そ、それでも……」

かばん「本当にいいの?」

サーバル「……」

かばん「……ごめん、変なこと言っちゃったね。そんなこと考えなくていいよ」

かばん「ぼく以外のヒトに会いたいって気持ちは当然あるけど、サーバルちゃんと離れるくらいだったら、そんなのもうどうでもいいや」ニコッ

サーバル「か……」

サーバル「かばんちゃあああああん」ガバッ

かばん「サーバルちゃん、大好きだよ」

サーバル「わたしもだよ!」

かばん(ごまかせたかな)

サーバル「かばんちゃん」

かばん「ん?」

サーバル「もう離さないよ」

かばん「えっ」

サーバル「かばんちゃんはわたしがいないとダメなんだから」

サーバル「大丈夫。わたしがかばんちゃんを守ってあげる」

サーバル「だから、わたしのそばから離れないで」

サーバル「ずっとわたしといっしょにいてね」

かばん「……」

かばん(だめだったみたい)

かばん(でもまぁ……いいかな)

かばん「サーバルちゃん、これからもよろしくね」

サーバル「うん!」

おわりだよ!
見てくれてありがとう!
またね!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom