ガヴリール「げっ、傘忘れた・・・」 (47)


ガヴドロのガヴサタssです


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放課後


ガヴ「雨降るとか聞いてねぇ・・・」


ガヴ「仕方ない、濡れちまうがそのまま帰るか・・・」


サターニャ「ちょっと、ガヴリール!」


ガヴ「・・・なんだ、サターニャか。まだ帰ってなかったのかよ」


サターニャ「なんだとはずいぶんなご挨拶ね。・・・それより、あんたまさか、そのまま帰るつもりじゃないでしょうね?」


ガヴ「そのまさかだが。お前には関係ないだろ」

サターニャ「傘忘れたの?」


ガヴ「・・・雨が降るなんて知らなかったんだよ」


サターニャ「天気予報では晴れのち雨って言ってたじゃない・・・」


ガヴ「一々天気予報なんてみてねーよ。つかテレビ自体あんま見ないし」


サターニャ「ククク・・・愚かねガヴリール。優秀な私はしっかりと傘を持ってきてるのよ!」


ガヴ「はいはいえらいえらい。で、そんなことをわざわざ自慢しに来たのかよ」


サターニャ「そんなわけないでしょ。あんたが傘もささずに帰ろうとするから、その・・・」


ガヴ「なんだよ、はっきりしねーな」


サターニャ「・・・なんでもないわ」

ガヴ「?・・・まぁいいや。私は帰るぞ」テクテク


サターニャ「!!」


サターニャ「ちょ、ちょっと!」


ガヴ「さっきからなんだよ・・・言っとくけど、私はお前みたいな暇人に構ってられるほど暇じゃないんだぞ」


バサッ!


ガヴ「!」


サターニャ「まったく、この雨の中傘もささずに帰ろうなんて馬鹿じゃないの?」


サターニャ「ほら、入れてあげるから一緒に帰るわよ」


ガヴ「お、おう」

帰り道


ガヴ「・・・」


サターニャ「・・・」


ガヴ(そういえば、こいつと二人で帰るのって何気に初めてじゃね?)


サターニャ(思ったらガヴリールと一緒に帰るのってあんまりなかったわね・・・)


ガヴ「・・・」


サターニャ「・・・」


ガヴ・サタ(何を話せばいいんだろう・・・)

サターニャ「あ、あんたってさ、休みの日は何してるわけ?」


ガヴ「ま、また唐突だな・・・そうだな、お前たちが押しかけてくる日以外はネトゲ三昧といったところか」


サターニャ「そ、そう・・・ほんと好きね」


ガヴ「こんなこと聞くまでもなかっただろ。・・・お前こそ何してるんだよ」


サターニャ「そうね・・・通販番組みたり使い魔の散歩に行ったり何かと動いてるわね」


ガヴ「使い魔って・・・あの犬のことか」


サターニャ「そうよ。・・・相変わらず私の言うこと聞かないけど」


ガヴ「知ってるか?犬の中にも序列があって、自分よりも下だと認識されればすっげー反抗的になるらしいぞ」


サターニャ「そうなの?」


ガヴ「だからお前は大魔王どころか犬以下ってことだな」


サターニャ「」

ガヴ「ププ・・・まぁそう落ち込むなって。いずれ分かり合える日が来るよ」ポンポン


サターニャ「その可哀そうな人を見るような目やめなさいよ!」


サターニャ「・・・あ、そういえば」


ガヴ「ん?」


サターニャ「ずっと言いそびれてたんだけど・・・」


ガヴ「なんだよ、今日はマジで歯切れが悪いな」


サターニャ「・・・ありがとね」


ガヴ「は?なにがだよ」

サターニャ「使い魔のことよ。・・・あんたがマンションのオーナに掛け合ってペット可にしてくれたらしいじゃない」


ガヴ「あー・・・そんなこともあったな」


ガヴ「別にお前が騒いでウザかったから、さっさと解決して黙らせようとしただけだし・・・あれ以上私の貴重な時間をムダに費やさないためにやったことだから、お前が感謝する必要もねーよ」


サターニャ「・・・ほんと、素直じゃないわね」


ガヴ「本当のこと言っただけだ」


サターニャ「ふふ、そういうことにしといてあげるわ!」


サターニャ(ま、実はその為にマスターに頼み込んでくれたことも・・・その条件としてめんどくさがりのあんたがシフトを増やしたことも全部聞いてるんだからね)


サターニャ(一日だけなところはガヴリールらしいけど)クスッ


ガヴ「なに一人で笑ってるんだよ、気色わるっ」


サターニャ「なっ!!気色悪いってなによ酷いじゃないっ」

ガヴ「・・・それにしても雨やむ気配ねーな」


サターニャ「やむどころか明日の朝まで降り続くらしいわよ」


ガヴ「マジかよ」


サターニャ「ま、幸い明日は休みだし?あんたもどうせネトゲで家に引きこもるんだから関係ないでしょ」


ガヴ「まあな」


サターニャ「ネトゲばかりしててよく飽きないわね。いつか本当に落ちこぼれになるわよ」


ガヴ「落ちこぼれで結構だ。それにネトゲには夢と希望が詰まってるんだぞ」


サターニャ「まさにダメ人間が言いそうなセリフね」

ガヴ「私から言えば、私みたいな駄天使によくお前らが付き合ってられるなって感心するね」


サターニャ「それはあんたが友達だからでしょ」


ガヴ「・・・友達?」


サターニャ「ちょっと!そんな不思議そうな顔しないでよっ傷つくじゃない!」


サターニャ「・・・え?私たち友達よね?ね?」


ガヴ「冗談だって」


サターニャ「ほっ・・・びっくりさせないでよ」


ガヴ「いや、普段私のことライバルとか言って突っかかってくるからさ。お前から改めて友達なんて言われて少し面食らっちまったよ」


サターニャ「っ///」

サターニャ「いくら私でも仲良くない人にあそこまで絡まないわよ・・・」


ガヴ「その理論だとお前、超絶友達少ないってことになるんだが」


サターニャ「ふ、フフン・・・私はいずれ地獄の支配者になるもの胡桃沢・サタニキア・マクドウェルよ!!孤高にして偉大、故に友達なんてものは必要ないわ!」


ガヴ「足震えてるぞ」


サターニャ「う、うるさい!いい!?私は友達が少ないんじゃなくて私からあえて遠ざけてるのよ。その辺勘違いしてもらっては困るわ!」


ガヴ「むしろお前のおバカな行動で、周りがドン引きしてる感はあるがな」


サターニャ「うぅ~・・・」グヌヌ


ガヴ「まぁいいんじゃね?そのほうがお前らしいし」


サターニャ「そ、そう?・・・ふふ、そうよね。さすが私が認めたライバル、わかってるじゃない!」

ガヴ「それにさ」


サターニャ「?」


ガヴ「上辺だけの関係の友達擬きが多くいるより、少ないけど信頼できる奴がいるほうが私はいいと思うがな」


サターニャ「・・・そうね」


サターニャ「あんたにしては、珍しく良いこと言うじゃない」


ガヴ「なんでそんなに上から目線なんだ・・・」


サターニャ「これも私らしさよ。ガヴリールもわかってるでしょ」


ガヴ「わかってるがそれが良い事かどうかは別問題だぞ」


ガヴ「あ、お前反対側の肩びしょ濡れじゃん」


サターニャ「まぁ二人で入ったらそうなるわね」


ガヴ「・・・すまん」


サターニャ「な、なによ急に謝っちゃって。ガヴリールらしくないじゃない」


ガヴ「あのな・・・仮にも私は天使だぞ。自分の為に誰かが犠牲になったら微かに残った良心が少しは痛むよ」


サターニャ「犠牲って大げさな・・・あんたは大丈夫?濡れてないわね?」


ガヴ「あぁ、おかげさんで。だからもう少しお前のほうに傘を寄せてもいいぞ」


サターニャ「それだとガヴリールが濡れちゃうでしょうが。・・・もう、だったらこうよ」ダキヨセ


ガヴ「ちょっ///」


サターニャ「こうやって引っ付けば二人とも当たらないでしょ」


ガヴ「女の子同士とはいえ、腕組むのはさすがの私も恥ずかしいぞ」

サターニャ「そう?ただの仲良しに見えるだけだと思うから、大丈夫よ」


ガヴ「お前と仲良しだと思われるのも、それはそれで恥なんだけど」


サターニャ「どういう意味よ!?」


ガヴ「それくらい自分で考えろバカ」


サターニャ「ムキーーーッ!!この私がせっかく入れてあげてるのに、その態度はどうなのよ!!」


ガヴ「・・・まぁでも、たまにはこういうのもいいかもな」


サターニャ「・・・ふん、最初からそれくらい素直でいなさいよバカリール」

サターニャ「そういえば、4人で海に行った日もこんな雨の日だったわね」


ガヴ「あーそうだったな」


サターニャ「でも駅到着して、どうしようかって悩んでるうちに奇跡的に雨がやんで晴れだしたのよね」


ガヴ(ある意味本当の『奇跡』だけどな・・・)


サターニャ「私の日頃の行いが良かったおかげかしら」


ガヴ「それだけは絶対ないと思うけど、悪魔なのに行いが良くていいのかよ」


サターニャ「・・・はっ!!」


ガヴ「バカだなお前」

サターニャ「ま、まぁでも?それなりに楽しかったからいいのよ!終わりよければすべてよしってやつね」


ガヴ「人間スイカ割りされそうになったのにポジティブな奴だな。人間じゃないけど」


サターニャ「ほんとよ!でもガヴリールのことだから、絶対殴らないと思ってたわ」


ガヴ「あんだけ叫んどいてよく言えたな」


サターニャ「・・・っそ、そりゃあ誰だって急にあんなことされれば怖いわよ!目隠しはずれてるし、そのずれた目から見えるあんたの目は、マジだったもの・・・軽く死を覚悟したわよ」


ガヴ「さっそく言ってること矛盾してるぞ」


サターニャ「あんなのいじめよ!?私じゃなかったら、ショックすぎてガヴリールになってるところだったわ」

ガヴ「おいどういうことだ」


サターニャ「どうって引きこm」


ガヴ「フンッ!」ドスッ


サターニャ「ぐへっ」


サターニャ「ひ、久しぶりの鳩尾・・・」


ガヴ「お前がムカつくこと言うからだ」


サターニャ「だって本当のことじゃない。学校さぼってネトゲ、休日は家に籠ってネトゲ・・・着実に引きこもりへの道を歩んでいるわよ」


ガヴ「事実だけどムカつくからもう一回殴ろか」ポキッポキッ


サターニャ「ごめんなさい」

ガヴ「はぁ・・・でもこんなことできるのもお前だけだよ」ボソッ


サターニャ「?なんか言った?」


ガヴ「別に、いいサンドバッグだなって言っただけだ」


サターニャ「私の扱いひどくない!?」


サターニャ「もっと私の処遇改善を要求するわ!」


ガヴ「おぉ・・・珍しくサターニャが難しい言葉を使ってる」


サターニャ「バカにしてんの!?私だってそれくらい言えるわよっ」



サターニャ「うぅ・・まだ少し鈍い痛みが」


ガヴ「自業自得だ。悔い改めろ」


サターニャ「うっ・・・」ウズクマリ


ガヴ「?おい、どうした?」


サターニャ「殴られたところが・・・急に激痛・・・」ウググ


ガヴ「はいはい、いいからそういうの」


サターニャ「・・・」


ガヴ「は・・・?ま、まじで・・・?」

サターニャ「ちょ、ちょっと・・・やばい、かも・・・」


ガヴ「え、・・・え?ほんとに・・・そんな、いや私・・・」アオザメ


サターニャ「うぐっ・・・痛いっ・・・」


ガヴ「おい・・・しっかりしろよ!!はっ、そうだ!救急車・・・っ」アワアワ


サターニャ「・・・ぷっ」


ガヴ「あれ・・・ちょっ、携帯どこだ・・・!?くそ、こんな時に・・・!!」


サターニャ「なぁ————はっはっはっは!!」


ガヴ「・・・は?」


サターニャ「引っかかったわねガヴリール!全て噓よ、そもそも私があの程度のパンチでやられるほどヤワじゃないわ!!」


ガヴ「・・・」


サターニャ「ふふ、無様ねガヴリール。さすがの天使も、この私の悪魔的演技(デビルズアクティング)を見破ることはできなかったようね!・・・ってガヴリール?」


ガヴ「———っよかった・・・!!」ダキッ


サターニャ「ふぇ!?///きゅ、急に抱き着いてどうしたのよ」


ガヴ「くそっ・・・心配させんじゃねーよバカ!!本当にやばいかと思っただろうが・・・っ」


ガヴ「お前が死んだら・・・わたし、わたしは・・・」グスッ


サターニャ「死!?ていうか、もとはと言えばあんたが・・・。・・・ふぅ、バカねガヴリール。この大悪魔サタニキア様がそう簡単にくたばるわけないでしょーが」ナデナデ


ガヴ「ほんとに、ほんとになんともないんだな・・・!?」


サターニャ「えぇ、なんともないわ!」

ガヴ「そうか、よかった・・・」ニコッ


サターニャ「っ!?」ドキッ


サターニャ(あれ?ガヴリールってこんなに可愛かったかしら・・・?)


ガヴ「・・・サターニャ?」


サターニャ「・・・///と、とにかくこれで涙を拭きなさい。本当に無様な顔よ、あなた」つハンカチ


ガヴ「あ、すまん・・・」フキフキ


サターニャ「それにしても意外だったわ・・・ガヴリールがあんなに心配して慌てるなんてね」


ガヴ「当たり前だろ・・・私の悪ふざけで友達が死ぬなんて、悔やんでも悔やみきれないし・・・それに、悲しいよ」


サターニャ「ガヴリール・・・」


ガヴリール「・・・最終確認だが、ほんとに、ほんとーになんともないんだな?」


サターニャ「あんたもしつこいわね・・・さっきも言ったけど、あんたのパンチごとき、痛くも痒くもないわ!」


サターニャ(ほんとは結構痛かったけど)


ガヴ「そうか、それを聞いて安心したよサターニャ」ゴゴゴゴゴ


サターニャ「えぇ、だから安心し・・・・・・・・・あれ?あの、ガヴリール・・・?なんか怖いんだけど」


ガヴ「何を言ってるんだサターニャ。もしかして、勝手にいい感じに締めてハッピーエンドなんて、よもや思ってないだろうな?」ニコッ


サターニャ「ひっ」ゾクッ


サターニャ(笑顔だけど目が笑ってない!!)


ガヴ「サターニャ言ったよな?私のパンチなんて痛くも痒くもないって」


サターニャ「え!?いや、実はすこーし痛かった、かもしれない・・・わ?」アハハ…


ガヴ「またまた、サターニャは冗談がうまいなぁ。大悪魔翌様が私みたいな貧弱駄天使のパンチ、痛がるわけないじゃん?」ニコニコ


サターニャ「」

サターニャ(あ、ダメだわこれ。割と本気で怒ってるわ・・・)


ガヴ「さーてと」ポキッポキッ


ガヴ「私も天使の端くれだ。最期に神へ祈る時間を与えてやる」


サターニャ「え、えーっと・・・私悪魔だから、神に祈ることはできないっていうか・・・って完全に[ピーーー]気!?」アセアセ


ガヴ「ないようだな。残念だサターニャ、こんなところで別れることになるとはな」


サターニャ「ちょっとぉ!!あんたさっき言ったじゃない!友達が死ぬのは悲しいって!!今まさに同じ過ちを繰り返そうとしてるんだけど!?」


ガヴ「サターニャ?」ニコォ


サターニャ「ひ、ひゃい・・・」ブルブル


ガヴ「悔い改めろ!!」ドカッバキッドスッ


サターニャ「ちょ、それはやばっ・・・ギャァァァアァァ!!!!」

サターニャ「うぅ~~~・・・えぅ、ひぐっ・・・」


ガヴ「ったく・・・」


サターニャ「全身が痛い・・・」ヒグッ


ガヴ「これに懲りたら、もうあんなくだらない真似はするなよ」


サターニャ「うん・・・」


ガヴ「ならいい。・・・はい」


サターニャ「・・・なによ」


ガヴ「これで仲直りだ。さっきみたいに腕組むぞ、早くしろばか///」


サターニャ「!!・・・し、しかたないわね!」ダキッ

ガヴ「さっき暴れたせいで結構濡れちまったな・・・」


サターニャ「そうね・・・」


ガヴ「・・・今ふと思ったんだが、私らどっちの家に向かってるんだ?」


サターニャ「え?ガヴリールの家じゃないの?」


サターニャ「あんたを送ってから、私は帰ろうかなって思ってたんだけど」


ガヴ「そうなのか?私はお前んちに行ってから、そのまま傘借りて帰ろうかなと思ってたんだが」


サターニャ「また傘持ってくるのは面倒じゃない?いいわよ、私があんたを家まで送るわ」


ガヴ「そうか、悪いな」


サターニャ「そしてガヴリールの家で、お菓子をたくさんいただくのよ!」


ガヴ「やらねー・・・いや、少しくらいならいいぞ。上がってくか?」


サターニャ「え?・・・あ、うん。ならお邪魔するわ」


サターニャ(なんか変に優しいわね・・・調子狂うわ)


ガヴ(さっきは少しやり過ぎた気もせんでもないからな・・・)

サターニャ「あ、蛙!」


ガヴ「あ、おい!急に動くなよ・・・」


サターニャ「えへへ、蛙って面白い顔してるから結構好きなんだよね~」


蛙「ゲコッ」


ガヴ「へぇ~確かに変わった顔してるけど、お前には負けると思うぞ」


サターニャ「どういう意味よ!!」


ガヴ「見るのはいいが、今は触るなよ」


サターニャ「無視!?・・・ってなんでよ?」

ガヴ「は?お前蛙触った手で私に触れるつもりか?」


サターニャ「もしかして、蛙苦手なのかしら?」ニヤニヤ


ガヴ「違う。衛生的な面でだ」


サターニャ「ちぇっ、つまんないわね。ラフィエルなら面白い反応見せてくれるのに」


ガヴ「ラフィエル?なんでアイツが出てくるんだ?」


サターニャ「あんた知らないの?ラフィエルのやつ、蛙が苦手なのよ!」フフーン


ガヴ「ふーん、意外だな」


サターニャ「でしょでしょ!?私も初めて知ったときびっくりしたわよ。私がラフィエルにも蛙を見せようと振り向いたら、さっきいたはずなのにいないくてね?どこかなって思ったらププッ、滅茶苦茶遠いところまで逃げてたのよ!!クフフ、その時の顔がまた傑作で————」


ガヴ「お、おう」

ガヴ(ラフィエルの話になった途端えらく饒舌だな・・・)ズキンッ


ガヴ(・・・?なんだ?胸の奥がズキンって・・・)


ガヴ(もしかして、嫉妬・・・?まさか・・・な)フッ…


サターニャ「———で、私が追いかけまわして・・・って聞いてる?」


ガヴ「おー聞いてる聞いてる。お前の顔に鳥の糞が追ってきて、それにびっくりして思わず落としたメロンパンを犬に盗られた話だろ?」


サターニャ「ぜんっぜん違うわよ!!」


ガヴ「どうでもいいから行こうぜ」


サターニャ「どうでもいいって・・・ちょ、引っ張らないでよ!」

サターニャ「今更だけど、今日はヴィネットやラフィエルと一緒じゃなかったの?」


ガヴ「あぁ、あいつら揃いも揃って用事があるからってさっさと帰っちまったよ」


ガヴ「つかラフィエルに至ってはお前のほうがわかるんじゃねーの?」


サターニャ「へ?なんで?」


ガヴ「いや、だって最近お前ら仲いいじゃん」


サターニャ「正気?そう見えるならガヴリール、あんた相当目が悪いわよ」


サターニャ「あいつは天使の皮を被った悪魔よ・・・苦汁をなめさせられたこと数知れずだわ!」


ガヴ「そ、そうか・・・」ホッ


ガヴ(またこの感じ・・・サターニャがラフィエルのことなんとも思ってないとわかっただけで、なんでこんなに安心してるんだろ)

サターニャ「それを言うなら、あんたもヴィネットと仲いいじゃない」


ガヴ「ヴィーネ?まぁ確かに仲は良いほうだな。いつもこんな駄天使の世話やいてくれるし」


サターニャ「あんたたちって絶対天使と悪魔逆よね」


ガヴ「私でもそう思う」


サターニャ「確か、お互いに下界来て間もない頃に偶然知り合ったのよね?」


ガヴ「そうだな。道に迷ってたヴィーネを新居まで連れて行ってやったんだよ。思えばあの頃から、ヴィーネのまじめでだけどどこか抜けてる片鱗が見えてたんだよな。あ、そうそう。そういえばあいつ、結構前だけど私の部屋を掃除するとか言いながら、Gに驚いて三又槍を室内で振り回しだしたんだよ!当然私の部屋は滅茶苦茶になってな、ほんとありえねー———」


サターニャ(な、なんかヴィネットの話題になった途端急に元気になったわね)モヤモヤ


サターニャ(・・・なんか面白くない)

サターニャ「へ、へぇ~そう。そんなことより、あんたの家、なんのお菓子があるのよ」


ガヴ「・・・いきなり話題の方向性が変わったな。何って言われても、普通のクッキーとかポテチとかだぞ」


サターニャ「メロンパンは!?」


ガヴ「さすがにない」


サターニャ「えぇー・・・」


ガヴ「いや、そんな顔されても・・・」


サターニャ「いいわよ、もう!」ムスッ


ガヴ(なにキレてんだこいつ)


サターニャ(別にガヴリールは悪くないのに、なんでこんなにムカムカするのかしら・・・)

ガヴ「・・・今度来るときはメロンパン用意してやるから、今日はクッキーとポテチで我慢しろ」


サターニャ「ほんとに!?約束よ!!」


サターニャ(ふふ、ということはまた遊びに行っていいってことよね!?それにメロンパンも食べられるなんて、一石二鳥だわ!!)


ガヴ「あぁ」


ガヴ(機嫌悪くなったと思ったらご機嫌になってやがる・・・忙しい奴だな)


サターニャ「私、あの駅前で限定販売してるやつが良いわ!」


ガヴ「調子に乗るな。・・・一応見てみるが」


サターニャ「あんたの働き、大いに期待しているわ!」


ガヴ「うざいなぁ・・・あ、声に出てた」

サターニャ「あと少しであんたの家ね」


ガヴ「そうだな。やっぱ誰かと一緒に帰ると、この怠い道のりも少しはマシに思える」


サターニャ「そうね。雨は相変わらず降っているけれどね」


ガヴ「・・・でもまぁ、今日ばかりは雨に感謝かもな」


サターニャ「?」


ガヴ「雨が降っていたから、こうやってお前と一緒に帰れたと思うんだよ」


サターニャ「っ///」ドキッ


ガヴ「やっぱいじり甲斐のあるやつが一緒だと、暇しないし」


サターニャ「あぁ、そういう・・・」


ガヴ「なに残念そうな顔してるんだよ」


サターニャ「べっつに!なんでもないわよ」


ガヴ「情緒不安定かよ・・・」


サターニャ「あんたが紛らわしいこというからよ」


ガヴ「紛らわしいって何が・・・あぁ、そういうことか」ニヤッ


ガヴ「もしかして私が、サターニャと一緒に帰れて嬉しいって言うとでも思った?ふっ、残念だったな、期待が外れて」


サターニャ「なっ///ち、違うわよ!何言ってるのバッカじゃないの!?///」


ガヴ「おーおー顔真っ赤じゃんお前。さては図星だな?」ニヤニヤ


サターニャ「うぅ~・・・っ///このバカリール!」


ガヴ「何とでも言え、私にはノーダメだがな!」


サターニャ「ぐぬぬ・・・っ」


ガヴ「前から思ってたけど、お前って実は構ってちゃんだろ?」


サターニャ「はぁ!?今度はいったい何を言い出すのよ」


ガヴ「いやだってさ、勝負しろーとかいう割にノープランだったり、お前自身もわからないくせに知ったかぶって絡んできたりもするしさぁ・・・なによりウザ絡み多いじゃん」


サターニャ「そ、それは・・・」


ガヴ「海の予定決めるときも傑作だったなぁ。夏休み暇アピールしながらチラチラこっち見てたじゃん?なんかウザい通り越して哀れに思えてきたよ」


サターニャ「・・・///」カァァ


ガヴ「私もそうだけど、お前もつくづく不器用な奴だよな」

サターニャ「・・・・・・・・・だって、恥ずかしいし、何よりも私は大悪魔、胡桃沢・サタニキア・マクドウェル。自ら下等な人間や天使に対して頭を下げるなんてできないわ!」


ガヴ「・・・・・・はぁ~」タメイキ


サターニャ「・・・ため息ついたら幸せが逃げるわよ」


ガヴ「うっせ。・・・お前は難しく考えすぎなんだよ。大悪魔かなんか知らんが、友達なんだから普通に遊ぼうって言ってくれりゃいいんだよ。それに別にお前の空っぽな頭下げられたところで、なんも嬉しくねーし」


サターニャ「・・・そうね、あんたの言うとおりだわ。けど———」


ガヴ「ま、私は普通に断るがな」


サターニャ「待って。今の話はなんだったの!?」


ガヴ「だって怠いじゃん。私は海や山や温泉よりもネトゲがしたい」


サターニャ「」

サターニャ「真剣に聞いて損したわ」


ガヴ「私の話は99%適当だからな」


サターニャ「残りの1%は?」


ガヴ「さあ、何だろな」


サターニャ「なによそれ」クスッ


ガヴ「・・・おっと」ツマズキ


サターニャ「・・・っと大丈夫?あんたがこけたら、腕組んでる私まで巻き添えになるんだから気をつけなさい」ダキカカエ


ガヴ「ん、すま・・・あ」


サターニャ「・・・っ///」


ガヴ・サタ(顔、近い///)


サターニャ(・・・あ、ガヴリールってこんな匂いがするんだ・・・なんだか落ち着く匂いね///)


ガヴ(・・・これがサターニャの匂い・・・結構好きな匂いだな///)


サターニャ「・・・・・・ちょ、ちょっとあんた、なんか顔赤くない?///」


ガヴ「そ、そんなことないし///お前こそ真っ赤じゃん!!」


サターニャ「はぁ!?///あんたのほうが———」


ギャーギャー


ガヴ「ハァハァ・・・やめよう、誰も得しない」


サターニャ「ハァハァ・・・そうね、もう行きましょう」

サターニャ「あ、あんたの家着いたわよ///」


サターニャ(やばいわ・・・ドキドキが止まらない///あれから一言もしゃべらなかったし、一体どうなってるのよ・・・)ドキドキ


ガヴ「そ、そうだな///」


ガヴ(なにこれさっきからずーっと心臓バクバクなんだけど!///)ドキドキ


ガヴ「・・・あがるか?///」ドキドキ


ガヴ(できれば断ってくれ・・・今の状況でお前とまともに顔合わせれそうにないぞこれ///)


サターニャ「えーっと・・・きょ、今日はやっぱり遠慮しとくわ///宿題もあるしね///」ドキドキ


サターニャ(宿題なんてしないけど、今の状態で上がっても気まずいだけだわ・・・///)


ガヴ「(ホッ…)そ、そうか・・・じゃあまた今度な///」


サターニャ「えぇ、また遊びに来てあげるわ!///」


サターニャ「・・・じ、じゃあね///」テクテク

ガヴ「・・・・・・・」


ガヴ「・・・・・・サターニャ!!」


サターニャ「」ビクッ


サターニャ「な、なによ!」


ガヴ「私、普段はあんなにそっけない態度ばっかとってるけど!お前のこと、嫌いじゃないから!!」


サターニャ「!!」


サターニャ「バカね!!それくらい、サタニキア様にはお見通しよ!!」ニコッ

ガヴ「・・・!」


サターニャ「それに私も・・・あんたのこと、メロンパンの次くらいに好きよ!!」


ガヴ「・・・・・・私はメロンパン以下かよ。・・・あはは、あいつらしいな」


ガヴ「・・・・・・あ!サターニャ、後ろ!!」


サターニャ「え?後ろ?」


トラック「」ブロロロロロ…バシャーン


サターニャ「きゃあ!!」バシャバシャ


ガヴ「あ~あ・・・」


サターニャ「」ビショビショ


サターニャ「」テクテクテクテク


ガヴ(なんか無言でこっち来るんだけどこわい)


サターニャ「ガヴリール・・・」


ガヴ「まぁ、そのなんだ・・・とりあえず上がるか?」


サターニャ「うん・・・」グスッ


ガヴ(まったく、世話の焼ける・・・まぁでも今日くらいは)


サターニャ「くしゅんっ、うぅさむいぃぃ~・・・」ブルブル


ガヴ(まぁいっか)


ガヴ「・・・♪」


ホラ、トリアエズフロバイケ フロバドッチヨー アッチダ




おわり

とりあえずガヴサタが二人で雑談してるとこが書きたかっただけのss

ガヴサタはいいぞ

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