「ちっ。どこに消えやがった」

「やだ。アライグマ？　最近多いのよねえ」

「怖いからさっさと駆除して欲しいわぁ」

「アライグマ？　見たい見たい！」

「めっ！　ばっちいからさわっちゃダメよ」

「噛まれたら狂犬病になるかもしれんぞ！　気をつけろよ！」

アライグマ「アライさんは噛んだりしないのだ……」

アライグマ「どうしてアライさんがこんな目に合わなくちゃいけないのだ……」

アライグマ「ひもじいのだ……」

アライグマ「でも畑に行くとまたいじわるされるのだ……」

アライグマ「どうすればいいのだ……」

アライグマ「フェネック……」

…………

アライグマ「昨日は疲れて寝てしまったのだ……」

アライグマ「ジャパリまんが食べたいのだ……」

「この辺ですかね？」

「ええ。天井からゴソゴソと音がして……」

「ハクビシンかアライグマだと思うんですけど」

「ちょっと天井に穴をあけて確かめてみますね」

「お願いします」

アライグマ「何やら下が騒がしいのだ」

ｷﾞｭｲｲｲｲｲｲｲﾝ

アライグマ「ひっ！」

ﾎﾞｺｯ

アライグマ「なんなのだ！　アライさんは何も悪いことはしてないのだ！」

「あ、いましたよ奥さん」

「キュウキュウ鳴いてますね」

アライグマ「話しかけているのにどうして無視するのだ！」

アライグマ「怖いのだ……」

アライグマ「脚がすくんで動けないのだ……」

「動かないですね。煙で燻して外に出しましょう」

じゅわ～

アライグマ「げほっ。嫌な匂いなのだ。そして息がしづらいのだ……」

アライグマ「このままじゃアライさんは……」

アライグマ「逃げるのだ！」

「あっ。逃げた！」

アライグマ「はぁっ、はぁっ」

アライグマ「フハハハハ。アライさんの脚が速くなったみたいなのだ！」

アライグマ「でも、なんだか、いつもより息が切れやすいのだ……」

アライグマ「ふぅ……ふぅ……」

アライグマ「おかしいのだ。アライさんは体力には自信があったのに」

「あ～マジでうぜぇ～」

アライグマ「！？」

「くそ、ネットの奴ら……アナグマ殺しただけで散々叩きやがって」

「害獣殴って何が悪いんだよクソが」

「おいおい。アライグマじゃねえか」

アライグマ「ひっ」

「ちょうどいいわ。お前でストレス解消してやるよ」

「へへ、このバットでフルスイングしてやるぜ」

アライグマ「やめるのだ……アライさんが何かしたのなら謝るのだ……」

アライグマ「お願いしますなのだ……」

「やめるんだ！」

「あ、あなたは！」

「バットは動物を殴るためにあるんじゃない。ボールを打つためにあるんだ」

「プロの打球見せてください！」ﾎﾞｰﾙﾎﾟｲｰ

「ﾌﾝｯ!」ﾌﾞｵｫﾝ

ぼてっ

ころころ……

「……」

「辛いです……」

――ジャパリパーク


アライグマ「フェネック～」

フェネック「アライさーん。パークの外に出ちゃダメって言ったじゃないかー」

フェネック「勘違いして1人で船を漕ぎだしたときは何事かと思ったよー」

アライグマ「怖かったのだ～アライさんにはフェネックが必要なのだ～」

フェネック「……そうだね」

アライグマ「フェネック？　目が怖いのだ」

アライグマ「フェネックやめるのだ！　そんなところ触っちゃいけないのだ！」

アライグマ「フェネック～！」